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1 - 立命館大学
2015/5/1
専門文献購読 I
第4回:(Chapter3)伝統的メディア広告
2015.5.1
立命館大学映像学部
宿南達志郎
Text:Chapter3
Traditinal Media Advertising
(PP77‐111)
1
2015/5/1
(p77‐79)
• 配給会社は広告予算を使いすぎているのは
分かっているが、どこを切るべきかが分かっ
ていない。
• major studioの広告予算は、$30‐$50 million。
• そのうち半分は封切り直前の2週間と封切り
の週に投入される。
• 配給会社は映画館でのマーケティングより全
国的なものに投資する。
• 地上波でのTV広告は高いが、公開初週の観
客に到達する唯一の方法だ。
• 第3章で伝統的メディア、第4章でデジタルメディ
アと区分したが、境界線は不明確になりつつあ
る。
• バックヤードにいたmedia‐buying functionが高
騰するマーケティングコストとの戦争で最前線に
置かれ始めた。
• かつては、マスメディアから価格見積もりを取る
だけの機械的な仕事だったが、インターネットや
CATVの活用などのイノベーションに対応させら
れるようになった。
2
2015/5/1
Table 3.1 US movie-ad spending, 2010(07)
Media
Total
Spending($M)
Spending(%)
Network Television
1,279(1,170)
35.8(31)
Cable television
927(1,063)
25.9(28)
Spot Television
198(578)
5.5(16)
Syndicated Television
121(83)
3.4(2)
Spanish‐language TV
85
2.4
Local newspaper
(455)
National Newspaper
526(108)
Internet Display
143
4
Outdoor Billboards
134(94)
3.7(3)
Radio
103
2.9
Magazines
61
1.7
3575(3,734)
100
14.7(15)
Nielsen Monitor Plus ‘US movie‐advertisemnet spending by media 2007, Kantar Media 2010
• 映画業界の広告費($3.6B)は5番目に大きい。自動車、
薬、携帯、ファーストフードに次ぐ規模だ。
• その3/4はTV広告(地上波+CATV)だ。
• 広告価格は4年に一度のイベント(五輪、大統領選)で
大きく上昇するとともに毎年上昇する。
• 広告の弾幕で封切り時に観客を呼ぶのが最も確実だ。
• 配給業者は、的確なメッセージをタイミング良く観客に
届けているが、それは広告会社が観客の規模を推定
できているからだ。
• PublicityとPromotionは多くの観客に到達するのに時
間がかかりウェイトは低い。
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• 封切りから間髪を入れずに広告は販促の一撃
を行うことが必須。
• 配給業者は、他の映画との激しい競争に生き残
るために、aggressiveにマーケティング予算をつ
ぎ込まざるを得ない状況である。
– Hal Vogel ”Entertainment Industry Economics”(2011)
• 例外としては、’My Big Fat Greek Wedding’があ
る。$30Mのマーケティング予算で$241Mの興行
収入を上げた。
★Overview(p79‐83)
• MPAAの統計によると、2000‐2007の間に、マーケティ
ング費用は31%もアップした。1本平均$35.9M(2007)
• 広告費だけと誤解するむきも多いが、trailerの制作費
や調査経費なども含まれる。
• 従って、広告中心(trailerの制作費なし)の他の業界と
直接比較は困難だ。逆に、含まれていない費用として、
タイアップ企業の広告や販促費用がある。
• majorが出資しているindies(SearchlightやScreen Gemsなど)のマーケティング予算は$25.7Mである。
1999年の$6.5Mや2002年の$11.2Mと比べて、数倍以
上だ。
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2015/5/1
Spending on marketing(1983‐2007)
