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日本の中小企業にとってのBOP市場

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日本の中小企業にとってのBOP市場
BOPビジネスの可能性
~M-Pesaなど東アフリカ視察報告~
武蔵大学
松島桂樹
2012年2月
http://www.gssm.musashi.ac.jp/~kmatsu
http://bop-m-pesa.blogspot.com/
BOP(貧困層)ビジネスとは
BOP = Bottom / Base of the Pyramid
1億人
世界の所得ピラミッド
World Bank(2005)より
年収20,000ドル
20億人
年収2,000ドル
1日5ドル
1日2ドル
1日1ドル
12億人
16億人
約40億人
(世界人口の約65%)
約28億人
(世界人口の約53%)
年収730ドル
年収365ドル
12億人
援助の対象 or 安価な生産拠点⇒ 40億人・5兆ドルの市場
菅原秀幸氏作成
変わるBOP
CSR
Prehalad, C.K 『ネクス
ト・マーケット』(2002)
CSR論
社会的貢献
リーマン
ショック
新興国ビ
ジネス
パートナーシップ
リーマンショックを境に
• 以前は多国籍企業のCSR
• 以後は欧米の需要減退の補完
• インクルーシブマーケット
Porter & Kramer 『共創
的価値』(2011)
CSV論
インド農村で携帯ブーム
The Wall Street Journal2009.02.10
•
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•
毎月,数百万件もの新規加入,2009.01は1100万件
ノキア端末60㌦,6㌦/月の使用料,
– 電話使用料中心,メールはほとんど使わない
年収1000ドル以下の消費者
– 24000の町,60万の農村
固定電話は,まだ,4000万件,設置が進んでいない
携帯受信が可能になると申し込み殺到
他の農家とのコミュニケーション(収穫状況,種まき情報)
卸売業者との交渉
「世界経済不況の後の方が,われわれの暮らしは良くなったと思う」
ケニアの先駆的経営者
• ケニアでコーヒー豆の会社を成功させた先駆的な日
本人経営者(ケニア・ナッツ・カンパニー佐藤社長)
に対して、
• 豊田章一郎氏は、
「ケニア人を豊かにしてください。そうすれば彼らがトヨ
タ車を買ってくれる」
• 仕事をつくり、人を育てることこそグ
ローバル戦略における日本の強み
日経ビジネス2007.10.15
カンブリヤ宮殿2011.05.19
きれいな水を新興諸国へ、日本ポリグル
• 小田社長の信念とビジョン
– 「世界の人々が安心して生水を飲めるようにする」
• メキシコ、バングラディッシュ、タイなど新興諸国に簡易設置
型水質浄化剤、装置の開発販売
• 「納豆から採取した粉末素材を網の目状に化学結合された
粉。実際に京都の大きな池の水が1日で透明に綺麗になって
いた」・・
• 30名ポリグルレディチームが現地で販売
「ガイアの夜明け」2009.12放送
6
会宝産業、ケニアで中古自動車部品販売
• ケニアへの事業展開
– 「7年前以上のモデルは輸入出来ない規
制のため、新しい年式の車が多い」
– 「日本と同じく左側通行で、右ハンドル」
– 「90%は日本車で、そのうち8割がトヨタ車、
人気はRV車、ランクル、ハリアー、パジェ
ロなど」
• ケニヤの中古部品輸入提案
– スクラップと中古品の判定基準がなく、
政府が、“ゴミまがい”の中古部品を輸入
禁止、そのため、中古部品規格(JRS)・
基準を設け、規格に適合した中古部品
のみ輸入することを提案
• ケニヤの自動車リサイクルの提案
–日本型リサイクルモデル・技術の導入
–IREC(International Recycling Education
Center)での人材育成・研修
–雇用の促進
7
日本の事例
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•
ヤクルト(フィリピン)
住友化学(タンザニア)
雪国まいたけ(バングラ)
フマキラー(インドネシア)
味の素(インドネシア、ガーナ)
日本ポリグル(バングラ)
