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北海道における膜翅目ハバチ亜目の樹木害虫 I:ナギナタハバチ科

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北海道における膜翅目ハバチ亜目の樹木害虫 I:ナギナタハバチ科
北海道林業試験場研究報告
№47
研究資料
北海道における膜翅目ハバチ亜目の樹木害虫 I
:ナギナタハバチ科,
ヒラタハバチ科,ミフシハバチ科,コンボウハバチ科
原
秀 穂*
Sawf
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,Ar
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daeandCi
mbi
c
i
dae
Hi
de
hoHARA*
要
旨
北海道に分布する膜翅目ハバチ亜目の樹木害虫であるナギナタハバチ科1種,ヒラタハバチ科9種,ミフシハバチ科
10種,コンボウハバチ科2種について解説した。ニホンチュウレンジは北海道から今回初めて記録されるが,外来種の
可能性は低い。最近道内から記録されたオオルリコンボウハバチは国内外来種の可能性がある。
“ハラグロヒラタハバ
チLy
d
as
e
mi
f
l
a
v
aMATSUMURA,1
9
1
2”の和名をハラアカトウヒヒラタハバチに改称した。
キーワード:北海道,樹木害虫,
ハバチ亜目,
ナギナタハバチ科,
ヒラタハバチ科,
ミフシハバチ科,
コンボウハバチ科
農林水産消費安全技術センターのウエブサイト
はじめに
ht
t
p
:
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www.
a
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a
mi
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go
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p(2
00
9年10月時点)を参考にした。
北海道では森林や樹木の害虫として多くの種が記録されて
1.ナギナタハバチ科 Xy
el
i
dae
きた。しかし,最近になっても外来種の侵入や在来種の害虫
化による過去に例のない害虫被害が観察されている。これら
ナギナタハバチ亜科Xye
l
i
na
e
に属するマルナギナタハバチ
の中には被害未記録の種や害虫の特徴が明確にされていない
1種の被害が確認されている。ナギナタハバチ亜科の幼虫は
種がある。一方,害虫とされてきた種の中には被害が極めて
乳白色,小さな胸脚を持ち,腹脚を欠き,尾端がやや尖る。
軽微なものや被害実態がはっきりしないものが含まれている。
単 眼 は 触 角 孔 に 近 接 し,触 角 は 6 ~ 7 節(SMITH &
また,種の分類学的見直しにより被害との関係が不明瞭にな
MIDDLEKAUFF,19
87)
。
った害虫や種の同定に問題がある被害記録がある。この報告
1) マルナギナタハバチPl
er
oneur
api
c
eaeSHI
NOHARA &HARA
では北海道に生息する膜翅目(ハチ目)ハバチ亜目の樹木害
虫について,害虫とされてきた種の知見を整理し被害実態を
幼虫がアカエゾマツの新芽に潜入し内部を食害し,枝の生
より明確にするとともに,これまで被害記録がなかった害虫
長を阻害する。本種は1931年に大雪山で採集された標本に基
やよく知られていない害虫の特徴・生態・被害をシリーズで
づきヨーロッパに産する“Pl
e
r
o
ne
ur
adah
l
i
”としてTAKEUCHI
解説する。第1報ではナギナタハバチ科・ヒラタハバチ科・
(19
38)により国内から初めて報告された。しかし,SHINOHARA
ミフシハバチ科・コンボウハバチ科を取りまとめる。
(19
95)
において北海道にのみ分布する新種とされた。古くは
検査標本はほとんどが国立科学博物館に保管されるが,異
大雪山や阿寒で採集される程度であったが,1980年代以降は
なる場合は保管場所を標本末尾に以下のとおり省略して記し
道内各地で見つかっている(SHINOHARA,19
95参照)
。被害は
た:北海道大学総合博物館(HU),北海道立林業試験場(HFRI
)。
1
992年に初めて確認されており(原,199
4,
“ナギナタハバチ
なお,検査標本の種の同定はヒラタハバチ科については国立
の1種”),近年になって害虫化した種と考えられる。本種は
科学博物館の篠原明彦氏,ミフシハバチ科とコンボウハバチ
日本応用動物昆虫学会(20
06)の「農林有害動物・昆虫名鑑」
科については筆者による。標本データは基本的に標本ラベル
には掲載されていない。
形態・生態
に書かれたとおりローマ字で記述する。農薬に関する記述は
*
北海道立林業試験場
成虫の形態についてはSHINOHARA(19
9
5),幼
Ho
k
k
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8
[北海道林業試験場研究報告
第47号
平成22年3月,Bu
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4
7
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0
1
0
]
51
北海道林業試験場研究報告
№47
生期の特徴・生態については原(1994,1
996)を参照。被害
れてきた。本州では古くからマツ属の害虫とされてきたが
診断の参考となる写真が原(1994,成虫・幼虫・被害ほか),
(渡辺,193
7;日本応用動物昆虫学会,198
0),被害記録はな
原・篠原(20
0
5a
,成虫・幼虫・被害),原ほか(200
6,幼虫
97参照)
。とこ
いようである(井上,1
96
0及びSHINOHARA,19
・被害)などに掲載されている。
ろが,199
4年に初めての被害が北海道で確認され,道内に生
分布
北海道;大雪山系や阿寒のほかに置戸・足寄・上士
息することが明らかになった(福山ほか,1
99
5;SHINOHARA,
幌・新得・旭川・美唄などで採集されている(SHINOHARA,
199
7)。本州からの侵入種と考えられる(前藤・福山,19
9
6
1
9
9
5参照)
。
及びSHINOHARA,19
97参照)
。ただし,マツ属も宿主とするた
被害 激しい被害は1992年に厚真のアカエゾマツ若齢人工
97)
。
め在来種の可能性が残る(SHINOHARA,19
形態・生態
林で初めて観察された(原,19
94)
。被害は1994年,1
99
6年
成虫の形態についてはSHINOHARA
(19
97,
2
00
1)
,
にも見つかり(福山ほか,1
995;伊藤ほか,1
997),道内の
幼虫の特徴については篠原・原(2
00
5),生態については前
広い範囲で確認された(原,1997)。しかし,1997年以降は
藤・福山(1996)を参照。被害診断の参考となるカラー写真
報告がない。現在でも食痕は道内各地の天然林や人工林で普
が篠原・原(2005,成虫・卵・幼虫),原ほか(20
06,幼虫)
,
通に見られるが,激しい被害は発生していないようである。
木野田(200
6,成虫)に掲載されている。
分布
緑化樹での発生は観察していない。幹の頂芽を食害すること
北海道・本州(SHINOHARA,20
01)
。道内では苫小牧
はまれで被害により複数の幹が立つことはないが,激しい食
・千歳で採集されており(SHINOHARA,19
97)
,他に江別・札
害が何年も続くと枝が減少した異常な樹形になり生長量も低
幌・恵庭で被害記録がある(伊藤ほか,1
99
7など)。今のと
下する(原,1
9
9
6;MASAKA &HARA,2000;真坂・原,20
00)。
ころ他地域では未確認である。
防除
被害
被害木は生長量が低下する程度であるため,森林で
北海道では19
94年に初めて“ヒラタハバチの1種の
3”として福山ほか(199
5)により報告された。被害は19
9
4
は防除の必要はないと考えられる。
~1
9
98年まで苫小牧から札幌にかけてのカラマツ林を中心に,
2.ヒラタハバチ科 Pamphi
l
i
i
dae
カラマツヒラタハバチの被害と混在して継続的に発生した
針葉樹を宿主とするマツヒラタハバチ亜科と広葉樹や草本を
(福山ほか,1
9
95;伊藤ほか,19
96;伊藤ほか,1
9
97;福山
宿主とするヒラタハバチ亜科に分けられる。幼虫は葉間に糸を張
ほか,1
9
98;福山ほか,199
9)。その後,被害は20
01年に苫
り巡らしたり糸で葉を巻いたりして巣を造って葉を食べる。
小牧で再び発生した(尾崎・原,20
04)
。20
02年以降は被害
ヒラタハバチ科の幼虫は細長い円筒形で腹脚を欠き,触角
報告がない。大発生の直前には温暖な年が3年続いており,
と胸脚は細長く,腹部先端両側に細い突起(尾肢)を持つな
それが大発生の引き金となった可能性がある(OZAKIe
ta
l
,
どが特徴である(SMITH &MIDDLEKAUFF,1987)。
20
0
4)。被害が終息した原因は不明である(原・林,199
8)
。
カラマツのほかにストローブマツも被害を受け枯死が心配さ
2 A.マツヒラタハバチ亜科 Cephal
ci
i
nae
れた(伊藤ほか,1
9
96)。しかし,両樹種とも本種の食害や
穿孔虫等の二次被害による枯死木の発生は報告されていない。
北海道では6種が害虫として記録されているが,
1種は分類
学的再検討が必要である。なお,1955年中標津で“ヒラタハ
なお,200
5年に成虫が建造物の屋上に大量飛来し排水口が詰
バチの1種”によるトドマツ人工林被害の記録があるが(林
まって困るという相談があった。
防除
野庁森林害虫防除室,1955),正体不明である。また,1
95
8
食害により木が枯死した例はないため,森林では防
年弟子屈で“モミヒラタハバチ”によるモミ林の食害記録が
除の必要はないと考えられる。しかし,食害様式がほぼ同じ
あるが(林野庁,1958),
“8月1日発見”
“発見当時針葉を食
ニホンカラマツヒラタハバチではカラマツヤツバキクイムシ
害し蛹化期であった”という記述から判断してヒラタハバチ
の二次被害による枯死木の発生例があり,本種でも注意が必
科(土中で春に蛹化する)とは考えにくい。また,渡邊(193
7)
要である。カラマツヤツバキクイムシの防除については小泉
は マ ツ ヒ ラ タ ハ バ チCe
phal
c
i
ani
gr
i
c
ox
a
(
eMATSUMURA,
1
912)
(1
9
94)を参照。農薬についてはオオアカズヒラタハバチを参照。
を害虫として挙げているが,被害記録はなく(ハラアカトウ
2)オオアカズヒラタハバチ Cephal
c
i
ai
s
s
hi
ki
iTAKEUCHI
ヒヒラタハバチを参照)
,日本応用動物昆虫学会(20
06)の
「農林有害動物・昆虫名鑑」にも掲載されていないので除外
ト ウ ヒ 属 の 食 葉 性 害 虫 と し て 古 く か ら 知 ら れ て い る。
した。
TAKEUCH(
9
30)により1
91
8年に大雪山で採集された標本に基
I1
づき新種記載された。被害は19
30年台以降しばしば報告され
1)ニホンアカズヒラタハバチ
ている。
形態・生態
Ac
ant
hol
y
dani
pponi
c
aYANO &SATO
前藤(1
990,19
91,19
94)による詳細な解説
マツ属やカラマツの食葉性害虫である。本種は1928年に新
がある。また,成虫の形態はTAKEUCHI
(19
30)
,幼虫の形態は
種として発表されて以来,近年まで本州でのみ生息が確認さ
奥谷ほか(19
59)に詳述されている。被害診断の参考となる
52
北海道林業試験場研究報告
カラー写真が富樫(1965,成虫),奥谷(1977,成虫),篠原
では未確認である。
被害
・原(2
00
5,成 虫・幼 虫・巣),原 ほ か(2006,幼 虫・巣)
に掲載されている。
分布
№47
北海道では199
4年に“ヒラタハバチの1種の2”と
して初めて記録された(福山ほか,199
5)
。被害は199
4~19
99
北海道・本州・九州(SHINOHARA,
1998)。被害は以下
年まで札幌から苫小牧にかけてニホンアカズヒラタハバチの
に記したように道内の広い範囲で観察されている。
被害と混在して継続的に発生した(福山ほか,19
95;伊藤ほ
被害 北海道では被害は1938年頃に初めて発生した(内田
か,1
996,1
997;福山ほか,19
98,19
99;尾崎ほか,2
000)
。
・西川原,19
4
1)
。それ以降,被害は頻繁に観察されるよう
その後,同地域内で小規模な被害が20
02年,2
004年に報告さ
になり,被害発生地域は網走・十勝・上川・留萌・空知・石
れた(尾崎・原,200
4;上田・原,200
7)。大発生の直前に
狩・胆振・日高・後志・渡島地方というように全道の広い範
は温暖な年が3年続いており,それが大発生の引き金となっ
囲 に 及 ぶ(前 藤,19
90;小 泉 ほ か,1991;福 山 ほ か,
ta
l
,20
04)
。被害が減少した主な原
た可能性がある(OZAKIe
1
9
9
2,1
99
3,1
9
94,1995;伊藤ほか,1997;福山ほか,199
8)。
因の一つはヒメバチ科の1種(Homas
p
i
ss
p
.
