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本編はこちらから (1986kbyte)
基本的生活習慣を身につけ,自ら学ぶ意欲と志を持ち,
心豊かにたくましく生きる子どもをはぐくむ
新しいふくおかの
教育計画
後期実施計画
(平成 26 年度~平成 30 年度)
~「改革」と「共育創造」~
あいさつ
掃 除
自 学
立 志
福岡市教育委員会
平成 26 年 1 月
目 次
1
趣旨
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
2
概要
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
3
計画期間
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
4
構成
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
5
進行管理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
6
教育に係る現状と課題
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
7
基本計画の概要
・・・・・・・・・・・・・・・・・・10
8
めざす子ども像の実現の状況
・・・・・・・・・・・・・12
9
後期実施計画の事業について
・・・・・・・・・・・・・13
10
後期実施計画体系図
・・・・・・・・・・・・・・・14
◆ 重点施策の事業
基本的考え方1 「たくましく生きる子どもの育成」
・・・・・・・・・・・・・・・・16
基本的考え方2 「信頼される学校づくりの推進」
・・・・・・・・・・・・・・・・42
基本的考え方3 「信頼に応え得る教員の養成」
・・・・・・・・・・・・・・・・47
基本的考え方4 「社会全体での子どもたちの育成」
・・・・・・・・・・・・・・・・53
基本的考え方5 「教育環境づくりの推進」
・・・・・・・・・・・・・・・・57
11
資料
用語解説
・・・・・・・・・・・・・・・・62
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・67
本文中の「※」は用語解説に記載しています。
後 期 実 施 計 画
1 趣旨
○ 「新しいふくおかの教育計画(基本計画)」は,始期を平成21年度とし,その期間を概ね10年
としています。また,前期実施計画は,基本計画をもとに重点的に取り組む具体的な計画を示すも
ので,その期間を概ね5年としており,平成25年度で終了するため,社会情勢の変化や新たな課
題に対応するために後期実施計画を策定するものです。
これまでの取り組みにより,本市の子どもたちは,概ね,めざす子ども像に近づきつつあります。
今後は,さらにめざす子ども像の実現度を高めていくことが必要です。
(めざす子ども像の実現の状況についてはP.12に記載)
新しいふくおかの教育計画
平成21年度~
平成26年度~
確 認
基本計画
基本計画
~30年度
基本計画
~平成30年度
~平成30年度
見直し
前期実施計画
後期実施計画
~平成25年度
~平成30年度の事業計画
2 概要
○ 本市の現状,学校,保護者,市民の意識やニーズ,時代の潮流を踏まえ,特に力を注ぐべき重
要性の高い施策や,いち早く取り組むべき緊急性の高い課題などに対応するため,基本計画の5
つの基本的考え方に沿って,16 の施策分野を「重点施策」として掲げ,今後,5年間に取り組み
ます。
○ 後期実施計画に掲載している各事業は,今後 5 年間に教育委員会が取り組んでいく事業の計画
を示していますが,各事業の実施にあたっては,年度ごとの予算編成過程で精査を行い,事業化
していくことが必要であるため,各事業手法の工夫・見直しによる事業費の縮減や事業の積極的
見直しに努めるなど,計画的・効率的に事業を推進します。
3 計画期間
○ 後期実施計画の期間は,平成26年度から平成30年度までの5年間とします。
4 構成
○ 基本計画の5つの基本的考え方ごとに重点施策を設定し,次の内容で構成しています。
◆ これまでの取組の状況と今後の方向性
これまでの成果
・重点施策の目標を示し,国や本市が実施した各種調査の結果を踏まえ,これまでの取組状
況を示しています。
-1-
今後の課題
・これまでの取り組みを踏まえ,今後の課題を示しています。
今後の方向性
・福岡市の教育についての基本的な方向や「公教育の福岡モデル」で示した考え方を踏まえ,
当該重点施策の目標を実現するための具体的な方向性を示しています。
◆ 主な事業と取組事項
・今後,5年間で取り組む主な事業と取組事項の具体的な内容や方向性を示しています。
◆ 評価指標
・重点施策に掲げる教育施策の効果を適切に評価するために,国や本市が実施する各種調査
を活用し,現状値を示し,平成 30 年度における目標値を設定します。
・期間の中間時点で評価指標の推移を示し,進捗状況を把握します。
・評価指標については,達成状況などの評価を行った上で成果と課題を明らかにし,次期の
教育計画の策定に生かします。
5 進行管理
○ 事業評価における進行管理
PDCAサイクルの徹底を図りながら,事業の進捗状況を毎年把握し,その内容を「地方教育
行政の組織及び運営に関する法律」に基づいて作成する「教育委員会の事務の管理及び執行の状
況に関する点検・評価報告書」を活用して,後期実施計画に基づく事業の着実な推進を図ります。
○ 社会変化への対応
今後の社会の変化に伴い生じる課題,学校や保護者,市民ニーズや事業の進捗状況に応じて,
事業のさらなる検証・見直しを行うなど,柔軟かつ適正な対応を図ります。
6 教育に係る現状と課題
本市では,めざす子ども像「基本的生活習慣を身につけ,自ら学ぶ意欲と志を持ち,心豊かにたく
ましく生きる子ども」をはぐくむために,福岡スタンダード(あいさつ・掃除 自学 立志)を「公
教育の福岡モデル」の中心に位置づけて取り組んできました。今後,必要な施策を推進していくため
には,国や市の動向,子どもや子どもを取り巻く各主体の現状・課題を明らかにしておく必要があり
ます。
(1)国の動向
《全国学力・学習状況調査,新学習指導要領の実施》
全国学力・学習状況調査(※せ)は,平成 19 年度から義務教育の機会均等とその水準の維持向上
の観点から,児童生徒の学力や学習状況を把握・分析し,児童生徒への教育指導の充実や学習状
況の改善などに役立てることなどを目的として小学校6年生,中学校3年生を対象に実施されて
います。また,平成 21 年度以降,幼稚園,小・中・高等学校などにおいて新学習指導要領(※か)
が全面実施され,その中で改訂の基本方針が次のように示されています。
(※い)
・教育基本法改正等で明確となった教育の理念を踏まえ「生きる力」
を育成すること
・知識・技能の習得と思考力・判断力・表現力等の育成のバランスを重視すること
・道徳教育や体育などの充実により,豊かな心や健やかな体を育成すること
-2-
《第2期教育振興基本計画の策定》
平成 25 年6月に第2期教育振興基本計画が策定され,その中で,第1期計画の成果と課題や
東日本大震災からの教訓として次の内容が示されています。
・学力の現状は国際的に上位にあるが,トップレベルの国と比較し下位層の割合が多い。
・小学生の算数や中学生の数学・理科に関する興味・関心は国際平均より低水準である。
・異なる文化や価値観を持った人々との交流や各種体験の減少などを背景として,規範意識
や社会性の育成に課題がある。
・子どもの体力は,昭和 60 年度と比較すると低い状況であり,運動する子どもとしない子
どもの二極化傾向にある。
・すべての子ども・若者が耐震化などの施された安全な学校施設で安心して必要な力を身に
つけていける環境整備が重要である。
また,
「社会を生き抜く力の養成」
「未来への飛躍を実現する人材の養成」など4つの基本的方
向性が掲げられ,その方向性に基づく具体的方策が次のように示されています(抜粋)
。
・確かな学力(※た)を身につけるための教育内容・方法の充実
・豊かな心の育成
・健やかな体の育成
・教員の資質能力の総合的な向上
・特別なニーズに対応した教育の推進
《教育再生実行会議の設置》
21 世紀の日本にふさわしい教育体制を構築し,教育の再生を強力に進めていくために,平成
」
25 年に設置された教育再生実行会議で,
「いじめ(※い)の問題等への対応について(第一次提言)
「教育委員会制度等の在り方について(第二次提言)
」
「これからの大学教育等の在り方について
(第三次提言)
」がまとめられています。
《いじめ防止対策推進法の施行》
全国でいじめを巡る問題が相次いだことおよび教育再生実行会議の提言を受けて,平成 25 年
9月に「いじめ防止対策推進法」が施行され,第4条で「児童等は,いじめを行ってはならない。
」
といじめの禁止が規定されています。
《体罰根絶に向けた取組の徹底》
平成 24 年度に,部活動中の体罰(※た)を背景とした高校生の自殺事案が発生するなど,教員に
よる児童生徒への体罰について,深刻な状況となりました。平成 25 年 8 月に文部科学省「体罰
根絶に向けた取組の徹底について」の通知で,体罰を未然に防止する組織的な取組,徹底した実
態把握,体罰が起きた場合の早期対応および再発防止策など,体罰防止に関する取組の抜本的な
強化を図る必要性が示されています。
(2)本市の動向
《第9次福岡市基本計画,政策推進プランの策定》
第9次福岡市基本計画(平成 24 年度策定)では,目標の1つに「一人ひとりが心豊かに暮ら
し,元気に輝いている」を掲げ,施策の方向性で,
「基本的生活習慣を身につけ,自ら学ぶ意欲と
志をもち,心豊かにたくましく生きる子どもの育成をめざした教育に取り組むとともに,教育環
境整備に取り組む」と位置づけています。
また,政策推進プラン(平成 25 年度策定)の(施策 1-8)においても,
「自ら考え,学び,行
動する子ども・若者の育成」を位置づけ,本市教育分野の着実な取り組みをめざしています。
-3-
(3)子どもの現状・課題(平成 20 年度と比較し,向上しているもの(◎),低下しているもの(▼))
基本的生活習慣
平成 20 年度の現状
平成 24 年度の現状
・教員や保護者を対象とした調査から基本的生 ◎あいさつや掃除などの基本的生活習慣が向上し
活習慣の乱れが懸念されている。
ている。
【課題】
・ 基本的生活習慣は,子どもたちが社会の中で生きていく基本となるものであり,家庭の役割と
して,子どもたちにしっかりと身につけさせることが重要です。しかし,
「近所の人に会ったとき
は,あいさつをしていますか」の設問において,本市と上位県の肯定的回答の割合には,まだ差
があるため,今後も家庭に対して,基本的生活習慣の重要性を啓発し,ともに取り組んでいく必
要があります。
【参考】全国学力・学習状況調査(平成 24 年度)
「近所の人に会ったときは,あいさつをしていますか」の設問の肯定的回答の割合
本市:91.3%(小6),88.5%(中3),上位県:95.3%(小6),90.4%(中3)
学力
平成 20 年度の現状
平成 24 年度の現状
・学力は全国平均レベルだが,知識・技能を活 ◎国語 A,B,算数(数学)A,B,理科のすべての
用する力が課題である。
領域で正答率が全国平均を上回る。
(注釈:A(主として「知識」
)
,B(主として「活用」
)
)
【課題】
・ 平成 24 年度の全国学力・学習状況調査(以下,全国調査)では,すべての領域で全国平均を
上回っていますが,平均正答率が最も高い県と福岡市を比較すると,小・中学校とも4~7ポイ
ントの差があります。また,平成 25 年度の全国調査の中学校数学 A,B では全国平均を下回り,
数学に課題があるため,基礎・基本となる知識や技能を確実に身につけるとともに,それを活用
する能力を高める必要があります。
・ 平成 24 年度の生活習慣・学習定着度調査(※せ)において,算数(数学)や英語などで点数のば
らつきが大きい傾向にあるため,下位層の子どもたちの底上げを図るとともに,子ども一人ひと
りのもつ能力を発揮できるようきめ細かな指導を行う必要があります。
・ 小中連携教育(※し)を通して,学習に関わる規律や学習内容の系統性を理解しながら,小・中学
校のスムーズな接続を心掛けていく必要があります。
体力
平成 20 年度の現状
平成 24 年度の現状
・体力・運動能力は,男女ともに低い水準で推 ▼依然として,体力・運動能力は男女ともに低い
移している。
水準で推移している。
▼運動をする生徒としない生徒の二極化傾向が見
られる。
【課題】
・ 特に,中学校において,運動をする生徒としない生徒の二極化が見られるために,運動習慣が
身についていない子どもへの支援が必要です。
-4-
・ 子どもたちの体力向上をめざして,学校と家庭・地域等が連携し,家庭や学校での外遊びなど
を通して,体力づくりを行っていくことを検討する必要があります。
自尊感情・規範意識
平成 20 年度の現状
平成 24 年度の現状
・学年が上がるにつれて,自尊感情,規範意識 ◎年々,小・中学生の規範意識,自尊感情が向上
が低下している。
している。
【課題】
・ 自尊感情や社会のルールを守るなどの規範意識を子どもたちに身につけさせるためには,家庭
教育が大切です。しかし,
「学校のきまりを守っていますか」
「自分には,よいところがあると思
いますか」の設問において,本市と上位県の肯定的回答の割合には差があるため,さらに,学校,
家庭・地域・企業等が一体となり,子どもたちの規範意識や自尊感情をはぐくむ必要があります。
【参考】全国学力・学習状況調査(平成 24 年度)
「学校のきまりを守っていますか(規範意識)
」の設問の肯定的回答の割合
本市:91.4%(小6),91.8%(中3),上位県:94.0%(小6),95.6%(中3)
「自分には,よいところがあると思いますか(自尊感情)
」の設問の肯定的回答の割合
本市:76.9%(小6),71.1%(中3),上位県:81.8%(小6),76.3%(中3)
いじめ・不登校(※ふ)
平成 20 年度の現状
平成 24 年度の現状
・不登校生が小6から中1で約3倍に増加して ◎不登校生数は平成 22 年度から 1,000 人を下
いる。
回っている。
・いじめの定義が見直され,認知件数が増加し ・いじめの認知件数は増加傾向にある。
ている。
【課題】
・ 依然として,小6から中1にかけて,不登校生が増加している傾向にあります。また,平成 22
年度から不登校生は 1,000 人を下回っていますが,下げ止まりの傾向にあるため,今後も不登校
生や不登校傾向の子どもたちへのさらなる支援が必要です。
・ 不登校については「いじめ」など学校生活に起因するもの,家庭生活に起因するもの,子ども
自身に要因があるものなど,様々な原因が考えられます。不登校の要因を的確につかみ,不登校
生をもつ保護者への助言や支援を行うとともに,効果的な対応策を見いだしていくことが必要で
す。
特別支援教育(※と)
平成 20 年度の現状
平成 24 年度の現状
・特別支援学級・特別支援学校に在籍する障が ・依然として,通常の学級・特別支援学級・特別
支援学校に在籍する特別な支援を要する児童生
いのある児童生徒が増加傾向にある。
・障がいの状況において,重度・重複化が見ら
徒数が増加し,障がいの重度・重複化が顕著と
なっている。
れる。
-5-
【課題】
・ 年々,特別な支援を要する児童生徒が増加しており,平成 24 年度では,4,000 人を超えてい
ます。また,障がいの状態の多様化が一層進んでいることに対する教育環境の整備や教育内容・
方法の工夫改善が必要です。
・ 平成 20 年度と比較し,平成 24 年度の特別支援学校高等部生徒の就労率が低下しています。
就労率向上のための取り組みや関係機関との連携がさらに必要となっています。
・ 支援を必要とする子どもについては,保育園・幼稚園等の就学前の段階から小・中学校へ,子
どもの学校・家庭での生活状況の情報の引き継ぎを確実に行い,保護者と学校(教員)が情報共
有し,支援の継続を図っていくことが必要です。
(4)子どもを取り巻く各主体の現状・課題
教員
平成 20 年度の現状
平成 24 年度の現状
・
「指導が不適切」と認定された教員の数は減少 ・教員の大量退職期を踏まえ,ベテラン教員が中
傾向にあるが,教員の資質・能力のさらなる
堅や若手教員に教育観や指導のスキルを伝える
向上が必要である。
ことが必要である。
・精神疾患を理由として病気休職する教員は, ◎精神疾患を理由として病気休職する教員は,減
少傾向にある。
増加傾向にある。
【課題】
・ 教員の年齢構成は,50 歳代後半が多く,40 歳前後が最も少なくなっています。教員が大量に
退職をしていく中で,ベテランの教員が中堅や若手の教員に教育観や指導のスキルを伝えるなど
人材を育成することが必要です。
・ 精神疾患を理由に病気休職する教員の在職者に占める割合は,平成 19 年度以降,低下傾向に
あるものの,まだ,本市の割合は,全国平均より高い傾向にあります。今後もメンタルヘルス対
策を推進し,教員の心身の健康保持に取り組む必要があります。
・ 価値観が多様化する状況に対応していくには,
「指導が不適切な教員」を出さない予防的な取り
組みを継続するとともに,教員自らも指導法などをさらに向上させることが必要です。
学校(組織)
平成 20 年度の現状
平成 24 年度の現状
・組織的,機能的な学校経営が行われることが ◎小学校から中学校へ,中学校から小学校へなど
異校種間人事交流や副校長(※ふ),主幹教諭(※し),
求められる。
指導教諭(※し)などの新たな職の配置を拡充して
・保護者などから学校へ寄せられる相談件数は,
増加傾向にある。
いる。
・学校保護者相談室への相談件数は,平成 22 年
度をピークに,その後減少傾向にある。
【課題】
