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建設材料によるCO2削減 ~低炭素・低環境負荷型の建設材 料・建設
建設材料によるCO2削減 ~低炭素・低環境負荷型の建設材 料・建設技術の開発~ 先端材料資源研究センター(iMaRRC) 材料資源研究グループ 渡辺 博志 プロ研「リサイクル資材等による低炭素・低環境 負荷型の建設材料・建設技術の開発」の概要 研究の目的 資源の循環利用等による低炭素型の建設材料・建設技術を開発する 地域資源を活用し環境影響の低減に寄与する低環境負荷型の建設技術を開発 する。 個別課題の内訳 低炭素型セメントの利用技術の開発 高炉スラグ微粉末やフライアッシュの有効活用 低炭素社会を実現する舗装技術の開発および評価技術に関する研究 中温化舗装、低燃費舗装 環境安全性に配慮した建設発生土の有効利用技術に関する研究 自然由来重金属等含有岩石の長期的なハザード評価 建設発生土の環境安全性リスク評価 対策工法 低炭素型セメントの利用技術 • コンクリート構造物の建設に占めるCO2排出 • 高炉スラグ微粉末やフライアッシュを積極的 に活用 施工 19.9% • 構造物の耐久性向上 コンクリート – 耐塩害、耐ASRに有効 • 実用化の鍵は – 耐久性能の確認 – および評価方法 – 設計・施工方法 42.3% その他 9.8 % 鉄筋 16.6% PC綱材 11.4% PC上部工建設時のCO2排出割合 (出典:コンクリート工学2010年9月号) 低炭素型セメント結合材を用いたコンクリートの 耐久性指標の一例 → 遮塩性 28日水中養生 模擬的蒸気養生 早強:フライアッ シュ(80:20) 早強:フライアッ シュ(80:20) 早強:スラグ(30: 70) 早強:スラグ(50: 50) 早強:スラグ(50: 50) 早強(100) 早強(100) 0 0.5 1 1.5 2 0 0.5 1 1.5 2 横軸は、いずれも見掛けの塩化物イオン拡散係数(cm2/年) 小さいほど、塩分浸透しにくくなる。 低炭素型セメント結合材を用いたコンクリートの 耐久性指標の一例 → 中性化 • 普通ポルトランドセメントを用いたコンクリートよりも中性 化の進行は早くなる • 水結合材比を下げ、適切なかぶりを確保 • 促進中性化試験により予測可能 材齢40ヶ月時点での中性化深さ測定結果 早強:フライアッシュ(80:20) 早強:スラグ(30:70) 屋内 早強:スラグ(50:50) 屋外 早強(100) 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 中性化深さ(mm) 低炭素型セメント結合材を用いたコンクリート 設計・施工に関する留意事項 • 初期材齢の温度ひび割れ(自己収縮)のリスクがあるので、 必要に応じて適切なひび割れ制御 • スランプの経時変化に注意。適切な化学混和材 • プレストレス導入時強度が確保できればクリープ係数は同等 クリープ係数 材齢3日載荷 2.0 1.5 1.0 ポルトランドセメント100% 高炉スラグ微粉末30%混合 高炉スラグ微粉末50%混合 フライアッシュ20%混合 0.5 0.0 0 200 400 600 800 載荷持続日数(days) 詳細はiMaRRCホームページの共同研究報告書で https://www.pwri.go.jp/team/imarrc/activity/tech-info.html 低炭素社会を実現する舗装技術 中温化舗装 • アスファルト混合物の製造温度を低減可能な添加材料開発 – ストレートアスファルト:30℃低減 – 改質アスファルト:50℃低減 • 締固め度99.5%を達成 1.0E-01 16 締固め度 16000 99.5 12 14000 99 12000 98.5 10000 98 8000 97.5 6000 97 4000 96.5 2000 96 中温化 (-50℃) 中温化 (-30℃) 通常混合物 中温化混合物 10 8 6 1.0E-02 4 2 95.5 0 曲げ応力(MPa) 14 締固め度(%) 100 曲げひずみ(mm/mm) 動的安定度 100.5 18000 通常 0 -15 -10 -5 0 5 10 試験温度(℃) 15 1.0E-03 -15 -10 -5 0 5 10 試験温度(℃) 中温化舗装によるCO2削減効果試算 • CO2排出量は5.3%~13.8% – 中温化剤に係るCO2排出量増加 – 中温化混合物の製造温度の低減による製造に係る 重油量の減少 90 3.8% 5.3% 13.8% 80 再生骨材の有効活用 により、さらにCO2排出 量削減が可能 70 CO2排出原単位(kg-CO2/t) 動的安定度DS(回/mm) 20000 60 50 40 30 20 10 0 新規混合物 (改質Ⅱ型) 中温化混合物 (従来品) 開発品A 開発品B 15 低炭素社会を実現する舗装技術 低燃費舗装 • タイヤ/路面間の転がり抵抗を小さくすることによって自動 車のCO2排出量を低減(走行燃費を改善) • 適度なきめ深さを確保しつつ、小径骨材を表面に緻密にか つ平滑に並べた路面テクスチャ(ネガティブテクスチャ) テクスチャ波長(m) マイクロテクスチャ ネガティブテクスチャ (negative texture) マクロテクスチャ メガテクスチャ ラフネス すべり抵抗 車外騒音 車内騒音 水煙・水はね 転がり抵抗 ポジティブテクスチャ (positive texture) 車両走行試験による性能の検証 CO2排出量の排水性舗装(13) からの低減率(%) • 低燃費舗装の性能評価方法として、「タイヤ/路面接地応力分布によ る方法」を提案 • 走行速度は、20,40,60,80km/hの4条件 • 排水性舗装に対する、低燃費舗装、低燃費型排水性舗装、密粒舗装 比較 • 転がり抵抗は4.4~7.2%低下、CO2排出量は1.0~3.4%減少 低燃費舗装(5) 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 低燃費型 排水性舗装(5) 密粒(13) 20km/h 40km/h 60km/h 80km/h 低燃費舗装の性能の鍵を握る テクスチャの評価 • 低燃費舗装の性能評価方法として、「タイヤ/路面接地応力分 布による方法」を提案 • ネガティブテクスチャ・ポジティブテクスチャの分類および低転が り抵抗路面の間接評価手法に用いることができる 排水性(13) 低燃費(5) 適度なきめ深さを確保しつつ、骨材を表面に緻 密かつ平滑に並べた路面(ネガティブテクス チャ)を保持し、騒音低減効果もある舗装。 ネガティブテクスチャ路面は、低い接地応 力面積が多く、高い接地応力面積が少な くなり、ポジティブテクスチャ路面では逆に なる(すべり抵抗との相関はない) ご清聴ありがとうございました。