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〇理 科
13.授業の実際 【つかむ段階】 (1/7) 自分の体の動き方に関心をもち,学習問題をつかむ活動 まず,運動という言葉から何を思い出すか尋ねた。すると, 「サッカ ー」や「野球」「バレーボール」などスポーツのイメージが強かった。 そこで,「歯を磨くまねをしてみよう」「顔を洗うまねをしてみよう」 など日常的な動きをイメージさせ,そのような動きも運動であるとい うことをおさえた。 そして,腕を固定する装置(図1)を使ってひじを固定し,日常生 活の動きを体験した。体験後には, 「骨がぼうのようになっていて動かなかっ (図1) た」 「関節のところが曲がらないので動かせなかった」などの感想が出た。骨や関節と体の動きを関係付 けて考えることができていたが,この時点では筋肉のはたらきまでは,とらえられていなかった。 最後に, 「人が体を動かすしくみは,どのようになっているのだろうか。 」という学習問題を提示した。 つかむ段階の授業は,児童の興味・関心を喚起するとともに,うでを動かすためにどの部分がはたら いているのか,しっかり考えることのできる体験であったと考える。 【調べる段階】 (2/7~5/7) ① 人の体のつくりを自分の体を触ったり,資料や模型を見たりして調べる活動 人が体を動かすために, 「関節」 「骨」 「筋肉」が必要ということを教えた。そして それぞれについて調べる活動を行った。 まず,自分の体を動かしながら体のどの部分に関節があるのか調べ,人型カード に(図2)シールを貼っていった。次に,骨の模型を見ながら,人型カードに骨を 書き込んでいった。最後に,正しい骨のカード(図3)を配り,もう一度骨のつく りを確かめた。さらに正しい骨のカードにシート(図4)をかぶせ,筋肉のつき方 を調べた。 調べた後の発表には, 「関節は,一方方向にだけ曲がる関節とぐるぐる回る関節が (図2) あった」や「人の体全体に骨があることが分かった」, 「筋 肉は骨の周りについている」「目の周りにまで筋肉がつい ているからまばたきができる」などの気付きがたくさんあ った。実際に体を動かして調べさせたり,資料の工夫をし たりしたことによってこのような気付きへとつなげるこ とができたのだと思う。 (図3) (図4) ②人が体を動かすしくみを資料や模型を見て調べる活動 うでを曲げたりのばしたりするときの,筋肉の様子を調べるために,ま ず,うでのつくりがどのようになっているのか,手羽先(図5)を使って 観察した。ここで, 「腕の筋肉は関節をまたぐように二つの骨にくっついて いる」ことを教えた。 その後,うでを曲げた時とのばした時の筋肉の様子をそれぞれ自分の言 葉で予想させた。観察の際は「筋肉の長さ」に着目させ,長さがどう変わ (図5) るかを観察した。今回,筋肉の長さの変化がより分かりやすいように教材(図 6)を開発したので,児童が調べる際,変化が分かりやすかったようである。また,学習プリント(図 7)は,予想と結果をリード文付きにしたので,ほぼ全員自分の言葉で予想や結果を書き表すことがで きていた。 結果をグループでまとめる際,ホワイトボード(図8)を用意し,図や言葉で表すことができるよう にした。 (図6 曲げた時) (図6 伸ばした時) (図8) (図7) 【広げる段階】 (6/7~7/7) 動物の体のつくりと動かすしくみを,触ったり資料を見たりして調べる活動 まず,うさぎの体にも骨や筋肉,関節があるか予想し,実際に飼育小屋でうさぎの体を触って調べた。 うさぎも人間と同じように体を動かすしくみがあることをまとめた。 次に,ほかの動物についても教科書の資料を使いながら,同じように骨と筋肉と関節があることを調 べた。 14.成果と課題 ○成果 1)上腕筋肉のゆるむと縮むを自分の体の動きと同調させて調べることができる骨格モデルの教材を用 意したことは,子どもが自分で体を動かしながら調べることができる有効な手立てであった。今までは, 教材を単体で動かした後に,その教材が自分の体のどの部位に当たるのかを考えながら筋肉の緩みと縮 みを調べることが多かったが,本教材では,自分の体に密着させたまま視覚的に見て,体感的に触って 調べることができ,筋肉と骨格の動きをわかりやすく観察させることができた。(子どもが感動するくら いの教材であった) 2)予想と結果を比較しやすいように,1枚の記録用紙に上腕の絵図を提示して,個人別に予想と結果 を記録させたことは,実験の内容(上腕を伸ばしたときの内側と外側の筋肉の長さと上腕を曲げたとき の内側と外側の筋肉の長さがどうなっているかを調べる。ゆるんでいるか・ちぢんでいるか)と実験の 方法(右手上腕を曲げたり伸ばしたりしたとき,筋肉はどうなっているか,モデルを体に密着させて調 べる)を明確にさせることにつながり,有効な手立てであった。 3)小集団ごとに,右上腕骨格と筋肉の絵図をホワイトボードにして与えたことで,内側の筋肉と外側 の筋肉という部位が視覚的にわかりやすく記録することができた。また,全体交流では, 「ホワイトボー ドの絵図と言葉」を使って分かりやすく説明することができ,他の小集団の結果との比較が明確になっ た。結果を整理する有効な手立てであった。 ●課題 1) 「曲げるときに力が入っている筋肉は,内側かな?外側かな?」