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看板による増患対策 - 川上智也税理士事務所

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看板による増患対策 - 川上智也税理士事務所
歯科医院の看板戦略
看板による増患対策
1 看板の役割と効果
2 エリアやターゲットに応じた「看板戦略」
3 効果のあがる「看板デザイン」
川上智也税理士事務所
歯科医院の看板戦略
看板による増患対策
看板の役割と効果
歯科医院のマーケティング活動にとって、看板は大きな役割を担っています。各医院で
は、競争に打ち勝つためにさまざまなマーケティング活動を行っていますが、最近、来院
患者数アップを目的として、看板を効果的に活用している医院が増加しています。
1│
│「看板」の果たす役割
(1)看板の重要性
増患のための有力なツールとして、看板計画は最初に検討すべき事項です。
■看板が重要な理由
①初診者の約 40%が通りがかり。通行者はまず看板を見て第一印象を決める。
②医療機関選定ポイントで常に上位を占めるのが、「利便性」です。
近隣者へのアプローチは看板が最適。
③看板は、集患ツールの中で、利用期間が長く、費用対効果が高い。
④診療所建物に設置する看板は絶対必要であり、ホームページ告知等の複合的なマーケ
ティングにも活用可能。
⑤対象患者層に合わせたロゴマーク、医院カラー、デザイン、院内写真等を取り入れ、
より効果を高めたアプローチが可能。
⑥テナントビルの場合、雑居ビルの外観でイメージダウンをしている可能性があります。
院内写真やスタッフ写真掲載で、心理的圧迫を払しょく可能。
(2)メディアとしての看板
歯科医院の診療報酬を増やすためには、来院患者数のアップか必要です。そして来院患
者数のアップには「初診患者数」、つまり新規患者数アップが欠かせません。歯科医院にと
って新規患者数アップに最も効果を発揮する主要メディアが「看板」なのです。
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歯科経営情報レポート
歯科医院の看板戦略
看板による増患対策
2│
│看板のもたらす効果
(1)増患のカギ 「看板」
自医院の特徴や地域の特性に合ったサービスを提供し続けることにおいて、いかにして
医院の「売り」をPRしていくかが、新患獲得やリピート率アップに繋げる集患のカギと
言えます。そこで最初に医院のイメージを伝える看板を中心にブランディング化する事で、
集患・集客に繋げる事ができます。
■看板の効果
①費用対効果
内装や外装の工事に比べ、低コストで周囲に与える影響が大きい。
②差別化
歯科業界の看板は、まだまだ医院名だけを告知しただけのものが多く改善の余地があ
り、差別化がしやすい。
③限られた広告媒体の一つ
歯科業界は、量販店等とは違い、バーゲンやクーポン券などを使った告知で集患する
ことが出来ません。だからこそ限られた広告媒体で人を集める必要がある歯科業界にと
って看板は他の業界以上に重要な役割を担っています。
(2)医療法改正により広告規制が暖和
2007 年の医療法改正により、医療に関する広告規制制度が大幅に緩和されました。これ
にともない、ガイドラインに沿った内容であれば、看板の大幅な自由裁量が可能になり、
写真やイラストなどの活用が可能となりました。最近の看板にはこれら、医師の似顔絵や
イラストの色彩を活用した下記のような事例が多くみられます。
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歯科経営情報レポート
歯科医院の看板戦略
看板による増患対策
エリアやターゲットに応じた「看板戦略」
1│
│看板の場所と設置方法を工夫する
(1)看板の活用方法と表現手法
①医院名・業態を知ってもらう
看板の第一の役割は、医院名や業態を知ってもらう事です。歩行者の視点だけでなく、
ドライバーの視点といった通行人の視点を検討することが重要です。
「歯科」というような
業態が判る文字が入っているか、大きくなっているか、認識しやすい彩りか、必要な距離
から読めるか(可読性)、また夜間は認識できるかに注意を払いましょう。
■事例1 医院名・業態を目立たせる
大通りに面し、地下鉄入口横にある歯科医院です。建物に看板規制があり、看板代わり
にガラス面に表示しています。
外部照明を付け明るくし、夜間時にもアピールしています。シャッターにも医院表示を
しています。
②目線と角度
看板の向きはどうでしょうか。反対側の真正面から見えても、通行方向からの視点・目
線から見にくかったら視認性を高める事は難しいでしょう。
通行方向の目線に直角の看板がついているかに注意を払いましょう。
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歯科医院の看板戦略
看板による増患対策
③立地と通行人の流れ
道路付けや公共機関からの流れ、スーパー等からの流れといった通行量を考えましょう。
歩行者、自動車、公共交通機関といった移動の活用方法とその時間帯を考えます。
