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東南アジア造船関連レポート 27
東南アジア造船関連レポート 27 2008年11月 社団法人 日 本 中 小 型 造 船 工 業 会 社団法人 日 本 舶 用 工 業 会 は じ め に ㈳日本中小型造船工業会及び㈳日本舶用工業会では、我が国造船業・舶用 工業の振興に資するために、日本財団から競艇公益資金による助成金を受け て「造船関連海外情報収集及び海外業務協力」事業を実施しております。そ の一環としてジェトロ関係海外事務所を拠点として海外の海事関係の情報収 集を実施し、収集した情報の有効活用を図るため各種報告書を作成していま す。 本書は、㈳日本中小型造船工業会及び㈳日本舶用工業会と日本貿易振興機 構 (ジ ェ ト ロ )が 共 同 で 運 営 し て い る ジ ェ ト ロ ・ シ ン ガ ポ ー ル セ ン タ ー 船 舶 部 (田中信行所員)及び舶用機械部(金子純蔵所員)が、シンガポールを中心 とした東南アジアの経済と海事産業の最近の動向を取りまとめたものです。 東南アジアを中心にアジア各国の経済と海事産業につき利用価値の高い情 報 を 提 供 す る こ と を 使 命 と し て 、1992 年 よ り 継 続 的 に 発 行 し て ま い り ま し た 「 東 南 ア ジ ア 造 船 関 連 レ ポ ー ト 」も 本 書 で 27 冊 を 数 え ま す 。シ ン ガ ポ ー ル の 最新情報を紹介した本書は、当該地域に関心をお持ちの我が国の造船・舶用 事業者の皆様の参考になると思われますので、関係各位に有効にご活用いた だければ幸いです。 ジェトロ・シンガポールセンター船舶部 (社団法人 日本中小型造船工業会共同事務所) ディレクター 田 中 信 行 ジェトロ・シンガポールセンター舶用機械部 (社団法人 日本舶用工業会共同事務所) ディレクター 金 子 純 蔵 目 次 Ⅰ . シ ン ガ ポ ー ル の 経 済 ························································· 1 Ⅱ . シ ン ガ ポ ー ル の 海 運 ························································· 11 Ⅲ . シ ン ガ ポ ー ル の 造 船 ························································· 21 Ⅳ . シ ン ガ ポ ー ル の 舶 用 工 業 ··················································· 37 Ⅴ . シ ン ガ ポ ー ル の 港 湾 ························································· 79 Ⅰ.シンガポールの経済 -1- 白 -2- シンガポール経済の概況(2006 年) 1 経済全般 (1) GDP 成 長 率 2006 年 の GDP 成 長 率 は 前 年 実 績 を 一 段 と 上 回 る 7.9% を 記 録 し た 。 高 成 長 の 源 泉 は 外 需 の 伸 び で あ る 。総 需 要 項 目 の 伸 び( 9.5% )を 見 る と 、外 需( 財・サ ー ビ ス 輸 出 )が 10.3%増 と 、2 ケ タ 台 の 伸 び が 継 続 し た 。一 方 、内 需 は 6.6%増 加 し た 。こ のうち、個人消費支出は居住者による海外支出の減少、食品、ケータリング、住宅 サ ー ビ ス へ の 支 出 が 控 え ら れ た た め 、2.5%増 の 伸 び に と ど ま っ た 。総 固 定 資 本 形 成 は 民 間 非 住 宅 建 設 投 資 、 航 空 機 、 機 械 設 備 投 資 な ど の 拡 大 に よ り 11.5%増 と 、 前 年 の 0.1%増 か ら 大 き く 増 加 し た 。 表 1 実 質 GDP 成 長 率 の 推 移 (単 位 : % ) 年 2003 2004 2005 2006 実 質 GDP 成 長 率 2.9 8.7 6.4 7.9 注 1) 出 典 : Economic Survey of Singapore 2006(シ ン ガ ポ ー ル 貿 易 産 業 省 )。 注 2) 基 準 年 : 2000 年 (2) 産 業 部 門 別 GDP 成 長 率 製 造 業 部 門 は 前 年 実 績 前 年 実 績 (9.5%増 )を 上 回 る 11.5%増 と 好 調 が 持 続 し た 。 製 造 業 生 産 指 数 の 伸 び を 見 る と 、輸 送 エ ン ジ ニ ア リ ン グ が 32.3%増 と 、3 年 連 続 で 20% 以 上 の 高 成 長 と な っ た ほ か 、バ イ オ メ デ ィ カ ル 製 品( 22.5% 増 )、精 密 エ ン ジ ニ ア リ ン グ( 9.5%増 )と 好 調 が 持 続 し た 。一 方 、最 大 の 製 造 業 分 野 で あ る エ レ ク ト ロ ニ ク ス 製 品 は 3.2% 増 、 化 学 品 も 1.7% 増 の 伸 び に と ど ま っ た 。 そ の 他 、 建 設 業 部 門 は 、 2.7% 増 で あ っ た 。 サ ー ビ ス 業 部 門 は 前 年 比 7.0%拡 大 し た 。 ホ テ ル ・ レ ス ト ラ ン 業 は 5.1%増 加 し た 。 運 輸 ・倉 庫 業 は 前 年 並 み の 4.3%増 で あ っ た 。 金 融 サ ー ビ ス 業 は 9.2%増 で あ っ た 。 -3- 表 2 産 業 部 門 別 実 質 GDP 成 長 率 の 推 移 2003 3.0 -0.7 10.6 -8.7 7.6 -1.0 -9.0 2.9 年 製造業 運 輸 ・通 信 業 卸 売 業 ・小 売 業 ホテルレストラン業 金融サービス業 ビジネスサービス業 建設業 全産業 2004 13.9 11.5 15.6 11.5 5.4 2.8 -6.1 8.7 (単 位 : % ) 2005 9.3 4.6 10.5 4.6 6.5 4.9 -1.1 6.4 2006 11.5 8.9 10.3 5.1 9.2 5.8 2.7 7.9 注 3) 出 典 : Economic Survey of Singapore 2006(シ ン ガ ポ ー ル 貿 易 産 業 省 ) 表 3 産 業 部 門 別 実 質 GDP の 推 移 2003 24.3 12.0 14.3 1.8 11.1 13.5 4.2 100 年 製造業 運輸・通信業 卸売業・小売業 ホテルレストラン業 金融サービス業 ビジネスサービス業 建設業 全産業 2004 25.4 12.0 15.2 1.9 10.7 12.7 3.6 100 (単 位 : % ) 2005 26.1 11.8 15.8 1.8 10.7 12.6 3.4 100 2006 26.9 13.0 16.2 1.7 11.0 11.0 3.3 100 注 4) 出 典 : Economic Survey of Singapore 2006(シ ン ガ ポ ー ル 貿 易 産 業 省 ) 注 5) 基 準 年 : 2000 年 表 4 実 質 国 内 総 支 出 ( GDE) の 推 移 (前 年 比 ) (単位:%) 2003 年 2004 年 2005 年 2006 年 2.9 8.7 6.4 7.9 民間消費支出 0.9 5.9 2.5 2.5 政府消費支出 -0.9 -1.1 6.5 11.2 総固定資本形成 -3.2 10.2 -1.9 11.5 民間部門 - 16 -1.4 16.3 政府部門 - -11.2 -4.5 -11.8 -10.1 -7.2 -3.2 4.6 機 械・設 備・ソ フ ト ウ エ ア 3.9 32.6 1.0 12.5 輸送機械 2.4 4.7 -8.5 29.7 13.7 20.6 11 10.4 区 分 国 内 総 支 出 ( GDE) 建設 財・サービス輸出 注 6) 出 典 : Economic Survey of Singapore 2006(シ ン ガ ポ ー ル 貿 易 産 業 省 ) -4- 2 雇 用 ・賃 金 ・生 産 性 (1) 概 況 政 府 は 企 業 や 従 業 員 の 業 績 に 応 じ た 賃 金 体 系 の 導 入 を 促 し て い る 。2001 年 12 月 、 全 国 賃 金 審 議 会( NWC)は 「厳 し い 賃 金 抑 制 」を 勧 告 し 、業 績 の 悪 い 企 業 に 関 し て は 賃 金 上 昇 の 凍 結 も し く は 削 減 を 容 認 す る 発 表 を 行 っ た 。 2002 年 11 月 、 NWC は 、 景 気 の 先 行 き 不 透 明 さ な ど か ら 、 2003 年 1~ 6 月 の 賃 金 改 定 に 関 し 、 引 き 続 き 、 賃 金 の 凍 結 、 カ ッ ト を 勧 告 す る と 発 表 し た 。 2003 年 5 月 に は 、 NWC は 、 2003 年 7 月 ~ 2004 年 6 月 の 賃 金 改 定 に つ い て 、① SARS 影 響 企 業 、② 困 難 直 面 企 業 、③ 大 半 の企業、④業績良好企業、と企業を 4 分類し、企業のおかれた状況別の対応を勧告 し て い る 。ま た 、NWC は 競 争 力 強 化 の た め に は 賃 金 体 系 の 再 構 築 が 不 可 欠 と し て 、 基 本 給 の 2% を 即 刻 MVC と す べ き と す る 経 済 再 生 委 員 会 ( ERC) の 勧 告 を 支 持 し た 。さ ら に 、N W C は 、最 高 給 与 、最 低 給 与 の 比 率 を 平 均 1.5%以 下 に 狭 め る こ と に より、賃金再構築を加速させるよう企業および労働組合に強く要請する、とした。 好 景 気 を 背 景 に 、 2006 年 の 新 規 雇 用 者 数 は 17 万 3300 人 と 、 前 年 実 績 の 11 万 3300 人 を 大 き く 上 回 り 、過 去 最 高 を 記 録 し た 。部 門 別 で 見 る と 、製 造 部 門 は 前 年 比 で 40.5%増 の 4 万 900 人 、建 設 部 門 は 前 年 比 237.9% 増 の 2 万 700 人 、ビ ジ ネ ス サ ー ビ ス 部 門 は 前 年 比 67.8% 増 の 3 万 3900 人 と 共 に 大 き く 増 加 し た 。失 業 率 は 2.7% と低い水準が継続している。 表 5 分 2003 2004 2005 2006 労 働 人 口 (年 中 央 値 、 1000 人 ) 2312.3 2341.9 2367.3 2594.1 労働力平均年齢(才 ) 38.5 38.8 - - 就 労 者 数 (年 中 央 値 、 1000 人 ) 2033.7 2066.9 2266.7 2493.2 年 平 均 (1000 人 ) 4.0 3.4 3.1 2.7 12 月 、 季節調整値 3.9 3.1 2.6 2.6 年 平 均 (1000 人 ) 5.2 4.4 4.1 3.6 12 月 、 季節調整値 5.2 4.1 3.4 3.6 16400 10191 10294 12200 名 目( 前 年 比 、% ) 1.7 3.6 3.5 3.2 実 質(前年比、%) 1.2 1.8 3.0 2.2 単 位 労 働 コ ス ト (全 産 業 ) (前 年 比 、 % ) -1.8 -3.9 -1.5 -0.5 区 労働力 就労者 全( 体 ) 失業率% 解雇者 賃 金 労 働 コスト 注 注 注 注 居( 住 者 ) 失業率% 失業者 シンガポールの労働事情の推移 解 雇 者 数 (1000人 ) 7) 出 典 : 人 材 省 ホ ー ム ペ ー ジ 8) 解 雇 数 は 従 業 員 数 25 名 以 上 の 企 業 を 対 象 と す る 。 9) 実 質 賃 金 は 消 費 者 物 価 上 昇 率 を も と に 算 出 す る 。 10) 賃 金 は 賞 与 を 含 む 。 自 営 業 者 は 含 ま な い 。 -5- 3 物価 消 費 者 物 価 指 数 は 2003 年 以 降 、 前 年 比 0.5~ 1% 代 後 半 の 低 い 伸 び に と ど ま っ て い る。項目別で見ると、生鮮食品や教育サービスの価格上昇が比較的高い水準で推移し て い る ほ か 、2006 年 は 住 宅 が 2.7% 上 昇 し た 。金 融 当 局 は 原 油 高 を 背 景 と す る イ ン フ レ 圧 力 を 警 戒 し て い る と さ れ 、 「穏 や か な シ ン ガ ポ ー ル ド ル 高 を 誘 導 す る 」と い う 為 替 政策の基本スタンスを維持している。 表 6 区 分 食 料 (加工食品を除く) 加工食品 衣料 住居 運 輸 ・通 信 教育 医療 その他 全体 4 消 費 者 物 価 指 数 上 昇 率 (% )の 推 移 ウェイト 10.3 13.1 3.6 21.3 21.8 8.2 5.3 16.6 100 2003 0.6 0.6 0.4 -0.5 0.1 2.3 2.0 0.9 0.5 2004 3.3 1.0 0.1 -0.1 1.2 4.2 6.0 2.3 1.7 2005 2.0 0.7 0.0 0.8 -2.2 2.0 0.4 1.7 0.5 2006 1.9 1.3 0.7 2.7 -1.5 1.9 0.9 0.7 1.0 貿 易 ・国 際 収 支 2006 年 の 国 際 収 支 は 259 億 9990 万 シ ン ガ ポ ー ル・ド ル( S ド ル )の 黒 字 で あ っ た 。 前 年 に 比 べ て 黒 字 額 は 約 56 億 S ド ル の 増 加 、 3 年 連 続 で 200 億 S ド ル 台 と な っ た 。 う ち 、経 常 収 支 は 576 億 S ド ル の 黒 字 と な っ た 。こ れ は 、運 輸 収 支 や 保 険 収 支 の 赤 字 幅 拡 大 に よ り 、 サ ー ビ ス 収 支 赤 字 が 45 億 S ド ル に 増 加 し た も の の 、 商 品 輸 出 の 増 加 に 伴 い 、 貿 易 収 支 黒 字 が 710 億 S ド ル に 増 加 し た た め で あ る 。 一 方 資 本 収 支 は 332 億 S ド ル の 赤 字 と な っ た 。こ れ は 、直 接 投 資 の 純 受 取 額 が 247 億 S ド ル に 増 加 し た 一 方 、証 券 投 資 や そ の 他 投 資 の 純 流 出 額 が 拡 大 し 、投 資 収 支 全 体 の 赤 字 が 130 億 S ド ル 以 上 拡 大 し た た め で あ る 。 通貨レートの推移を図に示す。 表 7 区 分 貿 易 収 支 (A) 輸出 輸入 サ ー ビ ス 貿 易 収 支 (B) 所 得 収 支 (C) 移 転 収 支 (D) 経 常 収 支 (E=A+B+C+D) 資 本 ・ 金 融 収 支 (F) 誤 差 ・遺 漏 (G) 総 合 収 支 (H=E+F+G) 国際収支の推移 2004 55,608 339,646 284,038 -5,454 -3,756 -1,943 44,453 -24,334 624 20,433 -6- ( 単 位 : 100 万 S ド ル ) 2005 63,175 386,919 323,743 -4,913 -918 -1,971 55,372 -33,382 -1,257 20,396 2006 71,054 436,632 365,578 -4,564 -6,632 -2,196 57,660 -33,261 1,600 25,999 図 シンガポールドルの交換レートの推移 2.5 S$/各通貨 2 マレーシア・リンギット USドル ユーロ 100日本円 100韓国ウォン 香港ドル 1.5 1 0.5 0 94 95 96 5 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 運輸関連産業 (1) 旅 行 者 の 動 向 シンガポールを訪れる外国人で最も多いのはインドネシア人である。マレーシア 人 の 場 合 、 旅 行 者 統 計 に 「陸 路 」が 含 ま れ な い た め 、 実 際 の 来 訪 者 数 は 過 小 評 価 さ れ ている。近年の特徴としては、中国やインドからの旅行者数が大幅に増加している のが特徴である。 2006 年 の 外 国 人 シ ン ガ ポ ー ル 来 訪 者 数 は 、2005 年 に 比 べ 、9.0% 増 の 974 万 人 と な っ た 。 中 国 が 20.9% 増 、 オ ー ス ト ラ リ ア が 11.5% 増 と 大 幅 に 伸 び た 日 本 人 は 、 1997 年 ま で は 年 間 100 万 人 強 を 数 え て い た 時 期 も あ っ た が 、 98 年 よ り、日本の景気低迷、アジア経済危機に伴う出張者の減少などにより旅行者数は減 少 し て い る 。 特 に 2001 年 は 米 国 同 時 多 発 テ ロ な ど を 理 由 に 前 年 比 40% 減 の 75 万 人 と な っ た 。ま た 、2003 年 4 月 に 発 生 し た 肺 炎 SARS を 背 景 に 、2003 年 の 日 本 人 数 が 前 年 同 期 比 40% 減 の 43 万 人 と 大 幅 に 落 ち 込 ん だ 。2004 年 に は 38% 増 の 59 万 人 と 回 復 す る も 、 2005 年 に は わ ず か に 減 少 し (1.7% 減 、 58 万 人 )、 国 ・ 地 域 別 で は オ ー ス ト ラ リ ア に 抜 か れ 第 4 位 に 転 落 し た 。2006 年 も わ ず か な 増 加 に と ど ま り 、マ レーシア、インドに抜かれ順位を下げ、第6位となった。 2006 年 の シ ン ガ ポ ー ル の 空 の 玄 関 で あ る チ ャ ン ギ 空 港 の 旅 行 者 扱 い 数 は 、 2005 年 の 3,076 万 人 か ら 8.6%増 加 し 3,341 万 人 と な っ た 。2001 年 に は MRT(Mass Rapid Transit;大 量 高 速 輸 送 シ ス テ ム )が 延 長 さ れ 、 空 港 ( チ ャ ン ギ 空 港 第 2 タ ー ミ ナ ル ) と市内とを結んでいる。 -7- 表 8 年 国別 日本 ASEAN 中 国 (注 11) オーストラリア 英国 米国 全来訪者数 シンガポールへの主な国・地域別来訪者数の推移 2004 2005 千人 589 3341 857 620 467 371 8,943 598.8 3,085.7 880.2 561.2 457.2 333.1 8,328.1 2006 2004 594.2 3576.0 1037.0 691.5 488.1 399.7 9,748 38.0 33.7 54.8 42.8 17.9 32.9 35.9 2005 対 前 年 比 (% ) -1.7 8.3 -2.5 10.5 2.2 11.5 7.4 2006 1.0 7.0 20.9 11.5 4.5 7.6 9.0 注 13) 香 港 を 含 ま な い 。 注 14) 陸 上 交 通 を 利 用 し た マ レ ー シ ア 人 旅 行 者 は 含 ま な い 。 (2) 貨 物 輸 送 ① 航空輸送 航 空 貨 物 取 扱 量 は 、 対 前 年 比 4.2%増 の 191 万 ト ン と な っ た 。 表 9 区 分 シンガポールにおける航空機による貨物取扱量等の推移 単位 1970 1980 1990 2000 2005 2006 千トン 21.0 181.8 624.5 1,688.5 1,838.3 1,916.3 荷揚げ 千トン 8.2 90.7 324.4 894.4 873.0 955.6 荷積み 千トン 12.8 91.1 300.1 943.9 907.3 960.5 千回 17.1 38.0 51.7 90.3 106.4 111.6 貨物取扱量 総着陸回数 注 15) 出 典 : Economic Survey of Singapore 2006(シ ン ガ ポ ー ル 貿 易 産 業 省 ) 。 ② 海上輸送 シ ン ガ ポ ー ル 港 の コ ン テ ナ 取 扱 量 は 2005 年 の 2,319 万 TEU( 20 フ ィ ー ト コ ン テ ナ 換 算 個 数 )か ら 6.9%上 昇 し 2,479 万 TEU を 記 録 し た 。ま た 、入 港 船 腹 量 は 2005 年 の 11 億 5180 万 総 ト ン か ら 2006 年 は 13% 増 加 し 、 13 億 1499 万 総 ト ン となった。 バ ン カ ー 油 の 売 上 げ も 2005 年 の 25.5 百 万 ト ン か ら 10%上 昇 し 28.3 百 万 ト ン となった。 シ ン ガ ポ ー ル は 主 要 な 船 舶 登 録 国 と し て 発 展 を 続 け て お り 、2006 年 末 で 世 界 第 6 位 、 3,249 隻 、 3,479 万 総 ト ン と な っ て い る 。 -8- 表 10 区 分 単位 MFT 一 般 ・ば ら 積 MFT 石油ばら積 MFT コ ン テ ナ 取 扱 量 千 TEU 海上貨物取扱量 入 港 船 腹 量 (注 17) 百万 総トン シンガポールの海上貨物取扱量等の推移 1970 43.5 10.5 33.0 - 1980 86.3 33.8 52.5 968 1990 187.8 212.3 113.3 5,224 2000 325.6 285.4 137.7 17,087 2005 423.2 224.3 123.4 23,192 2006 448.2 295.4 152.8 24,792 - 241.2 491.2 910.2 1,151.8 1,315.0 注 16) 出 典 : Economic Survey of Singapore 2006(シ ン ガ ポ ー ル 貿 易 産 業 省 )。 注 17) 入港船腹量には、全ての国際航海に従事する船舶と 75 総トン以上の旅客船が含まれる。 注 18) MFT: Million Freight Tonnes (3) 造 船 工 業 2006 年 は 、シ ン ガ ポ ー ル 海 事 産 業 に お い て 、多 忙 で 実 り の 多 い 年 で あ っ た 。2006 年 の 海 事 産 業 全 体 の 売 上 げ は 98 億 シ ン ガ ポ ー ル ド ル に 達 し 、 昨 年 に 引 き 続 き 過 去 最 高 を 記 録 し た 。売 上 げ に 関 し て は 、2005 年 の 74 億 シ ン ガ ポ ー ル ド ル に 比 べ る と 32%の 大 幅 増 加 で あ っ た 。 こ の 海 事 産 業 の 伸 張 に は 、 石 油 高 と エ ネ ル ギ ー 需 要 の 増 大によるオフショア分野の活況が貢献した。特に、石油・ガス開発産業が全体の売 上げ増加に大きく寄与した。これにより、シンガポール造船業は、世界中からのリ グ建造の注文を受け、大きな利益を上げた オ フ シ ョ ア 部 門 に つ い て は 、 全 売 り 上 げ の 約 33% を 占 め て お り 、 2006 年 の 売 上 げ は 、 過 去 最 高 の 32 億 3,400 万 シ ン ガ ポ ー ル ド ル と 、 2005 年 に 比 べ て 3.6% 増 加 した。 修 繕 及 び 改 造 部 門 に つ い て は 、 全 売 り 上 げ の 約 50% を 占 め て お り 、 2006 年 の 売 上 げ は 49 億 シ ン ガ ポ ー ル ド ル と 、 2005 年 に 比 べ て 13%増 加 し た 。 新造船部門についても、石油・ガス開発の影響により、サプライベッセル等の需 要 が 高 ま り 、2006 年 の 売 り 上 げ は 16 億 6600 万 シ ン ガ ポ ー ル ド ル と 2005 年 に 比 べ て 31% 増 加 し た 。 2006 年 は 更 な る 事 業 拡 大 が な さ れ た こ と か ら 、造 船 業 界 の 労 働 者 数 の 増 加 に も 反 映 さ れ た 。 人 材 省 の 統 計 に よ れ ば 、 2006 年 の 造 船 業 界 の 労 働 者 数 は 102,500 人 と 2005 年 の 48,516 人 か ら 2 倍 以 上 と な っ た 。 -9- 白 - 10 - Ⅱ.シンガポールの海運 - 11 - 白 - 12 - シンガポール海運業の概況(2006 年) 1 シンガポール港の貨物取扱量 2006 年 の シ ン ガ ポ ー ル の 貿 易 は 、 輸 出 は 前 年 比 12.8% 増 の 4,315 億 S ド ル 、 輸 入 は 前 年 比 13.7% 増 の 3,789 億 S ド ル と 、 2005 年 の 14.0%増 の 堅 調 な 伸 び を 示 し た 。 