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持続可能な社会を目指して
広島市 多元的環境 アセスメント 基本構想 持続可能な社会を目指して 広島市では、新たな環境アセスメント制度として「広島市多元的 環境アセスメント」の検討を行っています。 このたび、その基本理念やあり方を定める基本構想をとりまとめ ました。 広島市 環境アセスメントって何ですか? 環境アセスメントとは、道路、鉄道、廃棄物処理 施設の整備などの環境に影響を及ぼすおそれのある 事業を行う前に、あらかじめ環境に与える影響を調 査(今はどうなっているのか)・予測(事業によって どのように変化するのか)・評価して(どのように環 境に配慮するか)、市民の皆さんから意見を求めます。 そして、その結果を事業の内容や実施方法に反映させ、 よりよい環境に導いていこうとする制度です。 持続可能な社会って何ですか? 持続可能な社会とは、わたしたち人類が生存する 基盤の環境と、社会経済活動が両立した社会のこと です。これまで社会の繁栄を支えてきた大量生産・ 大量消費・大量廃棄型の社会経済活動は、地球温暖 化など様々な環境問題を引き起こしています。 これからも人類がこの地球上で生存していくため には、社会のあり方を変えていく必要があります。 そのような取組のひとつとして「環境アセスメント」 があります。 なぜ、新しい制度が必要なんですか? 現在の環境アセスメントは、事業の内容をほぼ固 めた段階(事業実施段階)で実施するため、大幅な 事業計画の変更などが難しく、環境への影響をより 少なくするための手段が限られてしまうなどの制度 上の限界があります。 このため、現在の環境アセスメント制度の限界を 補う、新たな仕組みが必要となります。 それが「多元的環境アセスメント」です。 多元的環境アセスメントとはどのような ものですか? 多元的環境アセスメントは、事業の実施に先立つ政策や計画等の策定段階で行います。 事業の内容を検討する政策や計画等の策定段階では、多元的環境アセスメントによって事業 計画の大きな変更や見直しを行う事ができます。 この多元的環境アセスメントと現在行われている環境アセスメントを併せて行うことにより 計画の立案から事業の実施までのあらゆる段階で環境に配慮し、環境への負荷の少ない持続可 能な社会の実現を目指します。 低 課題・問題 事業の熟度 政策策定段階 計画策定段階 広島市多元的環境 アセスメント 高 事業実施 事業実施段階 (課題・問題の 解決) 現在の環境 アセスメント (事業アセス) 多元的とは… 多元とは、多くの根源や要素があることをいいます。今回構築を目指す新しい制度では、 従来までと違い、多くの要素を統合して総合的に検討することから、この名前を採用し ました。 政策や上位計画を対象とした環境アセスメント制度は、一般に「戦略的環境アセスメ ント」と呼ばれており、国や他の自治体でも検討が進められています。 多元的環境アセスメントの特徴は何ですか? 1.複数案(ゼロ案を含む)を比較評価 します 実現可能な複数の案について、比較評価することで、 よりよい計画案の策定に役立てます。 何もしなかった場合の将来の状況(ゼロ案)について も併せて比較することで、他の代替案の影響や効果を判 定するベースを提供します。 終点 道路の複数案の例 B案 C案 市街地 山地 A案 起点 2.環境面の影響と社会・経済面の影響を 関連させて評価します 環境保全対策や影響の違いにより、政策・計画が事業 化された場合の費用や整備効果がどのように変わるかを 整理します。これにより、事業目的との兼ね合いの中で、 現実的な環境配慮のあり方を検討します。 トンネル 回避 3.累積的・複合的環境影響の予測・評価 を目指します 同じ地域で複数の事業が行われる場合の相乗的な 環境影響の予測・評価を目指します。 4.実効性のある市民参加の機会を設けます ・ 多元的環境アセスメントは、政策・計画の策定者が行います。 ・ 現在よりも早い段階で、市民の皆さんに政策・計画の情報を公開します。 ・政策・計画の策定者、市民、環境 NGO・NPO、市長などは、より適切な環境への配慮 を実現するために、十分な情報交流を行います。 その山には 珍しい生物がいるよ。 保護しようよ。 市民、環境 NGO・NPO 環境に関する情報を提供し、 より適切な環境への配慮 を促します。 それは良い考えですね! こんな計画はどうですか? 情報の交流 政策・計画の策定者 市長 政策・計画の実施に より生じる環境など への影響を調査・予 測・評価して、より 環境に配慮した政策・ 計画を策定します。 学識者による審査会 に意見を求め、調査・ 予測・評価の妥当性 を審査します。 多元的環境アセスメントの適用イメージは? 事例:ごみ埋立地の立地選定の場合 1.複数案の設定 環境への影響、事業の費用、整備の容易性などを念頭に置きながら、ごみ埋立地の候補地 を複数設定します。 A案 B案 C案 2.調査・予測・評価の項目と手法の設定 環境面、社会・経済面の調査・予測・評価の項目と手法を選定します。選定に当たっては、 市民の皆さんや専門家の意見を反映させます。 環境面の評価項目は、 ・ごみ運搬車による大気汚染、騒音、振動 ・施設からの騒音、振動 ・造成工事による自然環境への影響 ・河川放流水の影響 などが考えられます。 地球温暖化への 影響も重要よ! そうですね。 社会経済面の評価項目は、 ・事業の費用 ・施工のしやすさ ・周辺の道路や公共下水道の整備状況 などが考えられます。 次 ペ ー ジ へ 多元的環境アセスメントの適用イメージは? 3.調査・予測・評価の実施 調査・予測・評価を行って、その結果を公表します。公表した内容については、市民の 皆さんの意見を求め、環境に配慮したより良い計画づくりに役立てます。 ①複数の案について影響を比較評価します ■環境面の影響の比較評価 ■社会・経済面の影響の比較評価 A案 B案 C案 A案 森林の伐採面積 事業の費用 大気汚染・騒音・振動の影響を 受ける住戸数 施工のしやすさ 下流の利水状況 アクセス道路の整備状況 運搬車両の温室効果ガス排出量 公共下水道の整備状況 :他の案に比べて優れている。 :他の案に比べ優劣はない。 B案 C案 :他の案に比べ劣っている。 ②環境面の影響と社会・経済面への影響を関連させて評価します 一番費用が安く済むのは、A案だけと、森林の伐採面積と温室効果ガスの排出量が一番多く、 河川放流水の影響も懸念されるな。 周辺の道路の整備状況や施工のしやすさはC案が一番優れているけど、大気汚染や騒音・振動 の影響が大きくなるかもしれないな。 ③環境への配慮のあり方を明らかにします A 案を選ぶ場合は、特に自然環境への影響が心配されるので、保全する緑地の確保などの対策 を検討します。また、河川への放流水は適切に処理します。 B 案を選ぶ場合は、… C 案を選ぶ場合は、… 環境に配慮したより良い計画づくりへ! 持続可能な社会を目指したよりよい仕組みをつくります 今後は、基本構想に基づいて、試行のための手続きや技術手法を定めたガイドラインを策定しま す。そして、運用実績を積み重ねることで、問題点や課題を抽出し、その結果を踏まえて、できる だけ早い時期に本格的な制度化を検討します。 ○広島市多元的環境アセスメント基本構想はこちらのページからダウンロードできます。 http://www.city.hiroshima.jp/kankyou/hp/asesu/asesu/sea/ 〒 730-8586 広島市中区国泰寺町一丁目 6 番 34 号 ご意見・ お問い合わせ先 広島市環境局環境保全課環境アセスメント担当 電 話:082-504-2097 ファックス:082-504-2229 電子メール:[email protected]