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科学技術を核とした地域振興施策提言

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科学技術を核とした地域振興施策提言
科学技術を核とした地域振興施策提言
熊本大学
教授 久保田弘
2009年3月16日
経済産業省地域G地域活性化WG会議
「新製造技術による量産の高度化」
新製造技術による量産の高度化」
を通した地域イノベーション
大量生産は社会の持続的発展を妨げるか?
・石油消費型大量生産から情報通信バイオの時代と言われているが
・石油消費型大量生産から情報通信バイオの時代と言われているが...?
?
・少量多品種生産でよいのか? 高価な商品の恩恵は一部の富裕層にのみ、
その結果格差が拡大。
産業の成長に、労働
生産性上昇率と成長
率双方の増進が
双方の増進が必須
必須
⇒マザーファクトリ
熊本地域
[例]農林水産は労働
生産性では健闘、し
かし成長率が伸びな
いため離農者が増加、
産業として終焉 の危
機?
持続可能な発展を促す量産技術
持続可能な発展を
促す量産技術
エネルギー事情における量産効果の考察
九州電力の発電量以上に相当
3
東北大学須川教授提供
新製造技術による量産の高度化
新製造
技術
• 製造方法:ITシステムを
融合した、FBからFF(予
測)の重視
• 製造装置:単なる精度
(寸法)から重ね合わせ
精度
同時進行
付加価値
創
創生
量産技術
• 信頼性
• 単価減(量と同時にリサイクル
対応生産)
• 新規性と短TAT
• 多品種化(例:inkjとCMOS
(例 i kjとCMOS
センサーの同一ライン生産)
★多品種量産のための
リアルタイム段取り
AEC/APCによる知識集積
による単価の圧縮
★複雑な重ね合わせ
(集積)による高付加価
値化
付加価値は
付
価値
MEMS<太陽電池
<FPD(太陽電池の25倍)
<LSI(FPDの16倍)
フォトリソグラフィーによる重ね合わせ
チップ(ダイ)
Light source
Metal
Contact
Metal
Contact
ウェーハ上
1兆個
load/unload
マスクレチクル
Gate
Active
レチクルセット
15~30枚
15
30枚
Change
Si wafer
チップ上
X~100憶個
フォトリソグラフィ による半導体チップの量産
フォトリソグラフィーによる半導体チップの量産
‘もの’はウェーハのみ!複数プロセスの組み合わせ
チップ断面
光源
p
フォトマスク
レチクル原版
レチクル
原版
n
縮小投影
レンズ
0.1μm
~0
1μm
照明光学系
パッケージ
チップ(ダイ)
ウェーハ
6
~300mm
ステージシステム
~半導体チップができるまで~
ゲート絶縁膜形成
ウェーハ
ゲート電極成膜
ウェハ
プラズマ
雰囲気
ウェーハ
O2または
H2O/O2
石英管
排気
リソグラフィ 工程
リソグラフィー工程
ガス
イオン
銃
加速管
水平走査電極
イオン注入装置
層間絶縁膜形成
平坦化
加圧
プラズマ
雰囲気
ウェーハ
スパッタ粒子
粒
ターゲット
プラズマエッチング装置
CVD装置
コンタクトホ ル形成
コンタクトホール形成
ウェーハ
質量分析
マグネット
ファラデーカップ
ファラデ
カップ
熱処理成膜装置
コンタクト/配線形成
ソース/ドレイン形成
イオン源
ガス
ウェーハ
抵抗加熱ヒーター
ゲート電極形成
リソグラフィー工程
回転
回転
排気
イオン
プラズマエッチング装置
ラ
ッチ グ装置
スパッタ成膜装置
ス
ッタ成膜装置
配線エッチング
リソグラフィー工程
CVD装置
装
CMP装置
層間絶縁膜形成
平坦化
ガス
ウェーハー上
に1兆個超
加圧
プラズマ
雰囲気
ウェーハ
回転
回転
排気
プラズマエッチング装置
CVD装置
CMP装置
熊本の半導体関連フルセット集積状況
例:半導体・太陽電池
A
地域 半導体大手 量産拠点 ニーズに確実に応える
