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プログラム[2](PDF:184KB)
A.分野別対策(9分野)
(1)個人向け・家庭向けサービス
(1)①家事代行サービス
1.当該分野の現状と今後の展望(望まれる姿)
(1)現状
家事代行生活関連サービス業界は、未だ市場からの認知も浅く、これから
大きく発展が見込まれる業界である。2001年の日経流通新聞によれば
「家事支援サービス」の市場規模は2200億円となっており、その後も拡
大している。日本で家事代行サービスを全国展開している企業は1社であり、
その他東京に2∼3社、関西に2∼3社、あとは地域密着で事業が行われて
いる。
実際の企業例は、以下のとおり。
店舗数
従業員数
A社
320 店舗
2500 名
顧客数
1500 名
サービス内容
掃除代行サービ
スが中心
B社
70 店舗
2000 名
4000 件
(人数不明)
掃除、料理の代
行サービスが中
心
(2)今後の展望
少子高齢化の進展等に伴い、既存の行政サービスや営利企業では対応が困
難な分野において、NPOなどの市民活動団体等によって、新しいサービス
ニーズに対応する事業の展開が始まっている。
・特定非営利活動促進法に基づく認証数:11030
・ボランティア団体数:101972
今後は医療・介護サービスに加え、家事支援や高齢者に配慮したサービス
需要が今後ますます増大することが予想されるため、これらのサービスの提
供において、具体的なニーズにきめ細かく対応していく市民活動団体が今後
果たしていく役割は大きいと考える。
NPOの生産規模は、2000年には6941億円であるが、国内最終需
要の拡大により、2010年には2.6倍の1兆7844億円へと拡大が見
込まれる。
アメリカなどの諸外国などでは、当たり前になっている家事代行サービス
も日本での一般の認識は未だに低い。それは、諸外国のオープンな雰囲気に
比べて、日本では、家の中に他人を招き入れる習慣がなく、閉鎖的であるた
め、受入れ体制が弱い。また、家事は主婦が行うべきとの観念が根強いのも
1−1−1
事実である。しかし、家事代行サービスの先駆けである家政婦サービスの始
まった14∼15年前に比べれば、その需要は確実に右肩上がりで伸びてい
る。共働き家庭の他でも、専業主婦の利用が増加してきており、意識の変化
がみられる。サービスの提供側でも、主婦として培ってきた技術・経験を仕
事に活かしつつ、職場意識を持つことができるために、女性の社会進出や雇
用の創出にもつながることが期待される。
2.政策課題
○ 市民活動団体の資金調達や、普及啓発など。
○ 日本での家事代行サービスに対する認識を高める
○ 市場のニーズを高める
3.今後の取組
市民活動活性化モデル事業
生活関連サービス、まちづくり、生涯学習などの分野で、女性やシニアが
中心となって行う市民活動及びこれらの活動を支援する活動のうち、ITを
活用して地域雇用創出等に寄与するモデルケースを選定し、活動の立ち上げ、
企業化を支援。また、その成功事例を他地域にも広報し、雇用創出、高齢化
社会への対応などを図る。
家事代行サービスの中でも、現在は掃除代行サービスの占める割合が大き
い。その他の料理や買い物代行サービスを増やし、需要を高めていくことが
期待される。実際にA社では、サービス内容を事前に決めずに2時間のあい
だに消費者の指定する家事サービスを行う事業を開始した。
従業員は、女性(主婦)を中心としたパート、アルバイトが多い。消費者
のニーズは高まっているのに対して、従業員への応募者不足が続いており、
満足のいくサービス水準を維持することは困難であるのが現状である。社会
的認知の高まりとともに雇用の創出は大きく見込めると考えられる。例えば、
兵庫県内で事業を行っている会社では、従業員140名のうちのほとんどが
主婦の方である。主婦は働く意欲はあるのだが、実際に社会には出にくいの
が現状である。家事代行サービスなら、主婦としての経験・蓄積をそのまま
活かしつつ主婦感覚ではなく、プロとしての意識で、主婦でもできないよう
なプロの仕事を提供するための研修も行っており雇用の創出にも役に立て
ると認識している。
直接、相手の身体に触れる介護サービスなどと違い、掃除、買い物などサ
ービス業としての認識は未だ浅い。家庭内でサービスが提供されるため、供
給者側と利用者間の信頼関係を密にし、女性の社会進出と連動すれば、こう
1−1−2
した間接的なサービスに対する認識も変わってくるであろう。ただし、食事
や育児のサービスは、不測の事故の際に、大きな責任問題になりかねないの
で、リスク負担を考慮すると、サービスを行いづらいという認識をサービス
提供側は持っている。
4.施策の効果
当該分野の今後の市場予測等を踏まえ、2000年時点から2005年ま
でに概ね50万人の雇用が創出されることが見込まれる(参考:2007年
までに83.7万人)
。
(算定根拠)
・NPO事務局スタッフ数−2005年:12.1万人増、2007年:16.9万人増
・民間企業雇用者数−2005年:37.9万人増、2007年:66.8万人増
1−1−3
(1)②食関連サービス
1.当該分野の現状と今後の展望(望まれる姿)
(1)現状
○持ち帰り弁当など
女性の社会進出、「個」を重視する傾向の強まり、ライフスタイルの多様化などを背
景に、持ち帰り弁当、おにぎり、惣菜、宅配ピザなどの「中食(なかしょく)」と呼称
される分野の市場規模(商品)は伸びの低下はあるものの、増加傾向を続けている。
これらの商品の提供は、家事の代行サービスと位置付けられるものであり、持ち帰り
弁当やおにぎりを取り扱う店舗の中心をなすとみられるコンビニエンスストアにおけ
る雇用者数は増加傾向にある。
○給食サービス
病院において提供される給食サービスのニーズは増しており、病院給食は外部委託
化の傾向にある。
(2)今後の展望
○持ち帰り弁当など
コンビニエンスストアー出店動向をみると、近年、その伸びは鈍化傾向にあるものの、
オフィスビル、病院、大学などへ新規出店しており、引き続き堅調に推移すると見込ま
れる。
また、24時間営業の店舗割合が上昇していることから、店舗当たりの雇用者数も増
加すると見込まれる。
○給食サービス
病院における給食業務は、引き続き外部化が一層進展すると見込まれている。また、
今後、高齢化が一層進展するに当たり、高齢者関係の各種施設において提供される食事
サービスの増加も見込まれる。
2.雇用の見込み
以上のことから、市場動向や業界見通し等を踏まえ、これら食関連サービスにおいて
は2000年時点から2005年までに概ね9.8万人の雇用が創出されることが見込
まれる(参考:2007年14万人)。
(算定根拠)
・コンビニエンスストアー−2005年:4.3万人増、2007年:6.3万人増
・病院における給食の外部委託−2005年:5.3万人増、2007年:7.4万人増
・高齢者関係の各種施設における給食の外部委託−2005年:1.6万人増(うち1.4万人は
1−2−1
