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Title 当世「若者ことば」の特徴と機能 : 岐阜大学キャンパスこ とば事情1995/96 Author(s) 洞澤, 伸 Citation [岐阜大学教養部研究報告] no.[34] p.[253]-[276] Issue Date 1996-09 Rights Version 岐阜大学教養部ドイツ語教室 (The Faculty of General Education, Gifu University) URL http://repository.lib.gifu-u.ac.jp/handle/123456789/3937 ※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。 岐阜大学教養部研究報告第34号 ( 1996) 253 当世 「若者 こ と ば」 の特徴 と 機能 岐阜大学キ ャ ンパス こ と ば事情 1995/96 洞大洋 伸 ド イ ツ語研 究室 ( 1996年 6 月28日受理) M erkm ale Und Funktionen del modernen Jugendsprache untersucht an der U niversitat Gifu 1995/ 96 Shin H OR A SA W A D eutsche A bteilung (eingereicht am 28. Jun11996) 1。 は じ め に 次の例文 ( 1)-(4) は, いずれも岐阜大学の学生たちの日常会話からの抜粋であるが, 私た ち にはどれだけその意味が分かる だ ろ う か。 こ れ らの中には, 何 と な く イ メ ージがわ く もの もあれば, 見た こ と も聞いた こ と も な く , その意味が まっ た く 不明で あ り , 世代間のギ ャ ッ プ を感 じ さ せ る も の も あ る。 / ( 1) 「 3 限あいたから, あずろ うぜ ! 」 - 「暇だから, あずるか川 (2) 「 きのう , テ ツ カ ラだっ た よ」 (3) 「今 日5時からカ テイ キ ョ ーだから, ソ ッ コ ーで帰るわ」 (4) 「次の授業休講だっ て, こ れか ら どう する ? 」 - 「まあ, ゲーセ ンで 安定で し ょ う」 「最近, 若者た ちのこ と ばが乱れてい て嘆かわ しい」 と いう よ う に若者た ちの日常のこ と ば遣 い について さ ま ざ まな問題が指摘 さ れる こ と があ る。 しか し , こ と ばは時代 と と も に常 に変化 してい く ものであ り, 多様な こ と ばを身につける こ と は言語表現が豊かになる こ とで もあ る。 若者たち の理解で きない こ と ばや規範に合わない こ と ばを 「乱れ」 と して排除する のか, それ ど も 「揺れ」 と してその実態 を客観的に捉 えで柔軟 に対応す る立場を と るのかで 私た ちが若者に対 して もつ 「若者観」 も変わっ て く る。 本稿 の 目的は, ( 1) -(4) の よ う な 254 洞 滓 伸 ¥ 「若者こ と ば( キャ ンパス こ と ば) 」 の特徴 を分析 して現代の 「若者像」 を考察す る と と も に 「若者 こ と ば」 の言語的機能を探 る こ と で ある。 2。 ア ン ケ ー トの実施 岐阜大学にお ける 「若者 こ と ば」 の実態 を調べるために, 1996年 2 月に 1年生定員1300人 のう ち約200人を対象にア ンケー ト による調査 を行っ た。 質問項 目は, 次の 4 項 目で あ る 。 なお, こ のア ンケー ト の結果, 集 まっ た こ と ばは200以上 に も及び, それ ら はすべて 「岐阜 大学キ ャ ンパス こ と ば一覧」 と して五十音順 に し て本稿の末尾 に付 した。 (5) ①表現 ②意味 ③用例 ④コ メ ン ト 「若者こ と ば( キャ ンパス こ と ば) 」 の特徴 3 ア ンケ ー ト に よっ て集 まっ た 「キ ャ ンパス こ と ば」 の用例 を分析 した結果, 次のよ う な特 徴があ る こ とが分かっ た。 なお, 各表現に付いている 卜] 内の番号は, 本稿末尾 に付 し た 「岐阜大学 キャ ンパス こ と ば一覧」 にお ける リ ス ト の通 し番号で あ る。 ま た , こ こ で はア ン ケー ト の項 目の①②③のみをあげる こ と にするノ 3. 1 サー ク ル用語 は隠語的性格 を もつ ( 6) ①赤 じ ゅ う たん ( [I D こ ②音楽棟の部屋の略称 ③ 「今 日の練習は赤 じ ゅ う たんでやる」 ( 7) ① (右に/ 左に) おれ ( [31D 犬 ② (右/ 左に) まがれ ③ 「そ この信号を右に/ 左におれ」 (8) ① P練 ( ピーレン) ( [178] ) ②パー ト ごとの練習 ③ 「今 日のP練は1 : 30からです」 ぐ ― r , ‥ ♂ (9) ① - er ( [226] ) ②~ する人 ③ 「荷物ハコバー」 ( = 荷物を運ぶ人) 類例 : [33] 音 1/2, [39] Cafe ( カ フ ェ ) , [54] く ねる, [67] 個 P練 ( コ ピーレン) , [70] 合練, [204] 緑 じ ゅ う たん これ らは, 学生の課外活動であるサーク ルと い う 特定の集団内で しか使われない表現であ る。 つ ま り, これらはその使用範囲が限られてお り, それゆえに外部の者にはまっ た く その 意味が分か らない隠語的性格を も った 「若者こ と ば」 である。 た と えば, (6) 「赤 じ ゅ う た 当世 「若者 こ と ば」 の特徴 と機能 一 岐阜大学キャ ンパス こ とぱ事情 1995/96 - 255 ん」 と ( 8) 「P 練 ( ピーレ ン) 」 は, オーケス ト ラのサーク ルで 使われて い る もので , それ ぞれ部屋の特徴 ( 赤い じ ゅ う たん) から きた練習の場所お よび練習の仕方 (パー ト別の練習) を意味 してお り, オーケス ト ラ のメ ンバ ー以外には理解で きない 。 また, ( 7) 「(右に/ 左に) おれ」 は馬術部で使われているサーク ル用語で, 本来は馬に対す る命令表現であるが, た と えば, サーク ルのメ ンバーで車 に乗 っ て どこ かへ遊びに出かけ, 交差点で ド ラ イバーに指示 する時に も こ のよ う に言 う のである。 弓道部で使われている ( 9) 「- er」 は, 語尾 にっ けて 「~ する人」 を表 し, た と えば 「荷物ハ コバー」 は 「荷物 を運ぶ人」, 「キュ ーダー」 (←弓道 十 一er) は 「弓道をする人」 を意味する よ う に生成性があ る。 隠語的性格 を もつ と はい っ て も, サーク ル内の重要な秘密を守る と い っ た本格的な もので はな く , 何かをあか ら さ まに 直接的に言 う のを避けた り, 必要な こ と を正確かつ敏速に伝達す るために使われている。 こ のよ う な外部の者には分か らない こ と ばを使 う こ とで 同 じサー ク ルに属する メ ンバーの 「仲 間意識」 や集団への 「帰属意識」 を高めた り , 特別な こ と ばを考 え出 し て使 う こ とで集団内 の活動の単調 さを 破 り, それに変化 と面 白味 を加え る と い っ た効用があ る と考え られる 。 ま た, 逆 に, も し こ の よ う な隠語的性格 を もつサーク ル用語 を使 い こ なせなければ, 同 じ仲間 と は認 めて も ら え ない こ と にな る 。 3. 2. 短縮語が多い ∇ ( 10) ① コ ンプロ ( [68] ) ②工学部の専門科 目の 「コ ン ピュ ータ ー ・ プログラ ミ ング」 の授業のこ と ③ 「コ ンプロの課題 も う やっ た ? 」 (11) ①全通/ ぜんつう/ 全つー ( [101D / ②テス トが全部通る こ と ③ 「おれ, 前期の講義全通やっ たわ」 ( 12) ① ドボッ キー ( [143] ) ②工学部土木工学科の学生のこ と ③ 「ねえ, あの人 ドボッ キーなんだって」 (13) ①ばん ( [ 166D ②ラ ーメ ン屋 「サ ッ ポロ ラ ーメ ン21番」 のこ と 十 ③ 「ばん行こ うぜ ! 」 類例 : [8] いつポジ, [911食, [16] 応化, [36] 過去問, [37] カ テイキ ョ ー, ダ [42] 仮駐, [43] カ リ ガリ , [45] カ ンペ, [65] 構力, [86] 車校, [90] じ こ ち ゅ う , [ 130] テ ツ, [141] 土手駐, [142] ドボカ ー, [151] ノ ーベ ン, [176] ビニペ ン, [182] フ ァ ミ レス, [195] ほけかん な ど 省略表現は, 「若者 こ と ぱ↓や流行語 に限らず 日本語で はご く 一般的 に見 ら れる現象で あ る。 た と えば, パ ソ コ ン, ワープ ロ , 自販機, 総理, 日銀, 住 専… な ど枚挙 にい と まがな い。 これは, 日本語の 1音節が原則 と して 2音( 「子音十母音」 ) で構成され, しかも各音節 は同 じ長さ ( 1拍) で同 じ強さ の音で発音 さ れる こ と に原因がある。 日本語の音声が, その 特徴 と して よ く 機関銃や自動車のエ ンジ ン音のよ う に単調であ る と説明さ れる とお り, 少 し 256 洞 滓 伸 ソ 長めの単語 にな る と冗長にな り, ど う して も省略 し たい と い う 欲求が働 く 。 た と えば, 工学 部の専 門の授業科 目名であ る 「コ ン ピュ ー タ ー ・ プ ロ グラ ミ ング」 は13拍であるが, 省略 さ れて ( 10) 「コ ンプ ロ」 のよ う に 4拍, 「サ ッ ポロ ラ ーメ ン21番」 とい う レス ト ラ ンの名前 は 15拍であるが, これは ( 13) 「ばん」 のよ う に 2拍 と なる。 こ の よ う に若者た ち は無意識的 に伝達上必要最小限度 まで省略 を行い, 新 し い表現 を即座 に作 り 出 して いる。 長いのは面倒 だか ら短 く し ている わけで あ るが, で きる 限 りの省略 を行い, しか も過不足な く 意味を伝達 する と い う 矛盾する両者 を どのよ う に両立 させ, その均衡 をはかっ ているのか, ま さ に驚異 的で あ る と し か言い よ う がない。 ま た , た と え ば, 「工学部土木工学科 の学生」 の こ と を ( 12) 「 ドボ ッ キー」 または 「 ドボカ ー」 ( [142] ) のよ う に省略する こ と によっ て, ユーモ ラ ス と 同時に非常に強烈なイ ンパク ト を与える表現 と なっ ている ものもあ る。 省略は物事 を簡 潔に伝達す る のに適 してい るが, こ れ らの 「若者 こ と ば」 は, 逆にそのこ と に よっ て こ と ば を特殊化 し て し まい, したがっ て, 私た ち に と っ て はその意味が不明にな っ て し ま う ので あ る。 以 上の よ う に 「若者 こ と ば」 において も, 「同 じ 目的を達成す る こ と がで き る な ら で き るだけその労力は少ない方がよい」 と さ れる人間に と っ て 自然である 「簡単化の欲求」 ( = 「言語の経済性」) が反映さ れてお り, 「若者こ と ば」 の大 きな特徴 と なっ ている。 3. 3. 「短縮語十( す) る」 の表現が多い (14) ①あずる ( [4] ) ② AZUMA とい うパチ ンコ屋でパチ ンコ をする こ と ③ 「3限あいたから, あずろ うぜ ! 」 - 「暇だから, あずるか ! 」 ( 15) ①カ ラ る ( [40D ¥ ②カ ラ オケ をする ③ 「 1時からカ ラ るで卜 ( 16) ①サク る ( [73D ②サークルK に行 く こ と ③ 「どこ行 く ? 」 - 「ち ょ っ と, サク ろ う か」 ( 17) ① ラ イ ブる ( [220] ) ②附属図書館へ行 く こ と = ③ 「ち ょ っ と昼休み, ラ イ ブろ うぜ」 二 類例 : [38] かのる, [46] ガジる, [47] 気絶す る, [51] ぎゅ る, [54] く ねる, [61] 撃沈する, [63] ケ ッ トする/ ゲ ッ チ ュ ーする, [64] COCOる, [69] コ ピる, [80] サボサボする, [82] シカ トする, [91] 事故る, [95] ジ ャ ンる, [105] タ ク る, [112] ダブ る, j 133] デビュ ーす る, [134] デ リ る, [135] と う ひる, [137] 突撃する, [14812食る, [160] ハモ る, [ 162] バグる, [ 165] バ リ る, [ 172] パギる, [ 174] パチ る, [175] パニ ク る, [180] ピロ る, [191] ペルる/ ベルする, [199] マ ク る, [202] ミ ス る 1, [203] ミ ス る 2, [210] メ モ る, [211] モ ク る, [213] モス る, [217] ヤニル, [222] ラ ウy ジる など 上 当世 「若者 こ と ば」 の特徴 と機能 一 岐阜大学キ ャ ンパス こ と ば事情 1995/96 - 257 「名詞十( す) る」 の表現 は, 決 し て新 し く はな く , 第二次近衛文麿内閣 ( 1940. 