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中小企業の海外進出に関する認識調査

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中小企業の海外進出に関する認識調査
FAX 送信票
情報メモ No.24-
2012 年 10 月 3 日
商工中金 調査部
中小企業の海外進出に関する認識調査 [2012 年 7 月調査]
【 調査要旨 】
1 海外進出状況と海外設備投資の予定…製造業では 2 割超の企業が海外に進出済み又は
進出予定
 進出実績「有」の企業割合は全産業で 11.0%(うち製造業は 19.1%、非製造業は 6.3%)。進
出実績はないが今後進出予定の企業の割合は 2.8%(うち製造業は 4.0%、非製造業は 2.1%)。
 海外進出済み及び今後海外進出予定の企業のうち 4 割が今後 5 年以内に海外で設備投
資を行う予定。
2 海外撤退企業の撤退理由…非製造業は事業展開の早期段階での困難が障害に
 海外進出実績あるが現在撤退している企業につき撤退の理由をみると、「売上・利益目標
未達」を挙げる割合が多い。但し、非製造業では「人材確保が不十分で事業の継続・展開が
困難」など、事業展開上の早期の段階における困難を理由に挙げる先が多い。
3 海外進出をしない理由…「国内での事業継続可能」との認識が多い
 海外進出しない企業につきその理由をみると、「現状程度の国内需要で事業の継続が可
能」の割合が 6 割で群を抜いて多く、特に非製造業でその傾向が強い。
 海外進出しない理由を国内事業環境要因以外とする企業は非製造業で割合がより多く、
海外進出へのハードルがより高いと感じている。
4 必要性が高い海外関連情報…法制度・税制、市場成長性等多岐に亘る
 海外進出先、進出予定先にとって必要性が高い情報は、法制度・税制、市場成長性、商
慣行や雇用慣行、想定進出先のコスト等、多岐に亘る。
5 海外に勤務する人材の育成方法…本人一任が中心だが実務研修を課す企業も
 現有人員から経験、適性により選抜するケースが 7 割(うち「本人に対応を一任」が 5 割、
「一定の実務研修を課す」が 2 割)で、経験者の即戦力採用は 2 割。「実務研修を課す」は規
模の大きい企業で多く、「経験者の即戦力採用」は規模の小さい企業で多い。
6 海外進出企業に対する円高の影響…輸出では4割の企業がマイナスの影響
 輸出では 4 割の企業がマイナスの影響があるとするのに対し輸入でプラスの影響は 3 割。
 海外投資方針については 6 割の企業が「横ばい」としている。円高環境下で海外投資を増
やす企業の割合は減らす企業の割合より多い。
7 国内取引先の海外進出状況
 「仕入先の 3 割以上が海外に進出している先」では 18.5%の先が、「販売先の 3 割以上が
進出している先」では 25.6%の先が既に海外に進出している。
海外進出企業(予定を含む)の今後 5 年以内での設備投資の有無
(有)39.8%
a
b
c
全産業
15.7
17.5
製造業
15.3
18.2
非製造業
16.4
0%
10%
a有(海外初投資)
30%
26.8
32.1
4.9
b有(既往投資国に追加投資)
e
33.4
7.7
16.4
20%
d
6.6
26.7
35.4
40%
50%
27.0
60%
c有(既往投資国以外に投資)
N =全産業578、製造業352、非製造業226
1
70%
80%
d無
90%
e未定
100%
【調査要領】
■ 目次
○調査要領
02 頁
○調査回答企業の属性
03 頁
○調査結果 1 海外進出状況と海外設備投資の予定
04 頁
2 海外撤退企業の撤退理由
07 頁
3 海外進出をしない理由
8 頁
4 必要性が高い海外関連情報
10 頁
5 海外に勤務する人材の育成方法
11 頁
6 海外進出企業に対する円高の影響
12 頁
7 国内取引先の海外進出状況
13 頁
1 調査目的 ○中小企業の海外進出に関する認識を調査
なお、海外進出は、海外への投資、事業所開設、生産委託、業務提携を指す。
2 調査時点 ○2012 年 7 月 1 日現在
3 調査
○当金庫取引先中小企業 9,114 社。 有効回答数 5,061 社(回収率 55.5%)
◇ここでいう中小企業とは、いわゆる「中小会社」(会社法第 2 条 6 号に規定する「大会社」以外の会社)、または
対象先
法定中小企業(中小企業基本法第 2 条に規定する中小企業者)、のいずれかに該当する 非上場企業。
4 調査方法
5 調査内容
□ご照会先