・ 今後も異校種間人事交流などを通して,異校種のよさを各学校に取り入れ,組織を活性化させ
ることが必要です。
・ 今後も社会全体として情報公開や説明責任が求められます。保護者や地域などから学校の教育
活動に対する理解を得るために,学校ホームページや学校便り,懇談会などで学校の情報を積極
的に提供する必要があります。
-6-
学校(教育施設)
平成 20 年度の現状
平成 24 年度の現状
・学校施設の耐震化について早急な取り組みが ◎学校施設の耐震化が完了している。
▼建設後 30 年を目途に校舎全体の内・外部を全
必要である。
面的に改造する大規模改造事業を実施してい
・建設後 30 年を超える校舎は全体の約6割に
る。しかし,学校施設が集中して建設された時
達している。
期に対応して,新たな事業対象が集中して発生
・中央区,博多区の学校を中心に小規模校が増
しているため,厳しい財政状況の中,事業の実
加している。
施が遅れている状況である。
◎学校規模適正化が着実に進んでいる。
◎パソコン・周辺機器の整備が完了している。
【課題】
・ 構造体の耐震化は完了しましたが,東日本大震災の被害状況などを踏まえ,吊り天井や外壁な
ど非構造部材の耐震化に取り組む必要があります。
・ 本市の学校施設は 233 校・園あり,その多くは昭和 40 年代から 50 年代に建設され,老朽化
が進んでおり,これらの維持管理を適切に行っていくことが必要です。また,今後必要となるこ
れらの建替えについても,厳しい財政状況がつづく中,多額の事業費が必要となることから,ど
のように進めていくのか検討が必要です。
・ 平成 24 年度で全教員へのパソコンの整備が完了しましたが,今後も,子どもと向き合う時間
を確保するために教員の事務負担軽減に向けた取り組みが必要です。
家庭・地域
平成 20 年度の現状
平成 24 年度の現状
「将来に関わる会話」など,
・地域の教育力が低下している。その原因とし ◎「家庭での手伝い」
親から子への働きかけが増加している。
て,個人主義の浸透や,地域が安全でなくな
「地域行事への参
り,子どもを他人と交流させることに対する ▼「テレビ・ゲームの時間制限」
加」などの働きかけは低下している。
抵抗感の増加が挙げられる。
▼地域の人たちによる学校行事への参加が低水準
で推移しているなど学校と地域のつながりが弱
い傾向にある。
【課題】
・ 地域の教育力の低下の原因として,都市化,家族形態の変容,少子化などの社会構造の変化や
価値観,ライフスタイルの多様化などにより,居住地に対する親近感が希薄化している傾向にあ
ります。そのため,地域行事などへの子どもたちの参加を通して,子どもたちと地域住民との関
わりを深め,子どもたちにとって地域が身近な存在であると実感させる必要があります。
・ それぞれの地域の実態に応じ,地域の安全対策や地域ぐるみの子育て支援など,家庭・地域・
企業等が連携して取り組んでいくことが一層求められます。
・ 積極的に企業と連携を行い,企業がもっている資源(施設,人材など)を学校教育や家庭教育
に生かすことが必要です。
-7-
子どもを取り巻く環境
平成 20 年度の現状
平成 24 年度の現状
・携帯電話やパソコンなどのネットメディアが ▼携帯電話やスマートフォンの普及に伴い,ネッ
子どもにとって,身近な存在となっている。
・インターネット犯罪が増加している。
トを介した犯罪被害は高い水準で推移してい
る。
【課題】
・ 平成 20 年度から,携帯電話(スマートフォンなど)
,パソコンの利用の増加とともに,ネット
犯罪,ネット依存も増加しています。インターネットは適切な使い方をすれば,調べ学習などで
活用できる有効な情報収集ツールです。今後も,子どもたちによる携帯電話やパソコンなどの利
用が増加していくことが考えられます。子どもたちに対して,ネットメディアの使用方法や危険
性を知らせる情報モラル(※し)教育,メディアリテラシー(※め)教育を家庭・地域・企業等とともに
進めていくことが求められています。
・ 学校内外において子どもたちの安全を脅かす事件や事故,自然災害などが起こっています。子
どもたちの安全を確保することが極めて重要となっています。
(5)今後,重点的に取り組む課題
これまでの取り組みにより一定の成果があらわれていますが,平成 20 年度,平成 24 年度の教育
の現状などから課題も浮き彫りになってきています。そのような中で,国や本市の動向および課題を
踏まえ,次の課題に重点的に取り組みます。
○ 確かな学力の向上
確かな学力の向上は,教育分野の柱をなすものであるため,今後も新学習指導要領の趣旨に
基づき,思考力・判断力・表現力などの育成に向け,各教科を通じた言語活動の充実のための
取り組みを推進します。また,ICT(※あ)の積極的な活用を行うなどの指導方法・工夫改善を通じ
た授業を推進するとともに,今後も,子どもたちの家庭学習の習慣づくりのための支援を行い,
確かな学力の向上をめざします。
○ ネット犯罪から子どもを守るための取り組みの推進
年々,子どもたちの携帯電話(スマートフォンなど)の利用が広まっています。ネット犯罪
から子どもたちを守るために,携帯電話やインターネットに関する親子間のルールづくりなど
について啓発を行っていくとともに,メディアリテラシーの育成に努めていきます。
○ 体力の向上
福岡市の子どもたちの体力は,平成 20 年度の頃と同様に全国平均より低い水準で推移して
います。そのため,児童会活動などによる外遊びの紹介や体育の授業,授業前の活動,さらに
休み時間や学校行事などの工夫を通して,普段,運動習慣が身についていない子どもたちが運
動に親しむことができるよう支援を行い,子どもたちの体力の向上をめざします。
○ 福岡の特色を生かした国際教育の推進
福岡市は,地理的にも,歴史的にもアジアと深いつながりの中ではぐくまれた都市であり,
アジアの活力を取り込み,アジアとともに成長していく都市をめざしています。そのため,世
界に羽ばたき行動する国際人を育成するために,「日本語力の育成」「異文化を理解し,受容
する共生の心の育成」「我が国や福岡の伝統文化に根ざした自己の確立」を基盤として,すべ
ての子どもたちにコミュニケーション能力(英語力),行動力(チャレンジ精神),発信力(伝
え合う力)を身につけさせていきます。
-8-
○ いじめ問題への対応
いじめは決して許されないことですが,
「どの子にも,どの学校でも起こり得る」ものである
ことを周知徹底していきます。また,児童生徒から直接状況を聞く機会などを設け,教育に携
わるすべての関係者がいじめの兆候をいち早く把握して,迅速に対応することが必要であるた
めに,子どもたちの規範意識をはぐくみ,どうすれば減らしていけるのか,子どもたち自身に
考えさせ,いじめ撲滅に向けた取り組みを推進します。
○ 教員の資質・能力の向上,学校の組織力の強化
教員の大量退職・大量採用に伴い,世代交代が急速に進んでおり,優秀な人材の確保や教員
の職務能力の一層の向上が求められています。また,いじめ,不登校等への対応,特別支援教
育の充実など多様な課題への対応が必要となってきています。そのため,教育者としての情熱
や強い使命感,教育の専門家としての確かな指導力量を高めるとともに,学校運営体制の改善・
充実を図り,組織としての教育力を高めます。
○ 学校,家庭と地域の連携強化
東日本大震災において,地域住民などによる諸活動で「人の絆」が今も強く存在しているこ
とが国際社会に強く印象づけられました。しかしながら,都市化,家族形態の変容,価値観や
ライフスタイルの多様化により,都市部を中心に地域社会などのつながりや支え合いが低下し
てきています。そのため,地域の伝統文化や規範,人との結びつきなどを子どもたちに伝えて
いくとともに地域と連携した防災教育を実施するなど,学校,家庭と地域のつながりを強化し
ていきます。
○ 子どもと向き合う時間の確保
これまで教員へのパソコンの配置や学校給食費の公会計化など教員の負担軽減に取り組み,子ど
もと向き合う時間の確保に努めてきましたが,さらなる教員の負担軽減が求められています。その
ため,成績処理や出席管理などの校務事務を効率化するための校務情報化の推進や学校への調査・
報告文書の見直しなどの事務文書の軽減を図ります。
-9-
7 基本計画の概要
本市教育の新たな指針として策定した「新しいふくおかの教育計画」では,めざす子ども像と教育の
担い手である学校,家庭・地域・企業等それぞれの果たす役割を明確にするとともに,社会全体で子ど
もをはぐくむ「共育(※き)」に取り組むこととしています。
そのために,教育委員会事務局は,教育の各主体の取り組みを支援するための施策を実施します。
(1)本市の教育改革がめざす姿
<めざす子ども像> 基本的考え方1「たくましく生きる子どもの育成」
基本的生活習慣を身につけ,自ら学ぶ意欲と志を持ち,
心豊かにたくましく生きる子ども ~自律と共生~
○ 確かな学力・豊かな心・健やかな体などの生きる力を身につけ,社会の一員としての自覚を持って行
動できる子ども
○ 郷土福岡や日本の自然,歴史,伝統・文化を愛し,守り伝える子ども
○ アジア・世界の中の福岡という視点をもって様々な価値観を認め合い,他者や社会,自然や環境とと
もに生きることのできる子ども
子どもをはぐくむ(導く・支える・守る)各主体の姿や役割
<望まれる家庭の役割>
基本的考え方4「社会全体での子どもたちの育成」
・ 心身ともに健康で,子どもへの愛情と豊か
な人間性や感性を持つ人
・ 教育公務員としての自覚と高い倫理観,教
育者としての情熱と強い使命感を持つ人
・ 広く豊かな教養と社会性を備え,教育専門
家としての確かな力量を持つ人
・ 子どもが基本的な生活習慣をきちんと身につ
けることができる家庭
・ 愛情と自信を持って子どもの成長を見守り,
子どもとともに成長する家庭
・ 家族が協力して家事や子育てに取り組む家庭
・ 地域の行事などに親子で参加し,地域ととも
に子どもをはぐくむ家庭
<めざす学校像>
基本的考え方2「信頼される学校づくりの推進」
・ 児童生徒一人ひとりが大切にされ,存在感
を実感できる「魅力あるよりよい学校」
・ 児童会,生徒会活動等を通して,子どもた
ちがよりよい学校づくりに参画し,協力しあ
う学校
・ 校長のリーダーシップの下,すべての教職
員が一丸となって課題に対応する学校
・ 保護者や地域・企業等との共働を進めるこ
とができる組織風土を持った学校
「共 育 創 造」
<求められる教員像>
基本的考え方3「信頼に応え得る教員の養成」
<望まれる地域・企業等の役割>
基本的考え方4「社会全体での子どもたちの育成」
・ 子どもが健全に成長するよう守り,はぐくむ
という観点から,積極的に教育活動に協力し,
参画する地域・企業等
・ 地域の特性を生かし,多様な子どもや家庭を
受け入れ共生する地域
<教育委員会事務局の責務> 基本的考え方5「教育環境づくりの推進」
・ 学校現場とともに課題解決に積極的に取り組む教育委員会事務局
・ 家庭や地域の取り組みを支援する教育委員会事務局
・ 学校や家庭が必要とする支援に柔軟に対応できるよう組織体制を整備するとともに,市の
他の部局や関係機関等とも連携し,情報発信を行う教育委員会事務局
- 10 -
(2)
「公教育の福岡モデル」の推進
「公教育の福岡モデル」の推進にあたっては,学校教育の面から教育改革を推進していく上で,特に
重視する「教育の内容」と「教育の方法」を示したものであり,本市教育改革の大きな推進力です。
子どもの発達段階とニーズに応じることを基本とし,
「公教育の福岡モデル」を基軸とした教育をす
べての福岡市立学校・園で推進します。
発達段階
幼稚園
保育所
区
就学前
分
(1)
福岡
スタンダード
中学校
小1・2・3・4
早 寝
早起き
朝ごはん
小5・6・中1
立
自
あいさつ・掃除
生活習慣
づくり
読み聞かせの充実
豊かな体験と言葉
(2)
ことばを
大切に
する教育
小学校
中2・3
高1~3
進路について目標を
持ち,社会の中で自
分を生かそうとする
態度の育成
進路の
実 現
志
学
学習意欲を高め,粘り強く
学習する態度の確立
基本的生活習慣の定着
高等学校
日常的に言語感覚を育成する環境整備 (音読・朗読ハンドブック)
授業における言語活動の充実 (言語活動指導の手引き)
読
書
活
動
の
充
実
作品の「よさ」を認める場の充実(文芸作品表彰)
メ デ ィ ア リ テ ラ シ ー の 段 階 的 育 成
(3)
子どもの
力を引き
出し発揮
させる
教育
豊 か な 体 験 活 動 の 推 進
学級活動・児童会活動・生徒会活動の活性化
部活動の活性化
「福 岡 市 小 中 連 携 教 育 指 針」 策 定
発達段階を踏まえ,小・中学校間の滑らかな接続を図る
9年間を見とおしたカリキュラムにもとづく学習指導・心の教育・体力の向上
学校における適応指導の充実(いじめ・不登校対策等)
将来への目標を持ち,進路を切り拓く節目をとらえたキャリア教育
小 ・中 学 校 と特 別 支 援 学 校 の連 携
(5)
家庭・
地域・
企業等と
連携した
教育活動
○「福岡スタンダード」(あいさつ・掃除,自学,立志)の推進
○長期休業日等における家庭,地域と連携した教育活動の推進
○地域全体で学校教育を支援する事業の推進
- 11 -
オープンスクール体験入学
小中高連携事業(
出前授業)
園 児 ・児 童 交 流
育ちに関する情報交換
(4)
小中連携
教育
楽しい・わかる・魅力ある授業づくり・活動づくり
8 めざす子ども像の実現の状況
平成 21~24 年度までの取り組みにより,本市がめざす子ども像の実現の状況を次のように総括し
ました。
『概ね,めざす子ども像に近づき,教育に携わる各主体は役割を果たしつつある。』
◆福岡スタンダード「あいさつ・掃除
自学
立志」に関わる意識変化(H20(H22)と H24 を比較して)
基本的生活習慣を身につけ
あいさつ・掃除
福岡スタンダード
に関わる設問の
肯定的割合の
ポイントがアップ
自ら学ぶ意欲
自学
【自学】 「家で自分で計画を立てて勉強していますか」
H20
自学
【立志】 「将来の夢や目標を持っていますか」
H24
立志
86.0
80
54.5
60.8
+6.3up
H24
75.5
+2.3up
割 60
合
32.2
39.2
%
)
40
H20
70.6
+4.9up
(
)
%
88.3
80
(
割
合 60
志を持ち
立志
40
+7.0up
20
20
小6
小6
中3
中3
全国学力・学習状況調査,生活習慣・学習定着度調査
【概評】福岡スタンダードに関わる設問の肯定的回答の割合が,小学校6年生,中学校3
年生ともに増加している傾向にあります。
福岡スタンダード「あいさつ・掃除
自学
立志」に関わる設問の肯定的回答を平成 20(22)年
度と平成 24 年度で比較したものです。いずれの設問も肯定的回答の割合が上昇しており,これま
での取り組みなどが子どもたちの意識に影響を与えているようです。
今後も,福岡スタンダード「あいさつ・掃除
自学
- 12 -
立志」を推進していきます。
9 後期実施計画の事業について
後期実施計画は,これまでの取り組みを振り返って整理した課題への対応や,新たな課題への対
応が求められているため,次の視点で前期実施計画の事業の整理を行っています。
・事業内容は,新たな課題に対応したものとなっているか。
・中間とりまとめで明らかになった課題に対応した事業となっているか。
○
新たな課題に対応するための事業(すでに着手しているものも含む)
・生活習慣・学習定着度調査
・アクティブ イングリッシュ推進事業
・ICTを活用した授業の推進
・いじめゼロプロジェクト
・市立学校教員免許状更新講習
・体罰によらない教育の推進
・非構造部材の耐震化(東日本大震災からの教訓)
○
前期実施計画からの継続であるが,明らかとなった課題に対応するため内容を充実す
る事業(すでに着手しているものも含む)
・小中連携教育の推進(中学校ブロックでの取り組みを全市で共有)
・小学校高学年における一部教科担任制の実施(実施教科や授業のあり方など検証)
・道徳教育推進事業(学校支援地域連携事業の発展,地域との連携)
・「子どもと本をつなぐ学校図書館」推進事業
・メディアリテラシーの育成
・保幼小連携教育の充実(福岡市保・幼・小・中連絡協議会の設置・開催)
・児童生徒の体力向上の推進
・食育推進事業
・市立高校国際教育の推進
・学校・企業等との連携(教育委員会事務局に窓口を設置)
・学級集団アセスメントの実施(Q-Uアンケートなどの充実)
・福岡市教師道場(教員のスキルアップやリーダー養成)
・授業力向上支援センターの充実
・地域と連携した防災教育(東日本大震災からの教訓)
○
等
事業終了などにより掲載を削除した事業
・学校施設の耐震対策事業
・学校給食費の公会計化
・学校施設の地域開放事業に係る事業運営体制等の見直し
・携帯メール配信システムの導入(教育委員会緊急メールに発展)
- 13 -
等
10 後期実施計画体系図
基本的考え方
重点施策
ねらい
1-① 確かな学力の向上
知・徳・体のバランスのと
れた子どもを育むために
1-②
豊かな心の育成
1-③
基本的考え方1
たくましく生きる子どもの育成
健やかな体の育成
1-④ 地域の特性を生かした教育と国際教育の
推進
1-⑤ 市立高等学校の活性化
1-⑥ 人権教育の推進
子どものニーズに応じた教
育を推進し,ともに生きる
力を育むために
1-⑦
不登校の子どもへの支援・いじめの未然
防止の充実
1-⑧
基本的考え方2
信頼される学校づくりの推進
基本的考え方3
信頼に応え得る教員の養成
特別支援教育の推進
学校運営の改善・充実を図る
ために
2-①
地域と連携し開かれた学校づ
くりのために
2-② 学校と家庭・地域の連携の強化
指導力量を備えた情熱あふ
れる教員を確保・育成する
ために
学校の組織力の強化
3-① 資質ある優秀な人材の確保
3-②
教職員の資質・能力の向上・活性化
基本的考え方4
社会全体での子どもたちの育成