好調な貿易により、海上貨物やコンテナ貨物の取扱量も順調に増加し、シンガポー ル に お け る 海 上 貨 物 取 扱 量 は 、前 年 比 6.0% 増 の 448.5MFT(Million Freight Tonnes)、 コ ン テ ナ 貨 物 取 扱 量 は さ ら に 大 き く 増 加 し 前 年 比 8.9% 増 の 2,479 万 TEU と な り 、新 記 録 を 樹 立 し た 。 シ ン ガ ポ ー ル へ の 寄 港 船 腹 量 は 対 前 年 比 13%増 の 13 億 1,499 万 総 トンと、この部門でも新たな記録を樹立した。 一 方 、 航 空 分 野 に つ い て は 、 航 空 貨 物 取 扱 量 は 対 前 年 比 4.2%増 の 191 万 ト ン と な った。シンガポールにおける国際貿易は、その殆どが海上貨物の輸送により行われて おり、海上貨物やコンテナの取扱量の増加から経済の状況が伺える。 こ れ ら の 貨 物 は 、国 内 外 約 200 の 船 社 に よ り 世 界 約 600 港 と の 間 で 輸 送 さ れ て い る 。 2 シンガポールの商船隊 2006 年 末 現 在 、 3,249 隻 、 3,479 万 GT の 船 舶 が シ ン ガ ポ ー ル 籍 船 と し て 登 録 さ れ て い る 。こ れ は 前 年 末 と 比 べ 、そ れ ぞ れ 30 隻 増 、187 万 GT 増 と な り 、登 録 船 舶 の 大 型化が続いている。 シ ン ガ ポ ー ル 籍 船 は 、92 年 に 1,000 万 GT を 超 え て 以 来 、毎 年 100 万 GT 台 の ペ ー ス で 増 加 を 続 け て き た が 、96 年 に 入 っ て 増 加 の ピ ッ チ を 急 速 に 早 め 、一 挙 に 1,600 万 GT、 1,700 万 GT、 1,800 万 GT を 超 え 、 さ ら に 97 年 8 月 に 1,900 万 GT、 そ し て 、 シ ン ガ ポ ー ル の 海 事 港 湾 庁 (MPA; Maritime and Port Authority)の “ 2,000 年 ま で に 2,000 万 GT を 超 え る ” と い う 当 初 の 目 標 を 遥 か に 早 回 り 、 97 年 10 月 に は 2,000 万 GT の 大 台 し 、 98 年 は 2,200 万 GT、 99 年 に は 2,300 万 GT を 超 え た 。 2000 年 か ら 2002 年 ま で は 登 録 船 舶 ト ン 数 は 伸 び 悩 ん で い た が 、 2003 年 に は 船 舶 の 大 型 化 も 手 伝 っ て 伸 び が 続 き 、 2006 年 に は さ ら に 記 録 を 更 新 し た 。 一 方 、 隻 数 は 98 年 か ら 毎 年 減 少 し 、2001 年 に 歯 止 め が か か っ た も の の 、2003 年 に は 再 び 減 少 し 、2004 年 以 降 増 加 を続けている。 - 13 - (単 位 ; 隻 、 万 GT) シンガポール籍船の推移 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 数 3,157 3,380 3,412 3,360 3,335 3,353 3,355 3,063 3,109 3,219 3,249 総トン数 1,824 2,077 2,203 2,375 2,304 2,317 2,355 2,557 2,771 3,296 3,479 区 隻 分 4000 3500 3000 隻数 総トン数 2500 2000 1500 1000 500 0 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2006 年 の デ ー タ で シ ン ガ ポ ー ル 籍 船 (3,249 隻 、3,479 万 GT)を 船 種 別 に み る と 、オ イ ル ・タ ン カ ー が 1,430 万 GT で 全 体 の 41.1% を 占 め 、 次 い で バ ル ク ・キ ャ リ ア ー 635 万 GT(同 18.2% )、 コ ン テ ナ 船 469 万 GT(同 13.4% )の 順 と な っ て い る 。 (単 位 ; 万 GT) シンガポール籍船の船種別総トン数 船 種 2004 年 末 2005 年 末 2006 年 末 総トン数 (%) 総トン数 (%) 総トン数 (%) 1,176 (42.4) 1,463 (44.4) 1,430 (41.1) タ オ イ ル ・タ ン カ ー ン ケ ミ カ ル ・タ ン カ ー 38 (1.4) 39 (1.2) 35 (1.0) カ 液 化 ガ ス ・キ ャ リ ア 100 (3.6) 106 (3.2) 109 (3.1) | 兼用船 61 (2.2) 1 (0.1) 113 (3.2) バ ル ク ・キ ャ リ ア 514 (18.5) 580 (17.6) 635 (18.2) 貨 自動車運搬船 113 118 141 物 コンテナ船 382 (13.8) 438 (13.3) 469 (13.4) 船 一般貨物船 147 (5.3) 150 (4.5) 156 (4.5) その他 1 (0.1) 6 (0.1) 15 (0.4) 旅 客 船 ・フ ェ リ ー 1 (0.1) 1 (0.1) 1 (0.1) 27 (1.0) 34 (1.0) 39 (1.1) 4 (0.1) 5 (0.1) 5 (0.1) 183 (6.6) 195 (5.9) 182 (5.2) 18 (0.6) 153 (4.6) 143 (4.1) そ タ グ ・ボ ー ト の オフショア・サプライ船 他 非自航船・バージ その他 合 計 (4.1) 2,771 (100) (3.5) 3,296 (100) 3,479 (100) 注)表の数値は 1 万 GT 未満切り捨てのため末尾が合わない場合がある。 - 14 - (4.0) 一 方 、ロ イ ド 統 計 に よ る と 、2006年 末 現 在 シ ン ガ ポ ー ル は 世 界 第 6位 の 商 船 隊 (船 籍 ) を保有する海運国となっている。 商 船 隊 (船 籍 )の 世 界 ラ ン キ ン グ (2006 年 ) (単 位 (総 ト ン 数 ); 万 GT) 区 分 1. パナ マ 2. リベリア 3. バハ マ 4.シンガポール 5. ギリシャ 6. 香 港 7. マーシャル 8. マルタ 9. 中 国 10. キプロス 総 ト ン 数 15,496 6,840 4,083 3,217 3,204 3,268 3,284 2,484 2,348 1,903 7,183 1,907 1,402 2,079 1,455 1,179 953 1,294 3,695 971 隻 数 出 典 ; “World Fleet Statistics 2006”(Lloyd’s Register) 注) ロ イ ド 統 計 で は 、 非 自 航 船 及 び 100GT未 満 の 船 舶 を 除 い て い る た め 、 前 述 の シ ン ガ ポ ール籍船の統計数値と異なる。 ロ イ ド 統 計 を 用 い て ASEAN 10 カ 国 の 商 船 隊 を 総 ト ン 数 ベ ー ス で 比 較 す る と 、2006 年 末 現 在 ASEAN 10 カ 国 で 世 界 の 総 船 腹 量 (72,185 万 GT)の 7.8% に 相 当 す る 5,680 万 GT を 保 有 し て い る が 、こ の う ち シ ン ガ ポ ー ル が ASEAN10 ヶ 国 全 体 の 56.6% の 船 隊 規 模 を 誇 っ て お り 、次 い で マ レ ー シ ア 11.2%、イ ン ド ネ シ ア 9.3% 、フ ィ リ ピ ン 8.9% 、 タ イ 5.1%、 カ ン ボ ジ ア 3.4% の 順 と な っ て い る 。 ASEAN 10 カ 国 の 商 船 隊 (2006 年 ) (単 位 (総 ト ン 数 ); 万 GT) 区 分 総トン数 隻 数 シンガポール フィリピン インドネシア 507 528 2,079 1,101 1,840 4,271 3,217 マレーシア 638 タ カンボジア ヴェトナム ブルネイ ミャンマー ラ オ ス ASEAN 計 288 195 205 63 39 0 5680 789 782 1,191 47 124 2 12,226 イ ASEAN 上 位 5 カ 国 の 1997 年 末 以 降 の 推 移 を み る と 、10 年 前 に 比 べ て 保 有 船 腹 量 の増加量では、フィリピンが大幅に減ったこともあり、シンガポールが全増加量の約 95% を 占 め て い る 。 ま た 、 増 加 率 で は シ ン ガ ポ ー ル と イ ン ド ネ シ ア の 1.7 倍 、 タ イ と マ レ ー シ ア の 1.3 倍 と な っ て い る 。 マレーシア、タイ等では、増加する自国の輸出入貨物の輸送を自国の商船隊で行お う と い う 動 き が 強 ま っ て お り 、 こ の た め の 海 運 育 成 策 に も 力 を 入 れ る な ど 、 ASEAN 域内諸国におけるシンガポール商船隊の優位を脅かす動きも出てきている。 - 15 - ASEAN 主 要 海 運 国 の 商 船 隊 の 推 移 (単 位 ; 万 GT) 6 ,0 0 0 4 ,5 0 0 4 ,0 0 0 5 ,0 0 0 3 ,5 0 0 タ タ イイ イ ンイ トン゙ トネ゙ ネ シ シア ア ーア シア マ レマ ーレ シ フ ィフリィヒリ ゚ヒン゚ ン シ ンシ カン ゙カボ ホ ゚ ー゚ ール ル 3 ,0 0 0 2 ,5 0 0 4 ,0 0 0 2 ,0 0 0 1 ,5 0 0 3 ,0 0 0 1 ,0 0 0 500 0 '9 5 '9 6 '9 7 174 204 216 タ イ 2 7 7 2 9 7 320 イ ン ト ゙ ネ シ ア 1 ,0 0 0 328 418 484 マレー シア 8 7 4 9 0 3 885 フ0ィ リ ヒ ゚ ン シ ン カ ゙' 9ホ 7゚ ー ル ' 9 8 1' 9, 39 6 1' 0 0 1 , '60 41 5 ' 0 1 2 , 8 '80 83 2 ,0 0 0 '9 8 '9 9 200 196 325 324 521 524 851 765 ' 02 4, 0 3' 07 5 2' 0, 16 7 8 2000年 か ら 2003年 ま で は 停 滞 し て い た が 2003年 に は シ ン ガ ポ ー ル を 初 め 、 マ レ ー シア、タイが伸びている。シンガポール籍船の急激な増加の要因として、シンガポー ル 海 事 港 湾 庁 ( MPA) は 以 下 の メ リ ッ ト を あ げ て い る 。 東南アジア諸国エリア内の海上物流の増加に伴い、多くの海運企業が地域統括本部 等地域全体を統括する事務所・機能を当地に移すなど、リージョナル・ハブとしての シンガポールの重要性が増している。 ①国際基準の採り入れ シ ン ガ ポ ー ル は 、1974 SOLAS 条 約 、1978 STCW 条 約 、1996 LL 条 約 、1973/1978 MARPOL 条 約 、 1969 ト ン 数 条 約 な ど 、 全 て の 主 要 な 船 舶 安 全 及 び 海 洋 汚 染 防 止 に 関する条約に加入している。 ②優秀な安全実績 シ ン ガ ポ ー ル 船 籍 船 は 、 米 国 コ ー ス ト ガ ー ド (USCG)の Qualship 21 Program に 認 定 さ れ て い る 。2003 年 に 過 去 3 年 間 (2001 か ら 2003 年 )の 平 均 拘 留 率 (Port State Contral に お け る 平 均 Detention Ratio)が わ ず か 0.95%で あ り 、 3 年 間 の 登 録 船 の 平 均 拘 留 率 が 1%以 下 で あ る こ と と す る Qualship 21 基 準 を 満 足 し た 。 シ ン ガ ポ ー ル 船 籍 船 は 良 好 な 安 全 実 績 を 残 し 、 パ リ MOU、 東 京 MOU に お い て 「 ホ ワ イ ト ・ リスト」入りしている。 ③管理能力 シ ン ガ ポ ー ル 船 籍 は 、 非 便 宜 地 籍 船 (non-FOC) と し て 国 連 貿 易 開 発 会 議 (UNCTAD) 及 び 国 際 運 輸 労 連 (ITF) に 承 認 さ れ て い る 。 シ ン ガ ポ ー ル 船 員 機 構 (Singapore Organization of Seaman: SOS)及 び シ ン ガ ポ ー ル 海 員 組 合 (Singapore Maritime Officer ’s Union: SMOU)と の 間 で 結 ん だ 合 意 は ITF に よ っ て 認 め ら れ て いる。 - 16 - ④所得税からの利益控除 シ ン ガ ポ ー ル 船 籍 船 か ら 得 ら れ た 利 益 は 、シ ン ガ ポ ー ル の 所 得 税 か ら 控 除 さ れ る 。 控除は、国際航海における旅客、郵便物及び商品としての家畜の運送により得られ た収入、並びに船舶のチャーターにより得られた収入に適用される。 これらの利益は配当として申告でき、控除は持株会社の株主に適用することがで きる。 ⑤船舶売却に関する控除 シンガポール船籍船を有する会社は、船舶売却による収入に関する免税措置を受 け る こ と が で き る 。こ の 新 ス キ ー ム の 適 用 期 間 は 2005 年 の 課 税 か ら 2009 年 の 課 税 まで。 ⑥船員の国籍に関する制限なし 船 舶 所 有 者 は 、当 該 職 員 ま た は 乗 組 員 が 改 正 も 含 め 1978 年 の STCW 条 約 の 規 定 に適合していれば、船舶職員及び乗組員を国籍に関係なく雇用することができる。 ⑦外国の資格証明書の承認 有効な海外の船員資格証明を有する船員は、業務が資格証明に合致すればシンガ ポール船籍船で働くことができる。この場合、事前申請は必要ないが、船舶所有者 は 資 格 保 有 者 を シ ン ガ ポ ー ル 船 に 従 事 さ せ る こ と に つ い て の 裏 書 (CEO)を 申 請 す る 必 要 が あ る 。COE の 有 効 期 間 は 5 年 間 ま た は 資 格 証 明 書 の 有 効 期 間 の う ち い ず れ か 早い時期。 ⑧シンガポールの政治、経済、社会の安定性 シンガポールは無比の政治的、経済的、社会的安定性を誇っている。海外の投資 を受け入れる開放政策と効率的なインフラ施設も相まって、広く海外船主をシンガ ポール船籍に引き付けている。 ⑨貿易地域の制限 シンガポール船籍船は、船舶に通商禁止を課すことのできる国連安全保障理事会 決議に基づいて、貿易地域に制限が無い。 ⑩船級協会の選択 シ ン ガ ポ ー ル 海 事 港 湾 庁 (MPA)の 検 査 に 基 づ き 、 国 際 的 に 認 め ら れ た 下 記 の 9 つ の船級協会にトン数、船舶安全及び海洋汚染防止に関する検査の執行及び証書発給 の権限が与えられている。 - American Bureau of Shipping (ABS) - Bureau Veritas (BV) - China Classification Society (CCS) - Det Norske Veritas (DNV) - Germanischer Lloyd (GL) - Korean Register of Shipping (KRS) - Lloyd’s Register of Shipping (LRS) - 日 本 海 事 協 会 (NK) - Registro Italiano Navle (RINA) - 17 - 参 考 1) シ ン ガ ポ ー ル の 船 舶 登 録 料 Initial Registration Fee: S$2.50/NT (NT は 船 舶 の 純 ト ン 数 ) 最 低 S$1,250 (500NT に 相 当 )、 最 高 S$50,000 (20,000NT に 相 当 ) Block Transfer Scheme 1) 2隻 で 合 計 純 ト ン 数 が 40,000NT以 上 2) 3隻 で 合 計 純 ト ン 数 が 30,000NT以 上 3) 4隻 で 合 計 純 ト ン 数 が 20,000NT以 上 4) 5隻 で 合 計 純 ト ン 数 の 制 限 な し の 場 合 、 S$0.50/NT 最 低 S$1,250/Vessel 最 高 S$20,000/Vessel 参 考 2) シ ン ガ ポ ー ル 船 舶 登 録 要 件 1. 次のものがシンガポール船舶の所有者となれる。 1.1 シ ン ガ ポ ー ル 国 民 、 永 住 者 (PRs) 1.2 シ ン ガ ポ ー ル に 組 織 さ れ た 企 業 2. 船舶は海外企業及びシンガポール企業が所有する船舶の所有として登録するこ とができる。 海 外 企 業 は 、 シ ン ガ ポ ー ル に 組 織 さ れ た 企 業 で あ っ て 50%以 上 の 株 を シ ン ガ ポ ー ル 国民以外が所有するもの シ ン ガ ポ ー ル 企 業 は 、 シ ン ガ ポ ー ル に 組 織 さ れ た 企 業 で あ っ て 50%以 上 の 株 を シ ン ガポール国民または他のシンガポール企業が所有するもの 3. 海外企業が所有する船舶は、下記の条件で登録することができる。 3.1 企 業 は 最 低 資 本 金 S$50,000 を 支 払 う こ と 。 こ の 資 本 要 件 に か か わ ら ず 、 当 該 企 業 の 関 連 企 業 は 、 Block Transfer Scheme の 隻 数 及 び 総 純 ト ン 数 要 件 を 満足する船舶を登録すれば(または登録することを申請すれば)資本金の支 払いを免除される。 3.2 船 舶 は 1,600 総 ト ン 以 上 で あ り 、 自 航 船 舶 で あ る こ と 。 3.3 3.2 の 規 定 は 当 該 船 舶 が シ ン ガ ポ ー ル か ら 運 航 さ れ 、ま た は シ ン ガ ポ ー ル に 本 拠を置くと認められれば、ケース・バイ・ケースで免除される。所有者は免 除申請を出さなければならない。 4. シ ン ガ ポ ー ル 企 業 は 上 記 3.1の 条 件 を 満 た せ ば 登 録 す る こ と が で き る 。 5. シンガポール企業またはその持ち株会社のタグ及びバージについては、払うべ き 資 本 金 要 件 は 、 最 初 に 登 録 し た タ グ ま た は バ ー ジ の 価 格 の 10% ま た は S$50,000の い ず れ か 低 い 方 。 最 低 S$10,000。 6. 船舶は船齢に関係なく登録できる。船齢はキールを据え付けた日を基準とする。 た だ し 、 船 齢 17年 以 上 の 船 に つ い て は MPAが 承 認 し た 船 級 協 会 に よ る 船 舶 コ ン ディションに関する特別レポートを提出しなければならない。この規定はシン ガポール船舶の再登録には適用しない。 - 18 - 3 シンガポール船主協会 シンガポールの海運業者の多くは、シンガポール船主協会 SSA(Singapore Shipping Association)のメンバーとなっており、正会員 167 社、準会員 64 社(2003 年 1 月 1 日 現在)が加入している。 SSA は、97 年 5 月、名称をそれまでの SNSA(Singapore National Shipping Association, 1985 年 設 立 )か ら SSA に 変 更 す る と と も に 、 海 運 業 に 関 連 す る 準 会 員 (造 船 所 、修 繕 業 者 、シ ッ プ ブ ロ ー カ ー 、船 級 協 会 、船 舶 金 融 業 者 、海 上 保 険 業 者 等 )の 加 入 を 容 易 に す る た め の 会 則 ・組 織 の 改 正 等 を 行 っ た 。 こ れ に よ り 準 会 員 数 が 、 改 正 前 は 8 社 で あ っ た の が 、 64 社 に ま で 増 加 し た 。 ま た 、SSA は 、海 運 業 を 取 り 巻 く 環 境 の 変 化 に 迅 速 に 対 応 で き る 体 制 を 整 備 す る た め、現在 7 つの常設委員会をもち、うち 2 つが管理委員会、5 つが業務委員会として いる。 SSA の 組 織 図 事務局 務 財 政 ・投 資 ・ 国 委員会 監査委員会 委員会 総 4 評議員会 際 国 内 委員会 技術・安全・ サービス 法 務 環境・訓練 委員会 委員会 主要海運企業の概要 (1) Neptune Orient Lines Limited (NOL) 定 航 、 タ ン カ ー 、 バ ル ク ・キ ャ リ ア ー サ ー ビ ス を 提 供 す る シ ン ガ ポ ー ル を 代 表 す る 海 運 会 社 で あ る 。1997 年 11 月 に 米 国 第 2 の コ ン テ ナ 船 社 American President Lines (APL)、 APL を 傘 下 に 収 め た こ と に よ り 、 買 収 前 は 世 界 第 16 位 だ っ た NOL グループは、運航船隊、売上で世界の 5 本の指に入る海運会社となった。 NOL グ ル ー プ 全 体 の 2006 年 の 売 上 は 72 億 US$と 前 年 同 で あ っ た 。 ま た 、 税 引 き 後 利 益 は 、前 年 の 8 億 400 万 US$か ら 大 幅 に 減 少 し 、2 億 728 万 US$と な っ た 。 定 期 コ ン テ ナ サ ー ビ ス 部 門 で は 、傘 下 の APL の ブ ラ ン ド 名 の 下 に 、NOL の コ ン テ ナ 輸 送 ネ ッ ト ワ ー ク は さ ら に 広 が り 、 北 米 、 中 ・南 米 、 欧 州 、 ア ジ ア 、 中 東 、 豪 州の各航路でサービスを行っている。 2003 年 7 月 に 同 社 の 原 油 タ ン カ ー 事 業 部 門 で あ る ア メ リ カ ン ・ イ ー グ ル ・ タ ン カ ー ズ (American Eagle Tankers (AET)) を マ レ ー シ ア 国 営 石 油 会 社 ペ ト ロ ナ ス (PETRONAS)が 62.4%の 株 を 有 す る マ レ ー シ ア 国 際 海 運 (MISC)に 売 却 し た 。 AET の 29 隻 の ア フ ラ マ ッ ク ス ・ タ ン カ ー 、2 隻 の VLCC の 全 て を 4 億 4,500 万 US$で 売 却 し た 。こ の 資 産 の 売 却 は 同 グ ル ー プ の 負 債 を 軽 減 し 、コ ア 事 業 で あ る コ ン テ ナ 輸送部門及びロジスティック部門に資源を再投入することを可能とした。 - 19 - 2004 年 3 月 に NOL は プ ロ ダ ク ト・タ ン カ ー 及 び バ ン カ ー リ ン グ 会 社 の Neptune Associated Shipping (NAS)を 香 港 の Titan (Holdings) Limited の 完 全 子 会 社 で あ る Titan Orient Lines に 5,510 万 US$で 売 却 し た 。 3 隻 の 中 距 離 輸 送 用 プ ロ ダ ク ト ・ タ ン カ ー 、 9 隻 の コ ー ス タ ル ・ タ ン カ ー 、 及 び 10 隻 の ハ ー バ ー ・ タ ン カ ー の 計 22 隻 、 205,000DWT の 船 舶 を 売 却 し た こ と で 、 同 グ ル ー プ は チ ャ ー タ ー リ ン グ 及びタンカーマーケットから撤退した。 同 グ ル ー プ は 2006 年 末 現 在 、319TEU~ 5,928TEU の 107 隻 の コ ン テ ナ 船 隊( フ ィーダー船を含む)を有している。 (2) Pacific Carriers Limited (PCL) 海 運 (船 舶 保 有 ・マ ネ ジ メ ン ト 、チ ャ ー タ ー )、貨 物 貿 易 、船 舶 ブ ロ ー カ ー 業 務 等 を 行 っ て お り 、海 運 業 で は ド ラ イ ・バ ル ク が 中 心 で あ る が 、液 体 貨 物 市 場 に も 手 を 広 げ 、 タ ン カ ー 部 門 (プ ロ ダ ク ト 及 び ケ ミ カ ル タ ン カ ー )の 強 化 を 進 め て い る 他 、97 年 か ら は ア ジ ア 域 内 で の コ ン テ ナ フ ィ ー ダ ー サ ー ビ ス (現 在 、 シ ン ガ ポ ー ル と マ レ ー シ ア ・ イ ン ド ネ シ ア を 結 ぶ 7 ル ー ト )及 び 倉 庫 業 務 に も 手 を 広 げ 、 さ ら に 99 年 か ら は ブ レ ークバルクライナーサービスを手掛けている。