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人材育成と最先端設備共用の合同記念シンポジウム 資料

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人材育成と最先端設備共用の合同記念シンポジウム 資料
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地域再生人材創 出拠点の形成
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日 時
平 成 25年 3月 7日 (木 )
場 所
サ ン メッセ香 川
主催
共催
14:00-17:45
香川大学
香川 県 彼 島文理 大学
香川高等専 門学校 香川 県立保健 医療大学
/
香川大学 は、MEMS(Mに ro日 ectro Mechanに J Systems)分 野の研究開発とこれを担 う人材
を育成するため、平成 17年 4月 、微細構造デバイス統合研究センターを設置 しま した。
このような中で、当センターでは 20年 8月 、文部科学省科学技術戦略推進費・ 地域再生
人材創出拠点の形成事業 が採択され、香川県と連携 して「21世 紀源内ものづ くり塾」 (源
内塾)を 開塾 し、県内を中心に先端分野の産業人材を育成 してきま した。
源内塾は、24年 度を以 つて国の事業が終了 しますが、25年 度か らは香川県の支援によ り、
ステップアップ して再スター トを切る予定です。
具体的には、育成対象者は、先端分野のものづ くりだけでな く、後継者等次 の経営の担 い手、
イノベーシ ョンやベ ンチャー、更 には健康関連 (23年 度採択 文部科学省地域イ ノベーシ ョ
ン戦略支援プログラムに伴 う人材育成)と いつたものづ くりの原動力になる人材等その対
象を拡大 します。
また「地域で必要な人材は自前で育成する」 ことを基本に、実施 に当た つては本学を中心
として徳島文理大学、香川高等専門学校、香川県立保健医療大学といつた県内の 自然科学
系教育機関が連携 し、香川の知を総動員 して育成 に当た ります。
一方、 このような人材育成 に加え、24年 8月 、四国で唯― という文部科学省ナノテクノ ロ
ジー プラッ トフォーム事業が採択されま した。
これに伴 い MEMSを 中心 と した先端の研究設備が地域に開放され、設備利用を通 じた産学
連携事業もキック・ オフする ことにな ります。
この ように MEMS等 先端のものづ くり技術を研究開発 してきた 当センターでは、人材育成
というソフ トと設備利用とい うハー ドの両面か ら地域企業が取 り組んでいるものづ くりを
支援 し、そ して地域産業の振興に貢献 したいと考えています。
以上のことから、当センターがこれまで取 り組んできた研 究開発や人材育成の状況、また、
これから本格的に取 り組むナノテクノロジー関係の設備共用事業について、県内を中心 と
したものづ くり企業や関係機関の方 々に理解を深めていただき、引き続きご支援 いただ く
︱列 ﹁︱
ため、合同で記念シンポジウムを開催致 します。
プ ロ グ ラム
。
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へ
(14100-15:30)
第 1部
14:00-14:10
主催者挨拶
1伏 学長 長尾 省吾
香り
14:10-14:20
共催者挨拶
1県 知事 浜田 恵造 氏
香り
14:20-14:30
来賓挨拶
文部科学省 科学
機符 :革 舞騒露暑
科学す
木村 賢二 氏
蓬
奎
鷲 永丼雅規氏
ナ
メ男ツ普契墜臨 彙
鍵
1430-15Ю O 源 内塾 とフ ィジカル分 野 の 研 究紹介
「源 内塾 の これ まで と これ か ら」
1大 学微細構造デバイス統合
香り
罰奄多γ室夏
高尾 英邦
15Ю O-1530 ナ ノテ ク事 業 とバ イオ分野 の 研 究紹 介
「これからのナノテクノロジープラットフオーム」
1伏 学工 学
香り
殖義霧
第 2部
鈴木 孝 明
8
(1540-1745)
:IⅢ 】
MEMSin香 り
【
1540-1545 センター長挨拶
割 囀
15:45-16:45
微細構造カ シ ス統合
,憲りγ菫夏
石丸 伊知郎
賞1
記念講力
「明日の生活を支える MEMS開 発の最前線」
今仲 行― 氏
23
表2
言
己1ま 言
籠力
「産学官のオー プンイノベーシ ョンによる
MEMS産 業の活性化」
一般財団法人 マ イク ロマシンセンター
・
マイクロナノ オー プンイノベー シ ョンセンター 所長
交 流 会
藤田 博之 氏
,
16:45-17:45
E
東京大学 生産技術研究所
教授
(18:00-19:00)※
会場 は、 ステ ー ジ と反対側 の ホー ルです。
'
香川大学微細構造デバ イス統合研究センター
副 センター長
高 尾
英 邦
繕寇与券曝絣
2013
TH
【
特集】出掛 けよう 船で巡るアー トの旅
A香 り│1県
│
去 る 2月 2日 、東 京 で 、あ る
ミュ ー ジカ ルの 制作 発 表 が あ
もに出席 しま した。 なぜ 、香川 と愛媛 の
知事が出席 したの か、 とい うと、 この ミ
ュー ジカ ル (奇 想 天 外☆歌 舞音 曲劇「げ
ん な いJ)は 4月 13日 か ら、愛 媛 県 東 温
市 (松 山市の隣 )に ある「坊 っ ちゃん劇場 J
で約 260回 公演予定 であ る とともに、途
中の 9月 10日 か ら21日 まで高松公演
(ア
ルファあなぶ きホ ール)が 行 われ 、かつ 、
主人公が、讃岐 生 まれの 人オ、日本 の ダ
ヴ ィンチ とい われ る平 賀源 内 だか らで
す。
坊 っ ちゃん劇場 は、平成 18年 の ミュ
ー ジカル「坊 っ ちゃん !J以 来、
「龍馬 !」
や「鶴姫伝説Jな ど瀬戸内や四国の歴史
文化 を素材 とした作品 を毎年、L演 し続
ヽ
の 日本の劇場文化の常識
け、人都 市中′
し
に挑戦 し、成功 してい ますが、今回の作
品 は、芸術 を通 じての愛媛 香川両県の
交流 にも資するものと思 い ます。
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i:人 公 の 賀源内 は、植物学者、地質
璃作 者、俳 人、
学 者、医 者、画家、浄瑠
“
そ して発明家 と、 日本 の ダ ヴ インチ と
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ミ ュージ カ ル☆平賀 源 内
り、私 も愛媛県 の 中村知事 とと
出演者らが出席した制作記者会見の様子 ■
■供‐
ん劇
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呼 ばれるのにふ さわ しいマルチ タレン ト
で した。静電気発生装置 エ レキテルを復
元 した り、「本 日、土用■ の 日Jと い う
キャッチ コピー を考 え出 した りした こと
は、 よく知 られてい ますが、没 後、杉田
玄白が墓碑 に記 した よ うに、まさに「非
常人」であったといえます。
江戸中期の鎖国の世に、あ らゆる分野
に 自由 に挑戦 し続 けた源内の突 き抜 けた
41き 方 には、様 々な問題 を抱 えて立 ちす
くみが ちな現代 日本 の我 々の 目を覚 まさ
せ る もの があるような気が します。今回
の L演 が 、素晴 らしいス タッフ、 キ ヤス
トによつて、その ような平賀源内 を楽 し
く甦 らせて くれる ことを人い に期待 して
い ます。
香り1県 知事
浜 田
恵 造
2
人材育成 と最先端設備 共用 に関する
含 同記念 シンポ ジウム
「 源 内 塾 の こ れ まで と こ れ か ら 」
「 香川大学 におけるMEMS研 究」
(フ ィジカル分野 )
高層 英邦
ll大 学
目立大学法人 書り
費錮籠遣デバ イス縮含研究センター
懸靴
□協調
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響
なぜ、今「平賀源内 Jか
多様な才能
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源内塾 の概要