高齢者ケアサービスと重複)、2007年:2.3万人増(うち2.0万人は高齢者ケアサービ
スと重複)
1−2−2
(1)③資産運用サービス
1.当該分野の現状と今後の展望(望まれる姿)
(1)現状
・ 個人・家庭向け資産運用サービスを巡る現状は、平成13年度末で約14
05兆円ある個人(家計)金融資産の5割強が現金・預金により保有されて
おり、個人・家庭の資産保有形態は預貯金に偏っている状況にある。これは
近年の経済情勢や、国民の安全志向の根強さ等が背景にあると考えられる。
なお、豊かな資産を有する高齢者等の一部には資産運用に関心を示す向きも
あると考えられる。
・ 金融システムについては、国民により良い資産運用と資金調達の道を提供
するため、自由で公正な金融システムを構築することを目的として、平成1
0年に業態を越えた総合的な改革(金融システム改革法)を実施し、それ以
降も様々な改革を推進してきた。その結果、個人・家庭向け資産運用サービ
ス分野では新たなビジネス・モデルの展開、多様な金融商品の開発、販売チ
ャネルの複線化、投資家保護の充実が図られるなど、広範な市場環境の整備
が進んできており、金融機関も当該分野に関心を示してきた。
・ 一方、金融機関においてはIT化の進展等を受けた経営の効率化、スリム
化の流れがみられる。
(2)今後の展望
・ 今後の経済情勢の動向に影響されるとはいえ、大きな個人金融資産の存在、
高齢化の進行、確定拠出年金制度の導入などを背景として、個人・家庭にお
ける資産運用に対する関心、ニーズは今後徐々に高まっていくことが期待さ
れる。
・ こうした環境下で個人・家庭向け資産運用サービスは、金融ビックバンを
始めとする改革の成果に加え、今後取り組む制度改革を有効に活用し、多様
で質の高い商品・サービスの提供、顧客の利便性の向上等を一層図ることに
よって、個人・家庭における当該サービスに対するニーズの高まりに応えて
いくことが期待される。こうした動きは金融機関やファイナンシャル・プラ
ンナー(以下「FP」という。)等に対する資産運用相談につながることも
期待される。
(⇒ いわば「アセット・マネジメント改革」ともいえる動き)
・ なお、金融機関においては、引き続き、IT化の進展等を通じた経営の効
率化、スリム化の流れが考えられる。
2.政策課題
1−3−1
上記1.に掲げる今後の展望の実現に向けて、以下の政策課題に取り組むこと
が必要。
(1)新しいビジネス・モデルの展開
○ 市場の競争環境の整備
○ 多様な営業展開を可能とする環境整備
(2)多様な金融商品の普及
(3)ディストリビューション・チャネルの複線化
(4)金融知識の普及・情報提供の推進
3.今後の取組
上記2.に掲げる政策課題に対応する観点から、以下の施策に取り組むことと
する。
(1)新しいビジネス・モデルの展開
市場の競争環境や多様な営業展開を可能とする環境の整備を図るため、平成
16年4月から①証券会社、投資信託委託業者及び認可投資顧問業者に係る最
低資本金額の引下げ、②証券会社の資産管理型営業への移行の促進に資する環
境整備、③信託銀行に係る投資一任業務の解禁を実施する。また、信託業につ
いては、平成15年度中に、一般事業法人への解禁、受託財産制限の緩和等信
託業のあり方について早急に検討を進め結論を得る。
(2)多様な金融商品の普及
株式累積投資、株式ミニ投資、ETF等について、その普及に向けて一層の
周知に努める。
(3)ディストリビューション・チャネルの複線化
市場アクセスの改善を図るため、平成16年4月から証券仲介業制度を新た
に導入する。
(4)金融知識の普及・情報提供の推進
金融知識の普及・情報提供に向けた金融関係団体等間の連携を一層強化する
とともに、金融分野の教育を推進するため、こうした団体等による学校現場へ
の金融の専門家の派遣、セミナー等の充実・周知に努める。
(5)FP等の業務範囲の拡大等
FP等は証券仲介業制度を活用した場合に業務範囲の拡大が期待できる。な
お、FPについては平成14年度から職業能力開発促進法に基づく技能士検定
制度の対象に追加された。
4.施策の効果
これまでの制度改革の成果と相まって、上記3.に掲げる施策の推進によ
り、個人・家庭向け資産運用サービス分野において、例えば特色ある事業者
1−3−2
の参入により販売チャネル間の競争が促進される、環境整備により多様な営
業展開が可能となるといったことを通じ、個人・家庭の資産運用に対するニ
ーズに一層対応した多様で質の高い商品・サービスの提供、顧客の利便性の
向上、経営革新の進展等が期待できる。また、欧米における金融機関による
積極的なプライベート・バンキング業務などを考えると、我が国でも金融機
関やFP等が個人による資産運用相談に積極的に応えていくことも期待で
きる。さらに、金融知識の普及・情報提供が推進されることは市場の健全な
成長に寄与するものと考えられる。
このほか、貯蓄から投資の流れを促進する観点から平成15年度税制改正
において実施した金融・証券税制の軽減・簡素化(20%→10%、申告不
要制度の導入)や相続税・贈与税の一体化措置(贈与財産に係る贈与時の時
価による評価等)について周知が進むことは、個人・家庭の投資に対する関
心につながることが期待できる。また、新たな成長企業の登場が促進される
環境が整備されることは個人・家庭の投資に対する関心にプラスの影響を与
えるものと考えられる。
当該分野については、個人(家計)金融資産が順調に拡大すれば約5年間
でいわゆる独立系FPとして概ね1万人の雇用が創出される、と試算されて
いる。
(出所:
「サービス部門における雇用拡大を戦略とする経済の活性化に
関する専門調査会緊急報告(平成13年5月11日)
」
)
5.参考資料
・家計金融資産残高の構成比(H13)及び推移
1−3−3
(1)④娯楽サービス
1.当該分野の現状と今後の展望(望まれる姿)
(1)現状
○映画・コンテンツ
かつては娯楽の王様とも言われていた映画産業だが、テレビ、ビデオ、D
VDの普及により衰退の一途をたどってきた。1960年代には観客動員数
が10億人ともなっていたが、最近の動向は動員数も1億6千万人程度とな
っている。
また国際比較をしてみると日本の市場規模はフランス、イギリスなどより
は大きいが、1回の鑑賞料金も高いのが現状。
2001年には「千と千尋の神隠し」の爆発的なヒットにより業績は回復
した。「千と千尋の神隠し」は昨年のベルリン国際映画祭最高賞受賞に引き
続き、本年米国アカデミー賞長編アニメ部門賞を受賞した。また世界のアニ
メテレビ放送の6割は日本製とも言われている。このようにわが国のマンガ、
アニメなどのコンテンツは世界各地で注目されている。
コンテンツ産業は、製造業等他産業への経済波及効果が非常に高く、加え
て海外における当該国の経済・文化の理解を円滑にし、外交面においてもプ
ラスの効果をもたらすなど、「日本ブランド」価値の向上に資するものであ
る。アメリカなど諸外国では、当該産業の国際展開に官民上げて取り組んで
いる。コンテンツ産業のわが国の市場規模は約11兆円、雇用総数は41.
