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合志市重点区域土地利用計画書

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合志市重点区域土地利用計画書
合志市重点区域土地利用計画書
平成24年3月
熊本県合志市
1
「合志市重点区域土地利用計画」の策定にあたって
本市の現状としては、合併後5年を経過し、市全体的には人口・世帯数とも順調
な伸びがあるものの、市北部地域では人口減少と高齢化が進み、地域格差が出てき
ています。
財政的には、自主財源が減少し依存財源に頼る財政状況が続いており、人口の増
加と高齢化の進展に伴い福祉予算等も増加しています。また、税収においては、景
気の低迷などにより個人市民税が減少傾向となっており、法人市民税も景気の影響
による増減が著しく、税収の予測が難しくなっている状況です。市では、将来の財
政状況を見据えて、起債(借金)の繰上償還を進めると共に、新たな行政需要に対
応するための基金(貯金)の積み立てなどにより、財政的な対応を進めていますが、
このままの状況下では、将来の安定的な財政運営ができないことを想定しておく必
要があります。
さらに、土地利用の上では、本市は熊本市を中心とする熊本都市圏に含まれ、市
街化区域と市街化調整区域の用途規制があり、加えて民間主導の宅地開発を随時受
け入れてきたために、バランスのとれた本来のまちづくりができていない現状です。
このようなことを踏まえて、市民サービスを維持・向上させ、本市がこれからも
発展していく上で必要となる健全な財政力を整えるため、都市づくりによる「稼げ
る市」の形成を図る必要があります。また、人々が安心し安全に暮らせ、地域格差
のない活力に満ちた「健康都市こうし」の創出を図るため、土地利用の指針として
本計画を策定しました。
最後に、本計画の策定にあたり、ご協力いただきました地域代表者をはじめ関係
機関の皆様に厚く御礼を申し上げます。
平成24年3月
合志市長
2
荒木 義行
目
次
「合志市重点区域土地利用計画」の策定にあたって
★
計画編
1.合志市重点区域土地利用計画とは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2
2.公共交通ネットワークでつながった階層型多極集中拠点による都市構造・・
3
3.重点土地利用区域と拠点地区の基本構想・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4
3-1.重点土地利用区域と拠点地区の配置・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3-2.各拠点地区の土地利用イメージ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4
5
★
データ編
1.人口について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16
2.商業について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17
3.住宅の需要予測について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22
4.エコエネルギーの導入促進に関する事例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23
5.北熊本スマートICについて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・26
6.開発に関わる主な法規制・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27
3
計
画
編
-重点区域土地利用コンセプト及び地域発展シナリオ-
1
1.合志市重点区域土地利用計画とは
●良好な住環境と雇用の場を提供するための土地利用を進める
この計画は、農村の豊かな環境を保全しつつ良好な住環境(市街地)を創出し、
市民の健康増進を図り、かつ市内において多くの雇用を創出することを実現するた
めの土地利用計画であり、市民の所得向上はもとより市財政の安定化を目指すもの
です。
具体的には、現況の土地利用や交通網を踏まえ、市域のバランスある発展を考慮
し、①竹迫地区(合志庁舎前~飯高山・群山南部)、②辻久保~黒石地区(国道 387
号沿線)③野々島地区((仮称)北熊本スマートインターチェンジ【以下、北熊本
スマートICという】周辺)を重点土地利用区域に定めます。
●健康を切り口に都市づくりを進める
都市の活力は市民の健康が源です。市民一人ひとりが健康という資本を高め、そ
の資本を使って合志市で活動することにより、経済や文化を豊かにしていきます。
健康をキーワードにすることで、企業誘致、産業創造においても「健康産業」
「食
と農に関連する産業」などにターゲットを絞り、都市の特性を打ち出していきます。
また、基幹産業である農業は健康に直結する産業であり、農家の経営安定は「都
市づくり」の上で重要です。
●雇用を創出する都市
若者から高齢者まで、市民がそれぞれに応じた多様な働き方ができるような場を
創出します。
例えば、農家であれば、生産の維持拡大に加え、農産加工と製品販売(6次産業
化)による収入の増加を図ります。
また、都市部と農村部を結ぶ方策として、就農や農産加工に従事するといった機