7. 22. 1941. 7. 18) の文部大臣また生理学者で もあっ た橋田邦彦が 「科学する」 と言 っ て , 多 く の 学者か ら 「こ んな 日本語はない」, 「そんな言い方はない」 と指摘 さ れた こ とがあっ た。 また, た と えば, 博友社刊 「木村 ・ 相良独和辞典」 な どには ドイ ツ語の Philosophie r哲学」 に対 応す る動詞 philosophierenの訳語 と して 「哲学す る」 があ て ら れて い る が, こ れ は作 り 出 さ れた もので ある こ とが知 られてい る。 「科学す る」, 「哲学す る」 な どは別 と し て , 現在で は, 「食事す る」, 「勉強す る」, 「コ ピーす る」, 「110番す る」 な どは, まっ た く 一般的とな り, 抵抗感な く 使 われる よ う になっ ている。 「名詞十( す) る」 の名詞は, 基本的に動作名詞 また はそ の名詞が少な く と も動詞的なイ メ ージで捉え られなければ一般に受け入れられる よ う に はな らない。 しか し, こ の規則を打ち破 る造語法が雑誌, 小説な どで多 く 見かけ られ, 日常 生活の中で も , た と えば, 電子 レ ンジで調理す る こ と を 「チ ンす る」 な どと言った りするが, こ れ らはた と えその意味が分かっ て も ど こ か舌足 らずで聞いて あ ま り感 じの良 く ない ものが 多い。 数年前, 一時的に 「青春する」 「OL する」 な どのこ と ばが流行 し た こ と は記憶 に新 しい 。 名詞 に 「( す) る」 をつけて動詞にす る この方法は, 簡潔に表現で きる と い う 点におい て便利であ り生成性が非常に高 く , 「若者 こ と ば」 において爆発的な増加 の傾向にあ る 。 特 に短縮語につ けて使 う のが大 きな特徴 と なっ てお り, た と え ば, カ ラ オヶ をす る こ と は, ( 15) 「カ ラ る」 であ り, 附属図書館へ行 く こ とは ( 17) 「ラ イ ブ る」 なので あ る 。 2 時限 目 の授業が終わ り, 昼時 と もなれば友達に 「おーい, 2食ろ う ーぜ ! 」 と声 をかけ, 大学生協 の第 2食堂へ行って 「 2食る」 ( [148] ) のである。 また, このよう な 「若者 こ と ば」 は大変 なス ピー ド で 出来上がる よ う で ある。 た と えば, イ ン ド料理 レス ト ラ ン 「ガ ンジー」 が大学 の近 く にオープ ン してから 1 ヵ 月後にはすで に 「ガジる」 ( [46D と い う 表現が生 まれて使 われ ていた こ とがア ンケ ー ト調査 を行 っ た時期か ら推測す る こ と がで き る 。 パチ ン コ をす る こ と は 「パチ る」 ( [ 174] ) であ り, 大学の近 く のパチ ンコ店 AZUMA で 「パチ る」 こ と は, ( 14) 「あず る」 と言 う 。 また, た と えば, コ ンビニエ ンス ・ ス ト アのサーク ル K に行 く こ と は, ( 16) 「サク る」 のよ う に表現するが, この類例 と して 「モス る」 ( ←モ スバ ーガー) ( [213D , 「 ミ スる」 (← ミ ス タ ー ・ ドーナ ッ ツ) ( [202D , 「デリ る」 (←デイ リ ー ・ ス ト ア) ( [ 134] ) , 「マ ク る」 (←マ ク ドナル ド) ( [199D , 「バ リ る」 ( ←マ ク ドナル ドでバ リ ュ ーセ ッ ト を注文す る こ と) ( [165] ) な どがあ り, このよ う な と こ ろ に若者たちの日常生活を垣間見 る こ とがで き る。 また, 「コ ン ビニエ ンス ・ ス ト ア等の店名十っ て く る」 と い う 表現形式 も あ り , た と えば, デイ リ ース ト アに行 く こ と は, 「デイ リ ーつて く る」 ( [132D と言 う こ と もあ る。 こ のよう に 「短縮語十( す) る」 によ り, 新 し い表現が次か ら次へ と 生み出さ れ, 「若者 こ と ば」 の表現能力は非常に豊かになっ ている。 3. 4. 重ね こ と ばが ある (18) ① く ち ゃ く ち ゃに ( [52] ) ②滅茶苦茶に 卜 ③ 「お前, 人の事 く ち ゃ く ち ゃに言 う なー ! 」 (19) ①サクサク ~ する ( [72D ②て きぱき, さ っ と ~ する 洞 258 滞 伸 ③ 「お・まえ宿題サクサク やれよ」 (20) ①サボサボする ( [80D こ 万 ②授業をさ ぽる ③ 「今 日の 1限, サボサボ し よう」 (21) ① ノ リソ リ ( [152D ②気分が最高調であるこ と を表す ③ 「今 日, ノ リ ノ リ じ ゃ ーん, 杉浦 ! 」 - 「んー ? 」 類例 : [77] さ むさ む, [146] どろ どろ駐, づ[181] ピロ ピロ 「若者 こ と ば」 には, ( 18) -(21) の よ う な さ まざまな重ねこ と ば, つ ま り畳語形の表現が ある。 こ れら については, ( 18) 「 く ち ゃ く ち や」 は形容動詞からの派生, ( 20) 「サボサボす る」 は動詞 「さ ぼる」 を短縮 し, それを繰 り返 して 「する」 を付加 した形式, ( 19) 「サクサ ク ~ する」 は擬態語 ・ 擬音語からの派生である と考え られる。 また, ( 21) 「ノ リ ノ リ」 は名 詞 「乗 り」 の反復であっ た り と これら の重ねこ と ばは多種多様である。 これらにぱ, 同じ音 め繰 り返 し に よっ て単 に リ ズム感 と面 白味 を出す と い う こ と だけで は く , 擬態語 ・ 擬音語の 音形態 と 共通す る物事の感性的な捉 え方がその根底 にあ る と考えられる。 日本語は, 擬態語 ・ 擬音語が豊富な言語であ り, それは物事の状態や様子 を感覚的に表現す る 日本人の感性の表 れで ある と い う こ と が よ く 言われる。 こ れ らの重ねこ と ばも, 若者たち の感性 によ る所産 と 言え よ う 。 3. 5. し 特徴的な強意表現 を使 う ∧ (22) ①鬼のよう な ( に~ ) ( [25] ) ② ものすごい~ , すごく ~ し ③ 「今 日, 鬼のよう に寒いね」 (23) ①激~ ( [60D ② とて も~ ③ 「このパン激マズ ! 」 ノ (24) ①ち ょ う/ 超~ ( [ 117] ) ② とて も, す ご く ~ ③ 「ち ょ う ダサイ」 (25) ①ち ょ ー~ 一 ( [118]) ②非常に, 大変~ ③ 「昨日さ ー, 「ボキャ天」 見たんだけ どさ ー, もー, ち ょ ーす ごいっ てあれ」 類例 : [26] おにむか, [209] 「めっ ち や」 これら( 22)-( 25) は, 程度を強めたい時に使 う 強意語である。 強めたい程度 に よ っ て使い 分けがある ら しい。 類例 と して 「おにむか」 ( = 非常にむかつ く ) ( [26D のよ う に定式表現 になっ てい る もの もある。 こ のよ う な強意語は, 大人たち に と っ て大変な違和感がある ら し く , 小 ・冲 ・ 高校生がこれを使 う と親 は必ず 「 超 はやめな さ い, 超 は」 と 言 っ て叱 当世 「若者 こ と ば」 の特徴 と機能 一 岐阜大学キ ャ ンパス こ と ば事情 1995/96 - 259 る よ う である。 今で は, そのよう に親が子 を叱る場面がテ レ ビのコマ ーシ ャ ルに登場する ま でになっ ている。 『現代用語の基礎知識 ( 1996) 」 の 「若者用語」 の解説欄には, 「ち よ一 一かっ こいい」 ( = とて も格好いい) , 「ち ょ う ねむ」 ( = とて も眠い) , 「ち ょ う バ ッ ド」 ( = と て も 悪い) , 「ち ょ う さ む」 ( = とて も寒い) , 「ち ょ う す ご」 ( = とて もすごい) な どの例が載っ て お り, こ れ らの強意語はかな り応用が き く もの ら しい。 また, テ レ ビか らの最新の情報によ る と, 現在, 「ち ょ う MM (エムエム)」 ( = ち ょ う マ ッハむかつ く ) , 「ち よベ リバ」 ( = ち ょ う ペ リ ーバ ッ ド) , 「ち よベ リ ブ」 ( = ち ょ う ベ リ ーブルー) のよ う なこ と ばが登場 し て い る と いう 。 3. 6. 十 こ と ばの一部 を倒置する (26) ① プ ク イチ ( [185D ②イ ッ プク ( たばこ を吸う ) する こ と ③ 「疲れた, プク イチするぞ」 卜 (27) ①ボリサーする ( [197] ) ②授業を さ ぼる こ と ③ 「今 日の2限はボリサーす るわ, 俺」 (28) ①ぽう きん ( [198] 卜 ②金宝町 ( 地名) ③ 「ぽう きんでバス降りて, 新岐阜まで歩 く わ」 倒置は, 既存の語彙成分の順序の一部 を転換 し て別語形を作 り 出す造語法であるが, 日本 語で は隠語 において し ば し ば見 られる。 こ の よ う な 「倒語」 には, た と えば, 「だふ屋」 -・の 「だふ」 (←ふだ) , 明示 しに く い ものを指す 「れこ」 ( ← こ れ) , 香具師仲間の隠語で ある 「 し ょ ぼ代」 の 「 し ょ ぼ」 ( ←ばし ょ ) な どがある。 「若者こ と ば」 において も用例 ( 26) -( 28) のよ う な倒置に よる造語が観察さ れる。 倒置す る こ と によっ て, 語義 を強調する と と もに, 新鮮 さ と強いイ ンパク ト を与える と い う 表現効果がある と考え られる。 3. 7. 婉曲的 ・ 比喩的な表現がある (29) ①奥 さ ん ( [19] ) ② 自分の彼女の事をさす ③ 「う ちの奥さん, めちゃ カ ワイ イ んだっ て ! 」 (30) ①闘っ て く る ( [106D 犬 ② トイ レで大 きい方へ行 く こ と : △ ③ 「ち ょ っ と俺闘って く るわ」 (31) ①ツモ る ( [124] ) ②授業の出席 日数が足 りな く な り, 受験資格を失う こ と ③ 「あの ドイ ツ語ツモつち ゃった。 昨日で も う 4 回休ん じゃっ たから」 (32) ① ドラ ゴン ( [144] ) ②留年のこ と ( ドラ ゴ ン→龍→留) 洞 260 滓 伸 ③ 「実験落と した。 オレ ドラ ゴンだ」 類例 : [ 10] 一発, [12] う っ と う り い, [13] 裏ス ジ, [18] オール ドラ ゴ ン, [7115 ヵ 年計画, [112] ダブる, [113] ダブル ドラ ゴ ン, [138] 留 ・福留, [226] リ ーチ 「若者 こ と ば」 に も, 恥ずか しい こ と , 言いに く い こ と を何か別の ものに例えて婉曲的 ・ 比喩的に表現する ものがある。 た と えば, ( 29) 「う ちの奥 さ んは…」 と言えば, それはもち ろ ん配偶者のこ と で は く , 自分の彼女のこ と を意味す る 。 自分の恋人のこ と を 「ぼ く の彼女 は…」 と言 う こ と には, どう も恥ずか し さが と もな う ら しい。 「 う ちの奥 さ ん」 と サ ラ リ と 言っ て し まえば, それが現実性がない こ と だけに恥ずか し さ も な く , 面白味が出て く るので あろ う 。 ト イ レで大 きい方へ行 く と きには, その恥ずか し さ か ら か ( 30) 「ち ょ っ と俺 闘っ て く る わ」 と 友達に言い残 して その場 を離れ, し ばら く し て帰 っ て きてか ら は 「かな り強敵 だっ た」 または 「激 しい闘いだ っ た」 と い う よ う な発展形 もある。 また, 授業の欠席回数を マ ージ ャ ン用語 を比喩的に使っ て段階的に表現する こ とがある。 た と えば, 出席 を毎回と る 外国語の授業 な どで は, 1学期中の授業回数の約 3分の 1 にあた る 4 また は 5 回欠席す れば 受験資格 を失 う が, 欠席許容 限度で あ る 3 回また は 4 回休 んだ場合, そ れは 「 リ ーチ」 ( [225] ) なのであ り, その翌週欠席すれば ( 31) 「ツモ る」, つ ま り受験資格を失い, 落第が 決定す る こ と になる。 また, 通るか どう か分からない授業のこ と を 「裏ス ジ」 ( [ 13] ) な ど と も言っ た りする。 「留年」 にまつわる こ と ばもい く つ もあ り, た どえば, 成績不良で 「ダ ブつた」 ( [112D 学生は (32) 「 ドラ ゴ ン」 ( ドラ ゴ ン→龍→留) と 呼ばれ, 「 5 ヵ 年計画」 ( [71] ) を立てるのであるが, やや もする と 「ダブル ドラ ゴ ン」 ( [113] ) になっ て し ま う 。 