社会全体で子どもを守り育
てるために
4-① 子どもの安全確保に向けた取組の推進
4-② 家庭・地域における教育の強化
5-① 安心して学ぶことができる教育環境の整
基本的考え方5
教育環境づくりの推進
教育に専念できる環境を整
備するために
備
5-② 教員が子どもと向き合う環境づくり
- 14 -
・再掲の後の1-①などの数字は,重点施策の番号を示す。
・「★:新規」は,「新しいふくおかの教育計画(平成21年度)」策定後の新規事業を示す。
主な事業及び取組事項 (★:新規,○:継続)
○学力パワーアップ総合推進事業
○ことば響く街ふくおか推進事業
○観察,実験アシスタント配置事業
○科学わくわくプラン
○小中連携教育の推進
○小学校高学年における一部教科担任制の実施
○少人数学級の実施
★生活習慣・学習定着度調査
★アクティブ イングリッシュ推進事業
★ICTを活用した授業の推進
○福岡スタンダードの推進
○道徳教育推進事業
○児童生徒の規範教育推進事業
○豊かな体験学習推進事業~自然教室~
○ことば響く街ふくおか推進事業(再掲:1-①)
★「子どもと本をつなぐ学校図書館」推進事業
○子ども読書活動の推進
○メディアリテラシーの育成
○保幼小連携教育の充実
★いじめゼロプロジェクト
○児童生徒の体力向上の推進
○食育推進事業
○部活動支援事業
○喫煙・飲酒・薬物乱用防止教育
○人権尊重の性教育
○郷土福岡の特色を生かした教育の推進
○「学生サポーター」制度活用事業
○豊かな体験学習推進事業~自然教室~(再掲:1-②)
○学校・企業等との連携
○職場体験学習事業
○福岡・釜山教育交流事業
○外国の人や文化等との共生を深める教育活動の推進
★アクティブ イングリッシュ推進事業(再掲:1-①)
○進路実現・キャリア教育推進事業
○魅力ある高校づくりの推進
★市立高校国際教育の推進
○学級集団アセスメントの実施
○学校における人権教育の推進
○教員の人権教育研修の推進
○PTA人権教育研修の推進
○不登校対応教員の配置
○中学校1年生における少人数学級の実施
○学級集団アセスメントの実施(再掲:1-⑥)
○スクールカウンセラー活用事業
○スクールソーシャルワーカー活用事業
○小中連携教育の推進(再掲:1-①)
○教育相談機能の充実
○適応指導教室事業
○不登校の子どもの保護者への支援事業
○いじめ防止対策委員会の推進
★いじめゼロプロジェクト(再掲:1-②)
○特別支援教育支援員の配置
○発達障がい等のある児童生徒への支援
充実を図る特別支援教育連携協議会の実施
○特別支援教育コーディネーターの養成
○特別支援学校高等部就労支援事業
○特別支援学校卒業生の学習交流事業(障がい者青年学級)
○副校長等の新たな職の配置拡充
○民間人等の管理職採用
○異校種間人事交流の推進
○学校評価推進事業
○学校問題解決支援事業
○学校公開週間推進事業
○学校サポーター会議推進事業
○学校評価推進事業(再掲:2-①)
○学校のホームページの充実
○「求められる教員像」に基づく人物重視の選考
○多様な人材の確保
○受験者確保の取組
○経験年数や職能に応じた指導力形成を図る研修事業
○福岡市教師道場
★市立学校教員免許状更新講習
○優秀な教員表彰事業
○支援を要する教職員の指導力向上
○校内研究推進事業・教育センター研究協力事業
○長期研修員・非常勤研修員による調査研究事業
○授業力向上支援センターの充実
○教員評価制度の充実
○教職員メンタルヘルスマネジメント事業
○教員の人権教育研修の推進(再掲:1-⑥)
★体罰によらない教育の推進
○学校・子どもの安全対策
○地域ぐるみの学校安全整備推進事業
○地域と連携した防災教育
○インターネット・携帯電話等を介した児童生徒の被害防止取組推進事業
○家庭教育支援事業
○PTAとの連携の推進
○子どもとメディアのよい関係づくり事業
○子ども読書活動の推進(再掲:1-②)
○地域ぐるみ家庭教育支援事業
○学校規模適正化事業
○学校における夏期の暑熱対策事業
○学校給食センター再整備事業
○学校施設の老朽化対策
★非構造部材の耐震化
○校務情報化推進事業
○学校問題解決支援事業(再掲:2-①)
○学校における事務改善の推進
- 15 -
≪ 基本的考え方1 ≫ たくましく生きる子どもの育成
《取組の方向:教育の連携と充実》
1-① 確かな学力の向上
(★:新規,○:継続)
○学力パワーアップ総合推進事業
○小学校高学年における一部教科担任制の実施
○ことば響く街ふくおか推進事業
○少人数学級の実施
○観察,実験アシスタント配置事業
★生活習慣・学習定着度調査
○科学わくわくプラン
★アクティブ イングリッシュ推進事業
○小中連携教育の推進
★ICTを活用した授業の推進
1 これまでの取組の状況と今後の方向性
【これまでの成果】
「確かな学力の向上」では,子どもたち一人ひとりに「主体的に学習に取り組む態度」
「課題解
決に必要な思考力,判断力,表現力」などを身につけさせるために取り組んできました。また,平
成 21 年度に策定した「福岡市小中連携教育指針」に基づき,義務教育 9 年間を見通した小・中学
校共通の学力向上プランの作成や,発達段階に応じた基礎・基本や学習規律の定着に取り組んでき
ました。全国学力・学習状況調査(以下,全国調査)および児童生徒の実態を把握し,学習指導な
どの改善を行うことを目的とした本市独自の生活習慣・学習定着度調査(以下,定着度調査)で明
らかになった成果と課題をもとにして,
「小中連携計画書」
「小中連携教育データベース」の作成や
「各区連絡会」を実施するなど,小・中学校の交流と連携内容の充実を図ってきました。さらに,
小学校では,ゲストティーチャー(※け)重点配置校における公開授業などの研修会を通して,ゲス
トティーチャーを効果的に活用する外国語活動のあり方を研究するとともに,中学校では,外国人
英語指導講師(※か)の配置を拡充し,コミュニケーション能力の育成に努めてきました。
【今後の課題】
これまでの取り組みにより,平成 24 年度の全国調査では,小・中学校ともに国語(A,B)
,算数
(数学)
(A,B)
,理科などのすべての領域で全国平均を上回るようになってきたものの,定着度調
査から,小学校 6 年生の算数で,学力下位層が多い傾向にあり,中学校1年生の数学で,点数のば
らつきが大きいなどの課題が明らかになっています。また,平成 25 年度の全国調査においても,
中学校数学に課題があり,学力の定着に課題がある子どもへの支援を含めた個に応じた指導の推進
や指導方法・指導体制の改善が求められています。
【今後の方向性】
小・中学校それぞれが独自の取り組みを行うのではなく,公教育の福岡モデルの「小中連携教育」
に基づき,義務教育9年間を見通した小・中学校共通の学力向上プランを作成し,「中1ジャン
プ※ち)」をめざした取り組みを継続して行います。また,全国調査や定着度調査などを通して,学
力向上の取り組みの成果と課題を明らかにし,少人数指導(※し)の実施や ICT などを活用した指導
方法・指導体制を工夫するなど学力向上に向けた取り組みを行います。さらに,児童生徒が英語に
触れあう機会を多く設定し,児童生徒がすすんでコミュニケーションを図ろうとする態度や英語に
よるコミュニケーション能力の向上を図ります。
- 16 -
2 主な事業と取組事項
○ 学力パワーアップ総合推進事業
全国学力・学習状況調査および福岡市独自の生活習慣・学習定着度調査などで明らかになった学力
の課題を克服するために,情報交換や研修を通して,学力向上のための取り組みを支援するとともに,
成果を全小・中学校で活用し,児童生徒の着実な学力の向上を図ります。
H26
計画
H27
H28
H29
H30
継続実施・改善
○ ことば響く街ふくおか推進事業
読書に親しみ,音読や朗読を日常的に行うことができるようにするために,義務教育9か年を見通
して,前期,接続期,後期用の「音読・朗読ハンドブック」を全児童生徒に配付するとともに,
「言
語活動指導の手引き」を活用した言語活動の取り組みを推進します。さらに,
「音読・朗読交流会」
などを通して,日本語の美しさや大切さに気づかせるために,作文やスピーチ・読書紹介など児童生
徒の言語活動の「よさ」を広く認め,表彰していく機会を,より多く設け,子どもたち自身の考えや
思いを言葉で豊かに表現する能力を育成します。
H26
計画
H27
H28
H29
H30
音読・朗読ハンド
ブック追加配付
継続実施
<音読・朗読交流会>
○ 観察,実験アシスタント配置事業
児童に理科の楽しさ,面白さを感じさせ,理科教育の活性化および一層の充実を図るとともに,小
学校教員の理科指導力の向上のために,教員の支援や準備,片づけの補助を行う観察,実験アシスタ
ントを配置し,理科に対する興味・関心を高めます。
H26
H27
H28
H29
H30
継続実施
計画
国の動向を踏ま
えあり方検討
○ 科学わくわくプラン
自然科学や環境教育などの専門家による「科学わくわく教室」
「科学わくわくコンテスト」
,理科の
専門家による「科学教室」を実施するなど,児童生徒に科学の面白さや楽しさを経験させることを通
して,科学への興味・関心を高め,理科の学力向上を図ります。
H26
計画
H27
H28
継続実施・検証
- 17 -
H29
H30
○ 小中連携教育の推進
平成 21 年度に策定した「福岡市小中連携教育指針」をもとに,すべての中学校ブロックでこれま
で蓄えた資料を活用し,
「学力向上」
「学習規律」
「生活規律」など小・中学校一体となった取り組み
が主体的に連携できるように支援を行います。また,中学校ブロックでの取り組みを全市的レベルで
共有し,校種(※こ)間にある段差を小さくし,滑らかな接続を図ります。
H26
計画
H27
H28
H29
H30
継続実施・改善
○ 小学校高学年における一部教科担任制の実施
小学校から中学校にかけて,子どもたちが滑らかな接続ができるように,理科の専科教員(※せ)に
よる授業や担任による交換授業など,小学校高学年において,一部教科担任制(※い)を推進します。
今後は,実施教科や授業改善のあり方について検証し,内容の充実を図ります。
H26
計画
H27
H28
H29
H30
継続実施・検証
○ 少人数学級の実施
教員が,児童生徒にきめ細かな指導を行い,一人ひとりとより深い関わりをもつことができるよう
にするために,小学校1年生から4年生において1学級 35 人以下学級を実施します。これに加え,
中学校入学後の生徒の学習面や生活面などにおいて,よりきめ細かな指導が行えるよう,中学校1年
生での少人数学級(※し)を実施します。少人数学級の小学校高学年の拡大については,国の動向や小
学校高学年での一部教科担任制の検証なども踏まえながら検討します。
H26
計画
H27
H28
H29
H30
継続実施・検証
★ 生活習慣・学習定着度調査
小学校4年,6年,中学校1年,3年の子どもたちの生活習慣や学習内容の定着状況を把握し,子
どもたちの生活習慣や授業の改善による基礎・基本の定着を図り,教育に関する継続的な検証改善サ
イクルを確立し,子どもたちの基本的生活習慣づくりや学力向上を図ります。
H26
計画
H27
H28
継続実施
- 18 -
H29
H30
★ アクティブ イングリッシュ推進事業
「世界に羽ばたき行動する国際人づくり」をめざすため,外国語活動・英語の授業や国際交流・体
験活動を充実します。具体的には,外国語に堪能な地域住民や外国人英語指導講師の積極的な活用を
通して,体験的に英語に慣れ親しみ,外国の言語や文化についての理解を深めるとともに,グローバ
ル チャレンジ イン 釜山,留学体験 イン モモチ(小・中学生)などに取り組みます。さらに,英
語チャレンジテストや英語スピーチコンテストを実施し,子どもたちのコミュニケーション能力,行
動力,発信力の育成に努めます。
H26
計画
H27
H28
H29
H30
継続実施・検証
★ ICTを活用した授業の推進
学校において,パソコン(タブレット型を含む)やインターネット,プロジェクター,デジタルカ
メラ,プレゼンテーションソフトなどのICTを授業で積極的に活用し,協働型・双方向型の指導方
法・指導体制ができるよう支援を行うとともに,教科や総合的な学習の時間(※そ)に対する児童生徒
の興味・関心を高め,学力の向上を図ります。
H26
H27
H28
新規実施
計画
H29
H30
効果検証
3 評価指標
対象
現状値
(H24)
目標値
(H30)
教育意識調査(※き)において,あなたの学校は「基礎
基礎基本となる学
基本となる学力の向上に取り組んでいる」という設問
力の向上の取組の
に対し,
「当てはまる」
「どちらかといえば,当てはま
満足度
る」と回答した,保護者,教員の割合
保護者
64.5%
75%
教員
96.4%
100%
全国学力・学習状況調査において,あなたは,「国語
児童生徒の授業内 や算数・数学の授業の内容がよく分かるか」という設
容に関する理解度 問に対し,
「当てはまる」
「どちらかといえば,当ては
まる」と回答した,児童生徒の割合
小6
児童
73.1%
78%
指標名
指標の概要
- 19 -
中3
生徒
1-② 豊かな心の育成
(★:新規,○:継続)
○福岡スタンダードの推進
★「子どもと本をつなぐ学校図書館」推進事業
○道徳教育推進事業
○子ども読書活動の推進
○児童生徒の規範教育推進事業
○メディアリテラシーの育成
○豊かな体験学習推進事業~自然教室~
○保幼小連携教育の充実
○ことば響く街ふくおか推進事業(再掲:1-①)
★いじめゼロプロジェクト
1 これまでの取組の状況と今後の方向性
【これまでの成果】
「豊かな心の育成」では,平成 21 年度から,公教育の福岡モデルである福岡スタンダード(あ
いさつ・掃除 自学 立志)の推進を通して,子どもたちの「規範意識や自尊感情」
「他者とのつ
ながり,社会的関係への気づき,自分や他の人を大切にする心」などを,学校,家庭・地域・企業
等と連携しながらはぐくんできました。
これまでの取り組みの結果,福岡スタンダードに関わる子どもたちの意識や自分の存在を価値あ
る存在として意識できるという自尊感情,社会や学校のきまりの大切さを感じられるという規範意
識が年々高まってきている傾向にあります。
各学校が学校経営方針に福岡スタンダードを位置づけ,道徳教育はもちろんのこと,学校,家庭・
地域・企業等と連携して,豊かな心を育成するための全体計画を立案し実施してきました。
【今後の課題】
子どもたちを取り巻く社会は,いじめ問題(
「インターネット上のいじめ」を含む)や携帯電話,
インターネットの依存に見られるように,
「他者とのつながり,社会的関係への気づき,自分や他
の人を大切にする心」などを実感しにくい環境となっており,これまで以上に,豊かな心の育成が
重要です。
【今後の方向性】
子どもたちの規範意識や自尊感情,人権意識を高めることで,自分や他人を大切にする心や社会
に貢献する態度をはぐくむことができると考えています。そのために,福岡スタンダードを着実に
推進するとともに,学校,家庭・地域・企業等が連携した道徳教育の充実を図ります。また,各種
メディアと正しく向き合い,適切に活用できるように子どもたちのメディアリテラシーの育成に努
めます。
2 主な事業と取組事項
○ 福岡スタンダードの推進
基本的生活習慣の定着,学習意欲を高め粘り強く学習する態度の確立,進路について目標を持ち,
社会の中で自分を生かそうとする態度の育成のために,今後も福岡スタンダード「あいさつ・掃除 自
にぶんのいち
学 立志」を推進します。また,すべての小学校で1/2成人式(※に),中学校で立志式(※り)を実施
し,子どもの発達段階に応じたキャリア教育(※き)の推進に努めます。
H26
計画
H27
H28
1/2 成人式・立志式
継続実施
- 20 -
H29
H30
○ 道徳教育推進事業
道徳の時間を要として学校の教育活動全体を通じて,道徳教育を充実することにより,子どもたち
の相手をいたわり,思いやる心やきまりを守ろうとする心をはぐくみます。また,道徳推進モデル校
を指定し,学校・地域コーディネーター(※か)の支援のもと,学校と家庭・地域が連携した取り組み
を行い,その成果をまとめ,平成 28 年度から,全小・中学校で取り組みます。
H26
H27
H28
H29
H30
検証
計画
モデル校指定
全小・中学校で取組
モデル校拡充
○ 児童生徒の規範教育推進事業
すべての学校で規範意識の育成に関わる学習活動を教育課程(※き)に位置づけ,児童生徒と保護者
が共に学ぶ学習会の積極的な推進を通して,社会のルールを遵守することや自分の行動に責任をもつ
ことなどの規範意識を育成するとともに,非行行為への誘惑や勧誘を断る判断力・行動力の育成に努
めます。
H26
計画
H27
H28
H29
H30
継続実施
○ 豊かな体験学習推進事業~自然教室~
福岡市および近郊の恵まれた自然環境の中で,自然とのふれ合いや地域への理解を深めるなど,通
常の学校生活では得がたい体験,集団宿泊生活などを通して,協力,責任,奉仕などの精神を涵養し,
心身ともに調和のとれた児童生徒の健全育成を図ります。
H26
H27
H28
H29
H30
継続実施
計画
検証・今後の
方針検討
○ ことば響く街ふくおか推進事業(再掲,P.17)
- 21 -
★「子どもと本をつなぐ学校図書館」推進事業
子どもたちの確かな国語の能力や情報の収集・活用力,豊かな心を育成するために,学校長の方針
のもと,司書教諭が中心となって組織的に取り組む体制づくりを行います。さらに,その取り組みの
充実を図るために,学校司書(※か)や学校図書館ボランティア(※か)との連携を行い,読書を楽しむ環
境づくりをめざすとともに,学校図書館支援センターを開設し,質の高い読書活動の推進に努めます。
H26
計画
H27
H28
H29
H30
学校司書継続配置
・学校図書館活性化
学校図書館支援
センター開設
本格実施
○ 子ども読書活動の推進
平成 23 年度に策定した「福岡市子ども読書活動推進計画(第2次)
