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9月 - FCTVインターネットサービス

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9月 - FCTVインターネットサービス
2008 年 9 月号
331 号 9 月1日
【携帯電話】中国工業情報化省、中国移動に TD 試験ライセンス発行 10 都市限定
2008-8-28 PCB 網城
中国工業情報化省は、中国移動(China Mobile)に対し中国独自 3G 規格、TD-SCDMA(以
下、TD)試験ビジネスライセンスを正式発行した。これにより中央政府により TD のビジ
ネス利用が正式に承認されたことになる。また同省は来年までには 3 社に対し TD ビジネ
スライセンスを発行すると見られている。
中国移動が取得した試験的 TD ビジネスライセンスは北京、上海等 10 都市に限定されて
いるが、中国移動は TD 第 2 期では対象都市を省都、直轄都市、寧波、大連を含む 28 都
市に拡大することを決めている。
これを受けて、中国移動は中興(ZTE)
、宇龍酷派(Coolpad)等の
TD 端末機メーカーに対し来年初めまでに TD 端末機(ZTE 及び
Coolpad 製品:右参照)の量産体制を構築するよう要求している。
TD 第 2 期のネットワークは TD-HSDPA を導入、伝送速度は現在の
TD ネットワークの 7 倍に達することになる。
中国移動董事長の王建宙(Wang Jian-zhou)氏は、TD 第 1 期ネットワーク構築に要した
資金は 210 億元前後、8 都市に 1 万 4543 台の基地ステーションを設置したという。国家
無線管理研究所の何廷潤氏は、
中国移動第 2 期 TD ネットワークの総投資額は 300 億元、
うち基地ステーションへの投資は 182.79 億元、核心ネットワークへの投資は 26.11 億元、
伝送ネットワークへの投資は 20.89 億元に達すると見ている。
中国移動 TD 試験営業サイト:tdtest.chinamobile.com/
【ワンセグ】中国ラジオテレビ放送総局、新たに 6 社の CMMB 端末機に品質認証発行
2008-8-28 第一財経日報
中国ラジオテレビ放送総局は、聯想(Lenovo)、中興(ZTE)、
天宇(K-Touch)の 3 社に中国独自モバイルテレビ規格
(CMMB)端末機の品質認証を発行したのに続き、深圳僑威、
新科電子(製品:右参照)等 6 社の端末機にも品質認証を発行した。
CMMB は中国 37 都市のネットワーク化が完了しているが、今後 320 都市以上に拡大され
る計画。
深圳僑威:www.qmediatech.com.cn
新科電子:www.shinco.com/
【液晶パネル】TCL、恵州液晶モジュール工場を今年 11 月完成 コスト 15%削減可能
2008-8-27 羊城晚報
中国地場の大手テレビメーカー、TCL は韓国三星との技術提携により広東省恵州に建設
している液晶パネルモジュール工場が今年 11 月には完成する目処が立っ
たことを明らかにした。TCL 恵州液晶モジュール工場第 1 期の年産能力は
233 万枚。
液晶テレビ用パネルモジュールはテレビ完成品のコストの約 70%を占めることから、中
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2008 年 9 月号
国地場のテレビメーカー各社が自社生産を急いでいる分野。業界関係者は、中国地場の
テレビメーカーが自社で液晶パネルモジュールを生産するようになれば、液晶テレビ完
成品生産コストを 15%前後削減することが可能と見ている。TCL の今年上期の液晶テレ
ビ販売台数は 151.8 万台で前年同期比 230.7%増となっていることから、モジュール工場
を持つことは同社にとっては大幅な収益力向上ににつながると見られている。
【液晶パネル】京東方、上期純利益が過去最高の 5 億元 3Q は一転赤字転落も
2008-8-27 新京報
中国地場第 2 位の液晶パネルメーカー、京東方(BOE)は今年上期の業
績発表で、上期の純利益が前年同期比 4 倍、過去最高の 5 億元に達した
ものの、今年 3Q については今年 6 月以降の需要の低迷により 7 月、8
月に販売価格が予想を超えた下落をしていることから一転赤字に転落する可能性がある
ことを明らかにした。
【液晶パネル】三星/デル、モニタ用液晶パネルを大量調達 モニタ用市況回復の兆しか
2008-8-27 中国電子資訊
三星電子、デル等の大手ブランドメーカーが値頃感から 8 月中旬に相次いでモニター用
液晶パネルの大量調達を行ったことが明らかになった。
ただ、業界には依然として大幅に下落したモニター用液晶パネル価格にようやく底が見
えてきたとする向きと価格の低迷が 11 月、12 月の需要閑散期まで続くと見る向きがあ
る。
【液晶パネル】モニター用液晶パネル価格、9 月の 19 型オファー価格に下げ止まり傾向
2008-8-28 自由时報
モニター用液晶パネル価格がここ 2 ヶ月で 20-30%下落したものの、液晶パネルメーカー
による厳しい減産実施により、9 月の主流 19 インチサイズのモニター用液晶パネルオフ
ァー価格がようやく下げ止まる傾向が出ているという。
ただ、一部では価格は下げ止まっても回復の力は依然弱く、V 字型の回復ではなく L 字
型の回復が精一杯と見られている。
【電子ペーパー】台達電子、ブリジストンと技術提携し電子ペーパーを来年量産開始
2008-8-28 台湾経済日報
世界最大のパワーサプライメーカー、台湾の台達電子(Delta)は日本のブリジストン
と提携して高性能電子ペーパーの開発、量産を行うことを明らかにした。
来年にも量産を開始する計画。
台湾には世界で初めて電子ペーパーモニター(EPD)を量産化した元太
科技(Prime View)があり、台湾で電子ペーパー産業が急速に集積する
可能性が膨らんでいる。
台達電子董事長の鄭崇華氏は、台達電子は世界最先端のパワーサプライ、
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液晶パネルドライバー、液晶パネルコントローラー製造技術を有しており、ブリジスト
ンの QR-LPD(quick response liquid powder display)技術(右参照)とのシナジーに
より高性能の電子ペーパーを開発することが出来るとしている。世界の電子ペーパー市
場は 2012 年には 3 億米ドルに達すると見られており、潜在性が極めて大きい分野と見ら
れている。
電子ペーパーは、反射式技術を用いバックライトやカラーフィルタ、偏光板が必要ない
ことから、液晶パネルに比べ生産コストが格段に低いことが大きな優位性となっている。
【バックライト】奈普、下期のノートパソコン用 LED バックライト出荷が上期比 3 倍に
2008-8-28 中華液晶網
LED バックライトモジュールの需要が液晶パネルメーカーの 7 月以降の
減産で後退している中、台湾バックライトモジュール大手の奈普光電
(Nano-Op)が堅調に売上げを伸ばしている。同社は競合他社に比べノ
ートパソコン用 LED バックライトの出荷比率が高いことが幸いしている
という。
また、奈普は新たに三星向けノートパソコン用ハイレンジ LED バックライトモジュール
を受注したことから、Q3 の出荷枚数が 20 万枚、下期の出荷枚数が上期の 3 倍に拡大す
る見通しという。
【PCB】南亜電路板、インテル/3G iPhone 向け FC/HDI が好調 上期 11%増収
2008-8-27 PCB 網城
台プラグループ傘下のプリント基板大手の南亜電路板(Nanya)の今年上期の売上高は
前年同期比 10.7%増の 187.92 億台湾ドル、同期税後利益は同 12.36%減の 29.84 億台湾ド
ルとなった。南亜電路板最大のユーザーであるインテルが大幅増益だったこと、アップ
ルの 3G iPhone 販売好調などによりハイレンジ FC 板及び HDI 板の出荷が堅調であるこ
とから売上高も堅調に推移している。
【PCB】旭徳科技、晶強電子損失が響き上期に赤字転落 台湾上場延期を決定
2008-8-28 PCB 網城
欣興電子(Unimicron)傘下の IC 基板メーカー、旭徳科技
(Subtron)は今年上期の業績発表の中で市况低迷と晶強電子
(Kingtron)合併に伴う損失により台湾上場を延期することを発表した。
同社発表によると、旭徳科技の上期売上高は前年同期比 0.22%増の 14.9 億台湾ドル、税
前損失は 2.28 億台湾ドルとなった。昨年合併した液晶パネルドライバーIC 用基板(TAPE
Carrier Package)メーカー、晶強電子の損失が響いた。
旭徳科技:www.subtron.com.tw/
【太陽電池】益通、M.Setek との提携で 2Q 粗利率が 6 ポイント改善 2Q 利益急増
Digitimes 2008-8-28
台湾の大手太陽電池材料&セルメーカー、益通(E-ton)は今年上期の業績発表で、パ
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ートナーである日本の太陽電池用シリコンウエハメーカーM.Setek の原材料安定供給に
より粗利益率が 6 ポイント改善し 20.31%に達したこと、
2Q の税後利益が 1Q 比 2 倍の 4.51
億台湾ドルに達したことを明らかにした。台湾主要
太陽電池材料・セルメーカー今年 1-6 月税後利益、
1-6 月粗利率、4-6 月粗利率は右の通り。
益通光電:www.e-tonsolar.com/
【CCL】台湾上場 FCCL メーカー今年 7 月、1-7 月売上高統計表
単位:千台湾ドル
【CCL】台湾上場 CCL メーカー今年 7 月、1-7 月売上高統計表
単位:千台湾ドル
【銅箔】台湾上場銅箔メーカー今年 7 月、1-7 月売上高統計表
単位:千台湾ドル
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【自動車】米 IAC、中国に新たに 2 つの合弁工場を設立 中国事業を大幅に拡大
盖世汽車網 2008 年 8 月 28 日
米自動車内外装品メーカー、IAC(International Automotive
Components Group)は中国に新たに 2 つの合弁工場を建設す
る計画で、そのうち 1 工場を今年末に着工、もう 1 工場は 2009
年初めに着工する計画。2 工場で生産される製品は主に中国国
内ユーザー向けに供給されるという。IAC 広報部長 David Ladd
氏は、2 工場の生産規模及び具体的建設場所については、まだ工場用地の使用権取得契
約等が締結されていないため明らかに出来ないとしている。
IAC は上海に中国事業統括会社(法人名は埃馳(上海)管理有限公司)、エンジニアリング
センター、2 つの合弁工場(Shanghai Awning and International Automotive Components、
Shanghai Car Carpet Factory and International Automotive Components)を有してお
り、上記の 2 つの新工場が完成すれば、4 つの生産拠点体制が構築される。
IAC 傘下の三ツ星ベルト化成品は今年 3 月に台湾東陽実業集団と合弁で武漢翔星汽車零
部件有限公司を稼働させ、主に東風日産、東風本田向けに自動車用計器盤の供給を開始
している。年産能力は 15 万台分。
IAC は、米国の著名な投資家、Wilbur Ross 氏のプライベートカンパニーで、2005 年 10
月に設立され、米自動車部品メーカーCollins & Aikman、日本の三ツ星ベルト化成品、
米リアの欧州内装品事業などを次々と買収することで事業規模を急拡大させている。現
在、世界 17 ヶ国に 90 の生産及び開発拠点を保有している。IAC:www.iaccn.com/
【自動車】玉柴、吉利及び銀輪と合弁で 2.0 リッターセダン用ディーゼルエンジン生産
2008-08-27 美国汽車新聞
中国の大手ディーゼルエンジンメーカー、玉柴機器股份有限公司
(Yuchai)は、浙江吉利汽車及び浙江銀輪集団と 3 社合弁で 2010
年年央に 2.0 リッターセダン車用ディーゼルエンジン工場を建設す
ることを明らかにした。
同社乗用車事業部総経理の蒋世宏氏は、3 社合弁で生産されるエンジンは吉利汽車の海
外市場向けセダン車 7 車種に搭載されるという。また、同 2.0 リッターディーゼルエン
ジンは現在独 AVL List GmbH により開発が進められており、今年 9 月に
は開発が完了する予定という。
合弁工場は浙江天台及び山東済寧に建設される予定で、出資比率は玉柴
52%、吉利 30%、浙江銀輪 18%となるという。合弁工場の最終的年産能力
は 30 万台に達する計画。銀輪:www.yinlun.cn/
独 AVL:www.avl.com/
332 号 9 月 3 日
【自動車】ジョンソン、武漢に自動車シート生産企業設立 東風ホンダ向け 6 万台生産
2008-08-28 長江日報
世界最大の自動車シートメーカー、ジョンソンコントロールズは、日本のタチエスとの
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合弁である武漢経済技術開発区の自動車シート工場の建設を正式に開始した。東風本田
の高級車アキュラ向けに座席シートを供給する。出資比率はジョンソンコントロール:
30%、タチエス:70%、ジョンソンコントロールズは 2500 万米ドルを投じる。来年 8 月
稼働、年産能力は 2010 年には 6 万台分に達する計画。
ジョンソンコントロールズは、上海 GM、上海 VW、東風日産等の合弁メーカーのほか、
奇瑞、吉利等の地場メーカーにもシート製品を供給している。
【自動車】独 KSM、長春東方有色圧鋳と合弁で精密アルミ合金ダイカスト部品生産
中国工業報·自動車周報 2008 年 8 月 25 日
独大手アルミ合金ダイカストメーカー、KSM Castings は、中国の大手非鉄金属グループ
傘下のダイカストメーカー、長春東方有色圧鋳有限公司と合弁で KSM 東方鋳造(長春)
有限公司を設立、中高級セダン車用精密アルミ合金ダ
イカスト部品の開発・生産を行うことを決めた。
精密アルミ合金ダイカスト部品は、軽量、高強度、加
工しやすい等の理由から、近年中高級セダン車で使用される比率が急速に上昇している。
現在、ギアボックス筐体、クラッチ筐体、燃料用タンク及びパイプ、エンジンシリンダ
ー等がアルミ合金ダイカスト化されている。高材質、成型技術が要求されるため、中国
ではその大部分を輸入に依存している。
独 KSM は主に VW、ダイムラー、BMW、フォード、ポルシェ、アウディ等向けにアルミ合
金精密ダイカスト部品を供給しているほか、中国の一汽 VW アウディ向けにもダイカス
ト部品を輸出しているが、中国進出は今回が初めてとなる。
KSM は中国での合弁設立に当たりパートナー選びに十分な時間をかけ、中国地場の大手
自動車アルミ合金ダイカスト部品メーカー全てを視察した上で最終的にパートナーを
長春東方圧鋳とすることを決めたという。パートナーとして長春東方圧鋳を選んだ理由
については、中国地場最大の精密アルミ合金ダイカスト部品メーカーであること、これ
までに長期にわたり一汽 VW、ハルピン東安発動機、一汽海馬、天津パーキンス、ティッ
センクルップ、一汽光洋、無錫ウォーカー(Walker)等向けに供給実績があること、ド
イツ本国アウディ向けに輸出実績もあること、年産量が 8000 トンに達していること、
153 種類の精密ダイカスト部品を生産する技術を有していること、年間売上高が 2.7 億
元に達していること等を挙げている。KSM:www.ksmcastings.com/
【自動車】フェデラルモーグル、南昌のシーリング部品工場に 2500 万米ドル追加投資
南昌日報 2008 年 8 月 25 日
米自動車部品メーカー、フェデラルモーグル(Federal-Mogul)CEO は中国南昌を視察後、
今後 3-5 年に南昌シーリング部品工場に 2500 万米ドルを追加投資す
ることを決定した。
南昌シーリング部品工場(中文名:南昌輝門密封系統有限公司)は
1996 年に建設され、同社にとって中国最大の工場。主にエンジン用
シーリング部品を生産している。南昌輝門密封系統有限公司は昨年
工場を 2 倍に拡張、今年の売上高は 7200 万米ドルを見込んでいると
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いう。Federal-Mogul 社:www.federal-mogul.com/
【携帯電話】ソニー、ソニーエリクソンの業績不振長期化すれば合弁解消も検討
2008-8-29 巨亨網
ソニーの Howard Stringer 会長は、ソニーエリクソンの業績不振に触れて、不振が今後
も長引くようであれば合弁解消もあり得ることを匂わせる発言をした。
IT 市場調査機関 Gartner によると、ソニーエリクソンの今年 2Q の世界市場シェアは 7.5%
に低下しシェア順位も LG に抜かれ 5 位に落ちている。
昨年同期の世界市場シェアは 8.9%
だった。
【携帯電話】康佳、携帯電話の売上高が大幅減 テレビ事業の売上高も伸び悩む
2008-8-30 PCB 網城
中国地場の大手テレビメーカー、康佳集団(Konka)は今年上期の
業績を発表し、売上高は 56.21 億元で昨年同期比 0.11%増にとどま
ったこと、ただ税後利益は 8055.5 万元で同 89.66%増となったことを明らかにした。た
だ、海外向け輸出は人民元上昇、米サブプライムローン問題の影響を受けて同 17.9%減
となったとしている。
また、売上高を事業別に見ると、携帯電話事業の売上高は 5.25 億元で同 34.61%減、粗
利率は 10.10 ポイント低下し 8.04%、テレビ事業の売上高は 40.5 億元で同 0.45%減、粗
利率は 3.65 ポイント上昇し 19.19%となった。携帯電話事業、テレビ事業ともに減収と
なるのは数年ぶりとなる。白物家電事業の売上高は 7.23 億元で同 46.65%増、粗利率は
9.24 ポイント低下し 13.79%だった。康佳:www.konka.com/
【携帯電話】宏碁、年末 Acer スマートフォンを販売開始 NB からのシフトへの防衛急ぐ
2008-8-29 中華液晶網
世界第 3 位のパソコンメーカー、宏碁(Acer)はパソコン市場におけるマルチブランド戦
略を開始するとともに昨年買収した倚天(E-ten)を通じて今年末から来年初めにも Acer
ブランドのスマートフォンを販売開始することを明らかにした。
宏碁のスマートフォン市場参入は台湾最大のスマートフォンメーカー、宏達国際電子
(HTC)との激しい市場争奪戦になることが予想されているが、宏碁
は世界に張り巡らされた Acer パソコン販売ネットワークを活用すれ
ば、既に強いブランド力を持つ宏達国際電子にも十分対抗できると強
気の姿勢を示している。
宏碁董事長の王振堂氏は、将来的にはスマートフォンがノートパソコ
ンに取って代わる可能性があり、倚天の買収はその可能性を見据えて
の防衛策だと発言している。宏碁は今後 3 年でスマートフォンからノ
ートパソコンへのシフトが加速すると見ており、ノートパソコンに匹
敵する性能を持ったハイレンジのスマートフォンの製造販売を急ぐ
ことにしている。
宏碁のノートパソコンは欧州では Hutchison 等の通信キャリアと提携しているほか、7
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月から販売を開始した小型ノートパソコン Aspire One の分野も世界の主要キャリアとの
提携を交渉中で、宏碁のスマートフォン事業参入のための環境づくりを加速させている。
倚天資訊:www.eten.com.tw/
【パソコン】デル、Q2 純利益が 17.4%減益 台湾ノートパソコン OEM メーカーにも波及
2008-8-29 巨亨網
米デルの 2Q の純利益が 6.16 億米ドルで昨年同期比 17.4%減となったことから、広達
(Quanta)等の台湾のノートパソコン OEM 専門メーカーの業績に相当の影響が出るとの
見方が強まっており、関連メーカー株価が 10%前後値を下げている。
台湾のノートパソコン OEM メーカーの世界生産シェアは 9 割以上に達していることから、
デルの収益悪化は台湾ノートパソコン OEM 産業にもダイレクトに響いてくると見られて
いる。
【パソコン】華碩、8 月売上高が単月で今年過去最高に 今後は競争激化で減速も
2008-8-29 台湾経済日報
世界最大のマザーボードメーカーである自社ブランドノートパソコンメーカーでもある
華碩(Asus)は、マクロ環境悪化の中にあっても業績好調を持続しており、今年 1-7 月
の売上高が 1431 億台湾ドルで昨年同期比 30%増、8 月の売上高は 7 月の 221 億台湾ドル
を上回り単月としては今年最高に達する見通しを明らかにした。
ただ、業績を牽引してきた低価格小型ノートパソコン Eee PC の売上高については、今後
HP、宏碁、デル等の大手ブランドメーカーの参入により、これまでのような高い成長を
持続できなくなる可能性にも言及している。
【液晶パネル】康佳、LGD との提携断念、単独 8.9 億元投じ液晶モジュール工場建設
