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第2次飯塚市人権教育・啓発実施計画(PDF:895KB)
第2次飯塚市人権教育・啓発 実 施 計 画 平成28年3月 飯 塚 市 はじめに わが国では、すべての国民に基本的人権の享有を保障する日本国憲法の規定 に基づき、人権に関する諸制度の整備や人権に関する条約の締結など、様々な 施策が講じられてきました。 国は、国内の人権問題解決のための取り組みを充実させるために、平成 9 年 「人権教育のための国連 10 年に関する国内行動計画」を策定し、平成 12 年に 人権教育及び人権啓発の推進に関する法律(平成 12 年法律第 147 号)を制定し、 平成 14 年には「人権教育・啓発に関する基本計画」を策定しました。 また、福岡県においても平成 10 年に「人権教育のための国連 10 年福岡県行 動計画」、平成 15 年には、人権が尊重される心豊かな社会の実現に向けて「福 岡県人権教育・啓発基本指針」が策定されました。 これらの計画や指針に基づき、本市においても平成 22 年 1 月に策定した「飯 塚市人権教育・啓発基本指針(以下「基本指針」という。)」の理念を具現化す るものとして平成 23 年 3 月に「飯塚市人権教育・啓発実施計画」(以下「実施 計画」という。)を策定し、その推進に取り組んできました。 しかしながら、学校、地域、家庭、職場など、私たちが生活する様々な場面 において、同和問題をはじめ、男女、子ども、高齢者、障がい者等に対する偏 見や差別が依然として存在することは、平成 26 年度に実施した飯塚市人権同和 問題実態調査(以下、「実態調査」という。)でも明らかになるとともに、災害 弱者や犯罪被害者、性的少数者などへの新たな人権問題も発生しています。 そのような中、本市の目指すべき“まちづくり”の「将来目標像」実現のた めの「第 1 次飯塚市総合計画」を中心とする計画体系の一環をなす実施計画も 第 2 次の策定となりました。 本市においては、現在及び将来にわたって人権擁護を推進していくうえで、 本実施計画に基づき、人権教育・啓発を総合的かつ計画的に推進し、市民一人 ひとりの人権が真に尊重される差別のないまちづくりに努めてまいります。 平成 28 年 3 月 目 次 第1章 総論 1 第2章 課題目標と達成のための方策 2 1 人権全般に関する問題 2 第1次実施計画の主な現状・評価と今後の課題 2 施策の基本的な方向性 3 課題目標 3 課題目標を達成するための方策 4 2 同和問題 6 第1次実施計画の主な現状・評価と今後の課題 6 施策の基本的な方向性 7 課題目標 7 課題目標を達成するための方策 8 3 男女の人権問題 11 第1次実施計画の主な現状・評価と今後の課題 11 施策の基本的な方向性 12 課題目標 12 課題目標を達成するための方策 13 4 子どもの人権問題 18 第1次実施計画の主な現状・評価と今後の課題 18 施策の基本的な方向性 19 課題目標 20 課題目標を達成するための方策 20 5 高齢者の人権問題 25 第1次実施計画の主な現状・評価と今後の課題 25 施策の基本的な方向性 25 課題目標 26 課題目標を達成するための方策 27 6 障がい者の人権問題 30 第1次実施計画の主な現状・評価と今後の課題 30 施策の基本的な方向性 31 課題目標 32 課題目標を達成するための方策 32 7 外国人の人権問題 第1次実施計画の主な現状・評価と今後の課題 35 35 8 施策の基本的な方向性 35 課題目標 36 課題目標を達成するための方策 36 様々な人権問題 38 第1次実施計画の主な現状・評価と今後の課題 38 施策の基本的な方向性 39 課題目標 39 課題目標を達成するための方策 39 用語解説 42 資料編 45 第2次飯塚市人権教育・啓発実施計画 第2次飯塚市人権教育・啓発実施計画 第1章 総 論 1 第2次実施計画策定の趣旨 わが国では、すべての国民に基本的人権の享有を保障する日本国憲法の下で、 人権に関する諸制度の整備を行い、人権に関する各種の政策が講じられてきま した。 しかしながら、今日においても、生命・身体の安全に関わる事象や社会的身 分、門地、人種、信条、性別又は障がい等による不当な差別、その他の人権侵 害がなお存在しています。 国においては、平成 12 年に施行された人権教育・啓発推進法に基づき、施策 の総合的かつ計画的な推進を図るため、平成 14 年に「人権教育・啓発に関する 基本計画」が示され、その取り組みが進められています。 本市においても、人権教育・啓発推進法に基づき、あらゆる機会を捉えて人 権教育・啓発に努めながら、平成 22 年に基本指針を策定し、この理念を具体化 するものとして施策を計画的に推進するために策定した実施計画も第 2 次の策 定となりました。 これまでの第1次実施計画の総括を踏まえるとともに、平成 26 年度に実施し た実態調査でも明らかになった諸問題など、現在の課題を解決するために、市 民一人ひとりの人権が尊重され、あらゆる差別のないまちづくりを推進する「第 2 次実施計画」を策定します。 なお、この「実施計画」は、本市の目指すべき“まちづくり”の「将来目標 像」実現のための「第1次飯塚市総合計画」を中心とする計画体系の一環をな すものです。 見直しを行う今回の「実施計画」の期間は、平成 28 年度から平成 32 年度ま での 5 ヵ年とします。なお、社会情勢の急激な変化や、人権に関する制度の大 幅な改正が生じたときは、必要に応じ適切な見直しを行います。また、取り組 みの成果と課題についてそれぞれ年度ごとに評価を行うとともに、5 年が経過し た後に「実施計画」の評価を行い、それを踏まえて、さらにその先の取り組み について方向付けを行っていくこととしています。 1 第2次飯塚市人権教育・啓発実施計画 第2章 課題目標と達成のための方策 第 2 次実施計画の具体的な取り組みについては、人権問題全般を扱う事業を 集めた「人権全般に関する問題」と、第 1 次実施計画に引き続き「同和問題」 「男 女の人権問題」 「子どもの人権問題」 「高齢者の人権問題」 「障がい者の人権問題」 「外国人の人権問題」「様々な人権問題」の全部で 8 項目を取り上げます。 また、平成 23 年度から平成 27 年度までの第 1 次実施計画を取り組んできた 中で、各項目の個別取り組みに対し、主な現状・評価と今後の課題について、 各項目ごとに総括しています。 1.人権全般に関する問題 第1次実施計画の主な現状・評価と今後の課題 【人権全般に関する問題】 個別取り組み ○人権教育の推進 ○人権教育に取り組む指導者の養成 ○市民の主体的な人権教育に関する活動の促進 ○人権教育に関する情報収集・提供機能の充実 ○市民の主体的な判断・自己実現の支援 ○人権にかかわる総合的な相談窓口の整備 ○人権救済・保護にかかる連携体制の構築 主な現状と評価 本市職員をはじめとする公務員や教職員、医療関係者、福祉関係者に対して は、人権教育や啓発を地域に発信できるように、また主体的に学習できるよう 実践のための研修に取り組んできています。 人権にかかわる相談については、それぞれの問題について、各種行政窓口が それぞれで対応してきていますが、市民が身近に解決方策について相談できる 窓口になっているとはいえない状況があります。 実態調査では、人権全般について人権問題に関する市民の関心の高さが示さ れ、本市における人権教育・啓発の取り組みの成果としてとらえられます。 2 第2次飯塚市人権教育・啓発実施計画 課題 人権にかかわる相談については、様々な問題について、各種行政窓口がそれ ぞれで対応してきていることから、人権にかかわる総合相談窓口の整備を引き 続き推進していく必要があります。 実態調査では、講演会・研修会の必要性が確認される一方で、 「講演会・研修 会への参加」の項目において「講演会・研修会に参加したことがない」という 回答が 56.6%ありました。また、 「講演会・研修会に参加しなかった理由」の項 目では「講演会等を知らなかった」という回答が 46.9%、 「必要と思わない」と いう回答が 22.8%ありました。 同和問題を人権問題の重要な柱としてとらえ、人権講演会や研修会への参加 を推進し、同和問題をはじめとする人権問題について理解を深めるとともに、 今後も引き続き人権全般における人権教育・啓発を進めていく必要があります。 《第2次実施計画》 ≪施策の基本的な方向性≫ すべての人は人間として皆同じように大切な人権を有しており、それぞれの 幸福を追求することができる平和で豊かな社会は人権が尊重されてこそ実現さ れるものです。 人権尊重とその擁護・確立は、自分の人権のみならず他者の人権についても 正しく理解し、権利の行使に伴う責任を自覚することにより、人権を相互に尊 重し合う「人権の共存」を図っていくことが重要です。 横断的に共通する人権意識の高揚を図るための施策を積極的に推進するとと もに、各課題の取り組み、とりわけ市民の自立や社会参加を促進するための施 策や人権救済・保護のための制度や施策を充実・活用していくことを基本に、 総合的な人権施策を推進していきます。 ≪課題目標≫ (1)人権意識の高揚を図るための施策の推進 一人ひとりが、人権の意識や価値についての理解を深め、すべての人の人 権を尊重する態度や行動を身につけるための人権教育・啓発を行うとともに、 市民の主体的な活動を促進します。 (2)人権擁護に資する施策の推進 3 第2次飯塚市人権教育・啓発実施計画 市民が人権侵害や人権侵害につながる問題に直面したときに、主体的判断 や自己実現ができるよう支援するとともに、複数の要因による人権問題に対 応する総合相談窓口の整備や関係機関と連携した相談支援体制を構築します。 ≪課題目標を達成するための方策≫ 【人権意識の高揚を図るための施策の推進】 (1)人権教育の推進 人権教育は、家庭、学校、職場、地域など、あらゆる場や機会をとらえて 推進する必要があり、なかでも、人権問題を直感的にとらえる感性や人権尊 重の心を育むことが重要です。 さらに、人権が尊重される社会の実現に深くかかわる立場にある者が、常 に人権尊重の意識や態度を持って、職務の遂行に臨むことが重要であり、本 市職員をはじめとする公務員や教職員、医療関係者、福祉関係者に対しては、 確かな人権意識と差別をなくす意思と実践力を身につけるための研修の充実 を図ります。 (2)人権教育に取り組む指導者の養成 市民が日頃から人権問題について考え、自主的・自発的にその解決に取り 組むことが重要であり、市民の身近なところで人権教育に取り組む自治会人 権同和推進員などの研修や、人権教育を効果的に推進するために重要な役割 を果たす専門的な指導者の養成を図ります。 また、そのために、人権教育に関する諸機関との連携や支援に努めます。 (3)市民の主体的な人権教育に関する活動の促進 多様な文化や価値観を大切にしあう豊かな人権文化を創造するためには、 市民の自主的・主体的な取り組みを促すとともに、地域においてさまざまな 人々がふれあい、交流する場を増やし、相互理解を促進することが重要です。 このため、人と人とのつながりや人間関係づくりを基礎とする市民の交 流・相互理解のための自主的・主体的な活動を促す環境を整備し、市民参画 での継続的・体系的な啓発活動をめざしていきます。 (4)人権教育に関する情報収集・提供機能の充実 人権教育は、本市のみならず、県内市町村・学校・企業などさまざまな主 体により、対象者やニーズに応じてさまざまな機会を通じて実施されること 4 第2次飯塚市人権教育・啓発実施計画 により、より効果を高めるものです。 このため、人権教育の各実施主体に対して、必要に応じて人権教育につい ての知識・手法や講師・教材、あるいは活動事例等についての情報などが適 切に提供できるよう、人権意識の高揚を図ることを目的とした人権教育に関 する情報収集・提供機能の充実を図り、人権啓発の促進に努めます。 