2万人となっている。
映画館の数も年々減少傾向にあるが、スクリーンの数は最近、増加してい
る。これは、シネマコンプレックスの発展によるものである。
映画と関連して、ビデオソフト業界の動向も「レジャー白書2001」に
よると、レンタルを含むビデオソフトの市場規模は4150億円となってい
る。これまではレンタル市場規模のほうが大きかったが年々セルが拡大し、
平成12年はレンタルを上回った。平成12年6月のビデオレンタル店の総
店数は6687店で平成4年に比べ44%減となっている。大手チェーンが
ビデオレンタルだけでは集客に限度があり、CDや書籍、ゲームソフトの販
売など店舗の複合化を加速することにより、中小店の淘汰が進んでいるため
である。
家庭用ゲーム機のなかでも注目されているのが、オンラインゲーム市場で
ある。オンラインゲーム先進国は、アメリカと韓国だが、日本では未だ発展
段階である。2001年度で約350億円と言われているオンラインゲーム
市場だが、2006年には2710億円の規模まで拡大するとの予想もある。
韓国では、インターネットカフェでオンラインゲームを楽しむ人が多い。
1−4−1
○ぱちんこ等
ぱちんこ営業については、全国の営業許可店舗数は約1万6千店舗であり、
これらの雇用者総数は、警察庁において正確な統計は取っていないものの、
総務省統計局が平成11年に発表した「サービス業基本調査」によれば、約3
3万人となっている
ぱちんこ営業の最近の動向は、営業所数については平成7年をピークに毎
年減少を続けているものの、一方、一営業所当たりの遊技機設置台数につい
ては増加しているため、店舗の大型化が進んでいるものとみられる。
ゲームセンター営業については、全国の営業許可店舗数は約1万1500
店舗であり、これらの雇用者総数は、警察庁において正確な統計は取ってい
ないものの、同じく「サービス業基本調査」を基に警察庁において推計した
ところ、約9万7千人にのぼるものとみられる。
ゲームセンター営業の最近の動向は、店舗数については一貫して減少傾向
がみられる中、一店舗当たりの遊技機設置台数は増加している。
(2)今後の展望
○映画・コンテンツ
シネマコンプレックスの進出により、映画館におけるサービス提供の重要
性、物品販売の重要性が再認識されるようになった。既存の映画館において
も、シネマコンプレックスに対抗していくために映画館自体の建て替えや、
改装を行うようになってきている。
今までは、各種サービスが全国でほとんど変わらない状況であったが、こ
れからは各映画館、シネコンによってサービスの差があらわれ、業界の発展
につながってくるのではなかろうか。また、非映画館も活用した上映機会が
拡大されることにより、上映事業者の参入や鑑賞者の育成が図られ、業界の
発展につながることも考えられる。
わが国のデジタルコンテンツ市場については、ブロードバンド人口の急増
に伴い、新たなマーケット分野の開拓がなされているところであり、市場規
模が1999年の1兆5千億円から2002年には1兆9千億円と急激な
成長を遂げている。理想的なコンテンツ市場環境の整備が促進された場合、
2002年に680億円であるブロードバンド市場は2006年には63
00億円に拡大する(総務省情報セッション白書)ともいわれており、デジ
タルコンテンツ産業は、わが国のフロンティア産業として注目されている。
○ぱちんこ等
ぱちんこ営業の今後の展望については、依然として不正に遊技機を改造し
1−4−2
て違法な営業を行っているものもみられるなど、健全営業への課題も多いこ
とから、今後とも適正な規制と指導が必要であると考えている。
ゲームセンター営業の今後の展望については、依然として遊技機を利用し
たとばく関係事犯が後を絶たないほか、少年のたまり場となるなど少年の健
全な育成に障害を及ぼす実態もみられているところであり、今後とも適正な
規制と指導が必要であると考えている。
2.政策課題
○ 映画製作から配給までの構造改革
○ 映画館におけるデジタルシネマ等サービス提供の充実
○ 多様な映画の上映機会の拡大
○ コンテンツの戦略的活用を拡大するためのブロードバンド市場の確立
○ コンテンツ活性化のための人材育成、流通拡大
○ ぱちんこ業界の健全な営業の確保及びイメージアップ
3.今後の取組
○映画・コンテンツ
映画産業において「製作」においてはデジタル化が進みつつあるが、特に
「興行」においては機器の規格統一化の動きもあり、十分に進んでいないた
め映画館、シネコンに対するデジタル映写設備の導入等の支援を行うことに
よって、デジタルコンテンツ普及に係る市場の整備を行うことが必要である。
アメリカでは製作・配給と興行は分割されなければならないとなっているが
日本では、コンテンツを製作する事業者の立場が弱く、優秀な人材が流出し
てしまっている。そのためにも、コンテンツプロデューサーを育成し、制作
者の立場を確保していくことが必要である。
実際にアメリカでは、配給と興行が別になっていることによって、より質
の高い映画を劇場へアピールしなければならないという緊張感・競争が行わ
れている。日本でも、この競争原理をとりいれることによって、コンテンツ
プロデューサーの誕生、映画製作においての競争(中小企業の台頭)、興行
においての競争(映画館、シネコンによるサービス提供の競争)、非映画館
を活用した上映活動の支援などにより、映画業界では、更なる発展と雇用の
創出が見込めると考える。
また、地域でのロケーション撮影を推進していくことにより、映画製作の
多様化が確保できるようになり、より多くの映画作品が生まれ、映画製作に
おいての競争が促進されることが考えられる。
○ぱちんこ等
1−4−3
ぱちんこ営業、ゲームセンター営業等の風俗営業は、不適切な営業が行わ
れれば風俗上の問題を引き起こすことから、ひとまずは健全な営業の確保及
び業界全体のイメージアップを図る必要があると考えており、ぱちんこ遊技
機の不正改造事犯、ゲームセンター営業等におけるとばく関係事犯等に対す
る取締りの強化、関係団体による自主的な健全化のための活動の支援等によ
り業界のイメージアップを図る等の施策を引き続き講じていきたいと考え
ている。
ゲーム市場で、これから日本でオンラインゲームが発展・浸透してくるこ
とが見込まれる。韓国のようにインターネットカフェが注目されるなど、新
たなサービス業態を創出していくことが期待される。
4.施策の効果
デジタルコンテンツについては、市場環境の整備が促進された場合、20
00年時点から2005年までに約15.1万人の雇用が創出されることが
見込まれる。
(算定根拠)
デジタルコンテンツ市場規模において、2005年に1999年の2倍すなわち2.
96兆円になるとの試算から現在の雇用数についても、市場規模上昇率と同じ上昇率
を仮定。
市場規模
雇用者数
2000年
1.65兆円
16万人
2002年
1.9兆円
20万人
1−4−4
2005年
2.96兆円
31.1万人
(1)⑤旅行サービス
1.当該分野の現状と今後の展望(望まれる姿)
(1)現状
(観光の位置づけ)
観光は、経済活性化に大きく貢献できる21世紀のリーディング産
業として期待されている。観光サービスを提供するには域内の人的・
物的資源が多く必要とされることなどから、他の産業と異なり付加価
値のほとんどが域内において生み出されるなど、雇用創出効果が大き
い。また、その波及効果は関連する幅広い産業分野にまで及び、裾野
の広い産業である。さらに、観光資源は地域固有のものであるととも
に、価格が高くても質が高ければニーズが存在しうるなど、人件費が
相対的に高い先進国でも競争力を確保できるという利点がある。
このような経済効果のほか、観光を通じて多くの外国人に日本を知
ってもらい、また、諸外国との文化交流が図られることは、極めて重
要なことである。
このように観光には多くの意義が存在することから、東アジア諸国
のみならず欧米先進諸国においても観光客誘致に積極的に取り組んで
おり、観光は成熟国家としてもっとも重要な政策の一つである。
(世界的ニーズ)
世界観光機関(WTO)によれば、全世界の外国旅行者数約7億人(2
