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世界の主な地震

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世界の主な地震
別紙2
●世界の主な地震
平成 27 年(2015 年)5月に世界で発生したマグニチュード(M)6.0 以上または被害を伴った地
震の震央分布を図1に示す。また、その震源要素等を表1に示す。
6、7
17
8
5、19
18
1、2、3
4
12、13、14
9
11、16
15
3
10
図1
平成 27 年(2015 年)5月に世界で発生した M6.0 以上または被害を伴った地震の震央分布
*
:震源要素は米国地質調査所(USGS)ホームページの”Earthquake Archive Search & URL Builder”
(http://earthquake.usgs.gov/earthquakes/search/)による(2015 年6月1日現在)。ただし、日本付近で発生した地震
の震源要素は気象庁による。
** :数字は、表1の番号に対応する。
***:マグニチュードは表1の mb(実体波マグニチュード)、Mj(気象庁マグニチュード)、Mw(モーメントマグニチュード)の
いずれかを用いて表示している。
気象庁作成
表1
番
号
平成 27 年(2015 年)5月に世界で発生した M6.0 以上または被害を伴った地震の震源要素等
地震発生時刻
緯度
経度
深さ
(km)
mb
Mj
Mw
震央地名
パプアニュー
ギニア、
ニューブリテ
ン
パプアニュー
ギニア、
ニューブリテ
ン
パプアニュー
ギニア、
ニューブリテ
ン
ブーゲンビル
−ソロモン諸
島
鳥島近海
1
05月01日17時06分
S 5°12.0′ E151°46.6′
57
(6.8)
2
05月04日07時32分
S 5°37.8′ E151°40.5′
24
6.0
3
05月05日10時44分
S 5°29.3′ E152°52.4′
42
(7.5)
4
05月07日16時10分
S 7°13.5′ E154°33.0′
23
(7.0)
5
05月11日06時25分
N31°13.9′ E142°08.7′
10
6
05月12日16時05分
N27°49.1′ E 86°04.7′
15
(7.2) ネパール
7
05月12日16時36分
N27°36.5′ E 86°10.3′
15
6.3
8
05月13日06時12分
N38°51.7′ E142°09.0′
46
9
05月16日05時26分
S 2°37.7′ E102°09.4′
151
6.0
10
05月20日00時25分
S54°21.5′ W132°09.4′
10
6.7
11
05月20日09時30分
S19°18.1′ W175°27.6′
180
6.0
12
05月21日07時48分
S10°53.3′ E164°09.4′
12
6.8
13
05月23日06時45分
S11°03.2′ E163°41.4′
11
6.9
14
05月23日08時59分
S11°06.5′ E163°12.9′
10
6.8
15
05月24日13時53分
S16°49.8′ W14°11.1′
10
6.3
16
05月24日23時38分
S19°22.7′ W175°59.5′
13
6.2
17
05月29日16時00分
N56°35.3′ W156°26.1′
56 6.7
18
05月30日20時23分
N27°51.6′ E140°40.9′
682
8.1
(7.9)
19
05月31日03時49分
N30°46.5′ E143°07.7′
45
6.6
(6.2) 鳥島近海
6.3
6.8
(5.9)
備考
(被害状況など)
北 遠
西 地
○ ○
○ ○
○ ○
死者約150人な
ど
○
ネパール
(6.8) 宮城県沖
インドネシ
ア、スマトラ
南部
太平洋−南極
海嶺
トンガ諸島
サンタクルー
ズ諸島
ブーゲンビル
−ソロモン諸
島
ブーゲンビル
−ソロモン諸
島
大西洋中央海
嶺南部
トンガ諸島
米国、アラス
カ半島
小笠原諸島西
方沖
住家一部破損2
○
棟
○
○
○
地震関連負傷者
8件、負傷者5 ○
人
・震源要素は米国地質調査所(USGS)ホームページの”Earthquake Archive Search & URL Builder”
(http://earthquake.usgs.gov/earthquakes/search/)による(2015 年6月1日現在)。ただし、日本付近で発生した地震の震源要素、Mj