■事例2 医院に面した交通量の多い道路から目立たせる効果
交通量の多い道路に面した建物の2階で、テナント開業している歯科医院です。
建物規制により袖看板が出せず、医院ガラス面に大きく表示しています。
また、建物外部に歯を表す「ロゴマーク」「エレベーター」「P」といったマーク表示を
しています。歯科医院であることのアピールと、高齢者に対してエレベーター設置による
利便性への理解と、駐車場も完備していることを、一見して判るように簡素化されていま
す。
(正面) 医院ガラス面に大きく表示
(側面) 業態を明確に表すロゴマーク
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歯科医院の看板戦略
看板による増患対策
④野立て看板の活用
すべての医院が良い立地にあるとはいえません。また、狭い診療圏の中で開業している
医院もあります。これを補うのが「野立て看板」です。
通行量の多い道路に設置し、自院へ誘導するようにします。発見されやすい場所に、発
見されやすい内容の看板を設置しましょう。
■事例3 野立て看板
交通量の多い環状線に面した歯科医院です。大きな立て看板を設置し、駐車場があるこ
とを表示して、通りがかりの車両や通行人にアピールしています。看板の大きさで、視認
性を高める効果になっています。
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歯科医院の看板戦略
看板による増患対策
効果のあがる「看板デザイン」
1│
│看板によるイメージアップ戦略
(1)看板のもつイメージアップ効果
歯科医院の看板は、イメージアップに大きな効果をもたらします。
「歯が痛くなってから探す歯科医院」から「一度は診てもらいたい歯科医院」へと魅力を
高めることで、新規患者獲得に大きな効果が期待できます。
■看板で医院のイメージを高めるポイント
①色彩の効果
色彩は、医院のイメージに大きく影響します。
●「ブルーとグリーン」・・・・・・病気を連想させる色
●「ピンクとホワイト」・・・・・・健康さを表現する色
これからの医療機関に求められているのは「健康イメージ」です。
●予防歯科
・・・・・・健康イメージの色
●高級な自費診療・・・・・・健康と高級イメージの色
●審美歯科
・・・・・・おしゃれなサロンイメージの色(女性患者層を対象)
など、ターゲット層に合わせた色の魅力で増患を図ります。
看板の色彩(医院のカラーイメージにもつながる)は、
「医院側の感性ではなくて、通行
人(対象患者層)側の感性で考える」ことが重要です。
②看板の清潔さ
看板のデザインや色合いが良くても、汚れや色あせ、破損していては重大なマイナスイ
メージに直結します。メインテナンスをしっかりとして、常に清潔及び綺麗さを保ちまし
ょう。安心感と最先端の医療イメージを演出する事が重要です。
③明るい照明を設置
人は明るい所から暗い所へ入る時、恐怖心や不安感を抱き、強い心理的な抵抗を起こし
ます。入口周りの暗い歯科医院には、余計に不安感を持ちます。この不安感を取り除くの
が、「照明効果」です。
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歯科医院の看板戦略
看板による増患対策
■明るい照明看板を入口周りに設置する効果
①夜間の視認性を良くする。
②入口周りを明るくする。
③イメージとして明るい雰囲気を出し、安心感を演出する。
■事例4 照明効果を活用した看板
地下鉄入口前及びバス停前に位置している診療所です。夜間診療を行っているため、交
通機関利用客に向けて、電飾看板の他、入口を照らす照明も付けて明るくしています。
④矢印の活用
照明効果とともに、矢印をうまく活用しましょう。ビル内の診療所では上階に位置し、
ビル入口の照明演出が出来ないパターンもあります。判りにくかったり、雑然としていた
り、他のテナントとの差別化が出来ないなど、問題がある医院が多いのです。
「歯科」という業態を明確にし、矢印によって「どこ」にあるかを表現しましょう。矢印
の形状でも誘導効果が変わります。直線で表現、角度を付ける、波線にして変化を付ける、
といった点でも効果が違います。形状にも注意しましょう。
⑤院内の雰囲気・情報を掲載
患者さんは不安感でいっぱいです。安心感を持ってもらえるような表現をしたいのです
が、看板に院内の雰囲気や情報をどう伝えたらよいでしょうか。
全てを掲載する事は、難しいことですが、何を患者さんに伝えたいか、患者さんが求め
るものは何かを考え、表現をしましょう。
例えばスタッフをイラストで表現することも院内の雰囲気をやわらかく表現するのに効
果的です。
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歯科医院の看板戦略
看板による増患対策
■効果的な表現方法
●ゆったりとくつろげる「院内待合室のイメージ」
●親切で頼りがいのある「スタッフの笑顔のイメージ」
●診療への安心感を伝える「快適な治療を受けて微笑んでいるイメージ」