現在、同社はフィーダー・コンテナ 船及び重量物荷役可能な多目的船の所有・管理に積極的に取り組んでいる。 グ ル ー プ 全 体 の 2004 年 の 売 上 は 4.56 億 S$で 対 前 年 比 5.7% 増 で あ っ た 。税 引 き 前 利 益 は 1,918 万 S$で 対 前 年 比 150%増 で あ っ た 。 同 グ ル ー プ の 支 配 船 は 2006 年 現 在 64 隻 で あ る 。 (3) Pacific International Lines( PIL) 海運(船舶の保有・オペレーション等)を主要業務としており、アジア-ヨーロ ッ パ 、カ ナ ダ 間 、イ ン ド 、中 東 、東 ア フ リ カ 、南 東 ア フ リ カ 、豪 州 ・ニ ュ ー ジ ー ラ ン ド へ の コ ン テ ナ ・サ ー ビ ス 及 び 域 内 フ ィ ー ダ ー ・サ ー ビ ス 等 を 行 っ て い る 。 同 社 は 、 COSCO コ ン テ ナ ラ イ ン 上 海 と 華 中 ~ シ ン ガ ポ ー ル / タ イ 、 華 北 ~ シ ン ガポール/マレーシアの共同運航を行うなど中国におけるビジネスに積極的である。 同 グ ル ー プ は 、2008 年 10 月 現 在 、コ ン テ ナ 船 108 隻 184,992TEU を 運 航 し て い る 。 同 社 は ま た 、世 界 第 2 位 の コ ン テ ナ 製 作 会 社 で 年 間 60 万 TEU 以 上 の コ ン テ ナ 製 造 能 力 を 持 つ SINGMAS 社 の 主 要 株 主 で も あ る 。 (4) Cosco Investment (Singapore) Limited 中 国 の COSCO グ ル ー プ の シ ン ガ ポ ー ル 企 業 で 、 海 運 、 船 舶 修 繕 業 等 、 コ ン テ ナ 貨物取扱い、不動産等を主な業務としている。 グ ル ー プ 全 体 の 2006 年 の 売 上 は 、2005 年 の 8 億 7300 万 S$か ら 40% 増 の 12 億 1,500 万 S ド ル と な っ た 。 2005 年 の 純 利 益 は 2004 年 の 2.5 倍 の 1 億 6,000 万 S ド ル と な り 、 2005 年 の 純 利 益 に 比 べ る と 約 40% 増 と な っ た 。 同 社 の 海 運 ・ 修 繕 業 務 は 100% 子 会 社 の Cosco (Singapore) Pte Ltd、 Coastar Shipping PteLtd、 Cosco Marine Engineering (Singapore) Pte Ltd 等 が 行 っ て お り 、 グ ル ー プ で 保 有 す る バ ル ク ・キ ャ リ ア は 12 隻 で あ る 。 同 グ ル ー プ は 2002 年 に 中 国 最 大 の 修 繕 ヤ ー ド で あ る COSCO (Nangtong) Shipyard の 50%の 株 を 獲 得 し た が 、 2004 年 に は 兄 弟 会 社 で あ る COSCO Shipyard Group 株 51% を 取 得 し 、 船 舶 修繕業務の強化を図った。 - 20 - Ⅲ.シンガポールの造船 - 21 - 白 - 22 - シンガポール造船業の概況(2006 年) 1 概況 (1) 造 船 業 全 体 2006 年 は 、シ ン ガ ポ ー ル 海 事 産 業 に お い て 、多 忙 で 実 り の 多 い 年 で あ っ た 。2006 年 の 海 事 産 業 全 体 の 売 上 げ は 98 億 シ ン ガ ポ ー ル ド ル に 達 し 、 昨 年 に 引 き 続 き 過 去 最 高 を 記 録 し た 。売 上 げ に 関 し て は 、2005 年 の 74 億 シ ン ガ ポ ー ル ド ル に 比 べ る と 32%の 大 幅 増 加 で あ っ た 。 こ の 海 事 産 業 の 伸 張 に は 、 石 油 高 と エ ネ ル ギ ー 需 要 の 増 大によるオフショア分野の活況が貢献した。特に、石油・ガス開発産業が全体の売 上げ増加に大きく寄与した。これにより、シンガポール造船業は、世界中からのリ グ建造の注文を受け、大きな利益を上げた オ フ シ ョ ア 部 門 に つ い て は 、 全 売 り 上 げ の 約 33% を 占 め て お り 、 2006 年 の 売 上 げ は 、 過 去 最 高 の 32 億 3,400 万 シ ン ガ ポ ー ル ド ル と 、 2005 年 に 比 べ て 3.6% 増 加 した。 修 繕 及 び 改 造 部 門 に つ い て は 、 全 売 り 上 げ の 約 50% を 占 め て お り 、 2006 年 の 売 上 げ は 49 億 シ ン ガ ポ ー ル ド ル と 、 2005 年 に 比 べ て 13%増 加 し た 。 新造船部門についても、石油・ガス開発の影響により、サプライベッセル等の需 要 が 高 ま り 、2006 年 の 売 り 上 げ は 16 億 6600 万 シ ン ガ ポ ー ル ド ル と 2005 年 に 比 べ て 31% 増 加 し た 。 2006 年 は 更 な る 事 業 拡 大 が な さ れ た こ と か ら 、造 船 業 界 の 労 働 者 数 の 増 加 に も 反 映 さ れ た 。 人 材 省 の 統 計 に よ れ ば 、 2006 年 の 造 船 業 界 の 労 働 者 数 は 102,500 人 と 2005 年 の 48,516 人 か ら 2 倍 以 上 と な っ た 。 表1 海 事 産 業 の 総 売 上 額 の 推 移 (2002- 2006年 ) 年 2002 2003 2004 2005 2006 総 売 上 額 (百 万 S$) 4,400 3,792 5,300 7,430 9,800 出 所 ) 経 済 開 発 庁 ( Economic Development Board) S$ (Million) 12,000 図 1 海事産業全体の総売上の推移 10,000 8,000 6,000 4,000 2,000 0 2001 2002 2003 2004 - 23 - 2005 2006 年 図図2 2 シンガポール造船業の分野別売上げ シンガポール造船業の分野別売上げ オフショア関連 33% 船舶修繕・改造 50% 新造船 17% 図 3 労働者数の推移 労働者数の推移 図3 120000 110000 100000 102500 90000 80000 人 70000 60000 48516 50000 40000 34977 37477 31810 30000 20000 34871 30710 37716 30067 26940 年 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 造 船 所 に お け る 労 働 安 全 の 確 保 に つ い て の 指 標 で あ る 事 故 件 数( Accident Rate)、 事 故 発 生 率 ( Accident Frequency Rate) 及 び 事 故 重 大 性 指 標 ( Accident Severity Rate)は 、事 故 件 数 は 2005 年 の 456 件 か ら 2006 年 は 638 件 と 40% 増 加 し た 。た だし、増加はしたものの、事業活動の増大が要因と考えられる。 (2) 船 舶 修 繕 部 門 シ ン ガ ポ ー ル 海 事 産 業 の 主 要 部 門 は 船 舶 修 繕・改 造 部 門 で あ り 、2006 年 の 海 事 産 業 全 体 に 占 め る 割 合 は 50% と な っ て い る 。 2006 年 の 船 舶 修 繕 ・改 造 部 門 の 売 上 げ は 、49 億 シ ン ガ ポ ー ル ド ル と 2005 年 の 37 億 8900 万 シ ン ガ ポ ー ル ド ル か ら 13% 増 加 し た 。し か し な が ら 、海 事 産 業 全 体 が 好 調 で あ っ た た め 、 海 事 産 業 全 体 に 占 め る 同 部 門 の 割 合 は 前 年 の 31% か ら 1%減 少 し た 。 シ ン ガ ポ ー ル 海 事 港 湾 庁 (Maritime and Port Authority of Singapore, MPA)の 統 計 に よ れ ば 、 修 繕 の た め に シ ン ガ ポ ー ル に 寄 港 す る 船 舶 の 数 は 2004 年 以 降 引 き 続 き 2006 年 も 減 少 し た 。2006 年 の 売 上 げ 上 昇 の 要 因 は 1 隻 あ た り の 修 繕 単 価 が さ - 24 - ら に 上 昇 し た こ と に よ る 。 2006 年 に シ ン ガ ポ ー ル に 修 繕 の た め 寄 港 し た 船 舶 は 6,304 隻 で 6,124 隻 で あ っ た 2005 年 に 比 べ る と 隻 数 で 180 隻 、比 率 で 3% 増 加 し た 。 修 繕 の た め に 寄 港 し た 船 舶 の 総 ト ン 数 で 比 較 し て も 2006 年 は 3,715 万 GT と 、2005 年 の 3,785 万 GT か ら 2% 減 少 し た 。2006 年 に 実 施 さ れ た 主 な 修 繕 プ ロ ジ ェ ク ト と し て は 、 LNG 船 、 タ ン カ ー 、 LPG 船 、 ク ル ー ズ 船 、 コ ン テ ナ 船 な ど の ド ッ ク 、 修 繕 が あ る 。タ ン カ ー に 関 し て は ル ー チ ン で シ ン ガ ポ ー ル 造 船 所 に 入 る 船 が 多 数 あ る 。 また、浚渫船の大規模なオーバーホール工事なども実施された。改造工事ではタン カーからセメント運搬船などの工事を行った。 ま た 、 シ ン ガ ポ ー ル は FPSO(Floating Production Storage and Offloading) 、 FSO(Floating Storage and Offloading) 、 FSU(Floating Storage and Offtake Units)や FPU(Floating Production Units)の 修 繕 、改 造 工 事・改 良 工 事 を 行 う 世 界 の主要基地のひとつである。この分野が近年の海事産業の売上げに大きく寄与して い る 。 2006 年 に は 16 の プ ロ ジ ェ ク ト が 完 了 し た 。 そ の う ち 9 つ は FPSO/FSO へ の 改 造 工 事 で あ り 、 6 つ が FPSO/FSO へ ア ッ プ グ レ ー ド 工 事 で あ っ た 。 そ の ほ か 、 2007 年 、2008 年 内 に 完 了 予 定 の FPSO 関 連 の 改 造 、ア ッ プ グ レ ー ド 工 事 は 6 件 あ り 、 現 在 工 事 中 で あ る 。 シ ン ガ ポ ー ル で は 2006 年 末 ま で に 合 計 119 件 の FPSO、 FSO そ の 他 関 連 プ ロ ジ ェ ク ト が 完 了 し た 。 表2 修 理 入 港 隻 数 (2002- 2006年 ) 年 2002 2003 2004 2005 2006 入渠船舶数 7961 7924 6687 6124 6304 出 所 ) Singapore Port Statistics : 海 事 港 湾 庁 (Maritime & Port Authority of Singapore) 修繕、改造部門の売上げ 修 繕 、改 造 部 門 の 売 上 げ 6000 4900 5000 百万S$ 4000 3789 3106 3000 2559 2726 2293 2160 2000 1681 1000 0 1999 2000 2001 2002 2003 年 - 25 - 2004 2005 2006 (3) 新 造 船 部 門 2006 年 の 新 造 船 部 門 の 売 上 げ は 、2005 年 の 12 億 6,300 万 シ ン ガ ポ ー ル ド ル か ら 16 億 6,600 万 シ ン ガ ポ ー ル ド ル へ と 32% の 大 幅 増 加 を 記 録 し た 。 新 造 船 部 門 の 海 事 産 業 総 売 上 げ に 占 め る 割 合 は 2005 年 と 同 じ 17.0% で あ っ た 。2006 年 に 進 水 し た 船 舶 の 隻 数 は 、2005 年 の 84 隻 か ら 127 隻 へ と 率 に し て 50% 、隻 数 で 43 隻 の 増 加 な っ た 。総 ト ン 数 ベ ー ス で は 、2005 年 の 210,597 総 ト ン か ら 248,964 総 ト ン と 18% 増加した。 昨 年 ま で と 同 様 、2006 年 に 進 水 し た 船 で 最 も 多 か っ た の は 作 業 船 、バ ー ジ 及 び タ グ ボ ー ト で 、 43%、 55 隻 を 占 め た 。 2006 年 に 進 水 し た 船 舶 を 隻 数 の 多 い 順 に 記 載 す る と 、バ ー ジ が 最 も 多 く 35 隻 、次 い で 、タ グ ボ ー ト の 20 隻 、他 に オ フ シ ョ ア サ プライ・サポートベッセル、コンテナ、カタマラン、油タンカー1隻である。 2006 に 引 き 渡 し を 行 っ た 船 舶 は 、タ グ が 4 隻 、コ ン テ ナ 船 が 4 隻 、カ タ マ ラ ン が 1 隻など。また、多数のアンカー・ハンドリングタグ、フェリー3隻、サプライベ ッセル2隻、高速アルミ船2隻について、引き渡しが行われた。 進進水船舶数の推移 水船舶数の推移 140 127 120 102 隻 100 88 70 80 97 84 80 64 60 40 20 0 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 年 進水 船舶総トン数の推移 進水船舶総トン数の推移 300,000 248,964 総トン数(GT) 250,000 210,597 200,000 150,000 134,396 114,122 100,000 149,855 122,518 116,030 2002 2003 66,414 50,000 0 1999 2000 2001 年 - 26 - 2004 2005 2006 百万S$ 新造船部門の売り上げ 新造船部門の売り上げ 1800 1600 1400 1200 1000 800 600 400 200 0 1666 1263 890 724 438 453 1999 2000 544 528 2001 2002 2003 2004 2005 2006 年 (4) オ フ シ ョ ア 部 門 オフショア部門は、ジャック・アップ・リグ、半没水構造物その他のプラットフ ォーム構造物などオフショア・ユニットの修繕、アップグレード及び改造を含む。 こ の 部 門 の 2006 年 の 売 上 げ は 32 億 3400 万 シ ン ガ ポ ー ル ド ル の 記 録 を 確 立 し た 。 こ れ は 2005 年 の 売 上 げ の 23 億 7800 万 シ ン ガ ポ ー ル ド ル を 36% 上 回 る 記 録 的 な 実 績 で あ っ た 。 海 事 産 業 全 体 に 占 め る 割 合 も 2005 年 か ら 1%上 昇 し 、 33%と な っ た 。 2006 年 に 行 わ れ た オ フ シ ョ ア 部 門 の 修 繕 プ ロ ジ ェ ク ト は 、3 隻 の ジ ャ ッ キ ア ッ プ リ グ と 2 隻 の 半 没 水 構 造 物 の 改 造 工 事 も 行 わ れ た 。 新 造 で は 10 隻 の ジ ャ ッ ク ・ ア ッ プ ・ リ グ と 2 隻 の 半 没 水 構 造 物 が 完 了 し 2006 年 内 に 引 き 渡 さ れ た 。 進 行 中 の プ ロ ジ ェ ク ト と し て は 、2007 年 か ら 2008 年 に 完 工 が 予 定 さ れ て い る ジ ャ ッ ク・ア ッ プ・ リ グ 、 半 没 水 構 造 物 が 17 隻 あ る 。 オオフショア部門の売上げ フショア部門の売上げ 3500 3234 3000 2378 百万S$ 2500 2000 1500 1304 1143 967 1000 775 517 626 500 0 1999 2000 2001 2002 2003 年 - 27 - 2004 2005 2006 2 造船所の動き (1) セ ン ブ コ ー プ マ リ ー ン (SembCorp Marine) シ ン ガ ポ ー ル 国 内 に 4 ヵ 所 の 造 船 所 ( J U R O N G S H I P YA R D P T E LT D , SEMBAWANG SHIPYARD PTE LTD, JURONG SML PTE LTD, PPL SHIPYARD) を持つセンブコープ マリーンの 2006 年 の 売 上 げ は 、2005 年 の 21 億 1,927 万 シ ン ガ ポ ー ル ド ル か ら 67% 増 加 し 、 35 億 4,504 万 シ ン ガ ポ ー ル ド ル に 増 加 し た 。 こ の 売上げの上昇は、全ての部門の収入の増加によるものであった。 各 部 門 別 に み る と 、 船 舶 修 繕 部 門 の 売 上 げ は 2005 年 の 5 億 3,100 万 シ ン ガ ポ ー ル ド ル か ら 2006 年 に は 6 億 1,200 万 シ ン ガ ポ ー ル ド ル へ と 、 額 に し て 8 億 1,000 万 シ ン ガ ポ ー ル ド ル 、率 に し て 15% 上 昇 し た 。修 繕 船 の 隻 数 は 2005 年 の 309 隻 か ら 2006 年 に は 314 隻 へ と 増 加 し 、1 隻 あ た り の 修 繕 費 は 2005 年 の 172 万 シ ン ガ ポ ー ル ド ル か ら 2006 年 に は 194 万 シ ン ガ ポ ー ル ド ル に 増 加 し た 。 こ の 単 価 上 昇 の 主 要 要 因 は 、 2006 年 に 行 っ た 工 事 に 、 数 件 の 高 価 な FPSO の ア ッ プ グ レ ー ド 工 事 と タ ン カ ー 修 繕 工 事 が 含 ま れ た こ と に あ る 。2006 年 の 修 繕 工 事 の う ち 、タ ン カ ー 修 繕 が 全 体 の 37% を 占 め た 。 ま た 、 コ ン テ ナ 船 の 修 繕 工 事 は 2005 年 の 17% か ら 10% に 減 少 し た 。そ の 他 で は 、ガ ス キ ャ リ ア が 修 繕 全 体 の 15% 、FPSO と オ フ シ ョ ア の ア ッ プ グ レ ー ド 工 事 が 5% で あ っ た 。 新 造 船 部 門 ( リ グ 建 造 を 除 く ) は 、 2006 年 の 売 り 上 げ が 、 2005 年 の 売 上 げ か ら 額 に し て 2,240 万 シ ン ガ ポ ー ル ド ル 、率 に し て 12% 増 の 、2 億 1,100 万 シ ン ガ ポ ー ル ド ル で あ り 、 全 体 の 売 上 げ に 占 め る 割 合 は 2005 年 の 9%か ら 6% と な っ た 。 船 舶 改 造 及 び オ フ シ ョ ア 部 門 は 、2006 年 に 9 億 1,300 万 シ ン ガ ポ ー ル ド ル の 売 上 げ を 記 録 し 、 全 体 の 売 上 げ の 26% を 占 め た 。 2005 年 に 比 べ て 2,700 万 シ ン ガ ポ ー ル ド ル 、 率 に し て 3% の 小 幅 増 加 と な っ た 。 リ グ 建 造 部 門 の 売 上 げ は 、2005 年 の 3 億 8,130 万 シ ン ガ ポ ー ル ド ル か ら 4.5 倍 の 17 億 2,900 万 シ ン ガ ポ ー ル ド ル と な っ た 。 2006 年 に 引 き 渡 し た も の は 2 隻 の 惹 起 アップリグであった。 同 グ ル ー プ は 、 イ ン ド ネ シ ア に 100% 出 資 の P.T. KARIMUM SEMBAWANG SHIPYARD を 有 し 、 ま た 中 国 及 び ブ ラ ジ ル へ の 投 資 を 継 続 し て い る 。 同 グ ル ー プ の 中 国 進 出 は 、 2001 年 に COSCO (DALIAN) SHIPYARD の 株 を 獲 得 し た こ と に 始 ま り 、 2004 年 7 月 に は COSCO と の 間 で 修 繕 ヤ ー ド で あ る Cosco Shipyard Group の 株 30% を 保 有 す る こ と で 合 意 し た 。 Cosco Shipyard Group に は 、 Dalian、 Nantong、 Shanghai、 Zhoushan 及 び Guangzhou が 含 ま れ る 。 こ れ らの造船所は中国海岸の戦略的位置にあり、船主に対して高品質のサービスが提供 で き る と 期 待 し て い る 。ま た 、同 グ ル ー プ の 海 外 進 出 は 2001 年 に ブ ラ ジ ル の MAUA JURONG に 35% 投 資 し た こ と に 始 ま る 。こ れ に よ り FPSO、FSO 改 造 工 事 を 行 う 際に海外の施設が利用可能となり、相互にメリットを生み出している。 ま た 、事 業 拡 大 の た め 、自 社 所 有 の ジ ャ ッ ク ・ ア ッ プ ・ リ グ 及 び 2,600TEU 型 コ ンテナ船のデザインを開発した。この設計所有権は、同グループの所得ベース拡大 に 役 立 っ て い る 。2004 年 当 初 に 開 発 し た 深 海 掘 削 オ フ シ ョ ア リ グ の 設 計 は 、新 規 受 注 と と も に 顧 客 の 信 頼 も 獲 得 し て い る 。こ れ ま で 5 隻 の リ グ 建 造 契 約 が 締 結 さ れ こ - 28 - れからも増えると期待されている。 な お 、 セ ン ブ コ ー プ マ リ ン の 総 株 式 1,360,874,056 株 の 0.14% に 当 た る 20,000,000 株 を マ リ ン ユ ナ イ テ ッ ド が 保 有 し て い る 。 表 3 センブコープマリーンの売上等の推移 (単 位 : 百 万 シ ン ガ ポ ー ル ド ル ) 年 97 年 98 年 99 年 00 年 01 年 02 年 03 年 04 年 05 年 06 年 上 662 934 921 763 854 1012 1068 1363 2119 3545 税引前利益 68 102 111 96 103 116 95 114 160 310 項目 売 注 ) 97 年以前の数字はジュロン造船所のもの。99 年の数字から、合併に伴う 1997 年 8 月以降 のセンバワン造船所等の業績が含まれている。 表 4 センブコープ 分 マリーンの分野別売上構成 (単 位 : 百 万 シ ン ガ ポ ー ル ド ル ) センブコープ マリーン 2005 年 2006 年 野 船舶修繕 530 612 新造船(リグ除く) 189 211 リグ建造 381 1729 改 造 ・オ フ シ ョ ア 886 913 その他 132 80 2119 3545 合 表 5 計 セ ン ブ コ ー プ マ リ ー ン の 主 要 株 主 (第 5 位 ま で ) 株 主 の 名 称 保有株数 シ ェ ア (% ) SembCorp Industries Ltd 900,231,260 61.42 DBS Nominees Pte Ltd 178,048,509 12.15 DBSN Sevices Pte Ltd 67,409,822 4.60 Citibank Nominees Singapore Pte Ltd 63,476,389 4.33 HSBC Nominees Pte Ltd 58,476,389 4.01 全 1,360,874,056 体 - 29 - (2) ケ ッ ペ ル ・ グ ル ー プ ケ ッ ペ ル ・ グ ル ー プ は 、 シ ン ガ ポ ー ル に 本 拠 を 置 き 、 世 界 34 カ 国 に 事 業 を 展 開 し て い る 。 総 従 業 員 数 は 、 約 29,000 人 で 、 主 な 事 業 は 造 船 ・ オ フ シ ョ ア 関 連 、 エ ネ ル ギ ー・イ ン フ ラ 関 連 、不 動 産 、通 信 な ど 。総 従 業 員 の 67%に 当 た る 169,638 人 が 造 船・オ フ シ ョ ア 部 門 に 従 事 し て い る 。造 船・オ フ シ ョ ア 部 門 の 従 業 員 数 は 2004 年 の 17,927 人 か ら 9.5% 増 加 し て い る 。 