」に基づき,家庭・地域・学
校等が連携し,子どもと本をつなぐ環境づくりを推進するとともに,23 日の「福岡市子どもと本の
日(※ふ)」の啓発,市民との共働により福岡市子ども読書活動推進会議や子ども読書フォーラムの開
催,小学生読書リーダー活動推進事業,すべての公民館に絵本を整備するスタンバード文庫事業など
を実施します。
H26
計画
H27
読書活動推進
計画(第2次)
H28
H29
H30
読書活動推進
計画(第3次)
○ メディアリテラシーの育成
メディアリテラシー育成のための啓発資料を作成・配付し,発達段階に応じた指導を通して,各種
メディアと正しく向き合い,適切に活用するメディアリテラシーを育成します。特に,全児童生徒を
対象として,様々な情報への関わり方の指導を行うことで,メディアに対する正しい向き合い方や活
用能力を高めます。
H26
計画
継続実施
H27
H28
H29
H30
資料作成・配付
○ 保幼小連携教育の充実
幼児教育と小学校教育の円滑な接続のため,小学校が中心となり,関係諸機関と連携し,子どもた
ちの豊かな感性をはぐくむとともに教員の参観や意見交換・情報交換などを充実します。また,福岡
市保・幼・小・中連絡協議会を開催するなど,保育園・幼稚園と小学校の子どもたちの生活や教育方
法に適応できるよう滑らかな接続をめざします。
H26
計画
H27
H28
継続実施
- 22 -
H29
H30
★ いじめゼロプロジェクト
いじめはどの学校でも起こるという認識にたち,すべての小・中学校の児童生徒を対象として,い
じめ問題の主体的な参画に向けた啓発活動を行うとともに,道徳教育と関連させ,人間関係づくりや
集団づくりを通して「いじめを生まない都市ふくおか」を実現します。そのために,平成 25 年度に
採択した「いじめゼロ宣言」に基づいた取り組みをすべての学校に広げるとともに,いじめに対する
各学校の取り組みの充実を図ります。
H26
H27
H28
いじめゼロ取組
交流会(仮称)
実施
計画
H29
H30
「居心地のよい学
級づくり」の充実
3 評価指標
対象
現状値
(H24)
目標値
(H30)
全国学力・学習状況調査において,「人の気持ちが分
児童生徒の思いや かる人間になりたいと思いますか」という設問に対
りの状況
し,
「当てはまる」
「どちらかといえば当てはまる」と
回答した児童生徒の割合
小6
児童
94.7%
97%
中3
生徒
95.4%
97%
全国学力・学習状況調査において,「学校のきまりを
児童生徒の規範意 守っている」という設問に対し,
「当てはまる」
「どち
識の状況
らかといえば,当てはまる」と回答した児童生徒の割
合
小6
児童
91.4%
95%
中3
生徒
91.8%
95%
指標名
指標の概要
◆いじめゼロサミットで採択された宣言
平成 25 年8月 23 日 いじめゼロサミット 2013 で採択
- 23 -
1-③ 健やかな体の育成
(★:新規,○:継続)
○児童生徒の体力向上の推進
○喫煙・飲酒・薬物乱用防止教育
○食育推進事業
○人権尊重の性教育
○部活動支援事業
1 これまでの取組の状況と今後の方向性
【これまでの成果】
「健やかな体の育成」では,各学校で新体力テスト(※し)を実施するなど,子どもの体力向上に
努めるとともに,健康教育年間指導計画を作成し,喫煙・飲酒・薬物乱用防止教育の充実を図って
きました。また,食育の推進を図るために,食育指導計画を作成し,家庭・地域と連携して,料理
教室や給食コンテストなどの食育推進事業を実施してきました。
【今後の課題】
平成 20 年度に比べ,子どもの体力の実態を把握する「新体力テスト」の実施率は上昇してきて
います。しかしながら,依然として,本市の子どもの体力・運動能力調査結果は全国平均より低い
水準で推移しています。また,中学校の部活動の指導者の確保も年々困難となっており喫緊の課題
となっています。
学校での食育は,校長を中心とした指導体制の整備,食育指導計画の作成および栄養教諭(※え)
などによる指導が定着し,朝食摂取の状況が高い割合で推移しています。今後も,家庭・地域・企
業等と連携した取り組みを行うことにより,一層の推進を図ることが必要です。
【今後の方向性】
子どもの健やかな体の育成のために,日頃の生活や学校の教育活動全体を通して,運動習慣が身
についていない子どもたちへの支援を図るとともに,幼児期から小・中学校へのつながりを大切に
した体力向上の取り組みを推進します。また,食育を推進するために,学校での指導計画の作成と
指導体制の整備を図るとともに,料理教室や給食コンテスト,給食センター食育研修室などを活用
した事業などを実施することにより,家庭・地域・企業等と連携した食育を推進します。
2 主な事業と取組事項
○ 児童生徒の体力向上の推進
各学校で作成した「体力向上推進プラン」に基づき,児童会活動などによる外遊びの紹介,体育科・
保健体育科の授業,鍛錬遠足や自然教室,球技大会などの行事を通して,児童生徒の体力に応じた取
り組みを推進します。また,平成 22 年度に作成した「元気ッズ 体力向上マニュアル」や「新体力
テスト集計ソフト(元気ッズナビ)
」の積極的な活用や各学校の取り組み,分析結果を共有できるよ
う支援を行い,児童生徒の体力向上を図ります。さらに,
「新体力テスト」の実施を継続し,児童生
徒一人ひとりの体力の実態と課題を保護者へ伝え,体力向上の重要性を啓発します。
計画
H26
H27
H28
継続実施
検証
改善実施
- 24 -
H29
H30
○ 食育推進事業
各小・中学校で,食育を推進するための指導体制の整備と,児童生徒の実態を踏まえた食育指導計
画を作成し,各教科や特別活動,給食時間において,継続的・体系的な食に関する指導の充実を図り
ます。また,栄養教諭などによる料理教室,学校給食試食会,給食コンテストなどをはじめ,第1給
食センター(仮称)食育研修室などを活用した新たな取り組みなどの食育推進事業の幅広い実施によ
り,家庭・地域・企業等と連携した食育への支援を行い,健康の増進を図ります。
H26
H27
H28
H29
H30
継続実施
計画
食育研修室を活用し
た事業の検討・試行
検証・改善実施
本格実施
○ 部活動支援事業
部活動の充実と推進を図るために,運動部の大会出場や活動場所,文化活動での文化発表会出場・
出展などへの支援を行い,生徒の自主的・自発的な活動や心身の健全な発育を促し,互いに協力して
責任を果たすなどの社会的態度の育成を図ります。また,各学校の要望に応じて,福岡市スポーツ協
会と連携しながら補助指導者の確保に努めます。
H26
計画
H27
H28
H29
H30
継続実施
○ 喫煙・飲酒・薬物乱用防止教育
各小・中学校において,健康教育年間指導計画を作成し,計画に基づいた指導を行うことによって,
喫煙・飲酒・薬物乱用防止教育の充実を図り,子どもたちの健全育成を図ります。
計画
H26
H27
計画に基づい
た指導の実施
継続実施
H28
H29
H30
○ 人権尊重の性教育
各小・中学校において,
「すばらしい成長~人間尊重の性教育~」などを活用した健康教育年間指
導計画に基づく指導を行い,児童生徒に生命尊重や男女平等などの精神に基づく正しい異性観の育成
に努めます。
計画
H26
H27
指導計画の作成
および指導の実施
継続実施
H28
- 25 -
H29
H30
3 評価指標
指標名
児童生徒の体力
運動能力の状況
新体力テストの
実施状況
指標の概要
対象
現状値
(H24)
目標値
(H30)
小5
児童
(男子)
49.9
(女子)
48.9
(男子)
52
(女子)
52
中2
生徒
(男子)
47.6
(女子)
48.5
(男子)
52
(女子)
52
小学校
34.0%
100%
小6
児童
95.6%
100%
中3
生徒
93.7%
100%
保護者
93.3%
100%
「体力運動能力調査」の総合得点の全国平均を50と
した場合の福岡市の児童生徒の値
市内で「新体力テスト」を完全実施している学校の割
合
全国学力・学習状況調査において,「朝食を毎日食べ
ていますか」という設問に対して,
「食べている」
「ど
ちらかといえば食べている」と回答した児童生徒の割
合
朝食摂食の状況
教育意識調査において,「子どもに毎日しっかりと朝
食を食べさせていますか」という設問に対して,「当
てはまる」「どちらかといえば当てはまる」と回答し
た保護者の割合
- 26 -
1-④ 地域の特性を生かした教育と国際教育の推進
(★:新規,○:継続)
○郷土福岡の特色を生かした教育の推進
○職場体験学習事業
○「学生サポーター」制度活用事業
○福岡・釜山教育交流事業
○豊かな体験学習推進事業~自然教室~
○外国の人や文化等との共生を深める教育活動の推進
(再掲:1-②)
★アクティブ イングリッシュ推進事業(再掲:1-①)
○学校・企業等との連携
1 これまでの取組の状況と今後の方向性
【これまでの成果】
「地域の特性を生かした教育と国際教育の推進」では,福岡市がもつ自然や歴史,文化的・社
会的資源を活用し,学校教育の内容と方法に広がりと深まりをもたせるように取り組んできまし
た。これまで,平成21年度に釜山広域市教育庁と締結した「教育交流に関する覚書」に基づき,
本市と釜山広域市の中学生および教員との相互交流,公開授業,国際教育の推進に向けた講演会
を実施するなどの国際交流や両市が作成した副読本「もっと知りたい福岡・釜山」の活用促進を
図ってきました。
本市はアジア諸国との古くからの交流があるとともに,企業や大学,国際的な機関なども集積
しており,専門性に長けた人材も豊富です。このような福岡市の特性を生かして,地域の人材活
用,職場体験学習や様々な体験活動を実施し,特色ある教育活動・学校づくりを行ってきました。
【今後の課題】
これまでの取り組みの結果,企業等との連携による職場体験学習の受け入れ先の拡充や韓国と
の教育交流,学生サポーター制度(※か)が定着してきている一方で,前期実施計画で示していた重
点施策1-④「地域の人材や施設を生かした教育の推進状況」の評価指標は低下しています。
今後は,本市の地理的特性を生かした事業への取り組みを通して,世界に羽ばたき行動する国
際人を育成する必要があります。
【今後の方向性】
施策を推進していくにあたっては,
「子どもの力を引き出し発揮させる教育」
「家庭・地域・企業
等と連携した教育活動」を踏まえ,教育に携わる各主体が互いに連携していく中で,それぞれのよ
さや福岡の地理的特性を生かした取り組みを推進します。また,アジア・世界の中の福岡という視
点をもち,福岡やアジアの様々な国の価値観を認め合い,理解し合う,グローバルな資質を身につ
けた児童生徒の育成を図ります。
2 主な事業と取組事項
○ 郷土福岡の特色を生かした教育の推進
各教科,道徳,外国語活動,総合的な学習の時間および特別活動の中で,豊かな体験活動を進め
るとともに,地域の人材や文化施設の活用を図り,福岡が輩出した人物,伝統的な行事や文化を学
ぶなど,各学校における特色ある教育活動を推進し,地域に愛着と誇りをもつ児童生徒の育成に努
めます。
- 27 -
H26
計画
H27
H28
H29
H30
継続実施
○ 「学生サポーター」制度活用事業
教育委員会と協定を締結した大学(18 大学)が派遣する大学生を「学生サポーター」として市立
の学校や幼稚園で受け入れ,授業や課外活動の補助,休み時間の交流など,様々な教育活動を支援し
ます。
計画
H26
H27
大学への広報・募
集,各校へ派遣
継続実施
H28
H29
H30
○ 豊かな体験学習推進事業~自然教室~(再掲,P.21)
○ 学校・企業等との連携
児童生徒の幅広い興味・関心に即した職場体験学習の受け入れ先や社会人講話の人材を確保する
とともに,企業,大学,NPO 等がもっている教育力を学校教育に生かすために,企業等との協議や
連携した取り組みの窓口や機会を設定したり,情報を交換したりするなどして,学校と企業等の連
携を推進します。
H26
計画
H27
H28
H29
H30
継続実施
○ 職場体験学習事業
企業と連携を図る中で職場開拓を行うとともに,生徒が実際的な知識や技術・技能に触れたり,直
接働く人と接したりすることにより,学ぶことの意義や働くことの意義を理解できるよう職場体験学
習に取り組みます。その取り組みを通して,学校から社会への移行をめぐる様々な課題に対応できる
力を生徒に身につけさせ,望ましい勤労観,職業観の育成に努めます。
H26
H27
H28
企業との連携
計画
継続実施
- 28 -
H29
H30
○ 福岡・釜山教育交流事業
福岡市と釜山広域市の交流に関する副読本「もっと知りたい福岡・釜山」の活用を図るとともに,
両市の教員や児童生徒の交流事業を通して,協議や情報交換,報告会を行い,児童生徒の国際理解の
推進を図ります。
計画
H26
H27
H28
H29
H30
受入実施
派遣実施
受入実施
派遣実施
受入実施
○ 外国の人や文化等との共生を深める教育活動の推進
「在日外国人の人権に関する学校教育指針」に基づき,日本語指導担当教員配置校における日本語
指導や日本語指導員の派遣事業を行うなど外国人児童生徒に配慮した教育を推進し,互いの文化の違
いを尊重し共に生きる心の育成に努めます。
H26
H27
H28
H29
H30
継続実施
計画
★ アクティブ イングリッシュ推進事業(再掲,P.19)
3 評価指標
対象
現状値
(H24)
目標値
(H30)
教員
69.9%
80%
保護者
42.9%
70%
生活習慣・学習定着度調査において,
「英語は,将来,
生徒の「英語の有 社会に出たときに役に立つと思うか」という設問に対 中 1,3
用性」の状況
し,
「はい」
「どちらかといえばはい」と回答した生徒
生徒
の割合
90.0%
95%
指標名
指標の概要
教育意識調査において,「地域の人材や施設などを生
地域の人材や施設
かした教育を工夫しているか」の設問に対し,「とて
を生かした教育の
も当てはまる」「どちらかといえば当てはまる」と回
推進状況
答した教員,保護者の割合
- 29 -
1-⑤ 市立高等学校の活性化
○進路実現・キャリア教育推進事業
(★:新規,○:継続)
★市立高校国際教育の推進
○魅力ある高校づくりの推進
1 これまでの取組の状況と今後の方向性
【これまでの成果】
「市立高等学校の活性化」では,平成 24 年3月に策定した「福岡市立高等学校活性化に向けた
取組方針(以下,
「取組方針」
)に基づき,各高校の教育内容の充実を図るとともに,各校の特色あ
る取り組みを,中学生や保護者をはじめ広く市民に広報してきました。
【今後の課題】
これまでの取り組みにより,目標としている志願倍率が着実に上昇しているなど,一定の成果が
あらわれていますが,子どもたちの進路意識の多様化,進学希望者の増加などニーズが変化してい
くことが予想されます。今後も,
「取組方針」に基づき,具体的な取り組みを着実に推進するとと
もに,各学校の特色を生かして中学生,保護者や市民から選ばれる魅力ある高校づくりが求められ
ます。
【今後の方向性】
次世代の福岡市を支え貢献する人材を育てるため,社会ニーズの変化に対応しながら,市民や企
業から求められる教育内容を提供し,生徒の進路実現を支援する高校づくりに努めます。
今後は,
「取組方針」に基づいて,進学や就職など生徒の多様な進路希望に応えることにより,
中学生,保護者や市民から選ばれる魅力ある高校づくりの推進に努めるとともに,取り組みの成果
を踏まえて,その後の方針を検討します。
2 主な事業と取組事項
○ 進路実現・キャリア教育推進事業
生徒一人ひとりの進路希望を実現し,保護者や中学校の教員が安心して進学を勧められる学校とな
るために,進学や就職の進路指導の充実に向けた取り組みを推進します。また,明確な目的意識をも
って学業に取り組み,主体的に自己の進路を選択・決定できる能力や勤労観・職業観を育成するため
のキャリア教育を推進します。
H26
計画
継続実施
H27
H28
H29
検証・今後の方針
検討
新方針に基づく
取り組み
H30
○ 魅力ある高校づくりの推進
市立4校の合同行事や学校案内資料の充実を図るなど広報活動を強化するとともに,平成 27 年度
までの成果目標の達成状況を踏まえながら,
「取組方針」に基づいた取り組みを推進します。
- 30 -
H26
H27
継続実施
計画
H28
H29
検証・今後の方針
検討
新方針に基づく
取り組み
H30
★ 市立高校国際教育の推進
「アジア・ユース・教育フォーラム」や姉妹校交流への派遣など,意欲ある生徒が積極的に海外へ
チャレンジできる機会を提供し,英語によるコミュニケーション能力や国際感覚を育成します。
H26
H27
継続実施
計画
H28
H29
検証・今後の方針
検討
新方針に基づく
取り組み
H30
3 評価指標
指標名
志願倍率の状況
指標の概要
対象
現状値
(H24)
目標値
(H30)
志願倍率が公立高等学校平均倍率を下回っている学
科数
-
1学科
0 学科
86.6%
95%
進路実現に対する満足度についてのアンケートにお
進路希望の実現に いて,「学校の進路指導などが進路目標の達成に役立 高 1~3
対する満足度
っているか」という設問に対して,
「とてもそう思う」 生徒
「ややそう思う」と回答した生徒の割合
- 31 -
1-⑥ 人権教育の推進
(★:新規,○:継続)
○学級集団アセスメントの実施
○教員の人権教育研修の推進
○学校における人権教育の推進
○PTA 人権教育研修の推進
1 これまでの取組の状況と今後の方向性
【これまでの成果】
「人権教育の推進」では,これまで教員向けの「人権教育指導の手引き」を作成し,学校に配付・
活用してきました。また,小・中・特別支援学校で人権読本「ぬくもり」を活用するほか,全市人
権教育研修会,男女平等研修会および家庭教育支援パンフレット活用研修会を主催し,教員の人権
感覚および資質・指導力の向上に努めてきました。これまでの取り組みにより,児童生徒の人権意
