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に係る環境影響評価書の概要(PDF:13.6MB)
東部大阪都市計画都市高速鉄道 京阪電気鉄道京阪本線(寝屋川市・枚方市)に係る 環境影響評価書の概要 平成 25 年1月 大 阪 府 目 次 ページ 1.都市計画決定権者の名称並びに都市計画対象事業の名称、目的及び内容 ······ 1 1.1 都市計画決定権者の名称 ···················································· 1 1.2 都市計画対象事業の名称 ···················································· 1 1.3 都市計画対象事業の目的 ···················································· 1 1.4 都市計画対象事業の内容 ···················································· 1 2.環境影響要因及び環境影響評価の項目 ···································· 7 3.調査、予測及び評価の結果 ·············································· 8 3.1 施設の存在・供用 ·························································· 8 3.2 工事の実施 ······························································· 23 4.環境保全措置 ························································· 29 5.事後調査の方針 ······················································· 35 5.1 事後調査の方針 ··························································· 35 5.2 事後調査の項目の選定 ····················································· 35 6.準備書に対する住民意見及び知事意見と都市計画決定権者の見解 ··········· 37 6.1 住民意見と都市計画決定権者の見解 ········································· 37 6.2 知事意見と都市計画決定権者の見解 ········································· 39 1.都市計画決定権者の名称並びに都市計画対象事業の名称、目的及び内容 1.1 名 都市計画決定権者の名称 称 大阪府 上記代表者 住 1.2 所 大阪府知事 松井 一郎 大阪府大阪市中央区大手前2丁目 都市計画対象事業の名称 東部大阪都市計画都市高速鉄道京阪電気鉄道京阪本線(寝屋川市・枚方市) 1.3 都市計画対象事業の目的 寝屋川市、枚方市の京阪本線沿線は、大阪近郊の住宅都市として発展してきた地域で、市の中心 となる京阪本線の寝屋川市駅及び枚方市駅周辺は、既に高架化されている。 しかしながら、両駅間の香里園駅、光善寺駅、枚方公園駅周辺は、平面のままで 21 ヵ所の踏切 があり、そのうち 20 ヵ所が、ピーク1時間当たり 40 分以上閉まっている「開かずの踏切」となっ ている。 このような踏切を一挙に除去することで、交通渋滞や事故を根本的に解消するとともに、鉄道 により分断されていた市街地の一体化を図り、地域の発展の活性化を目的として、京阪本線の連 続立体交差を推進することとしている。 1.4 都市計画対象事業の内容 本事業は、既に高架化されている京阪本線の寝屋川市駅及び枚方市駅周辺の間の区間の寝屋川市 幸町を起点として枚方市岡南町に至る 5.5km を高架化するものである。 計画の概要は、表 1.1 及び図 1.1~図 1.2 に示すとおりである。 -1- 表 1.1 計画の概要 事業実施区間 京阪本線寝屋川市幸町~枚方市岡南町(延長約 5.5 ㎞) 香里園駅:島式ホーム形式(2面) 高架となる駅 光善寺駅:相対式ホーム形式 枚方公園駅:相対式ホーム形式 東側仮線高架方式(国道 170 号付近・香里園駅付近・枚方公園駅北側) 事業方式 西側別線高架方式(国道 170 号付近・香里園駅付近・枚方公園駅北側以外) 寝屋川6号踏切、田井踏切、北田井踏切、香里園学校道踏切、香里園上手踏切、 除却される 木屋道踏切、赤井堤防踏切、一本松踏切、天神前踏切、香里6号踏切、光善寺下 踏切(21 カ所) 手踏切、光善寺踏切、光善寺上手踏切、光善寺4号踏切、走谷踏切、蝶矢踏切、 三和踏切、伊加賀踏切、枚方公園踏切、段田踏切、蔵谷踏切 1) 高架構造 RCラーメン高架橋、PC桁橋、鋼桁橋 事業実施予定 都市計画決定(平成 25 年春)、事業採択(平成 25 年度)、工事着手(平成 31 期間 年度)、完成(平成 40 年度) (注)1.高架の大部分は「RCラーメン高架橋」となるが、踏切 21 ヵ所のうち 20 ヵ所、国道 170 号、旧国道 170 号、都市計画道路中振交野線等の計 27 ヵ所については「PC桁橋」、国道1号については「鋼桁橋」とな る。 -2- 図 1.1 -3~4- <断面A(寝屋川市駅~香里園駅)> (別線高架方式) <断面B(寝屋川市駅~香里園駅(旧国道170号付近))> (仮線高架方式) 約10m 計 画 上 り 線 計 画 下 り 線 約10m 計 画 上 り 線 計 画 下 り 線 約16m 現 在 下 り 線 現 在 上 り 線 約7m 現 在 上 り 線 現 在 下 り 線 仮 上 り 線 仮 下 り 線 <断面C(香里園駅)>(仮線高架方式) 約34m 計 画 上 り 線 計 画 上 り 側 線 計 画 下 り 線 計 画 下 り 側 線 約16m 現 在 上 り 線 現 在 上 り 側 線 現 在 下 り 線 現 在 下 り 側 線 仮 上 り 線 仮 上 り 側 線 仮 下 り 線 (S=1/300) 図 1.2(1) 高架化の概要(断面A~C) -5- 仮 下 り 側 線 <断面D(光善寺駅)>(別線高架方式) <断面E(光善寺駅~枚方公園駅(国道1号付近))> (別線高架方式) 約10m 計 画 上 り 線 約24m 計 画 上 り 線 計 画 下 り 線 計 画 下 り 線 約16m 約8m 現 在 上 り 線 現 在 下 り 線 現 在 上 り 線 現 在 下 り 線 <断面F(枚方公園駅)>(別線高架方式) 約20m 計 画 上 り 線 計 画 下 り 線 現 在 上 り 線 約7m 現 在 下 り 線 (S=1/300) 図 1.2(2) 高架化の概要(断面D~F) -6- 2.環境影響要因及び環境影響評価の項目 環境影響評価は、事業の実施に当たり、地域の環境の状況を調査し、事業の実施に伴う環境への 影響について予測及び評価するものである。 本事業の実施に伴う環境影響要因及び環境影響評価項目は、表 2.1 に示すとおり選定した。 表 2.1 環境影響要因と環境影響評価項目の関係 環 境 項 目 大項目 施 設 の 存 在 環境影響要因の内容 施設の供用 工事の実施 二酸化窒素 ○ ○ 浮遊粒子状 物質 ○ ○ 二酸化硫黄 ○ ○ ) 大気質 環 境 基 準 設 定 項 目 列 車 の 走 行 仮 線 土 地 の 改 変 ) 工 事 関 連 車 両 の 走 行 ( 駅 施 設 の 供 用 ( 建 設 機 械 の 稼 動 小項目 列 車 の 走 行 将 来 線 騒 音 騒音 ○ ○ ○ ○ 振 動 振動 ○ ○ ○ ○ 低周波音 低周波音 ○ 土壌汚染 土壌汚染 日照阻害 日照阻害 ○ 電波障害 テレビ電波障害 ○ ○ 人と自然との触れ 人と自然との触れ 合いの活動の場 合いの活動の場 ○ 歴史的・文化的景観 ○ 都市景観 ○ 景 観 文化財 廃棄物、発生土 地球環境 埋蔵文化財 ○ 一般廃棄物 ○ 産業廃棄物 ○ 発生土 ○ 地球温暖化 ○ -7- ○ ○ 3.