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平成22年度 第2回 山形県総合政策審議会土地利用部会 議事録 協議1

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平成22年度 第2回 山形県総合政策審議会土地利用部会 議事録 協議1
平成22年度 第2回 山形県総合政策審議会土地利用部会 議事録
協議1 山形県土地利用基本計画(計画書)の変更について
資料1~3により事務局(県)から説明した。このことについて委員からの
意見等はなく、山形県土地利用基本計画のうち計画書の変更案は、異議なしで
答申することに決定した。
協議2 山形県土地利用基本計画(計画図)の変更について
資料4~6、参考資料により事務局(県)から説明した。このことについて
委員からの意見等は以下のとおり。
今田委員:農業地域からの除外が3件ありますが、全て農振農用地からの除外
でしょうか。
事 務 局:上山は農振農用地、村山の2件は農振白地からの除外の案件です。
今田委員:上山の案件ですが、上山市からの要望が強いとの説明があり、参考
資料には住民も望んでいると記載されていますが、反対意見もある
のではないですか。
事 務 局:参考資料には中心商店街の人々の意見を掲載しております。もちろ
ん中心商店街やその他住民の方々が反対している人がいないのかと
いう点については、様々な意見が出るであろうと思っております。
ただ、県は上山市から、非常にここ何年にもわたりまして、いろん
な会議の場、いろんな機会に応じて、どうしても商業が足りないと
いうことを切に住民の方から訴えられていることをお聞きしており
ます。
今後、2月 14 日には上山市民の方を対象とした説明会、2月 21 日
には公聴会の開催を予定しております。そのなかで、出された意見
も踏まえながら決定したいと考えております。
今田委員:中心市街地にある既存の商業施設の経営は決して楽ではないと聞い
ておりますが、新たに商業施設ができた場合、既存の商業施設の経
営は大丈夫なのかという危惧はあります。
上山市の要望を聞くと、この仙石地区に商業施設を作ることはやむ
を得ないと思います。ただ、新たな商業施設ができることで山形市
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への顧客の流出が食い止められるという考えは本当にそうなのかと
思いますね。
旧上山競馬場から山形市南部の商業施設に向かう道路が整備された
ので、中小規模よりも大規模な商業施設に向かう人もいるのではな
いかと思います。山形市南部の商業施設に対抗できるのか。近いか
らいいのか。賛否が分かれるところではないでしょうか。
長岡委員:この案件はやむを得ないと思いますが、上山で商業が成り立たない
というのは、結局、上山市民が働いている場所や道路が関係してい
るのではないでしょうか。
平成 17 年から要望があるということですが、すでに5年経過して、
旧上山競馬場跡地に工場が建つなど、周辺の状況が変わっておりま
す。そういったことを考えますと、長年の要望ではありますが、こ
こが商業施設に適切な場所かどうかは少し不安がございます。
参考資料1頁にある自市町村購買依存率ですが、上山市は4店舗で
前回調査に比べて 7.7%低下しておりますが、例えば村山市は上山市
より少ない3店舗で自市町村購買依存率が増加しています。店舗が
増えたからといって顧客の流出を止められるのでしょうか。
国道 13 号線から仙石地区を見ますと、現状では上山の入口と気付か
ずに過ぎ去ってしまいます。地域の人たちが考えて上山らしさを出
す工夫をなさるでしょうが、日本全国では、大きな道路沿いには同
じような施設が建てられており、同じような顔の街になっていると
思います。そういう意味で不安に感じる部分はあります。
それにこの近くに上山明新館高校がありまして、都会で育ったもの
にとってはこんな広々とした空間で高校生活を送れたらいいなと思
う場所です。商業施設ができることによる高校生への影響も気にな
りました。
小林部会長:私の方から2点よろしいでしょうか。1点はですね市街化区域へ
の編入の方向であるとの説明がありましたが、農振農用地区域か
ら除外を行う案件であります。農振農用地区域から除外を行う理
由の説明をお願いします。
もう1点は、上山市の都市計画マスタープランにおける位置づけ
では、当初は街の入口として温泉町や中心市街地への導入部とし
ての活用がうたわれていますが、商業機能という位置づけではな
いと思います。上山市の都市計画マスタープランの位置づけは残
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っているのではないかと思いますが。この地区に商業機能が入る
