...

日本語版 (pdf:6.5MB)

by user

on
Category: Documents
8

views

Report

Comments

Transcript

日本語版 (pdf:6.5MB)
バクスター 2008年 サステナビリティ報告書
オンライン完全版: sustainability.baxter.com
Our People and Our Products make Our World a better place
「バクスター 2008 年サステナビリティ報告書」は、サステナビリティ(持
続可能性)の課題に対する当社の 9つの優先事項について、取り組みの進
捗状況をお伝えするものです。当社のすべてのサステナビリティ活動の成
果と、本報告書に取り上げている優先事項の詳細については、オンライン
完全版(英語)をご覧ください。
企業概要
バクスターインターナショナルインクは、血友病、免疫不全、感染症、腎疾患、外傷などに対する
目 次
企業概要
2
会長兼CEOからのメッセージ
3
サステナビリティに関する優先事項と目標
4
従業員
6
安全で健全な職場環境
多様性のある包括的な職場環境
倫理的な行動と法令遵守
7
8
9
事業活動と製品
10
環境に配慮したサプライチェーン
温室効果ガスの排出削減
天然資源使用量の削減
プロダクト・スチュワードシップ(環境保全のための製品責任)
11
12
13
15
社会
医療へのアクセス向上
教育支援
16
17
19
オンライン完全版ガイド
20
データ概要
22
認証取得の証明
「バクスター2008 年サステナビリティ報告書」の環境・衛生・安全(EHS)
に関する項目について、ERM Certification and Verification Services
(CVS)に検証を委託しました。報告書中のチェックマークは、以下の項目
についてERM CVS 認証を取得していることを示します。
・安全で健全な職場環境
・カーボンフットプリント
・天然資源の使用
・プロダクト・スチュワードシップ
ERM CVSによる検証は、提示された情報の正確さ、信頼性、透明性を裏づ
けることを目的としており、当社の「サステナビリティ報告書オンライン完
全版」の EHS に関する内容もすべてERM CVS により保証されています。
詳細はオンライン完全版(英語)の「Sustainability Reporting 」をご覧く
ださい。
医薬品・医療機器を開発および、製造販売し、患者さんの救命や生命維持に貢献しています。多
様性に富むグローバルヘルスケア企業として、医薬品、医療機器、バイオテクノロジーの専門技術
を活用し、世界の医療の向上に寄与する製品を創出します。
バクスターは世界26ヵ国に製造拠点を置き、100ヵ国以上で製品を販売しています。米国外の市場における売上が全体の約 60%を
占めています。200年の総売上は約12億ドル、200年末現在の従業員数は約,00人でした。
バクスター の 3 つの 事 業 分 野
バイオサイエンス事業
血友病など出血性疾患の治療に使用する遺伝子組換え型たん白製剤および血
漿たん白製剤のリーディングカンパニーです。また、免疫不全、α1アンチトリプ
シン欠損症、熱傷やショック、その他の血液疾患治療用の血漿たん白製剤、バイ
オサージェリー製品や造血幹細胞を用いた治療法などの再生医療用の製品、ワ
クチンなども提供しています。
メディケーションデリバリー事業
輸液製剤および輸液セット、プレミックス製剤、調剤システム、プレフィルドシリ
ンジおよびバイアル製剤、栄養輸液、注入ポンプ、吸入麻酔薬など、ドラッグデ
リバリーの関連製品を製造しています。また、製剤技術や包装技術にかかわる
製品やサービスなども提供しています。
透析製品事業
在宅で行う透析療法として腹膜透析を 0 年前に導入して以来、腎不全治療のリ
ーディングカンパニーとして、慢性腎不全治療用の製品を提供しています。就寝
中、自動的に透析液を交換する自動腹膜灌流装置や腹膜透析液などを提供し
ているほか、一般的に医療機関で使用される血液透析用の製品も販売していま
す(日本国内では血液透析用の製品は取り扱っていません)。
ab i l i t y
詳細は
sustainability.baxter.com/company_profile
バクスター 2008 年サステナビリティ報告書
会長兼 CEOからのメッセージ
当社が取り扱う製品のすべてが、生命にかかわる疾患の治療に使用されるものであり、医療の
世界において、当社は特異な役割を果たしています。血友病、免疫不全、慢性腎不全などの病
気とともに生きる人々の生命を守るため、当社の製品は世界100ヵ国以上において、毎日のべ
600万回以上も投与あるいは使用されています。
現代社会もまた、サステナビリティ(持続可能性)に関する難しい課題を抱えています。貧困、
飢餓、気候変動、資源枯渇、質の高い医療や教育へのアクセスの欠如など、後世の幸福を脅か
すものは多くあります。当社は、患者さんのためにより良い製品を開発することと同様のイノベ
ーションと献身の精神に基づき、健全な地球環境の保全に取り組んでいます。
当社にとってサステナビリティとは、社会、経済、環境に対する責任を事業活動の優先事項に据える長期的な取り組みを意味して
います。サステナビリティへの取り組みは、患者さんの生命を守るという当社の使命に沿ったものであり、同時にその使命を支え
るものです。
当社がサステナビリティ報告書を発行するのは、今年で10 年目となります。本報告書は寄付、医療へのアクセス向上、教育支援
など、さまざまなサステナビリティ活動を取り上げていますが、当社はすべての分野において、サスナビリティ活動の先頭に立ち
たいと考えています。
企業文化としてのサステナビリティ
私は 200 年にバクスターの会長兼 CEO に就任して以来、サステナビリティ活動を加速させることに大いに力を注いできまし
た。そして今、サステナビリティが当社の企業文化の一部となっていることを誇りに思います。
2006 年、世界規模のサステナビリティ活動をリードするために幹部レベルのサステナビリティ運営委員会(Sustainability
Steering Committee)を設置したことは、当社にとって大きな前進でした。委員会の設置によって、サステナビリティの組織的
な取り組みを推進し、全社的に、また経営陣に対して、サステナビリティへの説明責任を確立することができました。
将来を見据えた前進
当社はサステナビリティについてすでに多くの実績をあげてい
ますが、サステナビリティとは過去の実績を問うものではありま
せん。サステナビリティとは、明日に向けてより良い世界をつく
っていくことです。私たちが直面する課題に取り組み、真に前進
しようとするなら、顧客、サプライヤー、従業員、地域社会、他の
企業、そして地方自治体や国へ継続的に働きかけなければなり
ません。
私たちは今、経験したことのない深刻な経済危機のただ中にあ
ります。この世界的な経済危機の問題と無縁でいられる企業は
どこにもなく、当社も例外ではありませんが、世界の人々の健康
と福祉の向上への取り組みを今後も続けていきます。
社 会として、最も差し迫ったサステナビリティの課題に取り組
むとき、取り組むべきことの範囲と影響力の大きさが最大の問
題となります。取り組みを成功させるには、政府、企業、利益団
体、そして国民一人ひとりが力を合わせることが必要なのです。
私は、力を合わせれば明日を変える可能性が大きく広がると信
じています。ステークホルダーの皆様に今日のサステナビリティ
の課題を理解いただき、長 期的解決に向け、ともに取り組んで
いきたいと願っています。皆様と力を合わせれば、未来の世代
のためにより良い世界をつくることができるでしょう。
さらに 200年には、サステナビリティに関する つの優先事項を定めました。今年のサステナビリティ報告書では、この優先事
項を中心に取り上げています。優先事項を定めることにより、当社が企業として最も重視するサステナビリティ活動を定義し、最
も効果の高い活動にリソースを集中させることができます。200年以降は、それぞれの優先事項に 201 年までの長期目標を追
加し、将来的なビジョンを明確化してきました。目標達成に向けた進捗状況は四半期ごとに評価し、経営陣に報告しています。
つの優先事項は、より広範な社会目標に結びついています。医療へのアクセス向上、多様性と包括性の推進、教育支援、環境
への影響の軽減などの取り組みは、より良い社会の構築に寄与するだけではなく、当社にもベネフィットをもたらします。誠実に
行動すること、従業員の健康と安全を守ること、環境に配慮したサプライチェーンを推進することはいずれも、リーダーとしての
地位を確立するために非常に重要です。
200 年初めには、プロダクト・スチュワードシップ(環境保全のための製品責任)に関する優先事項の1つに、動物愛護を加えま
した。今後、動物試験の代替手段を利用し、回数を減らし、改善する方法(replace, reduce, refine の「R 」)を検討していきま
す。当社は動物試験の実施を最小限にする方針を定め、長年にわたって実践していますが、今回サステナビリティの優先事項に目
標として加えました。これは、製品に対して真摯に取り組み、イノベーションを推進する当社の姿勢の現れです。
200 年 6月
バクスターインターナショナルインク 会長兼 CEO
ロバート L. パーキンソン ジュニア
詳細は
sustainability.baxter.com/sustainability_at_baxter
サステナビリティに関する
優先事項と目標
当社は広くサステナビリティに取り組む一方 で、明 確
な優先事項を定めることによりリソースを集中させ、
イニシアチブを進めていくことが大切であると考えて
います。
20 0 年に幹部レベルのサステナビリティ運営委員会を設 立し、「従 業
員」、
「事業活動と製品」、
「社会」の つのカテゴリーにおいて、 つの優
先事項を定めました。この優先事項では、バクスターとそのステークホ
ルダーが高い関心を持つ分野や、当社が特に大きく貢献できる分野の課
題を取り上げています。当社のサステナビリティへのコミットメントを示
し、継続的な取り組みを動機づけるとともに、ステークホルダーがその
成果を評価できるよう、200年以降、それぞれの優先事項について長期