3. 8. 社会的出来事 ・ 時代性 を反映する こ と ばがある 犬 ( 33) ①サテ ィ ア ン ( [76] ) ¥ ②工学部のある研究室のこ と ③ 「○○先輩, サテ ィ ア ンで実験 している ら しい」 (34) ①ペルつてる ( [189] ) ノ ②ポケ ッ トベルをパイ プモー ドにしておいて, メ ッセージが届いたと きにポケッ ト の中な どでふる えて い る状態 ③ 「わー, ペルつて る よ」 尚 (35) ①ベルを ミ スる ( [190] ) 二 ② ポ ケ ベ ル に う ま く メ ッ セ ー ジ が 入 ら な い こ と ③ 「佐織のベルミ ス つてる よ」 (36) ①ベルる/ ペルする ( [ 191] ) ②ポケベルで連絡する こ と ③ 「今 日の夜, ペルつてー ! 」 類例 : [7] 「イ タベル」, [41] 「カ ラベル」, [192] 「ベル トモ」, [139] 「 ド コモ リ ア ン」 当世 「若者 こ と ば」 の特徴 と機能 一 岐阜大学キ ャ ンパス こ と ば事情 1995/96 - 261 1995年は, 阪神大震災か ら始 ま り, 一連のオウム事件, 発砲事件, 銀行破綻, 住専問題, い じめ問題, 沖縄の米軍基地問題にまで発展 した事件な ど安心 して暮 らせる 日本の 「安全神 話」 を大 き く 揺 さ ぶる重大で暗游たる事件が連続 した年であっ た。 このよ う な社会の出来事 が世相語 と して岐阜大学の 「若者 こ と ば」 に反映さ れた ものは√今回の調査で集 まっ た もの の中で は (33) 「サテ イ ア ン」 の 1語だけで あっ た。 こ れはオ ウム真理教 の建物 の名称で あ り, 工学部のある実験室の建物が 「第 7 サテ イア ン」 に似ている こ と から きた ものであるが, この語の原意が 「真理」 である こ と を考え合わせる と , 言い得ている面 もあっ て と て も面白 い。 オ ウム真理教関係だけで も, 「ああ言 えば上祐」, 「ポアす る」, 「尊師」 な ど, さ まざま な世相語が登場 し たが, オ ウム真理教の組織的な犯罪は, それが常識 を遥かに越 え る異常 さ で不気味であ っ たためか不快感がつのる ばか りで , そ れで こ の 「サテ イ ア ン」 以外はあ ま り 岐阜大学の 「若者 こ と ば」 には反映 さ れなかっ たのか も しれない。 携帯電話は, 今や加入登録台数が1300万 を越 えて 日本国民の10人に 1台以上の割合で普及 して い る。 キ ャ ンパス で も携帯電話 を も っ て歩 きなが ら電話 を した り, あ る いは廊下で周囲 を まっ た く 気にせずに大声で し ゃべっている学生の姿 を時々見かける。 しか し, 学生たちの 間で はラ ンニ ングコス トが毎月の基本料金またはレ ン タ ル料金だけで済み, また, 授業中に 着信 して も声 を出 して答える必要がな く 携皆 既に も優れたポケ ッ トベルが急速に普及 しつつ ある 。 こ のこ と は, 最近, 机の上にポケベルを置いて授業 を受けている学生の数が 目に見え て増 えて きてい る こ と か ら も分かる。 大学生協 も携帯電話やポケベルの販売 には力を入れて お り , 組合員に月一度配布 さ れる カ タ ロ グ ・ シ ョ ッ ピ ングの広告で も, 携帯電話 と ポケベ ル の広告が見開きの一面 を飾っ ている。 そ こ でのう たい文句は 「ポケベルは一番手軽な コ ミ ュ ニケ ーシ ョ ン」 と な っ てい る。 また, 最近のポケベ ルは 「パイ プ ・ モ ー ド」 がついて お り, 着信 を従来の 「 ピ ピ ピ…」 と い う 電子音の代わ り に, ポケベ ルが振動 (バイブレーショ ン) し て 教え て く れる。 そのため大変あ りかたい こ と に突然教室中に電子音が響 きわた り , 授業が中 断さ れる と い う こ と はな く なっ た。 しか し, だか ら と い っ て授業中に 「ブ ルルル…」 と学生 のポ ケ ッ トの中や机の上でポケベルが突然ダ ンス を踊 り始めて も よい と い う わけではない。 「ポケベルは踊る, さ れ ど授業は進まず」 で は困る。 そ う したポケベルを若者が どの よ う に 使用 しているのかと言えば, それはかな り多様である。 た と えば, ( 一部の学生で はあるが) 代返 を頼むと きはも ち ろ んのこ と, キャ ンパス内で相手が どこ にいるか場所を知 り万い と き, 突然授業が休講にな っ て どこかへ遊び行 きたい と き, また, 単に自分が暇で相手に何かメ ッ セー ジを伝えたい と きな ど, と にか く 何かを思いつ く と ( 36) 「ベ ルす る」 ので あ る 。 ポケ ベルは, メ ーカーや機種 によっ て多少異なるが, ある機種で は1回の送信で数字だけであれ ば30字, カ タ カ ナな ら ば14文字のメ ッセ ージ を送る こ とがで きる。 こ れな らば大抵のこ と は 伝達す る こ とが可能で あ り, 若者たち はた と え相手が授業中で あっ た と して も, 定型伝言文, 自作伝言文 また はフ リ ーメ ッ セージの他 に数字 に よる暗号でポケベルによる コ ミ ュニケーシ ョ ン, すなわち 「ポケベル会話」 を楽 しんでいる。 た と えば, 724106 は 「何シテル ? 」, 14106 は 「愛シテル」, 105216 は 「 ド コ ニ イ ル ? 」, 0 219 「学校( ←カ ッ コ ) 二行 ク」 な どのユニーク な暗号を考えた り, 判読 した りす る こ と に興 じて (36) 「ペ ル し て い る」 の であ る。 こ のよ う な数字の暗号文のマニ ュ アル本 も出来上が り, 「ポケベル暗号 BOOK」 と して 双葉社から現在のと こ ろ 2巻 目まで刊行 さ れている。 ( 34) 「ペルつて る」 は, ポケ ヅ ト 262 洞 渾 伸 ベルが着信 した状態 を意味す る表現であるが, 時にはメ ッ セージがう ま く 送信で きない, ま たは着信で きない こ とがある ら し く , そ う した時に (35) 「ベ ルを ミ ス つた」 と 言 う ので あ る。 また, いたず らが 目的で相手のポケベルをただな らすだけの 「イ タ ベ ル」 ( [7] ) , バ イ ブ レーシ ョ ンだけで メ ッ セージが入 らない 「カ ラペル」 ( [41] ) な どベルに も色 々 と あ る。 ポケベル上で会話をする相手は 「ペル トモ」 ( [192D と呼ばれ, 電話で話をする友達 と は区 別 さ れる。 なかにはポケベル上だけのまっ た く 面識のない 「ペル トモ」 もいる よ う である。 最近の若者たち は, 仲のよい者 どう し, 恋人どう しの間で常にコ ミ ュ ニケーシ ョ ンを と っ て いたい と い う 願望があ り, また, どっ て いない と不安 にな る ら し く , ポケベ ルの急速な普及 の理由の 1つはそ う した気持ちの反映である と考え られる。 このよ う にポケベルは, 今や新 しい 「会話のツ ール」 と して若者たち の日常的な コ ミ ュ ニ ケーシ ョ ンの在 り方に入 り込んで きてお り , そ こ に現代電子テ ク ノ ロ ジーの時代性が感 じ られる。 ・。 3. 9. メ デ ィ ア か らの影響がある ( 37) ①おこ るで, しか し… ( [20] ) 卜 ②むかっ と きた と きに, シャ レで使う ③ 「あんたバカ じ ゃない ? 」 - 「お こ るで, しか し…」 (38) ①ス ワッ ピ ング ( [96] ) ②カ ッ プルが別れる こ と 丿 ③ 「あいつ らス ワッ ピングだな」 ( 39) ①チ ョ ッ ( [119D ②他人に物をせびる と きに使う ③ 「たばこチ ョ ッ」 (40) ①ぷよらー ( [187] ) 丿 ②テ レビゲームの 「ぶよぶよ」 をする人 ③ 「ぷよ らーたる者, 9連鎖はあた り まえ ! 」 犬 類例 : [5] ~ で安定, [44] ~ 関係, [87] シ ャ ネ ラ ー, [98] ~ 星人, [ 127] ヅラ, [140] ド タ キヤン, [179] ピヨ る, [224] ラ リ ル な ど -これら (37) -(40) は, テ レ ビな どのメ デイアから発生 し, 若者たちの間に広 まっ た こ と ぱ で ある。 親元 を離れ, アパー ト暮 ら し を して いる学生は も ち ろ んのこ と , 家庭内において も 若者の個室化か進み, そ こ には多 く の場合テ レビとい う メ デイアがある。 また, 彼 らはテ レ ビゲームの大ブ ームの中で育っ て きた世代で もあ る。 現在の若者の行動の規範はマス ・ メ デイ アで あ る と言われる。 若者 はメ デ イ ア上に登場す る物事や情報の洪水の中で , 是非 ・ 善悪の 区別な く , それを規範のご と く 考えて 自分の考え方や行動 を決める場合 もあ る ので あ る 。 こ のこ と は未来社会 に大 き な影響 を及ぼす と考え られるが, 本稿で は若者の行動 について まで は扱 えない。 しか し, 丁若者 こ と ば」 を見る限 りで もそ こ にテ レ ビ番組, コ マ ーシ ャ ル また はテ レ ビゲームの仮想現実世界が大 きな影響 を与えている こ とが分かる。 (37) 「お こ るで。 しか し・・。 ・」 はあ る漫才 師のお き ま りの リ ア ク シ ョ ンで あ り,ヶテ レビ番組で別のタ レ ン ト によっ て茶化 さ れて全国に広 ま っ た。 しか し, その漫才師は も はや他界 し, そのタ レ ン ト も遺族か 当世 「若者 こ と ば」 の特徴 と機能 一 岐阜大学キ ャ ンパス こ とば事情 1995/96 - 263 ら非難を受けてテ レ ビで はも う このこ と ばを聞 く こ と はない。 ( 38) 「ス ワッ ピ ング」 と は, 問題 を抱 えて関係が危な く な っ た複数の若い カ ッ プルが登場す る テ レ ビ番組の中で , 自分の パー ト ナーに見切 り をつ けて他の よ り魅力的な異性 に乗 り換 え る こ と を 「ス ワ ッ ピ ン グ」 と 言 う と こ ろから きているが, その番組はすで にその低俗 さ のためか放送終了 と なっ ている。 (39) 「チ ョ ッ」 は, その由来は定かではないが, 現在, テ レビで はタ レン トが 「( 商品を) 買っ てチ ョ ッ」 と言 う コマ ーシャルが放映中である。 また, (40) 「ぷよ らー」, 「~ で安定」 ( [5] ) , 「ピョ ル」 ( [179D な どのよう にテ レ ビゲームにその語源がある ものもある。 テ レビ な どのメ ディ アは不特定多数の視聴者を相手にしているので, その及ぼす影響は非常に大 き く , そ こ で使われる こ と ばが広 まる速度 はと て も速いが, また 同時にこ れ ら は流行語 と い う 側面が強 く , 生命がとて も短い ものが多い。 3. 10. その他の特徴 (41) ①てい う か~ ( [128D 卜 ②相手の言っ たこ と を否定 して, 自分の意見を言 う と きに使う ③ 「てい う か, 俺の方が頭良いよね」 (42) ①~ 系 ( [57] ) ②特に意味はないが, こ と ばの語尾につける ③ 「講義は, 今 日は休講になっ た系」 (43) ①~ モ ー ド ( [214] ) ②~ の状態 ③ 「げっ, 単位落と したか も しれんモー ド」 (44) ①~ て感 じ ( [129] ) ②意味な し ③ 「あいつ, ムカつ く って感 じ」 その他の特徴 と して, た と えば, ( 41) -(44) のよう な ものを あ げる こ と がで き る 。 (41) 「て い う か~ 」 は, 相手の主張 を否定 し, すかさ ず 自分の意見 を切 り出す と き に非常 に便利 な表現であ り多用されている。 (42) 「~ 系」 には, まっ た く 意味がな く , 「講義は, 今 日は 休講 になっ た系」 のよ う に何にで も文末につけるため一種の冗語 となっている。 (43) 「~ モr ド」 は, こ れはも と も と コ ン ピュ ー タ用語で あるが, 「げっ , 単位落 と し たか も し れ んモ ー ド」 めよ う に名詞的表現で言い切る こ と によ り簡潔 さ と面白味 を 出す こ と がで き る 。 (44) 「~ て感じ」 は, 「あいつ, ムカつ く っ て感 じ」 のよ う に文末に付 けて 自分の主張や断定を さ ける 働 きがある。 日本語で は, その社会の成 り立ちか ら話 し相手の気持ち を損ねまい と して 話を 進めるため, た と えば, 「~ で はないで し ょ う か」, 「~ だ と 思い ますが」 の よ う に断定 的な言い方をせず, 自分の主張を避ける表現が し ば し ば現れる 。 