Comments
Description
Transcript
Jonathan Swift (1667-1745) - C
Jonathan Swift (1667-1745) Dublin生まれ、法律家の息子 Trinity Collegeを卒業後、1689年にイギリスに渡 り外交官William Templeの秘書となる Templeの妹の召使いの娘Esther Johnson (‘Stella’)と知り合う 1699年Temple死去、Swiftは望んでいた出世を成し 遂げることができないままアイルランドに戻る St Patrick's Cathedralの聖職を得る StellaもDublinに移住 しばしばロンドンを訪れAddisonらと交流 Whig党支持者として活動 政治的な立場をWhigからToryへと変える 1710年Toryによる政権奪取 ロンドンで文名が高まる→Popeらと交流 (Scriblerus Club) 1713年St Patrick's Cathedralの主席司祭に任 命される 1714年Toryが政権を失う→アイルランドに引き こもる 1728年Stellaの死 1745年死去 St Patrick's CathedralのStellaの墓の隣に埋 葬される 自作の墓碑銘 “The body of Jonathan Swift, Doctor of Sacred Theology, dean of this cathedral church, is buried here, where fierce indignation can no more lacerate his heart. Go, traveler, and imitate, if you can, one who strove with all his strength to champion liberty.” (原文はラテン語) Jonathan Swift (1667-1745) 主要著作 The Battle of the Books (1704) 古代派の書物と 現代派の書物の闘争 A Tale of a Tub (1704) 英国国教会擁護する寓話 Peter (the Catholic Church), Martin (the Anglican), Jack (the Calvinist) The Drapier's Letters (1724) イギリスによる悪 貨鋳造を批判 Gulliver's Travels (1726) A Modest Proposal for preventing the Children of the poor People in Ireland, from being a Burden to their Parents or Country; and for making them beneficial to the Publick (1729) 飢餓に苦しむアイルランドの子どもたちを太らせ て、富裕な人々の食用に供すべきという提案 Gulliver's Travels; Travels into Several Remote Nations of the World, in Four Parts, by Lemuel Gulliver … (1726) イギリス人の医者Lemuel Gilliverの架空の冒険記 異化(defamiliarization)の手法→現実に対する批 判的な視点 Lilliput 身長6インチの小人の国→Gulliverの視 点からは小人同士の争いがばかげて見える 卵を太い方の端から割るか細い方の端から割るかを めぐって繰り広げられる論争(Big-endersとLittleendersとの論争)→当時のイギリス政界の些末な論 争を揶揄 Brobdingnag 巨人の国→人間の卑小さを映し出す 鏡の役割 Laputa 空中に浮かぶ島(日常生活からかけ離れ た空想にふける哲学者たちが住んでいる) Glubdubdrib 魔術師たちの国(Gulliverは歴史 上の人物たちとの対話を通じて歴史の虚偽を知 る) the Struldbruggs (不死の種族)の惨めな人生を 知る Japanでは踏み絵を体験する Houyhnhnmsの国 理性的な馬Houyhnhnmと人間に似た外見をもち人 間的な悪習をすべて備えているYahooが暮らして いる 両者のあいだのギャップ→Gulliverの人間嫌悪 Samuel Richardson (1689-1761) 貧しい家具職人の息子としてDerbyで生まれる 17歳で印刷工の徒弟となり、1721年32歳のとき主人 の娘と結婚、ロンドンで印刷屋を開く 6人の幼い子を次々と亡くし、さらには1731年には 妻にも先立たれる 1733年再婚、4人の子供に恵まれる 勤勉によって職人として成功を収める 10代の頃からラヴレターの代筆をしていた 1733年若者に勤勉と禁欲の重要性を説く生活指南の 書The Apprentice’s Vade Mecumを出版 1740年に書簡体小説Pamelaを出版、ベストセラーと なる 若い女性ファンが周囲に集まるようになる 晩年は体調不良に悩まされる 主要著作 Pamela (1740, 1741) Clarissa (1748) 複数の登場人物が書いた手紙から成る 主要登場人物はClarissa HarloweとRobert Lovelace Clarissaは家族が勧める結婚相手を拒絶、Lovelaceと 駆け落ち LovelaceはClarissaを売春宿に監禁、薬で眠らせ強姦 する Clarissaは自殺、LovelaceはClarissaのいとことの決 闘で死亡 Sir