識の高揚や教職員の人権問題に対する理解・認識が深まり,すべての学校(園)で人権教育研修が
実施されるなど,一定の成果があがってきました。また,福岡市 PTA 協議会との連携のもと,PTA
による学習会などを支援するなど,PTA 研修の定着や教育力の充実に努めてきました。
【今後の課題】
依然として,学校ではいじめや差別的発言などの事象が発生しており,人権学習の取り組みが知
的理解にとどまり,子どもたちの確かな人権感覚および自他を尊重する態度や行動力の育成に必ず
しもつながっていないなどの課題が見られます。今後も,学校での人権教育の組織的・計画的取り
組みや教員の人権感覚および資質・指導力の向上が求められています。
【今後の方向性】
「福岡市教育委員会人権教育推進計画」に基づき,教員の共通理解・認識のもと,学校の教育活
動全体を通じた人権教育を組織的・計画的に推進するとともに,教育委員会の主催研修会を充実さ
せ,教員の人権感覚および資質・指導力の向上に努めます。さらに,子どもの発達段階に応じて,
人権学習に関する効果的な教材などを整備し,人権感覚を高め,さまざまな人権問題へ取り組んで
いこうとする実践的な行動力を育成します。
2 主な事業と取組事項
○ 学級集団アセスメント(※か)の実施
学級満足度,学校生活への意欲,学級集団の状態などを把握するために,小・中学校の児童生徒を
対象とした hyper-QU,Q-U アンケートを実施し,いじめ,不登校の未然防止・早期発見などに活
用するとともに居心地のよい学級集団づくりをめざします。
H26
計画
H27
H28
継続実施・検証
いじめ,不登校の未然
防止・早期発見
- 32 -
H29
H30
○ 学校における人権教育の推進
学校(園)の教育活動全体を通した人権教育を効果的に推進していくため,教員を対象に「人権
教育指導の手引き」を作成・配付し,人権教育に対する共通理解のもとに学校における人権教育の
組織的・計画的な推進を図ります。また,児童生徒の確かな人権感覚と実践力の育成をめざして,
人権読本「ぬくもり」の第3版を作成するとともに毎年,小・中学校の各学年に整備し,その活用
を促進します。
計画
H26
H27
H28
3,4 年版配付
5,6 年版作成
5.6 年版配付
1,2 年版作成
1,2 年版配付
中学生版作成
H29
H30
中学生版配付
○ 教員の人権教育研修の推進
教員の人権問題への理解・認識の深化と人権意識の高揚および資質・指導力の向上を図るため,
学校(園)における人権教育研修や人権教育に関して,自主的な研究・実践を行っている団体に研
修費を交付し,教員相互の研修を支援します。また,全教員対象の全市人権教育研修会や男女平等
教育研修会,家庭教育支援パンフレット活用研修会を各年1回開催するとともに,研修内容を充実
し,人権教育研修を推進します。
H26
計画
H27
H28
H29
H30
継続実施
研修費交付・実績の
点検・指導
各研修会開催
○ PTA人権教育研修の推進
PTA 会員が人権についての理解を深めることを通して,学校での人権学習を積極的に受け止める
ことのできる家庭の基盤づくりと,人権を尊重し人の多様性を認め合う地域づくりをめざすため,
PTA を対象とした「研修講座」
「研究集会」
「人権教育研修会」を実施します。
H26
計画
H27
H28
継続実施
- 33 -
H29
H30
3 評価指標
指標名
児童生徒の
自尊感情の状況
児童生徒の
人権意識の状況
指標の概要
全国学力・学習状況調査において,「自分には,よい
ところがあると思う」の設問に対し,
「当てはまる」
「ど
ちらかといえば,当てはまる」と回答した児童生徒の
割合
生活習慣・学習定着度調査において,「友達が困って
いるときに助けています」という設問に対し,
「はい」
「どちらかといえばはい」と回答した児童生徒の割合
教育意識調査において,あなたの学校では,「人権教
人権教育の視点を
育の視点が取り入れられた授業が行われている」とい
取り入れた授業の
う設問に対して「とても当てはまる」「どちらかとい
取組状況
えば当てはまる」と回答した教員の割合
- 34 -
対象
現状値
(H24)
目標値
(H30)
小6
児童
76.9%
85%
中3
生徒
71.1%
80%
小6
児童
87.9%
95%
中3
生徒
89.1%
95%
教員
88.1%
100%
1-⑦ 不登校の子どもへの支援・いじめの未然防止の充実
(★:新規,○:継続)
○不登校対応教員の配置
○教育相談機能の充実
○中学校1年生における少人数学級の実施
○適応指導教室事業
○学級集団アセスメントの実施(再掲:1-⑥) ○不登校の子どもの保護者への支援事業
○スクールカウンセラー活用事業
○いじめ防止対策委員会の推進
○スクールソーシャルワーカー活用事業
★いじめゼロプロジェクト(再掲:1-②)
○小中連携教育の推進(再掲:1-①)
1 これまでの取組の状況と今後の方向性
【これまでの成果】
「不登校の子どもへの支援・いじめの未然防止の充実」では,これまで不登校対応教員(※ふ)や
スクールソーシャルワーカー(※す),スクールカウンセラー(※す)の配置,メンタルフレンド(※め)の
派遣(ひきこもり(※ひ)対策)
,適応指導教室(※て)の運営,教育カウンセラーによる面接相談や電話
相談,教員に対する研修として,教育相談専門講座の開設や講師派遣による校内研修などの充実を
図り,さまざまな不登校の子どもへの支援に努めてきました。また,
「中 1 ギャップ(※ち)」への対
応や不登校発生の予防を図るため,平成 21 年度から中学校1年生で少人数学級(学校選択)を実
施し,不登校児童生徒数が減少するなど一定の成果をあげてきました。
【今後の課題】
平成 24 年度の福岡市における不登校児童生徒数は,988 人(小学校 141 人,中学校 847 人)
と減少傾向にあるものの,小学校から中学校に進学した中学 1 年生の不登校生徒数は,小学校 6
年生から急激に増加しており,いわゆる「中 1 ギャップ」といわれる課題が依然として残っていま
す。今後も,子ども,保護者,教職員からの「いじめ」
「不登校」などに関する相談件数の増加が
予想されるため,支援体制を検討する必要があります。
【今後の方向性】
今後も不登校やいじめ問題へ的確に対応するため,小・中学校の少人数学級の実施,不登校児童
生徒へ専任的に対応する不登校対応教員や個々の悩みなどの解決の支援を行うスクールカウンセ
ラー,教育と福祉の両面から支援を行うスクールソーシャルワーカーを配置するとともに,適応指
導教室の運営方法のあり方を検討するなど,不登校児童生徒の支援を継続的に行います。また,不
登校の児童生徒一人ひとりに応じた適切な支援を行うために,子どもの状況や支援内容を記録した
「すこやか(※す)
(不登校支援記録)
」を活用し,9年間の支援内容を確実に次年度へ引き継ぎます。
さらに,小中連携による学習指導や生徒指導のあり方の改善,家庭・地域・関係機関との連携の
充実を図るとともに,全市小6,中1,2年生への Q-U アンケートの実施や平成 25 年度に採択
した「いじめゼロ宣言」に基づく各学校での取り組みの支援などを通して,いじめの未然防止や早
期発見に努めます。
- 35 -
2 主な事業と取組事項
○ 不登校対応教員の配置
不登校・不登校傾向のある生徒への適切な指導・支援や校内適応指導教室の運営に従事するととも
に,学校におけるコーディネーターの役割を担うなど,専任的に従事する不登校対応教員を配置しま
す。
H26
計画
H27
H28
H29
H30
継続実施・検証
配置検討
○ 中学校1年生における少人数学級の実施
中学校1年生において1学級 35 人以下の少人数学級を実施することにより,個に応じたきめ細か
な指導を推進し,確かな学力の向上,
「中1ギャップ」への対応,不登校生発生の予防を図ります。
H26
計画
H27
H28
H29
H30
継続実施・検証
○ 学級集団アセスメントの実施(再掲,P.32)
○ スクールカウンセラー活用事業
専門的知識や経験を有するスクールカウンセラーを配置し,児童生徒および保護者へのカウンセリ
ングを中心に,教職員などへの研修・助言・支援を行うことによって,課題を抱える児童生徒などへ
の適切な支援活動を推進します。今後も小学校への配置を含んだ配置計画,並びに活用方法などを検
討し,効果的な支援体制の充実を図ります。
H26
H27
H28
H29
H30
継続実施
計画
配置計画
・活用方法検討
○ スクールソーシャルワーカー活用事業
教育と福祉の両面から包括的な支援を行うために,スクールソーシャルワーカーを配置し,児童生
徒を取り巻く学校,家庭・地域等に対する働きかけ,また,関係機関と連携し,子どもおよび保護者
などに対して支援を行います。
H26
計画
H27
H28
継続実施
配置人数
・勤務形態検討
- 36 -
H29
H30
○ 小中連携教育の推進(再掲,P.18)
○ 教育相談機能の充実
不登校をはじめとする教育的問題を解決するために,臨床心理士の資格を有する教育カウンセラー
による電話・面接相談を実施するとともに,福祉関係者との連携を深めることにより,積極的な支援
活動を展開し,児童生徒,保護者など,それぞれの問題に応じた適切な支援を行います。
H26
計画
H27
H28
H29
H30
継続実施
○ 適応指導教室事業
いじめ,不登校などの問題に対処するため,適応指導教室(はまかぜ学級(こども総合相談センタ
ー)
・まつ風学級(教育センター)
・サテライト教室)を活用した教育相談を実施するとともに,心理
的,情緒的理由による不登校児童生徒に対して,早期の学校復帰や社会的自立の支援を行います。
H26
計画
H27
H28
H29
H30
施設・運営方法な
どの検討・運営
○ 不登校の子どもの保護者への支援事業
NPOと連携し,不登校に関するワンストップ問合せ窓口(不登校ほっとライン)や,悩みを語り
合う場の設置など保護者の孤立感,不安を軽減することで問題解決を支援します。また,不登校につ
いて考える「不登校フォーラム」やセミナーを開催するほか,保護者を支援するためのサポーターの
養成を行います。
H26
計画
H27
H28
H29
H30
継続実施
NPO との連携
○ いじめ防止対策委員会の推進
いじめ防止対策委員会で,いじめの状況や指導のあり方について,情報交換を行うとともに,学
校,家庭・地域や関係機関(こども総合相談センターなど)と連携し,いじめの未然防止や早期発
見に努めます。また,
「福岡市いじめゼロ宣言」を生かしながら,いじめ撲滅に向けた保護者や地域
住民への啓発を行います。
H26
計画
H27
H28
継続実施
- 37 -
H29
H30
★ いじめゼロプロジェクト(再掲,P.23)
3 評価指標
対象
現状値
(H24)
目標値
(H30)
不登校児童生徒の
「不登校児童生徒」の人数
出現状況
児童
生徒
988 人
822 人
福岡市教育委員会調査の「不登校児童生徒」のうち,
不登校児童生徒の
「指導の結果登校する,またはできるようになった児
学校復帰の状況
童生徒」の割合
児童
生徒
小 35.7%
中 29.6%
小 50%
中 40%
指標名
指標の概要
◆スクールソーシャルワーカーの配置状況
不登校や問題行動等への対応など児童生徒への支援体制を充実
するため,平成 25 年度までに中学校区を活動範囲とした小学
校 12 校にスクールソーシャルワーカーを配置
◆不登校児童生徒数の状況
平成 20 年度以降,不登校児童生徒数は減少しており,平成 24
年度では小・中学校の合計で 988 人となり,3年連続して,
1,000 人を下回る。
- 38 -
1-⑧ 特別支援教育の推進
(★:新規,○:継続)
○特別支援教育支援員の配置
○特別支援教育コーディネーターの養成
○発達障がい等のある児童生徒への支援
○特別支援学校高等部就労支援事業
充実を図る特別支援教育連携協議会の実施
○特別支援学校卒業生の学習交流事業
(障がい者青年学級)
1 これまでの取組の状況と今後の方向性
【これまでの成果】
「特別支援教育の推進」では,障がいのある子どもの自立や社会参加に向けた主体的な取り組みを
支援するという視点に立ち,一人ひとりのニーズを把握し,その持てる力を高め,生活や学習上の
困難を改善,または克服するため,適切な指導および必要な支援を行ってきました。
平成 23 年度に策定した「福岡市特別支援教育推進プラン」に基づき,①「個」
(教育的ニーズに
応じた支援)
,②「共に」
(認め合い,支え合い,学び合う教育環境)
,③「社会へ」
(自立に向けた
キャリア教育)という3つの柱から,一人ひとりの障がいの状態に応じた専門的な教育を進め,夢
に向かってチャレンジする子どもをはぐくむ取り組みを行ってきました。
【今後の課題】
これまで,特別支援教育支援員(※と)の配置拡充,特別支援学級の増設や医療的ケアの段階的充実
などにより,一定の成果をあげてきましたが,年々,発達障がいのある子どもが増加していること
や障がいの重度・重複化が顕著であること,支援の対象が小・中学校の通常の学級に在籍する特別
な支援を必要とする子どもへ拡大されたことなどへの適切な対応が必要となっています。また,児
童生徒の増加に伴い,教室不足や施設の狭隘化の解消が課題となっています。
【今後の方向性】
「福岡市特別支援教育推進プラン」に基づき,障がいなどのある子ども一人ひとりのニーズを把
握し,その持てる力を高め,生活や学習上の困難を改善,または克服するため,学校における校内
支援体制の整備,特別支援学校における教員の専門性の向上とセンター的機能の充実,それらをサ
ポートする教育委員会における支援体制の整備を積極的に行います。今後,障がいのある子どもと
障がいのない子どもが,できるだけ同じ場で共に学ぶことを大切にするとともに,障がいのある子
どもが,その能力や可能性を最大限に伸ばし,自立し社会参加することができるよう合理的配慮(※こ)
の提供や環境整備に努めます。
2 主な事業と取組事項
○ 特別支援教育支援員の配置
LD(※え)(学習障がい)や ADHD(※え)(注意欠陥多動性障がい)など,障がいがあり,個別の支
援が必要な児童生徒に対する学校生活や学習活動上のサポートを行うため,特別支援教育支援員を
配置し,校内での支援体制の充実を図ります。
計画
H26
H27
支援員の配置
継続実施
H28
- 39 -
H29
H30
○ 発達障がい等のある児童生徒への支援充実を図る特別支援教育連携協議会の実施
特別支援学校のセンター的機能を生かし,特別支援学校のリーダーコーディネーター,市立学校
の校内コーディネーターが情報交換を図り,関係機関との連携を含めた地域支援ネットワーク「特
別支援教育連携協議会」を実施し,特別支援教育を推進します。
H26
H27
H28
H29
H30
組織づくり協議
計画
継続実施
○ 特別支援教育コーディネーターの養成
特別支援教育に係る課題や受講者のニーズを踏まえたより質の高い研修を実施し,校内支援委員
会を機能的に運営できる特別支援教育コーディネーター(※と)を養成します。
H26
計画
H27
H28
H29
H30
継続実施
○ 特別支援学校高等部就労支援事業
平成 24 年度に立ち上げた学校,企業関係者,行政,学識経験者などで構成する「特別支援学校
就労促進ネットワーク」の取り組みを充実させ,生徒の自立と社会参加を進めます。
H26
計画
ネットワーク
充実
H27
H28
H29
H30
継続実施
○ 特別支援学校卒業生の学習交流事業(障がい者青年学級)
市立特別支援学校高等部の卒業生に,学習の場や交流の機会を提供することにより,社会人,職業
人としての適応力を養い,社会参加を促進し地域社会での自立をめざします。
H26
計画
H27
H28
継続実施
- 40 -
H29
H30
3 評価指標
指標の概要
対象
現状値
(H24)
目標値
(H30)
福岡市特別支援教育推進プランに係るアンケート調
査において,「特別支援教育コーディネーターの役割
と機能についてすべての職員が理解し,コーディネー
ターを中心とした校内支援体制が有効に機能してい
る」と回答したすべての校種の校長の割合
校長
76.9%
90%
福岡市特別支援教育連携協議会の特別支援教育推進
校内支援委員会の
状況調査において,「校内支援委員会の設置と活動状
設置と活動状況
況」という設問に対する5段階評価の結果
教員
4.2
4.5
自立と社会参加の 福岡市教育委員会の調査において,福岡市立知的障が
状況
い特別支援学校高等部卒業生の就労率
高等部
卒業生
22.0%
30%
指標名
校内支援体制の
機能化
◆特別支援教育支援員の配置状況
LD(学習障がい)や ADHD(注意欠陥多動性障がい)等,
様々な障がいのある児童生徒等に対する支援体制を充実す
るため,特別支援教育支援員を配置
- 41 -
≪ 基本的考え方2 ≫ 信頼される学校づくりの推進
《取組の方向:組織体制の充実と魅力ある学校づくり》
2-① 学校の組織力の強化
(★:新規,○:継続)
○副校長等の新たな職の配置拡充
○学校評価推進事業
○民間人等の管理職採用
○学校問題解決支援事業
○異校種間人事交流の推進
1 これまでの取組の状況と今後の方向性
【これまでの成果】
「学校の組織力の強化」では,これまで学校の組織として校長,教頭以外は横一線に並んでいる,
いわゆる「なべぶた」組織であった課題を解消するために,
「副校長等の新たな職の拡充」を積極
的に行い,学校の組織力強化を図るとともに,
「異校種間人事交流」を通して,異校種間の連携強
化を推進してきました。また,学校サポーター会議(※か)や学校公開週間が定着してきており,保護
者や地域の参画を受けながら,家庭や地域と連携し,開かれた,信頼される学校づくりを進めてき
ました。
【今後の課題】
学校では,その責任者は校長であり,具体的な業務については,校内で組織的に,教職員が分担
して処理をしていくことになっていますが,今後も学校教育に対するニーズが増加し,課題が複
