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RIP と OSPF の比較
インターネット工学 RIP と OSPF の比較 1. ネットワーク変更が反映されるまでの時間 • RIP は,Hello パケットがないため隣接情報は経路情報として伝達される.そ のため,ネットワーク全体に正しい経路情報が行き渡るのに時間がかかる. • OSPF は,隣接ノード情報は Hello パケットで頻繁に情報交換するので,ネッ トワークの変更の伝達が早い.各ノードはネットワークの情報を持っているた め,経路は独立に計算できる.この意味では経路制御表の更新は早い. 2. ネットワークのボトルネック • RIP も OSPF も送受信ノードが定まれば通信経路は一意に定まるため,フロ ーが集中するノードやリンクが発生する可能性がある. • RIP は最大通信帯域を考慮しないため,脆弱なノードにフローが集中してボト ルネックが発生する可能性がある. • OSPF は,メトリック最小,すなわち最大通信帯域が大きい経路を選択するた め,フローが集中してもボトルネックが発生する可能性は低い. 3. ネットワークへの負荷 • RIP は最小ホップ数の経路であるため,経由するノード数は少ない. • OSPF は最小ホップ数の経路であるとは限らないため,経由するノード数が RIP より同じか多くなる. • 通信時のネットワーク全体への負荷は中継ノード数に比例すると考えた場合, RIP の方がネットワークへの負荷は小さい. 4. 遅延 • 遅延時間は,パケットが送信されてから受信されるまでの時間である. • 遅延時間は,中継ノード数が多くなれば大きくなるが,中継ノードの処理性能 が大きければ小さくなる. • 中継ノード数は RIP の方が少ないが,OSPF は高性能ノードを中継に使うた め,遅延はどちらが大きいとはいえない. 5. 各ノードの計算負荷 • 最適経路問題はノード数に対して時間計算量が大きくなる問題として知られ ている. • RIP はネットワーク全体で経路計算をするため,各ノードにかかる計算負荷は 問題にはならない. • OSPF は各ノードが経路計算をするためノード数が多くなると計算時間がか かるようになる.そのため,エリア分割が必要になる.