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外国人医療受診サポートボランティア研修2011 公開講座 在住外国人の増加に伴い生活の様々な場面で通訳者が必 新春に寄せて 要とされますが、特に医療や保健分野においては、言葉の壁 を取り除き外国人患者の不安や緊張を和らげる通訳者の役割 公益財団法人 名古屋国際センター 理事長 花 井 雅 夫 明けましておめでとうございます。 は大きいとされています。 こうした中、「外国人医療受診サポートボランティア研修」 の第 1 回目が 10 月 30 日(日)、名古屋国際センターで行われ 正月の三が日は家に居るのが通例である。孫が来るのを鶴首の よく使った。所謂シュプレッヒコールのときなどにである。しかし ました。5 回シリーズのこの研修は外国人患者に日常的に接 思いで待ちながらも、全日本や箱根を楽しんでいる。私も大学二 壇上で声高に叫んでいる輩ほど一体何を頑張っているのか判らな している医療関係者や医療通訳者を講師に招き、基礎的な通 年の時に一度だけ駅伝を走ったことがある。と言っても学内大会 い連中が多い。この言葉は責任の稀薄化、主体性の稀釈化の機 に毛の生えたようなもの。三区を担当したと記憶している。中継 能を有する厄介な代物なのである。東日本大震災の被災者が 「‘が 所に随分若い選手がいるので声を掛けた。高専の三年生と言う。 んばろう’ という言葉、余り好きではないんですよ」 とインタビュ 長幼の序を重んずる体育会系として少し態度が大きくなったこと ーに答えているのを聞いて我が意を得たりと思ったりもする。 講座では、医療制度や医療機関の仕組みについて説明がされた後、外国人医療センター (※) の藤田紀見氏による「外国人の医療 はお許し頂こう。事もあろうか、たすきの受渡しも僅か数米の差、 一度だけ、 『頑張るぞ』を見た。迷彩服に身を固め瓦礫を片付 問題」、中国語医療通訳者の中川嘉弘氏による「医療文化と言葉の壁」についての講義がありました。藤田氏は外国人医療センター 追い越しざまに 『頑張るぞ』 と声を掛け、 「あっ」 と思った。私とし けている自衛隊員のヘルメットの白いテープに “がんばるぞ仙台” ては 〈自分は最大限頑張る。だから君も頑張れ、そして一緒に頑 とあった。 「君は仙台出身者か。頑張れ」 と心が叫ぶ。 張ろう〉 という意であり、応援団ではこの言葉を他人に対して用い 今年、当センターは公益財団になって二年目を迎える。指定管 る。それが伝わったかどうか危惧したのである。しかし、 「ハイッ」 理者としても更なる飛躍に向けて大切な年である。新春の職員へ 参加者からは「医療現場での通訳は、医学的な見識よりもむしろ在留資格や日本の保険制度等、多面的な知識が必要」 「 相手の生 という声を後方に聞いた。 の挨拶を、この『頑張るぞ』で締め括ろうかと考えている。今年こ 活背景や文化を知ってどこまで責任をもてるのかは非常に難しい問題」などの感想が述べられました。 最近「がんばろう」 という言葉が巷間に溢れてい る。若い頃は そ世界中の人々にとって平和で幸多き年になることを祈りつつ… 本研修の修了者のうち、希望者は当センターの語学・災害語学ボランティアとして登録され、活動いただく予定です。 訳技術や通訳者の心得、医療知識等について学ぶもので、 第 1 回の公開講座には通訳ボランティアとして患者に同行し たことがある人や看護師や医療事務等の医療関係者等、78 名(うち約半数が外国人)が参加しました。 が毎月1回実施する「外国人無料健康相談会」からみえる問題として、保険未加入の外国人が重病になった場合の支援の難しさや外 国人の情報入手の難しさ、文化的背景の違いから自分が求める医療サービスが受けられない状況を紹介しました。中川氏は中国語 医療通訳者として中国と日本の医療文化の違いを中国人妊婦の出産事例とともに紹介し、医療通訳者は言葉の通訳だけでなく医療 知識を十分に備えることが患者の不安や緊張の解消につながり、医師との連携も良好になると語りました。 