目標を設定しています。右の表は、当社のサステナビリティに関する優先
事項と目標の概要、および本報告書とオンライン完全版の関連情報を示
したものです。
優 先 事 項
従業員
安全で健全な職場環境を推進します
多様性のある包括的な職場環境を推進します
倫理的な行動と法令遵守を推進します
事業活動と製品
環境に配慮したサプライチェーンを推進します
温室効果ガスの排出削減を推進します
天然資源使用量の削減を推進します
プロダクト・スチュワードシップ(環境保全のための製品責任)の強化を推進します
社会
製品開発、効果的な資金援助、製品の無償提供を通し、医療へのアクセスを向上させます
写真上:バクスターの製品は世界100ヵ国以上において使用され、病気とともに生き
る人々の救命や生命維持に貢献しています。
理数科を中心とした教育支援を推進します
バクスター 2008 年サステナビリティ報告書
2015 年 目 標
( 特 に 記 載 の な い 限り)
関 連 情 報
■
従業員の安全を守り、健康を増進するための最も優れたプログラムを実施し、業界トップ3の実績を達成します。
7ページまたは
sustainability.baxter.com/EHS
■
多様な意見や考え方、経歴、経験、意見が尊重される包括的な企業文化を築き、維持します。
8ページまたは
sustainability.baxter.com/employees
sustainability.baxter.com/supply_chain
■
社内でも、業界内においても、常に先頭に立って倫理的な営業およびマーケティング活動を推進します。
9ページまたは
sustainability.baxter.com/governance_ethics_and_compliance
> 米国医療コンプライアンスプログラムおよび国際腐敗防止方針を強化し、導入します。
> 米国内外の業界団体、NGO、政府と協力し、医療従事者との金銭授受に関する基準を実施することにより、製品とサービス
に関する適切な教育、研究、対話を可能にし、不適切なインセンティブを阻止します。
■
社用車の排ガス量を2007年比で20%削減します(11ページ脚注3参照)。
■
取引金額上位100社にあげられるサプライヤーからの購入計画にグリーン原則を導入します。
■
売上高を指標として、温室効果ガス排出量を2005年比で45%削減します。
■
再生可能なエネルギーの使用を施設のエネルギー使用量全体の20%に増加させます。
■
売上高を指標として、廃棄物発生量を2005年比で30%削減します。
■
売上高を指標として、エネルギー使用量を2005年比で30%削減します。
■
顧客へ配送する製品の包装材料を2007年比で5,000トン削減します。
■
■
■
■
■
■
■
■
■
11ページまたは
sustainability.baxter.com/supply_chain
12ページまたは
sustainability.baxter.com/EHS
13ページまたは
sustainability.baxter.com/EHS
sustainability.baxter.com/product_responsibility
売上高を指標として、水資源使用量を2005年比で35%削減します。そのために、2010年までに当社の施設に関連する水資源を
調査することにより、脆弱な流域を特定し、
リスクの高い地域の水資源保全について積極的な目標を設定します。
脆弱な流域を保護し、また、地域の人々が清潔な水を得られるよう、2件のプロジェクトを実施します。
プロダクト・スチュワードシップ・プログラムに、サステナビリティに配慮した設計、製品の回収およびリサイクルの要素を適宜取
り入れます。
動物試験の代替手段の利用、回数の削減、改善(3R)の新たな可能性を特定します。
15ページまたは
sustainability.baxter.com/product_responsibility
2010年までに、BOP市場(経済ピラミッドの底辺)または発展途上国における当社製品の妥当性を評価し、効果が高く経済的に
持続可能な製品導入の機会を検討します(18ページ脚注1参照)。
17ページまたは
sustainability.baxter.com/community_support
BOP市場における医療へのアクセスを向上させるため、研究開発投資を2008年より増額します(18ページ脚注1参照)。
米国における資金援助や寄付を評価する審議会を設置し、医療向上を目的とした公共政策の優先課題に沿った戦略を策定およ
び実施します。当社の寄付総額のうち、医療プログラムに対する寄付が占める割合を2010年までに設定します。
外部の支援団体と協力し、2010年以降の製品の無償提供に関する計画を策定および実施します。災害や惨事において、製品を
迅速に現場へ届けること、最も必要とされている製品が安定供給されるようにすること、後発発展途上国や発展途上国のニーズ
に合った製品を届けることなどを目的として、効果的な製品の無償提供を行います。
シカゴ公立学校の教師および学生を対象としたバイオテクノロジー教育を通し、理数科教育を促進します。また、シカゴ以外の地
域においても、教育機関と連携して同様の教育機会を提供します。
19ページまたは
sustainability.baxter.com/community_support
目 標 に向 け た 取り組 み
従業員
バクスターの成 功の鍵を握るのは、世界中
で活躍する 48,500人の従業員です。サステ
ナビリティ戦略やプログラムのアイディアを
出し、企画し、実施する際、従業員一人ひと
りが重要な役割を果たします。
当社は、組織として、また、従業員一人ひと
りが潜在能力を最大に発揮できるよう、継
続的に組織体制やプログラムを改善し、安
全かつ健全であらゆる違いを受容する魅力
的な職場環境を提供することに努めていま
す。
誠実であることは当社の企業文化の基盤で
す。従業員が高い倫理規範に基づいて意思
決定を行えるようサポートしています。
写真右:欧州研究開発部門バイスプレジデントのベルンハルト・クッチャ
ー(Bernhard Kutscher)は、医療用プラスチック、生物製剤、滅菌など
の専門知識を活かし、人々の生命を守る独自の製品を生み出しています。
研究開発は当社の成長に欠かせない要素であり、世界中でクッチャーと
同じように多くの研究者が活躍しています。
バクスター 2008 年サステナビリティ報告書
優 先 事 項:
安 全で健 全な 職 場 環 境を推 進します
写真下:バクスターの製造施設は人間工学に基づく設計と設備を導入していま
す。作業台と椅子は高さが調節でき、無理のない姿勢を保てるようになっていま
す。中国の蘇州工場もその一つです。
当社は人々の生命を守る製品や治療法の開発に取り組む企業として、従業員や請負業者の安全と健康を守り、増進することは当
然のことであると考えています。
▶従 業 員の 安 全
全社的に安全実績を改善し、安全を重視する企業文化を向上させるために最も効果的な方法として、施設ごとに以下のプロセス
を実施することを200 年に決定しました。
2008年の安全実績(2007年比)1
労働損失をともなう傷病の発生率
24%改善
労働損失日数率
22%改善
記録対象となる傷病の発生率
9%改善
従業員 / 請負業者の重傷者数
7人/2人(2007年は12件/1件)
従業員 / 請負業者の死亡者数
0人/1人(2007年は0人/0人)
■ 危 険 要因の 特定とリスク評 価:20 0 年 の施 設 調 査により、
危険要因の特定およびリスク評価プログラムの実施状況に施
設間格 差があることが明らかになりました。格 差を是 正する
ため、200 年に標準化を実施します。
■ ニアミス報 告:ニアミス報 告 制 度とは、傷 病や損 害に至らな
かったものの、発 生する可能 性 があった事 象を 特 定するもの
です。200 年には、ニアミス報告制度の効果を上げるために
定めた つの必須要素を中心に、全 施 設で実 施状 況を追 跡し
ます。
200年、バクスターは業界第 位の労働損失日数率を達成しました。2
▶健 康 増 進
生 産 的 か つ 健 康 的 な 労 働 力 は 、当 社 の 持 続 的 成 功 に 欠 か せ ません 。従 業 員の 健 康 増 進 を目 的として 2 0 0 年 に 開 始した
「BeWell@Baxter」というプログラムを通し、職場や個人の健康増進につながる企業文化を構築していきます。従業員の意識
を高め、一人ひとりの説明責任と関与をサポートする包括的プログラムの下、健康増進に関するさまざまな取り組みに沿って、
「BeWell@Baxter」を推進しています。
全世界の事業所の全面禁煙化に関するビジョンを200 年に打ち出しました。200 年末現在、事業拠点の%が全面禁煙となっ
ています。200 年末までに、これを0%に引き上げることを目標としています。
200 年には、従業員の健康調査票(Personal Wellness Profile)を導入しました。ライフスタイルや家族歴などの要因が健康に
与える影響を学べる、オンラインの健康リスク評価システムです。健康目標を定め、行動計画を立て、経過を記録することができ
ます。200 年までに全従業員の 2%が評価を終えることを目指しています。調査結果を集計し、健康リスクの軽減とニーズへの
対応を目的とした取り組みを実施します。
1. 比率はすべて20万時間(常勤従業員100人の1年間の就業時間数に相当)
あたりの発生件数または日数。米国労働安全衛生局(OSHA )による記
録管理法を全社的に適用。労働損失をともなう傷病:事故発生日翌日か
ら1日以上の休業をともなう、業務にかかわる傷病。労働損失日数:業務
にかかわる傷病により休業した日数。記録対象となる傷病:応急手当後
も治療を必要とする、業務にかかわる傷病(労働損失をともなう傷病を
含む)。重傷者および死亡者:22ページ「200 年∼200 年データ概要」
参照。
また、200 年に季節性インフルエンザ予防プログラムを通し、インフルエンザワクチンの予防接種を受けた従業員は、前年の
2%から%に増加しました。
2015 年
目 標
標
標
ß 従業員の安全を守り、健康を増進するための最も優れたプログラムを実施し、業界トップ3 の実績を
達成します。
2.
