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サツマイモレシピ
5 第2学年生活科学習指導案 1 2 3 4 日 学 場 単 時 年 ・組 所 元 名 福山市立加茂小学校 2012年 2012年(平成24 平成24年 24年)11月 11月7日(水) 3校時 2年3組(29名) 2年3組教室 おひさま もりもり まるかじり Ⅱ ―わたしの 野さいを 授業者: 授業者:湯川 利加 そだてたい― そだてたい― 【1】子どもたちのよさとつまずきの把握 本学級の児童は,生活科の学習が好きで昆虫や草花など様々な生物の観察などの活動に積極的に取り組むこ とができる。野菜を育てた経験をもつ児童はほとんどいなかったが,1学期のミニトマトの栽培活動では,日々 の成長や変化に関心をもって育てた。困ったことの解決策の聞き取りなどをして対策を考え,収穫を楽しむこ とができた。しかし,自分の野菜には関心が高いが,学級や学年で育てた野菜(キュウリ・ピーマン・サツマ イモ)には関心が低い。また,ミニトマトの成長や変化の様子に気付いていても,学年で育てた他の野菜の成 長やそれらと比べながらミニトマトの特徴に気付いている児童は少なかった。 本単元を学習するにあたり,児童にアンケートを行った。結果は以下のとおりである。 〈アンケート1〉 ①不思議だなどうしてかなと思うことがありますか。 ②不思議だなと思うことについて,自分の考えを持っていますか。 ③友達の考えを聞いて,分かったことが増やせていますか。 ④学習したことと身の回りのことを結び付けて考えていますか。 〈アンケート2〉 よくある % 19% 63% 37% 22 ときどきある あまりない まったくない % 70% 30% 48% 48 % 11% 7% 15% 19 % 0% 0% 0% 11 ①観察して気付いたことを絵や文で表すことは好きですか。 好き 72% きらい 28% ②観察して気付いたことをみんなに進んで伝えることができましたか。 できた 45% できなかった 55% ③野菜のことで発見したことや初めて知ったことはありましたか。 たくさんあった 28% あった 69% なかった 3% アンケート1より『自分の考えがもてる』と答えた児童は多いが,多様な見方をして自分の考えを広げられ る児童は少ない。しかし,『友達の考えを聞いて分かったことが増やせる』と分かっている児童は多く,気付 きや考えを交流することの大切さや楽しさに気付いていると考えられる。アンケート2より気付きを絵や文に 表すことが好きな児童は多いが,それを分かりやすく伝えることができる児童は少ない。ミニトマトの観察カ ードからも,自分の気付きを言葉でうまく表現できない児童が多かった。 これらの結果から,本学級の児童には次の3点の課題が考えられる。 ①生き物に親しみをもち,生命あるものを大切にしようとする力。 ②野菜による成長や変化から自然の不思議さや面白さに気付く力。 ③観察して気付いたことを絵や写真と文を結び付けて伝え合う力。 【2】指導改善ポイントの明確化 指導改善ポイント 指導改善ポイント 【課題となる 課題となる力 となる力】 【指導の 指導の工夫】 工夫】 ①生き物に親しみを持ち,生命あるものを大切に しようとする力。 ②野菜による成長や変化から自然の不思議さや ①活動の目的意識 面白さに気付く力。 サツマイモのレシピを考える活動 を取り入れる。 ③観察して気付いたことを絵や写真と文を結び 付けて伝える力。 ②他の野菜や友達の活動と比べる時間 【指導上の 指導上の課題】 課題】 夏野菜とサツマイモの比較をさせ ①植物に対して愛着を持たせ,目的を持って栽培 る。 させることが十分ではない。 ②他の野菜の観察をさせることや,気付きの交流 ③観察の視点の明確化・ICTの活用 の時間を十分確保できていない。 