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バナナの自動販売機と現代人
株式会社ドール マーケティング部 エグゼクティブ・マーケテ����������� ィ���������� ング・スペシャリスト 大滝尋美 ひ ろ み お お た き PROFILE 東京都出身。大学卒業後、マーケティング企画 会社に入社。ニュージーランド・キウイフルー ツ・マーケティングボード・ジャパン(現ゼス プリ インターナショナル ジャパン株式会社) 勤務を経て、1994年に株式会社ドールに入社。 マーケティング部に配属される。2001年より ファイブ・ア・デイ(5 A DAY)協会設立に 携わり、2002 ~ 2007年まで同協会の事務 局長を兼任し、現職に至る。 バナナの自動販売機と現代人 当 社 で は2010年6月 か ら、 日 本 以上の野菜と果物を食べることを だいているようだ。自動販売機の 初となるバナナの自動販売機を都 推奨するもので、オフィス街や学 横には専用のごみ箱も併設してお 内2������������� カ������������ 所に設置した。この機械は 校などで青果物と接触する機会を り、その場で皮を剥いて食べてい 菓子パン用の自動販売機を改良し 増やす試みがなされている。実際 く人もいる。こうした利用実態か たもので、庫内の温度をバナナの に米国人の果物摂取量は、日本人 らうかがえるのは、都市に暮らす 保存に最適な13℃に設定できる。 の約2倍もある。 現代人は、���������� 常に�������� 時間の短縮を追求 また商品購入の際にバナナを傷つ 日本では若い世代を中心に果物 しているということである。不規 けることがないよう、ベルトコン を食べる習慣が薄れつつあるが、 則な勤務時間や残業に追われるラ ベアで商品を優しく搬送する仕 一方でバナナの消費量は伸びてお イフスタイルの中では、食事や買 組みになっている。������ バナナ��� 販売価 り、今や世帯あたりの購入数量が い物さえも“時短”の対象になる。 格 は 1 本130円、 1 房( 約600g ) 最も多い果物となっている。朝バ 料理はもちろん、スーパーに足を 390円である。1������� カ������ 所は稲城市の ナナダイエットがブームになった 運んでレジに並ぶ時間すら負担に 会員制スポーツクラブ、もう1� カ ことは記憶に新しいが、栄養バラ 感じる人は少なくない。 所は渋谷駅の地下鉄出口に直結す ンスに優れるバナナは食事の代替 その点、自動販売機はその場で る通路に設置し、渋谷だけで2� カ 品にもなる。米国のように日常生 必要なものを必要な量だけ買うこ 月の間に4,500本のバナナを販売す 活の中で接触する機会を新たに創 とができる。しかもそれが駅構内 ることができた。 出 す れ ば、 食 べ る き っ か け が さ など生活の動線上であれば、これ らに広がるのではないかというの ほど効率的なものはない。このス が、自動販売機導入の狙いである。 ピード感こそが、現代人にとって 新たな“接触”の機会を創出 米国では、1991年から農産物健 康増進基金と国立がん研究所が協 時間����������� を短縮してニーズに対応 は重要なのである。 今後はビジネス街や大学構内へ 力して、 「5A DAY(ファイブ・ア・ 渋谷の設置事例では、通勤前に の展開を進めると同時に、バナナ デイ) 」という健康増進運動を展 朝食として購入したり、遊びに行 以外の品目についても、導入の可 開している。これは生活習慣病予 く前に小腹を満たすなど、日常生 能性を模索していきたい。 防のために1日5����� サービング��� (�� 皿� ) 活の様々なシーンで利用していた 農業経営者 2010 年 11 月号 (まとめ・土井学)