2008-8-29 広州日報
中国地場の大手テレビメーカー、深圳康佳(Konka)は、8.86 億元を投じて 100%出資の
液晶パネルモジュール(LCM)生産企業を設立することを明らかにした。康佳は 8 本の
LCM 生産ラインを建設、年産能力は 240 万枚に達するとしている。
康佳は韓国 LGD の広州液晶モジュール生産事業に資本参加する方式を模索してきたが、
最終的に LGD との提携は断念し単独で投資することを決めた。
【液晶パネル】Videocon、インド/中国に 6G パネル工場建設 供給過剰さらに悪化か
中国電子部品産業協会 2008-8-29
インド最大の IT 企業、Videocon はインドで初めて液晶パネル生産事業
に参入することを決めた。2010 年に正式に生産を開始する計画。
Videocon は 15 億米ドルを投じて日本メーカーから技術移転を受けて第
6 世代液晶パネル生産ラインを構築する計画で、LG 電子インドの前総経
理で現在 Videocon の CEO である金光魯氏は、インドの薄型テレビ市場
は今後 1-2 年で成長加速期に入る、いまがインド国内に液晶パネル生産
ラインを建設する絶好の機会としている。
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Videocon は先ずインドに年産能力 6 万枚の第 6 世代生産ラインを建設する計画だが、イ
ンド工場が稼働後は中国にも同規模の第 6 世代生産ラインを建設する計画という。両生
産ラインが完成すれば、Videocon の年産能力は 12 万枚に達する。金光鲁氏は、Videocon
の目標はインド国内需要を満足するのみならず、アフリカ、中東等の地域の需要も満足
することにあるとしている。
韓国、台湾、日本、中国内地等の液晶パネルメーカーは次世代液晶パネルの生産ライン
を 2010 年に相次いで量産を開始する計画であることから 2010 年には液晶パネル市場が
供給過剰となることを警戒している。今般 Videocon の第 6 世代への投資が明らかにな
ったことで供給過剰の状況がさらに悪化するとの見方が広がっているとともに、
Videocon の第 6 世代への投資により、韓国、日本メーカーのインドへの進出も大幅に減
速すると見られている。
【PCB】瀚宇博徳、ノートパソコン用 PCB 市場で一人勝ち 通年目標を上方修正
2008-8-29 PCB 網城
世界最大のノートパソコン用プリント基板メーカー、瀚宇博徳(HannStar Board)は、
上期業績は予想を下回ったものの、下期の見通しが予想以上に明るい
ことから今年通年の出荷目標を上方修正することを明らかにした。ま
た 8 月から一部製品の販売価格を引き上げることも明らかにしてい
る。一方、同業の金像電子(Gold Circuit)、健鼎(Tripod)には同
様の好況感は見られず、瀚宇博徳の好調さはあくまで瀚宇博徳に限ら
れたものになっている。
瀚宇博徳の今年上期のノートパソコン用 PCB 出荷枚数は 2590 万枚だったが、3Q の出荷
枚数は 2Q 比 15%増の 1500-1600 万枚、4Q も 1500 万枚前後を確保できることから、今年
通年の出荷枚数は年初目標 5400 万枚を上回る 5600 万枚以上に達する見通しとなってい
る。
一方、金像電子の上期のノートパソコン用 PCB 出荷枚数は 1500 万枚だったが、3Q 及び
4Q の出荷枚数は 2Q 比 10%増の 850 万枚にとどまる見通しで、通年目標を下方修正してい
る。健鼎もコスト圧縮のためノートパソコン用 PCB 専用工場である無錫第 4 工場を 2 ヶ
月間生産停止したこともあり、通年目標 1800 万枚達成が困難と見られている。
瀚宇博徳:www.hannstarboard.com/
【太陽電池】西京電気、年産 100MW の単結晶シリコン太陽電池産業基地を建設
中国電子部品産業協会 2008-9-1
中国の太陽エネルギー市場規模は今後 10 年年率 30%で成長し 2010
年には 8—10 ギガワット(GW)、2020 年には 30 ギガワット(GW)に達
すると見られている有望市場。
中国地場の電子部品メーカー、西京電気総公司(Xijing Electronic)
は、単結晶シリコンゴット生成炉を製造する西京新能源設備、及び
単結晶シリコンゴットを生産する西京電子科技を設立するとともに、
年産能力 100 メガワット(MW)の単結晶シリコン太陽電池ウエハ&セル生産工場を建設
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する計画を進めている。2 期に分けて建設する計画で、第 1 期の年産能力は 50MW、2010
年に完成する予定。西京電気:www.xi-jing.com.cn/
333 号 9 月 5 日
【EMS】鴻海、ソニーの製造設備を取得 液晶 TV 又は NB の OEM を大量受注か
2008-9-2 中華液晶網
世界最大の EMS、鴻海集団(Honhai Foxconn)は 5.57 億台湾ドルを投じて日本のソニー
の製造設備 120 台を取得した。市場は、鴻海が近くソニーから液晶テレビ若しくはノー
トパソコン OEM アッセンブリを大量受注すると見ている。また、ソニーの鴻海への発注
数量が大規模なものになれば液晶テレビ及びノートパソコンの OEM 市場の勢力地図に大
きな変化が生じる可能性もあると見ている。
鴻海集団傘下の液晶モニター及びパネルメーカー、群創光電(Innolux)が第 6 世代液晶
パネル工場を来年稼働させ、特にノートパソコン用パネルを積極的に生産していること
から、ソニーのノートパソコンアッセンブリ受注に備えた動きと見られている。
鴻海は上期の業績が優れなかったものの、7 月の売上高は 1302 億台湾ドルで昨年同期比
34.9%増となっている。アップル iPhone 携帯電話、ソニー液晶テレビ及びノートパソコ
ンの OEM アッセンブリを大量に受注したことによるものと見られている。
鴻海董事長の郭台銘(Terry Gou)氏は今年の鴻海株主総会で、中国内地の労働契約法、
世界経済の減速等の外部環境の悪化によりブランドメーカーが自社生産から OEM への切
り替えを加速することを予想する見方を示していた。
【EMS】富士康/建漢科技、上期に 50%前後の大幅減益 鴻海集団の収益圧迫
2008-9-2 PCB 網城
世界最大の EMS、鴻海集団(Honhai Foxconn)傘下の携帯電話 OEM 事業会社、富士康、
及び IP 電話事業会社、建漢科技(Cyber Tan)の今年上期の業績は、富士康が 56%の減
益、建漢科技も 46%の減益となった。
鴻海集団は富士康の 72%株式を保有しており、一昨年には富士康の利益は
鴻海集団の利益の約 3 割を占めていたが、昨年は 2 割、今年は 10%余りに
低下することが予想されている。
富士康の上期の売上高は 47.9 億米ドルで昨年同期比 4.34%増になったものの、税後利益
は 1.42 億米ドルで昨年同期比 56%減となっており、収益力が大幅に悪化している。人民
元の高騰、アルミ及びプラスチック等の原材料価格の高騰、中国内地の労務コストの上
昇といういわゆる三高が富士康の収益力悪化を招いていると見られている。
【EMS】鴻準/可成、マクロ環境悪化しても需要期効果は依然期待できることを予想
2008-9-1 台湾経済日報
世界最大の EMS、鴻海集団(Honhai Foxconn)傘下のマグネ合金筐体
及び放熱モジュールメー カー、鴻準精密の今年上期の税後利益は
22.55 億台湾ドルで昨年同期比 33.95%減となったが、市場の予想は上
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回った。鴻準精密は、マクロ環境は悪化しているものの、需要期効果は依然期待できる
として今後数ヶ月は売上高が安定的に拡大するとの見通しを示している。
また、台湾の大手マグネ・アルミ合金筐体メーカー、可成科技(Catcher)も今年 3Q の
売上高が 2Q 比 20%増の 50 億台湾ドルに達し、粗利率も 40%台を回復するとの楽観的見通
しを示している。
【電子産業】中国コンシューマーエレクトロニクス産業、世界経済減速により弱さが露呈
2008-9-2 PCB 網城
世界経済の減速、伝統産業が原材料及びエネルギー価格上昇のダブル圧力を受けて、テ
レビ、携帯電話等の中国地場のコンシューマーエレクトロニクス産業が厳しい時期を迎
えている。
特にテレビの販売に減速が目立っている。同期の中国地場のテレビ販売台数は昨年同期
の伸張率 150%から 39%に減速した。また、日本、韓国の大手ブランドメーカーに国内シ
ェアを奪われたことも響いて収益力の低下も目立った。
携帯電話の販売台数も今年 1-5 月の伸張率が 16%となり、過去 4 年で最低となったほか、
中国地場ブランドメーカーの携帯電話市場シェアも 31%前後にまで低下している。
業界関係者は、中国のコンシューマーエレクトロニクス産業の減速は、世界経済の影響
だけでなく、中国地場ブランドメーカー自身が数年前から抱えてきた技術的停滞が顕在
化しているとも見られている。
中国電子商会副事務局長の陸刃波氏は、中国地場のコスト優位性が次第に失われる中、
中国地場のコンシューマーエレクトロニクス機器産業が新たな成長を展望しようとする
なら、海外の大手企業と競争できるコアコンピタンシーを持つことが必要であり、その
ためには世界に目を向けて国際化及び技術革新のプロセスが必要になってくると指摘す
る。
【液晶テレビ】中国液晶 TV 市場で外資/地場シェアが逆転 三星、ソニーが 1 位、2 位
2008-9-1 区域研究中心
2008 上期の中国国内の液晶テレビ市場の
シェア上位 5 社は下表の通りで、三星、
ソニー、シャープが 1 位、2 位、4 位に浮
上した。一方、海信、創維は順位を 3 位、
5 位に落とした。また TCL、厦華、康佳(KONKA)は 5 位以下にシェアを落とした。
【液晶パネル】彩晶、9 月から 5-10%減産 7 月の売上高が過去 17 ヶ月で最低
2008-9-1 台湾工商時報
これまで減産の予定はないとしてきた台湾の大手液晶パネルメーカー、彩晶(HannStar)
は、19 インチモニター用パネル及び中型パネル価格がわずか 2 ヶ月余りで 30%近く下落
したため、予定を変更して 9 月から 5-10%の減産を行うことを明らかにした。
彩晶は現在第 5 世代生産ライン1本を保有、生産能力は約 13 万枚で、主に 19 インチ、
17 インチワイドモニターパネルを生産しているが、今年に入ってからは韓国 LGD 向け契
11
2008 年 9 月号
約履行のため中型パネルの生産比率を拡大していた。ただ、3Q に入ってから液晶パネル
の受注が伸び悩み、出荷量、出荷価格ともに大幅に下落する状況に瀕していた。
彩晶の今年 7 月の売上高は 49.48 億台湾ドルで過去 17 ヶ月で最低、6 月比 23.5%の大幅
減少となった。出荷量も 124.4 万枚で 6 月比 15.2%減となった。
彩晶は、モニター用パネル価格の低迷から中型パネルの生産を増やしたが、中型パネル
の出荷も予想を下回り始めたこと、さらに中型パネル価格が採算ラインぎりぎりまで低
下してきたこと等から減産は已む無いと判断したとしている。
液晶パネル市況は、7 月末から大手液晶パネルメーカーが相次いで減産を発表している
ものの、好転する兆しが未だ見られず、今後も友達(AUO)が 10%の減産、奇美電子(CMO)
が 15%の減産、中華映管(CPT)が 10%の減産、韓国の LGD が 10%の減産を継続するこ
とを明らかにしている。
【液晶パネル】統宝、51 億 NTD を調達し運転資金を確保 生産能力も小幅拡張
2008-9-1 台湾工商時報
台湾の大手小型液晶パネルメーカー、統宝光電(Toppoly)は資金繰りが悪化しているこ
とから 51 億台湾ドルの資金を調達し運転資金を確保するほか、一部資金を生産能力の小
幅拡大に当てることを明らかにした。
統宝光電の今年上期の売上高は 143.78 億台湾ドルで昨年同期比 6.67%減となり、12.43
億台湾ドルの損失を計上したものの損失幅が縮小していること、ハイレンジ小型パネル
の受注が 8 月以降回復していることから、ハイレンジ小型パネルの生産能力を小幅拡大
することを決めた。
統宝光電は、今年上期を通じて中小型パネル価格が下落基調が続いており、携帯電話パ
ネル価格は半年で 15-20%下落しているという。
【携帯電話】華冠/華宝、4Q 出荷量 3Q 比横ばい予想 アジアの不安定化を懸念
2008-9-2 中華液晶網
世界の携帯電話市場の減速により、台湾の携帯電話 OEM 関連メーカーは、3Q については
2Q 比 10-20%成長は可能であるが、4Q は 3Q に比べ横ばいすることを予想している。
台湾の大手携帯電話 OEM メーカー、華冠通訊(Arima)の今年 8 月の売上高は、携帯電話
の出荷量が 181 万台で単月過去最高を記録したものの、単価が下落したため、連結売上
高は 27.13 億台湾ドルにとどまったとしている。華冠は 3Q の出荷目標を 500 万台として
いるが、4Q については携帯電話市場が例年 11 月にピークを迎えること、タイ、パキス
タン等のアジアの政治情勢が不安定化していること等から 450-500 万台にとどまるとの
見通しを示している。
台湾最大の携帯電話 OEM メーカー、華宝(Compal)も、今年 4Q の携帯電話出荷量が 3Q
と同規模の 1000 万台にとどまる見通しを示している。同社の今年上期の売上高は前年同
期比 33%減の 176 億台湾ドル、純利益は同 67%減の 7.05 億台湾ドルにとどまっている。
ノキアは、今年の世界の携帯電話市場が食糧インフレ等による新興国市場の減速により
一昨年の 21%、昨年の 16%のような高い成長は困難で、成長率は 10%に低下、出荷台数は
13 億台にとどまるとの見通しを明らかにしている。
12
2008 年 9 月号
【携帯電話】中国の携帯電話ユーザー数、7 月末 6 億突破 月平均 870 万増加
2008-9-1 PCB 網城
中国工業情報化省の 8 月 31 日発表の統計によると、中国全土の携帯電話ユーザー数が 7
月末に 6 億に達した。1-7 月に新たに増えた新規のユーザー数は 6107.3 万で月平均増加
数は過去最高の 870 万に達した。一方、固定電話ユーザー数は 7 月末現在 3.55 億まで低
下している。
【PCB】フレキの 3Q 販売量、2Q 比 2 桁増 FCCL は同 40-50%増となる見通し
2008-9-2 PCB 網城
プリント配線基板(PCB)メーカーは、中国国内でのノーブランド携帯電話需要の拡大、
先進国でのハイレンジスマートフォンの需要拡大により、今年下期の携帯電話用フレキ
PCB(FPCB)の需要の伸びが PCB 全体の需要の伸びを大幅に上回るとの見通しを示してい
る。
市場は、FPCB メーカーである嘉聯益科技、台郡科技、富士康電子の FPCB 事業子会社等
の 3Q の販売数量が 2Q 比 2 ケタ増、フレキ銅張り積層板(FCCL)メーカーである台虹科
技の 3Q の販売数量も 2Q 比 40-50%増となると見られている。
【半導体】大聯大、詮鼎買収で加 Future 抜いて世界第 3 位の半導体 IC 商社に
2008-9-1 中華液晶網
台湾最大の半導体 IC 商社、大聯大(WPG)が、同業の詮鼎科
技(AIT:Asia Information Technology)を買収したことを明
らかにした。詮鼎科技は通信機器用半導体を主力とすること
から、中国内地のノーブランド携帯電話市場でのシェア拡大にも寄与するとしている。
大聯大は詮鼎買収により、年間売上高が 10 億米ドル拡大し 55 億米ドルの大台を突破す
ると見られており、世界第 4 位の半導体 IC 商社、カナダの Future に大きく差をつけて
世界第 3 位の半導体 IC 商社の地位を確立する見通し。
大聯大の今年 1-7 月の連結売上高は 831 億台湾ドルで昨年同期比 13%増、3Q の連結売上
高は 2Q 比 20%以上伸張すると見られている。
大聯大:www.wpgholdings.com/ 詮鼎科技:www.aitgroup.com.tw/
【キャパシタ】法拉電子、人民元/原材料上昇で上期 20%減益 下期も粗利率低下
中国電子元器件産業網 2008-9-2
中国地場最大の薄膜キャパシタメーカー、法拉電子の今年上期の売上高は 3.04 億元で昨
年同期比 12.3%増となったが、コスト圧力が増したことなどから純利益は 4979 万元で
20.8%の減益となった。
下期についても、人民元上昇、原材料価格上昇等の圧力が続くことから粗利率がさらに
低下する可能性に言及している。
13
2008 年 9 月号
【銅箔】金居開発銅箔、上期純利益が昨年同期比 17 倍 月産能力 1500 トンに
2008-9-2 PCB 網城
プリント配線基板(PCB)の重要原材料である電解銅箔大手の台湾金居開発銅箔(Co-Tech
Copper Foil)の今年上期の売上高は 23.8 億 NTD に達し、税後利益は 1.56 億 NTD で昨年
同期の 17.37 倍となった。
金居開発銅箔の月産能力は 1200 トン、主に高付加か価値の薄銅箔を生産しており、薄銅
箔の生産比率は 55%に達している。プリント基板向け需要が安定的に拡大していること
から、金居開発銅箔は今年下期に月産 300 トンの新生産ラインを稼動させる予定。
金居開発銅箔は製品の 90%が PCB 用電解銅箔製品を占めているが、今後数年で世界 3 大
電解銅箔メーカー入りを目標としている。 金居開発:www.co-tech.com/
【銅箔】台湾上場銅箔メーカー今年 7 月、1-7 月売上高統計表(単位:千 NTD)
【自動車】ボルグワーナー、上海に 1.2 億米ドル投じ海外最大の開発拠点を建設
上海証券報 2008 年 9 月 2 日
米ボルグワーナーは上海紫竹科学園区にボルグワーナー中国技術セン
ター(CTC)の建設を今年 10 月から開始することを明らかにした。2009
年末には完成予定。技術センターの敷地面積は 4.3 万平米、投資総額
は 1.2 億米ドル、ボルグワーナーにとっては海外最大の開発拠点にな
る。
ボルグワーナーは現在第一汽車、上海汽車を含む中国地場の自動車メーカー10 社と合弁
で中国独自のデュアルクラッチ変速機(DCT)技術を開発する計画を進めているが、その合
弁事業においてもボルグワーナーは 66%のマジョリティを取得することに成功しており、
中国自動車部品市場における影響力を確実に高めている。
ボルグワーナー:www.borgwarner.com/
【自動車】ホンダ汽車用品(広東)、仏山の新工場及び開発センターを正式稼働
南方日報 2008 年 9 月 1 日
ホンダ汽車用品(広東)有限公司の仏山市南海区獅山鎮小塘新城開発区の新工場及び開発
センターが 8 月 29 日に正式に稼働した。
ホンダ汽車用品(広東)有限公司は、ホンダ自動車純正アクセサリーを製造販売するホン
14
2008 年 9 月号
ダ子会社、ホンダアクセスの 5 つ目の海外拠点。2002 年 6 月に仏山市で設立され、6 年
余りで従業員は 110 名、売上高は 5 億元に拡大している。
334 号 9 月 8 日
【自動車】国有資産委、五輪後に自動車産業再編加速 広汽、長豊、福建合併か
2008/09/03 新華信
中国の大型国有企業のマクロコントロールを統制している国家資産管理委員会主任の
李栄融(Li Rong-rong)氏は、北京オリンピック期間中にオリンピック後に大型国有企
業の統合再編スピードを加速することを明らかにしており、設備過剰が指摘されている
自動車産業においても今後企業合併が進むと見られている。
中国中央政府は 2007 年に発表した「中国の自動車工業第 11 次 5 ヵ年発展計画」の中で、
2010 年までに中国の自動車産業に年産 200 万台以上の大型自動車生産企業を 1-2 社、
年産 100 万台以上の基幹自動車生産企業を複数社構築することを目指し、その実現のた
めに国内に数十社ある中小自動車生産企業のうち年産 10 万台に満たない小型企業につ
いては大型企業による吸収合併を進めていくことを確認している。
2005 年に中国の国家発改委は自動車産業を過熱産業に指定し、2006 年末には「自動車
工業の構造調整に関する意見」を発表し、自動車生産企業の統合再編を積極的に推進す
ることを明確にしている。ただ、その後の自動車市場の急成長により統合再編計画は事
実上棚上げとなり、生産能力のさらなる拡大を招いていた。そのため、2007 年末現在、
中国国内の完成車生産企業は 100 社以上(2002 年末時点では 200 社以上だった)あり、そ
のうち年産 100 万台以上の企業は第一汽車、上海汽車、東風汽車の 3 社のみで、殆どの
完成車生産企業の年産能力は 10 万台以下という状況が続いている。また、中国乗用車聯
席会によると、中国のセダン車の過剰生産能力は 2003 年の 35 万台から 2006 年の 202
万台に拡大、2008 年には 500 万台に達するとの分析をしている。
李栄融氏は、オリンピック以降、産業再編は企業の自主性に任せる段階から国有資産管
理委が主体的に指導する段階に入ることを明言しており、すでに北京汽車が華晨汽車、
昌河汽車、黄海汽車との交渉を開始したほか、広州汽車が長豊汽車、第一汽車が華晨汽
車、東風汽車がハルピン飛行機と合併交渉を開始したとも伝えられている。
