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第12回演奏会のプログラムはこちらへ
tafel musik konzert
バッハ教会カンタータ連続演奏会Ⅻ
29年の実績をもつターフェルムジーク鎌倉が、ライプツィヒ時代のカンタータを連続演奏します
2008.6.14(土)
p.m.2:00
逗子文化プラザホール
ターフェルムジーク鎌 倉
後援 鎌倉市教育委員会
逗子市教育委員会
ごあいさつ
本日はターフェルムジークコンサート「バッハ教会カンタータ連続演奏会Ⅻ」
へお出かけ頂きましてありがとうございました。衷心より御礼申し上げます。
私たちがこの連続演奏会を始めたときには、まさかこんなに多くの皆様と、バッハのカンタータの素
晴らしさについて、語り合えるなどとは思ってもいませんでした。
そしてこの会も今回でもう12回目となります。ご援助くださった皆様に深く感謝申し上げます。
バッハのカンタータの魅力を一言で言い表すことは、もとより不可能なことですが、「昔も今も変
わりない人間の心の歌」とでも申しましょうか、私たち人間の悩み、苦しみ、楽しみ、喜びをこれほ
ど端的に表現し、聴くものの心に共感をよぶ音楽はありません。
聴けば聴くほど、演奏すればするほどにその深み、魅力の虜になるような気がするのです。
そのようなわけで、このシリーズはもう暫くは続けさせていただきます。引き続きのご愛顧を、よろ
しくお願い申し上げます。
本日は、それぞれに異なった趣をもつ4曲のカンタータをお楽しみいただきます。
150番では古風で、雅な世界を。29番と120番では華麗なお祭り気分を。198番は、一変して
深い悲しみの追悼礼拝です。
では、最後までごゆっくりとお楽しみください。
ターフェルムジーク鎌倉
演奏
吉田龍夫
ターフェルムジーク鎌倉(合唱およびオーケストラ)
指揮
大竹尚之
独唱
ソプラノ
藤崎美苗
アルト
高橋ちはる
テノール
石川洋人
バス
川上
ヴィオラ・ダ・ガンバ
志水哲雄
リュート
櫻田
バロックトランペット
中村孝志
ティンパニー
井手上 達
敦
安孫子みかほ
亨
オルガン
上薗未佳
後援
鎌倉市教育委員会
中村
肇 保坂裕典
逗子市教育委員会
この演奏会に先立ち「アトリエ楽」さま、よりご寄付をいただきました。記して感謝申し上げます。
主な出演者の横顔
指揮:大竹尚之(おおたけなおゆき)
リコーダーを多田逸郎に師事。72年 オランダ王
立音学院にてリコーダーをフランス・ブリュッヘン、ジ
ャネット・ファン・ヴィンガーデン、ブリュース・ヘインズ
に師事。ルネッサンス音楽とルネッサンス楽器をケー
ス・オッテン、佐藤豊彦に師事。76年 同音楽院卒。
帰国後、札幌交響楽団、新ヴィヴァルディ合奏団初
め室内合奏団とコンチェルト演奏を行い、またバロッ
クオペラ等に数多く出演している。バロック、ルネッサ
ンス期のリコーダーを研究し、演奏に導くという演奏
家としての業績ばかりでなく、さまざまな雑誌に発表し
た論文によって日本のリコーダー界を常にリードし続
けており、またその斬新ともいえる指導法には定評が
ある。
現在、東京音楽大学講師、フェリス女学院大学講
師、アンサンブルBee指揮者、プロムジクス神奈川同
人、ナオカルテット主宰、アンサンブルジョット主宰。
ソプラノソロ:藤崎美苗(ふじさきみなえ)
岩手大学教育学部、東京藝術大学声楽科卒業、同
大学院修士課程独唱専攻修了。第10回友愛ドイツ
歌曲コンクール第2位入賞。バッハの教会カンタータ
をはじめ、モーツァルト「レクイエム」「戴冠ミサ」、フォ
ーレ「レクイエム」、J.ラター「マニフィカト」などの宗教
曲でソリストを務める。またバッハ・コレギウム・ジャパ
ンのメンバーとして国内外の演奏・録音に参加、2005
年の「ロ短調ミサ曲」及び 2004・2006 年の「マタイ受難
曲」ではソロを務めた。Bless B Quintet メンバー。京
葉混声合唱団指揮者。
アルトソロ:高橋ちはる(たかはしちはる)
東京藝術大学修士課程修了、現在同大学博士課程に在籍中。小川明子、朝倉蒼生、伊原直子の各氏に師事。
昨年から今年にかけ、オーストリア・ウィーン国立音楽大学リート・オラトリオ科に留学し、チャールズ・スペンサ
ー、マルギット・クラウスホーファーの両氏に師事し、研鑽を積んだ。これまでにバッハのカンタータやミサ曲、モーツァ
ルト等の宗教曲のソリストを数多く務めている。またバッハ・コレギウム・ジャパンのメンバーとして国内外での演奏会に
出演している。
テノールソロ:石川洋人(いしかわひろと)
7歳より静岡児童合唱団に入団、ソリストとして3回のヨ