)の捕食寄生によ
1
9
9
8年以降は被害記録がないが,小規模な食害は時々観察さ
ると考えられる(原・林,1
998,1
99
9)。秋の潜土幼虫密度
れる。被害地で枯死木が発生した例がある(松下,194
3;前
は夏の被害発生地よりも北北西で高い傾向があり,被害が成
藤,19
9
1)
。
虫期の主風の風下側に移動する可能性,並びに被害度が高い
防除 ヤツバキクイムシの密度が高い林やナラタケ病が発
ところでは被害後の幼虫密度が低いことが報告されている
生しやすい林では本種の発生経過に注意する必要がある(前
(鷹尾ほか,19
98)。ヒメバチ科の1種はカラマツヒラタハバ
藤,1
9
94)。ヤツバキクイムシの防除については吉田(19
94a
)
チの幼虫が樹上にいるときに産卵するが,食べるのは幼虫潜
を参照。雌成虫はほとんど飛翔せず幹を歩いて上るので,幹
土後である(原・林,1
99
8,19
99)。摂食期の幼虫密度が高
に粘着剤(商品名カミキリホイホイなど)を取り付けること
く被害が激しいところで被害後の潜土幼虫密度が低いのは,
で捕獲でき(前藤,1991),駆除にも応用可能である(佐々
幼虫の増加に少し遅れてヒメバチ科の1種が増加することに
木ほか,19
92;小野寺ほか,1993)。ただし,小鳥やコウモ
よると思われる。本種の食害や穿孔虫等の二次被害による枯
リなどが捕獲される可能性があるため,粘着剤を目の粗い網
死木の発生は報告されていない。
防除
で覆うなどして誤捕獲を防ぐ必要がある。
“まつ類”の“ハバ
食害により木が枯死した記録はないため,森林では
チ類”に適用可能な農薬としてMEP乳剤(商品名スミパイン
防除の必要はないと考えられる。しかし,食害様式がほぼ同
乳剤・普通物・魚毒性B)及びジフルベンズロン水和剤(商
じニホンカラマツヒラタハバチではカラマツヤツバキクイム
品名デミリン水和剤・普通物・魚毒性A)があり,本種に対
シの二次被害による枯死木の発生例があり,本種でも注意が
して有効である(前藤,1991,1994)。
必要である。カラマツヤツバキクイムシの防除については小
泉(19
94)を参照。農薬についてはオオアカズヒラタハバチ
3)カラマツヒラタハバチ Cephal
c
i
akoebel
e
(R
i OHWER)
を参照。
カラマツの食葉性害虫である。1
910年に日本(産地不詳)
4)ニホンカラマツヒラタハバチ
の標本に基づき記載された。本州では古くから被害記録があ
るが(矢野,1
9
20など),一部はニホンカラマツヒラタハバ
Cephal
c
i
al
ar
i
c
i
phi
l
aj
aponi
c
aSHI
NOHARA
チの被害である(SHINOHARA,1997参照)。北海道では199
4年
カラマツの食葉性害虫である。本種とカラマツヒラタハバ
に初めて発見され(福山ほか,1995),道外からの侵入種と
チ は 長 い 間 混 同 さ れ て き た が,199
7年 に 別 種 に さ れ た
考えられる(前藤・福山,1996;SHINOHARA,1997)。本種は
(SHINOHARA,
199
7)。本州におけるカラマツヒラタハバチによ
日本応用動物昆虫学会(2006)の「農林有害動物・昆虫名鑑」
る1
980年頃の被害は本種の誤同定であり,1910年代の被害記
には掲載されていない。
録も本種と考えられる(SHINOHARA,19
97)
。北海道では1
9
93
形態・生態 成虫の形態についてはSHINOHARA
(199
7),幼虫
年に初めて分布及び被害が確認された(福山ほか,19
94)
。本
の特徴や生態については前藤・福山(1996),岡田・岩間(1999)
州からの侵入種と考えられる(前藤・福山,
19
96及びSHINOHARA,
を参照。被害診断の参考となるカラー写真が篠原・原(200
5,
19
9
7参照)。本種は日本応用動物昆虫学会(200
6)の「農林
成虫・幼虫)
,原ほか(2006,幼虫・巣)に掲載されている。
有害動物・昆虫名鑑」には掲載されていない。
形態・生態
なお,奥谷ほか(1
959)の“カラマツヒラタハバチ”の幼虫
の記載は体色が緑色であることから本種と考えられる。
成虫の形態についてはSHINOHARA
(19
97),幼生
期の特徴や生態については小島(198
3,
“カラマツヒラタハバ
分布 北海道・本州・ロシア;道内では札幌・恵庭・千歳
チ”),前 藤・福 山(19
96),佐 藤(1
996)
,篠 原・原(20
0
5)
・苫小牧で採集されている(SHINOHARA,1997)。他に江別
を参照。宿主としてカラマツ(SHINOHARA,1
997など)のほか
(伊藤ほか199
7など),小樽(福山ほか1999),北広島(尾崎
にグイマツ(真宮ほか,1995)が報告されている。被害診断
ほか20
00など)で被害が記録されている。今のところ他地域
の参考となるカラー写真が篠原・原(20
05,成虫・卵・幼虫)
,
5
3
北海道林業試験場研究報告
№47
原ほか(2
00
6,成虫・幼虫)に掲載されている。
分布
88)
,吉田・前藤(199
1),吉田(19
94b)を参照。
YOSHIDA(19
北海道・本州;別亜種はヨーロッパからシベリア・
被害診断の参考となる写真が富樫(1
965,成虫),吉田・前
中国(SHINOHARA,1997)。道内で被害が確認されているのは
藤(19
91,成虫・卵・幼虫・被害),吉田(199
4b,成虫・卵
清里・小清水・東藻琴・美幌・津別・弟子屈・標茶・阿寒で
・幼虫・被害)に掲載されている。
分布
ある(OZAKIe
ta
l
,2004など)。今のところ他地域では未確認
である。
被害
北海道・本州・サハリン;高山性の種である(TAKEUCHI,
1
9
38)。
被害
北海道では1993年に弟子屈で被害が確認され,
“ヒラ
タハバチの1種”として報告された(福山ほか,1
994)
。被
被害は大雪山系高根ヶ原のハイマツにおいて19
7
9年
から発生し(TOGASHI&YOSHIDA,19
88)
,19
83~8
6年に記録
害は徐々に拡大し,2000年に最大16,
000h
a
に達した後,減少
されている(小泉,198
4,
“ハバチの1種”;小泉,1
98
5,
“ヒ
して2
0
04年まで続いた(福山ほか,
1994;伊藤ほか,
19
96,
19
97;
ラタハバチの1種”
;吉田,1
987a
,1
987b
)。1
989年秋の段階
福山ほか,1
9
9
8,1999;尾崎ほか,2
00
0,2001;尾崎・原,
では枯死の進行はほぼおさまっていたが,以前枯れたものは
2
0
04;上田ほか,2004;上田・原,2006)。それ以降は被害
ほとんど回復していない(渡辺,199
0,
“ハバチの1種”)。被
記録がないが,土壌中の個体密度は比較的高く維持されてい
害発生及び終息原因は不明である。食害が枯死の直接の原因
る(坂西ほか,2
00
8)。大発生の直前には温暖な年が3年続
とは考えにくく,食害による失葉で枝が雪上に出る時期が早
いており,それが大発生の引き金となった可能性がある
まり,寒風による乾燥害で枯死したと考えられる(吉田・前
(OZAKIe
ta
l
,
2
0
04)。低密度化の要因として土壌中における個
藤,1991)
。
防除
体数の減少と成虫期の減少が重要と考えられるが,減少原因
防除方法は確立されていない。
は不明である(坂西ほか,2
008)。本種の被害はグイマツよ
6)ハラアカトウヒヒラタハバチ(新称)
りもカラマツで激しい(真宮ほか,1
995)。カラマツ被害木
Cephal
c
i
as
emi
f
l
av
a
(MATSUMURA)
では生長量が低下する(斉藤・小西,1997)。長野県では食
害によると考えられる枯死木の大量発生が報告されている
別名
ハラグロヒラタハバチ,ハラアカヒラタハバチ。
(小島,
19
83,
“カラマツヒラタハバチ”)。道内では食害が直接
Ce
ph
al
c
i
a属は分類学的再検討が必要で,2~3の特徴的な
の原因と考えられる枯死木の発生は観察されていないが,木
種を除き同定が困難である(SHINOHARA &YAMADA,
20
05)
。本
を枯らすカラマツヤツバキクイムシによる二次被害が報告さ
種 は,松 村(191
2)に よ り“ハ ラ グ ロ ヒ ラ タ ハ バ チLy
da
れている(尾崎・原,2004)。
s
e
mi
f
l
av
a
”として北海道から新種記載された。UCHIDA(19
4
9)
防除 被害が長期化し著しく拡大したため,道央で発生し
は 本 種 を ユ ー ラ シ ア に 広 く 分 布 す るCe
p
hal
c
i
aa
b
i
e
t
i
s
たカラマツヒラタハバチの主要天敵であるヒメバチ科の1種
(LINNAEUS)のシノニムとしたが,これには異論もある(竹内,
(Ho
ma
s
pi
ss
p.
)の導入による防除試験が行われた(原・林,
19
55)
。また,松村(1
91
2)は本種にハラグロヒラタハバチ
1
9
98,19
99)。しかし,導入地でのヒメバチ科の1種の密度
の和名を与えたが,それに反して腹部背面は暗黄色または赤
は低く推移した(坂西ほか,2008)
。森林ではカラマツヤツ
黄色と記述しており,UCHIDA(19
49)は和名をハラアカヒラ
バキクイムシの二次被害に注意が必要で,その防除方法につ
タハバチに変更した。しかし, 和名 ハラアカヒラタハバチ
いては小泉(1
9
94)を参照。農薬についてはオオアカズヒラ
はUCHIDA(19
49)が 本 種 に 採 用 す る 以 前 か ら Pa
mp
h
i
l
i
us
タハバチを参照。
v
e
nus
t
u
s
(SMITH)に用いられている(TAKEUCHI,19
30など)
。一
方,井上(196
0)は“ハラアカヒラタハバチCe
pha
l
c
i
aab
i
e
t
i
s
”
5)タカネヒラタハバチ Cephal
c
i
av
ar
i
egat
aTAKEUCHI
と“マ ツ ヒ ラ タ ハ バ チCe
pha
l
c
i
aab
i
e
t
i
sf
.ni
gr
i
c
o
x
ae
ハイマツの食葉性害虫である。TAKEUCH(
930)により長野
I1
(MATSUMURA)”について解説する際に,後者の下でUCHIDA
県や北海道(大雪山,19
30年採集)の標本に基づき新種とし
(19
49)及び谷口(19
49)の北海道産Ce
pha
l
c
i
aabi
e
t
i
s
の報告
て記載された種である。被害は1例報告されており,大雪山
内容を記述したが,その理由は示されていない。マツヒラタ
系高根ヶ原で1
97
9~80年代にかけて発生し,被害地では大量
ハバチはマツ属を食べるとされ(松村,19
1
2),近年は独立
の ハ イ マ ツ が 枯 死 し た(TOGASHI&YOSHIDA,1988;渡 辺,
種Ce
ph
al
c
i
ani
gr
i
c
ox
a
e
とされている(奥谷,196
7;阿部・富
1
9
9
0,
“ハバチの1種”;吉田・前藤,1991)。なお,この被害
樫,198
9)。このような状況のため,ここでは竹内(1
9
55)
をタカムクカレハによるとする記述もあるが(神保,19
84;
にしたがって松村(19
12)の学名を採用し,和名として新た
中島,19
8
7)
,1
98
3年以降の食害は主に本種による(吉田・
にハラアカトウヒヒラタハバチを与えることにする。本種は
前藤,1
99
1)
。本種は日本応用動物昆虫学会(2006)の「農
日本応用動物昆虫学会(200
6)の「農林有害動物・昆虫名鑑」
林有害動物・昆虫名鑑」には掲載されていない。
には掲載されていない。
形態
形態・生態 成虫の形態についてはTAKEUCHI
(1930,1
93
8)
幼虫の色彩は多様だが,普通,摂食期間は頭部が黒
く胸腹部が灰緑色で暗い縦縞を持つ;巣は卵程度の大きさで,
及び富樫(1
965)
,幼生期の特徴や生態についてはTOGASHI&
54
北海道林業試験場研究報告
№47
1)サクラヒラタハバチ Neur
ot
omai
r
i
des
c
en(
sANDRÉ)
幼虫が集団で住み,糞が多数絡みつく(写真-1)
(UCHIDA,
1
9
4
9)。老熟すると体長20mm,頭部は褐色になる(写真-2)。
サクラなどの食葉性害虫として古くから知られている(渡
土中の幼虫は頭部が褐色,胸腹部全体が緑色または黄緑色
邊,1
937;井上,19
60)。北海道からは1912年に松村(19
12)
(UCHIDA,1
94
9)
。潜土幼虫の体長は雌18mm内外,雄14mm内
により“クロヒラタハバチLy
d
ani
gr
i
c
an
s
”として記録された。
外(谷口,1
94
9)。雌成虫は体長12mm,腹部背面は暗黄色ま
道内ではこれまで被害記録がないが,公園などで食害が観察
たは赤黄色(写真-3)
(松村,1912;竹内,1
955)。卵は楕
される。
形態・生態
円形,透明な緑色(谷口,1949)。北海道ではトウヒ属を食
成虫の形態についてはSHINOHARA
(19
80),幼生
べるヒラタハバチ科は7種確認されている(東浦ほか,
1
992)
。
期の形態・生態については奥谷・三方(19
58)
,幼虫の形態
本種の幼虫はたいてい数頭の集団で糞の塊のような巣を作り,
の詳細については奥谷ほか(19
59)を参照。被害診断の参考
終齢の頭部が褐色であることで区別可能なようである。
となる写真が富樫(19
65,成虫),上住(200
3d,幼虫・巣)
,
生態 宿主はドイツトウヒ(谷口,1949;UCHIDA,194
9),
藤 原(2004,幼 虫),伊 藤(20
05,幼 虫),篠 原・原(20
0
5,
エゾマツ(竹内,1955,引用元不明),エゾマツ・アカエゾ
成虫・幼虫・巣),原ほか(20
06,幼虫・巣)に掲載されて
マツ(東浦ほか,1
992,
“?マツヒラタハバチ”),モミ類(奥
いる。宿主は狭義のサクラ属Ce
r
as
us
・ナナカマド(奥谷・三
谷,1
9
6
7,引用元不明)。年1回発生,成虫は6月初め~7
方,195
8)
,クロミサンザシ(SHINOHARA &HARA,1
99
9)
。ズ
月中旬に出現;卵は1~3個ずつ前年枝の葉に産みつけられ
ミの記録(渡邊,19
37)は疑わしい(SHINOHARA &OKUTANI,
る;幼虫は1年生以上の小枝の分岐部に集団で巣を作る;摂
198
3)。
分布
食時期は6月下旬~8月初めで,その後,土中(一般に深さ
北海道・本州・四国・九州・千島・韓国・シベリア
1
0c
m)に潜る;1世代1~3年を要する(UCHIDA,19
49)
。
・ヨーロッパ(SHINOHARA,198
0)。道内では札幌(SHINOHARA,
雌の飛翔力は弱く,幹をのぼって葉に産卵する; 5月下旬~
198
0),美唄(SHINOHARA &HARA,19
99)程度しか記録が無
6月中旬に蛹になる(谷口,1949)。幼虫集団が数十頭に及
いようであるが,平地から山地まで広い範囲で採集されてい
ぶことがあるといわれているが(谷口,1949),大発生にお
る(検査標本参照)。
被害
ける観察と思われる。成虫が春出現するタイプと夏出現する
庭や公園のサクラやナナカマドで時々発生し幼虫集
タイプがあり
(東浦ほか,
1992“
,Ce
phal
c
i
as
p.1 ?マツヒラタ
団が大きいため食害が目立つ。道内では木の全葉を食べつく
ハバチ”と“Ce
p
hal
c
i
as
p.5”),オオアカズヒラタハバチの
すような被害は観察していない。奥(2003a
)によれば果樹園
ように成虫羽化時期に変異があると思われる。
ではほとんど見られないが,シダレザクラなどに多発する。
分布
防除
北海道(松村,191
2)。北海道では全域に分布する
検査標本
(UCHIDA,1
9
49)。
被害
幼虫を巣ごと除去する(藤原,200
4;伊藤,20
0
5)。
Hok
ka
i
d
o:1♂, Ra
u
s
u
,17−
18. VI
I
.19
9
7, A.
