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3.新興国市場開拓の窓口となる成長拠点開発プロジェクト ① 企業ヒアリング等で示された意見 ○ 新興国は① 面積・人口が大きい、② 市場情報が不足等の 理由により、「どの地域・都市から輸出市場開拓・現地進出を 行っていくか」の判断が容易ではない場合が多い。 ○ 中間層が集まる都市圏において、我が国と相手国政府とが、 共同で推進できる成長拠点開発プロジェクトを設定できれば、 我が国企業の輸出市場開拓・現地進出の突破口作り、ビジネス 環境改善のために効果的。 ※ 今回、海外のジェトロ事務所等を通じて、各国で検討されているプロジェクトを調査。 (参考)拠点開発プロジェクトの戦略的活用のイメージ ○我が国企業のニーズを踏まえた戦略的インフラ整備 ○クールジャパン等を含めた我が国からの輸出市場開拓の窓口 ○工業団地等による我が国企業の集積拠点 ○中央政府・地方政府を巻き込んだビジネス環境改善 20 ASEAN、南アジア地域の成長拠点開発プロジェクトの例 【カラチ】 (パキスタン) ・繊維産業専門の工業団地 ・ジェトロが構想案を提供 【ダッカ・チッタゴン大都市圏】 (バングラデシュ) ・幹線鉄道改修 ・ヤンゴン環状鉄道 【ティラワ】 (ミャンマー) ・経済特区 ・幹線鉄道改修、ヤンゴン環状 鉄道建設 【ダウェイ】 (ミャンマー) ・経済特区 ・工業団地、港湾、火力発電所、 アクセス道路 【北部ハノイ首都圏】 (ベトナム(ハイフォン)) ・バリアブンタウ工業団地 ・ラックフェン港プロジェクト、ハ ノイ-ハイフォン間高速道路 【プノンペン首都圏】 (カンボジア) ・シアヌークビル経済特区・港 湾の開発 【南部ホーチミン都市圏】 (ベトナム) ・ホーチミン都市鉄道1号線 ・ロンタイン国際空港建設 等 【デリー・ムンバイ地区】 (インド) ・デリーとムンバイの間に、貨 物専用鉄道を敷設。 周辺 に、工業団地、物流基地、発 電所、道路、港湾、住居、商業 施設などのインフラを民間投 資主体で整備。 ・日印共同の地域開発構想。 【ジャカルタ首都圏】 (インドネシア) ・MPA(首都圏投資促進特別地 域) ・経済回廊構想の一部分 【チェンナイ・バンガロール 地区】 (インド(タミル・ナドゥ州)) ・南部中核拠点開発 ・チェンナイ-バンガロー ル間道路・鉄道 【スラバヤ都市圏】 (インドネシア) ・インドネシア第二の都市 ・空港、港湾、水処理などインフ ラプロジェクト 21 中東・北アフリカ地域の成長拠点開発プロジェクトの例 【トルコ】(イスタンブール、アンカラ) ・インフラ需要に加え、中間層・富裕層の拡大により市 場としても魅力。 ・ロシア、欧州、MENA、中央アジアコーカサス各国に 囲まれ、地政学的にも重要拠点。 チュニス タンジェ ● イスタンブール ● ● アンカラ ● ● エルビル ● トリポリ ● カイロ ● バグダッド ● バスラ ダンマン ● ● ドーハ ● リヤド 【北アフリカ】 ●エジプト(カイロ) ・中東・北アフリカ最大の人口。石油・ガス開発、地 下鉄、発電所入札等、多数の日本企業が関与。 ●モロッコ(タンジェ) ・太陽光IPP事業はじめ新エネ・インフラ案件等で日 本企業の関心高。 ・大西洋に面するタンジェ港は、港湾開発が進み、 欧州及びアフリカ市場への物流・輸出拠点として 地理的優位性。 ●リビア(トリポリ) ・カダフィ政権崩壊後、エネルギー開発を中心に新 たなインフラ復興需要。 ● アブダビ/ドバイ 【湾岸】 ・石油・天然ガス開発に加え、新中間層の成長 によるインフラ・新規市場の需要が拡大。 ●サウジアラビア(リヤド/ダンマン) ・ダンマン工業団地、ジュベール工業団地ほ か、インフラ開発(水分野、新エネ等)事業が 進行。官民の産業協力タスクフォースで支援。 ●イラク(エルビル/バグダッド/バスラ) ・油田権益獲得、復興インフラ(製油所、発電、 病院等)開発が進行。 ●カタール(ドーハ) ・インフラ開発(2022年のワールドカップ需要に 向けた、鉄道、水、発電所等の開発を推進) ●UAE(アブダビ/ドバイ) ・アブダビ・エコノミックビジョン2030に基づく石 油・ガス事業、再エネ分野やインフラ 開発。 ・ドバイは中東の物流・金融ハブとして多数の 日本企業が進出。 22 中南米地域の成長拠点開発プロジェクトの例 【ブラジル北東部】 ●ブラジル(サルバドール、レシフェ、フォルタレーザ等) ・北東部の人口規模は5,300万人、GDP/人は約4,400 ドルで、今後も市場は拡大傾向。ブラジルの伯都市開 発計画(PAC2)でも、北東部は有力な都市開発地域。 ボゴタ首都圏 ● フォルタレーザ ● ● レシフェ ● サルバドール 【ボゴタ首都圏】 ●コロンビア ・政情安定(治安改善)による堅調な経済発 展 ・中間層の拡大等により、消費市場の拡大 可能性が高い ・今後は、太平洋側ルートのインフラ整備 (ボゴタ-ブエナベントゥーラ港の幹線 整備等)による輸送力増強がカギ。 23 (参考)中国における成長地域開発構想 <二横三縦> 【東北部】 『第12次五カ年計画』(2011~2015年)で打ち出 された、中規模の都市群の形成とそれらを連結させ る都市化戦略構想 長春 ● 日本に距離が近く、日 本語人材や日本の技 術力等に関心の高い 消費者が多い市場。 ● 瀋陽 北京● ● ● 天津 大連 ●青島 首都を含み、日本から の海運の便もよい東部 の中心地域。 ● 西安 【内陸部】 急成長する内陸市場の獲得とそのた めの生産拠点として重要。 【環渤海】 ● 成都 ● 重慶 ● ● 上海 武漢 【沿岸部】 富裕層・中間層が多く、サービスや高 級材のニーズが高い市場。内陸向け 流通の起点としても発展。 ● 広州 24 (参考)サブサハラ地域のインフラ開発プロジェクト等の動き 【西アフリカ】 域内人口約3億人、GDP約3,000億ドル 人口増加率約2.4%、 GDP成長率5.8% ●モーリタニア ●ナイジェリア ・インフラ開発(電力、再生エネ)の他、 ・石油開発 我が国への食料供給(水産物)で関係拡大 ・アフリカ最大の人口(1.5億人)、インフ ●ガーナ、コートジボアール、セネガル等 ラ需要(電力、肥料プラント等)も旺盛 ・石油開発(ガーナ・ジュビリー油田等)、イン フラ開発(肥料・メタノール等)、輸出市場と しても注目 ● ヌアクショット ● ダカール アビジャン アクラ ● ● ● アブジャ ● アディスアベバ ● ラゴス 【南部アフリカ】 ● ● キンシャサ ナイロビ ダルエスサラーム ● ● ルアンダ 【東アフリカ】 As 域内人口約2.2億人、GDP約5,400億ドル 人口増加率約2.0%、 GDP成長率6.0% ●南アフリカ共和国 ・サブサハラのGDPの1/3を占める経済大国。 中間所得層の成長による市場拡大 ・インフラ開発需要が旺盛(鉄道、発電所(火 力、ガス、風力、原子力、水等) ・鉱物資源大国(プラチナ等:世界の8割等) ●モザンビーク ・原料炭採掘・天然ガス開発等で我が国企業 が参画。資源開発に伴うインフラ開発需要 (電力、鉄道、肥料プラント等)も旺盛。 ●コンゴ民主共和国 ・鉱物資源開発(レアメタル) ●アンゴラ ・石油開発に伴うインフラ開発需要(肥料、繊 維、セメント等) ●ボツワナ共和国 ・鉱物資源開発(JOGMECリモートセンシン グセンターを設置) マプート ハボロネ ● ● ヨハネスブルク ● 域内人口約2.2億人、GDP約1,100億ドル 人口増加率約2.8%、 GDP成長率6.5% ●エチオピア ・5カ年計画に基づき、インフラ(電力、水、 鉄道)開発推進 ●ケニア ・「ビジョン2030」に基づく、LAPSEET回廊 (ケニア-南スーダン-エチオピア交通) 開発プロジェクトの推進 ・石油パイプライン開発 ●タンザニア ・鉱物資源・天然ガス開発 ・インフラ開発需要(電力、肥料プラント等) 25