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特集ー@変革時代の食品包装を考ぇる part立
特集1圃変革時代の食品包装を考えるPartⅡ 注目&期待のプロダクツ に対して、「クオリア」を使用するこ 図表1.クオリア゛と従来ランダムPPの物性比較 ・ qal,1 _ 6 ?.V一藍一 、 容器"棄斤世代"への材料提案 測定項目劃 J MFR(230で) 高透明ブロックPP「クォリア@」、高剛性PP「サンアロマー@Vシリーズ」 曲げ弾性率 シャルピー衝強さ @中島武(工学博士) サンアロマー研究開発本部川崎ディベロップメントセンター第ニグループリーダー MD 23C 0C 23で 0゜C 容器(0.5mm)耐寒温度玲 ヘーズ(り度) 単位 10min とによってこれらの課題を解決する クオリア 従来ランダムPP 35 25 ことが可能であるまた、「クオリア」 g面 0.9 0.9 を使用すろことによって、同素材 Mpa 1200 930 でありながら耐寒性と耐熱性を共に 5.0 4.1 25 2.0 >30 21 このことは、容器メーカー、食品メ ーカーおよび流通業者にとって他の kJ 市 J C 9るで ハイレート+2 衝強さ(2mm) ,モ1 g 密度 PM931M 開発材A 荷重たわみ温度(0.46Mpa) 備えることが可能になる。さらには、 16 1.1 、20で 23C以上 15 12 80 70 プラスチック素材と比ベて比重が小 さく、 C02削減による環境に優しい 上記値は測定値の代表値であり、品質保証値ではありません ※1:測定法はJIS K6921-2 2:サンアロマー・オリジナル法、試験片厚さ=2間※3 サンアロマー・オリジナル法、 厚さ=0.5m容器が側面衝撃で破損が出ない温度 PPヘ代替できれば、最終消費者へア ヒールすることができるだろう(写 真1) 例として、射出成形(食品)用途向けの当社の ポリプロヒレン(PP)樹脂は、比重が小さいなが リー)データも更新・公表され、ポリオレフィン時 ら機械的物性バランスが優れ、成形加工性にも優 報にも記事が取り上げられだ例えば、そのデー 容器に対する要求を次のようにまとめた 従来の透明ランダムPPと「クォリア」の比較例を れるため、自動車部品や食品包装材料など幅広い タベースから、 PPとPSとPETを比較すると、 C02 ①薄肉化:従来の透明容器における"割れ"改良と 小す両者の般的な機械物性の違いを図表1に 用途で使われているまた、C02の排出量の削減 の排出量の原単位はそれぞれ、 1.48、 1.92、 効果としても注目を浴びて、新規用途開発が盛ん に行われているさらには、世界的な環境意識の 1.58kg・C02ノノ樹脂蚫になる。比重も考慮すれぱ、 その差はさらに広がることになる。そのため、製品 向上や、国内においては新政権の発足により、この コストを削減しながら、 C02の排出量の削減を実 これらの要求を満たすために当社では、新フロセ 動きが一層に加速されることも予想される。最近、 現できる「より軽く、より速く」成形加工できるPP ス技術によるPP「クオリア(QUALEA )」、および この試験方法は、 0゜Cに冷却した製品容器(コッ 10年ぶりに、 LCI(ライフ・サイクル・インベント の二ーズが強まっていると言える 新触媒によるPp「Vシリーズ」の販売を開始するこ プ)をハンマーで叩くものである従来のランダム ととした。本稿では、「クォリア」および「Vシリー PPでは、完全に破壊してしまっているが、「クォリ ズ」の食品包装材料ヘの用途展開例を紹介する ア」のほうは割れずに形状を保持している。この 上述したような市場からの二ーズから、当社は "コストダウン""環境対応" 尓す耐寒性が飛躍的に向上していることを示し ②高剛性:薄肉化追求における"形状保持性" てぃる製品としての耐寒性の違いを、より分かり ③意匠性:容器のデザイン、外観性 やすくするために、簡単な耐寒性比較テストを行っ た後の比較写真を写真2に示す メリットは、例えば、低温充填ラインでの容器破損 冷凍から電子レンジまで対応する 「クオリア@」 防止や、陳列棚からの落下の際の破損防止な¥が , 挙げられる 「クオリア」は、一言で言い表すならば、 「透明な耐衝撃(ブロック)タイプのPP」で ある。弊社は、従来のブロックPPでは劣っ てぃた透明性をランダムコポリマー(ランダ ムPP)並みにまで向上させることに成功し た。多様化する食品包装分野に、例えば、 耐寒衝聖ランタムPP 冷凍から電子レンジまで対応できる「クォリ 一般フロックPP ア、高透明容器を新たに提案することがで きる。透明成形加工品にて軽量・減容化を 写真1.