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計画書 - 稲敷市公式ホームページ

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計画書 - 稲敷市公式ホームページ
はじめに
平成 15 年 5 月に国の「健康増進法」が施行され,稲敷市においても,市民の健康
増進の総合的な推進を図るための基本的な事項を示した,
「稲敷市健康プラン」を平
成 20 年 3 月に策定し,
「すこやかに生涯を暮らせる稲敷市を目指して」を理念とし,
市民の健康づくりを推進してまいりました。
このたびは計画の中間年度として,また,近年の社会情勢の変化,ライフスタイ
ル,食生活等の変化により,健康づくりや疾病予防に対しての新たな対応が必要と
考えられることから,これまで実施されてきた施策について評価を行い,今後の取
り組みや方向性を検討いたしました。
稲敷市の地域性や現状に即した実効性の高い施策に,積極的に取り組んでいくこ
とや,新たに食育,健全な食習慣の指針となる「食育推進計画」を盛り込んだ「稲
敷市後期健康プラン」を策定いたしました。
この「稲敷市後期健康プラン」が,今まで以上に市民の皆様一人ひとりの自主的
な健康づくりの行動指針となり,市民の皆様が,すこやかに生涯を暮らせる稲敷市
を目指して参りたいと思います。
最後に,この計画の策定にあたりまして,健康プラン推進委員の皆様をはじめ,
ご意見,ご提言をいただいた市民の皆様や関係機関の方々に心より感謝申し上げ,
策定にあたりましてのご挨拶といたします。
平成 25 年 3 月
稲敷市長
田
口
久
克
■■稲敷市後期健康プラン(稲敷市健康増進計画・食育推進計画)目次■■
第 1 章 プランの考え方
1.プランの趣旨 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2
(1)プラン策定の背景 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2
(2)プラン策定の趣旨 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2
(3)プランの策定方針 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6
(4)プラン推進の基本方針 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6
2.市民の健康課題 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7
(1)人口・要介護者 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7
(2)疾病の現状 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10
(3)肥満の現状 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12
(4)市民の健康観 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13
(5)健康課題 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14
(6)前期健康プランの評価 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16
3.プランの理念・目標 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18
(1)プランの目指す理念 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18
(2)プランの基本目標 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 19
4.施策の展開の体系 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20
第2章 市民行動プラン
■テーマ別健康づくり■ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.健康管理 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2.栄養・食生活 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3.歯の健康 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4.身体活動・運動 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
5.休養・こころの健康 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
6.喫煙・飲酒・薬物乱用 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
■ライフステージ別健康づくり■ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.乳幼児期(0~5 歳) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2.学童期(6~12 歳) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3.思春期(13~19 歳) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4.成年期(20~39 歳) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
5.壮年期(40~64 歳) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
6.高齢期(65 歳以上) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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第3章 施策の展開
■基本目標1 健康づくり市民運動の促進■ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.健康習慣づくり ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2.歯の健康 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3.身体活動・運動 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4.休養・こころの健康 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
5.喫煙・飲酒・薬物乱用防止 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
■基本目標2 食生活の改善・食育の推進■(食育推進計画) ・・
1.食育を通じた食習慣と健康づくり ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2.食文化の継承と地産地消 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3.食の安全確保と食育を広める環境づくり ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
■基本目標3 保健・医療・子育て支援の充実■ ・・・・・・・・・・・・・・
1.保健事業等の充実 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2.安心できる医療の確保 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3.子育て支援事業の推進 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
■基本目標4 健康まちづくりの推進■ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.社会参加・生きがいづくり ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2.健康づくり推進基盤の整備 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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資料編
1.プラン策定の経緯 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 85
2.稲敷市健康プラン推進委員会設置要綱・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 86
3.稲敷市健康プラン推進委員名簿・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 87
第1章
プランの考え方
1.プランの趣旨
(1)プラン策定の背景
超高齢化社会,少子化社会の進展により,人口減少と人口構造の変化が同時に進行
しており,「健康寿命」を延ばすことが今日の重要な課題となっています。
このような状況から,平成 12 年3月に厚生労働省より「21 世紀における国民健
康づくり運動(健康日本 21)」が示され,「栄養」,「運動」,「休養」,「たばこ」,「ア
ルコール」,「歯の健康」,「糖尿病」,「循環器病」,「がん」の9つの分野について,達
成すべき目標を掲げ,すこやかで心豊かに生活できる活力ある社会の実現を目指して
きました。
平成 19 年4月には中間評価報告書が取りまとめられ,平成 22 年度から行われた
最終評価において,9 つの分野の指標 59 項目(再掲 21 項目を除く)の約 6 割で一
定の改善がみられたと報告されています。一方,日常生活における歩数の増加や糖尿
病合併症の減少など9項目は,悪化しているとの評価になっています。
また,現状を踏まえた今後の方向性については,日本の特徴を踏まえ 10 年後を見
据えた計画の策定や自治体等関係機関が自ら進行管理できる目標の設定など 5 つの視
点が次期国民健康づくり運動方針の検討において重要とされ,社会経済の変化への対
応や科学技術の進歩を踏まえた効果的なアプローチを次期運動の方向性とし,今後の
課題としては,休養・こころの健康づくりや将来的な生活習慣病発症の予防のための
取り組みなどを例として挙げています。
平成 19 年度に策定した「稲敷市健康プラン」の見直しにあたっては,これらの状
況に対応した計画づくりが必要となっています。
■健康増進法と食育基本法
健康づくりに係る取り組みを法的に後押しする形で,平成 15 年 5 月に,国民の健康の増進を総合的に推進
し国民保健の向上を目的とした「健康増進法」が施行されました。
また,平成 17 年には,国民が生涯にわたって健全な心身を培い,豊かな人間性をはぐくむための食育に関
する施策を総合的かつ計画的に推進し,現在及び将来にわたる健康で文化的な国民の生活と豊かで活力ある社
会の実現に寄与することを目的として「食育基本法」が制定されています。(平成 21 年改正)
(2)プラン策定の趣旨
①プランの目的
健康づくりにおいて最も大切なことは,市民一人ひとりが健康づくりを自らの課題
と認識し,自主的に健康づくりを実践することにあります。
本プランの目的は,このような市民行動が広がり,すべての市民が生涯を通じて健
康に暮らせる地域づくりを推進することです。
2
②プランの性格と位置づけ
プランは,健康増進法第 8 条に基づき,策定する行政計画です。同時に,市民の健
康増進に関わる実践を促進する必要があることから,市民の自主的な健康づくりの行
動指針(「市民の行動目的」)としての性格を持ちます。
また,プランの策定にあたって,平成 24 年度が最終年度となっている「21 世紀
における国民健康づくり運動(健康日本 21)」及び「健康いばらき 21 プラン」の最
終評価等を踏まえるとともに,
「稲敷市総合計画」をはじめ,その他の諸計画と整合性
を図ります。
なお,このプランの名称は,市民の行動指針としての性格を加味して「稲敷市後期
健康プラン」(「稲敷市健康増進計画・食育推進計画」)とします。
③プランの計画期間
プランの計画期間は,平成 20 年度から平成 29 年度までの 10 年間です。平成 20
年度から平成 24 年度までの前期健康プランの見直しにともない,平成 25 年度から
平成 29 年度を計画期間とする後期健康プランを策定します。
3
④プランの策定
《推進体制》
このプランは,学識経験者,保健・医療・福祉関係者,関連団体代表等で構成され
る「稲敷市健康プラン推進委員会」が策定します。
このほか,補助機関として,庁内関係各課代表による「稲敷市健康プランワーキン
グチーム」を設置します。
《市民参画》
後期健康プランの策定にあたり,市民参加を重視し,市民を対象に「稲敷市健康プ
ラン策定のための住民意識調査」を,就学前児童(保護者が回答),小学生(保護者が
回答),中学生を対象に「健康と生活についてのアンケート調査」を実施しました。
また,本市における食育の取り組み状況を把握するため,市内で食育に関する活動
を実践している団体・ボランティア等を対象にヒアリングを実施しました。
◆意識調査の概要◆
■調査の目的
後期健康プランの策定にあたり,あらゆるライフステージの稲敷市民の健康と生活
に対する意識を調査することで,稲敷市民の健康と生活の現状と課題を把握し,プラ
ン策定の基礎資料として活用することを目的として実施しました。
■「稲敷市健康プラン策定のための住民意識調査」の実施内容
調査対象:無作為に抽出した,市内在住の 16 歳以上の市民を 2,000 人
実施方法:郵送で配布・回収(無記名)
実施期間:平成 24 年6月1日(金)から6月 20 日(水)
回収結果:914 票回収 回収率 45.70%
設問項目:属性(性別・年齢・職業・家族構成)
健康状態について
食生活・歯の健康について
地域の健康学習や運動について
睡眠・ストレスについて
薬物・飲酒・喫煙について
地域・職場の健康対策について
自由回答
■「健康と生活についてのアンケート調査」の実施内容
調査対象:市内の保育園・幼稚園児及び小学 5 年生,市立中学 2 年生全員(但し,
中学生以外の回答は保護者が実施)
実施方法:各施設,学校にて配布・回収(無記名)
4
実施期間:平成 24 年 5 月 21 日(月)から 5 月 31 日(木)
回収結果:保育園・幼稚園児及び小学 5 年生
中学 2 年生
355 票回収
897 票回収
回収率 90.97%
回収率 96.73%
設問項目:属性(性別・年齢・保護者の仕事・家族構成)
食生活について
歯の健康について
運動について
日常生活について
たばこ・薬物について(中学生)
ストレスについて(保護者・中学生)
自由回答
◆ヒアリング調査の概要◆
■ 稲敷市健康プラン(食育推進計画)に係るヒアリング調査
稲敷市健康プランの改定にあたり,食育推進計画を盛り込むことから,本市市民の
食育の取り組みの現状を把握するため,市内で食生活改善活動など,食育活動を実践
している団体・ボランティア等を対象にヒアリングを実施しました。
実施日:平成 24 年 8 月8日(水)
対
象:稲敷市教育研究会学校健康教育部栄養士部会(午前)
稲敷市食生活改善推進員協議会(午後)
聞き取り項目:児童・生徒,市民の食生活や健康について
実施している食育事業・栄養指導,食育推進活動について
望ましい食習慣を形成するための有効な取り組みについて
地域の食文化の継承や地産地消について
食育を地域に拡げていくために必要な取り組みについて
5
(3)プランの策定方針
○国・県の上位計画,本市の関連計画との整合性を図ります。
○前期プランの達成状況を踏まえ,実現可能な目標を設定します。
○食生活の改善に資する食育の推進が重要視されていることを踏まえ,
「 食育推進計
画」を盛り込んだ計画とします。
○健康プランとしての性格を明確にするため,関連施策の位置づけについては,充
分な精査を行います。
○本市を取り巻く社会・経済状況等の課題を的確にとらえた計画を策定します。
(4)プラン推進の基本方針
①一次予防の重視
市民のすべてのライフステージで心身ともに病気にならない健康づくり(一次予防)
を重視します。
②健康づくり支援のための環境整備
市民の自主的な健康づくりを基本として,情報提供等の周辺環境の整備を行います。
③目標の設定・評価
プランの達成目標を設定し,事業の進捗状況の点検・評価を行います。
④関連団体等の連携
家庭や学校・職場・地域,市民団体や健康関連機関・事業者等の効果的な連携を推
進します。
6
2.市民の健康課題
(1)人口・要介護者
①人口
本市の人口は,平成 22 年の国勢調査では 4 万 6,846 人で,平成 12 年以降,一貫し
て減少傾向にあり,平成 12 年人口と比較すると 4,430 人(8.6%)減少しています。
また,人口3区分の構成比では,15 歳未満人口は 11.4%,15 歳から 64 歳人口
は 62.4%,65 歳以上人口は 26.2%(高齢化率)で,茨城県平均と比較しても少子
高齢化傾向が急速に進行していることが分かります。
( 茨城県 15 歳未満人口 13.5%,
15 歳から 64 歳人口 64.0%,65 歳以上人口 22.5%)
一方,平均寿命を見ると,男性は 77.9.歳,女性は 84.6 歳と伸長傾向にあります
が,茨城県や全国と比較すると1歳近く平均寿命が短いことが分かります。
■グラフ【稲敷市の人口の推移】(年齢区分)
資料:国勢調査
■表【稲敷市の人口・世帯】
区分
人口
65歳
以上
世帯
国勢調査(人)
平成17年
平成22年
49,689
46,846
平成12年~22年
構成比
茨城県
増減(人)
増減率
平成12年 平成17年 平成22年 平成22年(人) 構成比
