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カラー写真付きニュースリリース記事全文は こちら
見本市のリードが重要情報を公開 (No.28, 09/11/11)
地方都市でも、国際見本市は成功できる!
「地方都市 活性化の切り札、それは見本市!」
いしづみ
リード社長 石積が 岡山で講演
「岡山経済活性化の切り札、それは見本市!」リード エグジビション ジャパン(株)社長の石積は、
2009年10月13日(火)、岡山経済同友会が開催した特別講演会に招かれ、参加した地元経済界のトップ
に対し、こう切り出した。
岡山市は今年4月、人口約70万人の政令指定都市となり、それを機に、経済活性化のために「千客万
来都市・岡山」の実現に向かって決意を新たにしたようだ。今回の特別講演会は、そのためのヒントと
具体策を見つけ出すために開催されたものである。
石積は今、日本最大の見本市主催会社の社長として、また日本展示会協会の会長として多忙を極めて
いる。加えて、彼の著書「正直者はバカをみない」が増刷を重ねるにつれ、講演依頼も増え続け、昨年
5月からは既に20回目を数えるに至っている。石積はこれらの講演にも全力を注いできたが、それは「世
界から大きく取り残されつつある日本の展示会産業を何とかしなければ!」という情熱と焦りからきて
いるのだ。
その遅れを取り戻すために、彼は経産省、国交省、内閣府などの中央省庁で、あるいは東京都、大阪
府などの自治体で「見本市を重要政策に!」と強く訴え続けてきた。ただし石積は「大都市だけが見本
市を成功させられる」と思っているわけではない。彼は、
「地方都市でも成功させられる」と信じてお
り、数多くの地方都市がもっと活発に見本市を開催することによって、はじめて『見本市大国 日本』
が実現できると考えている。
というのは、ヨーロッパやアメリカでは数多くの地方都市が、見本市都市として成功しており、同じ
ことが日本で出来ないはずがないと考えているからだ。だから彼は地方都市からの講演依頼に対しても、
積極的に応じようとしているのである。このようにして石積は今、生まれて初めて岡山に降り立った。
「千客万来都市のためには、見本市都市になることが一番。世界中で、地方都市が見本市を成功させている!」 石積は地元経済界
のトップに対し、こう強く訴えた。
1
世界最大の見本市都市!
それは、人口52万人の地方都市
講演冒頭に石積は、「見本市は地方都市でも大成功できる」ことを、見本市業界における最も有名な
物語を例にとって紹介した。
第2次世界大戦で敗れたドイツは、崩壊した経済を復興するために、1947年、人口わずか52万人のド
イツの中都市であるハノーバーに、大規模な見本市会場を建設し、国際見本市を開催した。より大きな
都市であるフランクフルト、デュッセルドルフ、ミュンヘン、ベルリンなどに先駆けてである。
この見本市はドイツ企業の製品開発意欲を高め、経済の活性化と輸出促進に大きく貢献。14年後の
1960年には、ドイツのGDPは世界第2位に躍進することになった。これによって世界は見本市が持つ巨
大なパワーを知ることになり、世界的な見本市産業発展の端緒となった。ヒトラーの造った武器倉庫を
改造して造ったハノーバーの見本市会
場は、その後も拡大を続け、今では世
界最大の会場になった。そこでは年間
13個もの巨大見本市が開催され、3万社
の出展社、250万人の来場者が集まり、
巨大な経済効果を生み出し、ハノーバ
ーは文字通り「見本市都市」の代名詞
となっている。
建設された当時は空港も無く、ホテ
ルもほとんど無かったのが、今から考
えるとウソのようだ。この例からも「巨
大都市と完備されたインフラがないと
見本市都市になれない」という考え方
は必ずしも事実ではないのだ。
ハノーバーメッセと、岡山の見本市会場 CONVEX 岡山、東京ドーム、東
京ビッグサイトとの規模の比較を示したもの(講演パワーポイントより)。
巨大な生産地でも消費地でもない、陸の孤島
アメリカ最大の見本市都市は ここにある!
次に石積はラスベガスの例を紹介。人口はわずか56万人。ギャンブルとエンタテインメントを除いて
は、何かの産業の巨大生産地でもなければ、消費地でもない。そして陸の孤島だ。にも関わらず、今や
全米最大、世界有数の見本市都市として名を馳せており、見本市会場の総面積は40万平米に及び(東京
ビッグサイトの5個分)、数々の見本市がひっきりなしに開催されている。
驚くべきことに、2006年には見本市での消費金額が9,000億円になり、カジノやエンタテインメント
での消費金額7,300億円を上回ったのである。
この例も「巨大都市や交通の便が見本市都市になるための絶対条件ではない」ことを示している。
この2つの都市を例に出した後、石積は「ハノーバーもラスベガスも見本市都市になるための条件は、
理想からほど遠い。ただ、2つの都市のリーダー達が『自分達の町を活性化するためには、思い切った
政策が必要だ。それは見本市だ!』と確信し、汗を流して作り上げてきただけなのだ。自然にできたも
2
のではない!」と語った。
「見本市都市」 と 「コンベンション シティ」 の違い!
