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平成23年度 - 北海道教育委員会

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平成23年度 - 北海道教育委員会
平 成 23年 度
北 海 道 ・ ア ル バー タ 州
高校生交換留学促進事業報告書
Hokkaido/Alberta
Student
Exchange
Program
2011-2012
北海道教育庁生涯学習推進局生涯学習課
はじめに
昭和 55 年から続く北海道とアルバータ州の姉妹提携を礎として、平成 6 年度から実施されて
きた本事業は、今年度で 18 回目を迎えることとなりました。東日本大震災及び福島第一原子力発
電所の事故による影響が懸念される中での実施ではありましたが、アルバータ州の皆様の御理解
と生徒の意欲、ホストファミリーと受入校の多大なる御配慮により、今回も意義のある交流を行
うことが出来たことに心から感謝を申し上げます。
さて、世界経済のグローバル化が加速度的に高まってきている今日ですが、経済界をはじめと
した各方面からは国際的な舞台で活躍できる人材、いわゆる「グローバル人材」の育成を求める
声が日増しに高まっています。
グローバル人材の定義は様々ですが、国が実施する「グローバル人材育成推進会議」の中間ま
とめによると、①語学力・コミュニケーション能力、②主体性・積極性、協調性・柔軟性、責任
感・使命感、③異文化に対する理解と日本人としてのアイデンティティー、などの能力や資質を
併せ持つ人物とされています。このような人材の育成には、比較的若いうちに留学を経験し、更
なる研鑽を積むことが有効と述べられています。
今年度参加した 6 名の留学生達は、それまで知り合う術も無かった異国の若者と約 4 ヶ月に渡
って寝食を共にし、現地の高校生やホストファミリー等と広く交流しながら、様々な経験を重ね
てきました。本報告書からは、食事や時間の感覚、価値観、学校のシステム、社会の成り立ち、
自然など、参加者一人一人が様々な「違い」に出会い、驚きや気付き、葛藤を重ねながら成長し
ていく様子が伺えます。このような経験は、単に英語力を鍛えるだけではなく、心の成長に深く
関わっていることは言うまでもありません。つまりは、グローバル人材に向かう第一歩を踏み出
したことを意味するものと思われます。是非、今後も更なる経験を積極的に積み重ね、将来は国
際的な舞台で北海道や日本をリードする存在へと成長して欲しいと強く願います。
最後になりますが、異なる習慣を持つ多感な時期の青少年を温かく迎え、時には実の子供のよ
うに正面からぶつかって、様々な経験を与えてくださったホストファミリーの皆様、業務多忙な
中で出来る限りの配慮をしていただいた高等学校の先生方に改めて感謝申し上げますと共に、今
後も本事業が本道とアルバータ州との友好親善に寄与し、社会が望む人材育成の一端を担ってい
くことを祈念いたします。
平成 24 年 3 月
北海道教育庁生涯学習推進局
生涯学習課長
立
野
賢
次
■留学生一覧 学 校 名
北海道滝川高等学校
学校所在地
学年
性別
滝川市
1
女
1
女
滝川市
1
女
カルガリー市
2
女
札幌市
2
女
エドモントン市
1
女
室蘭市
1
男
2
男
備 考
1
セント・トーマス・アクワイナス・カトリック高 スプルース・グローブ市
北海道滝川高等学校
2
ボーネス高等学校
北海道札幌国際情報高等学校 3
ハリー・エインレイ高等学校
北海道室蘭清水ヶ丘高等学校
4
スプルース・グローブ総合高等学校 スプルース・グローブ市
北海道函館中部高等学校
函館市
1
女
WP ワーグナー高等学校
エドモントン市
1
女
旭川市
2
女
エドモントン市
1
女
5
北海道旭川北高等学校
6
ハリー・エインレイ高等学校
■事業実施日程
実 施 内 容
事前研修会
アルバータ州留学生来道
月 日
備 考
平成23年7月22日(金)
8月20日(土)
※ 1名21日(日)に到着
引率:ハリーエインレイ高校
ダニエル・伊藤教諭
アルバータ州引率教員による受入学校訪問 8月22日(月)∼26日(金)
アルバータ州留学生離道
本道留学生出発
本道引率教員による受入学校訪問
本道留学生帰国
10月20日(土)
※1名19日(金)に帰国
引率:アルバータ教員協会
グレンダ・プロベルジー氏
11月5日(土)
引率: 北海道岩見沢東高等学校
教諭 佐藤 光洋
11月7日∼12日(日)
平成24年1月8日(日) 引率: 生涯学習課
主任 佐伯 圭介
1 生徒編
ありがとうカナダ
北海道滝川高等学校
1年
(St.Thomas Aquinas Catholic High School へ)
私はこのプログラムを通して英会話だけでなく、沢山の事を学びました。このプログラムに参加す
る前は、英語は好きだったのですがネイティブスピーカーに通じるかどうか心配でした。しかし、メー
ガンはとてもやさしくユーモア溢れる女の子だったので、私も気負いすることなく生活することがで
きました。
メーガンがいた2ヶ月は毎週どこかに出かけました。海に行ったときにはもう一人の留学生のローレ
ンも一緒に行きました。二人はあまり海に行ったことがなく、海を見てとても感動していて、魚介類は
苦手といっていたのですが、海に行き市場を見て回っていると「食べてみたい!!」と興味津々でえび
などを食べていましたが、タコを食べたときには顔をしかめていました。その後も、友達と三人で浴衣
を着てお祭りに行き出店を見て回ったりしました。カナダにはそういったお祭りごとが少ないらしくと
ても楽しんでいる様子でした。なかでも、金平糖がお気に入りでした。
メーガンはカナダで日本語のクラスを取っていることもあり、日本にとても興味があり、何事にも挑
戦してくれました。日々の生活でも色々な食べ物に挑戦しお気に入りの日本の食べ物を沢山発見して
いました。
学校では授業・部活動にも一緒に参加して、友達も沢山作っていました。学校での最初の2週間くら
いは休み時間はいつでも一緒にいて、私・メーガン・友達というように過ごしていましたが、時間が経
つにつれて自分で友達のところに行き楽しくお喋りしていました。授業では体育と英語の時間が楽し
かったらしく、体育では柔道がお気に入りでした。
投げ技などを練習していたので怖がってやってくれないかも?と心配していたのですが、そんな
ことは全く無く、自分から進んで投げ合う程でした。英語の授業では、クラスの友達のプリントを手伝っ
たり発音・読み方を教えたりしていました。
部活動では、少林寺拳法部と剣道部に参加していました。2ヶ月間ふたつの部活に参加し、一緒に技
の練習をしたり剣道部では実際に竹刀を持たせてもらい一緒に稽古もしていました。少林寺拳法と剣
道は日本で出来た武道なんだよ。と教えると、一つ一つの作法など(挨拶・礼の仕方・気合・道着など)、
興味をもっていました。
メーガンが日本を離れるときには、悲しかったですがしばらくすればまた会える事が分かっていた
ので、『またね』といいました。ちなみに、メーガンのお気に入りの日本語は『またね』と『かっこいい』で
す。
そして私がカナダに行ったときには、メーガンの家族・友達がとても優しくしてくれて楽しく2ヶ月過
ごすことが出来ました。私がメーガンの家に行った時には新居を新築中でしたが、その間はメーガン
の両親の親友のお宅に1ヶ月ほどお邪魔していました。その間に本場のロデオ・ホッケーなどを見に行
き、貴重な体験をしてきました。
学校では初日は緊張しましたが、みんなが積極的に話し掛けてくれたこともあり、沢山の友達を作
ることが出来ました。クリスマスにはダンスパーティーがあり、友達とお化粧をどうしよう?ドレスは?
靴は?などと準備から楽しく、もちろん当日もダンスはうまく出来なかったけど一番の思い出になり
ました。
帰国の日には泣かないと決めていたんですが、ハグをしてお礼を言っているうちに涙が出てきて、
家族全員で大号泣してしまいました。ホストマザーには、『ここは貴方の家だからいつでも来ていいわ
よ。』と言われとても嬉しかったです。メーガンとは夏に日本に遊びに来るという約束をして分かれま
した。
最後にここまで支えてくださった皆さん、本当にありがとうございました。
皆さんのおかげで沢山の貴重な体験が出来ました。本当にありがとうございました。
私を変えてくれた4ヶ月間
北海道滝川高等学校
(Bowness
1年
High School へ)
この4ヶ月間は私を変えてくれた期間でした。ホストシスターの Lauren が日本にやってきた 8 月
から、私がカナダから帰国した1月までの間、本当にたくさんの経験をさせていただけたと思いま
す。また多くの経験を積むだけでなく、Lauren を始め多くの人の考え方や意見を知ることができ、
人間的にも成長できたと思います。
Lauren が日本に滞在していた 2 ヶ月間で私達は観光をしたり、二人でショッピングに行ったりたく
さんの時間を共有してきました。もちろん英語を使って話すということで、英語力は以前より向上し
て、私がカナダに滞在していた期間の助けにもなりました。また私自身も今までに訪ねたことのな
い場所へ行ったり、知らなかった日本の文化や歴史を知ることができ改めて勉強になりました。と
りわけたくさんの経験、時間を通じてお互いの絆を深められたことが一番良かったと思います。
日本で Lauren とともに過ごした夏が過ぎ、11月5日、いよいよカナダへ出発しました。
実を言うと、出発前までは、「英語で生活できるかな、日本が恋しくなったりしないかな。」などい
くつかの心配事はありましたが、いざ生活してみるとホストファミリーはみんな良い人だし、周りの
友達も気が合い素敵な人がたくさんいて、そんな心配なんて飛んでいきました。日本を恋しがる暇
もないほどでした。
カナダでの2ヶ月間で私が一番興味を持ったことは、マルチカルチャーについてです。カナダは
移民の国であり、多数の中国人、韓国人、アジア系の生徒や人々がたくさん住んでいました。学校も
そうですし、少し足を伸ばしてショッピングモールに行ってみれば多種多様の人種、言語、服装など
がみられました。日本で生まれ日本独自文化の中で生まれ育ってきた私には全ての事が新鮮で刺
激的でした。カナダに留学できたことを本当に嬉しく思います。学校では ESL のクラスのおかげも
あって中国、香港、台湾、韓国、フィリピン、ベトナム、ナイジェリア、イラク、ベネズエラ、ロシア、ドイツ、
ブラジル出身の人たち、またたくさんのカナダ人と友達になることができました。それぞれの学校
生活についてや、それぞれの国の生活、どんなことが流行っているかなどを聞き、本当にたくさん
の事を知ることができて毎日が楽しくキラキラしていました。私はこの国の文化がどのようにして
成り立っているのか不思議に思っていましたが、少し私なりに理解できたと思います。
一つは移民の受け入れが日本よりも多く、移民が住みやすい環境であることです。例えば先ほ
ども 言ったよう に全ての 学校ではない ですが 、移 民が多い地域の学 校には英語を second
language として学ぶ生徒向けの ESL という授業があります。私も受けていたのですが、基本的な
文法や、会話表現、カナダの福祉制度から会話の授業、文章の書き方まで、幅広くカナダに住んで
ゆくために必要な知識がそこで得られます。またレベルに合わせていくつかのクラスがあるので
焦らず学んでいけますし、ESL のクラス内で友達もできるので学校生活を楽しく過ごすことができ
ると思います。私もこの授業のおかげで友達もでき、たくさんの英語の知識をつける事ができまし
た。自分のペースで焦らず学べ、なおかつ楽しい、そんな ESL の授業は素晴らしいと思います。毎日
ESL の授業を楽しみに学校へ行っていました(宿題は多かったですけど・・・)。また、アジア料理用の
スーパーマーケットがあったり、正月には中国人向けに春節の飾りなどが売られていたり、無理にカ
ナダの生活に合わせるのでなく、自分の今までの習慣や生活を続けていきやすいと感じました。
それがたくさんの移民がカナダに集まってくる理由の一つだなと思いました。
もう一つは、カナダの人々の移民や留学生への対応がとても親切だということです。私は本当
にたくさんの素晴らしい友達に恵まれたと思います。私ははじめ「結構ほっておかれてしまうのか
なー」などと思っていましたが、そんなこともなく、初めての授業も笑顔で手を振って迎えてくれ
ましたし、わからない事があったら、きちんと自分で誰かに尋ねれば本当に親切に説明してくれま
した。みんな留学生には簡単に分かりやすい英語使ってくれたりもし、私はこれらの優しさ、親切心
にすごく感動しました。周りの支えがなければこのような素晴らしい2ヶ月は過ごせなかったと思
いますし、本当に感謝しています。私は、カナダの人は(移民との交流が多いことから)異国の人た
ちとの付き合い方を知っている人が多く、思いやりの精神を強く持つ人が多いと感じました。
この二つが私の考えるマルチカルチャー文化が成り立っている理由です。
そして、私はこの4ヶ月間で自分の英語力を伸ばす事ができたと思います。この事業に参加する
前は、日本語を考えて、それを頭の中で訳して、文法などチェックして、それから話すというように
言葉になるまですごく時間がかかり会話にもならず本当に「カタコト英語」という感じでした。です
から最初は言葉の壁があり、なかなか自分の言いたいことが伝わらなかったりと多くの問題があり
疲れてしまったりもしましたが、Lauren と多くの時間を過ごしコミュニケーションをとっていく中で
すらすらと会話が出来るようになりました。現地で英語漬けの生活を送る中で、英語が日本語を理
解するように頭に入っていくようになったり、現地の英語表現が学べたりと自分にとってこれから