この (44) 「~ て感 じ」 は, 本人 たち は意識 して はい ないで あろ う が, それが 「若者 こ と ば」 の中で極端な形 と な っ て現 れた もの と考える こ と がで きる。 二 ‥ 最 後に も う 一つ 丁若者 こ と ば」 の特徴 を指摘 し てお きたい こ と があ る。 それは 「若者 こ と ば」 は, 学生のすべてが一様 にそれを使用 してい る わけで はない と い う 点であ右。 た と えば, 264 洞 渾 伸 ・ 試験前になる と キャ ンパスのあち こ ちで聞かれる 「コ ピる」 ( [69] ) は, 日本中の非常 に多 く の学生が使 う こ と ばで あ り, こ れは 「全国型の若者 こ と ば」 と言っ て も よいで あ ろ う 。 そ れに対 し , サーク ル用語の使用範囲はサーク ル内に限定 さ れてお り, 穏 語的性格を もつため, サーク ルのメ ンバーの間で しか通用 しないこ と は3. 1. で述べた。 さ らに次の例 (45) 「いつ ポジ」 の よ う にご く 親 しいわずか数人の友達の間で しか使われない よ う な使用範囲が極端に 狭い 「ピ ンポイ ン ト型の若者 こ と ば」 と い う の もある。 (45) ①いつポジ ( [8] ) ②いつ ものポジシ ョ ンの略語, 「いつ もの待合い場所」 の意 ③ 「 2 限終わっ た ら, いつポジで待っ てるわ」 このよ う に 「若者 こ と ば」 の語彙には, その使用範囲が広い ものから狭い ものまで色々とあ り, 個人の生活環境や所属す る グループ, また友達関係 な どによっ て異な る ので あ る。 4。 「若者 こ と ば」 の機能 十 二 以上, 本稿で は 「若者 こ と ば」 を分析 し, その特徴 を述べてみた。 「若者 こ と ば」 の用例 をながめて いる と , そ こ か ら は話 し好 きで , 仲間内で面 白おか し く , 楽 し く お し ゃべ り をす る, また, し ゃれた冗談を言う若者の姿が浮かんで く る。 実際, 多く の学生は何人かのグルー プで大学会館のラ ウ ンジや生協の喫茶店, 食堂の中, 芝生の上や広場で, しか も思い思いの ス タ イ ルで楽 し く お し ゃべ り を している。 授業中の様子 と は大 き く 異な り, 本当に別人で は ないか と思 え る く らい顔の表情 も明る く , 非常 に快活で社交的なのである 。 大人数で行 う 講 義では, 一部の学生で はあるが私語が非常に多 く , 時には目に余る ものがある。 通常, 私語 は声帯 を弛緩させて無声音で行 う もめと相場は決まっ ているが, 冲 には有声音でやる者 もい る。 た と え声 には出 さ な く て も, ノ ー ト の端 にメ モ を して筆談 した り, 時にはメ モが何人か の手 を経て かな りの距離 を移動す る こ と もある。 また, 授業中はさ なが らポケベ ルの舞踏会 のよ う で もある。 仲の良い友達 と は, いつで も, どんな時にで も, 常にコ ミ ュ ニ ケ ーシ ョ ン を と っ て いたいので あ ろ う 。 他方, 彼 ら は何か 1つ の堅い真面 目なテ ーマ について議論 を し た り, 人前で話 をす る こ と はかな り苦手のよ う で あ る 。 大学で講演会があ っ て も, 講演者の 話はし っ か り聞 く が, その後で質問を受け付けた時に何か 1つで も質問が出て く る こ と は極 めて まれで あ る 。 1960年代 の若者 た ち は口角泡 を飛 ば し て議論 していた と言 う が, 現在, キャ ンパスの中でそのよ う な若者の姿を見るこ と はまずない。 「口角泡を飛ばす」 と い う 成語 を 知る者 さ えす ら少 な く な っ て きて い る。 みんな明る い顔 を し て談笑 し て い る ので あ る。 と こ ろが, このよ う な身内のグループ内では多弁な若者たち は, 人前あるいは公の場 と なる と突 如 と して明るい顔が消えて積極性がな く な り, 寡黙になっ て し ま う 。 「団塊 ジ ュ ニ ア」 と 呼 ばれる現在 の大学生 は, ラ イ フ ス タ イ ル も個人化 ・ カ プセル化 して, 他人 と の不必要な緊張 関係や衝突 はな るべ く 避け, 小集団の仲間を作 り, その仲間と だけ う ま く つ きあ っ て い きた い, あ るい は小集団の中で の暖かい関係 をいつ まで も続けて い きたい と考 え る傾向が強い よ う であ る。 そのために必要 と な るのが, 仲間内だけで通用す る, また, 仲間内で楽 し く 「ノ リ ノ リ」 ( ( 15幻) の気分でお し ゃべ り をする こ とがで きる 「若者こ と ば」 なのである。 若者 当世 「若者 こ と ば」 の特徴 と機能 一 岐阜大学キャ ンパス こ と ば事情 1995/96 - 265 たち は, こ のよ う な必要性から生 き生 き と し た表現を次か ら次へ と遊び感覚で作 り出七, 会 話 を楽 しみ, そ しておそ ら く 本人た ち は無意識 にで はあろ う が, それに よっ て倅間を作 り, 自分た ちが仲間である こ と を確認 してい るので ある。 また, 同 じ こ と ばを使 う こ とが仲間で あ る こ と の証明 と も な っ ている。 「若者 こ と ば」 はこ のよ う な必要性か ら生 まれて く る ので あ り, よっ て, 「若者 こ と ば」 を 「 日本語の乱れ」 と は短絡す る こ と はで き ない 。 ま た , 若 者たち は敬語の必要性 をかな り感 じてい る よ う である。 果た して敬語を正 し く 使えるか どう かは別問題 と し て , こ れは他者 に対 して敬意 を表す こ と によ り一定の距離 を置いて人間関係 の内 と外 を 区別 したい, あるいは邪魔 を さ れた く はない と い う 気持 ちの表れなのであろ う 。 つ ま り, 仲 間内で使 う 「若者 こ と ば」 が非常 に親 しみのある砕 けた ものになっているだけに, その分他者 に対 し て は言語的な武装 を し なければな らない と い う 意識が働 く と考え られる。 以上のこ と か ら 「若者 こ と ば」 には, 伝達機能以上に若者た ち の人間関係 を維持す るた めの 社交的機能, すなわち 「交感的機能 (phaticcommunion) 」 *1) が認 め ら れ る。 現在, この よ う な若者 の言語生活は, キ ャ ンパス ラ イ フ において大 きな賑 わい をみせてい る。 ※1) イギ リ スの社会人類学者 Bronislaw K asper Malinowski ( 1884-1492) が作 り出した用語 で あ る。 通常 , こ れは伝達には直接関係のな い挨拶, 健康状態, 天候 に関す る儀礼的なや り と り な どの 人間関係 を維持す るための言語の機能を意味す るが, 本稿で は 「若者 こ と ば」 その ものにそ う し た 社交的機 能が認めれる こ と を述べた。 [参考文献] Crystal, David ( 1987) : TheCambridge Encyclopedia of Language. CambridgeUniversity Press NHK 放送文化研究所編 ( 1992) : 『NHK こ と ばのハ ン ドブ ッ ク』 日本放送出版協会 大野 晋 ( 1989) : 『 日本語の文法 を考え る』 岩波新書 金田一/ 林/ 柴田編 ( 1988) : 『日本語百科大事典』 大修館 柴田 武 ( 1987) : 『柴田武にほん ごエ ッ セ イ 1』 大修館 城生伯太郎 ( 1994) : 『日本語研究所』 日本実業出版 田中晴美他 ( 1988) : 『現代言語学辞典』 成美堂 中野 収 ( 1996) : 「若者像の変遷」, 岩波講座現代社会学第 9 巻 『ラ イ フ コ ース の社 会 学 』 岩 波 書店 所収 二 出川 直樹 ( 1995) : 「現代 ニ ホ ン語探検」 小 学館 土屋 道雄 ( 1992) : 『 日本語 よ ど こ へ行 く 』 日本教文社 鶴田 洋子 ( 1989) : 「こ と ばは生 き もの」 誠文堂新光社 劉徳 有 ( 1991) : 「 日本語の旅」 サ イ マ ル出版会 自由国民社 ( 1996) : 『現代用語の基礎知識1996』 ぽにーてー る編 ( 1994) : 『ポケベル暗号 BOOK 』 双葉社 (1995) : 『ポケベル暗号 BOOK 2 』 双葉社 266 洞 渾 伸 「岐阜大学 キャ ンパス こ と ば一覧」 この一覧では, ①表現, ②意味, ③用例, ④コ メ ン トの順であげてある。 なお, 記号 (C) はサーク ル 用語である こ と を意味する。 また, ④ コ メ ン トは, ①表現に対する学生自身の生のコ メ ン トであ り, 出 来 る 限 り そ の ま まの形 に し て あ る。 【あ】 [1] ①赤 じ ゅう たん (C) ②音楽棟の部屋の略称 ③ 「今 日の練習は赤 じ ゅ う たんでやる」 ④ ・ オーケス ト ラで使われる [10] ①イ ッてる/ いっ ち ゃってる ②正気でないこ と ③ 「ZZZ…よだれだ らー」 - 「あっ, い っ ち ゃ っ てる ! 」 ④ ・ 酒の席などで使われる ・ 部屋の特徴か ら きた もの [2] ①アシのある連れ ②車で 岐大に通 う 人, 自分で車を持っ てい る人 ③ 「ア シのある連れと今日は会わないから, クル マで 送っ て も ら えない よー」 ④パチ ンコ以外の娯楽施設がない岐大にお いてク ルマ を持つ友人の存在はと て も大切であ る [3] ①足がない ②車が出せないこ と ③ 「足がないから, 遊びに行けなかった」 ④使っ ている年齢層は思っ ていた よ り広かっ た [4] ①あずる ②AZUMA とい うパチ ンコ屋でパチ ンコ を する こと ③ 「 3 限あいたから, あずろ うぜ ! 」 ④いかにも岐大生である [5] ①~ で安定 ② と りあえず~ が妥当である, 無難である し ③ 「 次 の 授 業 休 講 だ っ て , こ れ か ら ど う す る ? 」 - 「まあ, ゲーセ ンで安定で し ょ う」 ④テ レ ビゲーム 「バーチ ャ フ ァ イ タ ー」 から発生 した こ と ば [6] ① ア ンプ ッ ト ② 「暗記」 十 「イ ンプ ッ ト」 ③ 「こ の単語ア ンプ ッ ト した ? 」 犬 ④ 「暗記」 と 「イ ンプ ッ ト」 を合わせて, よ りはっ き り と 頭の中に入れる こ と 【い】 [7] ①イ タ ベル ②いたず らの目的で相手のポケ ッ トベルをな らす こと ③ 「あれ, またこれイ タベルだ」 ④ と き どきやられる [8] ①いつポジ ②いつ ものポジシ ョ ンの略語, 「いつ もの待合い 場所」 の意 ③ 「 2 限終わっ た ら, いつポジで待ってるわ」 ④ ・ こ のこ とばは自分らに しか分からないが, 頻 繁 に使っ て いる ・僕 の友達の間で しか使われて いない と思 う ・仲 間の間で よ く 使 われる [9] ① 1食 ②大学生協第 1食堂の略 ③ 「 1食で本で も読んでるわ」 ④ 1階の食堂 よ り も, 2階の生協の売店 とい う 意 味が強い 二 ・ こ の世の もの と は思 え な い行動 を と っ た人を 見て使 う [11] ①一発 ② リーチ と なった次の週にツモる こ と ③ 「あの授業一発 きたぜ」 ④受ける気のな く なっ た授業なんかはこ う な りや すい 【う】 [12] ① う っ と う りい ② 「う っ と う しい」 の婉曲表現 ③ 「こんな う っ と う り いア ンケー トやっ て らんな い」 ¥ ④ 「う っ と う しい」 と直接言 う と強 く な っ て し ま う ので控 えめに言 う [13] ①裏スジ ②通るか通らないか分からない授業 ③ 「あの授業は裏ス ジだ」 ④麻雀をやらない と分からない 【え】 [14] ①エ グい ②かな り苦 しい, きび しい ③ 「○○先生のテス ト はエ グエ グだ よ」 -④な し 【お】 [15] ①オイルギッ シュ ② (顔や頭な どが) 油っ ぽい人やもののこ と ③ 「あの入って, 何かオイ ルギッ シュ だ よね」 ④なし [16] ①応化 ②工学部応用化学科の学生 ③ 「あいつは応化で, あいつは ドボッ キーだ」 ④な し [17] ①大垣まで行 く ② JR で寝過ご して大垣まで行 く こ と ③ 「今朝, l大垣まで行きそ う になっ た卜 ④まだやっ たこ とはない [18] ① オール ドラ ゴン ー ②浪人経験あ りで, なおかつ留年の人 ③ 「オレ実はオール ドラ ゴンなんだ」 ④先輩が 「オール ドラ ゴ ン友の会結成だ」 と言っ ていた [19] ①奥さん ② 自分の彼女の事を さす ③ 「う ちの奥さ ん, めち ゃカ ワイ イ んだって ! 」 ④ 「僕の彼女」 とか 「○○ ( 名前) 」 と か, 友達 の前で言 う のが恥ずか しい と き に恥ずか し さ を 当世 「若者 こ と ば」 の特徴 と機能 一 岐阜大学キ ャ ンパス こ と ば事情 1995/96 - 紛 ら わせ る言い回 しで ある [20] ①おこ るで, しかし… ②むかっ と きた と きに, シヤレで使う ③ 「あんたバカ じゃない ? 