...

商品開発のヒント

by user

on
Category: Documents
24

views

Report

Comments

Transcript

商品開発のヒント
商品開発のヒント
農業の6次産業化に取り組む際の生産者の強みを活かした新商品の開発について考えてみま
しょう。近年の消費者ニーズが多様化していることから、生産者にとっては「作れば売れる」
ということでなく、消費者のニーズに対応した商品づくりが求められます。いかに消費者の心
をつかむことができるかが、重要なカギとなります。
1消費者志向で考えてみよう
(1)消費者の視点を持つ
売れ る商 品づく りの ために は、「マー ケテ ィング 」が 重要で す。 マーケ ティ ングとは 、売
れる仕組みを作ることです。具体的には、消費者ニーズ、競合商品、自分の商品を知り「勝
てる市場」を見つけて差別化を図るための戦略づくりをいいます。
ここで 重要 なのは 、「 いかに 売れ るもの をつ くるか 」「 どう すれば 消費者は 満足する のか」
という消費者志向の考え方(マーケット・イン)です。消費者が本当に欲しい商品を消費者
のニーズに合わせて提供することです。ターゲットとなる(にしたい)消費者を具体的に
イメージし、消費者の満足度を高める商品づくりが商品開発の第一歩となります。
消費者志向から関連する商品のカテゴリを整理すると下図のようになります。
消費者の志向
☆安全性
☆簡便性
☆健康維持
☆天然物への愛着
☆手作り
☆保存性
☆新鮮
☆こだわり
☆面白い・楽しい
☆ハイセンス
ニーズに応える商品
商品開発
◎簡便商品
新商品
◎健康安全商品
既存商品改良
◎ハイセンス商品
◎贈答用商品
(2)自己分析
戦略を立てる前に自分の商品を整理してみましょう。
☆ 自分の商品の強みは何か?(資産・ヒト)
☆ 自分の商品の弱みは何か?
☆ 自分の商品を取り巻く環境はどうなっているか?
2商品開発のポイント
それでは、具体的に商品開発のポイントをいくつかを紹介します。
(1)マーケティングリサーチ
新しい商品の生産・販売に至るまでは、調査に基づき商品の特性やコンセプトを作ってい
きます。マーケット・インの商品開発をするためには、消費者がどんなニーズを持っている
か把握することから始まり、テスト販売における商品の評価アンケートまで調査活動を行い
ます。調査手法として、グループインタビュー、キーニーズ法、SWOT分析等があります。
-1-
(2)商品コンセプトづくり
商品開発をするとき、いきなり製造にはいるのではなく、開発したい商品のコンセプトづ
くりを 行い ます。 コン セプト とは、「 基本的 な考え 方」 です。 消費 者に何 をア ピールし たい
のか、他社の商品との違いは何なのか、何がウリなのかを明確にする作業です。
「本物志向」
「健康志向」
「手作り志向」
「ふるさと志向」等多様化する消費者ニーズをとらえ、
アイディアを出しながらコンセプトをまとめていきます。
さらに、現在のトレンドとなるキーワードも考慮しながら考えるとなおよいでしょう。
また、ターゲットとなる消費者とその商品が伝えたいストーリーを考えながら、具体的な
商品をつくっていきます。
☆ターゲット(あなたがこの商品を売りたい人はどんな人?)
性別・年齢・職業・家族構成・住んでいる地域・どんな毎日を送っているか等
☆コンセプト
*ふるさとの香り漂う素朴な商品
*素朴さを活かした手作りの暖かさを伝えたい
*伝統の味を伝えたい
*安心・安全な商品を届けたい等
例えば・・・・
◎ターゲット
30代前半の子育て世代の女性(幼稚園・保育園のママ友ネットワークがある人)
◎コンセプト
大地からの贈り物~自然・無添加の手作りおやつ~(○○アレルギー対応)
(3)ネーミング
どんな商品か消費者に伝える重要な作業です。
よいネーミングとは、①読みやすい、②聞きやすい、③書きやすい、④言いやすい
⑤覚えやすい ことが望ましいといえます。
(4)「おいしい」と感じる言葉
ネー ミ ング に関 連し て、 PR のた めの キャ ッチ コピ ーや フレ ーズに 「お いしい 」と 感じる
言葉を活用してはいかがでしょうか。
「おいしい」と感じる言葉のトレンドは、近年、味覚系から食感系に変化しているといいま
す。全国の15~59歳の男女を対象としたインターネット調査によれば、最も多くの人がおい
しいを感じる言葉は、「ジューシー」「もちもち」次いで「もっちり」となっています。
次いで、「とろける」や「とろーり」等も続いています。
また 、「焼 きた て 」「 炊 きた て 」「 で きた て 」等 ,「~ た て」 で終 わる 言葉 がお いし いを 感じ
る言 葉と して あげ られ てお り、 収穫 か ら消 費ま での 全プ ロセ スの 時間 短縮 、フレ ッシ ュでで
きたてを提供して欲しい消費者ニーズが現れているといえます。
「季節限定」、「産地 直送」、「旬」、「 新鮮」等の生産 者の強みを効 果的に活用す ることも一つ
の方 法で す。
( 参 考 書 籍 :「 お い し い 」 感 覚 と 言 葉 ・ 食 感 の 世 代 大 橋 正 房 + シ ズ ル 研 究 会 )
その他、商品開発には、販売計画や生産計画の樹立、加工技術確立など販売に至るまでの
プロセスがあります。詳細については最寄りの普及指導センターへお問い合わせください。
【経営普及課
-2-
農業革新支援担当
河内
由紀子】
Fly UP