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『愛するということ 愛の習練』精読コンテンツ

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『愛するということ 愛の習練』精読コンテンツ
エーリッヒ・フロムの『愛するということ』精読コンテンツ
人は意識の上では愛されないことを恐れているが、
ほんとうは無意識のなかで、愛することを恐れているのである
By エーリッヒ・フロム
エーリッヒ・フロムの『愛するということ』を原書で精読していく講義を行っています。
サンプルとして 16 回分の講義をアップしています。
エーリッヒ・フロム『愛するということ』第四章原書精読 サンプル版サンプル音声はこちらをクリック
人間を愛するための段階を哲学的に解説した本です。
原書の PDF テキストはこちらをクリック
NHK の『100分 de 名著』でも紹介された亡命ドイツ人精神分析家の著作です。
彼は人を愛するための前提条件として
4 つの条件をあげています。
① 自己規律
②
集中力 ③
忍耐力
④
相手への最高の関心
です。
順を追って説明しましょう。
1、自己規律(ディシプリン)
多くの人は職場では、就業規則や職場の慣習というかたちで、職場でのルールを自己規律としています。
しかし、職場以外の場所で、私たちは自己を律するためのルールを持っていません。
エーリッヒ・フロムは、
『人を愛する』ための条件として、
まず、自己規律(自分へのルール)の大切さを説きます。
なぜ、自己規律が大切なのか?
我々は日々の職場でのストレスから、人は、
「リラックスが一番」となりアフター5や休みの日には、羽目をは
ずしたり、だらだらと過ごしたりしまいがちです。
結果、自己規律のない生活をおくることになります。
しかしそれは一方で、感情的に不安定な、生活でもあります。
職場で我慢して過ごしているからこそ、家庭や交友関係においてはわがままになり、
それが注意されると、逆ギレするという幼稚なメンタリティーは、自己規律のなさから来ています。
自己規律のない人は、わがままになります。
わがままな人が人を愛するというのは、結局はエゴの押し付けになります。
エゴの押し付けが愛だとすれば、それは「愛という名の暴力」かもしれません。
自覚のないまま、愛と誤解した暴力を、人に与えている。それが自己規律のない人です。
② 集中力
「集中力のない人は、ひとりでいられない」
とエーリッヒ・フロムは主張します。
現代人は、ひとりでいることを怖れるあまり、人に依存したり、ペットを飼ったり、
ネットやゲーム、SNS、
(Facebook やツイッター、YouTube)で時間を浪費したりします。
一人でいられることは、人を愛するための条件です。
しかし、一人になると人間は、そわそわして落ち着きがなくなります。
集中力がないというのは、感情的に不安定だということです。
集中力のないまま人を愛せるとしたら、それもやはり
「相手に受け入れてほしい」というエゴの押し付けです。
③ 忍耐力
現代社会には、あらゆる場所に欲望を刺激する仕掛けがあふれています。
テレビやネットの CM のみならず、看板や、折込チラシなど、様々な消費への誘惑が五感を刺激します。
誘惑が多いということは忍耐力が試される社会だということです。
また、早ければ早いほどサービスとして優れているという社会です。
コンビニのレジでも 30 秒待たされればイライラするほど、早さを求めるのが現代人です。
だから、待つことがストレスになっています。
誘惑に流されやすく、欲しいものがすぐに手に入らないとストレスを感じる。
これが習慣としてインストールされているのです。
しかし、
『人を愛する』というのは、忍耐力が必要です。
愛するというのは『愛の技術である』と考えるエーリッヒ・フロムは、
技術の向上には習練が必要であるように、
愛にも、忍耐力を必要とする地道な習練が必要であると主張します。
板前さんが包丁の使い方を習得するように、新入社員が挨拶の仕方を学び、
社会でのコミュニケーションの作法を身につけるように、
「人を愛する」ことも、誰でも自然にできること本能ではなく、
忍耐力を持って習得すべき技術の体系であるはずなのに
多くの人が自分は人を愛しうると、誤解しています。
しかし、技術の習得に必要な忍耐力は、つねに誘惑によって邪魔されるため、
なかなか身につかないのです。
忍耐を持って取り組むと愛する技術を向上させる経験が不足しているため、
「人を愛する」という意志においても挫折が早いのです。
④
最高の関心
人は見た目が9割という本がありましたが、
今の世の中は、見た目で判断して、
見た目(外見)の好みの人にしか関心を示さない現状が
あたりまえの世の中になっています。
それは、逆を考えれば、どう見られるかがかなり重要になっている世の中でもあります。
しかし、どう見られるかには関心があっても、どういう人間でありたいかには関心がないため、
目に見えないもの、とりわけ、自分自身の言動が周囲の人間関係に及ぼす影響への配慮が及びません。
例えば、それは、技術的にうまいけど、歌が聴衆の心に響かない歌手に似ています。
「伝わらない」
のです。
「技術があるのに伝わらない」という、もったいない行き違いによって、
たくさんのチャンスがあるのにかかわらず、その歌手は、関心を持たれません。
なぜなら、歌手も、聴衆である一人ひとりの人格に関心がないからです。
だから、相手(聴衆)との人間関係に絆が生まれません。
なぜそうなるというと、それは、あれは相手(聴衆)の目に見えない部分(心の動き)に関心がないため
小手先の技術のみをやりくりしているからです。
相手に関心があってようやく「愛を伝える」というコミュニケーションは成立します。
相手に無関心なまま生きているというのは、肝心の聴衆を無視しているのと同じことです。
それは、お客のいないステージで歌って、自己満足をおぼえているのと同じことです。
相手に無関心なのに、一方的に愛を押し付けるのは、エゴであり結局は、自己満足です。
以上が、人を愛する能力を身につけるための4つの前提条件です。
ここまではサンプル音声でもご説明していますので、ぜひお聞き下さい。
みなさんは、この条件をみたせていますか?
これに続いて、
『ナルシシズムの克服』
『信念』
『生産性』
『勇気』といったキーワードが
人を愛する条件として解説されていきます。どれも身につまされる内容ばかりです。
そして、
『実現していない他人の可能性を信じる』という究極の愛のかたちが明らかになります。
英文で読むと、欧米人の概念で理解できるので、より理解が深まります。
私も、読書会のメンバーさんと『愛するということ』の原書精読を続けて
翻訳で読んだだけでは見落としていた、いろいろな細かい部分が理解できました。
すでに、音声で公開している、カントやニーチェ、キルケゴールの音声ともつながる内容です。
また小説の登場人物が、どの段階で人を愛する技術を習得しているかが、
わかるようになります。小説の精読にも役に立ちます。
私も実際の読書会で、エーリッヒ・フロムの『愛するということ』を引き合いに出して、
登場人物を解説しています。欧米の文学作品の理解を深める上でも参考になります。
『老人と海』 『いねむり先生』の読書会にて、説明しています。
(青文字をクリックすると読書会のもようをお聴きいただけます)
現在、原文を音声で解説したコンテンツを販売しています。
サンプル音声の続きにあたる原書精読音声
10 回分の音声(1 回 30~50 分程度の音声×10 回)を
ワンセット 4000 円(税込)で販売しています。
第一シリーズ サンプル 16 回分の音声 【無料で聴けます】
第二シリーズ 10 回分の音声 (4000 円)
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です。
10回分の音声を一シリーズとして全四シリーズで、販売中です。
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