Charles Grandison (1754) 理想的な紳士のあり方を描く イギリス人女性とイタリア人女性のあいだでディレン マに陥る→最後はイギリス人女性と結婚する Pamela: or Virtue Rewarded 第一部(1740)と第二部(1741)から成る 主人公Pamela Andrewsの手紙から成る小説 Pamela Andrewsはある屋敷で働く10代の女中、女主人が 亡くなったあとその息子であるMr Bから度重なる誘惑を 受け、屋敷を出ざるをえなくなるが、Mr Bは偶然Pamela の日記を手に入れ、それを読んだ結果、Pamelaの性格を 理解し、彼女に正式に求婚する 第二部では、夫婦生活の問題に気丈に対処するPamelaの 姿が描かれる 手紙を通じて若い女性の心理を克明に描く→女性読者の 支持を得る Samuel Johnsonによる評価 ポルノグラフィー的な側面をもつ(Ian Watt) Pamelaの偽善性→Fieldingによるパロディを生む (Shamela、Joseph Andrews) 書簡体小説(epistolary novel) Jean Jacques Rousseau, Nouvelle Heloise (1761) Pierre Choderlos de Laclos, Les Liaisons dangereuses (1782) Johann Wolfgang von Goethe, Die Leiden des Jungen Werthers (1774) Mary Shelley, Frankenstein (1818) Henry Fielding (1705-54) 貴族の家系につらなる軍人の息子 Eton校で学ぶ 19歳のときに未亡人と駆け落ちを試みるがはたせず、ロ ンドンで劇作家となる 1年半のあいだLeidenに留学 1728年から1737年にかけて25本の戯曲を発表、Whig党の Robert Walpoleに批判的 1734年結婚 1737年Walpoleによる劇場検閲令(Stage Licensing Act) が施行される 法律の勉強を再開、法律家に転身 小説の執筆を始める 1744年妻の死、1747年亡き妻のかつての女中と再婚 1748年治安判事(Justice of the Peace)、最初の警察隊 Bow Street Runnersを組織 1754年Lisbonで客死 主要著作 An Apology for the Life of Mrs Shamela Andrews (1741) Pamelaのパロディ Pamelaが実は貞節を巧みに利用する女だったという設定 The Adventure of Joseph Andrews and his Friend, Mr Abraham Adams (1742) Joseph AndrewsはPamelaの兄と考えられており、Fannyという恋 人がいるが、女主人Lady Boobyに言い寄られて屋敷を飛び出し Parson Adamsと各地を放浪する 最後にJosephはPamelaの兄ではなく、上流階級の生まれであるこ とが判明し、Fannyと結婚する The History of Jonathan Wilde the Great (1743) 「偉大な」犯罪者を風刺的に描く→上流社会の「偉大な」人物た ちを揶揄 The History of Tom Jones, a Foundling (1749) Amelia (1751) 夫婦愛がテーマ Ameliaは不真面目な夫に対する貞節を守り、最後は遺産を相続す ることによって報われる The History of Tom Jones, a Foundling Fielding自身はcomic epicと呼んだ作品 Tom Jonesは最初孤児と考えられていたが、最後に は裕福な地主Allworthyの妹の息子であることがわ かり、Sophia Westernと結婚、田舎に落ち着く→都 市批判的な側面 類型化された登場人物が織りなすパノラマ的な世界 内面描写の欠落→Samuel Johnsonによる批判 三人称の語り→物語の外部に存在する語り手の皮肉 な視点 語り手の物語への介入が頻繁に行われる Sophia=Wisdom→Tomが学んだ知恵とは何か?そもそ も彼は知恵を学んだのか? 1963年にTony Richardsonが映画化、60年代 swinging Londonの雰囲気を伝える傑作 Laurence Sterne (1713-68) Tipperary生まれ 貧しい陸軍少尉(ヨーク大司教の孫)の息子 父親の死後、いとこから経済的な支援を受ける Cambridge大学Jesus Collegeで学び、John Lockeの 哲学を知る 1738年Yorkshireで教区司祭になる 1741年結婚、相次ぐ子どもの死産という不幸を経験 する Sterneの不倫が原因で妻が神経衰弱に陥る Tristram Shandyの成功によりロンドンで社交界の 寵児となる 1762年から64年にかけてフランスで暮らす しばしば大陸を旅行 1768年ロンドンで死去、Yorkshireの村に埋葬され る 死体は一度盗まれたが発見され元に戻された Laurence Sterne (1713-68) by Joshua Reynolds 主要著作 The Life and Opinions of Tristram Shandy (1759-67) A Sentimental Journey through France and Italy (1768) 語り手はTristram Shandyにも登場する牧師のYorick 結局イタリアに達することがないまま物語は終わる 