【人権擁護に資する施策の推進】 (1)市民の主体的な判断・自己実現の支援 個別の人権侵害に適切に対応するために、各分野における相談・支援機能 の充実を図るとともに、分野ごとの相談・支援体制の連携をすすめ、各種の 相談機関や公的支援制度との連携・協力関係を図り、総合的かつ効果的な相 談・支援に取り組んでいきます。 (2)人権にかかわる総合的な相談窓口の整備 人権侵害にかかわる問題が生じた場合に、一人で悩むのではなく、市民が 身近に解決方策について相談できる窓口が必要となります。 それぞれの問題には、各種行政窓口が対応することになりますが、人権に かかわる相談には、複数の要因が複雑に絡み合っているものも少なくないこ とから、人権にかかわる総合相談窓口を整備し、これらの要因を解きほぐし て整理し、解決のための手立てを本人が主体的に選択できるよう、極めて細 やかな対応を行う必要があります。 (3)人権救済・保護にかかる連携体制の構築 本市においては、自立生活を営むうえで援助を必要とする市民を支援する ため、人権にかかわる総合相談窓口や人権擁護委員を中心として、子育てや 高齢者、障がい者等それぞれの相談支援センターや男女共同参画推進セン ター(サンクス)と連携することにより、市民の権利擁護や人権侵害の予防 を図っていきます。 また、国においては、既に人権侵害が発生した後の被害者救済について、 裁判所や法務局による救済だけでなく、労働問題等の一定の分野における裁 判外紛争処理制度等による対応が図られており、それぞれに被害者救済の機 能を果たしていますが、実効性の限界や問題点を抱え、併せて総合的な人権 救済の立場になく、救済の必要な全ての分野を網羅できていません。 したがって、救済すべき事案を適切に人権救済の手続に乗せていくことが できるよう、人権にかかわる総合相談窓口と国の人権擁護機関や、特定非営 利活動法人等の援助活動とも連携協力体制を構築していきます。 5 第2次飯塚市人権教育・啓発実施計画 2.同和問題 第1次実施計画の主な現状・評価と今後の課題 【同和問題】 個別取り組み ○人権同和教育の推進 ○教職員研修会の推進 ○学力向上、進路保障の推進 ○保護者に対する人権・同和教育 ○子どもから高齢者に至る幅広い層を対象に人権問題に関する多様な学習機 会の提供 ○感性や態度、行動につながるような学習内容及び方法の工夫・改善を推進 ○各種研修会等を通じて地域の指導者を育成 ○市民に対する啓発活動の充実 ○地域における啓発研修の支援 ○企業における啓発の推進 主な現状と評価 市職員・教職員の研修意識と指導力の向上等のため、主体的に学習できるよ う実践のための研修に取り組んでいます。 また、すべての子どもたちに人権意識の高揚及び、学力向上・進路保障が求 められています。 実態調査の結果から「同和問題の解決に向けたあなたの考え」の項目では、 「自 分も国民の一人としてこの問題の解決に努力すべき」と「自分のできる限りの 努力をしたい」という積極的な市民の回答があわせて 52.7%あり、県民意識調 査の結果を約 10 ポイント上回っていました。このことは、本市の啓発事業の一 定の成果としてとらえられます。 課題 今後も教育・啓発のより一層の充実が求められます。 生きる力の育成を図り、自己教育力の育成を学力向上の基本方向として学力 向上・進路保障に引き続き努めることが求められています。 本市の啓発事業については一定の成果があるものの、実態調査の結果から「同 和問題の解決に向けたあなたの考え」の項目において、回答者の約半数は「な 6 第2次飯塚市人権教育・啓発実施計画 りゆきにまかせるより仕方がない」 「よく考えていない」など消極的な回答があ り、更なる啓発が必要です。また、 「同和問題の解決策」の項目で「そっとして おけばなくなる」の回答が 27.2%あったことは本市の同和問題の課題として重 く受け止めなければなりません。 今後も引き続き、学校教育での主体的な学習活動はもとより、同和問題への 理解を深める教育・啓発への工夫を行い、社会教育においても教育・啓発に取 り組んでいくことが求められます。 《第2次実施計画》 ≪施策の基本的な方向性≫ 同和教育・啓発にあたっては、 「人権教育・啓発推進法」や「人権教育のた めの国連 10 年福岡県行動計画」などに基づき、「飯塚市人権擁護に関する条 例」、「飯塚市人権同和教育基本方針」などを策定し、同和問題の早期解決を めざして取り組みを進めてきました。 しかしながら、近年、住民票の写し等の不正取得や身元調査などの差別事 象が発生し、土地調査事象、差別落書きや貼り紙などの同和問題がいまだに 根強く残っていることが明らかになっています。このような本市の現状や今 回の実態調査から見えた課題を踏まえ、同和問題の解決を図っていかなけれ ばなりません。 今回の実態調査の結果では、同和問題の解決を図る上で学校教育や社会教 育での同和教育への期待が大きい一方で、学校で行っている同和教育につい て市民の理解が十分に進んでいないことが明らかになってきました。 就学前教育を含めた学校教育では、これまでの人権・同和教育のさらなる 充実を図り、いじめや差別のない教育環境づくりに努め、子どもの健康的な 生活習慣の定着、学力向上及び進路保障の取り組みを推進していきます。 また、学校での人権・同和教育の取り組みを家庭や地域へ発信し、人権・ 同和教育への理解を深めていきます。 社会教育では、実態調査の結果から市民が講演会等に進んで参加できるよ うに、改善を図る必要があります。 なお、こうした行政自体の取り組みと併せて、市民が主体となるところの 自発的な学習の機会の場の整備・提供や市内企業に対する取り組みの一層の 充実を図ります。 ≪課題目標≫ 7 第2次飯塚市人権教育・啓発実施計画 (1)学校教育 教育活動を通して計画的・効果的な人権・同和教育を推進し、体験活動や 各種副読本を活用した豊かな人権感覚の育成を支援します。また、教職員の 研修の充実と指導方法の工夫改善を推進するとともに、児童生徒の個々の能 力や適性の伸長を図り、学力向上・進路保障を推進します。 保護者に対しては研修会の実施等により学習機会や情報を提供します。 (2)社会教育 子どもから高齢者に至る幅広い層を対象に人権問題に関する多様な学習機 会の提供や、感性や態度、行動につながるような学習内容及び方法の工夫・ 改善を推進し、各種研修会等を通じて地域の指導者を育成します。 (3)啓発 市民の人権・同和問題に対する正しい理解を深め、人権意識の高揚を図る ため、人権講演会の実施や啓発冊子による啓発事業など、人権同和問題の啓 発事業の充実を図ります。また、企業における啓発の推進を図ります。 ≪課題目標を達成するための方策≫ 【学校教育】 (1)人権同和教育の推進 教育活動を通して計画的・効果的な人権・同和教育を推進します。 地域と一体化した奉仕、勤労、世代交流の体験活動を推進します。また、 教育の充実を目指して、副読本等の積極的な活用を推進します。 (2)教職員研修会等の推進 教職員の研修意識と指導力の向上及び実践を通した教育課題の克服に寄与 するため、研修会を計画・実施します。 人権教育推進のための企画・立案ができる指導者を養成する講座に教員を 派遣します。 (3)学力向上、進路保障の推進 生きる力の育成を図り、すべての子どもたちの学力向上・進路保障に努め ます。 8 第2次飯塚市人権教育・啓発実施計画 (4)保護者に対する人権・同和教育 人権・同和教育に関する学習機会や情報提供のための授業参観等を実施し 学校と家庭の連携を深めます。 【社会教育】 (1)子どもから高齢者まで発達段階に応じた多様な学習機会の提供 地域住民を対象に、子ども会、PTA、婦人会、老人大学等あらゆる機会を捉 えて、同和問題をはじめとした人権に関する多様な学習機会を提供します。 (2)人権への配慮や行動につながるような学習内容及び方法の工夫・改善 地区公民館等において、人権・同和問題に対する正しい認識と理解を深め るための講演会の開催や各地域公民館事業にあわせた資料の展示等を促進し ます。また、市民懇談会等、地域活動や講師派遣等の支援を行います。 各種行事や研修会の開催時における資料やチラシ・ポスター・立看板等に ついて、人権への配慮を前提に、誰が見てもわかるような広報活動に努めま す。 また、自発的学習に適した資料や啓発メディアの提供等を充実します。 (3)各種研修会を通じて身近な地域指導者の育成 地域に身近な指導者の育成を目指し、自治会人権同和推進員研修の充実を 図るとともに、自発的学習機会の提供と地域活動の支援を行います。 【啓発】 (1)人権同和問題の啓発事業 市民の人権・同和問題に対する正しい理解を深め、人権意識の高揚を図る ため人権講演会の実施や、県下一斉の強調月間に併せ街頭啓発を実施します。 (2)広(公)報誌による啓発 広報「いいづか」において、定期的に啓発記事を掲載するとともに、人権 週間等の機会を捉えて、啓発冊子を発行します。 (3)啓発コーナー事業 広く市民の人権意識の高揚が図られるようコミュニティセンターの常設 「啓発コーナー」を活用し、様々な人権問題の啓発に努めます。 (4)隣保館運営事業 9 第2次飯塚市人権教育・啓発実施計画 地域社会全体の中で、福祉の向上や人権啓発に住民交流の拠点となる開か れたコミュニティ施設として生活の相談事業や人権問題の解決のための、各 種講座の開催、人権啓発活動事業、高齢者生活支援事業等を実施するととも に広く市民に事業の周知を図ります。 (5)企業における啓発の推進 嘉飯桂地区企業人権・同和教育啓発関係行政推進協議会と連携・協力し、 企業における人権・同和問題研修、啓発活動の推進、えせ同和行為の排除及 び指導・助言、調査研究を実施します。 (6)関係団体との連携・協力による啓発事業等の推進 国、県及び市、嘉麻市、桂川町などの関係行政機関等と、また、人権にか かわる民間団体とも連携・協力し、人権・同和問題の調査・研究事業、講演 会や研修会を開催します。 10 第2次飯塚市人権教育・啓発実施計画 3.男女の人権問題 第1次実施計画の主な現状・評価と今後の課題 【男女の人権】 個別取り組み ○男女の人権が尊重される社会づくり ○男女共同参画への意識づくり ○男女が共に家庭と仕事・地域活動などを両立できる環境づくり ○政策・方針決定過程に男女が共に参画できる環境づくり ○働く場において男女が対等に参画できる環境づくり ○男女が共に支えあい、安心して暮らせるまちづくり 主な現状と評価 男女がそれぞれの個性と能力を発揮できる男女共同参画の環境づくりのため、 市、市民、事業者等の責務を明確にしながら、男女共同参画社会の形成のため の施策を全庁的に取り組んできています。 男女共同推進センター「サンクス」では、男女共同参画社会づくりの促進を 図るための拠点として、各種講座や相談事業などを行っています。 課題 日本社会では固定的性別役割分担意識が今なお根強く残っています。それら の意識が社会構造のあらゆるところに反映されており、このことが男女の賃金 格差、家事育児・介護等の負担偏り等々として表れていることから、これらの 意識を反映した構造が解消されなければなりません。 男女が共に仕事と家庭を両立できる環境づくりを進めるため、働く場におけ る男女の均等な機会と待遇確保など、さらに、国・県との連携を図りながら、 ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)を実現していくことが課題で す。 また、近年、大きな社会問題となっている配偶者及びパートナーからの暴力 (ドメスティック・バイオレンス)について、暴力の防止と被害者の人権を尊 重しながら法律等に基づいた被害者支援への取り組みが求められています。 11 第2次飯塚市人権教育・啓発実施計画 《第2次実施計画》 ≪施策の基本的な方向性≫ 本市では、男女がお互いに尊重しあい、対等な関係で、生涯にわたり安心 して生活ができる男女共同参画社会の形成を促進するため「飯塚市男女共同 参画推進条例」を制定し、男女共同参画の推進に関する基本理念を定め、市、 市民、及び事業者等の責務を明らかにすると共に、市の基本施策等に関する 事項を定めています。