必要になる能力をつける事ができたと思います。なにより Lauren が日本でもカナダでも私の一番
の英語の先生でした。
この4ヶ月間は、良い意味で本当に私を変えてくれたと思います。たくさんの経験を通して世界
のことや他の国の人の考え方を知ることができましたし、自主性も養えた気がします。たくさんの
素晴らしい友人にも恵まれ、最高の思い出もできました。もちろん楽しいことだけではなく、言葉の
壁にぶつかったり心を痛めたこともありました。ですがそれらを乗り越えることで一回り大きくな
れ、成長することができたと思います。
私はこのような素晴らしい機会を与えてくれ、それを支え協力してきてくださったたくさんの
方々に本当に感謝しています。いつでも笑顔で私を受け入れてくれたカナダの友人、先生方、日本
での2ヶ月を支えてくれた私の周りの方々、ラーメンが恋しかった私に癒しを与えてくれたカナダ
のインスタントラーメン、この機会を私に提供してくれた教育委員会の皆様、いつも愛にあふれ和
やかで、私が失敗した時には暖かいハグをくれ励ましてくれた私のホストファミリーの Vogel Family、
文句一つ言わず私を支えてくれ、助けてくれた私の家族、そして時には厳しく教えてくれ、いつも
興味深い話やおもしろい話をしてくれた先生であり姉妹であり親友である最高のパートナーの
Lauren。こんな私を支えてくれて本当に感謝しています。周りの方々の助けがなければこのような
経験は出来なかったです。みなさん大好きです。ありがとうございました。
平成23年度北海道・アルバータ州高校生交換留学促進事業報告書
北海道札幌国際情報高等学校
2年
(Harry Ainlay High School へ)
海外の同じ歳頃の学生がどんな風に学校生活を過ごし、どんな話をしているのか知り、経験して
みたい、というのが私の中学生からの夢の一つでした。このプログラムに応募したのもどうしても
高校生のうちに留学してみたかったのと、内気な自分を少しでも変えたい!という思いからでした。
受かるとは思っていなかったので、学校から連絡が来る前にパートナーからメールが来たときは少
し焦りました。8月20日、初めてパートナーのジェシーと会いました。ジェシーはマメで気が利く子
でした。最初はお店や家の近くを案内してもつまらなさそうだったので少し不安でした。でも、話し
ているうちにだんだん打ち解けていくことが出来ました。ジェシーが来たのはちょうど夏休み明け
からだったので、ほとんどが学校での生活でした。最初のうち、クラスメイトは全然話しかけてきま
せんでしたが、体育大会や修学旅行などのイベントを通してクラスにも馴染んでいきました。私の
家は通学に時間がかかるし、学校ばかりであまり出かけることはできなかったけど、ジェシーは私
の家での生活をすごく楽しんでくれました。
私がカナダに行く時、ジェシーにもう一度会えることが楽しみで仕方ありませんでした。ジェシ
ーは私がカナダで快適に過ごせるように何から何まで面倒を見てくれました。最初の日は時差ぼ
け大丈夫?眠れなかったらパソコン使っていいよ、とすごく気をつかってくれました。友達を作るの
が苦手で、最初悩んでいた私をジェシーは何度も励ましてくれました。クラスは日本語クラスが一
番楽しかったです。日本に興味を持った子ばかりだったので、いろいろ質問してきたり、逆に私が聞
いたことにも丁寧に答えてくれました。韓国の子とはお互いの国の学校やお店について話しまし
た。日本語クラスの子達とは一番話ができ、仲良くなれた気がします。参加型の授業が多くて、まる
でゲームのようで楽しかったです。先生方も私の英語が上達できるような環境を作ってくれ、それ
を知ったときはすごく感動しました。先生方はとても優しくて私を気にかけてくれました。そんな素
敵な先生ばかりでした!なので、学校最後の日は本当に寂しかったです。
家では、最初、お母さんとどう接したら良いのかわかりませんでした。お母さんの言語は広東語
で英語はあまり話せませんでした。でも、私に話すときは簡単な英語を使ってくれました。ジェシー
の家はスキンシップが多くて頭を撫でたり、甘えたりといったことが普通でした。私の家は逆に会話
が多く、スキンシップは無いので“家”でもこんなに違うんだと驚きました。食事は嫌いなものはあり
ませんでした。ジェシーのお母さんの作った料理は美味しくて、私は外食するよりお母さんのご飯
が食べたい!と思うことも多かったです。私がラーメンを好きなことを知って、何度かラーメンを
食べに連れてってくれました。カナダの麺は日本のラーメンとは違い中国の麺を使っていたので、
私は好きになれませんでしたが、お母さんが日本のインスタントラーメンを作ってくれました。その
気持ちがすごく嬉しかったです。いろいろと暮らしやすいよう、お母さんとジェシーが助けてくれた
ので家でも楽しく過ごすことができました。ジェシーの双子の姉、アイビーはジェシーとは反対で
子供っぽい子でしたが、仲良くなることができました。アイビーはかっこいい人を見つけると日本
語で「イケメン!!」と嬉しそうに指をさしていました。ダンスパーティーに行った時はジェシーと
アイビーが息ぴったりで、みんな疲れて座っている中、大きな声で熱唱していました。私がカナダ
で一番緊張したのは買い物でした。表示の意味がわからなくて、買う時はジェシーに頼んでついて
きてもらっていました。分からない事は全部ジェシーに助けてもらっていました。
私は日本で留学生を受け入れ、行ったことで色々なことを知ることができました。ジェシーが日
本に来た日、私は時差ぼけなんて考えもしませんでした。ジェシーが買い物に一緒に行こうといっ
ても断ったこともありました。私はまだ英語がわかりますが、全く日本語が分からない中で、一人
で買い物をしようとしたジェシーはカナダでの私以上に不安だったはずです。カナダでは誰かが
私のためにしてくれた何気ないこと一つ一つに毎日感謝していました。“Thank You”では足りなく、
毎日同じ言葉を伝えることで言葉の重みが薄れていく気がしてもどかしい気持ちでした。私は自
分が留学してみて、やっと日本でのジェシーの気持ちと親への感謝を本当の意味でわかった気が
します。このような貴重で幸せな体験を高校生のうちにさせてくれた家族や学校の先生方、この
プログラムの関係者の皆様、私を家族の一員にしてくれたホストファミリーに心から感謝していま
す。ありがとうございました。
平成23年度北海道・アルバータ州高校生交換留学促進事業報告書
北海道室蘭清水ヶ丘高等学校 1 年
(Spruce Grove Composite High School へ)
Jacob と共に過ごした四か月間は僕にとって食文化や生活習慣の違いに驚くことも多く、将来大
人になっても、大げさかもしれませんが死ぬまで忘れられないような四か月間でした。
Jacob が最初に日本に到着したとき、Jacob と同じく僕もとても緊張や不安を感じていました。日
本の学校や生活をいつもと同じように過ごしているはずなのに、となりに言葉の通じない留学生
がいることで毎日が不安や心配の多い日々になりました。もちろん、不安や心配だけではありませ
んが。Jacob はとてもユーモアのあふれる人物だったので、言葉の通じない日本という国にいても
周りの友達や僕を楽しませてくれていました。僕が感じていた不安などを忘れるぐらい Jacob と楽
しい時間を過ごしていたと思います。
放課後は僕と友達と Jacob とで、買い物やご飯を食べに行ったり遊んだりしました。そうしてい
るときは、言葉の壁なんかないほどに楽しい思い出を作れたとおもいます。休日には、室蘭の測量
山や登別温泉や伊達時代村に僕の両親が連れて行ってくれました。Jacob は忍者や侍がとても大
好きなので登別の伊達時代村に行ったときはとても喜んでくれました。
Jacob はきっと日本での楽しい思い出を忘れられないと思います。二か月間、怪我も風邪もひく
こともなく無事に過ごせて僕も Jacob もよかったです。
僕がカナダに行ったときは初めとても不安でいっぱいでした。しかし、エドモントンの空港で待っ
ていてくれた Jacob と彼の家族の笑顔をみると不思議とその緊張はなくなっていました。この家
族と自分にとって未知の世界「カナダ」で二か月間過ごすという実感がその時初めて湧いてきま
した。
初めて学校へ行った日のことはとてもよく覚えています。僕が Jacob と廊下を歩くとき、みんな
にじろじろ見られるのかな?と思っていましたが、日本と違いカナダはさまざまな人種の人たちが
暮らしているのでそんなにじろじろ見られることはありませんでした。
最初はわけのわからぬまま色々な教室につれていかれました。しかし、日本語の教室に行ったと
きには先生が日本語で話しかけてくれたのでほっとしました。何か困ったことがあれば私に言って
くださいと日本語の先生がおっしゃってくれたのでとても安心しました。
学校の友達とは昼休みや放課後たくさん会話をしました。時々、日本語で「こんにちは。」と声を
かけてくれる友達もいて、日本に関心や興味がある人が多かったです。日本に興味がある人の多
くはアニメ好きでした。僕はアニメにはあまり興味がありませんでしたが、日本のものを好きでいる
人がたくさんいて日本人としてとてもうれしかったです。アニメのほかにも侍や寿司などが好きと
いう人もいてその話で盛り上がることがしばしばありました。
最後の日には、「We will miss you.」と書いたケーキをプレゼントしてくれました。一口しか食べる
ことができませんでしたが、涙がでてきそうになるぐらいうれしかったです。友達とのお別れの際
には握手やハグなどをたくさんしました。中には涙を浮かべている友達もいて本当にカナダに来
てよかったと思いました。
たくさんのカナダでの思い出の中で一番を選ぶとしたら、ホストファミリーと一緒にロッキー山脈
のバンフに泊まりに行ったことです。1 月の 3 日から 5 日までのおよそ三日間をバンフで過ごしまし
た。
最初の日、バンフのロッジについたときにベッドの数が足りないことがあきらかでした。僕は、もし
かしたら床で寝るのかもしれない、というのを覚悟しましたが、ホストマザーがソファでベッドを作っ
てくれました。しかし、いざ寝ようとしたときテレビを大音量でつけたままみんなが寝てしまったの
で夜中まで眠れませんでした。これも文化の違いなんだなぁ、と思いました。
二日目には、大きな雪山の上からタイヤのようなチューブ状のそりに乗り、すべるのを楽しみま
した。やはりカナダの人は大胆なアクティビティーが好きならしく、このそりが不安定なのにもかか
わらずさらに回転をかけていました。Jacob に「挑戦してみな!!」と言われたので挑戦してみました
が、ものすごく回転したのですべり終った後しばらくは動けませんでした。
二日の夜に最初の温泉へ行きました。僕の地元は温泉で有名で、僕自身温泉が好きなので、カナ
ダでも温泉に入れることになってわくわくしていました。日本とは違い、水着をきて温泉に入った
のですこし違和感がありましたが、景色もよく、ちょうどいい湯加減だったのでとても気持ちがよ
かったです。僕たちは英語で会話をしながら温泉に入っていましたが、隣の団体はフランス語をつ
かって話していたので、これはカナダならではの風景だなと思いました。
三日目にも洞窟のよう
な温泉に入ることができました。日本の温泉は体や頭などを洗いますが、カナダの温泉はただ体
を温めるだけという違いも見られました。
バンフの商店街のような通りでは、日本では買えないものがたくさんありました。びっくりしたの
が、レストランでカエル、カンガルー、ワニ、エスカルゴ、バッファロー、ヘビなどのさまざまな種類の
動物の肉が食べられることです。すべての肉に挑戦してみました。どの肉もとてもおいしかったの
でよかったです。特にカエルはとてもポピュラーな食肉だということもあり、あっさりとしていてま
た食べてみたいなと思いました。
このおよそ三日間のバンフ旅行はカナダ留学のなかでもとてもよい思い出となりました。また
カナダにいく機会があれば絶対に行きたい場所の一つです。
言葉・文化・感覚などがすべて異なった外国人と四か月間を共に過ごせたことはとても素晴らし
い経験だと思います。英語を学ぶのは日本にいてもできますが、やはり英語を公用語とする国独
特の言い方や表現などは実際にその国に行ってみないとなかなか学ぶことは難しいと思います。
この四か月の経験を今後の人生に生かしていきたいと思います。将来、五年後、十年後、もしかした
らそれより後になるかもしれませんが、またカナダの友達、ホストファミリーそして、Jacob と再会し
たいです。
最後に僕にこの交換留学プログラムという貴重な体験をさせてくれた、学校の先生、教育庁の
方、応援してくれた家族、僕を受け入れてくれた Spruce Grove Composite High School の先生方に
感謝しています。本当にありがとうございました。
平成23年度北海道・アルバータ州高校生交換留学促進事業報告書
北海道函館中部高等学校 1 年
(W.P.Wagner High School へ)
私はこの度、このアルバータ交換留学のプログラムに参加し、たくさんのことを得ることが出来
ました。
一番の目的であった英語力だけでなく、様々な人と接し、学び、生涯ずっと大切に持ち続けてい
られると思えるものをいくつも手に入れることが出来ました。
中学校に入った時から留学したいと何度も考えていた私は、この事業への参加が決まった時は
信じられない気持ちとそれをはるかに超える喜びでいっぱいでした。
この事業の参加前後は本当に大忙しでした。実を言うと、このパートナーを我が家に迎えるその
2 日前までイギリスにいたのです。夏休みの間に学校のイギリス研修があると知り、カナダ交換留学
に受かるとは毛ほども思っていなかった私は(期待は十二分にしていたのですが)「イギリス?!