000年)は、2010年には10億人に、2020年には16億人に
と大きく増加すると予測されている。またこのうち東アジア・太平洋
地域への到着旅行者数は、1995∼2000年の間で年平均6.1%
の増加となっているのに加え、2000∼2010年には同7.7%と
世界の地域で最大の伸びが見込まれると推計しており、わが国の経済
を活性化するためにも今後拡大する国際観光旅行市場は大きな魅力で
ある。
(日本の国際観光)
このような中でわが国の外国人旅行者の受入れ状況を見ると、20
02年の約500万人という実績は、日本人の海外旅行者数約160
0万人の1/3以下にとどまっている。これは国際ランキング(200
1年)では世界第35位(アジア地域でも9位)とかなり低位にある。ま
た、国際旅行収支で見ても2.9兆円(2002年)もの赤字であり、交
1−5−1
流は極めてアンバランスな状況にある。
(国内観光)
また、日本人の国内観光については、バブル期には増加傾向にあっ
たものの、バブル崩壊後の景気の低迷に加え、国民のニーズが「物見
遊山」から「癒し」や「参加・体験型」へ、また、「団体旅行」「宴会
型」から「グループ・個人旅行」
「目的型」の観光へと変化したのに対
して供給側が対応しきれていないなどの原因で近年低迷を続けており、
国民一人当たり年間宿泊観光旅行回数は1.73回(1991年)から
1.41回(2002年)へと低下している。
(雇用の状況)
このような中で、我が国の観光産業に関わる雇用者数は393万人
(2001年)となっている。
(2)今後の展望
訪日外国人旅行者は今後も大幅な増加ポテンシャルがあると見込ま
れ、日本へのプロモーションを積極的に進める。プロモーションにあ
たっては、例えば香港や台湾では冬の北海道の雪を体験するツアーが
人気であるなど対象国によって異なるニーズを的確に把握する等、マ
ーケティングを十分行う必要がある。またプロモーション活動にあた
っては、アニメ、ゲームソフトなど、日本が世界中の関心を集めてい
るものを十分に活用するとともに、映画「ローマの休日」がローマを
世界の観光地に押しあげたように、日本をロケ地とする映画制作の誘
致に努めるなど色々な方策をとっていくことが必要である。さらに、
訪日外国人にとって旅行しやすい国とするため、IT(携帯端末等)
を活用した案内、通訳システムを導入したり、ボランティアの活用や、
地域別等色々なタイプのガイドを増やしたりするなど訪日外客に対す
るキメの細かい対応についてもいろいろ工夫をこらしていくことが必
要である。このほか、トップセールスによるアピール度の向上や日本
への入国手続きの改善なども必要である。これらの点なども踏まえ、
我が国の魅力を関係機関の連携のもとで積極的に海外に発信するなど
政府を挙げて観光の振興に取り組み、2010年までに訪日外国人旅
行者を倍増させる(1000万人)ことを目標とする。これによる経済
効果は4兆4000億円と試算される。
また、国内の観光地の魅力を高めるため、各地域の発意と努力に基
1−5−2
づく、独創的で魅力あふれる観光地づくりを「一地域一観光」として
推進し、
「住んでよし、訪れてよしの国づくり」を進める。
一方、国民は経済上の量的拡大よりも精神活動を含む生活の質の充
実を重視するようになってきているが、有給休暇の取得日数は約9日、
取得率は50%以下であるなど世界各国と比較して極めて低い水準に
ある。このため、有給休暇の取得促進・長期連続化とともに、休暇時
期の分散化を進め、家族揃った「家族休暇」が有意義なものとなるよ
う国民の意識改革を進める。なお、有給休暇が完全に取得されれば、
11兆8000億円の経済効果があると試算されている。
2.政策課題
(1)政府が一体となった取り組みの推進
(2)海外への戦略的プロモーション
○
官民一体となった取り組みの推進
(3)観光地の魅力づくり
○ 地域の自主的な努力が最重要
○ 観光カリスマのノウハウの活用・ネットワーク化
○ 環境整備(ハード、ソフト)
(4)有給休暇の取得促進、休暇取得の分散化
3.今後の取組
(1)観光立国関係閣僚会議の設置と総合的戦略の構築
総理主宰の「観光立国懇談会」報告書(2003年4月24日)を受け、
関係行政機関の緊密な連携を確保し、観光立国実現のための施策の効果
的かつ総合的な推進を図るため、観光立国関係閣僚会議(5月16日閣議
口頭了解)の第一回会合が5月21日に開催された。今後、具体的施策に
ついて検討を進め、7月中を目途として観光立国実現に向けたアクショ
ン・プログラムを作成し、これに基づき施策を推進する。
(2)ビジット・ジャパン・キャンペーンと観光立国の実現
訪日外国人旅行者数の飛躍的増大を目的として、日本の観光魅力を海
外に戦略的に発信するためのビジット・ジャパン・キャンペーンを官民
一体で実施している。平成15年度は、韓国、台湾、米国、中国、香港
1−5−3
を重点市場と位置付け、旅行市場としての特性に応じて、海外へのミッ
ションの派遣などのトップセールス、海外でのテレビ・新聞・雑誌等に
よるPR、メディアや旅行会社関係者の招請、旅行博等のイベントへの
出展、訪日ツアー専門職員の養成などの施策を組み合わせて実施し、日
本の観光魅力を徹底的にPRするとともに、旅行商品の造成を促進する
こととしているが、さらにEUを重点市場として追加すること等により、
キャンペーンの一層の拡充を図ることが必要である。
また、観光立国の実現に向けて、官民による総合戦略の策定、観光先
進国の取り組み・PR戦略に係る調査、日本の観光インフラ・観光資源
等に関する外国人による総合的診断、訪日外国人旅行者向けのホームペ
ージの多言語化及び内容・量の充実、日中韓共同での欧米人向けの共同
宣伝や三国をまわるラウンドツアー整備の支援のための調査等を平成 15
年度から実施し、今後も一層取り組みを推進する必要がある。
さらに、地域における多言語観光案内標識の整備促進、外国人旅行者
への観光案内機能の充実などについて検討する。
(3)魅力ある観光交流空間づくり
本年4月にとりまとめられた「観光立国懇談会報告書」で示された「住
んでよし、訪れてよしの国づくり」との基本理念を踏まえ、地域の自助
努力を基本とした魅力ある観光交流空間づくりを推進し、もって交流人
口の拡大を図る。施策の推進にあたっては地域のオリジナリティや創意
工夫が非常に重要であることから、地域の発意に基づいたそれぞれの地
域の努力をまず前提におき、国としては魅力を発揮するために不可欠な
施策(ソフト・ハード)について支援することにより、魅力ある観光交
流空間づくりを地方・民間・国が一体となって推進する。
具体的には、観光カリスマによる観光振興成功事例を現地で学ぶ観光
カリスマ塾の開設等の地域における核となる人づくりの支援、観光まち
づくり実施支援プログラムの策定、NPOの活用も含めソフト・ハード
両面から地域づくりを支援する観光交流空間づくりモデル事業、みなと
の資産を活用したみなとまちづくりの推進等をはじめ、地域の自助努力
を後押しするための施策を国・地方・民間の連携のもとに一層展開する。
また、国民の価値観が多様化してきている中で、都市と農山漁村を双
方向で行き交う国民のライフスタイルの実現に向け、都市と農山漁村の
共生・対流を推進することが重要である。例えば、市民農園や農園付き
宿泊施設を利用した農業体験、植樹等の森林づくり体験、地引き網等伝
統漁法の体験や、構造改革特区における農家民宿でのどぶろく製造免許
1−5−4
要件緩和等の特例措置を導入した地域の体験などは、雇用創出の面のみ
ならず都市住民にとって大きな意味を有する。このため、都市住民側へ
の働きかけや都市と農山漁村の橋渡し、受け皿としての農山漁村の魅力
の向上のための施策を総合的に推進する一環として、グリーン・ツーリ
ズムを積極的に展開したり、森林・海辺の活用の施策等を実施すること
により、農山漁村資源の観光活用を図り、魅力ある交流空間づくりを推
進する。
(4)
「ゆとり休暇」の取得促進
休暇の取得促進は、国民の生き甲斐を増加させるとともに、内需を拡
大し景気浮揚や雇用の拡大にもつながるものであり、これまでも関係府
省や民間団体等と連携・協力して、
「ゆとり休暇」の取得の啓蒙・普及に
