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生 回 研 - 兵庫県生きがい創造協会

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生 回 研 - 兵庫県生きがい創造協会
究
第
報
4
生回
研
号
兵庫県立嬉野台生涯教育 セ ンター
1995
次
目
成人 のための先導 的 プ ログラム開発
堀
井
洋
一
・ (1)
・
・
…… ・
女性 の社会参加 とボ ラ ンテ ィア活動 につ いての一 考察
宮
先
啓
子
………… (16)
効 果的 な 自然学校 プログラムの一 考察
松
原
和
昭
丹
谷
雅
之
― うれ しの S、 れあ いセ ミナーの実施―
―嬉野台生涯教育 セ ンターを例 に して一
・
・
・
・
・
・
・。(31)
…・
《
特別寄稿》
生涯教育情報誌「 うれ しの台」(社 会教育実務講座か ら)
① 現代的課題の学習化
京都大学教授
上 杉 孝 賞 …・……… (41)
② 家族・ 家庭問題を考える
神戸大学教授
……… (45)
鈴 木 正 幸 …。
③ 地域づ くり・ まちづ くりと学 び
広島大学助教授
土 井 利 樹 …・……… (49)
関西大学教授
和 田 安 彦 …・……… (53)
④ 震災 と環境問題
一震災における暮 らしの水 と環境―
《
研修報告》
スイスにおける生涯学習 の現状
― バ ーゼル州・ 市 にお ける成人教育を中心 に一
坂
口 明
………… (57)
巳 。
鮨円 セ
措辱 あ
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上死 ふ
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ハリ ぅ
,
ヽ
”
成人のた
プ ログ フ ム 開発
ナ ー の実 施 ∼
堀
井
洋
一
は じめに
教育界 における 21世 紀 のキーワー ドは、「 生涯学習社会 の構築 Jで あると言 われて い
る。では、「 生涯学習社会 Jと は一体 どうい う社会 をい うのであろうか。
日
杜汗教酵鋪
(生 汗学習事典
東轄潮府)の 中で、広島大学 の池田教授 (当 時)は 、
『 生涯学習
の推進 は、学校教育 や社会教育 などとは異 な り、地域 に存在 するあ らゆる教育機能 や教育
資源 の連携協力 による総合的 な学習援助 システ ムの構築 を必要 とする。 これによって構築
されるシステムの ことを我 々は今 日、 《生涯学習体系)と 呼 んでお り、 さらに 《生涯学習
体系》 の整備 された社会 の ことを 《生涯学習社会》 と名 づ けている。』 と述 べている。
もう少 し簡単 に言 えば、『 生涯 にわた って、個性的 で、いろいろな生 き方 が尊重 されて
い るとともに人生 の各時期 における学習 への需要 を踏 まえた多様 な質 の高 い機会 が提供 さ
れて い る社会』
(生
プッ
ク 山
涯学習ハンド
棚府)と い うことになるであろ う。
本恒夫編著 第一法
さらに言 えば、① いつで も、 どこで も、だれで も、 (何 で も)自 らの意思 に基 づいて学
ぶ ことが保障 され る社会
②学 ぶ ことが喜 びであ り、学 んだ成果 が正 当 に評価 され る社会
③学習縁 ネ ッ トワー ク社会
とい うことになるのではないだろ うか。
その よ うな社会 を構築 して い くために行政 が果 たさなければな らない役割 (人 々の学習
支援 )は 、ハ ー ドな面・ ソフ トな面 での基盤整備 である。 その 中で、県行政 としては県下
市町 の生涯学習がより推進 されて い くための支援策 が重要視 され る。
ソフ ト事業 については、県 が実施 す る場合 、 自ずか ら市町 の それ と相違′
点がある。それ
ゆえセ ンター も同様 である。例 えば、 ソフ トな面 での学習機会 の提供 を考 える場合 、 3′ 点
ある。それ らは、「 先導的 であることJ「 広域的 であること」「補 完的 であること」 であ
る。その よ うな理 由づ けを もって、「 うれ しのス、れあいセ ミナ ーJ(以 下 セ ミナ ー とい う)
を 《先導的 な学習 プログラム開発 )を 目的 として実施 したのである。
この報告 は、具体的 にどのよ うな学習要求 を基本 と して、 どこに視点 を置 き、企 画・ 立
案・ 実施 し、 どうい う結果 にな ったかをまとめた ものである。
I
学習要求 の把握
(生 涯学習事典
日
杜涯教諄鋪
棘書籍
新
P58)か ら引用 す ると、学習要求 (Learning Ne
eds)と は、
『 人 が学習 する ことを意識的 あるいは無意識的 に求 めてい ることであ り、若干
ニ ュア ンスが違 うが学習必要 とか学習要求 と呼 ばれることがある』 と定義 されている。
さらに、学習要求 の考 え方 を引用 す ると、「 学習要求 は、言 い換 えれば学習ニ ーズであ
る。学習ニ ーズには、まず人が主観的 にその必要 を感 じているものがある。 (何 々を学 び
たい》 とい うよ うに “
要求 "の 形 で表 され るもので、 “
要求 と しての学習ニ ーズ"と 呼 ぶ
ことがで きる。 これ を学習 への “自覚 されたニーズ" “
表 出 されたニ ーズ"と 呼 ぶ研究者
もいる。学習 ニ ーズには一 方(何 々を学 ぶ必要 がある)と いった形 で表 されるもの もある。
―
-1-―
いわば “
必要 と して のニ ー ズ"で あ って、 “自覚 されて いないニ ー ズ "あ るいは “
規範 的
ニ ーズ "と も呼 ばれ る。 “
規範 的 "と は、 当 人が意識 す る と しな い とにかかわ らず、 あ る
社 会 的価値 基準 や行 動理念 に基 づ いて学 ぶ ことが 必要 と判 断 され る、 とい う意 味 で あ る。
例 えば 《人権 》 の学 習 は 〈民キ 的 な市 民社 会 の形成 )と い う理 念 に照 ら して、 民 主 国家 の
市 民 に と って必要 と判 断 され る。 生涯学 習 にお いて は、主 観 的 に表 明 された `要 求 と して
の学 習 ニ ー ズ "だ けで な く、規範 的 な立場 か ら要 請 され る “
必要 と して の学 習 ニ ー ズ"を
も含 む もの と して、学 習要 求 を と らえて い く視 点 が求 め られ る。.1と 記 されて い る。
この ことか ら考 え る と、人 々が「 学 びた い」 と い う学 習課題 だ けで な く、「 学 ぶ必要 の
あ るJ学 習課題 も当然 学 習要 求 と言 え る。社 会教育 の分野 で今 まで言 われ て きた「 学 習要
求課題 J「 学 習必要課 題 」両 方 と も学 習要 求 で あ るとい うことで あ る。 それ ゆえ、 国 の生
汗学 習審議 会答 申 で い う「 現代 的課題 」 も当然学 習要 求 に含 まれ る。
必要 と して の学 習 ニ ー ズ"を もとに実施 した もの
本 セ ミナ ー は、 どち らか と言 えば、 “
であ る。 そ の主 な理 由 は、 次 の 2点 で あ る。
まず、『 超 高齢化社 会 』 がや って くると い うことで あ る。
統 計 上は、 0∼
14歳 を年 少 人 │]、 15∼ 65歳 を生 産年齢 人 日、 65歳 以 上を老 年 人
日と呼 ぶ。一 般 に人 口 の高齢化 とは、
総人「1に お ける高年齢 人 ‖の相対 的拡大 を意 味 す る。
それ ゆえ、 高年齢 人 日 の増加 とは異 な った概 念 で あ って、 た とえ高年齢 人 llが 絶対 的 に増
加 して も、必 ず しも人 日の高齢化 が起 こ る とはか ぎ らな い。 昭和 35年 ・ 平成
32年 を 単純 に比較 す ると、次 の よ うになる。
町雪孝日35(1960)
年
総
人
日
X総
年静不
詳含む(厚 生省 人ll問 題研究
数には
所資
料より)
平成 2(1990)
94,302千 人 100.0%
2年 ・ 平成
123,611千 人 100.0%
Z"に 32(2020)
ヨ
128,345千 人 100.0%
28,434千 人
30.2%
22,486千 人
18.2%
19,833千 人
15.5%
・総人日に
生産年齢人日
対する割合
60,469千 人
64.1%
85,904千 人
69.5%
75,774千 人
59.0%
老年人目 ・総人日に
対する
割合
5,398千 人
5.7%
141895千 人
12.0%
32,738千 人
一
b
04
年少人日
数・総人月に
割合
対する
5%
昭和 35年 と平成 2年 を比較 してみると、 明 らかに老年人 llが 増加 するとともに、年少
人 ││が 減少 してい くた めに、相対的 に高齢化率 が高 くな っていることが分 か る。今後 され
にその傾 向が強 くな ってい くことが、 人 │1問 題研究所 の推計 で伺 える。高齢化率 の ピー ク
は、平成 57年 の 28.4%と 推計 されているが、平成 22年 には 20%を 越 し、平成 3
2年 には 25%を 越 す とされて いる∩ 4人 に 1人 が高齢者 ということになる∩平成 32年
と言 えば、現在 40歳 の人が高齢者 の仲 間入 りす る 65歳 にな っている。
次 に、余暇時間の増大 である。 いわば『余暇社会』 がや って くるとい うことである。
余暇 とは何 であろ うか。 (J.デ ュマズデ ィエ『余暇文 明へ向か って 1中 島巌訳 現代
社会学叢書
東京創元社
1972 P19)か
ら引用 す ると、「 余暇 とは、個 人が職場
や家庭 、社会 か ら課 せ られた義務 か ら解放 された ときに、休息 のため、気晴 らしのため、
あるいは利得 とは無関係 な知識 や能力 を養成 、 自発的 な社会参加 、 自由 な創造力 の発揮 の
ために、ま った く随意 に行 う活動 の総体 である。」と定義 されて い る。
余暇 の増大 は、 1つ 日の理 由 とも関連 している。つ まり、高齢化社会 の到来 に伴 う寿命
の延 びにより、人生全体 の余暇時間が増 えて きて いるのである。
また、国 の内外 か ら労働時間短縮 の問題 が起 こ り、 それによ って賃金生活者 の 日常生活
における余暇時間が増大 してきて い る ことも見逃 せない。以下関係資料 を数点列記 する。
-2-
《資 料 1》
豊か さについての意識 (心 の豊か さか ,物 質的な豊か さか)
57 2
心 の 豊 か さ (;主 │)
(%)
43 6
5o|
664 nb5-"/x
11拠二
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36.8
…
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上
一
・ 和・ ・ ・ ・ ・
・
・
・
5H5115555555555555555
月
(注
│)物 質的 に あ る檸 度 豊 かにな ったの で,
・
・
58
59
60
61
62
・
・
・
・
・
63月「 ラt 2
・ 成・
・
3
4
・
・
これか らlj心 の 豊 か さやゆ と りの あ る4L活 をす ることに 重 き をお
きた い
(注
2)ま
出典
:「
《資料 2》
だ まだ物質的 な面 で生活 を豊 か に することに重 さをお きた い
国民生り
舌に関 りる !Ц 論 調 査 ,(平 成 4年 10月 調 査 )
ゆ と りの有 無
χ糠
“
/ ′
′
/∵ 占
あ る不
呈度
ゆ と りが あ る
ゆ と りが あ る
′
、
あ まり
ゆ と りが な い
かな り
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ヽ\
でい
ほ とん と
ゆ と りが な い
0
% 8
19%
わ か らない
ヽ
入
∫
丈
\
298
ゆ と りがあ る
14
1
│`7
全
15∼ 20∼ 30∼ 40∼ 50∼ 60- 70歳
以上
体
19歳 29歳 39歳 49歳 59歳 69歳
(間 │ふ だんの生活は ,仕 事や家事 ,学 業などて精-1不 か それとも好きなことをした り 休むゆ とリカヽ
あるか。)
調査対象 :全 国 15歳 以上の男女2,380人
資141総 I里 府広 IF室「余暇 と旅行に関する世論調査 J(Bg 106年 l月
)
-3-
《資料
3)労
働者
人平 均 年 間 実 労 働 時 間 の 推 移
1
(時 間 )
2′
500
426
2′
総 実 労働 時 間
2,400
2′
300
2′
200
2′
100
2′
000
2′
356
2′
2′
239
164
2′ 1 15
1`
`
`
` )ll
\ 、翌l_一 L翌 __上
`〔
900
1′
800
│′
700ぉ
2′
L′
076
042′ 10δ
2′
所 定 内 労働 時 間
1′
2, 104
077
2′
2,008
議 li響 雌 1脚
│,859
J⊥
_l_J…
35
ニ
ュ
11_上
40
45
■コ
一
」
■
ユ
50請
ニ
1端
音
ま 希
お
劫
('主
)事 業所規1莫 30人 以上
資料 lll所
労働 省 「毎 月
労統 言1調 査」
'力
《肇[】料4》
余暇の過ごし方のタイプ
(8召
│イ
(複 数 回 答 )
1)健
(21 人 との 交流 をは か れ る よ うな もの
(3)知 はや教賛 を高め る もの
(4)芸 術 や 美 的 な関 ,心 を満 た す もの
(5)日
::::::::::I1135 9
(7)自
分 で作 れ る喜 び を満 た す もの
(8)自
ヽれ る こ とが で き る もの
然 に、
贈 け や 偶 然 を楽 しむ もの
D l性 理や頭 を使 うもの
:::「
12
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F「
25 2
」 308
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36
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22
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イ
ロ性 や創造 力を発暉できる もの
技術や技輛(腕
15
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(lハ
50
%za.z
51
nrll
まえ)の 向上 を目1旨 すもの
57
At6
“3 日常の世界を離れて解放感を味わえるもの
‖
他人と競争するもの 競争心を満たすもの
│1 7
179
iiii:,r.i,l 27 0
)
05
2`
tr.a
│イ
,一
146
385
り
“υ 社会や人のために役立 つ もの
9
“
00
│口
I24.8
19)仕 事 .勉 強 .家 事等の疲れをいやすもの
10
鰺
ヨ 122
fl
)
タイフ別潜在
需要
50 5
]232
常 生 活 に 役 立 つ もの
(6)仕 事 に 役 立 つ もの
::1390
11111111■
千o6年
tOI
)
現 在 の 余 暇 の す こ 17来 希 望 す る 余 暇
の す こ し方 の タ イ
し方 の タ イ ブ
(%) ブ
(%)
康 や体 力の 向 上 を 目指 す もの
117
l-,6 s ____
*
内 の 数字 (ま 大 きい順
現 在 と の よ うな タ イ フ の 余 lli活 動 を 行 っ て い る か ,ま た 今 後 との よ う な タ イ プの 余 暇 活 動 を 行 い た
現 在 で は ,1` 人 との 交 流 を は か れ る もの 2)曖 康 や 体 力 の 向 上 を 目 指 す もの 3,
仕事 .家 事 ,勉 ;4の 疲れをいやす しのてあ り,17来 の希望ては0健 康や休力の向上 を目1旨 す らの 2
人との交流 をはかれるもの `3)知 識や教贅を高めるものとなっている。
いかに つい て貝 ると
現 状 と 希 望 の 間 で 上 位 種 目に 大 き な 変 化 は 無 い が
りの 他 に
置 して い え ば
,健 康 継 1寺 や 日 常 の 疲 労 回 復 と い っ た 受 身 的 性 枯 の
,現 在 1■ 好 す る タ イ フ は 人 的 広 か
17来 選 好 す る タ イ フ (よ 自 己
もの で あ り
啓 発 や 日 常 生 舌か らの 1え 去Dと い っ た ,よ り積 極 的 な 性 格 の しの と い え る
5万 人 以 上 の 88市 に 1主 し l SIt以 上 の 男女 を対
')喘 P4発 セ ン ター
余蝦 需 要 に 円 す る‖ 査研 究 (8召 1062年 3月 )Fu,余
(全 国 の
責
'1:「
-4-
十
平成
日
召禾ロ
(年
度
)
《資料
1》
では、 《
豊 か さについての意識変化》 の調査 であるが、昭和 54年 の調査 に
おいて、「 物 の豊 か さJよ り「 心 の豊 か さ」を求 め る人 々が L回 って以来 、時間的経過 を
重ね るにつ れその差 が拡大 して きてお り、平成 4年 の調査 では、「 心 の豊 か さ」を求 め る
人が 57.2%、 「 物 の豊 か さJを 求 める人 が 27.3%と 倍以 上の差 とな ってきている。
この結果 は、「 所得水準 の 向 LJ「 余暇時間 の増大」「高学歴化 J「 高齢化社会 J等 の成
熟社会 の到来 が背景 にあると考 え られ る。
(資 料 2》 では、 《ゆとりの有無 について》 の調査 であるが、男女 とも 20歳 まで と、
60歳 以
卜になるとゆと りがかな りある。 また、女性 は男性 に比 べて 50歳 を越 す とゆと
りが多 くで きる結果 とな って い る。子育 て等 がほぼ終 わ る年齢 と合致 する。男性 は、 50
代 は俗 に言 う「 働 き盛 り」 でかえ ってゆとりがないのであろ う∩
《資料 3)で は、 《労働時間の推移 について)の 調査 であるが、海外 か らの「 日本 たた
きJ「 週休 2日 制 の普及」「 企業 の内部努力」等 で確実 に総労働時間 も減 りつつ ある。資
1990年 )す ると、 日本 が 2, 124時
間 に対 して、イギ リス 1, 953時 間、アメ リカ 1, 948時 間、 フランス 1, 683時
間、 ドイツ 1, 598時 間 とな ってお り、お よそ 150∼ 520時 間の差 があ り、まだま
料 にはないが、 国際比較 (製 造業生産労働者
だ の感 がする。
資料 4で は、 《余暇 の過 ごし方 の タイプについて》 の調査 であるが、現在 の余暇 の過 ご
し方 の タイプと しては、①「 人との交流」②「 健康 や体力 の向 卜」③「疲 れをいやす」④
れ る」⑤「 自分 で作 れる喜 び」 が 25%以 上ある。将来希望 する余暇 の過 ごし
「 自然 に応、
方 の タイプは、①「 健康 や体力 の向 L」 ②「 人 との交流 J③ 「 知識 や教養 J④ 「 自然 にSヽ
れる」⑤「 自分 で作 れ る喜 びJO「 日常 の世 界 を離 れて解放感 Jが
25%以
上ある。
Ⅱ 学習 プログラム立案
このよ うな学習要求 を もとに して、 《楽 しく学 び続 けるための き っかけづ くり》 を 日的
に、セ ミナ ーの学習 プログラムを企 画・ 立案 したのである。
また、企 画・ 立案 す る視点 として次 の点 に特 に留意 した。
1対
象
概 ね 40歳 以 上を対象 と したの は、現在余暇 がある人 を対象 とす ることも意義 のあ
るが、先導的 なプ ログラム開発 の視点 か ら、 これか らの超高齢化社会や余暇社会 を生
き抜 かねばな らな い人 々 をターゲ ッ トとす る。市町 において も、 この種 の事業 にとっ
ては、一 番参加 しに くい年齢層 である。
2
時
(1)セ
期 (期 間 )
ンターの予約状況 や施設 の特長 を考 え、 2泊 3日 で宿泊 で きる時期等 を考慮 す
ると、季節的 に一番 よい秋 に集 中 させ る。
(2)働 き盛 りの 人々が対象 なので、祝 日や十 。日を含 める 日に設定 す る。
3
内
(1)セ
容 (プ ログラム)
ンターの置 かれて い る立地条件 の プラス面 (自 然環境 の よさ 周辺施設 との連
携 の しやすさ等 )を 生 かす。
(2)遊 び心 を生 か したプ ログラム にす る。
-5-
(3)ゆ と りの あるプ ログラムにす る。
(4)食 事 を工 夫 す る。 (非 日常性 )
(5)参 加費用 をで きるだけ廉価 にす る。
4
内容表
【第 1回 :平 成 6年
(祝 /金 )∼
9月 23日
☆ テ ーマ :長 寿社会 にチ ャ レンジ
9/23(10:00
25日
)(2泊
(日
!
9/25(15:00
9//24
開講 )
3日 )】
閉講 )
製作「家族新聞づ くり1・ 2J
製作「 家族 新 聞 づ くり 3J
実技 「友達 の輸・和・ わ」
見学「 ら、るさと歴史探訪 J
グルメ「 要 懐石 (か なめれ■き)J
︱
講演「 男 の本音・女 の本音 J
︱
1
やし
ろ国際学習塾 倉1作 「 焼 き物 にチ ャ レン
講 演 「 人生 の応援歌 J
∼陶芸・ L宝 焼 ∼
ルメ「 野 外料理 に挑戦 」
グ
観 測 「 星 空 ウ ォ ッチ ングJ
∼扇 と奥義 ∼
1
∼
浄i寺・朝光寺を
訪ねて∼
・アン
サンプルJ
金監準罫「 プラス
ルメ「 フランス料理 と
グ
ミュ ー ジ ック」
【
i白 】
【第 2回 :平 成 6年
」
実技 「 わ│力 いサロン
10月 8日
(十 ) ∼ 10日
☆ テ ーマ :生 きが い見 つ けて楽学 人生
10/8(10:00
開講 )
【泊 】
(祝
/月 )(2泊 3日 )】
!
10/9
10/10 (15:00
講演「笑 いと道楽」
エン
テーリン
グJ
実技「 挑戦 !オ リ
・ゴル フJ
実技 「 グラウ ン ド
実技「 宿 づ くり」
の肺 」
実技 「脚咄哺 と
∼
サパイパル?∼
llの 夜
長に
「 ア ー チ ェ リー
実技「 自然 を再確認 J
∼
れる
食べら
野草構み∼
│
ルメ「 山野草料理 J
グ
鑑 賞「 フル ー ト演 奏 」
∼
天養羅 と雑炊 ∼
ール(本 選)∼
∼
第5回 日
本木管コンク
ルメ「野外料理 に挑戦」
グ
閉講 )
ルと
スタ
イ
J
調寧お
ミ「 ライフ
学び
東条町コスミックホール
観測「星空 ウ ォッチ ングJ
グルメ「 究極 の選択 J
∼
鍋料理 と全 国 の酒 ∼
「私 の生 きざま?J【 泊】
【第 3回 :平 成 6年
10月 21日
☆ テ ーマ :私 もめざす社会参加
10/21(10:00 開講 )
ティ
ア姓き
れヽ
J
講演「 ポラン
エン
ン
テーリ
グ」
実技「 挑戦 !オ リ
∼センターの本々に
触れて∼
創作 「
lltき
物 にチ ャ レンジ
∼陶芸・ L宝 焼 ∼
ス料理とミ
ュージック」
グルメ「 フラン
(金 )∼
23日
(日
)(2泊
3日 )】
!
