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プレスリリース補足資料 「校庭芝生化を取り巻く環境」
プレスリリース補足資料 「校庭芝生化を取り巻く環境」 2007年11月9日∼10日に兵庫県で開催された日本芝草学会校庭芝生部会では、芝生による人への 心理的影響について発表が行われました。特に校庭を芝生にすることで、休み時間に外に出て遊ぶ頻度 が増大したことや、芝生化によってストレスを感じる度合いが減少したといった効果があったそうです。 ■ 校庭の芝生化の困難さ 右の写真は、繰り返し利用による圧力で表面の芝生が剥げて しまった事例です。芝生が早く回復するには、それに見合う根 がしっかりと土壌に生育していることが条件ですが、一般の土 壌では強く締め固まってしまうため、根が入らず再生しにくいの が現状です。 校庭芝生化の場合、夏休みや春休みに工事が限定されること が多く、「工期の短縮」と「校庭の早期利用」のニーズは高いも のがあります。既存の舗装材を一度掘削する従来の工事では、 工期が長引いてしまうと同時に、養生期間も長く掛かることが 問題でした。 利用頻度の高い校庭では通常以上に 芝生の維持が難しい状況です 「工期短縮」と「校庭の早期利用」。この2つの課題を解決するため、本年9月に校庭芝生が完成した東京都墨 田区立曳舟小学校では、校庭を屋上の人工地盤にみたて、既存の舗装の上に、踏まれても芝生の復元力が 強い芝生専用の土壌(グラスミックス)と芝生植栽を行うという新しい技術が取り入れられました。芝生にも生 産時から生育をよくするために工夫している特殊な芝生(スノーエコターフ)を利用しています。既存の舗装の 撤去がないため、従来の工法に比べて工期が短く、学校の休み中に施工ができたそうです。撤去費も掛から ないため低コスト化を実現できるとともに、廃棄物の量が減少し環境負荷が少ないことも大きな特徴です。 ■新技術「グラスミックス工法」 マット型の天然芝 「スノーエコターフ」※1 根を切断せずに出荷することで根づきのスピードを高める 「スノーエコターフ(雪印種苗株式会社)」。生産にあたり土を 使用しないため、施工後の繰り返し利用によっても通気性を 確保し、排水不良が起こらないところが大きな特徴です。 ロールタイプの芝生のため施工時間も短くなります。 芝生用耐圧基盤土壌 「グラスミックス」 「繰り返し利用の圧力に耐える構造」と「芝生の根が伸長で きる軟らかい土壌環境」を同時に兼ね備えた芝生専用土壌 です。火山砂利の単粒度骨材で転圧に耐える支持強度を 形成するとともに、骨材の空隙に存在する無機物・有機物・ 肥料その他を混合した「生育助材」が根の伸長を促します。 ■ 東京都墨田区曳舟小学校 校庭芝生化工事の流れ リニューアル前の 校庭の模様 芝生化の対象エリア 貯排水パネルを既存の 舗装材の上に敷き込みます 芝生用耐圧基盤材 (グラスミックス)を敷き込みます 大型のローラーで締め固め、踏圧 に耐える構造をつくります 踏圧に強い特殊な芝生 (スノーエコターフ)を張ります 約1週間で芽が動き出し、生き生 きとした芝生空間が生まれました ■ 「グラスミックス」の緊急車両の乗り入れ実験 「グラスミックス」を利用した芝生空間について、緊急車両の乗り入れや臨時駐車場としての利用が可能か どうか、22トン大型消防車(はしご車)を用いた実験も行なわれています。消防車は、はしごを伸ばして活動 する際、車が転倒することを防ぐためにアウトリガーと呼ばれる足を4本出して車をしっかりと支えます。 この足の部分に最も力が集中しますが、グラスミックスの場合、沈み込み量は基準より少なく、消防サイド からも「問題なし」との回答をいただきました。 22トン大型消防車の乗り入れ アウトリガー(転倒防止用 の足)を展開 アウトリガー収納後の 「グラスミックス」表面