努めてきたところであるが、今後も休暇の長期連続化や休暇時期の多様
化、学校等における長期休暇の分散化を推進し、国民の有給休暇の完全
取得を目指す必要がある。
具体的には、平成15年度に「日本型長期家族旅行国民推進会議」
(仮
称)の開催など連続休暇取得に向けた施策を実施する予定であるが、さ
らに「ゆとり休暇」先進企業表彰等による先進事例の広報、滞在型観光
や長期家族旅行を普及させるための課題の調査等により「ゆとり休暇」
の取得促進を図る必要がある。
また、学校の休業日については、各教育委員会や学校ごとに、地域の
実情等に応じて休業日を柔軟に設定することが可能となっている。最近、
二学期制の導入が広がり、秋休みが導入されるという新しい動きも生じ
てきているが、国においても、各学校における創意工夫に満ちた取組を
充実するため、長期休業日や学期の区分の在り方などについての工夫・
改善が進むための方策を検討するとともに休業日の分散化の事例の情報
提供等に一層取り組む。
4.施策の効果
これらの施策について国・地方・民間の各主体が取り組むことにより、
2000年時点から2005年までに概ね49.7万人の雇用が創出さ
れることが見込まれる(参考:2007年までに85.9万人)
。
(算定根拠)
①訪日外国人旅行者数の増加−2005年:11.2万人増、
2007年:15.7万人増
○ 1999年の訪日外国人旅行者444万人による雇用創出効果について、
訪日外国人旅行客への旅行支出アンケート等を用いて関連する産業ごとに
1−5−5
分類して算出し、21.4万人と推計。この外国人旅行者数と雇用者数の割
合を用いて比例計算。
②魅力ある観光交流空間づくり−2005年:7.6万人増、
2007年:15.0万人増
○ 先進事例をモデルに平均入込み客数が3.1倍に増加すると仮定し、事
業実施箇所(30箇所)中、2005年までに10箇所で概成と仮定して観
光客数の増加を3500万人と推計。これに一人当たり観光支出(1.2万
円)、日本人観光客の割合(0.93)、観光の雇用係数(19.1人/億円)
を用いて雇用者数増を約7.5万人と算出。
○ また、モデル事業に付随する民間投資(観光施設など)については、先進
事例の実績により22億円/箇所と推計し、事業実施箇所30箇所での民
間投資が2010年まで継続的に行われると見込んで年間では94億円。
就業誘発因数(13.6人/億円)を用いて雇用者数増を約0.13万人と
算出。
③休暇取得促進−2005年:30.9万人増、
2007年:55.2万人増
○ 国民の年間宿泊観光旅行回数を2006年に2回とすることを目標とし
ており、この目標を達成するためには年次有給休暇取得を年間8.9日(2
000年)から11.8日とする必要があると推計される。
○ アンケート調査に基づいて推計された年次有給休暇の取得の増加に伴う
余暇活動の各分野の増加回数に1回当たりの費用を乗じ、新たな余暇活動
消費支出を推計。これに産業連関分析を用いて経済波及効果を推計し、産
業ごとの生産額当たり従業者数により、同効果に対応した新規雇用者数を
算出(2006年には17.8万人の新規雇用)。
○ また、休暇の取得により低下した生産性は単純に労働力でのみ補われる
ものと仮定し、全就業者数に労働日減少率を乗じ、これに代替雇用必要率
を考慮して代替雇用者数を算出(2006年には29.3万人の代替雇用)。
5.参考資料
・訪日外国人旅行者数の推移
・外国人旅行者受入数国際ランキング
・世界の国際観光客数と国際旅行観光収入(推移と予測)
・世界各国の観光産業規模と雇用
・国民一人当たり年間宿泊観光旅行回数の推移
・第156回国会における小泉総理大臣施政方針演説
・観光立国懇談会報告書の概要
・中央教育審議会への諮問(平成15年5月15日)
1−5−6
○ 訪日外国人旅行者数及び日本人海外旅行者数の推移
千人
18,000
16,000
阪神・淡路大
震災、地下
鉄サリン事
件
日本人海外旅行者数
訪日外国人旅行者数
14,000
韓国発の渡航
自由化
12,000
台湾発の渡航
自由化
10,000
8,000
初の1ドル
=120円台、
ソウル五輪
新東京国際空港開港
6,000
4,000
関西国際空
港開港
米国同時多発テ
ロ事件
アジア通貨
危機
急激な円高
進行(初の1ド
プラザ合意、
つくば博
第一次石
油危機
16,522
ル=100円未満)
湾岸戦争
5,239
2,000
資料:
法務省資料に基づき国土交通省作成資料による
14
13
11
12
9
10
8
7
6
5
4
3
2
62
平 63
成
元
60
61
58
59
56
57
54
55
52
53
昭
和
49
50
51
0
○ 外国人旅行者受入数国際ランキング(2001年)
フランス
スペイン
アメリカ
イタリア
中国
イギリス
ロシア*
メキシコ
カナダ
オーストリア
ドイツ
ハンガリー
ポーランド
香港
ギリシャ*
マレーシア
ポルトガル
トルコ
スイス
タイ
オランダ
シンガポール
クロアチア
ベルギー
アイルランド
南アフリカ
マカオ
ウクライナ
チュニジア
チェコ
インドネシア
韓国
オーストラリ
オーストラリア
ブラジル
日本
エジプト
ノルウェー
モロッコ
アラブ首長
プエルトリコ
76,506
49,519
45,490
39,055
33,167
(アジアで1位)
22,833
21,169
19,811
19,697
18,180
17,861
15,340
15,000
13,725 (アジアで2位)
13,096
12,775 (アジアで3位)
12,167
10,783
10,700
10,133 (アジアで4位)
9,500
6,726 (アジアで5位)
6,544
6,452
6,448
5,908
5,842 (アジアで6位)
5,791
5,387
5,194
5,154 (アジアで7位)
5,147(アジアで8位)
4,817
4,773
4,772
←日本は世界で35位(
アジアで9位)
4,357
4,244
4,223
3,907
3,551
0
10,000
20,000
30,000
(*は2000年のデータ)
資料:世界観光機関(WTO)資料による
40,000
50,000
60,000
70,000
80,000
90,000
千人
○ 世界の国際観光客数と国際旅行観光収入(推移と予測)
観光客数(千人)
Tourist Arrivals
旅行収入(百万ドル)
Tourism Receipts
1980(昭和55)
287,493
105,313
1985(昭和60)
327,853
117,643
1996(平8)
596,524
437,938
1997(平9)
618,213
439,676
1998(平10)
626,450
442,506
1999(平11)
650,434
455,375
2000(平12)
696,758
477,031
2010(予測)
1,006,000
−
2020(予測)
1,561,000
2,000,000
注:表中の数字は、WTO側の統計の修正のため今後若干の変更が生じ得る。
資料:世界観光機関(WTO)資料による
1-5-9
○ 世界各国の観光産業の規模・雇用
世界各国の観光産業の規模(GDPに占める割合)
4.5
オーストラリア(1997)
3.8
チリ(1996)
3.4
ニュージーランド(1995)
2.4
カナダ(2000)
アメリカ合衆国(1997)
2.2
日本(2001)
2.2
0
1
2
3
4
5
%
世界各国の観光産業の雇用(全雇用者数に占める比率)
5.4
オーストラリア(1997)
4.1
ニュージーランド(1995)
カナダ(2000)
3.5
アメリカ合衆国(1997)
3.5
3.2
チリ(1996)
2.9
日本(2001)
0
1
2
資料:国土交通省資料
1-5-10
3
4
5
6
%
○ 国民1人当たり平均宿泊旅行回数及び宿泊数
回、泊
3.5
宿泊旅行回数
宿泊数
3.06
2.96
2.94
3
2.77
2.59
2.5
2.55
2.34
2.62
2.35
2.27
2.15
2.14
1.32
1.23
1.37