200年のバクスターの労働損失日数率は、国際人材コンサルティング会
社ORC Worldwideに安全データを提出しているヘルスケア企業1 社中
位。200 年 6月現在、200 年のデータは未公表。
詳細は
sustainability.baxter.com/EHS
従業員
目 標 に向 け た 取り組 み
優 先 事 項:
多様 性のある包 括的な 職 場 環 境を推 進します
写真下:アジア・パシフィック地域で活躍するトレーニングコンサルタントのシ
ャノン・チョウ(Shannon Zhou)
当社は、包括的な企業文化と多様性に富む従業員によって、イノベーションを推進し、顧客やサプライヤー、地域社会との信頼関
係を築き、ビジネスを成功に導くことができると考えています。
この信念に基づいて、さまざまな経歴、考え方、経験を持つ人々が働く、多様性に富んだグローバルな組織を築き、さらに違いを
尊重し受容できる包括的な企業文化の育成に努めてきました。また、当社が寄付やボランティア活動を行っている団体を含め、
当社は包括性を推進する団体に協力しています。包括性を推進する当社にとって、多様なサプライヤーとの協業も大きな意味を
持っています。
▶ グ ロ ーバ ル・インクル ー ジョン 協 議 会
200 年、さまざまな部門のリーダーから成るグローバル・インクルージョン協議会(Global Inclusion Council)を社内に設
置しました。包括性を推進するインクルージョン戦略を実践するため、協議会は指導者として、助言とサポートを提供します。
200 年には社内にインクルージョン戦略を浸透させ、異文化に対する協議会のリーダーの意識を高めるとともに、ベストプラク
ティスを評価しました。200 年以降もさらに戦略を推進するため、さまざ
まな機会を広げていきます。
▶ 従 業 員 のフィードバック
200 年は1 回にわたる従業員の座談会を開き、2ヵ国から無作為に選ばれ
た 200人が参加しました。幹部が司会を務め、多様性と包括性に関する各国お
よび全社の課題、機会、考え方を学びました。200 年は、座談会参加者のフィ
ードバックと従業員意識調査の結果をもとに、トレーニングと教育に重点を置
いた包括性推進の取り組みを進めていきます。
▶サプライヤ ー の 多 様 性
小規模なサプライヤーをはじめ、多様なサプライヤーと相互利益の関係を
築くことを目指しています。これは当社にとっても、従業員の生活と労働の
場である地域社会にとっても大きな意味を持っています。200 年には米国
およびプエルトリコにおいて、サプライヤーへの支払の1%にあたる約 億
,00万ドルを小規模企業に支出しました。女性が経営する企業への支払は
,00万ドル、マイノリティが経営する企業への支払は 2,00万ドルとなって
います。
写真上:ベルギーのニヴェラにある研究開発施設でサンプ
ルを分析するサポートエンジニアのウィコ・ンケマ・ボセン
ジェ(Wiko Nkema Bosenge)
2015 年
目 標
標
標
詳細は
ß 多様な意見や考え方、経歴、経験、意見が尊重される包括的な企業文化を築き、維持します。
sustainability.baxter.com/employees および sustainability.baxter.com/supply_chain
200 年、バクスターがアジア・パシ
フィック地 域で展開する「ビルディ
ング・タレント・エッジ」プログラム
について、多様性と包括性の推進の
優れた実績が認められ、カタリスト
賞を受賞しました。「ビルディング・
タレント・エッジ」は、採用と人材開
発に関する揺ぎない戦略と、広範なコミュニケーションと
アカウンタビリティの遂行により、アジア・パシフィック
地域における管理職の男女比率を均等にすることを目指
し、200 年に開始されました。200 年に 1% だった女
性管理職の割合は 200 年に0%に達し、計画より2 年早
く目標を達 成することができました。詳細はオンライン
版の「case study」をご覧ください。
2009
Award
Winner
バクスター 2008 年サステナビリティ報告書
優 先 事 項:
倫理 的な行動と法令 遵 守を推 進します
腐敗行為は世界経済にとって大きな問題です。腐敗行為は持続可能な成長を阻害し、不平等を拡大するとともに、公的機関をむ
しばみ、経済成長を減退させます。企業にとってはコストを増大させることとなり、また、法的リスクや企業の名声に対するリス
クが発生し、持続的な取引関係が構築できなくなります。
腐敗行為は業種によってさまざまなリスクをもたらします。医療業界においては、医療従事者と倫理的な関係を保つことが不可
欠です。医療従事者による製品選択において、不適切な決定要因を排除し、製品の有効性と品質に基づいた選択を担保するため
です。当社を含め、企業は高い倫理基準を持ち、取引先にも同じ基準を要求することにより、健全な倫理観を推進する重要な役
割を担っています。当社は、誠実さと高い倫理基準および法律基準に基づいて、事業活動を展開することに努めています。
200 年、新しい行動規範(Code of Conduct)を定めました。この行動規範は、適切な行動を規定するとともに、それぞれの基
準が当社の事 業 活動にとってなぜ重要であ
るかを説明することにより、従前の行動規範
を強化したものであり、20ヵ国語に翻訳され
ています。200 年には、全従業員に対して新
しい行動規範に関する研修を実施します。
さらに、
国際腐敗防止方針
(GlobalAnticorruption
Policy)を200 年に改訂しました。腐敗防止
方針は、従業員、請負業者、代理店、第三者に
対して、政府機関の職員との関わり方を規定
したものです。また、医療従事者、医療機関、
患者団体との関わり方を規定する米国内外の
方針も改訂しました。当社は、すべての事業活
動についてリスク評価を行い、コンプライア
ンス評価などを通して、規定遵守の状況を監
査および監視しています。
200 年初めには、さまざまなリスクを想定した、腐敗行為防止教育プログラムを開始しました。全社的に高い意識を保つため、
2015 年
目 標
標
標
社内のあらゆる部門に対するトレーニングと広報活動を継続していきます。
2015 年
目 標
標
標
写 真 上:イスタンブール 大 学 病 院 のオクタイ・デミル クラン氏( O k t ay
Demirkıran)に、3 層式輸液バッグについて説明する、トルコの非経口栄養
輸液営業担当のオズデン・バイール(Ozden Bayir)
(左)。顧客との関係に
おいて高い倫理基準を保つことも、新しい行動規範に規定されています。
腐敗行為防止の取り組みは、業界の動向によっても左右されま
す。そのため当社は、業 界の行動規範を改善し、業 界全体で倫
理的行動を促 進することに努めています。たとえば、医療従事
者との関わり方に関する業界行動規範を規定する米国先進医療
工業会( AdvaMed)や欧州医療機器産業連合会(Eucomed)
に、当社は積極的に参加しています。200 年には中南米および
アジア・パシフィック地域において、業界団体に協力し、医薬品
または医療機器業 界の行動規範の確立および改善に取り組ん
でいきます。
また、20 0 年には、国連グローバ ル・コンパクト、世界経 済フ
ォーラム腐敗防止作業部会(Partnering Against Corruption
Initiative)、OECD 原則などの幅広い腐敗行為防止のイニシア
チブを評価し、当社の取り組みの補完を検討します。
ß 社内でも、
内でも、業界全体においても、常に先頭に立って倫理的な営業およびマーケティング活動を実践し
ます。
> 米国医療コンプライアンスプログラムおよび国際腐敗防止方針を強化し、導入します。
> 米国内外の業界団体、NGO、政府と協力し、医療従事者との金銭授受に関する基準を統一することに
より、製品とサービスに関する適切な教育、研究、対話を可能にし、不適切なインセンティブを排除し
ます。
詳細は
sustainability.baxter.com/governance_ethics_and_compliance
事 業 活 動と製品
目 標 に向 け た 取り組 み
環境保護は、現代社会の大きな課題です。
当社は、事業活動が環境に与える影響を認
識し、30 年以上前から環境への責任を果た
すことを優先事項として、世界中の事業拠点
に高い統一基準を適用してきました。
サプライヤーからの原料やサービスの調達、
製造活動、製品販売などが環境に与える影
響を理解し、それを軽減することは、当社の
サステナビリティ活動の基本です。環境への
負荷には必ず改善の余地があります。当社は
事業活動全域において、環境への影響を軽
減するための取り組みを実施しています。
写真右:ベルギーのニヴェルにある倉庫で、データ端末を用いて在庫管理
を行うアントニオ・コセンティーノ(Antonio Cosentino)。当社のサプラ
イチェーンは、原料生産者から製品のエンドユーザーまで広範にわたりま
す。サプライチェーンを効率化し、環境パフォーマンスを改善するため、当
社の製造施設と倉庫では在庫管理、発注、請求、物流に電子システムを導
入しています。
バクスター 2008 年サステナビリティ報告書
優 先 事 項:
環 境に配 慮したサプライチェーンを推 進します
写真下:2009 年、米国カリフォルニア州において、在宅で透析治療を行う
患者さんに透析液を配送する車両のうち2 台を、試験的に電気とディーゼル
のハイブリッド車に切り替えます。
事業活動に必要な原料、部品、サービス、物資を調達および輸送するため、世界100ヵ国以上の多数のサプライヤーと協業してい
ます。世界の産業界の一員として、サプライヤーと協力し、環境パフォーマンスの改善、環境負荷が少ない製品の購入、輸送時の
排ガスの削減に取り組んでいます。
サプライヤーの環境パフォーマンスを把握するため、200 年に米国の大手サプライヤー約100 社を対象としたサステナビリティ
調査を実施しました。調査対象のサプライヤーへの年間支出は 22 億ドルで、当社のサプライヤーへの支出総額の 0% を占めま