次に石積は聴衆にとって興味深いことを話し始めた。
「今日の講演のタイトルは『めざせ、見本市都市へ!』である。最初は、日本中でよく使われている
という理由で『めざせ、コンベンション シティへ』という言葉を使おうと安易に考えたが、それでは
意味が不明確になり、誤解を与えかねないと思い直し、このタイトルに決めた。
というのは、
『コンベンション シティ』の意味が人によって大きく違い、『学術会議が数多く開かれ
る都市』と定義している人もいれば、『見本市を含め、イベントが多く開かれる都市』と思っている人
もいる・・・など、実にあいまいだからだ。」と述べた。
続いて石積は、聴衆が見本市の位置づけをはっきりと理解できるように、次の説明を始めた。「世界
中の国や都市は、訪問客や観光客を増やそうと必死に努力している。そのために様々な集客方法を実施
しているが、近年、各都市が特に注目し、力を入れるようになったのが、『ビジネスミーティングを数
多く開催することによって訪問客を増やす』という集
客方法である。
ビジネスミーティングには、右図1にあるように、
大別して4つの種類がある。MeetingのMから始まる各4
つの頭文字をとって造った言葉がMICE(マイス)であ
り、それに関連した業界をMICE産業と総称し、近年、
多くの国で使われるようになっている。
私の意見だが、この4つの中でも、見本市は他の3つ
の分野と性質が大きく異なる。混乱を避けるために、
あえてこの違いを明確にしておきたい。」と語った。
図1. コンベンションと見本市とが混同されていること
が多いが、その性質は大きく異なっている。
さらに石積は、もう一つの表(右図2)を示しながら
続けた。
「コンベンション(及び企業ミーティング、社員
慰労イベント)は、見本市に比べ規模が小さく、既存
のホテルや会議場でも開催できる。また、その数と種
類が非常に多いため、誘致するチャンスも多い。ビジ
ネス形態は、委託された業務を運営することだから、
リスクはほとんどない。一方、全国全ての都市がすで
にコンベンション シティであり、競争が激しい。また、
一つ一つが割合小さく、比較的開催しやすいため、逆
に都市の政策目標として、あいまいになりやすい。」
「見本市は、大規模会場がなければ開催できず、そ
のための投資も必要になる。また、ほとんどの場合、
ゼロから創造しなければならず、リスクが伴い、多大
図 2.
見本市は非日常的で、巨大なイベント。決断と
覚悟が必要。コンベンションは比較的小規模
で、今までのインフラの中で開催できる。
なエネルギーが必要になる。
一方、成功すれば巨大な経済効果とともに、様々なメリットがもたらされる。また、見本市都市とし
て確立されれば、それに伴って国際会議やセミナーも盛んになり、結果としてコンベンション シティ
3
としても繁栄できる。つまり見本市都市になることは、ハードルが高いが、確立した時の果実は大きい。
」
石積はこのように説明した後、「岡山は人口、交通の便など、立地条件としては、ハノーバーやラス
ベガスよりもはるかに優れている。したがって問題は出来るか、出来ないかではない。やるか、やらな
いかだ。すなわち、
『見本市都市という大きな目標に挑戦するのか』、それとも『既存のインフラの中で、
あまり無理をせず、もう少しだけコンベンションの盛んな都市になればいいのか』、それは皆様が決め
ることだ。」と語った。
会場建設と 主催者の育成
この2つさえあれば、見本市都市になれる!