~熊本地域イノベーションシステム~
三位一体
位 体
三位一体
三位
体 熊本方式
熊本方式
大手(誘致)企業~熊本大学他大学・公設試験研究機関~地元企業
トリニティー型
共同研究 熊本方式
大手(誘致)企業~熊本大学他大学・公設試験研究機関~地元企業
大学、公設試
大手企業、メーカー
大手企業、メ
カ
(熊本大、東北大、東京大、
熊本
東
東京
電応研、工技センター等)
課題を解く人材育成
テーマ設定人材育
成 ジする人材育
解決策をイメージする人材育
解決策をイメ
成
地元企業
(三菱電機、NEC九州、東京エレクトロン、
ADI、凸版印刷、東芝SC、ソニー等)
生産現場の課題提供
結集
(熊本テクノロジー、アラオ、
(熊本テクノロシ
アラオ
櫻井精技、緒方工業、
東京カソード、熊本防錆、
野田市電子
野田市電子、
オオクマ電子、 商品化
プレシード等)
事業化
成果導入による
現場の課題解決
ビジネス的アプローチ
他社へのアプローチ
他社へのアフ
ロ チ
地域イノベーションの指標は、
地域イノ
ションの指標は、
「信頼性にかかるコストの削減度合。」
科学 根拠
科学に根拠のある取り組みは画期的に信頼性にかかるコストを圧縮する。
取 組
画期的 信頼性
を圧縮
。
工程が重ね合わされてもなお高い信頼性の確保が付加価値を生む。
● 運用
運用コスト+損失:
ト 損失
不良品が出た時の損失にか
かるコスト。
● 信頼性を作りこむコスト:
[例]並列バックアップシステム
人材育成の方向性(地域のみならず国全体で!)
★魂のはいった(リレーションシップの構築できる)ITコミュニケーション可能な人材
育成が必要.臨終に際して顔を見るのではなく心電図や人工呼吸器を見てい
る...テレビのアニメでてんかん症状を起こした子供等...多くのリレーショ
ン問題を解決すべき...
★ これからはルールを守ってゲームのようにモノをつくる人材ではなく、ルールそ
これからはルールを守ってゲームのようにモノをつくる人材ではなく ルールそ
のものをつくる人材が必要。それは製造現場を知り、製造現場どのすり合わせ
2020年未来技術
ができる人材。
紙より安いシリコンチップの情報資源による意思決定
2005年にうまれた注目アプリケーショ
2005年にうまれた注目アプリケ
ショ
ン(応用技術)
カプセル内視鏡,左右で異なる映
像の液晶画面,インスリンを口か
ら吸⼊,記憶容量1テラHDD,
⽩⾊LED発光,⻘⾊レーザーの
新結晶 瞬時に反射率が変わる新
新結晶,瞬時に反射率が変わる新
材料,レーザー顕微鏡で⽣きた細
胞観察,光で伝送する配線不要な
拡張メモリー,注射針0・2ミリ
世界最細,阪大など血糖値下げる
たんぱく質発⾒理研、脳神経細胞
をES細胞からつくる 角膜再⽣
をES細胞からつくる,角膜再⽣
可能な細胞発⾒,副作用の有無
血液1滴で判断,ES細胞でパー
キンソン病改善
z
z
z
z
次世代
半導体デバイス技術
による融合
z
z
z
z
z
z
z
無線ICタグ等(目に見えないコンピュータ)の増大による監視
無線ICタグ等(目に見えないコンピュ
タ)の増大による監視
社会の到来
ドル・円に替わる新たな貨幣の登場,おサイフ携帯によりATM
がなくなるユニバーサルコマース.
テレビ・ラジオ局の終焉,コンビニやスーパーが番組を配信.
自動車運転ロボット,力仕事を請け負いパワーロボット等機能
支援ロボットの登場
病院がなくなり家庭で診断
知識ベースの資本主義:大量生産によるコストダウンを基本に
している資本主義から知識増によるコストダウンを図る資本主
義社会
人造臓器の販売:ES細胞利用臓器製造
人体改造(1)筋電制御による義手や脳からの出力で見るテレ
ビのように人工物を体内に埋め込む
人体改造(2)DNAレベルでの改造
動物に知能:カイコの頭に知能を与えることでネクタイを編ま
せる.
□ 物質科学:量子領域での現象理解と制御,微細加工(ナノテク)と生体適合材料
□ 脳科学:‘もの’を観て理解するという過程を解明すること.