す。詳細はオンライン完全版(英語)の「highlights」をご覧ください。
▶ 環 境 に 配 慮した 調 達 活 動
物資やサービスの調達が環境に与える影響を軽減するため、サプライヤーとの取引において、サステナビリティの要素を取り入れ
るようにしました。米国とカナダでは、サプライヤーからの提案書に関する要件を 200 年に変更し、サプライヤーのサステナビ
リティに対するコミットメント、取り組み、および実績について提案書に記載することを義務づけました。また、標準的なサプラ
イヤー契約にサステナビリティ条項を追加しました。200 年には、すべての地域において、サプライヤー契約に同様の条項を適
用する予定です。また、直接サプライヤー 1を対象としたグローバル・サプライヤー・スコアカードの評価項目にも、サステナビリ
ティの要素を追加していきます。
配送トラックにコンピュータを搭載することにより、アイ
ドリング時間を10%から2%に削減し、最高時速を100 キ
ロに制限するなど、在宅透析患者さんへの製品配送につ
いて、2 0 0 年以 降さまざまな 改善を行ってきました。
200 年には、高性能の車載コンピュータシステム、配送
ルートを効率的に管理するソフトウェア、およびハイブリッ
ド・ディーゼル車 2 台を透析製品の宅配に導入します。これ
らの取り組みや継続的な機能向上を通し、200 年には配
送車両の排ガス量を前年比で1%∼20%削減できる見込
みです。
200 年初めには、「環境上好ましい購買ポリシー」(Environmentally Preferable Purchasing Policy)を定めました。このポ
リシーは、事務用品を中心とする消耗品について規定したもので、既存の建造物の LEED ®2 認証にも有効です。まず、米国イリノ
イ州ディアフィールドのバクスター本社で実施し、その後、イリノイ州北部の全事業所に拡大していきます。
社用車の環境パフォーマンス向上にも注力しています。200 年から200 年のリース期間、広告の燃費効率が既存車両のそれ
を上回る車両に切り替えましたが、実測の燃費効率は低下してしまいました。今後は 201 年目標の達成に向け、効果的な方法を
検討していきます。また、米国外でも社用車の環境パフォーマンス向上に取り組んでいます。
▶製 品 の 輸 送
世界各国において、顧客への製品配送にともなう排ガスの削減に取り組んでいます。米国では、すべての陸上輸送業者に対し、
米国環境保護庁の「スマートウェイ」
(SmartWay SM)プログラムへの参加を求めています。
200 年 月より、カーボンニュートラル社が南インドで展
開する風力発電プロジェクトからカーボンクレジットを購
入し、英国ノーザンプトン配送センターの全配送業務にと
もなう排ガス量(CO 2 換算で 2,220トン以上)を相殺して
います。
トラック輸送から鉄道輸送への切り替えなど、エネルギー消費の少ない輸送形態への移行も、排ガスの削減に効果がありま
す。当社は 200 年以降毎年、米国内で複合一貫輸送(トラックだけではなく鉄道とトラックを組み合わせた輸送)の利用を増
やし、200 年には排ガス量を CO 2 換算で 0トン削減しました。欧州においても、トラックから他の輸送形態への移行により、
200 年にCO 2 換算で1,0トン以上の排ガスの削減に成功しました。今後は、全世界の輸送に関連した排ガス量について報告
していく予定です。
1.「直接」サプライヤーとは、当社製品の原料および部品を供給するサプライ
2015 年
目 標
標
標
ß 社用車の排ガス量を2007年比で20%削減します 3 。
ß 取引金額上位100 社にあげられるサプライヤーからの購入計画にグリーン原則を導入します。
ヤーを指す。
2.
LEED(Leadership in Energy and Environmental Design)グリーンビ
ルディング評価システムは、持続可能な高機能ビルの開発を目的とした、自
主合意に基づく評価システム。詳細はwww.usgbc.orgを参照。
. データの有効性の向上により基準年を修正。
詳細は
sustainability.baxter.com/supply_chain
11
事 業 活 動と製品
目 標 に向 け た 取り組 み
優 先 事 項:
温 室 効果ガスの 排出削減を推 進します
産業革命以降、大気中に排出される温室効果ガスの増加により生じた世界気候変動は、現代の最も差し迫った環境問題となって
います。この問題を解決するには、個人、企業、地方自治体、国など、社会のすべての主体が有意義かつ迅速な行動を起こさなけ
ればなりません。
世界気候変動の問題に取り組み、温室効果ガスの排出量を削減することは、当社のサステナビリティ活動の基本です。特に、エ
ネルギー管理、再生可能なエネルギーの利用、排出量取引などに力を入れています。その他の取り組みについては、オンライン
完全版(英語)をご覧ください。
▶エネル ギ ー 管 理
エネルギー使用量およびコストの抑制に焦点を当てた、全社的なエネルギー管理プロジェクトを推進し、エネルギー使用にとも
なう温室効果ガスの排出削減に取り組んでいます。詳細および事例については、1 ページをご覧ください。
エネルギー管理プロジェクトの一環として200 年に承認された、アイルランドのキャッスルバー工場への メガワットのコジェネ
レーション(熱電併給)システムの導入により、炭素強度(単位エネルギーあたりの炭素排出量)が削減されることが期待されて
います。このシステムは、炭素含有が重油より少ない天然ガスから電気と蒸気を生成します。同工場では最近まで重油しか使用
できませんでした。
「バクスターは、温室効果ガス排出量と気候変動
戦略に関する情報を積極的に開示し、気候 変動
への取り組みをリードしています。2002 年からカ
ーボン・ディスクロージャー・プロジェクトに参加
し、200 年には気候変動への取り組みに関する
積極的な情報公開により、カーボン・ディスクロ
ージャー・リーダーシップ・インデックスに選定さ
れました」
カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト CEO
ポール・ディキンソン(PAUL DICKINSON)
写真下:世界初、北米唯一の温室効果ガス排出量登録・削減・取引システム
であるシカゴ気候取引所(CCX )の本部で、世界の炭素市場の動向を監視す
る担当者。バクスターは 2003 年、創設会員としてCCXに参加しました。
▶ 再 生 可 能 エネル ギ ー の 利 用
12
施設のエネルギー使用量のうち、再生可能エネルギーの使用を、200 年の1%から200 年には16%まで引き上げました。ま
た、中国、ポルトガル、スペインの事業所に太陽光発電システムを設置しました。200 年には、他の地域にも設置を拡大する予
定です。
米国で 2,00メガワット時相当の再生可能エネルギー証書を 200 年に購入しました( 200 年1月現在、企業の購入量としては
全米 2位1)。これにより、米国イリノイ州ディアフィールドの本社屋を含む 事業所の燃料消費と電力消費による温室効果ガスの
排出量を相殺し、カーボンニュートラルを達成しました。また、再生可能エネルギー証書の購入により、製造および配送にともな
う温室効果ガスの排出量も相殺しています。詳細は1 ページをご覧ください。
▶排 出 量 取 引
世界のさまざまな国や地域において、炭素のキャップ・アンド・トレード制度の導入が始まっています。このような市場を基盤と
したシステムは、温室効果ガスの排出削減に重要な役割を果たします。当社はシカゴ気候取引所(CCX )および EU 排出量取引
制度に参加する一方で、中国やインドを初め、世界各国の炭素取引制度の進展を見守っています。
1. 米国環境保護庁による。詳細はwww.epa.gov/grnpower/toplists/fortune00.htmを参照。
2015 年
目 標
標
標
詳細は
ß 売上高を指標として、温室効果ガスの排出量を2005 年比で45%削減します。
ß 再生可能なエネルギーの使用を施設のエネルギー使用量全体の20%に増加させます。
sustainability.baxter.com/EHS
>> 2008 年、当社の事業活動から生じた温室効果ガスは
CO 2 換算で 738,000トンにのぼりました。実数値は2005 年
とほぼ同等ですが、売上高を指標とした場合、21% の削減
<<
となっています。
バクスター 2008 年サステナビリティ報告書
優 先 事 項:
天 然 資 源使 用量の削減を推 進します
2015 年環境目標の進捗状況
製品を生産し、事業活動を行うには、原料、エネルギー、水などの天然資源を使用しないわけにはいきません。当社は、限りある
天然資源を賢く有効に利用することに長きにわたって取り組んできました。天然資源に関する201 年目標は、当社の環境目標
の第 世代に分類され、当社の事業活動、顧客、ステークホルダーにとって重要な問題を取り上げています。
廃棄物発生量
2008年実績
2015年目標
-11%
-30%
▶廃 棄 物 発 生 量 の 削 減
当社の主な非有害廃棄物は製造過程で発生するプラスチックくずであり、特定廃棄物は主に血漿処理過程で発生する生物廃棄
物と血液由来廃棄物です。200 年には、大規模な製造施設を中心に廃棄物削減の取り組みを行いました。その一つであるプエ
ルトリコのグアイヤマ工場では、廃棄物発生に関するデータの精度と清掃効率を向上させることにより、廃棄物を 200年比で
2,000トン(66%)以上削減しました。同工場の200年実績の詳細は、オンライン完全版(英語)の「Waste」をご覧ください。
100%
90
80
70
60
50
40
30
20
10
実績および目標は売上高を
指標とした2005年比
廃棄物削減において常に課題となるのが、期限切れ製品の返品と、一部施設における廃棄物の増加です。そこで、200 年に新
たな情報管理システムを導入し、廃棄物の発生を適時、一貫して追跡することにより、より適切な管理が行えるようにします。