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文部科学省科学技術振興調整費
『 地域再生人材創出拠点の形成』
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生活に関わる機械の知能化・高精細化
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高 層 研 究室
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MEMS/CMOS集 積化マイクロシステム
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知能化センシング
シグナル・知識
CMOS― MEMS
センサ&ア クチュエータ
安全
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生活の事象・変化
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集積化 MEMSセ ンサ (デ バ イス )の 役割
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CMOS工 程 を分離したセンサ/ア クチユエータの一体集積化
② 製 広孝
指紋構造 を有する触覚・ 触感集積化 センサ
指先皮膚における高密度触覚受害番
マイスナー小体,バ チニ小体などの受害器が皮膚下に分布
高密度の空間分布
ヽ 8ヽ 8ヽ 8ヽ
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籍
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複合検知能
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最 小 力分解 饉
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皮膚感覚センサア レイの構造
皮膚感覚センサア レイの綱部構造
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回転型MEMSミ ラーの全体構成
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香川大学医学部(森 Gr。 )と の連携研究推進
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湾曲
NOTES手 術
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。口 ,肛 門 .腟 ,膀 騰などの 自然孔を経 由
・ 表創ができない夢の低侵襲手術法で術後の痛みが少ない
・ 美容的 に優 れ ,腹 壁の 感 染や合併症 をなくすことができる
現状の課題 :遭蘇婁翫百
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製作 した回転駆動型アクチ ユエー タ
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曲型アクチュエータ
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回転型 ミラー デバ イスの実装評価
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仮想触覚・ 触感生成 デバ イス (空 気流 )
圧覚 と冷覚の同時提示
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環驀意椰詳
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IEEE MEMs2o12 Paris
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大気圧 プラズ マの応用 と複数流踏集積化
プラズ マの分類
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・ 外科手術における局新的治療
・ スポット的な上血処置
・ 機小範囲の分析光源や熱源
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プラズマは様 々な分野で広く応用分野を開拓
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プラズマ流 路集積化 デバ イス
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微小 な機械 とこれからの機械
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2013/0202/bksem narphp
暉層T零寧
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ノテクノロジープラッ トフォーム
香川大学工学研究院
准教授
鈴木 孝明
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文部科学省 チノテクノロジープラットフォーム●集
四 国 で 唯 ― の す ノテ ク研 究 支 援 機 関
。 大学 等 が所有 し、他 の機 関では整備 が 困難な最 先端のナノテクノロジー研 究
│● 4● 葬活 用 し、
研究 基盤 を強 化 。
・ 最 先端 の計測 、分析 、加工設備 の 利用機 会 を高 度な技術支援 とともに提 供 。
・
組織 や分野を超えた 凛線機能 の強化 (情 報 の 共有 )に よる課 題 の効 果的 、効
率 的解 決 。
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香 川 大学
社 会連 携・ 知的 財産 セ ン タ ー
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鈴木
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ナノテクノロジープラットフォー ム の参 画 機 関 (25機 関)
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電子線描画装置 {ェ リオニクス社製ELS‐ 7500E刈
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25∼ 5nch角 の クロム マスク等
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nano techり に]〔 2013
日刊工業新 聞社賞 受賞
「かがわ健康関連製品開発地域」
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■ ■ 由
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血液 ,滴 て高 速診断
冊
発表件数 (総 数:150件 程度
1東 京大 :28件
2香 川大 17件
3東 北大 :15件
)
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ブース数 :約 800
シンポジウム
■29回「センサ マイクロマシンと応用システム」
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J鵬目L“ 閥 ._般 公開・■盟腱螢m耗 品代程
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細 胞 中 の DNA(ヒ
ト細 胞
1個 )
・ 46本 の簗色 体
・綸延長 2m
。
平均 4om、 最長 8cm
。
二菫 らせんの 自径 2 4nm
