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大和文芸映画祭

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大和文芸映画祭
9
・
8
3
大和文芸映画祭
第9回
月
日㈯
日㈰
大和市生涯学習センターホール
〈キャスト〉
〈キャスト〉
山本富士子/上原謙/小野道子/市川和子
阿井美千子/川崎敬三/小沢栄太郎
東野英治郎/橘公子/山茶花究 3月8日㈯上映
夜の河
監督 吉村公三郎
3月8日㈯上映
雪国
監督 豊田四郎
カラー スタンダード 104分
1956年 大映
(京都)
吉村公三郎監督はすでに戦前の名作『暖流』
(1939)で、従来の日本映画には
ほとんど登場しなかったタイプの、主体的で理知的なヒロインを描いている
が、山本富士子が演じる舟木きわも、その延長線上に位置する存在といえる
だろう。舞台は伝統的な京染めの世界である。カメラマンの宮川一夫が、当時
の京都の景色を美しくとらえており、山本の魅力を引き出すために色彩をグ
レーに絞った効果も発揮されている。愛する男の妻が病死、その死を待って
いたかのような自分が許せない主人公。そして自ら選んだ別れがくる。その
一種決然とした生き方は、彼女が旧い世界の住人であることを感じさせない
「誇り高き女」であり、山本富士子は本作を契機にトップ・スターの道を歩み
始めた。なお、この当時は日本映画の色彩化への過渡期にあたり、吉村監督に
とっても初めてのカラー作品、夜汽車の漆黒の窓を流れていく赤いネオンサ
インなどに見られるように随所に色彩の工夫を見せている。
「キネマ旬報」ベストテン第2位。
ご
ばん
ちょう
ゆう
ぎり
ろう
五番町夕霧楼
監督 田坂具隆
白黒 スタンダード 133分
1957年 東宝
「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」という有名な冒頭ではじ
ま る 川 端 康 成 の 不 朽 の 名 作 小 説 を 映 画 化 し た も の で 、文 芸 映 画 を 得 意 と し
た豊田四郎が監督した。日本画家の島村(池部良)は、戦争へと突き進む暗い
世相のなかで、一年前に越後湯沢の温泉場で逢った芸者・駒子のことが忘れ
ら れ ず 、再 び そ の 温 泉 場 を 訪 れ る 。二 人 は 互 い に 惹 か れ 合 う が 、駒 子 に は 義
母とその息子を養うため旦那を持っており、島村は東京に妻子がいた・
・
・。 徐 々 に 惹 か れ 合 っ て ゆ く 島 村 と 駒 子 の 心 理 が 、熟 練 し た 豊 田 四 郎 の 細 や
か な 演 出 で 表 現 さ れ る 。ま た 、雪 国 の 空 気 と 生 活 感 が に じ み で る 映 画 美 術
も、本作を格調高いものにしている。岸惠子は本作の製作中に、フランス人映
画監督のイヴ・シャンピとの婚約を発表して時の人となり、封切と時を同じ
くしてフランスへ旅立った。原作小説は1965年にも、岩下志麻・木村功主演で
再映画化されている。
〈キャスト〉
3月9日㈰上映
池部良/岸惠子/八千草薫/久保明
田中春男/浪花千榮子/浦辺粂子
千石規子/三好榮子/市原悦子 〈キャスト〉
佐久間良子/河原崎長一郎/木暮実千代
進藤英太郎/宮口精二/丹阿弥谷津子
岩崎加根子/千秋実/岸輝子/千田是也
織田政雄/木村俊恵/赤木春恵 3月9日㈰上映
ご
べん
つばき
五瓣の椿
監督 野村芳太郎
カラー シネマスコープ 137分
1963年 東映
(京都)
岩下志麻/田村高広/伊藤雄之助/加藤嘉
左幸子/入川保則/加藤剛/小沢昭一
西村晃/岡田英次/山岡久乃 カラー シネマスコープ 163分
1964年 松竹(大船)
田坂具隆監督は戦前からのキャリアをもつ名匠の一人であり、
『 路傍の石』、
山本周五郎の同名小説を井手雅人が脚色し、川又昂が撮影、野村芳太郎が
『五人の斥候兵』
( ともに1938)
などの名作で広く知られている。地味ではあるが、
監督にあたった文芸大作。父の恨みを晴らすために、好色な母と関係した男
堅実な作風はかねてから定評のあるところであるが、この作品においてもその
達 を 誘 惑 し 、一 人 ず つ 殺 害 し て い く 娘 お し の の 復 讐 を 描 く 。そ の 男 た ち は 、
