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ステップ3

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ステップ3
MULTITRACK CASSETTE RECORDER
取扱説明書
L
R
MONITOR OUT
L
R
STEREO OUT
HIGH
HIGH
+6
+
+6
+3
–
0
LOW
+
LOW
–
LOW
LOW
-5
-5
-5
-10
-10
-10
–
REC
SEL
REC
+
AUX
REC
SEL
1
OFF
L
PAN
–
REC
+
AUX
REC
SEL
2
0
PAN
10
OFF
R
–
REC
10
OFF
L
MONITOR SELECT
STEREO MIX CUE
0
ZERO STOP
OFF ON
+
AUX
REC
SEL
3
0
PAN
MONITOR/PHONES
0
-5
AUX
10
+
POWER
AUX RETURN
+3
–
0
-10
+
0
+
L (MONO) R
AUX RETURN
+6
+3
–
0
AUX SEND
HIGH
+6
+3
–
SYNC OUT
HIGH
MIN
10
PITCH
SYNC OFF ON
MAX
+
–
REC
4
0
PAN
10
OFF
R
0 0 0
MULTITRACK CASSETTE RECORDER
L
R
10
9
8
7
6
5
4
3
2
1
0
CUE
10
0
GAIN
MIC
LINE
L
R
10
9
8
7
6
5
4
3
2
1
0
CUE
10
0
GAIN
MIC
LINE
L
R
10
9
8
7
6
5
4
3
2
1
0
CUE
10
0
GAIN
MIC
LINE
L
R
10
9
8
7
6
5
4
3
2
1
0
CUE
10
0
GAIN
MIC
LINE
PUSH OPEN
NOISE REDUCTION SYSTEM
REC
1
2
MIC/LINE
3
MIC/LINE
4
MIC/LINE
MIC/LINE
PLAY
REW
FF
STOP
PAUSE
! 安全上のご注意 ―安全にお使いいただくため―
安全にお使いいただくため、ご使用の前にこの「安全上のご注意」をよくお読みください。
またお読みになったあと、いつでも見られるところに必ず保存してください。
絵表示 この取扱説明書および製品への表示では、製品を安全に
正しくお使いいただき、あなたや他の人々への危害や財産への
損害を未然に防止するために、いろいろな絵表示をしています。
内容をよく理解してから本文をお読みください。
警告
この欄に記載されている事項を無視して、誤った取
扱いをすると、人が死亡または重傷を負う可能性が
あります。
絵表示の例
:注意(危険・警告を含む)を促す事項
:決しておこなってはいけない禁止事項
● :必ずおこなっていただく強制事項
注意
設置されるとき
●
設置されるとき
この機器に水が入ったり、機器がぬれたりし
ないようご注意ください。火災・感電の原因と
なります。雨天・降雪時や海岸・水辺での使用
は特にご注意ください。
●
●
ご使用になるとき
●
この機器を改造しないでください。火災・感電
の原因となります。
●
この機器のカセットテープの挿入口に金属類
や燃えやすいものなどを差し込んだり落とし
こんだりしないでください。火災・感電の原因
となります。とくに、お子様のいるご家庭で
はご注意ください。
この機器の上に水などの入った容器や小さな
金属物を置かないでください。こぼれたり、
中に入ったりすると、火災・感電の原因になり
ます。
花瓶、植木鉢、コップ、化粧品、薬品なども
同様です。
●
分解禁止
●
●
●
使用中に異常が発生したとき
プラグをコンセント
から抜け
●
●
プラグをコンセント
から抜け
煙が出ている、変なにおいや音がするなどの
異常がみとめられたときは、すぐに機器本体
の電源スイッチを切り、電源プラグをコンセ
ントから抜いてください。そのあと、異常が
おさまるのを確認して販売店に修理をご依頼
ください。異常状態のままで使用すると、火
災・感電の原因となります。
内部に水などの異物が入った場合は、すぐに
機器本体の電源スイッチを切り、電源プラグ
をコンセントから抜いてください。そのあ
と、販売店にご連絡ください。そのままで使
用すると、火災・感電の原因となります。
万一、この機器を落としたり、キャビネット
を破損した場合は、機器本体の電源スイッチ
を切り、電源プラグをコンセントから抜いて
販売店にご連絡ください。そのまま使用する
と、火災・感電の原因となります。
調理台や加湿器のそばなど、油煙や湯気が当
たるような場所には置かないでください。火
災・感電の原因となることがあります。
ぐらついた台の上や傾いたところなど、不安
定な場所には置かないでください。落ちた
り、倒れたりしてけがの原因となることがあ
ります。
窓を締め切った自動車の中や直射日光が当た
る場所など、異常に温度が高くなる場所に放
置しないでください。火災の原因となること
があります。
湿気やほこりの多い場所には置かないでくだ
さい。火災・ 感電の原因になることがありま
す。
ご使用になるとき
●
●
この欄に記載されている事項を無視して、誤った取扱
いをすると、人が傷害を負ったり、物的損害が発生し
たりする可能性があります。
オーディオ機器・スピーカーなどの機器を接続
する場合は、接続するすべての機器の電源を
切ってください。
それぞれの機器の取扱説明書に従い、指定の
コードを使用して接続してください。
電源を入れる前に音量(ボリューム)を最小に
してください。突然大きな音が出て聴力障害
などの原因となることがあります。
●
この機器には付属のACアダプターをご使用
ください。それ以外のものを使用すると、火
災の原因となることがあります。
●
お子様がカセットテープ挿入口に、手を入れ
ないようにご注意ください。けがの原因とな
ることがあります。
指を挟まれな
いよう注意
お手入れについて
●
定期的な機器内部の掃除が必要です。長いあ
いだ掃除をせずに、機器の内部にほこりがた
まったままにしておくと、火災や故障の原因
となることがあるからです。
掃除および費用については、お買上げ販売店
にご相談ください。
掃除の間隔は1年に一度くらい、時期は湿気の
多くなる梅雨の前が、もっとも効果的です。
目 次 1
目 次
第1章 MT50の世界へようこそ ................................................... 2
本取扱説明書について ...................................................... 2
MT50とは? ...................................................................... 2
使用するカセットテープの種類 ........................................ 2
マルチトラックレコーディングとは? ............................. 3
4トラックだけで十分? .................................................... 3
良い録音をするためのヒント ........................................... 3
第2章 MT50の各部名称と機能 ................................................... 4
接続端子 ............................................................................ 8
第3章 操作方法(基礎編) ......................................................... 9
カセットテープをMT50にセット ...................................... 9
電源のオン/オフ ................................................................ 9
準備 ................................................................................... 9
ステップ1 ― トラック1にドラムの音を録音 .............................. 10
ステップ2 ― トラック2にベースの音を録音 .............................. 11
ステップ3 ― トラック3にギターの音を録音 .............................. 12
ステップ4 ― トラック4にボーカルを録音 ................................. 13
ステップ5 ― ミックスダウン ..................................................... 14
準備 ................................................................................. 14
レベルバランスの調整 .................................................... 14
パン設定 .......................................................................... 15
EQをかける .................................................................... 15
エフェクトをかける ........................................................ 15
ミックスダウン録音 ........................................................ 15
接続例 ............................................................................. 16
第4章 操作方法(応用編) ....................................................... 17
ワンテイク(一発)録音 ................................................. 17
ピンポン録音 .................................................................. 17
パンチイン/アウト録音 ................................................... 17
テープシンク .................................................................. 17
ワンテイク録音 ............................................................... 18
ピンポン録音 .................................................................. 21
パンチイン/アウト録音 ................................................... 23
テープシンク .................................................................. 25
故障かな?と思ったら ................................................................ 26
MT50のお手入れ ......................................................................... 27
仕 様 ........................................................................................ 28
一般仕様 .......................................................................... 28
ブロック図 ...................................................................... 29
寸法図 ............................................................................. 29
用語集 ........................................................................................ 30
MT50 取扱説明書
2
第1章 MT50の世界へようこそ
第1章 MT50の世界へようこそ
このたびはヤマハ・マルチトラックカセットレコーダーMT50をお買い求め
いただき、
まことにありがとうございます。
MT50は判りやすい操作で手軽に
多重録音をお楽しみいただけ、
さらにクオリティの高いサウンドを実現して
います。
MT50の優れた性能をフルにお使いいただくとともに、
この取扱説明
書をよくお読みください。
・通常のカセットデッキ
本取扱説明書について
この取扱説明書は、次の4章で構成されています。
B面トラック1:左チャンネル
走行
方向
B面トラック2:右チャンネル
A面トラック2:右チャンネル
走行
方向
A面トラック1:左チャンネル
・ 第1章:MT50の世界へようこそ
マルチトラック録音が初めての方へその概要を説明します。
・ 第2章:MT50の各部名称と機能
MT50のコントロールつまみ、接続端子について説明します。
・ 第3章:操作方法(基礎編)
基本的なセットアップ、電源の入れ方、
そして、マルチトラックの基礎と
なるオーバーダビングとミックスダウンの方法をステップごとに詳しく
説明します。
・MT50
・ 第4章:操作方法(応用編)
ワンテイク
(一発)
録音、
ピンポン録音、
パンチイン/アウト録音、
MIDIテー
プシンクなど、もう少し複雑な録音テクニックを紹介します。
MT50に関する用語集が本書巻末にありますので、併せてご参照ください。
トラック 4:
MT50とは?
トラック 3:
走行
方向
トラック 2:
トラック 1:
※ ノイズリダクションはTHAT Corporation
からの実施権に基づき製造されていま
す。dbxはCarillon Electronics Corporationの登録商標です。
クロームテープ(ハイポジション、TypeII)
90分以下
タイプII(High Bias 70µsEQ)
テープ
録音時間
90分テープ 約 22.5分
60分テープ 約 15分
30分テープ 約 7.5分
MT50 取扱説明書
カセットテープはA面とB面にそれぞれ2つずつのトラック(録音領域)を持
ち、
ラジカセやカセットデッキはA面またはB面の2つのトラックを同時に録
音/再生します。
MT50はカセットテープの4つのトラック全部がA面にあるものとみなし、
B
面は使いません。
また、
4つのトラックを個別に録音/再生できます。
そのため、
同時に4本のマイクを使って録音したり、4つの楽器を1人で順繰りに演奏し
て録音するなどの多様な使い方が可能です。
MT50はdbxノイズリダクションシステムを搭載していますのでテープのノ
イズを抑え、クリーンで歯切れのよい音質が得られます。さらに、EQ、パン、
AUXによるエフェクトなど、
ミキサー機能を使ってクオリティの高い多重録
音が楽しめます。
使用するカセットテープの種類
本機には必ずTDK SA、Maxcell CDXLⅡなどのクロームテープ(ハイポジ
ション、TYPEⅡ)90分以下をお使いください。ノーマルテープやメタルテー
プは使わないでください。また、テープの巻き込みやトラブルの原因となり
やすい90分をこえるテープは使わないでください。
規定速度で60分テープを使用すると、
録音できる時間は約15分です。
これは、
テープの速度が標準のカセットレコーダーの2倍で、
更にA面しか録音しない
からです。
第1章 MT50の世界へようこそ
3
マルチトラックレコーディングとは?