小さなレコード螢の上で、彙色体を広げる
遺伝子検査
がんなど)、
し
項 目 i感 染症 、遺伝 病 、造血器 腫瘍 (自 血病など)、 固形腫瘍 (肺 がん 手
遺伝 子 多型解 析 、ダウン症 (出 生前診断 高齢出産に伴うリスクのI● 加
)
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レコー ド盤 によるイメージ映像
染色体伸張固定の原理
細胞固定 。
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T°
マイクロ構遺上に染色体を波中懸集 させる
r.rAilrxoifiT
従 来 法 における問題 点
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二板の回転によつて複数の楽色体を
簡 単 な 操 作 で伸 張
スライドガラス浸7● 法
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特異 的結 合 のみ を検 出
焦点深度を用いた観察
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加工精度 :lμ m以 下、加工面積 :o100mm以 上
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"0年 (2009年 )、 コ内姜D■ (21110年 )
船丼情●■■■●■
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回転 マスク +固 定マスク
1鵬ま議 猾
徴錮構造のSEM像
同心円マイクロメッシュ構遺 。
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口光分布の強●計算結果
マイクロメッシュ構 造
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レジスト内の 点●ン,zlの 吸 光 量
υ(X,y,Z)
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超田界乾爆装置を使用
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染 色体 伸 張 解 析チップ 構造外形
遺伝子惨断技術 ■床じ隋における■■●位の日嘔
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提案法 :フ ァイバー F:SH
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役 II‐ ■伝子情 報の転写をlmmす る
特籠 壼具するとm胞 が編化する
プロープ結 合時間 1時 同
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mesh+cell
5倍 以上´
Hybrilizationtime [hour]
細胞 の 固定か ら染色 体解析 までを1チ ッフ上 で短 時間で行うことが可 能
結言 :遺 伝子解析チツプ
細胞 の 操作 から染色体 の 解析 までを1つ のチップ上で実現
夢
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剛
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要
多重 マスク回転傾 斜 露光法
加 工法
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染 色 体解 折
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記念講演
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明 日の生活 を支 える
MEMS開 発の最前線
講 師紹 介
氏名
フジタ
ヒロユキ
藤田
博之
東京大学 生産技術研究所 教授
現職
学歴
1975年 3月
東京大学 工 学部電気 工 学科卒業
1977年 3月
同大学院電気 工学専門課程にて工学修士
1980年 3月
同上にて工 学博 士の学位 を受ける
職歴
1980年 4月
東京大学生産技術研究所講師
1981年 5月
東京大学生産技術研究所助教授
1993年 8月
東京大学生産技術研究所教授
2000年 4月
東京大学生産技術研究所所属 マイクロメカ トロニ クス国際研究
センター長 (現 マ イク ロナノメカ トロニ クス国際研究センター長 )
この 間、 1983年 7月 か ら 1985年 6月 まで MIT国 立 マ グネ ッ ト研究所客員研究員
2000年 4月 -2004年 3月
宇宙科学研究所
2004年 4月 -2006年 3月
独立行政法人宇宙航空研究開発機構 客員教授
2009年 4月 -2012年 3月
東京大学生産技術研究所副所長
2011年 3月 -2013年 3月
客員教授
Jヒ 京大学客座教授
研 究歴
15
1974年 -1975年
雷放電進展のシミ ュレーシ ョンの研究
1975年 -1980年
極低温気体中の 放電現象の研究
1980年 -1983年
ア コース ティック・ エ ミッシ ョンを利用 した構造物防災の研究
1983年 -1986年
アコースティック・ エ ミッシ ョンを利用 した超電導・ 極低温
機器の計測法の研究
1987年 一 現在
マイクロマシン とバ イオ・ ナノテクノ ロジ ーヘ の応用 の研究
学 会 及 び 社 会 に お け る 活 動 等
・ 電気学会
センサマイクロマシン部門
総務担 当役員 (1995-1998)
・ 電気学会
センサマイクロマシン部門
部門長 (1998-2002)
・ (財 )マ イク ロマシンセンター
・ 次世代 センサ協議会
評議員 (2003-現 在 )
理事 (1997-現 在 )
受賞
M Hetenyi Award for Expe‖ mental Mechanics(1987)
技術・ 科学図書文化賞優秀賞 (1992)
市村学術賞功績賞 (19971
服部報公賞 12000)
Chevalier de l' Ordre des Palmes Academiques
― フランス共和国政府教育・ 学術功労勲章 シ ュバ リエ受賞 ―(2001)
文部科学省 ・ 科学技術章 (2005)
社団法人電気学会・ 業績賞 (20051
Dip10me de Docteur Honoris Causa′ Ecole Normale Supё neure de cachan
― フランス ENSカ シ ャン校 。名誉博士号 ―12005)
船井情報科学振興賞 (20071
社団法人電気学会 ,電 気学術振興賞・ 論文賞 (20071
社団法人電気学会・ 電気学術振興賞・ 著作賞 120071
横須賀 リサ ー チ パーク (YRP)・ 第 5回 YRPア ワー ド・ YRP賞 (2007)
情報 ス トレー ジ研究推進機構
,SRC論 文賞 2008(2009)
Transducers′ 1l Committee′ Outstanding Contribution Award(2011)
電子情報通信学会
エ レク トロニ クスソサイ エ ティ・ 1日 CE′ EL[X Best Paper Award
(2011)
主な著書
・「マイク ロ・ ナノマシン技術入門」 工業調査会 (2003)
″
・糸
扁・ 真
雪 Micromachines as Too s for Nanotechnology″
Springer(2003)
・ 共著 「マイクロマシーニ ングとマイク ロメカ トロニ クス」培風館
19926
16
は じめに
テ レビゲームの コン トロー ラやカメラの手振れ防止 な どに、マイ ク ロセ ンサが多数利用 され るよ うにな つて き
た。身振 り手振 りでテ レビゲームを遊ぶ ことがで きた り、超望遠 のズーム レンズ を備 えたカメラで も手持ちでシ
ャー プな写真 が撮れ た りす る こ とを通 じて、た くさんの消費者 にセ ンサ のすば らしさを実感 して もらえた と思 う。