」 - 「おこ るで, しか し っ」 ④ ・ これは今は亡き横山やす しから由来しており, ダ ウ ン タ ウ ン に よ っ て はや っ て い る ・ フ レーズ にメ ロデ ィ をつけて繰 り返 し言 う場 合 もあ り , 一人が言い出す と , みんなで 歌っ て し まいた く な る よ う な誘惑に駆 られる ・歌い終わっ た ら 「ち ゃんち ゃ ん」 と言 う [21] ①おそろ ②おそろい( の略) ③ 「そのマ フ ラ ー私とおそろやん」 ④簡略化によってこ とばが軽 く なる [22] ①おちる ②コ ッ ク リ, コ ッ ク リ居眠りをするこ と ③ 「あの人, さ っ き, おちてたよ」 ④ 「居眠 りする」 よ り言いやすい [23] ①お泊ま りセ ッ ト 犬 ②下宿 している友人宅に泊まる時に必要最低限な 物のセ ッ ト ③ 「お泊ま りセ ッ ト持っていないから泊まれない よ」 ④毎 日持っ ている奴がいた らかな り恐い [24] ①おな中 ②おな じ中学 ③ 「おれはあいつ とおな中だ」 ④な し [25] ①鬼/ おにのよう な ( に) ~ ② ものすごい~ , すご く ~ ③ 「鬼のよ う な数」 「今 日, 鬼のよ う に寒いね」 ④ ・ 意味は通 じるけれど, 初めて聞いた と きには 驚いた ・ はっ き り言っ て他の人は使わないか も しれな いが, 私はよ く 使 う [26] ①おにむか ②非常にむかつ く ③ 「あの人, おにむか ! 」 ④高校の時流行 していて, 大学にも持ち込まれつ つあ る [27] ①おねむに入る ②授業中に寝て し まう こ と ③ 「あ, やベー, おねむに入 りそ う」 ④ねむい もんは, ねむい ! [28] ①おの球場 ②小野球場のこ と, 正門す ぐ前の広場 ③ 「おの球場でサッ カーやろ うぜ」 ④野球を しているのを見たこ とは一度もない, 野 球場なのに [29] ①おはよ ②その日の初めの挨拶 ③ 「○○ぢゃん, おはよ」 ④昼過ぎで も, 夕方で も使う [30] ①お見合いバス ( = [218D 横バス [31] ① (右に/ 左に) おれ (C) ② (右/ 左に) まがれ ③ 「そ この信号を右に/ 左におれ」 ④馬術部 しか使わない [32] ①終わってる ②最悪の状況にあって どう しよう もないこ と ③ 「明日のレポー ト もう終わったて感 じだ よね」 267 ④ ・ あ き らめる一歩手前のと にき使う ・ 使い方 を誤る と , 本当の意味の 「終わっ た」 と勘違い さ れる [33] ①音 1/2 ( オンイチ/ オンニ) ( c) ②音楽棟の部屋の略称 ③ 「今日の練習は音 1でやる」 ④オーケス ト ラで使われる [34] ①オンザ し ②前髪がまゆ毛よ り上 ( まゆ毛が見える) にある こと ③ 「前髪切った らオンザになっ ち ゃった」 ④な し 【か】 [35] ①隠れキリ シタ ン ②人には自分は勉強してない と言いつつ, 実は勉 強 しているこ と ③ 「どう してそんな難 しい計算で き る の ? 」 「さ て , お前ぱ 隠れキ リ シ タ ン ・ だ な」 ④このこ とばを言われた者は裏切 り者と見な され る [36] ①過去問 ②先輩から入取する過去の試験問題 ③ 「 ドイ ツ語の過去開手に入っ た ? 」 ④受験生であったかつての自分がこ れを使う と思 い 出 さ れる [37] ①カテイキ ョ ー ②家庭教師 ③ 「カテイ キ ョ ーやってる ? 」 ④ ・ 漢字で は 「家庭教」 と書 く ・ 「家庭教師」 をた っ た 1文字省略 しただけで, たい し て変わ ら ないのになぜか 「師」 の 1文 字 を使 わない と こ ろが不思議で た ま ら ない ・ こ れは全国一般 に通 じ る と思 う 。 [38] ①かのる ②加納屋 ( 仕出 し屋) の弁当を買いに行 く こ と ③ 「今からかのう ろ うぜ ! 」 ④観音様に行 く こ と と は違 う ので注意 [39] ① Cafe ( カ フ ェ ) (e) ②生協第 1食堂のこ と ③ 「今からカ フ ェ で昼食に し よ う」 ④ ・ サークルで使われている, 最初はどこか分か ら なかっ た ・最初何のこ とか分か ら なかっ た ・ は じめは 「昼は 1食, 夕方 か ら Cafe」 にな る と思 っ て いた け ど, ちが っ た [40] ①カ ラる ②カ ラ オケをするこ と ③ 「 1時からカ ラるで」 ④ ・ 昔は使っ た, 今はあま り カ ラ オケを しない ・ こ のこ と ばを使 う と , カ ラ オケ に行 く 前から ハ イ テ ン シ ョ ン に なれる [41] ①カ ラベル ②ポケ ッ トベルで, バイ ブ レーシ ョ ンだけで メ ッ セ ー ジが入 ら ない こ と ③ 「あれ, これカ ラベルだ」 ④特になし [42] ①仮駐 ②仮の駐車場 ③ 「今 日は仮駐に車とめて きた」 ④ ・ 大学の入口付近を流れている小川の北側の駐 車場のこ と ・ 南側にあるのが仮仮駐車場 [43] ①カ リ ガリ ( 仮仮) 268 洞 洋 ②仮仮駐車場 ③ 「カ リ ガリ に止めたよ」 ④わか りやすい [44] ①~ 関係 ②~ の こ と ③ 「あの人, 車関係, 詳 しい ら しい よ」 ④使い方がよ く分からないが, 芸能人がよ く 使っ てい る [45] ①カ ンペ ② カ ンニ ングペーパー ③ 「カ ンペ作った ? 」 ④ ・ 自分はしたこ とがない, 小さ な教室だ と使え な い ら しい ・ テ ス ト前 にな る と会話で よ く 飛び交っ て いる [46] ①ガジる ②カ レ ー屋ガ ンジーへ行 く ③ 「 2 限ないの ? ち ょ っ と, ガジ らん ? 」 ④ガンジーを身近に感 じる こ とがで きる 【き】 [47] ①気絶する ② 自分の意志に反 して寝る こ と ③ 「さ っ き, 一瞬, 気絶 しち まっ たー」 ④大学 よ り も高校で使う こ とが多かった [48] ① きれる ②はし ゃ ぐこ と, 怒るこ と ③ 「昨 日の飲み会で きれた」 ④こ の表現はめち ゃ く ち ゃ騒いだ気がする [49] ①岐大サーキッ ト ②岐大の中を環状に走る外周道路 ③ 「今 日のメ ニュ ーは岐大サーキ ッ ト 3 周」 ( 部 活動で ) ④昔, あの外周道路が ぐるっ と 1周で きた と き, 夜 にな る と 「走 り屋」 が集 まっ て こ の道路が サー キ ッ ト にな っ て いた ら しい [50] ①牛 し ばく ②吉野屋の牛丼を食べに行 く ③ 「牛 しばきに行こ ーぜ」 ④よ く 使う こ とばである [51] ① ぎゅる ②牛丼の吉野屋へ行 く こ と ③ 「今から ぎゅろ うぜ ! 」 ④おなかが減っている こ と と は違う ので注意 【く 】 [52] ① く ち ゃ く ちゃに ②滅茶苦茶に ③ 「お前, 人の事 く ち ゃ く ち ゃに言う なー ! 」 ④度合いが激 し く 思える [53卜① く っ ち ゃべる ②たむろ って, いろんな話をする こ と ③ 「ラ ウンジへ行って く っ ち ゃべろ う か」 ④ 2限な どの間の講義が抜け, 暇 している時に友 達 と 会 っ た と き な どに使 う [54] ① く ねる (C) ②ラーメ ン屋 く ねく ねにラーメ ンを食べに行 く ③ 「今 日, く ねろ うぜ」 ④ ・体を く ねらせるこ と と は違う ので注意 ・ よ く 使う ・ こ の こ と ばはこ の こ と ばを使 っ て い るサーク ルで し か通用 し な い ら し い [55] ①車出 し ②遊びに行 く と きな どの ドラ イバー ③ 「 じゃ , 負けた ら車出しね」 ④ ・ ドラ イバーの人, いつ も ご苦労様 伸 ・ ガ ソ リ ン代 もバ カ にはな ら な い も んね ・他大学の人には意味が通 じなかっ た 【け】 [56] ① けーつてけ ② 「帰れ」 と言う 意味 ③ 「お前 も う けーつてけJ 」 ④言われる と結構いやな ものである [57] ① ~ 系 ②特に意味はないが, こ とばの語尾につける ③ 「講義は, 今日は休講になった系」 ④ まっ た く こ のこ と ばには意味がな く , どんなこ と ばに もつ け る [58] ①ヶ るった ②負ける こ と ③ 「この前の ト ラ ンプの勝負, オレケるっ ち ゃっ た」 ④このこ と ばは 「負ける」 が少 しなまっ た もので ある [59] ①げー ② 「~ だ よ」 などのニュ ア ンス ら しい ③ 「すげー, ムカつ く げー」 ④耳障 り, で も岐阜弁ら しいの勘弁 してる [60] ①激~ ② とて も~ ③ 「このパン激マズ ! 」 ④ ・ よ く ない と思う ・ と にか く 使いやすい ・ た まに使 う こ と もある [61] ①撃沈する ②(イ) 気分的にや られる, (口) 授業中に寝て し まう こと ③ 「今 日, 撃沈 して し まっ た」 - 「え, まじー!?」 ④ 「ばく すい」 と同じニュ ア ンス [62] ①下宅生 ② 自宅生なのに下宿生のと こ ろ に寝泊ま り, また は転 々と す る人 ③ 「君, どこか ら通っ ているの ? 」 - 「俺は下宅 生」 ④ ・ 下宿生にと っては, 本当は邪魔なものである ・ 岐大生特有のこ と ば ら しい ・私の友人に もいる ・一番有意義な生活 を送っ て いる入っ て こ の人 た ち だ っ た り して [63] ①ケッ ト (get) する/ ゲッチュ ーする ②何かを手に入れる こ と ③ ( た と えば, お菓子が残っていて ) 「 こ れゲ ッ ト し ち ゃ っ て いい ? 」 ④ ・ た と えその行為が盗みで も, このこ とばだ と かわい く 聞 こ えて許せる ・応用が利 く ので よ く 使 う ・ 欲 しかった物が手には入ったと き 「ゲッチゴー」 と言っ て ガ ッ ツポーズ をす る と手に入れた実 感がわ く に】 [64] ①CoCoる ②カ レー屋 CoCo壱番屋に行 く ③ 「今から CoCo し よ う ぜ ! 」 ④コ コ ス ト ア ( コ ンビニ) に行 く こ と とは違うの で注意 [65] ①構力 ②工学部の専門科 目の 「構造力学」 の授業のこ と ③ 「明日は構力がある よ」 ④省略をする と軽い感 じがする 当世 「若者 こ と ぱ」 の特徴 と機能 一 岐阜大学キ ャ ンパス こ と ぱ事情 1995/96 - r66] ① こ われる ②(イ) 行動や言動がおか しい こ と (口) 笑いす ぎの人 ③ 「ねえ, 0 0 ち ゃん最近こ われている よね」 「ゲラ ゲラ ゲラ ゲラ ー」 - 「あ, こ われて る」 ④ ・ 私 も よ く こ われてい る と言われる し, 自分で もよ く 言 う ( 自分のこ と を) ・ こ の表現 は笑いのっ ぽにはまっ て泣 きなが ら 笑っ てい る人 を見て使 う [67] ①個 P 練 (c) ②パー トのリ ーダーと 2人き りで練習するこ と ③ 「今 日, 個 P練やるから練習 しておいてね」 ④サーク ルの子以外で は絶対に通 じない [68] ①コ ンプロ ②工学部の専門科 目の 「コ ンピュ ータ ー ・ プ ログ ラ ミ ング」 の授業のこ と ③ 「コ ンプロの課題 もう やった ? 」 ④自分はこ の軽い感 じがあ ま り気に入 らない [69] ① コ ピる ②ノ ー ト, プ リ ン ト をコ ピーするこ と ③ 「このノ ー ト コ ピらせて ぐれん ? 」 ④ ・ と にか く コ ピーする とい う こ とがよ く 分かる ・ 人が言 う のはいい けれ ど, 自分で は使 え ない ・ テ ス ト前 にそ こ ら じ ゅ う で使われている ・ わけわか らん, 若者 こ と ばは乱れておる ・ 略語 なので便利です ・ 自分で は使わないが, 言いやすい表現だ と思 う ・ 試験期 間中限定語 ・ 「コ ピーさせて」 よ り短 く て使いやすい ・ ただ単に短 く して言っ ているだけである ・ よ く ノ ー ト を も っ て かれる [70] ①合練/ ゴーレン (c) . ・ ②各パー トが全部集ま り, 合同で練習する こ と ③ 「今日の合練は最後を重点的にや り ます」 ④サークルの子以外では絶対に通じない [71] ① 5 ヵ 年計画 ② ・大学を 5年かけて卒業するつ も りである こ と ・ 「 1年留年 しそ う 」 の意 ③ 「あの子単位大丈夫なの ? 」 - 「あー, なんか 5 ヵ 年計画 ら しい よ」 ④ ・使用する者は限られている ・ 旧ソ連の経済政策の名前を と っ ているが, 深 いつ な が り はな い ・ 5年 目に入っ た りする と, 「 6 ヵ 年計画」 な どと言 っ た りす る ・本気で そ う す るつ も り なのかは分か ら ない 【さ 】 [72] ① さ く さ く っ と/ サクサク ~ する ②(イ) 簡単に~ する, (口) 何 も迷わずに~ する ③ 「お まえ宿題サクサクやれよ」 ④ ・大学にきて初めて聞いたこ とば ・ こ のこ と ばはサーク ルの先輩がよ く 使う ので, サーク ルの人は使 う け ど他の人は多分あ ま り 使わない と思 う ・ リ ズ ムが よ い [ 73] ①サクる ②サーク ル K に行 く ③ 「どこ行 く ? 