行きたい!!!」とイギリス留学の企画に二つ言葉で参加を決めてしまっていました。
そのため 8 月初旬から 2 週間イギリスに行き、帰ってきた 2 日後にケイトリンを我が家に迎えると
いう超過密スケジュールが出来上がってしまったのです。今思うとパートナーのケイトリンも不安
だったり直前に聞きたいこともあっただろう私は…、と彼女にとってとてもふがいないパートナー
であったことを感じます。
私の家が函館であったため空港から 4 時間ほどかけてやっとのことケイトリンを家へ迎えること
が出来ました。家では特に問題はなく、ケイトリンはすんなりと日本の生活に慣れてくれたように感
じます。
学校が始まり、私はいつものとおり自転車で 30 分かけ学校へと通います。もちろんパートナーで
あるケイトリンも自転車で一緒です。おそらくこの登下校がケイトリンにとって一番つらかった経験
だったろうな∼と思っています。
学校では日本人のなんとも鎖国的な気質とケイトリンの外人さんにしては珍しいであろうおと
なしい気質が相まってかすんなりとクラスに溶け込むのは難しかったようでした。ですが、クラス内
で授業の間などいろいろな子と接しているうちに、積極的ではなかったものの楽しく過ごせてい
たのかなと感じました。
休みの日は函館が観光地であったこともあり、いろいろなところに行ってきました。ケイトリンは
将来歴史を調べたいと思うほど歴史が好きらしく、函館の歴史にとても興味を持ってくれていまし
た。また、こうやって観光する機会ができたおかげで、自分の住んでいる町は本当に素敵な町なん
だなと改めて感じることが出来ました。
そして 2 か月というときはあっという間に過ぎて、いよいよ私がカナダに行く番になりました。
英語は未熟だったものの、「行けば何とかなるだろう」といういつもの何とかなるさ精神のせいか
おかげか心配はあったものの緊張せずに日本を発ちました。
カナダに着いて一番驚いたのはその大きさです。日本だと高い建物やらなんやらで空など上を
見なくては見れないのに、こっちでは 360 度どこを見ても空が広がっていることに感動をしたの
を覚えています。広い道路に大きな空、広大な大地に自然。これこそカナダ…!と一人喜びに浸っ
ていたらホストさんの家にあっという間に着きました。
ケイトリンの家族はお父さん、お母さん、お姉ちゃん、お姉ちゃんの彼氏、ケイトリンに弟君の 6 人
家族でした。カナダでの生活にすぐ慣れることが出来たのは、家族のみんながとっても優しくて私
によくしてくれたからだなとしみじみと感じています。
日本とカナダでの生活の違いに驚きつつも、いよいよ学校が始まりました。カナダでの学校生
活はとても素晴らしいものでした。学校のとても広いことに驚いたのは当たり前として、授業がと
ても興味深いものばかりでした。特に感動したのは美術の授業です。まるで大学のようなシステム
の授業に感銘を受け、日本の授業なんてダメだ。ずっとこの授業を受けていたいと思うほどでした。
友人にも恵まれ、いろいろなことをたくさん話しました。
私の通っていた学校はほかにも日本からの留学生がいて、その子達は一年間のプログラムに参
加していたのですが、学校の決まりで日本人同士でも英語で会話をしていました。その流暢な英語
は最初日本人かカナダ人なのか迷うほどでした。こんな風になりたいな、と心の底から思ったのを
覚えています。
家ではあまりパートナーと話す機会はなかったのですが、ホストさんたちが本当に親切でいろい
ろなお話しをしました。また、何度も何度も親切に勉強なども手伝ってくれました。特にお姉ちゃん
は私が何かやっていると、なにしているの∼?という感じよく声をかけてくれて、それがとてもう
れしかったです。またクリスマスプレゼントを買うときも一緒になって考えてくれました。
クリスマスのプレゼント交換はすごく楽しかったです。日本ではふつうサンタさんからのプレゼン
ト一個だけだったので、自分のことを考えて手に入れてくれたというたくさんのプレゼントにすご
く感動しましたし、うれしかったです。
あと驚いたのは、すごくお泊りの頻度が高いことでした。お泊りはすごく楽しくて、いろんな話を
できました。いろいろ話したりして、将来のことについても話したりもしたのですが、大体みんなが
自分の将来にやりたいことをはっきりと持っていて、日本ではそういう子は少ないと思うので、す
ごいなあ、とただ単純に感心しました。
たくさんの素晴らしい友人や親切なホストファミリーに囲まれて、語学・文化を学ぶのにはとても
良い環境だったと思っています。日本語のクラスではたくさんの日本に興味のある学生たちに出会
えていろいろなことを考えさせられました。そして、先生といろいろなことを話し、前の漠然とした
目標は具体的な目標へと変わりました。
一生大切にしたい大好きな友人たちに、優しく本当の家族のように接してくれた家族のみんな、
学校で学んだこと、自分の将来への目標、たくさんの大切なものをこのプログラムを通して得るこ
とが出来ました。
ここで得たものを大切にして、これからも将来の自分の目標に向けて精一杯頑張っていきたい
と思います。
最後にこの事業にかかわりさまざまな支援をしてくださった両親、先生方、本当お世話になりま
した。皆様の協力のおかげでかけがいのないものをたくさん手に入れることが出来ました。
この度はおつかれさまでした。心より感謝を申し上げます。
平成23年度北海道・アルバータ州高校生交換留学促進事業報告書
北海道旭川北高等学校
2年
(Harry Ainlay High School へ)
このプログラムでたくさんのことを学びたくさんの人と関われたことに感謝しています。
私がこのプログラムで出会ったパートナーは Maria という名前で中国から8歳のときにカナダに
来た女の子でした。彼女とは最初にメールでコンタクトを取り、彼女が日本に来る時に何をもってき
たらいいかや制服などについての質問を受けたり少しやり取りをしました。彼女に初めて会った新
千歳空港では、彼女の到着が他の子たちよりも1日遅れるということだったので、私たち家族と佐
伯さん、伊藤先生で出迎えをしました。そこから私たちの生活が始まりました。
彼女の最初の登校日は丁度体育大会の日でした。彼女はクラス全員で参加するロープジャンプ
に一緒に参加したり、同じクラスの友達を応援したり楽しそうにしていました。彼女は帰りにいろん
なファーストフードなどを買って食べていたようで、お店に歯の矯正器具などを忘れてきたり、夜ご
飯を少ししか食べられなかったりなどはありましたが、とても自由に楽しんでいたようです。学校の
お弁当も普段の食事も家族と同じものをおいしいと言って食べてくれたし、苦労したことはなかっ
たです。
クラスでの様子は、最初はクラスの友達が話しかけられて日本語や英語での会話を楽しんでい
ましたが、そのうちイヤフォンで音楽を聴いてずっと携帯をいじっているようになりました。授業中
もだんだん居眠りが目立つようになり、携帯を触ってばっかりで、日本語ばかりで難しいのもわかり
ますが、友達も話しかけられず残念そうでした。
休日は他のプログラムで私の学校に来ていた留学生の女の子とよく遊びに行っていました。買
い物や温泉、富良野などに遠出したりとても仲良くしていました。楽しむのはいいことですが、帰っ
てくる時間が遅いことで母と何度もトラブルになりお互い嫌な思いもしました。
私は部活があるのであまり一緒に出かける機会はなかったのですが、彼女が来てすぐテストが
あったのであまりコミュニケーションが取れないまま彼女が部屋の戸を閉め切り、ご飯などの時し
か出てこないことが日常になっていました。土日も朝が早い私たち家族の生活リズムに合わせら
れずいつも昼過ぎまで寝ていました。
10月に入ると気温も下がるので朝はバス登校になるのですが、彼女は夜中の3時頃までPCを使
ったりしている生活をしていたので、寝坊を繰り返し、いつも遅刻ギリギリのバスで学校に行ってい
て、私は遅刻することができないので、そのうち別々に学校へ行くようになり、遅刻を繰り返す彼
女は職員室で大声で言い訳をする場面もあったようです。
彼女が日本にいる間ずっと彼女が英語を使っていたので、私にはいい経験になりましたが、彼女
の為になったかはわかりませんし、正直彼女の態度からカナダに行くのがあまり楽しみではなくな
っていました。
彼女が帰国し、あっという間に私が日本を発つ日が来ました。彼女もママも優しくしてくれたの
ですが食べ物が合わなくて最初はパンとジュースとリンゴで生活していました。彼女のママが作っ
てくれる料理は見た事のない中華料理でスパイスの辛味や香草の香りが強くて慣れるまで苦労し
たからです。カナダに着いてすぐに日本が恋しくなり、学校でも不安なことばかりだったので母や
友達から届くメールやスカイプでいつも泣いていました。
学校では彼女と別の授業をとっていたし、彼女もすぐに友達のところに行ってしまうので友達を
すぐにつくってその子達と行動していました。帰りも彼女は友達と帰ってしまうのでバスを利用し、
1人で帰っていました。夜はママが友人のお宅に出かけて遅くまで帰ってこないし、彼女も夜中まで
遊ぶことが多かったので、1人で家で過ごしていました。土日は友達と買い物に行ったり、お土産を
探しに行くことを中心に過ごしていました。クリスマスは彼女は部屋にずっといて、ママは出かけて
いたのでいつもと同じでしたが、次の日にレストランにみんなで食事に行きました。いつも外食も中
華だったのですがその日はステーキ屋さんだったので嬉しかったです。友達とパーティーをしたり
プレゼントの交換をしたり、ショッピングモールのセールに行ったり楽しかったです。年越しは彼女も
ママも出かけたので1人で食事を済ませパソコンの画面でカウントダウンをして過ごしました。
学校にはいろいろな子がいて、とても優しくしてくれて中国語もちょっと覚えられたし、同じ学校
に行っていたこのプログラムの子とも仲良くなれてとても充実していました。偶然同じマンション
に住んでいた女の子と仲良くなって、休日に泊めてもらったりご飯を御馳走になったり本当によく
してくれました。
帰国前夜、彼女と一緒にハンバーガーを食べて映画を見に行きました。彼女とカナダで出かけ
るのはこれが初めてだったのですが、最後に2人で思い出を作れてよかったです。
今回の留学は思っていたのと全然違ったし、辛いことも多かったけれど改めて親や友達のあり
がたさを感じました。今まで自分が恵まれている事や大事にされていることは頭でわかってはい
ましたが、留学を通してはっきり理解しました。私を成長させてくれたこのプログラムに関わった
方々と背中を押してくれて応援してくれた両親、たくさんの勇気や元気をくれた友達、心強いサポ
ートをしてくれた学校の先生方に心から感謝しています。この経験や思いを忘れずにこれからに活
かしていきます。本当にありがとうございました。
2 保護者編
平成 23 年度北海道・アルバータ州高校生交換留学促進事業報告書
北海道滝川高等学校
保護者
次女から初めて本事業の事を聞かされた時、長女の2度のショートステイと変わり無いものと軽く考
えていました。「我が子がカナダでお世話になる」「会話は大丈夫?」「ホームシックになったら?」そん
な自分たちの事情ばかりを心配していました。
実は「カナダからの留学生を2ヶ月間、お世話する」事を知った時は、正直なところ「娘があきらめて
くれないかな?」と思いました。しかし、妻と次女、それに8歳年上の長女までが「それは凄い!」と大喜
びでした。
それに対して私は「異文化の国に飛び込むだけでとても凄い事なのに、言葉や食生活と言う『生活
の根っこ』の違う人間を2ヶ月間もお世話出来るのか?それが女の子だったら、いっそう難しい問題も
ありそう!?」後にそんな不安は解消されるのですが、私の最初の正直な気持ちでした。
本事業に次女が正式に参加できる事が決まって、留学生を迎えるまでに特別な生活の変化は無かっ
た様に思います。ただ、私自身の中で「食事」に対する不安ばかりが膨れ上がって居た様に思います。
(妻は大丈夫。いつも通りしかできないから!)
