Comments
Description
Transcript
大腸がん
大腸がん 1 大腸がん ♢♢現状♢♢ ♦結腸あるいは直腸にできた悪性腫瘍 ♦直腸がん>S字結腸(直腸がんは他の結腸がん全体 の2倍以上多く、この2つで大腸がんの73%を占 める) ♦大腸がんは欧米に多く、日本でも結腸がんが増加し ている(食物のせい?)(毎年5万人) ♦欧米型食事(高脂肪食)>日本型食事(繊維質が多 い) ♦結腸がんは男女差の少ないがん(食事由来の発がん 刺激も結腸までくると差がなくなる?) ♦40歳代後半から増えはじめ、60歳代でピークを 迎える. 欧米に比べて10歳ほど若い. ♦手術で直しやすい. ♦男性より女性の方が明らかに生存率が高い(結腸が んでは男女の差がないが、直腸がんで男性の予後が 悪いため) ♢♢原因♢♢ ♦動物性脂肪やタンパク質の摂取量が多い. ♦大腸がんと遺伝子異常との間の因果関係? 高脂肪・高タンパク質の 欧米型食生活が関係 ★がんのできやすい体質 ♦家族性大腸ポリポーシス(常染色体優性遺伝の病気) 大腸にポリープができやすい体質は遺伝する. 腺腫性ポリープで、極めてがん化しやすい. 20歳代にポリープががん化しはじめることが多い. 両親のいずれかが大腸がんの場合、その子供の大腸 がん発生の頻度が高い(5%前後). 遺伝が関係している場合は上行結腸がんが多い. 長い間潰瘍性大腸炎に罹っている人. ポリープのできやすい人は 大腸がんになりやすい 50歳以上の人は要注意 近年は女性にも増加中 ♢♢進行度と生存率♢♢ 大腸のミニ知識 大腸 結腸と直腸に分類 大腸(口に近いほうから):盲腸(虫垂を含む)、上 行結腸、横行結腸、下行結腸、S状(字)結腸、 直腸 結腸:盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状 (字)結腸 ♢♢大腸がんの発生部位と分類♢♢ ♦大腸がんの種類 腺がん 98% 扁平上皮がん、カルチノイド、リンパ腫、悪性 黒色腫など 2% ♦大腸がんの腺がん:高分化型(52.5%)、中分化型 (35.3%)、低(未)分化型(12.2%) ♦大腸がんの半分以上 高分化型腺がん(余り悪性度が 高くないおとなしいがん) 直腸>S状結腸>上行結腸>横行結腸>盲腸>下 行結腸 ★S状結腸がん 下血、粘血便、便秘、下痢、腹痛、しぶり腹など の症状 ★直腸がん 下部直腸>上部直腸 約40%が直腸にできる 最近は結腸がんが増加中 ★大腸がんの肉眼的な分類法 (ボールマンの分類) 0 型 Ⅰ 型 Ⅱ 型 Ⅲ 型 Ⅳ 型 Ⅴ 型 表在型 腫瘤型 限局潰瘍型(圧倒的に多い) ➡ 適切な処置をすれば予後がよい 潰瘍浸潤型 びまん浸潤型(少ない) どの型にも属さない特殊型 (1972年大腸がん取り扱い規約) ★大腸がんの進行度(デュークス分類) (5年生存率) A がん細胞が大腸の壁にとどまっている初期 の段階=Ⅰ B がん細胞が壁をつらぬいてはいるが転移す るところまではいっていない段階=Ⅱ C リンパ節に転移してしまった段階=Ⅲ 【D 腹膜播種や遠隔転移が起こっている段階】 ----デュークスDはオリジナルにはなく後で追加---- 進行は比較的遅く 早期がんなら 100%近く治る ♢♢5年生存率♢♢ ● A 期 ...............................................................95% ● B 期 ...............................................................80% ● C 期 ...............................................................70% ● D 期 ...............................................................25% 大腸がん 2 ♢♢一般症状♢♢ ♦大腸は生理学的に消化吸収に関与していないので、 がん腫がかなり進行しても自覚症状はない。全身 状態は良好. 肛門より遠いところにあるがんはほ とんど無症状. 血便 排便時の不快感 便秘や下痢 ♦進行期 出血 排便異常(便秘と下痢が繰り返す) 便通細少(便柱が細くなる) ♦次に 鼓腸 下腹部痛 強い便秘 排便がなくなる. 疼痛(狭窄症状としての下腹部の仙痛、周 囲へのがん浸潤のための腰痛、骨盤痛、下 肢痛) 大腸がんの部位別発生頻度 横行結腸 ♦初期 早期がんでは 無自覚・無症状の例も多い 上行結腸 (10.4%) 下行結腸 (4.5%) 回腸 S 状結腸 (34.3% 盲腸 (5.9% 虫垂 直腸(37.9%) 肛門 国立がんセンター病院1990∼1995年1409 例 ★診断法 ♦便潜血反応や腫瘍 マーカーの異常値で 見つかることがある . ♦確定診断のために は注腸造影と大腸ファ イバースコープが必 須 ★治療法 ♦早期発見で、内視 鏡的切除や外科療法 で完治させる. ♦少し進んでも手術 可能な時期であれば 肝臓や肺へ転移(遠 隔転移)しても外科 療法により完全治癒 が望める. ★大腸がんと抗 がん剤 ♢♢転移♢♢ ♦S字結腸がんや直腸がんは後腹膜下にあるためリン パ節転移や肝や肺への血行性転移を起こしやすい. ♦結腸がん 肝臓への転移が多い. ♦直腸がん 肝臓と肺への転移が半々. ♦一般的に抗がん剤 は効きにくい. ♦がんを小さくはできるが生存率や生存期間を高める ことは無理. ★大腸がんと放射線療法 ♦直腸がんには有効な部分もあるが、余り行われな い.