」 - 「ち ょ っ と, サク ろ う か」 ④サークルK を身近に感 じるこ とがで きる [74] ①さ く れつ( 咋裂) 上 ②怒りなどをまき散らすこ と, 「テ ンシ ョ ンの高 さ」 な どが限度 を超 えて いる こ と 269 ③ 「あいつ, さ く れっす る と こ えーから速攻あや まっ た よ」 ④ ・ この表現は 「怒 り」 などの状態を示す語が省 略さ れる場合が多い ・ 状態の強烈 さ を表現す る こ と がで きる [75] ①サッパリ ②全 く 分からないこ と し ③ 「今 日のテス ト, サ ッパ リ やー」 ④全 く 分からない こ とがこ の表現 よ り分かる [76] ①サテ ィ アン ②工学部の研究室を言う ③ 「○○先輩, サテ ィ ア ンで実験 している ら しい」 ④応用化学科の実験室が, ある宗教団体の第 7サ テ ィ ア ンに似 て い る か ら ら し い [77] ① さ むさ む ② 「さ むい」 を強調 して言っ ている ら しい ③ 「今 日, 雪だなー。 さ むさ むだ」 ④ ・ 友達がよ く 使う ・ 形容詞な ら何で もいい ら しい ( 例 : 「こ わこ わ」 ← 「こ わい」) [78] ① さ むい ②つ まらない ③ 「お前のギャ グさ むいぞ」 ④こ う言われた ら結構シ ョ ッ クである [79] ①サヨ ナラ状態 ②にっ ち も, さ っ ち も, どう にもな らな く なった 状態 ③ 「 ドイ ツ語 と政治学, サ ヨ ナラ状態や もん」 ④まさ に, サヨ ナラする しかないが, まだ死亡は して ないので, 多少, ま しである [80] ①サボサボする ②授業をさ ぼる ③ 「今日の1限, サボサボし よう」 ④ 「ブ ッチする」 なんて聞いたこ とがない [81] ①30分ルール ②30分以内に先生が授業にこ ない と 自動的に休講 にな る とい う ルール ③ 「30分ルールで休講だ」 ④あま り実際は起こ らない 【し】 [82] ①シカ トする ②無視するこ と ③ 「あいつはシカ トだ」 ④キツイ こ とばである [83] ① し く る ② ミ スをするこ と ③ 「テス トの1番の問題を し く っ た」 ④ ・ 「 し まった」 と 「 し く じっ た」 の合成語であ る と 思 われる ・通常は過去形で 「 し く っ た」 とい う よ う に使 う [84] ① しける ②失敗する, つまらない ③ 「あ ! しけた ! 」 「 しけた事言う な」 ④失敗する とい う意味で よ く 使う [85] ①死亡/ 死んだ ②だめになるこ と, 単位を落とすこ と ③ 「物理 と社会学は死んだ」 ④まさ にだめになった, とい う感 じがする [86] ①車校 ②自動車学校 ③ 「今日, 車校へ行 く ? 」 ④ ・ これは全国で通じる と考えている人が多いけ 洞 270 滓 れ ど, じつ は岐大で しか通 じ ない ・ 他で は自校 な どと言 う ら しい ・ 「 自動車学校」 と長 く 言わないで もすむので 使 いやすい [87] ① シャ ネラー ②シ ャ ネルで身を固めている人, シ ャ ネルにこ っ てい る人 ③ 「つん く っ て, 男には珍 し く , シ ャ ネラ ーなん だっ て」 ④一般 にシ ャネ ラ ーは女性 に多 いが, シ ャ乱 Q のつ ん く は男 のシ ャ ネ ラ ー と し て有名 [88] ① シャ ミ る/ し ゃみる ② う そ をつ く (真面 目な もので はな く , す ぐわか る笑える ウソ ) ③ 「彼, 学校にも来ないのに後期のテス ト全通だっ て」 - 「そんなのシャ ミ だっ て」 ④ ・ 一時サーク ル内ではやった ・ 初 めて聞いた と き, 何の こ と だか分か ら ない ・今 も よ く 由来が分か らない [89] ① JRer ( ジェ イ アーラ ー) ② JR を利用 して岐大へ通う人 ③ 「君は, JR ? , 名鉄 ? 」 - 「おれは JRer だ よ」 ④名古屋一岐阜間を新快速は18分で走る こ とが自 慢 [90] ① じこ ちゅ う ②自己中心的な人 ③ 「○○つて じ こ ち ゅ う やね」 ④血液型が B型の友達の事 を言 う と き に よ く 出 伸 【す】 [96] ①スワッ ピング ト ②カ ッ プルが別れる こ と ③ 「あいつ らスワッ ピングだな」 ④テ レビ番組 「ねる様のふみえ」 で よ く 使われて いる [97] ①ず り さ げ君 ②ズボンを下げてはいている人のこ と ③ 「いやー, かっ こいいね, ず り さ げ君並みに」 ④今頃になってなぜか大学内で見る よう になった のでこれは多少皮肉を込めて使う 【せ】 [98] ①~ 星人 ②~ にあてはまるマニア, ~ をた く さ ん持ってい る人 ③ 「ガムガム星人 ! ガムを く れい ! 」 ④親 しい間の人でない と使われない [99] ①ゼツイ ②サイ コ ー ③ 「お まえは, ゼツイ」 ④正確な意味はよ く 分からない [100] ①全損 ヽ ②事故な どで車を使えな く なる まで壊す こ と ③ 「事故るなら全損にして よね。 保険でなおすに も一部損壊だ と ガ タ が く るか ら」 ④聞き慣れないこ とばのため, 聞き取れないこ と があ る [101] ①全通/ ぜんつう/ 全つー ②すべての試験の科 目の単位 を と る こ と, テス ト る こ とば が全部通る こ と ③ 「工学部の電情は全通する人が 6割だって」 ④ ・気持ちのよい ものである ・ 単なる 「全部通過」 の略だ と思 う ・ こ のこ と ばは単位 を多 く 落 と した人の前で は [91] ①事故る ②その ままの意味 ③ 「今 日, 車で事故 りかけた」 ④ ・ 「事故にあ う」 の短縮表現 ヽこ のこ と ばはけっ こ う みんな使 っ ている ・ あ ま り使い た く ない [92] ① 自主休講 ②勝手に講義 ・ 授業を さぼる こ と ③ 「今 日, 3 限ないの ? 」 - 「う ~ ん, 自主休講」 ④ ・ 一度する と病み付 きになるそ う です ・ た んに授業 を さ ぼる と きに使 う こ と ば ・ 「休講」 と い う こ と ばが入っ てい るので何 と な く 聞 き流 している と , 本当に休講になっ た よ う な錯覚がおこ る ・ 一部の人が使 う こ と ばで あ り, 岐大生の共通 用語で はない と思 う ・ 個別科 目を よ く 自主休講 し ま し た。 ごめんな さい [93] ①ジモ ピー ②地元の人 ③ 「さすがジモ ピー」 ④ よ く わからない [94] ①ジャ ンボ ・ エ ンチ ョ ー ②授業が滅茶苦茶延長になる こ と ③ 「 5 限, ジャ ンボエ ンチ ョ ーさ れてバイ ト に遅 使用 を禁 じ られて い る ・ お れはまだ使 っ た こ と がないので , 言 え る よ う にな り たい ・前期は 1 コ 落 と し ま した。 後期 は全通 目指 し て がん ば り ます [102] ①全然いい ②とて も良い, す ご く 良い ③ 「この髪型変 じゃない ? 」 - 「う う ん, 全然い い よ」 ④ ・ 岐大だけではな く , 全国どこで も使われてい るようだ ・初め聞いた と き抵抗があっ たが, 今で は自然 に使 う よ う になっ ている 【そ】 [103] ①速攻/ ソ ッ コ ウで ~ する ②す ぐに, 急いで ③ 「今 日5時からバイ ト だから, ソ ッ コ ーで 帰 る わ」 ④ ・ 「急いで」 と言う よ り も, 急 ぐとい う感 じが でる ・ なん と な く 急いで いる雰囲気 をか も し出 して れち ゃ っ た よ」 ④語源は岐大のす ぐ近 く にあるホームセ ンタ ーの 「ジ ャ ンボ ・ エ ンチ ョ ー」 か ら [95] ①ジャ ンる ②マージャ ンをする こ と ③ 「今 日, 授業終わった らジ ャ ンる ? 」 ④マージャ ンをする人がよ ぐ使う いる 【た】 [104] ①態度 LL ②態度が大 きいこ と ③ 「あの先生, 態度 LL じゃない!?」 ④高校の時初めて聞いた, 婉曲的な感じ を受ける [105] ① タ クる ②タ ク シーに乗る 当世 「若者 こ と ば」 の特徴 と機能 一 岐阜大学キ ャ ンパス こ とば事情 1995/96 - ③ 「今 日, 授業に遅れそう になって, タ クつちゃっ た」 ④かな り使いやすいが, 意味が通 じない時もある [ 106] ①闘って く る ② ト イ レで大 きい方へ行 く こ と 大便 を して く る と きに使 う ③ 「ち ょ っ と俺闘って く るわ」 ④友達が使っていたが 「かな り強敵だっ た」 とか 「激 しい闘いだ っ た」 と かの応用例 も あ る ら し [107] ①タメ [109] [110] [ 111] ね」 ④ これは形容詞 [112] ①ダブる ②留年する こ と ③ 「このままだ と ダブ りそー」 ④ ・ 関係のない人が多い ・ いやな こ と ばで ある ・ で きれば使いた く ない [113] ①ダブル ドラ ゴン ② 2年留年するこ と 十 ③ 「あの人これでダブル ドラ ゴンだぞ」 ④こ こ まで く る とわざと留年 している と しか思え ない [114] ①だべる ②仲間内で世間話をするこ と ③ 「次の授業休講だからラ ウンジでだべっ と ろー - か」 ④世間一般で も使われている と思うが, 暇つぶし の感 じが強い [118] ①ち ょー~ ②非常に, 大変~ 卜, ▽ ③ 「昨 日さ ー, ボキャ天見たんだけ どさー, もー, こつ ・ ・ 主にばか ら しい こ と に使 う し ・ 「ち ょ ー」 は, 少 し前 に 「超~ 」 と い う のが はやっ た が, それを馬鹿にす るために使 う [119] ①チ ョ ツ ②他人に物 をせびる と きに使う ダ ③ 「たばこ チ ョ ツ」 ④たばこ一本など, ち ょ づと した ものを人からせ びる と き に使う [120] ①ぢもティ ー ②自宅通学者のこ と ③ 「下宿 ? 通い ? 」 一丿 ぢ もティ ーだ よ」 ④長距離通学者はたいへんねむい 【つ】 [121] ①使えゐ 卜 づ ②便利, 都合がいいこ と ③ 「シャープペン貸して」 - 「 1本 しか持っ と ら ん」 - 「お前, 使えんやつだ なー」 ④例みたい に否定形を よ く 聞 く [122] ①つまむ ②マージャ ン をする ③ 「今からつ まんどく ? 」 ④軽い誘いに使える [123] ①つよぞう ( → [219] よわぞ う ) [124] ①ツモる ②授業の出席 日数が足 りな く な り, 受験資格を失 うこと ③ 「あの ドイ ツ語ツモ つち ゃっ た。 昨 日で も う 4 回休ん じ ゃ っ たか ら」‥ ④ ドイ ツ語で はないが, 他の授業でつ もった もの がい く つ か あ り ます ご [125] ①つ もる し ②混み合っ ていて狭い ③ 「今 日のバスつ もっているね」 ¥ ④友人の方言 (岐阜) ら しいけれ ど, 感覚的によ く 分から な い [126] ①津田倫 十 ②津田先生の倫理学の授業 ③ 「津田倫は全然通らんで取るのよそ うぜ」 ④ ・誰で も使っている り栗田倫理 と言 う 人はいない 「チ ェ イ サー ! 」 ④幸せいっ ぱい, 夢いっ ぱいの表現である [116] ①チ ャ ッチい ②あま り よ く な く , ばかにする と き使う ③ 「僕の時計は性能が悪 く て, チ ャ ッチいよ」 ④すでに日常化 してしまっているので感想やイメー ジ はわか な い ー ち ょ っ と オーバーな気がす る し, ご頭が悪そ う に も見 え る ④ ・ 「ち ょ ー」 と発音は平坦に憎 ら し く 言う のが ②同い年の子 ③ 「彼 らはタ メ 年 ( ドシ) なんだって」 ④何 とな く いい感 じがする ①タマ ラ ンチ会長 ②本当にたまらない と きに使う ③ 「それって, たまらんめ じゃない ? 」 - 「いや, も う , タ マ ラ ンチ会長です よ, こ こ まで く る と」 ④馬鹿にされるのを覚悟で使う , 捨て身のせ りふ ①旅に出る ②物が紛失する こ と ③ 「気に入っていた ピアス, 旅に出ち ゃった」 ④あたか も物に意志があっ て, 足が生えて 「みず から歩 き去っ て し まっ た」 とい う よな事態 を茶 化 した表現 ①代返/ ダイヘ ン ②授業で欠席者の変わりに返事をする こ と ③ 「次の授業代返 しておいて」 ④ ・ 自分は決して したこ とがない ・顔 を覚え られて いる と使えない ①ダサい ②かっ こ悪い, 古 く さい, むさ苦 しい ③ 「あの人のかっ こ う すご く ダサい ( ムサい) よ 【ち】 [115] ①チェ イサー ! ②やったね ③ 「今 日の テ ス ト で き た ? 」 - [117] ①ち ょ う/ 超~ ② とて も, す ご く ~ ③ 「わかっ て ますって, 超 OK つすよ」 ④ ・ よ く使う ち ょ ーす ご いっ てあれ」 い [ 108] 271 [127] ①ヅラ ②かつ ら, 不 自然な髪, いつ も と違 う髪型 ③ 「あれっ ! ヅラ じゃん。 