会を創出します。併せて、小売業やサービス業を誘致し、雇用創出とともに市民生
活の利便性向上を図ります。
企業誘致や雇用を生みだすことで、経済が活性化し、税収の安定にもつながると
考えます。
2
2.公共交通ネットワークでつながった階層型多極集中拠点
による都市構造
重点区域における都市づくりを進める上では、階層型の「多極集中」の都市構造
を目指します。
具体的には、市民の日常生活に必要な食料品や日用品の買い物利便性を確保する
ために、スーパーを核とする「コミュニティ生活拠点」をバランスよく配置すると
ともに、御代志駅周辺及び合志庁舎周辺などに、商業施設や公共施設等を集積させ
た「都市中核拠点」を設けます。
「コミュニティ生活拠点」は、できるだけ多くの人が、徒歩または自転車を使っ
て移動できるように配置し、「都市中核拠点」には、合志市の顔となる高次の都市
サービスや、観光客など広域からの利用も考え、地域に必要な魅力ある生活・文化・
商業施設を配置します。
また、各拠点をバス網によって便利に移動できるようにすることで、都市全体と
して複数の拠点を選択的に利用できる“多極集中”の都市構造を実現します。
なお、北熊本スマートICは、観光やビジネスの新たな玄関として位置付けます。
●コミュニティ生活拠点
集落や住宅団地の分布を考慮し、市民生活にもっとも重要な最寄品の買い物ができる
商業施設(スーパー等)を核にした拠点。周辺の住宅地から、概ね徒歩や自転車で利用
できる圏域を想定する。
○都市中核拠点
公共交通のターミナルを中心に、魅力的な商業施設や公共施設、雇用の場を配置し、
市民の交流拠点となるほか、熊本都市圏や広域観光ルート上の交流拠点となる。
都市構造イメージ
北熊本スマートIC
都市中核拠点
コミュニティ
生活拠点
3
3.重点土地利用区域と拠点地区の基本構想
3-1.重点土地利用区域と拠点地区の配置
3つの重点土地利用区域の中で、特に重要となる拠点地区(6地区)を定め、その
配置は下図に示すとおりです。
拠点地区の基本構想の検討は、合志庁舎前と飯高山・群山南部地区に関しては「竹
迫地区委員会」、辻久保、御代志、黒石、野々島地区に関しては「野々島・辻久保
~黒石地区委員会」で主として議論し、最後に両委員会の意見を全体委員会で総合
的に検討しました。
重点土地利用区域と重点地区の配置
【重点区域】辻久保~黒石地区
【重点区域】野々島地区
野々島地区
辻久保地区
【重点区域】竹迫地区
御代志地区
合志庁舎前地区
黒石地区
飯高山・群山南部地区
以下に、委員会で出されたアイデアを基に、地区別の土地利用のイメージを示し
ます。
4
3-2.各拠点地区の土地利用イメージ
(1)合志庁舎前地区
イメージパース作成範囲
土地利用現況
●コンセプト:食と農と商が融合したまち
地元農産物の消費拡大を図り、かつ市民の消費生活を便利で豊かにするための商業施設と
新しい時代の農業振興を図るための野菜工場や農産物の加工・販売施設、農業体験施設を導
入し、生産、加工、販売、就農者育成などを総合化した農業の6次産業化を推進します。
さらに、ヴィーブルとの相乗効果を発揮するため、運動施設や福祉施設などの環境を整え
ます。これにより当該地区を、東部の生活文化拠点、及び南部住宅地域と北部農村地域を融
合させる交流の場とします。
●委員会で出されたアイデア
●課題
1)
商業施設(スーパー、専門店、レストランなど)
2)
農産物加工・販売所、物産館、道の駅など
群山南部の住宅開発(今後の
3)
公共施設(警察署、消防署、総合福祉施設)
市の人口増を誘導)と連動し、
4)
高齢者施設(老人ホームなど)
一連の良好な市街地を形成す
5)
展望所(阿蘇の眺望を楽しむ)
ること。
6)
交通ターミナル(バス、自転車)
7)
運動施設(ウォーキングコースやフィットネスクラブ)
8)
野菜工場、観光農園
9)
緑地(緩衝緑地 兼ウォーキングコース)
・合志工業団地を挟み、飯高山、
・周辺農用地の生産環境や景観
に配慮した施設を計画する。
・道路交通に配慮し、導入する
機能や規模を検討する。
・都市計画及び農業振興計画の
10) 文化交流施設
11) 駐車場(既存の庁舎、ヴィーブル利用者にも対応)
12) 合志庁舎やヴィーブルの有効活用
5
法規制のクリア。
合志庁舎をヴィーブルを遠望する全景のイメージ
JT交差点側から眺めたイメージ
合志庁舎側から眺めたイメージ
6
(2)飯高山・群山南部地区
イメージパース作成範囲
土地利用現況
●コンセプト:理想的な市街地の形成 -良好な住環境と商業サービス-
市街化区域(堀川以南の住宅団地部)に接する当地区においては、将来増加する人口を受け
入れる住宅地とします。また、この地域の日常生活を支援する商業施設を導入します。
●委員会で出されたアイデア
●課題
1)
戸建住宅(700戸) 約 2,300 人
2)
商業施設(スーパー)
行われるよう、都市計画の市
3)
道路、公園、調整池
街化区域への編入や、地権者
・計画的、重点的に宅地開発が
の同意確認を進める。併せて、
他地区でのスプロール(虫食
い)的な開発を抑制する。
・飯高山のレクリエーション機
能との連動(散策コースと住
宅地内歩道の連続化など)を
図る。
・道路交通に配慮し、導入する
商 業の 規模 や配 置を 検討 す
る。
泉ヶ丘支所側から飯高山方面を眺めたイメージ
7
(3)辻久保地区
イメージパース作成範囲
土地利用現況
●コンセプト:理想的な市街地の形成 -北部地域の人口増と生活利便性の向上-