2006 年 の グ ル ー プ 全 体 の 総 売 上 は 、 前 年 比 34% 増 の 76 億 100 万 シ ン ガ ポ ー ル ド ル で 、 営 業 損 益 は 前 年 比 33%増 の 7 億 5100 万 シ ン ガ ポ ー ル ド ル で あ っ た 。 税 引 き 前 利 益 も 前 年 比 37%増 の 11 億 3,900 万 シ ン ガ ポ ー ル ド ル で あ っ た 。 ケ ッ ペ ル グ ル ー プ は 、2002 年 5 月 に Keppel FELS と Keppel Hitachi Zosen ( 99 年 1 月 に 日 立 造 船 シ ン ガ ポ ー ル と Keppel Shipyard と が 合 併 ) を 統 合 し 、 同 グ ル ー プ の オ フ シ ョ ア ・ 海 洋 部 門 と し て 新 た に ケ ッ ペ ル ・ オ フ シ ョ ア & マ リ ン (Keppel Offshore & Marine)を 発 足 さ せ た 。 こ の 統 合 に よ り 、 資 材 供 給 ・ 保 管 、 受 注 ・ 人 材 管理の改善、造船所施設及び設備の有効利用が図られ経費節減につながるとしてい る。 ケ ッ ペ ル ・ オ フ シ ョ ア & マ リ ン は 、 世 界 に 12 箇 所 の 造 船 所 ネ ッ ト ワ ー ク を 持 ち 活 動 し て い る 。 シ ン ガ ポ ー ル 国 内 に Kepple FELS (オ フ シ ョ ア ・ リ グ )、 Kepple Shipyard( 修 繕 ・ 改 造 ・ 新 造 ) 、 Keppel Singmarine( 修 繕 ・ 新 造 ) 及 び Offshore Technology Development (ジ ャ ッ キ シ ス テ ム 製 造 )、米 国 に Keppel AmFELS Inc(オ フ シ ョ ア ・ リ グ 建 造 ・修 繕 )、 オ ラ ン ダ に Keppel Verolme BV、 ブ ラ ジ ル に Keppel FELS Brazil SA(オ フ シ ョ ア ・ リ グ 建 造 )、 ア ゼ ル バ イ ジ ャ ン に Caspian Shipyard Company(オ フ シ ョ ア・リ グ 建 造 )、フ ィ リ ピ ン に Keppel Philippines Marine Inc(修 繕 ・新 造 )、 ア ラ ブ 首 長 国 連 邦 に Arab Heavy Industries(オ フ シ ョ ア ・ リ グ 建 造 ・修 繕 ),ノ ル ウ ェ ー に Offshore & Marine A/S (オ フ シ ョ ア ・ リ グ 建 造 ・修 繕 )、 カ ザ フ ス タ ン に Keppel Kazakhstan LLP が あ る 。 Kepple Shipyard は 、 2002 年 5 月 の 統 合 に よ り Keppel Hitachi Zosen が 名 称 変 更 と な っ た も の で 、 本 部 機 能 を 有 す る Tuas Yard、 Benoi Yard 及 び Gul Yard の 3 造 船 所 を 有 す る 。 Tuas Yard は タ ン カ ー の FPSO 及 び FPO へ の 改 造 を 得 意 と す る が 、掘 削 船 、セ ミ サ ブ 、多 目 的 サ プ ラ イ ベ ッ セ ル な ど の 建 造 に も 実 績 が あ る 。Benoi Yard は 旧 日 立 造 船 シ ン ガ ポ ー ル で あ り 、ア ジ ア に お け る LNG、LPG の 修 繕 拠 点 で あ る ほ か 、多 様 な 船 種 の 修 繕 、改 良 、大 型 化 、改 造 な ど を 行 っ て い る 。Gul Yard は 中・小型船の修繕、改造、新造を行っている。 Keppel Philippines Marine は 、 Subic Shipyard and Engineering 、 Keppel Batangas Shipyard 及 び Keppel Cebu Shipyard の 3 造 船 所 を 有 し て い る 。 ケ ッ ペ ル グ ル ー プ の オ フ シ ョ ア 部 門 の 売 上 げ は 、2006 年 は 57 億 5,500 万 シ ン ガ ポ ー ル ド ル で あ り 、2005 年 の 41 億 1,200 万 シ ン ガ ポ ー ル ド ル か ら 39%の 大 幅 な 増 加 を 記 録 し た 。同 グ ル ー プ 内 の 総 売 上 に 占 め る 割 合 も 2005 年 の 72%か ら 75% と 大 きく貢献している。 オ フ シ ョ ア 部 門 で は 、Keppel FELS は 、8 基 の ジ ャ ッ ク ア ッ プ・リ グ を 完 工 し た 。 このプロジェクト以外にもシンガポールの造船所では 5 隻のプラットフォーム船体 - 30 - や居住区の建造を行った。 海 外 で も 多 く の オ フ シ ョ ア 事 業 を 実 施 、契 約 締 結 し て い る 。米 国 の AMFELS は 、 Keppel 及 び FELS の ブ ラ ン ド 名 を メ キ シ コ 湾 に 浸 透 さ せ る た め 、2004 年 に 名 称 を Keppel AmFELS に 変 更 し た 。 同 社 は 2 隻 の 居 住 プ ラ ッ ト フ ォ ー ム 建 造 を 完 工 す る な ど 、 2006 年 は 12 の プ ロ ジ ェ ク ト を 完 了 し た 。 Keppel FELS Brasil は 2005 年 1 月 6 日 に 100% 出 資 子 会 社 と な っ た 。 2006 年 には2隻の半没水型構造を行った。 2006 年 も 船 舶 修 繕 は 堅 調 で あ っ た ケ ッ ペ ル ・ シ ッ プ ヤ ー ド は 、 9 隻 の LNG 船 の 修 理 、 10 隻 の FPSO/FSO 改 造 ・ 改 良 工 事 を 行 っ た 。 Keppel Singmarine の 2006 年 は 、 合 計 14 隻 を 引 き 渡 し 、 2007 年 か ら 2009 年 に 引 き 渡 し 予 定 と な っ て い る 船 舶 は 合 計 22 隻 で あ る 。 表 6 ケッペル・グループの売上高・税引前利益の推移 年 (単位:百万S$) 2002 2003 2004 2005 2006 高 5,528 5,947 3,963 5,688 7,601 税引前利益 511 557 647 826 1,139 項目 売 上 図4 100% 90% 80% 70% 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0% ケッペル・グループの分野別売上げシェア 図4 ケッペル・グループの分野別売上げシェア 7 11 18 2 インフラ 11 2 2 15 15 15 3 投資 18 76 72 72 61 不動産 オフショア・海洋 2005年 2006年 - 31 - 3 今後の見通し シンガポール海事産業界の好調は、十分な受注残もあり少なくとも今後数年は続く ものと予想されている。特に、オイル・ガス産業が好調で、ジャッキアップリグのチ ャーターレートも高水準であるため、オフショア部門が今後も更に増加するものと思 わ れ る 。シ ン ガ ポ ー ル は ジ ャ ッ ク ・ ア ッ プ ・ リ グ 建 造 に 関 し 、世 界 の シ ェ ア の 80% を 占 め て お り 、 世 界 を リ ー ド し て い る 。 FPSOへ の 改 造 、 オ フ シ ョ ア ・ サ ポ ー ト ・ ベ ッ セ ル と い う シ ン ガ ポ ー ル が 得 意 と す る 2つ の ニ ッ チ 部 門 も 活 力 を 維 持 し て い る 。 修 繕 部門に関しては、シンガポール造船所はここ数年、より専門的マーケットに重点を置 く よ う に な っ て い る 。す な わ ち 、LNG運 搬 船 の 修 繕 で あ る 。シ ン ガ ポ ー ル は 、LNG運 搬 船 の 修 繕 に 関 し て 長 期 契 約 を 結 ぶ こ と に よ っ て LNG船 の 修 繕 セ ン タ ー に な っ て き た。 中国や中東との激しい競争に対抗するためには、シンガポールはその資力と力点を 戦略と競争優位性に置かなければならない。シンガポール造船業界は、安全性を確保 し、予算内でスケジュール厳守でプロジェクトを遂行し続ける必要がある。また、製 品、サービス能力を強化、拡充するため、研究開発により取り組んでいかねばならな い 。最 近 の 受 注 は 、顧 客 の ニ ー ズ が シ ン ガ ポ ー ル の 設 計 に 合 致 し て い た だ け で は な く 、 シンガポール造船所が独自の設計、エンジニアリング・ソリューションを提示する能 力を示したものである。 シンガポールの海事産業は、長年にわたって、人的資源の能力、技術力、プロジェ クトの管理能力、製造ノウハウ及び各社が開発した設計の競争力によって発展してき た。この海事業界が現在直面している課題は地元の若者にこの産業に参画してもらう ことである。そのためには業界全体が同じ意識を持ち、一体となって取り組んでいく 必要がある。これによって世間の業界に対する認識を変え、業界に対する間違った認 識を正すことができる。高度な技術と専門性を強みとするシンガポール海事産業にと って、海事産業のイメージを高めて若い人材を惹きつけ、優秀な人材を確保し育てて いくことは最も重要なことである。 シンガポールの造船業界のイメージを改善し、シンガポールの若者に魅力を抱かせ る 努 力 は 、よ り 多 く の 学 生 が 高 等 教 育 で 海 洋・オ フ シ ョ ア を 選 考 す る よ う に な る な ど 、 いくつかの成果を挙げてきている。シンガポール造船工業界は今後とも協力して次の 段階の成長のために更に努力していくことが重要である。 - 32 - 資 料 1. シ ン ガ ポ ー ル の 主 な 造 船 及 び 修 繕 設 備 DOCK、 SLIPWAY, etc. (D) Tuas(D) Keppel Shipyard (Tuas Yard) Raffles(D) Temasek(D) No.1(D) Keppel Shipyard (Benoi Yard) No.2(D) (S) No.1(F) No.2(F) Keppel Shipyard ( Gul Yard) No.4(F) (BB) DD1(D) DD2(D) Jurong Shipyard DD3(D) DD5(D) Premier(D) King George Ⅵ (D) Sembawang Shipyard President(F) Republic(F) KPD(F) FDⅠ(F) FDⅡ(F) Pan-United Shipyard FDⅢ(F) (BB) SHIPBUILDER/ SHIPREPAIRER Keppel FELS Benoi Yard(Syncro) Benoi Yard(Syncro) Singapore Technologies Marine Ltd Benoi Yard(BB) Benoi Yard(BB) Tuas Tuas Tuas Tuas (注 ) DOCK SLIPWAY etc.の 欄 中 、( Yard(F) Yard(F) Yard(BB) Yard(BB) CAPACITY 400,000DWT 360,000DWT 330,000DWT 150,000DWT 300,000DWT 170,000DWT 30,000DWT 14,000DWT 5,000DWT 7,500DWT 14,000DWT 100,000DWT 300,000DWT 500,000DWT 200,000DWT 400,000DWT 100,000DWT 150,000DWT 60,000DWT 65,000DWT 4,000T 16,000T 16,000T 20,000DWT 10,000DWT DIMENSION (M) 380×80× 13 350 × 66 355 × 60 301 × 52 350× 60× 12 300× 60× 12 230× 40 190× 33 120× 27 158× 23 150 270× 40× 10 350× 56× 12 380×80.2×14 335×56×11.5 384× 64× 9 303×40× 13.6 290× 48× 8.5 202× 42× 8 230× 35× 7.3 122× 22 195× 34.6 187.5× 36.5 96× 20 12,500DWT 110× 20 12,000DWT 18,000DWT 40,000DWT 70,000DWT 30,000DWT 30,000DWT 140× 140× 185× 240× 180× 180× 22 22 33.2 42.25 26 26 )内の記号は造修設備の種類を示す。 D: DRY DOCK, F: FLOATING DOCK, S: SLIPWAY, BB: BUILDING BERTH CAPACITY の 欄 中 、 単 位 T は lifting capacity を 示 す 。 - 33 - 資 料 2. シ ン ガ ポ ー ル の 船 舶 進 水 量 300 3000 250 2500 200 2000 150 1500 100 1000 50 500 合計総トン数、平均船型(総トン) 隻数 シシンガポールの船舶進水状況 ンガポールの船舶進水状況 0 0 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 隻数 総トン数(千トン) 平均船型(総トン) シ ン ガ ポ ー ル に お け る 船 舶 進 水 量 の 推 移 (1997- 2006年 ) 年 項目 進 水 隻 数 進 水 船 舶 合計総トン数 (千 ト ン ) 平 均 船 型 (総 ト ン ) 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2005 2006 130 97 70 64 88 80 102 97 84 127 241 124 114 66 134 123 116 150 210 248 1,854 1,278 1,629 1,031 1,527 1,531 1,138 1,545 2,500 1,952 出 所 ) 海 事 港 湾 庁 (Maritime & Port Authority of Singapore) 注) 2004 ( 平 均 船 型 ) = ( 進 水 船 舶 合 計 総 ト ン 数 ) / (進 水 隻 数 ) - 34 - 資 料 3. シ ン ガ ポ ー ル 造 船 所 に お け る 事 故 発 生 率 の 推 移 900 800 700 600 500 400 300 200 100 0 8 7 事故発生率 6 5 4 3 2 1 0 1997 1998 1999 2000 2001 2002 事故発生率 2003 2004 2005 事故の重大度 事故の発生状況 事故 の発生状況 2006 重大度 造 船 業 に お け る 事 故 発 生 率 と 重 大 度 (1997- 2006年 ) 年 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 事故発生率 7.3 6.1 5.1 3.8 4.1 3.1 3.4 3.0 2.8 2.2 重 840 708 680 552 724 394 454 830 175 257 項目 大 出所) 度 労 働 省 ( Ministry of Manpower) 定 義 ) 事 故 発 生 率 : 百 万 工 数 (人 ・ 時 間 )当 た り 事 故 発 生 件 数 重 大 度 : 百 万 工 数 (人 ・ 時 間 )当 た り 喪 失 延 べ 労 働 日 数 (人 ・ 日 ) - 35 - 白 - 36 - Ⅳ.シンガポールの舶用工業 - 37 - 白 - 38 - シンガポール舶用工業の概況 Ⅰ.業界の概要 1.舶用機械関連企業数 シ ン ガ ポ ー ル 海 事 産 業 協 会 (Association of Singapore Marine Industries : ASMI) の 2008 年 ア ニ ュ ア ル レ ポ ー ト に 掲 載 さ れ た 経 済 開 発 庁 (EDB)の デ ー タ に よ る と 、 シ ン ガ ポ ー ル の 海 事 産 業 の 規 模 は 130.5 億 S ド ル( 2007 年 )で 、そ の 内 訳 は 、船 舶 修 繕 が 62.64 億 S ド ル ( 全 体 の 48% )、 造 船 が 18.27 億 S ド ル ( 同 14% )、 オ フ シ ョ ア セ ク タ ー が 49.57 億 S ド ル( 同 38% )と な っ て い る 。舶 用 機 械 に つ い て は 、造 船 や 船 舶 修繕のコストに含まれているものと考えられるが、造船および船舶修繕の規模はあく までも、造船所の売り上げをベースに算出されたもので、そのうちどの程度が舶用機 械のコストであるかは造船所で公表していない。そのため、舶用機械産業規模のデー タは存在しない。 シ ン ガ ポ ー ル の 舶 用 機 械 は ほ と ん ど が 輸 入 さ れ て い る が 、 ス ー タ ン ギ ア (Mencast Holdings Ltd) 及 び プ ロ ペ ラ (Berg Propulsion International Pte Ltd)は 地 場 企 業 で 生産されている。ただし、後述の「2 輸出」の項でみるように、統計上ではシンガポ ールからの地場輸出も行われている。 そのため、シンガポールの舶用産業を担っているのは、海外メーカーの現地法人や 代 理 店 で あ る 。ASMI の 会 員 数 は 普 通 会 員 、賛 助 会 員 、名 誉 会 員 を 含 め 204 社 あ る が 、 そ の う ち 151 社 は 舶 用 機 械 の 取 り 扱 い 業 者 で あ る 。 ASMI 会員企業の業種別内訳 図表1 (2008 年 9 月現在) 90 83 80 70 社数 60 51 50 40 30 23 21 20 13 10 7 3 6 14 11 6 の そ ョア 海 機 洋 器 エ & ン リ ア 他 給 ジ 供 ン グ ン 器 海 洋 ・オ 海 フ 洋 シ エ ン 電 ジ 子 ニ 通 食 信 管 機 理 蔵 調 腐 ・冷 場 査 検 足 空 船 級 造 協 船 会 0 出 所 : ASMI ウ ェ ブ サ イ ト (www.asmi.com)よ り 作 成 註 : 1 社 で 複 数 の 業 種 に 登 録 し て い る ケ ー ス が あ る の で 、 業 種 別 企 業 内 訳 の 合 計 は ASMI のメンバー企業数と合致しない。 - 39 - な お 、シ ン ガ ポ ー ル の 舶 用 機 械 取 り 扱 い 業 者 は 、上 記 の ASMI メ ン バ ー が 全 て で は な い 。シ ン ガ ポ ー ル の 海 事 産 業 関 連 企 業 の ダ イ レ ク ト リ ー で あ る Singapore Maritime Directory 2007/2008 年 版 に よ る と 、 舶 用 機 器 ・ サ プ ラ イ (Marine Equipment & Supply)の 分 野 に 掲 載 さ れ て い る 企 業 数 は 1,138 社 に の ぼ る 。 Singapore Maritime Directory で は 舶 用 機 械 の 業 種 を よ り 細 か く 分 類 し て お り 、 取 り 扱 い 商 品 別 登 録 企 業 数 は 図 表 2 の と お り で あ る 。 2006/2007 年 版 よ り 企 業 数 で 110 社 増 加 し 、 海 洋 機 器 、 ポンプ分野の企業が新たに掲載されている。 図表2 Singapore Maritime Directory の舶用機器・サプライ(Marine Equipment & Supply) に掲載されている企業の取り扱い商品別内訳 No. Category 分野 掲載企 業数 No. Category 分野 掲載企 業数 1 MARINE EQUIPMENT & SUPPLIES 海洋機器 107 38 WINCHES ウィン チ 12 2 PUMPS - MFRS & DISTRS ポン プ 61 39 SURVEY EQUIPMENT サーベー機器 10 3 BOILER DISTRIBUTORS & MANUFACTURERS ボイ ラ ー 15 40 EXPANSION JOINTS エクスパン ショ ン ジョ イ ン ト 9 4 BRAKES & CLUTCHES ブ レーキ&クラ ッチ 2 41 TURBOCHARGERS ターボチ ャージャー 9 5 CHAINS チェ イ ン 17 42 MARINE PROPULSION 海洋推進機器 4 6 COATINGS - PROTECTIVE 塗装 26 43 RADAR EQUIPMENT & SUPPLIES ラ ーダー機器 11 通信機器 22 44 GAS DETECTORS ガス探知機 4 7 COMMUNICATION SYSTEMS & EQUIPMENT PURIFIERS/CLARIFIERS, OIL, 8 COMPASSES - MAGNETIC コン パス・磁気 1 45 9 COMPRESSORS - AIR & GAS コン プ レッサー 39 46 SEPARATORS 10 CONTAINER HANDLING EQUIPMENT 47 WATER TREATMENT EQUIPMENT 水処理機器 & SUPPLIES 11 コン テナ機器 8 CONTAINER LASHING/SECURING CENTRIFUGAL, ETC FRESHWATER GENERATING 清浄機/浄化機、油、遠心分離機 3 分離機 淡水製造機器 4 5 4 コン テナ 1 EQUIPMENT CONTROLS, CONTROL SYSTEMS コン トロ ールシステム・レギュレー 56 & REGULATORS ター 48 49 HEAT EXCHANGERS 熱交換器 6 13 CRANES クラ ーン 24 50 HYDRAULIC STEERING GEARS 水圧ステアリン グギア 4 14 DECK EQUIPMENT デッキ機器 1 51 NAUTICAL CHARTS & PUBLICATIONS 航海チ ャート・出版物 5 15 DEHUMIDIFIERS 除湿機 1 52 TESTING EQUIPMENT 検査機器 4 16 DIVING EQUIPMENT & SUPPLIES ダイ ビ ン グ機器 11 53 TURBINES タービ ン 4 17 ELECTRIC SUPPLIES 電気機器 47 54 FENDERS フェ ン ダー 3 18 ELECTRIC SWITCHBOARDS 電気配電盤 18 55 FILTERS フィルター 3 13 56 GAUGES ゲージ 3 12 19 ELEVATORS/ESCALATORS/TRA エレベーター/エスカ レター/トラ PLANTS VELATORS ベラ ーター 20 ENGINES - DIESEL ディーゼルエン ジン 57 57 INSULATING MATERIALS - COLD & 断熱材(冷温) HEAT 3 21 ENGINES - MARINE マリン エン ジン 13 58 OUTBOARD MOTORS 船外エン ジン 2 22 23 SAFETY EQUIPMENT & SUPPLIES 安全装置 RADIO COMMUNICATION EQUIPMENT & SYSTEMS 51 59 PRESSURE VESSELS 圧力機 3 無線通信機器 45 60 ROPES ロ ープ 4 RUBBER PRODUCTS ゴム製品 3 ウォ ーキートーキー 7 24 FIRE PROTECTION SYSTEMS 防火システム 45 61 25 LUBRICANTS 潤滑剤 38 62 26 VALVES バルブ 44 63 HOISTS ホイ スト 2 27 REFRIGERATION EQUIPMENT 冷蔵機器 35 64 TRANSFORMERS トラ ン スフォ ーマー 2 GENERATORS 発電機 34 65 WATER MANAGEMENT SYSTEMS 水マネージメン トシステム 1 水圧機器 24 66 FENDERS - PNEUMATIC 空気圧フェ ン ダー 1 航海用機器 22 67 GALLEY EQUIPMENT ギャラ リー機器 1 検査機器 1 1 28 29 30 31 HYDRAULIC EQUIPMENT & SUPPLIES NAVIGATIONAL EQUIPMENT & SUPPLIES MARINE ELECTRONIC EQUIPMENT & SUPPLIES 海洋電子機器 21 68 WALKIE TALKIE EQUIPMENT & SUPPLIERS INSPECTION DEVICES INDUSTRIAL 32 LIGHTING FIXTURES 証明器具 18 69 LAUNDRY EQUIPMENT 洗濯機器 33 WIRE ROPES ワイ ヤーロ ープ 19 70 LOCKS, MARINE マリン 錠前 1 34 PAINTS - MARINE 海洋塗料 17 71 NAVIGATIONAL BUOYS 航海用浮き 1 自動化装置 17 72 TOOLS - PNEUMATIC 空気圧工具 2 73 BELTING - MECHANICAL ベルト機 1 35 AUTOMATION SYSTEMS & EQUIPMENT 36 LIFEBOATS & LIFE RAFTS ラ イ フボート 12 37 MARINE PROPELLERS 海洋プ ロ ペラ 13 出 所 : Singapore Maritime Directory 2007/2008 年 版 よ り 作 成 - 40 - 2.