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第1回日本・アラブ経済フォーラム開催
産油国投資促進及び投資環境整備関連 第1回日本・アラブ経済フォーラム開催 1 2月7日!及び8日"の2日間,東京(フォーシーズンズホテル椿山荘)において,外務 省,経済産業省及びアラブ連盟共催の下,第1回日本・アラブ経済フォーラムが開催されま した。 このフォーラムは,貿易,投資,エネルギー,技術,人材育成などの幅広い分野での協力 を通じた,日本とアラブ諸国との相互の経済関係の強化を目的とするものであり,2日間の イベントには,日本とアラブの経済関係機関や企業関係者を中心に約1, 2 0 0名(日本:約9 0 0 名,アラブ:約3 0 0名)という多くの方々にご参加をいただきました。 当センターの関係では,フォーラム初日の閣僚級官民合同会合の第1セッション「人的つ ながり」において,根本会長が「基本に戻る」をテーマに基調講演を行うと同時に,日本と アラブの参加者の相互交流を図るためのレセプションを主催しました。また,当センターは 主要協力機関として,フォーラムの開催に向けた様々な手配並びに当日の運営を担いました。 また,2日目の民間ビジネス・セミナーや個別商談会の企画・運営に携わり,大きな役割を 果たしました。 9 中東協力センターニュース 2 0 1 0・2/3 1.日 程 1 2月6日# 外務大臣・経済産業大臣共催レセプション(飯倉公館) 1 2月7日$ 閣僚級官民合同会合,商談会,ジェトロ主催展示会 1 2月8日% 民間ビジネス・セミナー,商談会,ジェトロ主催展示会 1 2月9日& 関係施設見学(都内) 中東協力センター主催レセプション 2.主な参加者 【日本側】 岡田外務大臣,直嶋経済産業大臣 武正外務副大臣,増子経済産業副大臣,吉良外務大臣政務官 御手洗冨士夫 !日本経済団体連合会会長,渡文明 !日本経済団体連合会副会長 根本二郎 "中東協力センター会長, 独 日本貿易振興機構理事長 林康夫 ' 【アラブ側】 アムル・ムーサ・アラブ連盟事務総長 ベン・ヤヒア・アラブ・マグレブ連合事務局長 サーフィー・イラク貿易大臣代行(アラブ連盟経済社会理事会議長) ムタワッキル・イエメン産業・貿易大臣 アティーヤ・カタール国際協力担当国務大臣兼ビジネス・通商大臣代行 ダルダリ・シリア経済担当副首相 フィデイル・スーダン国民統一政府国際協力大臣 ピーター・アドック・スーダン国民統一政府高等教育・科学研究大臣 ベンジャミン南スーダン政府商業・産業大臣 ジュイニー・チュニジア開発・国際協力大臣 ウダー・モーリタニア産業・鉱業大臣 ベンハドラ・モロッコ・エネルギー・鉱山・水利・環境大臣 ラトゥーフ・ヨルダン社会開発大臣 3.概 要 【1 2月6日#】 外務大臣・経済産業大臣共催レセプションに先立ち,本フォーラム設立に関する協力覚書 (MOC)への署名式が飯倉公館で行われ,日本側から岡田外務大臣及び直嶋経済産業大臣,ア ラブ側からアムル・ムーサ・アラブ連盟事務総長が MOC への署名を行った。 【1 2月7日$】閣僚級会合 ( 開会式 開会式では,岡田大臣,直嶋大臣,アムル・ムーサ事務総長,御手洗経団連会長,サーフ 1 0 中東協力センターニュース 2 0 1 0・2/3 ィー経済社会理事会議長が挨拶を述べた。岡田大臣は,本フォーラムを通じて,人材育成, 環境,科学技術といった幅広い分野で,双方に恩恵をもたらすような結びつきを強めること により,日本とアラブ世界の経済のみならず,世界経済全体の持続的な発展にも貢献すると, 本フォーラムへの期待を示した。