熊本電鉄辻久保営業所の交通結節機能、百花園ゴルフ場のレクリエーション機能を活かしつ
つ、本市で将来増加する人口を受け入れる住宅地とし、この地域の日常生活を支援する商業施
設を導入します。
また、企業の事業拡張などを想定し、新たな雇用創出のための産業用地の確保を図ります。
●委員会で出されたアイデア
1) 戸建住宅(200 戸) 約 750 人
2) 商業施設(スーパー等) 、工業施設
3) 道路、公園、調整池
●課題
・計画的、重点的に宅地開発が行われるよう、地権者の同意確認を進める。併せて、他地区
でのスプロール的な開発を抑制する。
・熊本電鉄辻久保営業所のバスターミナル機能と商業施設(スーパー等)を連動させ、公共
交通の拠点や買い物などの目的の場所とする。
・国道 387 号の道路交通に配慮し、導入する商業の規模や配置を検討する。
8
百花園ゴルフ場側から辻久保方面を眺めたイメージ
熊本電鉄辻久保営業所側から百花園ゴルフ場方面を眺めたイメージ
9
(4)御代志地区
イメージパース作成範囲
土地利用現況
●コンセプト:合志市の顔としての拠点づくり
鉄道やバスなどの交通機能を活かし、かつ周辺の土地の有効活用を基本に、合志市の顔と
なる都市中核拠点として、地区を形成します。公共公益施設と電鉄ターミナル施設を連動さ
せた施設を中心に、菊池恵楓園側にも大きく開けた空間を創り出します。
また、農業公園や弁天山方面へのウォーキングやサイクリング、西合志庁舎周辺の文化施
設へのアクセスの起点としての機能を高めます。
●委員会で出されたアイデア
1) 新庁舎及び議会棟
2) ターミナルビル(物販機能を含む)
3) 商業施設(スーパー、書籍、文具)、物産館
4) シティホテル(交流、会食機能)
5) 公共公益施設(警察署、中高一貫教育の学校など)
6) 駐車場
7) 公園
●課題
・菊池恵楓園の将来構想と連動した、一体的で有効的な土地利用の推進。
・菊池恵楓園入所者援護会所有地の有効活用について。
・国道 387 号の道路交通に配慮し、公共交通の利用推進に向けたターミナル機能の充実と、
ここを拠点とするバスや自転車への乗り換えの利便性向上を図る。
10
菊池方面から御代志駅周辺を眺めたイメージ
御代志駅を通して国道 387 号沿いを菊池方向に眺めたイメージ
11
(5)黒石地区(国道 387 号沿線)
土地利用現況
イメージパース作成範囲
●コンセプト:R387 アカデミックライン
熊本高等専門学校や九州沖縄農業研究センター、熊本学園大学グラウンド、熊本再春荘病院
などの機関が立地しており、それぞれが広大な敷地を有しているという特性を活かし、新たな
研究機関や大学研究室の誘致と、
それら施設の市民利用サービス機能などの集積を推進します。
国道 387 号を熊本市方面から北上したとき、当該地区は合志市らしい独特の景観を呈すると
ころであり、そこにアカデミックな雰囲気を生み出すことで、市全体のまちのイメージアップ
を図ります。
●委員会で出されたアイデア
1)
2)
3)
研究施設(大学などの研究機
関の誘致)
市民交流施設(既存施設のビ
ジターセンターなど)
公園、緑地帯
●課題
・既存施設の機能、特に農業研究(防
疫など)に配慮した土地利用の推
進。
・国道 387 号の道路交通に配慮し、
施設の規模や配置を検討する。
国道 387 号沿いを菊池方向に眺めたイメージ
12
(6)野々島地区(北熊本スマートIC周辺)
イメージパース作成範囲
土地利用現況
●コンセプト:北熊本スマートICを活かした商工業の集積
既存事業所の機能強化及び新設備の導入を促進するとともに、企業誘致と雇用創出を図りま
す。併せて、健康増進やレクリエーションの場としての弁天山やユーパレス弁天を連携させ、
この一帯を、阿蘇までを視野に入れた広域観光ルートの玄関口としてサービス機能の充実・誘
致を図ります。
●委員会で出されたアイデア
1)
既存事業所の機能強化支援
2)
食・健康関連の企業誘致
3)
観光客対応の飲食施設の誘致
4)
文化施設(劇場等、県外からの誘客)
5)
道の駅
●課題
・インター交通機能や周辺道路交通に配慮
した誘致施設の配置や規模を検討する。
上空から熊本製粉施設、北熊本スマートICを眺めたイメージ
13
(7)その他のまちづくり推進案
●サイクルタウン
本市の地形は比較的平坦であり、また道路交通もさほど混雑しておらず、かつ景観の良さ
を加味すると、自転車で移動するには条件が良い環境である。そこで自転車愛好家のための
拠点を設けることで、市民の健康増進を図るとともに、サイクルタウンとして「健康都市こ
うし」のイメージアップを図る。企業スポンサーによる屋根付きバス停や自転車基地(休憩
や情報交換などの場)を各所に整備する。
自転車基地(RIDER'S HUB)イメージ
●エコタウン(エコエネルギーの住宅街、エコエネルギーを導入した施設)
住宅建設、公共施設、民間商業施設などにソーラーパネルを設置するなどのエコエネルギ
ーを導入したエコタウンを推進する。
また、土地取得や住宅建設にインセンティブ(動機づけとなる誘因)が働くような補助制度
の創設を検討する。(例)ソーラーパネル設置補助、コミュニティ施設整備など。
●景観タウン(農村景観、阿蘇の眺望、牧歌的かつ都市的な景観を創る)
優れた農村景観、阿蘇の眺望を活かし、住宅開発や商業施設開発においても、景観を活か
したまちづくりを推進する。
●グラウンドタウン
本市に立地する高校、大学、企業等のグラウンドを、市民の健康増進に資する取り組みや、
スポーツクラブの女子チームや学生チームなどを育成する拠点として有効活用し、市全体を