の欄に記載したマグニチュード、Mw の欄に括弧を付して記載したモーメントマグニチュードは、気象庁による。
・5月 12 日のネパールの地震の被害状況は OCHA(UN Office for the Coordination of Humanitarian Affairs:国連人道問題調整事務所)
による(2015 年5月 21 日現在)。
・日本国内の被害状況は、総務省消防庁による(2015 年6月1日現在)。
・地震発生時刻は日本時間[日本時間=協定世界時+9時間]である。
・「北西」欄の○印は、気象庁が北西太平洋域に提供している北西太平洋津波情報(NWPTA)(地震・火山月報(防災編)2005 年5月号参照)
を発表したことを表す。
・「遠地」欄の○印は、気象庁が「遠地地震に関する情報」を発表したことを表す。
気象庁作成
5月1日、5日
パプアニューギニア、ニューブリテンの地震
2015 年5月1日 17 時 06 分(日本時間、以下同じ)にパプアニューギニア、ニューブリテンの深さ 57km
で Mw6.8 の地震(今回の地震①)が、5月5日 10 時 44 分に今回の地震①の南南東約 40km で Mw7.5 の地
震(今回の地震②)が発生した。これらの地震は、共に発震機構(気象庁による CMT 解)が、北北西−南南
東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、インド・オーストラリアプレートと太平洋プレートの境界付近で発
生した。
今回の地震①,②の震央付近(領域b)では、2015 年3月 30 日に Mw7.4 の地震、4月 30 日に M6.7
の地震が発生するなど M5.0 以上の地震が 42 回発生している。
2000 年以降の活動を見ると、今回の地震①、②の震央周辺(領域a)では、2000 年 11 月 16 日に Mw8.0、
Mw7.8、11 月 18 日に Mw7.8 の地震が連続して発生し、11 月 16 日の Mw8.0 の地震では、死者2人、住家
被害多数の被害を生じている。
1970 年以降の活動を見ると、今回の地震の震央周辺では、M7.0 以上の地震が頻繁に発生している。
なお、気象庁は、今回の地震①について、5月1日 17 時 36 分(日本への津波の影響なし)
、今回の地
震②について、5月5日 11 時 14 分(日本への津波の有無について調査中)と同日 11 時 51 分(日本へ
の津波の影響なし)に遠地地震に関する情報を発表した。
震央分布図
(2000 年1月1日∼2015 年5月 31 日、深さ0∼100km、
M≧5.0)2015 年5月の地震を濃く表示
今回の地震の発震機構(CMT 解)
今回の地震①
今回の地震
の震央位置
a
★
太平洋
プレート
左図の範囲
ニューギニア島
ニューブリテン島
今回の地震②
インド・オーストラリア
プレート
プレートの進行方向は、インド・オーストラリア
プレートと太平洋プレートをそれぞれ固定した場合の
相対的な方向である。
プレート境界の位置
プレートの進行方向
領域a内のM−T図
気象庁作成
震央分布図
(2015 年3月 20 日∼2015 年5月 31 日、
深さ0∼100km、M≧4.0)
2015 年5月の地震を濃く表示
今回の地震①
b
領域b内のM−T図及び回数積算図
太平洋
プレート
ニューブリテン島
インド・オーストラリア
プレート
今回の地震②
プレートの進行方向は、インド・オーストラリア
プレートと太平洋プレートをそれぞれ固定した
場合の相対的な方向である。
プレート境界の位置
プレートの進行方向
震央分布図
(1970 年1月1日∼2015 年5月 31 日、
深さ0∼100km、M≧7.0)
ニューギニア島
今回の地震①
今回の地震、M8.0 以上の地震と、
10 人以上の被害を生じた地震に
吹き出しを付けた。
今回の地震②
※本資料中、今回の地震①、②及び 2009 年以降の発震機構と Mw は気象庁による。1976 年以降の地震の発震機構と Mw は GlobalCMT
による。その他の震源要素は米国地質調査所(USGS)による(2015 年6月1日現在)
。過去の被害は、宇津及び(独)建築研究所
国際地震工学センターによる「世界の被害地震の表」による。プレート境界の位置と進行方向は Bird(2003)*より引用。
*参考文献 Bird, P. (2003) An updated digital model of plate boundaries, Geochemistry Geophysics Geosystems, 4(3), 1027,
doi:10.1029/2001GC000252.