また、同条例に基づく「飯塚市男女共同参画プラン」 を策定し、固定的、伝統的な性別役割分担意識にとらわれず、それぞれの選 択に応じて多様な生き方を可能にし、個人の資質や能力が充分に発揮できる 男女共同参画社会の実現を目指していますが、未だ実現しているとはいいが たい状況にあります。 そこで、同条例・プランに沿って更なる推進を図り、政策・方針決定過程 への女性の参画拡大を図ると共に、男女平等や男女共同参画推進の意識を醸 成する啓発活動や、性別にかかわりなく対等な立場で社会や家庭を担ってい くために必要な教育の充実を図ります。 また、近年、大きな社会問題となっている女性への暴力、特にパートナー からの暴力(ドメスティック・バイオレンス)について、暴力の防止と被害 者の人権を尊重しながら法律等に基づいた被害者支援に取り組むと共に男女 共同参画オンブズパーソン制度を含む相談体制の充実を図ります。 ≪課題目標≫ (1)男女の人権が尊重される社会づくり 男女がお互いに人権を尊重しあい、対等な関係で、生涯にわたり安心して 生活が送れる社会を創るための取り組みを推進します。 (2)男女共同参画への意識づくり 従来の固定的性別役割分担意識にとらわれず、多様な生き方を選択でき、 性別にかかわりなくその個性と能力を十分に発揮できるように様々な社会制 度・慣行の見直しや意識の改革など男女共同参画の視点に立った意識づくり を推進します。 12 第2次飯塚市人権教育・啓発実施計画 (3)男女が共に仕事と家庭・地域活動などを両立できる環境づくり 従来の働き方が見直され、家庭の重要性が認識されて男女が安心して子ど もを産み育て、家族としての責任を果たすことができ、一人ひとりが仕事、 地域活動、ボランティア活動など、多様な選択のもとに、バランスのとれた 生き方ができる環境づくりを推進します。 (4)政策・方針決定過程に男女が共に参画できる環境づくり 市の政策・方針決定過程や、職場や地域などあらゆる分野の意思決定過程 に男女が共に参画することで、新しい視点が提起され、様々な人の立場を考 慮した政策等の立案・実施が可能な環境づくりを推進します。 (5)働く場において男女が対等に参画できる環境づくり 働く場において、それぞれがその能力を十分に発揮することができ、男女 の均等な機会と待遇が確保されるとともに、働きやすい職場環境づくりを推 進します。 (6)男女が共に支えあい、安心して暮らせるまちづくり 男女が共に日常の生活の意思決定の場に参画し、高齢者の問題、障がい者 の問題、同和問題、安全・安心の地域づくりなど様々な地域課題の解決に手 を携えて取り組むことで、住みよい豊かなまちづくりのための施策を推進し ます。 ≪課題目標を達成するための方策≫ 【男女の人権が尊重される社会づくり】 (1)あらゆる暴力の根絶に向けた取り組みの推進 女性や子ども、高齢者などに対するあらゆる形態の暴力を根絶するため、暴 力の防止と被害者支援に取り組むとともに、暴力は人間の尊厳に関わる基本的 人権の侵害であることの認識が市民一人ひとりに浸透するような積極的な取り 組みや相談体制の充実を図ることが重要です。 ① 女性に対する暴力の防止及び被害者支援 ② 子どもや高齢者等への虐待や犯罪の防止 ③ 職場・教育の場・地域等におけるセクシュアル・ハラスメントの防止 ④ メディアにおける男女共同参画の推進 13 第2次飯塚市人権教育・啓発実施計画 (2)生涯にわたる健康づくりへの支援 誰もが健康で明るく元気に生活できるよう、生涯を通じた健康づくりを推進 していく必要があります。また、あらゆる機会を通じて、リプロダクティブ・ ヘルス/ライツの理念の普及や性に関する正しい知識など男女の性を共に理 解・尊重する意識づくりを図るための情報の提供・啓発活動が必要です。 ① あらゆる世代への心身の健康保持のための支援 ② 母性の保護と母子保健対策の推進 ③ 性と生殖に関する健康と権利についての理解促進 【男女共同参画への意識づくり】 (1)男女共同参画の視点に立った社会制度・慣行の見直しと、意識の改革 職域、学校、地域、家庭などあらゆる分野において男女共同参画社会の実現 を阻害する偏見・社会通念・慣習・しきたりなどの見直しを進めるため、男女 共同参画に対する理解と認識を深める意識改革や啓発・広報活動が重要です。 ① 男女共同参画にかかる広報・啓発活動の展開 ② 男女共同参画の視点に立った社会制度・慣行の見直し ③ 男女共同参画の視点に立った市職員等の研修等の充実 ④ 男女共同参画に関わる調査研究、情報の収集・提供 (2)男女共同参画を推進する教育・学習の充実 性別に関わりなく男女が共に自立した個人として職場・地域・家庭を担える 人材を育てるため、あらゆる機会を通じて男女共同参画の視点に立った教育の 推進が重要です。 ① 男女共同参画の視点に立った家庭教育の推進 ② 男女共同参画の視点に立った就学前教育の推進 ③ 男女共同参画の視点に立った学校教育の推進 ④ 男女共同参画の視点に立った生涯学習の推進 ⑤ 女性のエンパワーメントのための学習機会の充実 (3)国際的視野に立った男女共同参画の推進 国際性豊かな人づくりや外国人が訪れやすい開かれた地域づくりが求められ るとともに、市民による身近な国際交流の促進や女性地位向上に関わる国際的 な動きの周知を図るなど、国際協調、国際理解を進める取り組みが必要です。 ① 国際理解及び交流と連帯の推進 14 第2次飯塚市人権教育・啓発実施計画 【男女が共に仕事と家庭・地域活動などを両立できる環境づくり】 (1)仕事と家庭・地域活動などの両立支援 男女が共に仕事と家庭や地域活動を両立できるワーク・ライフ・バランス(仕 事と生活の調和)の実現は、安心して子どもを産み育て、家族としての責任を 分かち合うことができる社会を形成し、社会の活力を維持、向上させるうえで も重要な課題です。また、男女共同参画社会の男性にとっての意義を啓発し、 男性の家庭や地域への参画を推進することも必要です。 ① 男女が共に家庭生活を担う環境づくり ② 男女が共に担う地域活動の推進 ③ 男性に対する意識啓発 (2)男女が共に担う子育て・介護支援の充実 男女が共に仕事と家庭や地域活動を両立できるような多様なニーズに対応し た子育て支援や介護サービスの充実を図るとともに、市民への育児休業・介護 休業制度の周知・啓発及び事業者等への制度の周知徹底と利用しやすい環境づ くりが求められています。 ① 男女が共に担う子育て・介護の推進についての広報・啓発 ② 子育て・介護支援の充実 (3)ひとり親家庭への支援の充実 ひとり親家庭に対し、多様な問題に対応するための相談窓口の充実や自立促 進と生活の安定を図るための支援が必要です。 ① 相談、援助の充実 ② ひとり親家庭への自立支援 【政策・方針決定過程に男女が共に参画できる環境づくり】 (1)政策・方針決定過程への女性の参画拡大 男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受し、共に責任を 担う男女共同参画社会を築くためには、政策・方針決定過程の場である審議会 等や市管理職へ女性の登用を積極的に促進する取り組みが重要です。 ① 審議会等への女性の登用促進 ② 市における女性職員の採用・登用及び職域拡大の促進 (2)あらゆる分野の意思決定過程における女性の参画拡大 男女共同参画社会を実現するためには、企業や農林業、地域団体等のあらゆ る分野においても、指導的立場への女性の参画を促進することが重要です。 15 第2次飯塚市人権教育・啓発実施計画 ① 企業における女性の登用促進 ② 商工業・農業等の分野における女性の登用促進 ③ 地域団体・その他諸団体における女性の登用促進 【働く場において男女が対等に参画できる環境づくり】 (1)男女が対等なパートナーとして働く職場環境づくりの促進 固定的性別役割分担意識や男性中心の企業意識・慣行を改め、均等な機会と 待遇の確保を図るための啓発を企業に対して行っていく必要があり、男女を問 わず雇用の分野で能力を存分に発揮し、個人の能力と意欲に応じた適正な評価 が受けられる環境づくりが必要です。 ① 女性の労働に関する法制度の認知・徹底等 ② 働きやすい職場環境の確保 ③ 母性健康管理対策の推進 (2)女性の就業支援の推進 女性の労働関係情報の提供や就業意識の啓発、再就職への支援、ライフスタ イルに応じた多様な働き方を可能にするための支援等を行うことが求められて います。 ① 女性の職業能力の開発の支援 ② 女性の再就業支援 ③ 女性の起業に関する支援 【男女が共に支えあい、安心して暮らせるまちづくり】 (1)地域活動への男女の参画及び方針決定過程への女性の参画促進 少子・高齢化等の社会経済情勢の急速な変化に対応できる活力ある地域社会 を築いていくためには、地域活動において、男女が共に責任を持って積極的に 参画していくことや、多様な意見が意思決定に反映できるように、地域におけ る男女共同参画を推進することが重要です。 ① 自治組織における取り組みの支援 ② 地域活動における女性の登用の促進 (2)高齢者等への男女共同参画の推進 高齢期の充実した生活の創造に向けて、高齢者の幅広いニーズに対応した学 習・交流の場を提供するとともに高齢者の社会参画への支援が必要です。 また、障がい者問題、同和問題等は、男女共同参画を阻害するもので、その 問題解決に向けての取り組みと自立のための支援策が求められています。 16 第2次飯塚市人権教育・啓発実施計画 ① 高齢者への施策の推進 ② 障がいのある女性への施策の推進 ③ 同和問題を解消するための施策の推進 (3)防災・災害復興分野における男女共同参画の推進 地域社会に大きな影響を与える自然災害等については男女のニーズの違いを 把握し性差へのきめ細かな配慮など男女共同参画の視点を取り入れた防災計画 や災害復興対策等に努めることが必要です。 ① 男女のニーズの違いを配慮しての防災・災害復興対策等の実施体制の整備 17 第2次飯塚市人権教育・啓発実施計画 4.子どもの人権問題 第1次実施計画の主な現状・評価と今後の課題 【子どもの人権】 個別取り組み ○地域における子育て支援 ○親と子の健康づくりの支援 ○子どもが健やかに育つ教育環境等の整備 ○安心して子育てができる生活環境の整備 ○仕事と子育ての両立支援 ○子ども等の安全の確保 ○きめ細かな支援を必要とする子ども・子育て家庭への支援 ○子育てにかかる費用負担の軽減 主な現状と評価 少子化、核家族化及び地域構造等が変化するなか、すべての子どもの人権を 尊重し、地域における子育て支援や安心して子育てができる生活環境の整備及 びきめ細やかな支援を必要とする子ども・子育て家庭への支援等を推進し、学 校・地域・家庭が連携して子育て支援を実施しています。 具体的には、病児保育の増設や乳児家庭全戸訪問事業の実施、赤ちゃんの駅 の設置等、施策の充実に努めています。 課題 保護者が子育てについて第一義的責任を有しますが、教育・保育施設等の事 業者が地域等と連携・協働しながら子どもを育てる意識を醸成していくことが 必要であり、人権感覚と同時に地域の実践力を育成していくことが求められま す。 インターネットの問題などの、情報化による人権問題について周知する必要 もあります。 子育ての知識の普及や交流の推進、食育などを通じて、総合的に子育て家庭 を支援することが求められます。 児童虐待について虐待の予防、早期発見、早期対応、保護、支援、アフター ケアに至る各関係機関との連携が求められます。 また、子どもの貧困が社会問題となり、国・県との連携が求められています。 18 第2次飯塚市人権教育・啓発実施計画 《第2次実施計画》 ≪施策の基本的な方向性≫ 少子化、核家族化などの家庭構造の変化や都市化などの地域構造の変化、 或いは物質的な豊かさを求める効率優先社会の中では、子どもたちに豊かな 人間性・正義感や公正さを重んじる心、人権を尊重する心などを培うことが 求められています。 