留学生のプロフィール等をいただいてから、次女と留学生のメールでのやり取りが続く中で、彼女の
高校の日本語教師が偶然にも私の友人である事がわかり、早速メールでのアドバイスをもらいました。
特に「食生活」について。彼女の生活する地域性で、魚介類をほとんど口にしない事。日本の米に当たる
のが、じゃがいもだと言う事。また、日本の高校生よりも自立している反面、行動が幼稚な面がある事。
等々。彼(阿部 成道君)が居てくれる事がわかった時点で、私たち家族の不安は一気に半減しました。
(他のご家族には大変に申し訳ない事ですが、正直な気持ちです。)阿部先生のアドバイスと妻の行動
力もあり、留学生の滞在2ヶ月間はアッと言う間に過ぎた様に思います。
留学生との生活は、ほぼ次女がリードしていた様に思います。私達夫婦からは当然の事ですが、生活
全般のスケジュールや時間等です。しかし、朝が苦手の様で日が進むに連れてルーズになり「リセット」
するのが大変でした。やはり女の子ですし、日本人の女子高生よりもオシャレに掛ける時間が長いのだ
と感じました。また、身体を動かす体力(遊びの体力は別)が無いのも手伝って、登下校はほぼ自家用車
なのも、時間にルーズな面かな?とも思います。カナダでは「スクールバス」を利用しているらしいので、
30分の自転車通学そのものが無理のようでした。
私が一番心配していた「食生活」ですが、家庭料理としての「和食」には問題無かったと思います。
ただ、魚介類へのチャレンジや伝統的な食べ物へのチャレンジ精神は皆無でした。(例えば、納豆・梅干
等)この点に関しては「文化を学ぶ姿勢」が足りないのかな?と思いますが、考えてみると女子高生で
すから、多くを望んでも仕方ないとも思います。
それでも自宅ではやった事の無い料理にチャレンジしたり、口にした事のない料理も食べてみる(?)
努力はしていたようです。特に気に入っていたのは「ラーメンやうどんと言った麺類」が気に入ったよう
で、カナダのそれとは違う味に驚き、スープの出汁には魚介類が使われていることが衝撃的だったよ
うです。また、私達夫婦が驚いたのが「食事の量」でした。少食で驚きましたが、それ以外のお菓子を食
べていましたから・・・。本来は「和食の文化を見て・食べて」日本人の知恵や伝統を学んで欲しかったと
思います。保存食や(納豆・干物)くじらを食べる理由などを食文化から日本とカナダの違いを感じても
らいたかったと、今更ながら後悔しています。
日常生活では学校生活が楽しそうで、特に部活動が良かったようです。中でも少林寺拳法部の稽古
にはずい分と参加したようですし、剣道・華道なども体験していたようです。おそらく、カナダとの文化
の違いを多くの外国人が思い浮かべる「武道や芸能」と言った面に、興味を引かれたのだと思います。
学校では、生徒の皆さんが温かく接してくれた事をとても喜んでいました。特に留学生だと特別扱いさ
れなかった事が良かったのだと思います。
私や妻の考えていた2ヶ月間は、有意義で楽しい日々でした。これは留学生本人の生活態度や順応し
ようとする姿勢が良かったのだと考えています。むしろワガママも言えず、寂しい事も表に出さず、ず
いぶん我慢させたのでは?と心配です。欲を言えば、もっと積極的に日本を知ろうとして欲しかったか
な?と思います。生活全般は欧米のそれと似ているでしょうが、物事の考え方・行動の優先順位など似
ているけれど、自分達とは少し違うところ。例えば何故、食事の時に家族全員が揃って同じテーブルで
食べるのか?(彼女の家では、バラバラだそうです)、何故、休みでもいつもと同じ時間に起きて行動す
るのか?
何故、自分より(自分の家族)他を優先するのか?何故、自分の主張をせずに他を聞くのか?きっと
不思議な光景だったと思います。でも、欧米化した日本であっても誰もが極普通にしている行動なので
すから、学んで欲しいと思います。外見も言葉も習慣も違う日本で、2ヶ月間もよく暮らしてくれました。
3月11日の大震災や原発事故を家族も心配して、阿部先生に尋ねたそうです。そんな中でも、明るく陽
気に暮らしてくれた事に感謝しています。不満もあったでしょうが、一言も言わずに感謝しています。
本事業が永続的に行なわれ、1人でも多くの高校生が経験し肌で感じた事が、未来に役立つ事を願っ
ています。そして多くのカナダの方々に、日本や北海道を知って頂きたいと願っています。
本事業に参加させて頂けました事を心から感謝いたします。
また、貴重な体験をさせてやれた事を保護者として幸運だったと喜んでいます。
Lauren が残してくれたもの
北海道滝川高等学校
保護者
1 はじめに
娘にとっては、念願であった長期のカナダ留学生受け入れ。今までの生活背景も、文化も、そして言
葉も違う、そんな中での 2 か月の生活。期待と不安の交錯する中で、8 月 20 日千歳空港で Lauren を迎
えました。第一印象は背が高く、長旅の疲れも見せずに「笑顔の素敵な子だなー」と感じました。カナダ
では日本語の授業を受けた経験がなく、日常会話を日本語でというのは、やっぱり無理かー。当然です。
家に戻る車の中で、早速みんなで日本語を教え合って、Lauren も積極的に吸収しようという意欲を見
せてくれました。これからの生活に対する不安はこの時点でかなり吹き飛びました。
2 学校生活
ホームステイが始まって 3 日目、いよいよ滝川高校での Lauren の学校生活が始まりました。先生方
の計らいもあって実技教科や英語を中心に授業を受け、その他の時間は個別に日本語を教えてくれた
り、日本とカナダの学校制度や文化の違いなどを意見交換したりしていたようです。
以前から興味のあった、剣道・弓道・吹奏楽など放課後のクラブ活動にも積極的に参加していました。
日本語でうまく意思を伝えられない分、クラスメイト達ががんばって英語を使ってくれたりと積極的に
Lauren をサポートしてくれていました。そのおかげで 1 日も学校を休むことなく、楽しく学校生活を送っ
てくれました。
3
学校外での生活
平日は週のうち 3 日は放課後の部活動に参加して、6 時くらいに帰宅していました。それ以外の日も
積極的に外に出ていました。学校帰りに友達とおしゃべりして帰ってくることもありました。通学に自転
車を与えていたので、ひとりで市内探検したりと好奇心旺盛なところを発揮していました。そのほかに
娘と一緒に生け花を習いに行ったり、知人にお願いして「着物」を着て「三味線」を体験したりと本当に
大忙しでした。
週末も疲れ知らずな Lauren はいつもどこかへ出かけたいらしく、こちらの誘いにいつもOKとばかり
毎週外出していました。出かけたところは、小樽・旭川・札幌と日帰りではありましたが、たくさんの北海
道らしい文化にふれていました。なかでも温泉は大変気に入った様子でした。昨年のホストファミリー経
験者から、人前で裸になるという文化がなく温泉は難しい子がいると聞いていましたが、そんな心配
など全く必要なくとても満喫している様子でした。近隣の温泉をはじめとして7∼8回は行ったのでは
ないかと思います。おみやげ屋さんも紹介しましたが、見るだけであまりショッピングには興味がない
ようでした。たぶんお小遣いも自分でアルバイトしてためたお金らしく、使う方の金銭感覚もしっかりし
ているようでした。帰国直前に家族でトマムに泊まりがけで行きました。カヌーでの川下り、ハイキング、
テニスとまるで家族の一員のようにすっかりなじんで楽しんでいました。
4 食事について
昨年参加されたホストファミリーの先輩から、やはり一番の気を使うところは食事と言われていて、
事前には結構気を使っていましたが、それも杞憂でした。とにかくチャレンジ精神旺盛な Lauren は出さ
れたものすべてにトライし、「おいしい」と言って食べてくれました。一番好きなものは「日本式カレーラ
イス」で、帰国前には娘と一緒にカレーを作りながら、レシピをメモしていました。お土産に日本のカレー
粉を買い、カナダの自宅で家族にふるまうと言っていました。後から聞いたことですが、カナダでは娘
と一緒に日本式カレーを作り家族に大変喜んでもらったということです。
5
最後に
不安と期待で始まった我が家の「異文化交流」も最後には達成感・別れのさみしさでいっぱいでした。
何より新しい環境に溶け込もうとする Lauren の努力に頭が下がりました。Lauren が来る前は、それぞ
れが忙しいことを理由に、ふれあいの少なくなっていた我が家に「協力」「気配り」といった大切なもの
をプレゼントしてくれた思いがします。そんな Lauren の素晴らしい姿勢を見習って、わが子供も、また私
たち親も成長させてくれた気持ちでいっぱいになりました。我が家にこのような素敵な経験をさせて
いただいた、北海道教育委員会の皆様、滝川高校の先生方、生徒たちはじめ関係された皆様に心から
感謝の意を表します。
平成 23 年度北海道・アルバータ州高校生交換留学促進事業報告書
北海道国際情報高等学校
保護者
Jessie からの E メールで娘が交換留学生の一人に決まったことを知りました。家族だけの生活の中に
見ず知らずの人、それも外国人!が2ヶ月もの間一緒に生活できるのか、言葉が通じなくてもなんとか
なるのだろうか、ずっと不安でした。が、最終的には「なんとかなるさ!」でした。Jessie には日本で楽し
い思い出をたくさん作って帰ってもらおう、それが娘のカナダでの生活にもつながるに違いないと信
じることにしました。
夏休み最後の土曜日、Jessie と初対面でした。彼女は中国人、一見外国人とはわかりません。おとな
しい子だと聞いてはいましたが、最初はあまり喋らない、娘も何を話していいかわからない(これは語
学力不足のせいかもしれません)、コミュニケーションが上手くいかず、どうしたらいいものかと悩みま
した。また彼女はノートパソコンを持参してきたのですが、我が家には無線LAN環境がなく、我が家の
パソコンは古くて速度も遅く、カナダの家族との連絡もままならない状況でした。来た早々部屋にこも
っている事が多かったので、家事を手伝ってもらい居間にいる時間を多く持てるよう、またノートパソコ
ンで Skype が使えるように環境を整えました。これには Jessie も喜び、私達も Jessie のお母さんと双子
のお姉さんの顔を見ることも話すことも出来ました。
慣れてくると彼女はよく話す子で、高校の計らいで彼女には2日間の休養日がありましたが、カナダ
の様子、学校の事や家族の事、日本へ留学するために2年間アルバイトをして資金を貯めたことなど
色々な話をしてくれました。日本語はほとんど使えず普段の会話は全て英語で、英和・和英辞書を使用
しながら、彼女もゆっくり、わかり易い表現で説明してくれました。娘の勉強の為にすべて通訳を娘に任
せるべきだったのでしょうが、朝から晩まで、しかも部屋も一緒の毎日に嫌気がさして Jessie に素っ気
ない態度を取っていた期間が結構ありました。それで学校での事は娘に任せ、家でのフォローは娘の代
わりにできる限りをしました。英語での会話なのでお互いに 100%理解は出来てなかったと思います
が、常に対話することを心がけました。英語が全然出来なくてもお互いが理解し合おうとする気持ちを
持っていれば通じ合えるのかと思います。
カナダでの通学は車で5分、8時半過ぎに家を出れば間に合うというのに、ここでは通学に片道一時
間半近くかかり大変だったと思います。学校では、皆遠巻きで見ているだけでなかなか話しかけてくれ
る子もいなく、話しかけてもその後が続かないようでした。娘がいつも一緒にいるから他の子が話しか