長所を随所で認めることができるだろう。遊郭の佇まいや内部の造りなど、物語
三味線引き蝶太夫、婦人科医、札差屋の伜、芝居茶屋の出方、袋問屋の主人と
の背景に対して、田坂監督ならではの配慮がなされており、表現に厚みをくわえ
さまざまだが、死体の傍らにはつねに一輪の椿が残されていた。この陰惨な
ている点も見逃すことはできない。脚本家の鈴木尚之によれば、旦那と恋人のあ
物語を、岩下志麻は内に気丈さと気品を湛えた演技で好演し、代表作の一つ
いだで揺れる女の身体と心を描く官能的な場面の演出に先立ち、田坂は主演の
と し た 。ま た 、こ の 作 品 の 場 合 、松 竹 映 画 を 支 え て き た 技 術 陣 の 力 も 見 逃 す
佐久間良子に丁寧なメモ書きを与え、長く対話することで主人公の気持ちをす
ことはできない。とくに、主人公の心理描写に赤、白、黒の色彩を効果的かつ
くいあげた演技指導をしたという。善良な遊郭の女将や娼妓といった設定は、こ
象 徴 的 に 用 い た 独 自 の 撮 影 は 、川 又 昂 カ メ ラ マ ン の 力 量 を 発 揮 し た も の で
の場合、意図的なものであり、そのことによって主人公、夕子の薄幸がより純粋
あった。
に、観客に印象づけられるといえるだろう。
「 キネマ旬報」ベストテン第3位。田
坂には同じ水上勉原作の映画化作品に
『湖
(うみ)の琴』
( 1966 )
がある。
◎毎日映画コンクール主演女優賞受賞 ◎キネマ旬報主演女優賞受賞
(篠田正浩監督)
「はなれ瞽女おりん」
◎第1回日本アカデミー賞主演女優賞受賞 ◎報知映画賞最優秀主演女優賞受賞
(五社英雄監督)◎第3回田中絹代賞受賞 他多数・
・
・
「極道の妻たち」
映画、TVドラマ、CM等に多数出演し、また著書、写真集、きものデザイン
など活躍の幅は広く、2004年には紫綬褒章、2012年には旭日小綬章を受
章しました。
★お問い合わせは・
・
・
横浜↑
中央通商店街
三井
住友銀行
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鉄
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藤沢
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ま
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新宿
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した
●代表作
〈映画〉
(中村登監督)◎京都映画コンクール主演女優賞受賞
「古都」
(小津安二郎監督)
「秋刀魚の味」
(野村芳太郎監督)◎ブルーリボン主演女優賞受賞
「五瓣の椿」
(篠田正浩監督)
「心中天網島」
会場案内
モスバーガー
いわ
共同通信社編集委員。
1949年、北九州市生まれ。
一橋大卒。74年共同通信社に入社。ニューヨーク
支局などを経て、90年代から文化部記者として
映画を担当する。三国連太郎さんや新藤兼人さ
ん、岩下志麻さん、香川京子さん、ワダエミさん
など日本映画を支えてきた映画人のロングイン
タビューや、名画の楽しい見方を人生の機微と
ともに紹介する映画コラムなどを執筆。
著書に、
『岩下志麻という人生』
(共同通信社)
『
、新
藤兼人 私の十本』
(同)
『
、
「あのころ」
の日本映画
がみたい!』
(彩流社)
『
、
『あのころ、
映画があった
―外国映画名作100本への心の旅』
(言視舎)
など。
1958年 NHK
「バス通り裏」TVデビュー。
1960年 松竹
「笛吹川」
(木下恵介監督)映画デビュー。
岩下志麻
(たちば な たまき )
女優
立花 珠樹
生涯学習センター
SUN
13:00 Start!
岩 下 志 麻 (本名 篠田志麻)
司会 :
トークショー 3.9
↓海老名
◎大和駅徒歩10分
駐車場に限りがありますので、
公共の交通機関等をご利用ください。
046−260−5305
Tel .
http://www.yamato-zaidan.or.jp
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