ユニチャーム(インドネシア)
マンダム(インドネシア)
ヤマハ発動機(セネガル)
会宝産業(ケニア)
The 21st Century Belongs to Africa
•アフリカは広大
だ、各国がすっ
ぽり入ってしまう。
日程
10日
成田発
11日 タンザニア ダルエスサラーム着
12日 •
•
•
•
TechnoServe (国際NGO:農村部貧困層の起業支援)
PSI (米国NGO:保健分野ソーシャルマーケティング)
Panasonic Energy (日系企業:電池製造・販売)、市場視察
Acumen Fund(社会的企業・ビジネスへの投資基金)
(タンザニア日本大使館主催夕食会)
13日 • ENSOL (タンザニア企業:ソーラーパネル販売・設置)
• MafutaSasa biodiesek(バイオディーゼル)
14日 • ジェトロナイロビ、国連開発計画(UNDP)、国際金融公社(IFC)、ケニア投資庁 (KIA)、
KENDAT(事業部門:INNOVAM)、(ケニアNGO:農業生産性向上・商業化支援)、EQUITY
BANK(ケニア銀行)
• Safaricom (ケニア企業:携帯電話、M-PESA)
ケニア日本大使館訪問、海外青年協力隊員との交流
15日 • コーヒー農村訪問
• Grundfos Lifelinkの給水施設(Athi river)
16日 • Peepoople (スウェーデン社会企業:携帯トイレ)、キベラスラム視察
• Juhudi Kilimo (ケニア・マイクロファイナンス機関)
17日 • 市立病院視察
• ナイロビ発
18日
成田着
タンザニア
タンザニア連邦共和国
ウガンダ
◆面積:94.5万K㎡(日本の2.5倍)
ルワンダ
ケニア
0°
◆人口:4,238万人
◆首都:ドドマ(法律上)
経済の中心はダルエスサラーム
ブルンジ
タンザニア
◆宗教:イスラム(40%) キリスト(40%)
◆経済:サービス業・農業で8割を占める
◆独立:1964年
•
•
•
•
•
•
ダルエルサラームはアフリカ有数の商業港
蒸し暑い地域
日本からの中古車のシェアが高い(70%)
成田初21:40 ドーハ経由、ダルエスサラーム着13:20、カタール航空
日本からの中古車輸入、2輪車は中国から
20タンザニアシリングがほぼ1円
ケニア共和国
ウガンダ
◆面積:58.2万K㎡(日本の1.5倍)
ルワンダ
ケニア
0°
◆人口:3,980万人
◆首都:ナイロビ
◆宗教:キリスト(66%)イスラム(6%)
ブルンジ
タンザニア
◆民族:キクユ族22% ルヒヤ族14%
族13% カレンジン族12%
◆経済:農業が1/3を占める
◆独立:1964年
•
•
•
•
GDP成長率 5.6%
農産物を輸出、機械を輸入
標高1600mm 軽井沢なみ
1ケニアシリングはほぼ1円
ルオ
東アフリカ共同体
ウガンダ
ルワンダ
ケニア
0°
ブルンジ
タンザニア
東アフリカ共同体(EAC)
【東アフリカ共同体共同市場】
国名
’01年:第2次EAC発足(タンザニア・ケニア・ウガンダ)
’07年:ルワンダ・ブルンジが加盟し5カ国
’10年:東アフリカ共同体共同市場発足
(関税0%化スタート)
’12年:通貨同盟(予定)
’15年:政治統合(東アフリカ連邦)(予定)
人口(百万人)
タンザニ
ア
ケニア
ウガン
ダ
ルワンダ
ブルンジ
合計
42
40
33
21
136
GDP(億ドル)
224
306
158
65
753
GDP/1人当り(ド
ル)
535
764
480
300
554
経済成長率(%)
4.9
2.6
6.7
4.4
4.6
インフレ率(%)
11.6
13
13
13
12.6
210
230
132
84
656
乾電池総需要
(百万個)
農業の改善が社会へ大きな影響を与える
75%
of works are
employed in
agriculture
Improving
agriculture
in Kenya
30%
less productive
than in peer
countries
21%
From Juhudi Kilimo資料
of food
consumption
imported/aid
BOP Value-chain(価値連鎖)
• Supply-chain
• Finance-chain
• Information-chain