調査、予測及び評価の結果 3.1 施設の存在・供用 3.1.1 騒 音 列車の走行に伴う騒音(将来線)の予測は、図 3.1 にに示す 20 地点で実施した。 鉄軌道騒音の等価騒音レベル(LAeq)は、表 3.1 に示すとおりであり、現在線の近接側軌道中心 から 12.5 m地点の地上 1.2 m高さにおいて、昼間が 54~70 デシベル、夜間が 50~66 デシベルと予 測される。環境保全目標値は、「騒音レベルの状況を改良前より改善すること」を設定した。 将来の鉄軌道騒音は、鉄道-20 を除いて全ての地点で環境保全目標値を満足する。さらに、適切 な環境保全措置を講じることにより、列車の走行に伴う環境への影響を最小限にとどめるよう環境 保全について配慮されていると評価する。鉄道-20 については、軌道位置及び軌道構造が現在と変 わらないため、騒音は現況と変わらないが、必要な環境保全措置を講じる。 表 3.1 鉄軌道騒音の予測・評価結果 <予測地点:現在線の近接側軌道中心から 12.5 m地点の地上 1.2 m高さ> 等価騒音レベル 2) 予測地点 ①現況 ②将来線 2) ②-① 1) 1) 1) 1) 1) 昼 間 夜 間 昼 間 夜 間 昼 間 夜 間 1) 鉄道-1 61 56 58 54 -3 -2 鉄道-2 69 65 57 53 -12 -12 鉄道-3 63 59 55 51 -8 -8 鉄道-4 68 64 58 53 -10 -11 鉄道-5 67 64 58 54 -9 -10 鉄道-6 69 64 57 53 -12 -11 鉄道-7 70 66 57 53 -13 -13 鉄道-8 74 70 (57) (52) (-17) (-18) 鉄道-9 68 63 57 53 -11 -10 鉄道-10 66 61 58 53 -8 -8 鉄道-11 69 64 59 55 -10 -9 鉄道-12 68 64 58 54 -10 -10 鉄道-13 68 64 55 51 -13 -13 鉄道-14 67 63 55 51 -12 -12 鉄道-15 64 59 54 50 -10 -9 鉄道-16 69 65 57 53 -12 -12 鉄道-17 67 63 60 56 -7 -7 鉄道-18 68 64 61 57 -7 -7 鉄道-19 70 67 62 57 -8 -10 鉄道-20 70 66 70 66 0 0 (単位:デシベル) 環境保全 目標値 騒音レベル の状況を改 良前より改 善すること 評価 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ △3) (注)1.時間区分は、昼間が7~22 時、夜間が 22 時~翌日7時である。 2.「①現況」は平日の現地調査結果、「②将来線」は将来線時の予測結果である。 3.軌道位置及び軌道構造が現在と変わらないため、騒音は現況と変わらないものと予測している。 4.鉄道-8 の予測地点は、現地調査地点が将来線の構造内のため、高架橋端部から1m外側の地点での値とした。 -8- 図 3.1 -9~10- 3.1.2 振 動 列車の走行に伴う振動(将来線)の予測は、図 3.1 に示す地点で実施した。 鉄軌道振動の振動レベルピーク値(Lmax)は表 3.2 に示すとおりであり、現在線の近接側軌道中 心から 12.5 m地点において、42~56 デシベルと予測される。 環境保全目標値は、道路交通振動の限度のうち最も厳しい基準(60 デシベル)を設定した。 列車の走行に伴う振動(将来線)は、全ての地点で環境保全目標値を満足する。 さらに、適切な環境保全措置を講じることにより、列車の走行に伴う環境への影響を最小限にと どめるよう環境保全について配慮されていると評価する。 表 3.2 鉄軌道振動の予測・評価結果 <予測地点:現在線の近接側軌道中心から 12.5 m地点> (単位:デシベル) 振動レベルのピーク値 予測地点 環境保全目標値 2) 評 価 現 況 1) 将来線 1) 鉄道-1 50 51 ○ 鉄道-2 54 42 ○ 鉄道-3 50 42 ○ 鉄道-4 54 42 ○ 鉄道-5 54 43 ○ 鉄道-6 61 43 ○ 鉄道-7 56 43 ○ 鉄道-8 57 43 ○ 鉄道-9 55 42 ○ 鉄道-10 56 43 ○ 60 以下 2) 鉄道-11 54 43 ○ 鉄道-12 60 43 ○ 鉄道-13 53 42 ○ 鉄道-14 56 42 ○ 鉄道-15 53 42 ○ 鉄道-16 58 43 ○ 鉄道-17 57 43 ○ 鉄道-18 58 43 ○ 鉄道-19 57 43 ○ 鉄道-20 56 56 ○ (注)1. 「現況」は現地調査結果、 「将来線」は将来線時の予測結果である。 2.鉄軌道振動については、環境基準、規制基準等の基準が定められていないことから、振動規制法 を参考にして、道路交通振動の限度のうち最も厳しい基準(60 デシベル)を環境保全目標値として 設定した。 -11- 3.1.3 低周波音 列車の走行に伴う低周波音(将来線)の予測は、図 3.2 に示す地点で実施した。 列車通過時の低周波音の最大値の予測結果は表 3.3 に示すとおりであり、平坦特性で 86~93 デ シベル、G特性音圧レベルで 87~88 デシベル程度と予測される。 環境保全目標値は、低周波音の知見や現況の列車通過時の低周波音に基づいて設定した。 来の列車通過時の平坦特性音圧レベル最大値は 86~93 デシベルと予測され、 高架橋区間の№3・ №5地点については 50%時間率音圧レベルL 50 の参考値 90 デシベルを下回っている。橋梁区間の №2地点については参考値 90 デシベルを上回るものと予測されるものの、 現況の列車通過時の平坦 特性音圧レベル最大値 95 デシベルを下回っている。 将来の列車通過時の1~20Hz G特性音圧レベルの最大値は 87~88 デシベルと予測され、ISO-7196 に示されている人が低周波音を知覚できる音圧レベル(100 デシベル)を下回っている。 さらに、適切な環境保全措置を講じることにより、列車の走行に伴う環境への影響を最小限にと どめるよう環境保全について配慮されていると評価する。 表 3.3 低周波音の予測・評価結果 低周波音圧レベル(デシベル) 予測 地点 現況(実測値) 構 造 平坦特性 L50 最大値 1-20Hz LG5 最大値 将来(予測値) 列車通過時の最大値 列車通過時の最大値 平坦特性 L max 1-20Hz L Gmax 平坦特性 L max 1-20Hz L Gmax №2 橋 梁 82 89 95 84 93 88 №3 高架橋 68 77 82 79 86 87 №5 高架橋 73 77 94 81 86 87 90 以下 100 以下 環境保全目標 - - - - 評 価 - - - - または現況の列車通過 時の低周波音圧レベル ○ (注)1.№2の予測値は、既往測定事例(橋梁)でG特性が最大の事例より類推した。 2.№3及び№5の予測値は、類似箇所における低周波音測定結果の最大値より類推した。 -12- ○ 図 3.2 低周波音の予測地点 -13~14- 3.1.4 日照阻害 施設の存在(高架鉄道)に伴う日照阻害の予測は、高架構造物や駅舎を対象に実施した。 環境保全目標値は、「公共施設の設置に起因する日陰により生ずる損害等に係る費用負担につい て」に基づいて設定した。 本事業では、鉄道の高架化と併せて環境側道を幅員6mで整備することから、国道1号交差部等、 高架構造物が特に高い一部区間を除き、大部分の区間は4時間又は5時間の等時間日陰線位置は概 ね道路敷地内となる。駅舎部については、駅前広場が計画される予定であり、同等時間日陰線位置 はその敷地内に概ね収まるものと考えられる。なお、環境保全目標値を上回ると予測された国道1 号交差部付近、旧国道 170 号交差部付近については、「公共施設の設置に起因する日陰により生ず る損害等に係る費用負担について」に基づき、適切に対応することとする。 さらに、適切な環境保全措置を講じることにより、高架構造物の存在に伴う環境への影響を最小 限にとどめるよう環境保全について配慮されていると評価する。 3.1.5 電波障害 高架構造物の存在による電波障害の予測結果では、一部地域でテレビション電波の受信障害の発 生が予測される。