今後の再編の焦点は、第一汽車、東風汽車、上海汽車のビッグスリーが中型企業を吸収
していくことが予想されるとともに、北京汽車控股、広州汽車集团 、新中航汽車、長安
汽車などの準大手間の合併が進むことも予想される。
北京汽車控股董事長の徐和誼氏は、今年もしくは来年には一部企業との合併を完了させ
ることを明らかにしており、パートナー候補として福建汽車、長豊汽車、中興汽車など
の名前を挙げている。一方、広州汽車も長豊汽車の買収交渉を進めており、早ければ 10
月には結果を発表できるとしており、北京汽車/広州汽車間で有力中堅企業の争奪戦が激
化することも予想される。福建東南汽車の中堅幹部からは広州汽車、北京汽車両方から
アプローチを受けているとしていることを明らかにしている。だた、どちらかというと
広州汽車との合併を望んでいると伝えられている。中国の中堅自動車生産企業の代表格
である長豊汽車、福建汽車がともに広州汽車との合併を望んでいることから、北京汽車
15
2008 年 9 月号
のパートナーの選択が急速に狭められているのも実情。
これまでの世界の自動車産業の歴史において、石油ショックが起きるたびにアジアに新
たな世界的自動車メーカーが生まれたことから、第 3 次石油ショックともいえる現況下
で中国に新たな世界的自動車メーカーが誕生するのではとの期待も膨らんでいる。40 年
前の第 1 次石油危機ではトヨタ、25 年前の第 2 次エネルギー危機では現代自動車が世界
市場を席巻しグローバルメーカーとなったように、中国の奇瑞汽車や上海汽車などがグ
ローバル企業に進化するチャンスが訪れていると見られている。
【パソコン】広達、自社ブランド超小型ノートパソコンの製造販売を今年 4Q から開始
2008-9-2 中華液晶網
世界最大のノートパソコン OEM メーカー、広達(Quanta)は、インテル Atom プロセッ
サ、OS として Moblin を採用した自社ブランドの超小型ノートパソコン、MID(Mobile
Internet Devices)の製造販売を今年 4Q から開始することを決めた。
広達董事長の林百里(Barry Lam)氏は、自社ブランド MID の製造販売は
同社の本業であるノートパソコン OEM 事業には影響ないとしているも
のの、華碩(Asus)の例を見ても OEM 事業と自社ブランド事業が両立
することは難しいと見られている。
広達副総裁兼 CFO の Tim Li 氏は、自社ブランド製品はあくまで小型ノートパソコン MID
(Mobile Internet Devices)設計に基づいており、広達の小型ノートパソコン製造技
術を高めるものであり、広達の将来のノートパソコン OEM 受注拡大にも寄与するものと
している。
広達副董事長 CC Leung 氏は、広達の今年上期のノートパソコン出荷量は 1670 万台、2Q
の出荷量は 1Q 比 9%増にとどまったが、3Q の出荷量は 2Q 比 15-20%増、4Q の出荷量は
3Q 比 20%増となることを予想しているという。
【液晶パネル】液晶パネル市況、過去 2 度の経験から回復は早くとも来年初め以降
2008-9-2 台湾工商時報
市場調査機関 WitsView は、ここ 5 年来で液晶パネル産業には、2004 年 4Q から 2005 年
2Q にかけて、2006 年 2Q から 2007 年 1Q にかけての 2 度の顕著な価格下落があったが、1
度目はノートパソコン及び携帯電話需要が供給能力の拡大に追い付かなかったことが原
因、2 度目はワールドカップの液晶テレビ需要拡大効果を予想を下回ったことが原因と
分析している。
WitsView は、過去 2 度の市況悪化及び市況回復のサイクルを見ると、市況の回復には 3
四半期から 4 四半期の期間が必要であり、今回の市況悪化が今年 6 月から始まったこと
から今回の市況回復は早くとも来年初め以降になる可能性が大きいとの見通しを示して
いる。
【携帯電話】広達、近く iPhone 3G の OEM 取得 iPhone 3G 来年 4500 万台
2008-9-4 中華液晶網
アップルは近く新型ノートパソコン MacBook を販売開始する予定で、そのマグネアルミ
16
2008 年 9 月号
合金筐体を広達(Quanta)から OEM 調達することを決めた。また市場ではアップル iPhone
3G の出荷台数が 1300 万台、来年の出荷計画を 4500 万台としており、広達を鴻海(Honhai
Foxconn)に次ぐ第 2 の OEM サプライヤーに指定するとの見方も出ている。
アップルのノートパソコンは主に法人向けの MacBook Pro 及び個人向けの MacBook に分
けられるが、いずれも広達が OEM アッセンブリを独占している。また、アップルのノー
トパソコン部品を製造しているメーカーには、バッテリモジュールの新普(Simplo)及
び順達(Dynapack)、液晶パネルの友達(AUO)、奇美(CMO)などがある。
一方、iPhone 3G は鴻海が OEM アッセンブリを担当、主要部品を欣興(Unimicron)、大
立(Largan)、可成(Catcher)、正崴(Foxlink)、晶技(TXC)、毅嘉(Ichia)などが製
造しているが、現在広達が第 2 の OEM アッセンブラーの認証取得手続を行っており、来
年初めには正式に iPhone 3G の OEM アッセンブリを開始すると見られている。
【携帯電話】奕力、白牌市場回復等で 1-8 月出荷量倍増 通年 1.2 億個見込む
2008-9-2 中時電子報
中国政府の規制緩和により中国の白牌(ノーブランド)携帯電話市場が回復したこと、
また大手ブランドメーカーの新機種出荷などにより、液晶パネルドライ
バーIC メーカーの奕力科技(Ilitek)の 7 月、8 月の出荷量が大幅に伸
張している。同社の今年 1-8 月の出荷量は 6500 万個を突破し、昨年通年の出荷量 6400
万個を超えており、今年の通年出荷量は昨年比 2 倍の 1.2 億個に達すると見られている。
奕力科技総経理の魏倫武氏は、昨年の出荷実績は 6400 万個、売上高は 24.7 億台湾ドル
で一昨年の売上高 5.5 億台湾ドルに比べ 5 倍近くに拡大、奕力科技は中国の白牌携帯電
話用液晶パネルドライバーIC 市場で 6 割を超えるシェアを持っている、中国の白牌携帯
電話市場の回復、大手ブランドメーカーからの受注拡大で、7 月の携帯電話用液晶パネ
ルドライバーIC 出荷量は 1140 万個に達した、また 8 月の出荷量は 1360 万個に達し市場
シェアが 65%に達したことことを明らかにしている。奕力科技:www.ilitek.com/
【テレビ】四川長虹、上期 33%増収 103%増収の携帯電話事業が全体をけん引
2008-9-3 PCB 中国網
中国最大のテレビメーカー、四川長虹(Changhong)の今年上期の売上高は 142 億 3946
万元で昨年同期比 32.79%増となったものの、純利益は地震による損失 1.49 億台湾ドル
が出たこともあって同 29.72%減の 1 億 6474 万元となった。製品別に売上高を見ると、
携帯電話事業の売上高が同 103%増となり、同社の売上高を牽引した。
【LED】福建省の LED/太陽電池産業、今年の生産高100 億元突破する見通し
2008-9-2 中国電子報
福建省情報産業庁が取り纏め策定した「福建省の 2007 年-2010 年 LED 及び太陽電池産業
発展促進策」が 2007 年 4 月から正式に実施に移され、福建省の LED 及び太陽電池産業が
飛躍的に発展している。今年の福建省の LED 及び太陽電池産業の生産高は 100 億元を突
破する見通しとなっている。福建省には 2007 年 4 月以降、8 つの LED 及び太陽電池産業
パークが新たに建設されており、現在建設中の投資額 5000 万元以上の LED 及び太陽電池
17
2008 年 9 月号
関連事業も 35 件あり、総投資額は 130 億元近くに達している。
近年建設された LED 及び太陽電池産業パークには、泉州南安光電信息産業園、泉州和諧
光電産業基地、泉州恵安绿谷光電産業基地があり、現在建設中の LED 及び太陽電池産業
パークには漳州華安光電産業園、云霄光電産業園がある。
【LED】億光、8 月売上高 10 億 NTD 光宝を抜いて台湾最大の LED 実装メーカーに
2008-9-4 中華液晶網
台湾の大手 LED 実装メーカー、億光電子(Everlight)董事長
の葉寅夫氏は、8 月の売上高が 10 億台湾ドルを突破、単月売
上高としては過去最高に達したことを明らかにした。
一方、同業の光宝(Lite-on)CEO の滕光中氏は、8 月の売上高が 10 億台湾ドルには届
かず、億光が 8 月に再び光宝を抜いて台湾最大の LED 実装メーカーとなった。
億光の快進撃は iPhone を筆頭とするスマートフォン携帯電話の販売好調によるところ
が大きい。中でも同社のアップル iPhone、宏達国際電子(ハイテックコンピュータ、HTC)
ダイヤモンド向け LED バックライトは非常に好調で、9 月の受注は既に 8 月の水準を超
えているという。
一方、光宝は米 CREE からの授権の縛りによってノートパソコン用バックライト領域で
は億光をリードしているものの、億光も低価格小型ノートパソコン用バックライトだけ
でなく徐々に中型ノートパソコン用バックライトの生産も始めており、両社の首位争い
は今後も抜きつ抜かれつの状況が続くと見られている。
LG 電子が米 CREE と共同で LED 実装工場を建設すること、日亜化学が今年 LED 実装価格
を引き下げたことについては、億光の葉寅夫氏は注視していくが今のところ影響は小さ
いとしている。
【太陽電池】賽維 LDK、2.8 億米ドル投じ多結晶シリコン材料拡張 3 事業建設開始
2008-9-3 中国電子部品産業協会
中国江西省政府発展改革委員会は中国最大の太陽電池用シリコンインゴット&ウエハメ
ーカー、江西賽維 LDK の多結晶シリコン材料生産拡張事業 3 件の実行を認
可した。総投資額は 2.81 億米ドル。3 事業は来年末には完成する予定。
3 事業はそれぞれ賽維 LDK 太陽能高科技の拡張(年産 100 メガワット相当
の多結晶シリコンウエハ生産、総投資額 9744 万米ドル)、賽維 LDK 太陽能
多晶硅の拡張(年産 1000 トンの高純度多結晶シリコンインゴット生産、
総投資額 9060 万米ドル)、賽維 LDK 光伏硅科技の拡張(年産 1000 トンの高純度多結晶
シリコンインゴット生産、総投資額 9300 万米ドル)
。3 事業全てが稼働すれば、同社の
売上高は 28-30 億米ドルに達し世界最大級の太陽電池シリコン材料メーカーになる見通
し。賽維 LDK:www.ldksolar.com/
【キャパシタ】凱恩、中国政府のアンチダンピング政策もあり中国国内市場シェア 6 割超
2008-9-4 中国電子部品産業協会
日本のニッポン高度紙工業株式会社(NKK)に次ぐ世界第 2 位のアルミ電解キャパシタ
18
2008 年 9 月号
用絶縁紙メーカーである凱恩特種材料股份(KAN Special Material)
は、中国国内で唯一アルミ電解キャパシタ用絶縁紙を生産できるメ
ーカーであり、中国国内市場シェアは 60%に達している。
2007 年 4 月に中国商務省が日本から輸入されるアルミ電解キャパシ
タ用絶縁紙にダンピング行為があったとして、2007 年 4 月 18 日か
ら 5 年間のアンチダンピング措置を取ることを決定したことも凱恩特種材料股份の中国
国内市場シェア急拡大の寄与している。 凱恩特種材料:www.zjkan.com/
【フェライト】浙江横店、贛州に中国最大の希土類磁石/振動モータ生産基地建設
2008-9-4 中国電子部品産業協会
世界最大のハードフェライト(スビーカ用磁石、モータ用磁石、希土類磁
石など)メーカー、浙江横店集団(Hengdian Group)が 2.2 億元を投じて
建設した贛州東磁稀土有限公司の希土類磁石自動化生産ラインが 9 月初
め正式に稼動した。
年産能力は高性能希土類磁石 2000 トン、携帯電話用振動モータ 2000 万
個で、年間売上高 5.2 億元を見込んでいる。横店集団は今後数年で贛州東磁稀土に巨資
を投じて中国国内最大の希土類ハードフェライト生産基地を建設する計画。
横店集団:www.hengdian.com/
335 号 9 月10 日
【液晶パネル】LG Display、台湾瑞軒と合弁で蘇州に液晶モジュル&テレビ工場建設
2008-9-5 Pcbtn
韓国 LG Display は、台湾の液晶テレビ OEM メーカー、瑞軒科技(AmTRAN
Technology)と合弁で中国に液晶モジュール及び液晶テレビ生産工場を建
設することを決めた。
合 弁 工 場 は 蘇 州 に 設 立 、 名 称 は 中 国 蘇 州 楽 軒 科 技 ( Suzhou Raken
Technology)。総投資額は 2000 万米ドル、出資比率は LG Display:51%、瑞軒:49%と
なる予定。台湾の瑞軒科技は蘇州の現有液晶テレビ工場(右写真)内に液晶モジュール
生産ラインを保有しており、同液晶モジュール生産ラインを活用することも視野に入れ
ている。合弁工場の年産能力は液晶モジュール 300 万枚、液晶テレビ 500 万台で 2009
年初めの稼働を予定している。
【液晶パネル】海信、中国地場初の大型液晶モジュール自動化生産ラインを正式稼働
2008-9-5 中華液晶網
中国の大手テレビメーカー、海信(Hisense)の液晶モジュール第 2 期が
竣工、中国地場メーカー初の大型液晶モジュール生産ライン 2 本が量産を
開始した。また、海信は独自開発したバックライトモジュールを搭載した
42 インチ LED 液晶テレビも中国国内市場で販売を始めた。
海信の液晶モジュール事業責任者の劉衛東氏は、第 2 期生産ラインには自動化生産ライ
19
2008 年 9 月号
ンを導入したため、第 1 期に比べ品質管理能力、スペックが大幅に改善されている、特
に LED バックライトモジュール及び大型 LED 液晶モジュールが海信において初めて量産
可能となったことの意味は大きいとしている。
海信は 2007 年 9 月に中国初の液晶モジュール生産ラインを稼働、中国のテレビ用液晶
モジュール完全輸入依存の状況を打破している。今年 4 月には第 1 期の液晶モジュール
生産ラインの利用率が 100%に達していたことから、第 2 期建設に着手していた。海信は
来年さらに 2 本の液晶モジュール生産ラインを建設する計画で、完成すれば年産能力は
300 万枚に達する見通し。
【液晶パネル】韓国当局、元ハイニックス社員を京東方への不正技術流出で在宅起訴
2008-9-4 半導体国際
ソウル中央地検ハイテク犯罪調査部は、BOE Hydis 前代表の崔氏及び同社前開発センタ
ー所長の林氏を、BOE Hydis が中国地場の大手液晶パネルメーカーである京東方(BOE)
により韓国ハイニックスから買収された際にコンピュータネットワークを通じて親会
社であるハイニックス社から液晶パネル製造技術を不正に流出させた容疑で在宅起訴
した。韓国の検察機関が M&A を通じた海外への不正技術流出で容疑者を起訴するのは今
回が初めてとしている。
また、韓国検察機関は韓国の双龍自動車が中国の上海汽車に買収された際にも同様の不
正な技術移転がなされた疑いがあるとして現在調査中であることも明らかにしている。
【液晶パネル】液晶パネル価格、ここ半月で 3-8%続落 採算ライン確保は NB 用のみ
2008-9-4 中国電子資訊
毎月 5 日及び 20 日に液晶パネルの出荷価格を調査発表している台湾の IT 市場調査機関
WitsView は、9 月 5 日のテレビ用、モニター用、ノートパソコン用液晶パネル出荷価格
を発表した(下表参照)。それによると、8 月 20 日以降も液晶パネル価格の下落が続い
ており、8 月 20 日時点価格に対する下落率は、モニター用液晶パネル価格が 5-8%、ノ
ートパソコン用液晶パネル価格が 5-7%、液晶テレビ用液晶パネル価格は 3-5%となった。
下落率が最も大きかったのはモニター用 17 インチ液晶パネルだった。
WitsView 研究部主管の張小彪氏は、液晶パネル価格が 6 月、7 月、8 月 3 ヶ月連続で大
幅に下落したことにより、価格が採算ラインを確保できている製品はノートパソコン用
液晶パネルのみとなり、モニター用及びテレビ用液晶パネルへの依存率が高いメーカー
の 3Q 決算は赤字転落する可能性が大きいと予想している。
台湾の 3 大液晶パネルメーカー、友達(AUO)
、奇美(CMO)、華映(CPT)がすでに 10-15%
の減産を行ってはいるものの、現状を見る限り在庫が適正水準まで改善するにはさらに
数ヶ月の減産が必要との見方が広がっている。
Application
Size
9月5日
8 月 20 日
変動額、下落率
LCD TV
42"W
430
450
20
-4%
37"W
360
370
10
-3%
20
2008 年 9 月号
Monitor
Notebook
32"W
260
270
10
-4%
26"W
180
190
10
-5%
22"W
108
115
7
-6%
20.1"W
93
100
7
-7%
19"
95
100
5
-5%
19"W
83
89
6
-7%
17"
78
85
7
-8%
17"W
96
101
5
-5%
15.4"W
73
78
5
-6%
14.1"W
70
75
5
-7%
【パソコン】長城、原材料高騰、人件費上昇で上期 49%減益 売上は輸出が牽引
2008-9-5 PCBTN
中国地場の大手パソコンメーカー、長城電脳(Great Wall)は上期業
績発表で、今年上期のパソコン及び周辺機器製造業の売上高が 19.39
億元で昨年同期比比 6.94%増、法人向け IT サービスの売上高は 5318.69 万元で同 79.20%
増となったものの、原材料の高騰、人件費の上昇により利益率が低下したことにより純
利益は 4628.05 万元で同 48.90%減となったことを明らかにした。
パソコンの売上高は、海外向け輸出が 5.32 億元で同 32.48%増だったのに対し、中国国
内市場売上高は 14.6 億元で同 1.30%増となり、輸出が全体を牽引、国内販売は低調とな
った。
【通信機器】華為、内陸の重慶に開発センターを開設 人員を 3 年で 1 千名に拡大
2008-9-5 中国電子報
中国地場最大の通信設備メーカー、華為技術有限公司は、中国内陸部最大の都市、重慶
に開発センターを開設した。
華為は 1993 年に重慶に事務所を開設、2007 年には重慶事務所をソフトウェア開発機関
に昇格させていた。今回の重慶開発センターの設置により開発人員規模は今後 3 年で
1000 人に拡大される。
【EMS】フレクトロニクス、全額出資で武漢華中科技大学内に開発センターを開設
2008-9-5 中国電子報
世界第 2 位の EMS メーカー、フレクトロニクスは、中国武漢の華中科技大学と共同でフ
レクトロニクス-華中科技大学開発センターを開設することで合意した。開発センター
は華中科技大学の材料科学工程学院内に設置される予定で、
フレクトロニクスが全額出資する。
華中科技大学は中国国家教育省直轄の国家重点大学で、華中理工大学、同済医学大学、
武漢市都市建設学院、科技省幹部管理学院 4 校が合併され設立された理工系大学。
21
2008 年 9 月号
華中科技大学:www.hust.edu.cn/
【メモリ】台湾 5 大メモリモジュールメーカー 4 社が上期赤字転落 価格の大幅下落響く
2008-9-5 羊城晩報
台湾の 5 大メモリモジュールメーカーのうち、威剛(A-Data)、宇瞻(Apacer)、勝創
(Kingmax)、勁永(PQI)4 社が今年上期に赤字に転落、それぞれの損失は 7200 万 NTD-3.37
億 NTD に達した。一方、創見(Transcend)は唯一上期に利益を確保し売上高は 163.55 億
NTD(35.3 億元)、純利益は 9.8 億 NTD(2.1 億元)となった。ただ、こ
れまで 10%以上あった創見の粗利率も 8.94%に低下した。
赤字転落について、勝創は NAND フラッシュメモリ価格の下落による
ところが大きい、8 ギガバイト MLC NAND フラッシュメモリの価格は
今年に入ってから 42.8%も下落しているとしている。また、今後の
市況については依然回復の兆しは見られず、オリンピック効果も乏しかったとしている。
威剛:www.adata-group.com/ 宇瞻:www.apacer.com.tw/ 勝創:www.kingmax.com/
勁永:www.pqi.com.tw/ 創見:www.transcend.com.tw/
【CCL】台湾 CCL メーカー、中国華南進出加速で供給過剰に 値下げ競争が激化
2008-9-3 Digitimes
台湾最大の CCL(銅張積層板)メーカー、聯茂電子(ITEQ)の東莞聯茂電子科技副総経
理、陳郁弼氏は 2008 年の CCL 原材料市場分析レポートで、世界の CCL
産業の生産能力は 2008-2009 年に 11%拡大する見通しで、プリント基板
(PCB)の生産能力拡大ペース 4.5%を上回っていることから CCL 産業は供
給過剰状況にあるため、CCL メーカー各社は需要期期間中に値下げをし
てでもより多くの受注を取得しようとしていると指摘している。
陳郁弼は同レポートの中でも、2008-2009 年の CCL 生産能力拡張は主に