そ の背景 には MEMS(micrO electro mecha面 cal system)技 術 Dヽ 分の進歩があるわけで 、 1980年 代 の半 ばか ら
これまでの技術開発 が大きな実を結び始 めた。MEMSの さらに広範囲での製品化 を推進す べ く、一層 の努力 が
求め られてい る。
経済産業省 の技術戦略 マ ップ 2012年 版 0で も、20年 後 の MEMS製 品の具体的イ メー ジ として 「MEMSは ト
ップダ ウンプ ロセスである微細加 工 とボ トムア ッププ ロセスであるナノ 。バ イオプ ロセス とを融合 させたマ イ ク
ロ 。ナ ノ統合製造技術 の確 立によ り、その応用範囲を急速 に広げ国家 。社会的課題 である 「環境 。エネ ルギー 」、
「安心・安全」分野 で新 しいライ フス タイル を創 出す る革新的デバイ ス として広 く浸透 してい る。」
「医療 。
福祉」、
と記 されてお り、今後 さらに多様な材料 と加工法を包含 した製造技術へ 進歩 してい くと期待 されてい る。 この期
待 にこたえるため、2008年 度 より 5年 計画で 「異分野融合型次世代デバ イ ス製造技術研 究 プ ロジェク ト」通称 B
EANS(Blo Electromecha面cal Autonclmous Nano Systems)プ ロジェク トが実施 されてお り、産官学 の力 と
知識 を集 めた開発 を推進 してきた 。。本 プ ロジェク トでは、バイオ技術 と MEMSの 融合 プ ロセス 、ナ ノ材料や
有機材料 と MEMSの 融合 プ ロセス、大面積 MEMS連 続 プ ロセスの 3点 について、長期 (10年 程度 )的 な展望
にた つた革 新製造技術 プ ラッ トフォームの創造 を 目指 して い る。本稿 では、MEMS技 術 とこれ らの技術 を融合
した異 機能集積技術 について紹介 し、明 日の生活 へ の波及効果について考える。
ナ ノテ クノ ロ ジー と異機 能集積 技術
ナ ノテ クノ ロジー とは、数 nmか ら数十
nmの ナ ノ構造 で生 じる特異的な性 質 を用 い て 、 これ まで得 られ
なか つ た 高度 の機 能 を持 つ材料や超微細デ バ イ ス を得 る技術 であ る。 単 一 も しくは少数 の原子、単純 な分子
につ い ては 、個 々 の原子や電子軌道 の振 る舞 い を理論的 に記述 し、解析 で きる。 また 、非常 に多数 の原子や
分子 につい ては 、統計力学的な手法 で 平均 的な振 る舞 い を予想 で きる。 しか しそ の 中間に位置す るナ ノ構造
にお い ては 、 どち らの 手法 も有効でな い ため 、 これ まで解析 が遅れ ていた。電子計算機 の能力 の 向上 によ り
第 一 原理計算や分子動力学計算な ど、
個 々の原子相互作用 の 計算 に基 づ くナ ノ構造 解析 が可能 にな つ た こ と、
また走査 トンネ ル 顕微鏡や収差補 正 に よる超高 分解能電子顕微鏡 な ど、原子や分子 を直接可視化 で きる新 た
な観測手段 の発展 によ り、ナ ノス ケール にお ける物性 の理 解 と応 用が進 んでい る。
ナ ノ構造 の作 り方 には 、原子分子 を も とに、 よ り複雑 な構造 を組み上 げ る、 い わ ゆるボ トム ア ップ法 と呼
ばれ る方法 が注 目されて い る。 カー ボ ンナ ノチ ュー ブは 、 ボ トム ア ップ法 で得 られ る典型 的なナ ノ構造で 、
プ ラス チ ック等 に混ぜ て フ ァイ バ 強化材料 と して利用 した り、表面 と垂 直 に配 向 した 多数 の ナ ノチ ュー ブか
らな る膜 を表面積 の大 きな電極材料 と して用 い た り、そ こに高電 界 を印加 して冷電子放 出銃 を作 るな どの応
用 が展 開 して い る。 また 、 プ ロセス 条件 の最適化 に よ リナ ノ レベ ルの超微結 晶 か らな る材料 を作 る こ とや 、
コロイ ドの よ うな微小粒子 の利用 もナ ノテ クノ ロ ジーの 実用化例 であ る。
一 方 、加 工 技術 の微細化 を極 限 まで追求す る こ とでナ ノ構造 を作 る トップダ ウン法 も、 シ リコ ン半導体技
術 な どこれ まで培 われ た強 固な技術基盤 の上で 、着実に進 んでい る。例 えば 、 シ リコ ン集積 回路 の設計 ルー
ル は 2012年 現在
22nmに 達 してお り、PC、
携 帯電話 、デ ジ タル 家電 な どに多用 され 、現在 の ユ ビキタス情
報社会 の発展 を支 える基盤 技術 であ る。化合物 半導体で も量子丼戸や量子 ドッ トな どの ナ ノ構造 を含 むデ バ
17
イ ス が 実用化 され て い る。 さらに、半導体微 細加 工 を立体的なマ イ ク ロ 。ナ ノ構造や可動機構 の製作 に利 用
した MEMS技 術 で も、数十
nmの 機械構造 が得 られ る。
ナ ノ構造 の機 能 を工学 的 に生かす 場合 、材料 と してナ ノ構造 の 集合体 を従来 の加 工 技術 で取 り扱 うことは
難 しくない。 この 面で の応用 は 、現在急速 に実用 化 が進 んでい る。 一 方 、ナ ノ構造 を構成要素 と して 、それ
を設計通 りに組 み合 わせ て工 学 シス テ ム を組 み上 げ る こ とには 、多 くの技術 的困難 がある。例 えば 、 トラ ン
ジ ス タ機 能 を持 つ 分子 を作 つ た とい う報告 は散 見 され るよ うにな つ た。 しか しこの発 明に基 づ き、 メモ リや
プ ロセ ッサ の よ うな複雑 か つ 高度 な集積 回路 を、 トラ ンジス タ分子 の み を用 い たボ トム ア ップ法 で作 るまで
には格段 の技術進歩 が必 要 である。
トップダ ウン法 では 、10nm程 度 の構造 までは安 定 して 作れ る見込み が得 られ てい るが、分子 と同 じ数 nm
レベ ル に至 る こ とには、 これ また 多 くの技術 的困難 があ る。 一 方 、数 百万に も達す る要素 を複雑 に組み合 わ
せ た システ ム を、 きちん と設計 して 、作 り上 げる こ とは得意 である。すな わ ち、電子 回路や機械 の微細化 を
追求す る極 限 と して 、数 nmの 要素 を多数 。複雑 に組み合 わせた システム を作 ろ うとす る場合 、 トップダ ウ
ン法 の みで も、 ボ トム ア ップ法 のみ で も実現 が難 しいのが現状 である。 そ こで 、 トップ ダ ウ ン法であ らか じ
め構 築 しておいた大 局的 シス テ ム構造 の 中 に 、 ボ トム ア ップ法 に よ り製作 した数 nmの 要素 を組 み込む こ と
で 、 この 問題 を解決す る こ とが考 え られ る。
図
1に 示す よ うに、化学合成や結晶成長 、バ イオ技術 な どを用 いて 、ナ ノ粒子や カー ボ ンナ ノチ ュー ブ 、
抗体や酵素 な どナ ノ機能素子 を大量 に得 る こ とがで きる。 これ を半導体技術や MEMS技 術 、印刷 技術 な ど
で望み に合 わせ て作 つた構造 の 中に位置選択 的 に付加 して 、 システ ム に組み上 げる。ナ ノ機 能素子 は、プ ラ
ズモ ンフ ォ トニ クスや単電子 トラ ンジスタな どの 量子機 能や 、分子認識 な どのバ イオ化学機 能 を発揮す る。
これ に対 してナ ノ構造 は 、 これ らの配置や接続状態 を決 めた り、 エ ネ ル ギー を供給 した り、 マ ク ロ世界 との
イ ン ター フェー ス を担 つ た りす る。す なわち、 この融合的手法 を用 い る こ とで各構成要素 の微細化 が可能 と
な る一 方 、 システ ム全体 の構造 につい ては我 々 の 望む とお りに 自由に作 り込む こ とがで きる。
異機 能集積 を 目指す BEANS技 術
この よ うな考 え方に基 づ き、近頃著 しい進展 の あるナノテクノロジーや バイオテ クノ ロジー を MEMS技 術 と
融合 して、 これ までにない新 しい発想 の製造 プ ロセス技術を作 りだす研究 として、BEANSプ ロジェク トを位置