ーロッパ演奏旅行に参加。
国立音楽大学声楽科卒業。スイスバーゼル音楽大学
大学院、及びバーゼルスコラカントルムに留学、芸術修
士取得。
在学中よりヨーロッパ各地でコンサート出演。ポラントリュ
イ・バッハアカデミー、ウィーン、ザルツブルク・トゥジュー
ルモーツァルト音楽週間、ニュルンベルク教会音楽週間
等の音楽祭にも招かれた。
M.コルボ、M.ラドレスク、A.ルーリー、J.リフキン等著名
な音楽家とも共演、いずれも好評を博し、信頼を得る。
2006年11月帰国。バッハ・コレギウム・ジャパン等に
参加し、ソリスト及びアンサンブル歌手として国内外で活
躍している。
戸崎裕子、牧野正人、K.ヴィトマー、E.タブ、G.テュル
ク、A.ショルの各氏に師事。
バスソロ:川上 敦(かわかみあつし)
投資顧問の運用統括の傍ら、サンデー・バリトンと
して地元逗子を中心に活動を続けている。オペラで
は、「フィガロの結婚」(伯爵)、「コシ・ファン・トゥッテ」
(ドン・アルフォンソ)、「ドン・ジョヴァンニ」(タイトル・ロ
ール)、「魔笛」(弁者)、「椿姫」(ジェルモン)、「仮面
舞踏会」(レナート)、「ジャンニ・スキッキ」(タイトル・ロ
ール)、「愛の妙薬」(ドゥルカマーラ)等に出演。当該
バッハ連続演奏会には当初から参加。
声楽を川上久美子、小林秀史、オペラを故西本真
也の各氏に師事。
Programm
Johann Sebastian Bach
ヨハン・セバスチャン・バッハ
Kantate Nr.29 „Wir danken dir, Gott, wir danken dir“ Sinfonia
カンタータ第 29 番
「われら御身に感謝しまつる」
より シンフォニア
Johann Sebastian Bach
Kantate Nr.150
„Nach dir, Herr verlanget mich“
ヨハン・セバスチャン・バッハ カンタータ第 150 番 「主よ、わが魂は汝を求め」
(使用目的不明)
1. Sinfonia
5. Arie(Terzetto:Alt,Tenor,Baß)
2. Chor
6. Chor
3. Arie (Sopran) 7. Chor
4. Chor
Johann Sebastian Bach
Kantate Nr.120
„Gott, man lobet dich in der Stille“
ヨハン・セバスチャン・バッハ
カンタータ第 120 番 「神よ、われらはひそかに汝をたたえ」
(市参事会員交代式用)
1. Arie(Alt)
4. Arie(Sopran)
2. Chor
5. Rezitativ (Tenor)
3. Rezitativ(Baß) 6.Choral (Chor)
Johann Sebastian Bach
Kantate Nr.198
„Laß, Fürstin, laß noch einen Strahl“
ヨハン・セバスチャン・バッハ カンタータ第 198 番 「候妃よ、なお一条の光を」
(候妃追悼式用)
Erster Teil
1. Chor
2. Rezitativ (Sopran)
3. Arie (Sopran)
4. Rezitativ (Alt)
5. Arie(Alt)
Zweiter Teil
8. Arie(Tenor)
9. Rezitativ (Baß)
10. Chor
J.S.バッハ(1685~1750) は、マルティン・ルターとゆ
かりが深いアイゼナッハで、代々が音楽家であった家系に
生まれたが、幼くして両親を無くし、長兄に引き取られて少
年時代を過ごした。(当然生まれながらのルター
派信者であった)
15歳の時、居づらくなった兄の家を出て独立し、「ソプラ
ノ」の教会合唱団員として雇われる。当時の人は声変わり
が遅かったのであるが、もちろん長続きはしない。18歳で
今度はオルガン奏者としてアルンシュタットの教会で採用さ
れる。
同じ天才でもモーツァルトは父親の計画的な教育によっ
て才能を開花させて行くが、バッハの音楽家としての成長
は、全て自らの実地訓練で築き上げたものである。
22歳でミュールハウゼンのオルガニストに転進する。
残されている作品はこのころからのものであるとされるが、詳
細はよく判っていない。バッハの作品は初期のころから完成
されたものであった。
教会カンタータ第150番(BWV150) „Nach dir,
Herr, verlanget mich“(主よ、わが魂は汝を求め)
カンタータ第150番は、いつどこで、何の目的で書かれ
たのかが不明な作品である。1755年頃の筆写譜が残さ