10/22
1
10/23 (15:00
閉講 )
│
見学「 S、 るさと歴 史探訪 J I 実技「 自然 を再確認 J
∼
丹波篠 山路 を訪 ねて
1
実技 「 宿 づ くり」
∼
?∼
llの 夜
長にサバイパル
グルメ 「要 懐石 (か なめかtせ き)J
【 】
'自
-6-
ルメ「 山野草料理 J
グ
∼天養羅 と雑炊 ∼
宿と
硼離J
実技「熱ヽ
出の
講演「 心 の ゆとりが
∼扇 と奥 義 ∼
発表「 私 の生 きざ ま?」 【泊 】 雀見演J「 星空ウォッチング」
∼
れる
野草摘み∼
食べら
もた らす もの J
5
ア ンケ ー ト調査
時 間的 な制約 もあ った の で、 学 習要 求調査 とい うよ り、 あ る程 度事 業 内容 (主 なプ
ロ グ ラ ム )案 につ いて概 要 を示 した _上 で の調査 とな った 。無作為 に 150名 程度 にお
願 い したが、 回収 は 97名 にな った 。
(問 》 は全部 で 13項 目で あ る。 それ らは、 ①性 別
の 関心 事
⑤「 生汗学 習」 と い う言葉 の認 識
③参加 す る仲 間
⑨希望 内容
⑫参加 した いプ ロ グラ ム案
③居住地 域
⑥参加 で きる季節
⑩参加 で きな い理 由
⑬希望参加 費用
②年齢
④現在
⑦参加 で きる曜 日
① ボ ラ ンテ ィア活 動 へ の意欲
で あ る。
以下簡 単 に集計結 果 の特徴 的 な事柄 を記 す。
◆ 関心事 に つ いて は、 男女共 に「 余 暇 J「 生 涯学 習 Jが 多 く、 次 いで 、「 ス ポ ー ツ」
「 環境 問題 」「 健 康 と福祉 J「 まちづ くり」 と続 く。
◆参加 で きる季節 に つ いて は、 男性 が「 夏 Jが 多 く、 次 いで「 一 年 中」 と続 くの に対
し、 女性 は「 秋 」「 冬 Jが 同 じで、「 夏 」 が それ に続 く。
◆曜 日に つ いて は、 男女共 に「 金 ・ 十 。日」 が圧倒 的 に 多 い。
◆誰 と参加 す るか につ いては、 男性 が「 一 人 J「 友 人J「 妻 」 と続 くの に対 し、 女性
は「 友 人 」「 一 人J「 グル ー プJと 続 き、
「 夫 Jと はわずか 1名 と い う結 果 で あ る。
◆講座 内容 に つ いて は、 男性 が「 施 設見学 」「 グル メ」「 講演 」「 創 作活 動 Jが ほぼ
同 じ割合 で、「 演劇鑑 賞」「 音楽 鑑 賞 」 と続 く。 女性 は、 どの 内容 もほぼ 同 じとい
う結 果 で あ る。
◆参加 で きない理 由 に つ いて は、 男性 が「 仕事 の都合 」 が圧 倒 的 に 多 く、「 家 の都 合 」
が それ に続 く。 女性 は これ が逆 転 す る。
◆ プ ロ グ ラ ムの参加希望 1贋 位 につ いて は、 男女共 に大差 はな いが 、 男性 が「 第 2回 」
「 第 3回 」「 第 1回 」 の順 で あ り、女性 は「 第 3回 J「 第 1回 」「 第 2回 」 の順 で
あ る。
◆参加 費用 につ いて は、 男女共 に 2万 円 までが大 多数 で あ る。
6
プ ロ グ ラ ム成案 の作成
全体 的 で統計 的 な学 習要求 、 小規模 で はあ るが ア ンケ ー ト調査 を もとに実行 委 員会
で委 員各位 の建設 的 な意見 を参 考 の L、 以下 の成 案 を作成 した ので あ る。
そ の 際 、 先 に述 べ た ことと章 な る点 もあ るが 留意 した点 は、次 の とお りで あ る。
(1)ゆ と りの あ るプ ログ ラムづ くりをす る。
ア
開始 時 亥Jを 午後 か らにす る。
イ
時 間 を ゆ った りとる ことによ り、個 人 の 自由時 間 を増 やす。
ウ
見学先
(3ヽ
る さと探訪 な ど)の 一 部 を減 らす。
(2)体 験 的 なプ ログ ラム を 多 く し、選択 の幅 を広 くす る。
ア
イ
倉1 作
活 動 (陶 芸 染色 七宝焼 家族 新 聞 づ くり)
エーション (オ リエ ンテ ー リング 食 べ られ る野 草採 集
・レ
クリ
野螺動
野 外料 理
ニュ
ース ポ ー ツ)
ウ
見 学
。鑑 賞
(=ヽ
る さと探訪 カナ デ ィア ン・ プ ラス 全 日本木管 コ ンクー ル )
(3)講 演 を少 な くし、 フ ォー ラ ム形式 にす る。
-7-
角自 ■ 匡コ ロ 本呈 ヲ受
【テ ー マ :長 寿 社 会 に チ ャ レ ンジ 】
時間ヽ月日
第 1日 日 9/23(金 )
第 2日 目 9/24(t)
8:00
起
床
洗
顔
モ
nU
nυ
nU
nU
時
(講 師 )
県野外レクリエーション指導者協議会
木
員υ
移
剛
動
nυ
nυ
「 音 楽 の真髄
∼ カナディアン
・ プラス∼ J
間
見 学「 Sヽ る さ と探 訪 」
《みどころ》
◇国宝 「 浄 土 寺 」 (小 野市)
X国 内
で東大寺の南大門と2つ しかない
天竺様式の浄t堂
・快慶作の阿弥陀三尊
X運 慶
◇国 宝 「 朝 光 寺 」 (社 町)
X方 七
日建造物。
X内 部
は密教寺院本堂の典型
X室 町
初期の折衷様式の典型的な遣構
nu
nu
動
移
チ
ェ ッ ク イ
ン
浴
入
nu
nu
(成 人 宿 泊 棟 )
デ ィナ ーパ ー テ ィ ー
「要懐 石料理 」
nU
nυ
nυ
ーター)セ ン タ ー 職 員
(サ ポ
nυ
nu
20
由
nV
nu
00
食
尽一 自
一
受
nu
nυ
開講 式
「 みんなで輪になってセミナー聞こう」
やしろ国際学習塾
18
洗
床
散 策
(Bコ
顔
ー ス )
朝
食
自
由
時
間
ーニングコーヒーetc)
(モ
《成人食堂》
付
鑑賞
17
時
:rf7-L-etc)
③「 七宝 焼 J
講師 日本工業新同社 キ事 木村 聖
センター職員
・ ポランテイア講師
事務局長 栗
16
)
起
・ 実技(選 択) 《第1研 修室外)
《第1鵬 室》 創作
講義
「 新 聞 づ く りの 楽 しさ 」 ①「 続 家 族 新 聞 づ く り」
講師 神戸新聞社 広報部長 市兼 亘
講師 日
本工業新聞社 キ事 木村 聖
・ 実技(選 択) 《第1研 修室外》 ②「 グラウンドゴルフに挑戦」
創作
①「 家 族 新 聞 づ く り」
講師 セ ン タ ー 職 員
パ
コ
の
ソ ン 水彩画」
②「
nV
nu
14
nU
13
ー ス
)
nυ
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12
nυ
11
(Aコ
由
一
朝 自 r、
nv
nv
8
散 策
食 間
まで に
第 3日 日 9/25(日
観月
自
由
時
間
入
浴
ヮ イ ル ドな デ ィ ナ ー
「野 外 バ ーベ キ ュ ー
大会 J
ー
ー
(サ ポ タ )セ ン タ ー 職 員
自
「 宵 待 ち の 月 を観 る」
∼夜空よ今夜もありがとう∼
21:00
由
時
間
-8-
由
時
間
《第1研 修室》
講演
∼
の
人
す
す
め
て
る
生き 限〕
学びたい」
「朗
講師 仏教大学 教授 小倉 美津子
昼
食
ピュッフェパーァィー
(言 舌題 ,「
閉
《成人食堂》
家族は?」「 年金は?J
講
式
【テ ー マ
時間ヽ月日
:第 2回
:生 き が い 見 つ け て 楽 学 人 生 】
第 1日 日 10/8(十
)
8:00
程
表
第 2日 目 10/9(日
起
・
床
nυ
b
^
朝
自
(モ
由
時
ーニング]― ヒーetc)
nυ
nυ
nυ
nυ
04
理 事 丸 岡美 採
拝
撃
nV
90
´
受
《成人食堂〉
子
譴
(講 師 を 囲 ん で )
nυ
nu
開講 式
「 みんなで輪になってセンター闘こうJ
実 技「 オリエンテーリング」
nυ
¨
b
事務局長 栗
木
剛
移
動
鑑賞
1午 後 の ひ と と き 」
第 5回 日本木管ヨンクール(本 選)
《フ ル ー ト演 奏 )
東条町コスミックホール
実技
i戦 ∼
」
「 運動の秋∼ニュースポーツにツ
nυ
nU
・ ア ー チ ェ リー
0円 碁 ボ ー ル
nυ
nυ
・ グ ラ ウ ン ドゴ ル フ
講師 セ ン タ ー 職 員
チ
ェ ッ ク イ
ン
(成 人 宿 泊 棟 )
ヮ イ ル ドな デ ィ ナ ー
野 外 バ ーベ キ ュー
nリ
18
(Bコ
由
洗
顔
ー ス )
時
ニングコーヒーetc)
講師
うれ の野草研究家 岸 本 尚美
フォーフム
「 これからの生き方J
ー
コ
〈 ディネーター&パ ネリスト
》
神戸大学 助 教 授 末本 誠
県野外レク指導者協議会 栗木 剛
′
93ベ スト
メン
賞受賞 小嶋 明
給食ボランティア 福岡 節子
付
∼草本の名itを 覚えよう∼
講師 県野外レクリエーション指導者協議
17
散 歩
・
nυ
nU
nυ
陶芸 陶芸家 市野弘之
染 色 毎日文化センター
講 師 坂 田緋 波
日
七宝焼 本手工芸美術協会
16
床
・ 実技(選 択)(陶 芸
・ 染色
・ 木彫』 実 技
創作
《第1キ ャン鵡 》
「 思 い 出 づ く りJ
「 自然の中で地球を考えよう」
∼食べられる山野草採集∼
陶 芸・染 色・ L宝 焼
講師
14
起
)
食 間
洗
顔
ー ス )
モ
朝 自 <
(Aコ
第 3日 日 10/10(月
)
食 間
散 歩
まで に
9
日
^
U
nU
^
0
ハυ
04
nv
nυ
(サ
大会
ポーター)セ ン タ ー 職 員
由
時
間
移
自
動
由
時
間
鍋 デ ィナ ー
「 作 って食 べ さ す 究 極
の選 択 」
∼5種 類 の 鍋 料 理 と
銘 酒 の味比 べ∼
自
21:00
-9-
由
時
間
拝
撃
子
譴 《成人食堂》
「要 懐 石 料 理 J
(講 師 を 囲 ん で )
閉
講
式
第
【テ ー マ
時間ヽ月日
:私 も め ざ す 社 会 参 加 】
第 1日 日 10/21(金
3回
)
8:00
表
一
受
nυ
nυ
nυ
nυ
nu
nυ
nυ
nU
nυ
nυ
nu
nυ
18
nu
17
nu
民υ
16
ボランティア講師 柏 原 信 也
・実技 《陶芸
・染色
・木彫室》
創作
陶 芸・染 色・七 宝 焼
講師 陶 芸 鮮 家 市 野 弘 之
文化センター
染 色 毎日
講 師 坂 田緋 波
七宝焼 日
本手工芸姜術協会
理 事 丸 岡美 採
チ
ェ
ッ
ク イ
nυ
nυ
nυ
nυ
nυ
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04
21
大会J
ー
ー
ー職 員
ン
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(サ
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自
由
時
↓
「武 家 屋 敷 群 J
↓
「 篠 山歴 史美 術 館 J
↓
↓
「 特 産 館 さ さや ま 」
↓
↓ (昼 食・休 憩 )
↓
↓
「 丹波杜氏洒造記念館」
↓
↓
「妻 入 商 家群 J
↓
↓篠 山 町
↓
↓セ ン タ ー
鐵 「 軽 音 楽 と と もに J
講師 バンド リラ ック ス
′
※ 93第 2回 アジアわたばうし
音楽祭
inソ ウ
ル 日本 代 表
間
00
-10-
会 席 パ ー テ ィー
「 要懐石料 理 」
(サ
自
ポーター)セ ンタ ー 職 員
由
時
HH
:'1 11- L -e tc )
フォーラム「私もめざす社会参加J
《]― ディネーター&パ ネリスト
》
関西 大 学 教 授 越川正
県7ラ ワーセンター協会講師 岸本尚美
医 師・登 山 家
大島秀夫
愛知 県 立大 助教授 神原文子
尽
ミ 《成人食堂》
子
ン
フ
ス
ラ
「
料理 J
∼講 師 を 囲 ん で ∼
閉
ン
ヮ イ ル ドな デ ィ ナ ー
「野 外 バ ーベ キ ュー
食 間
nv
nυ
↓講師 篠山町観光ボランティア
↓
「 篠 山城 跡 」
付
洗
顔
ー ス )
饂剛
鐘船
を訪 ね て J
セ ンタ ー
開講 式
ナーをIIこ うJ
「 みんなで輪になってセミ
エンテーサング」
実 技「 オリ
∼草木の名ilを 覚えよう∼
講 師 セ ンター
(Bコ
)
壮Ⅸ
車 ハ
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nυ
14
散 策
nU
nυ
nυ
13
床
・
「 自然の中で地球を考えようJ
∼食べられる山野草採集∼
うれしの出野草研究家
岸本尚美 林山光良
見学
「秋 の 丹 波 篠 山路
12
起
一
モ
食
由
時
間
ー
ニング]― ヒ etc)
第 3日 目 10/23(日
朝 自 r
nυ
nυ
8
程
第 2日 日 10/22(十 )
起
床 ・ 洗
顔
ー
ス
)
散 策 (Aコ
朝 自 ‘
までに
日
間
講
式
Ⅲ 啓発・ 広報活動
1
リー フ レッ トの作成 と配布
広報 し募集 するには大変時間的 に厳 しい状況 の中であ った ことは確 かであ った。 し
か し、広 く県民 の皆様 にまずお知 らせする必要 があると考 え、 A4版 4ペ ージの リー
10, 000音5作 成 した。それを、県 レベルでは「 県庁全
職場」「 県 す全施設」「 県 立全学校」 へ 2,700部 、市町 レベ ルでは「 市役所・ 役
場」「市 町立学校 J「 市町施設 J「 県下公民館」 へ 5,025部 、企業 レベルヘ 1,
000部 、その他 セ ンター利用者等 へ 1,175部 を郵送・ 託送・ 訪問等 で配布 した。
フレッ ト (中 込書含 む )を
2
その他 の広報活動
リー フ レッ トの配布 だけでは不十分 であるので、あ らゆる方法 。手段 で広報活動 を
実施 してい った。数 多 くの それ らの中で主 な ものを挙 げると次 の よ うになる。
(1)セ ンター発行生涯教育情報誌「 うれ しの台」 72号 (2,500部 発行 )に 掲載。
(2)兵 庫県職員会館 (職 員方ヽれあ いセ ンター)発 行 の「 れあい」第 20号 に掲載。
(3)記 者発表 し、 日刊紙 に掲載
(4)セ ンターで開催 する研修会等 で直接説 明 の うえ配布。
=、
3
広報活動 の効果
以 卜の よ うな広報活動 を展 開 して いつたが、参加 中 し込 みになかなか結 びつ かない
状況 があ った。
そこで、次 の広報活動 の ステ ップとして、参加基準 を緩和 (部 分参加 を認 める)す
るとともに、 リー フレッ トも 5,000部 増刷 し、 きめ細 かな (訪 問・ 電話・ 手紙 )
活動 に 入 った。
例 えば、次 の よ うな活動 である。
(1)近 隣 の企業等 へ直接訪問 し、参加依頼 。 (デ ー ト作戦 )
(2)セ ンター職員 の親戚 や知 人への参加呼 びか け。(ラ ブ コール・ ラブ レター作戦 )
(3)関 係機 関等 よ り名簿を いただ き、個 人への参加呼 びかけ。 (ラ ブ レター作戦 )
(4)主 催者・ 実行委員会組織 す る機 関等 への強力 な協力要請 。
Ⅳ 参加者実態
以 卜の ような涙 ぐま しい努力 の結果 、「部分参加者 Jを 含 めて、合計
44名
第 2回
46名
第 3回
141名
(第 1回
51名 )の 参加 を得 たの である。
参加者 の実態 は全体集計 すると、次 の ようになる。
1
男女 別 。年代 別 の集計
-11-
輛個
16%
2υ
20%
% 一
22
00
28
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2泊
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^
8
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b
一
4
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b
一
割合 (%)
nU
141
1
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計
nU
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女
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男
nυ
04
性 別\年代
(単 位 :人 )
泊無
2日
10( 6 3
3日 )
1)
26
b
29 (21
6
2)
86
16
39 (27
9
3)
61%
11%
28%
2
地域 別 の集 計
性 別 \地 域
(li5位
県外
神戸市
5%
3%
淡
路
1
0
ワー
4
,馬
00
14%
7
4旦
ワー
6
民J
,
■︱
3ロ
一
V
1%
48
1
西播磨
1
2
割 合 (%)
東播磨
И
0
141
有
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nU
αυ
女
丹
神
αU
nu
^
8
2
男
阪
;人 )
1
63%
8%
1%
5%
プ ログ ラ ム等 の評価 (ア ンケ ー ト調査 よ り)
3回 の プ ログ ラ ム は、 それ ぞれ特色 を持 たせ て実施 す る とと もに、 それ ぞれ ア ンケ ー ト
調査 を実施 した の で、一 概 に比較 で きな い。 そ こで 、 3回 分 ま とめた ア ンケ ー トの分析 を
す るn
l
内容 に つ いて
(1)開 講式
形式 的 な 開講 式 で は な く、ゲ ーム を し
なが らさ りげ な く挨 拶 を入 れ た り した の
で、 リラ ック ス した雰 囲気 の 中 で の 開講
式 とな り、概 ね好評 で あ る。特 に 3回 日
は、ゲ ームの 中 で メ ンバ ー紹 介 が行 わ れ
たが大変 好評
(90%以
L満 足 )い ただ
た。 楽 しいメ ンバ ー紹 介 や動 きを lLめ な
い流 れ の 中 で さ りげ な く進 行 す る ことが
望 まれて いるよ うである。
(2)鑑
賞「音楽 の真lin∼ ヵナデ ィア ン・ プラスJ「 日本木管 コ ンクール (本 選 )」
「軽音楽 とともに」
「 カナデ ィア ン・ プラス」は 日新 しさ、「軽音楽 Jは 障害者参 加型 とい うところ
が参加者 の心 を揺 さぶ ったよ うで、満足度 が高 い。特 に「軽音楽 Jは 、その活動 と
ともに高 く評価 された。「 日本木管 コ ンクール(本 選 )Jは 、案外評価 が低 か った。
参加者 は、 自分 自身 が参加 で きるもの とか、演奏者 と一体 になれるものを求 めてい
る ことが伺 われ る。
(3)鮒 ・ 知「 家族新聞づ くりJ
「 陶芸 J「 染色 J「 L宝 焼 」
各 国 と も 90%以 11が 満足 して い る。
選 択 で きる コー スと したた め、 自分 の希
望 した もの が で きる満足感 が あ る
また、
`、
少 人数 によ る講 師 との親 近感 と指 導 が 高
―ん
い満足 度 を示 す要 因 と考 え られ る
`、
「 家族新 聞」 は、 原稿作成 や 内容校 正 に
時 間 を要 した た め、満足 度 が低 い要 因 と
な った と思 われ る。 と もか く、身体 を使
い製作 す る ことへの喜 びが伺 われ る
`ぅ
-12-
(4)見
学「 朝〕
光 寺 _│「 浄 t寺 J「 秋 の丹
波篠 山路 を訪 ねて」
「 朝光寺 Jは 全 員 、「 秋 の丹 波篠 山路
を訪 ね て Jは 950/。 の参加 者 が満足感 を
得 て い る∩特 に「 朝光寺 Jは 、平 常 で は
見 せ て も らえ ない もの (内 陣 )や 触 れ ら
れ ない もの (鬼 追 い の面等 )を 鑑 賞 で き
た こ と、説 明者 や ガイ ドさん の熱 意 や誠
意 が 大 きな要 因 で あ ろ うと思 われ る。 そ
れ ゆえ、特 別鑑 賞 が必須 で あ る。
(5)実
技「 パ ソ コ ンの水彩 画 J
「 グ ラ ウ ン ドゴル フJ
ー グラウンド
ゴ
ルフ
「 ニュースポーツにI戦 ∼アーチェリ
=L■ ト
ト,`
1:、
=ヽ`ギ ■
i`
囲碁ボール ペタンクー 」
∼
れる
然の中で地
球を考えよう
食べら
山野草採集∼」
「自
彊
全般 に実 技 は満 足度 が 高 い。特 にニ ュ
ー スポ ーツ は「 も う少 し時 間 が欲 しいJ
ヽ
楽 しむか、競 い合 うか の_二 通 りに分 かれ
ダ
との 声 が 多 か った∩ ゆ った りとゲ ーム を
るが、 少 人数 で競 い合 うの も参加 者 の 人
間性 に触 れ、 3、 れあ いが深 ま るよ き 方法
で あ る∩
(6)熱
。議「 新 聞 づ くりの楽 しさ J
「 朗 人 の す す め」
2泊 3日 の 中 で の 1∼ 2時 間程度 の講
、
演等 は、変化 の Lで もよ いよ うであ るで
ただ し、講師 の話 す材 料 や話術 に相 当左
右 され る。参加 型 の講 演 は大変 好評 であ
るr
(7)7ォ ーラム「 これか らの生 き なは 7J
「 わた しもめ ざす社会参加 J
「 これか らの生 きんは ?Jは
50%と
やや満足度 が41tか った`,そ れに対 して、
「 わた しもめざす社会参加」 は 90°/oの
)こ れは、 前者 がやや抽
満足度 であ った。
象的 で具体性 に欠 ける点 が作用 したと思
要
懐 石料理 J
「 ビュッフェパ ーテ ィーJ「 郷 十料理 J I
食事 はすべてに満足度 が高 い。特 に、「要懐石 」
-13-
デ ン ・
フ
事「 Fi7外 バ ーベ キ ュ 一大会 J「
¨
︱ フ ︱
.
(8)食
鍋 ラ フ
わ れ る。
ィナ ーJ
スオ斗〕
哩」
ンス料理 J
I鍋 デ ィナ
\
―」 は 人気 が あ った。「 フ ラ ンス料理 J
や「 要懐石 Jに つ いて は、御 献 立表 を添
えた り「 鍋 デ ィナ ーJの よ うに屋 台 を 出
した り した こ と も満 足度 を高 め た ことの
要 因 で あ ろ う。 また、篠 山 田Jで の「 郷 L
弁 当 Jも 好評 で あ った。「 野 外 バ ーベ キ
ュ ー大会 」 は、 内容 の質 や場 所 によ って
評価 が分 か れて い る。 かが り火 は評価 が
高 い。 朝食 は、今 ひ とつの評価 で あ る。
この よ うにみて くる と、 日常 '生 か らの
1見 却
した付加 価値 が好 評 に結 び付 いて い
る と思 われ る。
2
そ の他
(1)開 催 時期 につ いて
「 農繁期 だ った り、地域 の運動会 や祭 りが あ り、参 加 しに くいJ等 の意見 があ る。
春 ・ 夏・ 秋 1回 ず つ 開催 す るの が望 ま しい。早 く日程 が分 か れば も っ と参加 す るの
で は な いか と思 われ る。
(2)開 催期 間 につ いて
3回 共 75%以 卜が適 当 と考 えて い る。 予定 が 早 く分 かれば それ な りの準備 態勢
が整 え られ る と思 われ る。参加対 象 が概 ね 40歳 代 とい うと、 家族 の 中心 と い うこ
とで、 仕事 や 家 が気 に な る と い う意見 もあ り、 1泊 2日 も企画 す る必 要 を感 じる。
(3)プ ログラムの流 れ につ いて
第 1回 70%、 第 2回 100%、
第 3F197%と い うことで、 大変 高 い満 足度 を
示 して い る。 少 しゆ った り し過 ぎる と い う意 見 もあ るが、 余暇オL会 へ の対応 を考 え
る と、 ゆ と りが あ って 自 ら考 え るよ うな時 間 も必要 であ ろ うと思 われ るで
,自 由時 間 、
話 し合 いの 時 間等 とのバ ラ ンスが 良 い との評価 を得 て い る
`ぅ
(4)参 加 費用 につ いて
20,000円 とい う参 力Π費 は、 リー フ レッ トか らだ と高 く感 じる とい う意 見が
多 か ったが、実 際参加 して み ると大変安 く感 じるよ うであ る。 第 1回
回 78%、 第 3回
68%、
第2
97%が 適 当 と答 えて い る∩
成 果 と課 題
]成 果
(1)社 会教 育事 業 の 中 で、最 も集 め るの が難 しい とされ る概 ね 40歳 以
卜と い う人々
を対 象 に 開催 した セ ミナ ーで あ ったが、 関係機 関 の 協力 やセ ンタ ー職 員 の努 力 によ
りほぼ定 員 を満 たす ことが で きた。
(2)参 加 者 は、楽 しく有 意義 な プ ログ ラム であ った と評価 し、全体 的 に も満足 度 が高
く、先導 的 な プ ロ グ ラ ム開発 と い う視 点 か らす ると、大 きな効 果 を もた ら した∩
(3)実 行 委 員 に関係機 関・ 団体等 にお願 い したが、 いろん な角度 か らご意 見を いただ
いた∩ 十分取 り入 れ る ことが で きなか ったが、 プ ログ ラ ム立 案 に 多 くの示 唆 を いた
-14-
だ くことがで きた。それにより、広 く多角的 な観点 か らセ ミナ ーを考 えることがで
きた。官民 を問わずネ ッ トワー クを作 ることへの糸 IJに もな った。
2
課
題 (対 応策 )
成果 の少 ない割 りには、 このセ ミナ ーの プ ログラム開発 を含 む実施 に関 しての課題
は何倍 も残 した。以下項 日に分 けて記するとともに対応策 も考 えてみたい。
(1)開 催時期 については、秋集 中型 はプ ログラムが類似 する。 (年 間分散型 へ)
(2)日 程 につ いては、 2泊 3日 画一 的 でよいのか。 (1泊 2日
との組 み合 わせ)
(3)プ ログラム内容 について
ア
ス トー リー・
LLを 持 たせ るプ ログラムの実施。 (専 門的 で焦点化 )
イ 周辺施設 との連携 について、 日程調整 がやや困難 である。移動経費がか さむ。
(周 辺施設 の調査 と選択性 の拡大
移動 の主体性 )
ウ 現代的課題 の学習 をどう取 り入れ るか。 (共 通的課題 プ ログラム化 )
(4)参 加経費 について
ア 非 日常性や付加価値 を高 めるため、高級感 をさらにア ップするべ きか。その場
合 の参加経費 のアップはいかにす るべ きか。 (セ ミナ ーの趣 旨「金 かけないで
手 間かける」方 向で)
イ 受益者負担 をどの程度 にす るか。 (先 導的 なプログラム開発 の視点 か ら、公費
・交通費
・入場膳》程度 )
・材料実費
負担 を多 く、参加者 には、実費負担 (鑽・榊費
(5)募 集方法 については、関係機 関 との連携 が不十分 であ った。募 集 についての さら
なる工 夫 が必要 である。 (他 の団体・ 企業・ 機関 とのよ り緊密 な連携 )
(6)広 報 について
ア 広報 メデ ィアの有効活用 (早 期計画・ 早期依頼 )
イ 本年度参加者 の事後活動 をどうするか。 (ロ コ ミ広報隊 )
ウ 県関係者以外 への広報 。啓発 (企 業 の担当者 レベ ルヘの早期依頼 )
おわ りに
以 卜の よ うに、成 人のための (概 ね 40歳 以 Lの 人 々 )先 導的 プログラム開発 とい うテ
ーマ で、で きるだけ具体的 に述 べ て きたつ もりではあるが、少 なか らず説明不十分 なとこ
ろがあることを痛感 す る。
このようなセ ミナ ーは、 どちらか と言 えば “
必要 としての学習ニ ー ズ"を もとに実施 す
る事業 であるので、単 にプ ログラム開発 とい う視点 だけでは無理 である。 どの程度実際 に
人々が参加 して くれ るかが重要視 される。それゆえ、プ ログラム開発 とともに募集 方法 や
広報啓発活動を どの よ うに展 開す るか、関係機 関等 との連携 をどう進 め るかが大 きな課題
となる∩県下全域 をエ リアに し、不特定 多数 の 人々に参加願 う事業 の困難 さを痛切 に感 じ
た次第 である。
一 方、実際 に参加 された人 々の意見 や感想 を伺 うと、 このよ うなセ ミナ ーは決 して無益
ではな く、 いわ ゆる先導的 な事業 として大 いに有益 で ることが実証 されたよ うに思 う。
これか ら、取 り組 みの第一 歩 を記 した このセ ミナ ーをさらに創意工 夫 を重ねなが ら、改
善 す るべ きところは改善 し、さらなるセ ミナ ーの充実 を図 っていきたいと思 う。その こと
が、県下各地 での生涯学習事業 への取 り組みのサポー トになればあ りがたいと考 える。
-15-
ついての一考察
ボラン
ティア
女性の社会参加と
活動に
婦人・ 家庭課
宮 先 啓 子
は じめに
近年、平均寿命 の伸長及 び子 ど もの数 の減少 によ って子育 て後 の期間が大 幅 に伸 びると
い うライ フサイクルの変化、高学歴化、職業経験あ る女性 の増加等 を背景 と して、女性 の
社会参加意欲 はます ます高 まる傾 向 にあ り、生涯 にわた って 自己の能力 を開発・ 発揮す る
ことによ り自己実現を図 り、また社会 に貢献 していきたいと願 う女性が増加 している。
そこで 、 ボラ ンテ ィア活動を通 して の女性 の社会参加 の あ り方 について考察 し、あわせ
てボラ ンテ ィア活動 の今後 について も検討 してみたい。
I
女性 の社会参加 とボラ ンテ ィア活動
1
女性 をめ ぐる社会参加 の現状
人 々の求 める ものが 「物」か ら「心」へ と移 る中で、職場 、地域 、家庭 で の人 と人
とのかかわ り方 は次第 に変化 してお り、今後 は 自己の価値観 に基 づ き、主体的・ 多元
的 に他者あるいは社会 と新 たなかかわ りを持 とうとす る人が増えて い くもの と思われ
る6
ところで、 ここに興味あるデ ーターがあ る。現在 の人 々は社会的 な活動 にどの くら
い参加 して い るのだ ろ うか。総務庁 「社会生活基本調査 J(平 成 3年 )に よると、過
去 1年 間 の 「社会的活動 」 (報 酬 を 目的 と しないで 自分 の労力、技術、時間を提供 し
て地域社会や個人・ 団体 の福祉増進 のために行 う活動 )の 行動者率 は全 体 で30.0%、
男性 28.3%、 女性 31.5%と い う結果がでて い る。
これを、年齢別 にみ ると、30・ 40歳 代 の女性や60歳代 の男性 で社会的活動 を して い
る人が多 くな ってい る ことが分 かる。図 -1
兵庫県立嬉野台生涯教育 セ ンター (以 下 「セ ンタ ーJと 略称 )で 実施 している兵庫
県生活創造大学 うれ しの台女性 セ ミナー (以 下 「女性 セ ミナ ーJと 略称 )の 受講生 の
年齢別受講者数表 -1に お いて も、主体的 に新 たなかかわ りを持 とうとす る人が300
40・ 50歳 代 の女性 に多 い ことがいえる。
表 -1
兵庫県生活創造大学 うれ しの台女性 セ ミナー受講者年代別 内訳
(人 )
4戦
6年 度
5
5
1
2
1
5
4
2
3
1
3
1
受講者数
58
92
-16-
77
織
0
4
歳
8
3
4
錯
5
4
(平 均年齢 )
3 553 1
4
1
2 96 56
20歳 代
30歳 代
40歳 代
50歳代
60歳 代
5戦
図 -1
30歳
代 の 女性 と60歳 代 の 男性 の 社会参加 が盛 ん
〈ネ
ll会 的活動 の行動者率 と行動 者平均時間 (週 平均 )〉
(%)
(時 間 )
4
行 動 者 率 (目 盛 左
)
`
`― ・<〔
ヽ
...Ю
D・
3″
=さ
行動者週平均時間
)
40
50
60
歳
イ
t
歳
代
歳
く
イ
こ
0
7歳 以 上
0
3歳 代
0
2歳 代
)
5 ∼ 9 歳 l り´
︲ ︲
2
考
盛右
女性
男性
(│1青
(目
総 務庁 ││lifF′ li活 基4更 `JJ介 J(` 14成 3年 )に よ り作成。
「
111Jと は (││:会 奉仕活動 1と 「社 会参加活動 」か らな り、定義
││:会 的
に つい ては第 l-5 5表 参IF(。
││千
ボランテ ィア活動 とは何 か
一般的に、ボラ ンテ ィア活動 は、報酬を 目的 とせず、 自発的な意思 に基 づ いて
自分
の労力等 を他人 や社会 の ために提供す ることとい った意味で とらえ
られてい ることが
多 い。 ボランテ ィア活動 には、専門的な技術や資格、経験が必要 な場合 もある。 しか
し、老人 や病人 の介護を例 に取 ってみて も、看護等 の経験 、資格がな い で
人 もお
もに
介護をす る人 の補助 と して身 の回 りの世話 や、話 し相手、おむつ たたみ等 の活動をす
るなどとい うょ うに、 自分 の力 に応 じて誰 もが比較的簡単 に活動 にかかわ
ることがで
きる もの も多 く、活動す る人 自身 の趣味 の延長 であ った り、気軽 に楽 しみな
が らで き
る活動 もた くさんある。
また、今回の震災 の よ うに特別 に被災地等 に出向かな くて も、 んでい
住
る地域や街
など我 々の身近 にボランテ ィア活動 の機会 はた くさん存在 し、
募金やボラ ンテ ィア貯
金 に協力す ることな ど特別 な労力や時間を費やさな くて も活動 にか かわれ
ることが わ
か った。例えば、 「セ ンタ ーJに おける 「被災者入 浴開放 ボランテ
ィアJや 「お もち
やステ ー ション」にお ける救援物 資の仕分 けなど、その現場 に
行 きさえすれば 出来 る
ことに は結構参加す る人がいた。
-17-
ボランテ ィア活動 について女性が先駆者 として関わ って きた ことは まぎれ もない事
実 であるが 、男性 について言 えば、今回 の震災 において緊急援助 と して 、災害現場 で
めざま しい活 動 を した こと も事実 である。 日常生活での無意識 の何気 ない他人 を思 い
やる行為 がボラ ンテ ィア活動 である場合 も多 い もの と考 え られ る。
3
ボラ ンテ ィア活動 の現状
総務庁 「社会生活基本調査 」によると、 「社会奉仕活動 」の行動者率図 -2は 、昭
和 56年が26.0%、 61年が25。 2%そ して平成 3年 には27.7%と これまでの調査 の 中で最
も高 くな って い る。社会奉仕活動 の うち、地域社会や居住地域 の人 に対す る社会奉仕
の行動者率 が最 も高 く平成 3年 には19.8%と な ってお り、ボラ ンテ ィア活動を通 じて
地域や社会 との交流 が持 たれていることが分 かる。
図 -2
地域、災害地 でのポランテ ィアは増加
〈社会奉仕活動 とその種類別 の行動者率〉
(%)
30
27.7
社会奉 仕活動 全体
\ ,… .....ゃ
26. 0
´
・
・
二
地 域 社 会 や居 住 地 域 の
人 に 対 す る社 会奉 仕
19.8
1
19f6‐
。
```` \
′´ノ
´´´
、ヽ、ヽ
´
17.3
′
´
、、、
、ヽ ´′´´
▼
その他 一 般 の人 に対 す る
社会奉 仕 (外 国 の 人 に
対す る社 会奉仕 を含 む )
or r-.-.-r
-,
E.