そのため、CATVへの接続など、適切な環境保全措置により、視聴の確保に努 める。 さらに、適切な環境保全措置を講じることにより、高架構造物の存在に伴う環境への影響を最小 限にとどめるよう環境保全について配慮されていると評価する。 3.1.6 景 観 事業計画路線の構造物の存在に伴う景観の変化が、事業計画路線の沿線地域に及ぼす影響につい て、フォトモンタージュの作成により予測を行った。景観の予測地点は図 3.3 に、予測結果は写真 3.1~写真 3.9 にそれぞれ示すとおりである。 対象事業実施区域の周辺地域では、高架構造物等の出現による景観変化が予測されるが、景観資 源の眺望等に影響を及ぼすことはなく、高架構造や駅舎の外観・意匠・色彩については各景観計画 等の基準を遵守することとしている。これより、当該事業は、景観形成について十分な配慮がなさ れていると評価する。 枚方公園駅周辺から枚方市駅周辺にかけては、大阪府景観計画の「淀川等沿岸区域」に該当する。 また、国道 170 号沿道は、大阪府景観計画の「大阪外環状線(国道 170 号)沿道区域」及び寝屋川市 -15- 景観計画の「大阪外環状線(国道 170 号)沿道景観重点地区」に該当し、香里園駅東側は寝屋川市景 観計画の「香里園駅東再開発地区周辺景観重点地区」、枚方公園駅から枚方市駅にかけては枚方市 都市景観形成誘導指針の「枚方市駅周辺地域」に該当する。これらより、高架構造や駅舎の外観・ 意匠・色彩については各景観計画等の基準を遵守すると共に、大阪府景観計画、寝屋川市景観計画 の景観形成方針及び枚方市都市景観形成誘導指針を踏まえ、周辺環境と調和した景観形成を図る。 また、対象事業実施区域周辺では、枚方宿地区が大阪府景観計画の重点地区として指定されてい ること、周辺の歴史的な街並みの雰囲気を残すための様々な取組が行われていること、歴史的・文 化的景観の保全や活用が図られていること等を考慮し、高架構造物等の設計に際しては、周辺の歴 史的な街並みと調和したデザインとするよう、地域景観との調和などに配慮しながら景観向上に努 めることとする。 また、駅舎の設計に際しては、駅舎、駅前広場が一体となった景観が創出されるよう、駅舎周辺 の整備を行う寝屋川市及び枚方市とも連携して、画一的なものではなく、長く住民に親しまれ、地 域の街並みに調和し、駅周辺が地域の玄関口としてふさわしいものになるよう配慮する。 以上のことから、景観形成について十分な配慮がなされていると評価する。 -16- 図 3.3 景観の調査地点及び予測地点 -17~18- 【現 況】 【供用後】 写真 3.1 №1-1:淀川河川公園(堤防上の歩道から万年寺山方向の眺望) 【現 況】 【供用後】 写真 3.2 №3:万年寺山(御茶屋御殿跡展望台から淀川河川公園方向の眺望) 【現 況】 【供用後】 写真 3.3 №4:枚方公園駅付近(駅舎方向の眺望) -19- 【現 況】 【供用後】 写真 3.4 №5:八尾枚方線沿道(枚方市走谷一丁目:歩道からの眺望) 【現 況】 【供用後】 写真 3.5 №6:光善寺駅付近(駅舎方向の眺望) 【現 況】 【供用後】 写真 3.6 №7:南中振公園付近(公園入口から北方向の眺望) -20- 【現 況】 【供用後】 写真 3.7 №8:香里園駅付近(駅ロータリーから駅舎方向の眺望) 【現 況】 【供用後】 写真 3.8 №9:寝屋川市寿町(旧国道 170 号跨線橋付近の眺望) 【現 況】 【供用後】 写真 3.9 №10:田井西公園(ゲートボール場から事業計画路線方向の景観) -21- 3.1.7 地球環境 事業実施後において、エスカレーター、エレベーターともに事業実施前と台数の増減が生じない ため二酸化炭素排出量には、変化がないものと予測される。事業実施前後におけるエスカレーター 及びエレベーターの電力消費に伴う二酸化炭素排出量は、エスカレーターが年間で92.61t-CO2、 エレベーターが年間で7.41t-CO2と予測される。このうち、エスカレーターにおいて、利用者がい ない時に速度を減速するシステムを採用した場合の、二酸化炭素排出量は年間で64.83t-CO2と予 測され、採用しない場合に比べ27.78t-CO2削減される。 適切な環境保全措置を行うことにより、施設の供用に伴う温室効果ガスの発生については、環境 への影響を最小限にとどめるよう環境保全について配慮されており、また環境基本計画、大阪府環 境総合計画等、国又は大阪府が定める環境に関する計画又は方針に定める目標の達成と維持に支障 を及ぼすものではないものと評価する。 -22- 3.2 工事の実施 3.2.1 大気質 (1) 建設機械の稼動 建設機械の稼動に伴う大気質の予測・評価結果は、表 3.4 に示すとおりであり、全ての地点で環 境保全目標値を満足している。 表 3.4 建設機械の稼動に伴う大気質濃度の予測・評価結果(年平均濃度) 項 目 単位 二酸化窒素 ppm 浮遊粒子状物質 mg/m3 二酸化硫黄 ppm 工事中の予測結果 環境保全目標値 年平均濃度 年間 98%値等 (年間 98%値等と対比) 1時間値の1日平均値が 0.04ppm から 0.06ppm ま 0.020 0.020 0.040 でのゾーン内又はそれ以 下であること。 1時間値の1日平均値が 0.024~0.026 0.024~0.026 0.059~0.064 0.10 ㎎/m3 以下である こと。 1時間値の1日平均値が 0.004~0.005 0.004~0.005 0.009~0.011 0.04ppm 以 下 で あ る こ と。 環境濃度 評価 ○ ○ ○ (2) 工事関連車両の走行 建設機械の稼動に伴う大気質の予測・評価結果は、表 3.5 に示すとおりであり、全ての地点で環 境保全目標値を満足している。 表 3.5 工事関連車両の走行に伴う大気質濃度の予測・評価結果 項 目 単位 二酸化窒素 ppm 浮遊粒子状物質 mg/m3 二酸化硫黄 ppm 工事中の予測結果 環境保全目標値 年平均濃度 年間 98%値等 (年間 98%値等と対比) 1時間値の1日平均値が 0.04ppm から 0.06ppm ま 0.020 0.020~0.023 0.040~0.043 でのゾーン内又はそれ以 下であること。 1時間値の1日平均値が 0.024~0.026 0.024~0.027 0.059~0.065 0.10 ㎎/m3 以下である こと。 1時間値の1日平均値が 0.004~0.005 0.004~0.005 0.009~0.011 0.04ppm 以 下 で あ る こ と。 環境濃度 -23- 評価 ○ ○ ○ 3.2.2 騒 音 (1) 建設機械の稼動 建設機械の稼動に伴う騒音(騒音レベルの90%レンジ上端値(LA5))は、建設機械(ユニット) の稼動位置から5m地点では85~105デシベル、10m地点では77~99デシベル、20m地点では71~93 デシベルと予測される。 環境保全目標値は、「建設作業騒音が工事区域の敷地境界線において85デシベルを超える大きさ でないこと」を設定した。 建設作業騒音の予測結果と環境保全目標との対比は、大部分の建設機械の稼動時に環境保全目標 値を超過する結果となる。そこで、万能塀等を工事敷地境界に地盤面から3m高さで設置した場合、 工事敷地境界での騒音レベルの 90%レンジ上端値(LA5)は 85 デシベル以下となる。 万能塀等の設置に際しては、隙間が生じた場合に目標とする減音効果が得られなくなることから、 施工に当たっては隙間が生じないよう十分な配慮を行うこととする。 このような適切な措置により環境保全目標値を満足する。さらに、適切な環境保全措置を講じる ことにより、建設機械の稼動に伴う環境への影響を最小限にとどめるよう環境保全について配慮さ れていると評価する。 (2) 工事関連車両の走行 工事関連車両の走行に伴う等価騒音レベル(昼間)は、掘削・線路撤去時及びコンクリート打設 時ともに 55~70 デシベルと予測され、現況からの増加量は全ての断面で1デシベル以下となってい る。 環境保全目標値は、騒音に係る環境基準(70 デシベル以下、または 65 デシベル以下)を設定した。 等価騒音レベルは、全ての予測断面で環境保全目標値を満足する。