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X女性
情報理論 第 3 回 結合事象系 2016/10/7 事象系の書き方 事象系の事象やその確率にはいろいろな書き方があるが、基本的な考え方はどれも同じ。 1. 事象系を X 、それぞれの事象を ai 、それが起こる確率を pi で表わす(前回の授業での書き方) a X 1 p1 a2 p2 an p n 2. 事象系を X 、それぞれの事象を ai 、それが起こる確率を pai で表わす a2 an a X 1 p a1 p a 2 p a n 3. 事象系を X 、それぞれの事象を xi 、それが起こる確率を p xi で表わす x2 x X 1 p x1 px2 xn px n 3 では事象系全体を表わす文字 X と、それぞれの事象を表わす文字 xi におなじアルファベットを使 い、 xi が X に属することを明示している。今回は複数の事象系の組み合わせを見るので、この方法 で事象系を表わすことにする。 結合事象と結合事象系 結合事象:二つの事象系のそれぞれの事象が同時に起こることを一つの事象としてとらえたもの 結合事象系:全ての組み合わせの結合事象からなる事象系 結合事象系は、そのもとになる事象系の文字を続けて書いて表わす( X と Y → XY ) 例 1: 事象系 X :一桁分のランダムなデジタル信号(1 つめ)を受け取る:事象「0」「1」 事象系 Y :一桁分のランダムなデジタル信号(2 つめ)を受け取る:事象「0」「1」 結合事象系 XY :ランダムなデジタル信号を 2 つ続けて受け取る 結合事象( XY の事象) :「0, 0」「0, 1」「1, 0」「1, 1」 例 2: 事象系 X :サイコロを投げる(1):「偶数」「奇数」 事象系 Y :サイコロを投げる(2):「3 以下」「4 以上」 結合事象系 XY :サイコロを 2 回投げ、一回目は偶奇、二回目は大小を調べる 結合事象( XY の事象):「偶数のあとで 3 以下」「偶数のあとで 4 以上」「奇数のあとで 3 以下」「奇数のあとで 4 以上」 1 情報理論 第 3 回 結合事象系 2016/10/7 例 3: 事象系 X :サイコロを投げる:「偶数」「奇数」 事象系 Y :同じサイコロの結果が:「3 以下」「4 以上」 結合事象系 XY :サイコロを 1 回投げ、偶奇と大小を調べる 結合事象:「偶数で 3 以下」「偶数で 4 以上」「奇数で 3 以下」 「奇数で 4 以上」 結合事象系を行列の形で書くと次のようになる 事象 xi , y j は、事象系 X で xi が起こり、事象系 Y で y j が起こることを表わす X と Y の事象の数がそれぞれ n , m なら、 XY の事象の数はそれらの積 nm 通りになる XY のすべての事象の確率の和は 1 になる(普通の事象系と同様) x2 xn x X 1 px1 p x2 p x n x1 , y 2 x ,y XY 1 1 p x1 , y1 p x1 , y 2 y2 y Y 1 p y1 p y 2 x2 , y1 x2 , y 2 p x2 , y1 p x 2 , y 2 ym p y m xn , y m p xn , y m 結合事象の確率 元になった事象系どうしが互いに無関係な場合は、結合事象の起こる確率はそれぞれの事象の 確率の積になる p xi , y j p xi p y j 例 1 の結合事象 x0 , y 0 (一つ目の信号が 0, 二つ目の信号も 0)の確率 p x0 , y0 = p x0 p y0 = 1 2 1 2 1 4 例 2 の結合事象 x偶 , y大 (一回目の目が偶数で、二回目の目が 4~6 のどれか)の確率 p x偶 , y大 = px偶 p y大 = 1 2 1 2 1 4 元になった事象系どうしに相関関係がある場合は、結合事象の起こる確率はそれぞれの事象の 確率の積にならない 例 3 の結合事象 x偶 , y大 (目が偶数で、4~6 のどれかである⇒目は 4 か 6)の確率 p x 偶 , y 大 = 1 3 p x偶 p y 大 = 1 4 2 情報理論 第 3 回 結合事象系 2016/10/7 練習問題 1. 相関関係のない結合事象系、ある結合事象系の例をそれぞれ一つずつ考え、行列の形で記述せよ。また、 元になった事象系の事象の意味、その確率も記述せよ。 例(相関なし): 事象系 X :表が出る確率が 0.4 のコインを投げる( x表 :表が出る, x裏 :裏が出る) 事象系 Y :表が出る確率が 0.3 のコインを投げる( y表 :表が出る, y 裏 :裏が出る) y裏 y Y 表 0.3 0.7 x裏 x X 表 0.4 0.6 x , y XY 表 表 0.12 x表 , y 裏 0.28 x裏 , y表 0.18 x裏 , y 裏 0.42 例(相関あり): 1~4 の数字が書かれたカードから 2 枚引く。 事象系 X :数字の和が 5 以上かどうかを調べる( x大 :5 以上, x小 :5 未満) 事象系 Y :数字の和の偶奇を調べる( y偶 :偶数, y奇 :奇数) y奇 y Y 偶 1 3 2 3 x小 x X 大 2 3 1 3 x , y XY 大 偶 16 x大 , y奇 12 x小 , y 偶 16 x小 , y 奇 1 6 条件付き確率 条件付き確率:二つの事象系があり、一方の事象系の結果がわかっている場合のもう一方の事象系 の事象のおこる確率 例:100 人の人がいて、その内訳が男性の成人 32 人、女性の成人 41 人、未成年男性 18 人、未成年 女性 9 人である場合に、その中から無作為に 1 人選ぶと、 事象系 X :男性か女性かを調べる( x男 :男性, x女 :女性) 事象系 Y :成人か未成年かを調べる( y 成 :成人, y 未 :未成年) のような事象系が作れる。男性か女性かがわからないときは成人である確率は p y成 32 41 100 0.73 だが、男性であることがわかっている時の成人である確率(条件付き確 率)は 32 32 18 0.64 になる。これを p y 成 | x男 の様に書く。 3 情報理論 第 3 回 結合事象系 2016/10/7 (右側が既に分かっている事象、左側がこれから調べる事象) 男性であることがわかっている場合、つまり X の結果が x男 であることがわかっている場合は事象系 Y の内容が変わる。つまり y未 y成 y未 y成 Y p y 成 p y 未 0.73 0.27 ( X の結果がわからないとき) が y成 y未 y未 y成 Y p y 成 | x男 p y 未 | x男 0.64 0.36 ( X の結果が x男 のとき) のようになる。( X と Y に相関がないときは、一方の結果が確定してももう一方の事象系の確率は変わら ない) 練習問題 2 上で見た例のケースで ① X の結果が x女 のときの事象系 Y , ② Y の結果がわからないときの事象系 X , ③ Y の結果が y 成 のと きの事象系 X , ④ Y の結果が y 未 のときの事象系 X を記述せよ。 ※ 具体的な数値だけでなく、①なら Y y成 p y 成 | x女 の後に具体的な数値を書く p y 未 | x女 y未 ※ 割り切れないときは分数で書く 練習問題 3 練習問題 1 のカードの例での事象系 X , Y について、X の結果が確定しているそれぞれのケースでの Y 、 Y の結果が確定しているそれぞれのケースでの X を記述せよ。 y偶 y奇 y偶 Y | | p y x p y x 偶 大 大 奇 y奇 ( X の結果が x大 のとき) のような書き方で。 4