づ ける こ とができる。 この技術に基づ く製品群 は、バイオ計測 。医療診断 のためのバイオセ ンサ機能、ナ ノ構造
に基 づ く高効率エ ネル ギー 変換機能、広範囲の環境情報 をネ ッ トワー ク的に計測す る機能な どを備 え、我 が 国が
直面 している少子高齢化や エ ネル ギー確保 、防災 と安全 性向上な ど、諸問題 の解決 に役立つ であろ う。
●●●●●●■0● ●●●●■●●●●●●●0口 ●●●口●口、
トップ ダウ ン技術 で
全 体 を一括集積加工
豊化
吉モ
)、 1着 贅
西置 、 率
ボ トムア ップ岐術 で
要素 を轟
化学合成、気層・ 液層成長
、バ イオ反応
図1
半 導 体 技術 、
MEMS技 術 、
印刷技術
駆動・ 検出素子、配線、
反応容器、 エネル ギー供給
皿 MSの 中 で
自己 組 織化
機能性分子・ ナ ノ構造
(ナ ノ粒子、 CNT、 量子構造、
抗体、酵素、 レセ ブタ)
トップダ ウ ン技術 とボ トム ア ップ技術 の融合
18
BEANSプ ロジェク トは、バイオ・ 有機材料融合 プ ロセス、3次 元ナ ノ構造形成プ ロセス、マイク ロ 。ナ ノ構
ロ。
造大面積・ 連続製造 プ ロセスの三つのプロセス開発 に関 して、将来 の革新的デバイ スの創 出に必要なマ イク
ナ ノ統合製造技術 を研究す るもので ある。第一のバイオ 。有機材料融合プロセスでは、バイオ・有機材料の分子認識や自
己組織化などの特異な能力を生かしつつ、それをシ リコン構造に選択的に付加するプロセスを研究する。生体に適合し、その
中で長期安定 して働くデバイスや、ナノ多孔質やナノピラー構造により細胞培養や高感度センシングが可能な構造を得ること
が期待される。また存機材料の分子設計により、自律的にナノ構造を形成 したり、エネルギー変換などの機能を持たせたりす
ることを可能とする。第二の 3次 元ナノ構造形成プロセスでは、表面が原子 レベルで滑らかで内部にも損傷のないナノ構造を
作るプロセスや、込み入つたナノ構造の表面や隙間をまんべんなく機能膜で覆うことのできるプロセスなどを研究する。ナノ
構造やナノ粒子は、量子効果に代表される特異な性質があり、例えばバルク材料にない良好な光電エネルギー変換特性を示す
ことから、高効率で発電する超小型デバイスなどに利用できるであろう。最後のマイクロ 。ナノ構造大面積・連続製造プロセ
スでは、微細で自由な立体加工ができる反面、基板の大きさに制限があり高価である半導体プロセスとは別に、印刷技術や型
押 し技術を利用 して、大面積にデバイスを安価に作るプロセスを研究する。ちょうど、印昂lleで 新聞を大量に高速で刷るよう
に、薄く柔らかい基板にデバイスを連続的に製造することが期待される。
図 2に 示す よ うに、異分野を融合 して新たな機能を持 つデバ イ ス を創 り出す こ とに BEANSの 意義 がある。 こ
の異分野融合 の 中身を考 えると、次 の三点が挙げ られ る。
・ ナ ノか らメー トル まで異なつたス ケール を融合す る。
・ バ イオか ら半導体まで異なつた材料 を融合す る。
。 ボ トムア ップか ら トップダウンまで異なつたプ ロセスを融合す る。
以下、BEANSプ ロジェク トの成果 を三つ取 り上げ、 これ らの融合 が どの よ うに実現 されてい るか説明す る。
第一 は、線 の表面にマ イ ク ロ加工 してそれを織 る こ とで布地 の よ うに柔 らかい 、広 い面積 のデバ イ ス を作 る独
創的な試み である。図 3に 示す よ うに、直径 が 100ミ ク ロン程度 の繊維 の上 に、ホ ッ トエ ンボシングやナノイ ン
プ リンテ ィングを用 いて 、 ミク ロの構造を作 つた う。 またダイ コーテ ィングで導電性高分子 を付加 し、電気配線
工 した繊維 を縦糸、横糸 として織 り上げるわけであるが、例 えば縦糸
として利用できる。 このよ うにマイ ク ロカ日
にデバ イ スを作 り、横糸か ら給電や信 号取 り出 しを行 うことが考え られ る。 この場合 、交点 に電気的接′
点を作 る
こ とが必要になる。布地 の伸縮 に応 じて、交点は引 つ張 られた り、ずれた りす るのでカンチ レバー構造 を交点に
作 り込んで、接続 を保 つ工夫を した の。 この研究で の異 スケールの融合は、 ミク ロの構造 を持 つた繊維 を、メー
トル級 の大面積デバイ スに織 り上げる こ とだ。 また、異なつた材料 の融合 に関 しては、高分子や ガラスの繊維 と
導電性高分子な どを利用 して い る。異なつたプ ロセスの融合 としては、 リール ツー リールの連続的なホ ッ トエ ン
ボシングやナ ノイ ンプ リンテ ィングを繊維 に対 して行い 、それ を紡織で大面積 に織 り上げた こ とが挙 げ られ る。
第 二 に、ガラス とシ リコー ン樹脂 をマ イク ロ加工 した微小容器 に脂質二重膜を安定に形成 し、そ こに単一種類
の膜 タンパ クを挿入 して機能 を測 る研究がある っ。膜 タンパ クは細胞 と外部 の相互作用 を司る重要な分子であ り、
そ の機能 の解 明は創薬な どに役 立つ ことが期待 できる。
図 4に 示す よ うに、マ イク ロ構造を型取 りして凹部 を作 つた PDMS(シ リコー ン樹脂 の-0と 微小電極 を形成 し
たガラス基板 を貼 り合わせて 、微小容器 を側壁 に多数形成 した流路を作 つた。流路 に、水溶液、脂質を含む油、
水溶液 の順 に液を流す と微小容器 に封 じられた水溶 液 と流路 中の水溶液 に挟 まれて、微小容器 の頸部に脂質 二重
膜 が形成 され る。そ こにイオ ンチ ャ ンネル として働 く膜 タンパ ク質 (α ヘ モ リシン)を 導入 し、 10 pA程 度 のイ
オ ン電流を計測す ることがで きた。 この研究で の、異 スケール融合は、数十 ミク ロンの流路 の望み の位置 にナ ノ
メー トルの脂質や タンパ ク分子を取 り込んだ こ とだ。また、異材料 の融合 に関 しては、シ リコー ン樹脂 、ガラス、
電気測定用電極 の金属、バ イオ分子を利用 している。異 プ ロセス の融合 としては、 シ リコー ン樹脂やガ ラス、金
属 のマイ ク ロマ シニ ングとバ イオ分子 のア ッセ イを併用 した こ とが挙げ られ る。
第 二の例は、ナ ノ粒子 の 自己組織化配列を用 い 、 ミク ロの深溝 の側面に規則的かつ桐密な単層ナ ノ粒子膜 を形
成 した成果 である o。 ナ ノパ ター ンの形成に 自己組織化 を利用す る取 り組み の一つ として 、 このよ うな 自己組織
化手法 とマイ ク ロ加 工 とを融合す る研究を進 めてい る。即 ち図 5に 示す よ うに、シ リコン基板 の深堀 リエ ッチ ン
グで、幅 が数 ミク ロン、
深 さ 100ミ ク ロン弱 の深溝 を作 り、そ こに 300
19
nmの 直径 のシ リカ粒子を含む水 を入れ、
1
10
:
:
100 :ヽ■
1
1
:
ナ ノ粒 子 、 ナ ノ
10
100 μm
l
1
l
10m
l
i
トツ プ ダ ウ ン
分子 融 合 デバ イス
ッ柔
チ
合
カイ
ス
■軟
ボ トム ア ップ
ア プ ロー チ
柔 軟 デ ィス プ レ
異分野融合多機 能複合 システム
省 エ ネル ギ ー
図2
防 災 、 セ キ ュ リテ イ
異機能集積マル チ スケール製造技術
MICROMACHIN E
Lines/
spaces
図3
Dots
Contact
線状基材 へ のマイ ク ロ加工 と織布によるメー トル級 の大面積デバ イ ス作製
PDMS
t/
e
r
図4
a
S
b
u
s
s
\a
s
\
- bilayer lipid membrane
microchamber
PDMSシ
リコー ン樹脂製 のマイ ク ロ流体デ バイ ス。流路 の側面に並 んだマイク ロ
容器 の 口を脂 質二重膜で封止 し、そ こに膜 タ ンパ クを導入 して特性 を評価す る。
20
水 の蒸発 とともに溝 の側面に粒子 が整列 して付着す るもので ある。 この研究 での異 スケール融合 は、 100ミ ク ロ
ンの深 さの流路 の側面に、サ ブ ミク ロンの粒子 を取 り込んだ こ とだ。 また 、異材料 の融合 に関 しては、今後 プラ