-4,430
-8.6%
100.0%
100.0%
100.0%
2,956,404
100.0%
計
平成12年
51,276
15歳未満
15~64歳
7,770
33,060
6,482
31,711
5,352
29,234
-2,418
-3,826
-31.1%
-11.6%
15.2%
64.5%
13.0%
63.8%
11.4%
62.4%
399,638
1,891,701
13.5%
64.0%
65歳以上
65~74歳
10,446
6,200
11,496
5,940
12,260
5,834
1,814
-366
17.4%
-5.9%
20.4%
12.1%
23.1%
12.0%
26.2%
12.5%
665,065
350,091
22.5%
11.8%
75歳以上
世帯数
1世帯あたり人員
4,246
5,556
6,426
2,180
51.3%
14,423
3.56
15,043
3.30
14,809
3.17
386
-0.39
2.7%
-11.0%
資料:国勢調査
7
8.3%
-
11.2%
-
13.7%
-
314,974
1,088,411
2.73
10.7%
-
■表【平均寿命
区分
稲敷市
茨城県
稲敷市・茨城県・全国】
平成12年
76.3
77.2
男性(年)
平成17年
77.9
78.4
77.7
78.8
全国
1.6
1.1
平成12年
83.5
84.2
女性(年)
平成17年
84.6
85.3
1.1
84.6
85.8
延び
延び
1.1
1.1
1.1
資料:平成 17 年都道府県別生命表,市区町村別生命表(国勢調査年のみ実施)
②出生数・死亡数
本市の出生数は,平成 22 年では 247 人で,近年の平均値では 290 人,人口千人
対出生率平均値は 6.2‰となっています。竜ケ崎保健所管内の平均 7.9‰,茨城県平
均 8.4‰,国平均 8.6‰と比較して出生率が低く,近隣都市と比べて生まれてくる子
どもの数が少ないことが分かります。
また,本市の死亡数は,平成 22 年で 587 人,平均値は 570 人,人口千人対死亡
率の平均値は 12.2‰となっています。竜ケ崎保健所管内の平均 8.0‰,茨城県平均
9.3‰,国平均 9.0‰と比較して死亡率が高いことが分かります。
■表【出生数・出生率
区分
出生数(人)
稲敷市
稲敷市
竜ケ崎保健所
出生率
(人口千人対)
茨城県
国
稲敷市※
合計特殊
出生率
茨城県
国
稲敷市・茨城県・国】
平成18年
平成19年
平成20年
平成21年
平成22年
294
6.2
8.1
8.6
315
6.7
7.8
8.5
306
6.6
8.0
8.4
287
6.2
7.7
8.3
247
5.4
8.0
8.2
290
6.2
7.9
8.4
8.6
8.7
8.5
8.5
8.6
1.34
1.35
1.34
1.37
1.37
1.37
1.37
1.44
1.39
1.38
1.36
8.7
1.34
1.35
1.32
平均値
資料:人口動態総覧 茨城県保健福祉統計年報
※稲敷市の合計特殊出生率(ベイズ推定値)は平成 15 年~19 年
■表【死亡数
稲敷市・死亡率
区分
死亡数
(人)
15歳未満
15~64歳
65歳~74歳
75歳以上
計
乳児死亡数(再掲)
稲敷市
稲敷市・竜ヶ崎保健所・茨城県・国】
平成18年
5
83
平成19年
3
71
平成20年
1
77
平成21年
3
86
平成22年
1
92
平均値
94
381
95
373
100
391
87
414
98
396
95
391
563
1
542
2
569
-
590
2
587
1
570
2
3
82
11.8
11.5
12.2
12.8
12.7
12.2
竜ケ崎保健所
(人口千人対) 茨城県
国
7.8
8.9
8.6
7.7
9.0
8.8
8.1
9.4
9.1
8.2
9.5
9.1
8.2
9.8
9.5
8.0
9.3
9.0
稲敷市
乳児死亡率 竜ケ崎保健所
(人口千人対) 茨城県
3.4
1.9
2.6
6.3
3.9
3.2
0.9
2.5
7.0
2.6
2.2
4.0
3.1
2.5
5.2
2.5
2.6
2.6
2.6
2.6
2.4
2.3
2.5
死亡率
国
資料:人口動態総覧
茨城県保健福祉統計年報
8
③要介護認定者数
稲敷市で介護保険が適用される要介護認定者数は,平成 22 年は,1,570 人(第1
号被保険者)となっており,平成 18 年以降年々増加しています。
今後も増加していくことが見込まれ,
「 稲敷市高齢者福祉計画第5期介護保険事業計
画」によると,平成 26 年には 1,867 人まで増加することが予測されます。
■表【要介護認定者数
区分
認定者数(人)
稲敷市
高齢化率 茨城県
全国
稲敷市・高齢化率稲敷市
稲敷市・茨城県・全国】
平成18年 平成19年 平成20年 平成21年 平成22年 平成26年
1,377
1,459
1,529
1,521
1,570
1,867
23.4%
24.1%
24.6%
25.6%
25.6%
29.4%
20.0%
20.7%
21.4%
22.1%
22.5%
-
20.8%
21.5%
22.1%
22.7%
22.8%
-
資料:稲敷市高齢者福祉計画第5期介護保険事業計画 茨城県保健福祉部長寿福祉課 HP 高齢化
関連各種データ(茨城県常住人口調査結果 全国は総務省統計局人口推計値)
9
(2)疾病の現状
①市民の疾病の状況
住民意識調査で,
「現在,治療中または医師の指導や注意を受けている病気等」を聞
くと 37.0%は「特にない」ですが,6割以上は何らかの疾病を持っています。特に
「高血圧症」23.7%,
「腰痛・肩こり・神経痛」14.2%,
「アレルギー疾患」10.3%
が多くなっています。
前回調査では「特にない」が 35.9%,「高血圧症」23.0%,「腰痛・肩こり・神経
痛」18.2%,
「アレルギー疾患」10.7%となっており,以前と比べて疾病をもってい
る人の割合は減少しているものの,全体的な傾向は変わっていないことが分かります。
増加傾向にある疾病は「高血圧症」
「糖尿病」などですが,反対に「腰痛・肩こり・
神経痛」「虫歯」「腎・肝機能障害」は減少傾向にあることが分かります。
■グラフ【現在,治療中または医師の指導や注意を受けている病気等】
10
②特定健診の状況
特定健診における,結果の概要を見ると,40 歳~69 歳までは「異常認められず」
「要指導」は男性より女性の方が多く,「その他(精密検査等)」は男性が多くなって
います。70 歳~74 歳では「要指導」は女性が多く「要医療」は男性が多くなってお
り,「その他(精密検査等)」はほぼ同じ程度となっています。
特定健診においては,女性より男性の方がより早い段階で疾病が懸念される健診結
果が認められます。
■グラフ【特定健診の結果の概要】
資料:平成 23 年度特定健診受診結果(健康増進課)
11
(3)肥満の現状
①市民の肥満の現状
生活習慣病との関連が深いBMI(体格指数)※1 を住民意識調査の結果から算出す
ると,BMI25 以上(肥満)の割合は,市民全体では 22.2%となっています。
また,前回調査では 24.7%となっており,以前と比べて肥満度がわずかながら減
少していることが分かります。
■グラフ【稲敷市民のBMI(体格指数)の割合】
7.0%
0%
22.2%
67.3%
20%
40%
18.5未満
25.0以上
60%
3.5%
80%
100%
18.5以上~25.0未満
無回答・無効票
②子どもの肥満の現状
平成 18 年度~平成 23 年度の学校保健統計調査を見ると,
「肥満児」※ の割合は女
子より男子の方が多い傾向にあることが分かります。
平成 18 年度の「肥満児」の状況と平成 23 年度の状況を比較すると,小中学生と
も「肥満児」の割合が減少しており,改善傾向にあることが分かります。
男女別の傾向を見ると,男子では平成 18 年度は中学生に肥満児の割合が高かった
のに対し,平成 19 年度~平成 22 年度は小学生に肥満児の割合が高くなっています。
平成 23 年度ではほぼ同数でした。また,女子では一貫して中学生に「肥満児」の割
合が高くなっています。
■表【肥満度 20%以上の児童・生徒の割合の推移】
区分
小学生
中学生
全体
区分
小学生
中学生
全体
平成18年度
男
女
全体
15.5
12.0
13.8
17.4
14.5
16.0
16.2
12.9
14.6
平成21年度
男
女
全体
17.0
10.5
13.9
14.6
12.6
13.6
16.1
11.2
13.8
平成19年度
男
女
全体
18.6
12.2
15.4
15.0
14.7
14.9
17.2
13.1
15.2
平成22年度
男
女
全体
17.1
11.2
14.2
12.4
12.3
12.4
15.4
11.6
13.6
(単位:%)
平成20年度
男
女
全体
18.5
11.8
15.2
14.7
15.9
15.3
17.2
13.2
15.3
平成23年度
男
女
全体
15.0
10.7
12.9
15.8
13.5
14.7
15.3
11.7
13.6
資料:平成 18~23 年度学校保健統計調査
※1 BMI(体格指数)=体重(kg)÷([身長(m)]×[身長(m)])
18.5 未満:やせ,18.5~25 未満:標準,25~30 未満:肥満,30 以上:高度肥満
※2 肥満児:性別,年齢,身長別標準体重から肥満度を算出し,肥満度が 20%以上を肥満傾向児,
-20%以下を痩身傾向児という(学校保健統計調査)
12
(4)市民の健康観
住民意識調査の結果を見ると,
「健康だと思う」人は 28.9%,
「まあ健康だと思う」
人は 49.8%となっており,健康と感じている市民が多いことが分かります。
前回調査では「健康である」人は 30%,「まあ健康である」人は 54.9%となって
おり,以前に比べて健康と感じている人が減っています。
男女別では「健康だと思う」女性は 30.5%,男性は 27.4%と,女性の方がやや健
康と感じている割合が多く,年齢別では,年齢が若いほど「健康だと思う」人が多い
傾向にありますが,
「まあ健康だと思う」人は 50 歳代~60 歳代で多い傾向が見られ
ます。
■グラフ【現在,あなたは健康だと思うか】
28.9%
49.8%
14.4% 6.1%
0.8%
0%
20%
40%
健康だと思う
あまり健康でないと思う
無回答
60%
80%
100%
まあ健康だと思う
健康でないと思う
一方,心にゆとりのある生活を送っているかについては,
「まあゆとりがある」人が
最も多く 49.3%となっており,次いで「あまりゆとりがない」が 29.5%,「ゆとり
がある」は 12.1%となっています。
前回調査では「ゆとりがある」は 9.6%,
「まあゆとりがある」は 45.7%なってお
り,以前に比べてゆとりのある生活を送っていることが分かります。
男女別では大きな違いは見られず,年齢別では「ゆとりがある」では 20~24 歳,
70~74 歳での割合が高く,
「あまりゆとりがない」では 40~44 歳での割合が特に
高くなっています。
■グラフ【心にゆとりのある生活を送っているか】
12.1%
0%
49.3%
20%
40%
ゆとりがある
あまりゆとりがない
無回答
29.5%
60%
80%
7.8% 1.2%
100%
まあゆとりがある
ほとんどゆとりがない
13
(5)健康課題
①健康指標から見た健康課題(2005 年~2009 年)
平成 17 年から平成 21 年の間の統計資料から本市の健康課題を明らかにした健康
指標を見ると,全国の状況に比べて男女とも「急性心筋梗塞」と「脳血管疾患」の死
亡率が高く,より一層の高血圧対策,喫煙対策および男性の肥満対策が重要となって
います。
また,男女とも,
「胃がん」の死亡率が高く,がん検診の積極的な推進が必要と考え
られます。
■表【稲敷市死亡数及び標準化死亡比(2005 年~2009 年)】
肝及び肝 気管、気
結腸及び
心疾患
悪性 胃の悪性
内胆管の 管支及び 乳房の悪 子宮の悪
急性
脳血管
直腸の悪
糖尿病 (高血圧
新生物 新生物
悪性 肺の悪性 性新生物 性新生物
心筋梗塞 疾患
性新生物
性を除く)
新生物 新生物
死因
全死因
標準化死亡比
死亡数(A)
期待死亡数(B)
1.14
1,486
1,307.0
179.0
1.12
496
443.5
52.5
○
○
1.12
1,310
1,173.6
136.4
1.05
309
294.4
14.6
男 (A)-(B)
性
全国に比べて
有意に高い
全国に比べて
有意に低い
標準化死亡比
死亡数(A)
期待死亡数(B)
女 (A)-(B)
性
全国に比べて
有意に高い
全国に比べて
有意に低い
○
1.32
95
72.1
22.9
0.92
46
49.7
-3.7
○
1.50
58
38.8
19.2
1.41
69
49.0
20.0
1.12
117
104.3
12.7
2.23
36
16.1
19.9
○
1.04
44
42.5
1.5
1.20
30
25.0
5.0
0.94
175
185.9
-10.9
○
0.66
26
39.5
-13.5
0.60
14
23.4
-9.4
1.11
13
11.7
1.3
1.47
22
15.0
7.0
1.40
75
53.7
21.3
○
0.94
202
214.1
-12.1
○
1.38
64
46.5
17.5
○
○
1.28
174
135.8
38.2
くも膜下
脳内出血 脳梗塞
出血
1.46
17
11.6
5.4
1.24
50
40.3
9.7
○
1.20
183
152.8
30.2
1.32
106
80.4
25.6
1.23
24
19.6
4.4
1.33
45
33.8
11.2
1.18
112
9.2
16.8
○
資料:平成 24 年茨城県市町村別健康指標Ⅳ
②人口動態統計から見た健康課題
本市の死因別死亡数の順位をみると,第1位が「がん」,第2位が「肺炎」,第3位
が「心疾患」となっています。
竜ヶ崎保健所,茨城県の死因別死亡数と比較すると,「肺炎」の割合が高く,「脳血
管疾患」の割合が低い傾向にあることが分かります。
また,全国の最新の人口動態統計(平成 23 年)を見ると,
「肺炎」は昭和 50 年に
不慮の事故にかわって4位となり,平成 23 年には「脳血管疾患」にかわり3位とな
っています。全国的に高齢化が進む中,死因統計の上位に「肺炎」や「老衰」が占め
る割合が高くなっており,稲敷市は高齢化率が高いことから,この傾向が顕著になっ
ていると考えられます。
全国1位悪性新生物(が
ん),2位心疾患,第3位肺炎,第4位脳血管疾患)
これらの状況から,これまでの3大死因に「肺炎」を加えた4大死因を課題ととら
え,
「がん」
「心疾患」
「脳血管疾患」等生活習慣病対策を推進していくとともに,高齢
者の「肺炎」に対する知識の普及に努め早期治療に繋げるなど,稲敷市民が健康長寿
でいきいきと生活をおくれるよう,日頃からの健康づくり対策を推進していくことが
重要です。
14
0.80
18
22.4
-4.4
○
○
この傾向は今後も続くものと考えられます。
(平成 23 年
腎不全
0.85
23
27.1
-4.1
■表【死因別死亡数と割合(平成 22 年)】
区分
死亡数
(人)
割合
稲敷市
がん
糖尿病
心疾患
脳血管疾患
肺炎
老衰
不慮の事故
自殺
その他
合計
185
16
86
50
88
19
16
12
115
587
竜ケ崎保健所
1,032
50
476
313
347
121
119
95
739
3,292
茨城県
8,061
423
4,397
3,341
2,980
1,274
1,047
701
6,391
28,615
稲敷市
31.5%
2.7%
14.7%
8.5%
15.0%
3.2%
2.7%
2.0%
19.6%
竜ケ崎保健所
31.3%
1.5%
14.5%
9.5%
10.5%
3.7%
3.6%
2.9%
22.4%
100.0%
100.0%
茨城県
28.2%
1.5%
15.4%
11.7%
10.4%
4.5%
3.7%
2.4%
22.3%
100.0%
資料:平成 22 年茨城県保健福祉統計年報
■グラフ【主な死因別にみた死亡率の年次推移】
■グラフ【性・年齢階級別にみた主な死因の構成割合(平成 23 年)】
資料:平成 23 年人口動態統計月報年計(概数)の概況
■第1次予防
第 1 に市民自ら「健康を創る」意識を持
つこと,特に健康によい生活習慣をつくるこ
とを子どもから大人まで意識的に心がけるこ
とが大切です。これは病気の予防,要介護
の状態になることの予防(第 1 次予防)にも
なります。
■第2次予防
生活習慣病を構成する各種の疾病は,あまり自覚症状がなく,進行する特徴
があるため,特に早期発見・早期治療(第2次予防)が重要です。
これまで基本健診(平成 20 年から特定健診)・各種がん検診,乳幼児健
診,学校での児童生徒の健康診断などが行われてきましたが,未受診者の解消
を図るとともに,これらの健診後,精密検査を必要とする人や,指導・医療を必
要とする人への切れ目ない対応に万全を期すことが重要です。
15
(6)前期健康プランの評価
前期健康プランに位置づけられている施策・事業の担当課による達成状況および評
価の結果を以下に示します。
■達成度 0%~100%の範囲内
■評価
1 完了終了:平成 24 年度末に事業が終了するもの
2 完了継続:平成 24 年度末に予定された事業が完了し,かつ平成 25 年度以降も継続するもの
3 完了拡充:平成 24 年度末に予定された事業が完了し,かつ平成 25 年度以降はさらに拡充して実施すべきもの
4 未完了:着手しているが,施策・事業の進捗が予定より遅れているもの
5 未着手:実施すべき施策・事業であるが,実施に至っていないもの
6 再編・廃止・中止:時代潮流,財政状況,法律の改正,その他の理由により廃止・中止が望ましい施策・事業
前期健康プラン
基本目標 1.健康づくり市民運動の促進
施策の方向
1.健康管理
施策名
健康づくり推進事業
「早寝早起き朝ごはん」国民運動の推進
2.栄養・食生活
食育推進事業①
食育推進事業②
稲敷市食生活改善推進協議会の活動
学校給食事業
高齢者・生活支援サービス事業
3.歯の健康
乳幼児歯科検診事業
学校歯科保健事業
「6424・8020」運動①
「6424・8020」運動②
4.身体活動・運 「健康づくりのための運動指針 2006」の普及
動
健康づくり推進事業(再掲)
