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最近のLNG技術動向: 本格化する洋上LNG受入基地
最近のLNG技術動向: 本格化する洋上LNG受入基地 2007/1/24 石油・天然ガス調査グループ 三神 直人 [email protected] 1 要点 z 環境への配慮、保安、安全の確保により、 洋上LNG受入基地コンセプトが多数提案。 z LNG再ガス化装置搭載型のLNGタン カーの実用化。 z 米国北東部、メキシコ湾、イタリア等で LNG受入基地建設、稼働開始。 z 米国西部にもLNG受入基地の可能性? →実現すれば環太平洋のLNG取引に影響 を与える可能性。 2 洋上LNG受入技術の種類 z 技術、装置形態の違いにより分類 1)再ガス化装置を搭載したLNGタンカー (LNGRVs) 2)浮体型(FSRU:Floating Storage and Regas Unit)ユニット 3)タンカーに脱着可能なLNG再ガス化・送出 装置(Hiloadシステム) 4)既存洋上プラットフォーム 5)重力着底構造(GBS) 3 洋上LNG受入基地の特徴1 z 従来のLNG受入基地 ①LNGを全量荷揚げ、貯蔵 ②需要に応じ再ガス化、パイプラインへ送出 → 一般に需要地または基幹パイプライン網の 近くの陸上に設置 z 洋上LNG受入基地 ①LNGを洋上で再ガス化、多くの場合荷役とパ イプライン送出を同時に行う。 ②需要変動はパイプラインが吸収 → 陸から離れた洋上に設置 4 洋上LNG受入基地の特徴2 z 環境保護の観点から陸から遠いため心理 的影響が少ない。(住民の理解が得やす い?) z 事故、テロなどの影響が陸に及びにくい。 z LNGRVの場合、設備投資が少ない。 (LNGタンクが不要、用地造成等が少な い) z 工期が短い(数ヶ月) *エクセラレート社の実績:約6ヶ月 5 1)再ガス化装置を搭載した LNGタンカー LNGRVs:LNG Regasified Vessels z Gulf Gateway(ルイジアナ州沖):150万トン/年(稼働中) マサチューセッツ州沖2件 Gateway :310万トン (2007年) z Neptune:310万トン/年 (2009年末) z Northeast High Pressure Pumps And Vaporizers Reinforced LNG Storage Tanks Oversized Boiler Traction Winch STL Buoy Buoy Compartment Subsea Pipeline To Shore Energy Bridge™ Regasification Vessel Energy Bridge™ Regasification Vessel Flexible Riser 出典:エクセラレート社ホームページ Subsea Manifold 6 Anchor Lines 2)FSRUを利用する方式。 z イタリアリボルノ沖のトスカーナ洋上LNG受入基 地プロジェクト:380万トン/年 (2008年) z カリフォルニア州沖のBHP BillitonのCabrillo Portプロジェクト: 310万トン/年 (2011年) z バハ・カリフォルニア沖のMoss Maritime CEMSAのTAMMSAプロジェクト :920万トン/年 (時期未定) 7 出典:mossmaritime社プレゼン資料 3)Hiload方式 z ヴィーンビル(Bienville Energy) 洋上LNG受入基地 Dauphin島(アラバマ)沖34km (2009年) ・最大受入能力: 1,000万トン/年 ・LNG貯槽:なし ・最大送出能力: 最大受入能力に同じ 8 出典:TORP社ホームページ 4)既存洋上プラットフォーム の改造 z Main Pass Energy Hubプロジェクト (2009年) 海底鉱山(硫黄および炭化水素ガス)用プラット フォームを改造、ルイジアナ州沖60km ・最大受入能力: 1,200万トン/年 ・LNG貯槽:8億m3 (岩塩貯槽) ・最大送出能力: 8,770万m3/日 9 出典:McMoRan社ホームページ 5)重力着底構造 (GBS:Gravity Based Structure ) z Adriatic LNGターミナル (イタリアRovigo近郊沖合 17km) ・最大受入能力: 600万トン/年 ・LNG貯槽:12万5千m3 ×2基 (出典:Hyundai Heavy Industries ) ・最大送出能力: 2,600万m3/日 10 (出典:Adriatic LNGホームペーページ) アメリカ西部の洋上LNG 受入基地計画(メキシコ含む) LNGRV:3件 FSRU:2件 既存プラットフォーム 改造:1件 Hiload:1件 GBS:1件 出典:JOGMEC 11 米国西部にもLNG受入基地 の可能性? z 洋上LNG受入基地は万全ではない。 →陸上から離れているので見えにくい。 →プラントの環境対策等をより一層詳細に説 明する必要有。 →許認可に相当の時間が必要。 z 建設を始めれば短期間(数ヶ月)で完成 →洋上LNG受入基地が先陣を切る可能性。 12