けにくいのかとも思いましたが、娘が学校を休んだ時も状況は同じでした。学校生活の始まりはあまり
良くはなかったけれど、球技大会や修学旅行等の行事を通じてクラスにも慣れ親しむことが出来まし
た。修学旅行は日本に来てから参加が決まり、京都・奈良に行くことになりました。この旅費も彼女自身
の貯蓄で支払いましたが、円高には泣かされました。
学校帰りは娘と別々になることがあり、学校近くのショッピングセンターや札幌駅でウィンドウショッピ
ングや買い物を楽しんでいました。一人で帰ると分かっているときは携帯電話を貸して帰るコールして
もらう。一度だけ寝込んでしまい岩見沢まで列車を乗り過ごしてしまったことがありましたが、ちゃんと
乗り換えて帰ってきました。
食べ物は小食であるけれど、野菜が苦手なだけで、家の食事はすべて OK でした。我が家には娘が二
人いますが、食事の好みが下の子(高校一年生)と似ていて、嫌いな野菜を二人で意地になって食べ、
どちらが多く食べれるか競い合ったりもしていました。このバトルは帰国後も…バリバリ野菜を食べる
姿を撮影しお互いに送り合うのです。
休みには日帰りですが北海道開拓の村、小樽、旭山動物園、洞爺湖、伊達時代村などに行きました。豊
平川沿いを通った時、札幌中心部の高層ビルやマンションが建ち並ぶ様子に驚き、霞がかかりあまり綺
麗に見えない洞爺湖に感動し、忍者や侍と写真を撮ったりしました。娘たち3人だけでバスに乗りルスツ
へ遊びに行ったこともありました。休日がもう少しあれば、まだまだ楽しませてあげることができたの
に…二ヶ月はあっという間に終わっていまいました。本当に早かった…。
お別れの時、家に帰ってから読んでね、と手紙を渡し、笑顔で手を振って行ってしまいました。お礼の
言葉と、カナダでの娘の事は一切心配無用だという心強い内容。実際、その後娘がカナダに行って、
Jessie のご家族やお友達には本当に良くしていただきました。本当に素晴らしい出会いでした。娘の人
生最初の留学は得るものが多く、本当にいい経験になったと思います。多くの方々にお世話になり今回
留学できたことを本当に感謝致しております。ありがとうございました。
平成23年度北海道・アルバータ州高校生交換留学促進事業報告書
北海道室蘭清水丘高等学校
保護者
海外留学は大学の外国語学部に進んだ姉の方が先と思っていましたが、思いがけず高校一年生の
弟の方が先になりました。カナダのイメージは、国土が広く、寒冷で、地下資源が豊かな国という程度
でしたが、治安や衛生面では高校生が留学するには適した国だと考えました。
Jacob は、他の留学生より先に母親と叔父さんと共に来日し、広島・伊賀上野・京都・東京と周って新千
歳空港に降り立ちました。時差ボケを心配した私達と当初、会話がかみ合わず、事前に来日していたの
を理解するのに 30 分かかるあり様でした。
伊賀上野に行ったことからもニンジャ好き、アニメ好きで、家にいるときは四六時中インターネットを
していました。当然、最初に「登別伊達時代村」に連れて行きましたが、忍者ショーや江戸時代の資料な
どを興味深く見ていました。その後、洞爺湖や札幌にも家族で行き、地元の温泉には一泊しました。
カナダにいるときは、一日十時間の睡眠をとっていたそうで、早く寝て遅く起きるという生活パター
ンであり、休みの日など心配になってドアを叩き、「Are you alive?」と確認したこともあるほどです。
何でも良く食べましたが、特にラーメンと焼きそば、日本の肉もおいしいと言って食べてくれました。
高校には売店もありますが、毎日お弁当をつくってもたせました。もちろん洗濯もしてあげました。
我が家に滞在中に、Jacob 宅の生活を尋ねましたが、朝食と昼食は自分でつくって食べる。洗濯も自
分でして、学校には Jacob が車に一歳下の妹を乗せて運転していくなど、我が家では考えられない子
供を自立させるライフスタイルでした。
息子のカナダ行きが近づくと、次第に心配になってきました。事前にインフルエンザの予防接種を受
けさせて送り出しました。今年のカナダの冬は例年にない暖冬とのことでしたが、通学は Jacob の運転
頼み、10時間睡眠の朝寝坊なので朝あわただしく、朝食抜きも結構あったようです。
我が子とは、時差を考慮しつつスカイプで話し、地球の裏側にいても顔が見え、非常に重宝しました。
Jacob は兄一人、妹四人の六人兄弟で、特に五歳の Ana と二歳の Sophia は、我が子になついてくれて癒
されたらしいです。留学の終わり頃には、家族と友人達で Banff に連れていっていただき、雄大なロッキ
ー山脈でスノーモービルなどを楽しませていただきました。
風邪もひかず概ね順調な留学生活でしたが、朝食抜き、昼食抜きの日があったとの我が子からの連
絡を受け、学校に相談すると、それは是正していただきたい旨主張した方がいいとのことでしたので、
学校を通じてホストファミリーに連絡していただきました。ご両親とも理解され、その後改善してくれま
した。
バッファローの肉を食べたり、多国籍の友人が出来たり、得難い経験をさせていただきました。北海道
教育委員会の方々、室蘭清水丘高校の先生達、殊に平賀先生には、本当に感謝しています。
平成23年度北海道・アルバータ州高校生交換留学促進事業報告書
北海道函館中部高等学校 保護者
娘がこの【北海道・アルバータ州交換留学】のプログラムに参加したいと言い出し、軽い気持ちから許
可を出したことで、大変だけど楽しく、素晴らしい経験と思い出を一緒に作ることができました。
娘はかねてから留学に行きたい、行きたいと再三言っていたのでこの事業に参加したいと私たちに
報告してきたときはどうとも思わず軽く返事をしました。
合格者の定員が少ないこともあり娘は来年に繋がるように応募すると言っていましたし、わたくし共
もまさか受かるとは思わず、とりあえずがんばりなさい、という気持ちでいました。
合格だということを知ったのは学校からの報告ではなく、娘のパソコンに来た外国人からの一通のメ
ールでした。
娘は突然来た英語のメールに驚き「これは受かったってことなの?この子調べてみたらカナダの人
らしいし留学受かったの?」と戸惑いと疑念 3 割、驚き 2 割、嬉しさ 5 割のような、なんともいえぬ表情
で尋ねてきました。
1 週間か 2 週間おくれて学校からの正式な合格通知が届き、めまぐるしい夏が始まったのです。
娘が 3 日前までイギリスに留学に行っていたので、帰ってすぐ落ち着くまもなく千歳空港に向かいま
した。そして空港に着き、プログラムに参加する方々と出会い、まもなくカナダからの留学生たちが現
れました。
綺麗な長いカールのかかった金髪と優しそうな目が印象的な体格のいい女の子が一人こっちに向
かってきて、可愛らしい笑顔とお辞儀を私たちにくれました。
この子とならうまくやっていけるかも、と最初は不安な気持ちが多少あったのですが出会ったこと
によってそれはすっかり消えました。
そのあとは函館への長旅に疲れた体にムチを打つような 4 時間の移動を経て深夜 2 時頃、我が家に
着き、短い間ですが家族が増えることになりました。
我が家は 2 世帯で 6 人の家族が住んでいます。
一階は祖母の部屋と事務所、2階には私たち家族が住んでいて、この 2 カ月間だけ長男にはもう一人
の祖父母の家に住んでもらい、ケイトリンを 2 階に迎えました。
ケイトリンはほとんど日本語を話すことができず、外国人には珍しいであろうおとなしい性格で最初
はどう話せば良いのかという感じでした。
それでも少しずつおぼつかないまま iPhone や iPad などの翻訳機能と娘を駆使し会話をすることで
コミュニケーションを取ることができました。
食事の面では少し困ったことに、事前に好き嫌いはない、といっていたのに海鮮類が食べれないこ
とがわかり、食事のメニューにはしばしば困らされることになりました。しかし、基本的には何にでも挑
戦してみて食事の面では楽しんでいたように思います。
毎回のお弁当は残さず食べてきてくれたことがうれしかったです。
学校では最初のうちはカナダではアーチェリーをやっていたことからか弓道部の練習に顔をだした
りしていたようですが、途中に大きな大会があったようで練習に参加できなくなり、そこからは行かな
くなりました。ですが楽しんでいた様子でしたので、体験させることができてよかったなと思います。そ
してその分もう少しやらせてあげられたらよかったのにとも思わされました。
学校へは基本自転車で通わせていましたが、坂道が多いことや 40 分ほど通学にかかることから大
変な様子で、帰ってくるといつも疲れきった様子でいました。
また、一人で帰ることができないらしくいつも娘と帰ってきて、娘は自分が部活をしている間ケイトリ
ンがすることがないのに気を使ってか部活を休んで早く帰ってくるようにしていました。
家ではケイトリンはほとんど自分の部屋にいないで居間にでてきてくれていました。
パソコンをしたり、一緒にテレビをみたり、英語の発音をおしえてもらったり。お互いが韓国の音楽やド
ラマが好きだということで楽しく拙いながらもたくさん会話できたことがとても良い経験となりまし
た。
函館は有名な観光都市であったことから様々な場所につれていけましたし、札幌や登別などにも連
れて行って楽しい思い出をたくさん作ることができました。
温泉も最初はどうなのかなと思っていたのですが、恥ずかしがって戸惑ってはいたものの楽しんで
もらえました。
そしてあっというまに 2 ヶ月という時がすぎ、別れの時がきました。
空港ではハグをして別れを惜しみつつ、涙の別れになるかと思ったのですが案外あっさりとした感じ
で別れました。
この 2 カ月間は本当にあっと言う間で、たくさんのことがありました。
大変だったことや楽しかったことは思い出しても切りがありません。ですがこの事業に娘と参加する
ことができて本当によかったと心から思うことができています。
最初に述べましたとおりこの度、この事業に参加してたくさんの貴重な経験を娘だけでなく私たちも
様々な経験をすることができました。
たった2ヶ月という短い間でしたが濃く、そして素晴らしい時間となりました。
このプログラムに関わりましてご尽力してくださいました全ての方々に、ここで厚く御礼申し上げま
す。
平成23年度北海道・アルバータ州高校生交換留学促進事業報告書
北海道旭川北高等学校 保護者
以前から娘の留学には賛成でしたので、今回このような機会を与えていただけた事に感謝します。
また、引率して下さいました方々のお陰で何の心配もなく、娘を送り出し、迎える事ができました事に
対しましても深くお礼申し上げます。
私達は、この2ヶ月間でもっと英語が話せるようになりたいという思いと、異国の文化にふれられる
という喜びと期待をもってホストファミリーの生活がスタートしました。
マリアからも、留学に先立ち日本語で書かれたメールが届きました。そこには色んなことに挑戦した
いという前向きな姿勢と、私達家族に対しての気遣いが感じられとても好感のもてる素敵なメールで
した。特に慣れない日本語を使って手紙を書いてくれた事は、私達の気持ちに添ってくれているように
感じられ、とても嬉しかったです。
今、振り返って思い出す事は、マリアが自転車で通学する姿です。自転車は乗れるそうですが、普段
使っていないので、乗り方は不安定で、曲がり角はフラフラ運転でした。それでも、娘の後ろに付いて置
いて行かれまいと片道20分の道のりを必死にこいで通学する姿は意地らしかったです。
また、部活動も華道部、茶道部、バドミントン部と興味のあるものや、経験のあるものに参加していま