_._._
-.-G'-,-.-._,
児童 ・ 老 人 ・障 害 者 に
対 す る社 会奉 仕 (福 祉
施設等 の人 に対 す る
社会奉仕 を除 く)
o
特 定地 域 (へ き地 や
災害 地等 )の 人 に対 す る
社会奉 仕
福祉施設等 の 人 に対 す る
社会奉仕
\
\
\
平成 3年
考)1
︲年
昭和 6
6年
昭和 5
(備
----'-'---{
公的 な社会奉 仕
│││:会 ノ
li活 基本調 Fr lに よ り作成。
総務庁
2 それ ぞれ の定義 に つい ては第 I-5-5表 参照(。
3「 児 竜・ 老ノ、・障 1lf者 に対 す る││:会 奉 fl:(福 ネI[施 設等 υ)人 に 対 す る社会奉
仕 を除 く)Jυ )│lr{和 56年 に つい て は「特定 υ)グ ルー プυ)人 に 対す る 社 会奉 ││:
)Jり I‖ 名で
rrし た数 1向 で
(老 人難lllll・ 盲 人に lり ろ点 :J(。
「 話 奉仕等)lυ
あ る。
`J」
'ヽ
-18-
全国社会福祉協議会 の統計 図 -3に よると、ボラ ンテ ィアグル ープに所属 して、あ
るいは個人 でボラ ンテ ィア活動 して い る人数 は、昭和 55年 に約 160万 人 であ ったのが
平成 5年 3月 末 には約 428万人、 ボランテ ィアグループ数 は 5万 3,06団体 とな っお り
ボラ ンテ ィア活動 にかかわ る人 々が年 々増加 して い る ことが分 か る。
また、全国的 な数字 が得 られ るボラ ンテ ィアの一部 についてその数 を挙 げると表 一
2の よ うにな り、我 が国では 「ボラ ンテ ィアは少 ないJと い った声 が聞 かれ るものの
実際 にはかな りの人数 がボラ ンテ ィア活動 にかかわ ってい る。特 にこれ までボラ ンテ
ィア活動 にあま り関心 を示 さなか った若者 の多 くが震災 の被災地 に出向 き、 ここ数年
来 の 「静 かなボラ ンテ ィア・ プーム」が新 しい段階 に入 った と言えよ う。
図 -3
年 々増加 す るボ ラ ンテ ィア
〈ボランテ ィア の人数・ グル ー プ数 の推移 〉
(万 人 )
ボランテ ィア数
カト漸 属 の
ボラガィ
ア数
い
て
る
個人で活動し
ボ
う
ル 7散 \
\
。3"
\
(282)(288)
(257)
l
議会 「
,1で
4年 3月
平
l協
脚
会 福iれ L法 人 )全 1可 社 会 RIll
3年 3月
元 年 9月
3
6年 9月
2
6年 4月
(1:成
︲
6年 4月
)1(社
2
0 年 4月
6
9
5年 4月
略
5
5年 4月 D
(備 考
0
(護 甚Jじ態年月)
ラ ンテ ィア活 動 年 報 Jに よ り
。
グ ラ フ中 の カ ソ[】 内 は個 人 で活 動 して い る ポ ラ ン テ ィア数 とグ ル ー プ
所 属 の ボ ラ ンテ ィア数 の 合 計 を表 す。
-19-
表 -2
ポ ラ ンテ ィアの一 部 を数 字 にす る と…
社会福祉協議会が把握 して いるボラ ンテ ィア人数
都道 府 県 ・ 政 令 指定 都 市 の 社会福祉
協 議 会 (以 下 「社 協 」 )お よび市 区
・センター に登録または
町 村 社 協 。ボランティア
把 握 され て い るボ ラ ンテ ィア人数
都道府 県 ・ 政 令 指定 都 市社 協等
が 実 施 して い る実 態 調 査 な どか
ら推 計 した、比 較 的 日常 的 に
ポランティア活 動 に 参加 して い ると
思 われ る人 数
713万 人
(社 会福祉法人 )全 国 社 会福 祉 協議 会
資 料 (平 成 4年 )」
地域赤十字奉仕団
青年赤十字奉仕団
特殊赤十字奉仕団
│
434万 人 (3,085団 )
市 区町 村 の地 域 単位 で組 織
6,637人 (201団
青年 (社 会 人 と学 生 )、 学 生 、 看 護 学 生
32,679人 (469団 )
専門技術 、特 定 活動 (災 害 救 護 、看 護 、芸能 等
―一一
―‐
――
―
一― 日本 赤 十字 社 資 料 (平 成 3年
――一―
――一 ‐
―
―
一
―
)
)
︱︱ ︱ ︱ ︱ ︱ コ
赤十字奉仕団
)
社会教育施設 に登録 して い るボラ ンテ ィア人数
公民館 (類 似施設 を含む
図書館
博物館 (類 似施設 を含む
青少年教育施設
婦人教育施設
文化会館
)
234,5H人
22,443ノ k
23,991人
)
65=045ノ k
8,798ノゝ
103,069人
文 部 省 「社 会 教 育調 査 J(平 成 2年 )」
共 同募金 ((社 会 福 祉 法人 )中 央共 同募金会
・一般募金
1,781万 7,211円
171億
。歳 末 た す け あ い 募金
86億 3,245万 515円
)
国際 ボ ラ ンテ ィア貯金 (郵 政省 )
*平 成 4年 度加入者数
平成 5年 度 (5年 9月 末 )
*平 成 4年 度寄付金額
緑 の羽募金 (ω 国土緑化推進機構 )
(平 成
4年 度
約 370万 4千 件 (累 計 約 1,045万 件
約 194万 件
(累 計 約 1,239万 件
約 24億 1,349万 円 (税 引後
)
)
)
)
12億 6,900万 円
(平 成
3年 度
)
各 団 体 等 資料 に よ る J
ー
756万 9,711人
(平 成
4年 度
)
日本 赤 十 字 社
―-20-―
資料
4
新 しいボラ ンテ ィア観
これまでのボラ ンテ ィア活動 に共通す る特徴 と しては、大 部分 がいろいろな意 味で
弱者 を対象 とす る活動が過度 に強調 された点 にあ る。
最近 で は、特別 の恵 まれた人が、恵 まれ ざる人 に対 して行 う特別 の活動 とい った イ
メージか ら脱 した新 しいボ ラ ンテ ィア観が急速 にたかまりつつ ある。
このよ うに、ボラ ンテ ィア活動 は3ヽ つ うの人が肩 ひ じ張 らずに身近 なところで、 い
わば楽 しみなが らで も行 い得 る日常的な活動だ と考 え られ るようにな り、ボラ ンテ ィ
アか ら一種 の悲壮感や精神主義が払拭 され始めた。
また、新 しいボラ ンテ ィア観 は、その活動対象、関心範囲、を拡大す るよ うにな っ
た。 その一環 で 、単 に弱者 だ けでな く、あ らゆる人 に対 して もボラ ンテ ィア活動が必
要 だい う認識が広 ま った。実際、見方 によ って は、弱者 でない人 など一人 もいない。
今 までボラ ンテ ィア活動 の対象 だ った これ らの人 々 も、 ボラ ンテ ィアが差 し伸 べ る
手 を待 ち望んでいる し、ボランティア自身 も他 の ボラ ンテ ィアを必要 と している。 こ
のよ うに考え るな ら、すべ ての人がボラ ンテ ィア活動を必要 とし、すべての人がボラ
ンテ ィアにな り得 るとい うことになる。 さらに、ボランテ ィア活動 の対象 が人 間だ け
でな く、人間以外 の存在 にまで拡張 され るよ うにな った。
新 しいボラ ンテ ィア観 は『いつで も 誰 で も どこで も』ボラ ンテ ィアになる、 ま
つ うの人が草 の根 で気楽 にで き
たなれ るとい うことになる。何 も特別 な人 でな く、も、
るのが、今 日求 め られ るボラ ンテ ィア活動 なの だ。非 日常的ではな く日常的な活動 だ
とい ってよい。
生涯学 習 とボラ ンテ ィア活動
1
生涯学習におけるボラ ンテ ィア活動 の三つの視点
生涯学 習審議会 の答 申が平成 4年 7月 に出て 、生涯学習 の おおきな柱 の一 つ と して
ボラ ンテ ィア活動が取 り上 げ られた。
ボラ ンテ ィア活動 には三 つの視点 があ る。その一 つ は 自己実現 と学習 の関係 であ り
それがボランテ ィア活動を とお して深 ま って い くとい うことで ある。
第二 は、ボランテ ィア活動 に必要 な知識 や技術 を身 につ ける目的で学習が進 め られ
るとい うことであ る。
第三 は、他者 の学習 を助 けるボラ ンテ ィア と して各 自が 自分 の意 にかな った活動 に
取 り組む とい うことである。
生涯学 習 とボラ ンテ ィアとの間 には密接 な関係 がある。学校 での指導者である教師
はボラ ンテ ィアではない。 ところが、生涯学習の専門的指導者が学校教育 にお ける教
師 と比 べ ていかに少 ないかは明 らかであ り、そのほ とん どすべ てがボラ ンテ ィである
誰 で も生涯学習を実行 しよ うとすれば、指導者、相談相手、世 話役 、仲間 の存在 が
何 よ りの助 け になる。新 しいボラ ンテ ィア観 によれば、誰で もボラ ンテ ィアを求 めて
い る し、 また誰 もがボラ ンテ ィアにな り得 る。ボラ ンテ ィアな くして生涯学習 はほと
ん ど実行不可能 に近 い。 そ もそ も生涯学習 の大部分 は 自発的 な学習なのだか ら、生涯
学習 とはボラ ンテ ィア活動 の一種だ とさえいえる。
-21-
2
ボラ ンテ ィア活動 へ の関心 の高 まり
56年 )に よると、ボラ ンテ ィア活動 へ の参加
意欲 についての質問事項図 -4が あるが、積極的 に参加 したい (「 はいJ)と い う
兵庫県民全世帯 ア ンケー ト (昭 和
もの は全体 の24.7%あ り、積極的に参加 したいと思わない (「 いいえ」)と い うも
の (36.9%)、 わか らな いとい うもの (37_0%)が かな り多 くみ られ る。 ボランテ
ィア活動 に参加 した い と思わない ものの主 たる理 由図 -5は 、 「仕事や家 の ことで
手 がい っぱ いで 、余裕が ない」が最 も多 く、過半数 の63.5%を 占めている。特 に女
性 の29歳 以下 は (82.2%)と 最 も多 く、30歳代で も (81.2%)を 占めてい る。
ところが、 「セ ンタ ーJに おける 「被災者入浴開放 ボラ ンテ ィア」や 「お もちゃ
ステーション」における救援物資 の仕分 け、ひ ょうごユ ースセ ミナ ーに関係 す るボ
ラ ンテ ィア についていえば、女性 の20・ 30歳 代 の活動 も活発 であ った。 これは、 「
女性 セ ミナーJで の学習 の成果 の現 れ と思われ る。
図 -4
80
70
兵庫県 では、ポラ ンテ ィア発掘運動 を進めてい ます。 ところで、あな
60
50
たは、ポランテ ィア活動 に積極的 に参加 したいと思 い ますか。
1
はい ………………………………………………………………・ 24.7%
10
2
・
・… …・…
・… … …・ 36.9
・
・
・
・
・・¨・… …
い い ぇ ¨・¨ … … … … … …・… …
30
3
… … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … 37.0
わか らな い 。
20
無 回 答 …… … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … …・ 1.5
10
0
7歳 以 L
。
6 歳 代
“ 歳 代
Ю 歳 代
0
9
4)
0
5
…………………………………………………… 13.1
0
4
………………………………… 4.8
機 会や 仲 間 が 見つか らな い 。
0
3
高齢 の ため
5.2
0
2
他 人 との 関係 が わず らわ しい ・………… …………………… 5。 2
Ю
……………… ¨
ポ ラ ンテ ィア活動 につ い て よ く知 らな い 。
メ′
0
6
健康 状態 が よ くな い ・………………………………………… 18.8
健康状態 が
よ くない
ポ ランテ ィア活動 に関心 が な い …………………………… 5.7
0
L
7歳 以
“ 歳 代
0
5 歳 代
Ю 歳 代
一-22-―
0
3 歳 代
無 回答 ……………………………… …………………………・ 1.0
9
2歳以下
・………………………… ……………………………・ 3.7
その 他 ・
め
た
阻
仕事や 家 の こ とで手 が い っぱ い で 、余裕 が な い ・………… 63.5%
¨
﹁
1由
齢
H■
′ ∴だ
I〕 還
0
7
ぁ llttfり
家 の こ とで
手が いっば い で
fl:J`や
0
8
か らです場
1
2
3
4
5
6
7
8
0
3 歳 代
”歳 以 下
%
図 -5
兵庫県民全世帯 ア ンケ ー ト “こころ豊かな兵庫 "を めざ して (平 成 3年 )図 -6
で はボラ ンテ ィア活動 に 「関心 があるJの は 7割 。関心度 図 -7は 高年代 になるほ
ど高 まり、 どの年代 で も女性 が男性を上 回 ってい る。何 らかの ボランテ ィア活動 に
参加 している人表 -3は 、 3人 に 1人 。参加率図 -8は 男性 の高年代や女性 の30・
40歳代で高 くな ってい る。 ボラ ンテ ィア活動 の参加意 向 は約 6割 に達す るが、大半
は 「条件 が整えばJと の条件付 きであ る。
これ らの結果 か らうかがえ る課題 は、ボランテ ィア活動 に対す る関心や参加意欲
と比べ て実際の参加度 が低 いことで、多 くの人 が気軽 に参加 で きる環境 づ くりが求
め られて い る。
図 -6
まつたく001い を持つていない 26
あまり関心を
持つてιVLい
20.2
器 を/\
127
./
図 -7
B●
29崚以下
心がある
412
00い がない
.7
“
30歳 代
駅10
40歳 代
α10
∞.7
50歳 代
R6
al o
60歳 代
R、 4
70歳 以上
¬11
29歳以下
ヨL4
30歳 代
040
40歳 代
720
50歳 代
ヽ_9
40.6
優L3
ZL 7
124
60歳 代
".1
70歳 以上
―-23-―
表 -3
あなた 自身やあなた の 家族 は次 の ようなボ ラ ンテ ィア活動 に参加 して いますか 。
参加 して いる活動 をす べ てあげて くだ さぃ。
(ア )
(イ
あなた 自身
が 参力日して
い る活 動
0児 童・ 青 少年 を対 象 に した活動
る活動
9。
4.6
4.5
・ 障害者を対象 に した活動
2.2
・ 国際交流 に関する活動
1.5
・ 地域づ くりに関す る活動
9.0
・ 文化・ 芸術 に関す る活動
1.6
3
0参 加 して い る活動 はない 。無回答 ― 66.0
%
4.8
%
・ その他 の活動
あなた以外
の家族 の方
家族 の 中で
が参加 して
いる活動
して い る
3.9%
4.6%
参
2.7%
2.5%
1.6%
1.1%
5.0%
1.1%
し
て
い
る
8.9%
% 2.5%
80.5%
34.0
図 -8
参加 している (計 )
29歳 以下
30歳 代
35.0
40歳 代
34.3
50歳 代
37.5
60歳 代
38.1
篠 障
70歳以上
37.8
39。
35.4
33.7
一-24-―
誰 かが 参加
8.3%
12.6%
参
カロ
力日
言
十
%
・ 地域団体 の役員 や世 話役 と して
の活動 一一一―― ……一― ……… 19。
% % %
・ 高齢者を対象 に した活動
% % %
・ 環境 の美 化 や保全 のための 活動
・ 趣味 。レク リエ ー シ ョンに関す
5.3%
9%
)
7
し
て
い
る
参
カロ
6.7%
6.6%
3.6%
2.3%
9%
2.4%
し
て
い
る
H。
言
十
言
十
19.5
24.5%
41.1
%
6.4%
58。 9%
%
3
ボランテ ィア活動 への参加 を巡 る意識
ボラ ンテ ィア活動を始 めた き っかけ・ 理 由につ いて、全国社会福祉協議会 「ボラン
テ ィア活動 とその方策 に関す る調査 J(平 成 3年 )図 -9に よると 「社会 のために何
か役立 ちたか ったか ら
(66.8%)J「 自分 の勉強 になると思 ったか ら (56.1%)J「
れあ いが欲 しか っ
余 った時間を有意義に使 いたか ったか ら (34.8%)」 「他人 とのも、
たか ら (25.0%)」 等 の順 にな って お り、他人や社会 に貢献 したいとい う理 由だけで
はな く、 自己を高めた り、精神的 な満足感 を得 る意味で もボラ ンテ ィアを重視 して い
ることが分 か る。一方、 ボランティア活動 を して良か った と思 うことと して は、同調
査 によれば、福祉分野 のボラ ンテ ィアに限定 され るが、 「福祉 の理解 が深 ま った (48
.0%)」 に次 いで、 「友人 を得 ることがで きた (47.7%)」 「思 いや りの心が深 ま っ
た (36.9%)」
「人間性 が豊かにな った
(29.5%)J等 が挙 げ られてお り、ボラ ンテ
ィア活動 を通 じて人 とのふ れあ いや、精神 的 な面 での満足感 を感 じていることが分 か
る。
図 -9
rあ
ポランテ ィア活動を始めた理由
なたが、現在υ),11動 を始めたきっかけ。
馴!由 はlHlで すか。(3つ 選択可)J
0
10
20
30
40
50
60
70
80
(%)
社 会 の ため に何 か 役立 ちたか ったか ら
自分 の 勉強 にな ると思 ったか ら
たから
余 った時間 を有 意義 に使 いたかっ
れ あ いが 欲 しか ったか ら
他 人 との遮、
自分 の 技術 ・ 能力 ・経験 を生かしたわたから
身近 にポ ラ ンテ ィア活動 を見聞 き して
定年 後 の 生 きが い と して
社 会福祉 協議会 の 呼 びか けが あ って
人 か ら勧 め られ て
身 内で その必 要性 を生 した ことか ら
誰 も手 を貸す人が い なか ったか ら
(備
考)1.(社 会ヤ:i祉 法人 )全 11社 会福 lll協 議 会「 ポ ランテ ィア活 動 とその 方策 に
関
す る調 査J(J14成 3年 )に よ り作 成。
2 対象 は、 令1可 各地 で、 お もに在宅福 祉 サー ビス を実 施 してい る団体・ 施
設・ グルー プ (計 17卜 1体 )に 所 属 す る者 お よび同 会が主 催 す るポ ランテ ィ
ア リー ダー 養成講座 修 r者 計 1,(Xお 人。
〔
; ガ:択 ″tは Lttt/Dほ か に 、「加 ツ 1体 か ら勧 め られ て (31%)」 「新聞 、 テ
レビな どの 報道 に接 したか ら (1,()%),「 若 11で も
「 l分 の収 入が得 られ るか
ら (11%)」 1社 会的評 1価 が 得 られ るか ら (0_7%)J r特 に理 はない
由
(14
。),「 そυ)f也 (1)7(お )J が」
らる。
lIヽ
1ら
―-25-―
また、 「国民生活選考度調査 」図 -10で み ると、 「ボラ ンテ ィアに積極的 に参加
したいJと い う考え方 に肯定的である人 ほど、 「人間的な幅が広が るので、今 まで
と違 った人 と、で きるだ けつ きあ いを広 げて い きた い」 とい う意味に近 い人 の割合
が大 きくな って い る。 セ ンターにおける 「女性 セ ミナーJの 受講生 を中心 に したボ
ランテ ィア活動 へ の参加者 の感想 に も同様 の ことがいえ る。 このよ うにボラ ンテ ィ
ア活動 への参加 に積極的 な人 ほど人 との新 たなかかわ りを求 め る傾 向 にあることが
うかがえ る。
図 -10
ポランテ ィアに積極的な人ほ ど「つ きあいを広げ
てい きたい」
A:「 人 間 的 な幅 が広 が るので、今 まで と違 っ た人 と、で きるだ け つ きあ い
を広 げて い きた い 」
B:「 新 しいつ きあいが増えるとわずらわしいので、
今以上つ きあいは広げ
たくない」
「ポランテ ィア渤 には
積極的 に参加 したい」
どち らか といえば
Aに 近 い
Aに 近い
I n.t
全 くそうである
(賛 成)
I
どちらかといえば
そうである
l,.,.z
どち らか と
いえば Bに 近 い
Bに 近 い
lr.u
1■
321
│
無回答
どちらかといえば
そうではない
全 くそうではない
圃 )
22.3
(%)
90
(備 考
4
100
)1.経 済企画庁 「国民生活選好度調査」 (平 成 5年 度 )に よ り作成。
2 対 象 は、全国 に居住 す る15歳 以 上75歳 未満 の男女2,463人 。
ボランテ ィア活動 を した ことがない人 の理 由
今 までボラ ンテ ィア活動を した ことがなか った理 由図 -l11)と して 「忙 しくて時
間がないか ら」が53.2%と 圧倒的 に多 く、次 いで 「生活 の ゆとりがな いか ら (生 活
にゆと りの あ る人がやればよい)(20.6%)J「 活動す べ き場所がみつ か らな いか
ら (12.7%)」 の順 にな っている。
次 にボラ ンテ ィア活動 を した い と思わない理 由図 -1l12)を み ると、上位 2つ の理
由は した ことがない者 と同 じであるが 、 「ボラ ンテ ィア活動が好 きで はないか らJ
が 15.5%と な っている。 これは、ボラ ンテ ィア活動 の範囲を狭 くとらえて、困難が
あ るとか負担が大 きい と感 じて しまうことによる面 も大 きいと考 え られ る。
―-26-―
図 -11
ポ ランテ ィア活 動 を した ことが ない理 由 としたい
と思わ な い理 由
(2)「 ボ ラ ンテ ィア活動 を した い と思
(1)「 今 まで に ポ ラ ン テ ィア活動 を し
た こ とが な い の は ど う してで す か 」
60
50
30
20
10
わ な い の は どう してで す か 」
0
0
10
20
30
40
50
(%)
(%)
忙 しくて時間が ないか ら
生活 にゆ と りが ないか ら
とり
のある人が,れ ばよい )
(生 活 にウ
活動す べ き場がみつか ら
ないか ら
身近 に適 当な指導者
いないか ら
(リ リー )力 く
同好の仲間が いないか ら
情報 を得 られ ないか ら
活動 に要す る技術 を身 に
つ ける機会がな いか ら
ボランテ ィア活動 は好 き
ではないか ら
周囲 の理 解 が得 られな い
から
の
他
特 に理由 はない
(備 考
)1(1)は
、総理府「 ポラ ンテ ィア活動 に関 す る世論調査 」 (口 71和 58年 )、
厚生省 「地域相互扶助状 況基礎調査 」 (平 成元年 )に よ り作成 。
(2)は
、
2.(1)、 (2)と もに複数回答 の結果 であ る。
女性 の社会参加 とボラ ンテ ィア活動 の今後
1
ボラ ンテ ィア活動 のための条件整備
それで は、 どんな条件が整えば、人 はボランテ ィアに
参加 したぃ と思 うのであろ う
か とい う「国民生活選好度調査 」 (平 成 5年 )図 -12で は 「
、 ゎずかな時間 (1∼ 2
時間程度 )を 利用 して参加 (33.4%)Jで き、 「誰 にで も
簡単 にで きる (31_3%)」
内容で 「趣味や特技が活かせ る (25.2%)と いった条件が望 まれてい
る結果 とな った
また、 「自分一人 でで きる」 とい うよ りも「近所や地 の
域 人 と」あるいは「職場 の
仲間や友人 と一緒 に」で きることを希望 してい るとい うよ うに、ボラン
テ ィア活動 を
交流 の場 の一 っ と して も重視 してい る傾 向 にあるといえよ う。
-27-
図 -12
わず か な時 間 で気軽 に参加 で きるボ ラ ンテ ィア活 動
が望 まれ てい る
「 どの よ うな条件 が 整 えば、 ボ ラ ンテ ィア活動 に参加 した い と思 い ますか 。
(3つ 選択 可 )J
わずかな時間 (1∼ 2呻
を利用 して参加できる
誰 にで も簡単にできる
いかせ る
趣味 や哺敲 力く
近所や地域 の人とできる
職場 の仲間 や友人 と一緒 にで きる
気軽 にグルーフ1こ 参加で きる
自分一人で もできる
自分力く
必要 となったときに
ポランテ ィアの世話を受けられ る
職場 でボラ ンテ ィア活動のための
休暇がある
介護や看 護 の方法など、活動 に
必要 な専門的 な知識 を身につける
研修が用意 されている
交通費などの実 費が支払われ る
けがなどの場合の保険が整備 され
ている
金銭的 な報酬がある
自分の住んで い る地域以外 の人と
できる
どんな条件 が整っても、
ボランテ ィア活動 には参加 しない
わ か
(備 考
)1
2
ら な い
経 済 企 rl庁 「 [J民 JL活 選好度 調査 」 (平 成 5年 度 )に よ り作成。
「 ボ ラ ンテ ィア活動 を現在 して い ますか 、あ るい は過 去 に した こ
対 象 は、
とが あ りますか 」 との設 間 に対 して、「過 去 に活動 した こ とが あ る l「 現在
も過 去 も活動 した ことが な い」 と口答 した2,264人 。
今回 の震災 に関す る 「女性 セ ミナ ー」受 講生 の ボランティア活動 へ の参加 率 (受 講
生 77名 中71名 参加 )や 参加形態 (午前や午後 のみの参加 を希望す るものが多 か った)
に もこの傾 向が うかがえた し、 セ ミナ ーを受講 した ことによ り、友人 がで きた り、顔
見知 りにな っていたこと も参加 を促す大 きな要 因 にな っていたと思われ る。
また、 「どんな条件 が整 って も、ボラ ンア活動 には参加 しない」という人 は5。
%に
とどま ってお り、参加 したいという希望 を持 っていて も、 その き っかけがつ かめず に
参加 で きなか った者 も多 いと思われ る。
日本 においては、今後 ボラ ンテ ィア活動 へ のニ ーズ は増大す る可能性が指 摘 されて
-28-
お り、また、 ボラ ンテ ィア活動 は新 しい交流 の輪 を広 げるき っかけと して重 要 である
と認識 されて きている。 こ うした中で、 自分 にで もで きそ うだ とい うイメージを与え
るような活動 の メニ ューの紹介方法 の工 夫 など、 自分 自身 のために気軽 にボラ ンテ ィ
ア活動 に参加す ることがで きるよ うな制度 や雰囲気 づ くりがまず大切ではな いか と考
え られ る。
2
ボラ ンテ ィア活動 へ の参加 を決定す る要因
これまでみて きたよ うに、ボラ ンテ ィア活動をす るための条件 と して 「わずかな時
間 (1∼ 2時 間程度 )で で きる こと」が最 も望 まれて いる。
既述 のよ うに、わずか な時間で、気軽 に楽 しみなが ら、趣味や特技 を活か して活動
で きる こと、また、奉仕的 ◆社会貢献的 な意 味 だけではな く、活動 した人 にと って も
精神的 な充足感 を得た り様 々な経験を しうる場 であること、あるいは個人 の能力 を十
分 に活かせ る場である ことを確保す ることが望 まれ る。
行政 の役割 と して は、ボラ ンテ ィアー人 ひとりの力 は実 に限 られて い るので、ボラ
ンテ ィアを福祉 の担 い手 と してその奉仕的意義 の みを評価 す るので はな く、 「何 かを
した い」 とい う自発的 な意 味を持 つ側 と、ボランテ ィア活動を必要 と している側 を う
ま く結 び合わせ、活動が スムーズに運 ぶ よ うに情報提供等 の支援 を行 ってい くことが
求 め られよ う。
今回の震災 に関す る 「セ ンタ ー」の ボラ ンテ ィア募集 の リーダー として、 「女性 セ
ミナ ーJの 受講生 が声 かけを し、活動 日の調整等 について 自主的に行動 した ことが、
予想以上 の参加者 を得 ることにな った要因 と考 え られ る。
また、 「セ ンター」でのボラ ンテ ィア活動で得 ることがで きた、精神 的 な充足感や
新 しい人 間関係 が 「お もちゃステ ーション」での仕分 けボラ ンテ ィア、ひ ょうごユ ー
スセ ミナ ーにお ける様 々なボランテ ィア活動 へ と発 展 していった もの と考 え られ る。
3
ボラ ンテ ィアに対す る人 々の意識変革
ボランテ ィア活動 を した い とい う希望を持 っていて も、 どうすれば よいのかわか ら
ない、あ るいは活動 の き っかけがつ かめな い とい うズ レを解消 す るための は、上記 の
よ うな参加 しやす くす るための条件整備 と並んで、 ボランテ ィア活動 に対す る一般的
な認識 を得 る こと も重要 である。す なわち、ボラ ンテ ィア活動 は、特定 の人 のみが行
う限定的な活動 なので はな く、誰 もが 自分 の立場や状況 に応 じて 自らの意 味 で参加 で
きるものであ り、気経 に簡単 な内容 の活動 か ら入 ることがで き、経験 を積 んだ り学習
して専門の知識 を身 につ けることによ って更 に活動 の機会 が広が るものであるとい う
認識 を持 つ ことが大切 である。同時 に、 自 らがボランテ ィア活動等 を通 じて、主体的
・ 積極的 に社会 の諸問題 にかかわ り、 自らの手 で解決 してい くことが重要であるとい
う意識 を持 つ こと も必要 で はなかろうか。
ボラ ンテ ィア活動 は、 日常で は接す る機会 の ない他者や社会 とふれあ うことに意義