●健康で幸せな家庭を伝える「親子で、思いっきり大きな口を開けて笑っている、幸せ
な生活のイメージ」
●イラストを使ったスタッフ紹介で安心感を伝える
■事例5 イラストによる院内紹介デザイン
院長はじめスタッフをイラストで紹介することで、患者さんの不安感を和らげる効果が
あります。特に若い世代や子供の患者さんには非常に効果的で、ソフトで明るい医院づく
りが伝わります。
○○歯科クリニック 私たちがお手伝いいたします
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歯科医院の看板戦略
看板による増患対策
2│
│自院への吸引率アップ手法
(1)医院のイメージが人を動かす
歯科医院も飽和・成熟の時代になってきています。歯科治療技術、サービスは最低限の
条件であり、その上で「医院のイメージ」を売るという事が大きなポイントになってきて
います。歯科医院のイメージ表現は、患者さんの夢を膨らませるライフスタイルや生活シ
ーンを表現することが大切です。口腔内の健康がいかに生活や家庭、人生を豊かにするか
を表現しましょう。
■表現例
●健康で生き生き
●子供の健康・元気さ
●こぼれるような美しい笑顔
●幸せな家庭生活
若い母親を中心に、子どもが来やすい医院をイメージさせたいのであれば、
「美しい歯で、
子どもと一緒に大きく口を開けて笑っている、幸せいっぱいな親子」の写真等でシチュエ
ーションを表現しましょう。
■事例6 健康的な明るいイメージを強調した看板
医院のガラス面に子供たちが明るい笑顔で大きく口を開けている写真を貼り、健康的な
イメージを表現しています。色合いもオレンジを使用し、明るい医院づくりが伝わるよう
にしています。
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歯科医院の看板戦略
看板による増患対策
(2)若い世代にアピールする文字情報と写真情報
最近のテレビでは、「出演者が話している言葉がテロップで出る。」という手法が多用さ
れています。これは、若い世代の傾向ですが、言葉に対する理解力や推察力が低下してい
るからです。言葉を聞き、瞬時に理解し、言葉の奥にある意味まで推察する能力が低下減
少しているのです。50 歳より下の世代も、ビジュアル世代、テレビ世代ですので、文字や
言葉よりも画像の方が伝わりやすいのです。さらに若年層になると、
「文字情報+写真情報」
を組み合わせて伝える工夫が必要になってきます。
「写真」 + 「文字情報」
これが現在の広告表現に欠かせない条件になってきています。
■事例7 デジタル化表示を利用した看板
地下鉄への循環道路に面している診療所です。袖看板が出せないため、置看板を設置し
ています。置看板も、文字や画像を表示でき、通行人の目を引いています。
夜間も明るく、また、盤面がいろいろ変化するため、通行車両にも認識されます。
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歯科医院の看板戦略
看板による増患対策
(3)様々な要素を工夫して来院者アップへ
患者さんの層を、「年代」「性別」で設定する事があります。色への好みも年代によって
違います。
表現する言葉にも好みがあります。
例として、「○○歯科診療所」「○○歯科医院」「○○歯科クリニック」「○○デンタル」
「○○デンタルクリニック」
「○○デンタルオフィス」といった業態を表現する言葉でもイ
メージが違いますし、年代によってイメージ異なります。
看板に表現するキャッチコピーの言葉や文章、色彩や書体、文字といったデザイン要素
は、対象患者層に合わせた表現を行わないと、来院者アップにはつながりません。
■看板参考事例
(見る人にインパクトを与える事例)
看板の色がくすんでいく様に合わせ、歯の色も変わっていく事を表現しています。見る
方に「何だろう?何を言っているの?」と興味や注意を引く看板になっています。見る方
の想像力をかきたて、注意を引く効果を期待させます。
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歯科医院の看板戦略
看板による増患対策
(目立たない悪い事例)
ガラス面に薄い色合いで医院名が表示されているだけです。袖看板もないため、きちん
と認知されません。
(4)看板戦略の最重要ポイント
看板戦略の最も大きなポイントは、
「見つけてもらうこと」です。歯科医院の数は増加の
一途をたどっています。どこそこにもある歯科医院と看板。いかに発見されるか、目につ
くかを考えなければいけません。
その上で、医療という業種であるため、清潔感や健康をいかに表現するかが問われます。
そのためには、周囲の環境に埋もれないよう特徴と独自性をもたせ、リズム感を演出し
たり、淡く明るい色で統一感を持たせたりすることが必要でしょう。淡く明るい色を使用
することで先生の人柄・明るさ・元気さ・温かさを表現できます。
使用する色にも、前進色や後退色を考え、伝わるイメージを十分検討することが重要で
す。
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