れているだけのもの。最も初期の作品とされている。上記、
アルンシュタット時代の作品か。
私どもがこの作品を取り上げるのは、その雅な美しさはも
ちろんであるが、何と言っても合唱曲の割合が高いことにあ
る。合唱のための曲と言っても過言ではない。
歌詞は全て旧約聖書詩編25編によっている。
3曲の合唱曲(2曲目,4曲目,6曲目)では詩編の聖
句がそのまま使われ、その他の3曲(アリア2曲、合唱1曲)
でも詩編からイメージされた自由詩が使われている。
楽器編成も特殊である。ヴァイオリンが2パートと通奏低
音それにファゴットパートが独立している。
1曲目は、器楽のみのシンフォニアであるが、次にくる合
唱曲の序奏のようなものであり、用いられる旋律も同じであ
る。2声部のヴァイオリンの絡み合いが美しく進行していく。
2曲目は、詩編25編1-2節を歌詞(対訳参照)と
し、その歌詞1行ずつで曲のテンポが変化していき、最後に
は、フーガを形成して終わる。「恥をかいたり、敵が勝誇った
りしないように」と神に願う。
3曲目は、ソプラノの小さなアリア。ヴァイオリンは2パート
がユニゾンとなる。「世の中ではさまざまな災いがふりかかる
が、正義があるかぎり、わたしは安心である」と歌う。
4曲目の歌詞は、詩編25編5節である。
合唱が下声部から順に上昇音型(アナバシス)をもって、
„Leite mich“ と歌う。あたかもバロック様式の大伽藍を
組上げるごとくである。「私をあなたの誠へと導いて下さ
い」。
以後、この曲でも、歌詞によってテンポがめまぐるしく変
わり、最後には „täglich harre ich dein“「絶えることなく
あなたに望をおいています」と各声部が歌い交わして伽
藍が組上がる。
5曲目は、珍しい3重唱(アルト、テノール、バス)であ
る。「杉の大木も風や難儀によって倒れることはあるが、
神の言葉や行いはびくともしない。次元が違うものだから
だ」。歌がゆったりと歌い進むのに対し、チェロ(通低)とフ
ァゴットが忙しく「難儀」をふっかける。
6曲目、歌詞は3度目の、詩編25編15節。歌詞は
2行に分かれており(対訳参照)、前半の「わたしはいつ
も主に目を注いでいます」はニ長調の明るい雰囲気で、
後半の「わたしの足を網から引き離してくれる方に」は短
調のフーガとなる。
7曲目は、Ciaccona となっている。短い低音旋律を繰
り返していく、一種の変奏曲である。器楽と合唱が8行
からなる歌詞を順に歌っていく。(対訳参照)
低音は4小節からなる単純な旋律を計22回繰り返
す。 この数は詩編25編の節の数と同じである。
また、この低音の旋律は、1885年に初演されたブラ
ームスの交響曲第4番第4楽章のテーマとして使われて
いる。
最後に、曲は合唱と器楽が一体となって盛り上がる。
「キリストの支えによってわれらの戦いは勝利する」のであ
る。
教会カンタータ第120番(BWV120)
„Gott, man lobet dich in der Stille“(神よ、われらはひ
そかに汝をたたえ)
毎年ライプツィヒでは、「8月24日の後の月曜日」に市
長、市参事会員の任命式が盛大に執り行われ、その式
典にはカンタータも演奏されていた。現在このための曲は
5曲残されていて、この教会カンタータ120番や、開幕
に演奏する29番もそのためのものである。鳴り物入り(ラ
ッパや太鼓)で華やかな曲が多い。
しかしこの曲の開始(1曲目)はそうではない。この歌詞
(詩編65編2節より)にあるようにアルトソロとオーボエ・ダ
モーレを主体としたオーケストラとが優雅に、穏やかに神
を賛美していく。 „lobet“(讃美する)と
„bezahlet“(誓いを果たす)が長いメリスマで飾られて華
やかさを演出している。
2曲目は式典を盛り上げる大合唱曲である。鳴り物も
大いに活躍する。
合唱の華やかさは特記に値する。「歓呼せよ、喜びの
声」「高く登って天まで届け」。本当に天まで届きそうな分
散和音、駆け上がるメリスマで喜びに溢れかえるような式
典の様子を表現している。
中間部では一転して曲想は短調に変わり、穏やかに神
を讃える。 „Lobet Gott im Heiligtum“(聖なる場所で神
をあがめ)、„hört zu keinen Zeiten auf!“(いかなるときも止
むことがない)。祈りの声が各声部にこだましてこの部分を
終り、歓喜が再現して華やかに曲は終わる。
3曲目は、バスのレツィタティーフ。なんだかんだと市のお
偉方を持ち上げ、市政への神の祝福を願う。この曲では女
声に美しいアリアを与え、男声はお偉方へのゴマすり役?