気象庁作成
2015 年5月1日 パプアニューギニア、ニューブリテンの地震
- 遠地実体波による震源過程解析(暫定)-
震源時間関数
4
断層面上でのすべり量分布
A
M0=2.34E+19Nm
B
15
36
10
2
5
1
0
0
10
20
30
破壊開始からの経過時間(秒)
→大きい
48
−5
−10
54
−20
60
−25
地図上に投影したすべり量分布
151˚30'E
0
−15
すべり量
小さい←
42
深さ(km)
3
傾斜方向(km)
モーメントレート(×1018 Nm/s)
2015 年5月1日 17 時 06 分(日本時間)にパプアニューギニア、ニューブリテンで発生した地震に
ついて、米国地震学連合(IRIS)のデータ管理センター(DMC)より広帯域地震波形記録を取得し、
遠地実体波を用いた震源過程解析(注1)を行った。
初期破壊開始点は、米国地質調査所(USGS)による震源の位置(5°11.7′S、151°48.0′E)とし
た。深さは USGS による震源(57km)よりも浅い 45km とした。断層面は、気象庁 CMT 解の2枚の節面
のうち、北北西傾斜の節面(走向 244°、傾斜 44°)を仮定して解析した。最大破壊伝播速度は 3.2km/s
とした。理論波形の計算には CRUST2.0 (Bassin et al., 2000) および IASP91 (Kennett and Engdahl,
1991) の地下構造モデルを用いた。
主な結果は以下のとおり(この結果は暫定であり、今後更新することがある)。
・断層の大きさは走向方向に約 20km、傾斜方向に約 20km であった。
・主なすべりは初期破壊開始点付近にあり、最大すべり量は 1.3m であった(周辺の構造から剛性
率を 65GPa として計算)
。
・主な破壊継続時間は約 15 秒であった。
・モーメントマグニチュード(Mw)は 6.9 であった。
結果の見方は、http://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/world/about_srcproc.html を参照。
−15
−10
−5
0
5
10
15
20
25
走向方向(km)
152˚00'E
星印は初期破壊開始点、矢印は下盤側に対する
上盤側の動きを表す。
5˚00'S
深い
解析に用いたメカニズム解
(気象庁 CMT 解)
150˚E
5˚S
浅い
10 km
5˚30'S
星印は初期破壊開始点を示し、青線はプレート境界を示す。
断層面の設定に用いた節面
(走向 244°、傾斜 44°、す
べり角 78°)を赤線で示す。
(注1)解析に使用したプログラム
M. Kikuchi and H. Kanamori, Note on Teleseismic Body-Wave Inversion Program,
http://www.eri.u-tokyo.ac.jp/ETAL/KIKUCHI/
気象庁作成
観測波形(上:0.002Hz-0.5Hz)と理論波形(下)の比較
0
24.98
UD
IU.PET.00
P
21.8
26.8
31.45
UD
25.18
IU.KIP.00
P
26.90
59.7
IU.POHA.00
P
22.28
34.73
UD
333.3
313.8
30.45
28.32
UD
336.7
313.9
32.47
UD
UD
IC.MDJ.00
P
IU.TATO.00
P
268.8
UD
IC.HIA.00
P
IC.ENH.00
P
II.KAPI.00
P
UD
IU.INCN.00
P
II.AAK.00
P
40.15
残差 0.2466
330.6
25.28
UD
UD
II.TLY.00
P
305.1
263.4
UD
UD
IU.TIXI.00
P
352.8
25.73
UD
IC.LSA.00
P
II.DGAR.00
P
23.95
328.9
304.8
UD
UD
IU.ULN.00
P
25.29
UD
352.3
30.68
UD
II.NIL.00
P
224.9
UD
32.04
IU.YSS.00
P
327.4
301.6
UD
349.1
UD
IC.BJT.00
P
25.01
UD
26.83
IU.YAK.00
P
30.23
UD
UD
344.1
UD
II.ARU.00
P
IC.QIZ.00
P
UD
33.27
IU.MAJO.00
P
326.3
30.67
UD
UD
9.38
294.5
UD
IU.NWAO.00
P
58.1
UD
II.UOSS.00
P
IU.SBA.00
P
22.70
17.71
II.BRVK.00
P
323.5
8.24
IU.RAR.00
P
25.53
UD
279.4
UD
196.7
IU.TUC.00
P
62.6
30.75
IU.CASY.00
P
45.2
30.04
21.92
II.PALK.00
P
176.7
UD
IU.COR.00
P
31.84
UD
113.6
UD
II.KDAK.00
P
10.64
9.40
106.3
UD
IU.COLA.00
P
17.06
80(秒)
IU.AFI.00
P
21.2
25.40
60
66.8
UD
IU.ADK.00
P
20.57
40
IU.SLBS.00
P
4.8
25.41
20
340.5
317.0
観測点分布
ARU
BRVK
TLY
NIL
UOSS
ULN
TIXI
COLA
KDAK
YAK
HIA
MDJ
PET
ADK
COR
TUC
YSS
INCN
SLBS
LSA
MAJO
ENH
TATO
QIZ
KIP
POHA
PALK
KAPI
DGAR
AFI
30
de
RAR
ee
gr
50
NWAO
de
ee
gr
0
10
CASY
ee
gr
de
SBA
震央距離 30°∼100°※1の 36 観測点※2(P 波:36、SH 波:0)を使用。
※1:近すぎると理論的に扱いづらくなる波の計算があり、逆に遠すぎる
と、液体である外核を通るため、直達波が到達しない。そのため、
評価しやすい距離の波形記録のみを使用。
※2:IRIS-DMC より取得した広帯域地震波形記録を使用。
参考文献
Bassin, C., Laske, G. and Masters, G., 2000, The Current Limits of Resolution for Surface Wave Tomography
in North America, EOS Trans AGU, 81, F897.
