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第4講 タンパク質

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第4講 タンパク質
基礎からわかる生物基礎
第4講
タンパク質
タンパク質とは
アミノ酸が多数結合したもの
チェック!
・タンパク質を構成するアミノ酸は 20 種類
・アミノ酸同士の結合をペプチド結合という
アミノ酸の種類、結合する順番などによってタンパク質の立体構造が異なり、その独特の
立体構造がタンパク質のはたらきを決定する。
タンパク質の種類と性質
細胞や組織の構造をつくるタンパク質(構造タンパク質)
例
ケラチン・・・髪の毛、爪、ひふなど
アクチン、ミオシン・・・筋肉
ヒストン・・・染色体を構成する。
反応や反応の調節にかかわるタンパク質(機能タンパク質)
例
酵素・・・化学反応を触媒する。
ホルモン・・・細胞に作用して細胞のはたらきを調節する。
※ ホルモンにはタンパク質からなるホルモン(ペプチドホルモン)と脂質から
なるホルモン(ステロイドホルモン)、アミノ酸からなるホルモン(アミン系)
が存在する。
細胞膜に存在するタンパク質(膜タンパク質)
例
チャネル・・・ナトリウムチャネルやカリウムチャネル
ナトリウムやカリウムの透過にかかわる。
ポンプ・・・ナトリウムポンプ
ナトリウムの能動輸送にかかわる。
レセプター(受容体)
・・・ホルモンや情報伝達物質と結合して、細胞内に情報を
第 4 講 タンパク質
伝達して反応を調節する。
タンパク質の性質
・熱に弱い・・・一般に40℃を超えると熱変性する。
・酸に弱い・・・一般に強酸下で酸変性する。
酵素の例
消化酵素・・・アミラーゼ
炭水化物(デンプン)を麦芽糖(マルトース)に分解する。
ペプシン・トリプシン
リパーゼ
タンパク質をポリペプチドに分解する。
脂質を脂肪酸とグリセリンに分解する。
カタラーゼ・・・過酸化水素を水と酸素に分解する。
ATPアーゼ・・・ATPを分解してエネルギーを取り出す。
デヒドロゲナーゼ・・・基質から水素を取り出す。脱水素酵素ともいう。
DNAポリメラーゼ・・・DNAをつなげる。DNAの複製時にはたらく。
RNAポリメラーゼ・・・RNAをつなげる。転写時にはたらく。
アミノ基転移酵素(トランスアミナーゼ)
・・・アミノ酸合成時にはたらく。
制限酵素・・・DNAを特定の塩基配列部分で切断する。遺伝子組換えに用いる。
基礎からわかる生物基礎
空欄①~⑱に入る最も適当な語を考え、記入しなさい。
タンパク質は(①)が多数(②)結合によって結合したもので、これを構成する(①)は
(③)種類存在する。タンパク質は、細胞や組織の構造をつくる役割や細胞の反応を調節す
る役割があり、前者には皮膚や髪を構成する(④)やコラーゲン、主に(⑤)の構成タンパ
ク質となるアクチンやミオシンがある。後者には化学反応の触媒となる(⑥)や、細胞に作
用して細胞のはたらきの調節に関与する(⑦)などが挙げられる。
酵素名
はたらき
⑧
デンプン
→
マルトース
⑨
(⑩)液に含まれるタンパク質分解酵素
⑪
膵液に含まれるタンパク質分解酵素
⑫
脂質 →
⑮
過酸化水素
⑰
ATP
⑱
DNAを結合させ、DNAを複製する
(⑬)+(⑭)
→
水
→ ADP
+(⑯)
+
リン酸
+エネルギー
第 4 講 タンパク質
タンパク質のなりたちとはたらきに関する次の文章を読み,(
a
)~(
j
)に入る最
も適当な語を考え,記入しなさい。
(1)
炭水化物や脂肪と同様にタンパク質も C,H,O の3元素を含んでいるが,タンパク質
はこれらの元素以外に十数パーセントの( a
)も含んでいる。また,タンパク質には構
成アミノ酸のシステインやメチオニンに由来する元素(
(2)
b
)を含むものも多い。
ほ乳動物が食物として取ったタンパク質はアミノ酸にまで分解され,その動物体に必
要なタンパク質の合成に使われる。ほ乳動物の消化器官内でタンパク質の分解にはたらく
酵素群はプロテアーゼと呼ばれるが,これには( c
(3)
)や(
d
)などがあげられる。
生体触媒である酵素の主成分はタンパク質である。酵素の最も目立った性質は,それ
ぞれの酵素がある決まった反応にしか作用しないことであり,これを酵素の(
う。また,酵素反応の速さは,温度や(
(4)
f
e
)とい
)にも大きく左右される。
タンパク質は体内の物質の輸送にもはたらく。最も代表的な輸送タンパク質は,ほ乳
動物の血液中で酸素分子を運ぶ(
g
)である。このタンパク質は Fe(鉄)を含み,血液
の赤い色のもとになっている。軟体動物や節足動物の中には,Cu(銅)を含み酸素と結合し
て青色になる( h
(5)
)をもつものがある。
多くのホルモンもタンパク質からなっている。すい臓のランゲルハンス島から分泌さ
れ,血糖量の低下にかかわる(
る(
j
i
)がよく知られている。
)や,副腎髄質から分泌され,血糖量の増加にかかわ
基礎からわかる生物基礎
タンパク質に関する以下の文章中の
1
~
8
に最も適切なものを解答群から選べ。
タンパク質を構成するアミノ酸は,炭素原子に,アミノ基,
1
してできている。最も単純な構造をしたアミノ酸は,側鎖として
基,水素,側鎖が結合
2
が結合したグリシン
である。また,ヒトの体内で合成できないアミノ酸のうち,イソロイシン,ロイシン,
3
は分岐鎖アミノ酸(BCAA)と呼ばれ,最近ではスポーツ飲料などに添加されている。
ペプチド結合は,一つのアミノ酸のアミノ基ともう一つのアミノ酸の
4
1
基が結合して,
1分子が除かれることによってできる。このようにしてできたポリペプチドにおいて,
硫黄を含むアミノ酸である
5
は硫黄どうしで結合をつくる場合があり,この結合は水素
を介する結合(水素結合) より強い。ポリペプチドが水素結合などにより,らせん構造やジ
グザグ構造をとる場合があり,このような部分的な構造を
6
次構造と呼んでいる。タン
パク質がアミノ酸に分解されると,ニンヒドリン反応によって検出することができる。
ところで,タンパク質の異常は,病気と関係することが知られている。例えば,かま状赤
血球貧血症では
1
~
7
5
に,牛海綿状脳症では
8
に異常があると考えられている。
に対する解答群
(1)
アルギニン
(2)
バリン
(3)
アスパラギン
(4)
システイン
(5)
水
素
(6)
酸
素
(7)
リ
ン
(8)
炭
素
(9)
窒
素
(0)
カルボキシル
(a)
水
酸
(b)
アセチル
(c)
亜硝酸塩
(d)
メタン
(e)
アンモニア
(f)
水
6
~
8
に対する解答群
(1)
一
(2)
二
(3)
三
(4)
四
(5)
ヘモグロビン
(6)
アルブミン
(7)
フィブリノーゲン
(8)
プリオン
(9)
アセチル CoA
(0)
ヒストン
第 4 講 タンパク質
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