1.24
1
1.20
1.15
2.24
2.23
1.35
1.26
1.18
1.17
1.57
1.28
1.41
1.63
1.64 1.62
1.55
1.36
2.73
2.61
2.47
1.73
1.5
2.63
2.83
2.57
2.36
2.26
2.30
2
2.92
1.49
1.54
1.55
1.42
1.62
1.51
1.52
1.41
0.5
0
51
52
53
54
55
56
57
58
59
60
61
62
(
注)1 国土交通省総合政策局観光部調査による。
63
元
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
年
第156回国会における
小泉内閣総理大臣施政方針演説(抄)
(日本の魅力再生)
観光の振興に政府を挙げて取り組みます。現在日本からの海外旅行者が年間
約1600万人を超えているのに対し、日本を訪れる外国人旅行者は約500万人にと
どまっています。2010年にこれを倍増させることを目標とします。
1−5−12
観光立国懇談会報告書の概要
I
観光立国の意義−今、なぜ観光立国か−
1.世界が変わる
(1)グローバリズムが促す大交流−小さくなる地球、近づき合う人々−
世界がグローバリズムの定着に向けて大きく変わろうとしている。モノ、カネ、
技術、情報に加え、人々も世界的規模で行き交う大交流の時代を迎えている。この
中で、世界の人々は、国際観光に新しい価値を見出そうとしており、単に観光資源
を見るだけでなく、世界の人々とより親しく近づき合おうとしている。世界観光機
関によると、全世界の外国旅行者数は、2010年には10億人に、2020年に
は16億人に増加すると予測されている。
(2)大交流に遅れる日本−開かれた国を目指そう−
外国人旅行者の受入れ、日本への対内直接投資を見ると、日本は世界に十分に開
かれた国になっていない。日本がグローバリズムの定着に貢献し、「大交流」の利
点を享受しようと思うならば、世界に真に開かれた国となることが何よりも大切で
ある。
(3)高まる文化交流の役割−文化安全保障とソフト・
パワーの充実−
大交流時代において、人々の文化交流は、世界の安全保障に大きく貢献するもの
である。また、日本が観光立国を推進し、そのソフト・パワーの強化を図りつつ、
文化交流に力を入れていけば、日本が世界の中で独自のプレゼンスを示し、グロー
バリズムの定着に貢献することができる。
(4)量から質へ。変わる成長パターン−人間重視の時代−
経済重視の時代から人間重視への時代へと移りつつある中で、観光立国は、この
ような新しい成長パターンに応えるとともに、国内を外に開かれたものとし、文化
的魅力の向上に人々の関心を高める上で大きな役割を果たすものである。
(5)日本における観光の変遷
これまでの典型的な観光旅行のパターンは、名所見物型パッケージ・ツアーが一
般的であったが、最近では、観光ニーズの変化に対応して、参加・体験型の観光旅
行が注目されるようになった。
1−5−13
(6)進化する観光−観光のもつ高い改革効果−
観光は、自国の国力を高め、文化を諸外国に発信する有力な手段であり、国内の
システムを改革する契機である。同時に、経済に刺激を与え、教育を充実し、国民
の国際性を高めることにつながるものである。観光は、まさに国の将来、地域の未
来を切り拓く有力な手段であるといっても過言ではない。
2.観光の革新−文化の磁力を高めて−
(1)「国の光を観る」−観光の原点−
観光の原点は、ただ単に名所や風景などの「光を見る」ことだけではなく、一つ
の地域に住む人々がその地に住むことに誇りをもつことができ、幸せを感じられる
ことによって、その国や地域が「光を示す」ことにある。この観光の原点に立ち返
ること、つまり日本における「観光」概念の革新が必要である。
(2)観光は住んでよし、訪れてよしの国づくり
観光立国の基本理念は、住む人々が地域の「光」をよりよく自覚し、訪れる人々
にとっても地域の「光」をよりよく感じさせる「住んでよし、訪れてよしの国づく
り」を実現することにある。そのためには、観光の革新(文化の魅力を再活性化さ
せ、
「光」の輝きに磨きをかけ直し、心と頭にいい旅を再び創造すること)が必要
である。
(3)総合的な魅力の高揚する国家デザインの再構築を
観光の意義は、政治、経済、生活、文化など、今日の魅力の総合的な発揮と密接
にかかわっている。21世紀において、日本が目指すべき社会は、ダイナミックな
経済力を持ち、自律性を高めた個人が、国籍を問わず人間性を尊重し合い、文化と
革新力と多様性を充実させ、自然と環境を大切にし、国際社会と密接に交流し合う
ものと集約できよう。これは産業立国、情報立国、文化立国、環境立国を総合的、
有機的に展開し、この多彩な魅力を観光立国に高める国家デザインである。
(4)文化の磁力の充実
21世紀には、文化力や知力や情報力に根ざしたソフト・パワーを発揮すること
によって、他国から信頼を集めるとともに、内外の人々や企業などを魅き付ける磁
力の強化を国家的課題として推進することが必要である。
(5)観光の革新と21世紀日本の進路
観光の革新を推進することで、日本全体の、そしてそれぞれの地方の「光」が輝
きを増し、社会が活性化していくことになる。「世界に開かれた国」として、外国
の人々が「訪れたい」、「学びたい」、「働きたい」、そして「住みたい」日本となる
ことこそ、21世紀に日本が追求すべき国の価値である。
1−5−14
II
観光立国実現への課題と戦略−日本ブランドの輝きを高めよう
1.観光立国への総合的な戦略展開−住んでよし、訪れてよしの国づくり−
21世紀は、各国がその魅力を競い合う時代である。日本人の海外への旅行者数
が約1,600万人であるのに対し、日本への外国人旅行者数は約500万人にと
どまっており、極めてアンバランスな状態にある。海外からの来訪者を現在のレベ
ルから2010年に倍増させるためには、政府を始め、国の総力を挙げて取り組ま
なければならない。このため、
・観光立国への戦略を総合的に確立すること
−「己を知る」:自らの魅力を十分に分析、認識すること、日本人自身が自分
の住む土地を愛し、社会に誇りを持つ
−「他人に学ぶ」
:成功している国々の経験をつぶさに検討する
−「住んでよし、訪れてよしの国づくり」を目指す
・政府において内閣官房を始め、関係省庁一体となって取り組む体制を整えると
ともに、官民が協力し合い、在外公館や海外の関連機関が連携し、かつ、地方
も参画して国を挙げて取り組んでいく有機的なシステムを整備すること
・全ての日本人が来訪する海外の人々を暖かく「迎え入れる心」をもつこと
が必要である。
2.日本の魅力の確立
(1)国の魅力とは何か
国の魅力は、多様であり、複合的なものである。人々は観光拠点の魅力に惹かれ
ると同時にその国のもつダイナミズムに関心を持つ。
その国のもつ空間が人々をひきつける価値があるか、その国で過ごす時間が価値
あるものであるか、その国に社会を発展させる活力があるか、そしてその国の人々
が生きる喜びを味わい、「くらしといのち」の知恵と誇りを抱き、外国人に対して
も親しく接して生きる喜びを分かち合うかに係っている。
(2)日本の魅力はどこにあるか
日本は、魅力の宝島である。日本の魅力は、
①「自然との共生を図り、美を追求すること」にある。
②「伝統的なものと現代的なものが共存していること」にある。
③「産業的な活力と文化的な香りが共存していること」にある。
④「日本的なものと西洋的なものとが並存していること」にある。
⑤「自然の景観に恵まれていること」にある。
⑥「社会の治安と規律が保たれていること」にある。
大切なことは、我々日本人がもう一度日本を学び直し、理解し、愛し、日本の魅
力を発見し、創造して、日本の生き方に誇りを持つことである。
1−5−15
(3)日本はその魅力を発揮しているか
日本は、
①日本人自身が日本の魅力を十分に認識しなくなっていた。
②日本はその魅力を守り、維持することに努めてこなかった。むしろ、これを
破壊することさえあった。
③新しい魅力を創る努力が欠けている。
④経済社会の活力が停滞している。