のレツィタティーフ係。
4曲目は、美しいソプラノのアリア。オケは弦楽器のみ
で、技巧的なヴァイオリンソロがソプラノを飾る。「救いと祝
福」が「われらの市政に」もたらされるようにと、願い歌う。こ
んな美しい曲で祝ってもらった市のお偉方はなんと幸せな
人々であろうか。
5曲目は、テノールによるゴマすり第2弾。弦楽器の伴
奏を伴ったレツィタティーフ。「悪意が逃げ去り」「家々に正
義の花が咲く」ようにと、主へ祈りを捧げる。
6曲目は、合唱コラール。5曲目で歌われた主への祈り
を、全会衆によって確認するもの。「いかなる時にも彼らを
守り育て」「永遠の高みに挙げたまえ」と請い願う。
本日歌われる唯一のコラールである。
教 会 カ ン タ ー タ 第 1 9 8 番 ( BWV198 )
„Laß,
Fürstin, laß noch einen Strahl“(候妃よ、なお一条の
光を)
カンタータ第198番は、1727年10月17日、選帝侯
妃の追悼式典で演奏された曲である。
バッハが住んでいたザクセン候国は、ルター以来150年
にわたるルター派信仰の中心地であった。ところが、その王
様であるフリードリヒ・アウグスト候(1670-1733)はポーラン
ド国王を兼任するためローマカトリックに改宗してしまうので
ある。だがしかし、その妃であるクリスティアーネ・エーバーハ
ルディーネ(1671 生)は断固としてルター派の信仰を貫いて
夫に従わなかった。
別居し、エルベ川沿いの小さな町、トルガウやプレーチュ
で隠遁生活を送った。
当然、国民は彼女を支持し、彼女の人気は亡くなるま
で高かったと思われる。彼女が1727年9月に隠遁先で
死去すると、追悼式が計画された。
その追悼式に演奏されたのがこの曲である。
詩は、当時有名な詩人でライプツィヒ大学教授であっ
たゴットシェトが作り、バッハにその作曲が依頼された。
バッハは敬愛していた候妃のために、傑作を作り上げ
た。
楽器編成も通常のカンタータより大きく、2本のフルー
ト、2本のヴィオラ・ダ・ガンバ、2本の(本日は1本)リュー
トが起用され候妃にふさわしい華麗さを演出する。
式典は、ライプツィヒ大学の聖パウロ教会で厳かに執り
行われたが、その有様はライプツィヒ市の記録に残ってい
る。
「カペルマイスターのヨハン・セバスチャン・バッハがイタリ
ア風の様式で作曲した追悼の音楽が、バッハ氏自身に」
よって「演奏された。」
バッハの活躍ぶりが当時の記録によって確認できる例
は他にはない。それほどにこの式典が注目されていたのだ
ろう。
曲は大きく2つの部分に別れていて、その間には弔辞
が朗読された。
第1部
1曲目は、葬送の行進を連想させるオケの付点リズム
を伴った大きな合唱曲。 „Laß, Fürstin, laß noch einen
Strahl“ (候妃よ、なお一条の光を) なんと味わいある
言葉であろうか。
全曲の歌詞は今も名を残している文学者であるゴット
シェトのものである。文学的にも優れたものと思われるの
で、対訳において直に味わっていただきたい。
ここでは、4行からなる歌詞を合唱が4回歌う。その中
間での2本のフルートの輝きは候妃(Fürustin)が放つ光
なのだろうか。
2曲目と3曲目は、ソプラノのレツィタティーフとアリア。
レツィでは、あの悪役アウグスト王も、貴族や国民とと
もに嘆いている。
アリアは、「悲しみのために弦も鳴りやみなさい」と歌う
が、音楽での弦楽器は細かく、華やかにソプラノと歌い交
わしている。
4曲目と5曲目は、アルトのレツィタティーフとアリア。
レツィでは、弔いの鐘が打ちならされる。鐘はオケ全楽
器(弦楽器は全てピチカート)で演奏される。「わたし達