があ り、新 たな交流を生 みだす場 で もあ る。 自己 とは異質 な ものを受容 し他者 を理解
す ることが、 自己実現 に もつ なが り、ボラ ンテ ィア活動を通 じた交流 の成果 であると
いえよ う。
―-29-―
おわ りに
今回の大震災 では、民間 ボランテ ィアが大活躍 し、 その存在 が大 き くクローズ ア ップさ
れた。 これ ほどまでにボランテ ィア活動が脚光 を浴 びた ことは過去 にな く、 まさに “ボラ
ンテ ィア元年 'と いわれ るほどであ り、 日本で もボラ ンテ ィアに対す る関心が一気 にたか
ま った。女性が その能力 や学習成果を生 か して ボラ ンテ ィア活動や社会参加す ることは極
めて有意義 であるが、 それが具体的 な行動 に結 びつ くにはかな り周到な組織力 が必要 とな
る。兵庫県 において も 「阪神・ 淡路震災復興計画 (ひ ょうごフェニ ックス計画 )Jで は、
ボランテ ィア活動 の盛 り上が りを国民 の財産 と して さ らに発展 させ るため、人材育成をは
じめボラ ンテ ィア組織 の ネ ッーワー クづ くりや、ボラ ンテ ィアの活動・ 交流 の拠点 となる
「ボランテ ィア推進 セ ンタ ー」の設置 などが検討 されて い る。
災害時 にかかわ らず、今後、高齢化 、国際化 の進展等様 々な環境変化 の 中で、女性 の社
会参加や ボラ ンテ ィア活動 の重要性 はさらに高 ま ってい くもの と考 え られる。 「セ ンタ ー
」における 「女性 セ ミナ ー」の今後 の学習 も、 これ らの ことを念頭 において計画実施 され
る必要があろ う。
―-30-―
グ 仰
を一
口
一
タ
押ノ′ ン
セ
扶咲 育
教
学椰
伏神賄
由目 嬉
効果的な
フ
ムの一考察
して
青少年課
松原
和昭
丹谷
雅之
は じめ に
兵 庫 県 教 育 委 員 で あ り 、 日本 モ ン キ ー セ ン タ ー 所 長 河 合 雅 雄 氏 は 、 子 育 て や 教 育 を 難 し
く し て い る 最 大 の 原 因 を 『 子 ど も を 取 り巻 く環 境 が 人 工 化 し て し ま つ た こ と 、 家 族 形 態 の
人 工 化 、 核 家 族 少 産 で の 子 育 て 』 を 挙 げ て い る 。 (兵 庫 県 広 報 ゆ ず り は No 223)
また 、臨 時 教 育 審 議 会 第
3次 答
中 で は 、 子 ど も た ち の 現 状 を『 情 報 化 ・ 都 市 化 が 進 み 、
自然 の 中 で 相 互 に 切 磋 琢 磨 す る機 会 が 失 わ れ て き て い る 。 』 と と ら え て い る 。 そ の 処 方 箋
と し て『 こ の よ う な 現 状 に か ん が み 、 今 後 、 児 童 ・ 生 徒 が 都 市 生 活 を離 れ 、 自然 環 境 の 中
で 生 活 を す る機 会 を増 大 させ 、 そ の 生 命 力 、 活 力 の 維 持 ・ 向 上 、心 身 の 健 康 の 増 進 、 生 命
や 自然 へ の 畏 敬 の 念 や 豊 か な 情 操 の 滋 養 を 図 る と と も に 、 自然 体 験 学 習 、 集 団 生 活 、 都 市
と農 山 漁 村 と の 交 流 、 多 様 な 地 域 文 化 と の 触 れ 合 い な ど を 飛 躍 的 に 増 や して い く必 要 が あ
る 』 と述 べ 、 「 自然 教 育
1の 推 進
を掲 げ て いる 。 河 合 氏 も 、 そ の処 方箋 の
^つ と し て 『 子
"を 育 成 し て い く こ と 』 に あ り 、 兵 庫 県 が
く り Jを め ざ し て 、 昭 和 63年 度 か ら 実 施 し て い る 5泊 6日 の 「 自 然
ど も た ち に 自 然 を 取 り 戻 す こ と “内 な る 自 然
「 こころ豊 か な 人づ
学校
Jを 『 時 代
を 先 取 り し、 先 見 性 に 満 ち た す ば ら し い こ と だ 』 と推 奨 して い る 。
こ の 自然 学 校 事 業 に 嬉 野 台 生 涯 教 育 セ ン タ ー 駐 在 自然 学 校 専 門 指 導 員 と し て
3年 間 関 わ
つて きた 。 そ の 中 で 、 この事 業 の持 つ教 育 的 価 値 の高 さ 、教 室 で は 見 られ な いで あ ろ う 児
童 の 変 容 を 身 体 で 感 じ る こ と が で き た 。 しか し 、 河 合 氏 の い う『 内 な る 自然 』 を 育 成 し て
い くた め に は 、 まだ まだ 解 決 す べ き 課 題 も た く さ ん あ る 。 指 導 者 が 子 ど も た ち に 「何 を
「どう
J与
j
え て い く か 、 指 導 者 の 理 念 と情 熱 、 効 果 的 な プ ロ グ ラ ム の 模 索 な ど 、 よ り よ い
自然 学 校 に して い くた め の 研 究 が ま す ます 重 要 に な つ て き て い る 。
そ こ で 、 本 研 究 で は 、 嬉 野 台 生 涯 教 育 セ ン タ ー で の 自然 学 校 の 現 状 と課 題 を 明 ら か に し
て い く と と も に 、 嬉 野 台 の 特 徴 を 生 か した 自然 学 校 プ ロ グ ラ ム 例 を提 示 し、 よ りす ば ら し
い 自然 学 校 に し て い くた め に 、 指 導 者 と して 子 ど も た ち に どん な メ ッセ ー ジ を与 え て い く
の か を考 え て み た い 。
嬉 野 台 で の 自然 学 校 の 現 状 と 課 題
1
嬉野 台生涯教育セ ンターの実施状況
(1)実
施校 の推移
年
昭和
63年
平成 元年度
平成
平 成
実施校
度
2年 度
3年 度
度
14
24
39
39
(グ ル ー プ )数
(10)
(20)
(34)
(34)
-31-
月
実
施
6月
∼ 10月
6月
∼
6月
∼
5月
∼
2月
2月
1月
平成
平 成
平成
4年 度
5年 度
6年 度
合
(2)月
計
5月 -10月
5月 -10月
別実施校数
/月
63年
0
0
3
平成元年度
0
0
6
2年 度
3年 度
4年 度
5年 度
6年 度
0
O
0
計
0
昭 和
平成
平成
平成
平成
平成
1
2
3
0
0
0
0
O
14
5
1
0
0
1
0
24
12
3
0
0
0
0
39
1
0
1
0
0
39
9
0
0
0
0
0
42
7
8
0
0
0
0
39
0
3
5
0
0
0
0
0
41
0
47
58
0
3
1
0
238
丹
有
淡
路
但
9
0
2
8
4
0
7
6
8
0
10
1
5
10
0
10
0
4
10
0
8
0
4
13
5
0
0
2
22
9
65
48
阪
神
1■
合
度
12
8
7
“
6
,
5
b
一
4
年度
(3)地
5月 -10月
42 (37)
39 (32)
41 (32)
238(199)
合
計
域別実施校
神戸市
63年
東播 磨
西播 磨
馬
1
O
8
5
0
0
0
平成 元年度
4
0
16
4
0
0
0
2年 度
3年 度
4年 度
5年 度
6年 度
1
2
31
5
0
0
0
3
5
28
3
O
0
0
2
6
28
5
1
0
0
3
5
2 5
6
0
0
0
2
3
26
6
3
1
0
21
162
34
4
1
0
昭 和
平成
平成
平成
平成
平成
合
(4)主
度
計
1 6
な実施 プログラム
・ キ ャ ンプ フ アイヤ ー
・ テ ン ト設 営
‐野 外 炊 事
。自 然 観 察
。い か だ 遊 び
。水 遊 び
。オ リ エ ン テ ー リ ン グ
・焼 板工作
・ハイキ ング
。創 作 活 動 (主 に 竹 を 利 用 し て )
・ スポ ーツ・ ゲ ーム
・洗濯実習
・登山
・ アマ ゴつ か み
・ 家族 へ の便 り
。写 生 会
―-32-―
2
プ ロ グ ラ ム 相 談 の 現 状 と課 題
自然 学 校 専 門 指 導 員 の 業 務 の 一つ に プ ロ グ ラ ム 相 談 が あ る 。 こ の 活 動 の ピ ー ク は 、 年 度
‐斉 に
施 設 へ の下 見 の連 絡 、施 設 の お さえ 、
始 め の 4月 で あ る 。 各 学 校 で 担 当 者 が 決 ま り 、
どん な プ ロ グラムが で き るか の電 話対 応 が始 まる。 当セ ンターで は、
1年 前 か
らの 予約 が
で き るた め 、施 設 等 は 前年 度 の担 当者 が お さえ て いる の で 、新 年 度 の担 当者 の再 確 認 が 必
要 にな る。
(1)施 設 お さ え の 課 題
《 A校 の 場 合 》
1日
目
2日
3日
目
目
4日
5日
目
6日
目
目
青 少年宿 泊棟
4棟 全
リダ 管
国
T棟
→
F・
2室 全
体 育館
-
← →
夜
夜
キ ヤ ンプ場
体験 工 作 棟
国
-
-午前・午後
7白
-
夜
-午 前
-午 後
いかだ の池
-・
午前 午後
1年
前 に お さ え た 施 設 を基 準 に して 、 プ ロ グ ラ ム 相 談 が は じ ま る 。 「
棟 で は 、 何 が で き ます か
?│「
どん な プ ロ グラム が で き ます か
?]と
3日 目 の 体 験 工 作
い う相 談 に お わ れ る
こ と に な る 。 こ う い う 対 応 が プ ロ グ ラ ム 相 談 の 中 心 に な り 、『 ど ん な 自然 学 校 に した い の
か 』 『 児 童 の 実 態 か ら 、 子 ど も た ち に 何 を さ せ よ う と す る の か 』 と い う 話 し合 い は 、 ほ と
ん ど で き な い状 態 に な る。
(2)専
門指 導 員か らの提 案
そ こ で 、 専 門 指 導 員 か ら 下 の よ うな 用 紙 に 、 記 入 を お 願 い し た 。
全体 のね らい
テ ーマ
1日
目
2日
目
3日
プ ロ グ ラ ム
4F甫 [
午 後
夜
―-33-―
目
4日
目
5日
目
6日
目
今 回 の 自然 学 校 の ね ら い を ど こ に お くの か を 、 まず 、 学 年 な り、担 当者 で考 え る こ とか
らの 出発 を勧 め た 。 プ ロ グラ ム も
1日
2日
日、
目、 午 前 、 午 後 と区切 らず 、全 体 の 中 で の
何 日 目を と ら え て も ら え る よ う に 実 線 で示 さ ず 、 点 線 で 表 した 。 これ を も とに して 、 プ ロ
グ ラム 相 談 を は じめ た 。
(3)具 体 的 な プ ロ グ ラ ム 例
《 B校 の 場 合 》
全体 のね らい
原 人 にな ろ う
ヨ
始ヘタイムスリッ
テ ーマ
1日
目
山登リ
3日
4日
ロ
│
―
グ
│
フ
午 後
川遊び
原人祭 り
市
轟面轟「
ム
5日
目
t,\
鳳
代ヘタイムスリッ
6日
目
i\ rj
目
移 動
び一
遊 ︱︱︱︱lψ
原
会
重
鷺
│
移 動
目
いかだで遊ぼう
り 一
4F tti
2日
目
原人祭り
登 ︱︱︱ ︱︱ lψ
山 一
プ
原人祭の準備
│
の相 談
夜
:
《 C校 の 場 合 》
全体 のね らい
テ ーマ
探 検 基 地 を作 ろ う
施設を知ろう!!
食器作 り
移 動
火お こ し
施設内
3日
4日
目
1基 地 作 り
:野 外 炊
事
オリエンテーショ
夜
班旗作 り
:
:き
もだめ
B校 の 場 合 、 『 原 人 に な ろ う 』 を 大 テ ー マ に
し
記念品を作ろう
目
山 一
体
午 後
目
山へ挑戦!!
幡︲
十
/
塀
︲
︲
︲
︲
︲
ヽ
プ ロ グ ラ ム
午 前
2日
目
基地へ出発!!
早 一
基
1日
道具を作ろう!!
!!
5日
片付けをしよう
目
記念 品
!
6日
目
移 動
作 り
キヤンプフアイヤ
し、 原 人 祭 りを プ ロ グ ラ ム の 中心 に お い た 。
そ の 結 果 、 児 童 は 、 学 校 か ら嬉 野 台 へ 来 る こ と を タ イ ム ス リ ッ プ と と ら え 、 いつ も とち が
う体 験 を心 待 ち に す る よ う に な つ た 。 仮 装 を し て 、 火 を お こ し 、 野 外 で 作 つ た 品 物 を 売 つ
た り 、 屋 台 を 作 り 、 自 分 た ち の 夜 店 を だ す 活 動 に 意 欲 的 に 取 り組 ん だ 。 前 半 の
3日
間を 1
つ の プ ロ グ ラ ム と して と らえ た 活 動 に な つ た 。
C校
の場合 、
5泊 6日
全 体 を 『 探 検 基 地 作 り 』 と い う テ ー マ で 取 り組 ん だ 。 基 地 と い つ
て も 、 と りた て て 変 わ つ た も の で は な い 。 テ ン トを 張 つ て 、 自分 た ち の ベ ー ス キ ヤ ン プ と
し て の 位 置 付 け で あ る 。 初 め て 来 た 嬉 野 台 の 探 検 が 1日 日 で あ る 。 2日 目 は 、 基 地 へ 行 く
―-34-―
前 の 準 備 と し て 、 竹 食 器 作 り 、 野 外 炊 事 の た め の 火 お こ し体 験 を し た 。
キ ヤ ン プ 場 に 行 つ て テ ン トを 設 営 、
4日
3日
目に は じめ て
目に は 、 そ の基 地 を 出 発 して 、早 朝 の 山 登 りを行
ぃ 、 ベ ー ス キ ャ ン プ に も ど つ て く る と い う連 続 性 の あ る プ ロ グ ラ ム 展 開 で あ つ た
6か
な り
ハ ー ドな プ ロ グ ラ ム で あ つ た が 、 児 童 も 最 後 ま で 楽 し ん で 参 加 し た 。
この よ うに 、テ ーマ を持 つ こ とで 、 プ ロ グラム 全体 の展 開 が 見え て くる。 午 前 は工 作 、
午 後 は ス ポ ー ツ 、夜 は キ ャ ン プ フ ア イヤ ー 、 と プ ロ グ ラ ム を駒 は め の よ うに 設 定 す る の で
はな く、
3
5泊 6日
全 日程 を 考 え た プ ロ グ ラ ム が 生 ま れ て 来 る 。
活動状 況 上 の課題
活 動 状 況 を以 下 の よ うに 分類 し、 年 度 ご との 活 動 状 況 を比 較 した 。
(1)体
(2)自
(3)自
(4)
験 創 作 活 動 ・ ・ ・竹 細 工 、 わ ら細 工 、 陶 芸 、 焼 板 工 作 、 木 工
然観 察 ・ ・・・ ・植 物 観 察 、天体 観 測 、ネ イチ ャ ーゲ ーム
然 生 活 体 験 。・ ・ テ ン ト泊 、 野 外 炊 事 、 魚 つ か み 、 い か だ 、 キャンプフアイヤー
・レク7舌 重力・・ ・ ・ オリエンテーリング、ハイキング、民
チ[■ 、 ウォークラリー、スポーツゲーム、学級レク活動
スポーツ
(5)文
(6)勤
化 的 活 動 ・ ・ ・ ・ 畳 辟 、映 画 、 音 楽 、 写 生 、 手 紙 、 日 記
労体 験 ・ ・ ・ ・ ・洗 濯 、奉 仕 作 業
活 動 状 況 調 べ
■ 体 験 創作
口 勤 労体験
%自
然観 察
□ 生活体験
ロ ス ポ レク
ロ 文化 活動
%
平成
体験創作
自然 観 察
生活体験
スポ レク
文 化活動
勤労体験
4年 度
平成
5年 度
平成
6年 度
13.4
6.2
18.8
15.5
34.8
21.4
38.4
16.6
18.9
16.3
7.9
15.1
12.8
4.1
44.2
4.5
活 動 状 況 を 年 度 別 に み て み る と 、 生 活 体 験 活 動 が 年 々増 加 して き て い る 。 こ れ は 、 プ ロ
―-35-―
グ ラ ム 相 談 の 中 で 積 極 的 に 専 門 指 導 員 が 勧 め た 結 果 で あ る 。 自然 学 校 で 何 を ね ら い に す る
の か は 、 各 学 校 の 主 体 性 に ま か さ れ て い る 。 しか し、 当 初 は 、 レ ク レ ー シ ョ ン 的 な 活 動 や 、
文 化 的 な 活 動 が 多 く 、 あ え て 自然 学 校 で な く て も 実 施 で き る 内 容 も あ つ た 。 自然 学 校 が 、
『 学 習 の 場 を 教 室 か ら豊 か な 自然 の 中 へ 移 し』 と い う趣 旨 に あ る よ う に 教 室 で は で き な い
豊 か な 自 然 の 中 で し か で き な い 総 合 的 な 学 習 が 期 待 さ れ て い る こ と を 考 え 、 テ ン ト生 活 、
野 外 炊 事 、 自然 を 五 感 で 感 じ る 活 動 な ど 、 生 活 体 験 活 動 や 自然 観 察 活 動 の プ ロ グ ラ ム の 比
重 を 高 め る よ う に 指 導 した 。 そ の 結 果 、 薪 を 集 め る 活 動 や 自分 た ち で 水 を 汲 ん で 、 そ の 水
で 生 活 す る 活 動 な ど 、 生 き る 力 を つ け る プ ロ グ ラ ム も 生 ま れ て き た 。 自然 を 教 材 に し て 、
そ の 中 で 何 が で き る か と い う視 点 で 活 動 を考 え て い く こ とが 必 要 で あ る 。
奢
鑢
=″
‐
′ヽヽ
ヽ
、
ヽ
一
^
Ⅱ
嬉野 台生涯教育 セ ンターモデル プログラム
自 然 体 験 。 自 然 観 察 を 中 心 に す え た 5泊 6日 の プ ロ グ ラ ム を 以 下 に 示 す 。 プ ロ グ ラ ム の
設 定 に あ た つ て は 、 自然 に 学 ぶ と い う 視 点 で 考 え た 。 実 施 後 の 児 童 の 自然 観 の 変 容 、 生 き
て 働 く力 の 高 ま り を期 待 して 作 成 した 。 しか し 、 ま だ 提 案 の 段 階 で 、 実 証 さ れ た も の で は
な い の で 、 今 後 、 こ れ を 手 が か り に して さ ら に プ ロ グ ラ ム を 開 発 して い く必 要 が あ る 。 各
学 校 で プ ロ グ ラ ム を 作 成 す る 際 の ヒ ン トに な れ ば 幸 い で あ る 。
―-36-―
1
自然 生 活 体 験 プ ラ ン
(1)野 生 児 へ の 挑 戦
ア
プ ロ グ ラ ム の趣 旨
自然 の 中 で 共 同 生 活 を しな が ら、通 常 とは 違 う リズ ム で生 活 を した り、 普 段 で きな い 活 動
をす る こ とに よ つ て 、 今 まで 気 づ か な か つ た 自然 に 気 づ き 、 また 仲 間 と とも に感 動 体 験 を共
有 す る こ とに よ つ て 、仲 間 の きず な を さ らに 深 い も の にす る 。
イ
プ ロ グ ラ ム 展 開例
一
則
午
後
午
セ ン ター入 所
1日 目
1日 の 留 意 点
夜
グル ー プ ワー ク
セ ンター の施 設 を
施 設 オ リエ ンテ ー リ
明 日か らの 計 画 確
覚 え させ る
ング
認
明 日か らの準 備 を
させ る
野 営地 下 見
住 ま いづ く りの 計
画
野営地入所
薪ひ ろい
住 ま いづ く り
火 お こ し体 験
料 の準 備
野 外炊 事
体 力 ・体 調 にあわ
テ ン ト設 営
2日 目
宿舎泊
徹 夜 ボ ンフ ァ イ ア ー
住 ま いづ く りの材
テ ン ト以 外 に も工
せ 、 各 自で就 寝 さ
夫 した 住 ま い を つ
せる
くる
就 寝 場 所 は選 択 さ
せる
深 夜 。徹 夜 を体 験
野 営地 泊
フ リー タ イ ム
野外炊事
させ る
フ リー タ イ ム に睡
野宿
眠 を と らせ 、体 力
を回復 させ る
3日 目
寝 袋 で 野 宿 の体 験
を させ る
野 宿 の 蚊 対 策 を充
野営地泊
明 け方ハ イ ク
4日 目
お昼 寝 タイム
分 に して お く
ハ イ ク の途 中 で 日
フ リー タ イ ム
テ ン ト撤 収
の 出 を体 験 させ る
宿 舎へ移動
夜 は早 め に就 寝 さ
宿舎泊
*r>azz47-
い か だ づ く り 。いか だ 遊 び
5日 目
せる
ラ イフ ジャケ ッ ト
着 用 な ど安 全 面 に
配慮 す る
6日 目 セ ン タ ー 退 所
―-37-―
(2)火
ア
と水 に つ い て考 え よ う
プ ロ グラム の趣 旨
自然 の 中 で の 火 と水 の 確 保 と 利 用 を 中心 と した 自然 生 活体 験 をす る こ とに よ り、 自然 と文
明 を考 え る機 会 とす る 。
プ ロ グ ラム 展 開 例
午
一
削
イ
セ ンター入 所
施 設 オ リエ ンテ ー リ
1日 目
夜
1日 の 留 意 点
オ リエ ンテ ー シ ョ ン
セ ン ター の 施 設 を
後
午
ング
明 日か らの 活 動
グル ー プ ワー ク
野 営地 下 見
活 動 の 確 認 と計 画
覚 え させ る
明 日か らの 準 備 を
させ る
宿舎泊
野 営地 へ 移動
火 お こ し体 験
テ ン ト設 営
2日 目
暗 闇 の 不 便 さ 、怖
暗 闇体 験
で き た 火 は保 存 じ
さ と火 の 明 る さ を
てお く
体 験 させ る
水 の ろ過 器 づ く りの
材料集 め
野 営地 泊
水 の ろ過 器 づ く り
ボ ンフ ァイ アー
燃 料選 び で は、火
汲 み置 き 水 を生 活
集 め た 木 を燃 や し
つ き 、燃 え 方 、煙
用 水 と して利 用 す
て確 か め る
の で か た 、煙 の匂
る
手 を加 え て も行 つ
い 、灰 、 す す 等 の
き木 集 め
てみ る
違 いに気 づかせ る
燃 料確保
煮沸 実験 では、 ろ
種 類 ・ 部 位 。太 さ
3日 目
燃 料選 び
等 が 様 々な も の を
燃 料 に適 した 木 を
過 器 の 水 、木 の 燃
集める
集める
料 、 お こ した 火 で
手 を加 え る
湯 を わ か させ る
炭 を つ くる
か ま どづ く り
煮 沸実験
竹 ・ 紙 。牛 乳 パ ッ
ク ・ 焼 石 ・ アル ミ
ホ イ ル 等 を使 用
フ リー タ イ ム
野外炊 事
4日 目
野 営地 泊
焼 石 鍋 、焼 砂 焼 、
で き る限 り既 成 の 炊 事 器 具 を使 用 せ ず に
炊 事 を して 食 事 をす る
テ ン ト撤 収
後 片 付 け 。清 掃
蒸 し焼 き 等 の工 夫
野 営地 泊
お昼寝 タイム
キ ヤ ンプ フ アイア ー
を させ る
使 用 した も の を 自
然 に か え させ る
体 験 発表 会
5日 目 宿 舎 へ 移 動
体 験 して感 じた こ
とを グル ー プ で ま
宿舎泊
6日 目
セ ン ター退 所
―-38-―
とめ 、 発 表 させ る
2
他 施 設 との連 携 プ ラ ン
(1)川
ア
を知 ろ う
プ ロ グ ラ ム の趣 旨
播 磨 地 方 を代 表 す る河 川 の 加 古 川 と 、但 馬 地 方 を代 表 す る河 川 の 円 山川 に つ い て学 習 す る
こ とに よ り、 自然 の し くみ や 自然 の 大 切 さ を知 る 。
イ
プ ロ グラ ム 展 開 例
一
則
夜
1日 の 留 意 点
野 間川源 流点 での水
野 間川 の流れ に そ つ
採 取 した 水 の 水 質 検
川 の源 流 付 近 の 自
源 地 さが しと水 の 採
取 (多 可郡 八 千 代 町
て バ ス で 移 動 、 中流
査
然 を よ く観 察 させ
で川 の 変 化 の 観 察 と
る
大屋 )
水 の 採 取 (西 脇 市 合
河原 の状 態 の変化
に気 づ か せ る
午
後
午
山町 )
野 間 川 と杉 原 川 の 合
1日 目
流 点 を見 学 (西 脇 市
川 の周 囲 の地 形 や
人家 の密 度 の変化
板波町 )
に気 づ か せ る
加 古川上 流 の見学
気 づ い た こ とや 水
質検 査 の結 果 を グ
(加 東 郡 滝 野 町 )
加 古 川 河 日の 観 察 と
水 の 採 取 (高 砂 海 浜
ル ー プ で 発表 させ
る
公園)
加古川 に関す るお
話 を聞 か せ て も よ
嬉野台生涯教育セ ン
2日 目
い
ター 入 所
へ
セ ン ター の 近 くの川 の カ ン トリー ハ イ キ
採 取 した 水 の 水 質 検
川 遊 び で水 の 中 に
ング
査
入 らせ る
東 条 川 ・ 千 鳥 川 で の 川 の 観 察 、水 の 採 取 、
地元 の方のお話
水 中生物 につ いて
も 観 察 させ る
ビデ オ観 賞
ライフ ジャケ ッ ト
川遊び
3日 目
水 源 地 とな る農 業 用 地 で の いか だ づ く り
いか だ 遊 び (小 部 谷 池 )
の着 用 等 安 全 面 に
配慮 す る
嬉 野 台 生涯教 育セ
ター退 所
円 山川 源 流 点 で の 生
野 分 水 嶺 の 見学 と 水
キ ヤ ンプフ アイア ー
の 採 取 (朝 来 郡 生 野
4日 目
分水嶺 の 意味 を理
解 させ る
溝 か ら川 へ の 変化
をイ メー ジさせ る
町 円山)
地 元 の方の お話
(口 銀 谷 公 民 館 )
円 山川 中流 の 観 察 と
水 の採 取
南 但 馬 自然 学 校 入 所
円 山川 下 流 で の カ ッ タ ー 体 験 と水 の 採 取
(県 立 円 山 川 公 苑 )
採 取 した 水 の 水 質 検
査
5日 目
川 のなん で も発表 会
分 水 嶺 か ら広 い 川
へ と 変 化 した こ と
を実 感 させ る
川 に つ い て感 じた
こ と を発 表 させ る
6日 目
南 但 馬 自然 学 校 退 所
―-39-―
お わ りに
この報 告 を ま とめ て いる時 期 の 平 成
7年 1月 17日
、兵庫 県 に未 曾 有の大震 災が 発生 し
た 。 被 災 に よ り尊 い 人 命 が 失 わ れ た こ と に 心 よ り哀 悼 の 意 を 表 す る と と も に 、 そ の 際 に 示
さ れ た い くつ か の 教 訓 に 注 目 した い 。 『 世 の 中 は い つ も 平 穏 無 事 な 時 ば か りで は な い 。 非
常 の 時 に は非 常 の 方 法 が あ り、 手 段 が あ る 。 水 が な け れ ば プ ー ル の 水 で 飯 を炊 く と い う の
も 臨 機 の 法 だ し、 寒 い と訴 え る 子 ど も の セ ー タ ー の 下 に新 聞 紙 を は さ む の も 生 き る知 恵 だ
つ た 。 こ う した 生 活 の 知 恵 は 、 必 ず しも 教 科 書 の 中 に は 書 い て い な い か も しれ な い 。 自然
学 校 で 飯 合 水 さ ん した 経 験 の あ る 子 ど も た ち は 、 そ の 延 長 線 上 に 被 災 生 活 を と ら え て い た 。
配 給 の パ ン だ け で 味 気 な い 食 生 活 を して い る 被 災 者 に 初 め て 温 か い炊 き だ し を した の も 彼
ら の 応 用 力 だ つ た 。 』 (兵 庫 教 育 新 聞 よ り抜 粋
)
こ の こ と は 、 自然 の な か で の 直 接 体 験 が 、 子 ど も た ち の 事 後 の 態 度 変 容 を 可 能 に す る 要
素 を含 み 、 自然 環 境 に働 き か け よ う とす る 「体 験
Iが
子 ども た ち の 生 き る 力 に な りえ る こ
と を 示 し て い る 。 自然 学 校 で の 体 験 学 習 が 児 童 に と つ て 必 要 か つ 重 要 な 学 習 で あ つ た こ と
を 再 認 識 した 事 例 で あ る 。
自然 学 校 の 教 育 的 意 義 は 、 自然 学 校 を 経 験 し た 児 童 の 成 長 と と も に 検 証 さ れ て い く で あ
ろ う 。 しか し、 今 回 の 地 震 の よ う に 突 発 的 な で き 事 の 中 で 、 マ ニ ュ ア ル 的 な 知 識 や 机 上 の
学 習 が 役 に 立 た な くな つ た 時 に 、 人 間 の 本 能 的 な 力 、 生 き る 力 、 立 ち 上が る 気 力 を ど う育
て て い くか と い う こ と の 重 要 性 が 高 ま つ た と い え る 。 自然 学 校 の ね ら い も こ の 点 に あ る の
で は な い か と考 え る 。 自然 学 校 専 門 指 導 員 と し て 嬉 野 台 生 涯 教 育 セ ン タ ー で の
3年 間 の 駐
在 期 間 が 終 わ ろ う と して い る 今 、 原 点 に も ど つ て 自然 学 校 の 教 育 的 意 義 を も う
度 、 自分
な りに考 え 、 咀嚇 して みた い。
―-40-―
の
学
LF u
課 題
羽自
品円
現 代
京都大学
は
教
授
L杉
孝賞
に
「 現 代 的 課 題 」 の 学 習 が生 汗 学 習 に お い て 重 要 で あ る と い う こ とは 、 平 成 4年 (1992年 )