中国華南地域に集中しており、南亜塑膠(Nanya)
、台光電子材料(Elite)
、
台燿科技(TUC)などの大手 CCL メーカーが相次いで中国華南に進出し
ているとしている。
値下げ競争は 8 月上旬から既に始まっており、南亜塑膠がハイレンジ製品で値下げを実
施したほか、聯茂電子も高価格のハロゲンフリー製品価格を 10%引き下げている。大手
2 社に追随するように、合正、台燿もハイレンジ製品の値下げを行っているという。
東莞聯茂電子科技の陳郁弼氏は、中国内地の PCB メーカーの粗利益率は燃料、水道、電
力価格の高騰、人民元の上昇、新労働契約法及び環境保護令の施行、人件費の上昇など
により平均 4-6 ポイント低下、一部の小型 PCB メーカーは赤字経営に陥っているとして
いる。
聯茂電子:www.iteq.com.tw/ 南亜塑膠:www.npc.com.tw/
台光電子材料:www.emctw.com/ 台耀科技:www.tuc.com.tw/
【自動車】万向、米デトロイトに包括的技術センターを開設 品質/故障問題に対応
22
2008 年 9 月号
中国汽車要聞 2008 年 9 月 5 日
中国民営最大の自動車用トランスミッション部品メーカー、万向集団
(Wanxiang)は米国デトロイトに包括的な技術センターを設立すること
を決めた。
万向集団は 2007 年のグローバル売上高は 65 億米ドル、そのうち米国支
社の売上高が初めて 10 億米ドルを突破し 12 億米ドルに達したことから、
米国中西部に技術センターを開設することを検討していた。
万向集団は昨年買収した米自動車部品大手のビステオン Neapco のデトロイト工場を正
式に稼働、フォード、GM 向け供給を開始しているが、品質、故障問題が甚大な風評被害
を招き企業の存続を危うくする先進国においては現地に技術センターを持つことが肝要
と判断した。
また、中国第一汽車がメキシコに夏利(ダイハツシャレードの中国地場ブランド)の組
立工場を建設し、北米市場向けに夏利を販売することも、万向集団をして米国現地に技
術センターが必要と判断させたとしていいる。
【自動車】江麓容大、中国地場初のセダン用自動変速器の量産開始 年産 2 万台
長沙晚報 2008 年 9 月 8 日
中国地場初の年産 2 万台のセダン車無段階自動変速器(CVT)組み立
て生産ラインが湖南西城実業集団ハイテクパークで正式に稼働した。
同時に中国国内最大の年産 50 万台のセダン車自動変速器生産基地の
建設も正式に開始された。
中国国内のセダン車生産台数は 620 万台に上るが、中国はセダン車用無段階自動変速器
を輸入に完全依存している。この状況を打破するため、湖南
西城実業集団、中国兵器工業集団江麓機電などが出資する湖
南江麓容大車輌伝動股份有限公司は、米国留学経験を持つ周
雲山教授を招聘し中国地場企業初のセダン車無段階自動変速
器開発グループを発足、2004 年に中国初の独自技術によるセ
ダン車用無段階自動変速器システムの開発に成功、技術鑑定を通じて国家特許を取得す
るとともに 2006 年には中国国家発展改革委員会により中国の重点ハイテク成果産業化
プロジェクトに指定されている。
湖南江麓容大の独自セダン車用無段階自動変速器システムは、先進的な燃費、加速性能、
安全性能、排ガス抑制技術を確保しながらも、価格が輸入品の半分にすることに成功し
ており、輸入代替が今後大幅に進展することが期待されている。第 1 期の投資額は 1.77
億元、年産 5 万台、年間生産高 4 億元を見込んでいる。また、第 2 期の投資額は 5.4 億
元、年産 20 万台、年間生産高 20 億元、第 3 期は年産 50 万台、年間生産高 50 億元を見
込んでいるという。第 1 期は重慶力帆、浙江衆泰、第一汽車威楽、南京汽車名爵などの
セダン車向けに供給される予定。
中国国内の主要外資系自動車メーカーの変速機生産状況を見ると、第一汽車トヨタが使
用している手動、自動変速機はそれぞれ日本のアイシンの唐山工場、天津工場が供給し
ている。唐山工場はアイシンの独資、後者はアイシンが 80%出資。唐山アイシンは第一
23
2008 年 9 月号
汽車トヨタのほか、福建東南汽車、瀋陽金杯汽車、四川トヨタ、鄭州日産、保定長城汽
車、北京福田汽車などにも変速機を供給しており、2010 年までに年産台数は 45 万台に
拡大されるという。
また、ホンダは中国現地に設立した持株会社である本田技研(中国)を通じて 9800 万
米ドルを投じてホンダ汽車零部件制造有限公司を広東省仏山に設立、年産能力は 24 万
台に達しており、広州ホンダ及び東風ホンダに供給している。
中国進出が遅れた日産も、系列の変速機メーカーJATCO が今年、広州に独資で JATCO(広
州)自動変速機有限公司を設立している。第 1 期の年産能力は 14.4 万台、東風日産向
けに 2009 年上期から供給を開始する予定。
一方、独フォルクスワーゲンは 2003 年 1 月に上海汽車と合弁で VW 汽車(上海)変速器
を設立、独 ZF は 2004 年に上海汽車と合弁で上海 ZF 変速器を設立し、上海 VW、上海 GM、
第一汽車、華晨 BMW、東風集団、福建東南汽車などに変速機を供給している。
中国地場企業の自動変速機開発は、上記の湖南江麓容大のほか、洛陽三明実業有限公司、
北京維艾迪(VIT)汽車科技有限公司、瀋陽越士達無級変速器有限公司、重慶工学院重
慶汽車学院が独自の自動変速機の開発に成功している。また、第一汽車、上海汽車が中
国地場メーカー8 社と連携して米ボルグワーナーの DCT 技術を導入して独自の変速機を
開発する取り組みも進められている。
湖南江麓容大:www.icvt.com/
336 号 9 月10 日
【自動車】綿陽好聖、DISA/Loramendi と共同で部品鋳物生産/加工工場を建設
2008-09-08 四川新聞網
中国四川省の綿陽好聖汽車零部件制造有限公司の自動車部品用鋳物生産
工場及び金属加工工場の建設が綿陽科技城にて正式に開始された。
綿陽好聖は、中国地場の自動車用鋳造部品メーカーである綿陽宇興機械制
造有限公司がデンマークの大手鋳物生産設備メーカーDISA 社、スペインの
自動車部品用鋳物メーカーLoramendi 社と合弁で設立、総額 20 億元を投じ
て 9 万平米の用地に工場を建設する。鋳物生産ラインの投資額は 9.26 億
元で計 7 本のラインを建設、金属加工ラインの投資額は 11 億元で計 16 本
のラインが建設される。
DISA 社:www.disagroup.com/ Loramendi 社:www.loramendi.com/
【自動車】SKF、上海の乗用車用車輪ベアリング工場稼働 投資額 2500 万米ドル
盖世汽車網 2008 年 9 月 10 日
スウェーデンの大手ベアリングメーカー、SKF 社は、中国に同社としては
10 社目の工場となる SKF(上海)汽車技術有限公司を正式に稼働させた。
主に乗用車用車輪ベアリングを生産する。上海安亭汽車城に建設され、初
期投資額は 2500 万米ドル。SKF 社:www.skf.com/
24
2008 年 9 月号
【自動車】ボッシュ・マーレ、2010 年から中国現地でターボチャージャーを生産する計画
美国汽車新聞·中国 2008 年 9 月 10 日
独ボッシュは、独マーレと折半合弁で設立した世界最大のターボチャージャーメーカー、
Bosch Mahle Turbo Systems が 2009 年末から中国国内で販売を開始、2010 年から中国現
地で生産を開始する計画を明らかにした。
【自動車】スタナディーン、常熟でディーゼルエンジン用ポンプ及び燃料噴射装置を生産
2008-09-10 生意社
米燃料噴射装置メーカー、スタナディーン(Stanadyne)は、常熟工場
(現地法人名:思達耐精密机械(常熟)有限公司)でディーゼルエンジ
ン用ポンプ部品の生産を開始した。また、燃料噴射装置(右参照)の生
産も来年下期から開始する予定。燃料噴射装置は年間 100 万個を生産す
るとしている。スタナディーン:www.stanadyne.com/
【自動車】中国国内の今年 8 月の乗用車販売台数、昨年同月比 6.24%減に
2008-9-9 中国汽車工業協会
中国汽車工業協会の最新統計によると、2008 年 8 月の中国国内の乗用車販売台数が 45.13
万台で 7 月比 7.56%減となるとともに昨年 8 月比でも 6.24%減となった。
そのうち、セダンが 34.46 万台で 7 月比 4.50%減、昨年 8 月比 7.42%減、MPV が 1.32 万
台で 7 月比 10.22%減、昨年 8 月比 30.58%減、SUV が 3.51 万台で 7 月比 3.39%減、昨年 8
月比 18.54%増、クロスオーバーが 5.84 万台で 7 月比 23.50%減、昨年 8 月比 3.47%減だ
った。尚、1-8 月の乗用車販売台数は 455.03 万台で昨年同期比 13.15%増を維持している。
【EMS】鴻海、iPhone3G 効果で 8 月売上高が 7 月比 10%増、昨年比 43%増に
2008-9-11 PCB 中国網
世界最大の EMS メーカー、鴻海(Honhai Foxconn)の今年 8 月の売上高は 1435 億 NTD
で 7 月比 10.2%増、昨年同期比 43.05%増となった。売上高の大幅伸張は、アップル向け
iPhone 3G 及び次世代 iPod、ソニー向け液晶テレビ及びゲーム機 PS3 の大量出荷による
もので、市場予想の 1350 億 NTD も上回る実績となった。
【液晶パネル】三星、中国での液晶モジュル第 2 工場建設地を華南から蘇州に変更
2008-9-8 中華液晶網
韓国三星電子は当初広州又は深圳に建設を予定していたテレビ用液晶パネルモジュール
工場を計画を変更して蘇州に建設することを決めた模様。三星電子は第 1 期で 1.5 億米
ドルを投じて工場を建設する計画で、年産能力は 200 万枚、2009 年上期の稼働を予定し
ているという。
建設場所を蘇州に変更した理由について、業界筋は LG Display が既に広州に大規模な液
晶パネルモジュール工場を建設しているためではないかとしている。
三星電子の既存の蘇州液晶パネルモジュール工場はノートパソコン用液晶パネルモジュ
ールを生産している。
25
2008 年 9 月号
【携帯電話】中興、60 億元の巨資を投じ西安に 3.5G/4G 開発・生産基地を建設
2008-9-10 PCB 中国網
中国地場最大の携帯電話メーカー、中興通訊は西安ハイテク区に 60 億元の巨資を投じて
大規模な開発・生産基地を建設することで正式に西安ハイテク区と契約を締結した。3.5G、
4G 携帯電話製品の開発・生産を行う。完成すれば、中興西安開発生産基地の年間売上高
は 180 億元に達する見込み。2 万 6 千人の雇用を創出すると見られている。
【パソコン】デル、2010 年初め迄に全てのアッセンブリ工場を OEM/EMS メーカーに売却
2008-9-8 PCB 網城
世界第 2 のパソコンメーカー、デルは現在世界に展開している全てのアッセンブリ工場
を OEM 専門メーカー又は EMS メーカーに売却する計画を進めており、既に大手 OEM 専門
メーカーと売却交渉を開始した。また、デルは 2010 年初めまでに全てのアッセンブリ工
場の売却を完了させる予定という。
パソコン市場でデスクトップからノートブックへのシフトが急速に進む中、デスクトッ
プを得意とするデルには優位性低下に対する危機感が強まっている。また、今後ノート
ブックがパソコン市場の主流となることが確実視されていることから、OEM/ODM 生産方
式が確立されているノートブックをコア事業とするには自社生産方式を放棄する以外に
道がないと判断した模様。
デルは一部ノートブック製品を既に台湾の OEM 専門メーカーに委託生産しているが、今
後数ヶ月以内に売却先を絞り込むとしている。また、仮に一部工場の売却先が見つから
ない場合は閉鎖することも選択肢になってくるとしている。
ただ、米国のノースカリフォルニア工場などは現地政府から数百万米ドルの税優遇を付
与されているほか、投資を 2015 年まで続けることを約束しているため、現地政府が売却
又は閉鎖を認めないことも予想されている。
デルは今年 4 月に今後 3 年以内に欧米地域にあるアッセンブリ工場を閉鎖、中国厦門及
びマレーシアにあるアッセンブリ工場の生産能力を徐々に縮小することを明らかにして
いた。デル厦門工場の生産能力はデルの世界生産能力の約 10%を占めている。
【パソコン】HP、広達/緯創/英業達/富士康に 15 型ノート 1400 万台の OEM 発注
2008-9-9 eNet 硅谷動力
世界最大のパソコンメーカー、HP は来年、台湾のノートパソコン OEM メーカーに対して
15.6 インチ LED ノートパソコン 1300-1400 万台を発注する計画を明らかにした。
今年の HP の台湾ノートパソコン OEM メーカーへの発注量は 600-700 万台であるので、来
年の発注量はその 2 倍に相当する。HP の来年のノートパソコン OEM 発注先は、広達電脳
(Quanta Computer)、緯創集団(Wistron)、英業達集団(Inventec)、富士康電子(FOXCONN
electronics)になると見られている。
別電によると、広達電脳及び緯創集団が 1000-1200 万台、英業達集団及び富士康電子が
残りの 200-300 万台を受注すると見られている。
仁宝電脳(Compal)は HP の 15.6 インチ製品の OEM メーカーにはならないものの、14.1 イ
26
2008 年 9 月号
ンチ及び 17 インチ製品の OEM は取得すると見られている。
【半導体】エルピーダの蘇州 DRAM 工場建設、三星に拮抗する為の生き残り戦略
2008-9-9 21 世紀経済報道
日本のエルピーダが蘇州政府系企業及び台湾聯電(UMC)系列の蘇州和艦科技(Hejian)
と見られている企業と合弁で 50 億米ドルを投じて蘇州に 12 インチ
DRAM メモリ工場を建設する計画が、世界の DRAM メモリチップ価格が
大幅続落する中でリスクが大き過ぎるとの見方が強まっている。
エルピーダ発表によると、蘇州に建設される 12 インチ DRAM 工場は 2010 年 1-3 月に正式
稼働、初期月産能力は 4 万枚、最終的月産能力は 8 万枚に達するとされている。
市場では、エルピーダが上記の蘇州 DRAM 工場を通じて中国市場におけるシェアを大幅に
拡大することは可能だが、その一方で DRAM チップ価格の下落を招くため、合弁工場が安
定した収益を上げることができるかが疑問視されている。
これに対して、エルピーダの坂本社長は、DRAM 産業全体が低収益に苦しみ業界再編が不
可避となる中、低コストの中国に大規模な投資を行うことで同業他社の DRAM 事業からの
撤退を促すことを迫られている、蘇州工場には最先端の 50 ナノ技術を導入し従来比 2
倍の生産効率で他社を圧倒することを狙うとしている。エルピーダにとっては、パソコ
ン等の電子機器の世界的供給基地となっている中国で一気にシェアを拡大することで韓
国三星電子に拮抗する勢力を確立したいという思惑がある。
一方、聯電系列の和艦科技は、蘇州工場にエルピーダから 50 ナノ技術を引き出すことで、
台湾当局の台湾半導体産業に対する中国内地への技術移転規制を回避する狙いがあると
見られている。和艦科技:www.hjtc.com.cn/
【半導体】浪潮、30 億元投じ済南に中国最大の半導体照明開発・生産基地建設
2008-9-8 北京商報
中国国内最大のサーバーメーカー、浪潮集団は、山東省済南ハイテク区
管理委員会と浪潮光電子産業園を建設することで合意、正式に契約を調
印した。契約によると、浪潮集団は今後 5-8 年で 30 億元を投じて中国国
内最大の半導体照明産業開発生産基地を建設する計画。
第 1 期の投資額は 16 億元、2013 年末完成、第 2 期の投資額は 14 億元、2016 年末完成予
定。全てが完成すれば、年間売上高 90 億元、税前利益 20 億元を見込んでいる。
浪潮集団:www.langchao.com/
【半導体】中国、世界最大の MCU 市場に ディスプレイ、スマートカード等用がけん引
中電網 2008 年 9 月 9 日
IT 市場調査機関 iSuppli によると、世界最大のコ
ンシューマーエレクトロニクス及びパソコン関連
機器の生産基地となった中国が昨年、世界最大の
マイクロコントローラ(MCU、CPU/メモリ/周辺機能
等を 1 個の IC に集積したもので電子機器の制御に
27
2008 年 9 月号
用いられる)需要国となった。中国の昨年の世界 MCU 市場シェアは 14.5%に達した。2012
年には世界の MCU 市場は 2007 年の 24 億米ドルから年率 9%で成長し 36 億米ドルに達す
ることが予想されているが、中でもデータ処理、車載電子、産業用 MCU は 2 桁成長が予
想されている(右グラフ)。
中国の MCU 市場においても、薄型ディスプレイ、スマートカード、パソコン周辺機器の
生産拡大に伴ってデータ処理機器が MCU 最大の応用領域になっている。iSuppli は、2012
年には世界のデータ処理機器向け MCU の売上高は 2007 年の 6.99 億米ドルの 2 倍近くに
拡大し 12 億米ドル以上に達すると予測している。
中国の MCU 市場においてシェア第 2 位の応用領域はデジカメやゲーム機などの民用電子
機器で、iSuppli は 2012 年には世界の同領域向け MCU 売上高は 2007 年の 6.9 億米ドル
から 9.71 億米ドルに拡大するとしている。
また、中国の車載電子機器向け MCU 市場も、世界の大手車載電子メーカーの中国進出が
進んでいることから高成長が期待されている。2012 年の世界の車載電子領域向け MCU 売
上高は 2007 年の 2.74 億米ドルの 2 倍近くの 4.8 億米ドルに拡大する見通し。産業機器
向け MCU 市場も 2012 年には 2007 年の 5.79 億米ドルから 7.43 億米ドルに拡大する見通
し。
iSuppli は世界の MCU 市場は地理的に欧米、日本/韓国、台湾/中国内地の 3 地域に分類、
日本と韓国は設計と製造技術に秀でているため民用電子機器用 MCU が得意、欧米は産業
機器用及び車載電子機器用を得意としている、また台湾と中国内地はローエンド民用電
子機器用を得意としていると分析している。尚、中国の 2007 年の MCU 市場でシェア上位
10 社は上位から、ルネサス、フリースケール、マイクロチップ、NEC エレクトロニクス、
インフィニオン、東芝、Atmel、三星、NXP、ST マイクロエレクトロニクスだった。
【PCB】台郡/台虹、下期の売上高が対上期大幅増の過去最高に達する見通し
2008-9-8 PCB 中国網
台湾の大手フレキ基板(FPC)メーカー、台郡科技(FLEXium)は、世界の大手携帯電話
ブランドメーカーの出荷がスマートフォンを中心に予想を上回ったことか
ら、8 月の連結売上高が 7 月の 2.67 億台湾ドルを上回り過去最高になった。
同社の今年上期の粗利率は 19.99%に達し、昨年同期の 13.15%から大幅に上
昇、同期税後利益が 7929 万台湾ドルに達し、昨年同期の 1900 万台湾ドル
の 4.17 倍に拡大した。3Q の連結売上高見通しについても、アップルの
iPhone 3G が大量に出荷されることから 2Q の 6.3 億台湾ドルを 2 割以上上回る 7-7.5 億
台湾ドルに達するとしている。
フレキ基板の原材料である FCCL メーカー、台虹科技(TAIFLEX)の 8 月の売上高も 7 月
の 3.64 億台湾ドルを上回り過去最高の 4.1 億台湾ドルに達した。下期の受注状況も極め
て良好で上期の売上高 13.1 億台湾ドルを大幅に上回る 22 億台湾ドルに達する見通しと
なっている。また、台虹科技はデュポンの全面的技術協力により太陽電池モジュール用
バックシートの試験生産を開始しており、近く出荷を開始する予定という。
【太陽電池】デュポン、太陽電池モジュール用バックシートの生産能力を 2 倍に拡大
28
2008 年 9 月号
中国電子部品産業協会 2008-9-8
米大手電子材料メーカー、デュポンは、太陽電池の需要が高まる中、太陽電池モジュー
ル用バックシート(ブランド名:テドラーTedlar)の増産を決めた。テドラーは防風雨
性が高いことから太陽電池モジュールのバックシートへの応用が急速に拡大している。
デュポンはテドラーの生産能力を現在比 2 倍に拡大する計画で、2009 年下期の稼働を予
定している。デュポンは、太陽電池市場は今後数年間年率 50%以上で成長すると予想し
ており、太陽電池関連製品の売上高が 5 年以内に 10 億米ドルを超えるとの見通しを示し
ている。
【フェライト】浙江天通、5 億元を投じ湖南郴州にフェライト/電子部品生産基地を建設
中国電子部品産業協会 2008-9-10
中国地場大手フェライトコアメーカー、天通公司(本
社:浙江省)は湖南省郴州市(地図参照)有色金属
産業園に 5 億元を投じて同社の中国華南地域におけ
る生産拠点を建設する計画で、今後 2-3 年で磁性材
料及び電子部品生産ラインを建設することにしている。天通:www.tdgcore.com/
337 号 9 月17 日
【パソコン】華碩、ノートパソコン/マザーボードの通年出荷目標を 10%前後下方修正
2008-9-10 中華液晶網
ノートパソコンの需要が今後さらに伸び悩みことが予想されること、マザーボード及び