また、等価騒音レベルの増加 量は全ての断面で1デシベル以下と予測され、現況の騒音を著しく悪化させるものではない。 さらに、適切な環境保全措置を講じることにより、工事関連車両の走行に伴う環境への影響を最 小限にとどめるよう環境保全について配慮されていると評価する。 (3) 列車の走行(仮線) 鉄軌道騒音(仮線)の等価騒音レベル(LAeq)は、現在線の近接側軌道中心から 12.5 m地点の地 上 1.2 m高さにおいて、昼間が 60~72 デシベル、夜間が 56~68 デシベルと予測される。 環境保全目標値は、「騒音レベルの状況を改良前より改善すること」を設定した。 -24- 列車の走行に伴う騒音(仮線)の予測結果と環境保全目標値との対比では、仮線時に軌道が近寄 るため、一部の地点で環境保全目標値を上回る結果となっている。そこで、万能塀を設置した場合は、 現在線の近接側軌道中心から 12.5 m地点の地上 1.2 m高さにおいて、昼間が 51~59 デシベル、夜間 が 47~55 デシベルと予測され、全ての地点で環境保全目標値を満足する。 さらに、適切な環境保全措置を講じることにより、仮線時の列車の走行に伴う環境への影響を最 小限にとどめるよう環境保全について配慮されているものと評価する。 3.2.3 振 動 (1) 建設機械の稼動 建設機械の稼動に伴う振動(振動レベルの80%レンジ上端値(L10))は、建設機械(ユニット) の稼動位置から5m地点では53~81デシベル、10m地点では48~70デシベル、20m地点では43~63 デシベルと予測される。 環境保全目標値は、「建設作業振動は工事区域の敷地境界線において75デシベルを超える大きさ でないこと」を設定した。 建設作業騒振動の予測結果と環境保全目標値と対比すると、鋼矢板(超高周波バイブロハンマ工) の場合に環境保全目標値を超過する結果となる。そこで、工法を鋼矢板(ウォータージェット併用 バイブロハンマ工)に変更した場合、工事敷地境界での振動レベルの 80%レンジ上端値(L10)は、 75 デシベル以下となる。 さらに、適切な環境保全措置を講じることにより、建設機械の稼動に伴う環境への影響を最小限 にとどめるよう環境保全について配慮されていると評価する。 (2) 工事関連車両の走行 工事関連車両の走行に伴う振動レベルの 80%レンジ上端値(L10)は、掘削・線路撤去時及びコン クリート打設時ともに 32~42 デシベルと予測され、現況からの増加量は全ての断面で1デシベル以 下となっている。 環境保全目標値は、振動規制法に基づく道路交通振動の限度(70 デシベル以下、または 65 デシベ ル以下)を設定した。 振動レベルの 80%レンジ上端値は、全ての予測断面で環境保全目標値を満足する。また、振動レ ベルの 80%レンジ上端値の増加量は全ての断面で1デシベル以下と予測され、現況の振動を著しく 悪化させるものではない。 -25- さらに、適切な環境保全措置を講じることにより、工事関連車両の走行に伴う環境への影響を最 小限にとどめるよう環境保全について配慮されていると評価する。 (3) 列車の走行(仮線) 鉄軌道振動(仮線)の振動レベルピーク値(Lmax)は、現在線の近接側軌道中心から 12.5 m地点 において、49~61 デシベルと予測される。 環境保全目標値は、道路交通振動の限度のうち最も厳しい基準(60 デシベル)を設定した。 仮線時の列車の走行に伴う振動の予測結果と環境保全目標値との対比では、鉄道-13 地点以外の地 点は環境保全目標値を満足する。鉄道-13 地点については、環境保全目標値に対して1デシベル上回 ると予測されるため、路盤の強化やバラストマットの設置等を行うことにより、鉄軌道振動を低減 する。このことから、鉄道-13 地点についても、環境保全目標値を満足する。 さらに、適切な環境保全措置を講じることにより、列車の走行に伴う環境への影響を最小限にと どめるよう環境保全について配慮されていると評価する。 3.2.4 土壌汚染 本事業では、建設工事中及び供用後ともに土壌汚染を発生する計画及び行為はないが、沿道の建 物用途の状況によると、対象事業実施区域に土壌汚染物質を扱う可能性のある施設(クリーニング 店)が存在する。 この施設については、用地を買収後、解体することになるが、地盤の掘削に先立ち土壌汚染対策 法及び大阪府生活環境の保全等に関する条例に基づき土壌汚染調査を実施し、問題の有無を確認す る。土壌汚染が認められた場合は、法律及び条例に基づき適切な対策を講じることとする。 また、列車の走行に関して鉛等の有害物質を含むパンタグラフの使用が確認されていることから、 軌道内の地盤中において有害物質が確認される可能性がある。 したがって、現在の軌道敷の土地を改変する際は、事前に土壌汚染対策法及び大阪府生活環境の 保全等に関する条例に基づき土壌汚染調査を実施し、問題の有無を確認する。 その結果、土壌汚染が確認された場合は法及び条例に基づき適切に処理する計画であることから 土壌汚染による影響はないものと評価する。 さらに、適切な環境保全措置を講じることにより、土地の改変による環境への影響を最小限にと どめるよう環境保全について配慮されていると評価する。 -26- 3.2.5 人と自然との触れ合いの活動の場 人と自然との触れ合いの活動の場への影響予測は、4つの公園を対象に事業計画と重ね合わせる ことにより、改変の程度、利用性の変化(利用上の支障の有無、到達時間)、快適性の変化(近傍 の風景、雰囲気)の観点から行った。 走谷公園、南中振公園、香里北さざんか公園については、快適性に変化が生じると予測され、田 井西公園は利用性、快適性に変化が生じると予測される。 散策ルートについては、事業実施後(鉄道高架後)において鉄道沿い及び鉄道交差ルートが確保 されるため影響ないものと予測する。 工事の実施により公園区域の一部を改変することになるが、これらの公園が現在有している機能 は回復することを基本方針としている。 今後、全ての公園において面積の減尐や機能の回復、利用者の快適性の確保について、公園管理 者と協議し対策を講じることから、利用者への影響が低減されるよう配慮されているものと評価す る。 3.2.6 文化財 対象事業実施区域は、枚方宿遺跡、万年寺山遺跡、枚方寺内町遺跡、伊加賀遺跡、伊加賀古墳群、 蹉跎廃寺及び茨田郡条里遺跡の7ヵ所の埋蔵文化財包蔵地に位置している。 工事の実施に伴い土地を改変する際に、これらの埋蔵文化財に影響を及ぼすことが考えられる。 そのため、事業者の実行可能な範囲内で環境影響をできる限り回避又は低減することを目的として、 工事の実施に当たっては大阪府教育委員会等の関係機関と協議を行い、その指導の下に必要な調査 を行い埋蔵文化財の有無を確認する。 また、工事中に埋蔵文化財を発見した場合には、大阪府教育委員会等の関係機関と協議を行い記 録保存等の処置を講じることから、文化財保護法に基づき埋蔵文化財包蔵地における埋蔵文化財の 保護に努めることができるものと評価する。 3.2.7 廃棄物、発生土 家屋取り壊しによる産業廃棄物の総発生量が約 62 千トン、最も多く発生する産業廃棄物はコンク リートくずで約 49 千トンと予測される。 杭工事による産業廃棄物の発生量は、掘削土砂量が約 21,000 ㎥、余剰となる安定液量が約 8,400 ㎥と予測される。 -27- 現在線及び仮線撤去に伴う産業廃棄物の発生量は、バラスト約 19、300 m 3、コンクリート枕木約 6,800 トン、レール約 1,600 トンと予測される。 駅舎撤去に伴う産業廃棄物の発生量は、金属くず約 1,000 トン、コンクリートくず約 3,100 トン 木くずが約 70 トン、混合廃棄物が約 140 トンと予測される。 工事期間 10 年間の工事事務所から発生する廃棄物の排出量は、 一般廃棄物・産業廃棄物の合計で、 66 トンと予測され、1年当たりでは約 6.6 トンとなる。 発生土は、基礎杭等の掘削土が該当し、その量は概ね 155,700 m 3 である。 適切な環境保全措置を行うことにより、発生量及び処分量の削減と資源循環の推進に向けて十分 配慮されており、また、「大阪 21 世紀の新環境総合計画」(平成 23 年3月、大阪府)における目 標の達成に支障を及ぼすものではないものと評価する。 