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洛和会ヘルスケアシステム 医療法人社団洛和会 洛和会丸太町病院

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洛和会ヘルスケアシステム 医療法人社団洛和会 洛和会丸太町病院
医学フォーラム
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<病 院 だ よ り>
洛和会ヘルスケアシステム
医療法人社団洛和会 洛和会丸太町病院
地域の医療需要に応えられる洛和会丸太町病院を目指して
院長
二 宮
1.“ い の ち あふれる病院”
に生まれ
変わった新丸太町病院
初めに,旧丸太町病院は築後 47年を経たの
で,平成 26年 1月 1日,丸太町七本松通りの北
西の角,旧京都市急病急患センター跡地に新築
移転開業しました.新病院のキャッチフレーズ
は,
“いのちあふれる病院”であり,蓜島伸彦氏
の“自然のうた”を題材にしたアート作品に出
会える病院に生まれ変わりました.玄関口に置
かれた,彫刻のウサギ(=病治療への水先案内)
と蛙(=病が治り自宅へ帰る)は,訪れた患者
さんの病からの回復を祈っています.色調を変
え,各階の壁に貼られた切り絵の動物は,待ち
時間を楽しませます.CT
・MR室の天井一面に
〒6
0
4
‐8405京都市中京区七本松通丸太町上ル
清
広がる嵯峨野の風景は,検査の不安を和らげま
す.上層階から望む比叡や大文字の山々は,心
の安らぎを与えます.病院アートに興味のある
方は是非一度いらして下さい,歓迎いたしま
す.
2.整形外科分野の新しい医療機器
を積極的に導入した病院
新病院の整形外科には,オーアーム(OAr
m)
という脊椎手術時のオンタイム画像のナビゲー
ション装置を導入しました.脊椎手術専用の
CT類似機器で手術室に設置されています.当
院の脊椎手術は,侵襲の少ない内視鏡手術で主
体ですが,オーアーム(OAr
m)の導入により,
病巣への到達に最短で安全なルートが確保で
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医学フォーラム
き,術中補正も可能ですので,今まで以上に患
者さんへの安全な手術が担保できます.関西で
はまだ当院にしか導入されていないので全国か
らの医療従事者の見学が絶えません.脊椎疾患
の患者さんも関西一円から来院されています.
足裏のスポーツ外傷の治療に用いる体外衝撃
波疼痛治療装置(=ドルニエ)も導入していま
す.スポーツ傷害により起きる足底腱膜炎を,
切らずに治せる治療機器として有名です.当院
への導入が関西初でしたので,スポーツ外傷の
患者さんが関西一円から来院されています.以
上に述べたように,患者さんの治療に役立つと
思われる機械を率先して導入しているのも当院
の大きな特徴です.
その他,人工関節置換術,リウマチ疾患,肩・
肘・膝・股関節の手術にも積極的に取り組んだ
結果,昨年の手術件数は 1300件を越え,整形外
科領域では京都市内でも有数の病院に成長しま
した. 5人いる整形外科医(盛房,辻原,原田,
末原,古川の各医師)は全員が専門医です.専
門医ばかりになると救急患者を受けなくなりが
ちですが,地域に支えられた長年の歴史があり
ますので,整形外科救急にも積極的に取り組ん
でくれています.
3.インターベンション治療で有名
な洛和会京都血管内治療センター
当センターは,心臓だけではなく頚部や手・
足など末梢血管の治療も行っており,脳血管以
外の血管内治療を幅広く行えます.センターの
診療レベルは高く,上田所長,浜中部長の元で,
国内のみでなく国外からのカテーテル治療が必
要な患者さんの受け入れや,ミャンマー,イン
ドなど海外に出向いてカテーテル治療を実施し
ています.さらに,外国人医師の研修受け入れ
施設の資格も取得し,ミャンマーから派遣され
た医師の研修を受け入れました.今年 4月に開
催された近畿心血管治療ジョイントライブ
2014において,当院の心臓カテーテル室を使用
して行われたカテーテル手術のライブ映像が,
学会場に同時中継でながされました.6月か
ら,不整脈治療が専門の金森医師が新たに入職
されたことで,心臓内科領域の全般の診療が可
能になりました.