流通チャネル 上述のように、シンガポールで使用される舶用機械は輸入品が多いため、海外メー カーの販売子会社あるいは代理店が輸入し、国内のユーザーに販売するという流通構 造になっている。シンガポールがアジアの中心であることから、代理店だけではなく 100% 出 資 の 現 地 法 人 を お き 、 地 域 統 括 拠 点 と し て い る 企 業 は 多 い 。 日 系 の エ ン ジ ン メ ー カ ー は も と よ り 、 欧 米 系 の Cummins, Wartsila, Man, Caterpillar、 ボ イ ラ ー メ ー カ ー の Aalborg、ポ ン プ の Sulzar な ど が シ ン ガ ポ ー ル に 子 会 社 を お い て い る 。ま た 、 シンガポールの物流拠点としての機能を活かして、シンガポールに部品などの在庫を おき、必要に応じて第三国に輸出するケースも多い。そのため、第 2 章にも述べるよ うに、輸入の 3 分の 1 は再輸出向けとなっている。 - 41 - Ⅱ.シンガポール舶用機械輸出入統計 世 界 貿 易 統 計 1 ( World Trade Atlas) を も と に 、 シ ン ガ ポ ー ル の 舶 用 機 械 輸 出 入 動 向 を 概 観 す る 。 な お 、 同 輸 出 入 統 計 は HS コ ー ド で 分 類 さ れ て い る が 、 舶 用 機 械 に 特 化したコードの数は限られている。ここでは下記のとおり舶用機械を扱っていると確 認できる品目だけを取り上げる。よって、本章で概説する数値がシンガポールにおけ る全ての舶用機械の輸出入値ではない。 ま た 、レ ー ダ ー 機 器( HS85261010)、航 行 用 無 線 機( 同 85269110)、無 線 遠 隔 制 御 機 器( 同 852692)に 関 し て は 、HS コ ー ド の 最 小 分 類 に お い て も 航 空 機 用 な ど が 混 在 していることに注意を要する。 以 下 、 図 表 3 を 除 く 図 表 4~ 64 の 出 所 は 全 て 世 界 貿 易 統 計 で あ る 。 図表3 HS コ ー ド 1 内 本章で取り上げる舶用機械 容 英語標記 840610 タービン(船舶推進用) Turbines for marine propulsion 840721 船外機(ピストン式、往復動機関及び ロータリーエンジンに限る) Outboard motors (petrol-driven, output not over 20 kW) 840729 船内機(ピストン式、往復動機関及び ロータリーエンジンに限る) Other marine propulsion engines (inboard) 840810 船舶推進用エンジン(ピストン式、デ ィーゼル及びセミディーゼルエンジ ン)(船内外機関を除く。) Compression-ignition marine propulsion engines 84834021 及び 84834029 船舶推進エンジン用の歯車および歯 車電動機、ボールスクリュー、ローラ ースクリュー Gears & gearing ball or roller screws etc for marine propulsion engines output 85261010 レーダー機器(航空機又は船舶用) Radar apparatus ground base or for aircraft or sea-going vessels 85269110 航行用無線機(航空機又は船舶用) Radio navigational aid Apparatus for aircraft or sea going vessels 852692 無線遠隔制御機器(航空機、船舶、リ モコンカー含む) Radio remote control apparatus シンガポールの数値は、シンガポールの政府機関(経済開発庁)に基く。 - 42 - 1.輸入 (1) 全 体 像 シ ン ガ ポ ー ル へ の 上 記 舶 用 機 械 の 輸 入 金 額 の 合 計 は 、2007 年 で 7 億 3,003 万 シ ン ガポールドル(以下、S ドル)であった。これは、前年同期実績の 6 億 3 千万 S ド ル の 2 割 増 、 2 年 前 の 4 億 8,026 万 S ド ル の 1.5 倍 増 で あ り 、 国 内 需 要 が 勢 い よ く 伸びていることが伺える。 図表4 順位 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 - 国名 日本 ドイツ アメリカ フィンランド イタリア イギリス オランダ スウェーデン ノルウェー デンマーク その他 合計 舶用機械輸入額の推移 2005 207.21 57.00 96.38 7.93 14.58 31.52 3.20 14.39 14.19 0.12 33.74 480.26 単位:百万シンガポールドル 2006 2007 193.45 200.31 81.29 166.99 183.80 163.97 21.02 44.74 26.69 37.94 21.34 32.35 6.77 12.30 15.53 7.69 8.18 5.16 1.34 5.12 72.63 53.45 632.04 730.03 輸入元を見ると、日本が常にトップである。ただし輸入額全体に占める日本の割 合 は 、2006 年 に は 31% だ っ た の が 2007 年 に は 27% に 落 ち て い る 。ド イ ツ が 、2007 年 に 輸 入 元 と し て 大 き く 躍 進 し 、 ド イ ツ か ら の 輸 入 額 が 2006 年 の 8,129 万 S ド ル か ら 翌 2007 年 に は 1 億 6,699 万 S ド ル と 、 約 2 倍 増 と な っ た の と は 対 照 的 に 、 ア メ リ カ か ら の 輸 入 額 は 同 1 億 8,380 万 S ド ル か ら 1 億 6,397 万 S ド ル へ と 11%減 と な っ て い る 2。 輸 入 元 上 位 10 カ 国 を 2007 年 実 績 で み る と 、日 本 、ド イ ツ 、ア メ リ カ 、フ ィ ン ラ ンド、イタリア、イギリス、オランダ、スウェーデン、ノルウェー、デンマークの 順 と な っ て い る 。 こ れ ら 上 位 10 カ 国 で 、 舶 用 機 械 関 連 輸 入 総 額 の 92.7%を カ バ ー し て お り 、 上 位 3 カ 国 で 同 72.8% を 占 め る 。 2007 年 に お け る 各 国 比 率 は 下 記 の 通 りである。 2 シンガポールの貿易統計では、レーダー機器、および航行用無線機について、航空用と舶用に分けて い な い の で 、そ の う ち 、ど れ ほ ど が 船 舶 用 な の か は 不 明 。航 空 機 等 の 混 在 率 に よ っ て は 、上 記 数 値 の 有 効 性が著しく落ちる。 - 43 - 図表5 舶用機械輸入元(2007 年) その他 デンマーク デンマーク 7% 0.70% 1% ノルウェー 1% 0.71% スウェーデン 1% 1.05% その他 7.32% オランダ 2% 1.68% イギリス 4% 4.43% 日本 日本 28% 27.44% イタリア 5% 5.20% フィンランド 6% 6.13% アメリカ ドイツ 22.87% ドイツ 23% アメリカ 22.46% 22% 上 位 10 カ 国 か ら の 輸 入 額 過 去 3 年 分 の 推 移 を 表 示 し た も の は 、下 記 の 通 り で あ る 。 図表6 舶用機械輸入上位 10 カ国からの輸入額推移 (単位:百万シンガポールドル) 250.00 2005年 200.00 2006年 2007年 150.00 100.00 50.00 0.00 日本 ドイツ アメリカ フィンランド イタリア イギリス オランダ スウェーデン ノルウェー デンマーク その他 2005年 207.21 57 96.38 7.93 14.58 31.52 3.2 14.39 14.19 0.12 33.74 2006年 193.45 81.29 183.8 21.02 26.69 21.34 6.77 15.53 8.18 1.34 72.63 2007年 200.31 166.99 163.97 44.74 37.94 32.35 12.3 7.69 5.16 5.12 53.45 なお、日本が輸入元でトップを占めているのは船外機、船舶推進用エンジンとな っている。 品目別にみると、船舶推進用エンジン(ピストン式、ディーゼル及びセミディー - 44 - ゼ ル エ ン ジ ン )が 最 も 多 く 、全 体 の 74.5% 程 度 を 占 め て い る 。ま た 、航 行 用 無 線 機 、 レーダー機器の割合が増えているが、前述の脚注のとおり、これらの品目には航空 機用が含まれていることに留意する必要がある。 図表7 舶用機械品目別輸入額の推移 順位 品目 1 2 3 4 5 6 7 8 船舶推進用エンジン(ピストン式、ディーセル 及びセミディーゼルエンジン) 船舶推進エンジン用の歯車および歯車電動機、 ボールスクリュー、ローラースクリュー 航行用無線機(航空機又は船舶機用) レーダー機器(航空機又は船舶機用) 船内機(ピストン式、往復動機関及びロータ リーエンジンに限る) タービン(船舶推進用) 無線遠隔制御機器(航空機、船舶、リモコン カー含む) 船外機(ピストン式、往復動機関及びロータ リーエンジンに限る) 図表8 船内機(ピストン式、 往復動機関及びロー タリーエンジンに限 る) 4.48% レーダー機器(航空 機又は船舶機用) 6.54% 単位:百万シンガポールドル 2005 2006 2007 341.38 410.37 495.48 34.86 42.92 85.43 32.94 28.70 11.95 66.36 61.80 16.70 54.50 43.52 29.82 0.60 25.78 4.79 25.15 10.54 5.77 4.05 3.95 4.98 舶用機械輸入の品目別割合(2007 年) タービン(船舶推進 用) 0.00% 無線遠隔制御機器 (航空機、船舶、リモ コンカー含む) 船外機(ピストン式、 0.87% 往復動機関及びロー タリーエンジンに限 る) 0.75% 航行用無線機(航空 機又は船舶機用) 0.00% 船舶推進エンジン用 の歯車および歯車電 動機、ボールスク リュー、ローラースク リュー 12.85% 船舶推進用エンジン 船舶推進用エンジン (ピストン式、ディー (ピストン式、ディー ゼル及びセミディー セル及びセミディー ゼンエンジン) ゼルエンジン) 74.51% 74.51% 以下、品目ごとに輸入元をみてみる。 - 45 - (2) 品 目 別 ① タービン(船舶推進用) タ ー ビ ン の 輸 入 元 は 、6 カ 国 に 限 ら れ て い る 。日 本 か ら の 輸 入 は 2006 年 に 399.9 万 S ド ル が 、2007 年 に ゼ ロ に な っ た 。2005 年 の 輸 入 元 ト ッ プ は タ イ 、2007 年 は インドネシアであった。 図表9 タービン輸入元(2007 年) マレーシア 0.40% アメリカ 0.30% オランダ 2.29% オーストラリ ア 0.12% ノルウェー ノルウェー 20.05% 20.05% インドネシア 76.85% 図表10 タービン輸入額推移 単位:千シンガポールドル 順位 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 - 国名 インドネシア ノルウェー オランダ マ レーシア アメリカ オース トラリア ベルギー カナダ ス イス ドイツ その他 合計 タービン(船舶推進用) 20 05 0.29 0.00 0.00 0.22 3.17 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 596.83 600.51 - 46 - 2 006 0.20 0.00 0.00 656.00 95.98 12.94 0.00 0.00 0.00 0.00 4,028.19 4,793.31 2 00 7 8,100.59 2,113.30 241.70 41.96 31.52 12.25 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 10,541.33 ② 船外機 2004 年 か ら 2007 年 に お け る 船 外 機 の 輸 入 元 ト ッ プ は 日 本 で 、 2006 年 に は 全 体 の 66%を 占 め た 。 ま た 、 上 位 10 カ 国 が 、 全 体 の 99%を 占 め る 。 全 体 額 で は 、 2007 年 実 績 は 2006 年 実 績 よ り に は 20.67% に 増 え た 。 ま た 2007 年 に は 、 香 港 か ら の 輸 入 が 前 年 の 約 18 万 S ド ル か ら 94.3 万 S ド ル へ と 大 き く 躍 進 し 、 過 去 2 年 間 輸 入 実 績 の 無 か っ た タ イ か ら の 輸 入 が 2007 年 に は 2 万 1 千 S ド ル と な っ た 。 2005、 2006 年 に は 比 較 的 多 く 輸 入 し て い た ア メ リ カ か ら の 輸 入 は 、 2007 年 に は 激 減 し て い る 。 図表11 イタリア インドネシア 1.42% 3.41% 船外機輸入元(2007 年) ブルネイ 0.80% アメリカ タイ 0.63% 0.42% その他 0.46% メキシコ 0.20% オーストラリア 3.81% マレーシア 4.08% 香港 香港 18.95 18.95% % 日本 65.83% 図表12 船外機輸入額推移 単位:千シンガポールドル 順位 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 - 国名 日本 香港 マ レーシア オース トラリア インドネシア イタリア ブルネイ アメリカ タイ メキシコ その他 合計 船外機 20 05 3,192.84 0.00 513.87 17.24 11.19 2.51 0.00 186.60 0.51 3.98 122.60 4,051.34 - 47 - 2 006 3,095.87 179.50 234.39 55.21 24.95 1.72 36.06 188.90 0.00 5.91 127.80 3,950.31 2 00 7 3,277.73 943.46 203.31 189.90 169.60 70.74 39.59 31.31 21.15 9.87 22.80 4,979.46 ③ 船内機 2006 年 に は イ タ リ ア か ら の 輸 入 は ゼ ロ だ っ た が 、 2007 年 に は 全 体 の 57.48% を 占 め た 。 ま た 、 上 位 10 カ 国 が 、 全 体 の 98.6%を 占 め る 。 日 本 は 前 年 か ら の 輸 入 は 28.5% に 増 え た が 、シ ェ ア は 17% か ら 13.8% に 減 っ た 。2006 年 に は 比 較 的 多 く 輸 入 し て い た ド イ ツ 、ア メ リ カ か ら の 輸 入 は 、2007 年 に は 激 減 し て い る 。ま た 、 4 位 の イ ギ リ ス の 輸 入 は 前 年 か ら 激 増 の 42 倍 以 上 に な っ た 。 図表13 インド アメリカ 3.10% 4.16% 船内機輸入元(2007 年) 香港 2.73% 中国 0.52% 韓国 0.49% その他 1.44% オランダ 4.62% イギリス 4.69% ドイツ 6.96% イタリア 57.49% 日本 日本 13.81% 13.81% 図表14 順位 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 - 国名 イタリア 日本 ドイツ イギリス オランダ アメリカ インド 香港 中国 韓国 その他 合計 船内機輸入額推移 20 05 6,278.63 2,025.62 40.19 10.25 0.00 521.05 147.86 0.00 96.08 0.00 2,830.28 11,949.96 - 48 - 単位:千シンガポールドル 船内機 2 006 2 00 7 0.00 17,140.60 3,203.59 4,117.97 4,554.91 2,074.53 31.86 1,397.49 1,732.47 1,377.53 3,356.63 1,240.79 310.61 923.22 1,326.92 813.94 100.95 153.65 0.00 145.22 2,077.55 430.53 16,695.49 29,815.48 ④ 船舶推進用エンジン 2007 年 に お け る 輸 入 実 績 は 、 2005 年 の 約 34,138 万 S ド ル か ら 約 49,548 万 S ド ル へ と 1.4 倍 以 上 の 伸 び と な っ て い る が 、 そ れ に 伴 い 輸 入 元 ト ッ プ 二 カ 国 の 日 本 及 び ア メ リ カ か ら の 輸 入 が 、そ れ ぞ れ 9%増 、14%増 、と な っ て い る 。日 本 の 占 め る シ ェ ア は 、 2007 年 で 約 32%、 次 い で ア メ リ カ が 22.1%、 ド イ ツ が 20.3%と な っ て い る 。ド イ ツ が 前 年 か ら 約 1.8 倍 と 大 き く 躍 進 し た 。な お 、上 位 10 カ 国 が 、 全 輸 入 額 の 74.5% を 占 め て い る 。 図表15 船舶推進用エンジン輸入元(2007 年) オランダ 1.63% イタリア 4.18% スウェーデン 1.55% デンマーク 1.03% フィリピン 0.58% その他 2.55% イギリス 4.96% 日本 32.04% フィンランド 9.03% ドイツ 20.33% 図表16 順位 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 - 国名 日本 アメリカ ドイツ フィンランド イギリス イタリア オランダ ス ウェーデン デンマ ーク フィリピン その他 合計 アメリカ アメリカ 22.11 % 22.11% 船舶推進用エンジン輸入額推移 単位:千シンガポールドル 船舶推進用エンジン 20 05 2 006 2 00 7 155,069.25 146,013.92 158,737.33 60,947.55 96,444.65 109,555.67 48,032.66 55,746.49 100,742.35 7,922.20 20,948.92 44,744.49 29,071.42 18,559.75 24,562.77 4,980.72 26,189.35 20,715.64 3,140.43 4,099.55 8,074.25 13,896.50 15,325.43 7,688.36 64.31 0.00 5,120.82 0.00 0.00 2,882.42 18,251.62 27,044.06 12,653.36 341,376.66 410,372.11 495,477.45 - 49 - ⑤ 船舶推進用エンジンの歯車等 船舶推進エンジン用の歯車および歯車電動機、ボールスクリュー、ローラース ク リ ュ ー の 輸 入 元 は 、2007 年 で は ド イ ツ の シ ェ ア が 72.8%で 2006 年 の 45.5% か ら 増 加 し 、 一 方 2 位 の 日 本 は 37.5% か ら 9.2% と 減 少 し た 。 図表17 船舶推進用エンジンの歯車等輸入元(2007 年) スペイン 2.28% アメリカ 2.33% 中国 アーストラリア 韓国 1.65% 0.56% 0.37% その他 1.65% オランダ 2.65% マレーシア 3.25% ノルウェー 3.28% 日本 日本 9.16% 9.16 % ドイツ 72.81% 図表18 船舶推進用エンジンの歯車等輸入額推移 単位:千シンガポールドル 順位 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 - 国名 ドイツ 日本 ノルウェー マ レーシア オランダ アメリカ ス ペイン 中国 アース トラリア 韓国 その他 合計 船舶推進エンジン用の歯車および歯車電動機、ボー ルスクリュー、ローラースクリュー 20 05 7,948.86 14,593.39 3,610.63 333.25 18.02 398.48 0.00 1,369.85 0.00 577.31 6,006.67 34,856.46 - 50 - 2 006 19,534.11 16,081.79 640.68 2,010.55 604.83 1,063.48 0.00 1,322.16 331.76 391.24 936.40 42,917.00 2 00 7 62,197.73 7,827.63 2,805.69 2,774.45 2,264.23 1,988.24 1,949.18 1,412.02 482.35 314.16 1,411.83 85,427.50 ⑥ 航空機又は船舶用レーダー機器 レーダー機器に関しては、シンガポールの貿易統計では航空機用と船舶用とを 分けていないため、船舶用レーダーだけを分析することは出来ない。 2007 年 の シ ン ガ ポ ー ル の レ ー ダ ー 機 器 の 輸 入 元 は 、 ア メ リ カ が 約 48%( 2006 年 : 58%) の シ ェ ア を 占 め て 1 位 、 次 い で 日 本 が 32%( 2006 年 : 15%)、 ス ペ イ ン が 7.8%と な っ て い る 。 ス ペ イ ン の 前 年 の シ ェ ア は ゼ ロ で あ っ た が 、 2007 年 に 急激にシェアが拡大した。 レ ー ダ ー 機 器 の 全 体 輸 入 額 を 見 る と 、2007 年 は 約 4,351.8 万 S ド ル と 、前 年 の 約 30% に 減 っ て い る 。そ の 中 で 日 本 か ら の 輸 入 が 2006 年 の 約 9 千 万 S ド ル か ら 、 2007 年 の 約 14 千 万 S ド ル へ と 55%増 と な っ て い る 。 図表19 航空機又は船舶用レーダー機器輸入元(2007 年) インド 0.88% イスラエル 0.81% オランダ 0.79% フランス 1.25% 香港 カナダ 0.60% 0.47% その他 3.20% イギリス 3.88% スペイン 7.82% アメリカ 48.19% 日本 日本 32.12 % 32.12% 図表20 航空機又は船舶用レーダー機器輸入額推移 単位:千シンガポールドル 順位 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 - 国名 アメリカ 日本 ス ペイン イギリス フランス インド イスラエル オランダ 香港 カナダ その他 合計 航空機又は船舶機用レーダー機器 20 05 12,677.14 15,009.63 0.00 294.61 0.00 0.00 0.00 0.00 170.50 0.00 549.37 28,701.25 - 51 - 2 006 36,122.94 8,991.28 0.00 716.99 0.00 0.00 0.00 104.63 0.00 1,081.01 14,786.62 61,803.47 2 00 7 20,971.04 13,976.97 3,401.47 1,688.00 542.50 384.48 352.57 342.22 262.93 203.02 1,392.36 43,517.56 ⑦ 航空機又は船舶用航行用無線機 本項目は前項目と同様、シンガポールの貿易統計では航空機用と船舶用とを分 けていないため、船舶用無線機だけを分析することは出来ない。 輸 入 元 と し て ア メ リ カ が 常 に 優 位 に 立 っ て お り 、全 体 の 5 割 を 占 め て い る 。