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タンパク質の分離・精製

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タンパク質の分離・精製
タンパク質の分離・精製
生体材料
タンパク質の抽出
・ホモジネート
・遠心分離
分別沈殿(塩析)
脱塩
・クロマトグラフィー
・電気泳動
・限外ろ過
生体材料
・動物臓器
・動物培養細胞
・植物組織
・微生物
微生物
培養
前培養
大量培養
集菌
ホモジネート、破砕
機械破砕
超音波破砕
加圧減圧処理
タンパク質の定量
ビウレット法
タンパク質(アルカリ溶液)
+ CuSO4
錯体形成
紫紅、青紫を呈色
540から560 nmの吸光度を測定
フェノール試薬法(Lowry法)
リンモリブデン酸
タンパク質
(還元性基)
リンモリブデンブルー
500から750 nmの吸光度を測定
フェノール類と反応して青色を示すフェノール試薬
(リンモリブデン酸)を用いる。
タンパク質(還元性基)
チロシン、システイン、
トリプトファンなど
・比較的感度が高い。
・特定のアミノ酸残基に依存する。
・還元性物質の影響を受ける。
紫外吸収法
1.280 nmの吸光度
トリプトファン ε 278 = 5550 M-1cm-1
チロシン ε 275 = 1340 M-1cm-1
フェニルアラニン
2.215, 225 nmの吸光度の差
タンパク質のペプチド結合(190-230
nm)
R
3.280, 205 nmの吸光度の比
R
R = H CBB R-250
R = CH3 CBB G-250
C2H5
C
H2
色素結合法
N
C
N+
C2H5
H2C
-
O3 S
クマシーブリリアントブルー
SO3-
陽イオン型
470 nm(赤)
中性型
650 nm(緑)
陰イオン型
NH
595 nm(青)
タンパク質と結合すると陰イオン型になる。
OC2H5
クロマトグラフィー
Vr
tr
二相間の分配に基づく分離法
V0
t0
移動相
固定相
時間または容量
タンパク質の分離には液体クロマト
グラフィーを用いる。
試料注入
V0 :ボイド容量
カラムに保持されずに出てくる
溶出容量
tr
:保持時間
Vr :保持容量
f :流速
Vr = tr × f
Vr B
tr B
Vr A
tr A
V0
t0
A
B
時間または容量
試料注入
理論段数
tr 2
W=4σ
N= σ
tr 2
N = 16
W
tr 2
N = 5.54
W1 / 2
W1 / 2 :半値幅
保持される度合い
容量比(Capacity factor)
k'
Vr – V0
tr – t0
k' =
= t
V0
0
分離係数(Separation factor) α
k'(A)
α=
k'(B)
液体クロマトグラフィーの種類
1.イオン交換クロマトグラフィー
静電的結合
2.ゲルろ過クロマトグラフィー
分子ふるい
3.疎水性クロマトグラフィー
疎水的相互作用
4.吸着クロマトグラフィー
水素結合、ファンデル
(ヒドロキシアパタイト)
ワールス力
5.逆相クロマトグラフィー
疎水的相互作用
6.アフィニティークロマトグラフィー
特異的親和性
1.イオン交換クロマトグラフィー
pHの平衡化
試料の添加
陽イオン交換樹脂
陰イオン性物質
陽イオン性物質
イオン強度:低
高
分取目的タンパク質の必要な基本情報
・等電点
・安定性
タンパク質の電荷とpHの関係
+
電
荷
例えばこの場合
pH 5 陽イオン交換体を使用
pH 8 陰イオン交換体を使用
等電点
4
6
8
10
タンパク質が安定なpH領域
pH
緩衝溶液
緩衝成分がイオン交換体に吸着されれば、pHのずれを
生じるので、そのような組み合わせはさける。
従って、
+
+
陰イオン交換体には、 型
BH
B+H
+
陽イオン交換体には、 型
AH
A +H
を用いる。
2.ゲルろ過クロマトグラフィー
分子ふるい
平衡化
試料の添加
一定の緩衝液による溶出
多孔性樹脂
高分子量物質
低分子量物質
利点
固定相への吸着がないため、タンパク質が変性しにくい。
pHやイオン強度に影響されにくい。
3.疎水性クロマトグラフィー
タンパク質の疎水性相互作用を利用する。
疎水性アミノ酸 W,I,P,F,L,V などが含まれるため。
平衡化
疎水性樹脂
親水性物質
疎水性物質
試料の添加
塩強度:高
塩濃度の違いによる溶出
低
吸着脱離に関する要因
a.温度
疎水結合の強度は温度変化に大きく依存する。
b.イオン
疎水結合はイオンの種類や濃度によって大きく影響される。
アニオン 疎水結合を弱める 疎水結合を強める
SCN ->I->CLO4->NO3->Br->Cl->CH3COO->F->SO42 カチオン
Ba 2+>Ca2+>Mg2+>Li+>Cs+>Na+>K+>Rb+>NH4+
高濃度硫安(NH
c.界面活性剤
4)2SO4によって疎水結合は強められる。
4.吸着クロマトグラフィー
(ヒドロキシアパタイト)
Ca10(PO4)6(OH)2
六角柱結晶
a面:酸性タンパク質が主に吸着
c面:塩基性タンパク質が主に吸着
a、c面の溶出:リン酸緩衝溶液
c面の溶出:KCl, NaCl, CaCl2, MgCl2
c面
a面(b面は等価)
ヒドロキシアパタイト・クロマトグラフィー
平衡化
試料の添加
KCl濃度:
低
c面の溶出
ヒドロキシアパタイト担体
塩基性タンパク質
酸性タンパク質
高
リン酸イオン濃度:
低
高
a、c面の溶出
5.逆相クロマトグラフィー
有機溶媒濃度の違いによる溶出
平衡化
試料の添加
有機溶媒濃度:低
疎水性担体
親水性物質
疎水性物質
固定相:オクタデシルシラン(ODS)など
移動相:水溶液、水溶液・有機溶媒混合溶液
疎水性有機化合物、ペプチド、核酸」の分離
高
6.アフィニティークロマトグラフィー
生化学的な特異的親和性を利用
試料添加
目的タンパク質の
吸着
吸着体固定化カラム
目的タンパク質
不純物
目的タンパク質の
溶出
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