という発問をして,筋肉が【伸びる】 と【緩む】のちがいについて,理科の用語として整理する場面では, 【伸びる】とは力を加えて伸ばされ ている状態で, 【緩む】とは脱力している状態であることをとらえさせるには,やや不十分であった。 2)観察をさせるときに,内側と外側の筋肉の様子を同時に観察させているので,混乱を招いてしまっ た。 ①曲げたときの内側 ②伸ばしたときの内側 ③曲げたときの外側 ④伸ばしたときの外側 と筋肉の部位別に観察と記録をさせた方が整理しやすかったと思われる。 3)長さへの視点のしぼらせ方が弱かった。太さや状態に目が向いた子どももいた。 15.教材について 観察の視点を「長さ」にしぼったので,長さの変化が分かりやすく,より筋肉に見えるモデルにする ためにいくつかの筋肉モデルを作り,教材研究を行った。 筋肉モデル①(○利点 ●欠点) ○太さの変化を見る場合は分かりやすい。 ●「縮む」ではなく「たるむ」や「ゆるむ」 という感覚の方が近い。 <材料> 画用紙・厚紙・割りピン・コードまとめ(100 円均一で購入) ・ホッチキス 筋肉モデル② ○内側の筋肉と外側の筋肉が対の関係である ことが分かりやすい。 ●「縮む」ではなく「たるむ」や「ゆるむ」 という感覚の方が近い。 <材料> 画用紙・割り箸・PP バンド・ビニルテープ 筋肉モデル③ ○長さの変化が分かりやすい。 ○「縮む」という感覚が分かりやすい。 ●長さの変化は分かりやすいが,太さなどは 分からない。 <材料> 画用紙・ベニヤ板・割りピン・輪ゴム(太) 額縁金具(ホームセンターで購入) 筋肉モデル④ ○長さの変化が分かりやすい。 ○「縮む」という感覚が分かりやすい。 ○腕に装着することができ,体験的に変化 を見ることができる。 付録(筋肉モデルの作り方) 材料・・・タイツ(イオンモールで購入) ・タイツの中身(ビーズクッションのビーズ) マジックテープ(100 円均一で購入) ベニヤ板・ステンレス洋灯吊金具・細目ねじ・結束バンド(ホームセンターで購入) 作り方・・・①ベニヤ板を糸のこぎりで切る。 ②穴を5ヶ所開け,結束バンドを通しておく。 ③ベニヤ板を木工ボンドと細目ねじで組み合わせる。 ④タイツを縦 10cm・横 12cmの長方形に切り,筒状 に縫う。 10cm 12cm 12cm ※曲げたり伸ばしたりする時に筋肉が伸縮しやすいようにタイツを伸ばしながら縫う。 ⑤タイツの片端にステンレス洋灯吊金具を入れ,結束バンドで留める。反対側からビーズ を詰め,こちらもステンレス洋灯吊金具を入れ,結束バンドで留める。 ⑥タイツで作った筋肉を②の結束バンドに引っ掛ける。 ⑦マジックテープを 3 ヶ所に固定する。 学習プリント わたしたちの体と運動 4年 組 ( 【学習問題】 人が体を動かすしくみは、どのようになっているのだろうか。 【めあて】 【予想】 うでを曲げたとき、内側のきん肉は、 外側のきん肉は、 (自分の考え) うでをのばしたとき、内側のきん肉は、 外側のきん肉は、 (自分の考え) ) 【結果】 うでを曲げたとき、内側のきん肉は、 外側のきん肉は、 うでをのばしたとき、内側のきん肉は、 外側のきん肉は、 【まとめ】 今日の学習で 第5学年 1 単元名 2 指導観 理科学習指導案 もののとけ方 ○ 本単元は,物が水に溶ける現象に興味・関心をもち,問題を見いだし,条件に目を向けながら 水の温度や量による溶け方の違いを調べ,物の溶け方の規則性についての見方や考え方をもつこ とができるようにすることがねらいである。具体的には,「物が水に溶ける量には限度があるこ と」「物が水に溶ける量は水の温度や量,溶ける物によって違うこと。また,この性質を利用 して,溶けている物を取り出すこと」「物が水に溶けても,水と物とを合わせた重さは変わら ないこと」の3つである。 本単元では,第3学年「A(1)物と重さ」の学習をふまえて,「粒子」についての基本的 な見方や概念を柱とした内容のうちの「粒子の保存性」にかかわるものであり,第6学年「A(2) 水溶液の性質」につながるものである。物が溶けるようすをじっくり観察して,日常生活と関 連させながら問題意識をしっかりもつようにする。その後,観察・実験を通して,物の溶け方 の規則性について理解を図る。また,観察・実験などの活動を通して,上皿てんびんや電子て んびん,メスシリンダーを正確に使うための技能を身につけさせる。 ○ 本学級の子どもたちは,砂糖や食塩を水や湯に溶かすなど,これまでの生活の中で,物を溶か す経験をしてきている。このとき,早く溶かそうとしてかき混ぜたり,湯に溶かすとすぐに溶け たり,溶かす量が多くなると色が濃くなったりすることを経験から知っている。しかし,溶けた 物がどうなったのか,物によって溶ける量に違いがあることなどに気づいている子どもは少ない。 事前のアンケートによると,色がついていて透明な物が水溶液であると知っている子どもは 37% で,水に物を溶かすと溶かした物の分だけ重さは重くなると答えた子どもは 37%であった。また, 食塩を水に溶かしたとき,溶け残った食塩を溶かすにはどうしたよいかという質問に答えられた のは,20%であった。このことから,水溶液の定義や物の溶け方の規則性について理解している 子どもは少ないことが分かる。 これらの実態から,本単元を通して,物の溶け方の規則性についての見方や考え方をもつこと ができるようにしたい。 ○ 本単元の指導にあたっては,まず,「つかむ」段階で,物が水に溶けるようすを観察し,重さ を調べさせる。このとき,子どもたちにとって身近な砂糖や食塩を取り上げ,日常生活を想起し ながら活動させる。また,食塩水の重さをはかる実験では,事前に道具の使い方を確認し,正確 に重さを量れるようにする。事象提示に1mのアクリル管を使うことで,児童の興味・関心を高 め,主体的に実験に取り組むことができるようにし,物が水に溶けて見えなくなっても,水の中 にあることを理解させる。 次に,「調べる」段階では,水に溶ける物の量について,食塩やホウ酸を使って調べ,物が一 定量の水に溶ける量には限りがあることや,物によって一定量の水に溶ける量が違うことをつか ませる。さらに,溶け残ったホウ酸や食塩を溶かすためには,温度を変えたり,水の量を増やし たりすればいいことを理解させる。 最後に,「ひろげる」段階では,水に溶かしたホウ酸を析出し,熱したり冷やしたりすると溶 かした物を取り出すことができることを,実験によって明らかにしていく。 -1- 3 単元の目標 【自然事象への関心・意欲・態度】 ○ 生活経験などをもとに物の溶け方に興味・関心をもち,物の溶け方の規則性を自ら調べよう としている。 ○ 溶け残った食塩やホウ酸を溶かすことに興味・関心をもち,水の量や温度と溶ける量の関係 について自ら調べようとしている。 【科学的な思考・表現】 ○ 水溶液の重さを,溶けている物と水を合わせた重さと関係づけて考察し,自分の考えを表現 している。 ○ 物の溶け方とその要因について予想をもち,条件に着目して実験を計画し,表現している。 【観察・実験の技能】 ○ 電子てんびんや上皿てんびんを適切に操作し,水溶液の重さを調べている。 ○ メスシリンダーなどを適切に操作し,計画的に実験を行っている。 ○ 一定量の水に溶けるものの量を調べ,その過程や結果を記録している。 ○ ろ過装置や加熱装置などを適切に操作し,実験を行っている。 【自然事象についての知識・理解】 4 ○ 物が水に溶けて見えなくなっても,溶かした物の重さはなくならないことを理解している。 ○ 物が一定量の水に溶ける量には限りがあることを理解している。 ○ 物が水に溶ける量は,水の量や温度,物によって違うことを理解している。 ○ 水の量や温度を変えると,溶けている物を取り出すことができることを理解している。 本単元での科学言語 水よう液 透明 とける 食塩 ホウ酸 ろ過 -2- ろ液 5 指導計画(全 13 時間) 配時 学習活動と内容 2 つかむ 段階 1 指導及び支援 物が水に溶ける様子を観察し,水溶液の意味に ① 2時間 ついて理解する。 (1) ○ 物が水に溶けるようすを観察し,記録する。 ※ 1mのアクリル管を使って食塩を溶かし,課 日常生活の中での物を溶かした 経験を想起させる。 題をつかむこと めあて ものが水にとけるとはどのようなことなのか 調べよう。 ○ 食塩や砂糖,入浴剤,味噌,ココア,小麦粉 ※ を水に溶かして様子を観察し,仲間分けをする 水溶液ということを説明し,溶け こと ○ ることの定義を共通理解させる。 ※ 水溶液の定義について知ること 有色透明のものも水溶液である ことを確認する。 まとめ 食塩やさとうなど,ものがとけている水のこ を水よう液という。水よう液は,すべてとう明 である。 ① (2) 電子てんびん,上皿てんびんで,身近な物の ※ 重さをはかる。 水平な台の上に置いて操作させ る。 ※ めあて 上皿てんびんを確実に操作して, 秤量させる。 電子てんびんと上皿てんびんを使って,身近 ※ な物の重さをはかろう。 ○ 電子てんびん,上皿てんびんの正しい使い方 物の重さをはかるときには,誤差 がでる場合があることを確認する。 8時間 8②本時2/2 調べる を知ること 2 水に溶ける物の量について調べる。 (1) 食塩を水に溶かし,重さを調べる。 ※ 電子てんびんで液体の重さをは かるときは,誤差が出る場合がある めあて ことを確認する。 水に食塩をとかしたら,食塩水の重さはどう なるのか調べよう。 ○ 食塩が水に溶けて見えなくなっても,溶かし た食塩の重さはなくならないことをとらえるこ と ※ まとめ 水に食塩をとかしたら,とかした食塩の分だ 水,食塩,水溶液の関係を式で表 して,見えなくなっても食塩は水の 中にあることを重さの変化から確 け重くなる。 水の重さ+とかした物の重さ=水溶液の重さ -3- 認する。 ① (2) メスシリンダーで水の量をはかる。 ※ メスシリンダーを安全に正しく 使うために,準備のしかたや扱い方 めあて を説明する。 メスシリンダーを使って,正確に水の量をは ※ かろう。 ○ メスシリンダーの使い方を知り,水の量を正 目の高さによって,読み取れる数 値が違うことを体験して確認する。 確にはかること ② (3) 食塩が一定量の水にどのくらい溶けるか調べ ※ る。 水の量を決めて調べる必要があ ることに気づかせる。 めあて ※ 食塩5g単位で調べさせる。 食塩は水にかぎりなくとけるのか調べよう。 ○ 決まった量の水に溶ける食塩の量にはかぎり があるのをとらえること まとめ 決まった量の水にとける食塩には,かぎり がある。 ① (4) ホウ酸を一定量の水に溶かし,どのくらい溶 ※ ホウ酸とは,目の消毒薬やゴキブ けるか調べる。 リの駆除に使われている薬品であ めあて ることを確認する。 