Supply-chain organizations
素材
調達
加工
ディー
ラー
• 素材から顧客への効率的な流れの創出
• ディーラー網の構築/既存ディーラー網の活用
• 保税/輸出入業務の円滑化
顧客
PSI
(米国NGO:保健分野ソーシャルマーケティング)
• 1970年創立の米国の保険関連NGO
• HIV、家族計画、マラリア、子どもの死亡 などへの対応
• 成果指標を定義、厳密に評価する
– DALYS(Disabilty adjusted life years)指標
• 「障害調整生命年」、病気等で失われた年数、寿命・健康ロス
• HIV対策プログラムとしてコンドームを安価に販売、7-8000万、
タンザニアの80%の家庭に配布、200シリング(10円)/箱(7個)
• 浄水化
• GPSを活用し、どこに配布するのが適切か、計画している
DALYS指標(障害調整生命年)
$15.21 per DALY
In 2009
vs $32 for PSI average
600
500
Child Survival
’000s
400
RH
300
HIV
200
2% of Tanzania’s DALY
burden in 2011
100
0
2009
2010
2011 (to October)
Panasonic Energy
(電池製造・販売)
• 本社:大阪
• 2008年 10月設立
• 事業内容
一次電池(マンガン電池)、充電器、電池応用機器・部材など
の生産・販売。
• 従業員数
約2,300名(別に国内・海外関係会社 約10,300名)
• 国内拠点:5、海外拠点:17
• パッケージ(単1:288個、単3:480個)、小売店が1個に小分け販売
• 日本人:3、正規社員:100、非正規:300
• 東アフリカの貿易協定のため、ケニアなどへの輸出増大、48%のシェア、販
売は雑貨店、ライバルはエバレディ
• ソーラーランタンの開発販売、電化率15%、電気の不安定さ、停電対応、携
帯電話の充電機能
• 社員の離職率は、一般作業では低いが、高度職位では高い、給与1万/月
会社概況
◆アフリカ唯一の製造拠点として創業43年◆
◆ 設 立 :1966年11月28日(創業1968年7月)
PECTZ
◆ 資本金 :1,794百万Tsh (約1億円)
◆ 販売金額:12億円(2010年実績)
◆ 社 員 :105名(委託社員135名)計240名(2011年9月末)
男性:79名
女性:26名(平均年齢:44歳)
◆ 事業内容:マンガン乾電池・トーチの生産・販売
生産・販売品目
マンガン乾電池
【略史】
2010年度実績
1966年 東アフリカ松下電器(MEFCA)設立
単1 45百万個
1968年 マンガン乾電池の生産開始
単3 50百万個
トーチ
1997年 マンガン乾電池単1ライン導入
1998年 オーディオ工場閉鎖
2003年 マンガン乾電池単3ライン導入
10千個
2008年 創業40周年
松下電池工業㈱合併により現社名に変更
タンザニア販売概況
市場概況
需要と占有率
Panasonic
23%
6%
総需要
210百万個
23%
販売店舗
48%
サイズ別占有率
単1 30% 45百万個
単3 85% 50百万個
単4 50%
2百万個
雑貨店での販売が99%
中国製密輸品
販売体制と施策
全土26州を網羅する販売網
キーディーラー
5社(16州をカバー)
販売施策
中国製密輸入品の蔓延
◆高品質・高性能による差別化
ディーラー
110社(10州をカバー)
◆密輸品取締り事例の市場への訴求
◆水銀等法規制の政府へのロビー活動
我々が目指すコンテナの姿
全世界無電化地域での「暮らし改善」「自立可能な社会」への貢献
無電化地域まるごとソリューションの実現
● 既存施設に併設、電力・機器をコンテナからまるごと供給
● あらゆる「無電化地域」のニーズに応用可能なマルチ仕様
● 盗難防止・頑丈・耐久性・究極のメンテナンスフリー
● どこにでも輸送可能で、自力でもできる簡単設置・施工の実現
照明
マルチ
スペース
携帯電話
充電
機械室
既存施設に横付け設置
既存空間・コンテナ空間の両面活用
冷蔵庫
DVD
バリカン
テレビ
PC
機器は出し入れをする
使わないときは、
収納して、施錠する
学校
集会所
医療施設
店舗
エコアイデアフォーラム2010 展示
エネルギーマネージメント
創・省
畜