マルチトラックレコーディングとは、
複数のトラックに録音することをいい
ます。
マルチトラックレコーディングは1950年にあのギターで有名なレス・
ポール氏が考案し、
レコーディング界の画期的な転機となりました。
これに
よって、
複数の楽器を1本のテープ上の各トラックに別々に録音し、
後で各ト
ラックの音にそれぞれ調整を加えながらミックスできる、
ということが可能
になったのです。
MT50はそのコンパクト、
ポータブルなボディーで、
スタジオでもご自分の部屋
でもどこでも高音質のマルチトラックレコーディングができる、
優れた性能
を持っています。
4トラックだけで十分?
MT50は4トラックのテープレコーダーなので、
テープ上に4本のトラックが
録音できるようなヘッドを持っています。
MT50の全体のおおまかな構成を説明すると、まず本体左半分が4つのモ
ジュールで構成され、
各モジュールは同じコントロールつまみを装備してい
ます。
このモジュールのフェーダー、
音色、
パン、
エフェクトのAUXセンドで、
各ミキサーチャンネル信号をコントロールします。
4つの入力端子、
4本のミキサーチャンネル、
4本のトラックで、様々な可能性
が生まれます。
任意の入力端子から任意のトラックに録音することができま
す。
(モジュール1の信号を必ずしもトラック1に録音する必要はないのです。
入力端子1からの信号をトラック1や2、あるいは3に送ることもできます。)
また、すでに録音したパートを聴きながら、
別のトラックに新しいパートを
録音することができます。
あるいは、最高3本の録音済みトラックを、空いているトラック1本にまとめ
て録音しなおすことができます。
この後、不要になって空いたトラックに更
に別の楽器を繰り返して録音することもできます。
このテクニックはピンポ
ン録音と呼ばれますが、こうやって4トラックを実質上10トラック以上のレ
コーダーにすることができます。
良い録音をするためのヒント
・ 録音中に電灯、エアコンなどのスイッチを操作すると、ノイズの原因に
なりますので避けてください。
・ マイク採りの場合は、音響の良い部屋で録音することをおすすめしま
す。また、マイクの位置もいろいろ試してみてください。ちょっとした
調整でも音質にかなり影響することがあります。
・ 接続コードは高品質のシールドケーブルをお使いください。
・ アナログやデジタルのリバーブエフェクターを使用する場合は、エフェ
クトを控え目にかけてください。リバーブをかけすぎると、音がすぐに
汚くなってしまいます。最後のミックスダウンまで待って、全体のミッ
クスに均一にかけるという手もあります。
MT50 取扱説明書
4
第2章 MT50の各部の名称と機能
第2章 MT50の各部名称と機能
この章では、コントロール類や接続端子の働き、使い方などを説明します。
まず各モジュール上のコントロールを説明し、次に、接続端子について説明
します。
MT50の全体と部分を本体と見比べて、
コントロールつまみや接続端
子の位置などをしっかり確認してください。
L
R
MONITOR OUT
L
R
STEREO OUT
HIGH
HIGH
+6
+
+6
+3
–
0
LOW
+
LOW
–
LOW
LOW
-5
-5
-10
-10
-10
-10
–
REC
SEL
REC
+
AUX
REC
SEL
1
OFF
L
PAN
–
REC
+
AUX
REC
SEL
2
0
PAN
10
OFF
R
–
REC
10
OFF
L
MONITOR SELECT
STEREO MIX CUE
0
ZERO STOP
OFF ON
+
AUX
REC
SEL
3
0
PAN
MONITOR/PHONES
0
-5
AUX
10
+
POWER
AUX RETURN
+3
–
0
-5
+
0
+
L (MONO) R
AUX RETURN
+6
+3
–
0
AUX SEND
HIGH
+6
+3
–
SYNC OUT
HIGH
MIN
10
PITCH
SYNC OFF ON
MAX
+
–
REC
4
0
PAN
10
OFF
R
0 0 0
MULTITRACK CASSETTE RECORDER
L
R
10
9
8
7
6
5
4
3
2
1
0
CUE
10
0
GAIN
MIC
LINE
L
R
10
9
8
7
6
5
4
3
2
1
0
CUE
10
0
GAIN
MIC
LINE
L
R
10
9
8
7
6
5
4
3
2
1
0
CUE
10
0
GAIN
MIC
LINE
L
R
10
9
8
7
6
5
4
3
2
1
0
CUE
10
0
GAIN
MIC
LINE
PUSH OPEN
NOISE REDUCTION SYSTEM
REC
1
2
MIC/LINE
MT50 取扱説明書
3
MIC/LINE
4
MIC/LINE
MIC/LINE
PLAY
REW
FF
STOP
PAUSE
第2章 MT50の各部の名称と機能
!
注意: 4本のインプットモジュールそ
れぞれに下記のコントロール
1∼9があります。
5
1 HIGH/LOW EQコントロール
この2つのコントロールつまみは、音色(EQ)を調整します。
インプット端子MIC/LINEにマイクや楽器が接続されている場合は、
入力
信号
(録音される信号)
の音色を調整し、
インプット端子MIC/LINEに何も
接続されていない場合は、再生信号の音色を調整します。
2 AUXコントロール
HIGH
+6
5
+3
1
–
+
0
AUX SEND出力端子から送り出される信号のレベルを調整します。
AUX SEND出力端子からは、
フェーダーで調整済みの信号が、
外部エフェ
クターに送られます。
各チャンネルの信号を外部エフェクターに送るに
は、このAUXコントロールを回し、フェーダーも適当な位置に上げてく
ださい。
LOW
3 PANコントロール
-5
-10
–
6
+
AUX
2
REC
SEL
REC
1
0
10
PAN
7
OFF
L
3
音像の定位(左右チャンネル間の位置)を調整するつまみです。
つまみをR側
(右)
に回すと音像は右へ、
L側
(左)
に回すと音像は左に振れ
ます。
中央の位置に合わせると、左右の真中に音像は定位します。
4 フェーダー
インプット端子MIC/LINEにマイクや楽器が接続されている場合は、
録音
レベル(テープに録音される入力信号)を調整します。インプット端子
MIC/LINEに何も接続されていない場合は、再生レベルを調整します。
目
盛りの位置が7から8の間で、最適な入力状態となります。
5 レベルメーター
L
4
R
各トラックの録音および再生レベルをLEDで表示します。最大入力レベ
ル時に、
+6のLEDが一瞬だけ点灯するようにフェーダーを使って録音レ
ベルを設定してください。
CUE
10
8
10
9
8
7
6
5
4
3
2
1
0
0
GAIN
MIC
9
LINE
各トラックごとに録音モードを表示します。
・消灯 ― REC SELスイッチがOFF
・点滅 ― REC SELスイッチがOFF以外(そのトラックが録音対象と
して選ばれている)
・点灯 ― 録音中または録音待機(ポーズ)状態
7 REC SELスイッチ
1
MIC/LINE
!
6 RECインジケーター
少し技術的になりますが、HIGHコ
ントロールの基準周波数は1 2 k H z 、
LOWコントロールの基準周波数は80Hz
で、それぞれ12dBまでカット/ブースト
ができます。
各トラックごとにどんな信号を録音するかを選びます。
・OFF ― 録音をしません。
・1
(2,3,4)― インプット端子MIC/LINEに入力された信号を録音
します。
・L(R)― PANコントロールでL側かR側に振り分けられた信号を録
音します。L側に振られた信号は常にトラック1か3に、R
側に振られた信号はトラック2か4に録音されます。ピン
ポン録音をするときは、この設定を使います。
MT50 取扱説明書
6
第2章 MT50の各部の名称と機能
8 CUEコントロール
CUEは各トラックの信号レベルをモニターします。このモニターレベル
を調整するのがCUEコントロールで、フェーダーの設定とは別個に調整
できます。
このコントロールを使うときは、MONITOR SELECTスイッチ
を必ずMIXかCUEに設定してください。
9 GAINスイッチ
インプット端子MIC/LINEからの入力ゲインを最適なレベルに調整しま
す。
・MIC ― マイクなど出力レベルの低い機器
・中央 ― 出力レベルが中間の楽器など
・LINE ―
ライン出力のシンセサイザー、ドラムマシン、CDプ
レーヤーなど出力レベルの高い機器
0 AUX RETURN
AUX RETURNに入力された信号のレベルを調整します。外部エフェク
ターでエフェクトをかけた信号が、
AUX RETURN入力端子を通って戻り
ます。
A MONITOR SELECTスイッチ
PHONES端子およびMONITOR OUT端子へ出力するモニター信号を選び
ます。
STEREO ― 各フェーダーでレベル調整されPANコントロールでL側、R
側に振り分けられた信号を送ります。
CUE ― 各CUEコントロールで調整されたテープ信号をモノラルでモニ
ターします。オーバーダビング時に使います。
MIX ― STEREOとCUEの両方を選びます。
パンチイン/アウト録音時のモ
ニターに便利です。
B POWERインジケーター
MT50の電源を入れると、このインジケーターが点灯します。
C MONITOR/PHONESコントロール
PHONES端子およびMONITOR OUT端子への出力レベルを調整します。
0
AB
AUX RETURN
C
POWER
MONITOR/PHONES
MONITOR SELECT
STEREO MIX CUE
0
ZERO STOP
OFF ON
10
MIN
PITCH
SYNC OFF ON
+
–
0 0 0
MAX
D
E
F
MULTITRACK CASSETTE RECORDER
G
MT50 取扱説明書
第2章 MT50の各部の名称と機能
7
D PITCHコントロール
テープ走行速度を+10%∼−10%の範囲で調整します。
中央の位置にする
と、
規定速度
(9.5cm/秒)
で走行します。
通常は中央の位置にして使用して
ください。
E dbxスイッチ
dbxは本機に内蔵されている優れたノイズリダクションシステムで、ク
リーンな録音が実現できます。
このスイッチでdbxノイズリダクションを
オン/オフします。スイッチは3つの設定があります。
・OFF ― dbxノイズリダクションがオフ。
・ON ― dbxノイズリダクションが4トラックともオン。
・SYNC ― トラック1, 2, 3はノイズリダクションがオン、トラック
4だけオフ。テープシンクをするためにFSK信号をトラッ
ク4に記録するときに、この設定にします。
注意: dbxノイズリダクションをONまたはSYNCにして録音した場合には、
再生時にも同じ設定
(ONまたはSYNC)
にしてください。
録音中にこの設定を
変更しないでください。
F ZERO STOPスイッチ
このスイッチをONにしてテープを巻き戻すと、
テープカウンターが999
前後になった時点で自動的に停止します。
(REWボタンは押されたまま
となります。)
G テープカウンター/リセットボタン
H テープ操作ボタン
左端から順に、
・REC ― 録音開始、
・PLAY ― 再生、
・REW ― 巻き戻し、
・FF ― 早送り、
・STOP ― 停止、
・PAUSE ― 録音または再生の一時停止。
PUSH OPEN
NOISE REDUCTION SYSTEM
REC
PLAY
REW
FF
STOP
PAUSE
MT50 取扱説明書
8
第2章 MT50の各部の名称と機能
接続端子
1 MIC/LINE入力端子
マイク、楽器、ライン出力の音源をここに接続して録音します。
2 PHONES端子
ステレオヘッドフォンを接続して、録音再生をモニターします。
3 PUNCH I/O端子
オプションのフットスイッチ(ヤマハFC4、FC5など)
を接続して、パンチ
イン/アウト録音をします。
4 STEREO OUT端子
ミックスダウン時にマスターレコーダーへ出力する端子です。
この端子
の出力をマスターレコーダーの入力端子に接続します。
5 MONITOR OUT端子
モニター信号を左右(L/R)の端子から出力します。
アンプ内蔵スピーカーなどを接続します。
6 SYNC OUT端子
MT50とMIDIシーケンサーやドラムマシンを同期させるために、FSK信
号を出力する端子です。ヤマハYMC10などのMIDI-FSKコンバーターの
入力端子を接続します。
7 AUX SEND端子
AUXセンド信号を送り出します。ヤマハFX770やREV100などの外部エ
フェクターの入力端子をここに接続してください。
8 AUX RETURN端子
エフェクト信号を戻します。外部エフェクターの出力端子をここに接続
してください。
モノラル信号のリターンにはL(MONO)
入力端子を、
ステ
レオ信号のリターンにはL(MONO)とRの両端子を使用します。
9 DC 12V POWER端子
付属のACアダプターを接続します。
9 8
1
MT50 取扱説明書
7
6
5
2
4
3
第3章 操作方法(基礎編)
9
第3章 操作方法
(基礎編)
では実際にMT50を使って録音をしてみましょう。
まず、
オーバーダビングの
方法について説明します。
オーバーダビングは、マルチトラックレコーディ
ングの基本と言えます。
すでに録音されているトラックを聴きながら、同時
に1本または複数のトラックを録音していきます。
ここでは、
ドラムマシン、
ベース、ギター、ボーカルの4パートを録音する例を挙げて説明します。
トラックリストの例
0 0 0
MULTITRACK CASSETTE RECORDER
トラックNo.