した。決めるときは、決して人に合わせたり、流されたりしない自分の意志のはっきりした子でした。
滞在中に1度だけ叱った事があります。時間が守れないのです。約束をした帰宅時間が過ぎているの
に平気で近くのハンバーガーショップに寄ったり、ある時は約束の時間より1時間半近く遅く、夜の8時
半頃に帰宅したことがあります。さすがに私も我慢の限界です。門限を1時間以上早めたところ、彼女は
「No」と主張してきますが、預かっている責任上認める訳にはいかず、もめました。こちらにホームステ
イをしているのだから、我が家のルールに従ってもらうという強い気持ちもありました。結局その日は、
言葉の壁もありお互い理解できずに終わりましたが、次の日にマリアから日本語での謝罪の手紙をもら
い、和解することができました。その後、私との約束は守るようになりましたが、友達との約束の時間に
遅れる事はしょっちゅうで、学校への遅刻や移動のある授業への遅刻の改善は見られませんでした。娘
が帰国してからわかったことですが、あちらでのマリアは、友人宅へ遊びに行き、夜中の2時、3時に帰宅
するという生活だそうです。だから決して悪気があったのではなく、普段のままの姿だったのです。
他に残念だった事は、お互いに解りあえるように努力するという誠意がなく、何か聞いても返事は
「わからない。」のみだったのでコミュニケーションも取れませんでした。それと一緒に行った事や話し
たことも、行っていない、違うということがあり、1つ 1 つ確認してようやく認めるということが何度も
あると、次第に信用できなくなっていきました。しまいに私は、嘘をつくようならもう責任は持てないの
で帰国してもらおうと決め、その時は留学は諦めるようにと娘に言うほど、信頼はありませんでした。
けど、不思議なものです。いろんなことがありましたが、憎めないのです。すべてがマリアそのもので、
普段のままの生活をこちらでもしていたのだと思います。マリアが気兼ねなく自分らしく生活してくれ
た事がホストファミリーとしての喜びです。私も我が子同様に接し怒る事が出来たのは、マリアが私に
気兼ねなく接させてくれたお陰だと思います。いつも「ありがとう。」と言ってくれて、お弁当も残さず
食べてくれたので食事での苦労は全くなく、楽でした。
また、自分は私に怒られたのにもかかわらず娘がホームステイする時は優しく迎え入れてくれた、性
格のいい子です。お母さんも、新しい寝具を用意してくれたり、辛いものが苦手な娘に合わせて調味し
てくれるなどとても親切にしてくれて感謝しています。
娘のあちらでの学校生活ですが、初めのうちは言葉が聞きとれず苦労したようですが、耳が慣れて
からは、授業も理解できたと聞いて安心しました。マリアとは、同じ教科がなく、初めから1人で行動する
ことばかりで、広い校舎で迷子になった事や、登校して3日目で1人で帰らなければならず、バス停を乗
り越してしまい大変恐い思いをした事など、とにかく自分で頑張らなければならなかったようです。本
人はいろんな面でたくましくなったと言っています。そのお陰もあり、友達はたくさんできました。たっ
た2ヶ月間なのに信頼しあえる友達もできた事は、娘にとって大きな財産です。今度はフランス語と中国
語を学びたいという希望もできました。このように貴重な体験をさせて下さいました関係者の方々に
心よりお礼を申し上げます。ありがとうございました。
最後に親として娘に、この貴重な体験を無駄にすることなく、微力ながらにも人の役に立つことで感
謝の気持ちをお返しできる人間に成長して欲しいと願い、終わらせていただきます。
3 担当教員編
平成23年度北海道・アルバータ州高校生交換留学促進事業報告書
北海道滝川高等学校
1
教諭
はじめに
本校はこの交換留学プログラムとの関わりはとても強く、ほぼ毎年数名の生徒がこのプログラ
ムに応募している。今回は昨年に引き続き2名の留学生受け入れであるが、学校としても特別扱
いはしない方針で留学生の希望を受け入れている。
2
事前準備
昨年も受け入れているので、特に念入りな準備は行わなかった。所属の1年生のなかでのサポ
ート体制、体調がすぐれない時の養護教諭の関わりについて話し合った。本校では今年度からA
LTが学校に常駐となり、文化の違いに対するストレスケアについてはALTにお願いすること
になった。ALTも快く受け入れていただき、体制が整ってきた。英語科の先生たちには昨年の
経験から、1人あたり週1時間程度の日本語個別指導をお願いしておいた。それぞれが昨年の経
験をふまえて、準備していただけるということであった。
3
学校での生活について
(1)留学生の様子
本校は制服がなく、校則についてもそれほど厳しいものがないので、服装面での指導の必要が
ないことは非常に助かった。以前は、髪染め・アクセサリー禁止など日本の学校特有の生徒指導
を理解させることがとても大変だった経験があります。
他校ではどう対応しているのでしょうか。
異文化交流では、その辺の習慣の違いを理解させることも大変だとつくづく思います。
日本語については、
一人はカナダの高校で日本語を勉強していて、
基礎的なことは習っていた。
しかし、もう一人の生徒は日本語を学んだ経験がなく、二人の日本語に対する能力には開きがあ
った。しかし、二人を別々に教える余裕はなく、どちらかというと能力の低い子に合わせて教え
るという感じであった。
幸い二人の相性が良く、
わからないところは教え合っている様子でした。
我々教える側にとっても大変ありがたいことで、おかげでカナダ留学生からいろいろ最新の英語
を教わることもできた。
本校の生徒の中には英語を使って交流したいという生徒が女子を中心にいるので、その子たち
はかなり積極的に留学生に近づいて英語で話していた。最初の2週間程度は教室の中での日本語
シャワーに疲れた様子も見せていたが、少しずつ慣れてきて教室の中での表情も和らいできた。
受け入れクラスの担任が理科の教員だったこともあって、その日のスケジュール、1週間のス
ケジュール、本人の体調、希望などを聞くために担当者が毎朝、教室へ行って留学生と英語で確
認し、そのことをクラスのパートナーにも伝えた。日本とカナダの留学生同士は、ほとんど英語
で意思疎通しており、日を重ねるごとにお互いの信頼感が増し、楽しく過ごしている様子が伺え
た。直前にスケジュールが変わることもあったが、カナダ留学生が二人同じクラスに在籍したこ
ともあって、そういう時はカナダでの課題に取り組んだりと、各自で自主的に学校生活を送るこ
とができるようになっていった。
(2)時間割
留学生の日本語の能力や、日本とカナダの授業スタイルの違いなどを考え、座学の授業に入れ
ることは先生にとっても他の生徒にとっても、また留学生本人にとってもあまり良くないと考え
た。最初の週は一応すべての授業に参加させ、そのあと本人の希望を聞きながらカリキュラムを
決めた。
(時間割参照)
座学では担任が理科の教員ということで、理科と英語のみの参加となった。これは、クラスへ
の帰属意識を持たせるという意味合いもあった。体育・書道・音楽・美術等の実技には積極的に
参加していた。ホームルームでは、ちょうど校外学習の事前学習に使うことが多く、班員の助け
も借りて充実した時間を過ごせたのではないかと思う。
(参考−本校での時間割、学校行事や本人の意向を聞いて毎週時間割を作成した。これはその
一例である)
滝川高等学校 時間割
(10 月 3 日∼10 月 7 日)
Lauren & Megan(1F)
月曜
火曜
水曜
木曜
金曜
Monday
Tuesday
Wednesday
Thursday
Friday
Private
びじゅつ
Lesson
Art
Self
Self
Self
8:45 – 9:35
(Mr. Akaishi)
(Mr. Shimoda)
Study
Study
Study
2校時
Self
Private
じょうほう
びじゅつ
えいご R
Lesson
Information
Art
English Reading
(Mr. Kikuchi)
(Mr.Ikeda)
(Mr. Shimoda)
(Mr. Matsuki)
えいご G
えいご R
しょどう
English Grammar
English Reading
Calligraphy
(Mr. Morisaki)
(Mr. Matsuki)
(Mr. Minato)
1校時
9:45 – 10:35
3校時
10:45 – 11:35
4校時
11:45 – 12:35
5校時
13:15 – 14:05
6校時
14:15 – 15:05
Study
Self
Self
Study
Study
Private
たいいく
たいいく
かがく
しょどう
Lesson
PE
PE
Chemistry
Calligraphy
(Mr. Kikuchi)
(Mr. Katsura)
(Mr. Katsura)
(Mr. Honma)
(Mr. Minato)
1AB おんがく
えいご R
Music
English Reading
(Mr.Yokochi)
(Mr. Matsuki)
1AB おんがく
Music
(Mr.Yokochi)
Self
Study
7校時
15:15 -16:05
ほうかご
Kendo
Self
Study
Private
Lesson
(Mr. Akiba)
1CD おんがく
えいご G
Music
English Grammar
(Mr.Yokochi)
(Mr. Morisaki)
1CD おんがく
たいいく
Music
PE
(Mr.Yokochi)
(Mr. Katsura)
Kyudo
16:20∼
Private lesson
Self Study
⇒Please come to the teacher’s room
Self
Study
Self
Study
(3)日本語指導
留学期間は2ヶ月あまりであるが、本校の場合、最初の2週間が体育祭と定期考査、途中に1
週間の学期間休業があり、学校での授業は実質1か月あまりということになる。日本語を教える
のは英語科教員8名が授業の空き時間に週1回ずつ行っていた。なかなか体系的、計画的に教え
ることは難しいということで、それぞれが用意した教材でなるべく実用的な日本語を使う場面を
作るというスタンスで教えることになった。具体的には校外フィールドワーク(銀行、郵便局、
買い物)
、俳句・書道、幼児向け絵本や漢字練習帳などを教材とした。またお互いの国の文化につ
いてディスカッションを交わすなど楽しそうな交流の機会ともなった。
自習の時間も、職員室の隣りの部屋を使うことができたので、日本の小学生向けの本や、漢字
練習帳、各自で用意した課題などを使って積極的に学習していた。
後半には日本での生活についてスライドを作り、クラスの生徒を前に、日本語でプレゼンを行
うという課題を与えた。カナダ留学生はパワーポイントを使ってプレゼンすることには慣れてい
て、日本語の発音に苦労しながらも良く頑張っていた。また現在流行している「ありがとう」と
いう曲を日本語で覚えて、日本のパートナーと一緒に歌って他の生徒たちから温かい拍手をもら
ったことが特に印象に残った。
(4)部活動
今までのほとんどの留学生がそうだったように、今年の留学生も剣道に興味を持ち週1回剣道
部の活動に参加した。そのほかでは弓道の活動にも参加していた。本校生も英語を使いながら身
振り手振りで教えるなど、非常に良い交流となった。留学生は長い時間の正座や声出しなど、今
までに経験したことのないことにも積極的に挑戦していた。