○調査票によるアンケート調査(郵送自記入方式)
(1)海外進出状況と海外設備投資の予定、(2)海外撤退企業の撤退理由、(3)海外非進出企業の
進出に至らない理由、(4)海外に関する情報で必要性が高いもの、(5)海外に勤務する人材の育成
方法、(6)円高の影響、(7)国内取引先の海外進出状況
商工中金 調査部 江口 TEL:03-3246-9370
2
○調査回答企業の属性
1) 従業員規模別(従業員数未回答 43 先除く)
① 10人以下
② 10人超~30人以下
③ 30人超~50人以下
④ 50人超~100人以
下
回答企業数
730
1,496
919
915
構成比
958
5,018
19.1%
⑤ 100人超
合
◇
計
14.5%
29.8%
18.3%
18.2%
100%
注 各項目の構成比は、四捨五入の関係で 100%とならない場合がある。以下同様。
2) 地域別(本社所在地)
回答企業数
1
2
3
4
5
北海道
東北
関東
甲信越
東海
合
187
430
1,407
264
573
構成比
3.7%
8.5%
27.8%
5.2%
11.3%
回答企業数
6
7
8
9
10
北陸
近畿
中国
四国
九州・沖縄
構成比
231
907
401
155
506
4.6%
17.9%
7.9%
3.1%
10.0%
5,061
計
100%
東北(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島)、関東(茨城、栃木、群馬、東京、埼玉、千葉、神奈川)、甲信越(山梨、長野、新潟)、東海(静岡、
愛知、三重、岐阜)、北陸(富山、石川、福井)、近畿(大阪、滋賀、京都、兵庫、奈良、和歌山)、中国(鳥取、島根、岡山、広島、山口)
3) 業種別
回答企業数
製造業
食料品
繊維
木材・木製品
紙・パルプ
化学
窯業・土石
鉄・非鉄
印刷
金属製品
一般機械
電気機器
輸送用機器
精密機器
その他製造
構成比
1,754
34.7%
210
129
89
34
131
54
84
113
264
162
103
120
51
210
4.1%
2.5%
1.8%
0.7%
2.6%
1.1%
1.7%
2.2%
5.2%
3.2%
2.0%
2.4%
1.0%
4.1%
非製造業
建設
卸売
小売
不動産
運輸
サービス
情報通信
飲食店・宿泊
全 業 種
3
回答企業数
構成比
3,307
65.3%
341
949
405
168
803
468
52
121
6.7%
18.8%
8.0%
3.3%
15.9%
9.2%
1.0%
2.4%
5,061
100%
【調査結果】
1
海外進出状況と海外設備投資の予定
以下で海外進出は、海外への投資、事業所開設、生産委託、業務提携を指す
1.1 海外進出の現況及び予定
 海外進出の現在の状況と今後の予定についてみると、全産業では「進出実績あり」の企業
割合が 11.0%で、「進出実績はないが今後進出の予定」が 2.8%。一方、「進出実績なく、今
後の進出の予定なし」が約 7 割を占める。「進出実績なく、今後の進出の予定は未定」は
13.2%。なお、「進出実績あるが、現在は撤退」は 1.8%。
 製造業、非製造業別にみると、「進出実績あり」が製造業では 19.1%であるのに対し、非製
造業は 6.3%と約 3 倍の開きがあり、「進出実績はないが今後進出の予定」も製造業 4.0%に
対し非製造業が 2.1%。一方、「進出実績なく、今後の進出の予定なし」は製造業で 6 割、非
製造業で 8 割を占める。
図表1-1
海外への進出状況と今後の予定
a
全産業
b c
2.8
11.0
d
e
13.2
71.1
1.8
4.0
製造業
19.1
非製造業
6.3
2.1
15.3
2.6
59.0
12.0
78.2
1.4
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
a進出実績あり
b進出実績はないが今後進出の予定
d進出実績なく、今後の進出の予定は未定
e進出実績なく、今後の進出の予定なし
70%
80%
90%
100%
c進出実績あるが、現在は撤退
N=全産業4340、製造業1592、非製造業2748
 「進出実績あり」の割合が多い業種は繊維、電気機器各 25.8%、輸送用機器 25.0%、一般
機械 24.7%、精密機械 23.9%など機械製造業が中心。「進出実績はないが今後進出の予
定」は情報通信業 14.6%、精密機械 8.7%、一般機械 8.4%などで割合が多い。
4
図表1-2
業種別での海外への進出済み及び進出予定の企業割合
全 体
(%)