Table 3.2 US major‐studio spending on marketing, 83‐07
年
Prints
Table3.3 US major studio‐affiliated indies spending on marketing, 99‐07
Ads
Total
年
Prints
Ads
Total
1983 1.0
4.2
5.2
1999
0.8
5.7
6.5
2000 3.3
24.0
27.3
2001
1.2
8.3
9.5
2002 3.3
27.3
30.6
2003
1.8
12.8
14.6
2005 3.8
32.3
36.1
2005
1.8
13.3
15.1
35.9
2007
2007
25.7
• 一方、中小のindiesの予算は縮小気味である。
2001‐4頃は、$15 millionに達する映画もあっ
たが、最近ではせいぜい$10 millionである。
• これは、indiesの場合、広告効果がさほど大
きくないことが分かってきたからだ。
• 興行が長期化すれば、広告の主体は新聞や
Webとなる。
– 劇場名や上映時間のリストが必要だから。
5
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Ad agencies
2007
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
BBDO
DDB
Grey Advertising
Initiative Media
Mediaedge
MindShare
Palisades Media
PHD
RPA
StarCom
Universal
WPP Maxus
Zenith
2012
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
Carat
4D/Publicis
Initiative Media/Interpublic
Maxus
Mediaedge:CIA
Media Storm
Mindshare
MPG/Havas
Ominicom Media
Palisades Media
Universal/McCann
Zenith
• 配給会社は図3.1にあるメディア購買会社と契約
する。購買手続きが複雑なので専門家に任せる
のが良い。
• メディア購買会社は様々な顧客のために大量契
約するため、単価を安く抑えられる。
• メディア別に購買部門が分かれており、大手の
広告会社も彼らを活用している。
• 映画はほとんど新製品・新市場となるので、どの
メディアをいくらで契約するかが、メディア担当役
員の重要な仕事だ。
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• 映画業界ほど注文の多い業界はない。
– Roger Shaffner, Palisades Media Group, Santa Monica, CA
• 常に観客をtrackingし、男性がromantic comedy
に行くようになれば、すぐに男性向けの広告を
出さなければいけない。
• 映画のProducerが一定量の広告を配給業者に
要求したり、公開期間の短縮をできなくすること
もある。また、他社の映画の場合の広告費とも
比較する。
• 自分の好みのコンサルタントを使うケースも
多い。
• Spike Lee社はフランスのTF1社が広告やプロ
モーションを十分に行わなかったことを訴え
た。(2011)
– ‘Miracle at St. Anna’
• 国内配給のDisney社はこの訴訟には加わら
なかった。
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Crisis in Media Buying(p83)
network TVの視聴者は年々減っている。
30秒CMの価格は横ばいか上昇している。
CPM(Cost Per thousand)は増加した。
地上波視聴者の細分化により、specialized mediaに
宣伝する必要が出てきた。
• 依然としてTVが効果的なので、他の選択肢がない。
• メディアが細分化されるとターゲットが絞りやすく広告
費も節減できそうだが、必ずしもそうなっていない。
• 移民やその家族の増加などで人種の多様化が進み
更に映画観客の市場は細分化されている。
•
•
•
•
★Advertising aimed at Children
(pp83‐87)
• FTC’s 6th Report ’Marketing Violent Entertainment to Children’, 2009.