外国人ウォーキング2011が行われました 11 月 26 日 (土)、秋晴れの中、本山から八事までの3.5キロのコースを歩く 「外国人ウォーキング 2011」 が行われました。当日はブラジル、中国を始めとする11カ国1地域27名の外国人が NIC ウォーキングガイド ボランティアや通訳者と共に参加しました。 参加者は 4グループに分かれて本山駅を出発した後、大仏で有名な桃巌寺や名古屋大学ノーベル物理学 賞・化学賞展示室を見学し、織田信長が寄進したと言われる朱色の山門で知られる西光院を巡った後、国 の重要文化財に指定されている五重の塔がある八事興正寺を訪れました。最終ポイントの興正寺では寺内の日本庭園を眺めながら抹 茶と和菓子を楽しみました。 参加者からは「ウォーキングが趣味。身近にこんな素敵なコースがあるとは知らなかった。名古屋を訪れる友人のために今日はガイ NICホットライン ドの案内をしっかり聞きたい」 (ブラジル人女性)、 「ガイドに英語で案内してもらうのは来日してから初めての経験。とても楽しかった」 (ウクライナ人女性)などの感想をいただきました。また、中国出身の男性は「名古屋に来てまだ 1 カ月。お寺巡りも楽しかったが、何 よりも友人ができたのが嬉しい」 と参加者同士でメールアドレスの交換をしていました。 ウォーキングや観光を交流にも生かすことのできた有意義なイベントになりました。 療機関の紹介を行っている。医師、歯科医師をはじめとするボランティアやスタッフらが運営。年3回名古屋国際センターと共催で「外 国人無料健康相談」を実施している。URL:http://npomica.jimdo.com/ 第34回 NIC本のリサイクルバザー 書き損じた 年賀状は ありませんか? 11月13日 (日) 、 名古屋国際センターで 「第 をNICライブラリーボランティアがこなして 34回NIC本のリサイクルバザー」 が行われま います。第1回目のバザーから携わっている した。 約4,000冊が出品されたこのバザーは、 森田恵美子さんは 「地道な作業で力仕事も 毎回開場前から長蛇の列ができる人気の催 あり大変ですが、 皆さんに喜ばれ、 本も再利 しです。 今回も179名、 うち110名の外国人の 用されるのでやりがいがあります」 と感想を 住 所 の 書き間 違 入場者がありました。 特に人気なのは日本語 述べます。 いや 印 刷しすぎた 教材や英語の絵本、 新しく出版されたペーパ 寄せられた収益金は7万円を超え、 “世界 ーバックで、 これらはバザー開始後あっとい 寺子屋運動” 名古屋実行委員会を通して発 う間になくなってしまいます。 持ち帰り用のカ 展途上国の識字教育に役立てられます。 ートを持参してきたナンシー・モリアリティ・ 次回は2012年6月を予定しています。 年賀状・はがきがあ りましたら、下 記に お送りください。 (公 社) 日本ユネ スコ協 会 連 盟を通 スギウラさんは 「ペーパーバックをはじめ、 歴 して、 発展途上国の 史本、 料理本、 ガーデニングなど幅広いジャン 寺子屋建設・運営に役立てています。 ルの洋書がここまでそろっているのは他には 名古屋国際センター交流協力課内 “世界寺子屋運動” 名古屋実行委員会 〒450-0001名古屋市中村区那古野 一丁目47番1号 名古屋国際センタービル4階 D052-581-5691 [email protected] http://terakoya-nagoya.com/ ない。廉価に入手できるので1996年頃から ほぼ毎回参加している」 と言います。 このバザーは 「ライブラリーで不用になっ た本を有効活用したい」 というボランティア の願いが発端となって始まったもので、 事前 の準備から当日の運営までほとんどの作業 西光院 興正寺の茶室 01 02 NICホットライン ※外国人の医療支援を目的に1998年に設立された特定非営利活動法人。愛知県内に滞在している外国人に対して、健康相談や医