11.0
2.8
製造業計
19.1
4.0
素材型製造業
16.3
2.6
食料品
12.0
1.1
繊維
25.8
1.7
木材・木製品
11.0
0.0
紙・パルプ
10.3
3.4
化学
24.0
6.6
窯業・土石
3.8
1.9
鉄・非鉄
14.9
4.1
加工型製造業
21.1
5.0
5.3
4.2
印刷
金属製品
17.3
4.6
一般機械
24.7
8.4
電気機器
25.8
2.1
輸送用機器
25.0
5.2
精密機械
23.9
8.7
非製造業計
6.3
2.1
2.7
2.3
建設業
卸売業
13.3
2.5
3.0
2.4
3.0
2.3
小売業
不動産業
運輸業
0.3
サービス業
1.4
5.3
2.1
情報通信業
14.6
飲食店・宿泊業
3.2
0
16.7
4.3
5
進出実績あり
10
15
20
25
30
進出実績はないが今後進出の予定
1.2 今後5年以内の海外設備投資の有無
 1.1 で「進出実績あり」、「進出実績はないが今後進出の予定」と答えた先について、2012 年
度以降 5 年以内での海外設備投資の有無をみると、全産業では 39.8%の企業が設備投資
「有」としている。投資対象パターンの内訳をみると、「海外初投資」が 15.7%、「既往投資国
に追加投資」が 17.5%、「既往投資国以外に追加投資」が 6.6%。「無」は 33.4%、「未定」は
26.8%。
 製造業、非製造業別には両者に大きな違いはない。
5
図表1-3
海外進出企業(予定を含む)の今後 5 年以内での設備投資の有無
(有)39.8%
a
b
c
全産業
15.7
17.5
製造業
15.3
18.2
非製造業
16.4
0%
6.6
10%
30%
26.8
32.1
4.9
20%
e
33.4
7.7
16.4
a有(海外初投資)
d
26.7
35.4
40%
50%
b有(既往投資国に追加投資)
27.0
60%
70%
c有(既往投資国以外に投資)
80%
90%
d無
100%
e未定
N =全産業578、製造業352、非製造業226
≪参考≫ 海外進出先の国内投資状況
 1.1 で「進出実績あり」、「進出実績はないが今後進出の予定」と答えた先について、国内設
備投資計画の有無をみると、全産業で 47.9%の企業が国内設備投資「有」としている。全先
ベースでの「有」割合が 38.1%であるのに対し(参考図表1(注)参照)、海外進出企業は国
内投資に関しても投資意欲が強い。なお、製造業、非製造業別にも「有」の割合はそれぞれ
53.0%、39.9%と全先ベースより多くなっている。
参考図表1
海外進出企業(予定を含む)の国内投資計画の有無(2012 年度修正計画段階)
全産業
47.9
製造業
22.6
53.0
非製造業
23.1
39.9
0%
10%
29.5
23.9
21.9
20%
30%
40%
38.2
50%
有
未定
60%
70%
80%
90%
100%
無
N=全産業601、製造業368、非製造業233
(注)調査対象先全先ベースの2012年度国内設備投資有無割合(修正計画、%)
有
全産業
製造業
非製造業
未定
38.1
44.6
34.4
無
24.4
25.4
23.8
37.5
29.9
41.8
(資料)商工中金「中小企業設備投資動向調査」
(2012年7月調査)
 1.2 で今後 5 年以内に「海外初投資」、「既往投資国に追加投資」、「既往投資国以外に追加
投資」と答えた先につき国内設備投資有無比率をみると、「有」の割合は一層多くなっており、
全産業ベースは 57.4%となっている。製造業は 61.3%で、非製造業も 50.6%と 5 割を超えて
いる(参考図表2参照)。
 このように、海外進出・海外投資を実施もしくは計画する企業は同時に国内投資にも積極的
であり、海外進出・海外投資の加速が国内投資の停滞につながるものではないといえよう。
6
参考図表2
今後5年以内に海外設備投資を予定する企業の国内投資計画の有無
(2012 年度修正計画段階)
全産業
57.4
製造業
17.4
61.3
非製造業
19.3
50.6
0%
10%
20%
25.1
19.3
14.1
30%
40%
50%
有
35.3
60%
未定
70%
80%
90%
100%
無
N=全産業235、製造業150、非製造業85
2
海外撤退企業の撤退理由
 1.1 で「進出実績あるが、現在は撤退」と答えた先について撤退の背景をみると、全産業では
「コストが想定以上にかさみ利益が目標に届かなかった」39.2%、「売上、生産が目標に届