Netbook(超小型ノートパソコン)の競争もさらに激化することが予想されることから、
Netbook を中心に業績を大幅に伸ばしてきた台湾の大手ノートパソコン&マザーボード
メーカー、華碩(Asus)の業績が今後は一転伸び悩むと見られている。
こうした観測を受けて、華碩の今年 8 月の自社ブランド製品の売上高は単月過去 2 番目
に高い 259 億 NTD に達したが、9 月以降の華碩の株価は過去 5 年で最低の水準にまで下
落している。華碩は下げ止まらない株価について、9 月の売上高は 2007 年 11 月の過去
最高(275 億 NTD)を上回る見通しであること、3Q の売上高も過去最高の 755 億 NTD に
達する見通しであることを強調し、市場の観測が行き過ぎた過度に悲観的なものだとし
ている。
ただ、華碩はノートパソコンの通年出荷目標については年初計画の 660 万台以上を 600
万台以上に下方修正するとともに、粗利率も 2Q の 15-20%を維持するのが相当困難にな
っていることを明らかにしていることから、同社の業績の悪化は避けられないというの
が大方の見方となっている。市場は華碩の 3Q のノートパソコン出荷台数が 150-180 万台、
4Q のノートパソコン出荷台数が 170-200 万台にとどまり、通年の
出荷台数は 600 万台を辛うじて突破するにとどまるだろうと予想
している。
また、宏碁( Acer)が先日超小型ノートパソコンブランド製品
Aspire One(下写真)の 3Q の出荷台数が 220 万台に達する見通し
29
2008 年 9 月号
で、2008 年通年の出荷台数は目標としている 500 万台を達成できる見通しを明らかにし
ていることも、華碩の業績を牽引してきた同類機種 Eee PC の売上げが今後伸び悩むこと
を予想する大きな根拠となっている。
華碩 Eee PC の上期の販売台数は 170 万台、3Q の販売台数は 150 万台以上に達する見通
しであることから、通年の出荷台数は 500 万台に達する見通しであるものの、今後予想
される Netbook 市場の競争激化により、Eee PC の粗利率は相当悪化すると見られている。
一方、華碩のもう 1 つの中核事業であるマザーボード事業に目を転じると、上期の出荷
枚数は 1110 万枚前後、3Q は 2Q 比 15%増の 590 万枚前後にとどまる見通しで、通年目標
の 2400 万枚を達成するには 4Q に最低でも 700 万枚を出荷することが必要になっている。
しかし、現状 4Q の市況が好転することは考えにくく、同社は既に通年 2400 万枚の目標
達成は困難であることを明らかにしている。
尚、今年初めから分離独立した同グループの OEM 事業会社、和碩(Pegatron)及び永碩
(Unihan)の 8 月の連結売上高は 494.47 億 NTD で 7 月の 432.62 億 NTD 比 14%増の年初
来の単月過去最高を記録するとともに、1-8 月の連結売上高も 2913.19 億 NTD に達した。
和碩・永碩の主力製品であるマザーボード及びデスクトップパソコン(DT)の 8 月の出荷
台数は 306 万ユニット、1-8 月の累計出荷台数は 2159 万ユニットに達している。また、
ノートパソコン(除く Eee PC)の 8 月の出荷台数も 70-75 万台、1-8 月の累計出荷台数は
530-540 万台に達している。
【液晶パネル】友達、中国内地に内販会社設立 中国地場向け人民元取引可能に
2008-9-10 中華液晶網
世界第 2 位の液晶パネルメーカー、台湾の友達光電(AUO)は、第三国から間接的に 2000
万米ドルを中国内地に投じて国内販売機能を持つ景智光電を設立した。また、チェコ工
場に 2.5 億チェココルナの増資を行い、液晶モジュール(LCM)の生産を行うことを決め
た。
友達は、中国地場の液晶テレビメーカーが人民元取引を求める傾向が強まっていること
から、人民元取引を行うことができる販売会社を中国国内に設立し中国地場メーカーと
人民元建て取引を行う体制を整えることにした。友達はこれまでは中国内地の液晶モジ
ュール工場からの販売は台湾本社で受注し米ドル建てで取引する体制を取ってきたが、
その体制を見直すことにした。
チェコ工場への増資については、チェコ工場はこれまではアフターサービスセンターの
機能のみを行ってきたが、増資により正式に液晶モジュールの製造組み立て工場に格上
げされるとしている。これにより、友達は三星電子、ソニー、シャープ、LG 電子に次い
で欧州に液晶モジュール製造組み立て工場を持つメーカーとなる。友達はチェコに液晶
モジュール工場を持つことにより、欧州のユーザーに短納期で JIT サービスを提供でき
るとともに、欧州の輸入関税負担も軽減することが出来るとしている。
【液晶パネル】友達、輔祥及び奈普の筆頭株主に バックライトの価格支配力を強化
2008-9-10 中華液晶網
世界第 2 位の液晶パネルメーカー、台湾の友達光電(AUO)は、子会社の達運精密を通じ
30
2008 年 9 月号
てバックライトモジュールメーカー、輔祥実業(Forhouse)の 14.74%株式を取得、戦略
的パートナーシップを強化する。輔祥実業の総出荷に占める友達向
け比率は 7-8 割に達している。
また、友達はバックライトモジュール製造の奈普光電(Nano-Op)の
筆 頭 株 主 に も な っ て お り 、 中 強 光 電 ( Coretronic )、 瑞 儀 光 電
(Radiant)等の大手バックライトモジュールメーカーの価格支配に
一石を投じる力を持つようになっている。
輔祥実業:www.forhouse.com.tw/
奈普光電:www.nano-op.com.tw/
【液晶パネル】液晶パネルの減産、長期化必至の情勢 川下戦略強化の動き加速
2008-9-11 中華液晶網
液晶パネル価格に下げ止まりが見られない中、業界内では来年の市況についても悲観的
な見方が広がっている。液晶モニター需要に陰りが出る一方で、2009 年に友達、奇美の
第 8 世代、シャープの第 10 世代など少なくとも 3 本の第 8 世代以上の新たな液晶パネル
生産ラインが稼働することから、深刻な供給過剰状態になると見られており、最悪一部
の液晶パネルメーカーが業界から淘汰される可能性もあるとの見方も出ている。
業界では既に閑散期に当たる 2009 年上期いっぱいは減産が必要との見方が大勢を占め
ており、業界全体の 7.5 世代生産ラインの利用率は 7 割以下に低下するとも予想されて
いる。
来年上期まで液晶パネルの減産が続く可能性が高まる中、大手液晶パネルメーカーの川
下を取り込む戦略が加速している。友達が佳世達(Qisda)のテレビ事業部を買収、LG
Display が台湾の液晶テレビ OEM メーカーである瑞軒(Amtran)及び中国地場のテレビ
メーカーである創維(Skyworth)とそれぞれ合弁で液晶モジュールを生産するなどの動
きが見られる。
【液晶パネル】華映、8 月売上高が 7 月比 12%増なるも昨年同月比では 43%減に
2008-9-11 巨亨網
台湾第 3 位の液晶パネルメーカー、中華映管(CPT)は今年 8 月の業績を発表。それによ
ると、同社の 8 月の連結売上高は 88.5 億 NTD で 7 月比 11.7%増となったが、昨年同期比
43.4%減の大幅減となった。
一方、同月の出荷数量は、テレビ用大型液晶パネル出荷枚数が 187.4 万枚で 7 月比 9.1%
増、昨年同期比 27.5%減、中小型液晶パネルの出荷枚数は 678.3 万枚で 7 月比 72.8%増と
なった。
【液晶パネル】友達、佳世達テレビ部門買収 自社ブランド液晶テレビ生産への布石か
2008-9-9 中華液晶網
台湾最大、世界第 2 位の液晶パネルメーカー、友達(AUO)が台湾の大手電子メーカー、
佳世達(Qisda)のテレビ部門を買収することを発表したことに見られるように、液晶パ
ネルの減産が長期化する様相が強まる中、これまで川上戦略に重点を置いてきた台湾の
液晶パネルメーカーが川下産業と提携する動きが加速している。
31
2008 年 9 月号
佳世達のテレビ部門が友達に売却されれば、テレビ部門の開発及び販売部局は友達に移
管され、佳世達のテレビ部門は純粋に OEM 生産を行う事業体に転換されることになると
見られている。
シャープの第 10 世代を筆頭にして次世代液晶パネル生産ラインが来年相次いで稼動す
るとともに、消費者の液晶テレビに対するブランド志向が高まる中、強力なブランド力
を持たない台湾の液晶パネルメーカーが、日本及び韓国メーカーに対抗するため、川上
統合とともに自社ブランド構築も含めた川下統合戦略を強化する必要が出てきたと言え
る。
台湾の液晶パネルメーカーはこれまで液晶パネルの OEM 生産を専門的に行ってきたが、
かつて台湾のマザーボード OEM 専門メーカーが徐々にパソコン本体の OEM 専門メーカー
となり、さらには自社ブランドのパソコンを生産するようになったときと同じように、
今後自社ブランドの液晶テレビの生産を行う液晶パネルメーカーが出てくる可能性は大
きいと考えられている。自社ブランド製品を生産することが、パソコン業界と同様、現
有の有力ブランドユーザーからの OEM 受注を減らす結果になる可能性も指摘されている
が、経験則的には自社ブランド確立のデメリットは一時的なもので長期化はしないこと
が証明されているといえる。
友達のほか、台湾第 3 位の液晶パネルメーカー、中華映管(CPT)も中国地場の液晶テレ
ビメーカー、厦華電子の最大株主になっているほか、奇美電子も世界最大の液晶モニタ
ーOEM メーカーである台湾冠捷(TPV-AOC)に資本参加し提携関係を締結しており、業界
内に供給先との提携関係を結ぶ動きが加速している。
また、ブランド力が三星、ソニーなどに比べやや劣る韓国の LG Display も、中国地場の
テレビメーカーである創維(Skyworth)と合弁で液晶モジュール工場を建設することを
決めているほか、つい先日には台湾の液晶テレビ OEM メーカーである瑞軒(Amtran)と
も合弁で中国内地に液晶モジュール工場を建設することを発表している。
【液晶パネル】今年 9 月のモニター/ノートパソコン/テレビ用液晶パネル平均出荷価格
Displaybank 08-9-12 単位:米ドル
韓国のディスプレイ市場調査機関
Displaybank は、今年 9 月初めのモ
ニター/ノートパソコン/テレビ用液
晶パネルの平均出荷価格を発表した。
それによると、42 型テレビ用の価格
は漸く下げ止まったものの、その他
の全ての種類の液晶パネル価格が続
落していることが明らかになった。
特にモニター用液晶パネル価格の対
前年同月比下落率は 40%を超えたほ
か、14 型/15 型ノートパソコン用の
同価格も対前年同月比 30%を超える
下落に達した。
32
2008 年 9 月号
【バックライト】中強光電、8 月の連結売上高 7 月比 16%増、昨年同期比 12%増
2008-9-10 台湾工商時報
8 月に入って液晶パネルメーカーの売上高に漸く需要期の盛り上がり
が出始める中、バックライトモジュール大手の中強光電(Coretronic)
の 8 月の売上高は 41.57 億 NTD で 7 月比 20%増となった。中国内地の
プロジェクター及びバックライト工場の売上高を加えた連結売上高
では 66.23 億 NTD に達し、7 月比 16%増、昨年同期比 12%増となった。
特にプロジェクター製品の出荷が好調で、出荷台数が 12 万 8 千台、
売上高 21.13 億 NTD に達し、それぞれ 7 月比 21%増、30%増となった。
バックライト製品では、TV 及びノートパソコン用バックライトの売上高が 42.66 億 NTD
で 7 月比 12%増となったが、出荷枚数は 517 万枚で 7 月比 2%減となった。うち TV 用バ
ックライトの出荷枚数は 75.4 万枚で 7 月比 39%増だったが、モニター用バックライト
の出荷枚数は 7 月比 14%減となった。また、ノートパソコン用バックライトの出荷枚数
は同 7%増の 205 万枚だった。
中強光電:www.coretronic.com/
【太陽電池】米 Argus 社、6 千万米ドル投じ鄭州に 30MW 薄膜太陽電池工場建設
中国電子部品産業協会 2008-9-11
米パワーサプライメーカー、Alpha Group 傘下の Argus Technologies 社
(ブランド名は Cordex)は中国に約 6000 万米ドルを投じて 30 メガワッ
トの薄膜太陽電池生産ラインを建設する計画で、製品を主に欧米市場に
輸出する。この事業のため Argus 社が中国現地にて設立した現地法人は
河南阿格斯新能源有限公司。
薄膜の非結晶シリコン太陽電池は、弱光性が高く朝晩の太陽光線が弱い
中でも結晶性シリコン太陽電池よりも高い発電効率を発揮する。そのため、建築物の外
壁に取り付け、温水・暖房用に用いることが多い。
Argus 社:www.argusdcpower.com/
Alpha Group:www.alpha.com/
【半導体】台積電、8 月売上高 7 月比横ばい維持 チャータードは 3Q 赤字転落予想
2008-9-11 中華液晶網
世界最大の半導体ファウンドリ、台積電(TSMC)の業績発表によると、今年 8 月の連結
売上高は約 318.5 億 NTD で 7 月比 0.1%増、昨年同期比 6.1%増となり、市場の予想を上回
ったものの、市場は依然半導体需要の低迷が 2009 年 1Q まで続くとの見通しを示してい
る。同社の 1-8 月の連結売上高は 2392.8 億 NTD で 2007 年同期比 20.1%増だった。
一方、世界大手の半導体ファウンドリ、チャータード・セミコンダクターは、今年 3Q
の売上高が 4.69-4.81 億米ドルにとどまり、損失が 3400 万米ドルに達するとの見通しを
示している。チャータードの売上高の 6 割はマイクロソフトのゲーム機 Xbox 360 などの
米国向けが占めることから、米国経済減速の影響をよりダイレクトに受けている。
33
2008 年 9 月号
【自動車】吉利、山東省済南市に 100 億元投じて部品及び完成車生産基地建設
2008-09-12 新浪汽車
中国地場民営大手の自動車メーカー、吉利汽車は、山東省済南市政府と 100 億元を投じ
て済南市にエンジンを含む自動車部品及び完成車組み立て工場を建設することで合意、
正式に契約を締結した。完成車組み立て工場の投資額は約 20 億元、部品工場の投資額は
約 20 億元、その他の関連事業への投資額は約 60 億元となる計画で、稼働は 2-3 年後に
なる予定。最終的年産能力は 50 万台、うち第 1 期は 10 万台とされている。
吉利汽車は現在、浙江省台州に 2 工場、寧波に 1 工場、上海に 1 工場を有し、総年産能
力は 30 万台に達している。吉利汽車は山東省済南市のほか、浙江慈溪市に 188 億元を投
じて年産能力 100 万台の工場、甘粛省蘭州市及び湖南省湘潭市にそれぞれ年産能力 10
万台の工場を建設する計画を進めており、2016 年には吉利汽車の総年産能力は 200 万台
に達するとしている。
338 号 9 月19 日
【EMS】華碩、ノートパソコン OEM を鴻海、デスクトップ OEM をフレクトロニクスに発注
2008-9-16 台湾経済日報
台湾の大手パソコン&マザーボードメーカー、華碩(Asus)はこれまでの OEM 戦略を大
幅に見直すことを決め、初めてノートパソコン及びデスクトップパソコンの OEM をそれ
ぞれ世界第 1 位の EMS メーカーである鴻海(Honhai Foxconn)及び世界第 2 位の EMS メ
ーカーであるフレクトロニクス(Flextronic)に発注した。華碩は、ライバルである鴻
海及びフレクトロニクスに OEM を発注することを通じて、華碩グ
ループが OEM 事業と自社ブランド事業を完全に分離する強い意
志表示をするとともに、自社ブランド事業を世界に冠たるブラン
ドに育て世界の業界地図を塗り変えることを狙うとしている。
華碩は今年初めに OEM 事業を分離独立させているが、Eee PC を
除くノートパソコンの今年の出 荷目標 600 万台の OEM の殆どを分離独立した和碩
(Pegatron)に発注、また華碩は依然和碩の 40%を超える株式を保有しているため、華
碩が OEM 事業分離を徹底するため、今後 OEM 発注先をどの企業グループに発注するか、
和碩に対する持分をどの程度まで引き下げるかに市場の関心が集まっていた。
華碩は今回の鴻海への発注により、来年からは自社ブランドパソコンの OEM の 2-3 割を
鴻海及びフレクトロニクスが受注することになるとしている。
一方、EMS 世界第 1 位の鴻海は近年デスクトップパソコンからノートパソコンへの切り
替えが進む中、ノートパソコンの OEM 事業の拡大を促進しており、今年に入ってから従
来からのユーザーであるソニー、アップルに加えて新たに HP、デル、華碩を新規ユーザ
ーとして獲得している。
鴻海は今のところ設計も同時に請け負う ODM サービスは行っていないが、徐々に開発人
員を増強していることから今後 ODM 事業にも参入することは十分考えられ、広達、仁宝
などの既存の大手ノートパソコン OEM 専門メーカー群にとっては大きな脅威となること
が予想される。鴻海は 7 月以降、売上高を爆発的に伸張させているが、その原動力とな
34
2008 年 9 月号
っているのがアップル向け iPhone 3G、ソニー向け液晶テレビ OEM であるとともに、HP、
デル向けノートパソコン OEM と見られている。
【液晶パネル】京東方、安徽省合肥に第 6 世代生産ライン建設 総投資 175 億元
2008-9-16 第一財経日報
中国地場第 2 位の液晶パネルメーカー、京東方(BOE)は 13 日、安徽省合肥市に 175 億
元を投じて第 6 世代液晶パネル生産ライン及び液晶パネルモジュール組み立てラインを
建設することを発表、合肥市政府、合肥鑫城国有資産経営有限公司、合肥市建設投資控
股(集団)有限公司と正式に契約を締結した。来年 3 月から建設を開始す
る予定で、2010 年 4Q 末には稼働する予定。液晶パネル生産ラインの月産
能力は 1500mm×1850mm ガラス基板ベース 9 万枚。新たに設立される事業
会社の暫定名称は合肥京東方光電科技有限公司。京東方の第 6 世代液晶パ
ネル生産ライン建設は、上海広電(SVA)の上海での第 6 世代液晶パネル
建設に続く中国国内では 2 番目の第 6 世代液晶パネル建設計画となる。
上海広電、京東方のほか、中国地場第 3 位の液晶パネルメーカー、昆山龍騰(IVO)も第
7 世代若しくは 7.5 世代液晶パネル生産ラインの建設を検討、広東省政府も第 7 世代液
晶パネル生産ラインの誘致を積極的に行っていると伝えられており、今後数年で中国国
内の液晶テレビ用大型液晶パネルの供給能力が大幅に拡張することが予想される。
京東方の第 6 世代生産ラインの総投資額は 175 億元に上るが、そのうちの登録資本金と
なる 60 億元については京東方が自社株の第三者割り当てで調達する計画だが、残り 115
億元については銀行からの借り入れになるとしており、信用収縮が進む中で 100 億元を
超える融資を銀行から獲得するのは相当の困難が伴いそうである。
京東方は、安徽省合肥周辺には、康佳、海爾、長虹の大型液晶テレビ工場が密集してい
ることから、これらの液晶テレビ工場向けに短納期でテレビ用大型液晶パネルを供給す
ることの意義は大きいとしている。
【パソコン】HP、3 年で総従業員の 8%に当たる 2.46 万人削減 組織スリム化前倒し
2008-9-16 網易科技
世界最大のパソコンメーカー、HP は、今後 3 年で今年 8 月に買収手続を完了した法人向
け IT サービス会社、エレクトロニック・データ・システムズ(EDS)との組織統合を進
め、総従業員の 8%に当たる 2.46 万人を削減する計画を明らかにした。削減される人員
の殆どは元 EDS 従業員、半分近くが米国従業員になるとしている。
HP の現在の総従業員数は 17.8 万人、EDS の総従業員数は 14.2 万人であるので、両社合
わせた総従業員数は HP の現有従業員数の 1.8 倍に相当する 32 万人に達する。そのため、
市場では HP がどの程度の従業員削減を行うかに注目していた。HP の CEO である Mark Hurd
氏は、HP は 2005 年に 1.5 万人に人員削減を行ったが、ここ最近の原材料価格の高騰に
よりパソコン事業の利益率が低下していること、及び HP のもう 1 つのコア事業であるプ
リンタ用インク事業が低価格製品の浸透により売上げが落ち込んでいることから、組織
のスリム化を前倒しで実施することを決断したという。HP は今般の人員削減に伴って今
年 4Q に 17 億米ドルの費用を計上することにしているという。
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2008 年 9 月号
HP は今年 5 月に 139 億米ドルで EDS を買収、法人向け IT サービス産業で IBM に次ぐ地
位を確立するとともに、法人向けトータル・コーディネーターとなることで高い収益力
を確保しようとしている。
【パソコン】明基/三星/東芝も Netbook 市場に参入 明基の OEM は和碩が受注
2008-9-16 中華液晶網
HP、デル、宏碁、聯想、微星(MSI)に次いで、三星、東芝、台湾の明基(BenQ)がイン