食塩以外のものも,水にとける量にはかぎり ※ ホウ酸の取り扱いに気をつける があるのか調べよう。 ことを確認し,使用した後は必ず手 ○ を洗うことを指導する。 決まった量の水に溶けるホウ酸の量にもかぎ りがあり,物によって溶けるにはちがいがある ※ のをとらえること 食塩のときと比較して予想させ 物によって水に溶ける量には違い があることに気づかせる。 まとめ 決まった量の水にとけるホウ酸にも,かぎ りがある。 ② ものによってとける量にはちがいがある。 (5) 水の温度や量を変えて,溶ける量を増やす方 ※ 水の温度を上げるために,容器に 法を調べる。 入れたまま加熱する方法として50 めあて ℃の湯を使う。 とけ残ったホウ酸をとかすには,どのよう にすればよいのか調べよう。 ○ 溶け残ったものを溶かすには水の量を増やし たり,水の温度を高くしたりすればよいことをと らえること まとめ とけ残ったものをとかすには,水の量をふや したり,水の温度を上げたりすればよい。 -4- 3② ひろげる 3 水の量や温度を変え,溶かした物を取り出す。 (1) 温度変化や水の蒸発により,ホウ酸を析出し,※ 3時 間 調べる。 ろ過装置や加熱装置など,適切に 操作するように指導する。 めあて 一度とけたものを取り出すには,どうしたらよ いのか調べよう。 ○ 溶けた物は見えないが水の中にあり,水の量 や温度を変えると,溶けている物を取り出すこ とができることをとらえること まとめ とけたものは見えないが水の中にあり,水の 量や温度を変えると,とけたものを取り出すこ とができる。 ① (2) ミョウバンの結晶作りをする。 ※ これまでの学習を生かして活動 に取り組ませる。 めあて これまでの学習を生かして,ミョウバンで結晶 を作ろう。 60℃くらいのミョウバンの水溶液から結晶 ○ をつくること 6 本時の目標 ○ 水溶液の重さを,溶けている物と水をあわせた重さと関係づけて考察し,自分の考えを説明す ることができる。(科学的な思考・表現) ○ 物が水に溶けて見えなくなっても,溶かした物の重さはなくならないことを理解することがで きる。(自然現象についての知識・理解) 7 本時の仮説 水に食塩を溶かすと重さはどうなるのか調べる本時において,以下のような手立てを行えば, 水溶液の重さを,溶けている物と水を合わせた重さと関係づけて考え,子どもたちは確かな学力 を身につけることができるであろう。 ○ 【個人の言語活動】考察の場面において考える時間を充分取り,結果と考察の部分を視覚的に 区別化することにより,自分の考えが整理できるようにする。 ○ 【小集団の言語活動】考察の部分を中心に話し合い,共通点を探ることにより,言語活動の充 実を図る。 ○ 【全体の言語活動】科学的な見方・考え方ができるように結果を表したグラフを活用し,結論 の共有化を図る。 -5- 8 本時指導の考え 本時は,水に食塩を溶かして重さを量る活動を行い,物が水に溶けて見えなくなっても,溶かし た物の重さはなくならないことを理解させることをねらいとしている。 前時までに子どもたちは,水溶液の定義について知り,電子てんびんや上皿てんびんの操作方法 について学習している。そして,水に食塩を溶かしたら,食塩水の重さはどうなるのかという課 題を見出し,予想を立て,実験方法を考えるところまで学習している。そこでは重さに着目して 予想が立てられるように,まず,ビーカーに水を入れて重さを量り,その後,食塩を入れて食塩 水を作り,電子てんびんの表示部分を隠して食塩水の入ったビーカーを載せる事象提示を行い, どうなるのか考えさせた。 本時学習にあたって,前時に出た「重くなる」「軽くなる」「変わらない」といった予想を全 体交流させる。その後準備するものを確認し,各グループで実験用具をそろえさせ,2人組で実験 を行わせる。結果から結論が導きやすいように,それぞれのグループで違う量の食塩水の重さを 量る。また,結果をグラフにまとめやすくするために,水の量を50gとし,食塩は1グループにつ き15gずつ配る。食塩が足りる範囲内で,実験を繰り返しさせる。 各グループで実験を行わせた後,全体で結果を1つのグラフにまとめさせる。その結果をもと に,考察の時間を充分取る。その際,自分の考えを赤で書かせることにより,視覚的に結果と考 察の区別化を図る。次のグループの交流活動では,考察のときに自分が赤で書いたことや,結果 のグラフから分かることを中心に話し合わせ,自分の考えに自信を持ったり,深めたりすること ができるようにする。さらに,全体交流ではグループ交流でみんなの共通点について話し合い, 結論に導いていく。また,考察や交流活動において,結果をグラフで表したグラフを活用するこ とにより,規則性を見つけられるようにし,言語活動の充実を図る。 最後に,児童の考察から「水に食塩を溶かしたら溶かした分だけ重くなる」ということをまと める。また,「水の重さ+溶かした物の重さ=水溶液の重さ」という式に表すことにより,水, 食塩,水溶液の重さの関係について理解できるようにする。 9 準備 電子てんびん,サンプル管(100mL),薬包紙,薬さじ,食塩,水,スポイト -6- 10 本時の展開(4/13) 学習活動と内容 1 指導及び支援 前時までの学習を振り返り,本時のめあてをつ ※ かむ。 活動の見通しがもてるように,前時に書いた ノートを確認させたり,前時に立てた予想を発 表させたりする。 