4.外科・消化器センターに内視鏡の
名手が加わり,低侵襲で行う内視鏡
治療が主体に
京都府立医大消化器外科の応援を得て,体に
負担の少ない腹腔鏡による消化管手術(吉井セ
ンター長)
,食道疾患や肝・胆・膵疾患に対する
高難度手術(伊藤部長)の症例が増えています.
今年 4月 1日から消化器内科(中川,安立の各
医師)へ,洛和会音羽病院で副院長兼消化器セ
ンターの所長を務めていた趙栄済医師が副院長
として転勤となりました.趙医師は大腸ファイ
バーの開発に関った経歴をもつ内視鏡の名手
で,大腸内視鏡の全国レベルでの名人です.内
視鏡を用いた診断・治療のレベルの向上が期待
できます.中川医師は肝疾患を専門にしており
ますので,外科・消化器全般の診療内容がほぼ
網羅できるようになり,一層の充実が期待でき
ます.
5.特殊な疾患を扱える泌尿器科,京都
市内の耳鼻科救急を担う耳鼻咽喉科,
手術の下支えをする麻酔科
京都府立医大泌尿器科の応援を得て,兼光副
部長が一人で頑張っています.特殊な疾患であ
る間質性膀胱炎の拡張手術を行える施設です.
男性外来として男性性機能障害(性腺機能低下
症と勃起不全,男子不妊症)の診療も行ってお
ります.
耳鼻咽喉科は,月曜から金曜日の夜間の耳鼻
科救急患者を受け入れています.京都市内のみ
ならず,大阪府からの患者搬送も受け入れてい
ます.
平成 25年度の手術件数は 1645件あり,麻酔
科常勤医 2名(大畑副院長,井本部長)と京都
府立医大麻酔科,疼痛緩和医療部からの非常勤
医師で対応しほぼ限界に達したところに, 4月
以降,常勤医が 2名増え人員不足は解消できま
した.今年 1月から新病院になり,疼痛緩和医
療部の応援でペインクリニック外来が開設され
医学フォーラム
ました.
6.全国的に知名度の上昇してきた
救急総合診療科
私が 6年前に赴任する少し前から総合診療科
が設置され,救急部門を担うようになりまし
た.現在の救急総合診療科は後期研修医が 12
人,スタッフ 6人,一般病床の全部で合計 18人
の大所帯に成長しました.500床クラスの大病
院では,一般診療,救急診療,集中治療を異な
る診療科で診ることになりますが,当院では,
救急から入院した患者,一般外来から入院した
患者,直接集中治療室に入院した重症患者であ
ろうが,入院から退院まで一貫して一人の医師
が診るというシステムを採用しているのが特徴
です.さらに,循環器と消化器疾患以外は全て
総合診療科で診ていく診療体制を作っていま
す.平成 25年の救急車搬入件数は,2859件,京
都市内の医療機関の第 9位,病床一床当りの件
数は第 2位でしたが,今年度も増加傾向にあり
ます.救急総合診療科のトップに立つのが上田
剛士医長です.勉強家であり人間味に溢れ,周
囲の信頼も厚い臨床教育者です. 最近,医学
書院から単独著「ジェネラリストのための内科
診断リファレンス-エビデンスに基づく究極の
診断学をめざして」を出版しました.医学書と
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しては 7000部と驚異の売れ行きを示し,今や全
国的に有名な若手医師になりつつあります.当
院救急総合診療科他施設とは異なる独自の研修
システムに興味を持ち,上田医師の指導を直接
受けることを希望する後期研修医が沖縄から北
海道まで全国津々浦々から集まってきています.
7.地域の医療需要に支えられ
発展した病院
当院は,基本的には地域に根ざした病院で
す.地域のニーズに対応する形で発展してきま
した.旧丸太町病院の内科で主に行われていた
のが救急と心臓,消化器内視鏡,そして一般の
外科・整形でした.救急では循環器系,心臓が
主体でした. 6年前に地域の救急需要の増大に
応える形で総合診療科が設置され,救急と専門
内科以外の内科診療を担うようになりました.
外科救急では骨折などの整形疾患が多かったの
ですが,さらに整形各領域の専門医が集まり始
めて充実してきました.
新病院のスタンスは,
「心臓救急を含めた京
都血管内治療センター」
,
「各専門領域の揃った
整形外科」
,
「外科消化器センターと,泌尿器,
耳鼻咽喉科」
,
「救急医療と各科の下支えをする
救急総合診療科・麻酔科」の 4本柱を充実発展
させる方向を目指しています.
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