▶製 品 の 包 装 材 料 の 削 減
当社は梱包材の効率的な使用に取り組んでいます。200 年、当社が全世界で使用した製品梱包用段ボールは、,000トンを
超えました。米国では、200 年に透析液の梱包箱のサイズを縮小し、在宅患者さんの家庭における透析製品の保管スペースを
0% 削減しました。これにより、200 年下半期は梱包用段ボール 60トンを削減し、200 年には 00トンを削減できる見込み
です。今後、パッケージ関連の取り組みについて効果的な報告体制を整えるため、200 年に全社的な追跡システムを構築しま
す。
▶エネル ギ ー 使 用 量 の 削 減
水資源使用量
2008年実績
2015年目標
2005年基準値
エネルギー使用量
-26%
-35%
2008年実績
2015年目標
2008年実績
-18%
-30%
2015年目標
当社の製品を生産するには、製造設備を稼働させる電力と、蒸留水および滅菌に必要な蒸気を発生させるための燃料が必要で
す。当社は全製造施設で実施している定期的なエネルギー評価により、エネルギー節減の機会を特定し、
「リーンエネルギー」プ
[次ページへ続く]
2015 年
目 標
標
標
ß 売上高を指標として、廃棄物発生量を2005 年比で30%削減します。
ß 売上高を指標として、エネルギー使用量を2005 年比で30%削減します。
ß 顧客へ配送する製品の包装材料を2007年比で5,000トン削減します。
ß 売上高を指標として、水資源使用量を2005 年比で35%削減します。そのために、2010 年までに当社
の施設に関連する水資源を調査することにより、脆弱な流域を特定し、リスクの高い地域の水資源
保全について積極的な目標を設定します。
ß 脆弱な流域を保護し、また、地域の人々が清潔な水を得られるよう、2つのプロジェクトを実施します。
詳細は
写真上:米国ノースカロライナ州のマリオン工場でプラスチックシュレッダー
を操作するカレン・オグル(Karen Ogle)。当社の廃棄物の中でとくに大量
に発生するのがプラスチックです。同工場では粉砕したプラスチックくずを
未使用のプラスチックに混入し、チューブやシートに成形しています。
sustainability.baxter.com/EHS および sustainability.baxter.com/product_responsibility
13
事 業 活 動と製品
目 標 に向 け た 取り組 み
[P.1より続く]
ログラムを通して省エネルギー対策を実施するとともに、四半
期ごとにエネルギー使用の削減目標に対する進捗を追跡してい
ます。また、2 年に一度エネルギー会議を開催し、エネルギー管
理責任者および担当者を対象とした研修と表彰を行い、成功事
例を共有しています。
200 年、特に優れた省エネルギー対策を実施したブラジルの
サンパウロ工場では、屋上に設置した水分蒸発システムを用い
てビルの冷却を行うとともに、処理水の排出コストを削減する
ことにより、生産単位あたりのエネルギー使用量を.%削減し
ました。
▶水 の 使 用 量 の 削 減
当社は主として冷却塔、滅菌装置、蒸気ボイラーに多くの水を
使用し、これらが当社の水の使用量の 0% を占めます。残りは
約1%が製品への使用、%が飲用となっています。
14
当社は多くの事業拠点で水の回収と再利用を行い、社内全体で
成功事例を共有することなどにより、水資源保全の成果をあげ
ています。たとえば、イタリアのグロソット工場では、滅菌装置
の水の回収と、冷却水の使用の効率化に取り組み、水の使用量
を1億1,600万リットル削減することに成功しました( 200年比
1% 減)。また、輸液製品の生産ラインのプロセス向上を目的
として、欧 州の つの製 造 施設において水収 支を分析し、天 然
資源の使用と廃棄物の発生に関するバリュー・ストリーム・マッ
プ1を作成しています。これにより、水およびエネルギーの使用
量を大幅に削減できる見込みです。
▶水 資 源 の 保 全
持続可能な開発のための経済人会議(Business Council for
Sustainable Development)や世界資源研究所(World Resources
Institute)が提供するツールなどを用いて、優先的に帯水層を
保護すべき地域を特定し、最も脆弱な地域の水資源を保全する
ため、さまざまな組織とのパートナーシップを検討しています。
1.「バリュー・ストリーム・マップ」とは、資源の使用と廃棄物の発生を削減す
る機会を容易に特定できるよう視覚化した「リーン」ツールです。
詳細は
写真上:世界最大級の輸液製造施設である米国ノースカロライナ州のマリオン工場で、混合タンクに蒸留水を注入するパメラ・ワード(Pamela Ward)とキャ
スリーン・ホーニー(Kathleen Horney)。水は当社の製品の生産に不可欠です。水を大量に使用する施設では、削減目標を設定し、水資源保全に取り組んで
います。
sustainability.baxter.com/EHS および sustainability.baxter.com/product_responsibility
バクスター 2008 年サステナビリティ報告書
優 先 事 項:
プロダクト・スチュワードシップ( 環 境 保 全 の ため の 製 品
責 任)の 強 化を推 進します
当社は年間1億ケース以上の製品を販売しています。製品の製造、輸送、使用、廃棄にはエネルギーや原料などの資源が必要で
あり、そのプロセスは環境に影響を与える可能性を含んでいます。当社はプロダクト・スチュワードシップ・プログラムを通して、
製品が環境に与える影響を管理しています。
製品設計は、製品の環境・衛生・安全(EHS)のパフォーマンスを向上させる大きなチャンスです。そのため、当社は製品開発の
初期段階に製品のサステナビリティ評価(PSR)を導入しています。PSR では、輸液製品の容器から透析装置まで、医療機器を
中心に製品のサステナビリティを評価します。
まず製品開発のコンセプト段階において、EHS に関するリスクと可能性を明らかにし、次に包括的な評価により、製品のライフ
サイクルを通した改善の可能性を特定します。評価結果をもとに開発製品の実現可能性を確認し、製品の必要条件を設定し、人
体と環境への影響を最小化します。この製品サステナビリティ評価は、製品に関する規制1に対応するためのコンプライアンスへ
の考慮を促す役割も果たしています。
200 年には、PSR に有害化学物質に関する評価項目を追加しました。これにより、高まる顧客の要望に応えるとともに、欧州
化学物質規制(EU REACH)に事前に対応することが可能となります。
200 年以降、製品開発のコンセプト段階に達したすべての医療機器についてPSRを実施し、製品のサステナビリティ評価を行
っています。現在も複数の医療機器について、製品サステナビリティ評価を実施中です。
写真上:血液中の毒素、老廃物、余分な水分を除去するため、当社の腹膜
透析製品を使用する米国ニューヨーク州ニューヨークのセシリア・サンタナ
(Cecilia Santana )。
▶ 製 品 責 任 に 関 する 事 例
当社は、輸液製剤、非経口栄養輸液、注射剤、バイオ医薬品、輸液システム、薬剤投与システムなどのさまざまな製品や容器に、
非 PVC(非塩化ビニル)や非 DEHP(非フタル酸ジエチルヘキシル)素材を使用しています。PVC 素材を含む当社製品の原料の
詳細は、オンライン完全版(英語)の「Materials Use」をご覧ください。
当社は使用後の製品に関する取り組みにも力を入れています。
®)
導入することにより、リサイクルの処理 効率を向上させていま
200 年、英国において、非 PVC 容器を使用した輸液製品が、当社製品として初めてカーボンニュートラル(CarbonNeutral
電子機器は、改修や再利用ができない場合、責任あるリサイク
ルを行っています。製品の開発段階において分解可能な設計を
認定を受けました。また、原料の調達と輸送、製品の製造、配送、使用、そして最終的な容器の廃棄にともなう温室効果ガスの
排出を相殺するため、CO 2 換算で,10トンのカーボンオフセット(排出権)を購入しました。
す。
製品の包装や輸送における改善が、温室効果ガスの排出削減を含め、環境に与える影響を定量化するため、第三者機関の認証
システムや専門知識を利用して、包括的な製品のライフサイクル分析を行っています。
生命倫理、臨床試験、動物愛護など、一般的に製品の研究開発
さらに、当社のプロダクト・スチュワードシップ・プログラムは、
や設計過程において生じる問題も取り上げています。たとえば、
医薬品や医療機器は、開発および製造段階において動物試験が
義務づけられていますが、当社は動物試験の実施を最小限に抑
えることに努めています。200 年初めには、動物試験の代替手
段の利用、回数の削減、改善(R )の新たな可能性を特定する
ことを目標に追加しました。当社はこの分野において、これまで
にも多数のイノベーションを導入しており、今後も新たなイノベ
ーションをもたらしていきたいと考えています。
2015 年
目 標
標
標
ß プロダクト・スチュワードシップ・プログラムに、サステナビリティに配慮した設計、製品の回収および
リサイクルの要素を適宜取り入れます。
ß 動物試験の代替手段の利用、回数の削減、改善(3R)の新たな可能性を特定します。
1. EUの RoHS 指令(Restriction
of Hazardous Substances Directive)、
REACH規制(Registration, Evaluation, Authorization and Restriction
of Chemical Substances Regulation)、EuP 指令(Energy-using
Products Directive)、WEEE指令(Waste Electrical and Electronic
Equipment Directive)など。
詳細は
