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24-11 精神・神経疾患のバイオマーカーの探索と臨床応用に関する

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24-11 精神・神経疾患のバイオマーカーの探索と臨床応用に関する
24-11
精神・神経疾患のバイオマーカーの探索と臨床応用に関する研究
主任研究者 功刀浩
分担研究者
服部功太郎、吉田寿美子、岡崎光俊、太田深秀、富田博秋、吉村玲児、北條
浩彦、株田智弘、岡本智子、山村隆
1. 平成 25 年度の研究成果
活動性が上昇している可能性を示した。山村らは、
統合失調症、気分障害、多発性硬化症、パーキ
再発寛解型多発性硬化症(RRMS)において、プ
ンソン病などの精神・神経疾患の診断や治療効果
ラズマブラストが治療反応性を予測することを見
判定に役立つバイオマーカーの探索を行った。研
出した。
究代表者は、分担研究者服部とともに、統合失調
症, うつ病、双極性障害、健常者の脳脊髄液約500
検体を収集し、オミックス解析を行っている。プ
ロテオーム解析により、これらの精神疾患のバイ
2. 平成 26 年度の研究計画と期待される研究成果
26 年度は、これまでに見出された結果の再現性
をさらに確認し、感度・特異性を高めることをめ
オマーカー候補を100分子以上同定した(特許申請
ざした方法論的改良を行う。それによって、実際
に臨床応用可能なバイオマーカーを確立すること
予定)。うつ病のバイオマーカー候補として特に
が期待できる。
注目される分子としてfibrinogenがあげられる。
microRNAについても網羅的解析を行い、バイオ
マーカー候補として重要な39分子を同定した。候
補分子研究では、IL-6が精神疾患で上昇している
ことなどを明らかにした。
分担研究者の吉田らは、大うつ病、双極性障害、
及び統合失調症に対して 5 時間糖負荷試験を行い、
統合失調帳における耐糖能異常や、精神疾患にお
3. 行政施策への貢献度
本研究により、種々のバイオマーカーによる統
合失調症、うつ病、多発性硬化症、パーキンソン
病の客観的診断・病態評価法、生物学的亜型分類
指標に関する提言を行うための知見が多数得られ
た。
血液、脳脊髄液などの収集によって、今後の医
学研究に貴重なバイオリソースとなる。
ける低血糖症状の増加を見出した。岡崎は、ミス
マッチネガティビティが統合失調症のマーカーと
して有用であることを示唆する予備的所見を得た。
4. 研究発表(主な原著論文を選択)
太田らは、MRI による脳構造解析を用いた統合失
2013.
Sasayama
et al: J Psychiatr Res 50:
2)
調症大うつ病性障害を鑑別する方法を開発した。
富田らは、PTSD のマーカーとして、唾液中の遺
伝子発現について明らかにした。吉村らは慢性統
合失調症患者では血清 BDNF 濃度が低値である
結果を得た。北條らは神経変性疾患モデルマウス
を用いてバイオマーカー、治療薬となり得る
miRNA を同定した。株田らは、脳脊髄中の
UCH-L1 が、ギラン・バレー症候群の重症度を予
測するマーカーになる可能性を見出した。岡本ら
は、パーキンソン病患者の一部において、CCR2 陽
性 CCR5 陽性が活性化し、Th1 細胞や Th17 細胞の
1) Ota et al: J Psychiatr Res 47: 1383-1388,
79-83,2014
et al: J Affect Disord 152-154:
3) Hori
441-447,2014
4) Takahashi et al: PLoS ONE 8(8): e73214,2013
5) Kabuta et al: J Biol Chem 288(18):
12615-26,2013
6) Chihara et al: PLoS One 8(12): e83036,2013
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