• Late‐night TV, Morning shows, sports番組ではR
指定の映画の広告をしても良い。
– 35%以下ルール(若すぎる視聴者比率)
• PG‐13の映画を13歳未満にも意図的に広告する
事例がなくなっていない。タイアップ広告の利用
もある。
– 特にNickelodeon, Cartoon Networkが問題。2‐11歳
が50%を超える。
– 小さな文字でRatingに関する言い訳を掲示している
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• 10代向けの出版物にR指定の広告はなかった。
• しかし、PG‐13の2作品が小さなこども向けの雑
誌(Scholastic, Nickelodeon Magazine, Time for Kids, National Geographic Kids, Disney Adventures)に広告を掲載していた。
• 2007年版の報告では、不適切な案件が発見さ
れたと記述。
• 但し、17‐18歳のボーダー世代に対しての広告
は問題視しないとした。
• FTC (Federal Trade Commission)が2000年に、
映画業界の広告が若者に対して不適切にな
されていると指摘した。
• そこで、MPAA (Motion Picture Association of America)は、業界で自主規律(voluntary code of conduct)を採択した。
• FTCは映画のみならず、ゲームや音楽も規制
の対象と考えている。
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• 2000年版の報告では、以下の指摘があった。
– 44のR指定の内28が17歳以下もターゲットに
– 別の7つの映画で若者が多いメディアを利用
• 議会・上院の公聴会で、ディズニーとWarnerの経営
者達は、35%ルールを守ると宣言した。
– 但し、PG‐13についてはこのルールの適用対象外である。
– 保護者同伴時にはその映画を見ることを許されるからだ。
• Universalの会長はR指定の広告を17歳未満に絶対見
せないことは困難とも述べている。
– 親がMonday Night Footballを見ていて、子供が一緒の場
合など。
一般。あらゆる年齢の人が観
覧できる
観覧には親の許可が必要(同
伴不要)
13才未満の者が単独観覧に
は不適切。
保護者の同伴が必要
16才以下の者の単独観覧に
は不適切。
保護者の同伴が必要
17才以下の観覧禁止
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• CARU(こども広告審査部門)
– Children’s Advertising Review Unit
• NAD(全国広告局)
– National Advertising Division, Council of Better Business Bureaus
• NARB(全国広告審査部門)
– National Advertising Review Bureau
• CARUの役割・業務フロー
– 12歳以下への不適切な広告を監視
• 映画のみならず、おもちゃや菓子も対象
– Inadvertent(故意でない):広告主に広告を取りやめ
再発防止を約束させる
– not inadvertent(故意である):MPAAに調査内容を送
付
• 【2010年版での報告事例(どちらもPG13)】
– Harry Potter and the Deathly Hallows, 2010(Warner Bros)…Nicktoonsでの午後8時の広告
– X‐Men Origins: Wolverine 2009(20c Fox)…Cartoon Networkで午後6時~6時半に広告
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・【2008年版での報告事例】
 ‘Incredible Hulk’(Universal)の宣伝が5:00~5:30に。
・・・Nickelodeonで’SpongeBob’の放送時間に
その他:Get Smart (Warner Bros)、Wild Hogs (Disney)、
Stomp the Yard (Sony)など
• CARUの審査結果の一覧
– Advertising Substantiated
– Advertising Referred to NARB
– Advertising Modified or Discontinued
– Advertising Substantiated/Modified or Discontinued
– Administrative Closing
– Advertising Referred to Government Agency
– No Substantiation Received or Compliance
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★Advertising Strategies(p87‐91)