4
学校外での生活について
平日は放課後を含めてほとんどの時間を学校で過ごしていたので、その後はパートナーの家で
過ごすことが多かったようだ。食事についてもほとんど問題なしということで、保護者からの相
談もなかった。
滝川市は国際交流が盛んな町で、いろいろなサポートを受けることができた。9月の本校の定
期考査の時には、市の国際交流員の方が3日間の日程で滝川市内の案内や、小学校・中学校・大
学に連れて行って交流をサポートしてくれた。
5
終わりに
本校生徒は留学生に対して非常に興味を持っていて、また柔軟に接することができるので、こ
のプログラムはとても有益である。特に同じクラスになった生徒にとっては、またとないチャン
スであり、積極的に英語を使ってコミュニケーションを取ろうとする姿勢が多く見られた。
また留学生にとっても、カルチャーショックやホームシックはあるだろうが、それを乗り越え
て2カ月間日本で生活することができたことは、とても刺激的で楽しい経験になったと確信して
いる。
この滝川という土地に住んでいて、高校時代に外国に行ってみたいと考える生徒はたくさんい
るが、それを実現となるとなかなか前に進めないのが現状だと思う。その理由は経済的なことで
あったり、語学力に自信がなかったりといろいろ考えられる。しかしこういう交換留学プログラ
ムがあるおかげで、身近にしかも金銭的な負担も最小限で、夢を実現することができるチャンス
を与えていただいていることは大変素晴らしいことだと思う。これは生徒だけでなく、我々教員
にとっても大変ありがたいことだと常々考えている。
本校には他に、地元滝川市が主催するアメリカ・マサチューセッツ州へのジュニア大使、ベト
ナム・カンボジアスタディツアーなどいくつかの短期留学・研修のプログラムが用意されている。
幸いなことにいつも希望者が大勢いて、うれしい悲鳴をあげている。我々が高校生だった頃には
考えられないチャンスが今の生徒にはある。そういう意味でも、学校と地域や道が連携してこの
ような事業が今後とも継続・発展していくことを切に願っている。
最後に、当プログラムを運営し、我々にこのような貴重な機会を与えてくださった北海道教育
庁生涯学習推進グループの皆様をはじめ、このプログラムに関わるすべての方々に心から感謝し
たい。
平成23年度北海道・アルバータ州高校生交換留学促進事業報告書
北海道札幌国際情報高等学校 教諭
1 本校の国際交流
本校は、国際交流を一つの柱として積極的に推進しており、さまざまなプログラムに関心を持
つ生徒が多く、アルバータ州からの本事業による留学生の受入れは、本校から応募者のなかった
2年前を除き継続している。この他にも、中国と米国の姉妹校、および友好交流校との交流、
JENESYS プログラムや AFS 年間留学生の受け入れ等も行なっている。今年度は震災の影響で多く
の長期留学生が4月入学の予定をキャンセル・延期する中で、今回受け入れしたアルバータの留
学生ジェシー・マックは北海道に来たいという意志が変わることなく応募したと聞いている。受
入に係る事前の準備や調整、オリエンテーション等の実施に関わっては国際交流部担当教員が行
ない、
日常の学校生活に関わる直接の指導はパートナー生徒の所属する HR 担任や各教科の担当者
に全面的な協力をいただいた。
2 カリキュラムについて
(1)授業選択について
HRはパートナー生徒の在籍するクラスに所属、本校生徒と同様の時間割に基づいて参加し日
本の高校生活を体験した。
パートナー生徒は国際文化科所属の生徒であるため必然的に外国語
(英
語)に関するクラスが多いが、クラスメイトと教室内で過ごす時間を最優先とし、英語理解、英
語表現、プレゼンテーション等に加え、現代文、古典、数学、等に至るまで全てを受けてもらっ
た。ただし、日本文化に触れる機会を持ってもらう意味で、1学年の芸術の選択科目「書道」
(2
時間)
「美術」
(2時間)を入れた。
(2) カウンセリング・日本語学習等の時間について
本校では5学科の授業が行われている都合で、
留学生のためだけの授業変更が困難であるので、
日本語の授業は本校生徒が期末考査を行っている時期(4日計10時間)に行ったのみである。
また、パートナーのいる国際文化科の生徒がほぼ英語でやり取りするので、日本語を学ぶ機会に
恵まれたとは決していえないが、折にふれて行なったカウンセリングの合間に補助的に日本語の
指導を行ったり、教職員からの声がけ等がその代わりとなっていたようである。
3 学校生活について
留学生のジェシー・マックは声をかければ必ず元気に返答する生徒で、また感情も豊かに表現
するので、毎日の気分や考えが容易に伺うことができた。パートナーの生徒が国際文化科のクラ
ス全体から見るとおとなしめであったため、本校に着た当初はジェシーも本人の持つエネルギー
をうまく出し切れずもどかしさも感じていたようだったが、学校生活を送るにつれバドミントン
やお琴といったクラブ活動にも参加する機会に恵まれ、少しずつ友人とも馴染んでいくようにな
った。
本人の留学期間に本校の見学旅行が入っていたので、本人が希望して本校生徒320名ととも
に関西方面に旅行したことが一番思い出に残っていることだろう。本人の話しぶりからも、また
クラスメイトから見せてもらった写真からも本人が大変楽しんでいることが伺えた。大部屋で寝
泊りした経験も初めてだったろうし、また夜遅くまで日本語でおしゃべりしている生徒達の隣で
逆に眠れなかっただろうことも推測され、
「これが日本の高校生の見学旅行か」と思ったことだろ
う。
見学旅行後1週間もたたないうちに本校を去ってしまうことになる。職員に向けたお別れの挨
拶のあと、私が「日本語上手だったよ」と声をかけたのだが、その際涙を少し浮かべて「この学
校は本当に楽しかったです」と返答がもどってきた。その日在籍クラスではお別れ会があったよ
うである。また本校は案内掲示板があるのだが、放送局員による計らいで放課後に写真付で彼女
宛にメッセージが載り、本人にとって最高の日を過ごすことができた。
4.まとめ
今回も本校では姉妹校訪問や他の国際交流に関する業務が同時進行だった時期で、決して手厚
いサポートができたとは言いきれないが、日本人パートナー生徒のホストファミリーの多大なお
力添え(特に週末は洞爺湖や旭山動物園、ルスツリゾートなど本当に様々なところに連れて行っ
てもらえたようで、ジェシーはその写真をいろいろ見せてくれた。また週末が充実しすぎて翌月
曜日に具合が悪くなり保健室でお世話になったこともあったが)によって有意義な留学生活を送
れたことにお礼を申し上げたい。またプログラム運営にご尽力いただいた北海道・アルバータ州
の担当の方々、特に佐伯さんには細かいスケジュール調整やカナダ・日本生徒へ向けた配慮の行
き届いた文書をいただき、この場を借りてお礼申し上げたい。
最後に、このような両生徒・両高校にとって有意義なプログラムは他に見られない中で来年度
も引き続き継続して実施してもらいたいと願っている。
(ジェシー最後の日に校内掲示板で)
平成23年度北海道・アルバータ州高校生交換留学促進事業報告書
北海道室蘭清水丘高等学校
1
教諭
本校の国際交流
本校はアラスカ州の高校と姉妹校提携により交換留学生や訪問団の受け入れと送り出しを続け、
生徒の海外研修も推奨している国際交流推進校です。この事業への参加は今回で7回目になりま
す。常駐と非常駐のALTが1名ずつ勤務しており、生徒たちは英語や異文化に触れることにあ
まり抵抗はありません。国際交流委員会がこれまで積み重ねてきた経験と協力態勢が整っている
ため、今回の受け入れについてもさほど不安はありませんでした。
2
受け入れの準備
最初に、受け入れ先の家庭に留学生に関する情報を伝えました。文化や生活習慣が違う外国人
をホームステイさせるのは不安な面も多いものです。受け入れクラスの担任には座席や教室ロッ
カー、教科書の用意をお願いし、委員会では時間割と日本語教材の用意をしました。
留学生のジェイコブには室蘭清水丘の雰囲気やクラスの様子を知らせ、学校生活と授業のルー
ルの理解に役立ててもらうために作成した「School Life in MSHS」を添付しました。彼の特技は
美術とコスチューム製作で、学生服に強い関心を示しました。来日の翌日にホストファミリーに
付き添われて学生服を購入し、真新しい制服を着て登校しました。
3
授業について
授業は基本的に緩やかな内容で特別時間割を組みました。原案を委員会で決定し、1週間分を
事前にメールで知らせました。英語ⅠとオーラルⅠ、音楽、体育は他の生徒と一緒に授業を受け
ました。2年生の実用英語にも参加して、10月の English Day のシナリオ作りや舞台製作に加
わり、当日は司会やキャストで活躍しました。剣道と書道も指導経験のある先生方に週1回お願
いしました。エンジニア志望である本人の希望で物理の授業にも参加しました。
日本語は、国際交流室を使って毎日1時間の個人授業形式で行いました。会話でのコミュニケ
ーションに不安はありましたが、英語科以外の委員にも加わってもらいました。会話では単語が
出てこなかったり、聞き取りも苦労している様子なので、身の回りの単語と簡単な表現を覚える
ことを目標に、書き取りのテキスト使って授業を進めました。興味のある事柄に関連する日本語
の表現を覚える授業も並行して行いました。上達の度合いはゆっくりでしたが、常に手帳にメモ
をとり、愛用の辞書で意味を確認するなど積極的に学ぶ姿勢が見られました。Eメールは毎日、
ALTによるカウンセリングは週2、3回程度時間割に入れて、家庭との連絡や英語での自由な
会話ができるように配慮しました。
地域に出て学習するフィールドトリップを実施し、鍛刀所の見学や景勝地などを訪れました。
日本製鋼所室蘭製作所の「瑞泉鍛刀所」は企業が所有する唯一の日本刀製作所として有名です。
展示された美しい日本刀や刀鍛冶が作業する様子を興味深く見学することができました。
4
行事に参加
ジェイコブは穏やかな性格で、周囲の状況に合わせて行動することに関しては何の不安も感じ
させない適応力のある生徒でした。好奇心もあり、他学年の生徒からも気軽に声を掛けられて一
緒にサッカーを楽しむなど学校生活にもすぐ馴染んでくれました。滞在期間後半になると、体育
大会や1学年の室蘭岳登山、English Day といった行事が実施され、積極的に参加して他の生徒
と打ち解けて、心から楽しんでいる様子が伺えました。朝早くに起きて1時間以上バスに揺られ
ながら通学する生活のリズムになかなか慣れることができなかったようです。しかし、体調を崩
して不調を訴えることはありませんでした。
5
ホームステイ先での様子
ホームステイ先の家庭については、カナダでの行動パターンや生活習慣をそのまま持ち込んだ
ためにホストファミリーにとっては理解できないこともあったと思います。しかし、考え方や文
化の違いに戸惑いを感じながらも、それらを乗り越えて、手厚くお世話をしていただきました。
買い物や近隣の観光名所、家族の行事にも一緒に出かけたりしたことなど、家族の一員として大
切に扱ってもらっている様子を伺い知ることができました。きっと不安など感じることなく日本
での生活を送ることができたのではないかと思います。交換留学生同士の関係も良好で、交換パ
ートナーが細やかな気遣いをして支えてくれたことはとても大きかったといえます。ジェイコブ
は「カナダに帰ったときに今度は自分が彼を助けなければならない。そのために今は日本語を一