グラウンドタウンとしてPRしていく。
●熊本都市圏の文化タウン
将来的に公共施設の転用や民間施設の活用により、美術館やギャラリーを整備し、市民や
芸術家の活動拠点とする。
14
データ編
15
1.人口について
熊本県全体では、平成 12 年以降人口減少に転じています。年代別(年齢層3区
分)にみると、昭和 40 年と平成 22 年の比較では、14 歳以下の年少人口は約半分、
15~64 歳の生産年齢人口は横ばい、65 歳以上の高齢者は約 3 倍となっています。
人口ピラミッド(図1)をみると、平成 7 年は、いわゆる団塊世代の人口が突出し
ているものの全体として釣鐘型から壷型に移行する過程を示し、平成 22 年では、
子どもの数が少なくなり、足元の細った壷型になっています。
本市においては、昭和 40 年に 18,678 人だった人口が平成 22 年には 55,002 人
(表1中、H17 以前は合併前2町合計)へと約 3 倍に増加しています。この間、
14 歳以下の年少人口は約 2 倍、15~64 歳の生産年齢人口は約 3 倍、65 歳以上の
高齢者は約 8 倍に増加しています。今後しばらくは人口増が続く見込みですが、本
市においても高齢者が増加する一方、20 歳前後の若者が少ない傾向が見られ、こ
のまま推移すれば子どもの数も減少し、壷形の人口構成になると考えられます。
表1.合志市の人口推移
(単位:人)
自治体
年齢層
S40
S45
S50
S55
S60
H2
H7
H12
H17
H22
総数
18,678
19,651
22,664
31,856
38,142
42,014
46,925
49,391
51,647
55,002
0~14歳
4,985
4,567
5,078
7,498
8,823
8,825
8,858
8,202
8,372
9,203
合志市
15~64歳
12,223
13,324
15,312
21,275
25,266
27,874
31,285
32,852
33,695
34,746
65歳~
1,470
1,760
2,273
3,082
4,049
5,299
6,780
8,337
9,576
11,053
0~14歳 1,770,736 1,700,229 1,715,161 1,790,156 1,837,586 1,837,970 1,858,865 1,858,464 1,840,382 1,817,426
15~64歳
521,466
429,523
397,402
395,027
389,073
355,634
321,462
288,654
264,013
249,606
熊本県
65歳~
1,105,606 1,110,662 1,134,900 1,185,078 1,206,658 1,198,319 1,196,479 1,173,790 1,139,125 1,093,440
65~
143,664
160,044
182,859
210,051
241,855
284,017
340,924
396,020
437,244
474,380
総数
407,052
440,020
488,166
525,662
555,719
579,306
650,341
662,012
669,603
734,474
0~14歳
100,384
100,838
112,990
118,429
119,236
111,981
111,558
104,473
99,881
105,410
熊本市
15~64歳
281,769
308,771
336,861
360,945
381,518
399,413
448,129
449,211
444,754
476,629
65歳~
24,899
30,411
38,238
46,154
54,865
66,003
89,951
107,931
123,878
152,435
資料:国勢調査(H22 は 65 歳以上に年齢不詳を含む)
合志市
熊本県
熊本市
(単位:人)
団塊世代
H7
H22
図1.人口ピラミッド
16
資料:国勢調査
2.商業について
●小売業の状況
合志市の小売年間販売額は、259 億 6 千万円(H19)で、近隣自治体と比較すると
さほど大きいとは言えません。
しかし、売り場面積1㎡あたりの販売額を示す“売り場効率”は 107.1 万円/㎡
であり、県平均や熊本市と比べても高い水準にあります。一方、菊陽町では、ゆめ
タウン光の森など大規模商業施設があるものの、売場効率は 62.5 万円/㎡にとど
まっています。商業集積規模は大きくても、売り上げはそれに比例しているわけで
はありません。(注:立地する店の種類によって異なる。一般に、狭い面積でも回
転のよい食品スーパーなどは売り場効率は高く、広い売り場が必要な家具などでは
低くなる。)
人口でその自治体の売上額を除した“人口当たりの売上額”でみると、合志市は
48.7 万円/人であるのに対し、菊陽町は 149.7 万円/人です。実際には、菊陽町の
場合、ゆめタウン光の森などに町外からも多くの買い物客が訪れ消費するので、単
純計算すると、人口当たりの数字は上がることになります。つまり、菊陽町が買い
物客を多く吸引していることが分かります。自治体ごとの人口当たりの売上額の県
計値(=100 とする)との比をもって“吸引力指数”を求めると、合志市は 0.51 とい
う低い値になります。合志市からは、多くの買い物客(お金)が市外に流出してい
ることが分かります。(後述するように、食料品や日用雑貨は合志市内でもある程