楽 器
メ モ
1
ドラムス
ドラムマシンRYZZ使用。ソングNo.10“I love you”
2
ベース
デーブのベース。ペダルでコーラス
3
ギター
僕のストラト。マーシャルアンプ使用
4
ボーカル
サンドラ。マイクはFM58
カセットテープをMT50にセット
PUSH OPEN
NOISE REDUCTION SYSTEM
REC
PLAY
REW
FF
STOP
1. テープの向きに注意してカセットテープを挿入します。
PAUSE
2. 付属のACアダプターを本体のDC12Vコネクターに接続します。
3. ACアダプターをコンセントに接続します。
!
注意: ACアダプターを接続する前
に、すでに接続されている機器、楽器
すべての電源をオフにしてください。
1
4. ステレオヘッドフォンをPHONES端子に接続します。または、アンプ内
蔵スピーカーをMONITOR OUT端子に接続します。
電源のオン/オフ
1 POWERスイッチを押すと、MT50の電源がオンになります。
POWERスイッチ
POWERインジケーターが点灯します。
準備
2 MONITOR SELECTスイッチをCUEにします。
–
+
3 MONITOR/PHONESコントロールつまみを半分くらいまで上げます。
DC 12V コネクター
これは後でいつでも再調整できます。
4 リセットボタンを押して、テープカウンターを000にします。
5 ZERO STOPスイッチをONにします。
2
6 dbxスイッチをONにします。
AUX RETURN
POWER
MONITOR/PHONES
MONITOR SELECT
STEREO MIX CUE
0
ZERO STOP
OFF ON
10
MIN
MAX
PITCH
SYNC OFF ON
+
–
3
0 0 0
MULTITRACK CASSETTE RECORDER
5
6
4
リセットボタン
MT50 取扱説明書
10
第3章 操作方法(基礎編)
ステップ1 ―トラック1 にドラムの音を
録音
1 ドラムマシンを入力端子MIC/LINE 1に接続します。
2 モジュール1のGAINスイッチをLINEに設定します。
HIGH
+6
9
+3
–
+
4 モジュール1のREC SELスイッチを1に設定します。
0
LOW
3 モジュール1のCUEコントロールを8くらいの位置に上げます。
RECインジケーターが点滅します。
-5
5 PAUSEボタンを押します。
-10
–
6 RECボタンを押します。
+
AUX
REC
SEL
1
0
10
RECインジケーターが点灯します。
REC
OFF
L
7 ドラムマシンをスタートさせます。
4
PAN
8 モジュール1のフェーダーを徐々に上げていきます。
モジュール1のレベルメーターが振れはじめ、同時にドラムマシンの音
が聞こえてきます。
9 最大入力レベルで、レベルメーターの+6のLEDが一瞬だけ点灯するよ
L
R
うに、フェーダーで録音レベルを調整します。
CUE
10
3
8
10
9
8
7
6
5
4
3
2
1
0
0
GAIN
MIC
LINE
2
注意: ドラムマシンの音量が低すぎるためにフェーダーを最大にしても適正
な録音レベルにならないような場合は、フェーダーを0に下げ、GAINスイッ
チを中央の位置に変更してから、もう一度フェーダーを上げて調整します。
モジュールのフェーダーは録音レベルを設定するために使うもので、
レベル
メーターを見ながら調整します。
一方、
モニターレベルを調整するには、
モニ
ター信号だけに影響するCUEコントロールとMONITOR/PHONESコント
ロールを使います。
10 PAUSEボタンを押して録音を始めます。
11 ドラムマシンをスタートさせます。
1
12 ドラムのパートが終わったら、STOPボタンを押して録音を停止しま
MIC/LINE
す。
13 REWボタンを押してテープを巻き戻します。
ZERO STOPスイッチがONになっているので、テープカウンターが999
前後になると自動的にテープが停止します。
1
14 モジュール1のREC SELスイッチをOFFにします。
RECインジケーターが消灯します。
15 PLAYボタンを押して、録音したばかりのドラムトラックを聴いてみま
ドラムマシン
!
録音が最も簡単にできる曲は、ドラ
ムのイントロで始まる曲です。最初の
小節にドラム、ベース、シンセがすべ
てそろって始まるような曲の場合は、
その前にカウントインを入れると、タ
イミングが取りやすくなります。
MT50 取扱説明書
しょう。
この録音でよければ、下記手順の 16 ∼ 18 後「ステップ2 ― ベースの
録音」に進みます。気に入らなければ録音しなおしてください。
16 ドラムマシンの接続を外します。
17 モジュール1のフェーダーを0に戻します。
18 REWボタンを押して、テープを000まで巻き戻します。
第3章 操作方法(基礎編)
11
ステップ2 ―トラック2 にベースの音を
録音
1 ベースを入力端子MIC/LINE 2に接続します。
HIGH
+6
9
+3
–
+
0
LOW
2 モジュール2のGAINスイッチをLINEに設定します。
-5
3 モジュール2のCUEコントロールを8くらいの位置に上げます。
-10
–
+
AUX
REC
SEL
10
PAN
4 モジュール2のREC SELスイッチを2に設定します。
REC
2
0
注意: ライン録りでは、
EベースやEギターなど出力インピーダンスの高い機
器をMT50に直接接続すると、
ノイズや歪が増加し良い録音ができません。
インピーダンスを下げるために、ダイレクトBOXやエフェクターをMT50と
楽器の間に接続しましょう。
OFF
R
RECインジケーターが点滅します。
4
5 PAUSEボタンを押します。
6 RECボタンを押します。
RECインジケーターが点灯します。
7 ベースを弾きながら、モジュール2のフェーダーを徐々に上げていきま
L
8
R
CUE
10
3
す。
モジュール2のレベルメーターが振れはじめ、同時にベースの音が聞こ
えてきます。
8 最大入力レベルで、レベルメーターの+6のLEDが一瞬だけ点灯するよ
10
9
8
7
6
5
4
3
2
1
0
0
うに、フェーダーで録音レベルを調整します。
9 CUEレベルを調整するために、PAUSEボタンを押して録音を始めま
GAIN
MIC
2
す。(これは仮の録音です。)
10 ドラムトラックを聴きながらベースを弾いて、ドラムとベースの音が
LINE
それぞれ聴き易いレベルになるように、モジュール1と2のCUEコント
ロールを調整します。
11 REWボタンを押して、テープを000に戻します。
2
MIC/LINE
12 RECボタンを押して録音を開始します。
RECインジケーターが点灯します。
13 ドラムトラックを聴きながらベースのパートを演奏します。
ベースエフェクター
14 ベースのパートが終わったら、STOPボタンを押して録音を停止しま
YAMAHA
す。
FX550B
15 REWボタンを押してテープを000に巻き戻します。
16 モジュール2のREC SELスイッチをOFFにします。
RECインジケーターが消灯します。
1
17 PLAYボタンを押して、ドラムトラックと録音したばかりのベースト
ラックを聴いてみましょう。
この録音でよければ、下記手順の 18 ∼ 20 後「ステップ3 ― トラック
3にギターの音を録音する」に進みます。気に入らなければ録音しなお
してください。
18 ベースの接続を外します。
19 モジュール2のフェーダーを0に戻します。
20 REWボタンを押して、テープを000まで巻き戻します。
MT50 取扱説明書
第3章 操作方法(基礎編)
12
ステップ3 ―トラック3 にギターの音を
録音
1 ギターを入力端子MIC/LINE 3に接続します。
HIGH
+6
9
+3
–
+
2 モジュール3のGAINスイッチをLINEに設定します。
0
LOW
注意: 11ページの 1 と同じ理由で、ダイレクトBOXやエフェクターを
MT50と楽器の間に接続しましょう。
3 モジュール3のCUEコントロールを8くらいの位置に上げます。
-5
4 モジュール3のREC SELスイッチを3に設定します。
-10
–
RECインジケーターが点滅します。
+
AUX
REC
SEL
3
0
10
5 PAUSEボタンを押します。
REC
OFF
L
6 RECボタンを押します。
4
PAN
RECインジケーターが点灯します。
7 ギターを弾きながら、モジュール3のフェーダーを徐々に上げていきま
す。
モジュール3のレベルメーターが振れはじめ、同時にギターの音が聞こ
えてきます。
L
8
R
10
9
8
7
6
5
4
3
2
1
0
CUE
10
3
8 最大入力レベルで、レベルメーターの+6のLEDが一瞬だけ点灯するよ
うに、フェーダーで録音レベルを調整します。