7月 29日 に 出 され た 国 の 生 汗 学 習 審 議 会 答 中 (注 )「 今 後 の 社 会 の 動 向 に 対 応 した生 涯 学
習 の 振 興 方策 に つ いて ]で も示 され て い るが 、 も と も と社 会 教 育 に お い て は 、人 々 の 生 活
に 現 れ て い る現 代 的 課 題 に と り くむ こ と に 大 き な 意 義 が み い だ され て きた の で あ る。 私 た
ちが 現 代 に 生 き、 そ こに あ る 問題 を 解 決 して よ りよ い生 活 を 築 くた め に は 、 学 習 が 必 要 で
あ り、 ま た そ の よ うな 学 習 で あ っ て こそ 切実 さを 伴 っ て 、 活 発 で キ 体 的 な 学 習 の 拡 が る こ
とが 期 待 され る。
と こ ろで 、 「 現 代 的 課 題 1と は 何 か が 問 題 に な る。 社 会 の 複 雑 化 、 急 激 な 技 術 革 新 、 環
境 問 題 の 深 亥1化 、 高 齢 化 の 進 展 、 人 権 抑 圧 な どが あ り、 社 会 認 識 を 深 め 、 人 間 と して の 生
き 方 を 問 い、 生 活 技 術 を 高 め て 、 平 和 の 実 現 、 民 主 主 義 の 徹 底 を は か る こ と な どが 必 要 と
な っ て い る の で あ り、 これ らは い ず れ も現 代 的 課 題 で あ る と い い 得 る∩ これ らは 、 決 して
ば らば らに 存 在 す る の で は な く、 相 互 に 関 連 しあ っ て 構 造 を な して い る の で あ っ て 、 本 来
総 合 的 に把 握 され る べ き もの で あ る。 しか し、 そ れ は 、 い き な り全 体 像 が 見 え る と い う も
の で は な く、 具 体 的 な 問題 を 掘 り下 げ て い く こ とに よ っ て 、 関連 す る も の が 見 え て きて 、
全 体 が つ か ま れ る よ うに な る こ とが 多 い も の で あ る。
家 庭 生 活 ひ と つ と らえ て み て も、産 業 構 造 の 変 化 、 都 市 化 の 進 展 が 核 家 族 化 を も た ら し
て い て 、 機 械 的 に 処 理 され る こ と の 多 い社 会 で 、 緊 張 が 高 まれ ば 高 ま る ほ ど核 家 族 で 情 緒
安 定 を は か ろ う とす る傾 向 も強 ま るが 、 性 別 役 割 分 業 の も と、一 方 は 長 時 間労 働 に 明 け暮
れ 、 他 方 は 家 事 以 外 に す る こ とが 持 て な い状 況 で は 、互 い の ず れ が 大 き くな る こ と もまれ
で は な い 。子 ど もが い る あ い だ は そ の こ とが 、 共 通 の 話 題 と な り得 て も、 子 ど もが 巣 立 っ
た あ と、 あ ま り に もそ れ ま で 男 女 そ れ ぞ れ の 世 界 が ちが い す ぎて 共 に 語 る べ き こ とを 見 出
せ ず 、 危 機 を迎 え て い る 中年 夫 婦 も少 な くな い 。 核 家 族 は もろ い も の で あ り、 そ の 中 で の
人 間 関係 は 限 られ て い る の で 、 子 ど も の 成 長 や 老 後 の 生 き方 を 考 え る と き、 地 域 に お け る
結 び つ きが 必 要 で あ るが 、 そ れ が 無 視 され た り、 わ ず らわ し い も の に な っ て い る こ と もあ
る今
家 庭 生 活 、 地 域 生 活 、 職 業 生 活 が 男 女 と もバ ラ ンス の とれ た も の に な り、 生 き生 き と生
き る こ とが で き る よ うに す るに は 、 労 働 の あ り 方 、 集 団 の し くみ 、 人 の 生 き 方等 に つ い て
共 に 考 え 、 改 善 を 加 え て いか な けれ ば な らな い 。 家 庭 の 問 題 を と りあ げ る こ とは 、 必 然 的
に 家 庭 を と り巻 く社 会 の 問 題 に 日 を 向 け る こ とを 促 す の で あ る 。
住 み よ い社 会 を 築 き、 人 間 ら しい 生 き 方 を す る こ とが 求 め られ る と き、 具 体 的 に 人 権 に
つ い て 考 え る こ とが章 要 で あ る。 レ ッテ ル を 貼 っ て 人 を と らえ た り、 同化 を 強 いた り、 外
枠 に と らわ れ て 行 動 す る こ とに よ っ て 、 人 間 関係 が そ こな わ れ 社 会 生 活 が 制 約 の 大 き い も
の に な っ て い る。 ひ と りひ と り の 違 い を認 め な が ら個 が 尊 章 され 、 の びや か に 生 き る こ と
が で き る よ うに す るた め の と り くみ が 課 題 と な っ て い る の で あ る。 さ ま ざ ま な 人権 問題 を
-41-
各 自 の 生 活 の 中 に あ る 問 題 と章 ね 合 わ せ て と らえ 、 自 ら の 解 放 の 視 点 か ら迫 っ て い く こ と
が 必 要 な の で あ る。 国 際 化 の 進 展 は 、 ま さ に 多様 な 人 々 が 共 に 生 き る こ と の で き る し くみ
と考 え を 拡 げ る こ とを 課 題 と して い る の で あ り、 国 際 的 動 向 を 見 つ め な が ら、 足 も と に あ
る 問題 に と り くむ こ とが 求 め られ て い る の で あ る。 子 ど もの い じめ に も示 され て い る よ う
な 、 差 異 を 排 除 しよ う とす る姿 勢 が 、 民 族 紛 争 を もた ら した り、 国 際 平 和 を 脅 か す こ と に
つ なが る の で あ る。 そ れ ぞ れ の 文 化 を 尊 章 し、 交 流 を進 め る 中 で 、 文 化 の 発 展 が 可 能 とな
る の で あ るn
環 境 問題 を と りあ げ て み て も、 ゴ ミの しま つ 、 産 業 廃 棄 物 の 処 理 、 資 源 の 浪 費 、 大 気 汚
染 な ど、 家 庭 、企 業 社 会 、 世 界 が つ なが っ て い る の で あ り、 よ く い わ れ る よ うに、 「 地 球
規 模 で 考 え 、 地 域 で 行 動 す る .1こ とが急 務 と な っ て い る の で あ る。 健 康 問題 とか か わ らせ
て み る と き。 環 境 問題 の 切 実 さが 見 え や す い も の に な るで あ ろ う。 現 代 的課 題 は 、 これ ら
に 見 られ る よ うに、 社 会 の 問 題 と 自 らの 生 き方 の 問題 とを つ な い で 、 広 い視 野 に立 っ て 具
体 的 に と り くむ こ とが 必 要 な も の で あ る。
2
学 習 課 題 化 の必 要 性
学 習 活 動 に お い て 、 常 に 現 代 的 課 題 が 意 識 され て い る とは 限 らな い 。楽 しみ の 追 求 や 知
識 欲 の 満 足 に と ど ま る例 は 少 な くな い 。 ス トレ スの 多 い社 会 に あ っ て は 、 刹 那 的 に そ こか
らの 解 放 が 求 め られ や す い 。 余 暇 産 業 や 文 化 産 業 の 拡 大 の 中 で 当面 の 人 々 の 要 求 に 応 え る
学 習 プ ロ グ ラ ム が 多 く提 供 され 、 公 的教 育 事 業 も人 の 集 ま りを気 に して 、 そ の よ うな 対 応
を しが ち で あ る。
も と よ り、 人 々 の 要 求 に根 ざ した 学 習 プ ロ グ ラ ム を 用 意 す る こ とは 大 切 で あ る。しか し、
人 々 の 要 求 の 底 に あ る もの を 把 握 す る こ とが 必 要 で あ り、 ま た 学 習 の 発 展 を 支 え る こ とが
肝 心 で あ る。 人 々 が 必 要 と して い る もの の 一 部 だ けが 要 求 と して 表 面 に現 れ て いて 、 切 実
な 願 い が 潜 在 化 して い る こ とが 多 い もの で あ る∩ た とえ ば 、 「 何 を 学 び た い で す か .1と た
ず ね られ る と、 学 校 で の 教 科 な ど を 連 想 して 「 英 語 _1な ど と答 え て も、 必 ず し もそ れ が 切
実 な 生 活 課 題 で な い こ と も しば しば で あ る。 本 当 の 要 求 は 、 「 人 間 関係 を よ い もの に した
い 』 『 健 康 を 保 ちた い J『 子 育 て を適 切 な も の に した い 1『 自分 を認 め て ほ し い 1な どで
あ り、 F生 活 Lど の よ うな 問題 を 抱 え て お られ ま す か 』 と い う願 い で つ か む こ と の で き る
も の で あ っ た りす る。
社 会 教 育 に と っ て 、 こ の よ うな 生 活 課 題 を 学 習 課 題 とす る こ とが重 要 で あ り、 要 求 を 掘
り下 げ て 、 住 民 と共 に そ の 課 題 を 学 習 プ ロ グ ラ ム 化 す る こ とで 、 社 会 教 育 職 員 の 力 量 が 問
わ れ る こ とに な る。 す で に 述 べ た よ うに 、 今 日の 生 活 課 題 は 現 代 的 課 題 の一 環 と して あ り、
問題 を 関連 させ 、 社 会 的 拡 が り の も とで 把 握 す る こ と な しに は基 本 的解 決 は あ り得 な い の
で 、 そ の よ うな か た ち で の 学 習 内 容 編 成 が 求 め られ る の で あ る。
問題 が 複 雑 で 錯 綜 して い る こ とが 多 い の で 、 学 習 な しに は 解 決 の 方 向 は 容 易 に 見 え て こ
な い 。実 践 は 大 事 で あ る に して も、 実 践 が 効 果 あ る も の とな る に は 、 学 習 が必 要 で あ り、
そ こで は 、 多様 な 見 方 、考 え 方 に 触 れ 、 多 角 度 か ら問題 を と らえ て 、 有 効 な 方法 を 採 らな
け れ ば な らな い の で あ る。 と くに 、 現 代 的 課 題 に つ い て は 、 今 ま さ に 動 い て い る 問 題 を と
り扱 う こ と に な る の で 、 こ の よ うな 姿 勢 の も とで 、 身 近 な 事 例 の 中 か ら問題 の 意 識 化 を は
―-42-―
か り、 お 互 い の 考 え を 交 流 しあ う こ と が 望 ま れ る の で あ る 。
健 康 に 問 題 を 感 じて い る 人 に つ い て は 、 そ の 人 の 生 活 の しか た や 労 働 の 状 況 、 さ ら に 食
物 の 問 題 や 環 境 状 況 と も 関 わ らせ て 学 ぶ こ と に よ っ て 、 自分 を 把 握 し 直 し、 人 々 と 協 力 し
な が ら生 活 の 改 善 を は か る こ と に つ な が る 学 習 プ ロ グ ラ ム が 要 る で あ ろ うな 老 後 に 不 安 を
感 じ る 人 に と っ て 、 生 活 技 術 は も と よ り、 自 立 に つ い て の 考 え や 地 域 生 活 の あ り 方 に も及
ん で の 学 習 が 欠 か せ な い 。 年 金 の し くみ の 理 解 や 福 祉 の あ り 方 の 学 習 も必 要 で あ ろ う。
こ れ ら現 代 的 課 題 を 積 極 的 に 学 習 課 題 化 して の と り くみ が 、 公 教 育 事 業 の 役 割 と して 中
心 部 分 を 占 め る 。 す べ て の 人 が 自 ら の 生 活 を 規 定 して い る 現 代 的 課 題 に 日 を 向 け 、 共 同 の
と り くみ を 進 め 、 よ り よ い 社 会 を 築 く こ と に 資 す る 教 育 機 会 の 提 供 が 、 公 民 館 等 社 会 教 育
機 関 の キ な 任 務 で あ る 。 そ の た め に 、 公 民 館 主 事 等 社 会 教 育 職 員 は 、 住 民 ニ ー ズ を 把 握 し、
地 域 の 実 情 を S、 ま え 、 現 代 的 課 題 を 構 造 的 に と らえ て 、 そ の 学 習 課 題 化 に 努 め ね ば な ら な
い の で あ る。
4
学 習 課 題 化 の留 意 点
人権 問 題 、 教 育 問 題 、 環 境 問 題 、 そ の 他 社 会 問 題 を 正 面 か ら と り あ げ て の 学 習 が 章 要 で
あ る こ と は い う ま で も な い 。 同 時 に 、 さ ま ざ ま な 学 習 に 、 これ ら の 問 題 を 関 わ らせ て 学 ぶ
こ と が で き る よ う に す る こ と も必 要 で あ る 。 そ れ は 、 た と え ば お 茶 の 学 習 に 単 に一 回 だ け
人 権 問 題 を 入 れ て 学 ぶ と い う レ ベ ル の こ と で な く、 お 茶 と の 関 係 で 人 権 問 題 を 学 ぶ こ と が
で き る よ うに す る と い う こ とで あ る合 権 力 者 が お茶 を ど の よ うに利 用 した か 、 民 衆 に と っ
て お 茶 は ど の よ う な も の で あ っ た か 、 虚 飾 を 取 り去 っ た 人 と 人 と の 関 係 は ど の よ う な も の
か な ど に つ い て 考 え る プ ロ グ ラ ム が あ っ て よ い は ず で あ る 。 服 装 教 室 で も、 労 働 と 衣 服 、
身 分 統 制 と 服 装 統 制 な ど に つ い て 学 ぶ こ と が で き る .料 理 の 学 習 で あ っ て も、 食 品 公 害 や
食 糧 経 済 、 さ ら に 南 北 問 題 に も触 れ る こ と が で き よ う。
現 代 的 課 題 を と り あ げ た学 習 に は参 加 が 少 な い よ うに い わ れ る こ とが 多 い が 、 身 近 で 切
実 な 問 題 を 出 発 点 と して 、 視 点 を 拡 げ て い く工 夫 を す れ ば 、 多 く の 参 加 が 得 られ る で あ ろ
う し、 L記 の よ う に 、 あ ら ゆ る 学 習 に 現 代 的 課 題 の 視 点 を 入 れ る こ と に よ っ て 、 こ れ を 多
く の 人 の も の に す る こ と が で き る 。 ま た 、 た と え 少 人 数 の 集 ま り で あ っ て も、 そ こ で 話 し
合 い や 共 同 研 究 も ま じえ て じ っ く り学 ぶ こ と に よ っ て 、 周 囲 に 働 き か け 、 拡 げ る 力 を 持 つ
人 が 育 っ て 、 結 果 と して 多 く の 人 に 効 果 が 及 ぶ と い う こ と も あ る の で あ る 。
多 様 な 関 心 に 合 わ せ よ う と して 、 浅 く広 く、雑 多 な 内 容 を 組 み 合 わ せ た 、 い わ ゆ る『 ご っ
た 煮 プ ロ グ ラ ム 1も 見 られ る が 、 そ れ で は 十 分 な 認 識 が 得 られ に く い 。 一 つ の 問 題 を 掘 り
下 げ な が ら、 他 の 問 題 と の 関 連 が 見 え る よ う に す る と い っ た プ ロ グ ラ ム の 工 夫 が 必 要 で あ
る 。 多 様 な 生 活 習 慣 を 背 負 っ た 成 人 の 学 習 は 、 ひ と り ひ と りが 認 め られ 、 そ の 経 験 が 生 か
さ れ る よ う に す る た め に 、 少 人 数 学 習 を 原 則 と す べ き で あ り、 テ ー マ の 異 な っ た 多 く の コ
ー ス が 用 意 さ れ る こ と が 望 ま れ る 。 そ う す れ ば 、 講 師 な し の 共 同 学 習 も組 み 入 れ る こ と に
よ っ て 、 こ の 問 題 は 克 服 で き る で あ ろ う。
現 代 的 課 題 の学 習 に お い て は 、 歴 史 的 な把 握 が 市 要 に な る。 現 代 の課 題 は歴 史 的 に規 定
さ れ て い る の で あ り、 真 の 理 解 に は 、 時 間 的 流 れ と 関 連 づ け る こ と が 必 要 で あ る 。 学 校 教
育 に お い て 現 代 史 の 学 習 が 十 分 と い え な い 今 日、 社 会 教 育 で こ の 学 習 を 章 視 しな け れ ば な
―-43-―
ら な い 。 ま た 、 社 会 の 歴 史 と 成 人 の 人 生 史 と を 重 ね る こ と に よ っ て 、 学 習 意 欲 と理 解 も促
進 さ れ る の で あ る 。 空 間 的 把 握 は 経 験 に よ っ て も可 能 な 面 も あ る が 、 時 間 的 把 握 に は 学 習
が 欠 か せ な い の で あ る。
現 代 的 課 題 を 地 域 の 課 題 と重 ね て 考 え る こ と も、 学 習 を 進 め る こ と に な る 。 地 域 の 問 題
は 、 今 日 で は 孤 立 して 存 在 す る こ と は 少 な く、 広 い 社 会 の 影 響 の も と に あ る の で あ る 。 広
い 社 会 の 問 題 を 具 体 的 に 把 握 す る た め に も、 地 域 の 課 題 を と り あ げ る こ と に 意 味 が あ る の
で あ る 。 こ れ ら の 問 題 に つ い て 、 各 行 政 部 局 が 資 料 を 持 っ て い る こ と も 多 く、 そ れ ぞ れ の
担 当 者 を 学 習 資 料 提 供 者 と して 活 用 で き る し くみ も検 討 さ れ る べ き で あ る 。
5
生 涯 学 習 の課 題
生 涯 学 習 は 、 よ く『 い つ で も、 だ れ で も、 ど こ で も』 行 わ れ る べ き も の で あ る と い わ れ
る ∩ 確 か に そ う で あ る が 、 同 時 に 、 「 だ れ の た め 、 何 の た め 』 と特 に 章 点 を 置 くべ き と こ
ろ を 明 らか に しな け れ ば な ら な い 、 す べ て の 人 の も の と な る た め に は 、 こ れ ま で 社 会 的 に
不 利 益 状 態 に 置 か れ た 人 の 学 習 が 大 切 に さ れ 、 生 活 を よ い も の に す る現 代 的 課 題 へ の と り
くみ が 重 視 さ れ な け れ ば な ら な い っ そ して 、 こ の よ う な 現 代 的 課 題 の 学 習 は 、 現 実 の 生 活
に 即 して 行 わ れ る 必 要 が あ る と と も に 、 問 題 の 複 合 性 か ら も、 場 あ た り 的 に で な く、 計 画
性 ・ 体 系 性 を も っ て 行 わ れ る こ と が 市 要 で あ る 。 そ の た め に も、 公 民 館 等 社 会 教 育 機 関 が 、
学 校 や 大 学 な ど と も連 携 しな が ら、 学 習 機 会 の 充 実 に 努 め る こ と が 望 ま れ る の で あ る 。
(注
)国
の 生 涯 学 習 審 議 会 答 中 で は 、 現 代 的 課 題 と して 、生 命 、 健 康 、 人 権 、豊 か な 人 間
性 、 家 庭 ・ 家 族 、 消 費 者 問題 、地 域 の 連 帯 、 ま ち づ く り、 交 通 問 題 、 高 齢 化 社 会 、
男 女 共 同参 画 型 社 会 な ど 19項 日 を 例 示
(う れ し の 台
―-44-―
72号
よ り)
由本
族
家庭 問題 を考 え る
神戸大学
教
授
鈴木 正幸
家 族 を も っ て サ ル か ら人 間 が 生 ま れ た
人類 進 化 の 歴 史 を た ど っ て み る と、 人類 は 、 サ ル の 一 族 か ら分 か れ て 発 展 して きた と い
わ れ る。 五 百 万 年 か 、 六 百 万 年 前 の こ とで あ る と い わ れ て い る。 そ れ ま で は サ ル が あ らゆ
る動 物 の 中 で 、 最 も高 等 な 存 在 で あ っ た 。 脳 の は た ら き も他 の 動 物 と違 っ て 、 優 れ て い た
わ け で あ る。 サ ル は 森 を す み か に して 、 そ の 優 れ た 能 力 を 発 揮 させ て い た わ け で あ る。 だ
か ら、 人 間 も基 本 的 に は 、 森 か ら生 ま れ て きた と い わ れ る の で あ る。 森 の 中 、 つ ま り、樹
卜で生 活 して い るサ ル と人 間 と の 違 い は 大 き く方、た つ の 違 い で 説 明 され る。
ひ と つ は 、二 本 足 で 歩 く こ と に な っ た と い う こ とで あ る。 つ ま り、 樹 卜生 活 か ら地 L生
活 に 移 っ た わ け で あ る。 樹 の 卜で は 、 両 手 両 足 を 使 っ た 四 本 足 で 活 動 しな い と行 動 が 十 分
で は な い。 そ れ が 、垂 直 に 足 だ け で 立 っ て 歩 くよ うに な っ て 来 た 時 か ら、 そ の 頂 卜に の る
頭 の 大 き さが サ ル よ り も重 くな っ て も維 持 で き る よ うに な っ た の で あ る∩重 い もの を 横 の
形 で 支 え る の は 大 変 で あ るが 、 背 骨 の Lの 垂 直 の 関係 で 支 え る と、 容 易 で あ る。 そ して 、
一 方 あ ま っ た二 本 の 手 を 動 か す こ と に よ っ て 脳 を 活 性 化 させ る役 害Jも 生 じた 。 この 両 面 か
ら人 間 は サ ル よ り も さ らに 高 等 な 動 物 に な っ た の で あ る。 つ ま り、 脳 の 働 きが よ り活 発 に
な っ た と い う こ とで あ る。
も うひ と つ の 大 き な 特 徴 が あ る と い う。 河 合 雅 雄 先 生 は 次 の よ うに い っ て い る。
『 私 は 人 類 進 化 の 問題 を や っ て い ま す が 、 家 族 とは 何 か と い う の が 私 の 一 番 大 き な テ ー
マ で す 。 なぜ か と 申 します と、 猿 の 社 会 、 チ ンパ ン ジ ー 、 ゴ リラ、 ニ ホ ンザ ル の 社 会
を 綿 密 に 調 べ て み る と、 家 族 と い う社 会 単位 が な い の で す 。 結 論 だ け 申 します と、 猿
が 進 化 して 人 間 に な る と き、 高 等 な 猿 の 中 で 家 族 と い う集 団 を 持 つ 猿 が あ らわ れ た 。
そ の 猿 を 、 “ヒ ト'と 呼 ん だ らい い と思 っ て い る の で す 。 つ ま り、 家 族 は 、 サ ル を ヒ
トに進 化 させ た一 番 の 大 き な も と な の だ 。 人 間 を 人 間 た ら しめ る一 番 の 根 本 は 、 家 族
と い う も の だ と思 っ て い ま す 』
(『 ひ ょ う ご の こ ころ 14・ 兵 庫 県 青 少 年 本 部
平 成 3年
27ペ
ー ジ)
人 間 が 人 間 た る ゆ え ん は 、 家 族 の 存 在 に よ る と い う こ とで あ る。 今 年 は き し く も、 国 際
家 族 年 で あ る。 国連 総 会 で も っ て 、 子 ど も達 の 成 長 発 達 に お け る家 族 の 役 割 を地 球 規 模 で
見 な お そ う と決 議 され た の で あ る。 家 族 の 機 能 が 不 十 分 で あ る の は 、 な に も開 発 途 上 国 だ
け の 問題 で は な い 。 先 進 諸 国 に お い て も、 家 族 の 形 態 が 変 容 した り、破 壊 され た りす る傾
向 は 多 く見 られ る∩ そ の 中 で 、 子 ど も達 が ど の よ うな環 境 で 育 て られ る べ きか 、 と い う問
題 が 今 日的課 題 で あ る。
さ らに今 年 は 、 『 子 ど もの 権 利 条 約 iを 批 准 す る こ とが で きた 。 この 権 利 条 約 の 基 本 概
念 も、 子 ど もは 親 の も とで 育 て られ る と い う、 こ の 家 族 の あ り方 を 再 確 認 す る と い う こ と
に な っ た 。 『 子 ど も の 権 利 条 約 1も 開発 途 L国 だ け の 問 題 で は な い こ とは い うまで もな い
こ とで あ る。
―-45-―
か し こい 子 ど もは 家 庭 で 育 つ
か し こい子 ど もを 育 て よ う と思 わ な い 親 は い な い で あ ろ う∩ しか し、 そ こで い う「 か し
こい Jと は 何 か を 根 本 か ら問 い 直 さ な くて は な らな い の が 、 今 日的 課 題 と い え よ う。 今 、
学 校 教 育 を 根 本 か ら変 革 しよ う と して 、 多 くの 努 力 が な され て い る。 「 真 の 学 力 観 lと は
何 か の 問題 と 関 わ り合 い な が ら、 論 を進 め て い きた ぃ 。
今 年 の 二 月 に『 続 西 宮 市 戦 後 教 育 史 』 が 刊 行 され た 。 そ の 編 集 に 関 わ っ た一 人 と して 、
か つ て 西 宮 で 行 わ れ た 教 育 実 践 の ひ と つ を 紹 介 した い。
西 宮 市 で は 、 昭和 三 十 年 代 の 終 わ りか ら、 四 十 年 に か けて 、 「 教 育 正 常 化 運 動 1と い う
の が 行 わ れ た ∩ 時 の 教 育 長 、 刀 祢 館 正 也 は 三 十 三 歳 で 教 育 長 に 就 任 し (昭 和 38年 )、 当 時
の 学 校 教 育 の あ り方 を 見 て 、 大 革 新 を と げ よ う と努 力 した 。年 々 激 化 の 一 途 を た ど る進 学
競 争 、 息 の つ ま るテ ス ト体 制 、 塾 等 の 驚 くべ き 別勉 の 大 流 行 な ど、 きわ め て 憂 慮 す べ き事
態 に お い て 、 本 来 、 学 校 で 行 わ れ る べ き学 習 が 大 幅 に 家 庭 に持 ち 帰 られ 、 反 面 、 家 庭 が 分
担 しな くて は な らな い 躾 け等 の 課 題 が 学 校 に 押 し返 され て い る と い う。 そ の 混 乱 が こ と の
基 本 で あ る と と らえ た 彼 は 、 家 庭 と学 校 の 役 割 を も う一 度 問 い 返 し、 ラ ン ドセ ル の な い通
学 と い う当 時 と して は 、 きわ め て 大 胆 な教 育 実 践 を 強 硬 に 行 な い 出 した 含 子 ど も達 の 豊 か
な 情 操 を 大 切 に し、 柔 軟 な 思 考 力 を 育 て 、 た くま しい 自 主 性 こそ が 、 教 育 の 基 本 で あ る と
い う彼 の 主 張 は 、 何 と も今 日的 な 課 題 で は な か ろ うか 。 この 教 育 運 動 は 、 全 国 的 に も反 響
を 呼 ん だ 。結 果 的 に は 、 短 期 間 で 挫 折 の 憂 き 日 を み る の で あ るが 、 彼 の 教 育 改 革 お よ び教
育 実 践 は 、 今 日 の 教 育 改 革 に重 要 な 示 唆 を 与 え て くれ る と私 は 考 え る。
ラ ン ドセ ル の な い 学 校 は 、 ア メ リカ や ヨー ロ ッパ で は 実 は 常 識 で あ る。 ラ ン ドセ ル が な
い と い う こ とは 、 家 庭 で は 学 校 の 勉 強 を しな くて よ い と い う こ とで あ る。 学 校 は 勉 強 す る
所 、 同 じ勉 強 を 家 庭 で さ らに 課 す べ きで は な い と い う当然 の 事 柄 な の で あ る。 今 、 私 達 が
本 来 、 家 庭 で な され な けれ ば な らな い 多 くの 事 柄 を 学 校 に依 存 した り、 ま た 、地 域 の 教 育
力 と して 子 ど も達 を 育 て て い た 大 切 な力 が な くな っ て い る と い う こ とに 再 び注 目 して 、 こ
の た び の 教 育 改 革 を よ り成 果 の あ る もの に しな くて は い け な い と考 え て い る 。
3
『 知 る』 か ら『 分 か る 』 の 教 育
(F司
(知
)
る )→ → ⇔ → → → → → (分 か る )
