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メニュー&ワイン解説 (2,April,2006)

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メニュー&ワイン解説 (2,April,2006)
M
E
N
U
Amuse
フランス産白アスパラガスのブランシールとフラン
オランデーズソース
Entrée
旬の魚介と春野菜のサラダ
果物風味のソース
Poisson
桜鯛のロティール
甲殻類の香りを着けた赤ワインソース
Viands
牛肉赤ワイン煮 カカオ風味
春野菜添え
Fromage
パリ/ランジス市場直送のフロマージュ盛合
Desserts
デセール盛合
Café
Petit Four
Parti de Ch,Mouton Rothschild 1970 et 1975
完全会員制
小 坪 倶 楽 部
2,April,2006
*地産地消の原則に則り、可能な限り地場産の素材を中心に使っています。
料理の詳細
フランス産白アスパラガスのブランシールとフラン オランデーズソース
フランス人が「春の訪れ」を感じる素材…「白アスパラガス」。信頼のおける業者
が空輸した、新鮮かつ上質のフランス産のアスパラガスを、春の香りを最大限に楽
しめる「少し茹で過ぎじゃない?」という感じる位までブランシール(茹で上げ)、
同じ白アスパラガスで作ったフランを添えた一皿。卵黄で作るオランデーズソース
でお楽しみください。
旬の魚介と春野菜のサラダ いちご風味のソース
細魚(サヨリ)や眼張(メバル)、鱸(スズキ)、鯛などと言った相模湾の旬魚、ま
た湘南に春を告げるメトウ烏賊などを、鎌倉産の春野菜と一緒にサラダを作りまし
た。サッパリとした酸味のグレープフルーツのジュレと、甘酸っぱいいちご風味の
ソースを添えました。
(魚介類は、当日の入荷によって変わります)
桜鯛のロティール 甲殻類で香りを着けた赤ワインソース
鯛は、桜の季節が一番の旬…相模湾産の鯛をフライパンで軽く焼目をつけてから、
オーブンで加熱調理(ロティール)した料理。さっと炒め、軽いコンソメを潜ら
せた鎌倉産の野菜を添えてあります。ソースは、赤ワイン(カベルネソーヴィニ
オン)にぶつ切りにしてから軽く炒めた甲殻類(ロブスター)を加えて煮詰め、
更にコクをつけるためのグラスドビアンドとバター、味を引き締める赤ワイン酢
を加えます。「魚料理に赤ワインのソース…?!」少なからず違和感を覚えられる
かもしれませんが、甲殻類の香りを着けることで、魚料理に絶妙な相性を発揮す
るようです。
牛肉の赤ワイン煮 カカオ風味 春野菜添え
小坪倶楽部のスペシャリテでもある赤ワイン煮…今回は、ブリスケという部位を使
っています。香味野菜と共に数日間ワインにマリネした肉に焼き目を付け、今回の
主役である“Mouton Rothschild”と同じカベルネソーヴィニオン主体+メルロー
+カベルネフランの赤ワインとフォンドボウを使ってじっくりと煮込んでありま
す…トロトロまで煮込んでしまい、肉の旨味が抜けてしまうようなものではなく、
「肉の存在感」を可能な限り際立てる努力をしています。
赤ワイン煮は、地場産のワインを使ったブルゴーニュの伝統的な郷土料理のひとつ
ですが、小坪倶楽部では敢えてボルドー産の重いワインを使います。また、最近市
中のレストランで「軽く仕上げた赤ワイン煮」も見かけるようですが、小坪倶楽部
ではその逆…一人前辺り約1本のワインと、大量のフォンドボウを煮詰めていくの
で、味の凝縮感はかなりのものだと思います。また今回は、カカオマスを使って「仄
かなチョコレートの香り」を着けることで香味に奥行きを出しています。鎌倉産の
新じゃが芋他、春を感じる野菜を添えてあります。
パリ/ランジス市場直送のフロマージュ各種盛合せ
小坪倶楽部で使うチーズは、全て札幌のインポーター「チーズマーケット」から入
手しています。全ての面で信頼のおける「チーズマーケット」が、パリの市場(マ