9 CUEレベルを調整するために、PAUSEボタンを押して録音を始めま
0
す。(これは仮の録音です。)
GAIN
MIC
10 ドラムとベースのトラックを聴きながらギターを弾いて、ドラム、
2
LINE
ベース、ギターの音がそれぞれ聴き易いレベルになるように、モ
ジュール1、2、3のCUEコントロールを調整します。
11 REWボタンを押して、テープを000に戻します。
12 RECボタンを押して録音を開始します。
RECインジケーターが点灯します。
3
MIC/LINE
13 ドラムとベースのトラックを聴きながらギターのパートを演奏しま
す。
14 ギターのパートが終わったら、STOPボタンを押して録音を停止しま
す。
ギターエフェクター
15 REWボタンを押してテープを000に巻き戻します。
FX770
16 モジュール3のREC SELスイッチをOFFにします。
RECインジケーターが消灯します。
17 PLAYボタンを押して、ドラムトラック、ベーストラックと録音したば
1
かりのギタートラックを聴いてみましょう。
この録音でよければ、下記手順 18 ∼ 20 の後「ステップ4 ― トラック
4にボーカルを録音する」に進みます。気に入らなければ録音しなおし
てください。
18 ギターの接続を外します。
19 モジュール3のフェーダーを0に戻します。
20 REWボタンを押して、テープを000まで巻き戻します。
MT50 取扱説明書
第3章 操作方法(基礎編)
13
ステップ4 ―トラック4にボーカルを録音
1 マイクを入力端子MIC/LINE 4に接続します。
2 モジュール4のGAINスイッチをMICに設定します。
HIGH
+6
9
+3
–
+
4 モジュール4のREC SELスイッチを4に設定します。
0
RECインジケーターが点滅します。
LOW
-5
5 PAUSEボタンを押します。
-10
–
6 RECボタンを押します。
+
AUX
REC
SEL
10
RECインジケーターが点灯します。
REC
4
0
3 モジュール4のCUEコントローラーを8くらいの位置に上げます。
OFF
R
7 マイクに向かって歌いながら、モジュール4のフェーダーを徐々に上げ
4
PAN
ていきます。
モジュール4のレベルメーターが振れはじめ、同時にボーカルの声が聞
こえてきます。
8 最大入力レベルで、レベルメーターの+6のLEDが一瞬だけ点灯するよ
うに、フェーダーで録音レベルを調整します。
L
R
CUE
10
9 CUEレベルを調整するために、PAUSEボタンを押して録音を始めま
3
8
10
9
8
7
6
5
4
3
2
1
0
す。(これは仮の録音です。)
10 ドラム、ベース、ギターのトラックを聴きながら歌って、それぞれの
0
音がすべて聴き易いレベルになるように、モジュール1、2、3、4の
CUEコントロールを調整します。
GAIN
MIC
2
11 REWボタンを押して、テープを000に戻します。
12 RECボタンを押して録音を開始します。
LINE
RECインジケーターが点灯します。
13 他のトラックを聴きながらボーカルのパートを歌います。
14 歌が終わったら、STOPボタンを押して録音を停止します。
4
MIC/LINE
15 REWボタンを押してテープを000に巻き戻します。
16 モジュール4のREC SELスイッチをOFFにします。
RECインジケーターが消灯します。
17 PLAYボタンを押して、ドラムトラック、ベーストラック、ギタート
ラックと、録音したばかりのボーカルトラックを聴いてみましょう。
この録音でよければ、下記手順 18 ∼ 20 の後「ステップ5 ― ミックス
ダウンをマスターする」
に進みます。気に入らなければ録音しなおして
ください。
1
18 マイクの接続を外します。
19 モジュール4のフェーダーを0に設定します。
20 REWボタンを押して、テープを000まで巻き戻します。
!
ハウリングに注意!マイクはスピー
カーに近付けないこと。
MT50 取扱説明書
14
第3章 操作方法(基礎編)
ステップ5 ―ミックスダウン
ト
ラ
ッ
ク
1
ト
ラ
ッ
ク
2
–
ス
テ
レ
オ
左
ト
ラ
ッ
ク
3
ト
ラ
ッ
ク
4
ミックスダウンとは、MT50で作成したテープをもとに、ステレオカセット
テープを作成することです。ミックスダウンにより、あなたの作品はカセッ
トデッキやラジカセで聴くことができるようになります。もちろん、
カセッ
トテープに限らず、
DATなどの他のメディアにミックスダウンすることもで
きます。
この2台目のレコーダー、
つまりステレオカセットレコーダーやDAT
レコーダーをマスターレコーダーといいます。
ミックスダウンでは、フェーダーでトラック間のレベルバランスを調整し、
EQで音色を調整し、
PANコントロールで定位をつけたりするなどして、
各ト
ラックの音色をバランス良くミックスします。
+
ス
テ
レ
オ
右
準備
1. MT50のSTEREO OUTをマスターレコーダーの入力端子に接続します。
2. マスターレコーダーの入力レベルを適宜調整します。
3. マスターレコーダーのステレオ出力をアンプに接続し、スピーカーをア
ンプに接続して、ミックスをモニターすることもできます。
または、ステレオヘッドフォンか、アンプ内蔵のスピーカーを使っても
いいでしょう。
REC
4. エフェクトをかけたい場合は、ヤマハFX770やREV100などのマルチエ
フェクターをAUX SEND端子とAUX RETURN端子間に接続します。
5. MONITOR SELECTスイッチをSTEREOに設定します。
6. 入力端子MIC/LINEには何も接続されていないことを確認してくださ
い。
7. dbxスイッチとZERO STOPスイッチを適宜設定します。録音に引き続い
てミックスダウンをおこなう場合は、設定し直す必要はありません。
レベルバランスの調整
10
9
8
7
6
5
4
3
2
1
0
10
9
8
7
6
5
4
3
2
1
0
トラック
1
10
9
8
7
6
5
4
3
2
1
0
トラック
2
10
9
8
7
6
5
4
3
2
1
0
トラック
3
ステレオミックスをテープに録音する前に、まず何回かリハーサルをして、
全体のサウンドに満足がいくようになってから本番の録音をするのが秘訣
です。
トラック
4
1. 各フェーダーをすべて7くらいの位置まで上げます。
2. PLAYボタンを押して再生を始めます。
3. フェーダーを動かして、全体的にバランスの取れたミックスになるよう
に調整します。パートによって大きすぎても小さすぎてもいけません。
4. MONITOR/PHONESコントロールで、モニター音量を最適なレベルに
調整します。
MT50 取扱説明書
第3章 操作方法(基礎編)
15
パン設定
PAN
L
R
パン設定は、
音像の定位を決めます。
各楽器音の定位については、
従わなけれ
ばならない規則というものはありません。何事もトライしてみることが肝
心、ビートルズの初期の録音でもこのテクニックを使って、たとえばボーカ
ルを右いっぱい、
ベースとギターを左いっぱいに振って話題になったもので
す。
1. PANコントロールを左右に回し、それぞれの楽器の定位を決めます。
EQをかける
HIGH
–
+
2バンドイコライザーで、
高音域や、低音域を強くしたり弱くしたりして、
音
色を調整します。
ドラムトラックに録音したハイハットの音など、大切な高
音部がカットされないように確認してください。
また、ベーストラックなど
の低音を大きくしすぎると、全体のバランスがくずれてしまいます。
1. HIGHコントロールで高音を調整します。
LOW
2. LOWコントロールで低音を調整します。
–
+
エフェクトをかける
ヤマハFX7700やREV100などのエフェクターをお持ちの場合は、MT50に接
続してサウンドにエフェクトをかけることができます。
1. AUX SEND端子をエフェクターの入力端子に接続します。
2. AUX RETURN端子をエフェクターの出力端子に接続します。
ステレオ出力付きのエフェクターを使う場合は、L(MONO)とR両方の
AUX RETURN端子に接続してください。エフェクターがモノ出力なら
ば、L(MONO)端子のみを使います。
REC
3. 各モジュールのAUXコントロールを上げて、音をエフェクターに送り出
します。
4. AUX RETURNコントロールを上げて、エフェクトのかかった音を戻し
ます。
ミックスダウン録音
ミックス状態に満足したら、マスターレコーダーに録音します。
1. マスターレコーダーを録音待機状態に設定します。
2. MT50を再生して、マスターレコーダーの録音レベルを調整します。
3. 再生を止め、テープを999前後の位置まで巻き戻します。
4. マスターレコーダー側の録音を開始します。
5. MT50のPLAYボタンを押して再生を開始します。
マスターレコーダーに録音されます。
!