地域グループ活動の支援①
地域グループ活動の支援②
老人クラブの事業
スポーツフェスティバル事業
各種スポーツ教室事業
学校体育施設の開放事業
スポーツ少年団の育成
体育協会事業
生涯学習講座・公民館事業
子ども会育成事業
5.休養・こころ こころの病の啓発事業
の健康
こころのリハビリ
こころの健康相談
スクールカウンセラーの配置・活用
6.喫煙・飲酒・ 学校での喫煙・飲酒・薬物乱用防止教育・指
薬物乱用防止 導
公共施設等での禁煙の実施①
公共施設等での禁煙の実施②
禁煙支援事業
受動喫煙の防止キャンペーン
16
担当課
達成度
評価
健康増進課
教育委員会
指導室
健康増進課
教育委員会
指導室
健康増進課
給食センター
高齢福祉課
健康増進課
教育学務課
健康増進課
高齢福祉課
健康増進課
健康増進課
生涯学習課
健康増進課
高齢福祉課
生涯学習課
生涯学習課
生涯学習課
生涯学習課
生涯学習課
生涯学習課
生涯学習課
社会福祉課
社会福祉課
社会福祉課
教育委員会
指導室
教育委員会
指導室
教育学務課
総務課
健康増進課
健康増進課
100%
2
90%
2
100%
2
50%
4
80%
60%
100%
100%
90%
20%
70%
50%
100%
100%
20%
100%
100%
80%
100%
80%
100%
100%
100%
80%
80%
80%
2
3
2
2
2
1
2
2
2
2
2
2
2
3
3
3
2
3
3
2
2
2
80%
2
100%
2
100%
75%
20%
10%
2
3
1
4
基本目標1における各施策の達成度状況は,達成度の平均は 78.6%で,後期に継
続または拡充する施策は 31 施策中 29 施策あります。
前期健康プラン
施策の方向
基本目標 2.保健・医療の充実
施策名
1.保健事業等の 健康相談事業
充実
母子保健事業
疾病予防事業①
疾病予防事業②
各種保健事業
地域支援事業
要援護者支援対策
2.安心できる医 休日診療事業
療の確保
かかりつけ医師の普及
献血推進事業
医療福祉費助成事業
担当課
達成度
評価
保険課
健康増進課
保険課
保険課
健康増進課
高齢福祉課
高齢福祉課
健康増進課
健康増進課
健康増進課
保険課
80%
100%
100%
50%
90%
100%
100%
100%
0%
90%
100%
2
2
2
3
2
2
6
2
5
2
2
基本目標2における各施策の達成度状況は,達成度の平均は 82.7%で,後期に継
続または拡充する施策は 11 施策中9施策あります。
前期健康プラン
施策の方向
基本目標 3.健康まちづくりの推進
施策名
担当課
1.社会参加・生 高齢者の生きがいづくり事業
きがいづくり ボランティア活動の振興
健康優良世帯等表彰事業
2.住みよいまち ヘルスロードの整備
づくり
バリアフリーのまちづくり①
バリアフリーのまちづくり②
交通安全指導推進事業
環境保健の推進①
環境保健の推進②
環境保健の推進③
公害防止・自然環境の保全
3.健康づくり推 稲敷市健康増進計画の推進・見直し
進基盤の整備 マンパワーの育成・確保①
マンパワーの育成・確保②
生涯スポーツ施設の整備
情報提供体制の整備
高齢福祉課
社会福祉協議会
保険課
健康増進課
都市計画課
建設課
生活環境課
健康増進課
水道課
農政課
生活環境課
健康増進課
健康増進課
生涯学習課
生涯学習課
健康増進課
達成度
100%
30%
100%
20%
100%
10%
80%
10%
100%
70%
80%
100%
80%
100%
100%
90%
評価
2
4
2
4
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
基本目標3における各施策の達成度状況は,達成度の平均は 73.1%で,後期に継
続する施策は 16 施策で,すべての施策を継続し推進を図ることとします。
17
3.プランの理念・目標
(1)プランの目指す理念
~ すこやかに生涯を暮らせる
稲敷市を目指して ~
健康は,市民一人ひとりが自ら守り,創るものです。そのために,子ども,大人,
高齢者すべての市民が,日常生活の中に健康づくりを位置づけ,その人なりのすこや
かな生活習慣を確立するようにします。
地域社会は,こうした市民の健康づくりの活動を促進し,スポーツ施設の整備やマ
ンパワーの育成など健康資源の拡充と健康な環境づくりを推進します。
18
(2)プランの基本目標
プランの理念を実現するために,次の4つの基本目標を設定し,事業を推進します。
基本目標1
健康づくり市民運動の促進
職場や学校,家庭,地域において自主的に行われている市民の健康づくりの活動を,
病気の予防と生きがいづくりの両面から,健康づくり市民運動として促進します。
特に,子どもや若年世代のうちから,健康によい生活習慣(「すこやか生活習慣」)
をつくり,人生の早期のうちに生活習慣病の根源を絶つことを,市民運動の目標にし
ます。
基本目標2
食生活の改善・食育の推進
食生活スタイルの多様化による食習慣の乱れやそれに起因する肥満や生活習慣病の
増加等の問題に取り組み,子どもだけでなく,生涯にわたって食育を推進する「生涯
食育社会」の構築を目指します。
地域の伝統的な優れた食文化の継承と,市民に食の安全に関する情報を提供します。
基本目標3
保健・医療・子育て支援の充実
生活習慣病やその他の病気について「早期発見・早期治療」の視点をもとに,各種
健診業務の充実を図り,対象者の受診率向上と健診後のフォロー体制の確立を期しま
す。
病気や要介護の状態になっても安心してかかれる医療,介護体制の構築のために,
「介護保険事業計画」や「障害福祉計画」等を推進します。
安心して子育てができる環境を目指し,子育て支援の充実を図ります。
基本目標4
健康まちづくりの推進
健康増進に関わる各種の健康関連事業や事業推進基盤の充実を図り,市民満足度の
向上を目指します。
特に生活習慣病やこころの病,運動,肥満や食生活などの健康対策についての正し
い知識の普及,情報提供の充実を図ります。
19
4.施策の展開の体系
基本
目標
施策の方向
1.健康習慣づくり
2.歯の健康
1 健 康づく り市 民運 動 の促進
3.身体活動・運動
4.休養・こころの健康
5.喫煙・飲酒・薬物乱用
防止
2 食 生 活 の 改 善・食 育 の 推 進
1.食育を通じた食習慣と
健康づくり
2.食文化の継承と地産地
消
3.食の安全確保と食育を
広める環境づくり
施策の内容
①健康づくり推進事業
②「早寝早起き朝ごはん」国民運動の推進
③健康スマイル事業
④健康相談
⑤健康教育
⑥健康手帳交付
⑦健康優良世帯等表彰事業
⑧健康プラン啓発普及
①乳幼児歯科健診事業
②学校歯科保健事業
③「6424・8020」運動の推進
④介護予防のための口腔機能向上の推進
①「健康づくりのための運動指針 2006」の推進と活用
②健康づくり推進事業(再掲)
③ヘルスロードの活用促進
④老人クラブの事業
⑤シルバーリハビリ体操指導士活動の推進
⑥地域グループ活動の支援
⑦スポーツフェスティバル事業
⑧各種スポーツ教室事業
⑨学校体育施設の開放事業
⑩スポーツ少年団の育成
⑪体育協会事業
①こころの病の啓発事業
②こころの健康相談
③こころのリハビリ
④こころの体温計
⑤スクールカウンセラーの配置・活用
⑥休養やこころの健康,思春期保健の啓発
⑦妊産婦に対する健康支援事業
①受動喫煙の防止キャンペーン
②公共施設等での禁煙の実施
③適正飲酒量の普及・指導
④学校での喫煙・飲酒・薬物乱用防止教育・指導
⑤禁煙支援の推進
⑥相談・支援の実施
①食育推進事業
②稲敷市食生活改善推進員協議会の活動促進
③学校給食事業
④高齢者・生活支援サービス事業
⑤食事バランスガイドの活用と食育ガイドの普及促進
①食文化の継承(郷土料理)
②学校給食における地産地消の推進
③農業を活かした地産地消の推進
①食の安全確保
②食育に関するPR・啓発活動の推進
③食事バランスガイドの活用と食育ガイドの普及促進(再掲)
④地域における食育活動への支援
20
3 保健・医療・子育て支援の充実
基本
目標
施策の方向
1.保健事業等の充実
2.安心できる医療の確保
3.子育て支援事業の推進
くりの推進
4 健康まちづ
1.社会参加・生きがいづ
くり
2.健康づくり推進基盤の
整備
施策の内容
①母子保健事業の推進
②各種保健事業の推進
③健康相談事業
④疾病予防事業の充実
⑤介護予防事業
①かかりつけ医の普及促進
②休日診療事業の充実
③医療福祉費助成事業
④不妊治療助成・未熟児養育医療助成の推進
⑤疾病予防,予防接種助成の推進
⑥献血推進事業の推進
①保育サービスの充実
②地域子育て支援センター事業
①高齢者の生きがいづくり事業
②ボランティア活動の振興
①稲敷市健康増進計画の推進・見直し
②情報提供体制の整備
③マンパワーの育成・確保
④生涯スポーツ施設の整備
21
22
第2章
市民行動プラン
■テーマ別健康づくり■
■■■
テーマ別健康づくり
■■■
プランを推進するために,以下,6項目のテーマに区分した健康づくりの行動目標
を設定します。また,健康づくりの課題や目標はライフステージによって異なること
から,別項で6期に区分してライフステージ別目標を設定します。
テーマ別目標の達成状況を検討するため,
「取り組みの重点目標」については,プラ
ン最終年度の平成 29 年度を目標年度として数値目標を設定します。(「現状」の%値
は,特に断りのない限り市民アンケート結果によります。「国の目標」は「健康日本
21(第 2 次)」に同じ項目がある場合に掲示し,目標は平成 34 年度となっています。)
〈テーマ別健康づくりの目標〉
テーマ
テーマ別の目標
自分の健康状態を知
健康管理
り,すこやか習慣づく
りをすすめましょう
栄養
・
食生活
内
容
健康づくりにあたり,最も基礎となる市民の健康
意識の向上・維持のために,健康診査・がん検診
の受診率の向上,健康の自己チェック(体重・血
圧・歩数)と適正体重の周知を目指します。
バランスのとれた食事
すべての世代での食生活の改善や食育を推進す
をとり,健康な食習慣
ることにより,栄養バランスのとれた食生活と健
をつくりましょう
康な食習慣の確立を目指します。
「食生活」の土台となる歯の健康づくりを,乳幼
歯の健康
一生自分の歯でおいし
く食べましょう
児期から推進し,「食べる」楽しみを生涯続けら
れるように「8020」(80 歳で自分の歯を 20
本以上保持)を目標に,歯磨き習慣の定着を目指
します。
身体活動
・
運動
休養
・
こころの
健康
喫煙・
飲酒・
薬物乱用
運動習慣を身につけま
しょう
肥満解消や筋力・運動器の健康維持のために,各
世代の体力に応じた適切な「身体活動・運動」を
日常生活で習慣にすることを目指します。
いきいきとその人らしい生活を送るために,適切
こころ豊かに暮らしま
な休養とこころの健康を保てるよう,ひとりで悩
しょう
みを抱え込まず相談相手を見つけたり,それぞれ
にあったストレス解消法の確立を目指します。
たばこと薬物乱用はや
薬物やたばこの害についてよく理解し,適度な飲
めて,アルコールと上
酒量を守り,健康な生活習慣の確立を目指しま
手につきあいましょう
す。
24
■テーマ別健康づくり■
1.健康管理
■目標:自分の健康状態を知り,すこやか習慣づくりをすすめましょう
■現状と課題■
グラフ:健康についての意識
(男性)
健康だと思う
まあ健康だと思う
12.7%
57.0%
19.0%
60~69歳
7.0%
16.0%
56.1%
12.3%
6.8%
0.0%
3.8%
1.3%
20.5%
50.6%
31.6%
50~59歳
2.8%
0.0%
13.9%
45.5%
27.3%
40~49歳
4.8%
0.0%
14.6% 0.0%
50.0%
33.3%
30~39歳
5.5%
0.8%
9.5%
36.6%
48.8%
20~29歳
無回答
15.5%
42.9%
42.9%
16~19歳
健康ではないと思う
50.8%
27.4%
合計
70歳以上
あまり健康ではないと思う
1.0%
10.5% 1.8%
19.3%
(女性)
健康だと思う
まあ健康だと思う
30.5%
合計
21.1%
50.0%
50~59歳
20.2%
60~69歳
19.4%
23.5%
49.5%
64.0%
54.5%
45.7%
5.3% 0.0%
10.5%
37.0%
30.1%
6.3%
0.2%
0.0%
2.6%
0.0%
9.3% 0.0%
0.0%
6.5%
14.0%
0.0%
5.6%
10.1%
0.0%
36.8%
53.7%
30~39歳
無回答
14.1%
73.7%
20~29歳
70歳以上
健康ではないと思う
49.0%
16~19歳
40~49歳
あまり健康ではないと思う
18.7%
17.3%
6.7%
0.7%
13.6% 0.0%
○健康についての意識○
主観的な「健康度」(「健康だと思う」と「まあ健康だと思う」の合計)は,男性で
78.2%,女性で 79.5%です。男女とも全年代で「健康度」の向上・維持が課題です。
○疾病の現状○
一方,現在治療中または医師の指導や注意を受けている疾病を持っている人は,男
性 60.8%,女性 64.5%で,年齢が上がるに従い,疾病を持つ人の割合が増加傾向に
あります。
疾病については高血圧症,脂質異常症(高脂血症)は 30 歳代,糖尿病は 20 歳代
25
■テーマ別健康づくり■
の比較的若年世代からも挙がっており,生活習慣病対策の早期開始が重要です。また,
若年世代ではアレルギー疾患が多く,高齢世代では心臓病や白内障等の眼科疾病が多
くなっています。
○健康診断の受診状況○
健康診断や人間ドックの結果,
「要指導・要医療」とされる人は,男女ともほぼ4割
となっていますが,50~74 歳ではほぼ5~6割と増加しています。「要指導・要医
療」となった人の 3 割は医師の指導や精密検査は受けておらず,健康診断自体を受け
ていない人も 3 割おり,受けなかった主な理由としては,「いつでも医療機関で診て
もらえる」,「時間がとれなかった」が多く,年代を問わず健診受診率の向上,健診後
のフォロー体制を充実することが課題です。
○血圧の自己管理○
血圧については自分のおおよその血圧を知っている人は 8 割を超えているものの,
定期的な測定を行っている人は 3 割には届かず,日常的な血圧管理のために,「家庭
血圧計」の使用を向上させることや血圧測定の場を増やすことなどが必要です。
○適正体重の認識○
自分の適正体重を認識し,体重管理をしている市民は,「毎日実践している」人と
「時々実践している」人を合わせると4割で,
「ほとんど実践していない」人と「実践
していない」人を合わせた4割と同程度の割合となっています。女性では,ダイエッ
トを行ったことがある人が4割近くとなっており,
「本やテレビ,DVD を参考に自分
で実践」した人が大変多くなっています。20 歳代女性のやせの人は 26.3%で 4 人
に 1 人となっており,肥満に敏感になりすぎて,過度な減量をしていることが懸念さ
れます。すべての年代の市民が,自分の適正体重を認識し,適切な体重管理をするこ
とが重要です。
■取り組みの重点目標■
(1)子どもの生活リズム・基本的な生活習慣を確立しましょう
生涯を健康ですごすための最も重要な基礎として,子どものうちに,食事や運動,
睡眠,排泄,着替えなど基本的な生活習慣・清潔習慣を身につけます。
子どもには,年齢に対応して保護者が見守り,適確な助言や指導を行います。
前期プラン調査時から見ると,現状値は中学生では上がっていますが,乳幼児と
小学生では横ばいで,目標に向けて一層の啓発を行います。
前回調査
現状値
市の目標
平成 18 年
平成 24 年
平成 29 年度
乳幼児
87.3%
87.8%
95%
小学生
83.0%
83.0%
95%
中学生
54.1%
58.3%
70%
目標項目
区分
食事や睡眠,運動などリズムのあ
る規則的な子どもの生活を確立
しましょう
(注)現状値はアンケートの「規則的である」と「どちらかといえば規則的」の合計
26
■テーマ別健康づくり■
(2)学校・職場・地域で,年 1 回は健康診査を受診しましょう
よりよい健康状態を保つとともに,疾病の早期発見,早期治療のために,学校・
職場・地域で定期的な健康診査を,年に1回は受診します。
受診後,精密検査や医師等の指導・医療を必要とする人は速やかに受けるように
します。
また,がんの早期発見のためには,定期的ながん検診の受診が重要であるため,
受診率の向上を目指します。
前期プラン調査時から見ると,現状値は 16 歳以上の女性はやや上がっています
が,16 歳以上の男性,主婦・家事従事者では下がっていることから,定期的な受
診を目指します。
目標項目
健康診査の受診者を
増やしましょう
前回調査
現状値
市の目標
平成 18 年
平成 24 年
平成 29 年度
16 歳以上の男性
72.9%
69.7%
16 歳以上の女性
63.6%
64.1%
内主婦・
家事従事者等
53.6%
50.4%
区分
現状値の
10%増
現状値の
10%増
現状値の
10%増
(注)現状値はアンケートでこの 1 年間に受診したという人の割合
目標項目
区分
40 歳以上
の男性
40 歳以上
がん検診の受診者を増
やしましょう
の女性
30 歳以上
の女性
20 歳以上
の女性
現状値
市の目標
国の目標
平成 24 年
平成 29 年度
平成 28 年度
胃がん
23.9%
肺がん
13.9%
大腸がん
25.7%
胃がん
25.9%
肺がん
14.1%
大腸がん
27.5%
乳がん
27.8%
子宮がん
33.5%
現状値の
5%増
当面 40%
現状値の
5%増
現状値の
5%増
現状値の
5%増
(注)現状値はアンケートでこの 1 年間に受診したという人の割合。国の目標は平成 28 年度
27
50%
■テーマ別健康づくり■
(3)体重・血圧・歩数の自己チェックに取り組みましょう
自分の心身の健康状態について関心を持つことは,健康づくりの基本です。
まず,①体格指数(BMI),②血圧,③歩数の 3 つの目標で健康自己チェック運
動に取り組みます。
〈自己チェック〉
①体重と身長から,自分の BMI を算出しましょう
*BMI(体格指数)=体重(kg)÷([身長(m)]×[身長(m)])
判定
18.5 未満
やせ
18.5~25 未満
標準
25~30 未満
肥満
30 以上
高度肥満
体格指数(BMI)については,前期プラン調査時から見ると,20~60 歳代男性
肥満者は減少しており,40~60 歳代女性肥満者では当初の市の目標値(20%以