日本人が自信を回復し、内なる国際化を加速するためにも、こうした行動を改め、
日本の魅力を維持し、創造し、発信していかなければならない。
3.日本ブランドの発信
(1)ブランド発信に総合戦略を
日本ブランドの発信力を高めようと思うならば、その発信を戦略的に展開する必
要がある。それには、海外での日本のイメージの調査と把握を手始めに、発信戦略
の構築、そして効果的な発信行動を再編成する必要がある。海外のPR戦略も参考
になる。
(2)マーケティング機能を強化しよう
観光を拡大するには、マーケティングが必要である。地域によって、人々によっ
て、その関心が異なるからである。
(3)国と民間と地方の連携を高めよう
日本のブランド力を高めるには、国及び民間そして地方が連携して効果的に発信
する必要がある。また、日本人全員が「観光大使」の気概を持って、日本の魅力を
海外の人々に十分に伝えていくことを心掛けねばならない。
(4)アピールに迫力を
日本ブランドを発信するに当たっては、訪日可能性のあるターゲットに焦点をあ
て、アピールの印象度の向上を図らなければならない。諸外国の例を見ても、トッ
プセールスはアピール度の向上に極めて有効である。日本のアイデンティティーを
確立した上で、その魅力を端的にパターン化し、システム化して、そのイメージを
分かり易く表現する工夫が必要である。2005年に愛知県で計画されている万国
博覧会は、日本の魅力を知らせる絶好の機会である。また、自分の国や地域の魅力、
自分そのものを語れる知識とコミュニケーション力を高める必要がある。
(5)情報通信手段の多様な活用を
最近、諸外国では、情報通信手段を積極的に活用している。外国向けのネットサ
イトはまだまだ貧弱であり、官民挙げてその整備を図る必要がある。その際、生き
た情報を日々更新すること、直接予約できる機能を持たせることが必要であり、さ
1−5−16
らに英語だけでなく、中国語、韓国語での表示が望ましい。
4.魅力を活かす環境整備
(1)ハード・ソフトのインフラ整備を
観光立国を実現するためには、日本の魅力が如何なく発揮できるよう、ハード及
びソフト両面のインフラを総合的に整備する必要がある。
(2)日本への入国手続の改善を
治安、不法就労等の問題について適切な対策を実施し、ビザの発給制度の改善に
努めるとともに、入国審査に係る時間の短縮を図るべきである。
(3)外国人が一人歩きできるように
日本は、外国人が一人歩きできる環境を整備しなければならない。この問題を解
決するためには、海外からの訪問者の視点で課題を洗い出し、早急に解決する必要
がある。
(情報の提供、英語表示等)
(4)観光産業の国際競争力を強めよう
観光産業は、今後のリーディング産業の一つと位置付けられるべきものである。
その発展を実現するためには、観光事業を産業として捉え、その国際競争力を強化
しなければならない。このため、関係企業がアイデアを出し合い、サービスを競い
合うよう、規制をできる限り緩和し、市場機能を高める必要がある。また、海外か
らの来訪者のニーズに合った多様なサービスを提供し、しかも価格帯が広く、幅広
く選択できることが望ましい。
(5)地域に根ざした魅力を高めよう
地域がさらに魅力を高めていくためには、生活文化を軸とした観光資源の整備、
創造に加え、周辺地域のネットワーク化を進めることが必要であるが、地域の観光
振興に先導的な役割を果たしている「観光カリスマ」にもその期待が高い。それぞ
れの地域が魅力を競い合い、セールスポイントを高め自律的な努力を促す意味を込
めて、
「一地域一観光」の国民運動を展開することを提案したい。また、日本の都
市をより美しくするため、「街を美しくする」国民運動も展開する必要がある。さ
らに、都市と農村を双方向で行き交うライフスタイルを選択するといったこれから
の生き方を考えさせてくれる「都市と農山漁村の交流」を積極的に進める必要があ
る。
(6)人材を育てよう
観光立国を実現し、観光産業の国際競争力を強化するには、それに相応しい能力
を備えた人材が決め手である。政府及び民間を挙げてその育成に努める必要がある。
同時に、高等教育機関における専門の観光リーダー育成の検討を行うべきである。
1−5−17
諮問文
中央教育審議会
次に掲げる事項について,別紙理由を添えて諮問します。
今後の初等中等教育改革の推進方策について
平成15年5月15日
文部科学大臣
遠山敦子
(理由)
我が国の社会が現在直面している様々な課題を乗り越え,今後さらな
る発展を遂げ,国際的にも貢献していくためには,教育の普遍的な使命
と新しい時代の大きな変化を踏まえ,21世紀を切り拓く心豊かでたく
ましい日本人の育成が重要である。その観点から,近年,21世紀教育
新生プランや人間力戦略ビジョンを策定し,教育内容や教育条件など広
範多岐にわたる教育改革の取組を進めてきている。今後さらに中・長期
的な展望に立ち,生涯学習の理念など総合的な視野の下に,学校教育の
根幹である初等中等教育について,不断の改善・充実を図っていくこと
が求められている。新しい時代の学校にあっては,より一層,子どもた
ちに豊かな心を育むとともに確かな学力を身に付けさせ,保護者や国民
の信頼に十分応えることができるよう,子どもたち一人一人の個性に応
じ,その能力を最大限に伸ばす創意工夫に富んだ教育活動が行われるこ
とが重要である。このため,初等中等教育に関して,教育内容・方法や
制度の在り方などについて幅広く検討し,初等中等教育の改革をこれま
での改革の取組を基に着実に推進していく必要があると考える。
当面,次の事項について検討する必要がある。
(1)初等中等教育の教育課程及び指導の充実・改善方策について
(2)義務教育など学校教育に係る諸制度の在り方について
1−5−18
【当面の検討事項】(抄)
(1)初等中等教育の教育課程及び指導の充実・改善方策について
また、各学校では完全学校週5日制の下での教科や学校行事などの
充実を図る取り組みを進めることが求められる。このため、年間授業
時数が標準授業時数であることを一層明確にするとともに、長期休業
日や学期の区分のあり方などを工夫することが必要だ。改善すべき点
がないか検討してほしい。
1−5−19
(1)⑥ビューティケア
1.当該分野の現状と今後の展望(望まれる姿)
(1)現状
「エステティック業」に関する定義として、日本標準産業分類表(平成1
4年3月改訂)において、「手技又は化粧品・機器等を用いて、人の皮膚を
美化し、体型を整えるなどの指導又は施術を行う事業所をいう。」とされて
いる。
2001年度のエステティック産業の市場規模は、約3800億円と推定
されている。業界調べでは、エステティックサロンは全国で1万店舗程度と
推定されている。
体を健康にするという意味では、フィットネスクラブ業も業界の再編が進
み、競争が激しくなっている。市場規模は2945億円と推定されている。
消費者のライフスタイルとこれに支えられるニーズの多様化への対応とし
て、大手企業の中にはサービスの中にエステを導入し、サービスの幅を広げ
る動きが見られる。
(2)今後の展望
国民の健康や美への関心の高まりを背景にエステティックへのニーズは
総じて高くなっている。
理美容の現状を見ても、床屋が減少する一方で美容院は逆に増加している。
消費者は「きれいになる」ことを望んでいると言えるだろう。
業界団体としても、消費傾向は「癒し」や「リラクゼーション」など「形
のないもの」へ伸びるだろうと認識している。
2.政策課題
○ エステティックサロンの認定制度
○ 施術者の共通資格制度の整備
3.今後の取組
平成11年(1999年)10月22日に改正訪問販売法(平成13年6
月1日、特定商取引法に改正)が施行され、特定継続的役務としてエステテ
ィックに消費者と事業者の契約ルールが導入された。
法施行後、一部の大手事業者の法的整理手続きなどを原因とする消費者か
らの相談機関への相談事例の急増といった現象も見られたものの、ここ数年
の苦情・相談件数は、漸減する傾向にある。しかしながら、その件数自体は
依然として高い水準にあり、消費者からの信頼感を勝ち得ているとは言い難
1−6−1
い状況にある。
エステティックに関する相談件数
