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第3号を掲載しました(PDF)。

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第3号を掲載しました(PDF)。
~ ONE For ALL
ALL For ONE ~
No.3 2015.1
人権平和委員会・いじめ対策委員会
たた
し
「日本から叩き出せ」
「絞め殺せ」
「寄生虫、ゴキブリ、犯罪者」…。
ひれつ
かずかず
文章で書くのもはばかられるような卑劣な言葉の数々。たしかに「死ね」や「うざい」
げん
つつし
などと同じ暴言です。厳に 慎 まなければなりませんが、「ヘイトスピーチ」はこうした
とくてい
ぞくせい
あお
暴言にとどまらず、特定の属性を有する人たちをおとしめたり、差別や暴力行為を煽っ
たりする言動です。多数派の者(この場合は日本人)が少数派の者(この場合は外国人)を
よくあつ
さ べ つ て き ぞ う お ひょうげん
抑圧するものです。こうしたことから「差別的憎悪 表 現 」とも言われます。
少し古い話になりますが、10 月に鑑賞した「42 世界を変えた
このような「ヘイトスピーチ」は、外国籍の人たち(外国人)の心を深く傷つけ、不
男」について、大変多くの人が5段階の感想のうち、
「たいへんよか
いだ
じょちょう
安感や不快感を抱かせるだけでなく、一般市民の意識にも影響を及ぼし差別感情を 助 長
った」 に○をつけてくれました。
するおそれがあります。
また、真剣に書かれた感想文がたくさんありました。一つひとつ紹
介できないのが残念ですが、黒人初のメジャーリーガーとなったジャッキー・ロビンソン
・ 在日朝鮮人として生きている子ども(8才、10才)には見せられないと感じた。
〔30代女性〕
の勇気ある生きざま、自由と民主の国といわれるアメリカにおける激しい人種差別、ロビ
・目の前に立ち止まって 堂々と見てやろうと思ったが、正直、怖かった。どれほど相手が弱そうでも恐怖を感じ、
けんしんてき
かつやく
ンソンを献身的に支える人たち、ロビンソンの活躍とその後の影響など、考えさせられる
身体が動かなかった。
〔20代男性〕
・ デモを見て、自分たちの存在が否定されたと思い、身体が震えて心臓がドキドキした。デモの直後、本名を名乗っ
内容の感想文でした。
ている子どもたちは家から出るのを怖がったり、日本人に 名前を伝えるのを怖がるようになった。
〔50代男性〕
ロビンソンがメジャー時代も含め野球選手として活躍したのは 1945 年から 1956 年ま
こうみんけん
【ヒューマンライツ・ナウによるヘイトスピーチに遭遇した在日コリアンからの聞き取り】
での 12 年間、今からおよそ 60~70 年前のことです。その後、黒人は公民権(選挙権な
かくとく
ど市民としての権利)を獲得しますが、どれだけ法律や制度が変わっても、今なおアメ
リカには黒人差別が残っています。最近でも、黒人差別に抗議するデモなどがニュース
さべつ
へんけん
で報道されました。差別や偏見は人々の意識の中にあります。
数年前から、大阪や東京などで、韓国・朝鮮など外国籍の人たちを過激な言葉でのの
はいせき
しり、排斥を主張するデモが行われています。また、ネットなどでもこうした言論が目
につくようになりました。こうした、特定の人種や民族をおとしめたり、差別や暴力行
あお
じんしゅ さ べ つ
大阪府には約 886 万人の人々が暮らしていますが、そのうち約 20 万 3 千人は外国人
(163 カ国)です。実に、大阪府民のおよそ 44 人に 1 人が外国人という計算になります。
こうして見ると、いかに多くの外国人が大阪府内で生活し、働いたり学んだりしている
ことが分かると思います。今や、私たちの身近な社会に様々な国の人が暮らすことは、
ごく普通のことなのです。
海外には、こうした言動を法律で規制する国が多くありますが、日本では今のところ
「表現の自由」との関係から、規制する法律がありません。しかし、国連人種差別撤廃
かんこく
がいせんかつどう
委員会の日本政府への勧告や京都朝鮮初級学校周辺での街宣活動をめぐる最高裁判所の
判決などもあり、国会や地方などで、規制に向けての動きもでてきています。
為を煽ったりする言動は、
「ヘイトスピーチ」と呼ばれます。裁判や国会、国連の人種差別
てっぱい い い ん か い
撤廃委員会などでも取り上げられるなど、社会的に大きな関心事となっています。また、
昨年秋に橋下徹大阪市長とある団体の会長が面談したことでも話題になりましたね。
(面談は10分ほどで物わかれに終わってしまいましたが…)
私たちは、すべての人が人間の尊厳と人権を尊重し、国籍、民族等の違いを認め合い、
ともに暮らすことのできる共生社会を築いていかなければなりません。
一人ひとりが命の尊さや人間の尊厳を認識し、多様な文化、習慣、価値観を尊重し合うこ
とにより、そのような豊かな社会の実現に向けて歩んでいきたいものです。
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