Kennett, B. L. N. and E. R. Engdahl, 1991, Traveltimes for global earthquake location and phase
identification, Geophys. J. Int., 105, 429-465.
気象庁作成
5月7日
ブーゲンビル−ソロモン諸島の地震
2015 年5月7日 16 時 10 分(日本時間、以下同じ)に、ブーゲンビル−ソロモン諸島の深さ 23km で
Mw7.0 の地震が発生した。この地震は、インド・オーストラリアプレートが太平洋プレートに沈み込む
手前のアウターライズで発生した。発震機構は(気象庁による CMT 解)は北東−南西方向に張力軸を持
ち、アウターライズでよく見られる正断層型である。
今回の地震の震央と海溝軸を挟んだ反対側で、2014 年 4 月 11 日、19 日にそれぞれ Mw7.1、Mw7.5 の地
震が発生している。
1980 年以降の活動を見ると、今回の地震の震央周辺(領域a)では、1995 年8月 16 日に Mw7.8 の地
震が発生するなど、M7.0 以上の地震が時々発生している。
なお、気象庁は同日 16 時 40 分に遠地地震に関する情報(日本への津波の影響なし)を発表した。
震央分布図
(1980 年1月1日∼2015 年5月 31 日、深さ0∼100km、M≧5.0)
2015 年5月の地震を濃く表示
太平洋
プレート
今回の地震
の震央位置
ブーゲンビル島
★
a
ニューギニア島
ソロモン諸島
左図の範囲
インド・オーストラリア
プレート
プレート境界の位置
プレートの進行方向
今回の地震
プレートの進行方向は、インド・オーストラリアプレートと
太平洋プレートをそれぞれ固定した場合の相対的な方向である。
領域a内のM−T図
※本資料中、今回の地震及び 2009 年以降の地震の発震機構と Mw は気象庁による。その他の地震の発震機構と Mw は GlobalCMT による。
震源要素は米国地質調査所(USGS)による(2015 年6月1日現在)
。プレート境界の位置と進行方向は Bird(2003)*より引用。
*参考文献 Bird, P. (2003) An updated digital model of plate boundaries, Geochemistry Geophysics Geosystems, 4(3), 1027,
doi:10.1029/2001GC000252.