被害は1
940年代後半に空知地方の30~40年生,胸高
SHINOHARA;1♂,Shi
ka
oi
,Ya
ma
da
o
ns
e
n,2
4−
2
5.VI
.2
0
05,H.
直径3
0c
m内外のドイツトウヒ林で発生した(谷口,
19
4
9)。鉄
HARA;1♂
,Ka
mi
ka
wa
,So
unk
yo,28.VI
.199
9,H.HARA;1♀
,
道防雪林で被害がある(UCHIDA,1949)。1
952年に浦臼のド
Sh
i
r
i
b
e
s
h
i
,Na
k
a
ya
ma
t
o
ge
,
2
6.VI
.
199
1,A.SHINOHARA;
1♀
,同前
イツトウヒ人工林で被害が発生した(林野庁森林害虫防除室,
た
1
95
2)
。これ以降ではトウヒ属に“ヒラタハバチ科のハバチ”
SHINOHARA.
だ
し,
2
9−
30.VI
.
2
002;
1♀
,Sh
i
kot
s
u
k
o,
19.VI
.
1
9
97,A.
が散見されたという報告(吉田,1987a
,1987b)がある程度
で,被害は記録されていない。しかし,1991年に新得町の庭
2)ハマナスヒラタハバチ Pamphi
l
i
uss
t
r
ami
nei
pes
(HARTI
G)
木のアカエゾマツ被害に関する相談を受けた。食害や二次被
ハマナスなどバラ属の食葉性害虫である。十勝新得で19
9
0
害による枯死木の発生は記録がない。
防除
年に激しい食害が観察され,日本(北海道)における生息が
常緑針葉樹は食葉性害虫の被害に比較的弱いので注
初めて確認された(SHINOHARA &HARA,19
91)
。その後は道
意が必要である。農薬についてはオオアカズヒラタハバチを
内各地で見つかっているが,199
0年より前の標本が認められ
参照。ヤツバキクイムシの二次被害による枯死木の発生も心
ないことなどから,希少な在来種が突然害虫化したかあるい
配される。ヤツバキクイムシの被害は山地で多いが,空知地
は道外から侵入したと思われる(篠原・原,20
01)
。本種は
方のドイツトウヒ防風林で発生した例がある(池ノ谷,
200
7)
。
日本応用動物昆虫学会(200
6)の「農林有害動物・昆虫名鑑」
ヤツバキクイムシの防除方法については吉田(1994a
)を参照。
には掲載されていない。
形態・生態
2 B.ヒラタハバチ亜科 Pamphi
l
i
i
nae
3種が害虫として知られているが,それらのうち1種は害
成虫の形態についてはSHINOHARA(19
8
8),幼
虫の形態については篠原・原(200
5)及びSHINOHARA &HARA
(20
06)
,生態についてはHARA(19
93)を参照。宿主は国内で
虫とはいい難い。
はハマナス・ヨーロッパハマナス(HARA,19
93)
,ノイバラ
(篠原・原,20
01;検査標本参照)。被害診断の参考となるカ
5
5
北海道林業試験場研究報告
№47
ラー写真が篠原・原(2005,成虫・幼虫・巣),原ほか(2006,
状では防除は不要である。
検査標本
幼虫・巣)に掲載されている。
分布
Hokk
a
i
do
:
2♀
1♂,Sa
pp
o
r
o
,
1
6−
26.V.
19
3
0,S.FUJII.
北海道(SHINOHARA &HARA,1991),南千島・サハ
3.ミフシハバチ科 Ar
gi
dae
リン・シベリア・ヨーロッパ(SHINOHARA,1988)。新得で発
日本産の種はミフシハバチ亜科とクワガタハバチ亜科に分
見されて以降,帯広・上士幌・大雪山系周辺・空知地方南部
けられる。どちらの幼虫も広葉樹や草本の葉を食べる。
でも確認されている(篠原・原,2001;検査標本参照)。
被害 十勝新得の庭のハマナスで激しい食害が1990年から
本科の幼虫はいわゆるイモムシで腹脚がある。チョウやガ
3年続き,3年目に枝枯れが観察された(HARA,1993)。その
(鱗翅目)の幼虫に似るが,腹脚が腹端節のものを除き5対
後,20
0
0年代に入って美唄や三笠でも庭のハマナスなどで激
以上あり腹部第2節にもあること,及び単眼が1対であるこ
しい食害を観察している(検査標本参照)。
となどにより区別できる(鱗翅目幼虫では腹脚は腹端節のも
防除 幼虫を取り除く。商品栽培上は通常,様々な害虫駆
のを除き4対以下で腹部第2節にはなく,単眼は6対)
(奥谷
除のために農薬散布が行われるため本種も同時に駆除される
ほか1
95
9)。ハバチ亜目の他科との区別点は,胸脚の爪にパッ
ド状の付属物を持ち,腹部1~9節背面の小環節数が2~3
と思われる。
検査標本 Ho
k
ka
i
do:
1♀
,Hi
g
a
s
hi
ka
wa
,As
a
hi
da
ke
ons
e
n,
2
3−
(背面のしわが1~2本)などである(SMITH &MIDDLEKAUFF,
2
6.VI
.
1
99
8,A.SHINOHARA;
1♀,Ka
mi
s
hi
hor
o,Nuka
bi
r
a
ons
e
n
,
198
7)
。生活環が不規則な種が多い(SHINOHARA e
ta
l
,20
0
9な
1
2.VI
I
.
1
99
8,T.SHINOHARA;
1♀,Shi
ka
oi
,Ya
ma
da
ons
e
n,
21−
24.
ど)
VI
.
1
9
97,A.SHINOHARA;
1♀,Bi
ba
i
,c
ol
.l
a
r
va15.VI
I
.
1
997,e
m.
3 A.ミフシハバチ亜科 Ar
gi
nae
29.V.
1
998,hos
t
:Ros
amul
t
i
f
l
or
a,H.HARA;1♂,Bi
ba
i
,
27.V.
19
9
8,H.HARA;2♀,同前ただし,18.VI
.2004;9♀
9♂,Bi
ba
i
,
樹木害虫として北海道では6種確認されてきた。今回,新
Kos
hu
n
a
i
,
3.VI
..
2
00
5,H.HARA;
3♀
6♂,Mi
ka
s
a
,
5.VI
.
2
0
05,H.
たに2種ハサミルリチュウレンジ・ウンモンチュウレンジを
HARA.
害虫として追加するとともに,ニホンチュウレンジを北海道
から初めて記録する。ミフシハバチ亜科の幼虫は腹部末端
3)シマヒラタハバチ Pamphi
l
i
usv
ol
at
i
l
i
(
sSMI
TH)
(第10節)に小突起を欠く。
別名ヒラタハバチ。
1)ハサミルリチュウレンジ Ar
geber
ber
i
di
sSCHRANK
幼虫はサクラなどの葉を食べる。古くから害虫とされ(渡
邊,19
3
7など)
,日本応用動物昆虫学会(2006)の「農林有
別名ハサミチュウレンジ。
害動物・昆虫名鑑」にも掲載されているが,害虫とするほど
ヨーロッパではメギ属の食葉性害虫として知られている
の被害例はないようである(井上,1960参照)
。北海道に分
(TAEGER e
ta
l
,19
98など)。日本では笹川(19
58)により北海
布することを最初に示したのは竹内(1955)と思われるが,
道天塩地方で発見され国内における分布が初めて報告された。
1
9
30年に道内で採集された標本を確認した(検査標本参照)。
その後長い間記録がなかったが,20
05年に道内で再発見され
形態・生態 成虫の形態についてはSHINOHARA(198
5),幼
(原・篠原,20
05b
;検査標本参照),20
06~20
0
7年に被害が観
生期の形態・生態については奥谷・三方(1958)を参照。被
察された。被害発生地は在来のメギ属ヒロハノヘビノボラズ
害 診 断 の 参 考 と な る写真が富樫(1965,成 虫),篠 原・原
の自然分布域または近隣域であることから,在来種が突然害
虫化したと思われる。
(200
5,成虫・幼虫・巣)に掲載されている。宿主は狭義の
形態
サ ク ラ 属Ce
r
a
s
u
s
・ク ロ ミ サ ン ザ シ(SHINOHARA &OKUTANI,
幼虫については原・篠原(200
5b)を参照。成虫の形
1
9
8
3;SHINOHARA &HARA,1999)。渡邊(1937)はハンノキ
態についてはGUSSAKOVSKI
(
9
35)を参照。被害診断の参考と
J1
としているが,誤同定に基づくものであろう(SHINOHARA &
なるカラー写真が原・篠原(200
5b,幼虫・成虫)に掲載され
て い る。な お,本 州 に は 極 め て 良 く 似 たAr
ges
i
mi
l
l
i
ma
OKUTANI,1
98
3)
。日本応用動物昆虫学会(20
06)の「農林有
害動物・昆虫名鑑」では加害作物としてサクラのほかにナシ
(SMITH)が分布するが(TAKEUCHI,19
39)
,本種との形態的差
属果樹・モモ・ネクタリン・スモモ類果樹・ウメ・アンズを
異 は 軽 微 で あ り,分 類 学 的 再 検 討 が 必 要 と 考 え ら れ る
挙げているが(引用元不明),再確認が必要である。
(SHINOHARA &HARA,
2
007)
。
分布 北海道・本州・九州・ウスリー・朝鮮半島(SHINOHARA,
生態
宿主はヒロハノヘビノボラズ(原・篠原,20
0
5b)
,
1
9
8
5)。道内では斜里・上士幌・足寄・様似・札幌・中山峠
メギ(新記録)。笹川(1958)は北海道でヘビノボラズから
(SHINOHARA,1
98
5),美 唄(SHINOHARA &HARA,1999)で 確
幼虫を採集したと報告したが,ヒロハノヘビノボラズと思わ
れる(奥谷,196
7)。成虫は6月上旬~7月下旬に採集され
認されており,平地から山地まで広く生息する。
被害・防除
北海道ではこれまで被害記録はなく,市街地
ただけだが,幼虫は7月と9月初めに採集され, 6~7月採
の緑化樹や森林どちらでもまれに観察される程度である。現
集の卵は8月に成虫になり, 7月採集の幼虫は8月または
5
6
北海道林業試験場研究報告
№47
翌春に,
9月採集の幼虫は翌春に成虫になった(検査標本参照)。
掲載されている。宿主はニレ属で,ハンノキの記録(渡邊,
以上から年2回発生するが,年1世代と年2世代の生活環が
1
937)は た ぶ ん 誤 り で あ り,ケ ヤ キ の 記 録(吉 田・宮下,
混合している。卵は葉の組織内に3~6個ずつまとめて産み
ta
l
,200
9)
。
1
993)は再確認が必要である(SHINOHARA e
分布
つけられる(原・篠原,2005b)。複数の卵塊が隣接する数枚
北海道・本州・四国・対馬・ロシア極東・朝鮮半島
の葉にまとまって観察され,そばにはしばしば雌成虫がいる。
・中国・台湾・モンゴル・インド北部;道内では上川・網走
幼虫は集団性である。繭内で越冬する。
・十勝・空知・石狩・渡島地方というように広い範囲で確認
分布
北 海 道(笹 川,1958),小 ア ジ ア・ヨ ー ロ ッ パ
されている(SHINOHARA e
ta
l
,200
9)。
被害
(GUSSAKOVSKIJ,1
935)。道内では天塩地方の他に深川・むか
わ(穂別)で採集されている(検査標本参照)。
アキニレでは多発すると木全体の葉が食いつくされ,
樹勢が著しく衰え枯死することもある(奥野ほか,1
9
77)
。北
被害 20
06~2
00
7年に深川鷹泊の蛇紋岩地にあるヒロハノ
海道では被害記録はないが,2000年に札幌で街路樹のハルニ
ヘビノボラズの一部の木で全葉がなくなるような食害が観察
レを激しく食害したとされる幼虫を検査し,本種であること
された。2
0
07年にはむかわ穂別の公園に植栽されたメギの1
を確認した。庭や公園で普通にみられ,幼虫集団が大きいた
品種ムラサキメギの生垣全体(全長約100m)で激しい食害及
め食害が目立つ。
防除
びそれに起因すると考えられる枝枯れが観察された。
防除
雌成虫は動作が緩慢で葉上に静止しているので捕殺
雌成虫は動作が緩慢で葉上に静止しているので見つ
け次第捕殺する;発生初期の幼虫は一部の枝や葉に群生して
する。卵塊や幼虫を取り除く。
いるので,その部分を切り取って処分する(奥野ほか,
1
97
7)
。
検査標本 Ho
kka
i
do:1♀,Fuka
ga
wa
,Ta
ka
d
oma
r
i
,2.VI
I
.