2001年
10137
1999年
10848
9290
17633
1997年
8058
6993
5277
4614
5591
6016
4674
1995年
1993年
1991年
0
5000
10000
15000
20000
相談件数(件)
また、ここ数年、エステティックサロンのサービスとして安全性に疑念が
もたれるような施術サービスも見受けられており、相談機関には、消費者か
らの身体への危害に関する相談事例も年間500件近く報告されている。
その他にも、料金体系が不透明といった苦情もあり、消費者への適切な情
報提供も徹底すべきであろう。
こうしたことから、経済産業省では、取引の適正化に努める一方、消費者
が安心してサービスを受けるための仕組みとして、エステティックサロンの
認定制度と施術サービスに携わる施術者(エステティシャン)の共通資格制
度についての、業界の自主的取組を促しているところ。
エステティックサロンの認定制度とエステティシャンの共通資格制度の
あり方については、長年業界内でもその必要性について議論されてきた課題
である。
業界自らが制度の具体化に向けて主体的な取り組みを行うことが必要で
あり、また、行政としてもこのような取り組みを支援していく。
具体的には、上記制度を実施する中核機関として、「日本エステティック
認定機構(仮称)」の設立準備を進め、来年4月にも新組織を発足させ、そ
の後現職者及び新卒者に対する教育・認定を行った上で、平成18年(20
06年)を目途にエステティックサロンの認定制度のスタートを目指して作
業が進められることを期待する。
4.施策の効果
エステティックサロンの認定制度や共通的な資格制度の整備により消費
者の信頼性が向上し、顧客層が拡大することにより、2000年時点から2
005年までに概ね0.3万人の雇用が創出されることが見込まれる(参
1−6−2
考:2007年までに0.5万人)。
(算定根拠)
エステ全体の市場規模(施術、物販、メンズ含む)について、2005年は矢野経
済研究所のデータを使用し、2007年の市場規模は、2005年度からの業界の取
り組みが定着するとして年率3%の伸長を仮定。
・2000年
3819億円
・2005年(予測)4201億円
・2007年(予測)4459億円
2000年現在のエステティック店舗数を約1万店、1店舗あたりの平均従業員数
を3名と仮定し、従業員者数は約3万人。施術市場と比例した伸長率で増加するもの
と仮定し、推計。
・2000年(推計)29774人
・2005年(予測)32752人
・2007年(予測)34761人
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(1)⑦スポーツ関連サービス
1.当該分野の現状と今後の展望(望まれる姿)
(1)現状
成熟化社会、少子高齢化社会における個人のライフスタイルの変化に伴い、
人々のスポーツに対する関心・欲求はますます高まり、多様化することが予
想され、スポーツは、サービスとしても発展・拡大が期待できる分野である。
スポーツは心身両面にわたる健康の保持増進に資するものであり、国民が生
涯にわたってスポーツに親しむことは大きな意義があるといえる。
しかし、平成12年の総理府の世論調査の推計によると、我が国の週1回
以上のスポーツ実施率は37.2パーセントであり、50パーセントを超え
るヨーロッパ先進諸国に比べて低い状況にある。その背景には、身近な地域
社会におけるスポーツ環境の整備が不十分であることがあげられており、文
部科学省においても、平成22年までに全国の各市区町村において少なくと
も1つは総合型地域スポーツクラブを育成することを目標に、取組を進めて
いるところである。スポーツ指導者については、それぞれのスポーツ団体に
おいてその養成確保がなされており、文部科学省はその養成事業の認定を行
っている(平成14年10月1日現在、資格取得者は11万人)。住民のス
ポーツ活動の場となるスポーツ施設について、地域の実情に応じて整備が行
われつつあるものの、地域住民の多様なニーズに応えきれていない状況も見
られる。
また、健康志向の高まりから、気軽に始めることのできるランニング、ウ
ォーキング、フィットネスなどの健康スポーツへのニーズの高まりが見られ
る。
(2)今後の展望
国民誰もがいつでもどこでもスポーツに親しむことができるよう、総合型
地域スポーツクラブの整備を進め、地域の多様なニーズに応じたスポーツサ
ービス(水泳、ゴルフなど)の提供、専従のマネジメントスタッフの育成や
その配置を進めることが必要である。また、総合型地域スポーツクラブの社
会的信頼・安定的な活動に資するため、NPO法人化を進めることも考えら
れる。公共スポーツ施設についても、早朝、夜間開館などの利用時間帯の拡
大、学校のスポーツ施設の開放、スポーツ施設の利用に関する情報提供を通
じて、運動施設の利用を促進するため、地域の実情に応じて地域スポーツの
核となる総合型地域スポーツクラブへ等への管理委託を進めていくことや、
PFI事業による民間活力を導入したスポーツ施設の建設、管理運営につい
ても検討することが求められる。また、指導者に対する国民の量的・質的ニ
1−7−1
ーズに応えるために、適切な指導方法の普及、優れたスポーツ指導者の養
成・活用や、総合型地域スポーツクラブなどのスポーツ施設への配置を促進
することが必要である。また、今後、健康づくりを目的とする地域住民に対
して、個人個人の身体の状況に適した運動プログラムや生活習慣病予防のた
めの運動習慣づくりをサポートする機能が重要になってくると考えられ、こ
のような運動プログラムの提供等を行う健康増進施設の普及促進を図って
いく必要がある。
民間スポーツ施設についても、幅広い利用者のニーズに応えたサービスを
提供することが一層必要になると思われる。例えば、ゴルフ場では、高齢者
や子ども向けのサービスを充実させたり、地域の実情により学校と連携させ
たりするなど、多様なサービスの展開が考えられる。
2.政策課題
(1)スポーツ環境の整備
○ 総合型地域スポーツクラブの整備
○ 民間事業者との連携促進を通じた公共スポーツ施設運営の効率化
○ PFI事業による民間活力を導入した公共スポーツ施設の建設、管理運営
の検討
○ 公共スポーツ施設の利用拡大
○ 優れたスポーツ指導者の養成・活用とスポーツ施設への配置促進
○ 健康増進施設の普及促進
3.今後の取組
(1)総合型地域スポーツクラブの育成 (文部科学省)
国民の誰もが身近な地域社会の中で継続的にスポーツに親しめるよう、仲
間、スポーツ施設、活動プログラム、指導者などのスポーツ活動の基盤が整
備され、地域住民の自主的な運営を目指した総合型地域スポーツクラブ育成
の全国展開を推進しており、平成7年度よりモデル事業を実施している。平
成14年7月現在において、426市町村(115市町村におけるモデル事
業を含む)で541クラブが育成されており、その取組は着実に進行してい
る。
今後も総合型地域スポーツクラブ育成に向けたモデル事業への支援、クラ
ブマネージャーの養成講習会の開催や創設・育成マニュアルの作成による情
報提供など、引き続き育成・定着に向けた施策を推進していくとともに、N
PO法人化を促進し、その活性化を図る。
(2)健康増進施設の普及促進(厚生労働省)
1−7−2
国民の健康増進を図るため、健康増進のための運動を安全かつ適切に実施
できる施設と、運動に加えて温泉利用等を適切に実施できる施設をそれぞれ
運動型健康増進施設及び温泉利用型健康増進施設として普及促進を図る。
4.施策の効果
これらの施策の推進により、2000年時点から2005年までに概ね0.
28万人の雇用が創出されることが見込まれる(2007年までに0.4万
人)。
(算定根拠)
○総合型地域スポーツクラブの育成
文部科学大臣認定のスポーツ指導者養成事業のうち、
「商業スポーツ施設における
指導者」に係わる資格の取得者数を基に、2000年から2002年までと同じペ
ースで増加すると仮定して算出。
1−7−3
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