一体型充放電制御装
置
小型ランタンセット
EV鉛蓄電池
ライフイノベーションコンテナ
タンザニア ムボラミレニアムビレッジ ライフイノベーションコンテナ寄贈 ③
ソーラーランタンを使用している家の外観
ソーラーランタン使用シーン
日中は庭先でチャージをしている
ソーラーランタンを使用している家の内部
ENSOL
(タンザニア企業:ソーラーパネル販売・設置)
•
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•
2001年創業
クリーンエネルギー提供のパートナービジネス
現在の電化率16%
電源システム、非常用電源、温水装置
住宅用、病院の冷蔵庫用に設置
26地域にソーラーパネルを設置
京セラからも輸入、現在は中国、韓国からも
現地の人に資金供与、分割払い
ソーラーのメインテナンスは不要、ユーザーで管理可能
今後、家庭内での普及が有望
実施事例
• KAZI HOUSE (ILO) - DAR
MafutaSasa biodiesek
(バイオディーゼル)
•
•
•
•
•
使用済の食用油を収集しデーゼルエンジン用燃料を製造
マイケル&アントニーの2人で創業
機材は米国から輸入
1300L/日の生産量
3~4000L/日収集、廃油の収集コストが課題(現在は無料であ
つめているが)
• 現在、ホテルに販売、コミューターにも使用、廃油0.35$/Lを
1$/Lで販売
• 将来は、ジャトロハなどの植物オイルも活用したい
コーヒー農村訪問
(村会所、村民インタビュー、農家など)
•
•
•
•
•
•
場所:KITWII、カングンドー、マキャスカウンティ
農民のsociety, 4工場、5000人、1700人が活発に活動
5経営員会、3監督委員会
1992年設立
コーヒ豆の仕分け、選別
水の排水、浄化処理に悩んでいる
Grundfos Lifelinkの給水施設サイト
•
•
•
•
•
Grundfos Lifelink デンマークの水槽製造の企業
ソーラーで井戸水をくみ上げ、安価に供給
少ない維持費で利用者は料金を支払う
M-PESAで水道料を小刻みに支払い、祖に分だけ給水を受ける
業務フロー
–
–
–
–
井戸のある場所に装置を設置,180M掘る、タンクは1万L
住民と合意
M-PESAを使って料金を支払うと、water keyを受け、水野供給を受ける
設置費用:371万シリング、初期費用は政府+地域で負担、維持費を利
用者が負担
– 5000人~7000人/台、料金3シリング/20L
– ケニアに26台設置
キベラスラム地区視察
•
•
•
•
ナイロビのスラム地域、80万人居住(市の人口は400万人)
世界最大のスラム地域
衛生状態、水処理、トイレ環境劣悪
ここから出勤、スラムの中での商売も多い
– M-PESA、菓子、飲みもの、炭などが販売されていた
• 都市のスラムが増加(10億人が14億に、)
Peepoople
(スウェーデン社会企業:携帯トイレ)(キベラスラム視察)
• 携帯型簡易トイレを安価に販売
• 2005年にスタート、スラムの女性グループとプロジェクト
–
–
–
–
–
–
•
•
•
•
トイレが一番の問題、汚水処理、レイプ、プライバシー
世界で26億人がトイレのない生活、大きな社会問題、
ラムでは密集してトイレのスペースがない
排水施設をつくるのは困難
世界で1割しか汚水処理がされていない、環境問題
汚水が疫病の原因、20秒に1人が死亡
有機プラステックを素材、半年後には分解され完全に土に帰る
女性が販売3シリング、使用後の袋を1シリングで回収
学校の野菜園でたい肥として活用、将来は商品化
ビジネスを目的
– 製造コスト7シリングまで低減、購入者に補助金、5年後の自立を目指
す
– 被災地の緊急支援での販売活動
– 3000袋を販売25枚を1月分、収入1$/日の世帯を想定
ケニアナッツ創業の佐藤さんとの会食
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•
1966年東レ入社
1973年ケニアで会社設立
2008年オーガニックソリューション
日本でアイディアを持っている人が現地で起業
日本の中小企業が途上国にでるのがいい
現地の資金繰りが大変、貸出金利17%預金は2%
人材が必要、言語と経済ノウハウ
現地資本と他国企業との競争激化
儲ける10年我慢をして30年で黒字