3)ウンモンチュウレンジ Ar
gej
onas
(K
i I
RBY)
2
0
05,onBe
r
b
e
r
i
sa
mur
e
ns
i
s
,H.HARA;
7♀
(HH
0507
04A)
,採集地
同 前,c
o
l
.2 e
g
gma
s
s
e
s
2.VI
I
.
2005,ha
t
c
he
d16−
18.VI
I
.
,ma
de
別名クロモンチュレンジ,ウンモンハバチ。
c
oc
o
on
s6−
8.VI
I
I
.
,e
m.29−
30.VI
I
I
.2005,hos
t
:Be
r
b
e
r
i
s
カマツカの食葉性害虫とする報告(渡邊1
937)があるが,
a
mu
r
e
n
s
i
s
,H.HARA;
2♂
(HH
050903B),同 前 た だ し,c
ol
.
12
被害記録はないようである。北海道に分布することを最初に
g
r
e
g
a
r
i
o
u
sl
a
r
v
a
ec
ol
.
3.I
X.
2
005,ma
dec
oc
oons8−
1
0.I
X.
,e
m.
報告したのはTAKEUCHI
(19
32)と思われる。道内では最近,
5−
9.V.
2
0
06;
2♂,採集地同前,
18.VI
.
2006,H.HARA;
2♀
,同前た
公園や森林のアズキナシで激しい食害を観察している。本種
だし,
1
5.VI
I
.
20
0
6;
3♀,同前ただし,
23.VI
I
.
2006;
1♀
1♂
,同前た
は日本応用動物昆虫学会(200
6)の「農林有害動物・昆虫名
だし,9.VI
.2
00
7;5♀
7♂,同前ただし,14.VI
.20
07;1♀
鑑」には掲載されていない。
形態
(HH
0
7
06
1
4A)
,同前ただし,
14.VI
.
2007,ne
a
r6 e
ggma
s
s
e
son
幼虫(写真-4)は体長最大2
5mm;頭部は黒色ま
2l
e
a
v
e
so
fBe
r
b
e
r
i
sa
mur
e
ns
i
s
;
1♂
(?
pr
oge
nyofHH
070
614A)
,
たは褐色(終齢では黒色のみ),胸脚は黒色,胸腹部は乳白
f
r
o
me
g
gma
s
s
e
sc
o
l
.
14.VI
.
200
7,ha
t
c
he
d5.VI
I
.
,ma
dec
oc
oon
色で尾端は黒く中齢以降では側面に黒斑が並び終齢では背面
27−
2
8.VI
I
.
,e
m.
16.VI
I
I
.
2007,hos
t
:Be
r
be
r
i
samur
e
ns
i
s
;
1♀
,採
に多数の小黒斑が現れる;腹脚は腹部第2~8節と第10節に
集 地 同 前,
2
4.VI
.
2007,H.HARA;
137♀
126♂,Muka
wa
,Ho
be
t
s
u
,
ある。成虫についてはTAKEUCHI
(19
32,1
939)及びHARA e
ta
l
1
0−
1
1.VI
I
.
2
00
7,o
nBe
r
be
r
i
st
hunbe
r
gi
i
,H.HARA(HFRIi
npa
r
t
)
(2
0
07)を参照。成虫のカラー写真が木野田(2
0
06)に掲載
されている。
;
5♀
4♂
(HH
0
70
71
0F),同 前 た だ し,c
ol
.l
a
r
va
e
10.VI
I
.
2
007,
生態
ma
d
ec
o
c
o
on
s
1
4−
2
4.VI
I
.
,
1♀e
m.
7.VI
I
I
.
2007,
5♀
3♂e
m.
2−
2
8.
I
V.
20
0
8,h
os
t
:Be
r
be
r
i
st
h
unbe
r
gi
i
。
宿主はカマツカ(TAKEUCHI,19
32)
,アズキナシ・シ
ャリントウ属の1種・クロミサンザシ(初記録,検査標本参
照)。年1回発生。成虫は6月下旬~7月上旬に出現する。
2)ニレチュウレンジ Ar
gec
apt
i
v
a
(SMI
TH)
雌成虫は普通,数十卵を1枚ないしは隣接する数枚の葉の縁
別名ムネアカルリチュウレンジ,ムネアカチュウレンジ。
に並べて産む。卵は葉縁の組織内に産みつけられる。産卵し
ニレ属が宿主であることが古くから知られているが
た葉の近くに留まっている雌成虫がしばしば観察される。幼
(TAKEUCHI,1
93
2)
,井上(1960)には被害に関する記述はな
虫は7~8月に集団で葉を食べる。集団はたいてい20~5
0頭
い。奥野ほか(1
9
77)による1970年代頃の被害が初めての被
からなり,移動しながら隣接する葉を次々と食べ,主脈を残
害記録のようである。北海道では古くから生息が確認されて
す。老熟すると土中に潜り繭になる。繭内で越冬する。
分布
いるが(松村,19
12),これまで被害記録はない。本種は日
北海道・本州・四国・九州・サハリン・中国・モン
本応用動物昆虫学会(2006)の「農林有害動物・昆虫名鑑」
ゴ ル(TAKEUCHI,19
39)
。道 内 で は 札 幌(TAKEUCHI,1
93
2)
,
には掲載されていない。
千歳(TOGASHI,199
7),中札内(TOGASHI,199
8)の他に旭川
形態・生態 奥野ほか(1977)及びSHINOHARA e
ta
l
(20
09)
・幌加内・美唄・三笠・岩見沢・様似・苫小牧で確認してい
る(検査標本及び観察幼虫を参照)。
を参照。被害診断の参考となる写真はこれらの文献のほかに
被害
原・篠原(2
00
5b,幼虫・成虫),原ほか(2006,幼虫)にも
57
公園や森林のアズキナシで普通にみられる。樹のほ
北海道林業試験場研究報告
№47
形態
とんどの葉を食べつくすような食害を2
004年旭川(公園),
終齢幼虫(写真-5~6)は体長20mm前後;頭部
2
005年美唄(森林),2005年岩見沢(公園)で観察している。
は黄緑色,頭頂から両側に向かう暗褐色の線がある;胸腹部
ただし,1~数本程度の局所的な被害である。
は緑色,背面中央両側が淡黄色,全体に微細な褐色毛がある;
防除
雌成虫は動作が緩慢で,葉上に静止しているので見
腹脚は小さく,腹部第2~6節と10節にある(内山,190
6;
つけ次第捕殺する。また,雌成虫の近くの葉には卵があるこ
西谷,191
0)
。幼虫の頭部は終齢前までは黒色(奥,20
03b
)
。
とが多いので,見つけて葉ごと取り除く。幼虫は群生してい
(19
32)
,富樫(1965)を参照。
成虫についてはTAKEUCHI
生態
るため枝・葉ごと切り取って処分する。
検査標本
宿主はリンゴ(内山,19
06)とズミ(奥,200
3b
)。
Ho
k
ka
i
do:1♀,As
a
hi
ka
wa
,Ka
mu
i
kot
a
n,1.VI
I
.
エゾノコリンゴで幼虫を確認した(写真-5~6)。ナシの記
2
00
6,H.HARA;
2♀
(HH
070701P),Hor
oka
na
i
,Ta
ka
doma
r
i
,c
ol
.
録(数井,192
4;渡辺,1937)は再確認を要する。北海道で
5
1gr
e
ga
r
i
o
usmi
d
dl
el
a
r
va
e1.VI
I
.
2007,ma
dec
o
c
oons
3
1.VI
I
.
,
は年2回発生,成虫羽化時期は6月上旬と8月中旬;雌成虫
e
m.21−
2
3.I
V.2008,hos
t
: Ar
i
a al
ni
f
ol
i
a,H.HARA;3♀
は葉縁の組織内に産卵する;幼虫は葉を縁から食べ,葉脈を
(HH
9
60
8
1
2A)
,Bi
ba
i
,c
ol
.l
a
r
va
e
10.VI
I
I
.
1996,ma
dec
oc
oo
ns
1
2
残す;幼虫は振動を与えると地上に落下する;老熟すると地
−
1
4.VI
I
I
.
,e
m.
27−
28.I
V.
19
97,hos
t
:Ar
i
aal
ni
f
ol
i
a,H.HARA;
2♀
,
上に降りて乾いた雑草などに潜り繭になる;越冬は繭内で行
同 前 た だ し,c
ol
.l
a
r
va
e
10.VI
I
I
.
1996,ma
dec
oc
oon
s
12−
1
4.
う(内山,190
6)。卵は1枚の葉に1~数個ずつ産みつけら
VI
I
I
.
,e
m.
24.I
V.
1
997;
1♀
(HH
030717A),同 前 た だ し,c
o
l
.
れる(西谷,191
0)。
分布
l
a
r
v
a
1
3.VI
I
.
20
0
3,ma
dec
oc
oons
8−
9.VI
I
I
.
,e
m.
18.I
V.
2
00
4;
1♂
北海道・本州・東シベリア・朝鮮半島(GUSSAKOVSKIJ,
(HH
0
3
0
72
0B)
,Bi
ba
i
,Tome
i
,c
ol
.l
a
r
va
20.VI
I
.
2003,e
m.
20.I
X.
193
5)。道内では三笠・札幌(内山,19
06)
,苫小牧(TOGASHI,
2
0
0
3,h
o
s
t
:Ar
i
aa
l
ni
f
ol
i
a,H.HARA;
2♀,Bi
ba
i
,Ko
s
huna
i
,
3.VI
I
.
199
8)の記録がある。写真の幼虫は千歳産である。
被害
20
0
6,H.Ha
r
a
(HFRI
);
3♀
(HH
070730A),同 前 た だ し,c
o
l
.4
被害は19
04年に北海道空知地方市来知で初めて確認
gr
e
g
a
r
i
o
usol
dl
a
r
v
a
e
30.VI
I
.
2007,ma
dec
oc
oons
5−
7.VI
I
I
.
,e
m.
され,翌年には札幌のリンゴ果樹園で発生した;全葉を失う
2
2−
26.I
V.
2
00
8,hos
t
:Cr
at
ae
gusc
hl
or
os
ar
c
a;
1♀,採 集 地 同 前,
ほど食害され,果実はたいてい未熟落下した(内山,19
06)
。
2
2.VI
.
2
00
8,H.HARA;
1♀,Sa
ppor
o,
6.VI
I
.
1954,M.KONISHI
191
0年代まで北海道や青森県で多発し重要害虫であったが,
(HU);
1♀,Sa
ppo
r
o,Hokka
i
d
oUni
ve
r
s
i
t
yCa
mp
us
,
2
8.VI
.