旅先で出会った人々との交流によって引き起こされた 感情の記録 The Life and Opinions of Tristram Shandy 主人公兼語り手がみずからの懐胎の場面から語りはじめ る 第3部で序文が書かれる 語り手兼主人公は第4部でようやく生まれる、4歳になる までのことしか語られない Tristramは女中の記憶力の欠如によって父親がもっとも 嫌っていた名前をつけられ、医者の不手際によって鼻を 傷つけられる Walter Shandy Shandy Hallの主人、Tristramの父 Uncle Toby 戦場で股間にけがを負った元軍人、庭に砦 を作るのが趣味 Corporal Trim Uncle Tobyの部下 Yorick 地元の牧師 Dr Slop 無能な医者、Tristramの鼻を傷つける Wadman Uncle Tobyに愛情をいだいている寡婦 Shandyには「頭がおかしい」「変わり者」という意 味がある 小説のパロディ→小説というジャンルの急速な成熟 を示す 一般的な自伝の作為性を暴く→始まりの恣意性を明 らかにする John LockeがEssay Concerning Human Understanding (1690)で提唱した「連想」という概 念から影響を受けている アイルランド生まれのSterneがイングランドの常識 を笑い飛ばすという側面→Oscar Wildeらに引き継 がれる伝統 Samuel JohnsonによるTristram Shandy評 'Nothing odd will do long. Tristram Shandy did not last.' (James Boswell, Life of Johnson) Samuel Johnson (1709-84) イギリス中部StaffordshireのLichfieldで書店 主の息子として生まれる Oxford大学のPembroke Collegeに入学するが、 貧困のため学位を取らずに退学、教師の職を得 る 1735年20歳年上の未亡人Elizabeth Porterと結 婚 1737年かつての教え子David Garrickとともにロ ンドンに出て、ジャーナリストとして働き始め る 1746年から9年間辞書の編纂に従事する 1750年雑誌The Ramblerを創刊 1752年妻に先立たれる 1755年Oxford大学から名誉修士号を授与される 1762年政府から年金を支給され、経済的な苦難 から解放される 1764年Sir Joshua Reynoldsの提案でThe Club(のちにThe Literary Clubとなる)を結成 Edmund Burke、Oliver Goldsmithらが会員に名 を連ねた のちにJames BoswellやAdam Smithらが加わる 1763年James Boswellと出会う 1765年The Plays of William Shakespeareを編 纂、出版(序文が有名) 1773年Boswellとスコットランドを旅行 1775年Oxford大学から名誉博士号を授与される 1784年死去、Westminster Abbeyに埋葬される Samuel Johnson (1709-84) by Joshua Reynolds A statue of Dr Johnson’s cat, Hodge 主要著作 The Vanity of Human Wishes (1749) Juvenal (c.60-c.128)の風刺詩の模倣 権力、学識、軍事的な栄誉、美などを求める虚 栄心を批判 A Dictionary of the English Language (1755) 1746年に着手され8年間で完成 英語の発音を固定し、習得を容易にし、純粋さ を保ち、用法を明確にし、存続期間をのばすこ とが目的だった 40000以上の語の定義をみずから執筆 Rasselas, Prince of Abyssinia (1759) Abyssiniaの王の息子がエジプトを訪れ、多様な 世界を知る “choice of life”を主題とする 理想主義や無垢な精神を批判 幸福を手に入れることの難しさを説く The Lives of the English Poets (177981) Milton以降52人の詩人の作品集につけられた序 文 作品集完成後序文だけが集められて出版される Abraham Cowleyらを“Metaphysical Poets”と 呼び批判する("The most heterogeneous ideas are yoked by violence together") James Boswell, The Life of Samuel Johnson (1791) Johnsonの言動を余すところなく伝える伝記文学の 傑作 後世のJohnson観に多大な影響をあたえた Samuel Johnsonとはどんな人物? 