チナ のナ ノ粒子をシ リカ粒子 の間に入れ、ガスセ ンサ として の利用 を計画 してい る。異 プ ロセスの融合 としては、
列 を併用 したことが挙げ られ る。
深溝 のマイ ク ロマ シニ ングと粒子 の 自己組織化西己
「
さて、BEANSは 新 しい概念 であるため BEANS技 術 とは具体的には何 を指す のか ?そ れ は何 を意味す る
か ?」 とい う問い を受 ける こ とがある。生まれて数年 しかた つてい ないので 、完全な回答は得 られてい ない わけ
であるが、BEANSプ ロジェク トにお いては、個 々の研究テ ーマ を通 じてこれ らの問い に答えよ うと してい る。
図 6に 示す よ うに、「BEANSと は何か」とい う問い は、全体像や、将来達成 しよ うとす る 目標 に関連す る。 これ
に対 しては、個別 の研究テ ーマ をもつて 、具体例 として示す ことがで きる。逆に、個別 テーマ は全体像 の枠組み
の 中で、最終的な 目標 か ら外れない よ うに設定 され る必要がある。一方 「何 を意味す るか」 とい う問い は、適用
分野や応用デ バ イ スに関連す るもので あ り、個別テーマのプ ロセス開発 の結果 として構想 できる実用例 (実 証デ
バ イ ス)を もつて 、答 えるべ きである。 さらに、個別テーマ と実証デ バ イ スの関係 は、応用か らデ バイ スの仕様
が決 ま り、それに答えて必要な機能 を実現す る機構が作 られ る ことになる。以上につい て も、例 を挙げて説 明 し
た い。
第一の例 は、基板 と平行 な面内に配向す る発光分子 を合成 し、それ を有機 EL素 子 の発光体 として用 い る こ と
で 、光取 り出 し効率を向上 した とい う成果 である o。 ランダム な向きを取 る分子を用 いた場合 に対 して、効率 を
1.6倍 に向上できた。 ここでは、分子設計 した機能分子 の合成 とい うボ トムア ッププ ロセス と、それ を トップダ
ウンプ ロセスで作 つたデ バイ ス内に、 自己組織的に配向 させなが ら付加 して利用す るとい う異 プ ロセスの融合 が、
BEANSの 枠組みに含 まれてい ることが示せた。 また応用に関 しては、高効率で省エネル ギーの発光デバイ スが
得 られ るとい う、明 日の生活 に対す る波及効果 を示す こ とができた。
第 二の例 は、糖応答性蛍光ゲル を体内に埋め込み、ゲル に紫外線 を照射 した時の蛍光発光強度 か ら血糖値 を測
る、完全埋 め込み型 の連続血糖測定器 である。 これ までに、マ ウスの 耳へ糖応答性蛍光グルフ ァイバ を埋め込む
実験 を行 い、蛍光強度 と血糖 の変動 には相 関があ り、そ の機能性 が長期間 (140日 間)維 持可能な ことが示 され
ている lo。 ここで は BEANSの 枠組み に、血糖値 に応 じて蛍光強度 の変 わる機能分子を含 ませたゾル を、マイ ク
ロ流体デバ イ スの 中でマイ ク ロビーズや マイク ロフ ァイバ の形 にグル化 し成型 し、 さらにバ イオア ッセ イでゲル
表面に生体適合 性材料 を修飾す るとい う異 プ ロセスの融合 が含 まれてい る こ とが示せた。 また応用に関 しては 、
注射針 を刺 してマ イク ロ形状 のグル を挿入す る程度 の埋 め込み処置 で、長期間 にわた つて非侵 襲 で血糖値 が連続
的に測れ るとい う、実用化 されれば糖尿病患者 に とつて大きな福 音 となる応用例 を示す こ とができた。
この他 BEANSプ ロジェク トでは、低 い温度 差 か らも有効 にエネル ギー を取得できる熱電発電素子、フレキシ
ブル シー ト状 にできる有機太陽電池な ど、明 日のエ ネルギー 問題 の解決 に資す る研究や 、癌 マー カーの高感度検
出セ ンサ、創薬支援用 の動物実験代替チ ップ、C02や アル コール検知用 の ガスセ ンサな ど健康 と医療 の 明 日に貢
献す る研究を行 つてお り、今後 の実用化 が期待 できる。
図5
21
反応性イオ ンエ ッチ ン グで作 っ たシ リコ ンの深溝 内へ のナ ノ粒子 の整列付加。水 の蒸発 を用
い て粒 子 を 自己組織 的に側壁 に付加す るプ ロセ スの模式図 (左 )と そ の結果 の電子顕微鏡 写真
BEANSこ は1可 か ?
それは何を意味するか ?
(適 用分野、応用デバイス)
(全 体像、将来目標)
個覇 テ ーマ
BEANSプ ロ ジ ェク ト
図6
BEANSと
は何か、それは何を意味するか
お わ りに
MEMSの
研究 も
1988年 に静電 マ イ ク ロモー タが 初 めて回 つてか ら、20年 以 上が経過 し、 よ うや く活発 な実
用期 に入 つ てい る。世界 的 に競争力 の あ る製 品 を作 るには、単 に技術 を磨 くだ けでは不十分 であ り、MEMSに
適 した応用 分野 で顧 客 の 求 め る品物 を提供す る こ とが重要である。IT分 野や 自動車分野 な どの電子部品分野 に加
え 、医療 。安全 ・ 環境分野等 に も市場拡 大す るた めには 、MEMS製 造技術 とナ ノ・ バ イ オ 等異分野技術 を融合
した製造技術や 、 マ イ ク ロ 。ナ ノ構 造 を大面積 に高速 ・ 低 コス トで連 続形成 す る製造技術 を、 日本企業全体 のプ
レ コ ンペ テ ィテ ィブ な基盤 と して開発す る必要 があ る。各企業 が これ を用 いて異機能 を集積化 した新規 なデ バ イ
ス を創 出す る こ とで、社会 にイ ノベ ー シ ョンを起 こ し、将来 の社会 にお ける豊 か な ライ フス タイ ル を創 造す る こ
とが期待 され る。
参考文献
1)江 刺 正 喜 、 五 十嵐 伊 勢美 、杉 山進 、藤 田博 之 、 マ イ ク ロマ シ ニ ン グ とマ イ ク ロ メカ トロニ ク ス 、培 風館
(1992)
2)藤
田博 之 (編 著 )、 セ ンサ 。マ イ ク ロマ シ ンエ 学 、 オ ー ム 社 (2005)
3) http://w雨_nedo go ip/content/100109958.pdf
4) http://ww‐ beanspi.org/index.html
5) H.NIlekaru and M.Takahashi, ‖Illnprinting of guide structure to weave nylon ibers“ ,Journal of
Vacuulln Science and Technology A28(4),Ju1/Aug 2010(2010)
6) S.Khumpuangl,A Ohtomo,K.NIliyake and T Itoh,"Fabrication and evaluation of a microspring
contact array using a reel‐ to‐ reel continuous iber process", 」ournal of NIlicromecha五 cs and
Microengineering,Vo1 21,No.10,pp.105019(2011)
7)渡
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pp.414‐
8)阿
418(2011)
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2009年 度 年 次 大会 (2009)
9) Taneda NIIasatsugu, Wasuda Takuma, and Adachi Chihaya , "Horizonta1 0rientation of a
Linear‐ Shaped Platinunl(II)Complex in Organic Light Enlitting Dlodes with a High Light
Out‐ Coupling Ettciency",Applied Physics Express,Volume 4,Issue 7,pp.071602‐
10)YJ.Heo,H.Shibata,T Okitsu,T.Kawanishi and S.Takeuch,“
071602‐ 3(2011).