テルの小型ノートパソコン用プロセッサ Atom 採用を決めた。これにより、インテル Atom
を採用していない主要ノートパソコンメーカーはアップル、ソニーを残すのみとなり、
小型ノートパソコン市場を巡る大手メーカーの競争が早くも過当
競争の様相を呈してきた。
東芝、明基は 8.9 インチ(明基 Joybook Lite は右)、三星は 10.2
インチサイズの小型ノートパソコンを 4Q から販売開始する予定で、
明基の小型ノートパソコンの OEM は和碩が行うことが明らかになっている。
【PCB】台湾リジッド PCB 関連 3 社、NB/スマートフォン向け好調で 8 月売上過去最高
2008-9-16 中国 PCB 技術網
今年のプリント基板(PCB)産業の業績は例年に比べ低調ではあるものの、伝統的需要期
到来によりスマートフォンブームで好調なフレキ基板関連メーカーを除く 13 社の上場
企業においても 8 月の売上高が過去最高も
しくは今年最高に達している(右グラフ)。
このうち、8 月の売上高が過去最高となっ
たのは、台光電子(Elite)、健鼎(Tripod)、
競国(APCB)の 3 社、8 月の売上高が今年
最高となったのは、華通(Compeq)、楠梓
電 子 ( WUS )、 全 懋 ( Phoenix )、 欣 興
(Unimicron)、瀚宇博徳(Hannstar)、聯
茂(ITEQ)など 10 社だった。
8 月の売上高が相対的に好調だったメーカ
ーはいずれもノートパソコン、スマートフ
ォン関連企業となっている。
【PCB】欣興/華通/耀華、スマートフォン用 HDI 需要拡大で 3Q 業績見通し良好
2008-9-17 Hinet
携帯電話の需要期到来により、関連 PCB メーカーである華通(Compeq)、耀華(Unitech)、
欣興(Unimicron)の高密度連結板(HDI)の設備利用率が 2Q 比大幅に上昇している。華
通、耀華、欣興の 8 月の連結売上高は今年最高に達しており、3Q 業績は少なくとも 2Q
比 10%増となる見通し。
世界第 2 位の PCB メーカーである欣興は、3Q の業績は予想以上に良好で逐月で売上高が
伸張しているという。特にスマートフォン用 HDI の需要が大きく伸張しており、設備利
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2008 年 9 月号
用率は 90%近くまで上昇しているという。
華通もスマートフォン用 HDI の受注が好調で、7 月以降売上高が大幅に伸張、1-8 月の連
結売上高は前年同期比 13%増の 113.35 億 NTD に達しているという。華通のスマートフォ
ン用 HDI の設備利用率は 2Q に 60%まで低下したが、3Q は 90%以上に回復する見通しだと
いう。
耀華も 8 月の売上高が 9.73 億 NTD に達し今年最高を記録、9 月も 8 月の水準を維持でき
るという。1-8 月の売上高は 70.61 億 NTD で前年同期比 6.82%増となっている。
なお、パソコン及びメモリ用 PCB メーカーである健鼎(Tripod)の 8 月の連結売上高は
28.39 億 NTD で過去最高を記録、1-8 月の連結売上高も 206.1 億 NTD で前年同期比 23%増
となっている。
【携帯電話】中興、アフリカに初の生産拠点 エチオピアに携帯電話生産工場を建設
中国電子部品産業協会 2008-9-17
中国地場最大の携帯電話メーカー、中興通訊(ZTE)は、エチオピア現地の通信設備メー
カーJanora Technology 社と共同でエチオピアに携帯電話製造工場を建
設することを明らかにした。520 万米ドルを投じて年産能力 100 万台の
工場を建設する。1 年半後稼働予定。
また、中興通訊は携帯電話ユーザーが急速に拡大しているエチオピアの
通信公社向け容量ユーザー数 240 万の CDMA 携帯電話ネットワーク構築も受注した。
中興通訊は海外で売上げを急速に伸ばしており、今年上期の同社の総売上高 197 億元の
うち、海外市場での売上高は 126.67 億元を占め、伸張率は 59%に達している。そのうち
アフリカ地区での売上高は 38.34 億元で前年同期比 107.24%増となっている。
中興通訊は来年の携帯電話生産台数目標を 8000 万台、2010 年の同目標を 1 億台として
おり、世界の 5 大携帯電話メーカー入りを目指している。
Janora Technology 社:janoratech.com/
【自動車】英リカルド、上海に 2 つの実験室を建設 奇瑞、上海汽車向けサービス強化
美国汽車新聞·中国 2008 年 9 月 17 日
自動車エンジン/トランスミッションシス テム設計大手の英リカルド
(Ricardo)社は、昨年上海虹橋開発区に同社にとって初めてとなる技
術センターを設立し 12 名のエンジニアを招聘したのに続き、現在新た
に上海市内に 2 つの大規模実験室を建設しており、2011 年には上海技術
センターの従業員数を 130 人まで増員する計画を進めている。
リカルドのライバルである独 AVL List GmbH も、中国地場の自動車メーカーが独自技術
エンジンの開発を積極的に勧めていることから、中国地場メーカー向けのエンジン開発
技術サービスのチャンスが急増しているとしている。
リカルドは 25 年前に中国の国有トラックメーカー向けにディーゼルエンジン開発技術
サービスを開始し、いまでは中国国内の長期契約ユーザーは 20 社以上に上っている。リ
カルドにとって中国地場で最大のユーザーは奇瑞汽車で、奇瑞汽車は 2003 年にリカルド
の技術協力により A5 セダン車用ハイブリッドエンジンの開発に成功、来月から販売を開
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2008 年 9 月号
始する予定になっている。上海汽車も 2005 年にリカルドを起用し買収した英ローバー
(Rover)の技術改良を行っている。
リカルドは今年 8 月に上海漕河涇高科技園の新実験室に英国本社からエンジニアを常駐
させたほか、今年末までには上海市街地から西に 30 キロほど離れた安亭区に小規模技術
センターを完成させる予定で、安亭区に設置された中国国有の大型試験走行道路及びそ
の他の試験施設をフルに活用したいとしている。
リカルドの昨年の世界売上高は 1.715 億ポンド(約 20.7 億元)だったが、そのうち中国
での売上高は 7%を占めるに至っている。一方、AVL 昨年の世界売上高は 6.25
億ユーロ(60.4 億元)で、そのうち 15%を中国で産出しており、リカルド
は今後も中国事業拡張を加速していくとしている。
リカルド社:www.ricardo.com/ AVL 社:www.avl.com/
【自動車】ContiTech 社、常熟に防振ゴム・空気バネ工場建設 年間売上 24 億元
美国汽車新聞·中国 2008 年 9 月 17 日
独コンチネンタルグループ傘下の世界最大の自動車用ゴム・プラスチック
部品メーカー、ContiTech AG 社は、江蘇省常熟市でエンジン用防振ゴム
部品及びエアスプリング(空気バネ)等を生産する工場の建設を開始した。
来年 3 月稼働予定で、年間 2.5 億ユーロ(約 24 億元)の売上高を見込ん
でいる。稼働時の従業員数は 300 名前後、2010 年には 600 名前後まで拡大する計画。
新工場は油圧系統用のシーリングゴム製品も生産する計画で、コンチネンタルグループ
が現在常熟に建設中の油圧ブレーキ工場を含む中国における姉妹工場向けに供給すると
いう。
コンチネンタルグループの常熟油圧ブレーキ工場は今年 10 月から量産を開始する予定
で、60%の製品は日本や韓国に輸出される計画。また、同工場の年産能力
は 2010 年にはブレーキキャリパ:500 万個、ブレーキ制御ユニット:240
万個、ドラム式ブレーキ:60 万個に達する計画。同工場はコンチネンタル
グループが独資で設立し、上海 GM、長安フォード、東風プジョシトロエン、
北京ベンツ-ダイムラークライスラー向けに供給することが決まっている。また、日本の
マツダ、日産向けにもブレーキ部品を供給する計画。
ContiTech 社:www.contitech.de/
339 号 9 月 22 日
【自動車】アルプス電気、大連にステアリングセンサー、東莞にキーレスエントリー新工場建設
2008-09-17 世華財訊
日本のアルプス電気は総額 40 億円を投じて中国及びチェコに新工場を
建設し、ステアリングモジュール及びリモートキーレスエントリーシス
テム等を増産する計画で、どちらの工場も 2009 年春の稼働を予定してい
る。アルプス電気はこの増産により中国及びチェコにおける 2010 年の自
動車部品売上高は今年比 3 倍の 300 億円に拡大するとしている。
38
2008 年 9 月号
このうち中国に建設される新工場は 2 つで、1 つの工場は現有の大連工場内に建設され
09 年 1 月稼働予定、主にステアリングモジュール用センサーなどを生産、もう 1 つの工
場は広東省東莞市に建設され、主にリモートキーレスエントリーシステム及び空調パネ
ルを生産、広州の日系自動車メーカー向けに供給するとしている。
【自動車】米 Charter、蕪湖のエンジン用バルブ/オイルレベルインジケーター工場を稼働
盖世汽車網 2008 年 9 月 19 日
米国の線材・棒材メーカー、Charter Manufacturging Company Inc 傘下の
米 Charter Automotive(旧 Milwaukee Wire Products)は、中国安徽省蕪
湖市に建設してきた製造・販売機能を持った新工場を正式に開業した。
Charter Automotive の蕪湖工場、傑徳汽車零部件(蕪湖)有限公司は今年
4 月初めに蕪湖経済技術開発区橋北工業園内に設立され、主に自動車エン
ジン用バルブ、オイルレベルインジケーター等の製品を生産、奇瑞汽車、
上海 VW、一汽 VW 向けに供給する。
Charter Automotive 社:www.charterautomotive.com/
【自動車】中国汽車報、2008 年中国の優良自動車部品メーカー100 社発表
2008-09-18 中国汽車報
中国汽車報は 2008 年の優良自動車部品メーカー100 社を以下の通りエンジンユニットメ
ーカー、エンジン付属ユニットメーカー、トランスミッション/ステアリングシステムメ
ーカー、ユニバーサルジョイント/ブレーキシステムメーカー、ボディ関連部品メーカー、
車載電子電気ユニットメーカー、汎用部品メーカー、今後成長が期待できるメーカー、
外資系メーカー別(順不同)に発表した。
1.エンジンユニットメーカー
濰柴動力股份有限公司、広西玉柴機器股份有限公司、一汽解放汽車有限公司無錫柴油機
廠、道依茨 Deutz 一汽(大連)柴油機有限公司、ハルピン東安汽車発動機制造有限公司、
東風康明斯 Cummins 発動機有限公司、東風朝陽柴油機有限責任公司、揚州柴油機有限責
任公司、上海柴油機股份有限公司、昆明雲内動力股份有限公司
2.エンジン付属ユニットメーカー
天潤曲軸股份有限公司、山東濱州渤海活塞股份有限公司、雲南西儀工業股份有限公司、
安慶帝伯格茨 TP Goetze 活塞環有限公司、亜新科 Asimco 南岳(衡陽)有限公司、湖南
天雁機械有限責任公司、汪氏威特電噴有限公司、儀徴双環活塞環有限公司、石家庄金剛
内燃機零部件集団有限公司、江蘇松林汽車零部件有限公司、成都正恒動力配件有限公
司、重慶西源凸輪軸有限公司、煙台万斯特有限公司、濱州海得曲軸有限責任公司
3.トランスミッション/ステアリングメーカー
万向集団、陝西法士特歯輪有限公司、遼寧曙光汽車集団股份有限公司、秦皇島戴卡興龍
輪有限公司、万豊奥特控股集団有限公司、青特集団有限公司、綦江歯輪伝動有限公司、
山東玲瓏橡胶有限公司、陝西漢德車橋有限公司、諸城市義和車橋有限公司、東風徳納車
橋有限公司、広東富華工程機械制造有限公司、中国南方工業汽車股份有限公司重慶青山
工業変速器分公司、重慶中意減振器有限責任公司、南方天合 TRW 底盤系統有限公司、杭
39
2008 年 9 月号
州依維柯 Iveco 汽車変速器有限公司、南陽淅減汽車減振器有限公司淅川汽車減振器廠、
中国南方工業汽車股份有限公司成都寧江減振器分公司、山西大同歯輪集団有限責任公
司、珠海華粤離合器有限公司
4.ユニバーサルジョイント/ブレーキシステムメーカー
豫北(新郷)汽車動力転向器有限公司、荆 州恒隆汽車零部件制造有限公司、浙江世宝股
份有限公司、重慶卡福汽車制動転向系統有限公司、長治液圧有限公司、南京馳力汽車伝
動装置有限公司、山東光岳転向節総廠、万安集団有限公司、浙江亜太機電股份有限公司、
瑞立集団有限公司、沙市久隆汽車動力転向器有限公司
5.ボディ関連部品メーカー
江南模塑科技股份有限公司、福耀玻璃工業集団股份有限公司、信義集団(玻璃)有限公
司、江蘇新泉汽車飾件有限公司、南京奥特佳冷機有限公司、常州工業技術玻璃有限公司、
重慶建設車用空調器有限責任公司、上海加冷松芝汽車空調有限公司、江蘇曠達汽車織物
集団股份有限公司
6.車載電子電気ユニットメーカー
寧波華翔集団股份有限公司、東風電子科技股份有限公司、上海東方久楽汽車安全気囊有
限公司、江蘇超力電器有限公司、深圳市航盛電子股份有限公司、株洲湘火炬火花塞有限
公司、佛山市三水好帮手電子科技有限公司、広東瑞図万方科技有限公司、深圳市特爾佳
科技股份有限公司、東莞常禾電子有限公司
7.汎用部品メーカー
山東金麒麟集団有限公司、貴州貴航汽車零部件股份有限公司、襄陽汽車軸承股份有限公
司、陝西奉航橡胶密封件有限責任公司、山東美晨汽車部件有限公司、龍口市飛輪汽車配
件有限責任公司、重慶杜克高圧密封件有限公司、中車集団南京七四二五工廠
8.今後成長が期待できるメーカー
江蘇飛船股份有限公司、重慶大江信達車輌股份有限公司、湖南江麓容大車輛伝動股份有
限公司、東莞金洲歯輪機械有限公司、重慶紅岩長力汽車弾簧有限公司、重慶海特実業有
限公司、長春亜大汽車零件制造有限公司、蓬莱万寿機械有限公司、広東強華汽車无刷発
電機有限公司
9.外資系メーカー
德爾福派克 Delphi Packard 電気系統有限公司、博世 Bosch 汽車部件(蘇州)有限公司、
聯合汽車電子有限公司(Bosch 系)
、江森自控 Johnson Cotrols 汽車内飾管理(中国)有
限公司、采埃孚 ZF 伝動技術(蘇州)有限公司、華納聖龍 Borg Warner(寧波)有限公司、
索密克 Somic 汽車配件有限公司、北京佩特来 Prestolite 電器有限公司、煙台英納法
Inalfa 汽車天窗系統有限公司
索密克 Somic 汽車配件:www.somic.com.cn/
北京佩特来 Prestolite 電器:www.prestolite-bj.com/
煙台英納法 Inalfa 汽車天窗系統:www.inalfa-roofsystems.com/
【自動車】いすゞ、広州汽車とのバス合弁を解消 香港中隆/広州汽車合弁に統合
2008/09/18 世華財訊
日本のいすゞ自動車が広州いすゞバスから撤退し広州汽車とのバス
40
2008 年 9 月号
合弁を解消したことに伴い、広州汽車集団は 9 月 16 日、広州いすゞバスと広州駿威バ
ス(香港中隆投資と広州汽車の合弁)を統合、新たに広州汽車集団バス有限公司を設立
させた。
【自動車】中国科技省、カナダ政府系の NRC と共同で車用水素燃料電池を開発
中国科技省 2008 年 9 月 19 日
中国科技省は、カナダ政府系の研究開発機関である National Research Council(NRC)
と自動車用水素燃料電池を共同開発することで合意、覚書を締結した。契約期間は 4 年。
NRC:www.nrc-cnrc.gc.ca/
【自動車】中国の自動車産業、8 月の販売後退を 9 月以降に修復できるかに注目
2008/09/18 招商証券研究所
中国国内の今年 8 月の自動車生産・販売台数は 61.55 万台、62.9 万台で、昨年同期比 3.5%
減、6.34%減、そのうち乗用車の販売台数は 45.13 万台で昨年同期比 6.24%減、商用車の
販売台数は 17.77 万台で昨年同期比 6.59%減となり、米国の金融不安に端を発する資産
価値下落に伴う消費意欲の減退、ガソリン・軽油などの石油製品価格の高騰などが高成
長を続けてきた中国の自動車産業にも大きく影を落とし始めた。株価の下落などの資産
価値の下落は富裕層の購買意欲を大きく低下させており、8 月の中高級セダン車の販売
台数は 6.4 万台にとどまり、昨年同期比 10.68%も減少した。
資産デフレ、石油製品価格の高騰が自動車販売低下の主因ではあるものの、消費者の自
動車価格の値下げ期待、自動車消費税引き下げ期待、ユーロⅢに相当する中国独自排ガ
ス規制(国Ⅲ)実施などが複合的に作用して消費者の消費意欲を後退させていると見ら
れている。
国Ⅲの実施については、これまで高い伸びを持続してきた商用車の販売に大きな影響を
与えており、今年 8 月の商用車の販売台数は昨年同期比 6.59%減となったが、今後国Ⅲ
対応エンジンが大量に出荷されることから今後は売上げが徐々に回復してくるとも見ら
れている。また、自動車消費税引き下げ期待については、8 月 14 日に中国財政省及び税
務総局が既に 9 月 1 日から自動車消費税を引き下げることを発表、1 リッター以下の乗
用車消費税率を 3%から 1%に引き下げられることから、9 月以降小型自動車の販売が回復
してくると見られている。8 月の自動車販売台数の落ち込みは 9 月以降の回復で修復で
きると見られているが、直近のリーマン/AIG ショックは想定されていなかったので回復
は予想を大きく下回り小規模なものに終わる可能性が指摘されている。
【液晶パネル】奇美、8.5G 工場の設備据付を延期 群創も 6G 工場の稼働を延期
2008-9-17 中華液晶網
世界経済の減速が鮮明になる中、液晶パネルメーカーが建設中の新工場の稼働時期を遅
らせる措置を取り始めたことから、液晶パネル製造設備メーカーへの影響が懸念され始
めた。
世界第 4 位の液晶パネルメーカー、奇美電子(CMO)が製造設備メーカーに対し 8.5 世
代工場の設備据付時期を遅らせることを通知したほか、台湾第 5 位の液晶パネルメーカ
41
2008 年 9 月号
ー、群創光電(Innolux)も第 6 世代工場の稼働時期を遅らせることを決めた。また、
台湾第 3 位の液晶パネルメーカー、中華映管(CPT)も新工場建設計画を撤回し、既存
の第 6 世代工場の拡張に変更した。
ただ、台湾のディスプレイ市場調査機関 WitsView は、全てのセグメントが悪いわけでは
なく、今年 8 月のテレビ用液晶パネルの出荷枚数は前年比 18.6%増の 915 万枚に達して
いるとしている。WitsView アナリストは、テレビのブランドメーカーが年末商戦に備え
て大量出荷の準備に入り始めたと分析している。
【液晶テレビ】瑞軒、傘下の VIZIO 液晶テレビを蘇州で生産 来年 500 万台出荷
2008-9-18 中華液晶網
台湾の大手液晶テレビ OEM メーカー、瑞軒科技(Amtran)の董事長、呉
春発氏は、在庫のだぶつきによりテレビ用液晶パネルの価格は今後しば
らく下落が続く見通しで、テレビ用液晶パネルの市況が本格的に好転す
るには大型液晶テレビブランドメーカーがもう一段の値下げを行うこ
とで在庫水準を引き下げることが必要との見方を示した。
同氏は、米国のアナログ放送停止に伴い来年の米国のデジタル液晶テレ
ビ需要は今年の約 3000 万台を大幅に超えることが予想されることから、瑞軒は来年の
液晶テレビ出荷目標を今年比 25%増の 500 万台に設定、売上高も 800 億 NTD、粗利率
10-12%を目標としているという。瑞軒は先般韓国 LG ディスプレイとの戦略的パートナ
ーシップ関係を結び、蘇州で液晶モジュール生産及び傘下 VIZIO ブランドの液晶テレビ
組立を行うことを決めており、液晶パネルメーカーとのタイアップにより低価格の
VIZIO ブランド液晶テレビの拡販を狙っている。来年は米国市場だけでなくカナダ市場
にも販売攻勢をかける計画という。
瑞軒の今年の出荷台数は 400 万台を突破する見込みで、そのうち傘下の液晶テレビブラ
ンドメーカーVIZIO の OEM が 8 割、残り 2 割の出荷は他社ブランドの OEM が占めている
という。 瑞軒科技:www.amtran.com.tw/
VIZIO 社:www.vizio.com/
【プラズマ】長虹、年末迄に PDP パネル量産開始 LG 撤退を機に国内シェア拡大狙う
2008-9-18 PCB 中国網
韓国 LG が中国のプラズマテレビ市場から撤退することを発表する中、60 億元を投じて
PDP 生産ラインを完成させた長虹(Changhong)は、今年末までに試験生産を終え、42
型、50 型 PDP パネルの量産を確実に開始したいとしている。長虹にとっては国内シェア
を一気に拡大することが出来る千載一遇のチャンスと見ている。
今年の中国国内のプラズマテレビの販売台数は 200 万台に達する見込みで、長虹はその
4 分の 1 シェア確保を狙っている。2010 年の世界のプラズマテレビ販売台数は 3000 万台
を超え、世界のテレビ市場の 15%を占めると見られていることから、世界市場でのシェ
ア拡大も狙っている。
今後、長虹の最大のライバルとなるのは三星、LG、松下、日立などの外資ブランドだが、
松下は来年大型パネル 16 枚をカットできる次世代生産ラインを建設、三星/LG も大型パ
ネル 8 枚をカットできる現有生産ラインの生産能力を拡張することから、競争は厳しさ