直嶋大臣は,日本とアラブの経済関係の深化に向けて,ア ラブ諸国との対話や各種の協力事業を推進していく一環として, 「水政策対話」を実施するこ とを提案し,本フォーラムが新エネルギー,環境,金融等の多分野でのビジネスを活性化し, 両地域の協力関係を一層強化することへの期待を示した。 ! セッション(基調講演及び討議) 開会式に引き続き,第1セッション「人的つながり」 ,第2セッション「エネルギー,水, そして未来」 ,第3セッション「貿易と投資」の3つのテーマの下,教育,人材開発,エネル ギー,環境,科学技術,貿易,投資等の幅広い分野について議論が行われた。第1セッショ ンでは,武正外務副大臣が司会を務め,第3セッションでは,増子副大臣が司会を務めた。 閉会式において,司会の直嶋大臣から7日の議論をまとめた議長総括(骨子別添)が公表さ れた。 1 1 中東協力センターニュース 2 0 1 0・2/3 【1 2月8日!】ビジネス・セミナー " 分野別ワークショップ 日本とアラブの民間が主体となり, 「投資のための金融」 , 「産業・貿易・環境・観光」 , 「太 陽光発電」 ,「水ビジネス」のテーマで分科会が開催され,アラブ側から各分野におけるビジ ネス環境・機会等に関するプレゼンテーションが行われた。 1 2 中東協力センターニュース 2 0 1 0・2/3 # 日本紹介セミナー 日本側から「植物工場」 , 「科学技術」 , 「起業家・中小企業」 , 「IT・プラントエンジニアリン グ」 ,「コンテンツ産業」 ,「知的財産権と模倣品対策」といった,我が国が強みを持つ分野で プレゼンテーションを行った。 【1 2月9日!】サイトビジット 今回のフォーラムで取り上げたテーマ(科学技術,水,エネルギー)に関連する施設の見 学が行われた。 ・早稲田大学 先端生命医科学センター ・東京都下水道局 芝浦水再生センター ・パナソニックセンター東京 ・汐留アーバンエネルギー株式会社 【その他イベント】 " 個別商談会 アラブ側参加者と日本企業の関係者が face‐to‐face で将来的なビジネス展開に向けて意 見・情報交換を行った。 1 3 中東協力センターニュース 2 0 1 0・2/3 " 展示会 フォーラム期間中,会場内でジェトロ主催のビジネスフェア(展示会)が開催され,アラ ブ各国の在京大使館,日本の経済関係機関,企業,大学等がパネル展示を行った。 4.プログラム・講演データ 当センターの下記ホームページにフォーラム全体のプログラム及び講演者,並びに各講演 データを掲載していますので,ご参照下さい。 jccme. or. jp/japanese/1 3/1 3 ‐ 0 5. cfm http://www. 5.評 ! 価 本フォーラムは,日本とアラブ各国との間で,官民合同で行う初めての経済分野の会議 となるが,各国の経済関係閣僚の他,アラブ側経済界から約3 0 0名の参加があり,経済の みならず教育,科学技術,文化等,幅広い分野において我が国と重層的な関係を築きた いというアラブ側の期待を反映するものとなった。 " 同時に,日本側からも,経済界を中心に約9 0 0名が参加し,世界経済での存在感を急速に 高めるアラブ諸国に対する日本経済界の関心の高まりが示された。また,日本とアラブ の官民も交えた相互理解を深めることに貢献した。 # 分科会におけるビジネス関係者の活発な意見交換,フォーラム参加者の間で行われた商 談会が,日本企業にビジネス機会を提供し,日本とアラブ地域の今後の経済関係強化に 貢献した。 $ 第2回フォーラムは明年チュニジアで行われる予定。今次フォーラムで発表された議長 総括に明記された様々な分野における協力を,次回フォーラムまでにどのような具体的 成果に結実させられるか,フォーラムを通じて日本企業にどのようにビジネス機会を提 供できるかが課題となる。 