めあて 水に食塩をとかしたら,食塩水の重さは どうなるのか調べよう。 2 予想をもとに実験をし,結果を記録する。 (1) 実験をして,結果を記録する。 ※ ①電子てんびんに容器を乗せ,0に合わせる。 結果から結論が導きやすいように,各班で違 ②食塩と水の重さをはかる。 う量の食塩水の重さを量る実験をさせる。 ※ ③水と食塩を容器に入れてふたをし,よく振って 結果をグラフで示しやすいように,水50gに 溶かす。 15gまでの食塩を溶かすようする。 ※ ④食塩水の重さをはかる。 正しい実験結果がでるように,食塩はこぼさ ○ ないように入れることなど注意点を確認する。 水に食塩を溶かすと,溶かした食塩の分だけ ※ 重くなること 子どもの科学的な見方や考え方が高まるよう に,結果をグラフで掲示する。 (2) それぞれのグループの結果を出し合う。 3 結果をもとに考察する。 ※ (1) それぞれのグループの結果をもとに,予想と結 自分の考えが書けるように,考察の時間を充 果を比べて分かったことや考えたことを書く。 ○ 分確保する。 ※ 水に溶けて見えなくなっても,食塩はなくな 話し合い活動がしやすいように,考察を赤で ったわけではないこと ○ 書くようにする。 ※ ものは溶けてなくなっても水の中にあるこ 話し合いが活発になるように,赤で書いたこ と とを中心に話すようにする。 ※ (2) 結果から分かったことや考えたことを話し合 子どもの考えが共有化できるように,結果の グラフを活用する。 食塩水の重さ(g) う。 (3) それぞれのグループの結果と考察をもとに,結 論を話し合う。 ○ 水溶液の重さは,水の重さと溶かした物の重 65 60 55 さの和になること 50 4 本時の学習のまとめをする。 5 まとめ 10 15 食塩の重さ(g) 水に食塩をとかしたら,とかした食塩の分 ※ だけ重くなる。 水,食塩,水溶液の関係を理解することがで きるように,式で表していく。 水の重さ+とかした物の重さ=水溶液の重さ -7- 11 板書計画 もののとけ方 めあて 水に食塩をとかしたら,食塩水の 重さはどうなるのか調べよう。 <用意するもの> ・サンプル管 ・電子てんびん ・薬包紙 ・薬さじ ・スポイト <結果> 65 食塩水の重さ(g) <予想> ・軽くなる。見えなくなって消え てしまったから。 ・変わらない。水といっしょにな ったから。 ・重くなる。見えなくても,水に 食塩がとけているから。 <実験> ①サンプル管,薬包紙を電子てんび んにのせ,目盛りを0にする。 ②水 50gをはかる。 ③食塩の重さをはかる。 ④サンプル管に入れて,よくふる。 ⑤重さをはかる。 <考察> ・食塩は水にとけて見えなくなっても, なくなったわけではない。 ・食塩は水の中にある。だから,その 分重くなる。 まとめ 水に食塩をとかしたら,とかした食塩 の分だけ重くなる。 水の重さ+とかした物の重さ=水溶液の重さ 60 55 50 5 10 15 食塩の重さ(g) T 前の時間,予想を立てて,実験方法を考える T ところまで終わっていました。まず,めあてを 確認しましょう。 C (めあてを読む。) T では,前の時間に立てた予想を発表しましょ う。 考察を発表します。班でみんなが同じだった ことや前のグラフから分かることは何ですか。 C (考察を発表する。) T では,まとめをします。考察でみんなが同じ だったことは何ですか。 C (考察で共通したことを発表する。) T では,まとめましょう。水に食塩を溶かした C (予想を発表する。) T 他の意見はありませんか。 ら,溶かした食塩の分だけ重くなります。式に C (他の予想を発表する。) 表すと,水の重さ+溶かした物の重さ=水溶液 T では,実験方法を確認しましょう。 の重さになります。 (実験方法の確認) C (まとめを書く。) T 実験用具は,何が必要ですか。 T 今日の学習の振り返りを書きましょう。 C (実験用具を発表する。) C (今日の学習を振り返る。) T 実験が終わったら,ノートに結果を記入しま す。そして,グループごとに結果を前のグラフ にシールを貼って表します。では,準備をして, 実験を始めましょう。 C (実験開始) T 実験をやめて,結果を書いた人から,考察を 書いてください。赤鉛筆で書きます。 C (結果,考察を書く。) T では,赤で書いたことを中心に,考察を班で 話し合いましょう。前の結果のグラフを活用し ましょう。 C (班で考察を話し合う。) -8- 13 授業の実際 【つかむ段階】(1/13~2/13) ① 水溶液の性質について知る活動 まず,事象提示として,1mのアクリル管に水を入れ食塩を溶かした。食塩が段々と水に溶けて 見えなくなっていく現象を間近に見せることで,子どもたちの興味関心が高まり「物が水に溶ける とはどういうことなのか」という課題をつかんだ。次に,水溶液の定義を理解させるために,食塩, 砂糖,入浴剤,味噌,ココア,小麦粉を水に溶かし,水溶液とそうでないものを仲間分けさせた。 子どもたちの中には,濁っていても溶けたように見えていれば水溶液と考えている子や,有色透明 の入浴剤の水溶液は水溶液ではないと考えている子もいたので,無色でも有色でも透明であれば水 溶液であるという定義を全体で確認した。 ② 電子てんびん,上皿てんびんで身近な物の重さを量る活動 次時の水溶液の重さを量る活動がスムーズにいくように,電子てんび んの使い方の復習と上皿てんびんの使い方を教え,身近な物の重さを量 る活動を行った。電子てんびんについては,3年生のときに1度学習し ているので比較的スムーズに進んだが,上皿てんびんは操作に慣れるま での時間を確保することができなかった。そして,ここで重さを量ると きには,多少の誤差が生じる場合があることをおさえた。 【調べる段階】(3/13~10/13) ① 水に食塩を溶かし,重さを量る活動(本時) まず,ビーカーに 100mLの水を入れ,電子てんびんの上に乗せ,重さが 100gであることを確認 した。次に,食塩を入れて,溶けた食塩はどうなったのか考えさせた。そして,重さに着目するこ とができるよう電子てんびんの表示部分を隠し,再度電子てんびんの上に乗せる事象提示を行い, 水に食塩を溶かしたら,重さはどうなるのかという課題をつかませた。その後,予想を立てた。す ると,ほとんどの子どもが重くなる,もしくは少し重くなると予想し,重さは変わらないと予想し た子どもは少数であった。また,重さは軽くなると予想した子どもはいなかった。その後,実験方 法について考え,一定量の水に食塩を溶かし,電子てんびんで溶かす前と溶かした後に重さを比べ ることで,調べられることを確認した。 本時では,前時で立てた予想を交流するところから始めた。そして,水 50mLに対し,15gまで の食塩を数回に分けて溶かして実験を行い,結果を自分のノートと黒板に貼ってあるグラフにシー ルを貼ってまとめていった。結果が出た後,ノートに赤鉛筆で考察を書かせたことにより,結果と 考察が視覚的に区別できていた。次に,グループ交流を行い,赤で書いた部分を中心に話し合いを させた。そして,グループで出た共通したことと,黒板に貼ってある結果のグラフをもとに全体交 流を行った。グラフについて,全体で交流することで,ものが水に溶けて見えなくなっても,なく なったわけではなく,溶かした分だけ重くなることを再確認し,水溶液の重さ=水+溶かした物の 重さという式の意味について,理解した。 ② メスシリンダーで水の量を量る活動 子どもたちはこれまで,メスシリンダーを使った経験がなく,メスシリンダーの正しい使い方や その用途を教え,水の量を正しく量る活動を行った。全員が実際に水の量を量ることにより,目の -9- 高さによって読み取れる数値が違うことを体感させた。そのことで,目盛りを正面から読む必要性 を実感していた。 ③ 食塩とホウ酸を一定量の水に溶かす活動 まず,食塩が一定量の水にどのくらい溶けるのか調べる実験を行った。食塩が溶ける量には限り があると予想した子がほとんどだった。次のホウ酸を溶かす実験では,食塩と同じくらい溶けると 予想した子がほとんどだったが,予想外の結果で,ものによって溶ける量にちがいがあることを実 感し,理解した。 ④ 水の温度や量を変えて,溶ける量を増やす方法を調べる活動 まず,溶け残った食塩やホウ酸をもっと溶かすにはどうしたらいいのか考えさせた。子どもたち の生活経験と結びつけて考えさせたことにより,水の量を増やせばいいことや温めればいいといい う考えがスムーズに出てきた。 【ひろげる段階】(11/13~13/13) ① 水の量や温度を変え,溶かした物を取り出す活動 前時の実験で使ったホウ酸の水溶液をろ過し,ろ液にホウ酸が含まれていないかどうかを調べる 実験を行った。子どもたちはこれまでろ過の経験がないので,まず,ろ過の方法を教え,ノートに 図を使って書き,確認した。そのとき実験方法を簡単な図で表して板書したことにより,ホウ酸の 水溶液の「ろ過,蒸発乾固,冷却」といった実験方法を常に確認しながらスムーズに実験を進めて いた。また,ここではガスコンロを使うので,安全メガネの使用や服装,椅子を入れて立って実験 することなど,安全面には十分配慮した。 14 成果と課題 ○ 言語活動を,個人,小集団,全体で位置付けることにより,子どもたちは小集団の交流活動で 自分の考えに自信を持ったり,全体での交流活動で考えを共有化したりすることができていた。 そのため,ものが水に溶けるきまりについての理解が深まった。また,個人の言語活動で,考察 を赤鉛筆で書くことは,話し合いの視点が明確になり,言語活動の活性化につながった。 ○ 単元全体を通して,子どもたちが自分たちで実験方法を考えたり,実験用具をそろえたり,主 体的に活動できるように授業を進めた。実験方法については教師の助言がいる場合もあったが, すべての実験において,他の児童と協力しながら実験用具を自分たちでそろえることができてい た。また,2人で1実験を基本に実験を行うことにより,お互いで役割分担をし,実感を伴った 理解が得られていた。 ● 実験によっては時間がかかるため,方法を板書で示すことや,前時の段階で実験道具を確認し ておく必要がある。そのことで,考察や交流活動の時間もより確保でき,児童の理解も深まると 考えられる。 - 10 - 授業資料① 5 年「流れる水のはたらき」 ☆ ○ 簡易人工流水実験機を使っての、3 作用の確認 児童の引き出しを使う。 ○ 引き出しの奥に穴を5つ 開ける。 ○ 高低差をつける。 ○ 土は、運動場の土は、侵食は見えやすかったが、うまく水が流れなかった。花壇の土 を混ぜたほうが水はよく流れるが、侵食の作用がよく見えない。そこで、土を混ぜ合わ せて実験を行う。 