Long‐ term
in宙 vo glucose
monitoring using fluorescent hydrogel flbers", Proc Natl Acad Sci USA VOl.108, No.33,
pp.13399‐ 13403(2011)
22
産学官のオ ー プンイノベ ーシ ョン
による MEMS産 業の活性化
講師紹介
氏名
現職
イ マナカ
コウイチ
今仲
行―
一般財団法人 マイク ロマシンセンター
マイク ロナノ・ オープンイノベー
マ 縦 r争三
『
(兼 務)技 術研究組合 NMEMS技 術研究機構 理事長
学 歴・ 職 歴
1950年
大阪市生まれ
1974年
大阪大学基礎工学部 物性物理工学科 卒業
1979年
大阪市立大学工学研究科博士課程修了
同年
23
(工 学博士)
日本学術振興会 奨励研究員
1980年
スイス・ ヌシャテル大学 物理学研究所 研究員に就任
1982年
沖電気工業株式会社 に入社
1985年
オム ロン株式会社に入社
2002年
同社 技術本部 中央研究所所長 に就任
2005年
同社 執行役員常務 技術本部長 に就任
2011年
6月 同退社
同年 7月 よ り現職
現在に至る
MNOIC(MicrONano Open innovaJon Centerエ
ム ノー イック)の ご 紹 介
2∞ -300mm MEMS最 先端施設の共同利用でオープンイノベーションを推進
●はじめに
日本のMEMS産 業の本格的な立ち上げともいうべき、
「マイクロマシンPJ」 のスタートから20
国家プロジェクト
年が過ぎました。PJの 完遂により、MEMSの 共通基盤
技術、機能デバイスの高度化技術、システム化技術、
等の技術プラットフォームが構築出来たと考えます。さ
らに、引き続く量産化技術、次世代化技術構築等、国
家P」 の成果を基盤に、我が国のMEMS関 連産業は着
実に発展してきました。
「MEMSの ロバスト性」
特に
すなわち、信頼性・性能
の安定性から、自動車関連、計測器関連、医療機器な
「産業用途」から始まった応用分野が、
どの、主として
MEMS製 造に半導体プロセスを用いていることによる
「MEMSの 量産性」すなわち、大量生産、小型化・高機
能化・多機能化、低価格化の可能性から、情報通信、
OA、 アミューズメント
「民生用途」への拡大が進
など、
みました。その結果、国内MEMSデ バイス市場は2010
年には7,200億 円に達し、2015年 にはリヒ5,00Cl億 円に
ものぼるものと予測されています (一 般財団法人マイク
ロマシンセンター、以下MMC、 調査 )。
●顕在化してきたMEMS産 業の課題
「激化する国際
一方、このような市場の拡大と共に、
「低価格
「短期間に変化する市場ニーズ・需要」、
競争」、
「差異化を図るための最先端技
大量生産」、それに伴う、
「基板の大判化の必要性とそれに伴
術の構築の必要性」
「ROl(Return on lnvettment)が しつ
う設備コストの増大」、
かり見通せない中での投資判断」、など、国内MEMS関 連
企業にとつて、LSIと 同様の難しい判断が求められるように
なつてきました。
「必要な技術、設備、人財」全てを、
このような変化の中、
「クロー
自前で内部から調達する、これまで主流であつた
「リソー
ズドイノベーション」にはもはや限界が来ており、
「オープンイノベーショ
ス」を広く外部からも含めて調達する
ンヘの転換」が必要、との認識は産業界のみならず、産官
学共通のものとなつています。さらには、飛躍的に成長し
「国家 による、最
ている海外勢にほぼ共通して見られる、
先端技術の施設整備も含めた実用化への後押し」の必要
性についても大きく語られるようになつてきました。(図 2)
海外事例として、オープンイノベーションで有名なベルギー
のIMECや ドイツのFraunhofe‖ まいうまでもなく、国費投入
により施設を整備し、広く産業界に利用させている例として、
例えばドイツFrdburg大 学と連携するHSG‐ IM「 (lnsutut fur
Mkro― und lnformatbnstechnlk)や 韓国太田市のNNFC
(Na,onJ NanoFab Center)が 注目されます (MMC海 外動
向調査)。
特にその原動力はスマートフォンを含む携帯電話や、タブレット
端末等、高度情報機器に搭載された角度センサ、マイクロフォン
などの超小型MEMSデ バイスであり、数の規模の寄与が大きい。
(図 1)
圃 囲 冊
皿
固 皿
‐
冊
冊
2010年 ■内デバイス市場で■200● 円u■ H離 )
図 1 国家プロジエクトとMEMSの 産業動 向
● MNOICの 発 足と狙 い
エムノーイック
は、このようにオープンイノベーションヘ の転換が急務であ
るとの産官学の共通課題認識のもと、国 が保有する最先端
施設の活用でオープンイノベーションを推進し、国内MEMS
産業を最強化 。
再強化することを目的に、一 般財団法 人マイ
クロマシンセンター (MMC)/MEMS協 議会 (MEMS関 連189
機関による工 業会 的ネットワーク)の もとに2011年 4月 に設
MNOIC(MicroNano Open lnnovauon center、
)
立しました。
図2
MEMS産 業の拡大に伴う産業課題
24
MNO:Cは 、研究センターを(独 )産 業技術総合研究所 (以 下
産総研 )つ くば東事業所内のNMEMS棟 に置き、つくばイノ
ベ ー シ ョン ア リー ナ (TIA)の コア 領 域 の 一 つ で あ る
『 TIA N―
MEMS』 の本部である、産総研 集積マイクロシステム研究セン
を利用しま
「世界最先端のMEMS研 究施設」
ターの保有する、
す。本施設は刊A強 化の一環として2010年 度に整備されたも
ので、直径200mm(8イ ンチ)お よび300mm(12イ ンチ)ウ エ
ファプロセスに対応し、世界に類を見ない世界最先端装置を
多く含みます。
MNOICは 、産総研の「成果の普及」活動の一環として、本施
設により産総研が創出した、知的財産権、装置ノウハウ、プロ
セスレシピの活用をベースに、プロセスデータの蓄積、レシピ
の詳細化、装置 の改良等を実施し、利用機関の研究・試作を
支援するとともに、最先端装置操作等を通じたMEMSエ ンジニ
アの教育・訓練、および設備の最適状態維持管理を行つてい
ます。
図 3産 業化の ステージとMNOに の 役割
●MNO:Cの 機能
「小規
「研究」
「開発・試作」
一般に、
「モノづくり」
を大まかに、
「本格量産」の4つ のステージに分類すると、従来、
模生産」
「研究」活動 (一 部「開発・試作」
まで)は 大学や独立行政法人
「開発・試作」から(一 部「研究」
から
(い わゆる国研)が 担い、
「本格量産」
「小規模生産」
までを企業が自社内で取組んでい
「開発・試作」
か
たケースが大半であつたと考えます。これを、
「小規模生産」
までをMNOICが 最先端MEMSラ インを利用し
ら
「本格
て実行し、企業による事業性評価が完了した時点で、
量産」
を当該企業内の工場、あるいは外部量産ファプに移管
するというスキームに転換することで、事業の効率化・スピー
ドアップを大きな狙いとしています。(図 3)
)
(1)Mv Lab(開 発投資効率の向上
)
(3)人 財育成
「プロセス実習セミナー」、
「最先端装置
産総研と共催の形で、
「最先端技術セミナー」、実例ベースの「MOT(技 術経
セミナー」、
営)セ ミナー」、海外のMEMS拠 点からトップを招き、ワールドワイ