このことから、 「児童の権利に関する条約」の趣旨を大人一人ひとりが理解 を深めるように、様々な広報媒体を活用した広報・啓発事業を実施するとと もに、子どもの人権を尊重するための研修を通して、教職員や子ども会など の地域の指導者に対し、人権意識の涵養に努めます。 また、子育て不安・悩みの解消のための子育て相談の充実に努め、子育て 負担の軽減など、子どもが健やかに育つことができる環境を整備するととも に、子ども自身が、次世代の担い手としての責任を自覚し、主体的な生き方 ができるように学校・地域・家庭が連携して、子どもたちの「豊かな心と生 きる力」を育む、きめ細かな教育を推進します。 子どもに直接にかかわる職種の職員については、職員の人権研修が重要で あり、子どもの人権のみならず人権全般の研修を実施し、人権尊重の精神の 涵養に努めます。 19 第2次飯塚市人権教育・啓発実施計画 ≪課題目標≫ (1)子どもが健やかに育つ教育環境等の整備 保護者や地域から信頼される教育環境づくりに取り組み、学校教育環境の充 実を図ります。また、いじめや不登校、非行等の子どもの問題行動に対応する ため、スクールカウンセラー等の専門家による子どもや保護者に対する相談・ 支援の充実を図り、早期発見や支援の充実を図ります。 (2)子ども等の安全の確保 地域で子どもを犯罪や交通事故から守るための取り組みを推進するととも に、子どもや保護者に対する事故・犯罪に対する情報提供や意識啓発に取り 組みます。 (3)きめ細やかな支援を必要とする子ども・子育て家庭への支援 関係機関との連携を図り、児童虐待の発生予防や早期発見、早期対応の充 実に努めます。 (4)子どもの相談体制の充実 子どもに関わる人間関係や発達、子育てに関するあらゆる相談の充実に努 めます。 (5)関係職員の研修の充実 子どもに関わる関係職員の人権・同和問題を中心にあらゆる人権問題の研 修に努めます。 ≪課題目標を達成するための方策≫ 【子どもが健やかに育つ教育環境等の整備】 (1)次代の親の育成 福祉、教育、男女共同参画、環境などの関係分野が連携しながら、男女が協 力して家庭を築くことや子どもを生み育てることの意義に関する教育や意識 啓発、自然環境を大切にする心を育むための教育等の充実に努めます。 特に、中高生等が子どもを生み育てることの意義を理解し、子どもや家庭の 20 第2次飯塚市人権教育・啓発実施計画 大切さを理解できるよう、子育てに関するボランティア活動等への参加促進や、 学校や地域で乳幼児等とふれあう機会を提供するなど、次代を担う若い世代に 対する意識啓発に努めます。 (2)子どもの生きる力の育成に向けた教育環境等の整備 ①確かな学力の向上 子どもが社会の変化の中で主体的に生きていくことができるように、知 識・技能はもとより、学ぶ意欲、思考力、判断力、表現力などを含めた確か な学力の定着を図るため、「学習指導要領」に基づき、ICT 活用によるなどの 情報教育や外国語教育、キャリア教育など、現代的課題に応じた教育内容の 充実に取り組むとともに、子ども一人ひとりに応じたきめ細かな指導の充実 や地域の人材等の協力による学校活性化の推進に努めます。 ②人権を尊重する感性豊かな心の育成 子どもが差別などに対する正しい認識をもち、人権を尊重する豊かな心を育 むことができるよう、道徳教育や総合的な学習の時間等の充実に努めます。 また、子どもがさまざまな体験を通じて、感性豊かな心を育むことができる よう、地域と学校が連携・協働して多様な体験活動の充実に努めます。 ③健やかな体の育成 子どもが、スポーツに親しむ習慣や意欲、能力を身につけることができる よう、地域と学校等が連携して、優れた指導者の育成・確保や指導方法の工 夫・改善等に取り組みます また、子どもが、生涯にわたる心身の健康づくりのために芸術や文化に触れ、 また、必要な知識や生活習慣などを身につけ、心身の健全な発育を促がすよう 充実に努めます。 ④信頼される学校づくり 小・中学校全校で導入している学校評議員制度を充実し、家庭・地域・学校 の連携・協働体制の強化を図るとともに、地域の実情に応じた学校選択制の実 施等に取り組み、地域に根ざした特色ある学校づくりを推進します。 また、児童生徒が学校で安心して教育を受けることができるよう、各学校が 家庭や地域等と連携しながら、児童生徒の安全を守る環境づくりに努めます。 (3)家庭や地域の教育力の向上 すべての教育の出発点である家庭教育の向上を図るため、公民館等の社会教 育施設や地域子育て支援センター等の子育て関連施設、乳幼児健診や就学時健 診等の保護者が集まる機会を活用して、子どもの発達段階に応じた家庭教育に 関する学習機会や情報提供の充実に努めます。 21 第2次飯塚市人権教育・啓発実施計画 また、子どもの「生きる力」の育成については、家庭や学校だけでなく、地 域のさまざまな人々や関係団体・機関等の関わりが不可欠であることから、地 域の資源を生かした体験活動の機会の充実や、世代間交流の推進、地域でのス ポーツ環境の整備等により、地域の教育力の向上に努めます。 ・家庭教育への支援 ・地域での体験・教育活動等の推進 ・地域の教育力の向上(関係団体との連携等) (4)子どもを取り巻く有害環境対策の推進 雑誌やテレビ・ビデオ、インターネットなどの、性や暴力などに関する過 激な情報から子どもを守るため、地域の関係者が連携・協働して、関係業界 に対する自主的措置を働きかけるとともに、メディアリテラシーの観点から、 子ども自身が有害情報等に巻き込まれない力を身につけることができるよう、 家庭・学校・地域等における情報モラル教育の推進に努めます。 (5)いじめ・不登校・非行等対策の推進 いじめや不登校、非行等の問題行動に対応するため、スクールカウンセラー やスクールソーシャルワーカー等の専門家による子どもや保護者の相談体制 の強化に努めるとともに、いじめ・不登校連絡協議会や青少年問題協議会等 において学校・地域・関係機関等のネットワーク強化に取り組みます。 【子ども等の安全の確保】 (1)子どもの交通安全を確保するための活動の推進 子どもを交通事故から守るため、家庭や地域、保育施設や学校、警察等との 連携・協働体制の強化を図り、総合的な交通安全事故防止対策の推進に努めま す。 また、子どもや保護者を対象とした交通安全教育を実施し、交通安全に関 する意識啓発に努めます。 (2)子どもを犯罪等の被害から守るための活動の推進 子どもを犯罪等の被害から守るため、家庭や地域、学校、警察等と連携して、 犯罪情報の共有や、子どもを犯罪等から守るパトロールやボランティア活動を 促進します。 また、学校や警察等と連携して、子どもや保護者を対象とした防犯講習会を 開催するなど、防犯意識の啓発に努めます。 22 第2次飯塚市人権教育・啓発実施計画 (3)心身の被害に遭った子どもたちの保護の推進 犯罪やいじめ、児童虐待等により被害を受けた子どもの精神的ダメージを軽 減し、立ち直りを支援するため、スクールカウンセラー等の専門家によるカウ ンセリングや、保護者に対する助言・支援体制の充実に努めます。 【きめ細かな支援を必要とする子ども・子育て家庭への支援】 (1)児童虐待防止対策の充実 児童虐待の背景には、保護者の子育て不安をはじめ、家庭の経済状況や夫 婦間での暴力(ドメスティック・バイオレンス)等のさまざまな問題が複雑 にからんでいることが多いため、乳児家庭全戸訪問事業及び「飯塚市要保護 児童連絡協議会」を中心に、地域のさまざまな関係団体や専門機関等が連携 し、児童虐待の発生予防や早期発見、その後の保護・支援対策等の充実に努 めます。 (2)ひとり親家庭等の自立支援の推進 近年、離婚の増加等により、ひとり親家庭も増加しています。ひとり親家庭 の保護者は、子育てや仕事など、生活全般に関わる対応を一人で担わなければ ならないため、これらの負担を軽減する事業として、母子家庭等日常生活支援 事業等の生活支援サービスの利用促進に努めます。 あわせて、就業のための資格取得や職業訓練等に関する費用助成等を行い、 ひとり親家庭の経済的な自立支援の促進に努めます。 (3)障がい児施策の充実 障がいのある子どもやその保護者への支援については、「第 3 期 飯塚市障 がい者計画」 (平成 26 年 3 月策定)に基づき、障がいの早期発見からその後の 療育・保育・教育に係る相談・支援の充実に努めます。 特に療育の問題については、それぞれの発達段階に応じた適切な療育が行 えるよう、市内の療育関連通所施設や関係機関と連携しながら相談・支援の 充実を図っていきます。 【子どもの相談体制の充実】 (1)子どもなんでも相談の充実 子どもにかかわる人間関係や性格、発育等あらゆる子育ての悩みについて、 専門機関等紹介を含めて、相談全般の充実に努めます。 (2)子育てセンターによる子育て相談の推進 23 第2次飯塚市人権教育・啓発実施計画 市内 5 ヵ所の子育て支援センターを利用している就学前乳幼児の保護者か らの子育て、保育、幼児教育などの相談及び支援の充実を図ります。 【関係職員の研修の充実】 (1)市職員はもとより児童クラブ支援員、保育士及び病院等関係職員の人権・ 同和問題を中心にあらゆる人権問題の研修を実施し、人権尊重の精神の涵 養に努めます。 24 第2次飯塚市人権教育・啓発実施計画 5.高齢者の人権問題 第1次実施計画の主な現状・評価と今後の課題 【高齢者の人権】 個別取り組み ○保健福祉サービスの充実 ○高齢者の生きがいづくりや社会参加の促進 ○高齢者を地域で支える体制 ○認知症高齢者の支援対策の推進 主な現状と評価 高齢化の進行による一人暮らし高齢者や認知症高齢者の増加に伴い、高齢者 の財産をめぐるトラブルや高齢者虐待、悪質な訪問販売や詐欺等の消費者被害 の問題など、高齢者の権利に係る問題が深刻化しています。 課題 高齢化の進行により、一人暮らしや認知症等のために権利擁護を必要とする 高齢者の増加が見込まれることから、地域包括支援センターを中心に地域の関 係機関が連携して、地域で孤立させないよう支えあう体制づくりや権利擁護対 策を進める必要があります。 また、高齢者が心身ともに健康で、かつ充実した生活を送るために、生きが いにつながる趣味や交流、生きがいづくりの場の拡充を進めていく必要があり ます。 《第2次実施計画》 ≪施策の基本的な方向性≫ 高齢者に対してこれまでは、とかく弱者あるいは保護を受ける立場にあると いった捉え方をする傾向がありましたが、老いてなおかけがえのない知識を もった一人の人間です。豊かな人生経験をもつ高齢者が、その知識と経験を活 かし、社会の一員として積極的に活動できる社会づくりを目指します。 なお、本市は特に一人暮らしや夫婦のみの高齢者世帯が多いため、地域との 25 第2次飯塚市人権教育・啓発実施計画 協働による見守り体制の構築が重要な課題となる中、 「高齢者虐待防止法(高齢 者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律)」では、高齢者人 権擁護の問題に市町村がより積極的に関与することが求められています。 このような状況を踏まえ本市においても、地域包括支援センターの権利擁護 業務を中心に、地域や関係機関と連携して、高齢者の人権擁護を推進します。 また、高齢者の尊厳維持や人権擁護の視点に立った福祉関係施設職員への研 修の啓発に努めます。 ≪課題目標≫ (1)健康づくりの推進 高齢者が可能な限り介護を必要とせずに暮らせるよう、介護予防の取り組 みの充実・強化を図ります。 (2)暮らしを支えるサービスの推進 ① 保健・福祉・医療についてのきめ細かな情報提供・相談体制の充実を図 ります。 ② 虐待や消費者被害等の権利侵害から高齢者を守るための取り組みを進め ます。 (3)生きがい活動と社会参加の促進 ① いきいきサロンや老人クラブなど、高齢者の趣味や交流・生きがいづくり を促進します。 ② シルバー人材センターや社会福祉協議会等の関係機関と連携しながら、ボ ランティア活動を含む高齢者の地域貢献活動や就労を促進します。 (4)人と人とのつながりのある地域づくりの推進 ① 高齢者を地域で見守る体制のさらなる充実を図ります。 ② 高齢者の暮らしを支えるボランティアの育成・支援に取り組みます。 (5)認知症施策の推進 ① 認知症に関する知識等の普及啓発を図ります。 ② 認知症の予防や、認知症高齢者に対する介護サービスの提供に取り組み ます。 26 第2次飯塚市人権教育・啓発実施計画 ③ 認知症に関する相談・支援体制の強化や、徘徊対策等の認知症高齢者を 抱える家族に対する支援の充実を図ります。 ≪課題目標を達成するための方策≫ 【健康づくりの推進】 (1)介護予防の充実 高齢者や介護予防に関心がある市民が集う場(いきいきサロン、敬老会や 自治会の集まり等)で介護予防普及啓発のための講座を実施します。 また、「在宅介護支援センターだより」(年 4 回発行)に介護予防に関する 記事を掲載し、啓発を図ります。 一般介護予防事業として、要介護・要支援認定を受けていない高齢者が生 活機能の維持・向上に努めるための各種教室(脳元気教室、音楽サロン教室、 ステップ台運動教室等)を実施します。 【暮らしを支えるサービスの推進】 (1)情報提供・相談体制の充実 「在宅介護支援センターだより」(年 4 回発行)、市公式ホームページ、市 広報誌、ガイドブック、パンフレット等により、介護予防事業や高齢者福祉 サービス等の情報を掲載し周知していきます。 また、民生委員や福祉委員等の地域の関係者に、高齢者に関する情報を提 供し、地域人材を介した情報提供に努めます。 地域包括支援センターでは、在宅介護支援センター、地域福祉ネットワー ク委員会等との連携を図り、市民からの相談に応じた適切なサービス提供を 行います。 (2)高齢者の人権擁護の推進 一人暮らし高齢者や認知症高齢者の増加に伴い、高齢者の財産をめぐるト ラブルや高齢者虐待、悪質な訪問販売や詐欺等の消費者被害の問題など、高 齢者の権利に係る問題が深刻化しています。 このような状況を踏まえ、地域包括支援センターは、警察署や市消費生活 センターと連携して、いきいきサロンや老人クラブ、地域福祉ネットワーク 委員会等に対し、悪質商法や詐欺等についての被害情報の提供や、被害防止 のための消費生活知識の普及・啓発に努めます。 27 第2次飯塚市人権教育・啓発実施計画 高齢者の権利擁護への取り組みとして、認知症等のために判断能力が不十 分で親族等申立てを行う人がいない人について、成年後見制度の市長申立て や申立て費用を助成する利用支援事業を実施するとともに、社会福祉協議会 が実施している金銭管理等を支援する権利擁護事業についても周知、利用促 進に努めます。 高齢者虐待防止への取り組みとして、地域包括支援センターと地域の関係 機関(民生委員、福祉委員、介護サービス事業所、在宅介護支援センター等) が連携して、事実確認から見守り、介護サービス等の利用支援、措置入所等 の必要な支援につなげるなど、問題解決に取り組みます。 【生きがい活動と社会参加の促進】 (1)趣味や交流・生きがいづくりの促進 高齢者の外出を促し、人や地域の交流を深めるため、老人クラブや地域福 祉ネットワーク委員会等と連携して、いきいきサロンや世代間交流事業等の 場に参加を働きかけ、引きこもりや孤立の予防と健康増進に努めていきます。 (2)地域貢献活動・就労の促進 高齢者が充実した生活を送る上で、豊富な経験や知識、技能を活かし、ボ ランティア活動を通して社会参加できるよう、社会福祉協議会のボランティ アセンターを支援していきます。 高齢者の就労や社会参加活動を推進することにより、地域社会に貢献でき るよう、シルバー人材センターの活動支援に努めます。 【人と人とのつながりのある地域づくりの推進】 (1)地域における見守り体制の充実 一人暮らし等により日常生活に不安を抱える高齢者が、住み慣れた地域で 安心して暮らし続けるためには、地域において日常的に見守りが行われるこ とが大切です。 本市では、社会福祉協議会や民生委員、自治会長に要援護者台帳を配布し て要援護者に係る情報を共有し、福祉委員をはじめ、老人クラブ、ボランティ ア等と連携して、一人暮らし高齢者等の見守り活動を推進していきます。ま た、民間事業者(郵便局や宅配業者等)と見守り活動に関する協定を継続し、 各事業者の業務活動を通じた見守り活動を推進していきます。 高齢者の見守り活動を含む地域福祉の推進を目的とした「地域福祉ネット ワーク委員会」への支援を継続して行き、 「いきいきサロン」や福祉委員によ る見守り活動等の支援について、今後も社会福祉協議会との連携を図ります。 28 第2次飯塚市人権教育・啓発実施計画 (2) ボランティア活動の推進 高齢者を支える多様なボランティアを育成し、その活動を活性化させるた め、社会福祉協議会のボランティアセンターを支援していきます。 【認知症施策の推進】 (1) 認知症に対する知識の普及啓発 認知症に対する正しい理解を促進するため、認知症サポーター養成講座を 継続して実施していきます。また、認知症サポーターや養成講座の講師であ る認知症サポーターキャラバンメイトを対象としたフォローアップ研修を実 施し、さらなる知識の習得と理解促進を図ります。 「在宅介護支援センターだより」(年 4 回発行)、市公式ホームページ、市 広報誌等の媒体を活用し、認知症に関する知識や認知症施策について周知を 図ります。 (2)認知症予防及びケアの推進 一般介護予防事業として、認知症予防教室やその他の介護予防教室等を開 催し、認知症予防に関する知識の普及啓発を図ります。より多くの市民に早 期から介護予防・認知症予防に関心を持ってもらえるよう、中高年層のサー クルや自主活動グループ等での教室開催にも取り組みます。 (3)認知症に関する相談や家族支援の充実 地域包括ケアシステム推進会議の専門部会として、認知症ケア会議を設置 し、地域の関係機関等と連携して、認知症に係る困難事例のケース検討や、 認知症施策全般の推進方法等について協議を行っていきます。 認知症の高齢者及びその家族への支援として、地域住民等が交流できる場 「認知症カフェ」の開設を推進します。 また、認知症の高齢者等徘徊 SOS ネットワーク事業を推進し、警察や協力 団体と連携した徘徊高齢者の早期発見・保護に取り組みます。 29 第2次飯塚市人権教育・啓発実施計画 6.障がい者の人権問題 第1次実施計画の主な現状・評価と今後の課題 【障がい者の人権】 個別取り組み ○心のバリアフリーの推進・(啓発・広報) ○生涯にわたる一貫した療育・教育の推進(療育・保育・教育) ○多様な社会参加の促進 ○障がい者を支える人づくりの推進 ○地域で快適に暮らすための生活支援の充実 ○生きがいを持って働くための就労支援の充実 ○誰もが暮らしやすいまちづくりの推進 主な現状と評価 第1次実施計画の目標である「障がい者の人権尊重と正しい理解の促進」 「障 がい者の自立と社会参加の促進」 「誰もが暮らしやすいまちづくりの推進」につ いて多くの施策を推進してきたところですが、平成 26 年度に実施された実態調 査によると、障がい者の人権に関するアンケート調査の結果からは、 「働ける場 所や機会が少ないこと」や、 「バリアフリーのまちづくりが進んでいないこと」、 「人々の障がい者に対する理解が十分でないこと」、などの意見が多く寄せられ ています。これらのことから、障がい者の人権にかかる更なる教育・啓発が求 められています。 課題 今後も公共施設や地域の生活環境などハード面でのバリアフリー化を推進す ることは不可欠ですが、障がい特性等に関する市民の理解が不十分であること などに起因する障がい者の就労(働く場所や機会の確保)等に関しての課題は 今なお存在しています。 このような課題を解決し、障がいのある人もない人も地域の中で共に支え合 いながら暮らせる社会をつくるため、 「心のバリアフリー」に関する一層の啓発 が求められています。 30 第2次飯塚市人権教育・啓発実施計画 《第2次実施計画》 ≪施策の基本的な方向性≫ 第 1 次実施計画期間において本市は、 「障がい者の人権尊重と正しい理解の 促進」「障がい者の自立と社会参加の促進」「誰もが暮らしやすいまちづくり の推進」の 3 つを課題目標に掲げ、障がい者の人権に係る施策を推進してき ました。 また、平成 23 年には障害者基本法が改正され、同法第 1 条(目的規定)に おいて「全ての国民が、障害の有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有 するかけがえのない個人として尊重されるものであるとの理念にのっとり、 全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と 個性を尊重し合いながら共生する社会を実現するため」という文言が加えら れたことを受け、その理念を反映した「第 2 期飯塚市障がい者福祉計画(平 成 24~25 年度)」 「第 3 期飯塚市障がい者計画(平成 26~35 年度)」との整合 を図りながら、さらなる施策の推進に努めているところです。 しかし、各種施設や交通機関などにおける障がい者にとっての物理的障壁 や、様々な障がい特性に関する理解不足や偏見といった心理的障壁など、障 がい者の自立と社会参加を妨げている要因(社会的障壁)は今なお存在して います。 そこで、第 2 次実施計画においては上記のような第 1 次実施計画期間にお ける考え方を継承しつつ、 「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」 (平成 28 年 4 月 1 日施行)の趣旨を踏まえ、障がい者にとっての社会的障壁 を除去するための必要かつ合理的な配慮を行う視点に立ち、第 3 期飯塚市障 がい者計画の基本理念である「障がいのある人もない人も ともにいきいき と暮らせる共生のまちづくり」の実現に向けて、同計画に示されている分野 別施策の基本的方向性及び「第 2 期飯塚市地域福祉計画(平成 25~34 年度)」 における「人権の尊重を基礎とした福祉意識の向上」に係る施策との整合を 図りながら、日常生活や社会生活のあらゆる場面で障がい者の人権が尊重さ れるまちづくりに取り組みます。 併せて、障がい者を日常的に支援している市内の障がい者支援施設等の職 員が、障がい者の尊厳維持や人権擁護の視点に立った支援を実践できるよう、 人権に関する研修の実施や職員の積極的な自己啓発について、事業者に対し て働きかけていきます。 31 第2次飯塚市人権教育・啓発実施計画 ≪課題目標≫ (1) 障がい者に関する正しい理解の促進 あらゆる機会を通じて障がい者理解のための広報啓発や教育を行い、市民 一人ひとりが、地域でともに暮らす仲間として障がい者を正しく理解し、接 することができるよう、「心のバリアフリー」を進めます。 (2)障がい者の権利の擁護 障がい者が自らの能力を最大限に発揮して自己実現をめざそうとする活動 を制限したり、社会への参加を制約したりする、障がいを理由とする差別の 解消や障がい者虐待の防止など、障がい者の権利を守るための方策を推進し ます。 (3)障がい者の自立と社会参加の促進 企業や学校、地域社会等の様々な関係機関・団体と協働しながら、すべて の障がい者が自らの選択によって、就労や余暇活動等の社会活動に積極的に 参加できるよう、障がい者の性別、年齢、障がいの特性及びニーズに応じた 支援の充実に取り組みます。 (4)生活環境におけるバリアフリー化の推進 「障がい者にとって住みよいまちは、すべての人にとって住みよいまちで ある」という認識にたち、公共交通機関や民間施設とも連携して、バリアフ リーやユニバーサルデザインの視点に基づいた市民誰もが暮らしやすいまち づくりを推進します。また、障がい者がその意思に基づき、円滑に必要な情 報を取得・利用し、他人との意思疎通を図ることができる環境づくりに努め ます。 ≪課題目標を達成するための方策≫ 【障がい者に関する正しい理解の促進】 (1)障がい者の人権や障がいの特性等について、広報誌などの各種媒体やイベ ント等の機会を活用して、より一層の啓発広報活動を展開し、 「心のバリアフ リー」を推進します。 32 第2次飯塚市人権教育・啓発実施計画 (2)いまだに十分な理解が得られていないと考えられる精神障がい、発達障が い、難病による障がいについて、関係機関と連携しながら、その特性や必要 な配慮等に関する知識の普及に努めます。 (3)誰もが社会の一員としてお互いを尊重し、支え合って暮らすことを目指 す共生社会や、障がいのある人でも障がいのない人と同様に普通の生活がで きるようにするノーマライゼーションの理念についての啓発を推進します。 (4)障がいのある人と障がいのない人の相互理解を深めるため、学校における 福祉教育の充実や地域における交流機会の拡大を図ります。 【障がい者の権利の擁護】 (1)障害者差別解消法の趣旨や目的に関する広報啓発を行い、教育や就労等 の場における障がいを理由とした差別の解消を図ります。 (2)市の各種事務事業の実施にあたり、障がい者が必要とする社会的障壁の除 去について、必要かつ合理的な配慮を行います。 (3)障がい者に対する権利侵害を防止し、相談・支援体制の充実を図ります。 (4)障がい者虐待の防止に関する積極的な広報・啓発活動を行うとともに、虐 待を受けた障がい者及び障がい者の養護者に対する支援に取り組みます。 (5)障がい者本人に対する意思決定支援を踏まえた自己決定を尊重する観点か ら、成年後見制度や権利擁護事業の周知を図り、利用促進に向けた取り組み を進めます。 【障がい者の自立と社会参加の促進】 (1)障がいのある子もない子も、お互いの人権を大切にしながら地域の中 でともに育つことができるよう、保育所での障がい児保育を推進します。 (2)小・中学校において特別支援学級の児童生徒とその他の児童生徒との日常 的な交流を促進するほか、特別支援学校の児童生徒との交流機会の充実に努 めます。 33 第2次飯塚市人権教育・啓発実施計画 (3)公共職業安定所等の関係機関と連携して、民間の事業所・企業等に対し法 定雇用率の遵守等の障がい者雇用への理解促進を図るとともに、改正障害者 雇用促進法等の関連法制度についての周知に努めます。 (4)障がい者の市職員採用に積極的に取り組み、法定雇用率の遵守・向上に努 めます。 (5)障がい者が地域の活動・行事に参加できるよう、地域の関係団体等と連携 して、障がい者に対する情報提供や理解の促進など社会的障壁を除去するた めの取り組みを推進します。 (6) 「飯塚国際車いすテニス大会」 「さわやかスポーツ大会」等の各種大会の開 催を支援するとともに、障がい者団体等と連携して周知と参加促進に努めま す。 【生活環境におけるバリアフリー化の推進】 (1)市民生活に密着した公民館、体育施設等など、公共施設や市庁舎等の建設・ 改修等に当たっては、障がい者や高齢者等の関係団体の意見を反映させなが ら、障がい児・障がい者の利用に配慮したバリアフリーやユニバーサルデザ インの視点に基づく施設・設備の整備を図ります。 (2)コミュニティバス等におけるバリアフリー化を関係各課・機関等へ要請し、 市民の利用に対応できるように、利便性向上を図ります。 (3)福祉避難所の設置や必要な用具の備蓄など、障がいの特性に応じた災害時 支援体制の確立に努めます。 (4)障がい者が自らの意思を表示し、円滑に権利を行使することができるよう、 当事者の意見を反映させながら、個々の障がい特性に応じた意思疎通手段を 確保することに努めます。 (5)市職員等に対して、障がい者に関する理解を促進するために必要な研修を 実施し、障がい者とのコミュニケーションの円滑化を図ります。 34 第2次飯塚市人権教育・啓発実施計画 7.外国人の人権問題 第1次実施計画の主な現状・評価と今後の課題 【外国人の人権】 個別取り組み ○多文化共生社会理念の浸透 ○情報の提供と相談体制の整備 ○学校教育 主な現状と評価 国際交流市民のつどい等(お国料理バザー・スピーチコンテスト)を通して 近隣に在住の外国人との交流を積極的に進めています。 また、外国人を支援する団体等と連携をとり、外国人の支援に努めています。 実態調査では、外国人に関しては、言語の違いに対応するサービスや就業に 関する問題意識が高く、習慣等が異なることによる地域社会からの疎外感から 実際の生活状況等に応じた対応が求められています。 課題 外国人との積極的な交流の体制・環境づくりが求められています。 また、多元的文化の多様性を尊重するための国際理解の促進が求められてい ます。 《第2次実施計画》 ≪施策の基本的な方向性≫ 外国人も、ともに地域社会を構成する大切なメンバーです。国際理解を深 めるうえで、お互いを知り、学び合うことは、新たな文化や豊かな市民社会 を創造していくことにもつながります。このため、地域住民と外国人とが常 日頃からお互いを尊重しあえる地域社会実現のため、外国人に対する偏見や 差別意識の解消に努め、今後とも人権教育・啓発のより一層の充実と多元的 文化や多様性を尊重するため、国際理解促進のための取り組みを推進します。 35 第2次飯塚市人権教育・啓発実施計画 ≪課題目標≫ 外国人を地域住民として、地域社会の発展に寄与するパートナーとして受 け入れることが人権意識の出発点となります。 異なる文化や価値観の違いの認識を深め、お互いの人権を尊重する開かれ た地域社会を目指すため、飯塚国際交流推進協議会等における情報提供や外 国人との交流活動等を通じて、相互理解を促進します。 地域に暮らす外国人の人権を擁護するため、関係機関等との連携によって、 総合的な取り組みを推進します。 学校・地域・家庭が連携・協力しながら、人権教育・啓発を推進するとと もに、外国人に対する偏見や差別意識を解消し、異なる文化や生活習慣、価 値観などを尊重し、国際化時代にふさわしい人権意識を育てることをめざし て、国際理解を推進します。 ≪課題目標を達成するための方策≫ 【国際交流・多文化共生に関する事業の推進】 (1)国際交流事業の推進 国際理解推進イベントを実施し、交流を通じて相互理解の促進に努めます。 在日韓国・朝鮮人等の人々が日本に在住するようになった経緯を正しく理解 し、民族・文化・歴史を学習する機会の提供や啓発活動の充実に努めます。 【情報の提供と相談体制の整備】 (1)各施設の案内板等の設置 英語等の外国語による各施設の利用(案内)看板等の設置に取り組みます。 (2)外国人に対する各種相談業務 外国人が気軽に相談できる体制づくりに努めます。 (3)外国人向け生活便利帳作成 福祉、防災、教育や居住などの行政サービス情報を提供する生活便利帳の 作成に取り組みます。 36 第2次飯塚市人権教育・啓発実施計画 【学校教育】 (1)国際交流事業の推進 国際感覚を身につけた、グローバル化に対応できる人材を育成します。 37 第2次飯塚市人権教育・啓発実施計画 8.様々な人権問題 第1次実施計画の主な現状・評価と今後の課題 【様々な人権問題】 個別取り組み ○福岡県感染症予防計画に基づく推進 ○エイズ等の相談・支援体制等の整備 ○インターネット等を利用した差別行為防止 ○被害者・刑を終えて出所した人の人権相談 ○性同一性障がい者に対する理解促進 ○プライバシーの保護 主な現状と評価 制限、罰則や保護などを規定する法律の整備が求められています。 課題 それぞれの課題について、正しい情報の提供と理解を深めるための教育・啓 発が必要です。 38 第2次飯塚市人権教育・啓発実施計画 《第2次実施計画》 ≪施策の基本的な方向性≫ HIV 感染症及びエイズについては、性感染症とともに若年層での増加が見ら れることから、性感染症予防を含め、具体的な知識や情報の提供とともに、 互いの健康への配慮や人権の尊重など、総合的な視点から啓発に努めます。 また、ハンセン病患者や元患者に対する偏見や差別を解消し、療養所入所 者の社会復帰を促進していくため、ハンセン病に対する正しい理解を促すた めの周知・啓発に取り組みます。 アイヌ民族、犯罪被害者やその家族、刑を終えて出所した人、ホームレス、 性的マイノリティー(少数者)など様々な人たちの人権に係る問題などがあ ります。さらには、複合差別の問題にも関心が集まっています。 最近では、インターネット等を利用した人権やプライバシーの侵害、医療・ 科学技術の急激な発展に伴い、遺伝子技術が生活の様々な分野に広がり、新 たな人権問題を生じさせる可能性も高まっています。これらの中には、一地 方自治体だけで解決することが難しいものもあり、国・県の動向も把握しな がら対応していく必要があります。 ≪課題目標≫ HIV 感染者・エイズ患者及びハンセン病患者・元患者などへの偏見や差別、 また、実態調査から関心がある人権問題として、北朝鮮当局によって拉致さ れた被害者等の人権問題、東日本大震災に起因する人権問題等々についても 偏見や差別を解消するため、市民への正しい知識の普及啓発に努めるととも に、学校・地域・家庭が一体となった周知・啓発活動の推進に努めます。 ≪課題目標を達成するための方策≫ 【エイズ等の相談・支援体制等の整備】 (1)検査・相談事業 無料で匿名のエイズ、梅毒、クラミジア検査における周知啓発を実施しま 39 第2次飯塚市人権教育・啓発実施計画 す。また、エイズ・性感染電話相談等も行います。 (2)医療体制の整備 エイズ診療協力病院の確保、診療ネットワークの推進等、関係機関と連携 して取り組みを推進します。 【インターネット等を利用した差別行為防止】 インターネット等を利用した差別行為の防止 国に対し、インターネット等を利用した差別行為の防止対策について要望 を行うとともに、情報の発信における個人の責任や情報モラルについての理 解を深めるよう広報誌や啓発コーナー等を通して啓発を行います。 【被害者・刑を終えて出所した人の人権相談】 (1)犯罪被害者に対する人権相談の推進 犯罪被害者、その家族からの相談・問い合わせに対し、各種支援制度の案 内、関係機関・団体に関する情報提供や橋渡しを行います。 (2)刑を終えて出所した人の人権相談の推進 人権擁護委員等による相談対応を行います。広報誌により刑を終えた人、 その家族の相談業務の周知に努めます。 【性的少数者に対する理解促進】 性的マイノリティ(少数者)に対する理解の促進 生物学的な性(からだの性)と性の自己意識(こころの性)が一致しない ため、社会生活に支障がある状態にある「性同一性障がい者」(T・トランス ジェンダー)や、恋愛の対象が同性に向かう同性愛(L・レズビアン、G・ゲ イ)、または男女両性に向かう両性愛(B・バイセクシュアル)などを理由に 偏見や差別を受ける「性的少数者」にかかわる人権問題があります。性の多 様性に対する理解を深め、差別や偏見をなくすため啓発を推進します。 【プライバシーの保護】 個人情報保護条例の適正な運用 情報化の進展により、個人情報は、社会の各分野において広範囲に利用さ れ、生活の利便性を向上させていますが、IT を活用した大量かつ迅速な情報 の処理は、個人情報の不当な利用、流出等の危険性を内包し、近年は大量の 個人情報が流出する事件も発生しており、個人情報の保護は非常に重要なも 40 第2次飯塚市人権教育・啓発実施計画 のとなっています。 大量の個人情報を保有する本市においては、「飯塚市個人情報保護条例」を 適正に運用し、個人の権利利益の保護を図ります。 【北朝鮮当局によって拉致された被害者等】 1970 年頃から 80 年頃にかけて、北朝鮮による日本人拉致が多発しました。 拉致問題は、我が国の国家主権及び国民の生命と安全にかかわる重大な問題 です。北朝鮮当局による人権侵害問題に関する認識を深めるとともに、国際 社会と連携しつつ北朝鮮当局による人権侵害問題の実態を解明し、その抑止 を図ることを目的として、平成 18 年(2006 年)6 月に「拉致問題その他北朝 鮮当局による人権侵害問題への対処に関する法律」が施行されました。 