一言で言えば多面的 学者、作家、座談の名人 毒舌、超自然的な現象(幽霊など)への関心、人情 味、悲観主義、懐疑主義、謙譲の精神 道徳的、伝統的、Tory的な側面 コモンセンスと中庸を重んじる→Milton、Swift、 Sterneに対して批判的だった 18世紀後半における思潮の変化 senseよりもsensibilityが尊重される時代へ sense: 真偽を識別する能力(common sense) sensibility: 道徳的な感情→感情に影響されやすい 性質→共感能力→個人の美的感受性 senseと対立する概念となる Jane AustenのSense and Sensibility (1811)で は二つの語は対立する概念を表す Age of Sensibility Popeの死(1744)からWordsworthとColeridgeによる Lyrical Balladsの刊行(1798)に至る時代を指す 17世紀Hobbesの性悪説への反発→18世紀の 性善説や楽観主義 Earl of Shaftesbury, Characters of Men, Manners, Opinions, Times (1711) 人間の本質的な善良さを説く思想 benevolence「博愛」の強調 sensibilityとは他人の悲しみや喜びに感応する 能力→人間の善良さを示す証拠 18世紀後半、理性や知性よりも感情や情緒 が人間にとって重要な特質になる sensibilityは個人の美的な感受性を意味す るようになる sensibilityと文学 18世紀半ば以降読者のsensibilityに訴える作品が 数多く書かれる Samuel Richardson, Pamela (1740) 美徳の持ち主である女性主人公が苦難に遭遇する→読者の 共感を誘う Thomas Gray, 'Elegy Written in a Country Churchyard' (1751) 無名の死者に対する共感を読者に求める Laurence Sterne, A Sentimental Journey (1768) Tristram Shandyの一登場人物である牧師Yorickの大陸旅行 記 Yorickは感傷的な場面に遭遇してしばしば涙を流す 多様な階級の美しい女性たちとの官能的な交流も多い Oliver Goldsmith, The Vicar of Wakefield (1766) 牧師であるDr Primroseが経済的な没落や投獄という 苦境に禁欲的に耐える姿を描く 最後にはすべての問題が解決され、ハッピー・エン ディングとなる Henry MacKenzie, The Man of Feeling (1771) 主人公Harleyはトランプ詐欺師、売春婦、精神病者な どとの出会いを通じて、現実を学ぶ→社会を人間の自 然な感情をゆがめる原因とみなす 主人公は死を間際にして愛を告白する→感傷性の極致 The curfew tolls the knell of parting day, The lowing herd winds slowly o'er the lea, The ploughman homeward plods his weary way, And leaves the world to darkness and to me. (Thomas Gray, ‘Elegy Written in a Country Churchyard’, 1751 ) Dear sensibility! source inexhausted of 普遍的な理性とは異なり感性は特定の共同 体内で共有される →Romanticismの地域性につながる James Macpherson (1736-96) スコットランドの伝説的な詩人Ossianの詩を ゲール語から翻訳したと称して詩集を出版する (1762年および63年)→実は多くがMacpherson 自身の創作であることが判明 自然や過去を民衆の言葉で語る 民族性の強調 NapoleonやGoetheも愛読したベストセラー 感性の理性からの離脱→感性が極端化する 傾向が強まる sensibilityはpicturesqueとかsublimeと形容さ れる風景(廃墟、険しい山)や事件(革命)に対し て発揮される →調和に美を見いだす感性から不均衡、広大 さ、無限性に美を見いだす感性への変化 18世紀後半におけるgothic fictionの出現 「喜びをあたえる恐怖」(delightful horror)(Burke, Sublime and Beautiful)を描く 読者の感受性に強く訴える物語 J. M. W. Turner (1775-1851) Snowstorm: Hannibal and His Army Crossing the Alps (1812) 主要なゴシック小説 Horace Walpole, The Castle of Otranto: A Gothic Story (1764) 13世紀イタリアの城を舞台にした王位簒奪の物語 畏怖や恐怖の感情に訴える場面の頻出 William Beckford, Vathek (1786) 悪魔の弟子になったアラビアのカリフVathekの悲惨な 末路 生きたまま心臓だけを焼かれるという劫罰を受ける Ann Radcliffe, The Mysteries of Udolpho (1794) 悪辣な叔父によってイタリアの古城に幽閉される女性 Matthew Gregory Lewis, The Monk (1796) 信者の女性と性的な関係を結び、彼女を殺害するスペ インの修道士 Mary Shelley, Frankenstein (1818) みずからが作った怪物に復讐される男の告白 Charles Robert Maturin, Melmoth the Wanderer (1820) 悪魔に魂を売った男の遍歴 sensibilityの酷使? 狂気に陥る詩人たち William Collins (1721-59) 鬱病、発狂 Christopher Smart (1722-71) 何度も精神病院に 入院 William Cowper (1731-1800) 神経症、自殺未遂 独身者たち Alexander Pope Jonathan Swift Oliver Goldsmith William Collins William Cowper