私 は 近 年 、 『 知 るか ら分 か る へ の 教 育 学 1と
い う言 葉 で この 新 し い学 力 に 基 づ く教 育 改 革 を
説 明 して い る。 学 校 の 教 育 は 知 識 の 伝 授 を 中心
と し、 そ れ が ど の 程 度 浸 透 した か を 測 る こ とで
点 数 を つ けて い た と い っ て も過 言 で は な い 。 基
礎 、 基 本 と して の 知 識 が ど の よ うに 用 い られ 、
生 き る力 、 考 え る力 と な っ て い くか が これ か ら
の 学 力 を 支 え る もの で あ る。
原
教授活動
知 識 の 伝授
→ 体→
一 斉指導
験
教 授者 主 体
→
― ↑↓―
点数による測定可
豊かな感性
学
び
学習活動
問題 解 決
個 別学 習
点数による測定不可
これ を 簡 単 な 図 で 示 す
¨
¨
「 喜び」を伴う
右
山
序
﹄
山
序
ル
左
伴
―-46-―
︼
¨
)
書
一
︱
「 中等 教 育 資 料 J文 部 省 (平 成 6年 2月 号 H頁
鈴 木 正 幸「 現 代 に お け る感 性 の 意 義 J
知 っ て い て も分 か っ て い な か っ た と い う話 を 私 は 、 私 自身 の 次 の よ う な 小 さ な エ ピ ソ ー
ドで 説 明 す る こ と に して い る 。 そ れ は 、 小 学 校 二 、 三 年 生 の 頃 、 田 舎 暮 ら し の 私 の 家 の 庭
に 大 き な ヤ マ モ モ の 本 が あ り 、 そ の 熟 した 実 が 当 時 の 子 ど も達 の 責 市 な お や つ で あ っ た 時
の こ と で あ る 。 枝 ぶ り の い い と こ ろ に 蜂 の 巣 が か か っ て お り、 こ わ くて 皆 近 寄 ら な い 。 何
か の 本 の 知 識 で 、 蜂 は こ ち らが 攻 撃 し な け れ ば 、 刺 して こ な い と い う こ と を 知 っ て い た 私
は 、 こわ ごわ 近 づ い て い った が 、 本 当 に刺 され な か った 、 そ れ を 良 い こ と に 、 ヤ マ モ モ の
タ ネ を 蜂 の 巣 に 向 か っ て 投 げ て み た 。 そ の 瞬 間 、 蜂 が 私 に襲 い か か り、 数 ケ 所 刺 さ れ た 。
木 の Lゆ え 逃 れ る こ と もで き な い 。 こ の 時 、 は っ き り と 、 本 に 書 い て あ っ た こ と は 本 当 で
あ っ た と い う こ と が 、 私 の 中 で 分 か っ た の で あ る 。 こ こ で 分 か っ た 失 敗 は 、 三 度 と 繰 り返
す こ とは な い。
つ ま り、 知 っ て い て も、 行 動 を 律 す る 力 に な っ て い な か っ た の で あ り、 分 か っ て こ そ 初
め て 我 々 の 生 き る 力 と な る と い うわ け で あ る n「 知 る
1か
ら「 分 か る
1へ
の大 きな臨 界 期
的 な 原 体 験 で あ る ∩ こ こ に 至 る に は 実 は 図 に 示 した よ う に 、 体 験 を 通 して こ そ 生 じ る 結 果
で あ る 。 臨 床 の 知 と か 、 臨 床 の 教 育 学 と い わ れ る よ う に 、 左 岸 か ら右 岸 に 移 る に あ た っ て
は 、 こ の 体 験 を 経 過 す る 真 ん 中 の 障 害 を 越 え な くて は い け な い の で あ る 。 誰 で も こ の よ う
な 思 い は い く つ か あ る と思 う。 しか し、 そ ん な に た く さ ん あ る も の で は な い 。 そ れ を 臨 界
期 的 原 体 験 と い う こ と も で き る の で は な か ろ うか と 考 え て い る 。
これ ま で 私 達 が 学 校 で 教 え られ て い た 学 力 と い う も の は 、 左 岸 だ け で も っ て 完 結 し う る
も の で な か っ た だ ろ う か っ こ れ を 『 教 え `1と い う な らば 、 右 岸 は 「 学 び
│の 活 動 で あ る 。
学 び の 活 動 は 、 実 は 、 問 題 発 見 を も学 習 者 の 側 に 委 ね る こ と が 理 想 で あ る 。 つ ま り、 何 を
学 び た い か 、 何 を学 ぶ 必 要 が あ る か と い う こ との 両 面 の 意 味 を持 って い る。 皆 が一 斉 に 同
じ こ と を 同 じス ピ ー ドで 学 ん で い く と い う こ と は 、 有 岸 の 課 題 と は 別 問 題 な の で あ る 。 学
び た い も の を 持 ち 、 自 ら の 課 題 意 識 に 基 づ い て 探 求 し、 さ ら に 検 討 し、 結 論 を 導 い て い く
過 程 は 、 学 び の 喜 び を 生 み 出 す も の で あ る 。 左 岸 は 一 言 で い う な らば 『 や ら さ れ 』 の 勉 強
で あ る 。 「 や ら さ れ 1の 勉 強 は 、 そ の 行 為 か ら 脱 却 した く な る も の で あ る 。 大 学 へ 入 る ま
で 苦 し い 勉 強 で も頑 張 れ ば と い っ て 押 し付 け られ た 勉 強 が 、 今 日 の 受 験 勉 強 で は な い だ ろ
うか ∩
こ う して み る と 学 校 教 育 は 、 勉 強 嫌 い を た く さ ん つ く り だ して い る と い う こ と に も な り
か ね な い 。 本 来 、 学 校 は 、 学 ぶ 喜 び を 会 得 した 者 達 を た く さ ん 生 み 出 す べ き 所 で あ る 。 そ
して 、 形 式 的 意 図 的 学 校 教 育 が 終 わ っ て も、 自 ら が 生 涯 を 通 して 学 び 続 け る こ と の で き る
者 が い て こそ 、 生 汗 学 習 時 代 が到 来 す る の で あ る。 今 日の学 校 教 育 の 改 革 の 必 要 性 は 、 実
は この と こ ろ に存 在 す る と い って もよ い 。
家庭 の 中 で の留 意 点
こ の よ うな 意 味 合 い か ら い っ て 、 学 習 は 決 して 学 校 独 自 の も の で は な い ∩ 毎 日 の 生 活 の
中 に こそ 、 そ の 営 み が 問 わ れ る の で あ る∩ 興 味 関心 を豊 か に 持 ち 、 つ ま り好 奇 心 を 大 切 に
し、 日々 の 生 活 で 触 れ 合 う もの 、 人 、 こ と、 す べ て が 学 習 の 条 件 を 生 み 出 し、 そ の 環 境 と
な る の で あ る。 事 例 を い くつ か 不 そ う。
私 の 大 学 の ビア ノ科 に進 ん だ あ る学 生 の 話 で あ る∩ 両 親 は 、 音 楽 に 関係 の あ る人 で は な
―-47-―
か っ た が 、 毎 朝 、 朝 食 時 に 父 親 が ク ラ シ ッ ク 音 楽 の CDを 流 して い た と い う。 朝 の ひ と と
き の 食 事 や 出 勤 支 度 の 時 間 に 流 れ る ク ラ シ ッ ク 音 楽 が 、 こ の 子 ど も に も大 き な 影 響 を 与 え
た の で あ る 。 今 週 は モ ー ツ ア ル トを 連 続 に と か 、 次 の 週 は ベ ー トー ベ ン を 連 続 に 聴 く と い
う よ う に 、 音 楽 の 環 境 が 自 然 に 、 そ して 無 意 識 の う ち に こ の 子 を ピ ア ノ の 道 を 歩 ま せ る こ
と に な っ た の だ と思 う。
先 年 、 ヨ ー ロ ッパ で 家 庭 で 使 う タ オ ル の 絵 柄 に 見事 な ピ カ ソ の 絵 が 描 か れ て い る の を み
つ け た 。 買 い 求 め て き た の で あ る が 、 そ れ で 手 を 劣、い た りす る の が 惜 し い ほ ど の 作 品 で あ
る 。 しか し、 家 庭 の 中 で そ の よ う な 美 的 環 境 が 身 近 に あ 方、れ て い る と い う こ と が 大 き な 意
味 を 持 つ で あ ろ う。 ジ ュ ー ス や 牛 孝Lを 飲 む コ ー ス タ ー が 、 モ ネ や ル ノ ア ー ル の 名 作 で あ っ
た と し よ う。 (実 は こ れ は 美 術 館 の み や げ も の と して た く さ ん 売 られ て い る )毎 日 そ れ を
眺 め て い る こ と は 、 お そ ら く大 変 大 き な 違 い を 生 み 出 す と思 う の で あ る 。
ど こ の 家 庭 に も辞 書 だ け は 、 い く つ か の 種 類 を 茶 の 間 で もす ぐ 引 け る よ う に 用 意 した い
も の で あ る 。 『 こ の 漢 字 は 正 し い だ ろ うか
1な ど と い う の を 、 小 学 生 も 弓!き や す い 国 語 辞
典 を 身 近 に 置 い て お く と 、 簡 単 に そ れ で 調 べ る こ と が で き る 。 日頃 、 使 い 慣 れ る こ と が 大
切 で あ る 。 少 し分 か ら な い こ と は 、 直 ち に 調 べ る こ と を さ せ る 。 調 べ る た め の 図 鑑 類 な ど
も十 分 に 買 い 揃 え て お く こ と が 大 切 で あ る 。
新 し い 学 力 観 が 叫 ば れ て 久 し い ∩ しか し、 現 実 に は ど うで あ ろ うか 。 学 校 側 が ど ん な 新
教 育 に 基 づ く教 育 改 革 を して も、 親 が 依 然 と して 古 い 体 質 で 子 ど も を 見 、 学 力 を 考 え て い
る な ら ば 、 今 回 の 改 革 は 水 泡 に 帰 す と い え よ っ。
子 ど も達 自 らが 内 面 的 に 判 断 し、 主 体 的 に 思 考 す る 態 度 こ そ が 最 も章 要 で あ る ∩ 私 は こ
れ を 『 内 な る も の さ し』 を つ く る 、 と い う言 葉 で あ らわ して い る 。 自然 と の 触 れ 合 い 、 豊
か な 対 人 関 係 、 ひ と こ と で い う な ら ば 、 古 き 良 き 時 代 の 地 域 の 教 育 力 を 再 び 取 り戻 す と い
う こ と が 、 そ の た め に 最 も意 味 の あ る こ と な の で あ る 。 学 校 週 五 日制 も近 々 実 現 す る で あ
ろ う。 子 ど も や 親 に と っ て 豊 か な 感 性 を 担 う環 境 づ く り に こ れ か ら の 家 庭 や 地 域 の あ り 方
が 最 も大 き な 役 割 を 持 つ も の で あ る 。
(う れ し の 台
―-48-―
73号
よ り)
地域づ (
・ ま ち づ ( り と学 び
広 島 大 学 助 教 授 土井 利 樹
は じめ に
:学
びは心 の た め だ けで は な い
生 涯 学 習 と い え ば 、 多 くの 人 は た ち ま ち「 生 きが い 」 を連 想 して しま うほ ど我 国 の 生 汗
学 習 論 は「 生 きが い論 」 一 辺 倒 で あ っ た 。 確 か に「 生 きが い論 」 は生 涯 学 習 の 中核 的 な 課
題 で あ るが 、 我 々 が生 涯 を通 して 学 ぼ う とす る の は 単 に「 生 きが い Jの た め だ けで な い 。
そ れ は 、 子 ど も達 の 教 育・学 校 を考 え て み れ ば よ い。 我 々 が 子 ど も達 を 学 校 に や る の は 、
単 に豊 か な心 、 人 間 ら し く生 き る心 を 育 て るた め だ け で は な いぅ 社 会 人 と して 、 職 業 人 と
して 時 代 ・ 社 会 を生 き抜 く力 を 育 て る た め に 、 学 び を す る の も大 き な そ の 願 い で あ る。 同
様 に 、 生 汗 学 習 も「 よ り 自分 ら し く 。人 間 ら し くJ生 き る の を 支 え る「 生 きが い の 形 成 」
を 支 え る と 同 時 に 、 時 代 の 変 化 の 中 で「 よ り豊 か に 生 き残 り、 共 に 生 きて い く」 力 を 育 て
る の を 支 え る こ と も生 涯 学 習 の 重 要 な 課 題 な の で あ る。 す な わ ち 、「 学 ぶ Jの は 単 に 豊 か
な心 を 育 て る だ け で な く、安 定 して 人 間 ら し く生 き られ る力 を 育 て るた め で もあ る の で あ
る。 さ らに 、 真 に 豊 か に 生 きて い くた め に は 個 人 の 精 神 レベ ル の 豊 か さだ けで な く、 安 心
して 暮 らせ る地 域 社 会 の 生 活 シ ス テ ム の 確 立 、 地 域 の 経 済 基 盤 の 強 化 な ど生 活 レベ ル で の
現 実 的 な豊 か さや 社 会 的 視 野 に立 つ 豊 か さが 求 め られ 始 め て い る。 そ の よ うな 生 活 の 基 盤
を 確 立 して い くた め の 学 習 も 立派 な 生 涯 学 習 で あ る と考 え な けれ ば な らな い。 平 成 4年 の
生 涯 学 習 審 議 会 答 中 の 最 大 の 功 績 も「 生 きが い論 J一 辺 倒 の 生 涯 学 習 論 を よ り多様 な 学 習
活 動 、 「 生 きが い 」 と い う個 人 の 心 の 次 元 か ら「 リカ レ ン ト教 育 」 と い う現 実 的 な力 量 の
形 成 に ま で 拡 げ た だ け で な く、 「 福 祉 社 会 の 実 現 Jや 「 人 間共 存 の た め の 課 題 」 等 、 生 涯
学 習 の 課 題 を 人 間 や 地 域 社 会 の「 生 き残 り」 や「 共 存 ・ 共 栄 」 と い う社 会 的 次 元 で の 心 や
力 に ま で 拡 げ た こ と に あ る と考 え る。 す な わ ち、 学 び は 個 人 に あ っ て も、地 域 社 会 に あ っ
て も、心 も力 も豊 か に して い くた め の 《魔 法 の 杖 )に な らな くて は な らな い の で あ る。
そ の 意 味 で 、今 求 め られ る学 び は 次 の よ うに 図示 で き る合
′
い
共 存・ 優 しさ
郷 十愛
_―
調
脚
生 き 力れ ヽ
脚
互助社 会
福祉
地域社会
個 人
脚
コ
基盤整備
ま ちづ く り
職業能力
力
-49-―
産業
地 域 づ く り 。ま ち づ く り と は
地 域 づ く り 。ま ち づ く り とは 単 に施 設 を 作 っ た り、 イ ベ ン トを 育 て る こ とで は な い 。 本
当 の 地 域 づ く りは 、 そ こに 住 む 人 間 が 安 心 し、 安 定 して 暮 ら し、 地 域 に 生 き る こ と の 誇 り
と 自分 ら し く生 き られ る喜 びを 育 て る も の で な くて は な らな い 。 そ の 意 味 で 地 域 づ く り・
ま ち づ く りは 、 そ こに 暮 らす 住 人 の 生 活 づ く りあ る い は 暮 ら しや す さ の 構 築 で あ る。 そ の
よ うな地 域 づ く り 。ま ち づ く り は 、 少 な く と も次 の 三 つ の 要 件 を 整 備 す べ きで あ る。
◇基
盤
整
備 :人 間 ら しい、 安 心 して 快 適 に 暮 らす こ とが で き るた め に
◇ 地 域 能 力 独 自性 :地 域 に生 き る誇 り と喜 び を 育 て るた め に
◇ 自己実 現 の 援 助 :市 民 一 人 ひ と りが よ り 自分 ら し く生 き るた め に
一 般 行 政 レベ ルで の ま ち づ く り の 視 点 が 、 「 基 盤 整 備 の ま ち づ く りJ「 地 域 ア イ デ ィ ン
テ ィづ く りJ「 自 己実 現 の ま ち づ く りJと 移 っ て きた の も この よ うな理 由 に よ る。 実 際 ま
ち づ く りは 、 この 線 に 沿 っ て ハ ー ドを 中 心 とす る基 盤 整 備 か ら、一 人 ひ と り の 暮 ら しを豊
か に 支 え る ソ フ ト事 業 中 心 に 移 り始 め て きた 。 だ が 、 そ れ は ハ ー ドな基 盤 整 備 が も う完 了
した と い う こ とで は な い 。 む しろ 、 本 来 の 基 盤 整 備 が 進 ま な い ま ま に 、 地 域 の ア イ デ ィ ン
テ ィづ く り に 向 か っ た ま ち づ く りは 、 ご まか しが あ る と い うべ きで あ る。 道 路 、 L水 ・ 下
水 、 電 器 ・ ガ ス 、 防 災 等 と い う現 代 に あ っ て 誰 もが安 全 か つ 快 適 に 暮 ら して い く最 低 要 件
は ど の よ うな ま ちで も全 て に優 先 して 整 備 が 行 わ れ な けれ ば な らな い。 そ の 最 低 限 度 の 生
活 基 盤 を 未 整 備 の ま ま で地 域 の 独 自性 、 オ ン リー ヮ ンや ナ ンバ ー ワ ン、 あ る い は趣 向 を 凝
ら した ま ち づ く りば か りで は 、 や は り大 き な 課 題 が 残 る。 この 意 味 で 、 今 回 の 阪 神 大 震 災
は 、 余 りに も過 酷 で 多 大 な 犠 牲 を 払 っ て の ま ち づ く り の あ り 方 に 教 訓 を 残 した 。
地 域 の 独 自性 や地 域 に 暮 らす 誇 り も 自己実 現 の 援 助 も これ か らの 社 会 に あ っ て 欠 く こ と
の で き な い 課 題 で あ るが 、 そ れ は 少 な く と も人 間 が 暮 ら して い くた め の 必 要 不 可 欠 な 生 命
と安 全 ・ 健 康 の 保 持 の た め の 基 盤 整 備 の 遅 れ の 理 由 に は な らな い。
す な わ ち、 ま ち づ く り とは 、
第 一 に、 今 回 の 大 震 災 報 道 の 中 で ラ イ フ ラ イ ン と称 され た 道 路 ・ L下 水 ・ 電 気 の よ うな
基 本 的 な ハ ー ドと、 福 祉 ・ 教 育 の よ うな ソ フ トを 含 む シス テ ム を 包 括 した生 活 基 盤 の 整 備
に よ っ て 、 地 域 に暮 らす 安 心 と安 定 の メ カ ニ ズ ム を 作 る こ とで あ る。
第 二 に、 地 域 に 生 き る誇 り と よ り人 間 ら し く生 き る こ と の 豊 か さを 支 え る経 済 的 な 活 力
と、 地 域 の ア イ デ ィ ンテ ィづ く り、 自己実 現 の 援 助 シス テ ムづ く りで あ る と い うべ きで あ
ろ う∩
ま ち づ く り に お け る学 習 の 位 置
そ の よ うな ま ち づ く り の 基 本 的 な 責 務 は 行 政 に あ る。 そ の 意 味 で は 、 ま ち づ く り に あ っ
て は 行 政 職 員 が豊 か な 着 想 と実 践 力 を 持 つ こ とが 大 切 で 、 そ の た め の 彼 らの 研 鑽 と学 習 が
ま ち づ く り の 根 幹 で あ る、 しか し、 経 済 に あ っ て も、 福 祉 に あ っ て も、 コ ミュ ニ テ ィづ く
り に あ っ て も地 域 社 会 の 主 人公 は 住 民 自身 で あ り、 行 政 に だ け任 して お くわ け に は い か な
い。 実 際 、 ソ フ トを 中 心 とす る ま ち づ く り の 具 体 的 な 事 業 に あ っ て は 、 住 民 の 思 い と力 が
大 き な 意 味 を 持 つ 。 そ の た め 、 ま ち づ く り・ 地 域 づ く りで は 、 ま ず「 こん な 地 域 で あ り た
―-50-―
い 」 「 こん な 暮 ら しで あ り た い J「 こ の よ うに 生 きた い 」 と い う地 域 に 生 き る夢 と力 を 持
つ 住 民 を 育 て る こ とが 肝 要 で あ ろ う∩ 地 域 に 暮 らす 夢 を 持 ち、 そ の 夢 を 実 現 させ る力 を 持
つ 人 を 育 て る こ とが 、 ま ち づ く りに お け る学 習 の 基 本 的 な ポ ジ シ ョ ンで あ ろ う。
多 くの ま ち づ く り の 優 れ た 事 例 の 出発 点 は 、 そ の 発 想 と 人 に あ る と い っ て も過 言 で は な
い し、 発 想 と 人 は 学 ぶ こ とで豊 か に な り、学 び を 通 して 夢 と力 を 育 て て い る の で あ る。
例 え ば 、 じゃが い も の 生 産 で 農 業 で 生 き残 っ て い る長 崎 県 南 串 山 町 、 全 住 民 の 健 康 カ ル
テ づ く り と健 康 教 育 で 健 康 で 住 み や す い ま ち づ く りを す る岩 手 県 沢 内村 、 公 立 病 院 と 自治
体 健 康 管 理 セ ン タ ー が一 体 に な っ て 住 民 の 健 康 づ く り と地 域 福 祉 シ ステ ム を 作 る広 島 県 御
調 町 、 漁 業 へ の 休 日 の 導 入 や地 域 の 余 暇 シ ステ ム の 形 成 等 で 若 者 の 定 住 に成 功 し、 高 齢 化
と過 疎 化 を 克 服 す る 島 山 [1県 蓋 井 島 、地 域 の 再 発 見 と観 光 客 の ニ ー ズ の 取 り入 れ に よ る観
光 で 生 き残 る大 分 県湯 布 院 町 、 ま ち お こ しの 先 駆 北 海 道 池 田町 、 大 分 県 大 山 町 等 々 の い ず
れ もが 、 背 景 に 多 くの 地 道 な学 習 と そ の 援 助 の メ カ ニ ズ ム を 持 っ て い る こ とを 想 起 す れ ば
よ いぅ
す な わ ち、 「 生 涯 学 習 の ま ち づ く りJに あ っ て 大 切 な こ とは 、 い か に 学 習 が 盛 ん な ま ち
を 創 るか で は な く、生 活 基 盤 の 面 で も、経 済 ・ 物 質 面 で も、 精 神 面 で もそ こに 暮 らす 人 々
が 自分 の 人生 と地 域 の 暮 ら しに 充 実 感 と誇 りを持 っ て 生 きて い け る状 況 を 作 るか が 問 題 な
の で あ る。 そ れ を 学 ぶ こ とで 支 え て い こ う とす る の が「 生 涯 学 習 の ま ち づ く り」 で あ る と
考 え る。 そ の 意 味 で「 生 汗 学 習 の ま ち づ く りJは 、 生 きた 人 間 の 暮 ら しを 持 つ ま ち づ く り
の バ ッ ク ボ ー ンを 創 っ て い く こ と と考 え て よ い で あ ろ う。
ま ち づ く り を 推 進 す る Lで の 留 意 点
そ の 意 味 で は 、 ま ち づ く りは 人 育 て 、 夢 育 て で あ り、 そ の 源 が 地 域 を 挙 げ て の 学 習 と考
え れ ば よ い 。 そ れ は 次 の 4つ の 視 点 で 展 開 され 、 そ れ を 支 え る メ カ ニ ズ ム の 整 備 が 行 政 に
求 め られ る。
(1)地 域 に 生 き る誇 り と喜 び 、 も っ と素 敵 な 地 域 で あ りた い と願 い 、 そ れ を 実 行 に 移 す
力 を持 っ た 住 民 を 育 て る こ と
(2)地 域 で の 暮 ら しが 生 きて い て よ か っ た と思 え る状 況 、 す な わ ち一 人 ひ と りの 生 きが
い に結 ぶ 活 動 と シス テ ム を 育 て る こ と
(3)地 域 の 生 き残 り の た め の 夢 と力 量 を 育 て る こ と
(4)共 に 認 め 合 い 、 支 え 合 っ て 人 間 の 共 存 を 可 能 に す る力 と心 を 育 て る こ と
この よ うな ま ち づ く り に 取 り組 む に 当 た っ て 留 意 す べ き は 、 次 の 諸 点 で あ ろ う。
(1)ま ち づ く り 。地 域 づ く り意 識 の 形 成
本 稿 の 「 ま ち づ く り 。地 域 づ く り とは Jの 項 で 指 摘 した よ うに、 ま ち づ く りを 単 な
る イ ベ ン トや ソ フ トの な い施 設 づ く り に 終 わ らせ な い こ とで あ る。 ど こに 住 ん で も安
心 し、 安 定 して 暮 らせ る生 活 基 盤 づ く り の Lに 、 地 域 の 独 自性 や 特 徴 を生 か した イ ベ
ン トや 豊 か な ソ フ トを 持 つ 施 設 ・ 地 域 経 営 で 、 地 域 に 生 き る誇 り と喜 び を 育 て る と い
う視 点 と実 行 力 が 、 行 政 に も住 民 に も求 め られ る。
(2)ま
ち づ く り計 画 と生 涯 学 習 計 画 の 現 実 的 連 携
-51-
ま ち づ く り を 行 政 の も の だ け で な く、 住 民 を そ の 中 心 に 据 え て 行 う た め に は 、 住 民
の 力 と心 を 豊 か に す る 学 習 シ ス テ ム の 整 備 は 不 可 欠 で あ る 。 そ の 際 、 住 民 の 学 習 を 生
き が い だ け に 閉 じ込 め な い で 、 地 域 社 会 の 生 き 残 り と 人 間 共 存 の メ カ ニ ズ ム を 支 え る
tす な わ ち 社 会 的 視 点 で の )学 習 に 繋 げ る こ と が 肝 要 で あ る 。
そ の た め に は 、 学 習 援 助 を 教 育 委 員 会 だ け に 任 す の で な く、 農 林 行 政 、 通 産 行 政 、
厚 生 ・ 福 祉 行 政 等 一 般 行 政 で も 多様 な 学 習 援 助 の メ カ ニ ズ ム を 抱 え 、 そ れ が 地 域 づ く
り に 大 き く貢 献 して い る こ と を 行 政 自身 が 認 識 し、 ま ち づ く り計 画 に 基 づ く総 合 的 で
現 実 的 な生 汗 学 習 の推 進 計 画 を整 備 す べ きで あ る。 そ の 際 、章 要 な こ とは そ の計 画 の
中 に 各 行 政 部 局 が 「 こ の 学 習 援 助 は 自分 の 担 当 部 局 が 責 任 を 持 つ 部 分 で あ る Jと い え
る 部 分 を き ち ん と 書 き 込 む こ と で あ る 。 多 くが 失 敗 す る の は 総 合 的 な 計 画 で 、 全 行 政
を 挙 げ て 運 営 す る と い い な が ら、 現 実 に は 教 育 委 員 会 しか 関 与 で き な い 計 画 に して し
ま う と こが 問題 な の で あ る。
(3)行
政 職 員 の意 識・ 認 識
最 後 は 、 行 政 職 員 の 意 識 の 問 題 が あ る 。 行 政 職 員 に 住 民 へ の 学 習 援 助 は「 ま ち づ く
り 。地 域 づ く り Jに と っ て 最 強 の 武 器 で あ る こ と を 徹 底 して 認 識 さ せ る こ と で あ る ∩
こ こ で は 、 学 習 そ の も の が そ の 事 業 の 日 的 で は な くて も、 そ の 事 業 の 遂 行 に あ た り関
係 者 が学 習 を行 う こ と を期 待 す る もの す べ て は 、 地 域 づ く りや 生 活 づ く りに 関 連 す る
生 涯 学 習 で あ る と い う基 本 的 な 考 え 方 が 重 要 で あ る 。 行 政 各 課 が 行 う住 民 に 対 す る 直
接 的 な 学 習 援 助 事 業 だ け で な く、 各 課 が 把 握 す る 各 種 の 審 議 会 や 民 間 の 関 係 団 体 の 活
動 の 多 く は 、 学 習 を ベ ー ス に 活 動 を 展 開 して い る こ と を 行 政 職 員 は 理 解 す べ き で あ ろ
う。 ま た 、 職 員 自身 が 住 民 の 学 習 と地 域 づ く り の 関 連 や 自 ら の 職 務 と 住 民 の 学 習 活 動
の 関 係 を 説 明 で き る だ け で な く、 関 市 の よ う に 全 て の 行 政 部 局 が 、 自 ら の 専 門 知 識 を
持 って 、 住 民 の 中 へ学 習 を 出 前 で き る よ うに な れ ば 、 ま ちづ く りを学 び に よ って 支 え
て い く こ と が や が て 本 物 に な ろ う。
(う れ し の 台
―-52-―
74号
よ り)
題
問
と
・
.