日 本 の シ ェ ア は 2005 年 に は 約 10%だ っ た の が 2006 年 に は 約 20%に ま で 増 え 、2007 年 に は 約 22.7%に 微 増 し た 。同 項 目 の 全 体 輸 入 額 が 前 年 比 17.9%減 と な っ て い る 。 図表21 航空機又は船舶用航行用無線機輸入元(2007 年) 韓国 1.39% フランス 1.51% 中国 1.05% インド 0.64% カナダ 0.60% イギリス 1.57% その他 2.37% ドイツ 3.23% 台湾 11.22% アメリカ 53.77% 日本 日本 % 22.66 22.66% 図表22 航空機又は船舶用航行用無線機輸入額推移 単位:千シンガポールドル 順位 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 - 国名 アメリカ 日本 台湾 ド イツ イギリス フランス 韓国 中国 インド カナダ その他 合計 航空機又は船舶機用航行用無線機 2005 21,568.94 3,239.02 2,628.83 846.92 156.82 2,958.38 45.83 663.55 0.00 0.00 835.13 32,943.42 - 52 - 2006 46,306.70 12,061.11 4,371.43 1,180.51 518.77 63.70 400.77 379.72 31.70 160.34 883.86 66,358.61 2007 29,302.72 12,350.72 6,112.76 1,760.76 856.23 825.59 758.35 570.44 347.58 324.75 1,290.78 54,500.68 ⑧ 無線遠隔制御機器 無 線 遠 隔 制 御 機 器 に 関 し て は 、HS コ ー ド の 最 小 項 目 区 分 で も 航 空 機 、船 舶 機 、 及び玩具用のものが含まれており、船舶関連の無線遠隔制御機器を分析すること は出来ない。 輸 入 元 は 、イ ギ リ ス が 約 67%の シ ェ ア を 占 め て 1 位 、次 い で ア メ リ カ が 14.7%、 マ レ ー シ ア が 4.2%と な っ て い る 。 前 年 は 中 国 の 占 め る 割 合 は 91.5%だ っ た が 、 2007 年 に は 2.6%に ま で 急 激 に シ ェ ア を 落 と し て い る 。 図表23 無線遠隔制御機器輸入元(2007 年) 中国 ドイツ 2.59% 3.74% 香港 1.45% フィリピン 日本 イタリア 0.92% 0.35% 0.30% その他 0.84% ノルウェー 4.15% マレーシア 4.24% アメリカ アメリカ 14.78 % 14.78% イギリス 66.62% 図表24 無線遠隔制御機器額推移 単位:千シンガポールドル 順位 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 - 国名 イギリス アメリカ マ レ ーシア ノ ルウェー ド イツ 中国 香港 フィリピン 日本 イタリア その他 合計 無線遠隔制御機器(航空機 、船舶、玩具用) 2005 1,679.20 79.88 1,658.98 3.00 127.10 8,125.00 5.27 0.00 14,078.87 0.80 23.28 25,781.38 - 53 - 2006 1,450.39 218.47 42.23 10.49 244.21 23,017.41 12.48 73.04 0.00 11.78 72.83 25,153.33 2007 3,842.59 852.37 244.78 239.65 215.76 149.44 83.58 53.35 20.23 17.53 48.59 5,767.87 2.輸出 (1) 全 体 像 シ ン ガ ポ ー ル に お け る 輸 出 統 計 は 、 「再 輸 出 」 3 お よ び 「地 場 輸 出 」 4 に 分 け て 表 示 さ れ て い る 。 市 場 を ほ ぼ 100%開 放 し て い る シ ン ガ ポ ー ル で は 、 国 内 で 生 産 さ れ た 物 品 の 輸 出 で あ る 「地 場 輸 出 」に 加 え 、 シ ン ガ ポ ー ル を 経 由 し て 他 国 へ 輸 出 す る 「 再 輸 出」の割合が大きく、経済活動に及ぼす影響も大きいためである。本章でも、舶用 機械の輸出を再輸出及び地場輸出に分けて概観することとする。 輸 入 の 項 と 同 じ 品 目 の 輸 出 統 計 を 見 る と 、 全 体 で は 2007 年 の 再 輸 出 額 合 計 が 前 年 比 15%増 の 2 億 618 万 S ド ル( 2006 年:2 億 271 万 S ド ル )、地 場 輸 出 合 計 額 が 前 年 比 16% 減 の 2,737 万 S ド ル ( 2006 年 : 2,903 万 S ド ル ) と な っ て い る 。 地 場 輸出が非常に少ないことが分かる。 ま た 、 舶 用 機 械 輸 入 総 額 が 7 億 3,003 万 S ド ル ( 2006 年 : 6 億 3,204 万 S ド ル ) で 、 そ の う ち の 約 2.6 億 S ド ル ( 2006 年 : 約 2.3 億 S ド ル )、 つ ま り 約 3 分 の 1 が そ の ま ま 海 外 に 再 輸 出 さ れ て い る こ と が 分 か る 。国 内 で 使 用 さ れ る の は 、残 る 3 分 の 2 で あ る 約 4.7 億 S ド ル 分 で あ る 。 図表25 順位 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 - 3 4 国名 インドネシア マ レーシア 中国 台湾 アメリカ ベトナム 香港 タイ 韓国 ドイツ その他 合計 舶用機械再輸出額の推移 20 05 77.96 30.94 14.94 14.77 8.06 5.86 13.58 4.96 3.65 0.80 35.19 21 0.7 1 単位:百万シンガポールドル 2 006 2 00 7 78.84 132.31 26.80 32.87 11.93 30.58 9.74 9.42 6.29 7.31 4.09 4.93 24.38 4.80 3.28 4.46 1.79 3.54 0.37 3.36 35.20 28.20 20 2.7 1 2 61.7 8 海外から輸入したものを、付加価値を付けずに一定期間内に海外へ輸出する形態。 シンガポールで生産された物品の輸出。 - 54 - 図 表 26 順位 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 - 舶用機械地場輸出額の推移 単位:百万シンガポールドル 2 006 2 00 7 5.45 7.38 3.10 4.39 4.77 4.24 0.09 3.87 0.04 1.69 2.46 1.07 1.90 0.92 0.66 0.78 2.55 0.39 0.61 0.29 7.40 2.40 2 9.0 3 27.3 7 20 05 国名 マ レーシア 南アフリカ インドネシア アラブ首長国連邦 ドイツ フィリピン アメリカ 香港 中国 台湾 その他 合計 3.32 0.00 7.62 0.05 0.06 0.25 3.31 0.55 2.48 0.49 6.43 2 4.5 5 な お 、再 輸 出 及 び 地 場 輸 出 先 上 位 10 カ 国 を 2007 年 実 績 を 元 に 見 る と 、再 輸 出 先 と し て は 、イ ン ド ネ シ ア が 昨 年 の 約 1.7 倍 の 1 億 3 千 万 S ド ル で 全 体 の ほ ぼ 51%を 占め、上位 5 カ国は全て近隣アジア諸国が占めるが、地場輸出先に関しては上位 5 カ国に南アフリカやドイツが入るなど、輸出先が分散している。 図表27 図表28 舶用機械再輸出先(2007 年) 韓国 ドイツ タイ 1.35% 1.28% 1.70% 台湾 中国 香港 1.06% 1.42% 2.84% その他 10.77% 香港 1.83% アメリカ 3.36% ベトナム 1.88% その他 8.75% マレーシア 26.91% フィリピン 3.90% アメリカ 2.79% 台湾 3.60% 舶用機械地場輸出先(2007 年) 中国 11.68% ドイツ 6.16% インドネシ ア 50.54% アラブ首長 国連邦 14.11% マレーシア マレーシア 12.56% 12.56% 南アフリカ 南アフリカ 16.01% 16.01% インドネシア 15.46% また、再輸出及び地場輸出について、それぞれ品目別にみると、いずれも船舶推 進用エンジン(ピストン式、ディーゼル及びセミディーゼルエンジン)がもっとも 多 く 、 再 輸 出 の 60.6% 、 地 場 輸 出 の 42.1% を 占 め て い る 。 - 55 - 図表29 舶用機械再輸出の品目別推移 順位 品目 2005 2006 2007 1 船舶推進用エンジン(ピストン式、ディーセル 及びセミディーゼルエンジン) 123.94 115.15 158.61 2 船舶推進エンジン用の歯車および歯車電動機、 ボールスクリュー、ローラースクリュー 17.45 20.41 32.05 3 無線遠隔制御機器(航空機、船舶、リモコン カー含む) 37.19 43.32 19.65 4 船内機(ピストン式、往復動機関及びロータ リーエンジンに限る) 13.09 10.71 14.32 5 レーダー機器(航空機又は船舶機用) 4.20 2.40 13.55 6 タービン(船舶推進用) 0.10 0.20 12.18 7 航行用無線機(航空機又は船舶機用) 11.21 6.39 7.35 8 船外機(ピストン式、往復動機関及びロータ リーエンジンに限る) 3.52 4.14 4.08 図表30 舶用機械地場輸出の品目別推移 単位:百万シンガポールドル 順位 品目 2005 2006 2007 船舶推進用エンジン(ピストン式、ディーセル 及びセミディーゼルエンジン) 4.54 8.58 11.52 2 航行用無線機(航空機又は船舶機用) 5.29 3.41 6.00 3 船舶推進エンジン用の歯車および歯車電動機、 ボールスクリュー、ローラースクリュー 4.17 6.51 5.24 4 無線遠隔制御機器(航空機、船舶、リモコン カー含む) 5.16 2.46 3.69 5 船内機(ピストン式、往復動機関及びロータ リーエンジンに限る) 3.16 2.85 0.46 6 レーダー機器(航空機又は船舶機用) 1.57 4.03 0.40 7 船外機(ピストン式、往復動機関及びロータ リーエンジンに限る) 0.42 1.15 0.04 タービン(船舶推進用) 0.22 0.04 0.02 1 8 - 56 - 図表31 レーダー機器(航 空機又は船舶機 用) 5.18% 舶用機械再輸出の品目別内訳 (2007 年) タービン(船舶推 進用) 4.65% 航行用無線機(航 空機又は船舶機 用) 2.81% 船外機(ピストン 式、往復動機関 及びロータリーエ ンジンに限る) 1.56% 船内機(ピストン 式、往復動機関 及びロータリーエ ンジンに限る) 5.47% 無線遠隔制御機 器(航空機、船 舶、リモコンカー 含む) 7.51% 船舶推進用エン ジン(ピストン式、 ディーセル及びセ ミディーゼルエン ジン) 60.59% 船舶推進エンジン 用の歯車および 歯車電動機、ボー ルスクリュー、 ローラースク リュー 12.24% 図表32 船舶推進用エンジン (ピストン式、ディーゼル及 びセミディーゼルエンジン) 60.59% 舶用機械地場輸出の品目別内訳 (2007 年) レーダー機器 (航空機又は船 舶機用) 1.46% 船内機(ピストン 式、往復動機関 無線遠隔制 及びロータリーエ 御機器(航空 ンジンに限る) 機、船舶、リ 1.68% モコンカー含 む) 13.48% 船舶推進エンジ ン用の歯車およ び歯車電動機、 ボールスク リュー、ローラー スクリュー 19.15% 船外機(ピストン 式、往復動機関 及びロータリーエ ンジンに限る) 0.15% タービン(船舶推 進用) 0.07% 船舶推進用エン ジン(ピストン 式、ディーセル 及びセミディーゼ ルエンジン) 42.09% 船舶推進用エンジン (ピストン式、ディーゼル及 びセミディーゼルエンジン) 42.09% 航行用無線機 (航空機又は船 舶機用) 21.92% 航行用無線機 (航空機又は船舶機用) 21.92% - 57 - (2) 品目別 ① タービン(船舶推進用) タ ー ビ ン の 輸 出 先 は 限 ら れ て お り 、 2007 年 実 績 で 再 輸 出 先 は 4 カ 国 か ら 7 カ 国に増加し、インドネシア、アメリカ、ドイツ向けの再輸出が急増し、再輸出額 は 約 61 倍 に 大 き く 伸 び て い る 。 地 場 輸 出 先 は 2 カ 国 に 留 ま っ て お り 、 地 場 輸 出 額 は 約 45% 減 少 し て い る 。 図 表 33 イギリス 3.12% 図 表 35 タ ー ビ ン 再 輸 出 先 (2007 年 ) ローマニ ア 0.49% タイ 0.36% アメリカ 25.93% 単位:千シンガポールドル マレーシ ア 0.47% 順位 インドネシ ア 43.39% 国名 1 2 インドネシ ア ドイツ 3 121.42 0.00 5,283.78 3,194.73 ア メ リカ 0.00 14.27 3,157.41 4 5 イギ リス ロー マニア 0.00 0.00 26.46 0.00 379.50 59.80 6 7 マレー シ ア タイ 69.83 0.00 33.09 0.00 57.22 43.62 8 9 ニュ ー ジ ー ラ ンド フ ィ リピン 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 パキ スタン 0.00 0.00 0.00 その他 0.00 0.00 0.00 98.70 195.23 12,176.06 - 26.24% 合計 図 表 36 タ ー ビ ン 地 場 輸 出 先 (2007 年 ) スリランカ 7.85% タービン(船舶推進用) 2005 2006 2007 28.88 0.00 10 ドイツ ドイツ 26.24% 図 表 34 タービン再輸出額推移 タービン地場輸出額推移 単位:千シンガポールドル 順位 国名 1 2 インドネシ ア スリラ ンカ 3 韓国 - その他 合計 インドネシ ア 92.15% - 58 - タービン(船舶推進用) 2005 221.71 0.00 2006 2007 23.79 0.00 22.78 1.94 0.00 0.00 0.00 0.00 21.20 0.00 221.71 44.99 24.72 ② 船外機 船外機の再輸出先は多岐に渡っており、トップはポルトガルである。地場輸出 先 は 、 マ レ ー シ ア の シ ェ ア は 2006 年 に は 約 67% だ っ た の が 2007 年 に は 約 47% に ま で 落 ち て い る 。 再 輸 出 も 地 場 輸 出 も 、 2007 年 の 実 績 は 2006 年 の そ れ ぞ れ 14.5%減 、 97%減 の ス ピ ー ド で 減 っ て い る 。 特 に 、 再 輸 出 先 1 位 と な っ て い る ポ ルトガルへの輸出額の伸び、及びナイジェリアへの輸出額が急減しているのが目 立つ。 図表37 図 表 39 船外機再輸出先(2007 年) 船外機再輸出額推移 単位:千シンガポールドル オーストラリ 韓国 トリニダー ア 1.77% ド・トバゴ 1.84% その他 1.94% 8.47% 中国 2.07% 順位 ポルトガル 29.00% セイシェル 4.73% インドネシア 10.32% ナイジェリア ナイジェリア 14.28% 14.28% タイ 11.94% マレーシア 13.64% 図 表 38 セイシェ ル 9.25% 2006 2007 1 2 3 ポルトガル ナイジ ェリア マ レー シ ア 0.00 1,396.24 467.94 0.00 1,745.59 125.12 1,183.01 582.45 556.47 4 5 タイ イ ンドネシ ア 657.63 381.51 469.69 1,020.62 487.15 420.85 6 7 セイシ ェル 中国 201.95 0.00 142.33 2.18 192.97 84.30 8 9 ト リニダー ド・ト バゴ オー ス トラ リア 0.00 0.00 0.00 0.00 78.94 75.03 41.94 372.69 61.98 571.37 72.26 345.34 3,519.90 4,138.88 4,078.77 10 - 韓国 その他 合計 図 表 40 船 外 機 地 場 輸 出 先 (2007 年 ) インドネシ ア 7.62% ベトナム 1.27% インド インド 25.40% 25.40% 2005 船外機地場輸出先額推移 単位:千シンガポールドル 順位 マレーシ ア 46.79% タイ 9.68% 船外機 国名 1 2 3 マレー シ ア インド タイ 4 5 船外機 2005 2006 2007 356.62 1.51 0.00 772.13 0.00 206.38 18.42 10.00 3.81 セイシ ェル インドネシ ア 0.00 0.00 0.00 68.37 3.64 3.00 6 7 ベト ナム ソ ロモ ン諸島 0.98 0.00 16.11 0.00 0.50 0.00 8 9 スウェー デ ン 台湾 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 ア メ リカ その他 0.00 60.39 0.00 85.44 0.00 0.00 合計 419.50 1,148.43 39.36 10 - - 59 - 国名 ③ 船内機 2007 年 に お け る 船 内 機 の 再 輸 出 先 は 約 4 割 が 、 地 場 輸 出 で は 9 割 が イ ン ド ネ シ ア 向 け で あ る 。全 体 の 輸 出 額 は 船 外 機 同 様 著 し く 伸 び て お り 、07 年 に は 再 輸 出 額 は 前 年 比 33.7%増 え て い る が 、 地 場 輸 出 額 は 83.8%減 と な っ て い る 。 図表41 ブルネイ 2.56% 台湾 3.40% パキスタン インド 1.65% 1.37% アラブ首長 国連邦 6.74% その他 2.16% インドネシ ア 47.41% 中国 10.01% マレーシア マレーシア 17.81 % 17.81% 順位 国名 日本 香港 1.56% 0.17% インドネ シア 92.67% 2005 船内機 2006 2007 1 インドネシア 9,621.27 8,058.53 6,787.87 2 マレー シ ア 514.96 1,292.23 2,550.16 3 中国 285.63 141.98 1,433.15 4 ア ラ ブ 首長国連邦 5 フ ィリピン 6 台湾 7 ブ ルネイ 8 パキ スタン 9 インド 10 香港 - その他 合計 図表44 船内機地場輸出先(2007 年) マーシャ ル諸島 2.22% マレーシ ア 3.24% 船内機再輸出額推移 単位:千シンガポールドル 香港 1.12% フィリピン 5.76% 図表42 図 表 43 船内機再輸出先(2007 年) 0.00 0.00 965.45 161.73 327.65 824.97 0.00 272.02 486.60 21.00 6.21 367.06 0.00 0.00 236.50 0.00 0.00 195.51 0.00 69.02 160.79 2,484.99 541.58 309.51 13,089.58 10,709.22 14,317.57 船内機地場輸出額推移 単位:千シンガポールドル フィリピ ン 0.13% 2005 船内機 2006 2,969.91 2,582.14 427.93 87.14 3.49 14.98 0.00 0.00 10.27 日本 0.00 0.00 7.19 5 香港 0.00 0.00 0.80 6 フ ィリピン 0.00 0.00 0.62 7 パプ アニュー ギ ニア 0.00 0.00 0.00 8 パキ スタン 0.00 0.00 0.00 9 タイ 0.00 44.20 0.00 順位 国名 1 インドネシア 2 マレー シ ア 3 マー シャ ル諸島 4 10 - ベトナム その他 合計 - 60 - 2007 0.00 3.86 0.00 101.05 211.47 0.00 3,158.10 2,845.16 461.78 ④ 船舶推進用エンジン 船 舶 推 進 用 エ ン ジ ン の 再 輸 出 先 も イ ン ド ネ シ ア が ト ッ プ で あ り 、2007 年 に お け る 同 国 寄 与 率 は 65.6%で あ っ た 。 再 輸 出 額 全 体 を 見 る と 、 2006 年 は 前 年 比 7%減 で あ っ た が 、2007 年 は 前 年 比 37.7%増 と 伸 び て い る 。地 場 輸 出 先 は 比 較 的 分 散 し ており、アラブ首長国連邦、インドネシア、マレーシアがトップ 3 である 図表45 船舶推進用エンジン再輸出先 図表47 船舶推進用エンジン再輸出額推移 (2007 年) タイ インド ベトナム 香港 台湾 1.45% 1.05% 0.94% 0.68% 1.64% 韓国 2.17% モルジブ 2.84% その他 3.26% 中国 8.59% マレーシ マレーシア ア 11.78% 11.78% インドネシ ア 65.60% 単位:千シンガポールドル 順位 国名 1 2 インドネシア マレー シア 3 4 2006 2007 64,591.78 17,487.13 104,048.10 18,686.09 中国 モルジブ 6,781.47 2,351.07 5,517.70 4,179.96 13,624.65 4,497.55 5 韓国 3,385.13 1,638.11 3,440.37 6 7 台湾 タイ 9,361.37 2,957.74 2,486.89 2,079.98 2,597.39 2,298.70 8 9 インド ベト ナム 789.92 3,076.65 1,877.77 2,966.79 1,665.84 1,497.86 10 香港 その他 合計 船舶推進用エンジン地場 2005 59,132.56 22,628.10 - 図 表 46 船舶推進用エ ンジン 図表48 1,261.81 668.33 1,083.86 12,211.25 11,657.50 5,166.15 123,937.07 115,151.94 158,606.56 船舶推進用エンジン地場輸出額推移 地 場 輸 出 先 (2007 年 ) 韓国 中国 オランダ モルジブ 台湾 1.06% 0.56% 0.35% 0.34% 2.11% その他 0.16% 香港 6.76% アラブ首 フィリピン 長国連 8.93% 邦 33.59% マレーシ ア 21.66% インドネ 単位:千シンガポールドル 順位 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 - インドネシア シア% 24.51 24.51% - 61 - 国名 ア ラ ブ 首長国連邦 インドネシア マレー シ ア フ ィリピン 船舶推進用エ ンジン 2005 2006 2007 0.00 3,055.54 123.72 238.09 0.00 1,615.58 1,876.63 2,458.25 3,868.60 2,822.95 2,494.38 1,028.16 香港 台湾 韓国 中国 オラ ンダ モ ルジブ その他 84.77 324.73 387.95 0.00 0.00 0.00 329.23 465.96 313.35 0.00 447.34 0.00 25.84 1,373.11 778.10 242.79 122.38 64.67 40.00 38.70 17.93 合計 4,544.03 8,576.06 11,518.66 ⑤ 船舶推進エンジン用の歯車等 船舶推進エンジン用の歯車および歯車電動機、ボールスクリュー、ローラース ク リ ュ ー の 再 輸 出 実 績 は 、2006 年 の 約 2,041 万 S ド ル か ら 約 3,205 万 S ド ル へ と 1.5 倍 以 上 の 伸 び と な っ て い る が 、 そ れ に 伴 い 再 輸 出 元 ト ッ プ 2 カ 国 の イ ン ド ネ シ ア 及 び 中 国 か ら の 再 輸 出 が 、そ れ ぞ れ 344%増 、134%増 、と な っ て い る 。地 場 輸 出 は 2006 年 の 約 651 万 S ド ル か ら 2007 年 の 524 万 S ド ル へ と 、19% 減 と な っている。 