ス トパ ( = ス ト レー ト パーマ) かけたの ? 」 ④かつらをあから さ まに面白かってからかっ てい る印象があ る 【て】 [128] ①てい うか~ ②相手の言っ たこ と を否定 して, 自分の意見を言 う と きに使 う ③ 「ていう か, 俺の方が頭良い よね」 洞 272 渾 ④使っ ている 自覚がないのに, 使って しまってい る 自分が悲 しい [ 129] ①~ て感じ ②~ と い う 感 じである, 気がする ③ 「あいつ, ムカつ く って感じ」 ④ 「超」 と同様, 頭が悪そ う で ある [130] ①テツ ②徹夜で勉強する こ と ③ 「 きのう , テツ した よ」 ④がんばって勉強 した という気持ちが込められて いる [131] ①テツ カラ ②徹夜 で カ ラ オケをする こ と ③ 「 きのう , テ ツ カ ラ だっ た よ」 ④聞しヽたこ とがあるだけで, 本当にみんなが使っ て い る かは不明 [132] ① デイ リ ーつて く る ②デイ リ ース トア に行っ て買い物を して く る ③ 「今からデイ リ ーつて来るけど, 何かほしい物 ある ? 」 ④ 「 コ ンビニ, フ ァ ース ト フ ー ドの店名十っ て く る」 の表現形式で使 う [133] ①デビ ュ ーする/ している ⑩ イ) 一人だけ目立っ た り, ち ょ っ とずれた こ と を やる こ と (口) 少々奇怪で , おか し い人の こ と ③ 「 う わう わー, お まえ, デ ビゴー して るわ」 ④ ・ こ の表現はいい意味で はな く , 悪い意味で使 う ・ 感覚的な表現なので難 しい [134] ①デ リ る ②デイ リ ース ト アーへ行 く ③ 「こ れからデリ る とするか」 ④ ・ よ く 使う こ とばである ・ 文字通 りの 「毎 日」 で はないが, よ く 行 く 【と】 [135] ① と う ひる ②テス トか ら逃げてゲーセ ンに行 く こ と ③ 「き ょ う の ドイ ツ語だけど, と う ひろ う よ」 ④ こ の こ と ばは僕 と友人の二人 しか使っ てない [136] ① と く い ②能がないこ と ③ 「本 当にお前 と く いな あ」 ④たぶん 「特殊ク ラスの」 の特殊が語源ら しい, つ ま りお前はそれ く らい最悪だ と い う す ご く 差 別的 な ひ どい こ と ば [137] ①突撃する ②帰 り の混雑 したバス停でなんと してで も乗ろ う と し て押 し寄せ る こ と ③ 「突撃しろ一 口 ④後ろ から押 さ れる と, 結構痛い [138] ①留 ・ 福留 ②留年する こ と ③ 「俺 さ あ, 大学で留 ・福留 し ち ゃ っ た よ」 ④ ・ 「留年」 とい う こ とばは重いので, 「留 ・ 福 留」 と あえて関係のない 「ズームイ ン朝」 の 顔 と もい える福留氏 を出す こ と によっ て ラ イ ト 感覚 にさせて いる ・現代のこ と ばは常 にラ イ トへ と傾 き続けてい る ・ H す る と い う の も , そ の一例 で はな い だ ろ うか [139] ① ドコ モ リ ア ン 伸 ② Docomoのポケ ッ トベルを使っている人 ③ 「あいつは ドコモ リ ア ンだ」 ④ 「テ レメ ッ星人」 に対抗 して 自分で考えた [140] ① ドタ ギャ ン ②直前になって約束事をキャ ンセルする こ と ③ 「今 日のコ ンパいいメ ンバー じゃないから, あ いつ ド タ キ ャ ン しやが っ た。 人数がた ら ん じ ゃ ないか」 ④な し [141] ①土手駐 ( ドテチュ ウ) ②校外の川の向こ う側にある空き地に車を とめる こと ③ 「車どこ においてあるん ? 」 - 「土手駐 してあ る」 ④ ・ 車を買えば自分も利用する と思う ・ あそ こ は学校の土地 なのだ ろ う か, と た まに 思う ・ ち ゃ ん と駐車許可証 を も らい ま し ょ う ・ 見つかっ た ら学生証 を没収 さ れる [142] ① ドボカー/ どぼかー ②工学部土木工学科の学生のこ と 卜 ③ 「ねえ, ドボカ ーに誰か知 り合いいない ? 」 ④ ・ 言いやすい ・ 呼びやすい 十 [143] ① ドボッ キー ②工学部土木工学科の学生のこ と ③ 「土木工学科1年の○○です」 - 「わあ, ドボッ キーだ ! 」 ④ ・土木工学科の学生に対する差別用語ら しい ・ イ ンパク トが強 く , 覚 えやすい ・ 学科 を言 う と きの略, 土木の人は ドボカ ーと 言っ て い る みたい [144] ① ドラ ゴン ②留年のこ と ( ドラ ゴ ン→龍→留) ③ 「実験落と した。 オ レ ドラ ゴンだ」 ④ こ う はな りた く ない ものである [145] ① ドロ駐/ どろ ち ゅ う ②(イ) 下が土の駐車場, 校内の本来は駐車場で な い泥の広場 に車 を と める こ と (口) 柳戸会館北側の舗装 さ れて い な い駐 車場の こと ③ 「今 日は置 く と こ なかっ たから, どろ ち ゅ う に と めた」 ④ ・駐車場の進入ゲー ト は作るのはやめてほしい ・ ゲー トがで きる と , こ のこ と ばを使 う 人はか な りヘルで し ょ う ・初めの頃は, そ こ は駐車場だ と思 っ て いた ・ 見つ かっ た ら学生証 を没収 さ れる ・ 下がアス フ ァ ル トの駐車場 には使用 し ない ・ こ こ は車の止め方が 自由だか ら, た まに出ら れな く な る こ と があ る ・構内の駐車場がだめなので外 にする ・ 私は車がないので使い ません ・ こ の駐車場は雨や雪が降る と泥だ らけになっ て し まい, で きれば入 り た く ない [146] ① どろ どろ駐 ②学校の外の駐車場 ③ 「今日はどろ どろ駐に車がとめてある」 ④な し 【に】 [147] ①にけつ ② 自転車の二人乗 り ③ 「にけつ してい こ う 」 当世 「若者 こ と ば」 の特徴 と機能 一 岐阜大学キ ャ ンパス こ と ぱ事情 1995/96 - ④な し [148] ① 2食る ②大学生協の第 2食堂で食べる ③ 「今 日は, 2食るか ! 」 ④ ・ かな り使いやすいが, 意味が通 じない と き も ある ・ 2食はセ ッ ト メ ニューも多 く , 教養部から近 く て 便利だ ・腹 が減っ た と き に よ く 出て く る言葉 [149] ① 2号 く ん ②毎 日バ イ ト をする人のこ と ③ 「今 日もバイ トだ」 - 「お前 2号 く んだなあ」 ④体 と単位をけずっ てバイ ト をする 【ね】 ノ [150] ①ねたおす ◇ ② ・ 起 き な く てはいけないのに, 寝続ける こ と ・ 寝過 ご し て 時間に間に合わな く な っ た り , さ ぼっ て し ま う こ と ③ 「昨 日, てつやで今 日の1限寝倒 しち ゃっ た」 ④ ・ あ ま り自分で言いた く ない言葉だ と思った ・ 自分 のまわ り で はよ く 聞 く [151] ①ノ ーベ ン ②NO勉 強の略, つ ま り勉強 して ないこ と ③ 「今 日の化学のテス ト ノ ーペ ンだよ」 ④ 「濃勉強」 の略の濃勉では意味が逆になって し まう ので注意 [152] ①ノ リ ノ リ し ②気分が最高調であるこ と表す ③ 「今 日ノ リ ノ リ じゃーん, 杉浦 ! 」 - 「んー ? 」 ④自分 もノ リ ノ リ になる 【は】 [153] ①ハイ ②気分が明るい状態にある こ と ③ 「今 日はすご く ハイ だね」 ④ 「ブルー」 の逆 [154] ①~ はいってる( 入っている) 二 ②~ の( よう な)状態である ③ 「今 日, ち ょ ーブルー入って て さ ー」 ④ 「ブ ルーなんだ」 という よ り 「ブルー入ってる」 の方が何 らかの外的要因によってその状態になっ た と い う 印象が強い [155] ①ハコ る ②マ ージ ャ ンでハ コテ ンになる こ と , つ ③ 「あーあ, ハコ つて しまっ た」 ④な し [156] ①はし る ②言動が言い過ぎていた り, はめを外 しす ぎる こ ,と ③ 「お まえ, 今, 走っ ているね」 ④音楽の演奏で規定の速度よ り早 く 演奏す るこ と に由来する [157] ① ( ~ の) 発言権を封 じる ②相手が不愉決なこ と を言っ た と き, 「 も う し ゃ べ る な」 の意味で用いる ③ 「また く だ らないこ と を言っているな。 もう君 の発言権を封 じ るぞ」 ④ ・ と りあえず友人がいつ も使っ ている ・ 他 に も使 う 者がい るか どう か不明 ・ 冗談 と本気 を併せ持っ ている [158] ①はばち よ ②のけ ものにする, される ③ 「お れだけ今 日はばち ょやー」 ④こ のこ とばの響 きが好きである 273 [159] ①ハマる/ はまる ⑩ イ) 厳 しい先生の授業を知 らず に取 っ て し ま う こと (口) 何かに夢 中にな っ て し まい, そ の こ と か ら 抜 け出せ な く な る こ と ③ 「あの先生の授業はハマ りやぞ」 「私, 今○○にはまっ ち ゃ ってて さ ー」 ④そのはまっ た対象が相当好きな ものである こ と を言 う のに適 している [160] ①ハモ る ②ハーモニ を とって歌う , こ とばを発する ③ 「今, ハモ つたね !!」 ( 会話中) ④会話中に同時に同じこ とばを発した と きに使う のだが, 男 と女がハモ る と響 きが よい [161] ①爆睡先生 ②爆睡している人のこ と ③爆睡 している人が 目を覚ます と, その人に対 し て 「爆睡先生, おはよ う 」 と言 う ④ ・ 「爆睡 ( バクスイ )」 は思いっ き り寝る こ と ・ 授業中に居眠 り を し て い る人に対 して使 う ・ テ レ ビ コ マ ーシ ャ ルの 「バク ス イ先生」 に由 来す る ら し い [ 162] ①バグる ②機械などが壊れて変になるこ と ③ 「こ のCDラ ジカ セ, バグつて る」 ④完全に壊れた と きは使わない [163] ①バ ッ ク/ ばっ く れる ⑩イ) 様々なこ と を さ ぼる (口) 約束 を破 っ た り, 授業 を さ ぼる こ と ㈲ 集団で行動 して いる と き に 1 人 また は数人 で みんな に気づ かれない よ う にいつの間にか いな く な る こ と ③ 「今日の 1限の ドイ ツ語バッ クれようかー」 「今 日の約束バ ッ クれち ゃえ」 「みんな と いて もつ まんないか ら, バ ッ ク れて どっ か遊びに行 こ う か」 ④ ・ 「さ ぼる」 と言っ た方がわかりやすいかも し れな い ・ 自分で は使わないので, よ く 分か らない ・ 語源は分か ら ないけ ど使 う [164] ①バサる ②腹が痛いこ と ③ 「お前, 今 日バサつと る ? 」 ④自分自身このこ とばについて よ く分からないが, どう もゲームの 「ボ ンバーマ ン」 が起源 ら しい [165] ①バ リ る ②マク ドナル ドでバリ ュ ーセ ッ ト をたのむこ と ③ 「今日は金欠だからバリ ろ うぜ」 ④ ・ とて もお値打ちである ・ 他に 「チ ャ ンポる」 ( チ ャ ンポ ン を食べ る こ と) な どがある [ 166] ①ばん ②ラ ーメ ン屋 「サ ッ ポロ ラ ーメ ン21番」 のこ と ③ 「ばん行こ うぜ ! 」 ④サークルの先輩から聞いて, 行 く と きはいつも 「ばん」 と言っ ている [167] ① ( 一撃で) パッ ト ンする ② 1回でだめにな る こ と ③ 「一撃でパ ッ ト ン した……」 ④この表現はパッ ト ン戦車が一撃で敵を粉砕する こ と に由来 して い る と 思われる [168] ①パーレ ン ( = [ 178] P練) [169] ①パク リ 洞 274 渾 ②何か を相手に黙って まねる こ と, 情報の悪用 ③ 「こ のレポー ト.の内容, オ レのパク リだ ろ う」 ④絵や小説, マ ンガな どで よ く 見る明らか に他人 の ま ね と 思 え る も のに用 い る [170] ①ぱく る, パク る ( かつる ? ) ②人の物を盗む, 「ぱ く られる」 で 捕 まえ ら れる の意味 もある ③ 「お前 ! 人の物をぱく るなよ ! 