• Frequency
– targetが何回その宣伝を目にする平均回数
– ダブルカウントやトリプルカウントもありえる
– 宣伝の深さ(depth)をはかったもの
• 小さな配給会社はniche filmsを一定のtarget
に集中的に宣伝するために、frequency重視
• Reach(Cume)
– targetの中で1度はどの宣伝を見る人の割合
– 何度同じ広告を見ても1人と数えられる
– 宣伝の幅(breadth)をはかったもの
• major studio はたくさんのmovie goersを引き付
けるため、reachを重視する。
• 一方、indiesはfrequencyを重視する。予算が少
ないためターゲットに集中することで観客にイン
パクトを与えたい。
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• CPM (Cost Per Thousand)
– TV CMは30秒で25万ドル
• 1250万人の視聴者がいると、CPMは$20
• Load…到達速度
– fast‐load media(TV, CATV, radio)
– slow‐load media(野外掲示板、Web Search)
– slow‐to‐moderate‐load(雑誌)
– moderate media(新聞)
• テレビへの費用割り当ては21.6%(全体は
$32.2M)(2007)
• スポットやローカルの広告が13.9%。
• メジャーのIndies子会社では、18.3%をネット
ワークテレビ広告に費やしている(全予算は
$15.7M)(2006年)。新聞が15.4%、スポットTV
が13.3%。
14
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• 広告予算を決める時、興行成績の予測や、
競争の厳しさを考慮する(表3‐6)。
• メディアプランは同様の客層をターゲットにし
ている他の映画キャンペーンへの対抗を重
視する。
• メジャーは6週間のtracking surveyに頼って
いる。
• marginal costとmarginal revenueを考える。映
画やDVDやVODの合計利益が広告による追
加コストを下回ったら、儲からないと判断する。
• NYとLAにはfilm communityがあるため、メディア購買
には力を入れる。メディアのウェイトは他の映画を参
考にしながら決める。Film communityへの浸透を狙う
ため、これらの地域では新聞広告の比率を高める。
• 広告効果は季節に影響される
– 寒い地域では、外出できない冬のTV視聴率が高く夏は低
い。
– 屋外広告が効果的なのは外出者が多い季節だ。
• 東部と西部の文化の違い影響する
– 屋外広告も西では道路の掲示、東では電車やバスの広
告
– 夏休みや祝日も観客動員に大きく影響する
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• TVの広告価格は需要によって変動する。空きの多いときは
discountし、少ないときはraiseする。
• タイミングが重要
– 金曜日に公開する映画が多いので、格安のCMスロットを探して
いる余裕はない
– 直前のCMがヒットするかどうかを決める
• プリントメディアはある程度柔軟
– 雑誌や新聞は広告の量に合わせて、ページ数の変更が可能だ。
– しかし、良い位置を確保するにはプレミアム料金を支払う
• 若者向け(コメディやアクション)は出足が重要(蘇生不能)
– 封切り後すぐ見るか、全く見ないかの両極端が多い。
– 大人向けの映画なら、やり方を変えれば観客を呼び戻せる。評
論家のレビューや口コミにも影響されやすい。
Table 3.5 Allocation of Ad Spend
(Major)
Network TV
Spot TV
Newspaper
Trailers
Other media
Non Media
Internet
2007
2003
1999
0
5
10
15
20
25
30
35
40
伝統的メディアの比率が減少(特に新聞)
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Allocation of Ad Spend
(Indies)【第二版には記載あり】
Network TV
Spot TV
Newspaper
Trailers
Other media
Non Media
Internet
2006
2002
1999
0
2
4
6
8
10
12
14
16
18
メディア費用が大幅に増加(2.7倍)
Table 3.6 Ad Spending and Box Office
Title
Ad Spend
Box Office
Distributor
Year
Avatar
48.4
◎750
Fox
2009
Passion of the Christ
24.6
370.3
Newmarket
2004
Shrek2
34.6
436.7
DreamWorks
2004
Spider‐Man 2