sustainability.baxter.com/product_responsibility
15
目 標 に向 け た 取り組 み
社会
企業の中でも特に当社のように世界規模で
事業を展開する企業には、日常の事業活動
にとどまらない広い視野を持ち、地球規模
の課題を明らかにし、独自のリソースと能力
を駆使して持続的かつ大きな変化を起こせ
るチャンスがあります。そして、それは企業の
責任でもあります。
その責任を果たすことによってリーダーシッ
プを発揮するだけではなく、イノベーション
と成長をもたらすとともに、緊急の社会問題
や環境問題の解決に寄与することができる
でしょう。
当社はその強みを活かし、また、人間の根本
的ニーズを満たすことを通して、世界各地の
医療へのアクセスを向上させ、教育機会を拡
大することに取り組んでいます。
写真右:バクスターインターナショナル基金が助成しているブラジルの
Associação Obra do Berçoは、サンパウロの低所得者層の子どもた
ちに医療サービスを提供しています。バクスターインターナショナル基
金は、当社の従業員の住居や職場がある地域社会において、医療へのア
クセス向上を目的とした取り組みを助成しています。Associação Obra
do Berçoも同基金が助成している団体の一つです。
バクスター 2008 年サステナビリティ報告書
優 先 事 項:
製 品 開 発、効 果 的 な 資 金 援 助、製 品 の 無 償 提 供を 通し、
医 療 へ のアクセスを向上させます
世界には医療への十分なアクセスを持たない人が10 億人以上います。マクロ経済環境の悪化により、医療の提供が脅かされた
り、経済的に受療が困難になるなど、医療にも影響がおよんでいます。このような問題は、発展途上国でも先進国でも発生して
います。この地球規模の課題に取り組むことは、当社のサステナビリティ活動における重要なテーマです。当社は、製品開発、効
果的な資金援助、製品の無償提供など、幅広いアプローチをとっています。
医療へのアクセスの確保は世界的な課題ですが、企業としては特に BOP 市場(経済ピラミッドの底辺 1)向けに医薬品や医療
機器を提供することにより、問題解決に寄与できる可能性があります。長年にわたり新興国で活動してきた当社にとっても、
BOP 市場向けの製品の開発は、サステナビリティ戦略および事業戦略における新たな試みとなります。
当社の既存製品の中からBOP 市場のニーズに合った製品を特定し、同時にBOP 市場向けの新製品開発の可能性を検討するため
のポートフォリオ分析を 200 年に開始しました。長期保存が可能であること、冷蔵保存がほとんど、または全く必要ないこと、
医療インフラ(病院、診療所、経験豊富な医療スタッフなど)が不十分でも使用できること、複雑な技術が不要であること、低コ
ストであることが新興国に適した製品であり、これは BOP 市場にも該当すると思われます。200 年には、実現可能性が高い製
品をリストアップし、製品へのアクセス改善の可能性を検討します。
「バクスターは、私たちアメリケアーズ(AmeriCares)
の災害救援活動の中心的支援者です。また、災害
救援だけではなく、より多くの人々が健康で長く
生きられるよう、私たちが行っている医療支援活
動の中心的支援者でもあります。バクスターによ
る製品提供や支援のおかげで、アメリケアーズは
使命を果たし、医薬品へのアクセスを向上させる
ことができます」
アメリケアーズ プレジデント兼 CEO
カート・ウェリング(CURT WELLING)
また、この分野における200 年の研究開発投資を評価しました。評価の結果に基づき、今後、投資を増額していきます。
当社が 事 業を展 開する血 友 病や免疫不全などの 領域の関連 団体との緊密な協力を推 進することも、医 療 へ のアクセスを改
善するもう一つの方法です。200 年には米国内の団体への寄付に関するデータを収集し、評価するための審議会を設置しま
した。米国各地の寄付の適 正は、当該地 域のマネジャーや従業員が判断します。審議 会はデータの効果的な活用を検討し、
17
[次ページに続く]
2015 年
目 標
標
標
ß 2010 年までに、BOP 市場(経済ピラミッドの底辺)または発展途上国における当社製品の妥当性を
評価し、効果が高く経済的に持続可能な製品導入の機会を検討します。
ß BOP市場における医療へのアクセスを向上させるため、研究開発投資を2008 年より増額します。
ß 米国における資金援助や寄付を評価する審議会を設置し、医療向上を目的とした公共政策の優先課
題に沿った戦略を策定および実行します。当社の寄付総額のうち、医療プログラムに対する寄付が占
める割合を2010 年までに設定します。
ß 外部の支援団体と協力し、2010 年以降の製品の無償提供に関する計画を策定および実施します。
災害や惨事において、製品を迅速に現場へ届けること、最も必要とされている製品が安定供給され
るようにすること、後発発展途上国や発展途上国のニーズに合った製品を届けることなどを目的とし
て、効果的な製品の無償提供を行います。
写真上:バクスターおよびバクスターインターナショナル基金は、インドやそ
の他の発展途上国において、医療へのアクセス向上を目的としたさまざまな
基金を支援しています。
詳細は
sustainability.baxter.com/community_support
社会
[P.1より続く]
バクスターによる地 域 支 援 活 動 の 概 要( 年 )
目 標 に向 け た 取り組 み
当社の全事業に適用できる世界共通の方法によって、医療の向
上に寄与できるよう取り組みを推進します。
製品の無償提供は、困窮している人々の手に当社製品が届くよ
うにするために、重要な役割を果たします。製品供給のニーズを
把握し、医療に不可欠な製品が必要な時に必要な場所へ届くよ
う、主にアメリケアーズ( AmeriCares)やダイレクト・リリーフ
・インターナショナル(Direct Relief International)などの支
援団体に協力しています。200 年は、ヵ国に1,00万ドル相
当の製品を無償提供しました。
このような活動の一環として、災害支援も行っています。たとえ
ば、200 年の中国大地震およびミャンマーのサイクロンの被災
者に対し、現地の人 道支援団体を通して、約 20 万ドル相当の
製品を寄付しました。
さらに、世界血友病連合をはじめとする非営利団体の支援を通
して、製品へのアクセス向上に取り組んでいます。当社は、発展
18
途上国における血友病の診断および治療の向上を目的として、
世界血友病連合により発足された「血友病治療の発展のための
国際同盟」
(GAP)の創設メンバーであり、主要な出資者でもあ
ります。200 年には、遺伝子組換え型血液凝固第 VIII 因子製剤
60万単位以上を GAPに寄付しました。
そのほか、当社独自の患者支援プログラムによる製品の無償提
供も行っています。これは、医療保険の失効など、患者さんが製
品を入手できない事態に陥ったとき、製品を継続して使用でき
るよう支援するものです。このような製品の無償提供の総額は
製品の無償提供
資金援助â
製品の無償提供および資金援助
1. バクスターおよびバクスターインターナショナル基金による寄付を含む。
200 年、2万ドル相当にのぼりました。
1.「経済ピラミッドの底辺」
(BOP)とは、主に発展途上国において1日ドル
以下で生活する約 0 億人の人々を指します。これまで多くの企業が「経済
ピラミッドの上層」向けの製品やサービスを開発・販売してきましたが、最
近ではいわゆる「新興国戦略」として「経済ピラミッドの中層」に向けた製
品やサービスを提供する企業も増えています。
詳細は
sustainability.baxter.com/community_support
写真上:バクスターインターナショナル基金が助成するブラジルのFundação Julitaは、サンパウロの低所得者地区 Jardim São Luisの子どもたちに医療
サービスを提供しています。
バクスター 2008 年サステナビリティ報告書
優 先 事 項:
理 数科を中心とした教 育 支 援を推 進します
全米学力調査(Nation’
s Report Card TM)によると、理科で「良」(proficient)以上の成績をとっている生徒は 年生で 2%、
年生で 2% 、12 年生で1%しかいません 1。同じく数学で「良」以上の成績をとっている生徒は 年生で % 、 年生で 2%に
とどまりました 2 。
当社は科学と技術に立脚する企業として、現在学校に通う子どもたちだけではなく、次世代の子どもたちが数学と科学を学び、
学習意欲を高める機会を提供する責任を担っています。200 年には、バクスター本社があるシカゴの学生と教師を対象とした
プログラムを発表し、科学・技術・工学・数学(STEM)教育の推進を目的とした取り組みを開始しました。
200 年10月、「Science@Work: Expanding Minds with
Real-World Science」(生きた科学を学び、視野を広げる)
と称したプログラムを開始しました。この ヵ年プログラムで
は、シカゴの公立学校に資金を提供し、同時に実践学習の体
験を提供します。当社従業員がボランティアとして教師の研
修を行い、また、学生のバイオテクノロジーの探求心を助長
します。 年間でシカゴ公立学 校の生物学教師の最 大 0%
(約 0人)と高校生の 6% 以上(約 万,000人)が、この
プログラムを体験する予定です。すでに 200 年秋に教師用
研修モジュールを導入しており、200 年度中に最初の 1人
がバイオテクノロジーの研修を受講します。
ま た、「 S ci e n c e @ Wo r k 」の 一 環 として、シ カゴ の 低 教
育 地 区 エ ン グ ル ウッド の リンド ブ ロ ム 理 数 ア カ デ ミ ー
(Lindblom Math and Science Academy)と提携し、バ
イオテクノロジーセンターを設立しました。同センターでは、