」 ④ ・盗む, と る という使い方よりも今は自然に使っ ている ・語源はよ く 分か らないが, 若者こ と ばの代表 的 な ものの一つ だ と思 う ・ よ く 使 う け ど, 意味ぴっ た りの表現だ と 思う ・ 受 け身で使 う こ とが多い ・ 盗 んで ないが, ただ持 っ て きた と き も使 う ・ 基本的には盗むこ と だが, 人の ものを 本 人の 前で持 っ て い こ う とす る よ う な冗談めか した 場合に も用いる [171] ①パス ② さ ぼる こ と ③ 「今 日, 全部パス」 ④ 「さ ぼる」 という よ り聞こ えがよい [172] ①パギる ②著 し く 服装がおか しいこ と ③ 「あの人, パギつている よ」 ④このコ トバを使う 人も, たいていパギつている と思 う [173] ①ぱち る, パチる ⑩ イ) 物 を と っ て く る こ と ( 無断借用) (口) 物 を盗むこ と , 万引 きす る こ と ③ 「駅にチャ リ置きっぱな しにしたらパチられちゃっ て さ ー」 「俺 こ の本屋でバ イ ト して んだけ ど, パチ るな よー」 ④ ・ 友人がよ く 使う ので, 自分にもだんだんうっっ て きた よ う に思 う ・ 「盗む」 「 と る」 よ り も軽い印象を受ける ・ 出身地によっ て 「パ ク ル」 「ペ チ る」 と も言 う [174] ①パチる ②パチ ンコ をする ③ 「今 日, パチろ うぜ」 ④パチ ンコ をする [175] ①パニ ク る ②パニ ッ ク になる ③ 「テ ス トが多 く てパニク つてる よ」 ④あせ っ て何 を した らいいのか分からない と き使 う 【ひ】 [176] ① ビニベ ン ②コ ン ビニのお弁当 ③ 「今 日のお昼 ビニベ ンに し よ う」 ④な し [177] ①びびる ②非常 に驚 く こ と, びっ く りする こ と ③ 「 も う , お どかさ んで よ, びびっ た じゃ ん」 ④とて も言いやすいと思う [178] ① P練 ( ピーレ ン) (C) ②パー ト ご との練習 ③ 「今 日のP練は1 : 30からです」 ④サーク ルの子以外で は絶対に通 じない [179] ① ピヨ る ②気絶する こ と 伸 ③ 「今日は, 疲れていて もう ピヨ りそ う だ」 ④ ・ テ レビゲームの 「ス ト リー ト フ ァイ タ ー」 に 由来す る ・ 友達が使 う だけなので, 全然みんな は知 らな い と思 う ご [180] ① ピロる ②ピロテ ィ 一に集まる こ と ③ 「○○時にピロテ ィ ーで集まる」 ・ ヽ ④な し [181] ① ピロ ピロ ②ピロテ ィ ーのこ と ③ 「お昼 ピロ ピロで会お う ね」 ④たぶん私や私の友人の間で しか通 じないだろ う 【ふ】 [182] ① フ ァ ミ レス ② フ ァ ミ リ ー レス ト ラ ン ③ 「あの人, フ ァ ミ リ レスでアルバイ ト してるっ て」 ④特にな し [ 183] ①ふける ②さぼる こ と, 途中で帰るこ と ③ 「今日の個別, プ リ ン トだけもらってふけよう ぜ」 ④ ・ 聞いたこ とがあるだけで, 本当にみんなが使っ て い る かは不明 ・ 自分 はよ く やる ・ よ く わか ら ない ど, 悪い こ と を し て い る感 じ がする ・ た ま にや り た いです ・ あ ま り よ く ない こ と だ と思 う [184] ① ブチる ②バイ ト な どの予定を 自分の都合で強制的にキャ ンセ ルす る こ と ③ 「今日なんか疲れたからバイ ト ブチろ う かな」 ④ ・ 俺はバイ ト命ですか ら, ブ ッチする なんて し ませ ん ・ バイ トの 日で はないのに, 仕事 し に行 ぐこ と を 「逆ブ ッ チ」 と言 う [185] ① プク イチ ②イ ッ プク ( たばこ を吸う ) するこ と ③ 「疲れた, プク イチするぞ」 ④何かの漫画で見たこ とがある [186] ① プ レ ッ シ ャーをかける ②他人に心理的圧迫をかける こ と ③ 「食う と こ ろねえで, プ レッ シャーかけと こ う ぜ!」 ④ ・ 食堂が混んでいて時, 人が食べている と ころ のす ぐ後ろ や横で囲むよ う に して立つ こ と ・逆 に自分が食べてい る と きは 「プ レ ッ シ ャー をかけ られる」 言う [187] ①ぷよ らー ②テ レビゲームの 「ぶよぶよ」 をするひと ③ 「ぷ よ らーた る者, 9連鎖はあた り まえ ! 」 ④ ・ あ く まで も 「ぷよらー」 と平仮名をイ メ ージ して発音 す る ・ カ タ カ ナは不可。 [188] ①ぶるーになる/ ブルーはいる ( 入ってる) ②憂誉になる, 落ち込んでいる こ と ③ 「今 日いやなこ とがあってめちやブルー」 ④ ・ 非常に難 しい心理的状態を簡単に表現で きる ・ ハ イ テ ン シ ョ ンの逆 ・ こ と ばで意味が想像 しやすい ・気分 を色にた どえて嫌な感 じ を さ ら り と表現 当世 「若者 こ と ば」 の特徴 と機能 一 岐阜大学キ ャ ンパス こ と ば事情 1995/96 - して い る ・ 沈んだ気持ち にはブルーが よ く 似合 う と 思 う ・ 僕は 「ブ ルーはいる」 を よ く 使 う ・ こ の表現は, 落ち込んで いる気持 ち を他人に 対 し て う ま く 伝 え る こ と がで きる ・ 少 しギ ャ グ的な言い方なので , その気持 ち を 和 ら げ ら れる ・ よ く 聞く こ とば ・ こ の表現は気分が悪 く なる こ と を よ く 表 して いる ・ 「気落ち した」 や 「気分が優れない」 よ り も 言いやすい 【へ】 [189] ①ペルつてる 【ま】 [199] ①マ クる ②マ ク ドナル ドへ行 く こ と ③ 「今日, マク らん ? 」 ④ ・ 同 じ様なのに, [202] 「 ミ スる」 ( ← ミ ス ター ドーナッ ツ) , [213] 「モスる」 ( ←モスバー ガー) な どがある ・ ス カ ー ト を ま く る こ と と は違 う ので注意 [200] ①ま ぐろ ②つかれてそのへんで寝て し まっ た人 ③ 「今日はま ぐろが大漁だな」 ④なし [201] ① ま じ/ マ ジ ②(イ) 英語の realyに相当する ②ポケ ッ トベルをパイ プモ ー ド (振動) に してお (口) 本気, 本当 いて , メ ッ セ ージが届いた と き にポケ ッ ト の中 な どで ふる えて い る状態 つ 力ゝな X /‰ [190] ①ベルを ミ スる ②ポケベルにメ ッセージがう ま く 入らないこ と ③ 「佐織のベルミ スつてる よ」 ④に分がよ く 言われる こ とばである [191] O ペルる/ ベルする ②ポケベルで連絡する ③ 「ひまだっ た ら, ベル して く れ」 ④ 日常会話の一つ と して使っている [192] ①ペル トモ ②ポケベル上の話 し相手 ③ 「 きのう , ベル トモからベル入って さ…」 ④私にはベル トモが1人いて, よ く かかって く る。 [193] ①ペチ ②パチ ンコのこ と ③ 「ペチで も し ようか」 ④ 自分で使わないから, よ く 分か り ません [194] ①ペチる( = パチる) ②盗んで く る こ と, だまって物を とって く る こ と ③ 「この用紙ペチつて きたわ」 ④万引きの意味もあるが, 一般にはもらっ て もい い物 を ち ょ っ と悪ぶっ て言 う と きに使 う 【は】 [195] ①ほけかん ②保健管理セ ンター ③ 「頭痛がするからほけかんに行って薬を も らっ て く る よ」 ④ ・ 自分では使ったこ とがないが, そ う言 う ら し い ・ 単な る略 した こ とば [196] ①ぽしゃる ②物が故障するこ と ③ 「オレのけった, と う と う ぽしゃっ たよ」 ④なんと な く 物が壊れている, という感じがする [197] ①ボリサーする ②授業を さ ぼるこ と ③ 「今日の2限はボリサーするわ, 俺」 ④業界用語をまねて使った ら しい [198] ①ぽう きん (宝金) ②金宝町 ( 岐阜市内の地名) ③ 「ぽう きんでバス降りて, 新岐阜まで歩 く わ」 ④オレたちだけだよ使う のは…… 卜 ③ 「ま じであの先生いやだよ」 「マ ジで勉強 した」 ③ 「わー, ペルつてる よ」 ④ ・ 何かに集中 している と きな どは, とて も驚 く ・ 最近私 はカ バ ンの中にポケベ ルが入 っ て い る ので授業中と かにメ ッ セージが入っ て も気が 275 ④ リ レーツはま じめとい う こ とばら しい ・ 本気や本当のこ と を強調する感 じがする 【み】 [202] ① ミ スる 1 (→ [ 199] マ クる) [203] ① ミ ス る 2 ②誤 り をおかすこ と ③ 「テス トの最後の計算問題ミ スつちゃった」 ④ ・ 「失敗する」 とい う よ り も短 く て言いやすい ためよ く 使 う ・ 英語 と 日本語の ミ ッ ク スがお も し ろ い ・ なにか使いやすい気がする [204] ①緑 じ ゅ う たん (c) ②音楽棟の部屋の略称, 部屋の特徴から きた もの ③ 「今 日の練習は緑 じ ゅ う たんでやる」 ④オーケス ト ラで使われる 【む】 [205] ①ムカつ く ②腹が立つ ③ 「あいつムカつ く 」 ④独 り言のよ う に言っ た りする と き もある [206] ①ムサい ( = [ 111] ダサい) [207] ①ムッ キーな ②ムカつ く , い らい らする( とい う こ と ら しい) ③ 「昨日, 電車が20分も遅れてさあ, 滅茶苦茶ムッ キーだっ た」 ④このこ とばは名古屋出身の人が喋っていたが, どう も少数派 ら しい 【め】 [208] ①名鉄 er ( メ イ テ ッ ツ ァ ー) ②名鉄を利用 して岐大へ通う 人 ③ 「どっ ちで通って る の ? 」 - 「わた し は名鉄 er」 ④運賃値上げ後 も名鉄で通う 人はすばら しい [209] ①めっ ちや ② とて も ③ 「めっ ち や眠い」 ④なし [210] ①メ モる ②ノ ー トや手帳にち ょ っ と したこ と を書き込むこ と ③ 「テス トの時間割 も う メ モ つた ? 」 ④ ・ 「メ モ をする」 の略語 一 ・ ミ ス る と 同 じで英語か らで きた こ と ばで ある が, な じみやすい 【も】 [211] ①モ クる 二 洞 276 洋 ②たば こ を吸 う こ と ③ 「モ クろ う ぜ」 「外 でモ ク るか ! 」 ④ ・ た ばこのケムリがモ タモ タ上がるこ とからつ い たのだ ろ う ・健康に気 をつ け よ う [212] ① も ぐ り ② と っ ていない授業にでるこ と ③な し ④ も ぐ りの中にはカ ッ プルが多い [213] ①モス る (→ [ 199] マ クる) [214] ①~ モ ー ド ②~ の状態 ③ 「げっ, 単位落と したかも しれんモ ー ド」 ④モ ー ドの前に特徴のあるモ ー ドの人の名前をづ け る こ と があ る [215] ① も り ける ②他人の理不尽さ を指摘する ③ 「今の君の発言はも りけっ て る よ ! 」 ④多用 しないこ と 【や】 [216] ①ヤク イ ②ヤバ イ ③ 「こ の状態, ヤク イぜ卜 ④正確 な意味はよ く 分からない [217] ①ヤニ ル ② タバ コ を吸 う こ と ③ 「ヤニつてこ ようぜ」 ④ も しかした ら, ぼく たちの仲間しか使ってない か も しれ ない 【よ】 [218] ①横バス ②座席が向かい合っているバス ③ 「今 日の朝は横ノ以 で立っていたから疲れちゃっ た」 ,。 ④ ・横バスで立つ と疲れる し, 座れる人が少ない か ら, あ ま り好 きで はない ・ こ のバス は座席が少 ないので座れない こ とが ある ・ 「隣の ト ト ロ」 のネ コバス と は音は似ていて も, 全然違 う もので ある [219] ① よわぞう ②弱い人, 弱者, 弱虫 ③ 「あいつ さ ー, 強気に出た と思っ たのに, 相手 が凄 んだだけで 「ごめんな さ い」 だ っ て L 。 ち ょ ー よ わぞ ! 」 ④ ・体力的な弱さ よ り も, 精神的な弱さ について 伸 使われる ・ 立場が弱い場合 も こ の表現が用い られる ・ 反意語 と して 「つ よぞ う 」 がある ・ 初めは言われる と腹が立っ て いたが, 言われ 続ける と大 して気 にな らな く なる ・ 特 に女の言いな り にな っ て反論で き な い こ と 【ら】 [220] ①ラ イ ブる ②附属図書館へ行 く こ と ③ 「ち ょ っ と昼休み, ラ イ ブろ うぜ」 ④名詞の動詞化を している [221] ① ラ ウンジ ング 犬 ②ラ ウンジにいるこ と ③ 「○○さ んどこ にいるか知ってる ? 」 - 「ラ ウ ンジ ング」 ④な し [222] ①ラ ウンジる ②友達と ラ ウンジでお しゃべ りをする こ と ③ 「 3限ひきー」 - 「ラ ウンジる ? 」 ④な し [223] ①ラ リ る, ラ リ つてる ②ノ リ ノ リの状態で極限を超えた状態, 気が狂っ てい る, 異常だ ③ T昨日, カラオケ行ってメ チャメ チャラ リつちゃっ た」 ④な し [224] ① ラ リ ル ②セ ガラ リ ー とい う ゲームをする ③ 「ラ リ リ に行こ うぜ」 ④仲間で しか通 じない 【り】 [225] ① リ ーチ ②あ と 1回の欠席で テス ト受験資格 を失 う こ と, も う あ と がない状態 欠席で きる 日数ギ リ ギ リ まで欠席する こ と ③ 「俺, ついに ドイ ツ語 A が リ ーチ かかち ゃ っ た よ」 ④ ・ 余裕を もって試験にのぞみたい ものです ・ ド イ ツ語だ けで はな く , ほと んどの授業が りー チ状態で ある 【その他】 [226] ① - er (c) ②~ する人 ③ 「荷物ハコバー」 ( 「はこぶ」 十er) 「キュ ウダー」 ( 「弓道」 十er) ④弓道部では大いに利用されている