せっかくの大作を誤って消してしま
わないようにするには、テープの誤消
去防止用の爪を両サイドとも折ってく
ださい。
6. 曲が終わったらMT50とマスターレコーダーを停止します。
7. マスターレコーダーのテープを巻き戻して、努力の結晶に耳を傾けてみ
ましょう。
MT50 取扱説明書
16
第3章 操作方法(基礎編)
接続例
アンプ内蔵スピーカー
YAMAHA
YAMAHA
マスターレコーダー
エフェクター
YAMAHA
MONITOR
OUT
AUX
SEND
STEREO
OUT
AUX
RETURNS
REC
ドラムマシン
フットスイッチ
ベースエフェクター
YAMAHA
ギターエフェクター
MT50 取扱説明書
第4章 操作方法(応用編)
17
第4章 操作方法
(応用編)
この章では、
もう少し進んだマルチトラックレコーディングのテクニックを
ご紹介します。MT50はとても融通性のきくマシンです。
たった1台のコンパ
クトなボディで、洗練された様々な録音テクニックをこなすことができま
す。ここでは次の4つの応用場面を取り上げてみましょう。
ワンテイク
(一発)
録音
この録音テクニックは、
ライブなどで複数の楽器を同時に録音するときに使
います。楽器音を直接録音した後で、スタジオでのミックスダウン時にリ
バーブなどのエフェクトをかけることもできます。
また、
4種類の楽器を同時に2本のトラックに録音し、
残りの2本は後で別の楽
器を録音するために空けておくこともできます。
あるいは、ドラムのパート
が複雑でむずかしいので、ドラムキット内の3種類のドラムサウンドを別々
に録音してから、
これをリズムパートとして空いたトラックにピンポン録音
することもできます。
更に、
MIDI楽器のステレオ音像をそのまま生かすため
に、このテクニックを使う方法もあります。
ピンポン録音
ピンポン録音はすでに録音済みのトラックをいくつかミックスして、
これを
空いているトラックに録音するというテクニックです。
基本的なオーバーダ
ビングは4本のトラックに録音しますが、
このテクニックを使うと、
理論上無
限数のトラックを録音することができます。
これは、ピンポン録音するたび
に、
更に録音できるトラックができるからです。
しかし、
ピンポン録音を繰り
返すうちに音質の劣化やノイズの増加を招きます。
それぞれの楽器について
1∼2回にとどめておいたほうが安全です。
パンチイン/アウト録音
このテクニックは、
短いフレーズを録音し直したり、
ミスを訂正したり、
ある
いは新しい部分を空いている部分に挿入したりするために使います。
フット
スイッチを使えば、
足もとでパンチイン/アウトの操作ができます。
フットス
イッチで録音をスタート/ストップさせながら、演奏するわけで、自慢のギ
ターソロを完璧に入れたいときなどにはもってこいです。
これだ!と思うフ
レーズが録音できるまで何度も録音を繰り返すことができます。
テープシンク
トラック4にFSK信号を録音すれば、MT50をMIDIシーケンサーやドラムマ
シンと同期させることができます。
従って、
MIDI楽器をわざわざテープに録
音する必要がありません。
FSK信号がMIDI楽器をトリガーしてくれるので、
トラック数を節約でき、曲のアレンジを効果的に広げていくことができま
す。使用するシーケンサー、ドラムマシンによっては、ヤマハYMC10などの
MIDI↔FSKコンバーターが必要です。
MT50 取扱説明書
18
第4章 操作方法(応用編)
ワンテイク録音
ここでは4種類の楽器を直接モジュール1∼4に接続して一気に録音し、
ミッ
クスダウン時にエフェクトをかける方法を説明します。
ライブ演奏を録音す
るときに便利です。
REC
1. 楽器をそれぞれ入力端子MIC/LINE 1∼4に接続します。
2. モジュール1∼4のGAINスイッチを各楽器に合わせて設定します。
3. 各モジュールのCUEコントロールを8くらいの位置に上げます。
4. 各モジュールのREC SELスイッチをそれぞれ1∼4に設定します。
各モジュールのRECインジケーターが点滅します。
5. PAUSEボタンを押します。
6. RECボタンを押します。
RECインジケーターが点灯します。
ドラムマシン
7. バンド演奏をスタートします。
8. 各モジュールのフェーダーを徐々に上げていきます。
各モジュールのレベルメーターが振れはじめ、同時にバンド演奏の音
が聞こえてきます。
9. 最大入力レベルでレベルメーターの、+6のLEDが一瞬だけ点灯するよ
うに、フェーダーで録音レベルを調整します。
レベルメーターを見ながらフェーダーで録音レベルを設定します。一
方、モニターレベルの調整は、モニター信号だけ調整するCUEコント
ロールとMONITOR/PHONESコントロールを使います。
10. PAUSEボタンを押して録音を始めます。
11. バンド演奏の本番をスタートさせます。
12. 曲が終わったら、STOPボタンを押して録音を停止します。
13. REWボタンを押してテープを巻き戻します。
14. 13ページを参照してミックスダウンを行います。
各チャンネルごとにエフェクトをかけたり、パンの調整やフェーダー
のバランスを取ったりすることができます。また、ミックス全体にリ
バーブをかけたりして、磨きあげてください。
更に一歩進んだワンテイク録音テクニック
録音したい楽器や電子機器がステレオ出力の場合、4トラックではすぐに埋
まってしまいます。
また、音像を左右に振って音に立体感や臨場感を与えたくても、トラックが
一つしか残っていない場合は、微妙なニュアンスが失われてしまいます。
このようなとき、音像の定位をコントロールする機能と、複数の左右チャン
ネルトラックを1本の2トラックミックスに録音する機能を組み合わせて使
います。
一見複雑そうですが、実際の操作はごく簡単です。基本的にはREC SELス
イッチとPANコントロールつまみを操作するだけです。これによって、
たと
えば次のことが可能です。
・ 4種類の楽器を同時録音しながらも、トラックは2本しか使わないので、
トラック数の節約になります。
MT50 取扱説明書
第4章 操作方法(応用編)
19
・ ドラムマシン、シーケンサー、シンセサイザーなどほとんどがステレオ
出力です。たとえば、バスドラ、スネアなど様々なドラム音をステレオ
音像で左右に振ります。これがそのまま録音できれば、ドラムのパート
も更にダイナミックに聞こえるはずです。ワンテイク録音のテクニック
を使えば、トラック数に頭を痛めることなく、プログラムしたドラムマ
シンやシンセサイザーのステレオ音像のニュアンスを、そのまま再現す
ることができます。
・ 異なる音質やディレイタイム設定のギターアンプを2台接続したステレ
オコーラスなど、ギターにステレオエフェクトをかけたとします。この
ステレオ出力を2本のトラックに録音し、左右チャンネルで音の味付け
の違うギターソロサウンドを出そうという場合、ギターソロを1本のト
ラックに録音すると、左右で異なる音色という効果が失われてしまい、
せっかくの努力も水の泡です。ワンテイク録音を使えば、このステレオ
のニュアンスをそのまま生かすことができます。
下図では、各PANコントロールを経由した様々な信号がステレオバス(図に
ある2本の太いパイプのようなもの)
に集まってきてミックスされ、
STEREO
OUTジャックから出力されます。つまり、
各PANコントロールはステレオバ
スの方向指示機として働くわけです。
この機能を使って4種類の楽器を2本の
トラックに録音する方法や2種類の楽器のステレオ音像を録音する方法を次
頁より説明します。
図のように、
L出力はトラック1と3へ、
R出力はトラック2
と4へ送られます。
STEREO OUT
L
&
ステレオバス
R
トラック1か3へ
PAN
L
PAN
R
L
PAN
R.....L
R
ドラム
ベース
ギター
モジュール 1 モジュール 2 . . . . . . . . . 4
モジュール 1: ドラム
モジュール 2: ベース
モジュール 3: ギター 1
モジュール 4: ギター 2
トラック 1: ドラム/ギター 1
トラック 2: ベース/ギター 2
トラック 3:
トラック2か4へ
4
3
2
1
4種類の楽器を2本のトラックにワンテイクで録音する方法
ここでは、
ドラム、ベース、リズムギター、
リードギターを一度に録音しなが
ら、2本のトラックは後で他の楽器を録音するために空けておく、という
ちょっと欲張った使い方をしてみましょう。
1. ドラムのマイクをモジュール1の入力端子MIC/LINEに、ベースをモ
ジュール2、リズムギターをモジュール3、リードギターをモジュール4
に接続します。
2. 第3章
「操作方法
(基礎編)
」
の説明に従って、GAINスイッチ、モニターコ
ントロール、インプットフェーダーなどを適宜設定します。
トラック 4:
MT50 取扱説明書
20
第4章 操作方法(応用編)
3. 各モジュールのREC SELスイッチを次のように設定します。
・ モジュール1のREC SELスイッチをLにする。
・ モジュール2のREC SELスイッチをRにする。
・ モジュール3のREC SELスイッチをOFFにする。
・ モジュール4のREC SELスイッチをOFFにする。
この設定によって、
トラック3と4には録音されず、
トラック1にはL(左)
チャ
ンネル、トラック2にはR(右)チャンネルの音が録音されます。
4. 各モジュールのPANコントロールつまみを次のように設定します。
!
この例では左右いっぱいに信号を
振っていますが、何事もトライする精
神で一部分を右や左に振り分けてみて
もいいでしょう。
・ モジュール1のPANコントロールをLにする。
・ モジュール2のPANコントロールをRにする。
・ モジュール3のPANコントロールをLにする。
・ モジュール4のPANコントロールをRにする。
5. RECボタンを押してバンド演奏を始めます。
入力端子MIC/LINE1と3から入った音がトラック1に録音され、入力端子
MIC/LINE2と4から入った音がトラック2に録音されます。
トラック3と4は、他の楽器やボーカルの録音に使えるわけです。
2種類の楽器のステレオ音像をそのまま生かして録音する
方法
1. 1台目のステレオ出力の楽器をモジュール1と2のMIC/LINE入力端子に
接続します。(楽器のL側出力をモジュール1、R側出力をモジュール2)
モジュール 1: ドラム L
モジュール 2: ドラム R
モジュール 3: シンセ L
モジュール 4: シンセ R
トラック 1:ドラムL/シンセL
トラック 2:ドラムR/シンセR
トラック 3:
トラック 4:
2. 2台目のステレオ出力の楽器をモジュール3と4のMIC/LINE入力端子に
接続します。(楽器のL側出力をモジュール3、R側出力をモジュール4)
3. 第3章
「操作方法
(基礎編)
」
の説明に従って、GAINスイッチ、モニターコ
ントロール、インプットフェーダーなどを適宜設定します。
4. 各モジュールのREC SELスイッチを次のように設定します。
・ モジュール1のREC SELスイッチをLにする。
・ モジュール2のREC SELスイッチをRにする。
・ モジュール3のREC SELスイッチをOFFにする。
・ モジュール4のREC SELスイッチをOFFにする。
!
3台目のステレオ出力の楽器をAUX
RETURN端子に入力すれば合計3種類の
ステレオ出力の楽器を録音することが
できます。
5. 各モジュールのPANコントロールつまみを次のように設定します。
・ モジュール1のPANコントロールをLにする。
・ モジュール2のPANコントロールをRにする。
・ モジュール3のPANコントロールをLにする。
・ モジュール4のPANコントロールをRにする。
6. RECボタンを押して両方の楽器の演奏を始めます。
モジュール1とモジュール3(各楽器の左チャンネル)の音がL側、つまりト
ラック1に録音され、
モジュール2とモジュール4(各楽器の右チャンネル)の
音がR側、つまりトラック2に録音されます。
トラック3と4は他の楽器の録音に使えます。
MT50 取扱説明書
第4章 操作方法(応用編)
!