生懸命勉強する」と言っていました。おそらく二人ともやがては逆の立場になることを意識して
いたのではないかと思います。
6
本校生徒の留学
ジェイコブの帰国後、2週間ほどで本校生がカナダへ留学する日がやってきました。スプルー
ス・グローブ総合高校では三つの選択科目の一つにフランス語を選択したと聞いて正直なところ
驚きましたが、これもチャレンジ精神の現れかもしれません。また、外国語としての日本語の授
業で先生のアシスタント役になったことは、
日本人として誇らしい経験だったに違いありません。
文化や生活習慣の違いには苦労したようです。
家族との食事の時間を大切にする日本とは異なり、
朝食・夕食とも各自でとるホストファミリーの日常生活に困惑し、食べるものがない状況もあっ
たようです。学校からメールで、
「健康維持のため規則正しい食事をとっているかどうか気を配っ
てほしい」とお願いすると、先方も異文化圏で生活する子供を受け入れていることに気づいたの
でしょう。すぐに改善されました。このような状況にあってもそれを受け入れ適応できたことが
異文化理解の体験といえます。英語漬けの生活を送ったことでリスニングが楽になり、簡単な日
常会話なら不安を感じなくなるなどの自信と英語力の向上を実感できたようです。今回の留学経
験がこれからの人生の大きな糧となるだろうと信じています。
7
おわりに
今年度の留学生の受け入れと本校生徒の派遣に際しまして、多くの方々のご協力をいただき、
無事に終えることができましたことを感謝いたします。本校は2年ぶりに本事業に参加すること
ができ、生徒・教職員にとっても貴重な経験をさせていただきました。今後の国際交流にも役立
てていきたいと考えております。ありがとうございました。
時間割の例
(第4週目
9月12日∼9月16日)
1
2
3
4
5
6
7
月
日本語
自習
英語Ⅰ
体育
書道
email
カウンセリング
火
カウンセリング
体育
実用英語
英語Ⅰ
日本語
email
水
囲碁
日本語
自習
email
音楽Ⅰ
オーラルⅠ
木
日本語
email
実用英語
オーラルⅠ
体育
英語Ⅰ
金
英語Ⅰ
自習
剣道
オーラルⅠ
日本語
email
(English
Dayに参加しているJacob)
LHR
平成23年度北海道・アルバータ州高校生交換留学促進事業報告書
北海道函館中部高等学校 教諭
1 はじめに
函館は歴史的にも国際交流の盛んな地域であり、本校生徒の中でも中学までに市町村の事業を
含め、英語圏に限らず何らかの形で海外の人々との交流経験を持つものは比較的多い。本校でも
数年前までは継続的に留学生の受け入れも行っていて、近年では、平成20年に受け入れている。
また、海外の大学との連携プログラムに伴う語学留学を含め、長短期を合わせて2名が本年度は
海外への留学を経験している。英語に高い関心を持つ生徒が多いためか、希望留学先は圧倒的に
英語圏が多い。
2 事前準備
交換留学が決まり、まず初めに行ったことは、滞在期間中の行事予定や、学校生活のきまりご
と、通学手段としての自転車確保、留学生のクレジットカードでキャッシングができる金融機関
の検索など、主に学校として必要と思われる事柄の確認や情報提供を本校のパートナーと同時に
行った。
地域情報やクラスの様子についてはパートナーとなる本校生徒とEメールでやり取りをしても
らった。本校には国際交流部といったような分掌がないため、実務的な部分は当該学年の英語科
教員と学級担任が担当した。保険は本人の加入しているものが日本でも適用となるため、別途加
入手続きはとらなかった。
3 時間割り
留学生は日本人パートナー生徒のクラスに所属し、当該学級の時間割りをベースとしたスケジ
ュールに従って授業に参加した。留学生が滞在した期間は、水泳大会、秋季遠足、体育大会、定
期考査と非常に行事の立て込む時期であったが、クラスとの交流のきっかけとしては十分であっ
た。
授業形態として、最初の1週間は基本的に当該クラスの時間割をそのまま体験してもらい、本
人と面談の上、2週目から、国語現代文、国語古典、保健の授業時間を①カウンセリング(ALT)、②プレゼ
ンテーション作成(第1学年スピーチコンテストで発表)
、③基本の日本語レッスンへ変更し、別室で英語科教員
により日本語の学習に代替した。短期間の留学であったため、できる限りクラスへの帰属意識が
持てるよう所属クラスの授業に多く参加してもらうことにした。また、帰国間近に留学生の誕生
日を迎えることから、家庭科での調理実習は誕生パーティーとお別れパーティー形式の調理実習
となり、手作りのアップルパイなどで非常に楽しめていた。
4 日本語指導
日本語指導に関しては事前研修後教材の候補の選定等は行わず、本人と会ってレベルやニーズ
を確かめながら指導していった。また、滞在期間が短期でありながら、英語や異文化に興味を持
つ生徒も多数いるということから、日常会話で必要な、「おはようございます」「失礼します」
「お願いします」「さようなら」等、生徒同士のコミュニケーションを主とする日本語学習から
スタートした。1日でもクラスに馴染む期間を確保するため、また、同年代のネイティヴが使用
するリアルな日常会話が学べるという利点があると考え交流の機会を多くとった。生徒同士で日
本語、英語の両方を交えた「サバイバル」に近いが楽しそうなコミュニケーションが続いた。特
に、清掃活動の中でも、カナダとは清掃形態が違うということもお互いの生徒にとって良い刺激
になったようである。
5 学校生活と学校行事
留学生は順応力に優れ、あっという間にクラスにも溶け込んでいった。明るい性格で友人も増
え、当日の雨で9月の遠足が中止になり、校内ドッヂボール大会と変更になっても、積極的に参
加し、本校生徒と一緒に非常に楽しんだようであった。部活動においては、剣道部に参加した。
大会が近いので途中から参加できなくなったものの、アーチェリーに類似した部分もあり、日本
の伝統文化である武道に非常に興味を示していた。
秋季避難訓練や生徒会役員選挙も経験し、パートナーから英語で説明を受けながら日程の全体
像を理解していた。特に、3年に1度の芸術鑑賞で「赤ひげ」を鑑賞したときは、日本語の意味
は早くて理解できなかった様子ではあるが、役者の演じる気迫から生命の大切さや、こころの模
様などを読み取り、
今までに経験したことのない感動を覚えたと感想アンケートには答えていた。
また、ホストファミリーも小旅行を計画したり、友人同士で地元を観光して回ったりと、非常
に充実した休日と放課後を過ごしていたようであった。留学生には英語の授業時間を使用し、カ
ナダの地元について、そして日本に来てから感じた両国の違いなどについて第1学年のスピーチ
コンテストの時に発表してもらった。授業形態の違いや気候の違いなどについて、時間をかけて
作成したプレゼンテーション用原稿を発表後に印刷し、廊下に掲示し生徒への意識高揚に役立て
た。
6 おわりに
本校生徒は留学生に対して非常に柔軟、寛容であり、また興味関心も高い。積極的に英語を使
ってコミュニケーションを図ろうとする生徒が多く見られ、日本語と英語を使ったコミュニケー
ション、お互いに両言語を教え合う姿は非常に刺激的で楽しいものになったと確信している。
本校生徒にとっても留学生との出会いは、人間として、友人としての素晴らしい経験となり、
またコミュニケーション・ツールとしての英語の重要性をはっきりと認識できた貴重な経験とな
ったものと考えている。中でもスピーチコンテストは例年以上のレベルの高い内容となった。こ
れも留学生の存在が強烈なインパクトであったに違いない。プログラム終了後も、英語学習にと
どまらず、英語圏内での日本語教育、そして異文化理解のため、海外への大学進学を考え始めた
ことは、これ以上素晴らしい成果はないと考える。この素晴らしいプログラムが今後も継続され
発展することを期待する。最後に当プログラムを運営し、我々にこのような貴重な機会を与えて
くださった北海道教育庁生涯学習推進局の皆様、ご協力いただいたホストファミリー、そしてこ
のプログラムに関わるすべての方々に心から感謝します。
平成23年度北海道・アルバータ州高校生交換留学促進事業報告書
北海道旭川北高等学校
1
教諭
本校の国際交流
本校は、平成 19 年度まで英語科があったことや ALT が 2 名常駐していることもあり、国際交流
事業への関心が高い生徒が多く、英語教員はもちろん他教科の教員や職員も自然に留学生を受け
入れる雰囲気がある。本事業への参加はしばらくなかったが、AFS 年間留学生はほぼ毎年受け入
れており、毎年1∼3 名程度の留学生が在学している。本年度はほぼ同時期からマレーシアの留
学生を 1 名受け入れていた。
2
カリキュラムについて
(1)時間割について
HR はパートナー生徒の在籍するクラスに所属、本校生徒と基本的には同様の時間割に基づいて
授業や学校行事に参加した。ただし、本人の興味や能力に考慮し、
「書道」
(週 2 時間)
、
「美術」
(週 2 時間)
、
「日本語」
(週 3 時間)は HR の時間割とは別の授業に参加したり、個別指導を受け
られるようにした。
(2)日本語学習について
週 3 時間、ALT1 名と日本人の英語教員 2 名が分担し、
「みんなの日本語」
(スリーエー・ネット
ワーク)をテキストにして、本留学生と AFS 留学生を指導した。特にカウンセリングの時間は設
けなかったが、この時間にカウンセリングの役割を果たすこともあった。
学外でも、旭川市国際交流委員会主催の「外国人のための日本語教室」に毎週 1 回、参加して
いた。
3
学校生活について
登校初日が体育大会だった。行動力があり、物怖じしない性格なのでクラスの生徒や学年の他
クラスの生徒とすぐに交流を持つことができていた。放課後には、茶道部・華道部・書道部など
自ら積極的に体験参加し、積極的に日本文化に触れる機会をつくっていた。授業については、日
本語でふつうに行われる一般教科もどうにか理解しようと必死に聴き、パートナーの生徒や隣の
席の生徒もできるだけサポートしようと努めていた。しかし、初歩的な日本語しか通じない彼女
の語学力では、
気持ちだけではカバーできない部分もあり、
お互いに結構きつかったと思われる。
また選択科目の上級英語購読では、教師のアシスタント的な役割を果たし、授業に協力してくれ
た。
定期考査期間中は、出身地や自分の通っている高校に関するプレゼンテーションの準備を AFS
の両学生と共にさせた。本人の HR クラスの英語の授業でプレゼンをしたが、非常に好評だったの
で、本人達の快諾を得て、2 学年全クラスで計 6 回発表してもらった。2 人とも資料作りや時折日
本語も交えながらのデリバリーが本当にうまく感心した。
10 月 11 日∼15 日には 2 学年生徒とともに見学旅行に参加し、有意義な研修をしていた。旭川
に戻った五日後の早朝に帰国したので、見学旅行後は一日のみ登校し、みんなとお別れをした。
終わってみれば、あっという間の 2 ヶ月であった。
4
まとめ
留学生本人とパートナー生徒のみだけではなく、クラスメイトや同学年生徒にとっても貴重な
経験や良い刺激を得る機会だったと思う。ただもう少し日本語を使えることができれば、より多
くのことをより深く学ぶことができたのではないかと思う。私自身もこの事業に関わることで、
いい勉強をさせていただきました。
エドモントン市内の様子
ウエストエドモントンモール
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