20
07,
近年は放任樹にみられるにすぎない(奥,200
3b)
。緑化樹や
森林で多発した記録はなく,むしろまれである。
A.SHINOHARA;
3♀,同 前 た だ し,Ho
kka
i
doUni
ve
r
s
i
t
yBot
a
n
i
c
a
l
防除
g
a
r
d
e
n;
2♀
2♂
(HH
0
70707C),Hokka
i
doUni
ve
r
s
i
t
y
,c
ol
.l
a
r
va
e7.
果樹園では他の害虫防除のための農薬散布により駆
VI
I
.
2
0
07,ma
d
ec
oc
oons3−
16.VI
I
I
.
,e
m.
26.I
V.
−
5.VI
I
I
.
2
008,
除されていると思われる。緑化樹における防除は現状では不
h
os
t
:Co
t
o
n
e
as
t
e
rs
p.
,H.HARA;
4♀
(HH
070804A),同 前 た だ し,
要である。
c
o
l
.l
a
r
v
a
e
4.VI
I
I
.
2007,ma
dec
oc
oons
10−
18.VI
I
I
.
,e
m.
2
8.I
V.
−
5)アカスジチュウレンジ Ar
geni
gr
onodos
a
(MOTSCHULSKY)
5.VI
I
I
.
20
0
8;
1♀
,Toma
koma
i
,Ka
s
uga
,
26.VI
.
2008,H.HARA。
観察幼虫 Ho
k
ka
i
do:Ma
n
yl
a
r
va
e
,As
a
hi
ka
wa
,Hi
ga
s
hi
ya
ma
,
別名バラチュウレンジ。
1.VI
I
.20
0
4,h
os
t
:Ar
i
aal
ni
f
ol
i
a;24 gr
e
ga
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ousl
a
r
va
e
,Bi
b
a
i
,
バラ属の食葉性害虫として古くから知られている(渡邊,
Tome
i
,
1
1.VI
I
.
2
0
04,hos
t
:Ar
i
aal
n
i
f
ol
i
a;6 gr
e
ga
r
i
o
usf
i
na
l
-
193
7な ど)
。北 海 道 に 分 布 す る こ と を 最 初 に 示 し た の は
i
n
s
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a
rl
a
r
v
a
e
,Bi
b
a
i
,Kos
huna
i
,
2
3.VI
I
.
2
004,hos
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:Ar
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aa
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f
o
l
i
a
;
TAKEUCHI
(19
32)と思われる。道内では被害記録はないが,
4
0g
r
e
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o
u
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r
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,Mi
ka
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a
,
11.VI
I
.
2
004,hos
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i
aa
l
ni
f
o
l
i
a;
公園や庭で普通にみられる。
形態・生態
5g
r
e
ga
r
i
o
u
sl
a
r
va
e
,Mi
ka
s
a
,
31.VI
I
.
2
004,hos
t
:Ar
i
aa
l
ni
f
o
l
i
a;
成虫の形態についてはTAKEUCHI
(19
32,1
93
9)
,
4g
r
e
g
a
r
i
o
u
sl
a
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v
a
e
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sa
bove
;
50 gr
e
ga
r
i
ousl
a
r
va
e
,I
wa
mi
z
a
wa
,
幼虫の形態や生態については奥谷ほか(1
95
9)や奥野ほか
To
ne
be
t
s
u,
9.VI
I
.
2005,hos
t
:Ar
i
aal
ni
f
ol
i
a;
4
2 gr
e
ga
r
i
o
uso
l
d
(1
977)
を参照。被害診断の参考になる写真が奥野ほか(19
7
7,
l
a
r
v
a
e
,a
sa
b
o
v
eb
ut
,
20.VI
I
.
2
005;
25gr
e
ga
r
i
ousl
a
r
va
e
,Sa
ma
ni
,
成虫・幼虫),奥谷(197
7,成虫),田辺(1979,成虫・幼虫)
,
f
o
o
to
fMt
.Ap
o
i
d
a
ke
,
12.VI
I
.
2
007,hos
t
:Pour
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hi
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i
l
l
os
a
;
5
3
上住(2
00
3a
,成虫),藤原(2
00
4,成虫・幼虫),原・篠原
gr
e
g
a
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i
o
usl
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va
e
,Toma
koma
i
,
19.VI
I
I
.
2
006,hos
t
:Ar
i
aal
ni
f
ol
i
a
。
(20
05b,成虫・幼虫),原ほか(200
6,幼虫)に掲載されてい
る。なお,本種は成虫・幼虫ともに色彩変異が著しく,一部
4)リンゴチュウレンジ Ar
gemal
(U
i CHI
YAMA)
の個体はチュウレンジバチに極めてよく似ているため,種の
別名リンゴハバチ。
同定に混乱がみられる。本種の成虫は胸部に赤色部があり,
リンゴの食葉性害虫として古くから知られている。北海道
全体黒色の場合は光沢がほぼ無色(チュウレンジバチでは全
で19
0
0年代初頭に激しい被害が発生し,新種として発表され
体黒色で強い青色光沢がある)
(TAKEUCHI,1
939参照),幼虫は
た(内山,1
90
6;BLANK e
ta
l
,2009参照)。しかし,その後は
終齢の頭部が黄褐色(チュウレンジバチではたいてい黒褐色)
(奥谷ほか1959)。また,中齢から亜終齢幼虫はこれまで検査
被害記録がないようである。
58
北海道林業試験場研究報告
№47
6)ニホンチュウレンジ Ar
geni
pponens
i
sROHWER
した限りでは,本種は胸腹部が尾端を除き一様に黄緑色だが,
チュウレンジバチでは腹部の側縁と腹面に黒小斑が現れる点
古くからバラ属の害虫とされ(渡邊193
7など),日本応用
で区別できた。宿主はバラ属に限られ,セイヨウバラ・ノイ
動物昆虫学会(20
06)の「農林有害動物・昆虫名鑑」にも掲
バラ・テリハノイバラ・ニオイバラ(奥谷,1967),ハマナ
載されているが,被害記録はないようである。今回,北海道
ス・オオタカネバラ(初記録,検査標本参照)
。北海道では
に分布することを初めて報告するが,激しい食害は観察して
成虫は6月下旬と8月下旬に,幼虫は7月上旬~8月中旬に
いない。
採集され,
7月採集幼虫が成虫になった時期は7月下旬から8
本種はROHWER(19
10)により日本“Os
a
k
ur
a
”の標本に基
月・9月・翌春と変異が大きく,8月採集幼虫は翌春に成虫
(19
32)は北海道を除く日本
づき記載された種で,TAKEUCHI
になった(検査標本参照)。以上から主に年2回発生だが3回
各地やサハリンなどから記録した。検査した北海道産標本は
発生もありそうで,年1世代・2世代・3世代の生活環が混
最も古くて1959年であったが(検査標本参照),古くからサ
在し,幼虫が9月にも発生すると考えられる。
ハリンでも記録されいることや宿主の分布から考えて外来種
分布
北海道・本州・四国・九州・サハリン・シベリア
の可能性は低いと考えられる。
形態
(TAKEUCHI,1
93
9)
。道内では帯広・新得・幌加内・美唄・三
被害
木をしばしば丸坊主にする;枝の産卵痕は裂けて汚
(奥谷ほか,195
9)。幼虫は淡褐色の微毛に覆われ,背面に1
対の白線がある。腹脚は腹部第2~6節と10節にある。中齢
くなり,病原菌の侵入の足がかりになる(奥野ほか,197
7)。
では頭部が全体黒色の場合がある。成虫についてはTAKEUCHI
道内では庭や公園で普通にみられ,集団性のため食害が目に
付きやすいが,木全体の葉を食べつくすような被害は観察し
(19
32,1
93
9),富樫(196
5)を参照。
生態
ていない。原生花園のハマナスや野生のバラ属ではほとんど
発生がみられない。
防除
幼虫(写真-7)は体長18mm内外;頭部は黄褐色
で頭頂会合線に沿い褐色条がある;体は緑色;胸脚は淡褐色
笠・札幌・むかわ(穂別)で確認している(検査標本参照)。
宿主はセイヨウバラ・ノイバラ・ニオイバラ(奥谷,
196
7),オオタカネバラ(初記録,検査標本参照)。北海道で
幼虫集団を取り除く。商品栽培上は農薬による防除
は成虫は6月中旬~8月中旬に採集されており,幼虫は6月
も必要と思われる。
“ばら”では“チュウレンジハバチ”用の
下旬~9月上旬に葉上で観察された。6月下旬採集の幼虫は
農薬が各種ある。
7月に成虫になり,
8月中旬採集の幼虫は9月または翌春に成
検査標本
Ho
kka
i
do:
1♀,Obi
hi
r
o,Ni
s
hi
ob
i
h
i
r
o,
2
0.VI
.
20
04,
虫になったことから,年最大3回発生するようであるが,年
H.HARA;
5♂
(HR
9
30810C)
,Shi
nt
oku,c
ol
.l
a
r
va
e9.VI
I
I
.
199
3,
2世代と年3世代の生活環が混在していると考えられる。雌
ma
dec
oc
o
on
s
13−
2
3.VI
I
I
.
,e
m.
6.V.
1
994,hos
t
:Ros
ar
ug
os
a,H.
成虫は葉縁組織内に産卵する(奥谷ほか,19
59)。卵はたい
HARA;2♀
3♂
(HH
070819A),Hor
oka
na
i
,Et
a
nbe
t
s
u
t
o
ge
,c
ol
.5
てい1個ずつ産みつけられる。幼虫は単独性だが,
1本の木
gr
e
ga
r
i
o
usl
a
r
v
a
e1
9.VI
I
I
.
2007,ma
dec
oc
oon
s
2
0−
21.VI
I
I
.
,e
m.
に集中することがある。幼虫は葉を縁から食べ,小葉の主脈
2
を残す。土中で繭になる。越冬は繭内で前蛹になって行われ
−
17.I
V.2
0
08,hos
t
:Ro
s
ar
u
gos
a,H.HARA;1♂,Bi
ba
i
,
る。
Ko
s
h
u
na
i
,
26.VI
I
I
.
2
003,H.HARA;
1♀
1♂
(HH
060714B),同前た
分布
だ し,c
ol
.
1
2g
r
e
ga
r
i
ousl
a
r
va
e
14.VI
I
.
2006,ma
dec
oc
oon
s
18−
北海道(初記録),本州・四国・九州・サハリン・
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I
.2006,hos
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7♂
朝鮮半島・中国(TAKEUCHI,19
32)
。道内では深川・美唄・岩
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14C)
,同 前 た だ し,c
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31gr
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1
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見沢・夕張・様似・七飯で確認しており(検査標本・観察幼
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30.VI
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200
6;
1
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4
虫参照),平野から山地に分布する。
被害
♂
(HH
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31.VI
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.
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2.VI
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I
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20
04,
幼虫は公園や野生のバラ属に時々みられるが,発生
数は少なく,目立った食害は観察していない。
防除
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:Ro
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,H.HARA(HFRIi
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);
9♂
(HH
05
0716R),同 前
商品栽培上は防除が必要となる可能性がある。
“ば
ら”では“チュウレンジハバチ”用の農薬が各種ある。
ただし,c
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1
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16.VI
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,H.HARA;5♀
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4.VI
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,H.HARA;
1♀
,採集地同前,
2
4.VI
.
2
007,H.HARA;
1♀
,同前
59
北海道林業試験場研究報告
№47
被害
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24.VI
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2007,ma
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道内でも主に山地の野生のバラ属に発生するため食
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1♂,採 集 地 同 前,
害は問題にならない。集団性のため食害は目につきやすいが,
1.VI
I
.
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1♀
2♂,同 前 た だ し,
16.VI
I
.
2
00
7;
1♀
木全体の葉を食べつくすような被害は観察していない。
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検査標本
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現状では不要である。
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8A),同前ただし,c
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I
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HARA;
1♂,採 集 地 同 前,
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1♀,同前ただし,
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8♀
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7)チュウレンジバチ Ar
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(PANZER)
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8−
16.VI
I
.