下)より減少しています。引き続き,体格指数(BMI)の算出方法を広め,適正体
重の周知を図ります。
目標項目
区分
20~60 歳代
BMI が「25 以上」の
人(肥満者)を減ら
しましょう
男性肥満者
40~60 歳代
女性肥満者
前回調査
現状値
平成 18 年
平成 24 年
31.0%
27.3%
25.4%
19.3%
市の目標
国の目標
平成 29 年度 平成 34 年度
20%
以下
15%
以下
28%
19%
(注)現状値は市民アンケート結果より算出
②40 歳以上の人は,定期的に血圧を測定しましょう
定期的な血圧測定については,前期プラン調査時から見ると,現状値は男性では,
40 歳代で減少しているものの,50 歳代,60 歳代では増加していますが,女性で
は,40 歳代~60 歳代まで減少しています。男性はこのまま増加していくように,
女性はもっと定期的な血圧測定の必要性に関心を持ってもらう啓発をします。
男性
目標項目
区分
前回調査
現状値
女性
市の目標
前回調査
現状値
市の目標
平成 18 年 平成 24 年 平成 29 年度 平成 18 年 平成 24 年 平成 29 年度
定期的に血圧
測 定 をする人 を
増やしましょう
40 歳代
20.6%
18.2%
増加
11.8%
9.7%
増加
50 歳代
24.6%
30.4%
増加
23.6%
21.3%
増加
60 歳代
33.8%
41.0%
増加
35.7%
35.1%
増加
(注)現状値は「毎日測定」と「毎日ではないが定期的に測定」の合計
28
■テーマ別健康づくり■
③毎日,それぞれの年齢・性別で目標を決めて歩きましょう
まず,自分の 1 日の歩数を測るところから始めましょう。最近は歩数計や活動量
計,歩数計機能が付いた携帯電話が普及しており,歩数を計測することが容易にな
っています。自分の日常の歩数を知り,目標に向かって徐々に歩数を増やしていき
ましょう。余暇時間の少ない働き盛りの世代でも,日常生活の中で少し気をつける
ことで歩数の増加を目指します。
目標項目
日常生活での歩数
の増加を目指しまし
ょう
市の目標
国の目標
平成 29 年度
平成 34 年度
20~64 歳の男性
9,000 歩
9,000 歩
20~64 歳の女性
8,500 歩
8,500 歩
65 歳以上の男性
7,000 歩
7,000 歩
65 歳以上の女性
6,000 歩
6,000 歩
区分
(4)自分の適正体重を知りましょう
自分の体格指数(BMI)を算出し,標準体重を把握しましょう。必要以上のダイ
エットは,身体の不調や体力の低下を招くことになり,思わぬ病気にかかる原因や,
若い女性では将来の妊娠・出産に悪影響を及ぼすことにもなります。また,高齢者
では,やせ・低栄養が要介護および総死亡のリスク要因として重要であり,BMI が
20 以下が低栄養傾向の基準としての目安と考えられています。
子どもの肥満は,将来の肥満や生活習慣病に結びつきやすいとも言われています。
成長過程にある子どもは,大人の体格指数とは異なった算出方法があり,学校保健
統計調査では,性別・年齢別・身長別標準体重をもとに肥満度を計算しています。
前期プラン調査時から見ると,20 歳代女性のやせの人はさらに増加しています。
肥満に関しては気にしている人が多いようですが,
「やせ」に関しては正しい情報が
周知されていないことから,適正体重の周知に努めます。
子どもの肥満では,国の現状値の小学 5 年生男子の 4.60%,女子の 3.39%と
比べ,女子はわずかに高くなっていますが,男子は 16.0%と大変高くなっていま
す。
目標項目
区分
BMI が「18.5 未満」
の人(やせ)を減らし
ましょう
20 歳代女性の
やせの人
前回調査
平成 18 年
18.4%
(注)現状値は市民アンケート結果より算出
29
現状値
市の目標
国の目標
平成 24 年 平成 29 年度 平成 34 年度
26.3%
20%
20%
以下
以下
■テーマ別健康づくり■
現状値
目標項目
区分
BMI が「20.0 以下」の人を減
らしましょう
70 歳以上の市民
市の目標
国の目標
平成 24 年 平成 29 年度 平成 34 年度
13.8%
10%
22%
(注)現状値は市民アンケート結果より算出
目標項目
区分
小学5年生男子
肥満傾向にある
子どもを減らしま
しょう
中~高等度肥満傾向児
小学5年生女子
中~高等度肥満傾向児
前回調査
平成 18 年
10.3%
現状値
市の目標
国の目標
平成 24 年 平成 29 年度 平成 34 年度
16.0%
減少
減少
7.7%
4.4%
減少
(注)現状値・前回調査とも各年度の学校保健統計調査から,肥満度 30%以上 50%未満の中等度肥満傾向児
と肥満度 50%以上の高等度肥満傾向児の合計の割合。国の平成 23 年現状値は,男子 4.60%,女子
3.39%
30
■テーマ別健康づくり■
2.栄養・食生活
■目標:バランスのとれた食事をとり,健康な食習慣をつくりましょう
■現状と課題■
グラフ:食生活についての自己評価
大変よい
乳幼児
7.8%
小学5年生
9.2%
中学2年生
8.7%
16~19歳
7.5%
よい
40~49歳 1.0%
50~59歳 2.6%
60~69歳 2.2%
問題が多い
51.0%
50.3%
61.7%
37.8%
2.7%
0.8%
37.4%
2.6%
0.6%
17.5%
43.9%
40.1%
42.0%
42.6%
2.5%
11.3%
1.1%
47.6%
7.7% 1.0%
8.1%
38.3%
52.0%
10.0%
8.1% 1.1%
45.7%
42.1%
3.4%
0.8%
46.5%
49.6%
37.8%
70歳以上0.7%
無回答
25.4%
62.5%
20~29歳 3.6%
30~39歳 2.3%
少し問題がある
1.8%
9.2% 0.8%
7.1% 1.9%
○食生活についての自己評価○
自分の食生活の「良好度」(「大変よい」と「よい」の合計)は,20 歳代から 60
歳代でやや少なく,
「問題がある」
(「少し問題がある」と「問題が多い」の合計)は過
半数を占めています。食生活の「良好度」の向上は,乳幼児から高齢者まで全年代で
の課題です。
○食生活の問題点○
食生活上の問題点として,子どもでは「好き嫌いが多い」が最も多く,次いで「間
食が多い」が多くなっており,偏食と間食により食生活に問題が生じていることが考
えられます。また,中学生では「食事時間が不規則」も多く,多忙な日常生活から食
事がおろそかになっていることが懸念されます。16 歳以上の市民では,6 割近くの
人が食生活を「改善したい」と考えており,「どのように改善したいか」では,「バラ
ンスの良い食事」が最も多くなっています。栄養バランスのとれた食生活ができるよ
うになることが全年代での課題です。
○健康や栄養に関する情報○
地域の健康や栄養に関する学習会や活動に「参加したことがある」人は 1 割ほどし
かいませんが,
「内容や場所・時期によっては参加したい」人は 5 割を超えています。
また,食生活の情報では,
「食品売場でのヘルシー調理方法の紹介」や「食品売場で
31
■テーマ別健康づくり■
の栄養素表示」を望む声が多く,その情報はスーパーマーケットやレストランなど食
を取り扱っている場所で得たいと思っている人が多くなっています。
○食生活の改善○
多くの市民が「バランスの良い食事」になるよう食生活を改善したいと考えており,
食材を購入する際に,栄養素表示やヘルシーな調理方法を知りたいと望んでいること
から,家庭での食事や学校教育における給食等による「食育」の展開が重要です。
■取り組みの重点目標■
(1)朝食欠食をなくし規則的な食習慣を形成しましょう
朝食を食べない人や過度にサプリメントに依存する人,食を中心にした家族団ら
んの喪失など,食をめぐる社会環境は大きく変化しており,健康への影響が懸念さ
れます。朝食を抜くと,集中力が下がる,偏食になる,昼食を食べ過ぎてしまうな
どの弊害が出てくることがあります。
適正で必要な栄養の摂取や規則的な食生活,とりわけ朝食を毎日食べる食習慣を
形成します。
前期プラン調査時から見ると,現状値は,乳幼児,小学生,中学生では大きく減
少し,当初の市の目標値(乳幼児 5%,小学生5%,中学生 10%)を達成してい
ます。しかし,20 歳代男性,30 歳代男性では増加しています。乳幼児,小学生,
中学生は現状の維持を目指し,市民については朝食の重要性についての周知をしま
す。
前回調査
現状値
市の目標
平成 18 年
平成 24 年
平成 29 年度
乳幼児
8.4%
1.5%
減少
小学生
7.0%
0.6%
減少
中学生
20.2%
3.9%
減少
20 歳代男性
20.5%
26.8%
10%
30 歳代男性
15.8%
19.4%
10%
目標項目
区分
朝 食 を食 べない人 を
減らしましょう
(注)現状値は朝食を「ほとんど食べない」割合
(2)地域ぐるみの食育活動を推進しましょう
朝食欠食をなくし,定期的に 3 度の食事を取ることや楽しみながら食事をするこ
となど,健康的な食習慣を形成するための「食育」活動を,保護者・家庭を含めて,
地域ぐるみで推進します。
食事の際には,意識してよく噛んで食べる習慣をつけます。家族で食事を取るこ
とで,お互いの健康状態を把握し,栄養バランスのよい食生活を身につけることに
つなげていきます。
前期プラン調査時から見ると,現状値は,中学生では大きく増加し市の目標に近
32
■テーマ別健康づくり■
くなっていますが,乳幼児,小学生ではわずかに減少しています。また,16 歳以
上の市民でわずかに増加しています。すべての市民が,食事を楽しくゆっくりとる
ことを働きかけます。
生涯にわたって健全な心身を培うためには,「食」は重要な要素です。
家族で食卓を囲んでコミュニケーションを図りながら楽しく食事をすることは,
食事のマナーや挨拶習慣を身につけ,食材の知識や料理について学ぶことができる
「食育」の原点です。
子どもについては,小さい時に覚えた味は生涯引き継ぐことから,濃い味つけを
控え,味覚の幅を広げるとともに,子どもの頃から「食」に興味を持たせ,好き嫌
いが少なくなるよう促します。
成人については,朝食を抜いたり食事が不規則になりがちで,肥満や生活習慣病
へと移行していくことが懸念されることから,栄養バランスや食習慣の乱れを改善
していきます。
高齢者については,食事の量が減り,低栄養に陥ることが心配されることから,
家族や地域での見守りを働きかけます。
目標項目
食事は楽しくゆっくりとる
ように心がけましょう
前回調査
現状値
市の目標
平成 18 年
平成 24 年
平成 29 年度
乳幼児
98.6%
96.2%
増加
小学生
96.0%
94.8%
増加
中学生
68.1%
78.3%
80%
16 歳以上の市民
80.6%
81.8%
90%
区分
(注)現状値は「心がけている」と「少し心がけている」の合計
33
■テーマ別健康づくり■
(3)塩分控えめ,適正カロリーと栄養バランスのある食生活を確立しましょう
塩分控えめ,カルシウムを適量とることなど生活習慣病予防のため,適正なカロ
リーを摂取し,総合的に栄養バランスのとれた食事をとるような食生活を確立しま
す。
「食事バランスガイド」は,食事の基本を身につけるための望ましい食事のとり
方やおおよその量をわかりやすく示しています。
まず,
「食生活チェックブック」を活用して,自分の毎日の食事をチェックしてみ
ます。
「 チェックブック」は次の農林水産省ホームページからダウンロードできます。
http://www.maff.go.jp/j/balance_guide/b_about/index.html
前期プラン調査時から見ると,現状値は,乳幼児,小学生,中学生,20 歳以上
の市民のいずれも減少しています。栄養のバランスのとれた食事をとれるように,
すべての市民に「食育」を進めます。
また,主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を 1 日 2 回食べているかについては,
国の現状値の 68.1%と比較して,上回っているのは小学生だけで,中学生以上で
は 5 割にも達していないことから,食生活の改善を促します。
目標項目
栄養バランスのとれた食
事をとるようにしましょう
前回調査
現状値
市の目標
平成 18 年
平成 24 年
平成 29 年度
乳幼児
76.3%
71.1%
80%
小学生
78.9%
73.0%
80%
中学生
33.9%
31.0%
50%
20 歳以上の市民
55.7%
49.5%
80%
現状値
市の目標
国の目標
平成 24 年
平成 29 年度
平成 34 年度
乳幼児
63.5%
80%
小学生
69.3%
80%
中学生
48.5%
80%
16 歳以上の市民
49.6%
80%
区分
(注)現状値は 8 項目の選択肢から「心がけている」ものとして選択
目標項目
主食・主菜・副菜を組み
合わせた食事を 1 日 2 回
以上食べましょう
区分
80%
(注)現状値は「1 日 2 回以上」の割合。国の目標は 68.1%(H23)の現状値を 80%(H34)に増加
■食事バランスガイド■
毎日の食事を主食/副菜/主菜/牛乳・乳製品/果物の5つに区分し,区分ごとに「つ(SV)」とい
う単位を用いています。
健康で豊かな食生活の実現を目的に策定された「食生活指針」(平成 12 年3月)を具体的に行
動に結びつけるものとして平成 17 年6月に農林水産省と厚生労働省により決定されました。
34
■テーマ別健康づくり■
3.歯の健康
■目標:一生自分の歯でおいしく食べましょう
■現状と課題■
グラフ:1日の歯磨き回数
3回以上
乳幼児
1回
歯磨きはしない
28.5%
小学5年生
19.0%
17.5%
20~29歳
18.6%
30~39歳
18.9%
40~49歳
55.8%
52.5%
55.7%
67.6%
54.9%
24.7%
16.6%
60~69歳
19.7%
70歳以上
18.6%
1.0%
0.3%
10.1% 0.6%
44.8%
32.7%
16~19歳
無回答
0.8%
50.8%
44.3%
中学2年生
50~59歳
2回
54.5%
50.5%
45.3%
1.1%
0.6%
0.0%
27.5%
2.5%
0.0%
25.8%
0.0%
0.0%
13.5% 0.0%
0.0%
19.8%
0.7%
9.9%
25.9%
27.2%
27.6%
1.2%
1.8%
0.0%
2.6%
2.7%
5.8%
○1 日の歯磨き回数○
1 日 3 回以上の歯磨きを行っている人は,乳幼児期で 28.5%,小学生 44.3%,
中学生 32.7%です。16 歳以上の市民では,40 歳代で 24.7%ですが,その他の世
代では 20%以下で,子ども世代より低くなっています。
一方,1 日 1 回以下(「1 回」と「歯磨きはしない」の合計)の人は,乳幼児 19.8%,
小学生 10.4%,中学生 11.0%,16 歳~19 歳 27.5%,20 歳代 25.8%で,30
歳代以降では,年代が上がるに従い増加しています。
○歯磨きの時間○
歯磨きをする時間は,どの世代も「2~4 分」が 6~7 割と最も多くなっています
が,中学生から 40 歳代までは「5~9 分」も 2~3 割おり,若年世代ほど歯磨き習
慣が定着しています。
○歯磨きの習慣○
歯の健康は食生活にも関わっており,ひいては身体の健康にとって大変重要となっ
ています。高齢世代になっても自分の歯で食べる健康な食生活を営むため,歯磨きは,
子どもや若年世代から習慣にすること,食事の度にするように定着させることが重要
な課題です。
35
■テーマ別健康づくり■
■取り組みの重点目標■
(1)歯磨き習慣をつくりましょう
歯と歯茎の健康を守り,口の中を清潔に保つために,1 日 2~3 回の歯磨きと,
1 日に1回 5 分以上の歯磨きを習慣にします。
乳幼児では,保護者が「仕上げの歯磨き」を習慣にします。
前期プラン調査時から見ると,現状値は,乳幼児では 9.2 ポイントも減少してい
ます。小学生では増加,中学生ではわずかに減少しています。16 歳以上の市民で
は,男性,女性ともに増加しています。小・中学生は学校での保健指導があります
が,乳幼児は,乳歯からむし歯にしてしまうと永久歯にも影響することから,保護
者が行う歯磨き・仕上げ磨きの重要性を周知します。
目標項目
1 日 2~3 回以上の歯磨き
を習慣にしましょう
前回調査
現状値
市の目標
平成 18 年
平成 24 年
平成 29 年度
乳幼児
88.5%
79.3%
90%
小学生
82.4%
89.1%
90%
中学生
89.8%
88.5%
90%
16 歳以上の男性
53.2%
60.2%
80%
16 歳以上の女性
81.8%
82.8%
90%
区分
(注)現状値は 1 日の歯磨き「3 回以上」と「2 回」の合計
(2)歯間ブラシなどを使用し,歯周病を予防しましょう
デンタルフロスや歯間ブラシの使用等により,歯ブラシだけでは落としきれない
歯垢を除去し,歯周病を予防します。
歯石を除去するなど歯の健康を維持するために,年に数回,定期的に通院する「か
かりつけ歯科医」を持つようにします。
前期プラン調査時から見ると,現状値は,30 歳代~50 歳代のすべてで増加して
いますが,市の目標までにはまだ開きがあります。高齢世代になっても自分の歯を
保持するためにも,歯磨き習慣だけではなく,歯周病の予防にも力を入れていきま
す。
目標項目
デンタルフロスや歯間ブラシを
使いましょう
前回調査
現状値
市の目標
平成 18 年
平成 24 年
平成 29 年度
30 歳代市民
24.0%
34.4%
50%
40 歳代市民
30.5%
34.5%
50%
50 歳代市民
26.4%
29.0%
50%
区分
(注)現状値は 7 項目の選択肢から「デンタルフロスや歯間ブラシを使う」ものとして選択
36
■テーマ別健康づくり■
(3)6424・8020 を目標に,一生健康な歯を持ちましょう
6424(64 歳で 24 本以上の歯を保持,
「健康いばらき 21」の目標),8020(80
歳で 20 本以上の歯を保持,
「健康日本 21」の目標)を目標に,歯磨き習慣や歯周
病予防に取り組みます。また,歯の早期喪失の予防のために,40 歳で喪失歯のな
い人の増加を目指します。
前期プラン調査時から見ると,現状値は,60 歳~69 歳市民では 5.9 ポイント,
75 歳以上の市民では 13.8 ポイントも減少しています。高齢世代では,歯磨きを
「1 日 1 回」が3割近くおり,「歯磨きはしない」という人もいます。高齢世代の