ドでオープンイノベーションの実際を学ぶ「国際ワークショップ」な
ど、さまざまなMEMS人 財育成プログラムを実施しています。
MNOIC利 用者は原則参加費無料であり、自社技術者の大幅なス
キルアップ、ネットワーク拡大が図れます。
利用●日 (Pamer●
硼究所
) (
大12■
) (
大学
ベン
‐
MNO:C
)
「施設借り」の形態で、
産総研の成果普及の一環として、
「小規模生産」に利用する事が可能。
最先端MEMSラ インを
有料サンプルの販売を通じて事業性の透明度が上がった
時点で、自社内への生産投資の可否が判断できます。ま
た自社内に生産投資することなく、すべて外部で量産する
事を志向する場合には、MNOに の協カファンダリヘスムー
スな生産移管を支援可能。中小、ベンチャー企業で、大量
に生産する必要が無い場合には本施設を工場として利用、
あるいはMNOICに 生産委託する事も可能です。
25
いずれにせよ顧客対応スピードを含めて、事業投資効率の格段
の向上に寄与できると考えます。
技輌研究饉 含
¨
︸
(2)Mv Fab(事 業投資効率の向上
関の研究所のように利用できる
『 My Lab』 (必 要により
MNOICが 操作等支援、あるいはMNOICが 受託研究)、 第2
に、自機関の試作・少規模生産ラインのように利用できる
『 My Fab』 (必 要によりMNO:Cが 操作等支援、あるいは受託
試作)、 第3に 最先端技術・施設利用を通じた自機関の研
究者の教育・訓練、すなわち
『 人財育成学校』です。(図 4)
以下、3つ の機能について、期待できることを中心に少し詳
しく述べます。
小日
中全
保有技術の先鋭化のための最先端装置の新規導入や、
基板サイズの大判化に伴う保有設備の更新など、膨大な研
究開発投資をかけることなく、200-300mmの 最先端MEMSラ イ
ンを、あたかも自社の研究所のつくば分室として利用可能。産
総研や協力大学の支援を受けることもでき、リスクが取れる
開発・試作拠点として利用できます。
一年間一定の装置利用時間を確保できる年間利用契約、
あるいは必要なときに時間単位で利用する一時利用などの利
用形態を選択頂けます。いずれも標準的な消耗品費を含み、
さらに年間利用契約の場合には居室、ネットワークの無料利
用が可能。またMNOIC職 員による操作支援、あるいはMNOIC
への委託研究も可能です。
最先端MEMSラ インで試作したサンプルを用い、いち早く市
場マーケティングを行う事により、ROIの 詳細検討後、自社内
に装置導入、あるいは生産設備導入の可否判断が可能にな
り、開発効率の向上に寄与すると考えます。
MNOに は利用者側からみて、大きく分けて3つ の機能を有
しています。第 1に 、最先端MEMSラ インを、あたかも自機
→
,
MttS● ■
順
…
0012・ 郎 ●
r/
(‖ .● H.″ ′
り、
力じυだ
●●薔
大学
菫鷹
)
(m7イ クロシステム研究セ″
図4
MNOに の機能
―)
●MNOICの 施設・設備
200mm-3C10mm最 先端施設は2つ のクリーンルームより成
ります。(産 総研は他に100mm-150mm用 のMEMSク リーン
ルームを保有)。 第 1は ウエファプロセス、いわゆる前工程用
(350m2、 クラス1,000)で 、第2は 実装、評価等、いわゆる後工程
用 (150m2、 クラス ∞0)の クリーンルームです。(写 真 1)
MNO!Cに おいて、利用可能な設備の一部を表 1、 表2に 示し
ます。表 1は 主としてプロセス・実装装置を、表2は 評価装置。そ
れらのうち、現時点で使用頻度の高い (利 用者の多い)最 先端
装置について、その特長を少し詳しく述べます。
また大きな基板が必要ではないという利用者であつても、基板
の一部だけを使つてもマスク製作費に比べれば大幅な開発コス
トの低減、納期の短縮 が図れると考えます。最小線幅はlμ m、
最大描画エリアは5∞ mm角 。
エ鬱
曇口
1。
=●
。 2-
サイズ
3-
1′
O
0
O
0
リングラフィー
(1)リ ソグラフィー「マスクレス露光装置 (300mm対 応)」
基板サイズの大判化に伴い、露光マスクにかかるコストもか
なり大きくなつてきています。本装置は、光束を絞つた紫外光を
MEMSの ミラーで直接スキヤンする事で、PCに 入力された描画パ
ターンを露光する事が可能で、露光マスクが不要、再設計が容
易と、大幅な開発コストの肖1減 が可能となります。設計が固まっ
た段階で量産用マスク作成に移行できます。
0
0
洗浄 乾颯
曖鳳
0
0
0
0
O
O
0
0
0
O
0
O
0
エッチング
0
0
0
O
腋合 実 饉
ダイシング
いわゆるDRIE(Deep Reacjve lon Etchmg)装 置。最新の
300mm基 板に対応する、フッ素系ガスのICP高 密度プラズマに
よるドライエッチング加工、ボッシュプロセス深掘り加工装置。
カセットツー カセット搬送処理およびプラズマ発光分光検出
機能を付属。機能基板の3次 元集積や、配線の取出しに用い
TSV:ThrOugh SIに on Via)形 成に最適な装置。またナ
る貫通孔〈
ノインプリントの金型の原盤としての加工例も増加しています。
(3)接 合・実装 「チップ/ウ ェファ、ウェファ/ウ ェファ低温接
合装置 (300mm対 応)」
チップ/ウ ェハ接合装置は接合温度 :60-450℃ 、アライメント
精度 :± 0 5μ m、 ウェハ/ウ ェハ接合装置は、陽極接合・プラズ
マ接合が可能で、接合チャンバ内アライメント機能 (ア ライメント
精度 :± 0 5μ m)を 有し、60-250℃ という低温での基板貼り合わ
せが可能で、反りの少ない低応力の接合が実現できます。
1。
。
0
0
0
O
)
(2)エ ッチング「馴深掘ドライエツチング装置 (300mm対 応)」
颯口
0
表l MNOに の代表的な装置 (ウ エファプロセス
写真 1 200 300mmク リーンルームの内部
工0
0
0
0
0
0
0
…
…
(4)内 部 /界 面観察
「XttCr{内 部観察)装 置」
TSVへ の埋め込み金属の状態や、3次 元構造体の内部観察
に適したxttCT顕 微鏡。最高分解能はlμ m。 取込立体画像κAD
図形変換機能を有しディジタル化が容易になつています。
●おわりに
マイクロ/ナ ノ分野において、最先端設備 の共同利用という
形でのオープンイノベーションで、産業の最強化・再強化を推進
すべく、2011年 に発足しましたMNOに について、その目的、機能、
施設概要について述べました。現時点では、操作支援、プロセ
スレシピの拡充、人財育成等が主業務となつていますが、将来
的には技術力・スタッフの拡充により、利用機関との共同研究、
あるいは事業化先導研究・開発機能を整備 していきます。
最先端装置 の共同利用という新しい形で、開発効率、さらに
は事業効率の大幅な向上に寄与し、マイクロ/ナ ノ産業の更な
る発展の一助になれば幸甚です。
なお、MNO!Cの 詳細については、MNOICの HP
http:〃 mnoに la coocan,p/
を、
││●
また、MMCの 調査活動については、MMCの HP
、および、HP上 のリンク
htpプ /WWW mmc.orjp/
「MEMSの 波blog」 を参照して頂ければ幸いです。
内 /■ ●
“
その0'●
表2
MNOに の代表的な装置 (評 価装置
)
26
KAGAWA
21せ そこ源 内 ものづ
(り 塾
NANOFAB PLAttFORM
Fly UP