フィージビリティスタディよりも現地合わせが最適
昼食の時に面白いことを教えてくれた。アフリカでビジネスをするのにワイロが不可欠とも
いわれるが、私は決してしない。もっといい方法があるからだ。官僚が子息の就職を頼み
にきたら必ず採用する。金に代えがたい効果を生むからだと。
市立病院(Langata)視察
•
•
•
•
キベラスラムに隣接、中流の住宅地に立地
運営コスト12万シリング/月
産科、小児科、キベラスラムの患者がほとんど
家族計画支援,HIV感染への対処
– 診療、啓蒙、特にHIVの母子感染を防ぐため母乳の代わりに粉ミルクを推奨
– 栄養失調対策
– 3種混合、ポリオの予防接種
•
•
•
•
•
検査器具が血液などに限定、X線はない
スタッフ約30人(医師、検査技師、看護師)、入院10床(産科)
外来患者は感染症が多い、150-200人/日
結核75人/月、出産、80-100人/月、半分に相当
患者は、登録料20シリング、無償で診察、費用は政府の援助、無理な場
合、他の政府系病院を紹介、診察料は支払い能力で決定
TechnoServe
(国際NGO:農村部貧困層の起業支援)
•
•
•
•
•
•
•
米国本部から世界30カ国で活動を展開するNGO
農業技術支援
目的はアフリカ人の収入増加
資金は欧米の政府・財団・民間企業
従来の低品質農業を技術支援によって改善、340工場
肥料は海外からの輸入が中心
40%の現金収入増を達成
Finance-chain organizations
回収
消費者
資金
寄付
投資機関
査定
マイクロファ
イナンス
起業家
回収
• 世界からの資金供給を効果的、効率的に資金需要に配布
• 迅速な査定支援
• 迅速かつ安価な回収
資金調達へのアクセスが少ない
% of population with access to financial services
21
None
地方の人口の 66% は資金
アクセスがない
36
17
Informal
30
62
Formal
34
Rural areas
地方部
Urban areas
都市部
From Juhudi Kilimo資料
マイクロファイナンス
• 既存金融機関が扱わない小規模金融を
– 与信、本人認証、高コスト/口座
•
貧困層向け小規模金融サービス
– 小規模無担保融資「マイクロクレジット」
– 預金、送金、保険
– グラミンによるグループレンディング(無尽講のような)
•
米国「マイクロファイナンス・インターナショナル・コーポレーション」(枋迫
篤昌:とちさこ あつまさ社長:東京銀行出身)
– 米国で働くラテンアメリカ系移民の本国の家族への低額送金
ICT活用の機会、マイクロペイメント
ケニア、M-Pesaサービス
Voda
Safaricom
Central Bank
Acumen Fund
(社会的企業・ビジネスへの投資基金)
• BOPの生活改善への安価な商品・サービスを提供する企業へ
の投融資事業
• タンザニアで住友化学の防虫蚊帳製造への支援
• 大規模かつ社会的な事業を支援
• ベンチャーファンドと社会貢献の両立
• 東アフリカに15M$投資1.1M回収
• 投資プロジェクト
– ケニア公衆トイレ、ウガンダ綿栽培、ナイロビ緊急食糧生産、牛を担保の融資
• Eメールで申請、地域で審査、グローバルボードで承認/月、65
件/年の案件、東アフリカで5件程度
Our investments create access to basic services
Water & Sanitation
Energy
+ Community water and
sanitation systems
+ Low-cost power/light for
off-grid communities
+ Scale through publicprivate partnerships
+ E.g. solar, biomass, smallscale hydropower
Housing
Agriculture
+ Low-cost housing for
former slum dwellers
+ Increase productivity of
smallholder farmers
+ Focus on building
community and flexible
financing products.