歯の健康を改善していきます。
前回調査
現状値
市の目標
*国の目標
目標項目
区分
40 歳 で す べ て の
歯を,64 歳で 24
歯以上,80 歳で
20 歯以上保持し
ましょう
40 歳~44 歳市民
-
77.8%
85%
75%
60 歳~69 歳市民
38.8%
32.9%
40%
70%
75 歳以上の市民
25.6%
11.8%
30%
50%
平成 18 年
平成 24 年 平成 29 年度 平成 34 年度
(注)現状値で,40 歳~44 歳では自分の歯が「24 本以上」の割合 *国の目標は 40 歳で喪失歯がない人,
60 歳で 24 歯以上,80 歳で 20 歯以上の自分の歯を有する人の割合
■8020 運動
8020 は,ハチ・マル・ニイ・マルと読み「8020 運動」とは 80 歳になっても 20 本以上の歯
を保とうという運動です。平成元年厚生労働省と日本歯科医師会が提唱し,全国に広く呼びかけ,
その後平成 12 年に「8020 推進財団」が設立され,8020 運動の推進を進めています。
■6424 運動
平成 22 年,茨城県では「歯と口腔の健康づくり 8020・6424 推進条例」
を制定しました。条例では,80 歳で 20 本以上の歯を保つこと及び 64 歳で 24
本以上の歯を保つことを目的とした運動を位置づけるものです。6424 は,茨城
県独自の歯と口腔の健康づくりの目標であり,「むし歯にしない」の意味も込め
られています。
37
■テーマ別健康づくり■
4.身体活動・運動
■目標:運動習慣を身につけましょう
■現状と課題■
グラフ:運動不足と思う人
大いに不足だと思う
少し不足だと思う
特に思わない
32.9%
乳幼児 4.0%
無回答
62.5%
0.6%
小学5年生
11.8%
35.1%
52.3%
0.9%
中学2年生
13.2%
32.7%
53.8%
0.3%
16~19歳
55.0%
15.0%
20~29歳
35.5%
46.4%
30~39歳
58.3%
40~49歳
57.4%
70歳以上
18.1%
42.5%
42.5%
8.2%0.0%
16.5%
48.7%
25.6%
40.6%
0.0%
13.8% 0.0%
34.4%
24.8%
14.1%
2.5%
27.8%
39.7%
50~59歳
60~69歳
27.5%
1.2%
0.9%
2.7%
○運動についての自己評価○
運動不足の人は,年齢に関係なくすべての世代で見られます。特に,16 歳以上の
市民では,運動不足だと思う人(「大いに不足だと思う」と「少し不足だと思う」の合
計)が 5 割以上となっています。この運動不足が,肥満や体力に自信がない健康状態
をつくりだしており,逆に,肥満や体力不足が,運動不足を助長していると考えられ
ます。
活発な身体活動・運動は,体力の向上とともに,生活習慣病の予防に効果があると
されています。
30 歳代,40 歳代では,
「大いに不足だと思う」が 6 割近くになっており,運動不
足の人を減らす対策,特に働き盛りの年代を重点にした対策が必要となっています。
○筋力の維持について○
年齢が高くなるに従い,筋力が落ちたと感じる人が増加しています。筋力の維持の
ためにも,「30 分以上の運動を週2回以上実施」する運動習慣者を増やすとともに,
普段から運動不足を補うための「日常的な活動の心がけ」を広めることが重要です。
38
■テーマ別健康づくり■
■取り組みの重点目標■
(1)日常生活の中で,意識的に身体を動かしましょう
炊事・洗たく・掃除などの家事や,歩行,庭仕事,洗車,階段の昇降,子どもと
遊ぶことなど「生活活動」を,意識的に活発に行います。
前期プラン調査時から見ると,現状値は,20 歳以上の男性,女性ともに増加し,
当初の市の目標値(70%)を上回っています。特に高齢世代で,自らの健康のため
に歩くことを「心がけている」人が多くなっています。一方で,40 歳前後の世代
では「心がけていない」が多く 3 割ほどとなっています。働き盛りの世代の「生活
活動」の活発化を図っていきます。
前回調査
現状値
市の目標
平成 18 年
平成 24 年
平成 29 年度
20 歳以上の男性
58.7%
72.5%
85%
20 歳以上の女性
63.9%
77.1%
85%
目標項目
区分
なるべく歩くように心
がけましょう
(注)現状値は,なるべく歩くように「心がけている」と「少し心がけている」の合計
(2)楽しみながら自分にあった運動・スポーツを続けましょう
自分の体力・体調にあった運動やスポーツを,1 日 30 分以上,週に 2 回以上実
施する運動習慣をつくります。(一年以上継続で「運動習慣者」になります)
子どものうちからさまざまな運動・スポーツに関わり,一生楽しみながら続けら
れる運動・スポーツを見つけます。
前期プラン調査時から見ると,現状値は,20 歳以上,50 歳代,60 歳代の男性,
女性ともに減少しています。運動しない理由としては,
「時間がない」が4割以上と
なっています。一方,定期的に運動をしている人の 7 割以上は,「1 年以上」その
運動を継続している「運動習慣者」です。定期的に継続されている運動は,
「ウォー
キング」が大変多くなっていますが,その運動の程度は,1 時間のウォーキングか
ら犬の散歩まで幅広くなっています。
「運動習慣者」を増やすために,各世代で,そ
れぞれの体力・体調にあった運動をする機会・場所を提供していきます。
■ロコモティブシンドローム(運動器症候群)
運動器の障害のため自立度が低下し,介護が必要となる危険性の高い状態と定義されており,筋
力や運動器の健康維持のためにも,日常生活で積極的に身体を動かすことは重要です。
39
■テーマ別健康づくり■
男性
目標項目
区分
前回調査
現状値
女性
市の目標 前回調査
現状値
市の目標
平成 18 年 平成 24 年 平成 29 年度 平成 18 年 平成 24 年 平成 29 年度
1 日 30 分以上 50 歳代 17.9%
の運動を,週 2
60 歳代 28.8%
回以上行う人
を増やしましょう 20 歳以上 20.3%
16.5%
40%
22.7%
19.1%
40%
27.0%
50%
40.4%
30.6%
50%
22.7%
40%
23.5%
23.3%
40%
(注)現状値は週 2 回以上行う人の割合
(3)健康づくりのために,自分にあった運動量を知りましょう
「健康づくりのための運動指針 2006」を活用して,現在の自分の身体活動・運
動量や体力を評価し,具体的な目標を設定して実践します。
「健康づくりのための運動指針 2006」は次の厚生労働省ホームページからダウ
ンロードできます。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/undou.html
40
■テーマ別健康づくり■
5.休養・こころの健康
■目標:こころ豊かに暮らしましょう
■現状と課題■
グラフ:こころのゆとり
ゆとりがある
乳幼児(保護者)
まあゆとりがある
あまりゆとりがない
9.1%
20~29歳
8.9%
40~49歳
7.2%
50~59歳
7.1%
60~69歳
70歳以上
5.9% 1.7%
2.5%
2.5%
32.5%
33.3%
35.8%
11.1% 1.2%
33.3%
47.8%
10.0%0.0%
41.0%
38.1%
12.9% 0.7%
37.9%
44.4%
14.2%
21.1%
52.5%
18.5%
30~39歳
10.6% 1.1%
50.4%
10.0%
6.5%1.0%
38.2%
44.3%
20.8%
16~19歳
無回答
29.7%
53.8%
小学5年生(保護者) 5.7%
中学2年生
ほとんどゆとりがない
24.2%
55.4%
18.4%
10.1% 0.6%
61.9%
13.6%
5.0%1.3%
3.4%
2.7%
○こころのゆとりについて○
「こころにゆとりのある生活を送っている」人(「ゆとりがある」と「まあゆとりが
ある」の合計)は,40 歳代が 45.3%で最も少なく,40 歳前後の働き盛りの世代で
は少なくなっています。高齢世代と若年世代では,
「こころにゆとりがある生活を送っ
ている」人が多くなっています。これは,市民のこころの健康のバロメーターとして
注目していく必要があります。
○ストレスについて○
一方で,不安や悩みなどのストレスがある人(「ある」と「少しある」の合計)は,
乳幼児と小学生の保護者,中学生では 8 割,16 歳以上の市民では 7 割となっていま
す。ストレスの内容は世代によりさまざまですが,相談する相手は「家族」,「友人・
知人(先輩)」が多くなっています。しかし,「誰にも相談しない」,「相談する相手は
いない」人もわずかながらいます。また,
「専門家」,
「カウンセラー」に相談する人も
わずかで,ストレスなどについて気軽に相談できる体制を整えることなどが課題です。
○ストレスの解消法○
ストレスの解消法としては,
「家族や親しい人と話す」が最も多くなっています。ま
た,若年世代では外出やスポーツで身体を動かすことで気分転換を図っていますが,
41
■テーマ別健康づくり■
30 歳代以降は「たばこ」,「お酒」で気分を紛らわしている人も多く,度が過ぎると
ストレス解消のつもりが身体を壊すことになりかねません。
○睡眠について○
睡眠時間は,市民では「5~7 時間」が,乳幼児,小・中学生では「7~9 時間」が
最も多くなっています。また,65 歳以上では睡眠補助剤を使用する割合が増えてき
ています。
○こころの病気○
また,「こころの病は誰にでも起こりうる」という認識率(66.3%)の向上も大切
で,こころの病に「かかったことがある」人,
「かかっていないか心配」な人が医療機
関を「受診した」割合が 4 割であることから,安心して受診できるようにすることが
必要です。
○いじめ・虐待問題○
「いじめ」や「虐待」問題については,被害者・加害者双方の「こころの健康」問
題として捉えることが重要です。家庭・職場・学校・地域において人権尊重の視点か
ら取り組むことが求められます。
■取り組みの重点目標■
(1)自分にあったストレス解消法を見つけ,実践しましょう
適切な睡眠時間をとるなど適度な休養は,疲れた身体の回復にも,こころの健康
を保つためにも必要な要素です。
気晴らし,趣味,レクリエーション,スポーツなど自分にあったストレス解消法
を,人生の早いうちに見つけます。
前期プラン調査時から見ると,ストレスが「ある」人の現状値は,20 歳以上の
男性,女性ともに増加しています。特に 20 歳代から 40 歳代で多くなっており,
この世代のストレスの解消を目指します。
また,休養が「とれていない」人の現状値は,20 歳以上の男性,女性ともに減
少し,市の目標に近づいています。若年世代に「とれていない」人が多い傾向があ
るので,生活を見直し休養をとるように働きかけをします。
目標項目
ストレスを解消しましょう
前回調査
現状値
市の目標
平成 18 年
平成 24 年
平成 29 年度
20 歳以上の男性
14.7%
19.6%
減少
20 歳以上の女性
23.9%
27.0%
減少
区分
(注)現状値はストレスが「ある」人の割合
42
■テーマ別健康づくり■
目標項目
前回調査
区分
現状値
平成 18 年
睡眠で充分な休養 20 歳以上の男性
をとりましょう
20 歳以上の女性
市の目標 *国の目標
平成 24 年 平成 29 年度 平成 34 年度
24.9%
21.0%
15%
15%
28.4%
21.5%
15%
以下
(注)現状値は「あまりとれていない」と「まったくとれていない」の合計
十分とれていない者の割合
*国の目標は睡眠による休養を
(2)悩みや心配ごとを,気軽に相談できる人をつくりましょう
悩みや心配ごとはだれにでもありますが,自分一人でかかえこまずに,身近に相
談できる人がいることが重要です。
日ごろから家庭・学校・職場・地域において,暖かい人間関係をつくるようにし
ます。
特に,学校では,こころから信頼できる友達をつくります。
行政の相談窓口や学校のスクールカウンセラーなどを有効に活用します。
前期プラン調査時から見ると,中学生では男女ともに相談相手がいない人は減少
していますが,16 歳以上と比べると高くなっています。特に男子では約 5 人に 1
人は相談相手がいないという現状があります。
また,16 歳以上の男女ともに,相談相手がいない人は大きく減少しており,特
に男性での減少は大変大きくなっています。
友達関係などの悩みが多い中学生が気軽に相談できるように,周囲の大人の方か
ら信頼関係を築いていく心くばりをしていきます。
目標項目
気軽に相談できる人をつ
くりましょう
前回調査
現状値
市の目標
平成 18 年
平成 24 年
平成 29 年度
中学生男子
25.1%
21.7%
減少
中学生女子
17.0%
13.8%
減少
16 歳以上の男性
33.5%
6.3%
減少
16 歳以上の女性
18.0%
4.3%
減少
区分
(注)現状値は悩みやストレスの相談をする「相手はいない」人の割合。平成 19 年は悩みや困ったことで気
軽に相談できる人が「いない」割合
43
■テーマ別健康づくり■
6.喫煙・飲酒・薬物乱用
■目標:たばこと薬物乱用はやめてアルコールと上手につきあいましょう
■現状と課題■
グラフ:喫煙の実態
(男性)
吸っている
かつて吸っていた
吸っていない
35.9%
合計
46.3%
30~39歳
47.2%
40~49歳
47.7%
50~59歳
48.1%
2.0%
43.9%
9.8%
0.0%
8.3%0.0%
44.4%
20.5%
31.8%
26.6%
24.1%
24.0%
41.0%
32.0%
15.8%
70歳以上
33.1%
29.1%
20~29歳
60~69歳
無回答
45.6%
33.3%
0.0%
1.3%
3.0%
5.3%
(女性)
吸っている
合計
かつて吸っていた
9.7%
11.4%
40~49歳
17.5%
51.1%
10.8%
64.6%
71.1%
10.3%
50~59歳 4.9% 4.9%
60~69歳
5.6%
1.9%
28.9%
24.6%
30~39歳
無回答
77.0%
20.0%
20~29歳
吸っていない
89.3%
8.4%
0.0%
70歳以上 2.6%
83.2%
86.8%
0.0%
0.0%
1.0%
0.8%
2.8%
10.5%
○喫煙の状況○
喫煙者は,男性が 35.9%,女性は 11.4%で,1日に吸う平均本数は「10 本~20
本未満」が最も多く,男性では 5 割強,女性では 4 割強となっています。喫煙開始の
時期は,
「20 歳未満」は 37.1%で,最も多かったのが「20 歳~25 歳未満」の 52.6%
となっています。また,喫煙の最初のきっかけで最も多いのは,
「友だちや周りの人が
吸っていた」で 35.6%です。
44
■テーマ別健康づくり■
○禁煙について○
喫煙者で,
「禁煙をするつもりはない」人は 4 割を超えており,
「時々禁煙する」人
と「禁煙したことがある」人はあわせて 5 割以上いるものの,一時的な禁煙で終わっ
ています。また,禁煙したい理由は「自分の健康のため」が 68.6%と,たばこが健
康にとって悪影響を及ぼすことは認識しています。
○喫煙の影響・受動喫煙被害○
喫煙により影響があると考えられる疾患では,「がん(肺・胃・肝臓など)」,「ぜん
そく・気管支炎」は認知度が高くなっていますが,
「心臓病」,
「胃潰瘍」の認知度は低
く,より一層の周知が必要です。また,喫煙者の受動喫煙の害についての認 識 は
99.0%と高くなっていますが,受動喫煙の現状は「ほとんど毎日」と「時々あった」
を合わせると 5 割を超えています。
各年代で喫煙率を下げること,喫煙の健康への害についての認識を広げること,ま
た,職場や家庭などから受動喫煙の被害を取り除くことなどが重要です。
○飲酒の状況○
飲酒について,
「毎日」飲酒する人は,男性で 32.1%と高くなっていますが,女性
では「飲まない」人が 65.8%と大変多くなっています。適度な飲酒量を守る,休肝
日を設けることが課題です。
○薬物の状況○
麻薬や覚せい剤などが,健康や生命に重大な被害を与えることを認知している人は,
中学生で 98.0%,16 歳以上の市民で 96.9%とほとんどの人が影響を理解していま
す。薬物乱用については,特に子どものうちから,健康や生命に対して重大な被害を
与えることの認識を徹底すること,また,薬物の誘いについて,地域社会の警戒を強
化することが求められます。
■取り組みの重点目標■
(1)たばこは吸わないようにしましょう
喫煙はがんや脳卒中,心筋梗塞や COPD(慢性閉塞性肺疾患)などさまざまな病
気の危険因子とされており,禁煙は重要課題の一つです。
喫煙者は,
「禁煙支援プログラム」などを活用して,禁煙に取り組みます。未成年
者の喫煙を防止し,新規喫煙者が出ないようにします。また,妊娠中の喫煙は,妊
娠合併症や生まれてくる子の低体重,乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクを高め
ることにもなります。
前期プラン調査時から見ると,未成年者では,喫煙者が横ばいとなっていますが,
内訳は男性が 9.5%,女性は 0%であるため,男性の未成年喫煙者を減らすように
します。20 歳以上では,男女ともに減少していますが,市の目標とはまだ開きが
あり,さらに禁煙を推進します。
45
■テーマ別健康づくり■
目標項目
たばこを吸 わない
ようにしましょう
区分
前回調査
平成 18 年
現状値
市の目標
国の目標
平成 24 年 平成 29 年度 平成 34 年度
未成年者
5.0%
5.0%
0%
0%
20 歳以上の市民
31.1%
21.2%
12%
12%
20 歳以上の男性
46.3%
35.9%
25%
-
20 歳以上の女性
16.7%
12.3%
5%
-
(注)現状値は「吸っている」人の割合
(2)受動喫煙の被害をなくしましょう
健康への悪影響のある受動喫煙(室内等で,他人のたばこの煙を吸わされてしま
うこと)を防止するために,家庭,職場,地域のたばこの環境を点検し,改善しま
す。
喫煙者は,特に妊婦や子どものいる環境では喫煙を控えます。
前期プラン調査時から見ると,16 歳以上の男女ともに減少して,男性では市の
目標よりも低く,女性もほぼ同じ割合になりましたが,引き続き受動喫煙防止の環
境を整備していきます。
前回調査
現状値
市の目標
平成 18 年
平成 24 年
平成 29 年度
16 歳以上の男性
38.9%
17.1%
10%