1 4 中東協力センターニュース 2 0 1 0・2/3 【別 添】 第1回日アラブ経済フォーラム 議長総括(日本語骨子) 2 0 0 9年1 2月7日 日アラブ経済フォーラムの閣僚会合が,2 0 0 9年1 2月7日,東京において,日本とアラブ連 盟の間の「協力覚書」 (岡田克也外務大臣,直嶋正行経済産業大臣及びアムル・ムーサ・アラ ブ連盟事務総長によって6日に署名されたもの)に基づいて開催された。 A.「強固で持続的かつ均衡ある成長」達成に向けて 1.困難を乗り越え,強固で持続的かつ均衡ある成長を達成するため,国際社会が経済,財 政,金融,環境,社会政策面で協調すべき。この点,マクロ経済政策分野における協力に向 けた諸イニシアティブを歓迎。 2.経済関係強化及び強固で持続的かつ均衡ある世界経済の実現に向け,日本とアラブ連盟 メンバーの間には更なる協力の可能性あり。そのため,以下の分野で協力を深めることの重 要性を認識。 B.教育,人的開発,中小企業における雇用創出 3.日本とアラブ連盟メンバーは,初等教育,製造業におけるキャパシティ・ビルディング, エジプト−日本科学技術大学(E‐JUST)の設立等,重層的な協力を推進。これらの分野で更 なる協力を進める重要性を認識。 4.アラブ側は中小企業育成の重要性を認識。中小企業分野における意見交換継続の重要性 を認識。クウェート,サウジアラビア等アラブ諸国が拠出する基金を含む中小企業発展のた めの措置について説明があった。 C.エネルギー,環境,持続可能な開発,水,科学技術 5.両者は,上下流における石油・天然ガス分野での互恵的な協力を進める決意を表明。 6.両者は,省エネ新エネ分野における人材開発を,アラブ地域で行う可能性について議論。 太陽光分野で日本とアラブ企業が協力する可能性につき一致。 7.両者は,COP1 5において成果を収めるべきであるとの認識を共有。両者はまた,経済・社 会発展を実現させつつ,温室効果ガス排出を顕著に減少させるためのクリーン・エネルギー 技術分野における協力について議論。 8.アラブ側は,水環境改善のための,日本の継続的な努力,特に統合水資源管理促進 1 5 中東協力センターニュース 2 0 1 0・2/3 (IWRM) ,淡水化,下水処理のための支援を評価。日本側とアラブ側はこの分野における相互 協力の重要性を認識。「水政策対話」 ,ビジネス・ミッション,1 2月8日に開催される水ビジ ネス分科会,商談会をはじめ,官民の様々な取組を通じた,関係強化への期待を表明。 D.貿易,投資 9.両者は,以下を通じて経済関係を発展させる重要性を認識。 !双方向貿易の増加 !民間部門における合同プロジェクトの実施の奨励 1 0.金融機関はビジネス拡大や日本やアラブ連盟メンバーへの投資促進に重要な役割を果た す。両者は,以下を通じて金融関係を深化させる重要性を認識。 !(日本とアラブ連盟メンバー間の)双方向投資に関する情報交換 !第三国への投資促進 !両者の金融業におけるネットワーク構築 E.観光 1 1.両者は,近年の観光分野の振興を歓迎。両者は,観光資源の開発に伴い,アラブ連盟メ ンバーにとって,観光が,多くの雇用を創出するという点で経済振興と社会開発のためのプ ライオリティの一つであるという認識を共有。両者は日アラブ間の観光分野の振興を支援。 F.今後に向けて 1 2.両者は,本フォーラムの枠組みで議論を続ける重要性を再確認。この点,本フォーラム の主要なプログラムの1つとして,2 0 1 0年と2 0 1 2年にワークショップや商談会のために,日 アラブ間のビジネス会議を開催するという計画に留意。 1 3.チュニジアが第2回フォーラムのホスト国となることを歓迎。 (了) 1 6 中東協力センターニュース 2 0 1 0・2/3