よく見る・手触り・におい・大きさ・ 数など,観察の視点を明確にする。 ③観察カードの書き方や気付きの発表の指導が 十分ではない。 【指導の 指導の工夫】 工夫】 指導にあたっては,以下の3点について留意しながら,行っていく。 ①単元の最終的な活動として,収穫したサツマイモのレシピを考える活動を取り入れることで,責任をもっ て世話をし,大切に収穫することができるようにする。 ②1学期に育てた夏野菜とサツマイモを比較させ,サツマイモの特徴に気付きやすくする。 ③観察の視点(よく見る・手触り・におい・大きさ・数など)を与え,観察記録が残るようにする。ICT を活用し,『絵や写真』と『気付き』を結びつけながら気付きの発表ができるようにする。 児童観から 児童観から見 から見られる課題 られる課題 ポイント ポイン ト ポイン ト 【3】単元について 本単元は,小学校学習指導要領第3章第2節生活の内容(7)「動物を飼ったり植物を育てたりして,それら の育つ場所,変化や成長の様子に関心をもち,また,それらは生命をもっていることや成長していることに気付 き,生き物への親しみをもち,大切にすることができるようにする。」に基づくものである。 本単元では,児童が自らの手で継続的に植物を育てることで,植物への親しみをもち,世話をする楽しさや喜 びを味わうことをねらいとしている。野菜を栽培する過程では,野菜の変化や成長の様子,他の野菜の特徴との 違いに気付くことができる。また,様々な問題が起こることが考えられ,それを解決するための方法を児童自ら が考えることにより,気付きの質を高めることもできると考える。 さらに,本単元を通していろいろな野菜を育てることで,野菜も自分たちと同じ命をもっているという,生命 の尊さに気付くことができる。単元の最後には,野菜を食材として収穫し,自ら食するという経験から,野菜 の生産者や食事を作ってくれる方への感謝の気もちを育てることができる。そして,生き物の命をもらって自 分たちは生かされていることに気付くことができる。 これらのことから,単元を通して次の3つの力が付くと考えられる。 ①生き物に親しみをもち,生命あるものを大切にしようとする力。 ②野菜による成長や変化から自然の不思議さや面白さに気付く力。 ③観察して気付いたことを絵や写真と文を結び付けて伝え合う力。 【4】単元の目標 ○育てている植物の成長を楽しみにしながら世話を続け,植物を大切にしようとすることができるようにす る。 ○植物が育っていく様子を表現したり,自分の思いを伝えたりすることができるようするとともに,植物を 育てていく中で出てくる問題の解決に向けて,自分なりに工夫することができるようにする。 ○植物を育てることを通して,植物には自分と同じように生命があることを知り,成長の様子や変化に気付 くことができるようにする。 【5】評価規準 生活への 活動や体験についての 身近な環境や自分についての 関心・意欲・態度 思考・表現 気付き ・野菜に関心をもち,友達と協力 ・いろいろな野菜の成長や様子を ・野菜の育て方や育てるための して野菜の世話や収穫をしよ 比べて分かったことを絵や言葉 様々な工夫に気付くことができ うとしている。 で表現することができる。 る。 ・収穫の喜びを味わい,収穫した ・野菜の特徴にあった調理方法や ・野菜の成長の様子について気づ 野菜を大切においしく食べよ レシピを考えることができる。 くことができる。 うとしている。 ・野菜と自分との関わり方につい て気付くことができる。 【6】内容の関連 <1年>はながうたうよ るん らららん ○育てたい草花の栽培を通し て,育て方や工夫などに気付 き,生命の不思議さを感じ協 力して育て,収穫を喜び合う ことができる。 <2年>おひさま もりもり まるかじりⅠ ○ミニトマトに関心をもって育 て,工夫しながら育てるととも に,成長の様子などに気付くこ とができる。 おひさま もりもり まるかじりⅡ まるかじりⅡ ○サツマイモを計画的に育てる ことで,野菜の育て方や育てる ための様々な工夫に気付くと ともに,協力して取り組む喜び を味わうことができる。 <3年>植物を育てよう ○植物の育ち方には一定の順 序があり,その体は根,茎 及び葉からできていること が理解できる。 単元計画(全9時間) 次 時 1 1 サ ツ マ イ モ を 収 1 穫 し よ う ( 1 4 時 間 ) 1 2 サ ツ マ イ モ を お い し く い た た だ こ う ( 5 時 間 ) 1 1 2 1 【7】指導計画 評 価 活用メディアと 学習内容 その意図 関 思 気 評価規準・評価方法 ミニトマトが夏休みの ○ ・ミニトマトを使った料理を作る 【静止画】 間にどうなったか気付 のを手伝ったり,食べたりした感 ミニトマトの写真を映し, きを話し合い,ミニト 想を交流しようとしている。 ミニトマトの変化を感じさ マト料理を作って食べ (発言・ノート) せる。 た感想を交流する。 【書画カメラ】 ミニトマト料理のレシピを 映し,表現の支援として使 用する。 サツマイモの様子を観 ○ ・サツマイモの観察をし,1学期 察する。 よりつるや葉が成長しているこ とに気付くことができる。 (発言・観察カード) サツマイモを使ってど ○ ・サツマイモを使ってどんなこと んな活動がしたいか計 をしたいか計画を立てることが 画を立てる。 できる。(発言・ノート) サツマイモの収穫を ○ ・友達と協力してサツマイモの収 し,サツマイモの大き 穫をし,サツマイモの大きさ調べ さ調べやつるの長さ調 やつるの長さ調べをしようとし べをする。 ている。(行動観察) サツマイモの特徴に気 ○ ・ミニトマトとサツマイモを比 【静止画・写真・書画カメ 付き,どのように料理 べ,サツマイモの特徴に気付くこ ラ】 に使うか考える。 とができる。 ミニトマトとサツマイモを (本時) (発言・ワークシート) 比較させ,サツマイモの特 徴を見つけたり,発表した りする手立てとする。 【動画】 先生たちのお薦めサツマイ モレシピを知り,レシピを 考える手立てとする。 サツマイモ料理のレシ ○ ・自分が考えたサツマイモ料理の 【書画カメラ】 ピの紹介をし,サツマ レシピや食べた感想を紹介し,友 サツマイモ料理のレシピを イモ料理を作って食べ 達のレシピの感想を伝え合うこ 映し,表現の支援として使 た感想を交流する。 とができる。(レシピ・行動観察) 用する。 サツマイモを調理し, ○ ・友達と協力してサツマイモを調 みんなで食べる。 理し,楽しく食べることができ る。(行動観察) 野菜作りのまとめをす ○ ・いろいろな野菜の特徴をまとめ 【静止画】 る。 ることができる。(発言・ノート) 一学期から育ててきた野さ いの成長を振り返る支援と して使用する。 【8】本時の学習 (1) 本時の目標 ・ミニトマトとサツマイモを比べ,サツマイモの特徴に気付くことができる。 (2) 本時の学習展開 児童の 児童の思考と 思考と活動の 活動の流れ 教師の 教師の支援と 支援と評価 活用 メディア 1.前時の学習を想起する。 ・大きなサツマイモが掘れてうれしかっ サツマイモ掘りはどうだったかな。 た。 ・導入でサツマイモ掘りをしたときの写真を見せて楽 ・つるが長くてびっくりした。 しかったことを思い出させる。 【静止画】 サツマイモ堀り の様子の写真を 見せる。 2.ミニトマトとサツマイモを比べ,サ サツマイモとミニトマトはどこがちがったかな。 ツマイモの特徴を見つける。 ・ミニトマトとサツマイモの比較ができるようにそれ ぞれの野菜の部位の写真を用意する。 