度買われていますが、衣料品、買回り品の購買力が市外に流出している状況です。)
「合志市は、人口は多いが買い物は市外にかなり流出している。しかし、市内の
商業集積が小さいので、合志市内の既存店は成り立っている」と大きく総括するこ
とができます。(個々の店にあっては、市外からの客も当然ありますし、経営者自
体の高齢化や競合店との競争など、経営環境は様々です。)
表2.小売業の状況
自治体
事業所数
(所)
年間商品
販売額(万円)
a
売場面積
(㎡)
b
従業者数
(人)
c
人口
(人)
d
売場効率
(万円/㎡)
e=a÷b
人口当り売上
(万円/人)
f=a÷d
市町村f÷県f
吸引力指数
県計
18,806
175,269,335
2,354,766
113,657
1,828,288
74.4
95.9
1.00
熊本市
5,921
77,374,045
849,911
43,555
670,179
91.0
115.5
1.20
合志市
292
2,596,357
24,251
1,647
53,296
107.1
48.7
0.51
菊陽町
311
5,191,896
83,074
2,856
34,676
62.5
149.7
1.56
大津町
244
3,061,932
33,289
2,226
29,774
92.0
102.8
1.07
菊池市
538
3,975,418
55,556
2,999
51,489
71.6
77.2
0.81
合志、菊陽、
大津、菊池計
1,385
14,825,603
196,170
9,728
169,235
75.6
87.6
0.91
資料:H19 商業統計
17
●買い物出向動向
合志市民の買い物先をみると、生鮮食品、一般食品、日用雑貨の3品目について
は地元(合志市内)購買割合が 50%を若干上回り、化粧品、医薬品も 40%を超え
ていますが、その他の品目においては地元購買率が低い状況です。近隣自治体(菊
陽町、大津町、菊池市)と比較しても、全品目通じて地元購買割合が低いことが特
長です。(表3.図2参照)
購買力の流出先は、主として熊本市及び菊陽町です。ただし、平成 18 年と 21
年を比較すると、生鮮食品、一般食品については、地元購買率が 10 ポイント以上
向上しています。同時期、食品以外の品目においては、菊陽町での購買割合が高ま
っている一方、熊本市での購買割合は玩具、贈答品を除いて低下しており、合志市
民の買い物先が熊本市から菊陽町にシフトしていることが分かります。(表4・図
3参照)
表3.合志市及び近隣市町住民の品目別地元購買割合
市町
合志市
菊陽町
大津町
菊池市
(単位:%)
生鮮食 一般食 日用雑
婦人子 呉服・ 靴・履 アクセ 電化製 家具室 書籍・ 化粧品 貴金属 スポー
男子服
玩具 贈答品
品
品
貨品
ども服 寝具 物等 サリー 品 内装飾 文具 医薬品 カメラ ツ用品
51.4
73.8
71.4
78.7
57.9
72.9
70.4
79.2
54.6
77.6
72.1
78.6
7.0
50.3
22.1
21.1
14.1
54.0
24.5
29.3
15.8
44.6
41.8
37.1
3.9
57.6
31.2
33.8
2.0
40.9
11.4
7.9
8.4
45.0
33.4
42.2
9.3
32.6
37.9
56.6
14.5
67.9
54.3
59.2
43.2
67.9
66.2
65.4
6.4
43.7
37.2
37.7
3.5
62.1
15.6
19.3
4.6
51.2
15.9
20.0
9.5
46.7
31.0
33.6
資料:H21 熊本県消費者動向調査
90%
80%
合志市
菊陽町
大津町
菊池市
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
図2.合志市及び近隣市町住民の品目別地元購買割合(資料:H21 熊本県消費者動向調査)
18
表4.合志市民の買い物出向先別購買割合
地元購買、主要流出先
地元購買
合志市
熊本市
菊陽町
主な流出先 大津町
菊池市
その他
H18
H21
H18
H21
H18
H21
H18
H21
H18
H21
H18
H21
市町別購買割合の変化
(H21-H18)
合志市
地元購買
熊本市
菊陽町
主な流出先
大津町
菊池市
その他
(単位:%)
生鮮
食品
38.4
51.4
14.1
13.3
24.0
20.3
1.7
0.8
12.4
6.1
9.4
8.1
一般
日用
靴・
アクセ
婦人子 呉服・
男子服
食品 雑貨品
ども服 寝具 履物等 サリー
43.6
50.7
13.5
19.9
9.0
8.1
1.0
57.9
54.6
7.0
14.1
15.8
3.9
2.0
14.5
15.8
37.6
34.6
54.4
43.8
70.3
10.3
14.4
32.7
34.2
32.6
39.0
61.5
19.1
16.7
36.0
30.2
22.0
34.1
22.1
17.6
21.2
47.0
36.4
35.5
44.4
22.2
1.3
1.0
0.5
0.4
2.4
1.0
0.0
0.6
0.8
0.1
0.0
0.0
0.0
0.0
12.3
8.2
4.8
4.9
2.5
3.1
0.0
5.8
3.7
2.4
2.9
0.0
1.7
0.0
9.2
7.6
7.6
10.0
9.7
9.9
6.6
7.8
5.3
10.8
12.4
16.1
11.0
14.3