3.2.8 地球環境 (1) 建設機械の稼動 工事期間中の建設機械の稼動に伴う二酸化炭素排出量は、8,101.84 t-CO2 と予測される。 また、建設機械のうちバックホウについてはCO2排出低減建設機械に指定されている機種があ り、従来の機械に比べ燃費が概ね 10%向上する(出典:「CO2排出低減建設機械に対する融資制度 について」(平成 19 年 11 月2日、国土交通省総合政策局建設施工企画課)。 バックホウについて、CO2排出低減建設機械に指定されている機種を使用した場合の、工事期間 中の二酸化炭素排出量は 8,035.46 t-CO2 と予測され、指定されていいない機種を使用しない場合に 比べ、66.38 t-CO2 削減される。 適切な環境保全措置を行うことにより、建設機械の稼動に伴う温室効果ガスの発生については環 境への影響を最小限にとどめるよう環境保全について配慮されており、また環境基本計画、大阪府 環境総合計画等、国又は大阪府が定める環境に関する計画又は方針に定める目標の達成と維持に支 障を及ぼすものではないものと評価する。 (2) 工事関連車両の運行 工事期間中の工事関連車両の走行に伴う二酸化炭素排出量は、約 15,220 t-CO2 と予測される。 適切な環境保全措置を行うことにより、工事関連車両の走行に伴う温室効果ガスの発生について は環境への影響を最小限にとどめるよう環境保全について配慮されており、また環境基本計画、大 阪府環境総合計画等、国又は大阪府が定める環境に関する計画又は方針に定める目標の達成と維持 に支障を及ぼすものではないものと評価する。 -28- 4.環境保全措置 環境影響評価の項目ごとに調査、予測及び評価を行った結果、環境を保全するために種々の措置 を行う必要があると判断される。環境の保全のための措置の内容は表 4.1 に示すとおりであり、事 後調査として実施する結果等を十分勘案して、適切な環境保全措置を講じることとする。 表 4.1(1) 環境の保全のための措置の内容 環境影響要因及び 環境影響評価項目 施 列車の走行に伴う 設 騒音 の 供 用 環境の保全のための措置の内容 列車の走行に伴う 振動 列車の走行に伴う 低周波音 駅施設の供用に伴 う地球環境 弾性マクラギ直結軌道等を採用する。 線路は、分岐部を除いてロングレールを敷設する。 分岐部については、弾性分岐器等の導入を行う。 鉄道施設の適切な保守管理(レールの削正や車輪の転削)を行う。 防音効果のある壁高欄を採用する。 必要に応じ、防音壁の嵩上げや防音壁の吸音処理等の措置を講じる。 駅舎における構内放送や発車ベルは指向性のあるスピーカーを採用し、外 部への騒音の発生を低減する。また、光善寺駅・枚方公園駅については、 線路の上空以外は建屋化し、その構造自体が防音壁の役割となることから、 副次的に遮音効果がある。 弾性マクラギ直結軌道等可能な限り防振軌道を採用する。 線路は、分岐部を除いてロングレールを敷設する。 分岐部については、弾性分岐器等の導入を行う。 鉄道施設の適切な保守管理(レールの削正や車輪の転削)を行う。 高架部については、剛性の高いラーメン構造を基本とし、低周波音の発生 防止を図る。また、ラーメン構造以外の区間では、今後実施する詳細な設 計段階において、その時点での最新の知見に基づき、桁、床版の剛性を検 討し、高剛性のものを採用することにより、可能な限り低周波音の発生防 止を図る。 弾性マクラギ直結軌道等の防振軌道を採用し、構造物音の低減に努める。 利用者がいない時に運転を休止・抑止することで、不必要な電力消費を抑 制する自動運転装置付き及び可変速度運転機能付きエスカレーターを採用 する。 電照式駅名サインや行先表示板における、低消費電力・長寿命のLED照 明の採用など、消費電力の尐ない照明の採用や、停車する列車の編成で駅 を分類し、その分類にあわせた照明照度の調光を行う。 膜構造屋根から入る自然光の明るさに合わせて照明の照度を調整する「調 光システム」を採用する。 太陽光発電システムを導入する。 駅施設の完成が平成 40 年度であることから、その時点での省エネルギー技 術水準を踏まえた環境配慮を行う。 -29- 表 4.1(2) 環境の保全のための措置の内容 環境影響要因及び 環境影響評価項目 施 日照阻害 設 の 存 在 電波障害 環境の保全のための措置の内容 高架構造物を必要最小限の高さに留めるなど、極力高さを抑えた計画とす 景 観 る。 事業実施段階において日照阻害を受ける住居がある場合は、「公共施設の 設置に起因する日陰により生ずる損害等に係る費用負担について」を踏ま え、適切な対応措置を講じる方針とする。 適切な設計検討により高架構造物の高さを必要最小限に留め、環境影響の 低減に努める。 事業の実施に伴い、テレビジョン受信障害が予測される地域について、C ATVへの接続など、適切な対応措置を講じる。 予測されない影響が生じた場合には、因果関係を明らかにし、本事業によ る影響と判断される場合は、同様に適切な対応措置を講じる。 施設の外観が周辺地域の都市景観と調和するよう形状、色彩に配慮する。 枚方宿地区が大阪府景観計画の重点地区として指定されていること、周辺 の歴史的な街並みの雰囲気を残すための様々な取組が行われていること、 歴史的・文化的景観の保全や活用が図られていること等を考慮し、駅舎等 の設計に際しては、周辺の歴史的な街並みと調和したデザインとするよう、 地域景観との調和などに配慮しながら景観向上に努める。 高架構造物が無機質なコンクリート構造物とならないよう、形状・色彩に 配慮するとともに、歩道部に道路緑化を実施する等、自然的な景観要素を 取り入れることで圧迫感の低減を図る。 駅舎の設計に際しては、駅舎、駅前広場が一体となった景観が創出される よう、駅舎周辺の整備を行う寝屋川市及び枚方市とも連携して、画一的な ものではなく、長く住民に親しまれ、地域の街並みに調和し、駅周辺が地 域の玄関口としてふさわしいものになるよう配慮する。 -30- 表 4.1(3) 環境の保全のための措置の内容 環境影響要因及び 環境の保全のための措置の内容 環境影響評価項目 工 建設機械の稼動に 排出ガス対策型建設機械の指定を受けた機種については、排出ガス対策型 事 伴う大気質 建設機械を使用する。 の 建設機械は、「特定特殊自動車排出ガスの規制等に関する法律」(オフロ 実 ード法)及び「道路運送車両法」の規制基準に適合した機械を使用する。 施 「建設業に係る特定特殊自動車排出ガスの排出の抑制を図るための指針」 に従い、排出ガスの排出の抑制を図るために適切な燃料の使用や適切な点 検整備等を実施するとともに、急発進・急加速・急操作の排除に努める等、 排出量をより尐なくする運転・使用についてマニュアルの作成や従業員の 教育等を通じ、実施の徹底を図る。 建設工事が一時期に集中しないよう、工事工程や搬出入の時間帯を調整す る。 建設機械の点検・整備を十分に行い、無理な負荷が生じないようにする。 原則として、工事実施区間全体の工事敷地境界に万能塀を設置し、必要に 応じて現場での散水や工事用通路の舗装を行い、粉じんの飛散防止に努め る。 建設機械の不使用時におけるアイドリングストップの徹底等、運転者への 教育・指導を行うと共に、日常保守点検の励行、整備を確実に行うことに より性能維持に努める。 工事関連車両の走 建設工事が一時期に集中しないよう、工事工程や搬出入の時間帯を調整す 行に伴う大気質 る。 工事区域から工事関連車両が退場する場合は、タイヤ洗浄を行い、粉じん の飛散防止を行う。 ダンプトラックが公道を走行する際は、シートで荷台を被覆する等の措置 を講じることにより、荷台の砕石や残土等からの粉じんの飛散防止を行う。 工事関連車両が公道を走行する際は、規制速度を遵守するとともに、工事 用通路においては徐行する。 工事関連車両については、搬出入量に応じた適正な車種・規格を選定し、 効率的な運行を行うことにより、車両数を削減するよう努める。また、工 事量及び資機材運搬量の平準化により、車両数を平準化し、ピーク時の車 両数を削減する。 工事関係の従業者の通勤については、可能な限り公共交通機関の利用や自 動車の相乗りを推進し、通勤のための自動車の走行台数の抑制に努める。 工事関連車両の走行ルートは、可能な限り幹線道路を使用し、生活道路の 通行を最小限とする。 