16 歳以上の女性
31.5%
20.3%
10%
目標項目
区分
受 動 喫 煙 の被 害 を
なくしましょう
(注)現状値はこの 1 週間,受動喫煙の被害を「ほとんど毎日」受けた人の割合
(3)アルコールと上手につきあいましょう
アルコールは,節度ある適度な飲酒であれば,ストレス解消にも役立ち,人生を
楽しくすごす百薬の長とも言われます。
飲酒にあっては,生活習慣病のリスクを高める 1 日の飲酒量(純アルコール摂取
量,男性で 40g,女性で 20g 以上)を知り,適度な飲酒量を守るようにします。
妊娠中の飲酒は,胎児性アルコール症候群や発達障害を引き起こします。また,
出産後の授乳期の飲酒は,血中アルコールが母乳にも移行するため,妊娠中や特に
授乳期中の飲酒は控えなければなりません。
前期プラン調査時から見ると,未成年者の飲酒は増加しています。飲酒による未
成年者の身体に与える影響を考え,市の目標の0%を目指していきます。
また,適度な飲酒量を守っている 20 歳以上の市民は,男女ともにやや減少して
いることから適度な飲酒量の周知をしていきます。
また,適度な飲酒量をまったく守らない人は,20 歳以上の女性では大きく減少
46
■テーマ別健康づくり■
していますが,男性ではわずかに増加しています。引き続き適度な飲酒量の周知を
図っていきます。
目標項目
区分
未 成 年 者 の飲 酒 を
なくしましょう
未成年者
前回調査
平成 18 年
11.6%
(16~19 歳)
現状値
市の目標
国の目標
平成 24 年 平成 29 年度 平成 34 年度
12.5%
0%
0%
市の目標
国の目標
(注)現状値は「飲酒をしている(週 1~6 回,月 1~2 回の計)」人の割合
前回調査
現状値
目標項目
区分
節度ある適度な飲
酒量を守りましょう
20 歳以上の男性
13.7%
14.0%
13%
13%
20 歳以上の女性
11.6%
3.6%
3%
6.4%
平成 18 年
平成 24 年 平成 29 年度 平成 34 年度
(注)現状値は飲酒する人で適度な飲酒量を「まったく守らない」人の割合。国は「生活習慣病のリスクを高
める量を飲酒している」人の割合
生活習慣病のリスクを高める飲酒量は,1 日当たりの純アルコール摂取量が男性は 40g 以上,女性は 20g
以上
適度な飲酒量とは,それぞれ,ビール中ビン1本,日本酒1合,ウイスキー・ダブル1杯,ワイン・グラ
ス2杯程度
(4)薬物乱用は絶対にやめましょう
麻薬や覚せい剤などの薬物乱用は,健康や生命に重大な被害をあたえます。
薬物乱用は絶対に防止します。
家庭や学校,地域から薬物乱用を警戒し,危険を取り除きます。
前期プラン調査時から見ると,中学生,16 歳以上の市民ともに,薬物が健康や
生命に重大な被害を与えることを認知している人は増加していますが,すべての市
民の認知が重要であることから,市の目標の 100%を目指します。
前回調査
現状値
市の目標
目標項目
区分
薬 物 乱 用 の 健 康 への 被 害 を
学び,絶対にやめましょう
中学生
86.4%
92.4%
100%
16 歳以上の市民
87.0%
88.5%
100%
平成 18 年
平成 24 年 平成 29 年度
(注)現状値は麻薬や覚せい剤などが健康や生命に重大な被害を与えることを「知っている」人の割合
47
■ライフステージ別健康づくり■
■■■
ライフステージ別健康づくり
■■■
ライフステージとは,人生の節目となる各段階(年代)のことをいいますが,それぞ
れのステージの特徴に対応した健康課題があるため,このプランでは,次の 6 期に区分
し健康づくりの目標を設定します。
個人の生活習慣は長年かけて形成されます。できるだけ人生の早期の段階で,健康に
よいすこやかな生活習慣を築くことが重要です。健康に悪い影響を及ぼす生活習慣は,
できるだけ早い時期に意識して軌道修正し,すこやかな生活習慣に変えるように努力し
ましょう。
ライフステージ
乳幼児期
(0~5歳)
学童期
(6~12 歳)
思春期
(13~19 歳)
成年期
(20~39 歳)
壮年期
(40~64 歳)
高齢期
(65 歳以上)
主な目標
こころの安定と基本的な生活リズムを育みましょう
望ましい生活習慣と運動習慣の基礎をつくりましょう
自分を大事にして,自立的なライフスタイルをつくりましょう
すこやかな生活習慣と運動習慣を身につけましょう
意識して生活習慣病を予防し,快適なライフスタイルを築きま
しょう
すこやかな生活習慣と運動習慣を継続し,いきいきとした生活
を楽しみましょう
48
■ライフステージ別健康づくり■
1.乳幼児期(0~5 歳)
■目標:こころの安定と基本的な生活リズムを育みましょう
・食事,睡眠,歯磨きなどの基本的な生活習慣を確立し,親子の信頼関係を育む大切な
時期です。子どもの発達に応じた遊びや運動,親子のスキンシップによりすこやかに
こころと体を育みます。
・乳幼児の成長にとって,保護者の役割の重要性を認識するとともに,健康に対する正
しい知識を持つようにします。
■乳幼児期のみんなの目標(乳幼児及び乳幼児を持つ保護者の目標)
テーマ
健康管理
主な目標
乳幼児の健康診査
を受けましょう
行動目標
・すこやかな発達を確認するため乳幼児健康診査を受
けましょう。
・かかりつけ医を持ちましょう。
・予防接種を受けましょう。
・規則的な生活リズムや生活習慣を身につけましょう。
栄養
・
食生活
健康な規則正しい
食習慣を身につけ
ましょう
・毎日,朝食を食べましょう。
・主食・主菜・副菜を組み合わせた,栄養バランスの
とれた食生活を心がけましょう。
・間食の内容やとり方に注意しましょう。
歯の健康
むし歯予防をはじ
めましょう
・歯磨きの習慣を身につけ,歯にフッ素塗布等をしま
しょう。
・仕上げ歯磨きをしましょう。
身体活動
・
運動
・親子でスキンシップを大事にして,大いに遊びまし
ょう。
たくさん遊びまし
ょう
・発達に応じた遊び,運動を行い,色々な体験をしま
しょう。
・睡眠の大切さを知り,夜型の生活を控えましょう。
休養
・
こころの
健康
・子どもの話に耳を傾けましょう。
楽しく子育てしま
しょう
・子育ての悩みや不安を一人で抱え込まず,相談しま
しょう。
・子どもの発達に気をくばりましょう。
・感情的に叱るのはやめましょう。
・子どもの近くでたばこを吸わないようにしましょう。
喫煙
・
飲酒
・
薬物乱用
子どものまわりで
「たばこ」を吸わ
ないようにしまし
ょう
・家庭等で禁煙・分煙に努めましょう。
・子どもにアルコールを飲ませたり,なめさせたりし
ないようにしましょう。
・妊娠・授乳中の喫煙・飲酒はやめましょう。
・薬物の害を知り,絶対に使わないようにしましょう。
49
■ライフステージ別健康づくり■
2.学童期(6~12 歳)
■目標:望ましい生活習慣と運動習慣の基礎をつくりましょう
・早寝,早起きや歯磨きの習慣など,基本的な生活習慣を身につけるとともに,食生
活,運動,遊びなどを通してこころと体の基礎をつくる時期です。また,命の大切
さ,正しい性の知識を身につけ,家族以外の人との関係をつくっていく時期です。
・すこやかな生活習慣や運動習慣は,子ども自ら,自分の生活にとって気持ちのよいも
のという実感を持てるようにすることが重要です。そのためには, 家庭や学校・地域
における適切な見守り・助言・指導が必要です。
■学童期のみんなの目標(保護者と子ども)
テーマ
健康管理
主な目標
学校の健康診査を
受けて,健康チェ
ックをしましょう
行動目標
・学校の健康診査を受けて,自分の健康状態を知りま
しょう。
・適正な体重を知りましょう。
・規則的な生活リズムや生活習慣を身につけましょう。
・帰宅時の手洗い・うがいをしましょう。
・毎日,朝食を食べましょう。
栄養
・
食生活
朝食をしっかり食 ・主食・主菜・副菜を組み合わせた,栄養バランスのと
べて学校に行きま
れた食生活を心がけましょう。
しょう
・家族そろって楽しく食事をしましょう。
・間食のとり方や内容に注意しましょう。
・毎日,食後に歯を磨く習慣を身につけましょう。
歯の健康
歯磨きは,磨き残
しがないようにし
ましょう
身体活動
・
運動
「運動」や「遊び」 ・家事の手伝い,運動,遊びなどを通して,元気に明る
く体を動かす楽しさを身につけましょう。
を通して体をたく
さん動かしましょ ・友達と外遊びやスポーツをして,こころと身体を育
う
てましょう。
・乳歯と永久歯が混ざっているため,工夫してしっか
りていねいに磨きましょう。
・睡眠の大切さを知り,適正な睡眠時間を取りましょう。
休養
・
こころの
健康
「生きる力」や「命
の大切さ」を学び
ましょう
喫煙
・
飲酒
・
薬物乱用
「たばこ」は吸わ
な い ,「 ア ル コ ー
ル」は飲まないよ
うにしましょう
・親子ともに性(命の誕生)について学びましょう。
・悩みや不安は抱え込まず,スクールカウンセラーや
親に相談しましょう。
・自分の気持ちを伝えることや,相手を認め思いやる
ことができる子になりましょう。
・子どもの近くでたばこを吸わないようにしましょう。
・家庭等での禁煙・分煙に努めましょう。
・たばこ,アルコール,覚せい剤など健康への害を知
り,口にしないようにしましょう。
50
■ライフステージ別健康づくり■
3.思春期(13~19 歳)
■目標:自分を大事にして,自立的なライフスタイルをつくりましょう
・思春期は,自我にめざめ,学童期からの生活習慣をもとに,自分なりのライフスタイ
ルを自立的に形成していく時期です。
・命の大切さ,正しい性の知識を身につけるなど自分を大事にするという気持ちを持つ
とともに,友人関係などさまざまな人間関係を学び,社会に出るための準備をする時
期です。
■思春期のみんなの目標
テーマ
健康管理
主な目標
自分の健康は自分
で管理しましょう
行動目標
・学校健診や職場健診を受けて,自分の健康は自分で
管理できるように心がけましょう。
・適正な体重を知り,無理なダイエットをしないよう
にしましょう。
・夜型の生活を控え,規則的な生活を心がけましょう。
・毎日,朝食を食べましょう。
栄養
・
食生活
栄養バランスを考
えた食事をとりま
しょう
・主食・主菜・副菜を組み合わせた,栄養バランスの
とれた食生活を心がけましょう。
・家族そろって楽しく食事をしましょう。
・間食のとり方や内容に注意しましょう。
歯の健康
「歯肉」にも気を
配りましょう
身体活動
・
運動
「運動」でこころ
と体をすこやかに
しましょう
・毎日,食後に歯を磨く習慣を身につけましょう。
・ていねいに歯磨きをして,歯肉の状態にも気をくば
りましょう。
・自分にあった運動を見つけ,楽しみながら運動習慣
を身につけていきましょう。
・スポーツを通して心身を鍛えましょう。
・睡眠・休養を十分取り,朝型の生活リズムをつくり
ましょう。
休養
・
こころの
健康
「こころ」の安定
を保つ方法を知り
ましょう
・学校,友人,自分の事などで悩んだら,一人で悩ま
ず,スクールカウンセラーや親,友人などに相談し
ましょう。
・正しい性の倫理観を身につけ,安易な性行動は避け
ましょう。
・性感染症などに対する知識を深めましょう。
喫煙
・
飲酒
・
薬物乱用
「たばこ」は吸わ ・たばこ,アルコール,覚せい剤など健康への害を知
り,口にしないようにしましょう。
な い ,「 ア ル コ ー
ル」は飲まないよ ・喫煙,飲酒を勧められても,断わる勇気を持ちましょ
うにしましょう
う。
51
■ライフステージ別健康づくり■
4.成年期(20~39 歳)
■目標:すこやかな生活習慣と運動習慣を身につけましょう
・これまでの生活習慣を見直し,より望ましいすこやかな生活習慣づくりを進める時期
です。
・
「1 に運動,2 に食事,しっかり禁煙」を念頭において,肥満抑制など生活習慣病を予
防するライフスタイルを形成していきます。
・20 歳代女性のやせは,将来の妊娠・出産に悪い影響が出る可能性もあることから,
過剰なダイエットはやめ,適正体重の維持・管理をしていきます。
■成人期のみんなの目標
テーマ
主な目標
行動目標
・年に1回は健康診査を受けて,自分の体の状況を確
認し,生活習慣を見直しましょう。
・対象年齢になったら,婦人科検診を受けましょう。
健康管理
毎年,健康診査を
受けましょう
・適正な体重を知り,維持管理に努めましょう。また,
過度なダイエットはやめましょう。
・メタボリックシンドロームに関心を持ち,理解しま
しょう。
・定期的に血圧を測定しましょう。
・朝食を抜かず,1日3度の定期的な食事の習慣を身
につけましょう。
栄養
・
食生活
「食事」の量や内
容をコントロール
して食べましょう
・主食・主菜・副菜を組み合わせた,栄養バランスの
とれた食生活を心がけ,塩分の取り過ぎに注意しま
しょう。
・適正体重を維持することのできる食事量を心がけ,
メニューに野菜・果物を取り入れましょう。
・毎食後,しっかり歯磨きをしましょう
歯の健康
身体活動
・
運動
定期的な歯科検診
を受けて,歯周病
を予防しましょう
意識して「体」を
動かしましょう
・歯周病について関心を持ち,正しい歯磨き法などを
身につけましょう。
・かかりつけ歯科医をもち,定期的な歯科検診を受け
ましょう。
・自分にあった運動を見つけ,楽しみながら運動習慣
を身につけていきましょう。
・生活の中に運動を取り入れて,意識して体を動かし
たり,歩くことを心がけましょう。
・睡眠・休養を十分とりましょう。
休養
・
こころの
健康
自分にあったスト
レス解消法を見つ
けましょう
・家族で積極的な会話を持ちましょう。
・不安や悩みは自分だけで抱え込まず,相談相手を持
ちましょう。公共の相談機関も活用しましょう。
・自分にあったストレス解消法を見つけましょう。
52
■ライフステージ別健康づくり■
喫煙
・
飲酒
・
薬物乱用
喫煙の健康への害
を理解し,適度な
飲酒量を守りまし
ょう
・喫煙による自身や周囲の人の健康への害を理解し,
喫煙しないようにしましょう。
・禁煙に努め,子どもや妊婦の近くで喫煙しないよう
にしましょう。
・適度な飲酒量を知り,大量飲酒を控えましょう。
・薬物の害を知り,絶対に使わないようにしましょう。
53
■ライフステージ別健康づくり■
5.壮年期(40~64 歳)
■目標:意識して生活習慣病を予防し,快適なライフスタイルを築きましょう
・これまでに形成されてきた生活習慣の違いが,人によっては,健康面でも表面化して
きます。特に,生活習慣病や疾病の予防・早期発見が重要な時期です。
・意識して肥満抑制などメタボリックシンドローム対策を自覚的にすすめ,すこやかな
生活習慣で快適なライフスタイルを築きます。
・これからの高齢期に向かい,ロコモティブシンドロームの予防のため,筋力や運動器
の健康維持が重要です。
■壮年期のみんなの目標
テーマ
主な目標
行動目標
・年に1回は健康診査を受けて,自分の体の状況を確
認し,生活習慣を見直しましょう。
健康管理
毎年,健康診査を
受けるなど健康管
理に気を使いまし
ょう
・対象年齢になったら,がん検診を受けましょう。
・精密検査が必要と言われたら必ず受診しましょう。
・適正な体重を知り,維持管理に努めましょう。
・メタボリックシンドロームに関心を持ち,予防しま
しょう。
・定期的に血圧を測定しましょう。
・朝食を抜かず,1日3度の定期的な食事の習慣を身
につけましょう。
栄養
・
食生活
栄養バランスのあ
る食事をしっかり
食べましょう
・主食・主菜・副菜を組み合わせた,栄養バランスの
とれた食生活を心がけましょう。
・脂肪の多い食品を控えましょう。
・塩分を控え,薄味に心がけましょう。
・適正体重を維持することのできる食事量を心がけ,
メニューに野菜・果物を取り入れましょう。
歯の健康
身体活動
・
運動
定期的な歯科検診
を受けて,6424*
を目指しましょう
自分にあった運動
習慣を身につけま
しょう
・かかりつけ歯科医をもち,定期的に歯科検診を受け
ましょう。
・毎食後,しっかり歯磨きをしましょう
・デンタルフロスや歯間ブラシで,ていねいに歯垢を
とりましょう。
・自分にあった運動を見つけ,楽しみながら運動習慣
を身につけていきましょう。
・生活の中で,意識して体を動かし,歩数を増やしま
しょう。
・ロコモティブシンドロームに関心を持ち,理解しま
しょう。
54
■ライフステージ別健康づくり■
休養
・
こころの
健康
喫煙
・
飲酒
・
薬物乱用
・睡眠・休養を十分とりましょう。
自分にあったスト
レス解消法を見つ
けましょう
・休暇や余暇などを利用して,上手に気持ちを切り替
え,ストレスを溜めないようにしましょう。
・不安や悩みは自分だけで抱え込まず,相談相手を持
ちましょう。公共の相談機関も活用しましょう。
・喫煙による自身や周囲の人の健康への害を理解し,
喫煙しないようにしましょう。
喫煙の健康への害
を理解し,適度な
飲酒量を守りまし
ょう
・禁煙に努め,子どもや妊婦の近くで喫煙しないよう
にしましょう。
・適度な飲酒量を知り,大量飲酒や毎日の飲酒は控え
ましょう。
・薬物の害を知り,絶対に使わないようにしましょう。
*「6424」(ロクヨンニイヨン・むし歯にしない):自分の歯を64歳で24本以上保つ(「健康いばらき 21」の
目標)
55
■ライフステージ別健康づくり■
6.高齢期(65 歳以上)
■目標:すこやかな生活習慣と運動習慣を継続し,いきいきとした生活を楽しみましょう
・若い時期よりも身体機能が低下し,健康状態が気になりますが,すこやかな生活習慣
により,生きがい活動を楽しむ時期です。
・生活習慣病の進行を防止するとともに,要支援・要介護の状態にならないように,自
分の健康や体力に対応した適切な運動習慣づくりと,低栄養にならないように栄養バ
ランスを心がけることが重要です。
■高齢期のみんなの目標
テーマ
主な目標
行動目標
・年に1回は健康診査を受けて,自分の体の状況を確
認しましょう。
健康管理
かかりつけ医を持
ち,健康管理を心
がけましょう
・がん検診を受けましょう。
・身近なかかりつけ医を持ち,普段から健康状態をチ
ェックしましょう。
・適正な体重を知り,維持管理に努めましょう。
・定期的に血圧を測定しましょう。
栄養
・
食生活
・主食・主菜・副菜を組み合わせた,栄養バランスのと
れた食生活を心がけましょう。
色々なものをバラ
ンスよく食べまし ・水分・たんぱく質・カルシウムを意識してとりまし
ょう
ょう。
・塩分を控え,薄味に心がけましょう。
歯の健康
定期的に歯科検診
を受けて,8020*
を目指しましょう
身体活動
・
運動
体力を維持し,転
倒を予防しましょ
う
休養
・
こころの
健康
社会との「交流」
を保ちましょう
・かかりつけ歯科医をもち,定期的に歯科検診を受け