雑・多様化していく状況が予想されるために,機能的・組織的な学校運営を推進していく必要があ
ります。
【今後の方向性】
学校教育における課題が複雑・多様化してきている状況にあり,その課題へ適切に対応するため,
校長を中心とした組織的,機能的な学校運営を推進する必要があります。今後も,副校長,主幹教
諭,指導教諭の新たな職を配置するとともに,異校種間人事交流に積極的に取り組み,学校を活性
化させ,組織力の強化を図ります。
2 主な事業と取組事項
○ 副校長等の新たな職の配置拡充
校長を中心とした組織的・協働的な学校運営や指導体制の充実を図るため,副校長,主幹教諭およ
び指導教諭の配置を拡充します。
H26
計画
H27
H28
配置拡充
- 42 -
H29
H30
○ 民間人等の管理職採用
組織的な学校運営を進めるためには,管理職の人材確保が重要であり,教職員の人材育成・管理職
への任用と合わせて,外部人材の登用として,現在,行政職や民間企業などの経験者を校長などに
採用しています。今後,その効果の検証を行いながら,あり方を検討します。
H26
計画
H27
H28
H29
H30
効果検証
○ 異校種間人事交流の推進
小中連携教育,他の校種で培われた知識・経験を生かした指導,組織的な生徒指導など,公教育
の福岡モデルに基づく学校教育の推進や学校の教育力の向上と組織の活性化を図るため,異校種間
の人事交流を積極的に実施します。
H26
計画
H27
H28
H29
H30
人事交流の
拡充・検証
○ 学校評価推進事業
学校教育法第 42 条に基づき,
教育活動やその他の学校運営の状況について各学校が評価を行い,
学校運営の改善を図り,教育水準の向上に努めます。具体的には,保護者,地域住民などで構成さ
れた学校関係者評価委員会が校長による自己評価についての評価を行い,各学校は,それを踏まえ,
次年度の改善の方策を示し,学校運営の改善・充実につなげていきます。また,本市の学校評価(※か)
の在り方を示している学校評価ガイドラインについても見直しを行い,学校評価の充実を図ります。
H26
計画
H27
H28
H29
H30
ガイドライン
見直し
継続実施
○ 学校問題解決支援事業
学校で発生する諸問題を早期解決するため,教育委員会事務局による方針策定・対応の支援や弁
護士による法律相談などを実施することにより,学校運営の支援を充実します。
H26
計画
H27
H28
継続実施
- 43 -
H29
H30
3 評価指標
指標名
指標の概要
全国学力・学習状況調査において,「学校の教育目標
学校の教育目標や
やその達成に向けた方策について,全教職員間で共有
その達成に向けた
し,取組にあたっていますか」との設問に対し,「よ
方策に対する取組
くしている」「どちらからといえばしている」と回答
状況
した校長の割合
対象
現状値
(H24)
目標値
(H30)
校長
小 97.2%
中 92.8%
小 100%
中 100%
◆新たな職(副校長・主幹教諭・指導教諭)の配置状況
平成 20 年度から,小・中・特別支援学校に新たな職を設置
し,平成 25 年度は,すべての校種において,221 名を配
置,平成 23 年度からは,高等学校および幼稚園にも配置
◆異校種間人事交流の状況
小・中学校間,特別支援学校と小中学校間など,異校種間の人
事交流を推進し,平成 25 年度までに 92 名を配置(校長・園
長 18 名,副校長・教頭 29 名,主幹教諭・指導教諭・教諭
45 名)
- 44 -
2-② 学校と家庭・地域の連携の強化
(★:新規,○:継続)
○学校公開週間推進事業
○学校評価推進事業(再掲:2-①)
○学校サポーター会議推進事業
○学校のホームページの充実
1 これまでの取組の状況と今後の方向性
【これまでの成果】
「学校と家庭・地域の連携の強化」では,家庭と地域の力を学校の教育活動に生かすことができる
ようにするため,開かれた学校づくりを推進してきました。これまで,毎年11月1日~7日を全市
一斉の「学校公開週間」と設定し,保護者や市民に対して広報活動を行ってきたため,年々,学校へ
の訪問者数が増加してきました。また,平成24年度に施行した「福岡市立学校・園ホームページ公
開指針」に基づき,各学校・園の経営方針や本年度の目標および重点,学校サポーター会議の内容,
教育活動に関する情報などを積極的に公開し,保護者や地域住民などに対して学校としての説明責任
を果たす取り組みを行ってきました。
【今後の課題】
これまでの取り組みにより,学校の教育活動に対する理解は得られつつあります。今後も,社会全
体として情報公開や説明責任がさらに重視されると予想されるため,学校ホームページや学校だより
などを通して,質・量の両面から学校教育に関する情報を積極的に提供する必要があります。
【今後の方向性】
教育活動の状況を市民に周知するため,各学校のホームページや学校だよりなどで,学校・園の
経営方針,サポーター会議の内容などを公表し,家庭・地域の理解と協力が得られるような情報公
開と説明責任を果たす取り組みを行います。今後も,各学校における教育活動について情報発信す
るとともに,保護者や地域住民などとの連携強化を進めます。
2 主な事業と取組事項
○ 学校公開週間推進事業
「地域と連携し開かれた学校づくりの推進」を図るため,全市一斉に学校公開を行う期間を設定し,
家庭や地域住民および多くの市民に対して気軽に学校を訪れ,普段の学校の様子を見学する機会を提
供します。
H26
計画
H27
H28
H29
H30
広報・実施
○ 学校サポーター会議推進事業
保護者や校区在住の市民など地域のボランティアを「学校サポーター会議構成員」として委嘱し,
学校運営に関して意見や助言を得る「学校サポーター会議」を開催します。会議を通じて,保護者や
地域に学校への理解と協力を促すとともに,会議の活動状況を積極的に公開します。会議で出された
意見は,学校評価の一部として学校運営の改善に用い,学校と地域・家庭との連携の強化を図ります。
- 45 -
H26
H27
H28
H29
H30
継続実施
計画
任期の見直し
○ 学校評価推進事業(再掲,P.43)
○ 学校のホームページの充実
「福岡市立学校・園ホームページ公開指針」に基づき,福岡市立のすべての学校が開設している
ホームページに「学校・園の経営方針」
「本年度の目標および重点」
「学校評価や学校サポーター会
議の状況」などを掲載するとともに,その充実を図り,学校・園として説明責任を果たし,開かれ
た学校づくりに努めます。
計画
H26
H27
ホームページ
更新
随時更新
H28
H29
H30
3 評価指標
指標名
学校情報の
公開状況
指標の概要
教育意識調査において,
「学校ホームページなど
で学校情報を積極的に公開しているか」の設問
に対し,「とてもよく当てはまる」「どちらかと
いえば当てはまる」と回答した教員,保護者の
割合
教育意識調査において,
「PTA 活動が積極的に
学校と家庭・地域 なされているか」の設問に対し,
「とても当ては
の連携の状況
まる」
「どちらかといえば当てはまる」と回答し
た教員,保護者の割合
懇談会などの
開催状況
全国学力・学習状況調査において,
「保護者から
意見や要望を聞くために,学校として懇談会の
開催やアンケート調査を前年度にどのくらい実
施しましたか」の設問に対し,
「年間に3回以上
実施した」と回答した校長の割合
- 46 -
対象
現状値
(H24)
目標値
(H30)
教員
71.1%
80%
保護者
43.2%
60%
教員
84.7%
90%
保護者
73.1%
80%
校長
小 66.3%
中 70.0%
小 85%
中 85%
≪ 基本的考え方3 ≫ 信頼に応え得る教員の養成
《取組の方向:教員の資質や指導力の向上》
3-① 資質ある優秀な人材の確保
(★:新規,○:継続)
○「求められる教員像」に基づく人物重視の選考
○受験者確保の取組
○多様な人材の確保
1 これまでの取組の状況と今後の方向性
【これまでの成果】
「資質ある優秀な人材の確保」では,優秀な人材を確保するために,大学での説明会に加え一般
向け説明会の実施やホームページでの広報活動を充実するとともに,より人物重視の教員採用試験
となるよう試験内容の見直しを行い,指導力を備えた情熱あふれる教員の確保に努めてきました。
【今後の課題】
本市の教員の年齢構成は,50 歳代が最も多く,今後 10 年間にわたりベテラン教員の大量退職
が続きます。そのため,これまで以上に,受験者増加に直接つながるような効果的な広報活動,資
質ある優秀な人材の確保が重要になっています。
【今後の方向性】
今後も経験豊かな教員の大量退職が続き,大量採用の必要があることから,資質ある優秀な人材
の確保に向けて,本市の教員となることの魅力を積極的にPRするとともに,更に教員採用試験の
工夫改善を行います。
2 主な事業と取組事項
○ 「求められる教員像」に基づく人物重視の選考
学校教育を充実するため,教育に対する使命感や情熱,教育専門家としての優れた資質や専門的力
量をもち,また,公務員としての自覚や高い倫理観,社会性といった資質を備えた人材の的確な採用
に取り組みます。
H26
H27
H28
H29
H30
選考方法検討
計画
継続実施
○ 多様な人材の確保
実践的指導力など教員としての高い力量を現に有している人材,豊かな社会経験をもつ人材,ス
ポーツ・芸術分野に秀でた人材などを積極的に確保するよう取り組みます。
H26
計画
H27
H28
継続実施
- 47 -
H29
H30
○ 受験者確保の取組
福岡都市圏や,本市と交通利便性の高い地域の大学訪問による説明会,一般向け説明会,ホーム
ページによる教員採用試験案内の充実などを通し,広く教員採用試験の受験希望者に向けて広報活
動を展開し,受験者確保の取り組みを推進します。
H26
H27
H28
H29
H30
大学訪問,説明会の開催
計画
継続実施
3 評価指標
指標名
教員採用試験の
受験倍率
指標の概要
教員採用試験の受験倍率の確保
- 48 -
対象
現状値
(H24)
目標値
(H30)
-
6.1 倍
6.5 倍
3-② 教職員の資質・能力の向上・活性化
○経験年数や職能に応じた指導力形成を図る
(★:新規,○:継続)
○長期研修員・非常勤研修員による調査研究事業
研修事業
○授業力向上支援センターの充実
○福岡市教師道場
○教員評価制度の充実
★市立学校教員免許状更新講習
○教職員メンタルヘルスマネジメント事業
○優秀な教員表彰事業
○教員の人権教育研修の推進(再掲:1-⑥)
○支援を要する教職員の指導力向上
★体罰によらない教育の推進
○校内研究推進事業・教育センター研究協力事業
1 これまでの取組の状況と今後の方向性
【これまでの成果】
「教職員の資質・能力の向上・活性化」では,学校教育において教職員の果たす役割は極めて大
きく,日々の研修を通して,資質・能力の向上・活性化を図ることが求められています。
これまで,教職員の資質・能力の向上・活性化をめざして,学校内外での研修事業を進めるとと
もに教科などの研究団体で行う自主的な研修活動を助成する取り組みを行ってきました。特に,教
育センターでは,研修講座,研究委嘱・指定,調査研究,指導主事・研修指導員などの学校への派
遣などの支援に取り組んできました。こうした取り組みにより,教職員一人ひとりの資質・能力の
向上や学校の共同研究の活性化などが見られるようになってきました。また,教員の精神疾患の罹
患・再発を防止し,精神疾患による休職者の復職を支援するために,メンタルヘルスマネジメント
事業に取り組み,精神疾患による病気休職者数が減少してきました。
【今後の課題】
教職員の大量退職・大量採用に伴い,教育活動を担う教職員の資質・能力の向上を図ることが,
ますます重要になってきており,経験年数や職能に応じて求められる職務能力を身につけることが
できるように支援する必要があります。また,近年,子どもたちがネット犯罪に巻き込まれるケー
スが増加するなどの新たな課題が生まれており,それらに対応した指導方法などについての研修を
行う必要もあります。体罰は,学校教育法第 11 条において禁止されていますが,今なお,体罰が
なくならない状況であるため,体罰防止に関する取組について抜本的な強化を図る必要があります。
【今後の方向性】
経験年数・職能・教育課題に応じた研修講座の一層の充実に取り組むとともに,引き続き,福岡
市教師道場や教員免許状更新講習を実施していきます。また,教員の地道な努力や優れた実践を評
価するとともに,指導力に課題のある教員の指導力向上に努めます。さらに,校内研修の支援や長
期研修員などによる教育研究の推進,授業力向上支援センターの充実などに努めます。また,体罰
禁止の周知・徹底と意識の向上を図るとともに,体罰によらない教育を推進します。
2 主な事業と取組事項
○ 経験年数や職能に応じた指導力形成を図る研修事業
マネジメント能力の向上や情報化に関する研修などに重点をおいて,経験年数・職能・教育課題に
応じた研修講座や採用前研修などを実施するとともに,研修方法についても全職員に配備したパソコ
ンを活用するなど,工夫改善を進めます。
- 49 -
H26
計画
H27
H28
H29
H30
継続実施
・検討改善
○ 福岡市教師道場
ベテラン教員の知識や技能・指導力の継承,若手・中堅教員の人材育成および発掘を目的として,
リーダーの養成やスキルアップをめざす講座を実施します。
H26
計画
H27
H28
H29
H30
継続実施
・検討改善
★ 市立学校教員免許状更新講習
平成 25 年度から,教員免許状更新講習を開始しており,今後,選択領域に加え必修領域において
も実施することができるよう検討します。
H26
計画
H27
継続実施
・検討改善
H28
H29
H30
必修領域でも
実施
○ 優秀な教員表彰事業
日々の教育実践に最善を尽くし,学習指導や生徒指導などに優れた指導力を発揮するなど,児童
生徒・教職員・保護者・地域から高い信頼を得ている教員を表彰し,地道な努力や顕著な成果を評
価することで,教員の意欲を高めます。
H26
計画
H27
H28
H29
H30
継続実施
○ 支援を要する教職員の指導力向上
知識,技能,指導方法,その他教員として求められる資質,能力などに課題がある教員の指導力
の向上を図るため,学校・園と教育委員会が連携して研修の場や機会を提供するなどの措置を講じ,
指導力の改善を図ります。
H26
計画
H27
H28
継続実施
- 50 -
H29
H30
○ 校内研究推進事業・教育センター研究協力事業
研究委嘱・指定のあり方について,引き続き見直しを進め,学力パワーアップ総合推進事業や小中
連携教育推進事業など,既存の事業との連携・統合を図り,より効果的に推進します。
H26
計画
H27
H28
H29
H30
継続実施
・検討改善
○ 長期研修員・非常勤研修員による調査研究事業
大学教官や指導主事などの指導のもと,
「新しいふくおかの教育計画」の具現化や本市喫緊の教育
課題の解決に向けた調査研究を行い,教育実践上の基礎資料を提供し,全市への還元を図るととも
に,専門的知識や技能を身につけた教員を養成します。
H26
計画
H27
H28
H29
H30
継続実施
○ 授業力向上支援センターの充実
学習指導案や授業で使える教材・教具など日々の授業改善に役立つ教育情報を,資料や電子データ
などで提供するとともに,指導上の課題を指導主事に質問したり,アドバイスを受けたりできる「授
業づくり等 Q&A」を夜間も含めて実施するなど,授業づくりの支援に努めます。
H26
計画
H27
H28
H29
H30
継続実施
・検討改善
○ 教員評価制度の充実
学校長のリーダーシップのもと,組織的・計画的な学校経営の推進や教職員の資質・能力の向上
を図るため,教職員一人ひとりの職務意欲を高め,課題解決に向けた取り組みができるように評価
の活用のあり方を含め,制度の充実・改善に取り組みます。
H26
計画
H27
H28
充実・改善
- 51 -
H29
H30
○ 教職員メンタルヘルスマネジメント事業
平成 21 年度に策定した「福岡市立学校教職員心の健康づくり計画」を平成 26 年度に改訂し,
メンタルヘルスに関する知識の啓発や研修,休職者の円滑な復職のための支援などメンタルヘルス
対策の推進を図り,さらなる教職員の心身の健康保持に取り組みます。
計画
H26
H27
計画の改訂作業
実施
H28
H29
効果検証
H30
改善実施
○ 教員の人権教育研修の推進(再掲,P.33)
★ 体罰によらない教育の推進
体罰は,児童生徒の心に傷を負わせ,恐怖心や屈辱心,さらには無力感や劣等感を与えることに
なります。平成 21 年度に策定した「体罰によらない教育のために」に基づき,体罰未然防止のた
めのチェックリストなどを活用するとともに,教員の体罰禁止の周知・徹底と教員の意識の向上を
図り,子どもとの温かい人間関係と信頼に基づく教育を推進します。
H26
H27
H28
H29
H30
継続実施
計画
3 評価指標
指標名
研修の波及効果
指標の概要
対象
現状値
(H24)
目標値
(H30)
全国学力・学習状況調査において,「教職員は,校内
外の研修や研修会に参加し,その成果を教育活動に積
極的に反映させているか」の設問に対し,「よくして
いる」「どちらかといえばしている」と回答した校長
の割合
校長
小 91.7%
中 61.4%
小 95%
中 70%
校長
79.8%
87.5%
教員
77.4%
87.5%
利用
者数
75,469 人
80,000 人
利用
件数
1,542 件
1,600 件
教員
0.69%
0.59%
福岡市教育委員会調査において,研修校追跡調査で
「達成された」と回答したすべての校種の校長,教員
の割合
研修参加への
環境づくり
福岡市教育委員会調査において,教育センターの利用
者数および利用件数
精神疾患による病 福岡市教育委員会調査において,精神疾患による病気
気休職者の状況
休職者の教員に占める割合
- 52 -
≪ 基本的考え方4 ≫ 社会全体での子どもたちの育成
