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紫草第28-3号 - 都立保谷高校
紫草 28-3 平成28年度もいよいよ始まりました。平成28年度は異動や定 数増加に伴い、17名の教職員(教員系15名、行政系2名)を新た に迎えてスタートしました。着任式では、生徒たちからあたたかい 拍手とともに迎えられました。本校生徒の素晴らしさを感じる一瞬 です。 今春の進路決定でも、現役で国公立大学4名合格、浪人生も含め ると7名(現役生:国際教養大学、防衛医科大、東京医科歯科大、琉 球大 浪人生:東北大、東農大、東京芸大)が国公立大学に合格しま した。昨年、一昨年の1名に比して、大きく飛躍しました。42期 生がチームとして頑張った結果の一つの表れだと思います。 東京都教育委員会による指定 ◎普通科中堅校における学習指導・進路指導に関するモデル校 ◎英語教育推進校 以上 2 つの指定(ともに3年間)を受けました。東京都の施策を活用 して生徒に還元をしていきたいと思います。 中高連携(女子バレーボール大会) 本校では運動部を中心に近隣中学校を招いての大会を実施してい ます。3月には毎年、保谷高等学校中学校女子バレーボール大会(保 谷杯)を開いています。今年は西東京市、清瀬市、東久留米市、練馬 区の中学12校を招いて行いました。優勝は開進四中、準優勝は大 泉北中でした。 武蔵野美術大学学生による黒板ジャック 4月6日の始業式講話です。 いよいよ、3年生は将来の進路に向けて最大限の頑張りを見せる 1年がやってきました。2年生は保谷高校の中心として活躍し、3 年生へ飛躍するステップの時期となりました。明日は皆さんの後輩 となる45期生が入学してきます。保谷高校のよき伝統を伝えてい ってください。 さて、新年度に当たり、本校の教育活動の基本である教育目標を 確認しましょう。 本校の教育目標は「知性高く、人間味豊かに、心身ともに健康な 人を育成する」です。是非覚えてほしいのですが、要は「知徳体」 をバランスよく育むということです。 「知徳体」は昔から学校教育の 根幹となっていることです。すぐに保谷高校の教育目標が言葉とし て出てこなくとも、この「知徳体」はわすれないでください。 次に、昨年度私が皆さんにお話したことを思い出してください。 (中略 前年度の6回の講話の振り返りです。) 何かひとつでも覚えていてくれて、実践に移してくれていれば嬉 しく思います。 今回は新年度の始まりに当たり、2500年ほど前の言葉を紹介 します。 「之を知る者は、之を好む者に如かず。之を好む者は、之を楽しむ 者に如かず。 」 意味は「あることを知っているだけの人は、それを好きになった人 には及ばない。それを好きになった人は、そのことを楽しんでいる 人には及ばない。」という意味です。授業でただ「知る」だけではな く、学んだことに主体的に関心を持ち「好き」になって、さらに調 べたり議論をしたりして「楽しむ」ことが出来るようになって欲し いと思っています。 皆さんの成長を期待しています。 書道作品より 4月7日の入学式式辞です。 (前略) さて、新入生のみなさん、皆さんは今、本校でのこれからの生活 に期待を持ち、胸を膨らませていることと思います。本校は昭和4 6年に設置され、昭和47年の一期生入学以来、 「知性高く、人間味 豊かに、心身ともに健康な人を育成する」という教育目標の元、文 武ともにバランスよく個性を伸ばしていく教育を実践してまいりま した。昭和47年に制定された校章には、開校当時の教職員の思い が込められております。 本校の校章は「むらさき」の花びらをかたどったものです。これ は古今和歌集の「紫のひともとゆゑに武蔵野の草はみながらあはれ とぞ見る」の「むらさき」から取られたものです。この歌の意味は 「ただ一本の紫草があればこそ、広い武蔵野じゅうに生えているす べての草がどれもみなしみじみと趣きのある、美しく、いとおしい ものに思われる」というものであり、この校章を付ける保谷高生に は、東京の高校を代表するよき生徒として、高い誇りを持って立派 に高校生活を送ってもらいたいという思いが込められています。ま た、紫草の花は小さな白い花でありますが、その根が紫色の染料と なっていますことから、 「むらさき」と呼ばれています。