境
環
し
位働 水
の
ナ
る
こ
お
わ︵
震
一
環熟
L C
災
壺辰
関西 大 学
教
授
和 田安 彦
は じめ に
1月
17日
の 阪 神 大 震 災 で は 、 最 近 の 都 市 に 起 こ っ た 災 害 と して は 最 大 級 の 被 害 が 発 生
5, 493人 、 全 半 壊 した り火 災 で 全 半 焼 した の は 、 兵 庫 県 内
帯 に の ぼ る (3月 21日 現 在 )。 今 回 の 大 震 災 で 被 害 を 受 け られ た 方
した 。 地 震 に よ る死 者 は 計
で
266, 537世
々 、亡 くな られ,た な々 に対 して 、心 か らお 見 舞 い 中 し Lげ ま す 。
この 大 震 災 を 通 して 、 私 達 は 、 都 市 が い か に 自然 災 害 に 対 して 脆 弱 で あ るか を 知 り、 利
便 性 に 満 ちた 我 々 の 生 活 が 、わ ず か 1分 に 満 た な い地 震 に よ っ て 破 壊 され た ば か りで な く、
多 くの 生 命 と貴 童 な 資 産 を 失 っ て しま っ た 合
震 災 を 環 境 問 題 の 視 点 か らみ る と、地 震 か ら発 生 した 様 々 な 問 題 、 た とえ ば 焼 失 、 全 半
壊 した 家 屋 や ビル か ら発 生 す る ガ レキ や 各 種 の ごみ の 処 理 ・ 処 分 問 題 、 全 半 壊 した 建 物 を
撤 去 す る際 に 発 生 す る ア ス ベ ス ト、 廃 家 電 製 品 か ら発 生 す る フ ロ ン、 液 状 化 現 象 、 L下 水
道 施 設 ・ 機 能 の 損 傷 ・ マ ヒ、 電 気 ・ ガ ス 等 エ ネ ル ギ ー 供 給 機 能 の マ ヒ、 交 通 渋 滞 な ど、 ど
れ も深 亥Jな 環 境 問 題 で あ る。 これ ら の 多 くの 問 題 に つ い て 現 在 調 査 中 の 段 階 で あ り、 ま だ
そ の 状 況 や 今 後 の 対 策 は あ き らか で な いが 、 こ こで は 、 水 の 問 題 に しぼ っ て 若 干 の 考 察 を
行 い た い。
2
地震 の際 の水 問題
今 回 の 地 震 に よ る水 問 題 に 関 す る第 一 は 、 断 水 の た め に 消 火 活 動 に 非 常 に 手 間 ど っ た こ
とで あ る。 た とえ ば 、 木 造 家 屋 が 多 い長 田 区 で は 、 地 震 に よ る倒 壊 で 火 災 が 発 生 し、 須 磨
区 を 経 て 西 へ と広 が っ て い っ た 。 こ の 火 災 に 対 して 、 防 火用 水 は 30分 で 底 を つ き、 大 規
模 な 広 が りを み せ る 火 災 を 食 い 止 め る に は 、 大 量 の 水 源 を 確 保 す る必 要 に 迫 られ た 。 この
火 災 は 、 最 終 的 に は 海 か ら水 を 利 用 す る以 外 に 方法 が な い とい う判 断 か ら、 全 国約 100
の 消 防 本 部 に よ る広 域 応 援 に よ っ て 消 防 車 を 連 結 し、 約 2km離 れ た 海 か ら の 水 を 利 用 す
る こ とに よ っ て 消 火 が 行 わ れ た 。 ホ ー ス 先 に 消 火 用 水 が 届 くま で に は 困難 を 極 め 、 火 災 は
18日
未 明 ま で か か っ て よ うや く消 し :Lめ られ た 。 この 消 火 活 動 で は 、 使 用 した 大 量 の ホ
ー ス の 約 1/3が 一 晩 で 損 傷 す る ほ ど交 通 渋 滞 に よ る 車 両 妨 害 を 受 け、 消 火 活 動 が いか に
困難 で あ っ た か を 示 す もの とな っ て い る。 消 火 用 水 に は 海 水 以 外 に も河 川 、 プ ール 、 工 業
用 水 も使 わ れ た が 、火 災 の 大 き さか らみ る と必 ず し もそ れ らで 十 分 機 能 した とは 言 え な い 。
第 二 の 問題 は 、 断 水 して しま っ た た め、 け が 人 や 病 人 へ の 治 療 が 思 うよ うに で きな か っ
た こ とで あ る。 手 術 、 透 析 、 洗 浄 な ど、 治 療 の 竜 要 な 部 分 に は す べ て 多 くの 水 が 必 要 で あ
り、薬 品 や 機 器 が あ って も水 が な けれ ば 手 術 、 治 療 等 を 完 全 に 行 う こ とが で き な い。 こ の
よ うな 事 情 で 、 設 備 が 整 っ た 病 院 で も治 療 を 行 う こ とが で きず 、 交 通 渋 滞 の 中 を 患 者 を 転
院 させ ざ るを え な か った 例 も多 い 。
―-53-―
第 二 の 問題 は 、 飲 料 水 が 確 保 で きな か っ た こ とで あ る。 これ も生 命 に か か わ る重 要 な 問
題 で あ る。 飲 む た め の 水 ば か りで な く、 イ ン ス タ ン トラ ー メ ンで す ら水 が な け れ ば で き な
い の で あ り、 水 が な い こ とは 食 生 活 に 大 き な 被 害 を 与 え た 。 この こ とは 、 人 間 の 暮 ら しに
水 の 代 用 が な い こ とを 実 証 した 。
第 四 は 、 衛 生 面 の 問題 で あ る。特 に トイ レ用 水 が な い こ とは 、衛 生 卜の 深 亥1な 問 題 と な っ
た ば か り で な く、 た だ で さえ つ らい避 難 所 生 活 を一 層 暗 くつ らい も の に した ∩ 風 呂 に 入 れ
な い こ とや 、 洗 濯 が で き な い こ とは そ れ に 追 い 打 ち を か け た 。
結 局 、 断 水 に よ る被 害 を 受 けず に す ん だ の は 、 最 近 利 用 者 の 少 な い井 戸 水 を 利 用 して い
た と こ ろ で あ る。 井 戸 水 を 使 っ て い た 銭 湯 は 、 断 水 中 も営 業 す る こ とが で きた し、 水 源 と
して 井 戸 水 を 使 い続 け て い た 関西 学 院大 学 で は 、 付 近 の 住 民 に も井 戸 水 を 提 供 す る こ とで
地 域 に 貢 献 す る こ とが で きた 。 この よ うに 現 物 の 水 を 持 っ て い る 人 は 、 い か に 強 い か を 実
証 した 。
井 戸 水 以 外 に 断 水 中 も有 効 に 水 が 利 用 で きた の は 、 学 校 な ど の プ ール に た め られ て い た
水 、工 場 に確 保 され て い た工 業 用 水 、 河 川 や 用 水 路 の わ ず か な 水 で あ っ た ∩ 人 日 の 集 中 す
る都 市 で 、 なぜ この よ うに 緊 急 時 の 水 資 源 が 足 りな い の だ ろ うか ^
3
治 水 対 策 の 問題 点
(1)早
く流 す思 想
わ が 国 の 多 くの 都 市 は 、 河 川 の 堆 積 作 用 に よ り形 成 され た 低 平 な 沖 積 平 野 に 形 成 され 、
氾 濫 原 に 人 IJ・ 資 産 が 集 中 し、 そ こに 社 会 活 動 の 中心 が あ る∩ そ の た め 、 わ が 国 で は 都 市
の 発 展 は 、 治 水 と の 戦 い の 歴 史 と と も に あ る。 特 に 戦 後 、工 業 化 政 策 に よ る地 下 水 の 汲 み
Lげ で 地 盤 沈 下 が 続 い た 都 市 部 の ゼ ロ メ ー トル 地 帯 に、 カ ス リン台 風 (昭 和
22年 )、
狩
野 川 台風 (昭 和 33年 )、 伊 勢 湾 台 風 (昭 和 34年 )等 の 大 型 台 風 に よ る大 浸 水 が 発 生 し
た ば か り で な く、 河 川 の 水 而 が 高 い た め、 わ ず か な 降 雨 で も 日常 的 に浸 水 が 発 生 した 。
経 済 の 高 度 成 長 期 に は 、工 業 化 が 優 先 され た た め に 、 都 市 内 で は 河 川 は 洪 水 の 通 路 と し
て の 機 能 しか も た な い 大 型 排 水 路 の よ うに 取 り扱 わ れ 、 堤 防 も洪 水 に 耐 え る こ とを 日的 と
す る切 り立 っ た コ ン ク リー ト護 岸 と して 整 備 され た 。 この 頃 の 治 水 対 策 は 、 限 られ た 財 政
力 内 で 行 わ れ た こ と もあ り、 ゆ と り の な い 最 低 限 の 治 水 日的 を 果 た す こ とが重 点 的 に 行 わ
れ て きた 。 当 時 の 治 水 対 策 の 基 本 的 な 考 え 方 は 、「 雨 水 を で き るだ け は や く放 流 す る」 と
い う もの で 、 「 河 川 改 修 等 の 対 策 も そ の 方 向 で 行 わ れ て きた 。 この よ うな対 策 に よ っ て 浸
水 被 害 は一 応 減 少 した が 、一 方 で 、 ① 都 市 へ の 人 11の 集 積 が 急 激 に 進 ん だ こ と に よ っ て 不
浸 透 面 (屋 根 、 舗 装 道 路 、 ビル 等 )が 大 幅 に 増 大 した こ と、 ② 下 水 道 整 備 が 進 ん だ た め に
ピー ク流 量 が 増 加 した こ と等 の 原 因 に よ り、 降 雨 時 に一 気 に放 流 され る流 量 が 増 大 し、 い
わ ゆ る「 都 市 型 水 害 」 が 頻 発 す る よ うに な っ た 。
ま た 、「 雨 水 を で き るだ け は や く放 流 す る J方 法 は 、 ① 治 水 以 外 の 都 市 の 災 害 に 対 す る
脆 弱 化 (消 防 用 水 、生 命 維 持 用 水 、 社 会 機 能 維 持 用 水 の 不 足 )、 ② 水 質 源 の 不 足 (河 jll流
量 の 減 少 、地 下 水 の 減 少 )、 ③ 都 市 内 の 豊 か な 自然 環 境 の 喪 失 と い う二 次 的 な 問 題 を 弓│き
起 こ した 。 さ らに、 わ が 国 の 河 川 は 急 峻 で あ る た め 、 ヨー ロ ッパ の 河 川 の よ うに ゆ っ た り
大 量 の 水 を た た え て い る と い う こ とは 少 な く、降 雨 の 少 な い年 に は 渇 水 と い う こ と に な る。
―-54-―
今 回 の 震 災 時 に 水 資 源 が 短 期 間 で 底 を つ い て しま っ た の も、 この よ うな事 情 と無 縁 で は な
tヽ
0
(2)ゆ
っ く り た め る思 想
この よ うな 問 題 に 対 応 す る た め 、 近 年 、 河 道 だ けで な く流 域 全 体 で の 水 流 出機 構 か ら対
策 を 講 ず る「 総 合 治 水 対 策 Jが 行 わ れ る よ うに な り、 全 国 的 に 都 市 内 に 遊 水 池 、 調 整 池 、
公 園貯 留 、 校 庭 貯 留 等 の 貯 留 施 設 の 整 備 や 、 透 水 性 舗 装 、 雨 水 桝 の 設 置 等 が 行 わ れ る よ う
に な っ た 。 この 方 法 は 、従 来 の「 雨 水 を で き るだ け は や く放 流 す る 」と い う考 え 方 にか わ っ
て 、「 雨 水 を 貯 留 、 浸 透 施 設 は「 雨 水 流 出抑 制 型 下 水 道 Jと 呼 ば れ て い るが 、 治 水 対 策 で
あ る と 同 時 に 水 資 源 対 策 に もな る。
兵 庫 県 内 で も この よ うな対 策 は 実 施 され つ つ あ るが 、 昨年 の 異 常 気 象 に よ る渇 水 、 今 回
の 地 震 に よ る水 資 源 の 不 足 を 考 え る と、 都 市 の 各 地 に「 水 を た め る 」 こ とを 今 後 も っ と真
剣 に検 討 す る必 要 が あ る。 ま た 、 降 雨 そ の も の が 少 な い 時 に は 貯 留 ・ 浸 透 す ら不 可 能 な た
め 、 下 水 処 理 水 を 都 市 生 活 の 中 で 有 効 に使 う と い う、 水 の リサ イ クル も 同 時 に 進 め る必 要
が あ る。 この よ うな 水 は 飲 料 水 と して は 抵 抗 が あ っ て も、 消 火 用 水 や トイ レ洗 浄 水 に は 十
分 利 用 で き る。
災 害 に 強 い ま ち づ く り に す る た め の 対 策 (ハ ー ド面 と ソ フ ト而 の 重 要 性 )
水 資 源 の 面 で 災 害 に 強 い都 市 に す るた め に は 、単 に 施 設 さえ 整 備 す れ ば い い の で は な い 。
神 戸 市 の 貯 水 池 に は 約 2万 tの 水 が 、 ま た 市 内 約 20ケ 所 の 拠 点 配 水 池 に は 計 約 4万 5千
tの 水 が 貯 留 され て い た が 、 地 震 当 日 100件 以 L発 生 した 火 災 の 消 火 に は 、 有 効 に 利 用
され て い なか っ た こ とが 最 近 明 らか に され て い る .こ れ は 、 配 水 池 、 貯 留 池 と もに 飲 料 水
用 と され て い た た め に 、地 域 防 災 計 画 で 消 火 へ の 利 用 が 想 定 され て い な か っ た こ と、 及 び
水 利 計 画 か ら漏 れ て い た た め に、 緊 急 事 態 に 対 す る消 防 、 水 道 両 局 の 対 応 が 混 乱 した こ と
に よ る もの で あ る。 この 混 舌Lに よ り、 消 防 用 水 と して 利 用 す る 時 期 が 大 幅 に遅 れ 、 初 期 消
火 に 役 立 て られ な か った こ とが 、 火 災 を 広 げ た 原 因 に もな っ て い る。
す な わ ち、 単 に施 設 を 整 備 す るば か り で な く、 そ の 利 用方 法 、緊 急 時 の 情 報 伝 達 の 方 法 、
命 令 系統 が 行 政 の 計 画 、 施 策 と して 整 備 され て い な け れ ば 、 実 際 に は 有 効 に役 立 て られ な
い の で あ る。 ま た 、 下 水 処 理 水 も この よ うな 緊 急 時 に飲 料 水 以 外 の 用 途 に 利 用 で きた の で
あ るが 、 コ ン ク リー トの ひ び割 れ に よ る漏 水 で 、 実 際 に は 有 効 に 利 用 され な か っ た と ころ
もあ る。 水 を た め る貯 水 池 が 、 プ ー ル の よ うに ア ル ミと一 体 構 造 に な っ て い れ ば 、 ひ び 割
れ が お こ らず 有 効 利 用 で きた は ず で あ る。
これ らは 、 施 設 の 建 設 と い うハ ー ド面 の 対 策 と、 そ れ を 緊 急 時 に ど う利 用 す るか と い う
ソ フ ト面 の 対 策 の 双 方 の 綿 密 な 計 画 が 必 要 な こ とを 示 して い る。
5
個 人 レベ ル で の 対 策
これ まで に 述 べ て きた こ とは 、 行 政 が 対 応 す べ き 問題 で あ る .し か し、 市 民 の レベ ル で
考 え る べ き 問題 も多 い 。
① 各 戸 で も貯 留 槽 や 浸 透 桝 の 設 置 (図
-1∼ 3)を 検 討 す る こ と、 ② 下 水 処 理 水 の二 次
―-55-―
(図
-1)
(図
-2)(中 高層住宅タイプ
)
浸透型宅地例(宅 地には浸透型の宅地樹を設置する。
流出抑制とともに、小川、散水、洗車liど へ有効
屋根等に降った雨は宅地に流入し、浸透能力を越えた
分が公共下水道に流れる)
利用
(図
-3)(戸 建タイプ)
の洗浄用水、散水、洗車
イレ
流出抑制とともにト
riど へ有効利用
的 な 利 用 に つ い て 理 解 を 示 す こ と、③ 下 水 処 理 施 設 、 ごみ 処 理 施 設 な ど都 市 の 静 脈 を 受 け
持 つ 施 設 を 身 近 な も の と して と らえ 、 そ れ を 都 市 生 活 に 有 効 に 役 立 て る こ とで あ る。
① に つ いて は 、 多少 コ ス トが か か るか も しれ な い が 、 た め た 水 を 洗 浄 用 水 、 洗 車 、 散 水
等 に 利 用 で き、 水 害 の 防 1卜 に 役 立 て る こ と もで き る。 簡 当 な貯 留 槽 を つ く っ て この よ うに
利 用 す れ ば 、 コ ス トもそ れ ほ どか か らな い ぅ 地 震 の 際 に この よ うな 設 備 が ど こま で 役 立 つ
か は 明 らか で な いが 、 少 な くと も昨 年 の よ うな 渇 水 が 続 くと井 戸 水 さえ 枯 渇 して しま う可
能 性 が あ るが 、 浸 透 桝 の 設 置 に よ っ て 地 下 水 が 涵 養 され る。
② に つ い て は 、 下 水 処 理 水 は 最 近 で は 処 理 技 術 が 高 度 に な っ て い るた め 、 トイ レ洗 浄 水
に は 十 分 使 え る もの で あ るぅ この よ うな 水 を 飲 料 水 とは 別 の 給 水 車 で 運 ん で 使 え ば 、 今 回
の よ うな 緊 急 災 害 時 に貴 章 な 飲 料 水 を 無 駄 に 使 わ な くて す む 。
0に
つ い て は 、 下 水 処 理 施 設 や ごみ 処 理 施 設 は 、 大 量 の エ ネ ル ギ ー や 資 源 を 持 つ 施 設 で
あ るた め 、 今 後 急 速 に 都 市 防 災施 設 と して の 役 割 を 増 す こ とが 予 想 され る (下 水 処 理 水 熱
や 処 理 水 を 利 用 し、 高 度 な 設 備 を 備 え た 大 規 模 な 避 難 所 と して 整 備 して い る都 市 もあ る )。
この よ うな 施 設 は 従 来 あ ま りな じみ の な い も の で あ っ た が 、 今 後 は これ らの 施 設 の 充 実 を
図 り、 水 を 持 つ 施 設 と親 しみ 、 ど の よ うに 私 た ちが 有 効 利 用 す るか を 市 民 レベ ルで も考 え
て い く必 要 が あ る。
お わ りに
今 回 の 突 然 起 こ っ た 大 震 災 に よ っ て 、 多 くの 人 々 は 、 日常 あ っ て 当 た り前 の も の が な く
な っ た 時 に どれ ほ ど生 活 に 困 るか を 経 験 させ られ た ∩ 水 は 消 火 用 水 は も と よ り、 飲 料 水 、
生 活 用 水 等 と して 、 直 接 生 命 、 暮 ら しに か か わ る 問 題 で あ る 。 生 命 と暮 ら しを 守 っ て い く
た め に ガ ス 、 電 力 と 同 じ く、 水 、 下 水 道 も ラ イ フ ラ イ ンで あ り、 な くて は な らな い も の で
あ る。
昨 年 の 水 不 足 、今 回 の 震 災 を 通 じて 、 水 の 有 効 利 用 の あ り方 を 改 め て 考 え る必 要 が あ る合
(う れ し の 台
―-56-―
75号
よ り)
一
こ
状帖
の姉
羽日 人
―― バ ー ゼ ル 州1・
学 械
スイスにおけ
生 “
る市
《研修報告 》
坂
は
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め
口
明
巳
に
この 度 、平成 6年 度 社会教育 主事等 海外派 遣 団 と して 、 ヨー ロ ッパ 7か 国 (イ ギ リス、
イタ リア、 ス イ ス、 ドイツ、オ ー ス トリア、 チ ェ コ、 フラ ンス)の 地 理・ 気 候・ 風 土 、歴
史 、政治 、経済 、文化等 とあわせて教育事情 と りわ け成人教 育 を中心 と した社 会教 育 の 現
状 や施設・ 設備 等 の 状況 を23日 間 にわ た って 視察 す る機会 を 与 え られ た。
日頃、海外 事情 に つ いて 耳 にす る ことが あ って も、 それ は 「他 山 の 石 J程 度 に しか考 え
て いなか っただ け に、今 回 の 海外 視察 は私 に と って 、初 めて の海外体験 で あ り、非常 に実
り多 い収穫 が あ った。
一 国 の 滞在期 間 は短 か った ものの 、 そ の 国 の 実情 の一 端 をか い ま見 る ことがで き、実感
と して 我 が もの に す る ことがで きた と思 う。今後 、 この 体験 を何 らか の形 で 活 か し、研修
成果 を職務遂 行 の 上 で 発 揮 して行 きた い。
なお 、 ここに報 告 しま した内容 は、 ヨー ロ ッパ 7か 国 の 地理 0気 候・ 風土 、歴 史 、政治
経済 、文化等 とあわせ て 教育 事情 と りわ け成人 教育 を中心 と して 視察研修 した 中 で も特 に
スイス連邦 の バ ーゼ ル州・ 市 にお け る専 門視察 につ いて 記述 して お ります。
2日 間 とい う短 時 間 の 中 で の 視察 で した ので 、理解不 足 もあ り、内容 が不 十分 な点 もあ
るか と思 い ます 。
スイス連邦 の 概要
(1)正 式 国名
Schwelzerische Eidgenossenschaft (ド イツ 語吾)
唸)面
積
41,293面 (日 本 の約 1/9)
侶)人
口
約 6,740千 人 (日 本 の約 1/18)、 人 口密度
(4)
首
163.2人 /M
都
ベ ル ン (人 口
:
約 134千 人 )〔 参考
ーリッヒ346千 人 、バー
:チ ュ
ゼル 171千 人 〕
15)土 地利用
耕地 9.8%、 樹 園地 0.5%、 牧草地 40.5%、 森林 26.5%、 その他 22.7%
―-57-―
(6)
気 候 等
ヨー ロ ッパ の ほぼ 中央 に位 置 し、 ヨー ロ ッパ の屋根 と呼 ばれ る山国 で 、面積 は 日
本 の 九 州 よ りや や小 さい。 国土 の60%は アル プ ス 山系 で 、 マ ッター ホル ン、 ユ ング
フラ ウ等 4,000m級 の 高 峰 が連 な る。 ス イ ス独特 の風景 美 は、 これ ら氷河 を いただ
くア ル プ スの 連邦 、氷河 を源 とす る諸河 川 か らラ ンイ川 、豊 か な水 をた たえた氷河
湖 、緑 の牧場 、設備 の行 きとど いた登 山鉄 道 に よ って 形作 られて い る。
気 候 は夏 涼 しく、冬 は寒 冷 で あ る。一 般 に寒 暑 の差 が 激 しい大 陸性 気候 で あ る。
(7)
歴史 的背景
現在 の スイスの地 に は、紀 元前 1世 紀 頃 ローマ人 に よ って征 服 され た ケル ト族 が
移 り住 み 、 ローマ帝 国 の属領 と して 栄 え たが 、 3世 紀半 ば にゲル マ ン民族 に侵 略 さ
れ、 それ以 後 ヨー ロ ッパ 諸 国家形成 の 波 に もまれ、 フラ ンス国王 、神 聖 ローマ帝 国
によ る分 割・ 併 合 を繰 り返 しつつ 、小 さな 自治領 に分 かれて い った。
13世 紀 には、 ハ プス ブル ク家 の 直接支 配下 に入 った が、圧政 が 続 き、 ウ リ、 シュ
ヴ ィ ビー ッ、 ニ トヮルデ ンの 3州 は これ に抵 抗 して、 1291年 ス イス誓約 同盟 を結 ん
だ 。 これが今 日の スイス連邦 の発祥 とな った 。
(8)
政治・ 経 済
1815年 ウ ィー ン会議 で の 永世 中立 が認 め られ 、参加 州 も22州 に増加 し、48年 には
連邦政 府 は連邦 内閣 と呼 ばれ、 外務 、内務 、大 蔵 、経済 、 司法・ 警察 、運 輸・ 通信
・ エ ネ ルギ ー お よび国防 の 7省 を管轄 す る 7名 の 閣僚 か らな る合 議体 で あ る。連邦
内閣 の 議 長 は連 邦大 統領 の称号 を有 し、任 期 1年 で 7名 の 閣僚 の 中か ら輪番制 で連
邦 合 同会議 に よ り選 出 され る。連邦 内閣 は議 院 内閣制 で はな い。議会 に よ る政府不
信任 、 内閣総辞 職 お よび議会 その ものの解 散 はな く政情 は きわ めて 安定 して い る。
ス イス連 邦 は、 それ ぞれが主 権 を有 す る23の 州 (カ ン トン)か らな る民主 的共和
政 体 の 連邦 国家 で あ り、 この うち 3州 は半 州 に分 かれて い るので 、実 際 は26州 か ら
な って い ると いえ る。連邦 憲法 の他 にす べ て の 州 が 自 らの憲法 を有 す る。 したが っ
て 、 スイ スにお け る地方 自治 は きわめて強 固 で あ り、 これ は、 ス イスの 建 国史 にお
いて 州 が 大 きな役 割 を果 た したため と考 え られ る。州会 議 はす べ て 1院 制 で 議 員 は
直接選 挙 され る。州 の 内閣 は 5∼ 9名 の 閣僚 に よ り構成 され 、連邦法 の 執行 を確保