ルシェ)から直接仕入れている厳選のフロマージュをお楽しみ頂きます。今回は、
「コンディションのいいものを“おまかせ”で…」と注文しています。何が来るか
は当日まで判りません…。
デセール盛合
テーブルに皿が並ぶまで、「お・た・の・し・み…」としておきます。小坪倶
楽部の定番デセールから、季節感のあるデセールまで…手抜きのないお菓子をご
用意します。「デセールは別腹」ともいいますが、料理がしっかりとしているこ
ともあり、またフロマージュもお楽しみ頂くことから、小さめのポーションでお
出ししますが、「おかわり」は沢山ご用意していますので、ご遠慮なく(恥ずか
しがらずに)…。
カフェ+プティフール
深煎りした濃厚なコーヒーと、大したものは作れませんが簡単なプティフール
(小菓子)もご用意させて頂きます。食後のひと時、今回の Ch,Mouton Rothschild
1970 et 1975 と、ご用意した料理の余韻に浸りながら…食後酒(マール・グラ
ッパ・コニャック・アルマニャック・ポルト・各種リキュール類)のご用意もご
ざいます。
偉大なワインに負けないように…精一杯努力をして、厳選した素材+手を抜かない適切
な調理を心がけております。「素人だから…」という甘えも可能な限り排して真剣に素
材と取り組み、真剣に調理をしています。しかしながら「素人料理」の範疇を出られな
いのかも知れません。見た目だけでなく肝心な味に至っても…様々な面で「素人臭さ」
が出てしまうのかも知れませんが、一生懸命!の心意気も一緒に味わって頂けると幸い
です。
Ch.Mouton Rothschild 1970
Medoc 地区には“Ch.Lafite Rothschild(通称ラフィット)”“Ch.Margaux(マルゴー)”“Ch.Latour
(ラトゥール)”“Ch.Haut-Brion(シャトーオーブリオン)”そして“Ch. Mouton Rothschild(ムート
ン)”という五つの Premiers Cru(一級シャトー)があります。
二級に甘んじていたこの Ch Mouton Rothschild は「首位に立つを得ずといえども、2位に甘ん
ずるを肯んず」という有名な言葉を残しています。この 1970 年の時点では2級の格付けでした
が、1973 年に特例として一級に昇格しました。
1945 年以来、年変わりで高名な画家がラベルのデザインすることで有名なこの
Ch.Mouton Rothschild。“ミロ”や“ピカソ”と言った美術界の大御所だけではなく、
1988 年のラベルは、路上の落書きを芸術にまで高めた新進の米国人ポップア
ーティスト“故キース ヘリング”もそのラベルのデザインを手掛けています。そ
んなことから、もはやコレクターズアイテムともなってワイン愛好家以外からも
人気を集めてしまっている感すらあります。この 1970 年は日本でもファンが多
い“マルク シャガール(1887~1985)”の筆によるものです。
1970 年のボルドーは、品質も収量も第二次世界大戦後で最良の年と言われ、
1962 年から 1982 年の 20 年間で最も人気が高いヴィンテージ。当然、市場価格
も強含みで推移、年を経るごとに在庫が減少…希少価値がでているために、ま
だまだ高値安定のようです。しかしながら、今から「2001 年前後に頂点を迎え
た」と言われるこの 1970 年の Ch Mouton Rothschild 、(確りとした出来栄えゆ
えに)一般的には「5 年たった今でも十分に満足のいくもの」だとも言われては
いますが、徐々に勢いが失われてきていることも事実。「リコルクなし」「液面が
ボトルネックまで下りてきている」という不確定要素も。
実際に抜栓してみなければどのような状態であるかは判りません。「管理がし
っかりとなされていた」という入手先の言葉を信じれば、深いガーネットの色調
と、鼻腔に絡み合うトリュッフ香やタバコ香、カシス香などの複雑なアロマ、官能的とも言える
ミネラル感に溢れた深く豊かな味わいを、30 数年の時の流れと共に楽しむことができる一本