+ E.g. drip irrigation, seeds,
fertilizers and artificial
insemination
Education
Health
+ Specialized secondary care
services, e.g. maternal, eye
care
+ Low cost distribution
systems with innovative
pricing
+ Sustainable, low-cost
private education and
activities-based learning
models
+ Vocational and skills
training
Fuel – Efficient cook stove project
The Paradigm Project
Kenya – $1.5 million in Working Capital
ケニアで1500万ドル
Overview
Impact
Providing clean energy solutions, reducing severe
deforestation and improving health through an
innovative business model
• Sale of advanced fuel
efficient stoves to lowincome consumers at a
price subsidised through
the generation and sale of
carbon credits
• Sold approximately 30,000 cook
stoves since January 2011, in
Kenya
• Looking to disseminate a
further 100,000 stoves over the
next two years
• 2.38 million trees potential
saved by 2013
• Potential tCO2e reduction of
500,000 units by end 2013
ケニアの支援機関
•
国連開発計画(UNDP)
–
–
–
–
•
コアビジネスを支援
成功事例、ユニリーバ(タンザニア)、マラリー(コーヒー)、エリクソン
三洋LEDランタンのフィージビリティスタディ、ソニー(教育支援のTV)
機会の識別、プロジェクト結成、導入、実績評価のプロセス
国際金融公社(IFC)
– 世界銀行グループ、民間セクターへの投融資、技術支援
– Lightning Africa program推進
• アジアに比べてアフリカの電化率が悪い、また不安定
• 消費者教育(road-show, demo)
• ケニア投資庁(KIA)
–
–
–
–
政府の投資促進機関
ケニアは東アフリカで有利な位置、各地へ短時間で移動可、
投資領域=農業、製造、観光、卸・小売、エネルギー
投資補償制度を整備
• 農業技術普及組織(KENDAT)
–
–
–
–
生産性の高い農業への転換を支援するNGO
20%耕地増加、200%増産を目標、より集中的な農業へのシフト
Supply-side(農機、肥料、、)とdemand-side(販路)をつなぐ
SMS(sort massage service)を活用による情報共有
Inclusive Market Development
UNDP Programme Approach
UNDP Inclusive Market Development “handbook” provides guidance
Identifying
Opportunities
Selecting markets
or sectors for
support
機会発見
Project
Formulation
Understanding the
market constraints
and defining
sustainable market
outcomes
プロジェクト編成
implementation
Results
Measurement
Facilitating systemic Identifying and
market changes
assessing changes
/improvements
in the target market
実施
実績評価
43
Juhudi Kilimo
(ケニア・マイクロファイナンス機関)
• 農村向けマイクリファイナンス
• 農村部の75%は資金調達力が弱い
– 小口融資を提供、農業に必要な器材の購入
– Asset finance,資産を担保にして融資+資産管理
• 平均500$,返済率95%,女性48%,現金担保15%
– 収入2.5$/日,763$/年,牛の購入費用500$