シカゴ公立学 校の理科教師がバイオテクノロジーの教授 法
を、リンドブロム理数アカデミーの学生がバイオテクノロジーの基礎を学ぶことができます。さらに、イリノイ工科大学の教育開
発システムプログラムを支援し、シカゴの教師を対象としたバイオテクノロジーの専門能力の開発を行います。
写真上:米国イリノイ州シカゴ郊外の学校で「ジュニア・アチーブメント」のクラス
を教える、人事担当バイスプレジデントのジーン・メーソン(Jeanne Mason)。こ
の活動は、当社が世界各地で推進している教育支援プログラムの一環です。
シカゴ市は、2010 年までに低教育地区に質の高い公立学校100 校を設立する「ルネッサンス 2010」と称した取り組みを進めて
います。当社は「Science@Work 」を通して、Noble Street NetworkおよびInstituto del Progreso Latinoと提携し、
「ルネッ
サンス 2010」の一環である公立学校 2 校の開校を積極的に支援していきます。
2015 年
目 標
標
標
「シカゴの 公 立学 校 の 教 師は、現 役の 科 学 者との
交 流を強く望 んでいます。従 業 員 がボランティア
として教育プロジェクトに参加するバクスターの
「Science@Work 」は、このような教師の要望に
応えることができるでしょう」
シカゴ大学理数科初等教育センター調査・評価担当アソシエート
キャシー・フリーマン(CASSIE FREEMAN)
当社の従業員は、シカゴ公立学校の教室を訪問したり、学生に
よる当社の施設見学を受け入れたりすることによって、学生に科
学への情熱を伝えるボランティア活動を行っています。200 年
には 60 人以 上の学生が当社の施設を訪れ、科学者から仕事の
話を聞きました。今後数年間、これらのプログラムの成果を評価
し、当社が培った経験をさらに多くの人々に伝える方法を検討し
ます。
さらに、子どもたちが将来グローバル経済の中で成功を収めら
れるよう、当社の従業員がボランティアとして、6 歳∼1 歳の学
生に自由企業の基礎知識を教えています。この取り組みは、米
国最 大 かつ最も歴 史の古い経 済・金融 教育団体であるジュニ
ア・アチーブメント( Junior Achievement )を通して行ってい
ます。また、当社は、学生によるロボット設計・構築などを支援
するFIRST(For Inspiration and Recognition of Science
and Technology)の創設スポンサーも務めています。
当社は長年の間、バクスターインターナショナル基金のマッチン
グ・ギフト制度や「Dollars for Doers」プログラム、事業所や従
業員個人によるボランティア活動などを通して、教育支援活動
を続けてきました。200 年に従業員が行った、教育支援活動を
含むさまざまなボランティア活動の総時間は、1 万時間以上に
のぼりました。
1.
Nation’
s Report Card TMは、全米学力調査(NAEP)によって公開され
ています。NAEP200 の理科の調査は 200 年1月∼ 月に実施された
ものです。次回の理 科 の調 査は 20 0 年1 月∼ 月に実 施され、結果は
2010 年春に報告される予定です。
2.
NAEP200の数学の調査は 200年1月∼ 月に実施されたものです。
次回の数学の調査は 200 年1月∼ 月に実施され、 年生と 年生の結
果は 200 年秋に報告される予定です。
ß シカゴ公立学校の教師および学生を対象としたバイオテクノロジー教育を通し、理数科教育を促進
します。また、シカゴ以外の地域においても、教育機関と連携して同様の教育機会を提供します。
詳細は
sustainability.baxter.com/community_support
19
バクスター 200年
サステナビリティ報告書オンライン完全版ガイド
バクスターの
サステナビリティ
企業概要
ガバナンス・倫理・
コンプライアンス
従業員
環境・衛生・安全(EHS)
会長兼CEOからの
メッセージ
イノベーション
コーポレートガバナンス
人材管理
受賞歴
倫理およびコンプライアンス
報酬および福利厚生
環境・衛生・安全(EHS)
プログラム
バクスターのアプローチ
優先事項と目標
サステナビリティの歩み
ステークホルダーの参加
加盟団体
行動規範
組織体制と取り組み
従業員へのガイダンスおよび
コンプライアンス
優先事項
倫理的な行動と法令遵守
を推進します
20
方針およびビジョン
ケーススタディ:
環境実績の概要
排気ガス
企業文化に関する従業員
意識調査
プログラム・ガバナンス
EHS目標
バイオダイバシティ(生物
多様性)
グローバル・インクルージョ
ン
EHS管理システム
環境効率 / 原料の使用
EHS監査
エネルギー
優先事項
多様性のある包括的な
職場環境を推進します
ケーススタディ:
■
ケーススタディ:
カタリスト賞受賞
ワークライフバランス
EHS監査推進プログラムに
よる改善
■
プライバシー保護および
セキュリティ
2008年 環境実績
環境会計報告の基本要素
コンプライアンス
環境
衛生・安全
温室効果ガスの排出量
および気候変動
優先事項
温室効果ガスの排出削減
を推進します
廃棄物発生量
水資源使用量および排水
優先事項
天然資源使用量の削減を
推進します
2008年環境会計報告
衛生・安全
2008 年実績
対策と取り組み
優先事項
安全で衛生的な職場
環境を推進します
詳細は
sustainability.baxter.com
バクスター 2008 年サステナビリティ報告書
この表は、バクスター 200 年サステナビリティ報告書オンライン完全版の広範な内容を図解したものです。オンライン完全版には、本書(印刷版)
に掲載しているサステナビリティの優先事項に対する進捗状況に加
え、その詳細が記載されています。また、本書に掲載していないその他のサステナビリティ活動や、さまざまな成功事例のケーススタディも取り上げています。オンライン完全版(英語)については、
、sustainability.
baxter.comをご覧ください。
製品責任
優先事項
プロダクト・スチュワード
シップ(環境保全のための
製品責任)の強化を推 進
しますを推進します
サプライチェーン
地域支援
経済への影響
公共政策
サステナビリティの報告
サプライヤーのパフォー
マンス管理
医療へのアクセス
直接効果
政治献金報告
外部機関の報告基準
サプライヤーの多様性
資金援助
サプライチェーンの 環 境
保護
品質
優先事項
安全性
研究開発および製品設計
環 境に配 慮したサプラ
イチェーンを推進します
製品開発
製品の無償提供および助成金
間接効果
事業価値
優先事項
製品 開発、効果 的な資
金 提 供、製品の無 償 提
供を通し、医療へのアク
セスを向上させます
製品サステナビリティ評価
生命倫理
動物愛護
ケーススタディ:
■
包装材料
製品の使用
使用後の製品
ケーススタディ:
■
ヘ パリン:異 物 混 入へ の
■
原料の使用規制
■
英国のカーボンニュートラ
アメリケアーズのインドの
製 品倉庫が医 療 へ のアク
セス向上に寄与
■
世界血友病連合による「血
友 病 治療の発展のための
国際同盟」(GAP)
製造
製品の輸送
フィードバック
記載内容の保証
ERM CVS認証意見書
EHS報告基準(GERP)
GRIインデックス
21
顧客
臨床試験
原料の使用
2007年報告書に関する
■
ボランティアを推進する
企業文化
地域社会のニーズへの対応
優先事項
理数科を中心とした教育
支援を推進します
対応
従業員の参加
ル製品
チェックマークは、ERM CVS 認証を取得していることを示しています。詳細は 2ページをご覧ください。
200 年∼200 年データ概要
詳細なデータとグラフについては、オンライン完全版(英語)sustainability.baxter.com の関連項目をご覧ください。
項 目および指 標
2 004
2005
2006
2007
2008
企業概要
水資源使用量(1,000m3単位)
売上高(100万ドル単位)
$9,509
$9,849
$10,378
$11,263
$12,348
純利益(100万ドル単位)
388
956
1,397
1,707
2,014
BOD5 4(生物化学的酸素要求量)(トン単位)
34.54
37.65
46.39
58.05
53.59
COD 4
株価(ドル単位、各年度末)
研究開発費(100万ドル単位)
517
533
614
760
868
ガバナンス・倫理・コンプライアンス
倫理・コンプライアンス電話相談および
COIC1 問い合わせ件数(合計)
COI
従業員総数
309
274
341
234
273
48,300
46,900
47,600
46,500
48,500
従業員
人種(非白人の比率)
役員
9.1%
8.3%
8.3%
7.7%
7.7%
幹部
7.7%
16.7%
13.3%
13.3%
13.3%
性別(女性の比率)
役員
18.2%
16.7%
16.7%
15.4%
15.4%
幹部
15.4%
25.0%
33.3%
33.3%
33.3%
20.1%
19.6%
19.0%
17.7%
18.5%
性別の多様性(女性の比率)
バイスプレジデント以上
統括部長 / 部長
38.4%
38.2%
39.1%
47.7%
48.1%
非管理職
57.3%
57.0%
56.5%
56.4%
56.3%
全体
54.6%
54.1%
53.7%
52.7%
52.8%
環境・衛生・安全(EHS)
環境(売上高を指標としない絶対値)
製造工程中のフロンガスおよび大気汚染物質の排出量
33
31
21
硫黄酸化物の排出量(トン単位)
569
589
611
620
607
窒素酸化物の排出量(トン単位)
474
466
464
461
455
9,017
8,945
8,963
9,044
9,216
(兆ジュール単位)
(兆
事業活動にともなう温室効果ガス排出量