28.4
373.4
Sony
2004
Spider‐Man 3
41.7
336.5
Sony
2007
Pirates of Caribbean
32.5
305.4
Disney
2003
Shrek Forever
39.9
238.7
Paramount
2010
Day after Tomorrow
31.6
186.7
Fox
2004
50 First Dates
30.1
120.8
Sony
2004
Punisher
18.8
33.7
Lionsgate
2004
Cold Mountain
39.9
95.6
Miramax
2003
Mystic River
46.5
×90.1
Warners
2003
17
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Buying Mechanics(p91)
• メディアプランは、日ごとの広告費、週間広告費、
などに基づいて設計される。
• 更に、メディア別、放送局別などに分けられる。
• 費用だけでなく、視聴者の反応(impression)も
重要だ。但し、クロスメディアのimpression比較
はあまり意味がない。
• スポットCMは、特定のターゲット地域に広告し
た時に有効だ。(全国的広告の補完)
– 例:テキサスで大都市に広告(Dallas、Houstonなど)
★Television(p94‐101)
• テレビCMは音声と動画を見せられるのでフィルム・
メーカーに最も人気なメディアである。(しかしコストが
高い。)
– 地上波、シンジケーション、CATV、衛星、IPTVなど
• テレビを無視するわけにはいかない。
– 米国の平均視聴時間は8時間18分だから
• テレビメディアは視聴者の性別と年齢によってター
ゲットを絞って買う。狙い以外の層にも波及効果(spill over)は期待できる。
– 視聴世帯数は116Millionなので、1%は1.16Million
– この数値は、76.3M(1980)や100.8M(2000)から増加
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Table 3.7: Top 25 TV Markets in USA 2012
ランク
地域名
1
2
3
4
5
New York
Los Angeles
Chicago
Philadelphia
Dallas
6
SF
7
世帯数(万)
全米シェア(%)
738.8
557
349.3
299.3
257.1
6.44
4.86
3.05
2.61
2.24
250.7
2.19
Boston
238
2.08
8
Washington
236
2.06
9
Atlanta
229.3
2
10
Houston
218.5
1.91
Top10
Top25
All 210
3,374
5,611.6
11,465
29.44
48.95
100
• TV視聴者数は、2歳以上の2.95億人と考える。
• 例えば、200ポイントのメディアを購入すると、18
歳から34歳の女性が2回視聴していると期待さ
れる。
• 特定のdemographicをターゲットにする時には
CATVが良い。(地元チームの試合中継など)
• シンジケーション(CBS TVのEntertainment Tonightなど)は75‐99%の視聴者をカバーしてお
り、地上波ネットワーク系列の代替サービスだ。
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• 封切り前の木曜日の夜に地上波(ネットワーク
局)で広告を流すのが一般的だ。
• 木曜夜の人気番組としては、以下の3つがある
が、この時間帯の30秒CMは20万ドルである。
– CSI(CBS’s crime drama)
– Big Bang Theory(Comedy)
– Grey’s Anatomy(ABC’s hospital drama)
• かつてのNBC放映の高視聴率番組としては、
– Friends, Frasier, ER, Hill Street Bluesなどがある
• プライムタイムの平均は30秒で14万ドルである。
– 実際には10万ドルから50万ドルまで幅がある。
• 広告単価の指標として、CPM(1000人あたりコスト)が
用いられる。
– 18歳以上ならば$25、18‐49歳ならば$30‐40が平均である。
• DVRの普及も注目すべきである。CMスキップ機能が
付いているからだ。
– 2007年に19%だったが、2012年には39%となった。
– 視聴率に3日後の再生まで入っているのには映画業界は
納得していない。
• スポンサーは生番組にシフトしている。
– リアルタイム視聴の多い番組’American Idol’(Fox)枠では
30秒CMで60万ドルと高い水準を維持。
20
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• シンジケーションは単価が安いが視聴率が低い。
– Entertainment Tonightは30秒で9万ドル
– Access Hollywoodは2.9万ドル