《取組の方向:家庭教育支援と就学前教育の展開,地域・企業等における子育て支援の推進》
4-① 子どもの安全確保に向けた取組の推進
(★:新規,○:継続)
○学校・子どもの安全対策
○地域と連携した防災教育
○地域ぐるみの学校安全整備推進事業
○インターネット・携帯電話等を介した児童生徒の
被害防止取組推進事業
1 これまでの取組の状況と今後の方向性
【これまでの成果】
「子どもの安全確保に向けた取組の推進」では,これまで,子どもの安全を確保するために,各
学校で安全教育・安全指導を推進するとともに,すべての小・中学校が独自に作成する「危機管理
マニュアル」に基づき指導体制を整備してきました。また,すべての学校で通学路の安全点検を実
施し,校区内の安全マップを作成し,避難訓練や防犯・防災訓練を実施するなど,学校における安
全対策と安全管理の徹底を図ってきました。
情報化の進展に伴い,インターネットなどを介した有害情報から子どもたちを守るため,情報モ
ラルに関する保護者への啓発運動を実施したり,子どもたちの安全対策や緊急時における保護者へ
の連絡手段の一つとして携帯メール配信システムを導入してきました。
【今後の課題】
学校内外における子どもの安全を脅かす事件や通学路の事故および自然災害が多発しており,子
どもの安全を確保することが極めて重要な課題となっています。また,年々,子どもたちの携帯電
話やインターネットの利用が増加しており,それに伴い,
「インターネット上のいじめ」や,いわ
ゆる出会い系サイトなどのインターネット上の有害な情報により,子どもたちが犯罪に巻き込まれ
る事件の未然防止も喫緊の課題となっています。
【今後の方向性】
子どもの安全を確保するために,通学路のパトロール強化および通学路の危険個所の点検など,
学校,家庭・地域等が一体となって子どもの安全確保に向けた取り組みを推進するとともに,地震
や津波などの自然災害への対策も盛り込むなど,防災教育の充実を図ります。また,インターネッ
トなどを介した有害情報から子どもを守るために,家庭・地域等と連携しながら,情報と正しく関
わり,適切に活用する能力を育成します。
2 主な事業と取組事項
○ 学校・子どもの安全対策
「子どもたちのセーフティープラン」を活用した交通安全授業,自転車教室などを実施するととも
に,通学路マップの作成と活用を図ります。また,小学校1年生へ防犯ブザーを配付し,子どもの安
全確保を図ります。
H26
計画
H27
H28
継続実施
- 53 -
H29
H30
○ 地域ぐるみの学校安全整備推進事業
保護者や地域と連携して,学校や通学路の巡回・警備などの活動を行うスクールガード(※す)を募
るとともに,地域ぐるみで防犯に取り組む体制を整備します。また,学校と地域諸団体,関係機関と
の連携によるパトロール強化,安全マップの作成や活用などを通して,学校や子どもたちの安全確保
を図ります。
H26
H27
H28
H29
H30
スクールガード
募集体制の整備
計画
○ 地域と連携した防災教育
東日本大震災の教訓を踏まえ,各学校における安全教育の推進と安全管理の充実を図るために,
学校安全計画の作成や防災研修を行うとともに「学校独自の危機管理マニュアル」を見直し,地域
と連携した防災教育を推進します。
H26
計画
H27
H28
H29
H30
安全計画の作成
マニュアル見直し
防災教育実施
○ インターネット・携帯電話等を介した児童生徒の被害防止取組推進事業
インターネットや携帯電話(スマートフォンなど)を介した児童生徒の被害を未然に防止するた
め,情報や機器の正しい利用や危険性の認識などについて,児童生徒への指導や保護者に対する啓
発活動を行い,児童生徒の被害を未然に防止します。
H26
H27
H28
H29
H30
児童生徒へ
の指導・保護者
への啓発
計画
3 評価指標
指標名
指標の概要
教育意識調査において,「地域の人たちは,子どもた
子どもを地域では
ちの登下校時や道であったときに声かけをしている
ぐくむという意識
か」の設問に対し,
「当てはまる」
「どちらかといえば
の状況
当てはまる」と回答した教員,保護者,市民の割合
対象
現状値
(H24)
目標値
(H30)
教員
84.5%
90%
保護者
76.3%
90%
市民
52.9%
60%
78.1%
90%
教育意識調査において,「子どもの携帯電話の使用に
子どもの携帯電話
際して,家庭内でルールを設けている」の設問に対し,
の使用に関する保
保護者
「当てはまる」「どちらかといえば当てはまる」と回
護者の意識
答した保護者の割合
- 54 -
4-② 家庭・地域における教育の強化
(★:新規,○:継続)
○家庭教育支援事業
○子ども読書活動の推進(再掲:1-②)
○PTAとの連携の推進
○地域ぐるみ家庭教育支援事業
○子どもとメディアのよい関係づくり事業
1 これまでの取組の状況と今後の方向性
【これまでの成果】
「家庭・地域における教育の強化」では,保護者は子の教育に第一義的責任を有し,家庭は教育
の出発点であり,子どもたちが基本的生活習慣や規範意識を身につけ,自立心を育成する場として
重要な役割を担うことから,家庭教育の支援に取り組んできました。また,社会全体で子どもをは
ぐくむ「共育」を学校,家庭・地域・企業等とともに推進してきました。
【今後の課題】
これまでの取り組みにより,子どもたちの基本的生活習慣や規範意識が改善されている傾向にあ
りますが,都市化,家族形態の変容,少子化などの社会構造の変化や価値観,ライフスタイルの多
様化による家庭と地域との結びつきの希薄化が課題となっています。健やかな子どもの育成には,
教育に携わる各主体が互いに役割を理解し,果たすことが必要です。
【今後の方向性】
すべての親に対して,子育てに関する学習支援を行うとともに,不登校の子どもを抱える親の課
題に応じた学習支援を行うなど,家庭・地域・企業等と連携した取り組みを進めます。また,PTA
と連携した家庭の教育力向上事業や,NPO などとの共働事業を通して,家庭教育の支援を積極的
に推進し,健やかな子どもの発達にとって重要な就学前家庭教育についても関係局や関係機関との
連携を強化します。さらに,学校や地域をはじめとするつながりの中で家庭教育が行われるように
するために,地域全体で子どもをはぐくむ事業を進めるとともに,家庭が抱える多様な課題に対応
できるよう,学校,家庭・地域・企業等と連携した支援を進めます。
2 主な事業と取組事項
○ 家庭教育支援事業
家庭における子どもたちの教育の重要性やあり方について,学校や幼稚園,保育所などと連携し,
より多くの保護者に対して家庭の教育力向上のための講演会を実施します。また,子どもの基本的生
活習慣の確立や健全な育成を図るための家庭教育のあり方について,多くの保護者が参加する小・中
学校入学前の入学説明会や学年保護者会などの機会を活用した学習会を実施します。さらに,NPO
と連携した不登校の保護者への支援事業にも取り組みます。
H26
計画
H27
H28
講演会・学習会
の実施
NPO との連携
- 55 -
H29
H30
○ PTAとの連携の推進
家庭での教育力を高め,
「早寝,早起き,朝ごはん」など子どもたちの基本的生活習慣の確立や規
範意識の向上をめざす事業に福岡市PTA協議会などと連携して取り組みます。
H26
H27
H28
H29
H30
継続実施
計画
○ 子どもとメディアのよい関係づくり事業
幼少期からの過度なメディア接触は子どもの発達に悪影響を与えることから,基本的生活習慣の確
立やメディアの正しい使い方など保護者・市民などを対象とした講演会の開催やメディアに関する学
習会への講師派遣など,NPOと連携して行います。
H26
H27
H28
H29
H30
継続実施
計画
NPO との連携
○ 子ども読書活動の推進(再掲,P.22)
○ 地域ぐるみ家庭教育支援事業
家庭の教育力向上を図るため,きめ細かな家庭教育支援を必要としている保護者グループを対象
に地域の自主的な学習活動を支援します。
H26
H27
H28
H29
H30
継続実施
計画
3 評価指標
対象
現状値
(H24)
目標値
(H30)
教育意識調査において,「家庭で子どもに対して,早
基本的生活習慣の 寝早起きなどの規則正しい生活をさせているか」の設
育成に対する意識 問に対し,
「当てはまる」
「どちらかといえば当てはま
る」と回答した保護者の割合
保護者
87.0%
95%
教育意識調査において,あなたのお住まいの地域の人
たちの行動について,「地域の安全パトロールや青少
子どもを地域では
年の健全育成に取り組んでいる」の設問に対し,「当
ぐくむという意識
てはまる」「どちらかといえば当てはまる」と回答し
た市民の割合
市民
57.8%
65%
指標名
指標の概要
- 56 -
≪ 基本的考え方5 ≫ 教育環境づくりの推進
《取組の方向:教育委員会事務局の学校,家庭等への支援力の強化》
5-① 安心して学ぶことができる教育環境の整備
○学校規模適正化事業
○学校施設の老朽化対策
○学校における夏期の暑熱対策事業
★非構造部材の耐震化
(★:新規,○:継続)
○学校給食センター再整備事業
1 これまでの取組の状況と今後の方向性
【これまでの成果】
「安心して学ぶことができる教育環境の整備」では,学校施設の耐震化を緊急かつ最優先に取り
組み,平成 23 年度に完了しました。また,老朽化した施設の計画的な維持管理や施設整備を図り,
さらに,都市部の小規模の学校では,「福岡市立小・中学校の学校規模適正化に関する実施方針」
に基づき事業を推進するなど,一定の成果をあげてきました。
学校の暑熱対策については,平成 23 年度までに小・中学校の全普通教室に扇風機を設置し,さ
らに扇風機との併用による有効な暑熱対策の検討を進めてきました。
【今後の課題】
学校施設の構造体の耐震化については平成 23 年度で完了しましたが,東日本大震災では,多く
の学校施設で体育館などの吊り天井など,非構造部材の落下などが発生しており,大地震において
も被害を起こさないように非構造部材の耐震化が必要です。
本市の学校施設は 233 校・園あり,その多くは昭和 40 年代から 50 年代に建設され,老朽化
が進んでおり,これらの維持管理を適正に行っていく必要があります。さらに,今後必要となるこ
れらの建替えについても,厳しい財政状況がつづく中,多額の事業費が必要となることから,どの
ように進めていくのか検討が必要です。また,近年の地球温暖化やヒートアイランド現象などの環
境の変化に応じた良好な教育環境の確保が求められています。
【今後の方向性】
非構造部材の耐震化に取り組むとともに,安全で良好な教育環境の確保と維持を図るため,計画
的な維持管理や施設整備に継続して取り組みます。
また,学校施設は平成 34 年度以降目標耐用年数に達し始め,その後大量更新時期を迎えること
から,長期的な投資経費の平準化や縮減を図る将来の建替えに向けた計画を策定します。学校規模
の適正化については,子どもたちによりよい教育環境を提供するために,今後も保護者や地域の方
と話し合いながら,学校の統合や分離,通学区域の変更などに取り組みます。
暑熱対策については,エネルギー需要や環境への影響を考慮しながら普通教室への空調機の整備
について検討し,夏期における学習機会の拡充も視野に入れて,子どもたちが健康で安心して学ぶ
ことができる教育環境の整備に努めます。
- 57 -
2 主な事業と取組事項
○ 学校規模適正化事業
子どもたちにより良い教育環境を提供するため,小規模校や過大規模校が直面する教育課題を解決
する取り組みとして,
「学校規模適正化に関する実施方針」に基づき,保護者や地域の方と話し合い
ながら学校規模の適正化を推進します。
H26
H27
H28
H29
H30
地域・保護者協議等
計画
舞鶴中ブロック
新設開校
住吉中ブロック
新設開校
○ 学校における夏期の暑熱対策事業
子どもたちの学力向上のための学習機会の拡充も視野に入れて,小・中学校の普通教室への空調機
整備について検討します。
計画
H26
H27
検討・計画策定
実施
H28
H29
H30
○ 学校給食センター再整備事業
中学校・特別支援学校へ給食を調理・配送している4か所の給食センターについて,老朽化に対
応するとともに,食物アレルギーの対応や個別食器への変更など,給食の充実を図るため,再整備
を進めます。
H26
計画
H27
第1給食セン
ター供用開始
H28
H29
第2給食セン
ター供用開始
H30
第3給食セン
ター供用開始
○ 学校施設の老朽化対策
学校施設の老朽化が進む中で,子どもたちが安心して学ぶことができる教育環境の確保を目的に,
計画的な維持管理や施設整備に取り組むとともに,建替えに向けた計画を検討します。
H26
H27
H28
老朽化対策の着実
計画
な実施と建替えに
向けた計画検討
- 58 -
H29
H30
★ 非構造部材の耐震化
東日本大震災では,多くの学校施設で体育館などの吊り天井など,非構造部材の落下などが発生
しており,大地震においても被害を起こさないようにするため,耐震化に取り組みます。
H26
計画
H27
H28
H29
H30
耐震化完了
3 評価指標
指標名
非構造部材の
耐震化
指標の概要
体育館など吊り天井の耐震性が確保されている割合
◆学校施設の耐震化の状況
学校の校舎および体育館(非構造部材を除く)などの
耐震化を平成 23 年度に完了
- 59 -
対象
現状値
(H24)
目標値
(H30)
該当
施設
0%
100%
5-② 教員が子どもと向き合う環境づくり
○校務情報化推進事業
(★:新規,○:継続)
○学校における事務改善の推進
○学校問題解決支援事業(再掲:2-①)
1 これまでの取組の状況と今後の方向性
【これまでの成果】
「教員が子どもと向き合う環境づくり」では,学校教育における課題が複雑・多様化する中で業
務の効率化を図り,教員が子どもと向き合う時間を確保するために,全教員へのパソコン整備(平
成 24 年度パソコン配備完了)や,校務の効率化および情報の共有化を図る校務支援システムの導
入準備を行ってきました。また,オンラインによる文書収受の電子化,就学援助事務のシステム化
をはじめ,照会文書ガイドラインの見直しおよび重複文書などの廃止,学校給食費を公会計化し,
給食費に関する事務を教育委員会事務局に集約するなど,教員が行う事務負担軽減に取り組んでき
ました。
【今後の課題】
保護者の価値観の多様化を受け,子どもたちの指導のあり方や学校運営について説明を求められ
る場面が多くなり,相当のエネルギーを教員が傾けています。また,新学習指導要領の実施により
授業時間数が増加し,限られた時間の中で教員の事務的業務をこなさなければならず,
「子どもと
向き合う時間」を確保するという観点からも,教員の事務負担をさらに軽減することが必要となっ
ています。
【今後の方向性】
学校事務の情報化・効率化を推進するために,校務支援システムのモデル校での運用・評価を行
い,全校への展開を行うとともに,学校事務においても,効率化・適正化を図るための事務処理体
制の検討を行っていきます。また,給食費の公会計化に伴い,保護者への口座振替の推進の啓発を
行いながら,累積滞納額の減少を図ります。さらに,校務情報化による事務の効率化や文書量の軽
減,学校で発生する諸問題の早期解決に向けた支援を行うなど,教員が子どもたちに深く関わり,
指導に専念できる環境づくりに取り組みます。
2 主な事業と取組事項
○ 校務情報化推進事業
教員が子どもと向き合う時間を確保するとともに,教育の質の向上に資するため,校務の効率化お
よび情報の共有化を図るための校務支援システムの導入を推進します。
計画
H26
H27
全校導入準備
全校導入
H28
- 60 -
H29
H30
○ 学校問題解決支援事業(再掲,P.43)
○ 学校における事務改善の推進
学校の文書事務に意見提案を行う学校モニター制度や,すべての教職員などを対象とした学校事
務の改善提案制度を活用し,事務の簡素化・効率化に努めます。
H26
H27
H28
H29
H30
継続実施
計画
3 評価指標
対象
現状値
(H24)
目標値
(H30)
教育意識調査において,「教員が子どもと接する時間
教員が子どもと向
が確保されているか」の設問に対し,「とても当ては
き合う時間の確保
まる」「どちらかといえば当てはまる」と回答した教
の状況
員の割合
教員
53.1%
60%
調査・報告文書(計 教育委員会調査において,教育委員会が学校に発信す
画)の状況
る調査・報告文書(計画)の数
—
264
185
(3割減)
指標名
指標の概要
◆校務用パソコン整備状況
教員が子どもと向き合う時間を確保するとともに,教員
の質の向上に資するため,全教員へのパソコン整備を計
画的に行い,平成 24 年度に完了
- 61 -
11 用 語 解 説
表中の頁数は,本文の初出語句の頁数を示している。
※
あ
語句
ICT
(P.8)
生きる力
(P.2)
い いじめ
(P.3)
一部教科担任制
(P.18)
栄養教諭
(P.24)
ADHD
え
(P.39)
LD
(P.39)
説
明
情報通信技術(Information and Communication Technology の略)
。情報処理
および情報通信,パソコンやネットワーク関連の諸分野における技術・産業・設備・
サービスなどの総称。
変化の激しいこれからの社会を生きるために,
平成 10 年の学習指導要領改訂の際,
子どもたちにはぐくむべき力を示したもの。主な内容は,①「自ら課題を見つけ,
自ら学び,自ら考え,主体的に判断し,行動し,よりよく問題を解決する資質や能
力」,②「自らを律しつつ,他人とともに協調し,他人を思いやる心や感動する心
などの豊かな人間性」,③「たくましく生きるための健康や体力」の三つである。
児童等に対して,当該児童等が在籍する学校に在籍している等当該児童等と一定の
人的関係にある他の児童等が行う心理的,または物理的な影響を与える行為(イン