(CO2 換算1,000トン単位)3
非有害廃棄物発生量(トン単位)
特定廃棄物発生量(トン単位)
2005
2006
2007
200 8
14,136
14,793
14,280
13,926
13,729
27
28
29
30
30
110
116
126
139
137
48
47
51
55
49
16
17
17
10
10
$11,825
$1,500
$4,591
$0
環境コスト総額(100万ドル単位)
n/a
$21.2
$22.6
$25.0
$26.0
環境関連の収入、コスト削減、コスト回避
n/a
92.6
87.7
83.5
91.9
0.45
0.30
0.31
0.25
0.19
11.37
7.08
6.94
5.45
4.23
1.60
1.52
1.35
1.41
1.29
2008年環境会計報告
(100万ドル単位)
職場の安全衛生
労働損失をともなう傷病の発生率 5,6
労働損失日数率 5,6
記録対象となる傷病の発生率 5,6
従業員 / 契約業者の重傷者(総数)
7/2
従業員 / 契約業者の死亡者(総数)
0/ 0
2/ 2
0/ 1
0/0
0/1
$22.4
$20.6
$15.2
$14.9
$14.4
58
労働災害補償費推計
7
(100万ドル単位)
(10
安全衛生関連の解決済み違反通告
1
39
2
2
$38,0868
$0
$10,7409
$0
$45,000
n/a
$4,000
$4,100
$4,100
$4,400
サプライチェーン
30
事業活動にともなうエネルギー使用量
2004
$31,462
環境関連の罰金(ドル単位)
安全衛生関連の罰金(ドル単位)
34
(トン単位)
(ト
(化学的酸素要求量)(トン単位)
TSS 4 (総浮遊物量)(トン単位)
環境関連の違反通告
役員および幹部の多様性2
22
項 目および指 標
環境・衛生・安全(続き)
752
743
739
731
738
56,000
52,000
56,000
56,000
57,000
4,120
4,150
4,090
5,130
5,820
サプライヤーへの支払(概算100万ドル単位)
サプライヤーの多様性10
小規模企業への支払(100万ドル単位)
$445
$454
$504
$399
$457
マイノリティが経営する企業への支払
44
36
40
23
24
女性が経営する企業への支払
35
68
95
95
88
$7.87
$17.82
$14.85
$31.09
$10.86
7.15
17.60
20.72
23.51
32.93
(100万ドル単位)
(
(100万ドル単位)
(
地域支援
製品の無償提供(100万ドル単位)11
資金援助(100万ドル単位)12
1.COICはCertificate of Integrity and Compliance(誠実さと遵守証明書)の略。 2.幹部にはオペレーション委員会(Operation Committee)のメンバーおよび各地域の代表が含まれる。 3.排出量取引による相殺を含む。事業活動にともなう温室効果ガス排出量には、原料と製品の配送、従業員の通勤と
出張にともなう排出量は含まれない。当社の温室効果ガス排出量は、シカゴ気候取引所(CCX)に参加する独立機関およびERM CVSによる検証と、米国環境保護庁の「気候リーダープログラム」(Climate Leaders)の審査を受けている。 4.直接水路に排出される処理水の推定水質汚染レベル。実績デー
タがない場合は、同種施設のデータに基づいて推計。 5.比率はすべて20万時間(常勤従業員100人の1年間の就業時間数に相当)あたりの発生件数または日数。米国労働安全衛生局(OSHA)による記録管理法を全社的に適用。 6.労働損失をともなう傷病:事故発生日翌日から1日以上の休業をともなう、
業務にかかわる傷病。労働損失日数:業務にかかわる傷病により休業した日数。記録対象となる傷病:応急手当後も治療を必要とする、業務にかかわる傷病(労働損失をともなう傷病を含む)。 7.労働災害補償費は、業務にかかわる傷病によって生じた医療費および労働不能となった期間の給与。国際プラ
イバシー保護法により全事業所の正確なデータの入手が困難なため、米国とプエルトリコのデータから全世界のデータを推計。 8.プエルトリコのアイボニート工場で米国原子力規制委員会との問題に関連して支払った罰金 31,200ドルを含む。 9.米国メリーランド州ベルツビル工場で米国連邦航空局との問
題に関連して支払った罰金7.500ドルを含む。 10.米国およびプエルトリコ。会計年度(10月1日~9月31日)による。支払勘定データに基づき第三者が分類。その他の分類には、退役軍人が経営する企業、傷痍退役軍人が経営する企業、社会経済的に不利な立場にあると認定された中小企業、HUB Zone(低
開発地域)の企業などが含まれる。 11.平均卸売価格および平均販売価格に基づいて算出した、無償提供製品の価値を含む。詳細はオンライン完全版の「Baxter and The Baxter International Foundation Charitable Giving」の表を参照。金額の年次変動は、地域のニーズや規制環境、製造工程、マーケ
ティングの変化によるものである。適宜地域のニーズに応じて無償提供の機会を特定。 12.バクスターおよびバクスターインターナショナル基金による寄付を含む。
詳細は
sustainability.baxter.com
本報告書について
ß
本報告書は世界各国で使用されることを想定しています。各国の詳細は当該国のバクスターのウェブサイトをご覧ください。本報
告書の「企業概要」にある製品または取り扱いに関する記述は、各国で承認されている適応と異なる場合があります。必ず、当該
国の製品概要や添付文書、使用上の注意をご確認ください。詳細は当該国のバクスターまでお問い合わせください。
ß
本報告書のデータは、特に記載のない限り、200 年のデータを使用しています。一部の取り組みや事例には、200 年の情報
が含まれています。
ß
本報告書は、特に記載のない限り、子会社を含む全世界のバクスターの事業所を対象としています。環境・衛生・安全(EHS)に
関するデータは、バクスターが株式の多くを所有する合弁事業のデータを含みます。
ß
本報告書にある金額の通貨は、特に記載のない限り、米ドルです。
ß
オンライン完全版(英語)には、グローバル・レポーティング・イニシアチブ(GRI)のインデックスを掲載しています。
ß
本報告書の詳細については、Center for One Baxterまでお問い合わせください。1-00-22-または1---0まで
お電話いただくか、[email protected]にEメールをお送りください。日本においては、バクスター株式会社コーポレートコ
ミュニケーション部(0-620-60または[email protected])までお問い合わせください。
フィードバック
ステークホルダーの皆様からのフィードバックは、当社のサステナビリティ活動および年次報告を継続的に改善するための重要な
要素となります。皆様のご意見やご提案をsustainability.baxter.com/surveyよりお寄せください。
バクスターはさまざまなサステナビリティ関連団体やプログラムに加盟し、評価されています。
写真上:バクスターの製品と治療法は、世界100ヵ国以上のさまざまな地域で、患者さんの救命
や生命維持に貢献しています。コロンビアの先住民族居住地、ロス・パパヨスもその一つです。
Baxter International Inc.
One Baxter Parkway
Deerfield, Illinois 60015
www.baxter.com
バクスター株式会社
東京都中央区晴海1丁目8番10号
トリトンスクエア オフィスタワーX 9階
www.baxter.co.jp
本報告書の史実以外の記載には、将来のコンプライアンスや業績に関する記述など、現時点における将来の見通しが含まれています。将来の見通しにはさまざまなリスクや不確定要
素がともないます。したがって、多くの要因により、実際の将来の結果と現時点における将来の見通しとの間に著しい乖離が生じる可能性があります。それらの要因には、米国食品
医薬品局(FDA)を含む規制当局やその他の政府機関の施策、経済情勢の影響、医療技術の進歩、環境保護の進展が含まれます。その他の要因については、Form 10-Kを含む米国証
券取引委員会(SEC)への提出文書に記載されています。当社のSEC提出文書については、ウェブサイトwww.baxter.comをご覧ください。なお、当社は将来の見通しを更新する一
切の責任を負いません。
本報告書における「バクスター」とは、バクスターインターナショナルインクおよび米国内外のその子会社を集合的に言及するものです。
Baxterはバクスターインターナショナルインクの登録商標です。
「LEED」は米グリーン・ビルディング・カウンシル(Greed Building Council)の登録商標であり、同カウンシルの許可を得て使用しています。本報告書中のその他すべての製品
しています。本報告書中のその他すべての製品
。本報告書中のその他すべての製品
名または商標は、それぞれの所有者がその所有権を保有します。
© Baxter International Inc., 2009. All rights reserved.
「適切に管理された森林(認証材)
」を原料とした紙として、
FSC(Forest Stewardship Council, 森林管理協議会)から
認証を受けた紙を使用しています。
有害な廃液の発生が少なく、環境に優しい
「水なし印刷方式」で印刷しています。
表紙写真:コロンビアの先住民族
居住地ロス・パパヨスで在宅治療
を続ける慢性腎不全患者さんに腹
膜透析製品を届けるには、7時間か
けて海をわたり、川をのぼらなけ
ればなりません。腹膜透析製品お
よびサービスのリーディングカン
パニーであるバクスターは、患者
さんの生命を守るため、このような
僻地にも製品を供給しています。
Fly UP