し、 州 の 立法 権 限事項 に関す る執行 を 司 る。
州 は連 邦 の 基礎 をな し、市 町村 は州 の基 礎 を な して い る。 市 町村 はス イスにお い
て独 自の権利・ 義務教育 を有 す る国家 の 最 小構成 単位 で あ る。 市 町村 は 、憲法 の 枠
内 で 自治権 を有 して い る。 ただ し、市 町村 に は立法 権 はな く、連邦及 び法 体 系 の 枠
内 で の 執 行 令 の 制定権 が あ るの みで あ る。
ス イス経済 は、伝統 的 に地 方分権 主 義 で 民 間活力 を重 視 して い る。 国際的 には 自
由貿易主 義 を堅持 し、 ECと は工 業製 品 に関す る自由貿易協定 を締結 して い る。 ス
イス産 業 が 国際競争 力 を維 持 し続 けて い るの は、安定 した賃 金・ 物価 水準 、技術革
新 と高度 の テ クノ ロ ジー 、機械 、科学 、時計等 高付加価値産 業 によ る もの と考 え ら
れ る。
―-58-―
スイス連邦 の 教育 制度
(1)学 校 制度
) 、 ロマ ンシュ語 を主 な 言語 と
ドイ ツ語 、 フラ ンス語 、 イ タ リア語 (以 上 が公用語
3・ 4制 を と り、義務教育年 限 は 8、 9年
す る多言語 国家 で あ る。教育 制度 は、 6・
7∼ 15歳 )で あ る。
(年 齢 制 限
上級学 校破 員
鴨︱
警
等学収卒桑喪格証
高 等 専 門 年 枚
)
晨員能 力証
晨爽免許証
改員免狩証
露 三段 階
高 年 技 術 学 校
員 姜 成 施 設
“
中 ●段 障 ロ
”
高
等 学
校
”
(A.B,C,D,Eの
5
敬 員姜 威 所
n
′イアの連邦卒象 賣
格 お よび州の卒員 壼
格 授与 ,
免許授与年収
”
中等段 躇 ︱
15
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■年 前
$l : Eidsenossiches
1976-77年
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Statistisches Anl Schultttatisttk ScfuJloi' l9? G /7 i
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ア ベ ン ツ ェ ル A
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グラ オピ ュンデ ン
フ ラ イ ブ ルグ
12
ジ ュネ ー プ
13
J
■
_「
中尋段階 !の 学 枚 (中 学校
14
唸)成 人 教育 につ いて
っ ら、私 的 な組 織 (連 盟 、
スィ スで は成人教育 の一 般教 養 的側 面 は、 ほ とん ど も ぱ
い る。 た とえば、音楽 、 コー ラ ス、方言 や民
財団 、共 同組合 な ど)に よ つて 担 われ て
スポ ー ツ連盟 、 ハ イキ ング連盟 、各種 クラ ブ
俗学 等 の研 究・ 学 習 の 連盟 や サ ー クル 、
そ して 、職業学校 と違 い 、 これ らの組織 は
等 、実 に さまざま な ものが存在 して い る。
の
お よび参加 者 の会費 で運
ほ とん ど公費 の 補助 を うけ る ことな く、専 ら私 的機 関 負担
営 され て い る。
「
Jと い う概 念 を用 いつ つ 、
と ころで 、一 般 的 な継続教 育 に重点 を置 き、 成人教育
ム
して い る ス イ ス全 国 レベ ル の組織
青少年 や成人 に対 して豊 富 な教育 プ ロ グラ を提供
い
の 多 くは、 「ス イ ス成人教育連 盟 J(SVEB)に 加 盟 して る。
され た連盟 で 、 そ の後 、
この SVEBは スイ ス市 民法 の 規定 に基 づ いて 、 1951年 に結成
の とな って い る。
次第 に加 盟組 織 が増加 し、現在 で は30余 り 数
の 財政援 助 はほん の わず
と ころが、 この 種 の 成人教育 の 財政面 は、国 や州、共 同体
の
が著 しい。
か に しか過 ぎず 、職 業教育 関係 の成人 教育 と 相 違
―-59-―
成人 大 学 はス イス の成人 教 育 にお いて 重 要 な位 置 を しめ るが 、 そ の 成 立 は20世 紀 初
頭 に まで さか のぼ る。す なわ ち、 ジュ ネ ー プの 労働組合 が1905年 に創 設 した 「学校 J
は 、 その後 「ジュ ネ ー ブ公 開大 学 Jに 発展 して 行 く。 この学校 で は発 足 当初 か ら ジュ
ネ ー プ大 学 の教官 が 講 師 と して 、一連 の 公 開講座 を中心 とす る教 育活動 を行 い、受講
料 は徴 収 しな い形 態 で あ った 。 1919年 、 ほぼ 同 じくして 3つ の大 学都市 、 バ ーゼ ル 、
ベ ル ン、 チ ュー リッ ヒで それ ぞれ成人 大学 が 設 立 され た 。
バ ーゼ ルの 場合 、大 学 自体 が 労働界 の代 表 や州 当局 と協力 し、 「バ ーゼ ル大学 にお
け る成人 大学講座 Jを 誕生 させ た 。就 労 時 間終 了後 、大 学 の教 官 によ り指 導 され た講
義 は 、参加 者 の討論 や質疑 応答 で活発 に進 め られ、 開設後 2期 目か らは参加 者数 を限
定 した研 究講座 や博物 館 での 指導 な ど もプ ロ グラ ムに組 み込 まれ た。講 師 と して は、
大学教 官以 外 の専 門家 も参与 す るよ うにな り、発 足 当初 は学部 お よび大 学 当局 の代 表
者 か らな って いた管 理 委 員会 に も、受講者 代表 、労働者代表 、消費組合代 表 な どが 委
員 と して加 わ るよ うにな り、 この システ ム は今 日で も本質 的 に は変 わ って いな い。
公共 的 な性格 を もつ 機 関 と して 、成人 に学校教育 が 目指 して い るの と同 じ普通教 育
の継続 を保証 す る ことを 目的 と して い るの で あ る。
0
特 に職 業学校 につ いて
職業 に関す る学 習 に つ いて は、 1963年 に職業教育法 が 制定 され、1973年 の 改定 を経
て 現在 に至 って い るが 、 この 法律 に職 業基 礎 教育 関連事項 、職業補修教 育 関連事項 、
連邦補 助金 関連事項 な どが 含 まれて い る ことか ら、公 的 な職 業学校 が 数多 く設 置 され
て い る。 義務教育終 了後 、多 くの卒業生 (70%に な る)が 徒弟 制度 の職 業生活 に入 る
スイスに お いて は、職 業基礎教育 の一 般 的 な形 態 で あ る徒弟教 育 を、職 業学校 で 受 け
る ことにな る。
なお 、最 も一 般 的 な職 業基 礎教育 の 形 態
で あ るが 、職業生活 は通常 、職業教育機 関
の求人 広 告 へ の応募 か ら始 ま る。連 邦 や州
111111キ I事
骨
:::■ 1
によ り認定 されて い る職業 に就 くための 最
低条件 は 、義務教育 を終 了 して い る こと と、
満 15歳 以上 で あ る こと とされて い る。
実施形 態 は徒弟教育 で あ り、 この 関係 は
雇用 主 と徒弟 との 間 で 結 ばれ る徒弟契約 に
よ って 生 じるが 、 この 契約 は州職業教育課
の 承認 を得 なけれ ば な らな い。雇用主 は徒
弟 に実践 的 な職業指導 を行 う。 徒弟 は これ
を受 け るの と並 んで 、義務 制 の 職業入 門講
習会 で 職 業 の基 礎 的能 力 を身 につ け るの で あ る。 さ らに、職業学校 に も通 って 職 業理
論教 育 と一般教養教育 を受 け る ことが 義務 づ け られて い る。
職 業学校 にお け る授 業時数 は、 1週 間 当 た り、 6∼ 10時 間 で あ り、週 2日 ∼ 3日 通
学 す れ ば よい ことにな る。
―-60-―
3
バ ーゼ ル州 (市 )の 成人 教育 の 現状
バ ーゼ ル州 (市 )は ドイツ、 フラ ンス と国境 を接 した スイス第 二 の 都市 で あ る。 ここ
で は 、職業学校 、成人 教育 を中心 に視察 を した。
職 業学校 は、 義務教 育終 了後 の 者 を対 象 に職 業教 育 を行 って い るが、企 業 と も連携 し
た職業訓練 の機 関 で もあ り、同時 に成人 教育 の 場 と して一 般 に も公 開 されて い る。
また、外 国人 労働者 の 流入 によ り、 ドイツ語 の わ か らな い子供 た ちが 35%も 入 学 して
くると い う現状 、 そ の 両親 に対 して の支援 (教 育 )を せ ま られて い る現状 、難民 に対 し
て の支援 (教 育 )等 、成人 教育 も時 の流 れ によ って 変 わ るとい う ことで あ る。
(1)バ ーゼ ル にお け る成人 教育 の役 割 と内容
動
)#,
(Mot ives)
(1)基 本 的 な もの の 不 足 に 対
して
Deficiency and Handicap
内
容
(Contents)
◎識 字 (Alphabetisation)
◎基 本 的 な技能 (Basic Skills)
Compensation
◎少 数者 の ための プロ グラ ム
(Programs for Minorities)
唸)職 業 の キ ャ リア を積 む
◎大 学 入学 資格試験用講座
(University admission Courses)
Vocational and Career
Orientation
◎ 資格 習得講座 (Examination training)
◎語 学 講座 (Languages)
◎ コ ン ピュー タ技術 (Computer ski Hs)
◎会 計 (Accounting)
G)個 人 的 充 足 と文 化 的豊 か さの
◎ 自 己探 求 プ ロ グ ラ ム
(Self Exp10ratiOn programs)
ため
Personal fulfilment and
◎ 心 理 学 (Psychology)
Cultural enrichment
◎美術 工 芸 (Arts and crafts)
◎伝統 的秘伝 (Esoterics)
※
Olは 民
市(州 )は 111肛 役割をもち、
間が中心である。
-61-
(2
バ ーゼ ル州 (市 )の 視察機 関及 び施設等 の 名称
*
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*
*
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*
バ ーゼル市庁舎
バ ーゼル市職 業指 導課
職 業学校
(BFS)=成 人 学校
(AGS)の 成人 学 級
美術学校
バ ーゼ ル歴史博物館
図書館
(GGG財
団)
8)視 察機 関及 び施設 等 の 具体 的 内容
バ ーゼ ル市職業指導課 の機 能
職業 に関す る諸情報 を市 民 に提供 す る ことを主 目的 と して い るた め 、一般市民
が 出入 り しやす いよ うに建物 を商店風 に演 出 して い る。
学校教 育 的観点 か ら維持・ 管 理 は州 が受 け持 ち、実地教 育 に つ いて は企 業 が受
け持 って い る。
30年 ほ ど前 は、若 い人 達 を対象 と した もので あ った が、過去 10年 間 の 間 で 事情
が変 化 し、 現在 60%が 成人 対象 とな って い る。 これ は、失 業者 の増加 や女性 の再
就 職希 望 が 増 えて い る ことへ の対応 で あ る。
バ ーゼ ル市青少年 の進学 状 況 につ いて は、 義務教育終 了後 、職業学校 進学 が 70
%で あ り、普 通高等学校進 学 14%(ほ とん ど全 員 が大学 や専 門教 育機 関 へ 進学 す
る)、 未 就学 16%で あ る。
中学 校 を卒 業後 、一 般生 徒 は社会人 とな り、職 業学校 へ 行 く。 この職 業学校 で
は、一 週 間 の うち、 3日 は社会人 と して 、 2日 は職業訓練 の ため の 学校 と い った
よ うな システ ム にな って お り、実習 に重 きをお いた教育 を 実施 した り して 資格 を
と らせ 、一定 の 水準 まで挙 げて、 どの 企 業 に も勤 め られ るよ うに支援 して い る。
オ イル シ ョック以来 、失 業者 の 増加 によ り成人 対象 の 職業指 導 で 、 だん だん情
勢 が変 化 して きた 。女性 の 再教育
(リ
カ レン ト教育 )や 一 般 的 な情 報提供 も行 っ
て い る。 な お、職 業指導相 談 は火 ∼ 金及 び 日曜 日に対応 して い る。
(BFS)=成
人学校 の 現状 :BERUF UND FRAUENFACH SCHULE
ス イス の 教育 に関す る基 本 制度 に つ いて 、国 レベ ルでの 文部省 はな いが 、各州
州 立 職 業学校
の 文部大 臣 が集 ま る部局 が 調整 を とる。主 に 、義務教育 は州独 自で 実施 し、連 邦
が関与 して い るの は職業学校 か らで あ る。財政 は州 が受 け持 って い るが 、 この制
度 は、青 少年 時代 に能力 が あ るの に、何 らか の 事情 が あ って 学 習 で きなか った人
た ち へ の ため の 制度 で あ り、 3か 年 を年 限 と して い る。
バ ーゼル 州 にお け る成人 教 育 の 内容 は前 ペ ー ジの 「バ ーゼ ル にお け る成人教育
の役 割 と内容 」表 に掲 げ た とお りで あ る。
―-62-―
イ コー ル (・ )で 結 ん だ よ うに、職 業学 校 と成人 学 校 を兼 ね た学校 で あ り、元来
女性 の ための 職 業学校 (FRAUENFACH SCHULE、
在 も生徒 の 約 70∼ 75%を 女性 が 占 めて い る。
スイス最古 )で あ った もので 、現
学校 の 管 理 は、教育
ミッシ ョンが 行 って お
り、学 習 内容 は職 業準
備教 育 が 目的 で あ る。
設 置学 科 は家政 学 、
美容 、料 理等 6つ の学
科 を持 って い る。 また、
家政学 の 教 員養成 コー
ス も設 置 して い る。
そ の他 、 中学 9年 生
の 生徒 が 希 望選択 と し
て 受講 で きる家政科 の
特 別 コー スが あ り、中学校 か ら来校 して い る。
徒弟 制度 の カ リキ ュラ ムの 中 で 、週 2日 程度 通学 して い るが、 卒 業 して も再入
学 の システム もあ り、広 く門戸 が 開 かれ て い る。
なお 、学校 はよ り高度 な 資格 や学 習 に応 え る もので あ って 、職業紹介 の ための
機 関 で はな い。
美術学校
(AGS)の
現状
これ は職 業学校 の一 種 で あ り、写 真 、彫 金 、 グラ フ ィ ック、色彩 、彫 刻等 の コ
ー スが あ る。夜 間 コー ス は卒業 生 に も開放 されて お り、専 門家養 成 と と もに一 般
市 民 に も開放 して い る。前述 の 職 業学校 とと もに 、成人学校 と して も機能 して い
る。
年 間 80コ ー スの プ ロ グラ ムが あ り、 60人 の講 師陣 とと もに 1,500人 程 度 が 学 ん
で い る。 なお 、見学 した コー スは 、 デ ッサ ンで あ ったが 、成人 と卒業生 が それ ぞ
れ の能 力 に応 じて学 習 して いた 。年 間 を通 じて週 1回 、 3年 間 の連続履 修 が終 わ
る と、 また、次 の コー ス を選択 す る ことが で きる。
色彩教 室 で は、 10数 名 が職 業 の ため学 ん で お り、 そ の 目的 は、心理 学 者 、染織
家 、建築家 等 それ ぞれ の 仕事 の 専 門性 を 高 め るためで あ る。
受講料 は、 1授 業 あた り 35SF≒ 2,800円 、 バ ーゼ ル州外 は 70SF≒ 5,600円
美術 学校 生徒 は無 料 とな って い る。
昼 間 の 生徒 に つ いて は、入 学 、卒 業 はあ るが 、夜 間 は コー ス別 にな って お り、
技術 の 習得 の み の 制度 にな って い る。
―-63-一
成人 の ための 入 学 資格 習得 制度
社会人 の ための大学入学 資格 習得 につ いて は、 州 で実施 されてお り、青 少年 時
代 に健康上 の 理 由等 で大学入学 資格 が とれ なか った社会人 を対象 に設 けて い る。
(ア
)学 習 内容 につ いて
資格 習得 の た めの 内容及 び人 格形 成 の ための 文化 的知識 を含 ん だ もの もあ り入
試 だ け の もの で はない。
文科系 と理科 系 に分 かれてお り、卒 業 まで に 3年 半 を要 す る。 月 曜 日か ら金 曜
日までの 午後 7時 か ら 9時 40分 まで の 講座 が 開 かれ ると い う大変厳 しい 内容 の よ
うで あ る。
(イ
)運 営 につ いて
州文部大 臣 か ら任 命 を受 けた 5人 の コ ミッシ ョンによ り運 営 されて お り、会場
は主 にギ ムナ ジュウムの校舎 を利 用 し高等学校 の教 師 が 指導 して い る。
授業料 は無料 だが 、別途教材費 等 は受益 者 負担 とな って い る。高等 学校 の校舎
を使 用 して お り、職業 資格 はバ ーゼ ル大 学入学 にのみ 通用 す る。
夜 間 で主 要 5科 目を卒業試験 と して 課 すが、 ちなみ に卒業 は50∼ 60%程 度 で あ
る。 なお 、成 績 は段階 ごとに公表 され る。
(ウ
)入 学 の ための主 な条件
・
何 か の職 業 を全 う した もの 。
0 21歳 か ら40歳 まで の人 。
0 2.5年 目か らは半 日だ けで もよいが 、規則正 しく学校 に来 る こと。
成人 学校 セ ンタ ーの 現状
成人 学 校 セ ンタ ー は、企 画 や情 報提供 と して 機能 してお り、実施主 体 は大学 や
大
﹁ ∃
高等教育 機 関 が 受 け持 って い る。
学
国民大 学 は、一種 の
大 学拡 張 と して よ りも、
市 民 に密 着 した内容 の
提供 を め ざ して い る。
そ して 、 16歳 以上 を
国民大学
volks
シエ ア大学
(老 人 大学 )
1
識 字学級
(補 習学級 )
hochschck
対象 に して 、 12,000人
の 受講生 が 現在 い る。
内容 は、大 学 の も って い る もの と同 じで、 教授 陣 は大 学 関係者 と専 門家 が あ た
って い る。受講料 は、70%が 個人 負担 で 残 りは州 で持 つ 。 国民大 学 は ス イ スの 各
州 にあ る。
特 に 、国民大学 は現在 急成長 して お り、成人 教育 の教授 ノウハ ウ (教 育方法 )
の 開発 が急務 で あ り、 この点 につ いて は 、国境 を越 え た 開発 の ため EC(ヨ ー ロ
ッパ 連合 )が スイス、 ドイ ツ、 フ ラ ンス三 国 の成人 教育 に 出資 して い る との こと
で あ る。 シエ ア大 学 は60歳 以上 を対象 と して い る。
―-64-―
識 字 学 級 は、文 盲 や読 み 書 きの苦手 な人 の ための 補 習学 習 を 目的 と して お り
知 的障害者 の ため の学 習 プ ロ グラ ム も用意 されて い る。
成人 学校 の 補 習 コー スの 案 内 プ ロ グラ ム
Hast Du Mtlhe mit der
Rechtschreibung und
weisst nicht wohin mit
Doppelpunkt und
Ausrufezeichen, dann
komm zu uns
in den Schreibkurs!
Wir
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Den Talon ausschneiden und einsenden an
Lesen und 5chrerben fur Eea(hsene
c./o SaH, Heumattslrasse 12. Poslrach,
4002 Easel
Tel.051 272 2l 0l
Koslen Fr 175 -/350. rm halben iahr
1-2 mal wochenl|ch
Taoes- und Abendku6e
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バ ーゼ ル歴史 博物館
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14世 紀 の 教会 が 100年 前
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ま爆
に博物 館 と して利 用 され た
め ず ら しいケ ー スで あ る。
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や硬 貨 の 歴史 、宝 の部屋等
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地下 に は、 バ ーゼルの歴史
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1は
が 展示 して あ り、 1階 で は
ギル ドの 展示 を中心 と して
お り、ギ ル ドは組織 と して
現在 も残 って い る。
会 員証 は90SF≒ 7,200円 で 他 の博物 館 (住 居博物館 、楽器 博物館 、民俗 博物館
等 )の ど こで も入場 で きる。 ちなみ に、入 場料 は 5SF≒ 400円 で あ る。
一-65-―
財団
中央 図書館
(GGG財
団)
公共 図書館 と して は、世界最古 の歴 史 を持 つ (専 門図書館 は除 く)と い う伝 統
的 な 図書 館 で あ るが、開放 的 で活気 の あ る雰 囲気 に驚 ろか され た。
(8か 所 )に 中央 図書館 の機 能 を もつ 小 規模 な分館 が あ り、財 団 (200年
の歴史 を もつ )に よ っ
各地
て運 営 されて い る。 よ
り高度 で 専 門的 な もの
に つ いて は 、 バ ーゼル
大 学 が 対応 して い る。
蔵書 は250,000冊 (
書籍 、 VTR、 レコー
ド、 CD等 )で 、貸 出
状 況 は年 間 1,000,000
冊 あ り30,000人 が 利用
して い る。運 営費 は45,000,000SF≒ 4億 円 で
2/3は 人 件費 で あ る。 年 間 の使 用
料 は、小人 5SF≒ 400円 、大人23SF≒ 2,000円 で あ り、 「早 さ」を モ ッ トー に運
営 して い る。商業 ビルの一 等地 にあ り大変利 用 しやす く、 「カ ッキ ー 」 と称 す る
青少年 対象 の友 の会 を組織 す るな ど して 利 用者 の 拡大 に努力 して い る。
お
わ
り
に
スイスは26州 あ り、一般教育 制度 は文部省 ら しき もの はあ るが、地 方分権 が進 め られ、
小・ 中学校 の 義務教 育 は州 にまか さて い る。 また、成人 教育 につ いての 中央 官庁 はな く、
その 目的 は補完 的役 割 を もち、民 間 に任 せ て いた一 般教養 的 な基 本 内容 に も取 り組 み 、キ
ャ リアを さ らに積 み 、試 験準備講座 を さ らに充実 させ て い る こと。
成人 学校 の受講 者 の 中 に は、かな りの 幅 が あ り、国境 を越 えた他 国 の成人 学校 と協 力 し
て い くよ うにな って い る。現在 は、女性 の 割合 が か な りの 比重 を 占めてお り、失 業率 が上
が った 時点 と受 講 率 が上 が った点 が一致 して い る こと。 これ らの ことが 、特 に 、専 門視察
にお いて 参考 とな った点 で あ り、 ス イスの 成人 教 育 は今後 ます ます盛 ん にな るで あ ろ う。
最後 に、 この よ うな研 修 の機会 を与 えて くだ さ った文部省 を は じめ、兵庫 県教 育委 員会
等 関係機 関、職 場 の 皆 さ まに心 か ら感謝 申 し上 げ ます。 また、視察 中、第 1団 団長 と して
の私 を支 えて くだ さ った 19名 の 団員 の 方 々 に対 し、心 か ら厚 くお礼 申 し上 げ ます。
【参考文献 】
〔
三
躍騨
露i癬]鰤響識需
―-66-―
研 究 報 告 (第
平 成 7年 3月
31
4号 )
日 E口 届J。 発行
編集 。発行
兵庫県 立嬉 野 台生涯 教育 セ ンタ ー
〒67314兵 庫県加東 郡社 町下久 米
Te1 0795(44)0711
F「
昴1
明光 印刷株 式会社
6教 ① l-012A4
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