右に説明している手順は、トラック
1、2、3をトラック4にピンポン録音し
た時点で終わっていますが、必要に応
じて下の図のように更にピンポン録音
を続けることもできます。繰り返しト
ラックを録音することによって、MT50
を10トラック以上に使えます。
21
ピンポン録音
ピンポン録音は、
すでに録音されている複数のトラックを空いているトラッ
クにまとめて録音します。
このテクニックを使えば、
4トラック以上の録音が
できます。
ここでは、
例1:トラック1、
2、
3をトラック4にミックスして録音する例と例2:
例1のピンポン録音に楽器をオーバーダビングする例の2例を説明します。
これによって、
新たにトラック1、
2、3が空いて、
他の楽器やソロ、ボーカルな
どを追加録音できることになります。
例1:
Drum Machine
トラック 1: ドラム
トラック 2: ベース
トラック 3: シンセサイザー
1. トラック1、2、3にそれぞれ異なる楽器を録音します。
たとえば、
ベース、ドラム、
シンセサイザーを録音します。
(もちろん他の
楽器を使ってもかまいません。
)
詳しい手順は第3章:
「操作方法
(基礎編)
」
をお読みください。ZERO STOPスイッチも忘れないようにセットしま
す。
2. 録音したらテープを巻き戻します。
3. 入力端子1、2、3に接続されている楽器をすべて外します。
4. MONITOR SELECTスイッチをCUEにします。
(トラック 1: ドラム)
(トラック 2: ベース)
(トラック 3: シンセサイザー)
トラック 4: リズムミックス
トラック 1: ギター1
トラック 2: ギター2
(トラック 3: シンセサイザー)
トラック 4: リズムミックス
(トラック 1: ギター1)
(トラック 2: ギター2)
トラック 3: ギターミックス
トラック 4: リズムミックス
トラック 1: ボーカル
トラック 2: シンセ リード
トラック 3: ギターミックス
トラック 4: リズムミックス
!
ピンポン録音でミックスした各ト
ラックの音源は後で個別にエフェクト
をかけたり、バランスを調整したりで
きません。
ピンポン録音する前に必要な調整をし
ておきましょう。
5. MONITOR/PHONESコントロールを半分くらいまで上げます。
モニター音が大きすぎたり小さすぎたりする場合は後で調整してくださ
い。
6. モジュール1、2、3の各PANコントロールを右いっぱい
(R)
に設定しま
す。
各信号がステレオバスのR出力に集まります。
7. モジュール1、2、3のREC SELスイッチをすべてOFFにします。
すでに録音されているトラック1、
2、3には今は録音しないからです。
8. モジュール4のREC SELスイッチをRにします。
モジュール4のRECインジケーターだけが点滅しています。
これによって、
トラック4にトラック1、
2、
3の音を録音することができま
す。
9. モジュール1、2、3のフェーダーを約7の位置に設定します。
10. モジュール4のCUEレベルを約7の位置に設定します。
11. RECボタンを押して、仮の
(録音レベル設定のための)
録音を行います。
12. トラック1∼3の音量バランスをとりながら、トラック4の録音レベルを
調整します。
モジュール1、2、3のフェーダーを使って音量バランスをとりながらモ
ジュール4の+6のレベルメーターが一瞬だけ点灯するように調整します
す。
13. モジュール1∼3のフェーダーの適切な位置が決まったら、ピンポン録音
の本番に入ります。
MT50 取扱説明書
22
第4章 操作方法(応用編)
例1の手順を繰り返して、
複数のトラックを1本にまとめることが何度もでき
ます。
ただし、
2回ほどピンポン録音を繰り返すと音質が急激に劣化しますの
で、
ご注意ください。
このテクニックを使えば、
MT50がまるで4トラック以上
の機能を持っているような感覚で使えます。
例1のピンポン録音のときモジュール4に楽器を接続するとトラック1、
2、
3の
ピンポン録音とモジュール4の楽器演奏のオーバーダビングとが一度におこ
なえます。
その手順は上記1∼13とほぼ同じですが次の手順だけが変わります。
例2:
3'. モジュール4に楽器を接続する。
6'. モジュール4のPANコントロールをR側いっぱい(R)に設定する。
12'.
モジュール1、2、3、4のフェダーを使って、音量バランスをとりな
がらモジュール4の+6のレベルメーターが一瞬だけ点灯するように調整
する。
!
ピンポン録音でミックスしないト
ラックのフェーダーは必ず下げておい
てください。
注意: 隣接したトラックへのピンポン録音(たとえばトラック2からトラッ
ク1またはトラック3へピンポン録音するなど)をおこなうと、クロストーク
(録再ヘッドでの信号漏れ)によってハウリングが起こる場合もあります。
隣接したトラックへピンポン録音する場合は、
録音レベルを慎重に設定して
ください。EQのHIGHを必要以上にブーストしないことも、上手にピンポン
録音をおこなうコツです。
また、
ハウリングができるだけ発生しないよう、
常にdbx“ON”
、
での使用をお
すすめします。
MT50 取扱説明書
第4章 操作方法(応用編)
23
パンチイン/アウト録音
パンチイン/アウト録音は、
トラック上の短い部分を修正して再録音したい場
合に便利です。
たとえば、
基本的なリズムトラックに合わせながら得意のギターソロを弾い
たところが、
第4小節でうっかり2∼3音はずしてしまったとします。
ギターソ
ロはトラック4に、その他の楽器はトラック1、2、3に入っています。
この場合、
第4小節の頭でパンチインしてリフを
(今度は完璧に)
弾き、
同じ小
節の終わりでパンチアウトするわけです。
後でソロ部分を聴いても、
その小
節だけ録音しなおしたことは、気づかれません。
パンチイン/アウト録音にはフットスイッチを使う方法と使わない方法があ
ります。
ここではこの両方について説明しますが、フットスイッチを使うと
足元で操作できて便利ですのでフットスイッチの使用をおすすめします。
トラック4:
修正後の、ギターソロ
トラック4:
ギターソロ
・フットスイッチによるパンチイン/アウト録音
1. フットスイッチをPUNCH I/O端子に接続します。
2. モジュール1、2、3のREC SELスイッチをOFFにします。
3. モジュール4のREC SELスイッチを4にします。
モジュール4のRECインジケーターだけが点滅します。
4. MONITOR SELECTスイッチをMIXにします。
トラック4:
ソロ パンチイン
5. MONITOR/PHONESコントロールが先ほどの録音時と同じ設定になっ
ていることを確かめます。
6. モジュール4のフェーダーが、先ほどのギターソロ録音時と同じレベル
になっていることを確かめます。
パンチイン録音のレベルが元の録音レベルと異なると、
パンチイン部分
が目だって、後で編集したということがよくわかってしまいます。
7. PLAYボタンを押して、パンチインしたい曲を再生します。
トラック4:
ソロ パンチアウト
!
パンチイン/アウトには、ある程度
の切れ目が必要です。
!
第4小節の終わりまで何度かテープ
に合わせてギターソロを練習し、パン
チイン録音の本番に備えます。新しく
パンチインする部分がすでにあるテイ
クにスムーズになじむよう、タイミン
グに十分気を使うのがコツです。
!
ヤマハではオプションでフットス
イッチFC5を用意しています。ヤマハ
以外のフットスイッチではタイミング
がズレることがありますので、ご注意
ください。
8. 曲を聴きながら同じギターソロを弾くか、第4小節の頭から録音できる
よう準備します。
片足でリズムを取るとタイミングがつかみやすくなります。
9. 第4小節の頭でフットスイッチを踏んで、トラック4への録音を始め、修
正したい部分を演奏します。このとき、モジュール4のRECインジケー
ターが点灯します。
くどいようですが、
タイミングが肝心です。
あまり早くフットスイッチを
踏むと第3小節の終わりが欠けてしまいます。
10. 第4小節の終わりで、もう一度フットスイッチを踏みます。モジュール
4のRECインジケーターが点滅になります。
ここでもタイミングが肝心です。
フットスイッチを踏むのが遅れると、
次
の小節の頭が欠けてしまいます。
・フットスイッチを使わないパンチイン/アウト録音
基本的にはフットスイッチを使った場合と同じですが次の手順だけが変わ
ります。
1'.(接続しない。)
9'. 第4小節の頭で、PLAYボタンを押しながらRECボタンを押して、ト
ラック4への録音を始め、修正したい部分を演奏します。
10'.
第4小節の終わりで、STOPボタンを押します。
MT50 取扱説明書
24
第4章 操作方法(応用編)
トラッキングシートの使い方
次の表は、トラッキングシートの使い方の例を示したものです。各トラック
で演奏した楽器名、パンポットやフェーダーの設定などを適宜記録して、後
で参照できるようにします。巻末に空白のトラッキングシートを1ページ入
れてありますので、必要に応じてコピーしてお使いください。
トラッキング
シートを記入しておけば、後になって編集や再録などに役に立ちます。
A トラック
楽 器
備 考
High
Low
Aux
Pan
Fader
Start
Stop
To Track
プログラム012
7
000
350
B-4
アレンビック
(アンプはアンペッグ)
7
000
350
B-4
1
ドラムマシン
2
ベース
3
リズムギター
ギブソンES-225、
(アンプはメサブギ)
7
064
350
B-2
4
リードギター
'57ストラト、
ツイードのプリンストン
8
172
280
B-2
Fader
Start
Stop
To Track
A トラック
楽 器
備 考
High
Low
Aux
Pan
ギターミックス
ES-225とストラト
064
350
リズムトラック
000
350
1
2
3
4
ドラム/ベース
MT50 取扱説明書
第4章 操作方法(応用編)
25
テープシンク
トラック4にFSK信号を録音することによって、MT50を外部MIDIシーケン
サーやドラムマシンに同期させることができます。
REC
(FSKとはFrequency Shift Keyingの略です。
FSK信号は、
MIDIクロックをテープに録音
できるように変調したものです。FSK信号はシーケンサーやドラムマシンをコント
ロールするオーケストラの指揮者と言えます。)
お手元のシーケンサーやドラムマシンがこの信号を出力しない場合は、
ヤマ
ハYMC10 MIDI↔FSKコンバーターをMIDIシーケンサーやドラムマシンと、
MT50との間に接続してください。
IN
OUT
MIDI楽器
YMC10
コンバーター
1. YMC10のTAPE SYNC OUT端子を、モジュール4の入力端子MIC/LINE
に接続します。
2. MIDI機器の同期クロックを
“Internal”にします。
3. モジュール4のフェーダーを8くらいの位置に設定します。
!
シーケンサーに接続されている
MIDI楽器の出力を空いたトラックに入
力し、それに合わせた他の楽器の演奏
も録音することができます。
4. dbxスイッチをSYNCまたは、OFFにします。
dbxスイッチをSYNCにした場合は、
トラック1、
2、
3のdbxシステムがON、
トラック4はOFFになります。
5. モジュール1、2、3のREC SELECTスイッチはOFFに、モジュール4の
REC SELECTスイッチは4に設定します。
モジュール4のRECインジケーターが点滅します。
REC
6. RECボタンを押します。
RECインジケーターが点灯します。
7. シーケンサーまたはドラムマシンを再生して、曲の長さだけFSK信号を
録音します。
トーン ジェネレータ
ドラムマシン
サンプラー
エフェクト
コンバーター
8. 録音が終わったらモジュール4からケーブルをはずします。
9. テープを巻き戻します。
!