かなかった」31.6%の割合が多く、売上、利益の目標未達が主な原因であった。以下、「製品
が想定した品質を確保できなかった」21.5%、「現地での適当なビジネスパートナーの不在
もしくは喪失」20.3%、「人材確保が不十分で事業の継続・展開が困難」16.5%、「制度対応
が困難で事業の継続が難しかった」10.1%と続く。
 製造業、非製造業別には、製造業では「コストが想定以上にかさみ利益が目標に届かなか
った」、「売上、生産が目標に届かなかった」、「現地での適当なビジネスパートナーの不在も
しくは喪失」等を挙げる割合が多いのに対し、非製造業では、「人材確保が不十分で事業の
継続・展開が困難」、「製品が想定した品質を確保できなかった」、「制度対応が困難で事業
の継続が難しかった」の割合が製造業よりも多く、事業展開上の早期の段階で困難に遭遇し
撤退に追い込まれる場合が多いようだ。
図表2
50
45
40
35
30
25
20
15
10
5
0
海外撤退の背景
43.9
39.2
34.2
(複数回答)
(%)
34.1
31.6
28.9
23.7
21.5
20.3
19.5
28.9
26.8
13.2
18.4
16.5
10.1
4.9
益
が
目
標
に
届
か
な
か
っ
た
コ
ス
ト
が
想
定
以
上
に
か
さ
み
利
売
上
、
生
産
かが
っ 目
た標
に
届
か
な
で
き
な
か
っ
た
製
品
が
想
定
し
た
品
質
を
確
保
ト
ナ
ー
の
不
在
も
く
し
は
喪
失
現
地
で
の
適
当
な
ビ
ジ
ネ
ス
パ
ー
継
続
・
展
開
が
困
難
2.4
人
材
確
保
が
不
十
分
で
事
業
の
全産業
8.9
続
が
難
し
か
っ
た
製造業
N=全産業79、製造業41、非製造業38
7
制
度
対
応
が
困
難
で
事
業
の
継
非製造業
11.4 9.8 13.2
12.2
5.3
代
金
回
収
が
円
た滑
に
進
ま
な
か
っ
7.9
3.8
0.0
の
継
続
が
困
難
産
業
イ
ン
フ
ラ
が
不
十
分
で
事
業
1.3 0.0 2.6
で
不
利
益
を
被
っ
た
知
的
財
産
権
の
保
護
が
不
十
分
そ
の
他
3
海外進出をしない理由
 1.1 で「進出実績なく、今後の進出の予定なし」と答えた先につき、海外進出に至らない理由
をみると、全産業では「現状程度の国内需要で事業の継続が可能」が 63.8%と群を抜いて
多い1。製造業、非製造業別には非製造業で特に割合が多くなっている。また、「国内の需要
掘り起こしで収益の確保ないし拡大が可能」2は 18.8%。
図表3-1
海外進出をしない理由
現状程度の国内需要で
事業の継続が可能
54.5
18.8
19.8
18.3
18.3
国内の需要掘り起こしで
収益の確保ないし拡大が可能
国内での雇用維持を
優先したい
14.7
16.3
海外事業立ち上げのための
人材が不足
12.9
13.2
投資回収の目処が立たない・
立てられない
8.8
11.5
13.7
10.4
9.7
11.8
8.7
9.3
12.8
7.6
7
10.7
5.2
5.6
9.1
3.8
3.8
4.4
3.4
3.6
5.8
2.5
2.9
4.5
2.1
2.2
5.5
0.5
1.8
2.3
1.6
海外事業立ち上げの実務が
わからない
事業環境や制度面の情報が不足
質的に人材確保の見通しが立たない
販売見通しが採算ラインに届かない
国内部門のコスト削減で
価格競争力の維持が可能
量的に人材確保の見通しが立たない
コスト低減効果が見込めない
想定進出先での原材料・
部品仕入の目処が立たない
技術の海外流出を阻止したい
想定進出先の産業インフラが
未整備である
0
10
68.4
(複数回答)
25.6
23.1
18.3
10.6
12.5
資金不足
(%)
63.8
20
19.9
全産業
30
40
製造業
50
非製造業
60
70
N=全産業3480、製造業1154、非製造業2326
不動産業 82.9%、運輸業 71.2%、建設業 71.1%、サービス業 70.1%などで割合が多い。一方、輸送用機械
38.5%、精密機械 28.6%など一部の機械製造業は少ない。
2 情報通信業 35.5%、食料品 30.1%など内需関連産業で割合が多い。
8
1
80
 国内事業環境要因である「現状程度の国内需要で事業の継続が可能」、「国内の需要掘り
起こしで収益の確保ないし拡大が可能」以外の理由を挙げている先につき海外進出に至ら
ない理由をみると、全産業では「国内の雇用環境を維持したい」、「海外事業立ち上げのた