図 表 49 船舶推進エンジン用の歯車等 図 表 51 船舶推進エンジン用の歯車等 再 輸 出 先 (2007 年 ) ベトナム 1.19% パプア ニューギニ ア 1.49% フィリピン タイ オーストラ 0.72% 0.57% リア 0.17% その他 0.36% 香港 7.35% インドネシ ア 29.35% マレーシア 13.48% 台湾 19.70% 中国 中国 25.63% 25.63% 輸出額推移 単位:千シンガポールドル 順位 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 - 国名 インドネシ ア 中国 台湾 マレー シ ア 香港 パプ ア ニュ ー ギ ニア ベト ナム フ ィ リピン タイ オー スト ラ リア その他 合計 図 表 50 図表52 船舶推進エンジン用の歯車等 タイ 0.33% モルジブ 0.22% その他 1.17% マレーシア マレーシ 79.31% ア 79.31% 3,108.28 1,701.91 5,295.17 3,623.52 2,291.62 2,120.20 3,509.44 4,891.11 3,208.43 4,713.39 9,405.07 8,212.59 6,312.87 4,320.59 2,356.67 0.00 675.33 0.90 426.06 20.46 308.11 1.41 498.95 261.91 263.54 31.37 905.48 476.36 380.85 231.88 182.07 54.98 114.32 17,451.36 20,405.23 32,048.25 船舶推進エンジン用の歯車等 地場輸出額推移 地 場 輸 出 先 (2007 年 ) 中国 台湾 オーストラ ブルネイ 0.78% 0.53% リア 1.21% 0.51% パキスタ ン 3.00% ベトナム インドネシ 4.46% インドネシア ア 8.48% 8.48% 船舶推進エンジン用の歯車お よび歯車電動機、ボールスク リュー、ローラースクリュー 2005 2006 2007 単位:千シンガポールドル 順位 国名 船舶推進エンジン用の歯車お よび歯車電動機、ボールスク リュー、ローラースクリュー 2005 2006 2007 2,586.28 2,599.71 4,154.43 1 マレー シ ア 2 インドネシ ア 482.63 141.80 444.16 3 ベト ナム 0.00 120.09 233.41 4 パキ スタン 0.00 119.40 157.19 5 6 ブ ルネイ 中国 1.14 799.80 6.76 1,987.65 63.20 41.03 7 台湾 146.36 249.07 27.92 8 オー スト ラ リア 30.98 2.50 26.64 タイ 2.55 4.42 17.21 モ ルジ ブ 0.00 0.00 11.53 124.82 1,274.25 61.50 4,174.56 6,505.65 5,238.22 9 10 - その他 合計 - 62 - ⑥ 航空機又は船舶用レーダー機器 2007 年 に お け る レ ー ダ ー 機 器 の 再 輸 出 額 は 1,355 万 S ド ル で 、 前 年 の 4 倍 以 上 と な っ て い る 。2007 年 に 再 輸 出 額 が 大 き く 伸 び た の は 、上 位 3 カ 国 へ の 輸 出 額 が 前 年 比 14 倍 以 上 激 増 し た こ と の 影 響 が 大 き い 。 し か し 地 場 輸 出 に 関 し て は 、 前 年 比 90%減 と な っ て い る 。 2006 年 に 地 場 輸 出 額 の 1 位 の 南 ア フ リ カ が 305 万 S ド ル だ っ た が 、2007 年 に は ゼ ロ に 落 ち て い る の が 目 立 つ 。地 場 輸 出 先 は 比 較 的 分散しており、アメリカ、インドネシア、マレーシアがトップ 3 である。 ただし、輸入の項でも述べたとおり、これらレーダー機器の数値には航空機用 及び船舶用が含まれている。 図表53 図 表 55 レ ー ダ ー 機 器 再 輸 出 額 推 移 レーダー機器再輸出先(2007 年) 単位:千シンガポールドル タイ インド 4.10% 0.60% その他オ セアニア 0.51% 香港 0.29% 日本 0.27% その他 0.42% マレーシ ア 7.44% インドネシ ア 28.63% スイス 11.48% ベトナム 19.35% 中国 中国 26.92% 26.92% 順位 国名 2005 2006 2007 1 2 インドネシ ア 中国 1,091.86 548.30 199.24 369.84 3,878.80 3,647.41 3 4 5 ベト ナム スイス マレー シ ア 1,607.60 0.00 295.81 114.27 0.00 538.06 2,621.59 1,554.91 1,007.52 6 7 インド タイ 19.74 20.20 7.05 0.00 554.93 81.06 8 9 その他オセア ニア 香港 64.63 6.59 0.00 0.00 69.34 39.13 0.00 547.66 14.84 1,158.07 36.50 57.05 4,202.39 2,401.37 13,548.24 10 - 日本 その他 合計 図表54 航空機又は船舶機用レーダー 機器 レーダー機器地場輸出先(2007 年) 図表56 レーダー機器地場輸出推移 単位:千シンガポールドル ベトナム 1.48% スリランカ 2.85% 韓国 12.61% マレーシ ア 26.04% 台湾 0.90% インド 0.14% 順位 国名 航空機又は船舶機用レーダー 機器 2005 アメリカ 28.70% インドネシ インドネシア ア 27.28% 27.28% 2006 2007 1 2 ア メ リカ インドネシア 1.75 12.84 925.12 0.00 114.05 108.44 3 マ レー シ ア 0.00 2.30 103.48 4 韓国 0.00 0.00 50.13 5 6 ス リラ ンカ ベトナム 0.00 0.00 0.00 0.00 11.34 5.88 7 台湾 0.00 0.00 3.56 8 インド 0.00 43.81 0.56 0.00 1,541.35 0.00 0.00 0.00 0.00 9 10 - ア ラ ブ 首長国連邦 中国 その他 合計 - 63 - 14.08 3,063.27 0.00 1,570.02 4,034.50 397.42 ⑦ 航空機又は船舶用航行用無線機 航 行 用 無 線 機 の 2007 年 に お け る 再 輸 出 先 の ト ッ プ は 中 国 で 、 再 輸 出 額 は 前 年 比 148% 増 と な っ て お り 、 全 体 の 37%を 占 め た 。 イ ン ド ネ シ ア へ の 再 輸 出 額 は 2006 年 の 258 万 S ド ル と 比 較 す る と 38.7% に 減 っ て い る 。 再 輸 出 額 全 体 を 見 る と 、 2006 年 は 前 年 比 43%減 で あ っ た が 、 2007 年 は 前 年 比 15%増 と な っ て い る 。 その中で、マレーシア向けの再輸出が増加しているのが目立つ。地場輸出額トッ プ は 、 2007 年 実 績 で は 南 ア フ リ カ が 約 440 万 S ド ル で ト ッ プ 、 全 体 の 73.2%を 占 め る 。 前 年 2006 年 は わ ず か に 9.9 千 S ド ル 、 2005 年 は ゼ ロ だ っ た の が 、 07 年に大きく拡大した。 なお、輸入の項でも述べたとおり、これら航行用無線機器の数値には航空機用 及び船舶用が含まれている。 図表57 航行用無線機器再輸出先(2007 年) インド 1.63% スウェー 日本 アメリカ デン 1.33% 1.28% その他 4.21% 1.34% 図表58 航行用無線機器再輸出額推移 単位:千シンガポールドル オーストラ リア 2.32% 中国 37.50% タイ 3.16% イラン 5.08% 順位 マレーシ ア 20.64% インドネシ インドネシア ア 21.53% 21.53% コロンビア 2.19% アメリカ 5.39% インドネシ ア 6.54% マレーシ ア 6.82% フランス スペイン 中国 バングラ 1.71% 1.01% 0.54% デシュ 0.18% 航空機又は船舶機用航行用無 線機 2005 2006 2007 1 中国 3,807.09 1,111.72 2,757.30 2 3 インドネシ ア マレー シ ア 2,965.56 406.96 2,583.28 495.22 1,582.94 1,518.05 4 イラ ン 0.00 0.00 373.27 5 6 タイ オー スト ラ リア 50.44 1,782.43 13.15 0.28 232.17 170.37 7 インド 638.28 77.49 119.53 8 9 スウェー デ ン 日本 0.00 80.89 0.00 555.22 98.60 97.53 10 ア メ リカ - その他 合計 図表59 航行用無線機器地場輸出先(2007 年) アルゼン チン 2.05% 国名 図表60 26.20 35.71 94.36 1,456.85 1,516.17 309.61 11,214.70 6,388.24 7,353.73 航行用無線機器地場輸出額推移 単位:千シンガポールドル 順位 その他 0.33% 南アフリカ 73.23% 国名 航空機又は船舶機用航行用無 線機 2005 1 南ア フ リカ 2 マ レー シ ア 3 4 インドネシ ア ア メ リカ 5 0.00 2006 9.90 2007 4,393.89 3.37 22.97 409.15 857.88 269.62 287.71 125.39 392.32 323.67 コ ロンビア 0.00 0.00 131.30 6 7 ア ルゼ ンチン フ ラ ンス 0.00 0.00 0.00 0.00 123.08 102.82 8 ス ペイン 0.00 2.58 60.71 中国 バングラ デ シ ュ 0.00 0.00 0.00 0.00 32.64 10.70 4,160.09 2,964.18 19.98 5,290.96 3,412.73 6,000.26 9 10 - その他 合計 - 64 - ⑧ 無線遠隔制御機器 2007 年 に お け る 無 線 遠 隔 制 御 機 器 の 再 輸 出 額 は 1,965 万 S ド ル で 、 前 年 比 54.6% 減 と な っ て い る 。 再 輸 出 先 ト ッ プ は マ レ ー シ ア で 、 417 万 S ド ル 、 全 体 の 寄 与 度 は 21.2%で あ っ た 。 マ レ ー シ ア へ の 再 輸 出 額 は 2006 年 の 362 万 S ド ル と 比 較 す る と 15.1% 増 え て い る 。 香 港 へ の 再 輸 出 は 、 06 年 の 1 位 1,882 万 S ド ル か ら 94.3% 減 の 108 万 S ド ル に 落 ち て い る 。一 方 、地 場 輸 出 額 は 2007 年 実 績 で は ド イ ツ 向 け が ト ッ プ で 、 額 は 169.2 万 S ド ル で 、 06 年 の 1.4 万 S ド ル か ら 約 121 倍 に 急 増 し て い る 。 地 場 輸 出 総 額 は 、 06 年 の 246.4 万 S ド ル か ら 07 年 に は 368.7 万 S ド ル へ と 49.6%伸 び て い る 。 な お 、輸 入 の 項 で も 述 べ た と お り 、こ れ ら 無 線 遠 隔 制 御 機 器 の 数 値 に は 航 空 機 、 船舶、及び玩具用が含まれている。 図表61 中国 4.16% チェコス ロバキア 4.22% 図表63 無線遠隔制御機器再輸出先(2007 年) 単位:千シンガポールドル ブルジル 3.03% 順位 その他 12.87% マレーシ ア 21.24% インドネ シア 4.61% 香港 5.48% アメリカ アメリカ 20.56% 20.56% タイ 5.63% メキシコ 5.77% 無線遠隔制御機器再輸出額推移 日本 12.44% 国名 2005 2006 2007 1 2 マレー シ ア ア メ リカ 2,930.87 7,769.08 3,625.10 5,640.34 4,173.05 4,040.10 3 4 日本 メキシコ 2,095.43 376.75 5,956.00 1,097.26 2,443.51 1,134.59 5 タイ 6 7 香港 インドネシ ア 8 9 10 - 848.57 414.52 1,106.48 10,015.44 1,631.31 18,817.04 147.70 1,076.20 905.87 チェコ スロバキ ア 中国 1,089.54 1,820.16 234.79 1,273.62 829.26 816.86 ブ ルジ ル その他 100.02 8,515.65 253.17 5,855.52 594.74 2,529.38 37,192.82 43,315.06 19,650.04 合計 図表62 無線遠隔制御機器地場輸出先(2007 年) スペイン 日本 スリランカ 1.31% メキシコ 2.40% 1.55% 2.81% 図表64 無線遠隔制御機器地場輸出額推移 単位:千シンガポールドル その他 4.30% 順位 国名 1 2 ドイツ ア メ リカ マレーシ ア 5.05% 中国 6.93% 3 4 ドイツ 45.88% アメリカ アメリカ 13.07% 13.07% 無線遠隔制御機器(航空機、 船舶、玩具用) 2005 タイ 4.12% スイス 12.58% 無線遠隔制御機器(航空機、船 舶、玩具用) 2006 2007 60.10 3,018.42 14.26 844.10 1,691.70 481.86 スイス 中国 0.65 140.01 11.14 112.34 463.77 255.71 5 マレー シ ア 165.02 172.30 186.36 6 7 タイ メキシコ 35.62 513.97 28.18 0.00 152.02 103.63 8 9 スペイン 日本 15.95 244.08 0.25 279.21 88.52 57.01 スリラ ンカ その他 0.00 974.45 0.00 1,002.59 48.22 158.68 合計 5,168.27 2,464.37 3,687.48 10 - - 65 - Ⅲ. 日本とシンガポールの舶用機械貿易 日 本 の 舶 用 機 械 の 輸 出 総 額 は 1995 年 の 1,428 億 円 か ら 2007 年 に は 3,787 億 円 と 2.6 倍 以 上 の 伸 び を 示 し た 。 そ の う ち シ ン ガ ポ ー ル 向 け は 1995 年 の 64 億 2,600 万 円 か ら 2007 年 に は 166 億 5,900 万 円 と 約 2.6 倍 と な っ て い る 。全 世 界 向 け は 1999 年 か ら 徐 々 に 伸 び て い る が 、シ ン ガ ポ ー ル 向 け は 2007 年 が 前 年 比 20.2% 減 と 落 ち て い る 5 。 図表65 舶用工業製品の日本からの輸出実績の推移(1995 年~2007 年) 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 24,000 4,000 20,881 3,500 百万円(シンガポール) 18,000 16,659 15,000 3,000 2,500 11,291 12,000 9,000 8,182 7,574 6,426 6,521 1,500 6,789 5,871 5,243 6,000 5,503 2,000 5,405 億円(世界) 21,000 1,000 3,661 3,000 500 0 0 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 年 シンガポール計 世界計 出所:国土交通省 な お 、シ ン ガ ポ ー ル 向 け が 輸 出 全 体 に 占 め る 割 合 は 、2006 年 に は 5.9% で あ っ た が 、 2007 年 に は 約 4.4% に 減 っ た 。 註 : 減 少 分 は 、中 型 エ ン ジ ン の 輸 出 が 前 年 比 62% 減 と な っ た た め 。な お 、図 表 16 船 舶 推 進 用 エ ン ジ ン 輸 入 額 推 移 に よ る と 2007 年 は 増 加 し て お り 、図 表 68 と 図 表 16 の 両 社 を 傾 向 か ら 図 表 68 の 2006 年( 内 燃機関)が幾分高いようにも思えるが、原因は不明。 5 - 66 - 図表66 舶用工業製品の輸出全体に占めるシンガポール向けの割合の推移(1995 年~2007 年) 6.00% 5.94% 5.00% 4.50% 4.33% 4.00% 4.07% 3.81% 3.57% 2.70% 3.00% 4.40% 3.02% 2.70% 2.67% 2.05% 2.00% 2.22% 1.00% 0.00% 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 出所:国土交通省 また、シンガポール向けの輸出を品目別にみると、内燃機関がもっとも多く、全体 お 46.6% を 占 め て い る 。 図表67 係船・荷役機械 0.09% (15) シンガポールへの品目別輸出(2007 年) 総計:16,659百万円 補助機械 15.49% (2,581) タービン 5.10% (850) 内燃機関 46.60% (7,764) ぎ装品 0.95% (159) 軸系及びプロペラ 9.93% (1,655) 部分品・付属物 10.14% (1,690) 航海用機器 11.68% (1,946) 出所:国 土 交 通 省 - 67 - (単位:百万円) ま た 、 内 燃 機 関 の シ ン ガ ポ ー ル 向 け 輸 出 は 2006 年 か ら 2007 年 に か け て 約 30% 減 の落ちを示していることがわかる。 図表68 日本からシンガポールへの品目別輸出実績の推移(1995 年~2007 年) 12,000 11,000 10,000 9,000 百万円 8,000 7,000 6,000 5,000 4,000 3,000 2,000 1,000 0 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 内燃機関 3,081 3,011 3,745 2,739 1,462 2,498 2,680 2,154 3,118 3,668 7,663 11,207 7,764 航海用機器 1,097 1,251 1,423 1,306 1,071 918 1,031 958 1,456 1,653 1,595 1,797 1,946 部分品・付属物 1,158 934 1,305 951 786 878 1,126 1,101 1,479 1,146 1,026 1,312 1,690 軸系及びプロペラ 337 468 475 257 181 268 328 134 212 1,216 224 1,897 1,655 ぎ装品 122 385 275 46 61 88 151 105 49 57 65 33 159 係船・荷役機械 12 284 166 409 0 0 0 0 0 0 0 0 15 補助機械 238 188 175 154 101 467 188 917 424 432 717 3,552 2,581 0 0 10 10 0 127 0 37 0 0 0 0 0 ボイラ 出所:国土交通省 一 方 、 日 本 の 舶 用 工 業 製 品 の 輸 入 を み る と 、 全 世 界 か ら の 輸 入 は 2005 年 か ら 増 加 に 転 じ 、シ ン ガ ポ ー ル か ら の 輸 入 も 同 様 に 2005 年 か ら 急 増 し 、2007 年 の 輸 入 額 は 約 4億円となっている。いずれにしても、シンガポールからの輸入が占める割合は全体 の 1% 以 下 と 微 々 た る 数 字 に 過 ぎ な い 。 - 68 - 図表69 日本の舶用機械輸入実績の推移(1995 年~2007 年) 70,000 450 398.1 400 60,000 357.8 321.9 307.6 50,000 300 40,000 250 210.1 200 150 165.77 202.8 157.6 172.1 139.7 30,000 167.7 141.8 109.28 20,000 100 10,000 50 0 0 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 年 出所:国土交通省 - 69 - シンガポール計 世界計 百万円(世界) 百万円(シンガポール) 350 Ⅳ.主要企業リスト Singapore Maritime Directory の 広 告 掲 載 サ イ ズ 、及 び 有 名 欧 米 メ ー カ ー の 現 地 子 会社に絞って、主要企業と思われるところを外資系、地場企業別に紹介する。 ま た 、 シ ン ガ ポ ー ル で の 舶 用 機 械 に 従 事 す る 日 系 企 業 の 集 ま り で あ る 「 JSMEA CLUB」 の メ ン バ ー リ ス ト を 紹 介 す る 。 1. 地 場 企 業 ( 別 添 1) 2. 外 資 系 企 業 ( 別 添 2) 3. JSMEA CLUB( 別 添 3) - 70 - - 71 - - 72 - - 73 - - 74 - - 75 - 別添 3 11 Blk N,Unit 81, Pandan Loop Singapore 128292 - 76 - - 77 - 白 - 78 - Ⅴ.シンガポールの港湾 - 79 - 白 - 80 - シンガポール港の概況(2006 年) 1 シンガポール港の概要 シ ン ガ ポ ー ル 港 は 、世 界 の 主 要 航 路 の 要 衝 に 位 置 し 、世 界 中 の 約 200 の 船 社 に よ り 123 カ 国 600 港 と 結 ば れ て い る 。 2006 年 の 寄 港 船 舶 は 、寄 港 船 舶 数 が 12 万 8,922 隻 と 2005 年 比 3.3% の 減 で あ っ た に も か か わ ら ず 、 寄 港 船 腹 量 は 13 億 1,499 万 GT と 2005 年 比 14% 増 の 過 去 最 高 を 記 録 し た 。 こ の う ち 、 コ ン テ ナ 船 が 対 前 年 23%増 の 4 億 6,551 万 GT で 35%を 占 め 、 次 い で タ ン カ ー が 対 前 年 比 16%増 の 4 億 557 万 GT で 30% 、 バ ル ク キ ャ リ ア が 対 前 年 比 28% 増 の 2 億 974 万 GT で 22% の 順 と な っ て い る 。 寄 港 目 的 で は 、 2006 年 は 隻 数 ベ ー ス で 、 荷 役 が 全 寄 港 隻 数 の 約 42% 、 バ ン カ ー が 約 21% 、補 給 が 約 14% 、修 繕 が 5%の 順 で あ り 、総 ト ン 数 ベ ー ス で は 、バ ン カ ー が 約 66% 、 荷 役 が 約 52% 、 補 給 が 約 30% 、 修 繕 が 3%で あ っ た 。 2006 年 の 海 上 貨 物 取 扱 量 は 、 4 億 4,482 万 ト ン (対 前 年 比 5.8% 増 )で あ っ た 。 こ の う ち の 34% は 石 油 タ ー ミ ナ ル で 取 り 扱 わ れ る バ ル ク ・オ イ ル で あ る 。 ま た 、 船 舶 用 燃 料 は 2,837 万 ト ン( 同 11% 増 )を 積 み 込 み 、シ ン ガ ポ ー ル 港 は 世 界 最 大 の 燃 料 油 積 込 み基地としての地位も保持している。 コ ン テ ナ 取 扱 量 は 、対 前 年 度 比 6.8%増 の 2,479 万 TEU と 過 去 最 高 で 世 界 第 一 位 を 守った。 シ ン ガ ポ ー ル 港 は 、 1990 年 に 初 め て 世 界 一 の コ ン テ ナ 港 に な り 、 1992 年 に そ の 座 を 香 港 に 譲 っ た も の の 、毎 年 激 し い 首 位 争 い を 展 開 し 、1998 年 に は 香 港 を 抜 い て ト ッ プ の 座 に 返 り 咲 い た が 、 1999 年 に 再 び 香 港 に そ の 座 を 奪 わ れ た 。 2004 年 は 香 港 に 約 140 万 TEU の 差 を つ け ら れ た も の の 、 2005 年 に は 、 76 万 TEU の 差 で 首 位 に 戻 り 、 2006 年 に は 更 に 差 を つ け 120 万 TEU の 差 で 首 位 を 守 っ た 。 