確かなシンクレコーディングをおこ
なうために
シンクレコーディングを確実におこなう
ために、以下の事項に注意してくださ
い。
・ FSK信号録音時には、トラック4の録
音レベルを0∼+3dB程度に設定して
ください。
・ dbxスイッチを"SYNC"ポジションに
設定した状態では、トラック4にFSK
信号以外の信号(音楽信号等)を録音
しないでください。
・ FSK信号を再生しながら、同時に他
の音楽信号等を録音する場合は、で
きるだけ隣接するトラック
(トラック
3)
は使わないようにしてください。
10. MT50のSYNC OUT端子をYMC10のTAPE SYNC IN端子に接続します。
11. MIDIシーケンサーまたはドラムマシンを同期再生のために設定します。
(MIDI機器の同期クロックを
“MIDI”
にします)
。
詳しい内容は、
接続する
シーケンサーやドラムマシンの取扱説明書をお読みください。
12. MT50のPLAYボタンを押します。
MT50からの同期信号が、
シーケンサーまたはドラムマシンをトリガーし
ます。
13. 他の楽器やマイクをモジュール1∼3に接続してあれば、ギターやボーカ
ル、ピアノなどをシーケンサープログラムに合わせて演奏録音すること
ができます。
MT50 取扱説明書
26
故障かな?と思ったら
故障かな?と思ったら
MT50の操作中に問題があったり、
正常に作動していないと思ったら、
下記の
表の症状と対策を参考にしてください。
症 状
対 策
ACアダプターが適切なコンセントに接続されていることを確認してください。
ACアダプターがMT50のDC 12V端子に接続されていることを確認してくださ
電源がオンにならない
い。
MT50のPOWERスイッチがONになっていることを確認してください。
以上の確認をおこなってもまだ電源が入らない場合は、
お近くのヤマハ代理店に
ご相談ください。
カセットテープが入っていることを確認してください。
テープが最後まで巻き取られていないことを確認してください。
録音できない
カセットテープの誤消去の爪が折られていないことを確認してください。
REC SELECTが正しく設定されているか確認してください。
録音した音にノイズが目だつ、
または歪がある
録音時、レベルメーターのLEDの0が常時点灯し、+6のLEDが一瞬点灯する程度
に、
フェーダーを設定してください。
信号レベルが低すぎると、
録音にノイズが目
だつことがあります。また高すぎると音が歪みます。
高品質のTypeII(High Bias 70 µs EQ)クロームテープを必ずお使いください。
録音した音がこもる、
搖らぎがある、音質が悪い
ヘッドやキャプスタンなどをクリーニングしてください。
27ページ
「MT50のお手
入れ」をお読みください。
新しい品質のよいカセットテープを使ってみてください。
再生できない
カセットテープが正しい方向にセットされているか確認してください。
テープが最後まで巻き取られていないことを確認してください。
再生ピッチがおかしい
PITCHコントロールが録音時と同じ位置になっていることを確かめてください。
接続したエフェクターに信号が入らない、また
はエフェクターからのエフェクトがうまくかか
らない
該当チャンネルのAUXコントロールとフェーダー、AUX REUTRNコントロール
が適宜上がっているかチェックしてください。
ヘッドフォンから音が聞こえない
オーバーダビング時に自分の弾いている楽器音
が聞こえない
テープシンクが正しく機能しない
MT50 取扱説明書
MONITOR/PHONESコントロールを上げてください。
MONITOR SELECTスイッチが正しく設定されているか確認してください。
該当モジュールのフェーダーが上がっていますか。
MONITOR SELECTスイッチ
がCUEになっていることを確認してください。
CUEコントロールが上がっていますか。
FSK信号の録音レベルが約+3dBで録音されていることを確認してください。擦
りきれた古いテープを使っていませんか。
シーケンサーの取扱説明書をお読みく
ださい。
MIDI↔FSKコンバーターをお使いの場合は、
各機器の接続を確かめてく
ださい。
MT50のお手入れ
27
MT50のお手入れ
以下に説明する簡単なクリーニングを定期的におこなって、MT50が末永く
常に最高の性能が発揮できる状態にしておいてください。
・ 録音ヘッド、キャプスタン、ピンチローラーをクリーニングします。
(本書冒頭の「使用上の注意」も併せてお読みください。)
・ ヘッドの定期的消磁
録音ヘッドとその他の構成部品
録音ヘッドはテープに触れるデリケートな部分で、
使っているうちに磁性粉
やゴミ・ホコリが付着して、高音域に影響を与え音がぼやけてくるので、ク
リーニングが必要です。
ヘッドの周りのキャプスタンやピンチローラーなどの部品も、
磁性粉やホコ
リが付着し、ワウ・フラッター特性が悪化して音搖れの原因になります。
録音ヘッドとキャプスタンのクリーニングは、市販のヘッドクリーニング・
キットをお使いください。キットには通常、専用の綿棒、消毒アルコールを
ベースとしたクリーニング溶液が入っており、オーディオ・電化製品店でお
求めになれます。
キットに付属の説明書に従って、綿棒にクリーニング液を
含ませて丁寧に拭き取ってください。
ピンチローラーのクリーニングには、
非アルコール系のゴム部品クリーニン
グ溶液をおすすめします。
これも通常クリーニング・キットに入っています。
アルコール分の入った溶剤を使うと、
ローラーのゴムの部分が乾きすぎて腐
食しやすくなります。
クリーニングは、最高10時間録音するごとにおこなってください。
ヘッドが
汚れると、
MT50の音が歪んだりノイズが入ったりします。
もっとひどくなる
と、
再生や録音さえもできなくなります。
最適な録音ができるよう、
録音セッ
ション前にはクリーニングをおこなうことをおすすめします。
ピンチローラー
録再ヘッド
キャプスタン
消去ヘッド
の部分をきれいにしておきます。
録音ヘッドの消磁
磁気テープは常に録音ヘッドを通過するので、
長時間使用しているとやがて
磁気を帯びてきます。このため、
市販のデマグネタイザーでヘッドを消磁す
ることが必要です。
(これもお近くのオーディオ・電化製品店でお求めになれ
ます。)使用の際は、デマグネタイザーに付属の説明書をよくお読みくださ
い。デマグネタイザーを正しく使わないと、
ヘッドをひどく損傷させてしま
うことがあります。
また、
デマグネタイザーの使用中は、
録音テープを離れた
所においてください。さもないと、デマグネタイザーによってせっかくの録
音が消えてしまうことがあります。
消磁も10時間録音するごとにおこなうことをおすすめします。
特別重要な録
音セッションをひかえている場合は、
クリーニングと消磁をして最適なコン
ディションを整えてください。
MT50 取扱説明書
28
付 録
仕 様
一般仕様
機構部:
使用テープ
C46∼90 カセットテープ(Type ll High Bias 70 µs EQ)
トラック形式
4トラック
ヘッド構成
4チャンネル録音/再生
4チャンネル消去
モーター
ミキサー部:
DCサーボモーター
テープ速度
9.5 cm/sec
ピッチコントロール
±10%
ワウフラッター
0.12% W. RMS
早巻き時間
C60テープ→約120秒
周波数特性
20Hz∼20kHz+1, −4dB
S/N
MIC IN−STEREO OUT: 68dB, IHF-A(GAIN: MIC)
MIC IN−STEREO OUT
LINE IN−STEREO OUT
LINE IN−PHONES OUT
LINE IN−STEREO OUT: 70dB, IHF-A(GAIN: LINE)
イコライザー
LOW: ±12dB, 80Hz, シェルビング
HIGH: ±12dB, 12kHz, シェルビング
レコーダー部:
仕様:
その他
0dB = 0.775 V rms.