めの人材が不足」、「資金不足」、「投資回収の目処が立たない・立てられない」などの項目
に幅広く分散している。
 製造業・非製造業別には、製造業は各項目とも 2 割に満たず概して割合が低い3のに対し、
非製造業では「国内の雇用環境を維持したい」、「海外事業立ち上げのための人材が不足」
を中心に高い項目が目立ち、さまざまな事情により海外進出へのハードルが高いと感じてい
る企業が多いと考えられる。
図表3-2
海外進出をしない理由(国内事業環境2要因除く)
「現状程度の国内需要で事業の継続が可能」「国内の需要掘り起こしで収益の確保ないし拡大が可能」
以外の理由を挙げている先につき再集計したもの
国内での雇用維持を優先したい
海外事業立ち上げのための人材が不足
28.4
37.3
27.2
14.9
海外事業立ち上げの実務がわからな い
36.9
25.9
12.7
事業環境や制度面の情報が不足
36.3
20.8
9.7
質的に人材確保の見通しが立たない
(%)
49.0
17.2
投資回収の目処が立たない・立てられな い
29.5
17.8
8.0
25.6
12.5
販売見通しが採算ラインに届かな い
6.7
量的に人材確保の見通しが立たない
6.7
3.5
9.2
17.0
6.5
4.0
8.4
コスト低減効果が見込めない
国内部門のコスト削減で価格競争力の維持が可能
6.1
3.0
8.6
想定進出先での原材料・部品仕入の目処が立たな い
5.7
3.5
7.4
3.9
3.0
4.7
技術の海外流出を阻止したい
2.5
1.2
3.5
想定進出先の産業インフラが未整備で ある
0
全産業
57.4
35.8
18.9
資金不足
(複数回答)
38.3
13.9
製造業
10
20
30
40
50
60
70
非製造業
N=全産業914、製造業402、非製造業512
3
製造業で各項目の割合が少ないのは「現状程度の国内需要で事業の継続が可能」
、
「国内の需要掘り起こしで
収益の確保ないし拡大が可能」という国内事業環境要因と合わせて他の項目を答えている場合が多いためで、
国内事業環境以外の要因自体はさほど海外進出の阻害要因になっていないことを意味する。
9
4
必要性が高い海外関連情報
 1.1 で「進出実績あり」、「進出実績あるが、現在は撤退」、「進出実績はないが今後進出の予
定」、「進出実績なく、今後の進出の予定は未定」を選んだ先につき、海外に関する情報で
必要性の高いものをみると、全産業で「想定進出先の法制度、税制等に関する情報」53.6%、
「想定進出先の市場の成長性に関する情報」47.7%、「想定進出先の商慣行や雇用慣行に
関する情報」39.0%、「想定進出先のコスト全般に関する情報」34.4%などの割合が多い。
 製造業、非製造業別の差異は小さい。
図表4-1 必要性が高い海外関連情報
70
60
56.1
53.6
50.9
(%)
47.7
45.1
50
(3つ以内選択)
50.6
40
全産業
39.0
41.6
36.6
製造業
非製造業
36.0
34.4
32.6
25.3
21.8
18.0
30
20
21.5
19.7
17.7
13.7
12.2
10.6
10
7.1 6.4 7.8
6.6 8.4 4.7
進
出
候
補
先
との
成過
否去
の
進
出
実
績
進
出
候
補
先
の
進
出
条
件
比
較
3.2 1.2 5.3
0
に
関
す
る
情
報
想
定
進
出
先
の
法
制
度
、
税
制
等
関
す
る
情
報
想
定
進
出
先
の
市
場
の
成
長
性
に
行
に
関
す
る
情
報
想
定
進
出
先
の
商
慣
行
や
雇
用
慣
す
る
情
報
想
定
進
出
先
の
コ
ス
ト
全
般
に
関
関
す
る
情
報
想
定
進
出
先
の
産
業
イ
ン
フ
ラ
に
関
す
る
情
報
想
定
進
出
先
の
現
地
採
用
市
場
に
に
関
す
る
情
報
想
定
進
出
先
で
の
資
金
調
達
手
段
そ
の
他
N=全産業666、製造業344、非製造業322
 1.1 で「進出実績あり」と答えた先と、「進出実績はないが今後進出の予定」と答えた先に分
けて海外に関する情報で必要性の高いものを比較すると、今後進出予定の先では「想定進
出先の商慣行や雇用慣行に関する情報」へのニーズが相対的に強い。
図表4-2 進出段階別必要性が高い海外関連情報
70
49.4
50
(3つ以内選択)
(%)
61.6
60
50.0
53.9
40
48.3
38.0
34.3
進出実績あり
42.7
進出実績はないが今後進出の予定
23.1
30
20
13.5