ミニトマトとサツマイモの写真をプロジェクター [葉] [花] で映し,写真と気付きを結び付けて発表させる。 ・ キザキザ ・黄色・星型 ・『葉』『花』『くき・つる』『実』などの部位をはっき ・ ハート ・? りさせて比べさせる。 [実] ・比較することで同じところ,違うところを見つけさ [くき・つる] ・赤い・丸 ・くきは支柱を ・花の後になる せ,サツマイモの特徴にに気付かせるようにさせ る。 してささえる ・紫・長細い ・土の上をはう ・土の中になる ・分かったことを,自分の言葉でワークシートに書か せる。その際,書けない児童には,言葉を聞き取り, 書き方を指導する。 ○評 ミニトマトとサツマイモを比べて違いを見つけ,サ ツマイモの特徴に気付いている。(発言・ワークシ ート) 3.サツマイモの栄養について知る。 サツマイモとミニトマトは他にどんなちがいが あるのかな。 ・栄養教諭にサツマイモの栄養について話をしてもら う。 ・食べる部位・夏野菜との栄養の違いを説明してもら う。 4.サツマイモについて分かったことを サツマイモにはどんなちがいがあったかな。 まとめる。 ・ミニトマトは実を食べるけど,さつま いもは根を食べる。 ・それぞれ栄養が違うんだね。 【静止画・写 真・書画カメラ】 ミニトマトとサ ツマイモを比較 させ,サツマイ モの特徴を見つ けたり,発表し たりする手立て とする。 ○め サツマイモとミニトマトはどこがちがうかな。 など ○ま サツマイモはミニトマトとくらべて『ね』のところを食べるな どいろいろとちがうところがあった。 5.どんなサツマイモ料理のレシピを作 【動画】 サツマイモをどうやって食べようかな。 るか考える。 先生たちのお薦 ・私はさつまいもを使ったデザートを作 ・どんな調理法を使ったサツマイモ料理を作りたいか めサツマイモレ りたいです。 考えさせる。 シピを知り,レ ・僕は大学芋を作りたいです。 ・料理名でも使い方でもよいことにする。 シピを考える手 6.レシピを作ることを伝える。 立てとする。 【9】板書計画 ○め サツマイモとミニトマトはどこがちがうかな。 【ミニトマト】 【サツマイモ】 ぎざぎざ [は] ハートがた くきに支柱をした[くき・つる]土の上をはう 黄色 星がた[花] むらさき 小さい 赤い 丸い [み] むらさき なが細い ね つかれがとれる <えいよう> せんいがいっぱい ○ま サツマイモはミニトマトとちがって,『ね』のところ を食べるなどいろいろなちがいがある。 ふかす やく ゆでる レンジで あたため て,やく 【10】家庭学習 サツマイモをつかった サツマイモをつかったレシピ をつかったレシピを レシピを考えよう 2年 組 名前( ) (サツマイモのつかいかた サツマイモのつかいかた) のつかいかた) (りょうりのできあがりの絵 りょうりのできあがりの絵) (かんそう) かんそう) 【11】見取り表 問題 育て 能 力 解決 たい 言 語 表 現 言語 技術 レベル 1 レベル 2 レベル 3 レベル 4 諸感覚を生かしたことば・比喩表現 ・自ら働きかけて事物・事象の本質に近づくために,情報を収集し表現する。 育て 直感的情報 たい (視覚のみ) ・形容詞 ・比喩表現 ・サツマイモは細いの と太いのがある。 記述 ・サツマイモはでこぼ 例 こしている。 ・サツマイモはかた い。 諸感覚を働かせて ・主語・動詞 ・数詞・比喩表現 ・オノマトペ (擬態語・擬声語) ・サツマイモの葉のた ての長さは 20 ㎝ぐ らいあった。 ・サツマイモの葉はハ ートみたいな形だ。 比較により得られた 原因根拠を類推した 情報 ・副詞 ・比喩表現 ・ミニトマトは土の中 に実はなかったけ ど,サツマイモは土 の中にうまってい た。 気付き ・類推表現 ・結論先行 ・サツマイモは土にう まっている。わけは 根を食べるからだ。