– 最も広告単価を安くするには、シンジケーションとFox
やCWの組み合わせが良い。
• R指定の映画の広告をテレビに流すには深夜の
トークショなどが良い
– Jay Leno(NBC):3.5万ドル
– Saturday Night Live(NBC):7.1万ドル
– Jimmy Kimmel (ABC):1万ドル
• SuperBowl: 30秒CMが$3million以上と
高いが視聴者も9千万人と最高だ。
– 1991年以来130の映画CMが流れた
– ‘Independence Day(1996)’は最も成功した
例だ。
• Academy賞授賞式:1.6百万ドル(4千
万人)
• Olympic(NBC):60万ドル
• TV‐CMトップ10の上位3つがアニメ
– Tangled(塔の上のラプンツェル), – Toy Story 3, – How to Train Your Dragon(ヒックとドラゴ
ン)
• 地方局CMから全国CMへのシフト
21
2015/5/1
• CATV広告
– 単価は地上波の4分の3くらいだが、より多くの本
数を買わないと視聴者をカバーできない
– 地上波の時間枠は99%販売対象だが、CATVでは
5割程度に留まる。
– 男性を捉えるにはHistoryチャネルかESPNがある。
スポーツの方が単価は高いが視聴者数は多い。
• Upfront Market・・・事前販売
– 9月以降のピーク時を5‐6月に販売
• Scatter Market・・・残りの販売(断片的)
– 期日近くで買えるが、10‐25%高い
– 映画業界はスケジュール等がなかなか確定しないの
で、こちらを選択せざるを得ない
– 2007年のscatter marketは好調で、20‐40%増しに
なった。
• Opportunistic buying
– 売れ残った枠をディスカウントで買えることもある
– 例:MTVの’Skins’という番組のスポンサーが急遽降
板(2011)したが、その枠を映画業界が格安で買った。
22
2015/5/1
• Upfrontで買うメリットはguaranteesである。
– make‐good adsと言って、当初の契約目標に達し
なかった場合は、無料で追加のCM枠をもらえる。
– 但し、契約不履行かどうかは微妙なので、agency
の交渉力と法的知識が必要。
• CATV広告のメリット
– 視聴者層が明確である。(kids, sports, newsな
ど)
– 視聴比率の高いチャネルもある(ESPNは83%)
• しかし、Basicチャネルなどは5割ほどの場合もある
• Top20のチャネルが望ましい。
– Weather Channelでも観客はつかめる。
– Country Strong, Midnight in Paris, Moneyball, The SmurfsなどはこのチャネルにCMを流した。
• The SmurfはNBC Universal製作だが、他のチャ
ネル(Bravo, Oxygen, USA Networks, Syfy, E! Entertainment)も使った。スペイン語のチャネル
(Telemudo)も使われた。
• 独立系のcableチャネルの中には、50%のカバー
率しか持たないものもある。
23
2015/5/1
Radio(p101‐102) • 米国には13000の許可されたラジオ局がある。
• 3分の2は全国ネットの一部なので、全国向けの広告も地
方向けの広告も可能だ。
• ラジオ番組はアルバム中心の音楽番組からトークショーま
で様々で、聴取者ターゲットが絞れるメリットがある。聴取
のリピート率も高い。
• 広告の長さは15秒から60秒まで選択できるが、TVのCM
と同じ音声を流すのではダメだ。
• ラジオ広告の特徴は、DJ(Howard Sternなど)がCMを読む
こともある。
• 聴取のピーク時には、CMの割合が非常に高くなる(1時間
のうち15分~20分)。最近は、やり過ぎ(overload)しない
ように注意している局もある。
★Newspapers(p102‐105)
• 日刊紙は地方紙が多く、Directory Listing(上映
館と上映スケジュールの一覧)を載せるのに適
している。
– 全国紙は3紙(USA Today, Wall Street Journal, New York times)のみ。
• 新聞でのキャンペーンは日曜から始める。日曜
のエンタメ特集は充実しており、知的水準の高
い読者層が狙える。2週前から載せることもある。
• 38%が毎日新聞を読んでいるが、その比率は低
下中だ。無料の新聞(例:NYの’Metro’・・33万
部)も広告掲載のターゲットだ。
24
2015/5/1
• 配給会社から見ると、新聞はどの映画を見るかを決める
のにあまり影響を与えていない。
• 映画情報を新聞に載せた時までに、テレビなどで見る映
画が決まっている可能性がある。
• 新聞社の言い分は、映画の解説記事の隣に広告が載る
ので、影響力があるとのこと。
• 新聞協会の2010年の調査では、3分の2の映画鑑賞者は
新聞読者であり、72%の人がプリントまたはネットで新聞
を読んでいた。