このことか ら、目に見えない基礎となる力を蓄えて、美しい花を咲かせてほし いという願いも込められており、校歌にも表れております。 ところで、みなさんの住んでいる東京は、2020年のオリンピ ック・パラリンピックを間近に控え、まさにグローバル化していく 真っ只中にあります。皆さんが、社会に出ていく頃には、日本語だ けではなく、英語を初めとして多くの国の言語が交わされ、多くの 国の人々が活躍していることと思います。そのような社会で、みな さん一人一人が活躍できるようにと、保谷高校は全力で応援をして いきます。しかし、そのために一番大切なのは、みなさんの心構え と実行力です。先ほど紹介しました本校の教育目標は、普遍の教育 目標である「知徳体」のバランスのとれた育成を表現したものです。 この「知徳体」がバランスよく身に付けられますように、3つのこ とをお話しします。 一つ目は、互いに個性の違いを認め合って欲しいということです。 自分自身と同じ考えの人といるのは心地よいと思います。だから自 然と考え方や感じ方が似ている人と友人になることが多いようです。 しかし、それだけでは違う見方、考え方、感じ方に触れることがで きません。新たな発見をすることも難しくなります。グローバル化 する社会のなかでは、考え方や習慣の違う人々とも共に働くことが 大切になります。自分自身を知り、相手を知る。自分自身と相手の 間には、似ているところもあるけれども、それ以上に違うところが たくさんあり、そこが魅力である。自らと違う個性に触れることで、 自らが開花することがあります。もちろん、社会のルールの中での ことという前提はあるのですが、自分自身の殻を破って成長するた めには大切なことだと思います。 二つ目です。世代を超えた刺激を受けてください。皆さんの通う 保谷高校は学年が異なっても、同世代の人々です。個性の違いはあ り、語り合うことで、新たな自分を知ることにつながることでしょ う。しかし、限られた世代の人の考えに触れるだけでは、少し物足 りない。では、どうしたらいいのか。皆さんは、何千年も昔の人の 考え方、感じ方に触れる方法があります。そして、現在、社会の最 先端で活躍している人の考え方、感じ方にも、実に簡単に触れられ ます。是非、多くの「本」を読んでください。インターネットとい う便利な方法もありますが、それは補助的な手段として活用し、読 書を心掛けてください。必ずやみなさんに刺激を与え、また、心と 脳を活性化させます。語り合うことで同世代の感じ方、考え方を、 そして、読書で世代の違いや時代の違いを超えて、感じ方や考え方 に触れてみてください。自分自身の限界を打破できるはずです。そ して、自らを表現できる素敵な方法を見つけてください。 三つ目は「健康」です。心身共に健康であれ。実は、複雑化して いる現代社会では最も難しいことの一つかもしれません。しかし、 個性を認め合い、語り合い、読書をし、自らが主体的に生きようと すれば、少し心掛けて運動をすることで、健康は保てます。健康は 私たちが生活していくうえでの基盤です。高い意識を持ち、文武両 道を目指してください。 今、お話ししたことのほかにも、みなさんがより良く生きていく ためには、たくさんの方法があります。それは、みなさんが主体的 に見つけ、見つけられたことを自分自身の方法で素敵に表現して、 多くの人に伝えてください。 さて、もう一度校章を見てみましょう。保谷高校の校章は5枚の 花びらが寄り添いあって出来ています。一枚の花びらは両隣の花び らとしか接触できませんが、中心で五枚がつながっています。皆さ んも一人ひとりのつながりを大切にしてください。そして、3年後、 5年後、10年後の自分自身を描いてみてください。 終わりになりましたが、保護者の皆様、本日、三一九名の新入生 諸君を確かにお預かりしました。我々教職員一同は生徒一人ひとり を大切にきめ細かく指導をしていく所存です。そのためには、ご家 庭のご理解とご協力が不可欠です。また、教育はご家庭、地域、学 校が、互いに信頼し、協力しあってこそ、最大の効果を上げ、生徒 諸君の明るい未来につながるものと信じています。我々教職員一同 は皆様の期待に応えられるよう日々努力をしてまいります。保護者 のみな様におかれましても、本校の教育活動へのご理解とご協力を、 改めてお願い申し上げます。 東京都立保谷高等学校 校長 樋口博文