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グレン・グールド巡礼の旅 1.生まれ育った家と周辺 訪問当日はあいにく

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グレン・グールド巡礼の旅 1.生まれ育った家と周辺 訪問当日はあいにく
グレン・グールド巡礼の旅
1.生まれ育った家と周辺
訪問当日はあいにくの雪でしたが、グレン・グールド
の生家を最初に訪れました。場所は、トロントの 32
Southwood Drive にあり、地下鉄の Main Street から
10分くらい歩いたところにあります。ごく普通の家
で、現在誰かが住んでいるらしいのですが、当日ハロ
ウィーンの時期でもあったので、周りの家がハローウィーンの飾りをつけたりしているの
に、ここだけ何の飾りもないのがある意味目立ちました。
次に述べる、グレン・グールドの通った小
学校の裏の公園から撮った、生家の裏側で
す。1 階部分が少し飛び出ているように見
えますが、聞いたところによるとピアノの
練習用の離れらしいです。真夜中でも平気
で歌いながらピアノを弾いていたらしいの
で、こういう場所がないと他の人は眠れな
くなってしまいますよね。
家の前にグレン・グールドの紹介があります。同
じものが、コンサート活動をやめ、亡くなるまで
住んでいたマンションの前にもあります。
グレン・グールドが通った小学校を裏側から撮りまし
た。彼によると小学校へ行くのがとても苦痛だったら
しい。つまらなくて、自由に行動できないからとイン
タビューで言っていた気がします。彼と働いていた録
音技師の人に言わせると、グレン・グールドは何事も
自分でコントロールしたがったようですが、その性格の表れかもしれません。
すぐ近くにある教会。おそらく日曜日となると
ここに家族で通ったり、時には演奏や歌を歌っ
ていたりしたのではないかと推測します。
2. 亡くなるまで住んでいたマンション
次はトロント街中の 110 St.Clair Avenue West にあ
る、主にピアノの練習と寝泊まりに使用したといわ
れるマンションを訪れました。一番上(902 号室)に住
み、とても散らかっていたそうです。当時ここの管
理人だった人によると、手袋をして口にハンカチを
当てながら歩いている不思議な人が第一印象で、グ
レン・グールドの郵便受けも誰かけしからん人が開けようとしたために、少し変形してい
たらしい。夜の清掃後に屋上に行き、(彼に内緒で)彼の生演奏を聴けたなんて、とてもう
らやましいかぎりです。
3. 墓地
本当は、他にも行きたいところがいっぱいあったのです
が、この墓地を探すのにかなり時間がかかったせいで、
いきなりグレン・グールドのお墓でこの巡礼の旅も終り
となりました。生前住んでいたマンションの近くに
Mount Pleasant Ceremony という墓地があり、そこの
区画38にグレン・グールドは家族とともに眠っております。事務所で地図がもらえます
ので、区画38にはたやすくたどりついたのですが、その地図にはグールドのお墓の地点
も示していて、素直にそこに直行すればよかったのですが、受付の女性が実際はこのあた
りだよと違う場所を指し示し、そこらへんばかり探していたので、なかなか見つかりませ
んでした。あきらめて帰ろうとしたときに、ようやく見つかり、思わず、
「やった」と独り
言を述べていました。また、写真からはよくわかりませんが、名前と生きた年の下に、楽
譜が書いてあり、ゴールドベルク変奏曲のアリアの最初です。
サンプル
1982 年 10 月 4 日に脳こうそくで 50 年の短い生涯を閉じました。彼の元彼女に言わせる
と、
生前から 50 歳で死ぬと言っていたらしい。短命だった理由はいろいろ考えられますが、
栄養にあまり気に掛けず、夜型の生活をし、薬を多用し、運動も全然しなかったからであ
ろうと思います。亡くなる前の写真も、それ以前の写真に比べて、突然年をとったように
見えます。指がうごかなくなり、満足に演奏ができず、ピアノをあきらめようとした時期
もあったのではないでしょうか。何とか回復し、あの有名なゴールドベルク変奏曲を再録
音したときの演奏直後のしぐさは、神に感謝の念を述べているようにも見えます。
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