42
2008 年 9 月号
を増すことが予想され、長虹も今般 30 億元を投じて 2 本目の PDP 生産ラインを建設す
ることを明らかにしている。
【PCB】瀚宇博徳、NB 用 PCB 世界市場シェア 4 割突破 小型 NB 用では 6 割超
2008-9-18 中国 PCB 技術網
世界最大のノートパソコン用プリント基板メーカー、瀚宇博徳(HannStar)の今年上期
のノートパソコン用プリント基板の世界市場シェアは 4 割を突破した。
シェア拡大のけん引役となっているのが低価格の小型ノートパソコンで、同社の今年上
期の低価格小型ノートパソコン用プリント基板出荷枚数は 130 万枚、低価格小型ノート
パソコン用プリント基板の世界市場シェアは 6 割を超えたという。瀚宇博徳の設備利用
率は 1Q は 80-90%だったが、2Q は 100%に達し、3Q も 90%以上を見込んでいるという。
【PCB】台湾上場 FPC メーカーの今年 8 月の売上高統計表
単位:千 NTD
【半導体】武漢新芯、中芯の Spansion 社 43 ナノ技術フラッシュメモリ受注で正式稼働
2008-9-18 第一財経日報
総額 100 億元を投じて建設され中芯国際(SMIC)が受注/生産管理を請け負う武漢 12 イ
ンチ半導体生産事業、武漢新芯集成電路有限公司が 22 日、正式に稼働することとなっ
た。
武漢新芯は中芯国際の中国内地における上海、天津、北京、成都に次ぐ 5 つ目の生産拠
点となる。中芯国際は現在深圳に中国内地 6 番目となる生産拠点も建設している。武漢
新芯は、これまでの 4 つの拠点とは異なり、中芯国際は直接出資せず受注/生産管理の
みを行う形態を取っており、100 億元の投資は武漢市政府が全額負担している。そのた
め、武漢新芯の実質的経営支配権は中芯国際にはなく武漢市政府にあるとしている。た
だ、中芯国際は武漢新芯の運営が軌道に乗れば 2-3 年以内に生産ラインを買い取る可能
性にも言及している。
一方、武漢新芯が今般ほぼ計画通りに稼働できることになったの
は、フラッシュメモリ大手の米 Spansion が 43 ナノ MirrorBit 技術フラッシュメモリ
ORNAND2 の製造を正式に中芯国際に委託することを決めたためで、Spansion は 65 ナノ
MirrorBit 技術 Eclipse/EcoRAM に続いて 43 ナノ技術製品でも中芯国際との協力関係を
維持することを決めた。Spansion は近く 43 ナノ技術を武漢新芯に移転し来年には 43 ナ
ノ技術製品の量産を開始する予定。Spansion 社:www.spansion.com/
43
2008 年 9 月号
340 号 9 月 24 日
【パソコン】デル、緯創にアイルランド工場を含む複数工場を売却か 売却交渉本格化
2008-9-19 巨亨網、第一財経日報
世界第 3 位のノートパソコン OEM メーカー、台湾の緯創(Wistron、下
表参照)は、現在アッセンブリ工場の売却を進めている米デルの一部工
場を買収することを決めた模様。どの工場を買収するかについては、緯
創は未だ明らかにしていないが、先日デルがアイルランド工場の売却交
渉を進めていると報じられていることから、アイルランド工場を含んだ
複数工場となる可能性が高いと見られている。デルは米国内に 4 工場、アイルランド、
インド、中国、ブラジル、マレーシア、ポーランドにそれぞれ 1 工場を
保有しているが、アイルランド工場については、従業員数が 3 千名に上
り、世界に展開している工場の中でも労働コストが最も高い工場の 1 つ
との評価をされており、市場では売却の最優先候補になると見られてい
た。
デルのアイルランド工場があるリムリック(Limerick、右地図)市は人
口 9 万人の小都市であることから、デルが工場を閉鎖すれば都市の雇用情勢に深刻な影
響が出るとしている。緯創:www.wistron.com/
今年 1Q ノートパソコン OEM 市場における主要 OEM メーカーシェア及び主要ユーザー
主要 OEM メーカー
シェア
1
広達 Quanta
31%
HP、 Dell、 Apple、 Acer、 Lenovo
2
仁宝 Compal
24%
HP、 Dell、 Acer、 Toshiba、 Lenovo
3
緯創 Wistron
16%
Acer、 Dell、 HP、 Lenovo、 FSC
4
英業達 Inventec
11%
HP、 Toshiba、 FSC、 Acer
5
和碩 Pegatron
8%
ASUS、 Toshiba、 Dell
その他
9%
Total
出所:Displaysearch
主要ユーザー
100%
【パソコン】宏碁、3Q 売上 2Q 比 25%増見込む 9 月のノート出荷が HP を上回るか
2008-9-22 Digitime
米国のサブプライムローン危機がリーマンブラザーズの破綻にまで拡大する中、世界第
3 位のパソコンメーカーである宏碁(Acer)は世界 300 社近くのメディアを招待し、宏
碁(Acer)のマルチブランド(Multi-Brands)戦略のビジョンを説明するとともに、来年初
めに販売を開始する新製品シリーズも発表した。
その中で、宏碁の総経理、Gianfranco Lanci 氏は、今年 3Q の売上高は 2Q 比 23-25%増
となったこと、今年通年の売上高が 200 億米ドルを突破する見込みであることを明らか
にするとともに、2011 年の売上高目標を 300 億米ドル、ノートパソコン市場での世界シ
ェア第 1 位を目指すことも明らかにした。
44
2008 年 9 月号
Lanci 氏は、世界経済が減速している中でも宏碁の 3Q の売上高が前四半期比 23-25%の
伸びを達成したことは、米国経済がたとえ後退しても、欧州経済、アジア経済が成長す
れば世界経済を牽引できることを示してくれていると述べ、宏碁が欧州市場、アジア市
場を含む新興国市場に強い販売網を持っていたことが幸いしたとしている。
また、Lanci 氏は、今年の小型ノートパソコン(いわゆる Netbook)市場規模が 1000 万
台を突破する見通しであることから今後新規参入者が増えることが予想
されるものの、今年については華碩を含む 1-2 社にシェアが集中する状況
が続くと予想。また、宏碁の Netbook シリーズである Aspire One(右)の
売上げが急速に伸張していること、また緯創及び広達が 9 月以降に大量に
宏碁の個人用機種を出荷していることから、宏碁の 9 月の Netbook を含め
たノートパソコン出荷台数が月間過去最高の 380 万台に達し、初めて HP の月間ノート
パソコン出荷台数(Netbook 含む)を上回る可能性が出ているとしている。
【液晶テレビ】三星、今年の台湾からの部品・原材料調達額が昨年比 44%増に
2008-9-18 中華液晶網
世界最大の液晶テレビブランドメーカー、韓国三星電子の今年の液晶テレビ販売台数は
年初目標 2100 万台を 200 万上回る 2300 万台に達し、世界市場シェアは 20%を超える見
込み。これを受けて、友達(AUO)、奇美(CMO)、華映(CPT)などの三星ブランド液晶
テレビ用パネルの主要サプライヤーは大きな恩恵を受けている。
今年の世界の液晶テレビ市場規模は 1 億台以上に達する見通しであるが、三星がシェア
第 1 位となることがほぼ確実となっている。三星は、ソニーとの合弁である S-LCD から
必要としているパネルの 6 割を調達しているが、残り 4 割は外部から調達しているが、
外部最大の調達先が友達、奇美、華映などの台湾メーカーとなっている。
三星の今年の台湾からの各種部品・原材料調達額は 81 億米ドルに達すると見られてい
るが、三星の昨年の台湾からの同調達額は 56 億米ドルであるので、前年比 44%も伸張
することになる見通し。
三星の今年上期の世界の液晶テレビ市場におけるシェアは台数ベースで 20.4%、金額ベ
ースで 23.9%で、10 四半期連続で世界第 1 位を維持していることになる。
【携帯電話】夏新、パソコン/液晶テレビから完全撤退 13 億元を携帯電話に投資
2008-9-19 成都商報
赤字経営が続いている中国地場の電子機器メーカー、夏新電子(Amoy)は、今年 5 月か
ら液晶テレビの生産を停止、7 月から量販店での自社ブランド液晶テレビの販売を停止
している。同社はノートパソコン事業及び液晶テレビ事業から完全に撤退し、今後は携
帯電話事業に集中する戦略を明確にしている。
夏新電子は 2002 年に液晶テレビ事業に参入、その翌年にはノートパソ
コン事業に参入したが、携帯電話事業が 2004 年からの参入障壁撤廃に
伴う競争激化で低迷したほか、巨額の先行投資を行った液晶テレビ、ノ
ートパソコン事業も収益モデルを構築できないまま撤退に追い込まれた。夏新の昨年の
純損失は 8.44 億元、今年上期の純損失は 4.04 億元に達している。
45
2008 年 9 月号
夏新電子は先週、中国電子信息産業集団を含む株主から 12.7 億元の融資を獲得、携帯
電話事業、特にスマートフォン事業(右)に集中的に投下することを明らかにしている。
夏新電子:www.amoi.com.cn/
【PCB】中国の低価格 PCB 生産規制、パソコン向け PCB メーカーの生産拡張に影響
2008-9-20 PCBTN
中国政府の電子機器用プリント基板(PCB)の生産規制が、パソコンなどの電子機器の生
産に大きな影響を与え始めており、特にパソコン向けを中心に今年 3Q から PCB の需給逼
迫状況が拡大し始めているという。
中国政府は自国の産業の高付加価値化を促すため、法定最低賃金の引き上げや労働契約
法の実施により平均賃金を引き上げるとともに、環境保護政策強化により低付加価値産
業を排除しようとしており、低価格 PCB 製造業などの汚染産業の生産能力の拡張を制限
する政策を打ち出している。
台湾の PCB メーカーのうち、マザーボード用 PCB を主力とする育富(Yufo)、定頴
(Dynamic)、精成(Elite)のほか、ノートパソコン用 PCB を主力とする瀚宇博徳
(Hannstar)、金像電子(Gold Circuit)は、中国政府の低付加価値 PCB 生産の制限と
PCB 生産拡張に対する煩雑な許認可手続を嫌って、中国での生産拡張を取り止めベトナ
ムに新工場を建設するケースも増えている。
今年のデスクトップパソコンの出荷台数は 1.5 億台、ノートパソコンの出荷台数は 1.2
億台に達すると見られている。
【PCB】全懋、蘇州工場建設計画を凍結 景碩も蘇州工場稼働を来年末に延期
2008-9-20 聯合新聞網
半導体産業の不透明感が強まる中、IC 用プリント基板を主力とする全懋精密(Phoenix)
が総投資額 5000 万米ドルの新工場建設計画を凍結したほか、
華碩グループ傘下の景碩科技(Kinsus)も現在建設中の蘇州
工場の完成・稼働時期を来年末まで延期することを決めるな
ど、IC 用プリント基板メーカーの生産能力拡張に急ブレーキ
がかかっている。
全懋は世界最大の BGA 基板メーカーで、近年は Flip Chip(FC)基板、チップサイズ(CSP)
FC などの IC 基板の生産も行っている。今年 5000 万米ドルを投じて蘇州に同社初の中国
内地生産拠点を建設する計画だったが、今後予想される半導体需要低迷に備えて同計画
の一時凍結を決めた。
景碩も 2006 年に 5000 万米ドルを投じて蘇州に蘇州統碩科技を設立、既に工場の建設を
開始しているが、受注の伸び悩みと中国内地の労働コストの上
昇から工場完成を来年末に延期することを明らかにしている。
全懋、景碩の今年 8 月の売上高は 7 月を上回ったものの、両社ともに昨年 8 月の売上高
を下回っており、米国の金融不安の影響が出ている。
全懋精密:www.ppt.com.tw/
www.kinsus.com.tw/
BGA 基板:Ball Grid Alley 基板。IC のパッケージの型の一種でボール状のはんだ電極
46
2008 年 9 月号
が裏面に並んでいる。
【太陽電池】上海電気、江蘇省塩城に 10 億元を投じ太陽電池生産基地を建設
中国電子部品産業協会 2008-9-22
中国地場の大手総合電機メーカー、上海電気集団股份有限公司は 9 月
20 日、江蘇省塩城経済開発区に太陽電池生産基地を建設することで合意、
同開発区と正式に契約を締結した。
総投資額は 10 億元、2010 年末には 20 本の生産ラインを建設、年間生産
高は 50 億元以上に達する見込み。 上海電気集団:www.chinasec.com/
【新規定】昆山市、貸工場使用の台湾企業に賃金 2 ヶ月分相当保証金積立要求
2008-9-19 中国経済日報
昆山市政府は、経営破綻した台湾系企業が中国内地に債務を残したまま台湾に逃亡する
事案が急増していることを受けて、自社工場を持たず貸工場を使って生産活動を行って
いる台湾系企業に対して、2 ヶ月分の従業員賃金に相当する保証金の積み立てを義務付
けることを決め、一部区域ですでに試験運用を開始した。
昨年末以降、原材料価格の高騰、人件費の高騰、人民元の高騰のいわゆる三高により、
珠江デルタ及び長江デルタで台湾系企業、香港系企業、韓国系企業が経営破綻に追い込
まれるケースが急増、出資会社が一方的に工場を閉鎖し賃金や工場賃貸料が未払いとな
っている事案も急増している。
昆山台商協会は、7 月末に開催された今年上期の市政府との市政懇談会の席で、上記の
保証金積み立て制度の実施を移行期を設けて段階的に導入することを求める要望を行っ
たが、昆山市政府側は地元の労働者、企業、銀行などの権益を守るため政府が前面に出
た早急な実施が必要としている。ただ、納税実績が 3A の優良企業については保証金の積
み立て義務は負わせないとしている。
昆山に進出している台湾系電子機器メーカーは、一部台湾企業の夜逃げのような行為は
許せないものの、それらはあくまで個別の事案であり、全ての台湾系企業を対象に今回
のような保証金積み立て制度を導入するのはおかしいとコメントしている。
既に資金繰りに窮している中小の台湾系企業にとっては、清算時に返還される保証金と
はいえ 2 か月分の賃金に相当する資金を政府に預け入れることは大きな資金負担となり、
撤退を余儀なくされる企業も出てくるとの声も出ている。
【自動車】独ゲトラグ、贛州分工場でフォードセダン車用変速機の生産を開始
中国赣南日報 2008 年 9 月 19 日
独大手変速機メーカー、ゲトラグ(Getrag)と江鈴汽車集団(本社:江
西省南昌市)の合弁企業、格特拉克(江西)伝動系統有限公司の贛州分
工場が正式に変速機の生産を開始した。
同合弁企業は昨年初めにゲトラグ 66.7%、江鈴 33.3%の出資比率で設立
され、主に乗用車用変速機を生産している。贛州分工場稼働後の同合弁
47
2008 年 9 月号
企業全体の年産能力はフォードセダン車用変速機 15 万台分、輸出用ノックダウン部品
7.5 万台分、年間売上高 5 億元を見込んでいる。
ゲトラグ:www.getrag.de/
江鈴汽車:www.jmc.com.cn/
341 号 9 月 26 日
【パソコン】鴻海、和碩のマジョリティ取得に向けて華碩と交渉中 株式交換方式採用
2008-9-23 台湾経済日報
世界最大の EMS メーカー、鴻海(Hohai Foxconn)が、世界最大の電子機器 ODM メーカー
である華碩(Asus)グループと株式交換方式で華碩の 100%子会社である OEM 事業会社・
和碩(Pegatron)の経営権を取得する方向で交渉を行っていることが明らかになった。
先日、華碩がこれまで和碩に発注してきたノートパソコンの OEM の一部を鴻海に、デス
クトップパソコンの OEM の一部をフレクトロニクスに転注したことが明らかになったが、
その延長線で華碩が 100%子会社の和碩をいつ、どのグループに売却するかに注目が集
まっていた。今般その有力候補が鴻海であること、今のところフレクトロニクスではな
いことが明らかになった。
鴻海の今年の単体売上高は約 1.5 兆 NTD、連結売上高は約 2 兆 NTD、一方和碩の今年の売
上高は 5 千億 NTD であるので、鴻海が和碩の吸収合併が実現すれば、年間売上高 2.5 兆
NTD の巨大 EMS メーカーが誕生することになる。和碩の純資産は約 800 億 NTD であるの
で、鴻海が和碩のマジョリティを取得するには、400 億 NTD を超える株式を交換する必
要がある。
市場は、和碩の設計能力はマザーボード、ノートパソコン、ゲーム機、各種ネットワー
ク製品など多岐にわたるとともに、グローバルな生産販売ネットワークも持つことから、
鴻海と合併する効果は非常に大きいと見ている。鴻海は今年下期に入ってからはアップ
ル iPhone 3G 効果などから売上高が大きく伸張しているものの、上期の純利益は前年同
期比 1 割以上減の 279 億 NTD にとどまっていた。そのため、市場からは収益力向上のた
め事業の再構築を求める声が上がっていた。鴻海にとっては和碩との合併は事業再構築
に向けての重要なステップとなる。
世界の主要 EMS メーカー上位 5 社
順位
メーカー
2006 年シェア
1
Foxconn
25.0%
2
Flextronics/Solectron 18.4%
3
4
5
Jabil Circuit
Sanmina-SCI
Celestica
11.3%
6.9%
5.6%
【パソコン】デル/HP、部品ベンダーあて部品購買 RFQ 出状を 10 月以降に延期
2008-9-23 Digitimes
世界経済の大幅減速が懸念される中、世界の大手ブランドノートパソコンメーカーが
2009 年の資材調達計画策定を市況を見極めた上でじっくりと慎重に行いたいとしてお
48
2008 年 9 月号
り、IC 流通業者によると、例年 8-9 月に出状する資材購買見積依頼書(RFQ)を 10 月以
降に延期する動きが出ている。部品ベンダー各社がデル及び HP に確認したところ、RFQ
の出状がこれまでで最も遅い 10 月以降に行われることが明らかになったという。
部品ベンダーは、デル及び HP が RFQ を 10 月以降出状することになった最大の理由は世
界経済の減速傾向が鮮明になっていることではあるが、インテルの新世代プロセッサ
Montevina の出荷が遅れていることもそれに次ぐ大きな要因としている。
【パソコン】三星電子、LG 電子に次いで Netbook 市場に参入 大型キーボードを採用
2008-9-23 拓撲産研
韓国三星電子は、LG 電子に次いで低価格小型ノートパソコン Netbook
市場に参入することを発表、NC10 シリーズ(右写真)の韓国国内で
の販売を開始した。今後、欧州、米国、中国市場でも販売を開始す
る予定という。
NC10 シリーズは B5 サイズで 10.2 インチ液晶パネルを採用、120GB ハードディスク、1GB
DDR2 メモリ、130 万画素デジタルカメラ、802.11bg ワイヤレスネットワーク、Bluetooth
2.0、8 時間持続可能のバッテリ(57.72Wh)を搭載している。重量は 1.3 キログラム、キ
ーボード面積は従来型ノートパソコン比 93%を確保している。
【携帯電話】携帯電話大手 3 社、タッチパネル型市場シェア 87% ノキアは出遅れる
2008-9-23 Digitimes
アップル iPhone の登場により巻き起こったタッチパネル型(Touch UI)携帯電話ブームは
三星電子、モトローラなどの大手ブランドメーカーの参入を促し、タッチパネル携帯電
話市場の形成に大きく貢献、タッチパネル型携帯電話市場は年率 90%で成長し続けてい
る。
ただ、大手ブランドメーカーのタッチパネル型携帯電話参入に伴って、本家 iPhone のタ
ッチパネル携帯電話市場全体に占めるシェアは 10%以下まで大幅に低下しており、一方、
三星、モトローラ、ソニーエリクソンの同市場におけるシェアはそれぞれ 33%、30%、24%、
同 3 社のシェアは合計 87%に達するまでに拡大している。
携帯電話最大手のノキアについては、これまでタッチパネル型携帯電話の開発には消極
的だったことが仇となり、三星、モトローラ、ソニーエリクソンによる市場寡占を許す
ことになっている。ノキアは来月から漸くタッチパネル型市場に本格参入する。
【液晶パネル】友達、輔祥実業を介して導光板 PMMA 事業に参入 奇美に対抗
2008-9-22 中華液晶網
世界第 2 位、台湾最大の液晶パネルメーカー、友達光電(AUO)は、液晶パネル用バック
ライトの主要調達先である台湾輔祥実業(Forhouse)の筆頭株主(14.7%株式保有)と
なることで、独エボニック・デグサ(Evonik Degussa)社との合弁で導光板用 PMMA(ア
クリルコンパウンド樹脂)製造を行っている輔祥実業を介して導光板用 PMMA 事業に本格
参入することを決めた。PMMA 分野で世界をリードしている奇美実業(Chi Mei)及びそ
のグループ傘下の奇美電子との対決姿勢を鮮明に打ち出し始めた。友達光電は市場環境
49
2008 年 9 月号
が悪化する中、川下戦略とともに川上戦略も加速することで業界随一のバリューチェー
ン、高収益構造を構築することが不可欠との判断を強めている。
世界第 4 位、台湾第 2 位の液晶パネルメーカー、奇美電子は、川上に上記の奇美実業を
持つことから川下戦略さえ成功させれば、収益力においては友達光電を上回ることは必
至と見られていることから、原材料事業が弱いとさ
れる友達光電は川下を攻めながら同時に川上戦略
も攻めるというパラレル戦略を取ることが求めら
れる。