気象庁作成
5月 12 日
ネパールの地震
2015 年5月 12 日 16 時 05 分(日本時間、以下同じ)にネパールの深さ 15km で Mw7.2 の地震が
発生した。この地震の発震機構(気象庁による CMT 解)は北北東−南南西方向に圧力軸を持つ逆
断層型である。
4月 25 日には、ネパール国内で Mw7.9 の地震が発生しており、今回の地震は、その最大余震で
ある。4月 25 日の地震以降、4月 28 日頃からは余震活動は次第に低下してきていたが、5月 12
日に今回の地震が余震域の東端で発生した。5月 31 日までに M6.0 を超える余震は5回発生して
いる。
ネパール国内で、今回の地震により死者約 150 人、4月 25 日の地震からの累計では死者 8,702
人の被害を生じた。
なお、気象庁は、今回の地震について、5月 12 日 16 時 31 分に遠地地震に関する情報(津波の
心配なし)を発表した。
震央分布図
(1980 年1月1日∼2015 年5月 31 日、深さ0∼60km、M≧4.0)
今回の地震
今回の地震
の震央位置
ユーラシア
プレート
ネパール
a
★
左図の範囲
インド・オー
ストラリア
プレート
プレート境界の位置
プレートの進行方向
領域a内のM−T図及び回数積算図
※本資料中、震源要素は米国地質調査所(USGS)による(6月1日現在)。ただし、今回の地震と4月 25 日の地震の発震機構と
Mw は気象庁による。プレート境界の位置と進行方向は Bird(2003)*より引用。被害は、OCHA(UN Office for the Coordination
of Humanitarian Affairs:国連人道問題調整事務所)による(2015 年6月3日現在)。
*参考文献
Bird, P. (2003) An updated digital model of plate boundaries, Geochemistry Geophysics Geosystems, 4(3), 1027,
doi:10.1029/2001GC000252.
気象庁作成
-
2015 年5月 12 日 ネパールの地震
遠地実体波による震源過程解析(暫定)-
震源時間関数
1.5
断層面上でのすべり量分布
1.0
B
A
40
M0=1.10E+20Nm
9
30
0.5
20
0.0
0
10
20
30
40
破壊開始からの経過時間(秒)
15
0
−10
18
すべり量
小さい←
12
10
深さ(km)
傾斜方向(km)
モーメントレート(×1019 Nm/s)
2015 年5月 12 日 16 時 05 分(日本時間)にネパールで発生した地震について、米国地震学連合(IRIS)
のデータ管理センター(DMC)より広帯域地震波形記録を取得し、遠地実体波を用いた震源過程解析
(注1)を行った。
初期破壊開始点は、米国地質調査所(USGS)による震源の位置(27°50.2′N、86°04.6′E、深さ
15km)とした。断層面は、気象庁 CMT 解の2枚の節面のうち、北東傾斜の節面(走向 308°、傾斜 11°)
を仮定して解析した。最大破壊伝播速度は 3.0km/s とした。理論波形の計算には CRUST2.0 (Bassin et
al., 2000) および IASP91 (Kennett and Engdahl, 1991) の地下構造モデルを用いた。
主な結果は以下のとおり(この結果は暫定であり、今後更新することがある)。
・断層の大きさは走向方向に約 50km、傾斜方向に約 30km であった。
・主なすべりは初期破壊開始点付近から南西方向にかけて広がり、最大すべり量は 5.2m であった
(周辺の構造から剛性率を 30GPa として計算)
。
・主な破壊継続時間は約 20 秒であった。
・モーメントマグニチュード(Mw)は 7.3 であった。
結果の見方は、http://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/world/about_srcproc.html を参照。
−20
→大きい
−30
−40
地図上に投影したすべり量分布
−30
−20
−10
0
10
20
30
40
走向方向(km)
86˚E
28˚30'N
M
星印は初期破壊開始点、矢印は下盤側に対する
上盤側の動きを表す。
7.0
6.0
5.0
4.0
解析に用いたメカニズム解
(気象庁 CMT 解)
28˚00'N
85˚E
30˚N
深い
27˚30'N
浅い
20 km
星印は初期破壊開始点を示す。白丸は4月 25 日の Mw7.9 の地震発生後から
今回の地震発生前までの地震の震央を、灰色の丸は今回の地震発生後3日以
内の余震の震央をそれぞれ示す(M4.0 以上、USGS による)。緑線は4月 25
日の Mw7.9 の地震のすべり分布のコンターを示し、青線はプレート境界を示
す。
断層面の設定に用いた節面
(走向 308°、傾斜 11°、す
べり角 113°)を赤線で示す。
(注1)解析に使用したプログラム
M. Kikuchi and H. Kanamori, Note on Teleseismic Body-Wave Inversion Program,
http://www.eri.u-tokyo.ac.jp/ETAL/KIKUCHI/
気象庁作成
観測波形(上:0.002Hz-0.5Hz)と理論波形(下)の比較
0
33.51
UD