の悲しみの証として」「ヨーロッパ中に鳴り響け」とばかり
に。
次のアリアこそこの曲の中心をなす曲である。
アルトと2本のヴィオラ・ダ・ガンバ--通奏低音にはリュ
ートが入る―によって纏綿と歌われる。「この気高きヒロイ
ンは何と満足気に死んでいったことでしょう」と。
この曲によってこのヒロインは永遠に、優雅に讃えられる
のである。
6曲目には「愛のオーボエ」、オーボエ・ダモーレ2本が
登場し、テノールと組んで、彼女の死が、いかに気高いも
のであったかを述べる。
7曲目は、合唱によるフーガである。「あなたは、女
性の鑑であった」と褒めそやす言葉4行を、2度フーガにし
て活発に歌う。中間ではフルート2本とガンバ2本が競い
合う。
第2部
8曲目はテノールが登場して最大級の賛辞を述べる。
「永遠のサファイアの家」、「100個の太陽輝き」であるあ
なたが、地上の汚れを取り除き、実際の太陽をも暗くし
てしまう、と。フルートとオーボエ、ヴァイオリン、ガンバとリュ
ートが参加して、それに賛同する。
9曲目はバスの長いレツィタティーフ。原詩の2つの節
を合体させたもの。中間でアリオーソになり、更に後半で
は伴奏入りレツィとなる。彼女が長く隠遁生活を送った
土地での悲しみを述べる。
彼らの「目の牧場」が失われてしまったのだから・・・と。
10 曲目は、「最後の合唱」(Chorus ultimus)。
わたし達はこの曲を第7回演奏会において、メンバーの
まま亡くなられた古田洋子さんを悼んで演奏した。「だが、
王妃よ、あなたは死んではいません」。王妃を洋子と心の
中で読み替えながら。
「王妃」を1曲目では„Fürstin“(候妃)と呼び、ここでは
„Königin“ ( 王 妃 ) と し て い る 。 当 然 位 と し て は
„Königin“(王妃)が上であろう。
曲はジーグのリズムで、前半、後半とも繰り返しながら、
しめやかに、しめやかに流れていく。「最高の美徳の持ち主
だった」彼女への惜別の思いを絶ち難いように。
ターフェルムジーク鎌倉演奏者
指揮者
大竹尚之
合唱指揮者 大川五郎
合唱指導
藤崎美苗
練習ピアノ
大場智子
高島菜穂子
ターフェルムジーク鎌倉カンタータ合唱団
(◎ソリスト、太字客演)
ソプラノ
アルト
テノール
バス
朝倉由美子
飯野幸子
阿部郁夫
大川五郎
加藤美伸
犬塚いそみ
石川洋人◎
川上 敦◎
荘司早苗
高橋ちはる◎
産形 聖
記内一弘
島野千鶴
武居良子
団野方元
小林隆一
中阪理津子
橋本弘美
野村和貴
橋本晴人
橋本礼子
橋本八洲子
原山 博
福山孝明
林 春菜
カウンターテナー
平田吉輝
藤崎美苗◎
柴田秀男
芳村小百合
ターフェルムジーク鎌倉カンタータオーケストラ
バロックトランペット
フルート
ヴァイオリン
中村孝志
吉田龍夫
荒木葉子
中村 肇
吉村更一
岩瀬祥子
保坂裕典
太田純子
オーボエ
奥村直生
ティンパニー
井上卓也
中島文子
井手上 達
桑野若菜
村岡一恵
ファゴット
西谷裕之
ヴィオラ
小林靖児
伴 義裕
ヴィオラ・ダ・ガンバ
志水哲雄
安孫子みかほ
リュート
櫻田 亨
チェロ
小貫昇三
コントラバス
北川 洋
オルガン
上薗未佳
次回演奏会のお知らせ
「バッハ教会カンタータ連続演奏会ⅩⅢ」
2008.12.27(土) PM2:00 逗子文化プラザホール
演奏:ターフェルムジーク鎌倉(合唱とオーケストラ)
指揮:大竹尚之
独唱:藤崎美苗、高橋ちはる、石川洋人、藪内俊弥
演奏曲目:教会カンタータ第63番、110番、151番など、クリスマスカンタータの特集
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