工事区域周辺の細街路における工事関連車両の走行ルートの選定や走行時 間帯の設定に当たっては、周辺道路の利用状況、住居の立地状況等に十分 配慮して行う。 工事関連車両は、大阪府生活環境の保全等に関する条例の趣旨に則り、駐 車中のアイドリングや空ふかしをしない。 -31- 表 4.1(4) 環境の保全のための措置の内容 環境影響要因及び 環境の保全のための措置の内容 環境影響評価項目 工 建設機械の稼動に 施工法は、低騒音施工法を基本とする。さらに建設機械は、低騒音型の指 定を受けた機種については、低騒音型建設機械を使用する。 事 伴う騒音 の 建設工事が一時期に集中しないよう、工事工程や搬出入の時間帯を調整す 実 る。 施 騒音規制法において特定建設作業として指定された規制対象作業以外の建 設作業についても、騒音規制法による特定建設作業に伴う騒音の規制基準 を遵守する。 建設機械の不使用時におけるアイドリングストップの徹底等、運転者への 教育・指導を行うと共に、日常保守点検の励行、整備を確実に行うことに より性能維持に努める。 原則として、工事実施区間全体の工事敷地境界付近に万能塀等を設置し、 騒音の低減を図る。 作業時間(特に騒音・振動を発生する作業)は、昼間とし日曜日及び祝日は 工事を原則休止する。 工事関連車両の走 建設工事が一時期に集中しないよう、工事工程や搬出入の時間帯を調整す 行に伴う騒音 る。 工事関連車両が公道を走行する際は、規制速度を遵守するとともに、工事 用通路においては徐行する。 工事関連車両については、搬出入量に応じた適正な車種・規格を選定し、 効率的な運行を行うことにより、車両数を削減するよう努める。また、工 事量及び資機材運搬量の平準化により、車両数を平準化し、ピーク時の車 両数を削減する。 工事関係の従業者の通勤については、可能な限り公共交通機関の利用や自 動車の相乗りを推進し、通勤のための自動車の走行台数の抑制に努める。 工事関連車両の走行ルートは、可能な限り幹線道路を使用し、生活道路の 通行を最小限とする。 工事区域周辺の細街路における工事関連車両の走行ルートの選定や走行時 間帯の設定に当たっては、周辺道路の利用状況、住居の立地状況等に十分 配慮して行う。 工事関連車両は、大阪府生活環境の保全等に関する条例の趣旨に則り、駐 車中のアイドリングや空ふかしをしない。 列車の走行(仮線) 線路は、分岐部を除いてロングレールを敷設する。 に伴う騒音 分岐部については、弾性分岐器等の導入を行う。 鉄道施設の適切な保守管理(レールの削正や車輪の転削)を行う。 原則として、工事実施区間全体の工事敷地境界に万能塀等を設置し、騒音 の低減を図る。 建設機械の稼動に 施工法は、低振動施工法を基本とする。さらに建設機械は、低振動型の指 伴う振動 定を受けた機種については、低振動型建設機械を使用する。 建設工事が一時期に集中しないよう、工事工程や搬出入の時間帯を調整す る。 振動規制法において特定建設作業として指定された規制対象作業以外の建 設作業についても、振動規制法による特定建設作業に伴う振動の規制基準 を遵守する。 作業時間(特に騒音・振動を発生する作業)は、昼間とし日曜日及び祝日は 工事を原則休止する。 -32- 表 4.1(5) 環境の保全のための措置の内容 環境影響要因及び 環境の保全のための措置の内容 環境影響評価項目 工 工事関連車両の走 建設工事が一時期に集中しないよう、工事工程や搬出入の時間帯を調整す 事 行に伴う振動 る。 の 工事関連車両が公道を走行する際は、規制速度を遵守するとともに、工事 実 用通路においては徐行する。 施 工事関連車両については、搬出入量に応じた適正な車種・規格を選定し、 効率的な運行を行うことにより、車両数を削減するよう努める。また、工 事量及び資機材運搬量の平準化により、車両数を平準化し、ピーク時の車 両数を削減する。 工事関係の従業者の通勤については、可能な限り公共交通機関の利用や自 動車の相乗りを推進し、通勤のための自動車の走行台数の抑制に努める。 工事関連車両の走行ルートは、可能な限り幹線道路を使用し、生活道路の 通行を最小限とする。 工事区域周辺の細街路における工事関連車両の走行ルートの選定や走行時 間帯の設定に当たっては、周辺道路の利用状況、住居の立地状況等に十分 配慮して行う。 列車の走行(仮線) 線路は、分岐部を除いてロングレールを敷設する。 に伴う振動 分岐部については、弾性分岐器等の導入を行う。 鉄道施設の適切な保守管理(レールの削正や車輪の転削)を行う。 特に振動が大きくなると考えられる箇所については、路盤の強化やバラス トマットの設置等を行う。 土地の改変に伴う 土地の改変が 3,000 ㎡以上となることから、土壌汚染対策法及び大阪府生 土壌汚染 活環境の保全等に関する条例に基づき、工事着手前の段階から土地の利用 履歴等調査などの必要な対応を図っていくものとする。 地盤の掘削による発生土については必要に応じて土壌汚染調査を行い、汚 染が確認された場合は、土壌汚染対策法及び大阪府生活環境の保全等に関 する条例を遵守し、適切に処理する。 セメント系固化材を使用する場合には、六価クロムの溶出がないことが確 認された材料を使用する。 土地の改変に伴う 公園面積の減尐や機能の回復、利用者の快適性の確保について、利用者へ 人と自然との触れ の影響が低減されるよう公園管理者と協議し対策を講じる。 合いの活動の場 土地の改変に伴う 工事の実施に当たっては、大阪府教育委員会等の関係機関と協議し、その 文化財 指導の下に必要な調査を行い、埋蔵文化財の有無を確認し、適切に対応す る。 工事中に埋蔵文化財を発見した場合には、大阪府教育委員会等に報告・協 議を行い適切な保全措置を講じる。 -33- 表 4.1(6) 環境の保全のための措置の内容 環境影響要因及び 環境の保全のための措置の内容 環境影響評価項目 工 土地の改変に伴う 家屋取り壊しに伴う産業廃棄物は、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」 事 廃棄物、発生土 に基づき、適正に処理され、再生利用及び再資源化が行われる。 の 杭工事による建設汚泥については、処理事業者に委託し、再利用に資する 実 ように努める。 施 現在線及び仮線撤去による産業廃棄物については、収集・運搬及び中間処 理の許可を得た、再生利用及び再資源化を実施できる業者へ全量を委託処 分する。 駅舎撤去による産業廃棄物については、収集・運搬及び中間処理の許可を 得た、再生利用及び再資源化を実施できる業者へ全量を委託処分する。 工事事務所から発生する廃棄物については、分別を徹底し、一般廃棄物に ついては、収集・運搬の許可を得た業者へ、産業廃棄物については、収集・ 運搬及び中間処理の許可を得た、再生利用及び再生資源化を実施できる業 者へ全量委託処分する。 掘削による発生土 155,700 m 3 については、 「建設リサイクル推進計画 2008」 (平成 20 年4月、国土交通省)、「大阪府建設リサイクル推進計画 2011」 (平成 23 年3月、大阪府)が掲げる目標を達成するように努める。 場外搬出する発生土については、「建設副産物対策近畿地方連絡協議会」 の工事情報交換システムを活用して、工事間の流用を図ることにより、最 終処分量の抑制に努める。 工事の計画及び設計段階から建設廃棄物の発生の抑制、再生利用等による 減量化及び再生材の活用の推進、並びに適切な処理を確保するよう工法ま たは資材の選定及び処理方法の選定を行う。 建設機械の稼動に 土地の改変や施設規模を必要最小限にとどめ、工事量の削減に努める。 伴う地球環境 CO 2 排出低減建設機械の指定を受けた機種については、CO 2 排出低減建 設機械を使用する。 低炭素型建設機械の認定を受けた機種については、低炭素型建設機械を使 用する。 建設機械の不使用時におけるアイドリングストップの徹底等、運転者への 教育・指導を行うと共に、日常保守点検の励行、整備を確実に行うことに より性能維持に努める。 工事関連車両の走 建設工事が一時期に集中しないよう、工事工程や搬出入の時間帯を調整す 行に伴う地球環境 る。 工事関連車両が公道を走行する際は、法定速度を遵守するとともに、工事 用通路においては徐行する。 