なのかも知れません。今回入手した一本は残念ながら「ラベルが汚損」しています。穿った見
方をすれば「管理がずさん」という可能性も…。場合によっては劣化が進んでしまっている可
能性も…。いずれにしても、デカンタージュをして(30 年の眠りからゆっくりと)時間を掛けて目
覚めさせて…吉と出るか凶と出るかも含めて楽しみな一本なのかも知れません。
DATA
AOC Pauilac(Pauilac 村)
格付 Bordeaux/Medoc 地区格付…Premiers Cru(一級)この 1970 年はまだ二級
年間生産量 約 25,000c/s(平均)
葡萄品種 カベルネ ソーヴィニオン 77%
メルロー11%
カベルネ フラン 10%
その他 2%
醸造法 木製の発酵槽で 21~31 日→オークの新樽で 19~22 ヶ月樽熟→瓶詰
Ch.Mouton Rothschild 1975
Medoc 地区には“Ch.Lafite Rothschild(通称ラフィット)”“Ch.Margaux(マルゴー)”“Ch.Latour
(ラトゥール)”“Ch.Haut-Brion(シャトーオーブリオン)”そして“Ch. Mouton Rothschild(ムート
ン)”という五つの Premiers Cru(一級シャトー)があります。この“Ch. Mouton Rothschild”は一
番最後(1973 年)に特例として Premiers Cru の仲間入りを果たしました。
1945 年以来、年変わりで高名な画家がラベルのデザインすることで有名なこ
の Ch.Mouton Rothschild。“ミロ”や“ピカソ”と言った美術界の大御所だけで
はなく、この 1975 年のラベルは、米国人ポップアーティストの草分けである
“アンディー ウォーホ-ル”。美術界のビッグネームだけでなく、新しい(それ
も米国の)芸術家を起用する辺りの選択眼は中々のもの。もはやコレクター
ズアイテムともなってワイン愛好家以外からも人気を集めてしまっている感
すらあります。
1975 年のボルドーは、暖かくかつ多雨の冬だったのですが、葡萄の新芽が
芽吹き始める春先になって急に冷え込み、霜の被害にもあいかけました。し
かしその後気温が一気に上昇~更には雨の少ない暑い夏を迎えることがで
き、結果としては完全とは言えないものの、作り手が納得できる葡萄を収穫
するに至りました。
この一本は今から 10 数年前に入手~最近まで、有料のカーブに預けており、
温度や湿度に関して完璧な管理がなされています。一般的に、概ね 30 年で
ピークを迎えると言われる Ch. Mouton Rothschild ですから、今が全くドンピシ
ャの「飲み頃」なのかも知れません。しかし、この 1975 年は過去 30 年の Ch.
Mouton Rothschild の中でも、一~二を争うほどに「ゆっくりと成長している」
ヴィンテージとも言われています。となると、少しだけ「早い」との感も否めま
せんが、しっかりとした管理の下にあり、液面の低下も余り認められず…もちろんリコルクもな
しということから考えれば「誤差の範囲」だと考えます。
濃いルビー色にも近いガーネットの色調と、西洋杉の香り+ショコラ香+カシス香。更には遠
くの方で甘いスパイス香も加わって複雑なアロマを形成します。他のヴィンテージと比して、
(葡萄の生育期の気候の影響か)一段と深い果実味を体感できると思います。官能的とも言
える果実味と長く(でも柔らかく)舌に広がるタンニン味も…。
DATA
AOC Pauilac
格付 Bordeaux/Medoc 地区格付…Premiers Cru(一級)この 1970 年はまだ二級
年間生産量 約 25,000c/s(平均)
葡萄品種 カベルネ ソーヴィニオン 77%
メルロー11%
カベルネ フラン 10%
その他 2%
醸造法 木製の発酵槽で 21~31 日→オークの新樽で 19~22 ヶ月樽熟→瓶詰
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