MT50 取扱説明書
周波数特性
40Hz∼16kHz+3, −5dB(dbx* OFF)
S/N(@ 3% THD)
85dB(dbx ON, IHF-A)
歪率
1.5%(400 Hz, −10dBレコーディングレベル)
消去率
55dB(1kHz, 0dBレコーディングレベル, dbx* OFF)
ノイズ・リダクション
dbx*
MIC/LINE
入力インピーダンス:10kΩ
規定入力レベル:−10, −30, −50dB(フェーダーノミナル)
最小入力レベル:−56dB(ゲインコントロールMIC, フェーダーMax)
最大入力レベル:+6dB(ゲインコントロールLINE, フェーダーノミナル)
AUX RETURN L/R
入力インピーダンス:10kΩ
規定入力レベル:−10dB(AUX RETURNコントロール規定位置)
最小入力レベル:−16dB(AUX RETURNコントロールMax)
STEREO OUT L/R
出力インピーダンス:1kΩ
AUX SEND
規定負荷インピーダンス:10kΩ
MONITOR OUT L/R
SYNC OUT
規定出力レベル:−10dB(10kΩ負荷)
PHONES (stereo)
規定負荷インピーダンス:8∼40Ω
最大出力レベル:30mW(40Ω負荷)
最大外形寸法
337×69.3×231 mm
重量
1.7kg
付属品
ACアダプター(PA-1206)
オプション
フットスイッチFC5(パンチイン/パンチアウト用)
付 録
29
L
R STEREO
AUX
ブロック図
SYNC
OFF
ON
REC
METER
dbx
R
EQ
BA
LOW
LINE
GAIN
dbx
L REC
SEL
PAN
HIGH
MIC
1
OFF
P
HA
MIC/LINE
1
CUE
AUX
METER
REC
R
EQ
BA
LOW
LINE
GAIN
dbx
R REC
SEL
PAN
HIGH
MIC
2
OFF
P
HA
MIC/LINE
2
CUE
AUX
METER
REC
R
EQ
BA
LOW
LINE
GAIN
dbx
L REC
SEL
PAN
HIGH
MIC
3
OFF
P
HA
MIC/LINE
3
CUE
AUX
METER
REC
R
EQ
BA
P
LINE
GAIN
4
OFF
dbx
R REC
SEL
PAN
HIGH
MIC
LOW
HA
MIC/LINE
4
CUE
SYNC OUT
AUX
L
R
AUX RETURN
L
(MONO)
R
STEREO
OUT
L
AUX RETURN
STEREO
MIX
CUE
MONITOR
SELECT
R
MONITOR
OUT
MONITOR/
PHONES
PHONES
AUX SEND
寸法図
D: 231
H: 69.3
W: 337
単位:mm
※ ノイズリダクションはTHAT Corporationからの実施権に基づき製造されています。
dbxはCarillon Electronics Corporationの登録商標です。
仕様および外観は、改良のため予告なく変更することがあります。
MT50 取扱説明書
30
用語集
用語集
AUX RETURN
AUX RETURNコントロールは、通常AUX SENDに接続したエフェクターか
らAUX RETURN入力端子を通ってMT50に戻る信号の量を調整します。
AUX SEND
各モジュールにAUX SENDコントロールがあり、
通常、外部エフェクターで
エフェクトをかけるためにAUX SEND出力端子から送り出される信号の量
を調整します。
CUEコントロール
各モジュールにCUEコントロールがあり、
CUE信号経路に入る信号量を調整
します。
MONITOR SELECTスイッチにはこの経路を選ぶCUEモニターの設
定があります。
dbxノイズリダクション
テープ録音にノイズはつきものです。
MT50はdbxノイズリダクションシステ
ムを使ってノイズを抑え、クリーンでメリハリのある録音をします。
デマグネタイザー
電気コードのついた細い棒のようなもので、
録音ヘッドに少しずつ蓄積する
磁気を取り除くために使います。
テープレコーダーの保守に欠かせないツー
ルです。
EQ
音の高域成分、
低域成分を調整
(ブースト/カット)
して最適なサウンドに仕上
げます。
各モジュールにはHIGH/LOWの各EQコントロールがあります。
ステ
レオhi-fiシステムにある低域・高域コントロールと同じような働きを持って
います。
GAINスイッチ
楽器や音楽機器によって、
出力信号のレベルは様々です。各モジュールには
GAINスイッチがあって、
ライン、
インスト、マイクの各レベルに合わせて設
定できるようになっています。
MIC/LINE入力端子
各モジュールにはMIC/LINE入力端子があり、ここに録音したい楽器や機器
を接続します。
MIDI(Musical Instrument Digital Interface)
各社の電子楽器間でデータをやりとりできるようにする、デジタルデータ
フォーマット規格です。
MONITOR/PHONESコントロール
左右のMONITOR OUT端子からモニタースピーカーに送られる信号、
または
ヘッドフォン端子に送られる信号の量を調整します。
オーバーダビング
すでに録音したトラックを聴きながら別のトラックに録音することです。
デ
モテープなどを作るために、
個人個人が複数の楽器を録音するときに便利で
す。
キャプスタン
テープ部のピンチローラーに隣接した細いピンのような部品です。
テープは
キャプスタンとピンチローラの間を通っていきます。
MT50 取扱説明書
用語集
31
ストップ
バウンス先のトラック
FSK信号の録音
テープシンクのためにテープにFSK信号を録音します。MT50ではトラック
4に録音します。
テープシンク
外部MIDI機器とMT50をFSK信号で同期させるテクニックです。
トラッキングシート
録音セッションの計画シートで、
どのトラックにどんな順序で何を録音する
かなどを記録します。録音を始める前に、
必ずトラッキングシートを作成し
ておくことをおすすめします。
トラック
録音ヘッドが録音するテープ上の筋または帯状の部分です。
MT50では、
標準
のオーディオカセットテープの片面のみに4本のトラックを録音します。
パン
ステレオ音像でサウンドを左右に振り分けるコントロールで、
「パノラマ」
か
らきた言葉です。各モジュールにPANコントロールがあります。
パンチイン/アウト録音
演奏中に間違えた部分などをその部分だけもう一度録音しなおすためのテ
クニックです。
ピッチ
サウンドの相対的な周波数-音の高さ、
低さ、
つまり音程のことです。
MT50の
PITCHコントロールでヘッドを通過するテープの速度を微調整することに
よって、再生ピッチをコントロールすることができます。
ピンチローラー
キャプスタンの近くにある小さなゴムのローラーで、
テープがヘッド上を滑
らかに通るようにします。
ピンポン録音
トラックをバウンスするとも言います。トラックから別のトラックに録音
データを移すことで、録音に使えるトラック数を増やすことができます。
フェーダー
各モジュールには、
録音中の入力レベル、再生中の出力レベルを調整する大
きなスライダー形状のフェーダーがあります。
FSK信号(Frequency Shift keying)
MIDIクロックデータをテープシンクのために録音できるように変調した信
号です。
プリフェーダー
フェーダーで処理する前の信号が使われるので、
その信号に対してはフェー
ダーの動きは影響しません。
ヘッド
磁気テープに触れる繊細な金属部品で、録音信号を授受します。
インストレベル
エレキベースやエレキギターなどの楽器が出力するゲインレベルです。
GAINスイッチを半分まで上げてください。
MT50 取扱説明書
32
ポストフェーダー
MT50のAUX SENDはポストフェーダーです。つまり、AUX SEND信号は、
フェーダー調整後の信号が使われるということです。
AUX SENDから外部エ
フェクターに信号を送るには、AUXコントロールとフェーダーを上げます。
ポストフェーダーの利点は、チャンネル信号とAUX SEND信号を同時に
フェーダーで調整できるということです。前記プリフェーダー参照。
マスターレコーダー
ミックスダウン過程で使用する、もう一台のテープレコーダーです。標準の
カセットレコーダーやリール式テープレコーダー、DATレコーダーなど、
2トラックのステレオレコーダーを主に使います。
マルチトラック録音
マルチトラックテープレコーダーが磁気テープ上の複数のトラック(MT50
では4本)に別々のデータを録音し、
個々の楽器や信号を調整・処理できるよう
にする録音過程です。
ミックスダウン
複数のトラック(MT50では最高4本)をミックスする録音過程です。
モジュール
MT50には4つのモジュールがあります。
これは、
本体左側にある、
同一のコン
トロールつまみ類のついた細長い部分です。
ラインレベル
シンセサイザー、
ドラムマシン、
CDプレーヤーなどの機器が出力するゲイン
レベルです。GAINスイッチの中で一番低い設定を使います。
ワンテイク録音
複数の楽器(MT50では4種類)を同時に録音して後でミックスダウンするテ
クニックです。ライブ演奏の録音に最適です。
MT50 取扱説明書
サービスについて
■ 保証書
■ 調整・故障の修理
この商品には保証書がついています。販売店でお渡しして
いますから、ご住所・お名前・お買上げ年月日・販売店名など
所定事項の記入および記載内容をおたしかめのうえ、大切に保
管してください。
保証書は当社がお客様に保証期間内の無償サービスをお約
束するもので、この商品の保証期間はお買上げ日より1年で
す。
保証期間内の転居や、ご贈答用に購入された場合などで、
記載事項の変更が必要なときは、事前・事後を問わずお買上げ
販売店かお客様ご相談窓口、またはヤマハ電気音響製品サービ
ス拠点へご連絡ください。継続してサービスできるように手配
いたします。
「故障かな?」
と思われる症状のときは、この説明書をもう一
度よくお読みになり、電源・接続・操作などをおたしかめくだ
さい。それでもなお改善されないときには、お買上げ販売店へ
ご連絡ください。調整・修理いたします。
調整・修理にさいしては保証書をご用意ください。保証規
定により、調整・修理サービスをいたします。また、故障した
製品をお持ちいただくか、サービスにお伺いするのかも保証書
に書かれています。
修理サービスは保証期間が過ぎた後も引き続きおこなわ
れ、そのための補修用性能部品が用意されています。性能部品
とは製品の機能を維持するために不可欠な部品のことをいい、
PA製品ではその最低保有期間は製造打切後8年です。この期間
は通商産業省の指導によるものです。
■ 損害に対する責任
■ お客様ご相談窓口
この商品
(搭載プログラムを含む)
の使用または使用不能に
より、お客様に生じた損害
(事業利益の損失、事業の中断、事
業情報の損失、その他の特別損失や逸失利益)
については、当
社は一切その責任を負わないものとします。また、如何なる場
合でも、当社が負担する損害賠償額は、お客様がお支払になっ
たこの商品の代価相当額をもって、その上限とします。
ヤマハPA製品にかんするご質問・ご相談・あるいはアフ
ターサービスについてのお問合わせは下記のお客様ご相談窓口
へおよせください。
●お客様ご相談窓口 : PA製品に対するお問合せ窓口
音響システム事業部
営 業 部
北 海 道 営 業 所
仙 台 営 業 所
東 京 営 業 所
名 古 屋 営 業 所
大 阪 営 業 所
九 州 営 業 所
☎ 053-460-2455
☎ 011-512-6113
☎ 022-222-6214
☎ 03-5488-5480
☎ 052-232-5744
☎ 06-647-8359
☎ 092-412-5556
〒430
〒064
〒980
〒108
〒460
〒556
〒812
浜松市中沢町10-1
札幌市中央区南十条西1-1-50 ヤマハセンター内
仙台市青葉区大町2-2-10 住友生命青葉通りビル
東京都港区高輪2丁目17-11
名古屋市中区錦1-18-28
大阪市浪速区難波中1-13-17 なんば辻本ニッセイビル
福岡市博多区博多駅前2-11-4
●ヤマハ電気音響製品サービス拠点 : 修理受付および修理品お預かり窓口
北海道サービスセンター
仙 台サービスセンター
首都圏サービスセンター
東京サービスステーション
(お持込み修理窓口)
浜 松サービスセンター
名古屋サービスセンター
大 阪サービスセンター
四 国サービスステーション
広 島サービスセンター
九 州サービスセンター
本社/カスタマーサービス部
☎ 011-512-6108
☎ 022-236-0249
☎ 044-434-3100
☎ 03-5488-6625
〒064
〒983
〒211
〒108
札幌市中央区南十条西1-1-50 ヤマハセンター内
仙台市若林区卸町5-7 仙台卸商共同配送センター 3F
川崎市中原区木月1184
東京都港区高輪2-17-11
☎ 053-465-6711
☎ 052-652-2230
☎ 06-877-5262
☎ 0878-22-3045
☎ 082-874-3787
☎ 092-472-2134
☎ 053-465-1158
〒435
〒454
〒565
〒760
〒731-01
〒812
〒435
浜松市上西町911 ヤマハ(株)宮竹工場内
名古屋市中川区玉川町2-1-2 ヤマハ(株)名古屋流通センター3F
吹田市新芦屋下1-16 ヤマハ(株)千里丘センター内
高松市丸亀町8-7 ヤマハミュージック高松店内
広島市安佐南区西原6-14-14
福岡市博多区博多駅前2-11-4
浜松市上西町911 ヤマハ(株)宮竹工場内
※ 所在地・電話番号などは変更されることがあります。
※ 1997年4月1日現在
トラッキングシート
A トラック
楽 器
備 考
High
Low
Aux
Pan
Fader
Start
Stop
To Track
楽 器
備 考
High
Low
Aux
Pan
Fader
Start
Stop
To Track
楽 器
備 考
High
Low
Aux
Pan
Fader
Start
Stop
To Track
楽 器
備 考
High
Low
Aux
Pan
Fader
Start
Stop
To Track
1
2
3
4
B トラック
1
2
3
4
C トラック
1
2
3
4
D トラック
1
2
3
4
VS74810 R4 1 IP 36
97 05 5000 CP
音響システム事業部 営業部 ☎ 053-460-2455
〒430 浜松市中沢町10-1
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