19.0 16.9
14.0
13.5
10
2.9
6.7
4.5
7.9
1.7
1.1
0
す
る
情
報
想
定
進
出
先
の
法
制
度
、
税
制
等
に
関
想
定
進
出
先
の
る市
情場
報の
成
長
性
に
関
す
関
す
る
情
報
想
定
進
出
先
の
商
慣
行
や
雇
用
慣
行
に
想
定
進
出
先
の
情コ
ス
報ト
全
般
に
関
す
る
想
定
進
出
先
の
る産
情業
報イ
ン
フ
ラ
に
関
す
想
定
進
出
先
の
る現
情地
報採
用
市
場
に
関
す
N=進出実績あり242、進出実績はないが今後進出の予定89
10
す
る
情
報
想
定
進
出
先
で
の
資
金
調
達
手
段
に
関
進
出
候
補
先
の
過
否去
の
進
出
実
績
と
成
進
出
候
補
先
の
進
出
条
件
比
較
そ
の
他
5
海外に勤務する人材の育成方法
 1.1 で「進出実績あり」、「進出実績はないが今後進出の予定」を選んだ先につき、海外に勤
務する人材の育成方法についてみたところ、全産業では「現有人員から経験、適性により選
抜し、本人に対応を一任」が 48.9%と半数近くを占めた。「現有人員から経験、適性により選
抜、一定の実務研修を課す」23.9%と合わせ、約 7 割の企業が現有人員の戦力化による対
応を志向している。「海外実務に精通した日本人を即戦力として新規採用」が 9.7%、「海外
実務経験や日系企業に勤務経験のある外国人を即戦力採用」が 9.9%と、経験者の即戦力
採用も日本人・外国人合わせ約 2 割程度あった。「取引先等から海外実務に精通した日本
人の派遣、出向を受け入れる」は 3.4%にとどまった。
 製造業・非製造業別には製造業で「現有人員から経験、適性により選抜、一定の実務研修
を課す」の割合が 29.2%と、非製造業の約 2 倍となっている。個別には一般機械 46.5%、電
気機器 33.3%で特に割合が多い。生産の技術移転に関連した指導やマネジメント対応のた
め研修を手厚くしていることが考えられる。
図表5-1 海外に勤務する人材の育成方法
現有人員の戦力化(a+b)72.8%
経験者の即戦力採用(c+d)19.6%
a
全産業
48.9
製造業
b
c
23.9
9.7
47.4
非製造業
29.2
51.3
8.0
15.1
0%
10%
20%
30%
40%
a現有人員から経験、適性により選抜、本人に対応を一任
12.6
d
e
f
9.9
3.4
4.2
9.2
11.1
2.8 3.4
4.5
5.5
50%
60%
70%
80%
90%
b現有人員から経験、適性により選抜、一定の実務研修を課す
100%
c海外実務に精通した日本人を即戦力として新規採用
d海外実務経験や日系企業に勤務経験のある外国人を即戦力採用
e取引先等から海外実務に精通した日本人の派遣・出向を受け入れる
fその他
N=全産業524、製造業325、非製造業199
 海外に勤務する人材の育成方法を従業員規模別にみると、規模の大きい企業ほど「現有人
員から経験、適性により選抜、一定の実務研修を課す」の割合が多く、海外派遣にあたって
より手厚いサポートを志向している。一方、従業員規模の小さい企業では「海外実務経験や
日系企業に勤務経験のある外国人を即戦力採用」への依存度がやや高くなっている。
図表5-2 海外に勤務する人材の育成方法(従業員規模別)
経験者の即戦力採用c+d
現有人員の戦力化a+b
a
A10人以下
B11人~30人
C31人~50人
b
38.9
c
13.9
46.9
d
13.9
16.7
15.6
42.5
10.4
24.1
D51人~
100人
52.5
E101人以上
52.5
0%
10%
20%
30%
a現有人員から経験、適性により選抜、本人に対応を一任
f
5.6
11.5
10.4
13.8
9.0
30.1
11.1
5.2
17.2
23.8
40%
e
9.0
5.5
6.6
2.3
3.3
c海外実務に精通した日本人を即戦力として新規採用
d海外実務経験や日系企業に勤務経験のある外国人を即戦力採用
e取引先等から海外実務に精通した日本人の派遣・出向を受け入れる
fその他
11
2.5
2.7 2.7
50%
60%
70%
80%
90%
b現有人員から経験、適性により選抜、一定の実務研修を課す
N=A36、B96、C87、D122、E183
0.0
100%
6
海外進出企業に対する円高の影響
6.1 輸出に対する円高の影響
 1.1 で海外に「進出実績あり」と答えた先につき、輸出に対する円高の影響をみると、「影響な