ターネットを通じて行われるものを含む。)であって,当該行為の対象となった児
童等が心身の苦痛を感じているもの。(いじめ防止対策推進法 平成 25 年度)
一人の学級担任がすべての教科を指導する小学校において,一部の教科を学級担任
以外の教員が指導し,教員の専門性を生かした授業づくりを行う。小学校高学年(4
年生~6年生)で実施。
子どもの栄養の指導(食に関する指導など)および管理を担当する教員。
注意欠陥多動性障がい(Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder の略)。年齢
あるいは発達に不釣り合いな注意力,衝動性,多動性を特徴とする行動の障がいで,
社会的な活動や学業の機能に支障をきたすもの。
学習障がい(Learning Disabilities の略)。基本的には全般的な知的発達に遅れは
ないが,聞く,話す,読む,書く,計算する,または推論する能力のうち特定のも
のの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を示すもの。
外国人英語指導
講師
主に,中学校・高等学校・特別支援学校での英語教育に従事する外国人指導者
(P.16)
学習指導要領
(P.2)
学生サポーター
か
制度
(P.27)
学級集団
アセスメント
(P.32)
学校サポーター
会議
(P.42)
学校教育法施行規則で規定されている学校教育における教育の内容および方法につ
いて,国が定める教育課程の大綱的基準。
教育委員会と協定を結んだ大学から派遣される大学生を福岡市立学校や幼稚園で受
け入れる制度。主に,授業や課外活動,休み時間などの教育活動に参加し,教員の
指導の補助を行ったり子どもたちと遊んだりする。
よりよい学級づくりを進めるにあたって,事前に学級集団の状況や個々の子どもの
実態などについて,心理テスト(hyper-QU,Q-U アンケート)などにより客観的
なデータを収集し,学級集団や子どもが抱える課題を適切に把握すること。
教育委員会から学校サポーターとして委嘱された保護者や地域住民などが,開かれ
た学校づくりのために,各学校で学校運営などに関して校長に対して意見を述べる
会議。
- 62 -
※
語句
学校司書
(P.22)
説
明
学校図書館の環境整備,図書資料の分類・整理,図書選定,読書案内などを行い,
子どもの読書活動の活性化を図る。【資格:司書】
学校・地域コー
ディネーター
学校と地域などとの連絡調整を行い,道徳教育の視点をもって学校と地域などをつ
なぐ中心的な役割を担う人。
(P.21)
か
学校図書館
ボランティア
小・中学校で学校と連携し,読み聞かせや学校図書館の整備を行う保護者や地域の
方々によるボランティア。
(P.22)
学校評価
(P.43)
キャリア教育
(P.20)
共育
(P.10)
き
教育意識調査
(P.19)
教育課程
(P.21)
ゲストティー
け チャー
(P.16)
校種
(P.18)
こ
合理的配慮
(P.39)
指導教諭
(P.6)
し
主幹教諭
(P.6)
平成 19 年の学校教育法の改正により,各学校・園が,教育活動やその他の学校運
営の状況について自ら評価を行うことを通して,学校運営の改善や教育水準の向上
に努めるよう規定されたもの。
望ましい職業観・勤労観および職業に関する知識や技能を子どもに身につけさせる
とともに,自己の個性を理解し,主体的に進路を選択する能力・態度を育てる教育。
福岡市の教育目標である「基本的生活習慣を身につけ,自ら学ぶ意欲と志を持ち,
心豊かにたくましく生きる子ども」をはぐくむために,学校が,家庭・地域・企業
等と連携・協力しながら,子どもたちを「共」に「育」むという考え方を示した福
岡市における造語。
教育の現状や意識を調査する目的で,教員,保護者,市民を対象として実施した本
市独自の意識調査。
(平成 20,24 年度実施)
教育基本法および学校教育法その他の法令並びに学習指導要領の示すところに従
い,学校教育の目的や目標を達成するために,地域や学校の実態および子どもの心
身の発達の段階に応じて指導内容と指導時数を総合的にまとめた学校の教育計画。
学習内容をより豊かにし子どもにとって魅力ある授業とするために,学習内容とか
かわりの深い人を学校に招いて,専門的な知識や技能を子どもたちに教える人のこ
と。
学校教育法で規定されている学校の種類のこと。幼稚園,小学校,中学校,高等学
校,中等教育学校(中学校・高等学校を併せた6年制の学校)
,特別支援学校,大学
および高等専門学校のこと。
障がい者が障がいのない人と平等にすべての人権および基本的自由を享有し,また
は行使することを確保するための必要かつ適当な変更および調整をいう。学校で行
う合理的配慮は,○教員,支援員などの確保,○施設・設備の整備,○個別の教育
支援計画などに対応した柔軟な教育課程の編成や教材などの配慮が考えられる。
学校教育法の改正により,平成 20 年4月から,新たに設置することができるよう
になった職で,授業などを受け持ち,他の教員に対して教育に関する指導,助言を
行うことを職務とする教員。
学校教育法の改正により,平成 20 年4月から,新たに設置することができるよう
になった職で,必要に応じて授業などを受け持つとともに,校長などを補佐し,一
定の責任を持って担当する校務を取りまとめ,整理する。また,担当する校務の範
囲内で他の教員に対して職務上指示することができる教員。
- 63 -
※
語句
小中連携教育
(P.4)
少人数学級
(P.18)
少人数指導
(P.16)
し
情報モラル
(P.8)
新体力テスト
(P.24)
説
明
学力の向上,心の教育,体力の向上などを図るため,小学校と中学校が義務教育9
年間を見通し,教育の目標・内容・方法の面で協力し合って行う教育のこと。
学級編制の標準(1 学級 40 人)を下回る人数で編制した学級のこと。
一つの学級を二つ以上の学習集団に分けたり,学級・学年の枠を超えた学習集団に
分けたりして,それぞれの学習集団を別の教員が担当し,学習内容の習熟に応じた
指導,繰り返し指導など,個に応じたきめ細かな指導を行うこと。
日常生活を送る上での常識やマナーに加え,著作権などの知的所有権の尊重,プラ
イバシーの保護,情報発信に伴う責任,コンピュータセキュリティに関する理解な
ど,コンピュータやさまざまな情報通信機器を使用する情報社会において適切な行
動を行うための考え方や態度。
国民の体力・運動能力を調査するために,文部科学省が平成 11 年度から実施して
いる「体力・運動能力調査」のこと。握力,上体起こし,長座体前屈,反復横とび,
20mシャトルラン(持久走),50m走,立ち幅とび,ソフト(ハンド)ボール投
げの8種目を行う。
スクール
カウンセラー
児童生徒および保護者に対するカウンセリング(心理的支援)を通して,個々の悩
みや問題の解決に向けた支援を行う。【資格:臨床心理士】
(P.35)
スクールガード
(P.54)
す スクールソーシ
ャルワーカー
(P.35)
すこやか
(P.35)
生活習慣・
学習定着度調査
(P.4)
専科教員
せ
(P.18)
全国学力・学習
状況調査
(P.2)
総合的な学習の
そ 時間
(P.19)
学校や通学路などでの巡回パトロールや危険箇所の監視など,子どもたちを見守る
活動のこと。
児童生徒の相談相手になったり,一緒に活動したりする直接支援だけでなく,保護
者や教職員などへの気持ちの代弁,必要な情報の提供,学校関係者と地域機関との
連携促進,児童相談所などへの連絡調整のように教育と福祉の両面から包括的な支
援活動を行う。【資格:社会福祉士】
不登校の早期発見・早期対応のために子どもの支援状況や効果があった取り組みな
どについて小学校1年生から記録し,学年や学校が変わっても過去の支援や指導内
容を把握・共有できるようにし,教育活動に生かしていくもの。
義務教育9年間を通して,子どもたちの実態に応じた指導を行い,一人ひとりの生
活習慣の定着や学習指導の改善などを行う目的で平成 22 年度から実施している本
市独自の調査。
小学校において,理科,図工,音楽など一部の教科を専門的に教える教員。
全国的な義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から,各地域における子
どもの学力・学習状況を把握・分析することにより,教育および教育施策の成果と
課題を検証し,その改善を図ることを目的として文部科学省が平成 19 年度から小
学校6年生と中学校3年生を対象に実施している全国調査。
子どもたちに「生きる力」をはぐくむため,地域や学校,子どもの実態に応じ,教
科などの枠を超えた横断的・総合的な学習や探究的な活動を行う時間。平成 14 年
度から全面実施され,総合的な学習の時間の名称については,各学校において適切
に定めることとなっている。
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※
語句
体罰
(P.3)
た
確かな学力
(P.3)
中1ギャップ
(P.35)
ち
中1ジャンプ
(P.16)
て
適応指導教室
(P.35)
特別支援教育
(P.5)
と 特別支援教育コ
ーディネーター
(P.40)
説
明
教員などが児童生徒に対して行った懲戒の内容が,身体に対する侵害を内容とする
懲戒(殴る,蹴るなど),被罰者に肉体的苦痛を与えるような懲戒(正座・直立な
ど特定の姿勢を長時間にわたって保持させるなど)に当たると判断されるもの(文
部科学省通知 平成 19 年2月)
知識や技能だけでなく,学ぶ意欲や,自分で課題を見つけ,自ら学び,主体的に判
断し,行動し,よりよく問題を解決する資質や能力などまでを含めたもの。
小学校と中学校との間にある学習や生活の違いにうまく適応できず,不登校やいじ
めなどの学校における不適応の状態が増加する現象。特に,中学校1年生で急増す
ることから,中1ギャップと呼ばれる。
中学生になって,子どもが感じる小学校生活との様々な違いを乗り越え,順応する
こと。福岡市教育委員会の造語。
不登校などの子どもに対する指導と学校生活への復帰を支援するため,在籍校と連
携をとりながら学校以外の場所や学校の余裕教室などにおいて,個別カウンセリン
グ,集団での指導,教科指導などを行うために設置した教室のこと。
平成 19 年4月から特別支援教育が学校教育法に位置づけられ,すべての学校にお
いて障がいのある子ども一人ひとりの教育的ニーズを把握し,
その持てる力を高め,
生活や学習上の困難を改善,または克服するため,適切な指導および必要な支援を
行う教育。
教育上特別な支援を必要とする子どものために,小学校・中学校・高等学校,また
は中等教育学校内に置かれる学級は,特別支援学級という。
各幼稚園・学校における特別支援教育の推進のため,校内の教員から選出し,主に
校内委員会,校内研修の企画・運営,関係諸機関との連絡・調整,保護者からの相
談窓口など,幼稚園・学校におけるコーディネーター的な役割を担う者。
特別支援教育支
援員
教育上特別な支援が必要な児童・生徒の日常生活の介助や学習活動のサポートを行
う職員。
(P.39)
にぶんのいち
に
1/2成人式
(P.20)
ひ
ひきこもり
(P.35)
福岡市子どもと
本の日
ふ
(P.22)
副校長
(P.6)
小学校4年生修了時が 10 歳であることから,成人までの半分の終了時期と捉え,
これまでの自分の成長と将来の生き方とのかかわりについて考えたり,自分の思い
や考えを表現したりする学習。
子どもが長期間にわたり自宅や自室にこもり,社会的な活動に参加しない状態が続
くこと。厚生労働省は,「さまざまな要因によって社会的な参加の場面がせばまり,
就労や就学などの自宅以外での生活の場が長期にわたって失われている状態」と定
義。
国は,子どもの読書活動についての関心と理解を深めるとともに,子どもが積極的
に読書活動を行う意欲を高めるために「子どもの読書活動の推進に関する法律」で
4月 23 日を「子ども読書の日」と定めている。福岡市は,この日にちなみ,子ど
もが本と親しむ機会がさらに増えるように,毎月 23 日を「福岡市子どもと本の日」
としている。
学校教育法の改正により,平成 20 年4月から,新たに設置することができるよう
になった職で,校長から指示を受けた範囲で校務を自らの権限で処理することがで
きる教職員。
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※
語句
不登校
(P.5)
ふ
不登校対応教員
(P.35)
メディア
リテラシー
(P.8)
め
メンタル
フレンド
(P.35)
り
立志式
(P.20)
説
明
年度間に連続または断続して 30 日以上欠席した児童生徒のうち,
何らかの心理的,
情緒的,身体的,あるいは社会的要因・背景により,児童生徒が登校しないあるい
はしたくてもできない状況にある(ただし,「病気」や「経済的な理由」による者
を除く)こと。(文部科学省 平成 21 年度児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸
問題に関する調査-用語の解説)
校内の教員から選出し,不登校に関する業務に専念できるよう原則として担任や授
業は持たず,校内適応教室の運営,校内サポート体制の構築,担任と連携した家庭
との連絡や支援,小学校やその他の関係機関との連携を行う。
新聞やテレビ・ラジオ,インターネットや携帯電話など,さまざまな情報を伝達す
るメディア(媒体)の本質を理解するとともに,メディアの情報を主体的に読み解
いて必要な情報を引き出し,その真偽を見抜き,活用する能力。
何らかの理由で学校に行けない,家に引きこもりがちな子どもたちのところに大学
生や専門学校生などを派遣し,子どもたちと年齢の近いお兄さんやお姉さんとして
接する中で悩みの相談相手となってもらうボランティアの学生。
中学校3年生で進路決定を行う前の中学校2年生で,自分の進路について真剣に考
え,夢やあこがれを志へと高めていく学習。
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資 料
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策定検討委員名簿
氏 名
役 職 等
井 上
豊 久
福岡教育大学教育学部 教授
古 野
金 廣
株式会社 麻生 代表取締役専務
下 田
功
アビスパ福岡株式会社 代表取締役専務
林
幹 男
福岡大学人文学部 教授
安 元
文 人
西日本新聞社 元論説委員会 特別論説委員
西 村
敬 子
福岡市立和白幼稚園園長
高 原
和 幸
福岡市立香椎小学校校長
相 良
誠 司
福岡市立松崎中学校校長
井 上
直 輝
福岡市立福岡西陵高等学校校長
西 依
節 雄
福岡市立生の松原特別支援学校校長
※役職等は検討委員就任当時(H25.10.3)のもの
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備 考
委員長
新しいふくおかの教育計画 後期実施計画 策定経緯
日 付
会 議 等
内 容 等
調査人数 教員 996 名/1,000 名(99.6%)
平成 24 年 6~7月
教育意識調査実施
保護者 625 名/718 名(87.0%)
市民
552 名/657 名(84.0%)
平成 25 年 2月 25 日 学校経営推進協議会
中間とりまとめについて
平成 25 年 4月 25 日 校長・園長連絡会
後期実施計画策定スケジュールについて
平成 25 年 5月 21 日 学校経営推進協議会
中間とりまとめについて
平成 25 年 6月 6日 教育委員会会議
中間とりまとめについて
平成 25 年 6月 13 日 第1回内部検討委員会
後期実施計画の枠組み,重点施策名について
平成 25 年 6月 18 日 小学校校長役員会
中間とりまとめについて
平成 25 年 6月 20 日 中学校校長役員会
〃
平成 25 年 6月 21 日 校長・園長会役員会
〃
平成 25 年 7月 8日
小学校校務運営研修会
〃
(中央区)
平成 25 年 7月 17 日 第2回内部検討委員会
体系図,事業名,評価指標について
平成 25 年 8月 5日 校長・園長研修
中間とりまとめについて
平成 25 年 8 月 26 日 小学校校務運営研修会
〃
平成 25 年 8月 30 日 教頭研修
〃
平成 25 年 9月 3日 第3回内部検討員会
後期実施計画素案,今後の課題について
平成 25 年 9月 5日 教育委員会会議
後期実施計画策定について
平成 25 年 9月 24 日 市議会 第2委員会 報告
平成 25 年 9月 25 日 教育委員会会議
〃
後期実施計画素案について
平成 25 年 10 月 3日 第1回策定検討委員会
〃
平成 25 年 10 月 28 日 第4回内部検討員会
〃
平成 25 年 11 月 11 日 第2回策定検討委員会
〃
平成 25 年 11 月 25 日 教育委員会会議
〃
平成 25 年 12 月 18 日 市議会 第2委員会 報告
〃
平成 25 年 12 月 20 日 校長・園長会役員会
〃
平成 26 年 1月 24 日 教育委員会会議 付議
後期実施計画策定
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新しいふくおかの教育計画 後期実施計画
平成 26 年1月
編集・発行 福岡市教育委員会(総務部教育政策課)
〒810-8621
福岡市中央区天神一丁目8番1号
TEL:092-733-5552
http://www.city.fukuoka.lg.jp/kyouiku/
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新しいふくおかの
教育計画
後期実施計画
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