拉致問題は、国際社会を挙げて取り組むべき課題とされる中、この問題に ついての正しい知識の普及を図り、関心と認識を深めていく周知・啓発を推 進します。 【東日本大震災に起因する人権問題】 平成 23 年(2011 年)3 月 11 日に発生した東日本大震災は、大規模な津波 の発生を伴い、東北地方と関東地方の太平洋沿岸に壊滅的な被害をもたらし、 未曽有の大災害となりました。また、地震と津波に伴い発生した原子力発電 所事故により、大量の放射性物質が放出され、周辺住民の避難指示が出され るなど、多くの人々が今もなお避難生活を余儀なくされています。 このような中、避難生活の長期化に伴うトラブルや放射線被ばくについて の風評等に基づく差別的取り扱い等の人権問題が発生していることから、 風評被害に基づく人権侵害事案の予防のための周知・啓発を推進します。 【その他】 以上に該当しない人権問題や新たに発生する人権問題など、その他の課題 についても、それぞれの問題状況に応じて、その解決に資する施策の検討に 努めます。 41 第2次飯塚市人権教育・啓発実施計画 【用語解説】 P11 固定的性別役割分担意識 男女を問わず個人の能力等によって役割の分担を決めることは 適当であるにもかかわらず、男性、女性という性別を理由とし て、役割を固定的にわける意識のこと。 P12 男女共同参画オンブズパーソン制度 男女平等に関する苦情・救済処理機関。迅速に問題を解決する 制度。 P13 セクシュアル・ハラスメント 性的嫌がらせ。 特に、職場や学校などで行われる性的差別的な言葉や行為をい う。 P14 リプロダクティブ・ヘルス/ライツの理念 性と生殖に関する健康・権利をいう。 P14 エンパワーメント とうぎょかん 個人や集団が自らの生活への統御感を獲得し、組織的、社会的、 構造に外郭的な影響を与えるようになること、または、人びと に夢や希望を与え、勇気づけ、人が本来持っているすばらしい、 生きる力を湧き出させることと定義される。 P18 病児保育 お子さんが病気の回復期にあるため、集団での保育が困難で、 仕事などの理由によりどうしても家庭で保育できないときに保 護者に代わってお子さんをお預かりするもの。 P18 赤ちゃんの駅 飯塚市では、乳幼児を抱える保護者の皆さんが気軽に外出でき るように、授乳やおむつ替えなどで立ち寄れることができるよ うな施設を「赤ちゃんの駅」として登録していき、紹介してい ます。 42 第2次飯塚市人権教育・啓発実施計画 次の(1)(2)の両方もしくは一方を提供します。 (1)授乳のための場所を提供 (2)おむつ替えのための場所を提供 P20 スクールカウンセラー 心の問題を専門家として小・中・高校で、生徒や保護者の悩み を聞き、教員をサポートする心理の専門家をいう。 P21 ICT 活用 情報通信技術を表す IT に、コミュニケーションの概念を加えた 言葉。ICT とは、情報や通信に関連する科学技術の総称。 P21 キャリア教育 近年、子どもたちの生きる力を育成する観点から、学校での学 びと社会との関連性を教え、学習意欲を向上させるとともに、 学習習慣を確立させることをいう。 P22 メディアリテラシー 情報が流通する媒体(メディア)を使いこなす能力。メディア の特性や利用方法を理解し、適切な手段で自分の考えを他者に 伝達し、あるいは、メディアを流れる情報を取捨選択して活用 する能力。 P22 スクールソーシャルワーカー 子どもの問題に対処するため、児童相談所と連携したり、教員 を支援したりする福祉の専門家。 P25 地域包括支援センター 介護保険法で定められた、地域住民の保健・福祉・医療の向上、 虐待防止、介護予防マネジメントなどを総合的に行う機関で、 各区市町村に設置されている。 P28 成年後見制度 成年後見制度は精神上の障害 (知的障害、精神障害、認知症な ど)により判断能力が十分でない方が不利益を被らないように 家庭裁判所に申立てをして、その方を援助してくれる人を付け 43 第2次飯塚市人権教育・啓発実施計画 てもらう制度です。 P32 ユニバーサルデザイン 文化・言語・国籍の違い、老若男女といった差異、障害・能力 の如何を問わずに利用することができる施設・製品・情報の設 計(デザイン)をいう。 P33 ノーマライゼーション 障がいのある人もない人も平等に同様の生活ができる社会を実 現させるという考え方。それに向けた運動や施策なども含まれ る。 P34 福祉避難所 災害時に一次避難所での生活が困難な高齢者、障がい者、妊産 婦などの災害時要援護者を受け入れるため、バリアフリー等に 対応し、福祉避難所としての機 能を有している福祉施設を福祉 避難所といいます。 なお、福祉避難所は、災害時に必要に応じて開設される二次的 避難所であり、災害発生時から避難所として開設されることは ありません。 44 第2次飯塚市人権教育・啓発実施計画 資 資 料 編 目 料 編 次 世界人権宣言 46 日本国憲法(基本的人権等抜粋) 51 人権教育及び人権啓発の推進に関する法律 53 飯塚市人権擁護に関する条例 55 45 第2次飯塚市人権教育・啓発実施計画 世界人権宣言(仮訳文) 〔昭和 23(1948)年 12 月 10 日第 3 回国際連合総会採択〕 前文 人類社会のすべての構成員の固有の尊厳と平等で譲ることのできない権利と を承認することは、世界における自由、正義及び平和の基礎であるので、 人権の無視及び軽侮が、人類の良心を踏みにじった野蛮な行為をもたらし、 言論及び信仰の自由が受けられ、恐怖及び欠乏のない世界の到来が、一般の人々 の最高の願望として宣言されたので、 人間が専制と圧迫とに対する最後の手段として反逆に訴えることがないよう にするには、法の支配によって人権保護することが肝要であるので、 諸国間の友好関係の発展を促進することが、肝要であるので、 国際連合の諸国民は、国際連合憲章において、基本的人権、人間の尊厳及び 価値観並びに男女の同権についての信念を再確認し、かつ、一層大きな自由の うちで社会的進歩と生活水準の向上とを促進することを決意したので、 加盟国は、国際連合と協力して、人権及び基本的自由の普遍的な尊重及び尊 守の促進を達成することを誓約したので、 これらの権利及び自由に対する共通の理解は、子の誓約を完全にするために もっとも重要であるので、 よって、ここに、国際連合総会は、 社会の各個人及び各機関が、この世界人権宣言を常に念頭に置きながら、加 盟国自身の人民の間にも、また、加盟国の管轄下にある地域の人民の間にも、 これらの権利と自由との尊重を指導及び教育によって促進すること並びにそれ らの普遍的かつ効果的な承認と尊守とを国内的及び国際的な斬新的措置によっ て確保することに努力するように、すべての人民とすべての国とが達成すべき 共通の基準として、この世界人権宣言を公布する。 第1条 すべての人間は、生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とにつ いて平等である。人間は、理性と良心とを授けられており、互いに同胞の精神 を持って行動しなければならない。 第2条 1 すべての人は、人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治上その他の意見、 国民的若しくは社会的出身、財産、門地その他の地位又はこれに類するいか なる事由による差別をも受けることなく、この宣言に掲げるすべての権利と 自由とを享有することができる。 46 第2次飯塚市人権教育・啓発実施計画 2 さらに、個人の属する国又は地域が独立国であると、信託統治地域である と、非自治地域であると、又は他のなんらかの主権制限の下にあるとを問わ ず、その国又は地域の政治上、管轄上又は国際上の地位に基づくいかなる差 別もしてはならない。 第3条 すべて人は、生命、自由及び身体の安全に対する権利を有する。 第4条 何人も、奴隷にされ、又は苦役に服することはない。奴隷制度及び奴隷売買 は、いかなる形においても禁止する。 第5条 何人も、拷問又は残虐な、非人道的な若しくは屈辱的な取り扱い若しくは刑 罰を受けることはない。 第6条 すべて人は、いかなる場所においても、法の下において、人として認められ る権利を有する。 第7条 すべての人は、法の下において平等であり、いかなる差別もなしに法の平等 な保護を受ける権利を有する。すべての人は、この宣言に違反するいかなる差 別に対しても、また、そのような差別をそそのかすいかなる行為に対しても、 平等な保護を受ける権利を有する。 第8条 すべて人は、憲法も又は法律によって与えられた基本的権利を侵害する行為 に対し、権限を有する国内裁判所による効果的な救済を受ける権利を有する。 第9条 何人も、ほしいままに逮捕、拘禁、又は追放されることはない。 第 10 条 すべての人は、自己の権利及び義務並びに自己に対する刑事責任が決定され るに当たっては、独立の公平な裁判所による公正な公開の審理を受けることに ついて完全に平等の権利を有する。 第 11 条 1 犯罪の訴追を受けた者は、すべて、自己の弁護士に必要なすべての保障を 与えられた公開の裁判において法律に従って有罪の立証があるまでは、無罪 と推定される権利を有する。 2 何人も、実行のときに国内法又は国際法により犯罪を構成しなかった行為 又は不作為のために有罪とされることはない。また、犯罪が行われた時に適用 される刑罰より重い刑罰を課せられない。 47 第2次飯塚市人権教育・啓発実施計画 第 12 条 何人も、自己の私事、家族、家庭若しくは通信に対して、ほしいままに干渉 され、又は名誉及び信用に対して攻撃を受けることはない。人はすべて、この ような干渉又は攻撃に対して法の保護を受ける権利を有する。 第 13 条 1 すべて人は、各国の境界内において自由に移転及び居住する権利を有する。 2 すべて人は、自国その他いずれの国をも立ち去り、及び自国に帰る権利を 有する。 第 14 条 1 すべて人は、迫害を免れるため、他国に非難することを求め、かつ、避難 する権利を有する。 2 この権利は、もっぱら非政治犯罪又は国際連合の目的及び原則に反する行 為を原因とする訴追に場合には、援用することはできない。 第 15 条 1 すべて人は、国籍をもつ権利を有する。 2 何人も、ほしいままにその国籍を奪われ、又はその国籍を変更する権利を 否認されることはない。 第 16 条 1 成年の男女は、人権、国籍又は宗教によるいかなる制限をも受けることな く、婚姻し、かつ家庭をつくる権利を有する。成年の男女は、婚姻中及びそ の解消に際し、婚姻に関し平等の権利を有する。 2 婚姻は、両当事者の自由かつ完全な合意によってのみ成立する。 3 家庭は、社会の自然かつ基礎的な集団単位であって、社会及び国の保護を 受ける権利を有する。 第 17 条 1 すべて人は、単独で又は他の者と共同して財産を所有する権利を有する。 2 何人も、ほしいままに自己の財産を奪われることはない。 第 18 条 すべて人は、思想、良心及び宗教の自由に対する権利を有する。この権利は、 宗教又は信念を変更する自由並びに単独で又は他の者と共同して、公的に又 は私的に、布教、行事、礼拝及び儀式によって宗教又は信念を表明する自由 を含む。 第 19 条 すべて人は、意見及び表現の自由に対する権利を有する。この権利は、干渉 を受けることなく自己の意見を持つ自由並びにあらゆる手段により、また、 国境を越えると否とにかかわりなく、情報及び思想を求め、受け、及び伝え 48 第2次飯塚市人権教育・啓発実施計画 る自由を含む。 第 20 条 1 すべての人は、平和的集会及び結社に自由に対する権利を有する。 2 何人も、結社に属することを強制されない。 第 21 条 1 すべて人は、直接に又は自由に選出された代表者を通じて、自国の政治に 参与する権利を有する。 2 すべて人は、自国において等しく公務につく権利を有する。 3 人民の意志は、統治の権力を基礎とならなければならない。子の意思は、 定期のかつ真正な選挙によって表明されなければならない。