• Chicago Sun‐Timesの広告担当幹部によれば、ピューリッ
ツァー賞受賞の評論家(Roger Ebert)と契約しているため、
広告の影響力は大きい。Paramountの’Knocked Up’という
映画では、全米では第2位の興行成績だったが、Chicago
では第1位だったとのことだ。
• 新聞広告を表と裏2ページにまたがって掲載する手法
もある。
• Fox/Waldenの‘Mr. Magorium’s Wonder Emporium’ のLos Angeles Timesへの広告では、臭い付きのインク
いう新技術を用いた。
• 配給会社だけでなく映画館も広告を出すことがあるが、
そういう例は減少している。
• LAとNYの新聞社では、は映画業界からの広告で10%
の収入を得ているが、2都市以外の新聞社はその半
分くらいの収入シェアである。
– そのため、L.A.TimesやEnvelope社は映画用に特別版を
用意したりしたこともある。
25
2015/5/1
• 映画業界のために様々な工夫が行われてきた
が、最近では特集などはWeb上に移行しつつあ
る。
• 広告単価は以下の通りだ。
• LA Times(80万部、日曜:1.2百万部)
– 平日:2.3‐4.5万ドル、日曜:4.7‐5.7万ドル
• NY Times(91.7万部、日曜:1.3百万部)
– 平日:10万ドル、日曜:12.7万ドル
• Chicago Sun‐Times(37万部)
– 平日:1.4万ドル、日曜:2.3万ドル
• ほとんどの映画広告は、Allied‐THA社(Bostonの
Allied社とCaliforniaのTHA社が合併)が扱う。
• 配給会社は映画タイトルごとに上映館をリストす
る広告を載せていたが、最近では地域の映画館
に任せようとしている。
• Allied‐THA社は、宣伝以外の広報や資料配布や
インタビューなどのサービスも提供している。
• 様々な日刊紙や週刊紙を組み合わせて市場を
カバーする。Wall Street Journalに「ナルニア国
物語」の4ページカラー広告が掲載されたことも
ある。
26
2015/5/1
• 新聞はテレビのように時間帯を
変えてこどもを避けることができ
ないため、問題が起きることもあ
る。
• ‘Warning Sex. Come Closer.
Enter.’というキャッチコピーおよび
全裸のポスターが問題しされ、写
真の掲載やコピーの掲載を拒否
した新聞があった。
←『Center of the World』
(邦題:赤い恋人)、2001
年
Magazine(p105‐106)
• 雑誌は出版頻度(週刊・月刊)、地域、読者層な
どによって分類される。
• 映画業界の雑誌広告は年間$6Mくらいで、全国
版が多い。
• 雑誌は、読者層が限定されているものが多いた
め効果的でありうる。
– ゲイ向けの雑誌でも4つあり、ペット誌なら何十もある。
• 雑誌の広告単価は販売部数(定期購読+スタン
ド売り)による。
27
2015/5/1
• 例えば、’People’なら、部数が3.45Mだが、4色刷
り1ページで28万ドルだ。また、アカデミー賞や
ゴールデングローブ賞などの特集記事も掲載が
ある。
• ‘Parade’という新聞を補完する雑誌なら、1ペー
ジ85万ドルだ。
• 雑誌は販売部数以上の読者へのリーチが可能
だ。1冊を複数の人が読む可能性があるからだ。
• 広告は主たる読者に向けて発信される。雑誌広
告のメリットは(雑誌社によれば)読者の集中力
が高いことだという。
★Out of Home Media(p106‐109)
• 屋外のプラットフォーム広
告は、ゆっくり効果が表
れる(slow‐load media)で
ある。
• これらは、同じ画像を見
せるアナログな広告から
異なる映像を見せるデジ
タルな広告まである。
• このような屋外画像は、
かつては動かない掲示で
あったが、いまは様々な
状態で見ることができる。
→building spectaculars
p108の図3.3参照
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2015/5/1
→bulletins 14 x 48 feet
→posters panels 12 x 25 feet, or 6 x 12 feet
→building sheds 工事現場の仕切り板など
→in‐store ads レジのテレビ画面
→mass transit バスや電車の車体、ベンチ、歩道など
→taxi tops タクシーの屋根
→exterior boards 船舶など
→interior boards 空港、モール、映画館など
→stadium signage スタジアム内外
→oddities/alternative 飛行機から
• 2011年にSonyは’The Smurfs’(CGと実写の
Hybrid)の広告のために、NY郊外のHampton, Long Islandなどで、飛行機を使った。
• 2011年の屋外広告ランキングで、Warnerが6
位、Sonyが14位、Paramountが21位だった。
ちなみに1位はMcDonald’s.