工事関連車両については、搬出入量に応じた適正な車種・規格を選定し、 効率的な運行を行うことにより、車両数を削減するよう努める。また、工 事量及び資機材運搬量の平準化により、車両数を平準化し、ピーク時の車 両数を削減する。 工事関係の従業者の通勤については、可能な限り公共交通機関の利用や自 動車の相乗りを推進し、通勤のための自動車の走行台数の抑制に努める。 工事関連車両の走行ルートは、可能な限り幹線道路を使用し、生活道路の 通行を最小限とする。 工事関連車両は、大阪府生活環境の保全等に関する条例の趣旨に則り、駐 車中のアイドリングや空ふかしをしない。 -34- 5.事後調査の方針 5.1 事後調査の方針 本事業の実施が対象事業実施区域周辺の環境に及ぼす影響について検討するため、調査、予測及 び評価を行った結果、環境の現況を著しく悪化させることはないものと考える。 本事業の実施に当たっては、「環境に配慮した安心・安全な施設を建設する」ことを基本方針と した施設の整備を行うこととしており、地域の方々に安心して頂けるように事業者として環境への 負荷の低減に向けて実行可能な範囲で取り組むため、事後調査を行う計画である。 事後調査の項目は、本事業が概ね7年後に工事着手する計画であることから、現段階で設定した 予測条件である各種諸元に不確実性を伴っている一部の項目についても考慮に入れて選定するもの とする。 また、事後調査の結果に基づき、環境の保全及び創造のための適切な措置を講じる必要がある場 合には、大阪府等の関係機関と協議の上、適切に対応するものとする。 事後調査の結果については、事後調査報告書としてまとめて大阪府へ提出することとなってい る。 なお、今後、事後調査の実施段階で、本事業の詳細な実施設計・工事計画を踏まえ、調査内容 (頻度、地点等)を再度検討し、さらに詳細な事後調査計画を策定した上で、事後調査計画書を作 成する。 5.2 事後調査の項目の選定 事後調査の項目は、環境影響評価の対象として選定した環境要素の中から事業特性及び地域特性 を勘案して表 6.1 に示すとおり選定した。 選定した環境要素は、騒音、振動、低周波音、人と自然との触れ合いの活動の場、景観、廃棄物・ 発生土の6項目である。 -35- 表 5.1 事後調査の項目 環 境 項 目 大項目 小項目 施 設 の 存 在 ( ( 環境影響要因の内容 施設の供用 工事の実施 列 駅 建 工 列 車 施 設 事 車 の 設 機 関 の 走 の 械 連 走 行 供 の 車 行 用 稼 両 将 仮 動 の 来 線 走 線 行 土 地 の 改 変 ) ) 騒 音 騒音 ○ ○ ○ 振 動 振動 ○ ○ ○ 低周波音 低周波音 ○ 人と自然との触れ 人と自然との触れ 合いの活動の場 合いの活動の場 景 観 都市景観 ○ ○ 産業廃棄物 ○ 発生土 ○ 廃棄物、発生土 (注)○:事後調査を実施する環境項目 -36- 6.準備書に対する住民意見及び知事意見と都市計画決定権者の見解 6.1 住民意見と都市計画決定権者の見解 大阪府環境影響評価条例施行規則第 82 条第1項において準用する同条例第 19 条第1項の規定に 基づく意見(環境の保全の見地からの意見を有する者の意見)の提出は3件であった。 意見の概要及びそれに対する都市計画決定権者の見解は、表 6.1 に示すとおりである。 今後、事業実施に際して表 6.1 に示す見解の中で対応すべき事項については事業者に伝え、必要 な時期において適切に対応することとする。 なお、大阪府環境影響評価条例施行規則第 86 条第1項において準用する同条例第 20 条第1項の 規定に基づく公述意見(環境の保全の見地からの意見を有する者の意見)の提出はありませんでし た。 表 6.1(1) 住民意見の概要及び都市計画決定権者の見解 住民意見の概要 騒音・振動の予測・評価を「地上 1.2 m」だ けでなく、「地上 10 m~20 m」の地点(高架 後列車が通過する高さ)での予測・評価を追加 されることを要望いたします。 【理由】 3月 15 日~17 日に開催された説明会資料で は、地上 1.2 mでの予測・評価のみで、現状よ り低減し『すべての地点で環境保全目標値を満 足する』とあるが、高架化される事により列車 の通過は ・地上 1.2 m地点 :真横⇒上空 ・地上 10 m~20 m地点:下方⇒真横 と、列車が通過する高さになる地上 10 m~20 m以上の地点では、騒音・振動の増加が予測さ れ、マンション上層階の住民にとって生活環境 悪化が予想されるため。 都市計画決定権者の見解 騒音については、「在来鉄道の新設又は大規 模改良に際しての騒音対策の指針について」 (平成 7 年 12 月 20 日 環大1第 174 号 環境 庁大気保全局長通知)に基づき、近接側軌道中 心線からの水平距離が 12.5 mの地点で高さが 地上 1.2 mの箇所で測定することとなってい ることから、当該箇所で予測・評価していま す。 なお、地上 10m~20m 地点の騒音については、 代表的な断面で上層階の騒音予測を行ってお り、環境影響評価準備書に騒音コンター図を示 しています。(準備書 pp.251~255) 今後、必要と思われる箇所については、現地 調査を行い、工事前に対して工事中、工事後の 騒音が大きくなり生活環境に著しい影響が及 んでいると認められる場合には、必要な対策を 講じ、騒音の軽減を図ります。 また、振動については、「環境保全上緊急を 要する新幹線鉄道振動対策について」(昭和 51 年 3 月 12 日、環境庁長官勧告)に準拠して、 騒音と同様に近接側軌道中心線からの水平距 離が 12.5m 地点で予測・評価を行っており、鉄 道高架に伴い、地上の予測結果が現況値より低 減されていることから、地上 10m~20m 地点に ついても同様に低減されるものと考えていま す。 -37- 表 6.1(2) 住民意見の概要及び都市計画決定権者の見解 住民意見の概要 騒音及び振動の計測地点は、鉄道の音源から 12.5m 地点で測定し事業後の予測値と比較し ている。しかしながら、別線区間の鉄道西側に ついては、現在線より鉄道が近づくことになる から騒音、振動が低減されるとの評価結果には 疑問がある。説明会や説明会資料では数字で示 されているが感覚として認識しづらいため高 架化済み箇所との比較が可能な数字を示すこ とを求める。 事業前、事業中、事業後において自宅前での 計測を求める。 都市計画決定権者の見解 別線区間の鉄道西側については、鉄道は現在 線より水平方距離が近くなりますが、高架化さ れることや、コンクリート高欄、弾性マクラギ 直結軌道の採用、ロングレールの敷設などを行 うことで列車の走行に伴う騒音・振動は現在 より低減すると予測しています。 現在線より鉄道が近づく箇所については、既 に高架化している寝屋川駅付近で類似してい る箇所があり、その地点の騒音・振動を測定し た結果は、騒音レベルのピーク値で 18 d B、 振動レベルのピーク値で 12 d B 低減している 結果が得られています。 (単位:d B) 騒音レベル 振動レベル のピーク時 のピーク時 ①事前調査 90 62 ②事後調査 72 50 ②―① -18 -12 (出典:京阪本線(寝屋川市内)連続立体交差 化工事の内複線高架完成後騒音・振動測定(事 後調査)報告書) 騒音・振動の調査・予測については、地域を 代表する地点 20 か所で実施しておりますが、 今後、必要と思われる箇所については、工事前、 工事中、工事後に計測を行います。 ① 地域の活性化に関わる環境問題は、本事業 ① 大阪府環境影響評価条例に基づく手続き の計画段階において最も慎重に検討される に則り、適正に進めてまいります。 べき事柄の一つと認識しておりますので、ご 理解の上善処をお願いする。 ② 現在の京阪本線の駅は、機能性、安全性、 ② 駅舎の景観については、環境影響評価準備 利便性、コストの面がより優先されている結 書 6.9.2(5)に示しているとおり、「施設の 果、駅舎のデザイン性や町並みとの景観に配 外観が周辺地域の都市景観と調和するよう 慮するという観点が乏しいように感じてい な形状、色彩に配慮します。また、歴史的・ ます。 