20
07,H.HARA。
別名チュウレンジハバチ。
幼虫はバラ属の食葉性害虫として古くから知られ(渡邊,
8)カンバルリチュウレンジ Ar
gepul
l
at
a
(ZADDACH)
1
9
3
7など)
,また,
“チュウレンジハバチ”用の農薬が各種市
販されている。しかし,本種は主として山麓地帯に発生し,
別名カンバチュウレンジ。
あまり多くない(奥野ほか,1977)。道内でも同様で,公園
シラカンバの食葉性害虫である。1
956年に長野県で被害が
や庭での発生は観察していない。なお,ヨーロッパでは害虫
発生し,国内における分布が初めて確認された(滝沢,
19
6
2)。
として知られている(TAEGER e
ta
l
,1998など)。
北海道では比較的最近TOGASHI
(19
98)により初めて分布が確
北海道に分布することを最初に示したのはTa
ke
uc
hi
(19
39)
認され,HARA &SHINOHARA(20
08)により被害が報告された。
と思われるが,
1
9
32年に道内で採集された標本を確認した(検
北海道・本州どちらにおいても19
20年台採集の古い標本が確
査標本参照)
。
認されているため(HARA &SHINOHARA,20
08参照)
,外来種
形態
本種はアカスジチュウレンジと極めてよく似ている。
区別点についてはアカスジチュウレンジの下で記述した。成
とは考えにくい。ヨーロッパでもカバノキ属の害虫として知
られている(TAEGER e
ta
l
,1
99
8など)。
形 態・生 態
虫についてはTAKEUCHI
(1932,1939)や富樫(1965)
,幼虫
滝 沢(1
962)及 びHARA &SHINOHARA(20
0
8)
(写真-8~10)については奥谷ほか(1959)を参照。上住
を参照。後者に被害診断の参考になる写真が掲載されている。
(20
03b)の成虫写真や藤原(2004)の幼虫写真はアカスジチ
田辺(19
7
9)の幼虫写真はハバチ科ヒゲナガハバチ亜科の種
ュウレンジと考えられる。
である。
生態 アカスジチュウレンジと同様である。宿主はセイヨ
分布
ウバラ・ノイバラ・ニオイバラ(奥谷,1967),オオタカネ
北海道・本州・ヨーロッパ・シベリア・ロシア極東
・サハリン・中国;道内では網走・釧路・十勝・空知・石狩
バラ(初記録,検査標本参照)。北海道では成虫は6月中旬
地方で確認されている(TOGASHI,19
98;HARA &SHINOHARA,
~7月上旬に採集されただけであるが,
6月下旬~7月上旬に
200
8)。
被害
採集された幼虫は7月上旬~8月上旬または翌春に成虫にな
本州では長野県における被害が1例知られ,連年連
った(検査標本参照)。このため,年2回発生だが,年1世
続して被害を受けたものは生長が悪くなり,枯死したものも
代と年2世代の生活環が混在しているようである。雌成虫は
認められている(滝沢,196
2)
。北海道では200
1年以降,札
新梢を縦に裂き,数十卵をかためて産む;幼虫は群生するこ
幌市街地で食害が目立つようになり,小さな木では全葉を失
とが多く,小葉の主脈を残して食害する(奥谷ほか,19
59)。
うような食害が観察されている(HARA &SHINOHARA,2
00
8)
。
分布 北海道・本州・四国・九州・サハリン・朝鮮半島・
食害木の枯死は確認していない。デンマークでは幼虫を食べ
中国・モンゴル・シベリア・ヨーロッパ(TAKEUCHI,193
9)。
た動物が幼虫の毒で死んだ報告(THAMSBORG e
ta
l
,1
98
5など)
道内では深川・八雲・函館で採集した(検査標本参照)。
があるが,他では例がない(HARA &SHINOHARA,20
0
8参照)
。
6
0
北海道林業試験場研究報告
防除
№47
1)ニレクワガタハバチ Apr
oc
er
osl
euc
opodaTAKEUCHI
幼虫は群生しているので枝葉ごと取り除く。
19
38年に札幌で採集された標本に基づきTAKEUCH(
9
3
9)に
I1
9)ルリチュウレンジ Ar
ges
i
mi
l
i
(
sVOLLENHOVEN)
より新種記載された。被害記録はないが,ノニレで激しい食
古くからツツジ属の害虫として知られている(井伊,19
34
など)
。北海道から最初に記録したのはTAKEUCHI
(1932)と思
害を観察している。本種は日本応用動物昆虫学会(20
0
6)の
「農林有害動物・昆虫名鑑」には掲載されていない。
形態・生態
われる。道内では被害記録はないが,公園や庭で時々みられ
る。
成虫の形態についてはTAKEUCHI
(19
39),幼虫
の形態や生態については原・篠原(200
5b)を参照。後者に被
形態・生態 井伊(1934)や奥野ほか(1977)に詳述され
害診断の参考になる写真が掲載されている。宿主はノニレ
ている。また,成虫の形態についてはTAKEUCHI
(1932,1
939)
(TAKEUCHI,19
39)
,ハルニレ(内藤ほか,20
04)。素木(1
95
2)
や富樫(1
9
6
5),幼虫の形態については奥谷ほか(1
9
59)を
はタモとしているが(引用元不明),再確認が必要である。
分布
参照。被害診断の参考となるカラー写真が上住(2003,成虫
北海道(TAKEUCHI,19
39)
,本州(内藤ほか,200
4)
,
・幼虫・被害)
,藤原(2004,幼虫),原・篠原(2005b
,成虫
中国(WU,20
06)
。最近ヨーロッパでも発生が確認されてい
・幼虫)
,山田(2005,幼虫),原ほか(2006,幼虫)に掲載
る(S.M.BLANK私信,
20
09)
。道内では札幌(TAKEUCHI,
1
9
39)
,
されている。宿主はツツジ属各種であるが,シャクナゲ類は
大雪山(TOGASHI,19
68)のほかに新得・深川・美唄・千歳・
食害をみない(奥谷,19
67)。道内では成虫が6月下旬~9
むかわ(穂別)・函館で確認している(検査標本参照)。
被害 19
91~1
993年に新得町の庭のノニレ2本(樹高約3
月中旬に採集されている(検査標本参照)。生活環の詳細は不
明である。
分布
~5m)が連年激しく食害され枝枯れが生じた。ハルニレに
北海道・本州・四国・九州・八丈島・対馬・屋久島
も普通にみられるが,激しい食害は観察していない。
防除
・トカラ中之島・沖縄本島・朝鮮半島・中国・台湾(阿部・
検査標本
富樫,1
9
8
9)
。道内では岩見沢・札幌・むかわ(穂別)・七飯
で確認している(検査標本参照)。
被害
幼虫や繭を取り除く。
Ho
kka
i
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o:1♀(Ph
91
071
2F)
,Shi
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3.VI
I
.
1
9
9
1,
多発すると樹全体を丸坊主にし,樹を枯らすことが
h
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musp
umi
l
a
,H.HARA;
1
1♀,同 前 た だ し,c
ol
.l
a
r
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e
1
2.
ある(井上,1
96
0)。道央や道南では公園で時々食害が目立
VI
I
.
199
1,ma
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1
4−
16.VI
I
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199
1,e
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18−
23.VI
I
.
19
9
1;
つが,樹全体の葉を食べつくすような被害は観察していない。
防除
3♀,採 集 地 同 前,
18.V.
199
2,onUl
mu
spumi
l
a,H.HARA;
1♀
幼虫を捕殺する(奥野ほか,1
977)。
“つつじ類”の
(HH
07
0
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2.VI
.
20
07,e
m.
17.VI
.
“ルリチュウレンジハバチ”に適用できる農薬としてペルメト
20
07,hos
t
:Ul
mu
spumi
l
a
,H.HARA(l
a
i
d8 e
g
gsonUl
mu
s
リンエアゾル(商品名サンフラパーA・普通物・魚毒性C),
d
av
i
di
a
nava
r
.j
a
pon
i
c
ai
nc
a
g
e
17−
19.VI
.
200
7;l
a
r
v
a
eha
t
c
h
e
d23
アセフェート・MEPエアゾル(商品名オルトランS・普通
−
24.VI
.
20
07,bu
tdi
e
d
);
1♀
(HH
07
06
02B),同 前 た だ し,c
o
l
.
物・魚毒性A及びB)などがある。
l
a
r
v
a2.VI
.2
007,e
m.1
8.VI
.20
07(l
a
i
d7 e
gg
so
nUl
mu
s
検査標本
Hok
ka
i
do:
1♀,I
wa
mi
z
a
wa
,Hi
ga
s
hi
ya
ma
,
2
8.VI
I
I
.
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pon
i
c
ai
nc
a
ge
18−
2
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.
200
7;l
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eh
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t
c
h
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d2
4
2
00
4,H.HARA;3♀
5♂,Sa
ppor
o,Hokk
a
i
doUni
ve
r
s
i
t
y
,
24.VI
I
I
.
−
25.VI
.
20
07,b
utd
i
e
d)
;1♀
(HH
0
70
602C),同前ただし,c
o
l
.
2
00
3,H.HARA(HFRIi
npa
r
t
);
3♂
(HH
03090
7B),同 前 ただし,
l
a
r
va2.VI
.2
00
7,e
m.1
8.VI
.200
7(l
a
i
de
g
gson Ul
mus
c
o
l
.l
a
r
v
a
e2
4.VI
I
I
.
2003,ma
dec
o
c
oons15.I
X.
,e
m.
27.I
X.
d
av
i
d
i
an
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po
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c
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nc
a
ge
1
8−
20.VI
.
20
07;l
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c
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d2
5
−
.VI
.
20
07,ma
dec
oc
oo
ns11−
1
6.VI
I
.
20
07,b
utno
te
m.
)
;
1♀
2
0
0
3;3♂, 採集地同前,15. I
X.2003, H. HARA;1♀
(HH
0
7
08
1
4M)
,Mu
ka
wa
,Hobe
t
s
u,
14.VI
I
I
.
2007,H.HARA(l
a
i
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(HH
07
060
2D),同前ただし,c
o
l
.l
a
r
va2.VI
.
200
7,e
m.
1
8.VI
.
e
g
g
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nRh
o
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od
e
ndr
ons
p.
);7♀
3♂(Pr
oge
nyofHH
070
81
4M),
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ggsonUl
mu
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i
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ava
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pon
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c
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nc
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g
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1.
o
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p
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s
i
t
e
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1
7.VI
I
I
.2007,ha
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c
he
d24.VI
I
I
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d
ec
oc
oon
VI
.2
00
7; l
a
r
va
e ha
t
c
he
d2
4−. VI
.2
00
7, bu
t di
e
d)
;1♀
6−
11.I
X.
,e
m.2
3−
27.I
X.2007,ho
s
t
:Rhodode
ndr
ons
pp.H.
(HH
07
062
4G)
,Fuk
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g
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wa
,Ta
ka
doma
r
i
,c
ol
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r
v
a2
4.VI
.
20
0
7,
HARA;1♂,Na
na
e
,Mt
.Yokot
s
uda
ke
,19−
20.VI
.20
07,A.
ma
dec
oc
o
on30.VI
.
20
07,pup
.
3.VI
I
.
20
07,e
m.
5.VI
I
.
2
0
07,
SHINOHARA。
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mu
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a,H.HARA(l
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ni
c
ai
nc
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ge5−
7.VI
I
.200
7;l
a
r
v
a
e
3 B.クワガタハバチ亜科 St
er
i
ct
i
phor
i
nae
ha
t
c
he
d9−
10.VI
I
.2
007,bu
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i
e
d)
;1♀(HH
94
06
07D)
,Bi
b
a
i
,
樹木害虫としてニレクワガタハバチを初めて記録する。ク
Kos
hun
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i
,c
ol
.l
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r
v
a31.V.
1
99
4,ma
d
ec
oc
oo
n11.VI
.
19
94,e
m.
ワガタハバチ亜科の幼虫は腹部末端(第10節)に小突起を持
1
7.VI
.
1
994,h
os
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:Ul
musdav
i
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ava
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ap
oni
c
a
,H.HARA;
4♀
,
つ。
同前ただし,c
ol
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r
v
a
e7.VI
.199
4,e
m.1
8.VI
.1
99
4;1♀
(HH
07
061
0A),同前ただし,c
o
l
.l
a
r
va10.VI
.20
07,ma
d
e
c
o
c
oon1
6.VI
.
2
007,e
m.
2
1.VI
.
2
007(l
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i
d4
9e
gg
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nUl
mu
s
61
北海道林業試験場研究報告
№47
d
a
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i
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a
p
oni
c
ai
nc
a
ge
);
2♀
(pr
oge
nyofHH
07
06
10A),
(産地不詳)から新種として記載された種で,本州にのみ分
f
r
om e
g
gsl
a
i
d23−
25.VI
.
2007,ha
t
c
he
d28−
30.VI
.
2007,ma
d
e
31;阿部・富樫,
布することが知られていたが(TAKEUCHI,19
c
o
c
oo
ns
1
6.VI
I
.
2
0
07,e
m.
22.VI
I
.
2007,hos
t
:Ul
musda
v
i
d
i
ana
19
8
9),被害記録はないようであり,日本応用動物昆虫学会
v
a
r
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c
a
(1♀l
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d44 e
ggsi
nc
a
ge22−
23.VI
I
.
200
7;l
a
r
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e
(2
0
06)の「農林有害動物・昆虫名鑑」にも掲載されていな
h
a
t
c
h
e
d26−.VI
I
.
2007,butdi
e
d);
1♀
(HH
070610B),採 集 地 同
い。北海道からはTOGASHI
(19
98)により1
992年に採集された
前,c
o
l
.l
a
r
v
a
10.VI
.
2007,ma
dec
oc
oon14−
17.VI
.
2007,e
m.
23.
標本に基づき初めて記録された。道内では庭木における食害
VI
.
2
00
7,hos
t
:Ul
musdav
i
di
anava
r
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aponi
c
a,H.HARA(l
a
i
d3
3
を20
04年以降確認している。
e
g
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sonUl
mu
sd
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i
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anava
r
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aponi
c
ai
nc
a
ge23−
25.VI
.
20
07;
成虫は比較的大形(体長16~1
8mm)で採集されやすいと
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a
r
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eha
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c
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d2
9−
3
0.VI
.