ましょう。
・毎食後,しっかり歯磨きをしましょう
・デンタルフロスや歯間ブラシで,ていねいに歯垢を
とりましょう。
・生活の中で,体力に応じてできるだけ体を動かしま
しょう。
・歩くことを日常の習慣にしましょう。
・ロコモティブシンドロームに関心を持ち,理解しま
しょう。
・積極的に地域活動や趣味をもち,人との交流を持ち
ましょう。
・不安や悩みは自分だけで抱え込まず,相談相手を持
ちましょう。公共の相談機関も活用しましょう。
56
■ライフステージ別健康づくり■
喫煙
・
飲酒
・
薬物乱用
・喫煙による自身や周囲の人の健康への害を理解し,
喫煙しないようにしましょう。
喫煙の健康への害
を理解し,適度な
飲酒量を守りまし
ょう
・禁煙に努め,子どもや妊婦の近くで喫煙しないよう
にしましょう。
・適度な飲酒量を知り,大量飲酒や毎日の飲酒は控え
ましょう。
・薬物の害を知り,絶対に使わないようにしましょう。
*「8020」
(ハチマルニイマル運動):自分の歯を 80 歳で 20 本以上保つ運動(
「健康日本 21」の目標)
。
57
■ライフステージ別健康づくり■
58
第3章
施策の展開
■ライフステージ別健康づくり■
60
■ライフステージ別健康づくり■■健康づくり市民運動の促進■
■■■
基本目標 1
健康づくり市民運動の促進
■■■
■目標■
■生活習慣病の発症を予防し,健康寿命の延伸を目指します。
■健康増進の基本的要素である,「歯の健康」,「身体活動・運動」,
「休養・こころの健康」,
「喫煙・飲酒・薬物乱用防止」に関する
生活習慣の改善を目標とします。
1.健康習慣づくり
2.歯の健康
施策の方向
3.身体活動・運動
4.休養・こころの健康
5.喫煙・飲酒・薬物乱用防止
61
■基本目標1■
■ライフステージ別健康づくり■
1.健康習慣づくり
市民の健康を支え,守るための環境づくりを進めるにあたっては,市民が自発的に
健康づくりに取り組むことが重要です。
年齢にかかわらず市民のだれもが,いつまでも健康であり続けられるように,市民
自らの心身両面にわたる自主的な健康づくりを支援します。
子どもや若年世代から,高齢者に至るまですべての世代で健康によい生活習慣づく
りの支援を進めます。
■施策の内容■
①健康づくり推進事業
・市民の健康づくり・生活習慣病予防を支援するために,各種健康教室などを開催
し,市民一人ひとりの健康状態やライフステージにあわせて,運動習慣や体力づ
くりを普及し,具体的な運動指導を行います。【健康増進課】
1)健康教室
2)ウォーキング大会
3)体力測定・トレーニング講習
4)出前健康教室
②「早寝早起き朝ごはん」国民運動の推進
・ 「子どもの望ましい基本的生活習慣」づくり,子どもの生活リズム向上のために,
「早寝早起き朝ごはん」国民運動を学校教育の中で PTA と連携して取り組みま
す。
【教育委員会
指導室】
③健康スマイル事業
・20 歳以上の市民一人ひとりが自主的・主体的な健康づくりに参加することを応
援し,稲敷市全体の健康の質の向上と医療費の軽減を目的とする「健康スマイル
事業」を推進します。具体的には,「健康スマイル」(5つの目標)を達成すると
記念品・景品が当たるなど,楽しみながら健康づくりへの意識・関心の向上や健
康な生活習慣の確立を図っていただく取り組みを推進します。【 健康増進課】
④健康相談
・健康管理に関する相談・保健指導の充実を図ります。随時,健康相談を行い,市
民一人ひとりの健康状態に即した生活習慣病の改善・指導に努めます。
【健康増進課】
⑤健康教育
・健康に関連する情報を広く市民に周知していきます。【健康増進課】
62
■ライフステージ別健康づくり■■健康づくり市民運動の促進■
⑥健康手帳交付
・生活習慣の改善や健康づくりに積極的に取り組めるよう健康手帳を交付します。
【健康増進課】
⑦健康優良世帯等表彰事業
・無受診世帯で滞納のない世帯を健康優良世帯として表彰し,記念品を贈ることに
より健康への意識の啓発を図ります。【 保険課】
⑧健康プラン啓発普及
・健康プランの啓発普及を図るため,毎年度,重点目標を掲げ,市民の健やかな生
活習慣の確立を図ります。【健康増進課】
■「早寝早起き朝ごはん」国民運動
家庭における食事や睡眠などの乱れを個々の家庭や子どもの問題とし
て見過ごすことなく,社会全体の問題として地域における一丸となった
取り組みが重要との視点から,平成 18 年に設立した「早寝早起き朝ご
はん」全国協議会(PTA・子ども会・青少年団体・スポーツ団体・文
化関係団体・読書・食育推進団体・経済界等)が実施する国民運動です。
63
■基本目標1■
■ライフステージ別健康づくり■
2.歯の健康
歯と口の中の健康は,
「食べること」,
「話すこと」を良好に保つために重要であると
ともに,生活の質の向上に役立っているものです。
生涯にわたって自分の歯を保持できるように,幼い時期から市民一人ひとりの歯と
口の中の健康を確保する生活習慣づくりを推進します。
特に,歯を失う大きな原因となるむし歯や歯周病予防のため,64歳で24本以上,
80歳で20本以上の歯を保つ「6424(ロクヨンニイヨン)
・8020(ハチマル
ニイマル)運動」を展開します。
また,日常生活をすこやかに過ごすために,口腔機能(咀嚼,嚥下,発音,唾液の
分泌など「食べる」,「話す」役割を支える機能)の維持・向上を図ります。
■施策の内容■
①乳幼児歯科健診事業
・乳幼児健診事業(3ヶ月児・1歳6ヶ月・3歳)において,歯科指導を実施する
とともに,2歳児歯科健診事業の充実を図ります。【 健康増進課】
②学校歯科保健事業
・学校教育の中で,正しい歯磨きの仕方や歯磨きの習慣など歯科保健を通して,子
どものうちからの歯の健康を保つすこやかな生活習慣の確立を図ります。
【教育委員会
指導室】
③「6424・8020」運動の推進
・高齢期は歯の喪失が急増する時期であることから,「6424・8020運動」を
地域ぐるみで展開します。【 健康増進課】【高齢福祉課】
・高齢期に向けて,40 歳ではすべての歯を保持しているようにするために,成人の歯
磨きや歯周病予防を推進します。【健康増進課】【高齢福祉課】
④介護予防のための口腔機能向上の推進
・65 歳以上の方を対象とした口腔に関する講話・実技等の研修会を実施します。
【高齢福祉課】
・口腔機能向上のための口腔ケア,お口の体操・嚥下体操等を普及します。
【高齢福祉課】
64
■ライフステージ別健康づくり■■健康づくり市民運動の促進■
3.身体活動・運動
身体活動・運動は,生活習慣の予防だけでなく,地域の中で社会生活を営むための
機能を,維持・向上させるために重要な役割をもっています。
健康づくりの推進事業や各種のスポーツ教室・大会・運動会などの普及を図り,運
動習慣者の増加を目指します。
また,通勤・通学,家事,勤労など日常生活の中で体を動かすことを重視して,普
段の身体活動を行うように心がける人の増加を図ります。
■施策の内容■
①「健康づくりのための運動指針 2006」の推進と活用
・「健康づくりのための運動指針 2006」の推進と活用を図るなど,運動の健康づ
くりへの効果や正しい運動の方法等の情報の提供に努めます。【健康増進課】
②健康づくり推進事業(再掲)
・市民の健康づくり・生活習慣病予防を支援するために,各種健康教室などを開催
し,市民一人ひとりの健康状態やライフステージにあわせて,運動習慣や体力づ
くりを普及し,具体的な運動指導を行います。【健康増進課】
1)健康教室
2)ウォーキング大会
3)体力測定・トレーニング講習
4)出前健康教室
③ヘルスロードの活用促進
・ウォーキングの促進とともに,市民の憩いの場・交流の場となるように,ウォー
キング教室などヘルスロードの活用を図るとともに,市民に向けてヘルスロード
の活用例など広くPRを図ります。【健康増進課】
④老人クラブの事業
・高齢者の社会参加を促進し,健康づくり・生きがいづくりに資するため,老人ク
ラブ各種事業として,運動会・輪投げ大会・ゲートボール大会・ペタンク大会・
グラウンドゴルフ大会など各種大会を推進します。【高齢福祉課】
⑤シルバーリハビリ体操指導士活動の推進
・高齢者の方に,介護予防のための体操の指導普及を行っています。【高齢福祉課】
・楽しく継続してシルバーリハビリ体操を行えるよう,活動の推進を図ります。
【高齢福祉課】
65
■基本目標1■
■ライフステージ別健康づくり■
⑥地域グループ活動の支援
・地域のスポーツ愛好者や老人クラブなどのスポーツ・レクリエーショングループ
が自主的に実施している活動の支援を行います。【生涯学習課】
⑦スポーツフェスティバル事業
・市民の健康保持と増進のため,全市民を対象に誰もが楽しく参加できるように年
1回スポーツフェスティバルを実施します。【生涯学習課】
⑧各種スポーツ教室事業
・市民が気軽に楽しみ,幅広い世代と交流を深めるとともに,市民のニーズにあわ
せたスポーツ教室を企画し,スポーツへの関心,興味を高めます。【生涯学習課】
・健康維持のために,スポーツ教室終了後も,市民が主体となって同好会の立ち上
げなどにより継続して運動を続けていく動機づけをしていきます。【生涯学習課】
⑨学校体育施設の開放事業
・市民の体力づくりとスポーツ・レクリエーションの普及,奨励のため,適切な学
校体育施設の開放を推進します。【生涯学習課】
⑩スポーツ少年団の育成
・子どものすこやかな心身の育成及びスポーツ振興に向けてスポーツ少年団を育成し,
市民にスポーツ少年団活動への理解を広め,加入促進を図ります。【生涯学習課】
・スポーツで人々をつなぎ,地域づくりに貢献します。【生涯学習課】
⑪体育協会事業
・スポーツ振興と各種競技団体の育成強化を図り,体育の自主的活動を通して健康
な市民の生活環境を確立します。【生涯学習課】
・市民に体育協会活動への理解を広め,加入促進を図ります。【生涯学習課】
■「健康づくりのための運動指針 2006」
生活習慣病を予防するための身体活動量・運動量,及び体力の基準値として厚生労働省が
示している運動ガイドラインです。生活習慣病の一次予防を目的として「週 23 エクササ
イズ」の活発な身体活動と4エクササイズの余暇時間での運動」の実践を推奨しています。
66
■ライフステージ別健康づくり■■健康づくり市民運動の促進■
4.休養・こころの健康
適度な運動やバランスのとれた栄養・食生活は,体だけでなくこころの健康におい
ても重要な基礎となるものです。また,これらに加え心身の疲労の回復と充実した人
生を目指す休養は,日常生活をすこやかに送るにあたり大切な要素となっています。
さらに十分な睡眠をとりストレスと上手につきあうことが,こころの健康には欠か
せない要素となっています。
休養により,十分な睡眠をとること,余暇などで体やこころを養うこと,ストレス
と上手につきあうことなどは心身の健康を保つために大変重要です。
休養やレクリエーション等によるストレス解消により,こころの健康を保つこと,
また,こころの病気について正しい知識の普及・啓発に努めるとともに,こころの健
康相談やこころのリハビリ事業を通して市民のこころの健康をサポートします。
また,次世代を担う児童生徒のこころの健康づくりを推進します。
■施策の内容■
①こころの病の啓発事業
・学校・職場や地域において,今後も増加傾向にあるうつ病やこころの病気につい
て,正しい知識の啓発・普及とともに,早期発見・早期治療の推進を図ります。
【社会福祉課】
②こころの健康相談
・精神保健福祉士によりこころの病気や日常生活に対する不安などに関して,本人
や家族からの相談に応じます。【社会福祉課】
③こころのリハビリ
・回復途上にある精神障害者に対し,病状の安定を図り,社会参加を促進するため,
スポーツ・調理実習・レクリエーション・屋外活動等を行います。【社会福祉課】
④こころの体温計
・携帯電話やパソコンを利用し,自分や家族のこころの健康状態を知ることが出来
ます。同時に相談窓口等を紹介することで,こころの健康を保つ手助けや病気に
対する早期発見・早期治療の推進を図ります。【社会福祉課】
⑤スクールカウンセラーの配置・活用
・スクールカウンセラーの小学校への配置を増やすことや,市教育相談室の利用の
啓発を図るなどして,相談機能を一層充実し,児童生徒の悩みを積極的に受け止
めることができるような体制整備に努めます。【教育委員会
67
指導室】
■基本目標1■
■ライフステージ別健康づくり■
⑥休養やこころの健康,思春期保健の啓発
・こころの健康のためには,十分な睡眠をとり,ストレスと上手に付き合うことが
欠かせないことを周知していきます。【健康増進課】
・思春期の子どもたちが,自他の生命を尊重し,生涯を通じて自らの健康を適切に
管理できる力を育むことを支援し,喫煙・飲酒・薬物依存,望まない妊娠や性感
染症,こころの健康相談等に関する健康教育を啓発していきます。【健康増進課】
⑦妊産婦に対する健康支援事業
・マタニティ教室などを通じて,妊婦及び家族に対する健康教育を実施します。
【健康増進課】
・赤ちゃん訪問事業により,母子の孤立や虐待を予防します。【健康増進課】
68
■ライフステージ別健康づくり■■健康づくり市民運動の促進■
5.喫煙・飲酒・薬物乱用防止
喫煙は,がん,循環器疾患,糖尿病,慢性閉鎖性肺疾患(COPD)など予防可能
な疾病の最大の要因であるだけでなく,低出生体重児の増加の要因ともなっています。
また,受動喫煙もさまざまな疾病の原因となるため,喫煙による健康被害をまねかな
いようにすることが重要です。
一方,飲酒については生活習慣病を始めとするさまざまな疾患やうつ病等の健康障
害のリスク要因となるため,飲酒に関する正しい知識の普及啓発,未成年者の飲酒防
止対策に取り組むことが重要です。
喫煙習慣のある人や大量に飲酒する人の割合を減らし,地域の薬物乱用一掃対策を
推進します。特に,家庭・学校・地域での連携の強化により,喫煙・飲酒・薬物乱用
の防止や啓発活動を推進します。
■施策の内容■
①受動喫煙の防止キャンペーン
・公共施設や飲食店等,人が集まる場所での受動喫煙(室内等で他人のたばこの煙
を吸わされること)の被害を防止するために,防止キャンペーンを推進します。
【健康増進課】
②公共施設等での禁煙の実施
・庁舎内禁煙及び職員の勤務時間内禁煙に向けて取り組み,公共施設等における禁
煙措置を推進します。【総務課】
・引き続きすべての学校敷地内禁煙を実施し,喫煙の害から児童生徒の健康を守り
ます。【教育学務課】
③適正飲酒量の普及・指導
・市民一人ひとりがアルコールに関する正確な知識,適度な飲酒量を守る生活習慣
づくりに取り組めるよう,さまざまな機会を通して,適正飲酒量の普及・啓発を
図ります。また,健康診査受診者で飲酒量の多い方を対象に個別に適正飲酒量の
指導を,実施します。【健康増進課】
④学校での喫煙・飲酒・薬物乱用防止教育・指導
・喫煙・飲酒・薬物乱用について児童生徒が,自分の健康や社会に対して重大な影
響を及ぼすことを理解するとともに,正しい行動と活力ある生活ができるよう,
保護者への啓発やより多くの学校で外部講師を招き学習会を行うなど,学校での
教育・指導の一層の充実に努めます。【教育委員会
69
指導室】
■基本目標1■
■ライフステージ別健康づくり■
⑤禁煙支援の推進
・マタニティ教室などで妊婦への喫煙の影響について啓発します。【健康増進課】
⑥相談・支援の実施
・喫煙・飲酒・薬物乱用が健康に及ぼす影響などについての情報提供,相談・指導
を実施します。【健康増進課】
70
■ライフステージ別健康づくり■■食生活の改善・食育の推進■
■■■
基本目標2
食生活の改善・食育の推進
■■■
(食育推進計画)
■目標■
■市民が健全な食習慣を実践できるように,学校・家庭・地域にお
ける食育を推進します。
■稲敷の食文化を継承し,豊富な農産物の地産地消を推進します。
■安全な食の提供の支援に努め,食育に関する PR や情報提供によ
り,地域・家庭における食育活動への支援を図ります。
1.食育を通じた食習慣と健康づくり
施策の方向
2.食文化の継承と地産地消
3.食の安全確保と食育を広める環境づくり
71
■基本目標2■
■ライフステージ別健康づくり■
1.食育を通じた食習慣と健康づくり
毎日の食事は,生涯にわたりこころと体を育んでいます。学校,家庭,地域におい
て,各ライフステージにあった食育を進めていくことが必要です。
すべての市民が食育の意義や重要性を理解し,健全な食習慣を実践することにより,
疾病を予防し,健康で豊かな生活が送れるよう食育推進事業を進めます。また,食生
活改善推進員協議会の活動促進や学校給食を通した食育,家庭・地域における食育を
推進します。
■施策の内容■
①食育推進事業
・食を通じた子どもの健全育成を目的として,年齢に応じた食育事業の展開を図り
ます。【健康増進課】
・食を通じた子どもの健全育成を目的として,年齢に応じた食育事業の展開を継続
していきます。学校教育活動全体を通じて,食育の一層の推進を図ります。
【教育委員会
指導室】
②稲敷市食生活改善推進員協議会の活動促進
・食育及び食生活改善活動を通して,健康づくりを推進し,親と子の料理教室や茨
城食文化伝承事業,健康食指導,骨粗しょう症検診時の食事指導などを実施して
いきます。【健康増進課】
・小学校での調理実習を全地区で実施できるよう努めるとともに,地域での会員に
よる伝達講習会の充実に努めます。【健康増進課】
③学校給食事業
・郷土料理等の伝統的食文化を継承した献立を取り入れ,食に関する指導を行うう
えでの「生きた教材」とするなど献立内容のさらなる充実を図ります。
【給食センター】
・家庭との連携のもと学校での食育指導を継続して実施します。【給食センター】
④高齢者・生活支援サービス事業
・一人暮らし高齢者の栄養補給と健康を保持するため,愛の定期便事業,ふれあい
給食事業,配食サービス事業を継続し,高齢者の在宅生活を支援します。
【高齢福祉課】
⑤食事バランスガイドの活用と食育ガイドの普及促進
・栄養バランスと健康づくりのために,
「食事バランスガイド」や「食育ガイド」
(内
閣府)について,ホームページや広報紙へ掲載し周知を図ります。【健康増進課】
72
■ライフステージ別健康づくり■■食生活の改善・食育の推進■
2.食文化の継承と地産地消
地域の気候・風土に育まれ,身近な地域で生産された食材を学校給食に活用したり,
また,これまでの地域の食文化を継承するとともに,新たな郷土食が求められていま
す。
地域ならではの食文化を継承していくため,郷土料理の積極的な継承に努めるとと
もに,地域でとれた食材を活かし,食を通したまちづくりを推進します。また,学校
給食や市民の日常生活において,地産地消を積極的に促進します。
■施策の内容■
①食文化の継承(郷土料理)