それでは岡山が見本市都市になるために、何をすべきか? 石積は2つの条件を挙げた。まず第1は、
会場の建設だ。
「私の持論は、
『はじめに会場ありき』である。サッカーを盛んにするには、サッカー場
の建設が先決なこととまったく同じだ。できれば3万平米くらいが望ましいが、無理であれば2万平米で
もかまわない」と述べた。
さらに石積は、「箱物行政への批判が強い中、確かに会場建設に踏み切るのは大変かもしれない。し
かしここには2つの誤解がある。まず、見本市会場を従来の『箱物』と同類のものだとする誤解。見本
市会場は、そこから巨大な経済効果をもたらす点で、他の『箱物』とは大きく異なる。強調したいが、
見本市会場は港や空港と同じく、経済の基本インフラなのだ。
もう一つは、多額の建設費がかかるという誤解。世界の常識は、『安くて巨大な倉庫でいい』だ。日
本の従来の見本市会場は豪華すぎであり、建設費があまりに高い。その考え方を根本から変え、「雨露
しのげればいい!」という態度で造るべきだ。専門家によれば、坪単価30万円でも建設が可能だそうだ。
そうすれば、3万平米の会場に、事務所やセミナー会場などの付帯設備1万平米を加えても、総額36億円
で建設が可能だ。」と指摘した。
続いて石積は、岡山が見本市都市になる2つめの必要条件として主催者の育成を挙げ、
「日本中から有
力主催者を誘致し、見本市を開催してもらうことも重要だが、もっと重要なことは、地元で主催者を養
成することだ。例えば地元のイベント企業や新聞社の事業局による主催会社の設立、既存の有力主催者
との合弁会社設立、公的支援による主催会社設立など、あらゆる方法が考えられる。」と提言した。
「ひょっとしたら、出来るかもしれない」 と締めくくる
折しも10月10日、NHKでファーストリテイリング(ユ
ニクロ)会長の柳井氏のインタビュー番組が放映された。
同社は現在、日本に留まらず、パリやニューヨークなどに
も積極的に進出し、過去最高の6,800億円の売上をあげて
いる。柳井会長は番組の中で「2020年には売上5兆円の会
社を目指す。人は希望がないと生きられず、その希望は自
ら創り出すものだ。大きな目標があるからこそ、努力する
気持ちも湧いてくる」と述べていた。
石積はこれを引用し、
「見本市都市を目指すことは、従来
岡山講演 2 週間後の 10 月 27 日、石積は東京でユ
ニクロの柳井会長と会い、「会長の言葉を講演で引
用させていただいている」と感謝、「私の口癖は 『ひ
ょっとしたら、出来るかもしれない』です」 と紹介。
の『コンベンションシティ』の発想と比べ、プレッシャー
のかかる目標になり、勇気が必要である。しかし、だから
こそ挑戦意欲がかきたてられ、同時に創造的アイデアが湧
4
いてくるのだ」と強調した。
最後に石積は聴衆に向かって、「その大きな目標を実現するために、私が信条としている言葉を贈り
たい。それは『ひょっとしたら、出来るかもしれない』だ。現在、私共は各産業界から高い評価をいた
だくようになったが、そこに至る道のりは決して順調なものではなかった。しかし、私はそんな時いつ
も『ひょっとしたら、出来るかもしれない』と考え、ただひたすら真っ直ぐに実行してきた。もし、こ
んな単純な私の言葉が皆様の参考になり、少しでも励ましになったとしたら、今日、岡山まで来た甲斐
があったとうれしく思う。」と締めくくった。
反響の大きさに驚く
地元有力紙が大々的に報道!
石積の講演は、参加
者の心を大きく動か
したようだった。講演
終了後には、石積を交
え、地元経済界のトッ
プによるパネルディ
スカッションやパー
ティーが行われたが、
「岡山は交通の便の
良さ、有効活用できる
土地など、多くの利点
パネルディスカッションの顔ぶれ。左から、岡山経済同友会 代表幹事のナカシマホールディング
ス中島社長、両備ホールディングス小嶋社長、岡山大学教授公文教授、石積。2 時間にわたり白
熱した議論が行われた。
があるが、そのポテン
シャルを活かしきれていない。我々も腹をくくらないといけない。」
「今こそ、経済界と行政が一緒にな
り、具体的な行動に移るべき」「今まで、何百億円もの公共事業を平気でやってきたのに、たった36億
円くらいの投資ができないのはおかしい」などの声が相次いでいた。
一方では、「箱物行政で何度も失敗をしている。慎重に考えるべきだ。
」「市の財政が苦しい今、従来
のインフラを使って、できる範囲でコンベンション誘致をすればいい。」という意見も出た。ただ、確
かな事は、普通のパネルディスカッションに比べて、はるかに緊迫感があり、全ての聴衆が真剣に参加
石積に熱心に働きかけ、今回の講演を実現させ、パネ
ルのコーディネータを務めた古市岡山経済同友会 地
域振興委員長。
パーティーの席上、高谷岡山市長(左)は、「千客
万来都市・岡山の実現のために、見本市を真剣
に考えたい」 と石積に語った。
5
していたことである。中には、その後のパーティーの席上で、「これほど真剣な講演会やパネルディス
カッションを、今まで経験したことがない」と数多くの方が述べた。
今回の石積の講演は、岡山に確実に大きなインパクトを与えたようだった。講演翌日には、地元の有
力紙である山陽新聞が1ページを使って大々的に掲載したことが、それを物語っている。
岡山が今後どうなるのか?そして、石積の講演を過去に聞いた地方都市の方、さらに今日、このニュ
ースリリースを読んだ地方都市の方が、どのような反応を見せるのか? 興味深い。
講演翌日の 2009 年 10 月 14 日(水)、山陽新聞 朝刊にて、講演会の記事が大々的に掲載された。
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広報部 部長
田中 嘉一
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