シンガポール港では、東南アジア地域のハブ港を目指して港湾施設の整備、コンピ ュータシステムを用いた入出港手続き等の簡略化、港湾サポート機能(タグ、燃料・ 食 料 等 の 補 給 、船 舶 修 理 等 )の 充 実 等 、顧 客 サ ー ビ ス の 向 上 に 努 め て き た 。こ の 結 果 、 同 港 で 取 り 扱 わ れ る コ ン テ ナ 貨 物 の 8 割 程 度 は 周 辺 諸 国 へ の ト ラ ン シ ッ プ (積 み 替 え ) 貨物であると言われるまでになっている。なお、ハブ港として、シンガポールの対岸 に あ る マ レ ー シ ア ・ ジ ョ ホ ー ル 州 の タ ン ジ ョ ン ・ プ ル パ ス 港 (PTP)が シ ン ガ ポ ー ル 港 の強力なライバルに育ちつつある。 一方、マレーシア、インドネシア、タイ等周辺諸国で自国の貨物を自国の港から直 接目的地まで輸送しようとする動きが活発化しており、近年、マレーシアのポート・ クラン港、インドネシアのタンジョン・プリオク港、タイのレム・チャバン港等にお けるコンテナ取扱量も増加傾向にあり、域内の港との競争も激しくなってきている。 このため、一部の観測では、シンガポールは今後も東南アジアの中心的なコンテナ 港 の 地 位 を 維 持 す る 見 通 し だ が 、域 内 シ ェ ア は 現 在 の 約 50%か ら 2015 年 ま で に 35% 程度に低下するとしており、最近の動向から非現実的とは言えなくなりつつあるよう に見える。 - 81 - <シ ン ガ ポ ー ル の 港 湾 利 用 状 況 (2006 年 実 績 )> 入 港 船 舶 (ト ン 数 ) : 13 億 1,499 万 GT (11 億 5,479 万 GT) : 12 万 8,922 隻 (13 万 3,185 隻 ) 貨物取扱量 : 4 億 4,820 万 ト ン (4 億 2,330 万 ト ン ) コンテナ取扱量 : 2,479 万 TEU (2,319 万 TEU) 燃料補給量 : 2,837 万 ト ン (2,547 万 ト ン ) 入港船社数 : 約 200 社 シンガポール港と航路を持つ港 : 約 600 港 以 上 (隻 ( 数) ) 内 の数 字 は、2005 年 実 績 値 <シ ン ガ ポ ー ル 港 の 入 港 船 舶 の 推 移 > (単 位 ; 100 隻 / 100 万 GT) 1600 1453 1463 1427 1409 1415 1400 No. of ships 1303 GT 1177 1200 927 1000 703 600 426 352 491 449 403 437 603 491 537 579 624 1151 1011 1040 813 800 400 1314 1354 1331 1314 1303 1289 1289 679 711 769 808 858 877 910 960 972 986 1042 200 0 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 - 82 - <シ ン ガ ポ ー ル 港 の 貨 物 取 扱 量 の 推 移 > (単位;フレート・トン) General & Bulk Cargo 1992 133,001,600 105,444,300 150,245,800 1994 123,477,300 124,079,800 165,994,900 179,109,000 1996 126,375,000 184,286,300 129,877,700 197,720,100 1998 2000 185,154,000 129,786,600 127,168,000 201,516,500 124,385,700 212,261,700 113,329,400 199,727,900 2002 214,488,600 224,319,400 2004 264,089,400 285,441,400 2006 Mineral Oil-in-bulk 295,474,400 113,759,100 120,667,300 123,374,700 129,328,200 137,826,200 153,029,500 <シ ン ガ ポ ー ル 港 の コ ン テ ナ 取 扱 量 の 推 移 > ( 単 位 ; 百 万 TEU) 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 7.55 9.04 10.39 11.84 12.93 14.12 15.10 15.94 17.09 15.57 16.94 18.41 21.33 23.19 24.79 - 83 - No. of Containers (Mil TEU) <世 界 の 港 の コ ン テ ナ 取 扱 量 > ( 単 位 : 千 TEU) 順位 港 名 2006 年 2005 年 伸 び率 1(1) シンガポール 24,792 23,192 6.9 2(2) 香港 23,538 22,427 5.0 3(3) 上海 21,710 18,084 20.1 4(4) 深 釧 (中 国 ) 18,468 16,197 14.0 5(5) 釜山 12,038 11,843 1.6 6(6) 高雄 9,774 9,471 3.2 7(7) ロッテルダム 9,654 9,300 3.8 8(9) ドバイ (UAE) 8,923 7,619 17.1 9(8) ハンブルグ 8,861 8,087 9.6 10(10) ロサンゼルス 8,469 7,484 13.2 11(13) 青島 7,702 6,307 22.1 12(11) ロングビーチ 7,290 6,709 8.7 13(15) 寧波 7,068 5,208 35.7 14(12) アントワープ (ベルギー) 7,018 6,482 8.3 15(18) 広州 6,600 4,685 40.9 16(14) ポート・クラン (マレーシア) 6,326 5,543 14.1 17(16) 天津 5,950 4,801 23.9 18(17) ニューヨーク/ニュージャージー 5,092 4,792 6.3 19(19) タンジュン・ペレパス(マレーシア) 4,770 4,177 14.2 20(21) ブレーメン/ブレーメルハーフェン(ドイツ) 4,450 3,735 19.1 21(20) レム・チャバン(タイ) 4,123 3,765 9.5 22(23) 厦 門 (中 国 ) 4,018 3,342 20.2 23(22) 東京 3,969 3,593 10.5 24(30) JN ポート(インド) 3,298 2,666 23.7 25(24) タンジュン・プリオク(インドネシア) 3,280 3,281 0.0 26(25) アルへシラス(スペイン) 3,256 3,179 2.4 27(32) 大連 3,212 2,655 21.0 28(27) 横浜 3,199 2,873 11.3 33(34) 名古屋 2,751 2,491 10.4 38(39) 神戸 2,412 2,262 6.6 44(51) 大阪 2,231 1,802 23.8 注) ( )内 は 2005 年 の順 位 [出 典 ] Containerisation International Yearbook 2008 - 84 - 2 貨物ターミナルの概要 シ ン ガ ポ ー ル 港 に お け る バ ル ク ・オ イ ル を 除 く 殆 ど の 海 上 貨 物 は 、97 年 10 月 に 民 営 化 さ れ た PSA コ ー ポ レ ー シ ョ ン( PSA Corporation Ltd; シ ン ガ ポ ー ル 港 湾 公 社 )が 運 営 す る 5 つ の タ ー ミ ナ ル 、 及 び JTC( Jurong Town Corporation; ジ ュ ロ ン 開 発 公 社 )が 運 営 す る ジ ュ ロ ン ・ポ ー ト の 合 計 6 つ の タ ー ミ ナ ル で 取 り 扱 わ れ て い る 。ま た 、 バ ル ク ・オ イ ル は 石 油 関 連 事 業 者 の 運 営 す る 各 タ ー ミ ナ ル で 取 り 扱 わ れ て い る 。シ ン ガ ポ ー ル 港 全 体 の 管 理 は 、 MPA(Maritime and Port Authority of Singapore; シ ン ガ ポ ー ル 海 事 港 湾 庁 )が 行 っ て い る 。 タ ン ジ ョ ン ・パ ガ ー 、 ケ ッ ペ ル 、 ブ ラ ニ 及 び パ シ ー ル ・パ ン ジ ャ ン ( 新 タ ー ミ ナ ル ) が コ ン テ ナ タ ー ミ ナ ル で あ り 、パ シ ー ル ・パ ン ジ ャ ン ・ワ ー ブ ズ 、セ ン ン バ ワ ン ・ワ ー ブ ズ 、 及 び ジ ュ ロ ン ・ポ ー ト が 非 コ ン テ ナ 貨 物 タ ー ミ ナ ル で あ る 。 シ ン ガ ポ ー ル は コ ン テ ナ 取 扱 い 施 設 を 建 設 し た 東 南 ア ジ ア で 最 初 の 国 で あ り 、 PSA ( 1964 年 設 立 )が 1972 年 に イ ー ス ト ・ラ グ ー ン ・コ ン テ ナ タ ー ミ ナ ル( 現 在 の タ ン ジ ョ ン ・パ ガ ー )の 供 用 を 開 始 し た 。ブ ラ ニ ・タ ー ミ ナ ル は 、1991 年 に 第 1 バ ー ス が 供 用 開 始 さ れ た 。 ま た 、 1993 年 8 月 か ら パ シ ー ル ・パ ン ジ ャ ン で 埋 立 工 事 が 行 わ れ 、 タ ン ジ ョ ン ・パ ガ ー 、 ケ ッ ペ ル 、 ブ ラ ニ を 合 わ せ た 能 力 ( 16.2 百 万 TEU) に 匹 敵 す る 18 百 万 TEU の 取 扱 い 能 力 を 有 す る 新 た な コ ン テ ナ タ ー ミ ナ ル の 建 設 が 進 め ら れ て い る 。 第 一 期 工 事 の う ち 先 ず 98 年 10 月 に 新 鋭 の 荷 役 機 械 を 備 え た 4 バ ー ス が 稼 動 し 、 99 年にはさらに2バースが完成し供用された。この新しい最先端を目指したコンテナタ ー ミ ナ ル は 極 力 、自 動 化 ・効 率 運 転 が で き る よ う に 計 画 さ れ て お り 、世 界 初 の リ モ ー ト 制 御 の ブ リ ッ ジ ・ク レ ー ン の 導 入 な ど に よ り 年 間 75 万 TEU/バ ー ス の 取 扱 い 量 が 可 能 と な り 、 既 存 の バ ー ス と 比 較 し て 約 25% の 能 力 ア ッ プ が 図 ら れ て い る 。 現 在 、 タ ン ジ ョ ン ・パ ガ ー 、 ケ ッ ペ ル 、 ブ ラ ニ 、 パ シ ル ・ パ ン ジ ャ ン の 4 つ の コ ン テ ナ タ ー ミ ナ ル に は 、 計 44 の コ ン テ ナ バ ー ス が あ り 、 総 面 積 436 ヘ ク タ ー ル 、 最 大 喫 水 16m で 143 基 の 岸 壁 ク レ ー ン が 稼 動 し て い る 。 シ ン ガ ポ ー ル 港 湾 公 社 (PSA)は 、当 初 の 拡 張 計 画 に 基 づ き 2004 年 5 月 に パ シ ル・パ ン ジ ャ ン・タ ー ミ ナ ル に 5 バ ー ス を 建 設 す る こ と を 発 表 し た 。こ の 5 バ ー ス に つ い て は 、 3 バ ー ス が 2005 年 に 運 用 が 開 始 さ れ 、 2 バ ー ス が 2006 年 に 運 用 開 始 す る こ と を 目 指 し て い る 。ま た 、貨 物 需 要 の 増 加 に 対 応 す る た め 、上 記 計 画 に 加 え て 、2004 年 9 月 に は パ シ ル・パ ン ジ ャ ン・タ ー ミ ナ ル に 5~ 7 年 後 に 新 た に 10 バ ー ス を 新 設 す る こ と を 決 定 し た 。130ha 以 上 に わ た る 10 バ ー ス は PSA の パ シ ル ・ パ ン ジ ャ ン ・ タ ー ミ ナ ル の 岸 壁 長 さ を 更 に 3km 延 ば す こ と に な る 。パ シ ル・パ ン ジ ャ ン・コ ン テ ナ タ ー ミ ナ ル の 開 発 計 画 は 、 30 年 の ス パ ン で 4 期 に 分 け て 開 発 さ れ 、 最 終 的 に は 49 の コ ン テ ナ ・ バ ー ス で 年 間 36 百 万 TEU を 取 り 扱 う こ と が で き る よ う に な る 。 ま た 、こ れ ら の タ ー ミ ナ ル に 隣 接 し た フ リ ー ・ト レ ー ド ・ゾ ー ン 内 に は 、1994 年 に 供 用 開 始 し た 最 新 の 貨 物 集 配 セ ン タ ー で あ る ケ ッ ペ ル ・デ ィ ス ト リ パ ー ク (11 万 3000 平 - 85 - 方 メ ー ト ル )が 設 置 さ れ て い る の を は じ め 、 合 わ せ て 46 万 2000 平 方 メ ー ト ル に 及 ぶ PSA コ ー ポ レ ー シ ョ ン の デ ィ ス ト リ パ ー ク が タ ー ミ ナ ル か ら 車 で 15 分 以 内 の 距 離 に 設置されている。 <各 コ ン テ ナ ・ タ ー ミ ナ ル の 概 要 > 項 目 タンジョン・パガー ケ ッ ヘ ゚ル ブ ラ ニ パシール・パンジャン 面積 84 ha 96 ha 79 ha 177 ha 喫水 11.0~14.6 m 9.6~14.6 m 12.0~15.0 m 16.0 m 6 4 5 23 2 10 4 - 岸 壁 クレーン 29 42 32 87 ヤードクレーン 58 114 107 59 16,532 20,230 15,424 14,260 900 780 1,120 2100 バース数 ;メイン フィーダー グランド・スロット数 リーファー数 非 コ ン テ ナ 貨 物 タ ー ミ ナ ル の う ち PSA コ ー ポ レ ー シ ョ ン が 運 営 す る パ シ ー ル ・パ ン ジ ャ ン ・ワ ー ブ ズ 及 び セ ン ン バ ワ ン ・ワ ー ブ ズ は 、紙 ・パ ル プ 製 品 、自 動 車 、鉄 鋼 な ど を はじめ、特殊貨物を取り扱っている多目的ターミナルである。 両 ワ ー ブ ズ の 概 要 は 、合 わ せ て 、面 積 が 59.3 ha、メ イ ン ・バ ー ス 数 が 9 、コ ー ス タ ル ・バ ー ス 数 が 9 、喫 水 が 6.7~ 11.5ー ト ル 、倉 庫 延 べ 面 積 が 187,900 平 方 メ ー ト ル と なっている。 3 港湾情報システムの概要 シンガポール港では、ハード面の港湾設備の整備と共に、各種港湾情報システムを 導入し、通関手続きのペーパーレス化を図るなどソフト面やサービス面からも港湾業 務の効率化を図ってきている。 主な港湾情報システムの概要は、以下のとおりである。 (1) PORTNET 1989 年 に 導 入 さ れ た PSA コ ー プ 独 自 の シ ス テ ム で 、海 事 関 係 者 (船 会 社 ・代 理 店 、 運 送 業 者 、海 貨 業 者 、荷 主 等 )を 対 象 に 、バ ー ス の 手 配 、港 湾 関 連 申 請 書 類 等 の 提 出 、 荷 役 関 連 情 報 の 確 認 (出 入 港 ス ケ ジ ュ ー ル 、コ ン テ ナ 貨 物 の 搬 出 入 、蔵 置 き 、船 積 情 報 等 )等 コ ン テ ナ タ ー ミ ナ ル 運 営 に 必 要 な 情 報 交 換 ・手 続 き を 24 時 間 リ ア ル タ イ ム で 可 能 と す る 。 政 府 の EDI シ ス テ ム に よ る 貿 易 ネ ッ ト ワ ー ク で あ る TRADENET との接続により、貿易関連政府機関等への通関申請手続きも容易に行える。 さ ら に 、PSA コ ー ポ レ ー シ ョ ン は イ ン タ ー ネ ッ ト に よ る PORTNET-TM を 開 発 し 、 1999 年 に 全 面 供 与 し た 。 こ れ に よ っ て 、 既 に パ イ ロ ッ ト ・タ グ サ ー ビ ス の 申 込 み が できるようになっていた他、利用者が海外のオフィスに居ながらにして請求書等の - 86 - や り と り や 、下 記 (2)の CITOS と リ ン ク し て 例 え ば PSA ヤ ー ド に あ る 冷 凍 コ ン テ ナ の温度監視等も可能となった。 2003 年 8 月 か ら は 、ジ ュ ロ ン・ポ ー ト の オ ン ラ イ ン シ ス テ ム で あ る (JP-ONLINE) とリンクさせ、両港の貨物流通の円滑化を図っている。 【 TRADENET】 貿 易 業 者 、 税 関 、 TDB(貿 易 開 発 庁 )等 を 結 ぶ 通 関 シ ス テ ム で 、 航 空 貨 物 、 港 湾 貨 物 及 び 陸 送 貨 物 の す べ て の 貿 易 手 続 き (輸 出 入 貨 物 の 通 関 書 類 の 申 請 、審 査 、認 可 等 ) の ペ ー パ ー レ ス 化 を 可 能 と す る 。 本 シ ス テ ム の 導 入 に よ り 、 通 常 1~ 4 日 要 し た 一 般 的 な 貿 易 手 続 き 書 類 の 処 理 時 間 が 導 入 当 初 は 2 時 間 程 度 、現 在 は 3 分 程 度 に 短 縮 さ れ た 。 24 時 間 利 用 で き 、 イ ン タ ー ネ ッ ト で の ア ク セ ス が 可 能 。 1989 年 に 貿 易 開 発庁が開発した。 (2) CITOS( Computer Integrated Terminal Operations System) ヤ ー ド 内 で の 効 率 的 な コ ン テ ナ 取 扱 い 作 業 の 計 画 ・指 示 を 行 う PSA 独 自 の シ ス テ ム で 、 1988 年 に 導 入 さ れ た 。 船 の 大 き さ 、 貨 物 の 目 的 地 、 貨 物 量 等 情 報 を も と に 、 必要とするバース、ヤード、クレーンの数、作業員数、配置を割り出し、ヤードの 中央制御室より現場の機器類のオペレーターにリアルタイムで作業指示を行う。さ ら に 、PSA は 外 国 の コ ン テ ナ ・タ ー ミ ナ ル 向 け に CITOS の シ ス テ ム を パ ッ ケ ー ジ に し た CITOS-1 を 1997 年 に 開 発 し 、 中 国 大 連 コ ン テ ナ ・タ ー ミ ナ ル で 最 初 に 導 入 さ れている。 (3) その他の港湾情報システム “FLOW-THROUGH” CONTAINER GATE SYSTEM コ ン テ ナ 運 搬 車 が PSA タ ー ミ ナ ル の ゲ ー ト を 通 過 す る 際 、TV カ メ ラ 、ト ラ ン ス ポ ン ダ ー や コ ン テ ナ 番 号 自 動 識 別 装 置 等 に よ り 、 ペ ー パ ー レ ス で 瞬 時 ( 約 25 秒 ) に通過することができるシステム。コンテナの積み下ろし位置も自動的にドライバ ー に 通 知 さ れ る 。 1 日 に 約 8000 台 、 ピ ー ク 時 に は 1 時 間 に 約 700 台 を 取 り 扱 う こ とができる。 4 海外におけるターミナル共同開発プロジェクト PSA コ ー ポ レ ー シ ョ ン は 、世 界 の ハ ブ 港 を 目 指 し 、顧 客 の ニ ー ズ に 応 え る べ く サ ー ビス網を拡大するため、シンガポール港の運営等で培ってきた経験とノウハウを世界 の 港 湾 の 開 発・管 理・運 営 に 活 用 す る こ と に も 力 を 入 れ て お り 、1996 年 に 中 国・大 連 港 の コ ン テ ナ・タ ー ミ ナ ル の 開 発 プ ロ ジ ェ ク ト に 参 画 し た の を 皮 切 り に 、既 に 世 界 11 カ 国 で タ ー ミ ナ ル の 共 同 開 発 プ ロ ジ ェ ク ト を 展 開 し て い る 。2002 年 4 月 に は ベ ル ギ ー の ヘ ッ セ・ノ ー ル ド・ナ テ ィ を 買 収 し 、2004 年 3 月 に 北 九 州 の ひ び き コ ン テ ナ・タ ー ミナル共同運営を開始し日本進出の足がかりを作った。 - 87 - <PSA コ ー ポ レ ー シ ョ ン の 海 外 展 開 プ ロ ジ ェ ク ト > 国 名 港 ・ターミナル コンテナバース数 岸壁長 面 積 (ha) 最 大 喫 水 (m) 岸 壁 クレーン数 大 連 コンテナターミナル 13 3,953 199 17 34 福 州 コンテナターミナル 3 519 28 11.5 4 広 州 コンテナターミナル 6 1,299 66.0 13 12 ボルトリ・ターミナル 4 1,200 100.0 15 10 ベニス・コンテナターミナル 3 860 29 10 4 インド ツチコリン・コンテナターミナル 1 370 10.0 11.9 3 タ イ レムチャバン 3 1,250 45.5 14 13 ベトナム ブンタオ・ターミナル 4 1,200 54 14.5 12 ベルギー アントワープ・ターミナル 29 10,215 598 16.5 70 7 2,300 87.0 15 16 300 10.0 5.5 2 中 国 イタリア ゼーブルッヘ・ターミナル オランダ ロッテルダム ポルトガル シネス・コンテナターミナル 1 320 18.0 16 2 韓 国 仁 川 南 港 コンテナターミナル 3 900 35.5 14 9 香 港 CT3 / CT8 West 17 6,425 186.2 15.5 64 日 本 北 九 州 ひびき灘 4 1,225 43.0 15 3 5 Barge Operation 旅客ターミナルの概要 PSA コ ー ポ レ ー シ ョ ン が 開 発 し た シ ン ガ ポ ー ル ・ク ル ー ズ ・セ ン タ ー (SCC)は 、1991 年にオープンした初の旅客専用ターミナルで、ハーバー・フロント・センター(旧ワ ー ル ド ・ト レ ー ド ・セ ン タ ー )の サ イ ト に あ り 、300m、250m 及 び 180m の 3 バ ー ス を 有 す る 国 際 旅 客 タ ー ミ ナ ル 、4 バ ー ス を 有 す る 近 海 フ ェ リ ー タ ー ミ ナ ル (近 く の イ ン ド ネ シ ア の 島 々 及 び マ レ ー シ ア 航 路 )、 及 び 2 バ ー ス を 有 す る 国 内 フ ェ リ ー タ ー ミ ナ ル (セ ン ト ー サ 島 及 び シ ン ガ ポ ー ル の 南 の 島 々 へ の 航 路 並 び に ハ ー バ ー ク ル ー ズ )か ら 成 る 。 さ ら に 、 1995 年 に は 、 近 海 フ ェ リ ー タ ー ミ ナ ル (イ ン ド ネ シ ア の バ タ ム 島 ・ ビ ン タ ン 島 及 び マ レ ー シ ア 半 島 東 岸 へ の 航 路 )と し て 、 現 在 4 バ ー ス を 有 す る タ ナ メ ラ ・フ ェ リ ー タ ー ミ ナ ル が オ ー プ ン し た 。 こ れ ら の 他 に 、 パ シ ー ル ・パ ン ジ ャ ン ・フ ェ リ ー タ ー ミ ナ ル 、 ウ ェ ス ト コ ー ス ト ・フ ェ リ ー タ ー ミ ナ ル 等 が あ る 。 SCC 国 際 旅 客 タ ー ミ ナ ル の 旅 客 数 は 、 オ ー プ ン 当 初 の 1991 年 に 13 万 人 で あ っ た も の が 、1998 年 は 105 万 人 と な り 、SCC で は 1998 年 12 月 、1 日 当 り 3,000 人 、年 間 150 万 人 の 旅 客 を 扱 え る よ う に 施 設 を 増 強 し 、270 メ ー ト ル 級 の 大 型 ク ル ー ズ 船 の 受入れが可能となった。 - 88 - <国 際 ・ 国 内 旅 客 タ ー ミ ナ ル の 旅 客 数 > (単位;百万人) 1991 1992 1993 1994 1995 2.0 2.3 2.4 3.5 4.1 4.5 1996 5.0 1997 5.6 1998 6.2 1999 6.9 2000 7.0 2001 注 ) 2002 年 以 降 、 デ ー タ を 公 表 し て い な い 。 - 89 - この報告書は競艇の交付金による日本財団の助成金を受けて作成しました。 東南アジア造船関連レポート 27 2008 年(平成 20 年)11 月発行 発行 社団法人 日本中小型造船工業会 〒105-0001 東京都港区虎ノ門 1-15-16 海洋船舶ビル TEL 03-3502-2063 FAX 03-3503-1479 社団法人 日 本 舶 用 工 業 会 〒105-0001 東京都港区虎ノ門 1-15-16 海洋船舶ビル TEL 03-3502-2041 FAX 03-3591-2206 本書の無断転載、複写、複製を禁じます。 東南アジア造船関連レポート 27 二〇〇八年十一月