実験手順 ① 引き出しに土を敷き詰め,軽く押し固める。 ② 下流部はすこしあけておくと堆積する様子が分かる。 ③ 流れの溝は,まっすぐすぎないように曲げる。溝の断面はV字になるようにし,岸 を軽く固める。 ④ 岸につまようじをたてる。 ⑤ 装置を少し斜めにセットし,端から少しずつ水を流す。 ⑥ 曲がっている部分の川幅が広がったらおがくずを流して,外側と内側の流れの速さ を調べる。 ⑦ つまようじが何本か倒れるようになったら水を止める。 ⑧ 水が引いたところで,流れの様子を観察して,記録する。 ※ 土の混ぜあわせの配合→花壇の土(腐葉土)運動場の土(真砂土)1:1の割合 ※ 流水実験器や引き出しでモデル実験する場合は,水の量が多すぎると全面に水が流れ て実験できなくなる。水の量を調節して実験するために貯水タンク集水弁をつくる。 ☆ スポンジを使っての上流と下流の石の削られ方の違いの実験 スポンジ5個 0 回数 100 300 石5個 500 500 大きさ 形 気付き 上 流 中 流 下 流 ○ スポンジを 1.5cm の四角に切って、100 回、200 回、300 回~500 回までふって それぞれのスポンジの形の変化を調べる。 実験手順 ① 川原の石がなぜ丸くなるのか考える。 ② 川原の石を吸水スポンジに見立てて実験することを確認する。 ③ 吸水スポンジを広口ビンに5個ずつ用意する。 ④ 水を8分目まで入れて振る。 ⑤ 振る回数を変えてできた形を比べてみる。(0 回 100 回 300 回 500 回) ⑥ 広口ビンの底に沈んでいるのが、自然界では何にあたるか考えるようにする。 授業資料② 5 年「電磁石の性質」 ☆ くるくるモーターの作り方 準備するもの ○乾電池 ○はさみ ○クリップ(2個) ○乾電池ボックス ○磁石 ○紙やすり ○エナメル線 作り方 1.からまらないようにエナメル線をまっすぐにのばす。 2.5cmくらいを残して乾電池に10回くらい巻きつける。 3.巻きつけたエナメル線を乾電池からそっとはずす。 4.エナメル線のはしをそれぞれの輪の中に2回通す。 5.エナメル線のはしの一方のと料を全部けずり落とし,もう一方は半分だ けけずり落とす。 6.クリップをのばす。 7.乾電池にビニルテープを巻きつけ,クリップをさす。 8.磁石を乾電池にのせる。コイルをクリップの間に入れてはしを軽くたた く。 エナメル線が電池に ぶつかる時は,クリッ プの形を下図のよう に調節するといいで す。 ここにエナメル線を通すと安定していいです。 授業資料③ 6 年「月と太陽」 ☆ 使用する教材について 「月と太陽」の学習では,実感を伴った理解のために,光源を太陽に,ボールを月に見 立てて実験をしました。実験の場所として,教室や理科室,体育館での学習が考えられま す。その際に身近にある素材・道具を使って,授業を展開することは可能です。以下,教 材を紹介します。 1.光源装置として 絞り機能付き LED 懐中電灯 絞り機能がついているので,遠 くまで照射することができま すが,広がりがないので体育館 にはむきません。理科室向け。 インターネットで強力ライト と検索すればでてきます。価格 は 1000~3000 円程度。 LED,ハロゲン,キセノン懐中電灯 絞り機能がないので,遠くまで 照射はできませんが,理科室で の実験にはこのタイプで十分 です。LED は白系,ハロゲン・キセ ノン系はオレンジ系の色です。ホ ームセンターで購入できます。 2000~4000 円程度。 ハロゲン投光器 工事用に使われるような強力 ライトです。体育館で実験する とき向き。強力ですが,その分 拡散するので覆いをするなど 対策が必要です。使用後はかな り高温になるので安全面で注 意が必要です。電力も要。 2.月に見立てる際に 本時や教科書(大日本図書)では,ボールを月に見立てています。ここでは,手軽に,そして全員がで きる道具を紹介します。 (1)材料 発泡スチロール球・・・ (10 ヶ 300 円ぐらい)手芸品店で購入できます。 竹串・・・安全のため,とがった先のほうは折っておきましょう。 (2)作り方 発泡スチロール球の中心に竹串をさして完成。 発泡スチロール球には蛍光ペンで色づけしています。 (3)使い方 光源装置から一定の距離を保ち,自分を地球に見立てて,回ります。 そのとき,発泡スチロールがどのような形に見えるか実験をします。 ▲三日月 ▲満月 ▲レモン型 授業資料④ 6 年「土地のつくりと変化」 ☆ 桜島の火山灰 「土地の変化(火山)」で、児童の関心・意欲を引き出す教材資料として活用できます。 ○ 火山灰の実物の感触・(多孔質に因る)軽量感・吸湿・速乾性等の各種性質,及び顕 微鏡での拡大観察等に活用。 - 〈福岡管区気象台〉よりの情報 - 《℡》092-725-3606 ・ 気象台の職員等が、鹿児島に観測施設のメンテ ナンス及び、データ収集に赴いた折に、降り積もった 火山灰を清掃処理する過程で、バケツ『1杯程度』を 持ち帰ることは可能だそうです。(但し、自然降積分 に依るので『時期・量は要望通りにはいかない』こと も想定しておいてください。あくまでも,気象台職員 方の職務内でのご厚意によるものです。) 授業資料① 5 年「流れる水のはたらき」 ☆ ○ 簡易人工流水実験機を使っての、3 作用の確認 児童の引き出しを使う。 ○ 引き出しの奥に穴を5つ 開ける。 ○ 高低差をつける。 ○ 土は、運動場の土は、侵食は見えやすかったが、うまく水が流れなかった。花壇の土 を混ぜたほうが水はよく流れるが、侵食の作用がよく見えない。そこで、土を混ぜ合わ せて実験を行う。 実験手順 ① 引き出しに土を敷き詰め,軽く押し固める。 ② 下流部はすこしあけておくと堆積する様子が分かる。 ③ 流れの溝は,まっすぐすぎないように曲げる。溝の断面はV字になるようにし,岸 を軽く固める。 ④ 岸につまようじをたてる。 ⑤ 装置を少し斜めにセットし,端から少しずつ水を流す。 ⑥ 曲がっている部分の川幅が広がったらおがくずを流して,外側と内側の流れの速さ を調べる。 ⑦ つまようじが何本か倒れるようになったら水を止める。 ⑧ 水が引いたところで,流れの様子を観察して,記録する。 ※ 土の混ぜあわせの配合→花壇の土(腐葉土)運動場の土(真砂土)1:1の割合 ※ 流水実験器や引き出しでモデル実験する場合は,水の量が多すぎると全面に水が流れ て実験できなくなる。水の量を調節して実験するために貯水タンク集水弁をつくる。 ☆ スポンジを使っての上流と下流の石の削られ方の違いの実験 スポンジ5個 0 回数 100 300 石5個 500 500 大きさ 形 気付き 上 流 中 流 下 流 ○ スポンジを 1.5cm の四角に切って、100 回、200 回、300 回~500 回までふって それぞれのスポンジの形の変化を調べる。 実験手順 ① 川原の石がなぜ丸くなるのか考える。 ② 川原の石を吸水スポンジに見立てて実験することを確認する。 ③ 吸水スポンジを広口ビンに5個ずつ用意する。 ④ 水を8分目まで入れて振る。 ⑤ 振る回数を変えてできた形を比べてみる。(0 回 100 回 300 回 500 回) ⑥ 広口ビンの底に沈んでいるのが、自然界では何にあたるか考えるようにする。 授業資料② 5 年「電磁石の性質」 ☆ くるくるモーターの作り方 準備するもの ○乾電池 ○はさみ ○クリップ(2個) ○乾電池ボックス ○磁石 ○紙やすり ○エナメル線 作り方 1.からまらないようにエナメル線をまっすぐにのばす。 2.5cmくらいを残して乾電池に10回くらい巻きつける。 3.巻きつけたエナメル線を乾電池からそっとはずす。 4.エナメル線のはしをそれぞれの輪の中に2回通す。 5.エナメル線のはしの一方のと料を全部けずり落とし,もう一方は半分だ けけずり落とす。 6.クリップをのばす。 7.乾電池にビニルテープを巻きつけ,クリップをさす。 8.磁石を乾電池にのせる。コイルをクリップの間に入れてはしを軽くたた く。 エナメル線が電池に ぶつかる時は,クリッ プの形を下図のよう に調節するといいで す。 ここにエナメル線を通すと安定していいです。 授業資料③ 6 年「月と太陽」 ☆ 使用する教材について 「月と太陽」の学習では,実感を伴った理解のために,光源を太陽に,ボールを月に見 立てて実験をしました。実験の場所として,教室や理科室,体育館での学習が考えられま す。その際に身近にある素材・道具を使って,授業を展開することは可能です。以下,教 材を紹介します。 1.光源装置として 絞り機能付き LED 懐中電灯 絞り機能がついているので,遠 くまで照射することができま すが,広がりがないので体育館 にはむきません。理科室向け。 インターネットで強力ライト と検索すればでてきます。価格 は 1000~3000 円程度。 LED,ハロゲン,キセノン懐中電灯 絞り機能がないので,遠くまで 照射はできませんが,理科室で の実験にはこのタイプで十分 です。LED は白系,ハロゲン・キセ ノン系はオレンジ系の色です。ホ ームセンターで購入できます。 2000~4000 円程度。 ハロゲン投光器 工事用に使われるような強力 ライトです。体育館で実験する とき向き。強力ですが,その分 拡散するので覆いをするなど 対策が必要です。使用後はかな り高温になるので安全面で注 意が必要です。電力も要。 2.月に見立てる際に 本時や教科書(大日本図書)では,ボールを月に見立てています。ここでは,手軽に,そして全員がで きる道具を紹介します。 (1)材料 発泡スチロール球・・・ (10 ヶ 300 円ぐらい)手芸品店で購入できます。 竹串・・・安全のため,とがった先のほうは折っておきましょう。 (2)作り方 発泡スチロール球の中心に竹串をさして完成。 発泡スチロール球には蛍光ペンで色づけしています。 (3)使い方 光源装置から一定の距離を保ち,自分を地球に見立てて,回ります。 そのとき,発泡スチロールがどのような形に見えるか実験をします。 ▲三日月 ▲満月 ▲レモン型 授業資料④ 6 年「土地のつくりと変化」 ☆ 桜島の火山灰 「土地の変化(火山)」で、児童の関心・意欲を引き出す教材資料として活用できます。 ○ 火山灰の実物の感触・(多孔質に因る)軽量感・吸湿・速乾性等の各種性質,及び顕 微鏡での拡大観察等に活用。 - 〈福岡管区気象台〉よりの情報 - 《℡》092-725-3606 ・ 気象台の職員等が、鹿児島に観測施設のメンテ ナンス及び、データ収集に赴いた折に、降り積もった 火山灰を清掃処理する過程で、バケツ『1杯程度』を 持ち帰ることは可能だそうです。(但し、自然降積分 に依るので『時期・量は要望通りにはいかない』こと も想定しておいてください。あくまでも,気象台職員 方の職務内でのご厚意によるものです。)