文化的景観の保全や活用が図られているこ 京阪本線は京都と大阪という古都を結ぶ と等を考慮し、駅舎等の設計に際しては、地 路線であり、個々の駅の所在地には独自の歴 域景観との調和などに配慮しながら景観向 史的背景があり、街の様子もそれぞれ個性的 上に努める」こととします。(準備書 p.408) です。 それだけに、地域の人々の移動の拠点とな る駅舎のたたずまいも尐しでも魅力的で誇 らしく思えるようなリニューアルを期待し ます。 ③ 赤と黒の御影石に彫られたローマ字によ ③ 「光善寺の御影石の表札については、新し る光善寺駅の表札が、新装される駅舎に継承 い駅舎への継承を望む」という貴重なご意見 されることを望んでいます。 は、鉄道事業者にお伝えします。 -38- 6.2 知事意見と都市計画決定権者の見解 大阪府環境影響評価条例施行規則第 90 条第1項において準用する同条例第 22 条第1項の規定に 基づく意見(知事意見)及びそれに対する都市計画決定権者の見解は、表 6.2 に示すとおりである。 今後、事業実施に際して表 6.2 に示す見解の中で対応すべき事項については事業者に伝え、必要 な時期において適切に対応することとする。 表 6.2(1) 知事意見及び都市計画決定権者の見解 知事意見 都市計画決定権者の見解 【大気質・騒音・振動】 (1) 工事関連車両の走行に当たっては、一部 (1) 工事関連車両の走行は、一部の工事区間 の工事区間では区間内に幹線道路がないた では区間内に幹線道路がないため、生活道 め、生活道路及び供用時期が未定である幹 路及び供用時期が未定である幹線道路を分 線道路を分散して使用することを想定して 散して使用することを想定しています。工 いるが、幹線道路が整備された際には可能 事関連車両が実際に使用する道路について な限り使用することや、幹線道路が整備さ は、今後、地元住民等との協議を踏まえ検 れるまでは隣接する工事区間内を通行する 討します。幹線道路が既に整備されている ことにより、当該区間内の幹線道路を可能 場合は、原則として、その道路を使用する な限り使用することで、生活道路の使用を 予定です。幹線道路が整備されていない場 最小限に抑えること。 合は、隣接する工事区間内を通行すること 併せて、工事工程を適切に管理すること により、当該区間内の幹線道路を可能な限 等により工事関連車両台数の削減を図ると り使用することで、生活道路の使用を最小 ともに運行管理に万全を期し、工事関連車 限に抑えるよう努めます。 両の走行に係る環境影響を最小限に抑える 併せて、工事工程を適切に管理すること等 こと。 により工事関連車両台数の削減を図るとと もに運行管理に万全を期し、工事関連車両 の走行に係る環境影響を最小限に抑えるよ う努めます。 【騒音・振動】 (1) 事業計画地に近接する中高層住居では、 (1) 事業計画地に近接する中高層住居につい 鉄軌道騒音の影響が大きく増加することが ては、今後、適切な箇所を選定し、高さ方 見込まれる。また、高架化により音が直接 向等の地点を対象として、工事前、工事中、 伝搬することとなる住居等においては、現 工事後に鉄軌道騒音調査を行います。調査 状よりも鉄軌道騒音の影響の増加が懸念さ の結果、工事前に対して工事中、工事後の れる。 騒音が大きくなり生活環境に著しい影響が そのため、これらの地点についても事後 及んでいると認められる場合には、必要に 調査を実施し、その結果を踏まえ、必要に 応じて防音壁の嵩上げ等の追加の環境保全 応じ防音壁の嵩上げ等、追加の環境保全措 措置を講じます。 置を講じること。 (2) 鉄軌道振動について、予測に用いた類似 (2) 鉄軌道振動については、予測に不確実性 箇所での調査地点と予測地点で、振動の伝 があることから、供用後の事後調査の結果 搬経路である地盤性状の類似性が不明であ を踏まえ、必要に応じて追加の環境保全措 るなど、予測結果に不確実な要素があるこ 置を講じます。 とから、供用後の事後調査の結果を踏まえ、 必要に応じて路盤強化などの対策を講じる こと。 -39- 表 6.2(2) 知事意見及び都市計画決定権者の見解 知事意見 都市計画決定権者の見解 【騒音・振動】 (3) 対象事業実施区域沿線ではほぼ全線にわ (3) 対象事業実施区域沿線ではほぼ全線にわ たり住居が密集していることや、工事期間 たり住居が密集していることや、工事期間 が 10 年間と長期間に渡ることから、建設機 が 10 年間と長期間に渡ることから、建設機 械の稼動による騒音・振動の事後調査を定 械の稼動による騒音・振動の事後調査を定 期的に行い、影響を把握すること。また、 期的に行い、影響を把握します。また、そ それらの結果を踏まえ、必要に応じて工事 れらの結果を踏まえ、必要に応じて工事工 工程の調整を行うなど、建設機械の稼動に 程の調整を行うなど、建設機械の稼動によ よる騒音・振動の影響を低減すること。 る騒音・振動の影響の低減に努めます。 (4) 仮線の走行による振動については、軌道 (4) 仮線の走行による振動については、軌道 が近づくことで、現況よりも振動の影響が が近づくことで、現況よりも振動の影響が 増加する地点があることから、該当する箇 増加すると予測される地点があることか 所においてはバラストマットを敷設するな ら、該当する箇所においてはバラストマッ ど、仮線の走行による鉄軌道振動の一層の トを敷設するなど、仮線の走行による鉄軌 低減を図ること。 道振動の一層の低減を図ります。また、仮 線時についても事後調査を行い、影響を把 握するとともに、必要に応じて追加の対策 を講じます。 (5) 府道八尾枚方線の改築により新たに道路 (5) 府道八尾枚方線の改築は、車線数を変え が敷設される地域があることや、現況で騒 ずに歩道・植樹帯を整備するものであり、 音が環境基準を超過している地点があるこ 自動車の走行位置と住居位置が現在より離 とから、道路交通による騒音・振動の影響 れることから、道路交通騒音・振動は現況 を低減するため、低騒音型舗装の採用など、 よりも小さくなるものと考えます。なお、 実行可能な範囲で適切な対策を講じるこ 本事業の実施が 10 年以上先の長期になる と。 ことや新たに道路が敷設される地域がある ことから、その時点の状況を勘案して、必 要に応じて道路交通による騒音・振動の影 響を低減するための対策を講じます。 【低周波音】 (1) 予測結果が現地調査結果を上回っている (1) 今後実施する高架橋、橋梁の詳細設計で 場合があることや、予測・評価結果に不確 は、その時点での最新の知見に基づき、桁、 実な要素があることから、高架橋、橋梁の 床版の剛性の検討を行い、高剛性のものを 詳細な設計に際しては、その時点での最新 採用することにより、低周波音の影響の一 の知見に基づいた検討を行い、低周波音の 層の低減に努めます。 影響の一層の低減に努めること。 -40- 表 6.2(3) 知事意見及び都市計画決定権者の見解 知事意見 都市計画決定権者の見解 【景 観】 (1) 枚方宿地区は大阪府景観計画の重点地区 (1) 枚方宿周辺の高架構造物等の詳細設計で として指定されており、周辺の歴史的な街 は、枚方宿地区が大阪府景観計画の重点地 並みの雰囲気を残すための様々な取組が行 区として指定され、周辺の歴史的な街並み われている。そのため、枚方宿周辺の高架 の雰囲気を残すための様々な取組が行われ 構造物等の詳細な設計に際しては、周辺の ていることを踏まえ、周辺の景観に与える 景観に与える影響をフォトモンタージュ法 影響をフォトモンタージュ法などの視覚的 などの視覚的な方法で把握した上で、周辺 な方法で把握した上で、周辺の歴史的な街 の歴史的な街並みと調和したデザインとす 並みと調和したデザインとするよう配慮し るよう配慮すること。 ます。 (2) 駅舎の設計に際しては、駅舎周辺の整備 (2) 駅舎の設計に際しては、駅舎、駅前広場 を行う寝屋川市及び枚方市とも連携して、 が一体となった景観が創出されるよう、駅 画一的なものではなく、長く住民に親しま 舎周辺の整備を行う寝屋川市及び枚方市と れ、地域の街並みに調和し、駅周辺が地域 も連携して、画一的なものではなく、長く の玄関口としてふさわしいものになるよう 住民に親しまれ、地域の街並みに調和し、 配慮すること。 駅周辺が地域の玄関口としてふさわしいも のになるよう配慮します。 -41-