導光板:アクリル板の表面に特殊加工を行い端面か
ら入った光を均一に面発光させる板(右図参照)。
【液晶パネル】LG Display、10 月から減産停止 IT 機器用パネル需要に明るさ戻る
2008-9-23 Digitimes
世界第 3 位の液晶パネルメーカー、LG Display の CEO、Kwon Young-soo 氏は、台湾の大
手メーカーの協調減産、及び新規生産ラインの稼働延期や建設凍結などのおかげで世界
の液晶パネル需給関係に好転の兆しが見られるとして、7 月から実施してきた減産体制
を停止し 10 月から生産体制を通常体制に戻すことを明らかにした。
同氏は、本格的需要期に入ったノートパソコン用中小型パネル、携帯電話用小型パネル
の需要の盛り上がりも直近の需給バランス好転に大きく寄与していると分析している。
ただ一方、テレビ用パネルの需要については依然低迷状態が続いていると見ている。そ
のため、テレビ用大型パネルを生産する第 8 世代パネル生産ラインの建設については一
時凍結を求める声も出ているが、今のところ年初計画通り 2009 年下期稼働の方向で建設
を進めるとしている。
4Q は赤字決算になるのではとの問いに対しては、同氏は価格が下落局面にあるものの、
大口ユーザーを確保し販売ルートが固定化された中での価格下落であるため、2006 年の
ような大幅損失には陥らないとコメントしている。
また、先般伝えられた米大手 LED メーカー、Cree 社との中国南京での LED バックライト
合弁事業については、依然交渉中で結論は出ていないとしている。
【液晶パネル】世界の液晶パネル価格、モニタ/ノート用下げ止まる テレビ用は下落続く
WitsView 2008-09-19
ディスプレイ市場調査機関 WitsView の 9 月下旬の液晶パネルの最新価格調査によると、
6 月以降下落し続けてきたモニター用、ノートパソコン用液晶パネルの価格がようやく
下げ止まりを見せた。一方、これまで下落率が小幅にとどまっていたテレビ用液晶パネ
ル価格は依然小幅下落が続いていることが明らかになった。モニター用、ノートパソコ
ン用パネルの価格が下げ止まった背景には、中国の国慶節ゴールデンウィーク、クリス
マス、年末年始商戦と続く本格需要期の到来があり、パソコン及び携帯電話の大手ブラ
ンドメーカーが 9 月に入って大量出荷の本格的準備に入ったと見られている。
WitsView は、9 月の IT 用液晶パネル出荷量は 8 月比 3-5%増、テレビ用液晶パネルは同
10%前後増となったとしており、この増勢は 11 月頃まで続くと予想している。
50
2008 年 9 月号
世界の液晶パネル出荷価格 9 月 19 日時点
LCD TV
Monitor
Notebook
Size
9 月 19 日
9月5日
変動
42"W
420
430
-2%
37"W
350
360
-3%
32"W
250
260
-4%
26"W
175
180
-3%
22"W
108
108
0%
20.1"W
93
93
0%
19"
95
95
0%
19"W
83
83
0%
17"
78
78
0%
17"W
96
96
0%
15.4"W
73
73
0%
14.1"W
70
70
0%
価格単位:米ドル
【PCB】米 M-Flex 社、1.2 億米ドルを投じて成都ハイテク区にフレキ基板工場を建設
2008-9-23 PCB 中国網
シンガポールの複合企業 WBL グループ傘下の世界第 5 位のフレキ基板
メーカー、米国 M-Flex(Multi-Fineline Electronix)社は、四川省成都
市ハイテク区に 1.2 億米ドルを投じてフレキ基板工場を建設すること
を発表した。9 月 22 日、M-Flex 社は同ハイテク区管理委員会と正式に
覚書を締結した。米 M-Flex:www.mflex.com/
【半導体】中国地場の半導体ファウンドリ産業、規模拡大に向け合併統合を模
索か
2008-9-23 SEMI
中国政府の財政支援のもと、累計数十億米ドルを投じてきた中国の半導体ファウンドリ
産業が依然厳しい経営を強いられており、半導体市場調査機関 IC Insights 総裁の Bill
McClean 氏は、中国地場の半導体ファウンドリ産業は世界市場を席巻するという目標に
おいては失敗したに近い状況にあるという。
中国地場の半導体ファウンドリ産業で最も成功した企業といえる中芯国際(SMIC)の今
年の売上高見通しは 14.5 億米ドルで、2007 年の 15.5 億米ドル、2006 年の 14.6 億米ド
ルを下回るとともに、5 四半期連続の赤字決算が続いている。中芯国際はこういう状況
にもかかわらず依然大規模な拡張計画を進めている。
IC Insights によると、今年の売上高予想ベース、中芯国際の世界の半導体ファウンド
リ業界におけるランキングはシンガポールのチャータードに抜かれて第 4 位になる見通
51
2008 年 9 月号
しで、中芯国際の売上高は第 5 位のテキサスインストルメント(TI)の 2 倍以上ではあ
るものの、第 1 位の台積電(TSMC)、第 2 位の聯電(UMC)との差は一向に縮まっていな
い。台積電と聯電の今年の売上高見通しはそれぞれ 116.8 億米ドル、37.5 億米ドルとな
っている。
中国地場で中芯国際に次ぐ第 2 位、際 3 位、第 4 位の地位にある華虹 NEC(HHNEC)、和
艦(HeJian)、宏力(Grace)についても、売上高は拡大軌道にはあるものの、その成長
速度は予想を大幅に下回っており、世界市場における地位も中堅レベルにとどまってい
る。IC Insights によると、華虹 NEC 及び和艦の今年の成長率はどちらも 7%前後で売上
高はそれぞれ 3.6 億米ドル、3.55 億米ドル、また宏力は成長率は 13%に達するものの売
上高は 3.5 億米ドルにとどまると見られている。華虹 NEC、和艦、宏力の今年の世界の
半導体ファウンドリ市場における売上高ランキングはそれぞれ 13 位、14 位、15 位に低
下する見通し。
IC Insights は、2008 年の中国地場半導体ファウンドリの世界市場におけるシェアは
12.5%で、2007 年の 14%及び 2006 年の 13.2%から一歩後退する見通し。こうした状況
下、McClean 氏は、中芯国際は今後他の中国地場ファウンドリとの合併を模索するので
はないかと見ており、その第一弾として華虹 NEC との合併が近い将来あり得るとしてい
る。また、宏力もその他のファウンドリと合併する可能性があると予想している。
【フェライト】甘粛稀土新材料、高性能ネオジム磁石年産 1000 トン生産ラインを建設
中国電子部品産業協会 2008-9-23
中国地場の大手レアアースメーカー、甘粛稀土新材料股份有限公司は、
甘粛省に 2 億元を投じて高性能ネオジウム鉄硼素焼結磁石年産 1000 ト
ンの生産ラインの建設に着手することを明らかにした。年間売上高 2
億 1600 万元、利益 6 千万元を見込んでいる。甘粛稀土新材料:www.gsre.com/
52
2008 年 9 月号
342 号 9 月 29 日
【自動車】デンソー系部品メーカー 12 社、常州にエンジン用精密金属部品工場を建設
米国汽車新聞·中国 2008 年 9 月 24 日
柴田工業などのデンソー系列部品メーカー12 社が共同で設立した Wisdoms Corporation
(持ち株会社は在香港)は、広東省仏山での工場建設に続いて江蘇省常州
市にも新会社・衆智達汽車部件(常州)有限公司を設立、新工場を来月に
完成させ、正式のディーゼル及びガソリンエンジン用のスチール製及びア
ルミ製精密部品の量産を開始する。
デンソーはこれまで系列外の部品メーカーからエンジン用スチール製・アルミ製精密部
品を調達してきたが、系列外部品メーカーが金属価格の高騰を理由に価格の大幅引き上
げを要求してきたため、系列部品メーカーに中国国内での工場建設を
要請していた。デンソーは Wisdoms の常州工場建設により調達コスト
を相当抑制することができるとしている。Wisdoms 常州新工場で生産
される製品は主にデンソーの常州工場、無錫工場、広州工場向けに供給され、来年の売
上高は 8 億円を見込んでいるという。また、常州新工場は中国の環境規定を順守するた
め、1.5 億円を投じて汚水処理工場も建設するという。
Wisdoms は、自動車部品産業においても電子部品産業における EMS ようなビジネスモデ
ルが可能として、OEM/ODM と異なり自ら部材調達を行い低コスト生産を行う新たなビジ
ネスモデルの構築を目指しているという。
Wisdoms Corporation:wisdoms-net.com/
【自動車】元豊、中国地場ブランド商用車用空気圧ディスクブレーキ市場で 95%シェア
長江日報 2008 年 9 月 25 日
米投資会社 Key Principal Partners(略称 KPP)などの共同出資で設立さ
れ た ブ レ ー キ 部 品 を 得 意 と す る 亜 新 科 工 業 技 術 有 限 公 司 (ASIMCO
Technologies Limited)、中国地場の武漢元豊汽車零部件有限公司が合弁
で設立した武漢亜新科元豊制動系統有限公司(ASIMCO Yuanfeng Braking
Systems Wuhan)は、2007 年の中国国内の中国地場ブランド商用車の空気
圧式ディスクブレーキ市場で 95%のシェア、中国国内の中国地場ブランド商用車の油圧
式ディスクブレーキ市場で 12%のシェアを獲得するに至っている。元豊(Youfin)ブラ
ンドのブレーキは、一汽バス、北京福田トラック、金龍バス、東風徳納、北方ベンツ等
向けに供給されている。武漢元豊:www.youfin.cn/
【自動車】デルファイ、中国での中国国内向け車載デジタルテレビ生産に向け交渉中
2008-09-24 米国汽車新聞·中国
米自動車部品メーカー、デルファイは、2010 年に中国国内向けに車載デ
ジタルテレビの生産を開始する計画を進めており、現在パートナー候補
の中国地場メーカーと交渉中であることを明らかにした。デルファイは
米国の車載デジタルテレビ市場において 80%以上のシェアを持つ米国最
53
2008 年 9 月号
大の車載デジタルテレビメーカーで、米国の一部州で前方座席へのテレビパネル搭載が
禁止されたことを受けて昨年 Sirius Satellite Radio 社と提携して衛星システムを使っ
た後部座席用車載デジタルテレビ Sirius Backseat TV 端末機の開発も行い、クライスラ
ー社向けに供給を開始している。
但し、デルファイが中国国内市場で車載デジタルテレビを開発・販売するに当たって、
中国政府内部の意見不一致から統一された標準規格の形成が遅れていることが大きな障
害となることが予想される。中国政府は今後数年で質の高いデジタルテレビ信号を構築
したいとしているが、その推進省庁の 1 つである中国工業情報化省は地上デジタル放送
標準を統一規格にしたいとしているのに対し、もう1つの推進省庁である国家ラジオ映
画テレビ総局は自らが構築したモバイルテレビ放送標準を統一規格にすることを目指し
ており、依然対立が続いている。こうした状況も踏まえて、デルファイは地上デジタル、
モバイル両標準に対応したチップセットを開発することも検討しているという。
【携帯電話】宏達、Google プラットフォーム携帯電話タッチパネルで Synaptics 製品採用
2008-9-25 台湾工商時報
米グーグルの携帯電話事業会社 Google Phone は、携帯電話用
オープン基本ソフト Android を公開、今般台湾最大のスマー
ト フ ォ ン メ ー カ ー で あ る 宏 達 ( HTC ) が 米 通 信 キ ャ リ ア
T-Mobile 向けに Android プラットフォームを採用した静電式
タッチパネル携帯電話端末機 T-Mobile G1(右参照)を発表
した。T-Mobile G1 は、台湾宏達が T-Mobile から受託生産した端末機で、静電式タッチ
パネルは当初予想された台湾義隆電子(Elan)製品ではなく、米大手タッチパネルメー
カーSynaptics 社の製品(右写真)が採用された。義隆電子は先日、Google Phone 関連
部品の開発に参与しており、現在試験生産段階にあると発表
していたが、T-Mobile G1 では採用が見送られた。宏達の指定
良品率を達成できなかったことが不採用となった最大の要因
と見られている。ただ、宏達が今後別機種で義隆電子製品を
採用する可能性は残されているとしている。
義隆電子は近年タッチパネル製品市場の開拓を積極的に行っており、中国内地の白牌(ノ
ーブランド)携帯電話、低価格ノートパソコン、MP3、デジタルフォトフレーム等向けで
急速にシェアを拡大させていた。
義隆電子:www.emc.com.tw/
Synaptics 社:www.synaptics.com/
【パソコン】緯創、デル工場の買収に前向き OEM 獲得と部品産業の集積が条件
2008-9-24 中国 PCB 技術網
世界第 3 位のノートパソコン OEM メーカー、緯創(Wistron)董事長の林憲銘氏は、デル
が売却を計画している複数工場の取得について、現時点では確定し
たものはないが、デルの米国国内 4 工場、アイルランド工場につい
ては人件費が高いため買収は困難ではあるが、インド工場、ブラジル工場、ポーランド
工場の買収には前向き、但しどの工場の取得が最もメリットがあるかを今後十分精査す
54
2008 年 9 月号
る必要があるとしている。緯創は現在中国内地の昆山及び中山のほか、フィリピン、チ
ェコ、メキシコに自社工場を保有しているため、インド、ブラジル、ポーランドであれ
ばバッティングすることも無いとしている。また、同氏はデルの工場取得はデルからの
OEM 発注とセットでなければ大きなメリットがないとも指摘している。
一方、ノートパソコン OEM 最大手及び第 2 位の広達及び仁宝は、デルの工場取得につい
て、工場買収に際してはその周辺部品産業の集積が必要条件となるが、デルの現有工場
にその条件を十分満たしている工場があるかというと率直少ないとして、今のところ買
収には積極的でないとしている。
尚、緯創董事長の林憲銘氏は、コンペチターである仁宝が今年の出荷目標を下方修正し
たことについては、9-10 月の出荷が予想以上に好調であることから年初目標 2100 万台
を下方修正する予定は今のところ考えていないとしている。米国から世界各国に拡散し
ている金融不安の影響については、緯創が保有している製品ラインが携帯電話、液晶テ
レビ、ノートパソコン、サーバーと多岐にわたっていることから、リスクを十分マネジ
メントできるとしている。緯創の今年 1-8 月の連結売上高は 2508 億 NTD で前年同期比
56%増となっていることから、在庫管理さえ厳格に行えば計画した利益は確保できると
自信がうかがえる。ただ、リーマン破綻の影響が法人向け製品では出始めているとして
いる。
【パソコン】デル/HP、開発コストの大幅削減に向け OEM メーカーの部品購買権を拡大
2008-9-25 DigiTimes
デル、HP は来年の研究開発費用を大幅に削減する計画を発表、その一環で OEM メーカー
に対して現在行っている厳格な部品メーカー指定システムを大幅に緩和する方針を明ら
かにした。これは、世界のノートパソコンの殆どを生産する台湾の OEM 専門メーカーに
とっては、コストパフォーマンスの優れた部品を自ら探し購買できる権限を与えられる
ことになり、収益率を引き上げるチャンスとなるとともに、大手 IC チップ流通企業にと
っても、ブランドメーカー指定サプライヤー以外の有望部品メーカー製品を売り込む大
きなチャンスと受け止められている。
一方、一部ノートパソコン OEM メーカーからは、デル及び HP は内部に相当数の研究開発
人員を抱え新たなメーカーの部品を採用する際の膨大な測定試験作業を担当しているが、
OEM メーカー自らがその膨大な測定試験作業を担当することになれば、ブランドメーカ
ー同様、相当数の研究開発人員を採用することが必要となってくる、今回の方針転換は
単にブランドメーカーが膨れ上がる研究開発コストを OEM メーカーに転嫁することが目
的ではないかとの懸念の声も聞かれるという。
一方、IC チップ流通企業は、今回の方針転換はデメリットよりもメリットが大きいとし
ている。現在 10%前後にすぎない OEM メーカーによる部品調達が今後は 20%前後に引き
上げられることから、流通企業を介した新たな部品メーカーからの購買が増えると見て
いる。一方、これまでブランドメーカーから指定を受けていた部品メーカーの受注は減
少する可能性はあるとしている。
55
2008 年 9 月号
【液晶パネル】友達、欧米市場で苦戦 厦門にパネル販社を設立し中国市場に攻勢
2008-9-24 台湾経済日報
欧米経済の減速が鮮明になる中、32 インチ以下の小型液晶テレビを主流とする新興市場
が液晶パネルメーカーの重点販売目標として注目されるようになっており、世界第 2 位
の液晶パネルメーカー、台湾友達光電(AUO)は今月厦門市に 2000 万米ドルを投じ国内
販売機能を持った景智光電を設立、中国内地での液晶テレビ用パネルの販売を強化した。
これは、中国内地の液晶テレビ用パネル市場でトップを走る奇美電子との激しい争奪戦
が開始されたことを意味する。
台湾友達のみならず、韓国 LG Display が台湾の瑞軒(Amtran)と合弁で中国蘇州に楽軒
科技を設立して中国内地市場を中心とする 500 米ドル以下の小型液晶テレビ用パネル市
場を集中的に攻略する戦略を取り始めており、欧米・日本等の成熟市場の後退が大手液
晶パネルメーカーの戦略にも大きな影響を与えている。
友達は、蘇州及び厦門に設立した液晶モジュール(LCM)工場は部品・原材料を自社で持
ち込む来料加工方式の委託工場で米ドル決済の輸出ビジネスを本業としていることから、
中国内地市場向け販売を強化するには人民元決済でテレビ用液晶パネルを販売する専門
企業が必要と判断した。
一方、奇美電子は世界の 26 インチテレビ用液晶パネル市場の 65%シェアを有し、26 イン
チテレビ用液晶パネルの主たる市場である中国内地、ロシア、インドなどの新興市場で
圧倒的シェアを保有している。奇美電子は従前から中国は世界の CRT テレビの半分以上
を生産する一大生産国であり、今後世界の 7000 万台といわれる CRT テレビ市場が液晶テ
レビに切り替わることから中国は世界の一大液晶テレビ生産国になる可能性を秘めてい
るとして他社に先駆けて中国現地への進出を積極的に進めてきた。また、中国内地は世
界有数の液晶テレビ消費国になる可能性も秘めていることから、海信、TCL、創維、厦か
などの中国地場の大手テレビメーカーとの提携強化も図ってきた。一方、友達は、三星
やソニーなどの国際一流ブランドメーカー向け、欧米などの成熟市場向けに注力してき
たため、中国内地市場ではマイノリティであることを敢えて甘んじ受け入れてきた面が
あった。ただ、予想以上に欧米市場の後退が進む中、売上げ確保に向けて高い成長率を
持続している新興国市場を無視できなくなってきたともいえる。
また、中国内地の今年の薄型テレビ市場規模は 1700 万台、欧州、米国に次いで世界第 3
位の市場になっているとともに、中国内地の液晶テレビ普及率がいまだ 34%と低水準に
あることから(欧米の同水準は 70-80%)、世界で最も有望な液晶テレビ市場と目されて
いることも大手液晶パネルメーカーの戦略転換の背景にはありそうである。
56
2008 年 9 月号
【半導体】DRAM 大手 3 社、価格続落受け 1-3 割の減産実施 三星の出方を注視
2008-9-25 中国 PCB 技術網
供給過剰感が一向に払拭できない DRAM 業界では、9 月中旬以降も DRAM メモリモジュー
ルの出荷価格が大幅に続落、主流の 1Gb 容量 DDR2 チップモジ
ュールの下落幅は 16-19%、1GB/2GB 容量の DDR2 チップモジュ
ールの下落幅も 13-15%にも達し、価格が過去最低を更新する
状況になっている。
業界関係者は、力晶(Powerchip)、エルピーダ、ハイニック
スなどの大手 DRAM メーカーがいずれも行き過ぎたシェア競争
に白旗を揚げ、それぞれ 10%、最大 15%、30%の減産を発表
しており、最大手の三星電子が赤字覚悟のシェア拡大戦略に
終止符を打つのかに大きな注目が集まっている。
先月時点では、減産に追い込まれたのは中堅の 8 インチ技術
メーカーに限られていたが、今月に入って市況が再び急落、
減産は大手 12 インチ技術メーカーにまで波及する事態に発展
している。
【PCB】日立化成、顧客密着のため蘇州に PCB 用感光フィルム開発センターを設立
2008-9-24 印制電路信息
日立化成は 5.2 億円を投じて蘇州にプリント配線基板(PCB)形成用感光性ドライフィル
ム製品の研究開発センターを設立することを決めた。2007 年 5 月から PCB 用感光性ドラ
イフィルムの量産をおこなっている日立化成工業(蘇州)有限公司工場内に設置される。
2009 年 4 月に稼働予定。
中国は現在、世界最大の感光ドライフィルム市場に成長、日立化成は既に煙台、蘇州、
東莞に 3 工場を建設している。特に蘇州工場は中国華東地区の台湾の大手 PCB メーカー
向けに製品を供給しており、業績が急拡大していることから、これまで茨城県日立市に
集約してきた開発機能の一部を中国蘇州に移転することを決めた。
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