し」が 48.4%と半分近くを占め最も多く、「輸出減、採算悪化等マイナスの影響」が 39.3%で
続く。「為替ヘッジや円建取引の利用により影響微小」は 12.3%にとどまっている。「輸出減、
採算悪化等マイナスの影響」の割合は素材型製造業で 45.5%、加工型製造業が 44.4%で、
鉄・非鉄、一般機械各 63.6%の割合が大きい。非製造業は 31.1%。
図表6-1 海外進出企業の輸出に対する円高の影響
A全産業
39.3
12.3
B製造業
44.8
Cうち素材型製造業
45.5
Dうち加工型製造業
44.4
E非製造業
13.2
10%
42.0
12.9
41.6
13.4
31.1
0%
48.4
42.1
10.8
20%
30%
輸出減、採算悪化等マイナスの影響
58.0
40%
50%
60%
70%
80%
為替ヘッジや円建取引の利用により影響微小
90%
100%
影響なし
N=A529、B317、C101、D216、E212
6.2 輸入に対する円高の影響
 海外進出企業の輸入に対する円高の影響をみると、「影響なし」が 50.5%と半分近くを占め
最も多く、「輸入価格低下によるプラスの影響」が 31.0%と 3 割にとどまる。一方、「為替ヘッ
ジや円建取引の利用により影響微小」は 18.5%で輸出に比べ割合が多い。「輸入価格低下
によるプラスの影響」の割合は素材型製造業で 46.2%と多く、加工型製造業の 27.8%や非
製造業の 26.9%を上回る。
図表6-2 海外進出企業の輸入に対する円高の影響
A全産業
31.0
B製造業
18.5
33.9
Cうち素材型製造業
50.5
18.7
47.5
46.2
Dうち加工型製造業
27.8
E非製造業
26.9
0%
10%
18.3
35.6
18.9
53.3
18.3
20%
輸入価格低下によるプラスの影響
30%
54.8
40%
50%
60%
為替ヘッジや円建取引の利用により影響微小
70%
80%
90%
100%
影響なし
N=A535、B316、C104、D212、E219
6.3 海外投資方針に対する円高の影響
 海外進出企業の海外投資方針に対する円高の影響をみると、「円高の如何に関わらず投資
は横ばい」が 60.4%と最も多い。「円高の如何に関わらず投資を増やす」と「円高の如何に
関わらず投資を減らす」を比べると、前者が 23.3%、後者が 12.2%で、「円高により投資を増
12
やす」の 4.1%と合わせ円高環境下で投資増額方針の企業の方が多い。なお「円高の如何
に関わらず投資を増やす」の割合は素材型製造業 21.1%、加工型製造業 27.2%、非製造
業 20.8%。
図表6-3 海外進出企業の海外投資方針に対する円高の影響
投資増(a+b)
投資減c
12.2
60.4
投資増(a+b)
(%)
27.4
24.9
9.7
61.2
29.1
21.1
10.0
62.2
27.8
a
b
A全産業
4.1
23.3
B製造業
4.2
Cうち素材型
6.7
製造業
Dうち加工型
2.7
製造業
E非製造業
0%
c
27.2
4.0
投資横ばいd
9.5
20.8
10%
d
16.1
20%
29.9
60.5
24.8
59.1
30%
40%
50%
60%
70%
80%
a円高により投資を増やす
b円高の如何に関わらず投資を増やす
c円高の如何に関わらず投資を減らす
d円高の如何に関わらず投資は横ばい
90%
100%
N=A386、B237、C90、D147、E149
7
国内取引先の海外進出状況
7.1 国内仕入先の海外進出状況
 仕入先の海外進出状況についてみると、「3 割以上の先が海外に進出」が 14.9%、「1~2 割
の先が海外に進出」が 24.2%となっている。仕入先で「3 割以上の先が海外に進出」の割合
が多い業種は、繊維 39.2%、輸送用機器、卸売業各 25.5%など。
図表7-1 仕入先の海外進出状況
14.9
0%
10%
24.2
20%
60.9
30%
3割以上の先が海外に進出
40%
50%
1~2割の先が海外に進出
60%
70%
80%
90%
海外進出はほとんどない
N=3447
7.2 国内販売先の海外進出状況
 販売先の海外進出状況についてみると、「3 割以上の先が海外に進出」が 16.7%、「1~2 割
の先が海外に進出」が 22.0%となっている。販売先で「3 割以上の先が海外に進出」の割合
が多い業種は、輸送用機器 63.8%、精密機械 48.6%、一般機械 41.2%など。
13
100%
図表7-2 販売先の海外進出状況
16.7
0%
22.0
10%
20%
61.4