電化 家具室 書籍・ 化粧品 貴金属 スポー
製品 内装飾 文具 医薬品 カメラ ツ用品
10.2
9.0
16.0
42.2
15.6
2.4
8.4
9.3
14.5
43.2
6.4
3.5
70.3
59.6
30.6
23.5
60.6
46.7
59.0
52.4
30.0
18.0
52.8
40.0
6.4
12.7
44.3
11.5
15.8
41.4
25.4
18.5
48.8
17.8
25.0
48.8
2.8
0.0
0.1
0.1
1.9
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
4.8
5.2
4.3
5.5
3.1
1.6
0.0
0.4
0.3
2.0
0.0
1.1
5.5
13.5
4.7
17.2
3.0
7.9
7.2
19.4
6.4
19.0
15.8
6.6
生鮮
食品
13.0
-0.8
-3.7
-0.9
-6.3
-1.3
一般
日用
靴・
アクセ
婦人子 呉服・
男子服
食品 雑貨品
ども服 寝具 履物等 サリー
14.3
3.9
-6.5
-5.8
6.8
-4.2
1.0
-4.2
-1.4
-4.9
-0.4 -21.8
-4.8
-8.8
-1.5
4.5
11.0
6.2
13.5
10.3
0.1
-0.7
-0.2
-0.4
-0.4
-2.4
-1.0
0.0
-6.5
-4.5
-2.4
-2.0
-2.5
-1.4
0.0
-1.4
-2.3
3.2
2.4
6.4
1.1
7.7
電化 家具室 書籍・ 化粧品 貴金属 スポー
製品 内装飾 文具 医薬品 カメラ ツ用品
-1.8
0.3
-1.5
1.0
-9.2
1.1
-11.3
-7.2
-0.6
-5.5
-7.8
-6.7
19.0
5.8
4.5
6.3
9.2
7.4
-2.8
0.0
-0.1
-0.1
-1.9
0.0
-4.8
-4.8
-4.0
-3.5
-3.1
-0.5
1.7
5.9
1.7
1.8
12.8
-1.3
玩具
0.8
4.6
57.3
63.4
29.8
27.3
0.5
0.0
3.5
0.0
8.1
4.7
玩具
3.8
6.1
-2.5
-0.5
-3.5
-3.4
贈答品
11.3
9.5
48.1
56.8
23.5
26.7
1.4
0.0
4.2
1.4
11.5
5.6
贈答品
-1.8
8.7
3.2
-1.4
-2.8
-5.9
資料:H21 熊本県消費者動向調査
100%
その他
90%
80%
菊池市
70%
大津町
60%
菊陽町
50%
熊本市
40%
30%
合志市
20%
10%
0%
図3.合志市民の買い物出向先別購買割合 (資料:H21 熊本県消費者動向調査)
●商業の余力試算
合志市における商業余力(ある条件で試算した、成立可能な商業売り場面積)を
試算すると、以下の通り検討の目安の数値を得ることができます。
考え方
商業余力
人口増加に対応する分だけ、新たに店(売り場)ができると考えた場
1,000 ㎡~3,000 ㎡
合(今後5年間の人口増)
新たな店が増え既存店の売り上げが減っても、既存店の売場効率が一
11,000 ㎡
定水準(県平均並み)に保たれるとした場合
合志市外に流出している買い物客を全て市内に引きとどめるとした
25,000 ㎡ ~ 70,000
場合(実際には、全ての買い物が市内で完結することはないので、大
㎡
きめに評価した数値である。
)
19
●大型ショッピングセンター(SC)の影響について
-QOMの観点からのシミュレーション結果-
広い圏域を商圏とするような大型SC(売り場面積 1 万㎡を超えるような総合スー
パーや映画館を併設したショッピングモールなど)が立地した場合、地域の魅力が
向上する反面、その影響により近傍の既存店が成立しなくなる場合もあります。
そこで、QOM(Quality of Mobility=公共交通による生活の質)の観点から、
大型SCの影響評価を行いました(熊本大学環境システム工学科溝上研究室による研究
成果より、成果の一部を要約して紹介する)。
新しいバス路線が増えたり、沿線に新しい施設ができた場合に、人々は、その効
果によって“様々な新しい生活の可能性”を広げることができます。そして、その
ことによって“暮らしの質”が高まると考えられます。QOMとは、それを数値化
したものです。当然、バス路線が廃止されたり、施設がなくなると、QOMは低下
します。
やや極端な設定ですが、大型SCが市内に立地することで、市内及び近傍の既存
店(スーパー)が全て廃業した場合を想定して、QOMの変化をシミュレーション
しました。具体的には、10 年後の人口を地区(500mメッシュ)ごとに推計した上
で、大型SCの立地(合志庁舎前に立地することを想定)で向上するQOMと、既
存商店の廃止で低下するQOMを総合的に評価し、地区ごとにQOMが向上するか
低下するかを検討しました。特に、交通弱者の視点から、高齢者にどのように影響
するかをみています。公共交通は、現行のコミュニティバス(レターバス、循環バ
ス、乗り合いタクシー)を前提としています。
その結果、身近なスーパーが無くなった場合には、大型SC立地で得るものがあ
ったとしても、高齢者においては、QOMが低下する地区が発生することが分かり
ました。
図4に示すように、運転免許を持たない(バス、乗り合いタクシーしか利用でき
ない)高齢者では、身近なスーパーがなくなることで日常生活に重要な食料品や日
用品の買い物の利便性が落ちるため、広い範囲でQOMが低下します。