・食文化を尊重しながら,食を起点とした交流やふれあいを広めることを目的とし
て,大学等との連携による食を通したまちづくりを推進します。また,稲敷市の
安全で安心な特産品を使った郷土料理を継承しながら,食のまちづくりを確立し
ていきます。【企画課】
・食生活改善推進員協議会で実施する茨城食文化伝承事業等を活用し,郷土料理を
伝承します。【健康増進課】
②学校給食における地産地消の推進
・JAや生産団体等と連携し安定的供給体制を構築し,学校給食における地場産物
の使用割合を増やすことで,子どもたちの地域の自然や文化,産業等に関する理
解を深め,生産者の努力や食に対する感謝の気持ちを育みます。【給食センター】
③農業を活かした地産地消の推進
・地域の食文化の保持や消費者と生産者のコミュニケーション,食育の観点から地
場産農産物を活用した取り組みを推進します。【農政課】
1)地元農産物の学校給食への提供
2)市内飲食店での地元農産物の活用を図る
3)イベント等での地元農産物の PR を図る
73
■基本目標2■
■ライフステージ別健康づくり■
3.食の安全確保と食育を広める環境づくり
毎日食べる食物の安全確保は必要不可欠なことです。また,地域や家庭における食
育を支援するために,食や栄養に関する情報の周知を積極的に行うことが重要です。
食の安全確保を図るため,安全な農産物等の提供にかかる支援に努めるとともに,
放射能検査等を実施します。
また,食に関するPRや啓発活動,栄養バランスに関する情報提供などを進めると
ともに,地域や家庭における食育を推進します。
■施策の内容■
①食の安全確保
・減農薬,減化学肥料,有機農業に取り組んでいる農業者に対し,国・県と連携し
て支援を行い,より安心で高品質な農産物の提供を図ります。【農政課】
・東京電力福島第一原子力発電所事故を受け,農産物等の放射性物質検査を強化し,
消費者に対して安全・安心な農産物等の提供を確保します。【農政課】
②食育に関するPR・啓発活動の推進
・食育に関する事業やイベントの開催情報などの周知を図るとともに,食育の基本
的な情報の定着についてホームページや広報紙への掲載により推進を図ります。
【健康増進課】【企画課】【農政課】
③食事バランスガイドの活用と食育ガイドの普及促進(再掲)
・栄養バランスと健康づくりのために「食事バランスガイド」の活用や「食育ガイ
ド」
(内閣府)の普及について,ホームページや広報紙への掲載により周知を図り
ます。【健康増進課】
④地域における食育活動への支援
・地域におけるさまざまな食育活動を積極的に支援します。【健康増進課】
74
■ライフステージ別健康づくり■■保健・医療・子育て支援の充実■
■■■
基本目標3
保健・医療・子育て支援の充実
■■■
■目標■
■質の高い保健サービスを提供するため,特定健康診査・特定保健
指導,がん検診等の健康診断の徹底を図ります。
■市民がいつでも安心して医療や健康相談が受けられる体制をつ
くります。
■子育ての不安や育児の悩みから精神的に不安定になっている保
護者に対応するため,保育サービスや子育て支援の充実を目指し
ます。
1.保健事業等の充実
施策の方向
2.安心できる医療の確保
3.子育て支援事業の推進
75
■基本目標3■
■ライフステージ別健康づくり■
1.保健事業等の充実
市民が健康な生活を送るためには,生活習慣病の未然防止や母子の健康保持などの
各種保健事業が重要な役割を担っています。また,健診で要指導・要医療の診断を受
けた市民へのきめ細かなフォローを図っていく必要があります。
生活習慣や保健・医療に関わる相談業務を実施するとともに,乳幼児健診や各種健
診対象者への受診勧奨を強化し,受診率の向上を目指します。
また,健診により要指導・要医療等の診断を受けた人へのフォローや保健指導等の
充実を図ります。
■施策の内容■
①母子保健事業の推進
・各種の母子保健事業を実施します。【健康増進課】
1)乳幼児健康診査(3ヶ月児健診,1歳6ヶ月児健診,3歳児健診)
2)妊婦・乳児医療機関委託健診
3)赤ちゃん訪問
4)2歳児歯科健診
5)子育てひろば
6)育児相談
7)マタニティスクール
8)のびのびひろば
9)親子相談
②各種保健事業の推進
・各種の検診事業及び保健事業等を次の通り実施します。また,糖尿病,腎疾患を
中心とした健康教育の充実を図ります。【健康増進課】
1)がん検診
2)骨粗しょう症検診
3)肝炎ウィルス検診
4)生活習慣病予防健診事業
5)40 歳以上の住民に対する健康手帳交付・健康教育・健康相談・訪問指導
③健康相談事業
・市民の健康管理を促進するため,フリーダイヤルによる 24 時間年中無休の「い
なしき健康相談」等による健康や医療に関する相談を引き続き実施し,さらに利
用者が増えるよう事業の周知を図ります。【保険課】
76
■ライフステージ別健康づくり■■保健・医療・子育て支援の充実■
④疾病予防事業の充実
・疾病予防及び疾病を早期に発見するため,稲敷市国民健康保険短期人間ドック等
利用要綱に基づき,人間ドック,脳ドックの受診助成を継続します。【 保険課】
・
「特定健康診査等実施計画」により,40 歳以上の国民健康保険の被保険者に対す
る特定健康診査を実施するとともに,メタボリックシンドローム該当者等と診断
された人への特定保健指導を実施します。また,特定健康診査及び特定保健指導
の受診率,利用率の向上を図ります。【保険課】【健康増進課】
⑤介護予防事業
・
「高齢者福祉計画・介護保険事業計画」により,対象者に基本チェックリストを実
施し,該当者には二次予防事業を実施します。また,該当しない方には,一次予
防事業を実施し,高齢者の健康の維持・増進を図ります。【高齢福祉課】
77
■基本目標3■
■ライフステージ別健康づくり■
2.安心できる医療の確保
近年,高齢化の進展や疾病構造の複雑化などにより,地域医療の役割はますます重
要になってきています。このような中,地域の中で安心して医療を受けることができ
る地域医療体制の充実を図っていく必要があります。
「茨城県保健医療計画」等と連携して,かかりつけ医の普及や休日診療の充実など
市民が身近な地域でいつでも安心して医療を受けられる体制づくりを図ります。
■施策の内容■
①かかりつけ医の普及促進
・市民一人ひとりが自分の健康について,気軽に相談ができる,かかりつけ医をも
つことを促進するとともに,医師会や医療機関等と連携して地域医療体制の整備
を図ります。【健康増進課】
②休日診療事業の充実
・休日当番医を委託することにより,市民がいつでも安心して医療を受けられる体
制づくりを目指すとともに,病院輪番制・小児救急輪番制により,救急医療体制
の充実を図ります。【健康増進課】
③医療福祉費助成事業
・妊産婦,乳幼児,小・中学生,母子家庭の母子,父子家庭の父子及び重度心身障
害者の健康の保持増進を図り,自己負担を公費で助成します。【保険課】
④不妊治療助成・未熟児養育医療助成の推進
・不妊治療にかかる医療費の高額化に対応し,医療費の助成を実施します。
【健康増進課】
・未熟児または低体重児で出生した児の入院助成を実施します。【健康増進課】
⑤疾病予防,予防接種助成の推進
・予防接種を受けることで,感染症の予防が図られることから,定期予防接種の実
【健康増進課】
施を推進するとともに,任意の予防接種に対する助成を実施します。
⑥献血推進事業の推進
・県及び血液センターと連携して,医療機関に必要な輸血用血液を確保するために,
引き続き献血推進運動を展開するとともに,献血日程や協力団体の拡充に努めます。
【健康増進課】
78
■ライフステージ別健康づくり■■保健・医療・子育て支援の充実■
3.子育て支援事業の推進
核家族化の進行や共働きの増加などにともない,子育てへの不安を抱える家庭は増
加傾向にあり,このような状況に対応するため,保育サービスや総合的な子育て支援
の充実が求められています。
稲敷市の乳幼児のすこやかな成長と,育児への総合的な支援を図るため,保育サー
ビスの充実や子育て支援センターの活用を促進します。特に子育てにかかるストレス
や悩みなどに対し,きめ細かに対応していきます。
■施策の内容■
①保育サービスの充実
・保育施設の整備や利用者のニーズに即した多様な保育サービスの提供により,子
育て支援・保育サービスの充実を図ります。【児童福祉課】
・子育てに対する親の不安や悩みを解消するため,各種相談体制の充実やボランテ
ィアを含めた地域ぐるみの子育て支援ネットワークづくりを推進します。
【児童福祉課】
②地域子育て支援センター事業
・地域全体で子育てを支援する基盤を形成することを目的に,市内4ヵ所の支援セ
ンターを中心にさまざまな子育て支援活動を行い,育児不安の解消・子育ての孤
立化を防ぎ,健全な育児環境づくりを行います。【児童福祉課】
1)子育て支援センター利用者の拡大
・COCOLO カフェや cocolo ブログ,メルマガ(稲敷市情報一斉メール配信
サービス)により市内4施設の情報発信を行い,子育て支援センターの利用
者の拡大に努めます。
・子育て世代における育児の孤立化を防ぎ,来館者が安心して利用できる環境
づくりを行います。
2)育児講座・リフレッシュ講座の開催
・子育て中の母親へ育児情報を発信するため,さまざまな育児講座を開催しま
す。お子さんを預かることでリフレッシュできるようなお母さんのための講
座も開催します。
3)関係機関との連携
・子育てにおいての最善の環境を求め,子育ての悩みをともに解決できるよう,
関係機関との連携に努めます。
79
■基本目標4■
■ライフステージ別健康づくり■
■■■
基本目標4
健康まちづくりの推進
■■■
■目標■
■地域の人たちが相互に支え合いながら健康を守るために,地域社
会への積極的な参加の促進を図ります。
■市民が健康づくりに関心を持ち,自ら取り組むことを支援するた
めに,健康づくりを推進する環境を整備していきます。
施策の方向
1.社会参加・生きがいづくり
2.健康づくり推進基盤の整備
80
■ライフステージ別健康づくり■■健康まちづくりの推進■
1.社会参加・生きがいづくり
市民が健康づくりを進める上では,従来の行政主導型の健康づくりの場だけでなく,
市民が楽しく主体性を発揮できる場の創出が必要です。
住み慣れた地域社会において,社会参加や生きがいづくりを進めていくことが,市
民の健康づくりに繋がることから,社会参加・生きがいづくりの促進が求められてい
ます。
文化・スポーツ活動をはじめ,仕事やボランティア活動など地域社会へのさまざま
な参加活動を促進し,幅広い年代に対応した市民の心身の健康づくりを支援します。
■施策の内容■
①高齢者の生きがいづくり事業
・高齢者の生きがいを促進し,心身の健康保持・増進を図るため,高齢者の生きが
いと健康づくり事業を推進するとともに,老人クラブなど自主的なクラブ活動の
支援やシルバー人材センターの運営支援を推進します。【高齢福祉課】
1)高齢者の生きがいと健康づくり事業
2)老人クラブの活動支援事業
3)シルバー人材センター助成事業
②ボランティア活動の振興
・地域社会への参加,仲間づくり,社会貢献などに係わる市民の生きがい活動を支
援し,ボランティア活動への参加促進を図ります。【社会福祉協議会】
1)多様なニーズに即したボランティア育成講習会の開催
2)地域ボランティアの参加促進,育成,支援事業
3)ボランティアセンターの機能強化
81
■基本目標4■
■ライフステージ別健康づくり■
2.健康づくり推進基盤の整備
人々の健康は,身の回りの環境の影響を受けることから,健康づくりに関心をもち,
健康づくりに取り組みやすいよう,健康づくりの推進基盤を整備することが重要です。
市民の健康づくりを推進するために,マンパワーの育成・確保,施設等の整備,
「市
民行動プラン」の普及等情報提供体制の構築を図ります。
■施策の内容■
①稲敷市健康増進計画の推進・見直し
・稲敷市後期健康プランの着実な推進を図り,平成 29 年度最終評価を行います。
【健康増進課】
②情報提供体制の整備
・
「市民行動プラン」の普及をはじめ,生活習慣病予防や健康づくりに関わる正しい
知識の普及・啓発を図るために,広報,ホームページ等の活用により,迅速かつ
きめ細かな情報提供に努めます。【健康増進課】
③マンパワーの育成・確保
・健康づくりの推進に係わる専門職やマンパワーの育成・確保を図ります。関係機
関で実施する養成講座等への参加促進に努めるとともに,資格取得を奨励します。
【健康増進課・高齢福祉課】
■健康運動指導士
1)保健師
個々の心身の状況に応じ,ハイリスク者も
対象とした安全で効果的な運動指導を行う専
門的技術をもった指導士。個々人の運動プロ
グラムの作成及び指導を行います。
(平成 19 年に新システムに移行)
2)栄養士
3)健康運動指導士
4)食生活改善推進員
5)シルバーリハビリ体操指導士
・健康づくり推進に係わる各地区の体育推進委員会が,活発に活動出来るように,
【生涯学習課】
スポーツ推進委員や体育推進委員など委員の育成・確保を図ります。
1)スポーツ推進委員
2)体育推進委員
④生涯スポーツ施設の整備
・市民が安心してスポーツを楽しむために,総合運動公園や既存の体育施設の計画
的な整備,維持管理を行い,さらに学校体育施設開放事業の推進とあわせ,施設
利用の利便性向上を図ります。【生涯学習課】
82
資料編
■ライフステージ別健康づくり■
84
■ライフステージ別健康づくり■■資料編■
1.プラン策定の経緯
年
月
日
内
容
等
意識調査の実施
○稲敷市健康プラン策定のための住民意識調査
○健康と生活に関するアンケート
5 月 21 日~6 月 20 日
(保護者(保育所・幼稚園・小学生)・中学生)
第1回ワーキングチーム会議
〈審議内容〉
○策定方針
7月 27 日
○現況と課題,意識調査
○プランの考え方(理念,目標,推進体制,基本方針)
○施策の展開の体系について
第 1 回推進委員会
〈審議内容〉
○策定方針
8月6日
○現況と課題,意識調査,ヒヤリング結果
○プランの考え方(理念,目標,推進体制,基本方針)
○施策の展開の体系について
市民・団体ヒアリング調査の実施
8月8日
○稲敷市教育研究会学校健康教育部栄養士部会
○稲敷市食生活改善推進員協議会
平成 24 年
7 月 27 日~8月 20 日 各課施策達成度状況及び各課原案調査の実施
11 月 19 日~30 日
平成 25 年
1月9日
関係各課と電子会議(第2回ワーキングチーム会議として)
〈検討内容〉
○市民行動プラン
○施策の展開
第2回推進委員会
〈審議内容〉
○市民行動プラン
○施策の展開
1月 21 日~2月4日
パブリックコメントの実施
2月 18 日~3月 1 日
第3回推進委員会(郵送にて資料配付,ご意見等返送)
〈報告内容〉 ○パブリックコメントについて
〈審議内容〉 ○稲敷市後期健康プラン原案
85
■資料編■
■ライフステージ別健康づくり■
2.稲敷市健康プラン推進委員会設置要綱
平成 20 年 3 月 3 日
告示第 8 号
(設置)
第1条
健康増進法(平成 14 年法律第 103 号)第 8 条第 2 項に基づき稲敷市の実
情に即した総合的,具体的な市民の健康づくり計画(健康プラン)を推進するため,稲
敷市健康プラン推進委員会(以下「推進委員会」という。)を設置する。
(所掌事項)
第2条
推進委員会は,次に掲げる事項を所掌する。
(1)
健康プランの総合的かつ計画的な推進に関すること。
(2)
健康プランに位置づけられた施策及び事務事業の推進並びに健康づくり目標
値の達成に関すること。
(3)
その他健康づくりに必要な事項に関すること。
(組織)
第3条
2
推進委員会の委員は,20 人以内で組織するものとする。
委員は,次に掲げる者のうちから市長が委嘱し,又は任命する。
(1)
学識経験者
(2)
保健医療関係者
(3)
福祉関係者
(4)
前 3 号に定めるもののほか,市長が必要と認める者
(任期)
第4条
委員の任期は 5 年とし,特定の地位又は職により委嘱又は任命された委員
は,任期満了日前において当該地位又は職を失ったときは,委員の職を失うものとす
る。なお,この場合の補欠委員の任期は,前任者の残任期間とする。
(委員長及び副委員長)
第5条
推進委員会に,委員長 1 人及び副委員長 1 人を置く。
2
委員長及び副委員長は,委員の互選により選出する。
3
委員長は,会務を総理し,推進委員会を代表する。
4
副委員長は,委員長を補佐し,委員長に事故があるとき,又は欠けたとき,そ
の職務を代理する。
(会議)
第6条
推進委員会は,必要に応じて委員長が招集し,会議の議長となる。
2
推進委員会は,委員の過半数の出席がなければ,会議を開くことができない。
3
推進委員会の議事は,出席委員の過半数でこれを決し,可否同数のときは,委
員長の決するところによる。
4
推進委員会は,議事について審議するため必要があると認めるときは,委員以
外の関係者の出席を求め,意見及び説明を聴くことができる。
86
■ライフステージ別健康づくり■■資料編■
(庶務)
第7条
推進委員会に係る事務は,健康増進担当課において処理するものとする。
(その他)
第8条
この告示に定めるもののほか,推進委員会の運営に関し必要な事項は,市
長が別に定める。
附
則
この告示は,平成 20 年 4 月 1 日から施行する。
附
則(平成 20 年告示第 27 号)
この告示は,平成 20 年 9 月 19 日から施行する。
3.稲敷市健康プラン推進委員名簿
(敬称略・順不同)
役職
氏名
所属
備考
委員長
浅
野
信
行 市民福祉常任委員会委員長
~H24.12
松
戸
千
秋
H24.12~
副委員長
宮
崎
幸
枝 稲敷市医療機関専門医
委員
金
井
貴
子 稲敷医師会長
横
田
一
郎 稲敷地区歯科医師会代表
根
本
偉
代 栄養士会
西牟田
貴美子 歯科衛生士会
箕
輪
明
人 竜ヶ崎保健所健康増進課長
森
田
信
夫 稲敷市区長会連合会長
野
村
由紀子 民生委員児童委員協議会主任児童委員長
森
永
善
子 稲敷市食生活改善推進員協議会長
坂
本
忠
雄 老人クラブ連合会長
高
木
根
本
光
起 体育協会副会長
飯
田
光
男 稲敷市保健福祉部長
均
PTA 連絡協議会長
87
■ライフステージ別健康づくり■
■ライフステージ別健康づくり■
■■稲敷市後期健康プラン■■
稲敷市健康増進計画・食育推進計画
平成 25 年3月
発行
稲敷市保健福祉部健康増進課
〒300-1411
茨城県稲敷市伊佐津 3239-1 (稲敷市ふれあいセンター内)
TEL
0297-87-6111
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