ことの説明をお願いします。
事 務 局:農用地区域を市街化区域に編入する場合には、農林水産省と国土交
通省が協議して定めました調整措置がございまして、基本的に優良
農地は市街化区域に含めないことになっております。
原則として含めない地区とは、土地改良事業等の公共投資を行って
事業完了8年を経過していない農地です。また、高性能な機械によ
る農作業が可能な地域、いわゆる三反区画です。これは、1枚の田
が 30 アール以上の区画で、しかも平均収量がその地域(市)の平均
を上回るような高生産性のある農地を言います。
今回、市街化区域に編入を計画している地区は、ほ場整備は行われ
ておりますが、昭和 40 年代でございます。また、1区画が大きくて
も2反歩程度ですので、小規模な区画です。さらに、果樹などが混
在しておりまして平均収量も市の平均を下回っております。調整措
置上の原則市街化区域に含めない区域には該当しません。
次に、現況農用地については、原則として農地として使用すること
になっておりますが、必要最小限で都市的利用に供する場合には、
農業への影響が少ないところから必要最小限の面積を都市的利用に
供することになっております。
今回の8ヘクタールの規模につきましては、上山市に商業施設が不
足しており、必要な面積を積み上げたところ8ヘクタールになると
理解したところです。
場所につきましては、8ヘクタールを市街化区域内に確保できるか、
次に、農振白地地域内に確保できるかを検討しました。その結果、
どちらも該当しないため、農用地区域に用地を求めざるを得ないこ
とになりました。
上山市仙石地区市街化区域編入に関する参考資料 14 頁をご覧くださ
い。候補地を①から③まで選定いたしましたが、農振法では 10 ヘク
タール以上が集団的優良農地になります。例えば、①を選定した場
合、②の部分が 10 ヘクタールを割り込んでしまいます。②を選定し
た場合、①の部分が 10 ヘクタールを割り込んでしまいます。③を選
定した場合、①と②で 16 ヘクタールの農地を確保できます。
認定農業者への影響ですが、農業上の施策といたしましては、認定
農業者の方に農地を集積しまして効率的な農地の利用を進めており
ますので、認定農業者の方がどれだけこの①から③に土地を保有し
ているかというところで検討いたしました。
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①、②とも、2名で 20 パーセント程度を占めており、③は所有者が
ばらばらであり、認定農業者が所有する農地は数パーセントでした。
①、②については、この2名の認定業者の方に農地を集積して効率
的な利用を進められますが、③については、所有者がばらばらであ
ることから認定農業者への影響が少ないと考えられます。
こういった農業への影響を考慮した結果、③の市街化区域への編入
はやむを得ないとの判断に至りました。
2つ目のご質問ですが、参考資料6~8頁の上山市都市計画マスタ
ープランでは、沿道活用拠点として、広域幹線道路から温泉街や中
心市街地への導入部と表現されております。参考資料 12 頁をご覧く
ださい。これは平成 14 年の上山市国土利用計画でございますが、赤
枠で囲まれている部分には、
「カミンを中心とした複合商業ゾーンと
の調和と相互補完を図りながら新たな広域的商業地を形成する区域
であり、沿道サービス型商業ゾーン」と記載されております。また、
そのことは 13 頁にも記載されております。
参考資料の4頁をご覧ください。今回、農用地区域からの除外を御
審議いただくのは、赤く染められた部分でございます。その南には、
金生土地区画整理事業というのがございます。ここは既に住宅地に
なっているのですが、この住宅地に住む方に商業的な日用品を提供
する機能というのは、この区画整理のあとにもう一度整備する考え
がございました。
ところが時代の趨勢から人口が減少してきておりまして、この北側
に新たな土地区画整理事業を行う時代ではなくなりました。そうい
う意味でもともと商業機能を付けていこうと思っていたものだけが
残されてしまったというのがございます。
そういうこともございまして平成 10 年の都市計画マスタープランで
は、商業機能の言葉が無く、中心市街地への導入という言葉だった
のですが、平成 14 年の上山市国土利用計画の改定では、商業機能の
部分も併せた表記が必要であるとの考えから直したとの説明を上山
市から受けております。
小林部会長:他にご意見はありますか。
一同:特になし。
小林部会長:農用地区域を市街化区域に編入するということに関しては、農業
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サイドから様々な観点から検討した結果、市街化区域への編入は
やむを得ないとの判断に至ったとのことです。