子こ選挙は、平 等の普通選挙によるものでなければならず、また、秘密の投票又はこれらと 同等の自由が保障される投票手続きによって行われなければならない。 第 22 条 すべて人は、社会の一員として、社会保障を受ける権利を有し、かつ、国家 的努力及び国家的協力により、また、各国の組織及び資源に応じて、自己の尊 厳と自己の人格の自由な発展とに欠くことのできない経済的、社会的及び文化 的権利を実現する権利を有する。 第 23 条 1 すべて人は、勤労し、職業を自由に選択し、公正な勤労条件を確保し、及 び失業に対する保護を受ける権利を有する。 2 すべて人は、いかなる差別をも受けることなく、同等の勤労に対し、同等 の報酬を受ける権利を有する。 3 勤労する者は、すべて、自己及び家族に対して、人間の尊厳にふさわしい 生活を保障する公正かつ有利な報酬を受け、かつ、必要な場合には、他の社 会的保護手段によって補充を受けることができる。 4 すべて人は、自己の利益を保護するために労働組合を組織し、及びこれに 参加する権利を有する。 第 24 条 すべて人は、労働時間の合理的な制限及び定期的な有給休暇を含む休息及び 余暇をもつ権利を有する。 第 25 条 1 すべて人は、衣食住、医療及び必要な社会的施設等により、自己及び家族 の健康及び福祉に十分な生活水準を保持する権利並びに失業、疫病、心身障 害、配偶者の死亡、老齢その他不可抗力による生活不能の場合は、保障を受 ける権利を有する 2 母と子とは、特別の保護及び援助を受ける権利を有する。すべての児童は、 49 第2次飯塚市人権教育・啓発実施計画 嫡出であると否とを問わず、同じ社会保護を受ける。 第 26 条 1 すべて人は、教育を受ける権利を有する。教育は、少なくとも初等の及び 基礎的の段階においては、無償でなければならない。初等教育は、義務的で なければならない。技術教育及び職業教育は、一般に利用できるものでなけ ればならず、また、高等教育は、能力に応じ、すべての者に等しく開放され ていなければならない。 2 教育は、人格の完全な発展並びに人権及び基本的自由の尊重の強化を目的 としなければならない。教育は、すべての国又は人種的若しくは宗教的集団 の相互間の理解、寛容及び友好関係を増進し、かつ、平和の維持のため、国 際連合の活動を促進するものでなければならない。 3 親は、子に与える教育の種類を選択する優先的権利を有する。 第 27 条 1 すべて人は、自由に社会の文化生活に参加し、芸術を鑑賞し、及び科学の 進歩とその恩恵とにあずかる権利を有する。 2 すべて人は、その創作した科学的、文学的又は美術的作品から生ずる精神 的及び物質的利益を保護される権利を有する。 第 28 条 すべて人は、この宣言に掲げる権利及び自由が完全に実現される社会的及び 国際的秩序に対する権利を有する。 第 29 条 1 すべて人は、その人格の自由かつ完全な発展がその中にあってのみ可能で ある社会に対して義務を負う。 2 すべて人は、自己の権利及び自由を行使するに当たっては、他人の権利及 び自由の正当な承認及び尊重を保障すること並びに民主的社会における道徳、 公の秩序及び一般の福祉の正当な要求を満たすこともっぱら目的として定め られた制限にのみ服する。 3 これらの権利及び自由は、いかなる場合にも、国際連合の目的及び原則に 反して行使してはならない。 第 30 条 この宣言のいかなる規定も、いずれかの国、集団又は個人に対して、この宣 言に掲げる権利及び自由の破壊を目的とする活動に従事し、又はそのような 目的を有する行為を行う権利を認めるものと解釈してはならない。 50 第2次飯塚市人権教育・啓発実施計画 日 本 国 憲 法(基本的人権等抜粋) 〔昭和 21 年 11 月 3 日公布〕 〔昭和 22 年 5 月 3 日施行〕 日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれら の子孫のために、諸国民との協和による成果と、我が国全土にわたって自由のもたらす 恵沢を確保し、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないやうすることを決 意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、 国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その人類普遍の原理 であり、この憲法は、かかる原理に基づくものである。われわれは、これに反する一切 の憲法、法令及び詔勅を排除する。 日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚 するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を 保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から 永遠に除去しようと勤めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。わ れらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利 を有することを確認する。 われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないの であって、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主 権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。 日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成すること を誓ふ。 ( 略 ) 第3章 国民の権利及び義務 第 10 条 日本国民たる要件は、法律でこれを定める。 第 11 条 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障 する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与 へられる。 第 12 条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、こ れを保持しなければならない。又、国民は、これを乱用してはならないのであって、 常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。 第 13 条 すべての国民は、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最 大の尊重を必要とする。 第 14 条 すべての国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又 は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。 51 第2次飯塚市人権教育・啓発実施計画 2 華族その他の貴族の制度は、これを認めない。 3 栄誉、勲章その他の栄転の授与は、いかなる特権も伴わない。栄転の授与は、現に これを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。 52 第2次飯塚市人権教育・啓発実施計画 人権教育及び人権啓発の推進に関する法律 (平成12年法律第147号) (目的) 第一条 この法律は、人権の尊重の緊要性に関する認識の高まり、社会的身分、門地、 人種、信条又は性別による不当な差別の発生等の人権侵害の現状その他人権の擁護に 関する内外の情勢にかんがみ、人権教育及び人権啓発に関する施策の推進について、 国、地方公共団体及び国民の責務を明らかにするとともに、必要な措置を定め、もっ て人権の擁護に資することを目的とする。 (定義) 第二条 この法律において、人権教育とは、人権尊重の精神の涵かん養を目的とする教 育活動をいい、人権啓発とは、国民の間に人権尊重の理念を普及させ、及びそれに対 する国民の理解を深めることを目的とする広報その他の啓発活動(人権教育を除く。) をいう。 (基本理念) 第三条 国及び地方公共団体が行う人権教育及び人権啓発は、学校、地域、家庭、職域 その他の様々な場を通じて、国民が、その発達段階に応じ、人権尊重の理念に対する 理解を深め、これを体得することができるよう、多様な機会の提供、効果的な手法の 採用、国民の自主性の尊重及び実施機関の中立性の確保を旨として行われなければな らない。 (国の責務) 第四条 国は、前条に定める人権教育及び人権啓発の基本理念(以下「基本理念」とい う。)にのっとり、人権教育及び人権啓発に関する施策を策定し、及び実施する責務 を有する。 (地方公共団体の責務) 第五条 地方公共団体は、基本理念にのっとり、国との連携を図りつつ、その地域の実 情を踏まえ、人権教育及び人権啓発に関する施策を策定し、及び実施する責務を有す る。 (国民の責務) 第六条 国民は、人権尊重の精神の涵養に努めるとともに、人権が尊重される社会の実 現に寄与するよう努めなければならない。 (基本計画の策定) 第七条 国は、人権教育及び人権啓発に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るた め、人権教育及び人権啓発に関する基本的な計画を策定しなければならない。 (年次報告) 第八条 政府は、毎年、国会に、政府が講じた人権教育及び人権啓発に関する施策につ いての報告を提出しなければならない。 (財政上の措置) 第九条 国は、人権教育及び人権啓発に関する施策を実施する地方公共団体に対し、当 該施策に係る事業の委託その他の方法により、財政上の措置を講ずることができる。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、第八条の規定は、この法律の施 53 第2次飯塚市人権教育・啓発実施計画 行の日の属する年度の翌年度以後に講じる人権教育及び人権啓発に関する施策につ いて適用する。 (見直し) 第二条 この法律は、この法律の施行の日から三年以内に、人権擁護施策推進法(平成 八年法律第百二十号)第三条第二項に基づく人権が侵害された場合における被害者の 救済に関する施策の充実に関する基本的事項についての人権擁護推進審議会の調査 審議の結果をも踏まえ、見直しを行うものとする。 54 第2次飯塚市人権教育・啓発実施計画 飯塚市人権擁護に関する条例 平成18年3月26日 飯塚市条例第140号 (目的) 第1条 この条例は、すべての国民に基本的人権の享有を保障し、法の下の平等を定める日 本国憲法の理念にのっとり、部落差別をはじめ、障がい者、外国人への差別、いじめ等あ らゆる差別(以下「差別」という。)をなくし、人権擁護を図り、もって平和で明るい地域 社会の実現に寄与することを目的とする。 (市の責務) 第2条 市は、前条の目的を達成するため必要な施策を積極的に推進するとともに、行政の すべての分野で市民の人権意識の高揚に努めるものとする。 (市民の責務) 第3条 市民は、相互に基本的人権を尊重し、自らも人権意識の高揚に努めるとともに、差 別をなくすための施策に協力するものとする。 (市の施策の推進) 第4条 市は、基本的人権を擁護し、差別をなくすために必要な施策の推進に努めるものと する。 (啓発活動の充実) 第5条 市は、市民の人権意識の高揚を図るため、あらゆる機会をとらえて啓発活動を行い、 人権擁護の社会づくりに努めるものとする。 (推進体制の充実) 第6条 市は、差別をなくすための施策を効果的に推進するため、国、県及び各種関係団体 と連携を図り、推進体制の充実に努めるものとする。 (委任) 第7条 この条例に定めるもののほか、必要な事項は、市長が定める。 附 則 この条例は、平成18年3月26日から施行する。 55