脳科学 ‘もの’を観て理解するという過程を解明すること
□ 社会心理学、生理学:技術のワンサイドゲームにしないための技術の‘こころ’と生理への
侵襲回避
次世代半導体デバイス技術の先導し、
かつそれを駆使できる人材の育成
z
大学院生のIKKANインターンシップ
大学院生のIKKANインタ
ンシップ
九州半導体イノベーション協議会主催
議
■事業名
「IKKAN」~半導体製
造プロセス一貫体験インターンシップ
~
■実施目的 「九州における半導体
産業発展のための次世代人財の創
出」
日本の半導体産業の牽引役を担う「シリコン
アイランド九州」の更なる強化のために 半導
アイランド九州」の更なる強化のために、半導
体の詳細な製造プロセスを一貫して
体験することにより、九州の半導体産業の源
泉である優秀な人材を育成・創出
■実施内容 「九州を代表する半導
体企業
体企業で、半導体製造プロセスを一
半導体製造プ
を
貫して体験し、就業イメージを形成す
る」
■研修日程 平成20年8月20日~平
成20年9月3日のうち7日間
農商工連携等、あらゆる産業と連携
ー産業・サービスのあらゆる用途に電子デバイスが浸透する未来ー
農林水産業
自動車産業
・植物工場
・ドライブアシスト
・快適居住空間
・電気モーター制御
・気温・水温の管理
気温 水温の管理
・日照時間の積算
衣料産業
家電産業
・映像ディスプレイ
映像ディスプレイ
・ウエアラブルディスプレイ
住宅産業
ロボット産業
・居住環境制御
・五感認識
・電子倉庫
食品産業
・味覚定量化
・素材と品質の履歴保持
飲食サービス
報道出版サービス
・品質管理
・電子ペーパ
小売サービス
学校教育サービス
・商品管理
・eラーニング
物流サービス
気象サービス
・流通監視
・地震・津波・風水害
旅行・旅客サービス
・チケット管理
金融サービス
エネルギ産業
・高収率光電変換
・熱電変換
・電子マネー
医療・健康サービス
・遠隔診断
・火山・地殻変動
セキュリティサービス
ス
・個人識別・認証
・防犯監視・警報
災害検知 報知
・災害検知・報知
行政サービス
・電子政府
2010年以降において国民一人当たり30種類以上の電子機器が商品化・販売
■ 人手によらず生命体の如く自律動作するための個別環境センシング技術
■ 電子機器をテラビット/秒の通信速度で地球接続する光ネットワーク通信技術
■ センシング機構と情報処理・通信回路を融合するハイブリッド集積化技術
待望される新施策:生産技術革新に向けて
産業(知的)クラスターの反省から
大手企業と地元中小中堅企業との結びつきの不足
• 中小企業間の宣伝戦に終始?
• 広域連携へ発展必要 (例)九州と東北の半導体分野連携
• 科学に根拠のあるテーマを階層化して結びつけるセンターが必要。
大学・公設試が、科学に根拠のある活動による結節点
大学
公設試が 科学に根拠のある活動による結節点
的役割を果たしていない。
• 便利屋あるいはカレッジ化した?
• コンサルとしてのみ機能、大学院生の学位テーマと遊離
スト リ の具体性 出口(数値目標)明確化が不足
ストーリーの具体性・出口(数値目標)明確化が不足。
• 最適信頼度の向上とそのためのコスト減=省いた行程数すなわち
生産技術革新を出口に。
• 創出した学位=ドクターの数
産業基盤技術集積研究センター(仮称)
の創設
ミッション
中堅・中
小企業
地域公設試験
研究機関
地方行政政策
本センターは具体的生産物の生産試作
インフラを持つことで、熊本・九州地域に
インフラを持
とで、熊本 九州地域に
強みのある半導体・自動車・ロボット等の
一貫生産企業の科学的な量産集積技術
開発に積極的に貢献し 同時に中堅・中
開発に積極的に貢献し、同時に中堅
中
小企業の「特定ものづくり基盤技術」の高
度化を支援する。
これにより大手 貫企業と中堅中小企
これにより大手一貫企業と中堅中小企
業との連携を強化し、科学技術を基礎と
した弛まない生産技術革新(イノベーショ
ン)を誘発し、新生産技術を有する企業が
産
が
上流から下流までフルセット集積する先
導的新生産技術集積地域を創出する。
大手一貫
生産企業
産業技術総合
研究所等試験
研究機関
中央政府政策
Fly UP