• 屋外広告は次の広告主が現れるまで長期に
掲示でき、DVDの販促にも効果的だ。
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• West Los Angelesの屋外広告は、映画業界向け
でもある。
• Hollywood‐Bevery Hills‐Santa Monicaがメイン
のエリアだ。
– LAの平均は月1‐5万ドルだ。
• 最近はDigitalの掲示板が人気で、LAだけで100
以上ある。
– メッセージを変更可能な所が良い。
• 2004年の’The Brown Bunny’で、Gallo監督と主
演女優(Chloe Sevigny)のスキャンダルが発覚し、
掲示が撤去されたケースがある。
History of Media Buying(p109‐111)
• かつては、新聞が有料広告メディアの雄だっ
た。
• 例えば、1922年のManhattanのCapitol Theaterは14紙に広告を出していた。
– World, American, Times, Journal of Commerce, Morning Telegraph, Herald, Evening Telegraph, Tribune, Globe, Daily Star, Women’s Wear Daily, Garment News, New York Review, and Hotel Reporter
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• 1950年代に、独立系の配給会社が公開した
都市ごとにスポットTVを打つことを試みた。
– ‘Hercules(1959)’を配給したAvco Embassy PicturesのJoseph E.Levineや’The Life and Times of Grizzly Adams(1977)’を配給したSunn Classic Picturesが良く知られている。
• しかしMajorは、主要な映画館から二番館へ
徐々に公開館をシフトする戦略であったため、
TV広告は効率的ではないと考えていた。
• 1960年代にはTVが映画の市場を侵すようになり、
Majorも独立系のTV広告戦略を採るようになっ
た。
• 1970年代後半には、Warner Bros.が’Superman’
の広告に$4.2M、Pacific Internationalが’The Late Great Planet Earth’ に$4.5Mを使った。
• それでも1980年代になるまでは、Majorは長期
的なTV広告を契約せず、公開直前の広告枠を
購入することを選択していた。
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2015/5/1
• Majorの戦略は、かつて独立系の配給会社が
行っていたのと同じように、TV広告と大規模公
開で市場をカバーするものになっているのは皮
肉な結末である。
• 一方独立系の配給会社は、Majorと同じ全国展
開戦略を余儀なくされているが、資金力でMajor
には勝てないという現実がある。
• 1989年には広告費の68%がprint media(新聞と
雑誌)に投入されていたが、今や10%未満になっ
ている。
今週のテーマ
• 主要な§のうち一つを選び400字程度でコメ
ントして下さい。
① Overview
② Advertising Aimed at Children
③ Advertising Strategies
④ Television
⑤ Newspapers
⑥ Out‐of‐Home
32
2015/5/1
Film Distributors
2007
•
•
•
•
•
MGM
Universal pictures
Warner Bros
Lionsgate
Paramount Pictures
•
•
•
•
•
•
•
Summit
Overture
MGM
Disney
Sony/Columbia
Miramax
Twentieth Century Fox
– (Dreamworks Animation)
2012
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
Relativity Media
Disney
Lionsgate, Roadside Attractions
Universal pictures
Paramount Pictures
Open Road Films
Summit
CBS Films
Warner Bros, New Line Cinema
Weinstein Company, Milennium Films, Oscilloscope Pictures, Anchor Bay Films
Sony/Columbia
Twentieth Century Fox
33
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