30%
40%
3割以上の先が海外に進出
50%
60%
1~2割の先が海外に進出
70%
80%
90%
100%
海外進出はほとんどない
N=3499
参考図表3 業種別の国内仕入・販売先の海外進出状況
仕入先
販売先
製造業計
15.8
素材型製造業
17.1
食料品 3.2
28.8
28.7
24.7
繊維
窯業・土石
16.0
鉄・非鉄
15.3
加工型製造業
14.9
印刷
16.4
14.4
5.3
卸売業
21.5
76.1
25.5
小売業
64.2
18.6
33.8
20.5
8.1
サービス業
7.6 11.0
情報通信業
7.7
0%
20%
3割以上が海外に進出
40%
60%
70.5
35.2
80%
100%
1~2割が海外に進出
36.8
27.6
18.1
48.6
8.7
17.2
74.0
7.9
16.3
75.8
卸売業
12.1
23.7
18.9
64.2
93.0
91.0
8.0
11.7
66.7
21.5
11.1
22.5
0%
18.1
32.4
建設業
海外進出はほとんどない
14
22.9
63.8
3割以上が海外に進出
海外進出はほとんどない
29.0
35.9
84.0
22.5
飲食店・宿泊業 2.9 8.8
80.9
35.2
19.3
35.5
情報通信業
66.7
飲食店・宿泊業 2.9 16.2
29.6
41.2
サービス業 4.9
81.4
28.1
非製造業計
運輸業
75.5
25.6
35.9
35.8
不動産業 1.0
91.0
16.4
60.8
小売業 2.0 5.1
61.4
不動産業 1.0 8.0
運輸業
40.7
18.1
10.2
精密機械
42.9
33.7
19.6
輸送用機器
51.0
42.9
19.6
電気機器
43.8
23.5
14.3
非製造業計
一般機械
46.2
32.7
35.3
57.1
39.7
25.5
精密機械
建設業
32.5
33.7
加工型製造業
金属製品
63.5
30.8
35.9
55.2
32.0
25.4
鉄・非鉄
印刷
70.9
29.3
10.3
電気機器
56.3
19.8
15.5
輸送用機器
61.0
28.8
9.3
金属製品
一般機械
23.7
36.1
23.1
窯業・土石
76.0
70.6
32.0
化学
38.2
49.6
25.6
紙・パルプ
39.2
41.2
29.6
木材・木製品 11.1
51.7
29.6
20.9
繊維
60.0
22.5
29.3
食料品 3.8
26.8
28.0
8.0
素材型製造業
28.3
12.0
化学
54.3
34.0
20.0
紙・パルプ
製造業計
72.2
39.2
木材・木製品
55.4
55.0
88.2
20%
40%
60%
1~2割が海外に進出
80%
100%
7.3 国内取引先の海外進出度合いが高い企業の海外進出状況
 国内仕入先或いは販売先の 3 割以上が海外に進出している先について自社の海外進出
状況をみると、仕入先の 3 割以上が海外に進出している先については 18.5%が「進出実績
あり」で、「進出実績はないが今後進出の予定」が 5.0%と全体に比べ海外進出の割合が高
い。販売先の 3 割以上が海外に進出している先については 25.6%が「進出実績あり」で、
「進出実績はないが今後進出の予定」が 6.0%と全体に比べ海外進出の割合が更に高い。
このように、取引先の海外進出により自社も海外進出するケースが多いといえるため、「進出
実績なく、今後の進出の予定は未定」のなかに今後海外進出に踏み切る先が含まれている
可能性があるといえよう。
図表7-3 国内仕入先、販売先の3割以上が海外に進出している企業の海外進出状況
a
A全体
b c
2.8
11.0
d
e
13.2
71.1
1.8
5.0
B仕入先の3割以上が
海外に進出
18.5
C販売先の3割以上が
海外に進出
16.1
2.4
58.0
6.0
25.6
18.0
48.1
2.3
0%
10%
20%
30%
40%
50%
a進出実績あり
b進出実績はないが今後進出の予定
d進出実績なく、今後の進出の予定は未定
e進出実績なく、今後の進出の予定なし
60%
70%
80%
90%
c進出実績あるが、現在は撤退
N=A4340、B498、C567
本資料は情報の提供を目的としており、投資勧誘を目的としたものではありません。投資判断の
決定につきましては、お客様ご自身の判断でなされますようにお願いいたします。
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