クォリアとランダムPP、一般ブロックPPとの透明性比較 38 食品包装 20102 図る際に課題となっていた"割れ"のりスク 従来ランダムPP 写真2.耐寒試験後のケオリア'と一般ランダムPPサンプル 20102 食品包装 39 特釦@変革時代の食品包装を考えるPartⅡ 図表2.クオリア"と従来ランダムPPの物性比較 グレード 測定項目刈 単位 MFR(230で) g 曲げ弾性率 10min g鯆 密度 MD (LLDPE)の少量添加が行わ 開発材 PP2240 Mpa クオリア働 PS412M +LLDPE PS412M れることもあるが、 LLDPE添 従来ランダムPP 加系と比ベても、著しく耐寒 2 2 2 0.9 0.9 0.9 830 1300 さらに一例として、「クオリ ア」と般ブロックPPとの 1380 ハイレート卦・2 衝撃強さ a mm) ハイレート綿 衝撃強さ (03mm) 23で 60 31 27 2 5 従来ブロックPPを使用して容 kJ r" 0で 器にした際には、容器の落下 C C 「クォリア」は、現在は輸入品での販売に なっているが、 2010年6月から当社の新プ ラントで本格生産を予定している。今年は、 あらゆる包装・産業資材に新たなPPの可能 性を広げていく"元年"と信じてぃる。 47 16 1.2 や保持する際の指圧などでそ 「Vシリーズ」は、 2009年から販売を開始 、20゜C 5.5 12 1.0 の箇所が白化することが見受 0で 07 03 0.4 0.08 し、製品の薄肉化によるコストダウンにっな がる手段として成形加エメーカーに好評を 得ている。今後はホモ・ランダム.ブロック J 、20で ヘーズ (り度) 荷重たわみ温度 (0.46Mpa) イン性を維持するためには、 その白化を抑えることが課題 % 15 14 になっていた。「クオリア.」の 12 耐白化性能は、従来のブロッ ゜C 75 92 クPPに比ベて非常に優れてい 上記値は測定値の代表値であり、品質保証値ではありません※1:測定去はJISK6921-2 ※2:サン アロマー・オリジナル法、試験片厚さ=1mm ※3:サンアロマー・オリジナル法、試験片厚さ=03肌 0 ¥1、8 ることが分かる。 最終製品の軽量化にも 対応する「Vシリーズ」 VS20OA PS20オA Vシリーズ 従来PP 10min 0.4 06 mm 0.5 0.5 37 35 TD 37 35 MD 760 765 TD 780 760 1420 1310 1400 1280 測定項目瑚 単位 MFR(230゜C) 0で けられた。容器の外観・デザ 図表3.Vシリーズと従来PPの物性比較 グレード 性に優れることが分かる。 耐白化試験を写真3に示す。 シャルピー 衝撃強さ や、不良率を削減する効果が期待できる。 PPの各グレード群に広く展開してぃきたい と考えている。 朋 シート厚み g MD 引張強度 Mpa 伸び MD 引張弾性率 Mpa TD ダートインバクト J (E50) 5.8 5.6 ヘーズ(曇り度) % 71 70 シート成型速度 kg hr 30 30 シート成型時圧力 kg a' 237 251 成型(DD)性"・2 保持時間(S) 26 10 上記値は測定値の代表値であり、品質保証値ではありません※1:シート成型し たサンプルを切り出して計測。成型条件は、多層Tダイシート成形機65間(シリ ンダー温度=240'C、ダイス温度=240'C)エアーナイフ方式キャストロール 温度=60'C ※2:成型(DD)性は、 0.5mmのシートを作製し、シートカ1・15m ド ローダウンする(垂れ下がる:DD)までの保持時問を計測 一方、「Vシリーズ」は、成 形加工品を高剛性・薄肉化で きるため、最終製品の軽量化・ 減容化に対応できる。また、 成形加工時における成形スピ ドのアップや外観不良率の 一般フロックPP 写真3.耐白化試験後のクオリアと一般ブロックPPサンプル 低減による生産性の向上をも 可能にする。 こちらの一例として、押出 次に、すでにコマーシャル品である押出シート成 シート成形用途の当社の従来のホモPPと「Vシリー 形用途の事例を紹介する。上述例と同じく、従来 ズ」の比較例を図表3に示す。「Vシリーズ」材の方 の透明ランダムPPとの比較を図表2にまとめる。「ク が高剛性であり、シート成型性が良好であるため、 オリア"」の耐寒性は、従来の透明ランダムPPと比 5 10%の薄肉・軽量化が可能となる。この場合の べて非常に優れていることが分かる。一般的に、こ シート成形性の良さとは、押出量一定でトルクが下 うした用途では、透明性を著しく損なわずに、耐寒 がることと、ドローダウンし難いことを言う。この 性を補うために、直鎖状低密度ポリエチレン 特徴のために、成形加工時には生産量を上げること 40 食品包装 2010/2 2010/2 食品包装 41