一方、現在スーパーが立地していない地域を対象に、3つのスーパーを新設した
場合(図5)、市北部の農村地域を中心にQOMが広い範囲で向上することが確か
められました。
上記の結果から、合志市における商業施設の立地を考えたとき、①日常生活に直
結するスーパーを、将来の人口の分布(特に高齢者)や現在商業施設が身近にない
地区を考慮しバランスよく配置する、②広域を商圏とする商業施設については、既
存スーパーとの競合を生まず、かつ、合志市民や熊本都市圏住民にとってこれまで
出来なかった消費生活を楽しめる機能とすること、などを念頭に置くことが重要で
す。
20
解説:青系の色が濃いほど
QOM が低下することを示す。
大型SC立地
レターバス路線
図4.SC新設・既存スーパー減少を想定したQOM変化(高齢者・免許なし)
解説:暖色系が濃いほど QOM
が向上することを示す。
スーパー立地
図5.スーパー新設を想定した場合のQOM変化(高齢者・免許なし)
21
3.住宅の需要予測について
合志市の新規住宅着工戸数は、ここ数年は年間 430~580 戸程度で推移していま
す。そのうち持家・分譲住宅は、年間 300 戸程度です。(ただし、この数字には、
既成市街地内での建て替え件数も含まれます。)
そこで、今後、年間 250 戸の持家の建設があると想定し、区画整理された住宅団
地で考えると、年間およそ 10 ヘクタールの宅地需要が見込まれます。
試算の前提 ●宅地分譲を1区画80坪≒260㎡とする
●区画整理エリアのうち、40%を道路、公園、緑地、調整池とする。
60%
40%
宅地分譲部分
道路など
つまり、分譲部分面積の約 1.6 倍が住宅団地の総面積となる。
このとき、全ての住宅が新規の土地で建設される場合、
⇒ 宅地需要(道路等含む総面積)=250 戸 × 260 ㎡/戸 × 1.6
= 104,000 ㎡
(年間およそ 10ha の宅地を要する)
表5.新設住宅戸数の推移
区分
H17
H18
H19
(戸)
H20
H21
持
家
245
284
205
252
263
貸
家
225
262
138
127
152
給与住宅
0
0
1
0
2
分譲住宅
33
35
87
49
42
523
581
431
428
459
計
資料:建築統計年報
用語 持
貸
家:建築主が自分で居住する目的で建築するもの。
家:建築主が賃貸する目的で建築するもの。
給与住宅:会社、官公署、学校等がその社員、職員、教員等を居住
させる目的で建築するもの。
分譲住宅:建て売り又は分譲の目的で建築するもの。
22
4.エコエネルギーの導入促進に関する事例
●長野県飯田市における太陽光発電の推進について
合志市の今後の住宅地開発や環境に配慮したまちづくりの推進を図る上での参
考となる施策として、長野県飯田市の事例を示します。
(資料:飯田市 HP などより整理)
■飯田市の概要
・人口 104,690 人、世帯数
38,142 世帯
・年間降水量 2200mm
・日照時間:1981~2010 年の平均で年間 2050 時間(47 都道府県平均 1897 時間)
・年間平均の日射量 4.15kWh/㎡(東京 3.74 kWh/㎡、大阪 3.92 kWh/㎡)
■環境モデル都市
・1996 年に「新エネルギービジョン」を策定し、再生可能エネルギー利用と省エネルギーに関
する補助モデル事業の指定を受ける。
・2009 年には「環境モデル都市」
(全国 12 市町村)の選定を受け、
「公民協働」を進める仕組
みを作り、2030 年に温室効果ガスの家庭部門からの排出を 05 年比 40~50%削減する目標
を掲げた。
■飯田市における住宅用太陽光発電の普及状況
・飯田市における住宅用太陽光発電の支援制度は当初は融資斡旋と利子補給であったが、2004
年より1kw あたりの定額助成へと転換、2010 年には累計で 1336 件、全世帯の 3.6%(全国
平均 1.8~1.9%程度)が支援を受けている。また 2009 年からは設置費用0円システムも導
入され、さらに普及を進めている。
1997 年(H9)
~
2003 年(H15)
2004 年(H16)
~
2007 年(H19)
2008 年(H20)
~
2010 年(H22)
2011 年(H23)
~
設置助成制度
1.融資斡旋・利子補給(上限なし)
2.市内事業者からの設置購入
3.中部電力との系統連系
4.申請全部受理
1.1kw あたり 30,000 円(上限 10 万円)
2.市内事業者からの設置購入
3.中部電力との系統連系
4.申請全部受理
助成累計と世帯普及率 0 円システム
1997 年
59 件
(0.17%)
2003 年 632 件
(1.77%)
2004 年 732 件
(2.05%)
2007 年 847 件
(2.25%)
1.1kw あたり 70,000 円
(上限 20 万円) 2008 年 876 件
2009 年
2.中部電力との系統連系
(2.32%)
32 件
3.国の補助金との併用可
2010 年 1,336 件
2010 年
4.申請全部受理
(3.61%)
50 件(予定)
1kw あたり 50,000 円(上限 15 万円)
23
2011 年
30 件(予定)
■飯田市における太陽光発電の公民協働
飯田市の太陽光発電推進における公民協働の中心的役割を担っているのがおひさま進歩エネ
ルギー㈱である。協働の第一歩は 2005 年の幼稚園、保育園等の公共施設における太陽光発
電の設置からスタートした。その後、2009 年より一般家庭を対象に太陽光発電の設置費用を