– ケイタイの普及率(90%)が高いため、融資、明細書など少ない経費で
処理可能
– M-PESAを活用、2000シリングの返済の手数料30シリング
• Agentのキャッシュ不足、ネットワークダウンもある
– 資産管理を重点支援
Microfinance と Asset Finance
Traditional
Microfinance and
Credit
Working capital
and consumption
loans
Demand collateral
used in
foreclosure
Can keep clients in
a poverty cycle
Asset Financing
Assets generate
cash to pay the
initial loan
最初の融資
を資産をつ
くる
Assets are
collateral
資産を担保
に
Build wealth over
each loan cycle
融資サイクル
で富を形成
少ないリスク
Average borrower profile
平均融資額 $500
返済率: 95%
現金担保: 15%
女性借り主の割合: 48%
Information-chain organizations
情報
交換
情報
クラウド
サービス
通信基
盤
消費者
ケイタイ
サービス
企業
• ケイタイ活用による幅広い消費者、BOP層の取引への参加
• 情報交換による既成の取引慣行の崩壊・創造
• 農民層と仲介業者との関係変化
• 新規ビジネス創出のインフラ
• M-PESAの活用
Safaricom
(ケニア通信企業:携帯電話、M-PESA)
• 2000.10に創業
• ケニアで70%のシェア、1700万人(人口4000万
人)、売上13億ドル
• 小分けして買う国民性、1秒で課金
• 2007.03 M-PESA開始
– クレジットカード、銀行口座不要の送金システム
– 女性グループからのマイクロファイナンス返済手段の
ニーズ
• 芸術家に展示場を提供
M-PESAによる送金サービスの仕組み
M-PESAによる送金サービスの仕組み
1.
2.
3.
4.
5.
•
•
agentが銀行に口座を開設、eマネーを発行
顧客Aがagent1に預金
顧客Aが顧客Bに送金
顧客Bがagent2に行って金を受け取る
Agent2は銀行口座から支払い金額を受け取る
1400万users,2000万ドル/day,32000agent(ATM2000),100万
transactions/day
用途
–
•
•
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サプライヤーへの支払い、大学の授業料、損害保険、配当の支払
い、世界からの送金の受領
当初は営利目的ではなかったが現在はROIが高い
1acc’t 7万シリング、80%のユーザーは2000シリング以下
送金手数料は30シリングから
手数料収入をagentとM-PESAで折半
東日本大震災とBOPを比較してみよう
生命
衛生管理
家族計画
マラリア
HIV
トイレ
生活
電気
水
道路
住宅
収入確保
雇用機会向上
農業生産性向上
購買意欲増進
新興国攻略に3つの策あり
• 安さという価値作り
– 最も優先度の高い戦略のひとつ
– 従来はハイエンド:ミドル以下 80:20、これからは20:80に
1. 開発とモノ作りの思想転換
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値段を一気に半分にすること、(例)繰り返し利用可能な治工具
2. 人材の生かし方
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古い技術者を大切に
機械式の見直し
3. ビジネスモデルを変える転換
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シェアの確保、ブランド、80%をめざす、将来かならず価格が上方
移動、市場も拡大
継続ビジネスから売り切りビジネスへ
永守重信の経営教室、日経ビジネス 2011.01.23
日本の中小企業にとってのBOPの価値
• 大いなるイノベーションの機会
– 新天地での顧客ニーズによるビジネス革新
– ニーズにこたえるために、今の技術を発展させる
– 電気がないけどケイタイをもっている人にとってのニーズとは?
• ビジネスの基本に戻って考える
– しがらみ、規制をはなれ、更地になって
– 仕入れて、加工して、市場で売って
– 騙されても、生き残る強さ?
• ITは新しいビジネスモデル創造のツール
– M-Pesaがあるからビジネスが創造されている
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