2007,ma
dec
oc
oons
17.VI
I
.
20
0
7,b
ut
考えられるが,北海道大学総合博物館及び国立科学博物館で
n
o
te
m.
)
;
1♀
(HH
0
70707C)
,Sa
ppor
o,Hokka
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doUni
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s
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t
y
,c
ol
.
道内産標本を確認できなかった。このため,国内外来種の可
c
o
c
o
on7.VI
I
.
2
0
0
7,e
m.
10.VI
I
.
2007,onUl
muspumi
l
a,H.
能性がある。
形態
HARA(l
a
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gg
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a
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ap
on
i
c
ai
nc
a
ge
10−
16.
幼虫(写真-1
1~1
2)は終齢で体長4
5mm;頭部は
VI
I
.2
00
7;l
a
r
v
a
e ha
t
c
he
d18−.VI
I
.2
007,b
utdi
e
d);1♀
黒色,胸脚は淡い黄土色;胸腹部は背面が暗い灰褐色,腹面
(HH
0
70
7
07F),同前ただし,c
ol
.l
a
r
va
7.VI
I
.
20
07,e
m.
1
5.VI
I
.
が淡い黄土色,背面には多数の小さな白色円錐状突起が横に
2
00
7,ho
s
t
:Ul
mu
spumi
l
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d43 e
ggso
nUl
mu
sd
av
i
di
an
ava
r
.
並ぶ(福田196
8も参照)。道内に分布する良く似たルリコンボ
j
a
po
n
i
c
ai
nc
a
g
e
);
5♀
(pr
oge
nyofHH
0707
07F)
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gg
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d
ウハバチOr
i
e
nt
a
bi
aj
ap
oni
c
a
(CAMERON)もタニウツギ属を宿
1
5−
1
7.VI
I
.
2
00
7,ha
t
c
he
d18−
20.VI
I
.
2007,ma
d
ec
oc
o
ons
,
2−
5.
主とするが,この種は終齢で体長3
0mm,背面が黒色で腹面
VI
I
I
.2
00
7,p
up
.5−
6.VI
I
I
.2007,e
m.8−
1
0.VI
I
I
.20
07,h
os
t
:
が黄白色で境界が明瞭である(奥谷ほか,1
95
9;福田,1
96
8)
。
Ul
musd
a
v
i
d
i
a
nav
a
r
.j
apon
i
c
a;
1♀
(HH
0707
07H),採 集 地 同 前,
成虫についてはTAKEUCHI
(19
31,19
39),富樫(196
5)を参照。
生態
c
o
l
.l
a
r
v
a7.VI
I
.
2007,e
m.
16.VI
I
.
20
07,ho
s
t
:Ul
muspu
mi
l
a
,H.
宿主はタニウツギ属のタニウツギ(富樫,1
9
65)
,
ニシキウツギ(福田,1
968)
。道内では庭木のハコネウツギ
HARA(l
a
i
d2
8e
g
gsonUl
musd
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an
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r
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pon
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g
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16−
17.VI
I
.
20
07;l
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eha
t
c
h
e
d21.VI
I
.
2007,bu
tdi
e
d)
;
3♀,採集地
と思われる木で幼虫を確認しているが,タニウツギでは未確
同
前,c
o
l
.l
a
r
va
e7.VI
I
.
2007,ma
dec
o
c
oo
ns
10−
16.VI
I
.
2
007,
認である。北海道では成虫は7~8月に現れる(TOGASHI,
e
m.1
8−
20.VI
I
.2007,hos
t
:Ul
mus p
umi
l
a,H.HARA;1♀
199
8;木野田,20
06)。年1回発生のようで,幼虫は単独性,
(HH
0
7
07
2
9C)
,Chi
t
os
e
,Ra
nk
os
hi
,c
ol
.l
a
r
va29.VI
I
.
2007,ma
d
e
7~8月に観察され,飼育下では土中で繭を作り,翌年成虫
c
o
c
o
o
n2−
5.VI
I
I
.
2
007,e
m.
8.VI
I
I
.
2007,hos
t
:Ul
musd
av
i
di
ana
が羽化した。成虫はノリウツギの花に集まる(福田,19
68)
分布
v
a
r
.j
a
p
o
ni
c
a
,H.HARA;
1♀,Muka
wa
,Hobe
t
s
u,c
ol
.l
a
r
va9.VI
I
.
北海道(TOGASHI,19
98)
,本州(TAKEUCHI,1
93
1)
。
2
00
7,ma
dec
oc
oo
n14−
16.VI
I
.
2007,e
m.
18−
20.VI
I
.
200
7,ho
s
t
:
道内では樽前山(TOGASHI,19
98)のほかに札幌・苫小牧・長
Ul
musda
v
i
di
an
av
a
r
.j
aponi
c
a,H.HARA;
3♀,Ha
koda
t
e
,Ki
ky
o,
万部で確認している(被害及び検査標本参照)。
被害 200
4年7月末に札幌の庭のハコネウツギと思われる
c
o
l
.l
a
r
v
a
e17.VI
I
.2008,e
m.25.VI
I
.2008,hos
t
:Ul
mus
木で激しい食害を観察した。また,20
07年に苫小牧で食害が
d
a
v
i
d
i
an
ava
r
.j
ap
o
ni
c
a,H.HARA(HFRIi
npa
r
t
)。
発生し相談を受けた。
防除
4.コンボウハバチ科 Ci
mbi
ci
dae
幼虫を捕殺する。体液を分泌するのでゴム手袋をす
ること。
日本産の種はコンボウハバチ亜科とアシブトハバチ亜科に
検査標本
分けられる。どちらの幼虫も広葉樹の葉を食べる。
Hok
ka
i
d
o:
2♀
,Os
h
a
ma
nb
e
,Os
ha
ma
nb
e
,c
ol
.l
a
r
va
e
21.VI
I
I
.
2
008,ma
d
ec
o
c
o
ons
25.VI
I
I
.
,e
m.
23−
2
4.V.
2
00
9,h
o
s
t
:
本科の幼虫はチョウやガ(鱗翅目)の幼虫に似る。区別点
はミフシハバチ科の下に記した。ハバチ亜目の他科との区別
We
i
ge
l
a?c
or
ae
e
ns
i
s
,H.HARA。
点は,
腹部1~8節背面の小環節数が7(背面のしわが6本),
4 B.アシブトハバチ亜科 Ci
mbi
ci
nae
腹脚が腹部第2~8・10節にあること,腹部の気門上部に体
液の分泌腺があること,触角が1節などである(SMITH &
樹木害虫としてカラフトモモブトハバチ1種が知られてい
98
7)。
MIDDLEKAUFF,1
る。渡邊(193
7)は他に“ルリアシブトハバチ”
(=ルリモモ
4 A.コンボウハバチ亜科 Abi
i
nae
ハ バ チ”
(= ウ ス キ モ モ ブ ト ハ バ チCi
mbe
xl
ut
e
u
s
(LINNAEUS,
ブトハバチCi
mbe
xc
on
na
t
u
sj
ap
on
i
c
usKIRBY,
1
882)
“ヤナギノ
,
最近になって次の1種の食害が確認された。
17
58))を害虫として挙げているが,被害記録はなく,日本
応用動物昆虫学会(200
6)の「農林有害動物・昆虫名鑑」に
1)オオルリコンボウハバチ Or
i
ent
abi
ar
el
at
i
v
a
(ROHWER)
も掲載されていないので除外した。
幼虫はタニウツギ属の葉を食べる。本種は1
910年に日本
6
2
北海道林業試験場研究報告
1)カラフトモモブトハバチ Ci
mbexf
emor
at
us
(LI
NNAEUS)
№47
引用文献
別名カラフトアシブトハバチ,タカネアシブトハバチ,タ
阿部正喜・富樫一次19
89.ハバチ亜目.平嶋義宏(監修),
カネモモブトハバチ。
日本産昆虫総目録:
54
1−
5
60.九州大学農学部昆虫学教
幼虫はシラカンバの食葉性害虫である。日本応用動物昆虫
室,福岡.
学会(2
0
06)の「農林有害動物・昆虫名鑑」には掲載されて
,A.TAEGER,A.D.LISTON,D.R.SMITH,A.P
.
BLANK,S.M.
いない。1
90
9年に北海道で採集された標本がある(HARA &
RASNITSYN,A.SHINOHARA,M.HEIDEMAA & M.VIITASAARI
SHINOHARA,2
00
0参照)
。山口・小泉(1977)が最初の被害記
20
09. St
u
di
e
st
o
wa
r
d a Wo
r
l
d Ca
t
a
l
og o
f Sy
mp
h
y
t
a
録と思われる。
(Hy
me
n
opt
e
r
a
).Zo
ot
a
xa
225
4:
1−
96.
形態・生態 HARA &SHINOHARA
(2000,成虫の形態),
原(2
00
5,
藤原二男200
4.花木・庭木・家庭果樹の病気と害虫.21
1p
p.
成文堂新光社,東京.
成虫の形態・生態),原・篠原(2005c
,幼虫の形態・生態)
福田南海男19
68.栃木県におけるコンボウハバチ類の分布と
を参照。宿主はシラカンバ・ダケカンバ・ヤエガワカンバ
生態.インセクト 2:
3−
14.
(HARA &SHINOHARA,2000)。平野部で大発生するものは成虫
福山研二・原秀穂・林直孝1
99
9.1
998年に北海道で発生した
の腹部がたいていオレンジ色で成虫出現時期が7月,幼虫食
森林昆虫.北方林業5
1:
2
67−
270.
害時期が8~9月である。
分布 北海道・本州・四国・ヨーロッパ~シベリア・沿海
福山研二・伊藤賢介・原秀穂・林直孝1
998.19
97年に北海道
に発生した森林昆虫.北方林業50:
18
5−
1
88.
州・中国・朝鮮半島・サハリン・南千島;道内では利尻島,
福山研二・前藤薫・東浦康友・原秀穂19
9
2.平成3年度に北
網走・釧路・十勝・上川・空知・石狩・後志・日高・桧山地
海道に発生した森林昆虫.北方林業44:
27
1−
2
7
4.
方というようにほぼ全道的に分布する(HARA &SHINOHARA,
福山研二・前藤薫・東浦康友・原秀穂1
99
3.平成4年度に北
2
0
0
0参照)
。
被害 1
9
7
6年に“コンボウハバチの1種”がシラカンバ公
海道に発生した森林昆虫.北方林業4
5:
2
69−
272.
福山研二・前藤薫・東浦康友・原秀穂1
9
94.平成5年度に北
園樹で大発生した(山口・小泉,1977)。それ以降,被害は
海道で発生した森林昆虫.北方林業46:
2
9
1−
2
94.
1
9
7
8~7
9・1
9
82・1985~86年に札幌,19
93年に帯広で観察さ
福山研二・前藤薫・東浦康友・原秀穂19
9
5.199
4年に北海道
れている(小泉,1979,
“キイロアシブトハバチ(?)”
;小泉,
で発生した森林昆虫.北方林業47:
166−
16
9.
1
9
8
0,
“キイロアシブトハバチ”;小泉,1983,
“コンボウハバ
チの1種”
;吉田,
1
987a
“コンボウハバチの1種”
,
;吉田,
19
87b
,
GUSSAKOVSKIJ,V.V.
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“シラカンバのコンボウハバチの1種”;福山ほか,19
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ンバコンボウハバチ”)。これらの記録はいずれも本種の被害
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URSS,Mo
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と考えられる(HARA &SHINOHARA,2000)
。記録されている
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(ロシア語,ドイツ語要旨.
)
被害樹種はシラカンバだけで,被害発生箇所は明記されてい
HARA,H.
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る限りでは公園樹・庭園樹だけである。他のカバノキ属や森
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林では被害は観察されていない。食害による枯死木の発生は
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1:
29
3−
3
0
2.
記録がない。
原秀穂19
94.アカエゾマツを加害するナギナタハバチについ
防除 幼虫や成虫を捕殺する。大きいので見つけやすい。
て.光珠内季報9
6:
1
3−
1
5.
幼虫は体液を分泌するのでゴム手袋をすること。
原秀穂1
996.アカエゾマツの新害虫マルナギナタハバチ.森
林保護25
4:
25−
26.
謝
原秀穂199
7.道内のアカエゾマツ人工林におけるマルナギナ
辞
タハバチの被害発生状況およびシントメタマバエの1
種による被害の発見.光珠内季報10
9:
6−
7.
国立科学博物館の篠原明彦氏には本稿について多くの意見
原秀穂2
005.北海道のモモブトハバチ属.森林保護30
0:
2
8−
・指摘をいただき,また,所蔵同定標本のデータ公表を快諾
30.
していただいた。国立科学博物館の大和田守氏には文献の収
原秀穂・林直孝1
998.ヒメバチによるニホンカラマツヒラタ
集,北海道大学総合博物館の大原昌宏氏には所蔵標本の検査
でお世話になった。各氏に厚くお礼申し上げる。本研究の一
ハバチの生物的防除の検討.森林保護268:
4
1−
44.