資料にありますように市街化区域に編入するということで、長年、
市の国土利用計画に位置づけておりまして、市民の間での合意が
図られてきている。また、周囲にこういった開発が引き続き行わ
れるのではないかという点に関しては、農業サイドからのご説明
のように南側の地区に関しては、認定農業者の方もおり、営農意
欲が高い。
そして、この地区の内部の環境の維持、向上については、用途や
地区計画、あるいは特別用途地域によってコントロールしてゆき
たいとの説明がありました。
確かに私どもが商業的な観点に立ちますと、本当にこの場所で成
り立つのか。中心市街地に影響はないのか。あるいは、公的な資
金を投入したカミンに影響を与えないのか。といったことを心配
するところがあります。
そのことのつきましては、事務局より、農業及び都市計画サイド
で検討がなされ、広域調整もなされ、諸条件も整ってきていると
の説明がありました。
私どもが審議した県の土地利用基本計画の計画書のなかにも「土
地利用は拡大型から集約型に転換する」と、うたっております。
また、都市計画法も平成 18 年に改正しましてコンパクトシティを
基本概念としまして、大規模店舗に関しては規制を強くしたばか
りであります。
そういう状況のなかで、こういった商業目的の市街化区域編入は、
そうですかと簡単に言えないところもありますが、慎重な検討が
なされている。また、長年の合意が積み重なってきておりますの
で、ご異論がなければ、原案のとおり認めたいと考えております
がいかがでしょうか。
一同:異議なし。
小林部会長:他の案件についてはご異論ありますでしょうか。
一同:異議なし。
小林部会長:それでは、異議なしと認めます。山形県土地利用基本計画のうち
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計画図の変更案につきましては、異議が無いということで答申す
ることに決定いたしました。
協議3 その他
資料7により事務局(県)から説明した。このことについて委員からの意見
等は以下のとおり。
加藤委員:森林組合は森林所有者が組合員となっておりまして、土地取引の現
場に近いところにいるわけですが、情報がなかなか入らないんです
ね。外国資本による買収は、目立つようですが、今回の米沢市の取
引については、事前にわからなかった状況です。
国土利用計画法上、森林の場合は一般的に1ヘクタール以上が届出
の義務となっておりますが、面積規模がこれでよいのか疑問を感じ
るところです。
届出の面積規模を小さくして、行政側がより情報を把握できるよう
にした方がよいのではないか。もう1つは、事前指導が出来るよう
な制度にならないのか。
現在は、売買契約後に届出があり、適正な利用がなされているかを
審査しておりますが、取引の段階で、利用目的を把握し、指導する
制度が必要ではないかと感じております。
森林組合としても行政側の要請により、情報把握に努めているとこ
とです。
小林部会長:他にございますか。
一同:特になし。
小林部会長:このことにつきましては、前回の部会でも議論になり、マスコミ
に取り上げられて話題となったところです。
農地の規制は厳しく、所有、土地利用がコントロールされており
ます。都市では、土地利用に関して様々な規制があり厳しくコン
トロールされております。それに対して、その周辺部については、
所有や土地利用の規制はさほど厳しくないということが改めて分
かったのではないかと感じました。
土地利用規制制度を考えますと、近代前にあったルールあるいは
地域にある暗黙のルールを徐々に近代法に置き換えてきたような
経緯があります。都市地域の建築関係はいまでも十分といえない
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なかで、隣、近所に対する迷惑など暗黙のルールを意識しながら
常に暮らしてきたのだと思います。
都市部、農村部の周辺の地域の土地利用のあり方、暗黙のルール
というものをもう一度見直すことや公共性、公益性が個人の利用
に隠れていることを思い知らされました。そういったものをきち
んと評価して議論していく必要があるのではないかと思います。
この件に限らず、話題やご意見等はございますか。
一同:特になし。
今田委員:外国人土地法で制限されたことはあるのでしょうか。
事 務 局:第1条の相互主義が適用されたことはありません。第4条の国防上
必要となる地域を指定したことはありますが、廃止されました。現
時点の制限は何もありません。
小林部会長:他にございますか。
一同:特になし。
小林部会長:ないようですので、本日の協議は終了いたします。熱心なご議論
ありがとうございました。
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