0円とする「おひさま0円システム」が導入されている。
●公共施設における太陽光発電事業
・飯田市内 38 か所の幼稚園、保育園等の公共施設に 208kw の太陽光発電を設置
・おひさま進歩エネルギー㈱は、太陽光発電事業を実施するにあたり、飯田市から補助金 1 億
6 千万円(環境省「環境と経済の好循環のまちモデル事業」)とともに市民からの出資 2 億
150 万円(「南信州おひさまファンド」)を集めた。
・
「南信州おひさまファンド」
2005 年 2 月~5 月募集。1 口 10 万円、50 万円。出資者は個人・法人 460 名、長野 72 名、
東京 64 名、神奈川 38 名、大阪 21 名等全国に分布。年間 2~2.5%の配当。
●おひさま0円システム
・一般家庭の太陽光発電の初期費用の負担を無くし導入を促進するシステム。
・飯田市から事業者認定を受けたおひさま進歩エネルギー㈱は住宅所有者と契約し、屋根に無
償で太陽光発電設備(200 万円)を設置、9 年間電力を供給する。住宅所有者は毎月 1 万 9800
24
円(2009 年時点)を同社に支払い、10 年目には設備は譲渡される。住宅所有者は中部電力
と系統連系の契約をし、余剰電力の売電収入を得る。
・契約期間中のメンテナンスはおひさま進歩エネルギー㈱がすべて負担する。
・飯田市では一般家庭の太陽光発電システム導入に 1kw 当たり 5 万円、1 件当たり 15 万円を
上限に補助金を支給しており、補助金はおひさま進歩エネルギー㈱が受ける。
・なお、事業者認定は毎年プロポーザル方式で行われ、市民に情報公開されている。
*余剰電力の売電により住宅所有者には電力節約のインセンティブが働くこととなり、導
入事例では余剰電力売却で年間 14~18 万円の収入がある場合も見られる。
・事業実施にあたって、おひさま進歩エネルギー㈱はファンドを設置、個人、法人から出資を
募り事業費に充てている。
・これまでの実績は下表のとおり。
事業実施状況
2009 年度
おひさま0円システム
2010 年 1 月から募集。
募集枠 30 件に対し応募 64 件
2010 年度
おひさま0円システム
2010 年 11 月から募集
募集枠 50 件に対し応募 57 件
ファンド
おひさまファンド 2009(2009 年 6~9 月募集)
1 口 10 万円、50 万円
145 名から 7520 万円の出資
分配開始 2010 年 6 月、利回り 1.4~2.5%
信州・結いの国おひさまファンド(2010 年 10 月
~1 月募集)
1 口 10 万円、25 万円
103 名から 4790 万円の出資
分配開始 2012 年 6 月、利回り 2~2.5%予定
飯田信用金庫
一般家庭
低金利エコファイナンス
フ ァ ン ド
余剰電力の売
電
電気料
定額支払い
*
月額 19800 円
9 年間
出資者
・システム設置奨励金
・国からの補助金
飯田市
*2011 年より変更
2.5kw 14200 円
3.3kw 18200 円
4.4kw 21900 円
25
*42 円/kw
(2011 年)
中部電力
配当
お ひさ ま 進 歩
エネルギー㈱
出資
太陽光パネル
設置
5.北熊本スマート ICについて
北熊本スマート IC の新設によるインター利用圏の変化は、下図のとおりです。
現在、植木インターと熊本インターを利用している車両の一部が、北熊本スマー
トICに分散され、北熊本スマート IC 利用台数は、1日約 2,000 台(上り下りと
も)と設定されています。なお、北熊本スマート IC は、ETC専用です(大型車
の通行も可)。
表6.北熊本スマートIC利用台数の予測
時期
配分値
供用開始時
本線
(菊水IC側)
条件
植木IC
未整備
33,670
7,204
整備
33,831
5,559
30,270
6,477
30,415
4,998
ETC利用率 未整備
へ変換
整備
26
(単位:台)
インター出入り交通量
北熊本
北熊本
(下り線)
(上り線)
―
2,155
―
1,938
―
2,409
―
2,166
熊本IC
本線
(空港IC側)
合計
13,724
26,048
80,646
12,860
26,520
83,334
12,338
23,418
72,503
11,562
23,842
74,921
6.開発に関わる主な法規制
●都市計画法
都市計画法により、合志市の市域は「市街化区域」と「市街化調整区域」に区分
されます。合志市の市街化区域は、熊本市に隣接する南部にあり、その面積は市の
1割ほどです。残りの9割は市街化調整区域です。
市街化調整区域
市街化区域
市街化を抑制する区域
市街化を図る区域
(開発が困難:開発するためには
(開発が可能な区域)
地区計画決定などが必要)
●農業振興地域の整備に関する法律
農業振興地域の整備に関する法律に基づく「農業振興地域整備計画」により、合
志市内の土地の多くが農業を振興する区域(農業振興地域)として設定されていま
す。その区域の中でも、今後とも長期にわたって農業を振興する用地として設定さ
れた区域(農用地区域)では、その土地を農地以外に転用すること(例えば住宅建
設等)が厳しく制限されています。転用するためには、農業振興地域整備計画を変
更し、当該用地を「農用地区域」から除外するとともに、農地転用許可を受ける必
要があります。
27
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