II.FFC.00
P
20
40
60
(秒)
107.89 UD
IU.PET.00
P
4.7
42.7
193.62 UD
IU.TIXI.00
P
16.3
41.57
20.5
52.2
106.1
109.16 UD
126.20 UD
61.27
IU.BILL.00
P
IU.INCN.00
P
25.0
63.6
113.0
133.60 UD
62.94
II.KDAK.00
P
IU.MAJO.00
P
27.4
65.0
192.72 UD
69.45
IU.YAK.00
P
IU.WAKE.00
P
27.5
93.79
UD
UD
IU.ADK.00
P
UD
II.KWAJ.00
P
39.9
86.1
186.70 UD
IC.HIA.00
P
77.55
86.9
UD
II.CMLA.00
P
312.7
II.MBAR.10
P
306.3
419.98
II.MBAR.10
SH
88.79
II.ABPO.00
P
225.36
223.2
13.07
227.0
312.5
292.7
108.33 UD
344.2
観測点分布
FFC
残差 0.2610
SFJD
321.8
132.83 UD
MACI
SACV
333.3
136.21 UD
II.BORG.00
P
COLA
KDAK
BORG
CMLA
325.2
ESK KONO KEV
LVZ
PAB BFO OBN
ARU
KIV
GNI
334.6
BILL ADK
TIXI
PET
YAK
HIA
INCN
337.5
IU.KEV.00
P
338.3
YSS
MDJ
MAJO
TATO
180.41 UD
II.LVZ.00
P
144.09 UD
366.42
II.BFO.00
SH
IU.SFJD.00
P
IU.KONO.00
P
II.ARU.00
P
312.5
UD
II.SACV.00
P
321.8
177.36 UD
106.29 UD
II.BFO.00
P
256.6
163.50 UD
117.38 UD
166.84 UD
306.8
130.28
II.ESK.00
P
II.OBN.00
P
II.KIV.00
P
II.SHEL.00
SH
II.MSEY.00
P
130.2
102.19 UD
256.4
II.ABPO.00
SH
UD
306.3
UD
IU.FURI.00
P
223.2
II.WRAB.00
P
IU.PAB.00
SH
251.5
UD
UD
IU.PAB.00
P
251.5
96.63
II.KAPI.00
P
86.15
246.74
376.99
104.78 UD
300.9
UD
170.4
202.5
IU.CTAO.00
SH
130.73 UD
IU.GNI.00
P
171.39 UD
122.6
94.09
60.90
II.DGAR.00
P
IU.CTAO.00
P
130.1
UD
IU.TATO.00
P
41.0
62.65
91.01
UD
300.6
UD
240.0
UD
IU.CASY.00
P
122.6
76.7
77.55
IU.LSZ.00
P
152.0
40.82
442.42
IU.MACI.
SH
230.2
UD
IU.NWAO.00
P
UD
300.6
UD
II.SUR.00
P
140.1
84.80
UD
IU.PMG.00
P
116.10 UD
76.32
UD
IU.MACI.
P
227.0
UD
II.TAU.00
P
IU.HNR.00
P
56.12
II.MSEY.00
SH
130.2
50.95
191.90
104.9
140.63 UD
IC.MDJ.00
P
465.87
II.WRAB.00
SH
II.MSVF.00
SH
50.4
114.75 UD
556.12
UD
91.9
167.99 UD
IU.YSS.00
P
IU.COLA.00
P
56.67
IU.GUMO.00
P
SHEL
FURI
MBAR
LSZ
MSEY
ABPO
SUR
KWAJ
GUMO
PMG
ree
deg
DGAR30
WAKE
HNR
KAPI
MSVF
CTAO
WRAB
ree
deg
50
NWAO
TAU
e
CASY 0 degre
10
震央距離 30°~100°※1の 49 観測点※2(P 波:47、SH 波:10)を使用。
※1:近すぎると理論的に扱いづらくなる波の計算があり、逆に遠すぎる
と、液体である外核を通るため、直達波が到達しない。そのため、
評価しやすい距離の波形記録のみを使用。
※2:IRIS-DMC より取得した広帯域地震波形記録を使用。
参考文献
Bassin, C., Laske, G. and Masters, G., 2000, The Current Limits of Resolution for Surface Wave Tomography
in North America, EOS Trans AGU, 81, F897.
Kennett, B. L. N. and E. R. Engdahl, 1991, Traveltimes for global earthquake location and phase
identification, Geophys. J. Int., 105, 429-465.
気象庁作成
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