部は藤原ナチュラルヒストリー振興財団(平成18年度第15回
原秀穂・林直孝19
99.寄生蜂によるニホンカラマツヒラタハ
学術研究助成「動物学」
)及び日本学術振興会科学研究費
バチの生物的防除の取り組み.日本林学会北海道支部論
文集4
7:
70−
7
2.
(205
80
1
65)の助成を受けた。
原秀穂・池ノ谷重男・菊地健2
00
6.虫害.北海道立林業試験
場(監修),北海道,樹木の病気・虫害・獣害:
1
1
1−
1
93.
63
北海道林業試験場研究報告
№47
北海道森と緑の会,札幌.
発生した森林害虫.北方林業3
4:17
8−
18
2.
HARA,H.
,H.KOJIMA & A.SHINOHARA2007.Ar
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小泉力(北海道森林昆虫談話会)1
98
4.昭和5
8年度北海道に
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発生した森林害虫.北方林業3
6:16
5−
17
0.
小泉力(北海道森林昆虫談話会)1
98
5.昭和59年度,北海道
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3:85−
89.
に発生した森林害虫.北方林業3
7:27
8−
2
8
1.
HARA,H.& A.SHINOHARA 2000. A s
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小泉力199
4.カラマツヤツバキクイムシ.小林富士雄・竹谷
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昭彦(編),森林昆虫,総論・各論:18
3−
1
84.養賢堂,東
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京.
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99−
2
24.
小泉力・前藤薫・東浦康友・原秀穂1
99
1.平成2年度に北海
原秀穂・篠原明彦2005a
.ナギナタハバチ科(Xy
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).青
道で発生した森林昆虫.北方林業4
3:1
55−
1
61.
木典司ほか,日本産幼虫図鑑:272.学習研究社,東京.
小島耕一郎19
83.カラマツヒラタハバチの生態について.第
原秀穂・篠原明彦2005b.ミフシハバチ科(Ar
gi
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a
e
).青木
31回日本林学会中部支部大会講演集:17
1−
1
74.
典司ほか,日本産幼虫図鑑:276−
277.学習研究社,東京.
前藤薫1
990.オオアカズヒラタハバチ(1).林業と薬剤1
1
4
:
原秀穂・篠原明彦2005c
.コンボウハバチ科(Ci
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a
e
).
13−
17.
青木典司ほか,日本産幼虫図鑑:277.学習研究社,東京.
前藤薫19
91.オオアカズヒラタハバチ(2).林業と薬剤11
5
:
HARA,H.&A.SHINOHARA2008.Ta
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前藤薫19
94.オオアカズヒラタハバチ.小林富士雄・竹谷昭
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彦(編),森林昆虫,総論・各論:3
4
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3
48.養賢堂,東京.
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155.
前藤薫・福山研二1
99
6.カラマツを食べるヒラタハバチに注
東浦康友・原秀穂・菊地健1992.アカエゾマツの害虫の発生
意.森林保護,
2
51:6−
7.
予察技術の開発.平成3年度(1991)北海道林業試験場
真宮靖治・中村直子・杉本和永・山岡好夫19
9
5.玉川大学弟
年報:1
7−
1
8.
子屈演習林におけるカラマツおよびグイマツのヒラタハ
井 伊 直 弘1
93
4.躑 躅 の 害 蟲 ル リ チ ュ ウ レ ン ジAr
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バチ被害とそれに関連する昆虫病原性S
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属線
VOLLENHOVENの生活史竝に習性に就きて.応用動物学雑
虫.日本林学会論文集10
6:4
5
5−
4
56.
誌 6:2
73−
2
89.
MASAKA,K.& H.HARA 20
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池ノ谷重男2
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7.フェロモントラップを用いたヤツバキクイ
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ムシのモニタリング.森林保護30
7:19−
22.
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井上元則1
960.林業害蟲防除論,下巻(I
).210pp.地球出版,
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47−
55
2.
東京.
真坂一彦・原秀穂2
00
0.芽吹きの早いアカエゾマツは食われ
伊藤賢介・福山研二・東浦康友・原秀穂19
96.1995年に北海
にくい!-食害の受け方の個体差とその差が成長に及ぼ
道で発生した森林昆虫.北方林業48:1
87−
190.
す影響-.北方林業53:3
9−
42.
伊藤賢介・福山研二・東浦康友・原秀穂1997.1996年に北海
松村松年19
12.續日本千蟲図解,4:1−
24
7;Ta
b.
4
2−
5
5.警
道で発生した森林昆虫.北方林業49:224−
227.
醒社,東京.
伊藤孝美20
05.農業総覧・花卉病害虫診断防除編,
サクラヒラ
松下眞幸194
3.森林害蟲学.4
10pp.冨山房,東京.
タハバチ,追録第4号・6巻:555−
5
56,
556の2.(原色花
内藤親彦・吉田浩史・中峰空・森田年則・池田隆直・鈴木壽
卉病害虫百科6,花木・庭木・緑化樹①[ア~ツ]アジサ
也・中西明徳200
4.兵庫県におけるハバチ類の種多様性.
イ・サクラ・ツツジほか41種,
20
08から引用.
) 農山漁村
兵庫県立人と自然の博物館,自然環境モノグラフ(1)
:
文化協会,東京.
1−
2,pl
.
1−
10,
1−
8
5.
神保一義19
8
4.高山蛾.192pp.築地書館,東京.
中島秀雄19
87.カレハガ科.杉繁敏郎(編),日本産蛾類生
数井正俊19
2
4. 梨害蟲目録(承前).昆虫世界2
8:226−
237.
態図鑑:115−
11
8.講談社,東京.
木野田君公2
006.札幌の昆虫.413pp.北海道大学出版会,札
西谷順一郎19
10.りんごはばち(Hy
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.
)に就て.
幌.
昆虫世界1
4:14
1−
1
43.
小泉力1
9
79.昭和5
3年度北海道に発生した森林害虫.北方林
日本応用動物昆虫学会(監修)19
80.農林害虫名鑑.3
0
7p
p.
業3
1:1
6
0−
164.
日本植物防疫協会,東京.
小泉力(北海道森林昆虫談話会)19
80.昭和54年度北海道に
日本応用動物昆虫学会(編)2
00
6.農林有害動物・昆虫名鑑,
発生した森林害虫.北方林業32:1
59−
163.
増補改訂版.38
7pp
.日本応用動物昆虫学会,東京.
小泉力(北海道森林昆虫談話会)1983.昭和57年度北海道に
岡田充弘・岩間昇19
99.長野県におけるカラマツヒラタハバ
64
北海道林業試験場研究報告
チの生態およびカラマツへの食害.森林防疫4
8:16
3−
№47
バチの調査(経過報告)について.帯広営林支局,平成8
1
69.
年度業務研究発表集:51−
5
5.
奥俊夫2
00
3a
.サクラヒラタハバチ.梅谷献二・岡田利承
坂西由加里・鈴木悌司・原秀穂2
00
8.弟子屈町カラマツ人工
(編)
,
日本農業害虫大事典:37
9.全国農村教育協会,東京.
林におけるニホンカラマツヒラタハバチの動態解析.日
奥俊夫2
0
03b.リンゴハバチ.梅谷献二・岡田利承(編),日
本森林学会北海道支部論文集56:1
73−
17
5.
本農業害虫大事典:493.全国農村教育協会,東京.
笹川満廣19
58.日本未記録のハサミルリチュウレンジの幼虫
奥野孝夫・田中寛・木村裕1
977.原色樹木病害虫図鑑.365p
p
.
に就て.Aki
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u7:43.
保育社,大阪.
佐々木満・岡山誠・千葉保夫・竹花邦夫・小野寺英美・原秀
奥谷禎一1
96
7.日本産広腰亜目(膜翅目)の食草(I
).日本
穂1
99
2.網走におけるオオアカズヒラタハバチの被害と
応用動物昆虫学会誌11:43−
49.
粘着剤による防除の検討.平成3年度北海道林業技術研
奥谷禎一1
977.膜翅目,ナギナタハバチ科,ヤドリキバチ科,
究発表会大会論文集:130−
13
1.北海道林業改良普及協
ヨフシハバチ科,キバチ科,クビナガキバチ科,クキバチ
会,札幌.
科,ヒラタハバチ科,ハバチ科,マツハバチ科,ミフシハバ
佐藤滝也199
6.弟子屈町のカラマツ林で発生したヒラタハバ
チ科,コンボウハバチ科,コマユバチ科,アブラコバチ科.
チの1種の被害と生態.森林保護25
4:29−
31.
伊藤修四郎・奥谷禎一・日浦勇(編),原色日本昆虫図
19
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SHINOHARA,A.
鑑,下巻,全改訂新版:278−
297.保育社,大阪.
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奥谷禎一・石井梯・安松京三1
959.膜翅目.江崎悌三・石井
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11
7.
梯・河田党・素木得一・湯浅啓温(編),日本幼虫図鑑:
SHINOHARA,A.
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奥谷禎一・三方彰一19
58.広腰亜目の研究.X.サクラを加害
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0:32
3−
351.
するヒラタハバチ2種の生活史.日本応用動物昆虫学会
SHINOHARA,A.19
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小野寺英美・小山一治・千葉保夫・竹花邦夫・伊藤雅之・原
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秀穂1
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93.粘着テ-プによるオオアカズヒラタハバチ防
SHINOHARA,A.
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除効果について.平成4年度北海道林業技術研究発表会
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大会論文集:1
50−
151.北海道林業改良普及協会,札幌.
6
3:82
5−
840.
尾崎研一・福山研二・原秀穂・林直孝2000.1999年に北海道
SHINOHARA,A.
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で発生した森林昆虫.北方林業52:204−
206.北方林業
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2.
OZAKI,
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京.
上住泰2
003b.チュウレンジバチ.梅谷献二・岡田利承(編),
日本農業害虫大事典:788.全国農村教育協会,東京.
上住泰2
0
03c
.ルリチュウレンジ.梅谷献二・岡田利承(編),
日本農業害虫大事典:864.全国農村教育協会,東京.
上住泰20
0
3d
.サクラヒラタハバチ.梅谷献二・岡田利承
(編)
,日本農業害虫大事典:9
15.全国農村教育協会,東京.
山口博昭・小泉力1977.昭和51年度に発生した森林害虫.北
方林業2
9:1
60−
164.
山田倫章20
0
5.農業総覧・花卉病害虫診断防除編,
ルリチュウ
レンジ,追録第4号・6巻:84
5−
846.(原色花卉病害虫
百科6,花木・庭木・緑化樹①[ア~ツ]アジサイ・サク
ラ・ツツジほか4
1種,
20
08から引用.
) 農山漁村文化協会,
東京.
矢野宗幹19
2
0.からまつヲ害スル葉蜂類二就テ.林業試験彙
報 2:3
1−
38.
吉田成章(北海道森林昆虫談話会)198
7a
.昭和6
0年度・北
海道に発生した森林害虫.北方林業3
9:10
6−
1
10.
吉田成章(北海道森林昆虫談話会)198
7b.昭和6
1年度・北
海道に発生した森林害虫.北方林業39:1
79−
18
4.
吉田成章1
99
4a
.ヤツバキクイムシ.小林富士雄・竹谷昭彦
(編),森林昆虫,総論・各論:171−
1
78.養賢堂,東京.
吉田成章19
94b
.タカネヒラタハバチ.小林富士雄・竹谷昭彦
(編),森林昆虫,総論・各論:338−
34
1.養賢堂,東京.
吉田成章・前藤薫1991.北海道大雪山系高根原ハイマツの枯
損原因.森林防疫40:124−
129.
吉田成章・宮下俊一郎1993.森林病虫獣害発生情報.森林防
疫4
2:2
0
1−
2
03.
渡邊福寿1
937.日本樹木害蟲総目録.487pp.丸善,東京.
渡辺康之1
990.タカムクカレハの生活史.月刊むし(2
30)
:2
4
−
2
5.
WU,X.
U.2
0
06.[
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t
i
on32:
98−
100(中国語.
.
)
6
7
№47
北海道林業試験場研究報告
№47
1
2
3
5
4
7
8
6
9
1
1
10
12
写真-1~3 ハラアカトウヒヒラタハバチ:1.エゾマツ上の幼虫の巣,新得,199
2年7月13日撮影;2.同巣内の老齢幼虫
(体長2
0mm)
;3.雌成虫,新得,1992年5月2
8日採集。
写真-4 ウンモンチュウレンジ:アズキナシ上の老齢幼虫,苫小牧,200
8年8月7日撮影。
写真-5~6 リンゴチュウレンジ:エゾノコリンゴ上の終齢幼虫(体長2
3mm)
,千歳,20
08年8月7日撮影。
写真-7 ニホンチュウレンジ:ノイバラ上の終齢幼虫,美唄市街,20
04年8月1日撮影。
写真-8~1
0 チュウレンジバチ:8.オオタカネバラ上の中齢幼虫,深川鷹泊,2006年7月8日撮影;9.終齢幼虫側面(8を
飼育,体長1
7mm),2006年7月1
6日撮影;10.同背面。
写真-11~1
2 オオルリコンボウハバチ:11.ハコネウツギ?上の終齢幼虫(背面),長万部,20
08年8月21日撮影;1
2.同側
面。
すべての写真は筆者が撮影した。
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